(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20231031BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231031BHJP
G01K 1/08 20210101ALI20231031BHJP
G01K 1/16 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 610D
G01K1/08 Z
G01K1/16
(21)【出願番号】P 2019220180
(22)【出願日】2019-12-05
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】高見澤 駿
(72)【発明者】
【氏名】山根 茂樹
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-191953(JP,A)
【文献】特開2012-227038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
G01K 1/08
G01K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーと、
前記バスバーを保持するフレームと、
前記バスバーの温度を検知する温度検知部材と、
を備え、
前記温度検知部材は、温度検知可能な検知本体部と、前記検知本体部から延びる配線部とを含み、1つ以上の保持部に保持されており、
前記フレームは前記バスバーのうち前記温度検知部材による検知対象部分を含む少なくとも一部の周囲を囲う枠部と前記1つ以上の保持部のうち少なくとも1つの保持部とを含む形状に一体成形され、
前記1つ以上の保持部のうち前記少なくとも1つの保持部は、前記枠部の内側に位置するように設けられて
おり、
前記1つ以上の保持部は、前記配線部の中間部分をそれぞれ異なる位置で保持する第1中間保持部と第2中間保持部とを含み、
前記第1中間保持部には前記枠部から突出するリブを横切る第1溝が形成されており、
前記第2中間保持部には前記リブに平行な第2溝が形成されており、
前記第2溝が前記第1溝よりも長尺に形成され、
前記第1溝及び前記第2溝それぞれに前記配線部の中間部分が収容されている、電気接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱であって、
前記1つ以上の保持部は、前記配線部のうち前記検知本体部につながる基端部を保持する基端部分保持部を含む、電気接続箱。
【請求項3】
請求項2に記載の電気接続箱であって、
前記温度検知部材は、前記検知本体部と前記バスバーとを熱的に接続する熱接続部材をさらに含み、
前記1つ以上の保持部は、前記熱接続部材と前記バスバーとが熱的に接続された部分を保持する接続部分保持部を含む、電気接続箱。
【請求項4】
請求項3に記載の電気接続箱であって、
前記熱接続部材及び前記バスバーのそれぞれに孔が形成され、
前記熱接続部材及び前記バスバーは、前記孔を用いてボルト及びナットにより固定され、
前記接続部分保持部は前記バスバーを支持する支持面を有し、
前記支持面に凹部が形成され、
前記凹部に前記ナットが収まっている、電気接続箱。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の電気接続箱であって、
前記基端部分保持部の保持力よりも前記接続部分保持部の保持力が大きい、電気接続箱。
【請求項6】
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電気接続箱であって、
前記熱接続部材は前記接続部分保持部において前記バスバーの上面に支持され、前記基端部分保持部において、前記基端部分保持部の支持面に支持され、
前記接続部分保持部における前記バスバーの上面の高さよりも前記基端部分保持部の支持面の高さが低い、電気接続箱。
【請求項7】
請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の電気接続箱であって、
前記1つ以上の保持部は、前記配線部の中間部分を保持する基端側中間保持部を含み、
前記基端側中間保持部は、前記配線部の延びる方向に沿って前記基端部から先端部に向かう順に前記基端部分保持部の次の位置に設けられて、
前記基端側中間保持部における保持力は、前記基端部分保持部の保持力及び前記接続部分保持部の保持力よりも弱い、電気接続箱。
【請求項8】
請求項
1から請求項7のいずれか1項に記載の電気接続箱であって、
前記第2中間保持部には、前記第2溝の開口部の縁部から突出して前記開口部を塞ぐ抜止片が設けられている、電気接続箱。
【請求項9】
請求項
1から請求項8のいずれか1項に記載の電気接続箱であって、
前記第1溝と前記第2溝とは相互に反対向きに開口している、電気接続箱。
【請求項10】
請求項
1から請求項9のいずれか1項に記載の電気接続箱であって、
前記配線部の先端部が電気的に接続される回路基板をさらに備え、
前記フレームは、前記バスバーを支持する第1フレームと、前記回路基板を支持すると共に前記バスバーを前記第1フレームに向けて押さえる第2フレームとを含み、
前記第2フレームにおける前記枠部の内側に前記回路基板を位置決めする位置決め突起が形成され、
前記第1溝が形成されている前記リブが、前記位置決め突起が形成される回路基板支持部から延長している、電気接続箱。
【請求項11】
請求項
10に記載の電気接続箱であって、
前記第1中間保持部における保持力は、前記配線部と前記回路基板との電気的接続部分における前記配線部の保持力よりも弱い、電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、サーミスタ配線固定クリップを用いてサーミスタの配線をステータコアに固定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、サーミスタ配線固定クリップの分だけ、部品点数が増加する。
【0005】
そこで、なるべく部品点数を増やさずに温度検知部材を保持することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電気接続箱は、バスバーと、前記バスバーを保持するフレームと、前記バスバーの温度を検知する温度検知部材と、を備え、前記温度検知部材は、温度検知可能な検知本体部と、前記検知本体部から延びる配線部とを含み、1つ以上の保持部に保持されており、前記フレームは前記バスバーのうち前記温度検知部材による検知対象部分を含む少なくとも一部の周囲を囲う枠部と前記1つ以上の保持部のうち少なくとも1つの保持部とを含む形状に一体成形され、前記1つ以上の保持部のうち前記少なくとも1つの保持部は、前記枠部の内側に位置するように設けられている、電気接続箱である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、なるべく部品点数を増やさずに温度検知部材を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態1にかかる電気接続箱を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は実施形態1にかかる電気接続箱を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は実施形態1にかかる電気接続箱を示す平面図である。
【
図4】
図4は
図3におけるIV-IV線に沿った概略断面図である。
【
図5】
図5は実施形態2にかかる電気接続箱を示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は実施形態2にかかる電気接続箱を示す平面図である。
【
図7】
図7は実施形態2にかかる電気接続箱を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の電気接続箱は、次の通りである。
【0011】
(1)バスバーと、前記バスバーを保持するフレームと、前記バスバーの温度を検知する温度検知部材と、を備え、前記温度検知部材は、温度検知可能な検知本体部と、前記検知本体部から延びる配線部とを含み、1つ以上の保持部に保持されており、前記フレームは前記バスバーのうち前記温度検知部材による検知対象部分を含む少なくとも一部の周囲を囲う枠部と前記1つ以上の保持部のうち少なくとも1つの保持部とを含む形状に一体成形され、前記1つ以上の保持部のうち前記少なくとも1つの保持部は、前記枠部の内側に位置するように設けられている、電気接続箱である。バスバーを保持するフレームに、温度検知部材を保持する保持部が一体成形されているため、なるべく部品点数を増やさずに温度検知部材を保持することが可能となる。
【0012】
(2)前記1つ以上の保持部は、前記配線部のうち前記検知本体部につながる基端部を保持する基端部分保持部を含んでもよい。これにより、基端部分保持部に近い検知本体部が安定する。
【0013】
(3)前記温度検知部材は、前記検知本体部と前記バスバーとを熱的に接続する熱接続部材をさらに含み、前記1つ以上の保持部は、前記熱接続部材と前記バスバーとが熱的に接続された部分を保持する接続部分保持部を含んでもよい。これにより、さらに熱接続部分が保持される。
【0014】
(4)前記熱接続部材及び前記バスバーのそれぞれに孔が形成され、前記熱接続部材及び前記バスバーは、前記孔を用いてボルト及びナットにより固定され、前記接続部分保持部は前記バスバーを支持する支持面を有し、前記支持面に凹部が形成され、前記凹部に前記ナットが収まっていてもよい。これにより、接続部分保持部は、ナットを保持することができる。
【0015】
(5)前記基端部分保持部の保持力よりも前記接続部分保持部の保持力が大きくてもよい。接続部分保持部よりも基端部分保持部ががたつきやすくなり、接続部分保持部に応力がかかりにくくなる。
【0016】
(6)前記熱接続部材は前記接続部分保持部において前記バスバーの上面に支持され、前記基端部分保持部において、前記基端部分保持部の支持面に支持され、前記接続部分保持部における前記バスバーの上面の高さよりも前記基端部分保持部の支持面の高さが低くてもよい。これにより、バスバー及び熱接続部材が、接続部分において面接触しやすくなる。
【0017】
(7)前記1つ以上の保持部は、前記配線部の中間部分を保持する基端側中間保持部を含み、前記基端側中間保持部は、前記配線部の延びる方向に沿って前記基端部から先端部に向かう順に前記基端部分保持部の次の位置に設けられて、前記基端側中間保持部における保持力は、前記基端部分保持部の保持力及び前記接続部分保持部の保持力よりも弱くてもよい。これにより、接続部分保持部及び基端部分保持部よりも基端側中間保持部ががたつきやすくなり、基端部分保持部及び接続部分保持部に応力がかかりにくくなる。
【0018】
(8)前記1つ以上の保持部は、前記配線部の中間部分をそれぞれ異なる位置で保持する第1中間保持部と第2中間保持部とを含み、前記第1中間保持部には前記枠部から突出するリブを横切る第1溝が形成されており、前記第2中間保持部には前記リブに平行な第2溝が形成されており、前記第2溝が前記第1溝よりも長尺に形成され、前記第1溝及び前記第2溝それぞれに前記配線部の中間部分が収容されていてもよい。これにより、第2中間保持部において配線部の余長が吸収される。
【0019】
(9)前記第2中間保持部には、前記第2溝の開口部の縁部から突出して前記開口部を塞ぐ抜止片が設けられていてもよい。これにより、第1溝よりも長尺な第2溝から配線部が抜けることが抑制される。
【0020】
(10)前記第1溝と前記第2溝とは相互に反対向きに開口していてもよい。これにより、第1中間保持部と第2中間保持部において相互に反対側から配線部が保持される。
【0021】
(11)前記配線部の先端部が電気的に接続される回路基板をさらに備え、前記フレームは、前記バスバーを支持する第1フレームと、前記回路基板を支持すると共に前記バスバーを前記第1フレームに向けて押さえる第2フレームとを含み、前記第2フレームにおける前記枠部の内側に前記回路基板を位置決めする位置決め突起が形成され、前記第1溝が形成されている前記リブが、前記位置決め突起が形成される回路基板支持部から延長していてもよい。これにより、位置決め突起に近い位置において配線部が保持される。
【0022】
(12)前記第1中間保持部における保持力は、前記配線部と前記回路基板との電気的接続部分における前記配線部の保持力よりも弱くてもよい。電気的接続部分に応力がかかりにくくなる。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の電気接続箱の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる電気接続箱について説明する。
図1は実施形態1にかかる電気接続箱10を示す分解斜視図である。
図2は実施形態1にかかる電気接続箱10を示す分解斜視図である。
図3は実施形態1にかかる電気接続箱10を示す平面図である。
図4は
図3におけるIV-IV線に沿った概略断面図である。
【0025】
電気接続箱10は車載される。電気接続箱10は、電源(例えばメインバッテリ)と第1負荷(例えばヘッドランプ又はワイパ)とを接続する電気回路の中途に設けられる。電源には、第2負荷(例えばスタータ)が直接的に接続されている。電気接続箱10は、電源から第2負荷に大きな電流が流れる場合に電源と第1負荷との接続を遮断することによって、第1負荷を大きな電流の悪影響から保護する。具体的には電気接続箱10は、バスバー20とフレーム30と温度検知部材50とを備える。電気接続箱10は、スイッチング素子60と回路基板70とカバー80と放熱部材82と介在部材84とをさらに備える。ここではスイッチング素子60として複数の電界効果トランジスタ(FET:Field effect transistor)が設けられている。ここでは放熱部材82上にフレーム30が載置される。以下では、放熱部材82上にフレーム30が載置される方向(
図1における上下方向)を上下方向と称する。電気接続箱10が車載された状態で上下方向が鉛直方向と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0026】
バスバー20は複数の電界効果トランジスタ60に接続されている。バスバー20は第1バスバー21、第2バスバー25及び第3バスバー28を含む。第1バスバー21、第2バスバー25及び第3バスバー28は相互に絶縁されている。電界効果トランジスタ60は、ドレイン端子62、ソース端子63、及びゲート端子64を含む。第1バスバー21はドレイン端子62に電気的に接続されている。第2バスバー25はソース端子63に電気的に接続されている。第3バスバー28はゲート端子64に電気的に接続されている。
【0027】
具体的には、第1バスバー21は金属板などの導体板が曲がった形状に形成される。第1バスバー21は、枠内収容部22と外方延出部23とを含む。枠内収容部22は、後述する枠部32、41に囲まれる部分である。枠内収容部22は、載置部分22aと検知対象部分22bとを含む。載置部分22aには、電界効果トランジスタ60の本体61が載置される。電界効果トランジスタ60の本体61の下部にドレイン端子62が設けられている。第1バスバー21は載置部分22aにおいて複数のドレイン端子62と電気的に接続されている。検知対象部分22bは温度検知部材50と接触する。検知対象部分22bは載置部分22aよりも上方に位置する。検知対象部分22bは立ち上がり部分を介して載置部分22aと連なる。検知対象部分22bには、貫通孔22hが形成される。外方延出部23は、枠部32、41の外方に延出する部分である。外方延出部23は後述する外部接続部39において外部導体と電気的に接続される。外方延出部23は載置部分22a及び検知対象部分22bよりも上方に位置する。外方延出部23は、立ち上がり部を介して載置部分22aと連なる。外方延出部23にはスタッドボルトSBを通すための挿通孔23hが形成されている。
【0028】
第2バスバー25は板状の導体が曲がった形状に形成される。第2バスバー25は、枠内収容部26と外方延出部27とを含む。枠内収容部26は、枠部32、41に囲まれる部分である。枠内収容部26の一部には、ソース端子63が載置される。第2バスバー25は枠内収容部26において複数のソース端子63と電気的に接続されている。外方延出部27は、枠部32、41の外方に延出する部分である。外方延出部27は外部接続部39において外部導体と電気的に接続される。外方延出部27は枠内収容部26よりも上方に位置する。外方延出部27は、立ち上がり部を介して枠内収容部26と連なる。外方延出部27にはスタッドボルトSBを通すための挿通孔27hが形成されている。
【0029】
第3バスバー28は、棒状に形成される。第3バスバー28は電界効果トランジスタ60と回路基板70とを接続する。第3バスバー28は電界効果トランジスタ60の数に応じた数が設けられる。第3バスバー28の一端部はゲート端子64に接続される。第3バスバー28の他端部は回路基板70に接続される。なおゲート端子64と回路基板70とを接続する部材として、第3バスバー28に替えて被覆電線などの柔軟な電線が採用されてもよい。
【0030】
フレーム30は、バスバー20を保持する。フレーム30は第1フレーム31と第2フレーム40とを含む。フレーム30は例えば樹脂などの絶縁材料によって形成される。
【0031】
第1フレーム31はバスバー20を支持する。第1フレーム31は枠部32とバスバー支持部33と接続部分保持部38とを含む。第1フレーム31は枠部32とバスバー支持部33と接続部分保持部38とを含む形状に一体成形された一体成形品である。
【0032】
枠部32は、上下に開口する筒状に形成される。枠部32は、バスバー20のうち温度検知部材50による検知対象部分22bを含む少なくとも一部の周囲を囲う。ここでは枠部32は、枠内収容部22、26の周囲を囲う。枠部32の内側にバスバー支持部33が設けられている。
【0033】
バスバー支持部33は、仕切部34と第1バスバー支持部35及び第2バスバー支持部36とを含む。仕切部34は第1バスバー21及び第2バスバー25が短絡しないように、第1バスバー21及び第2バスバー25の間を仕切っている。第1バスバー支持部35及び第2バスバー支持部36は、仕切部34及び枠部32の縁から内向きに突出する。第1バスバー支持部35及び第2バスバー支持部36は、仕切部34よりも薄肉状に形成される。第1バスバー支持部35及び第2バスバー支持部36は、仕切部34及び枠部32の下面側から突出する。第1バスバー支持部35は仕切部34から片持ち状に突出し、第1バスバー21の縁を支持する。第2バスバー支持部36の一部は仕切部34から片持ち状に突出し、第2バスバー25の縁を支持する。第2バスバー支持部36の他の一部は仕切部34と枠部32とをつなぎ、第2バスバー25の一部の領域において幅方向に沿った全体を支持する。第1バスバー21及び第2バスバー25が第1バスバー支持部35及び第2バスバー支持部36に支持された状態で、検知対象部分22bを除く枠内収容部22、26の上面は、仕切部34の上面と同程度の高さに位置する。
【0034】
バスバー支持部33は、第3バスバー支持部37をさらに含む。第3バスバー支持部37は第3バスバー28が第1バスバー21及び第2バスバー25と短絡しないように支持している。第3バスバー支持部37は仕切部34の隣に形成されている。第3バスバー支持部37は仕切部34と同じ高さに形成されている。第2バスバー25において各ソース端子63と接続される部分が櫛歯状に設けられている。第3バスバー支持部37は櫛歯の間に位置するように複数設けられる。複数の第3バスバー支持部37とこれらをつなぐ仕切部34とが形成された部分も櫛歯状を呈している。各第3バスバー支持部37に第3バスバー28が個別に支持される。
【0035】
接続部分保持部38は、第1バスバー21と温度検知部材50とが熱的に接続された部分を保持する。接続部分保持部38は、支持面38aを有する。支持面38aは第1バスバー21の検知対象部分22bを支持する。支持面38aには凹部38bが形成されている。凹部38bにナットNが収まっている。例えば凹部38bはナットNよりも小さく形成されて、ナットNは凹部38bに圧入されてもよい。凹部38bはナットNと同じかそれよりも大きく形成されて、ナットNが圧入されずに収められてもよい。支持面38aは仕切部34の上面よりも高く形成されている。
【0036】
第1フレーム31には、外部接続部39が設けられている。ここでは外部導体との接続用に2つのスタッドボルトSBが設けられている。第1フレーム31には、外部接続部39として2つのスタッドボルト装着部が形成されている。第1フレーム31は、2つのスタッドボルト装着部も含む形状に一体成形されている。第1フレーム31の成型後に、各スタッドボルト装着部にスタッドボルトSBが装着される。スタッドボルトSBは、各スタッドボルト装着部に着脱可能である。第1フレーム31が成形される際、スタッドボルトSBはインサート部品とされてもよい。
【0037】
第1バスバー21は、外方延出部23によって2つのスタッドボルトSBの一方に取付けられる。第2バスバー25は、外方延出部27によって2つのスタッドボルトSBの他方に取り付けられる。第1バスバー21及び第2バスバー25の一方に外部導線を介して電源が接続される。第1バスバー21及び第2バスバー25の他方に外部導線を介して第1負荷が接続される。例えば外部導線の端部には、端子が設けられる。端子には、スタッドボルトSBが通されるスタッドボルト挿通部が形成される。第1バスバー21又は第2バスバー25と端子とにスタッドボルトSBが通された状態で、スタッドボルトSBにナットNが締められることによって、第1バスバー21又は第2バスバー25と端子とが接触した状態に維持され、第1バスバー21、第2バスバー25と外部導線とが接続される。
【0038】
第2フレーム40は第1バスバー21及び第2バスバー25を第1フレーム31に向けて押圧する。第2フレーム40は回路基板70を支持する。第2フレーム40は枠部41と基端部分保持部45とを含む。第2フレーム40は枠部41と基端部分保持部45とを含む形状に一体成形された一体成形品である。
【0039】
枠部41は、上下に開口する筒状に形成される。枠部41は、枠内収容部22、26の周囲を囲う。また枠部41は回路基板70を囲う。枠部41の内側には回路基板支持部42及びリブ44が設けられている。
【0040】
回路基板支持部42は、ここでは4つ設けられている。4つの回路基板支持部42のうち1つ回路基板支持部42の座面には位置決め突起43が設けられている。当該位置決め突起43は回路基板70に形成された位置決め孔71に収まる。これにより、回路基板70が第2フレーム40に位置決めされる。4つの回路基板支持部42のうち残りの3つの回路基板支持部42の座面にはねじ穴42hが形成されている。回路基板70が位置決め突起43によって位置決めされつつ、4つの回路基板支持部42の座面に回路基板70が支持された状態で、ねじ穴42h及び回路基板70のねじ挿通孔72にねじが締められることによって、回路基板70が第2フレーム40に固定される。
【0041】
リブ44は、ここでは5つ設けられている。リブ44は回路基板支持部42よりも低く形成されている。リブ44A、44Bは、枠部41の内面同士をつなぐ。リブ44A、44Bは、相互に交差(ここでは直交)している。リブ44Aは載置部分22aのうち本体61が載置されている部分と検知対象部分22bとの間を横断している。リブ44Bは、2つの回路基板支持部42同士をつなぐ。当該2つの回路基板支持部42のうち1つは位置決め突起43が形成された回路基板支持部42である。リブ44Cは、リブ44Aと枠部41の内面とをつなぐ。リブ44Dは、リブ44Aと1つの回路基板支持部42とをつなぐ。リブ44C、44Dは、リブ44Bと平行に延びる。リブ44Eは、リブ44Bと枠部41の内面とをつなぐ。リブ44Eは、リブ44Aと平行に延びる。各リブ44は第1バスバー21及び第2バスバー25を第1フレーム31に向けて押圧する。
【0042】
リブ44Cに基端部分保持部45が設けられている。基端部分保持部45は、配線部54のうち検知本体部52につながる基端部を保持する。具体的にリブ44Cの上面に溝45aが形成される。溝45aは上方に開口する。溝45aはリブ44Cを横断するように形成される。溝45aに配線部54の基端部が収められる。溝45aの底面が配線部54の基端部の支持面とされる。溝45aの両側面が基端部を両側方から押さえる。溝45aの幅寸法が配線部54の基端部の幅寸法よりも大きく設定されて、基端部は溝45aにおいて接着剤による保持がなされてもよいし、溝45aの幅寸法が配線部54の基端部の幅寸法と同じかそれよりも小さく設定されて、溝45aに配線部54の基端部が圧入されてもよい。
【0043】
第2フレーム40には窓部46が形成されている。窓部46は枠部41の隣に形成されている。窓部46は、外方延出部23、27及びスタッドボルトSBを露出させる。窓部46の周縁は外方延出部23、27の外縁部を押さえる。
【0044】
温度検知部材50は、バスバー20の温度を検知する。ここでは、スイッチング素子60の温度を検知するために、温度検知部材50は、バスバー20の温度を検知する。温度検知部材50は第1バスバー21の温度を検知する。温度検知部材50による温度の検知結果は、制御素子に与えられる。制御素子は、スイッチング素子60の温度(即ち温度検知部材50が検知した温度)が所定の上限温度を上回った場合に、全てのスイッチング素子60をオフに切り替える。所定の上限温度とは、過熱時のスイッチング素子60の温度より低い温度である。即ち、制御素子は、スイッチング素子60を過熱から保護する。スイッチング素子60の温度に基づいてスイッチング素子60をオフに切り替えた場合、制御素子は、少なくともスイッチング素子60の温度が所定の安全温度を下回るまでは、スイッチング素子60をオフのままにしておく。所定の安全温度とは、所定の上限温度よりも十分に低い温度である。
【0045】
温度検知部材50は、検知本体部52と配線部54と熱接続部材56とを含む。温度検知部材50は、1つ以上の保持部38、45に保持されている。
【0046】
検知本体部52は検知対象の温度を検知可能に設けられている。検知本体部52は、感温素子本体と、感温素子本体から引き出される一対のリード線とを有する。例えば、感温素子本体は温度によって抵抗値が変化するサーミスタなどである。
【0047】
配線部54は検知本体部52から延びる。配線部54の基端部(一端部)が検知本体部52に電気的に接続されている。配線部54の先端部(他端部)は回路基板70に電気的に接続されている。配線部54は例えば一対の絶縁電線である。一対の絶縁電線と一対のリード線とが接続される。配線部54の基端部には保護部材55が設けられる。保護部材55は例えばモールド樹脂部又は硬化した接着剤である。保護部材55は保護チューブなどであってもよい。当該保護部材55が設けられた部分が基端部分保持部45に保持されている。なお配線部54の基端部は少なくとも検知本体部52に接続される部分から基端部分保持部45に保持されている部分までを言う。配線部54の先端部は少なくとも回路基板70に接続される部分を言う。
【0048】
熱接続部材56は、検知本体部52とバスバー20とを熱的に接続する。接続部分保持部38は、熱接続部材56とバスバー20とが熱的に接続された部分を保持する。熱接続部材56は固定部57と装着部58とを含む。熱接続部材56は1つの板材が曲がった形状に形成されて、固定部57と装着部58とを含む形状とされている。熱接続部材56はラグ端子などとも呼ばれる。熱接続部材56は熱伝導性の良い材料によって形成されている。熱接続部材56はアルミニウム又は銅などの金属製である。熱接続部材56は熱伝導性を有する部材であればよく、ラグ端子以外の端子であってもよい。
【0049】
固定部57は一方に長い板状に形成される。固定部57には貫通孔57hが形成される。固定部57は第1バスバー21に支持される。貫通孔57hにボルトBが通される。貫通孔22h、57hを通るボルトBがナットNに固定される。熱接続部材56及びバスバー20は、貫通孔22h、57hを用いてボルトB及びナットNにより固定される。固定部57から装着部58が延出している。
【0050】
装着部58は延出片58aと固定片58b、58cとを含む。延出片58aは固定部57から延出する。延出片
58aに検知本体部52が載置される。延出片58aは基端部分保持部45の支持面45bに支持される。固定片58b、58cは、延出片58aの長手方向に沿って間隔をあけて設けられる。固定片58bは固定片58cよりも固定部57に近い位置に設けられる。固定片58bは延出片58aの側縁から立ち上がるように一対設けられる。固定片58bは検知本体部52を包囲する。固定片58bは検知本体部52の周囲にかしめ圧着される。固定片58cは延出片58aの先端部に設けられる。固定片58cは延出片58aの両側縁から立ち上がるように一対設けられる。固定片58cは配線部54を包囲する。固定片58cは配線部54の周囲にかしめ圧着される。ここでは固定片58cは保護部材55の周囲にかしめ圧着される。固定片58cが設けられた部分が基端部分保持部45に保持されている。なお、
図1及び
図2では固定片58cは省略されている。
【0051】
熱接続部材56は接続部分保持部38において第1バスバー21の上面に支持される。ここでは固定部57が検知対象部分22bの上面に支持される。熱接続部材56は基端部分保持部45において基端部分保持部45の支持面45bに支持される。支持面45bは溝45aの底部である。ここでは延出片58aが支持面45bに支持される。図4に示すように接続部分保持部38における第1バスバー21の上面の高さよりも基端部分保持部45の支持面45bの高さが低い。これにより熱接続部材56が第1バスバー21と面接触しやすくなり、良好な熱伝導性が得られやすくなる。
【0052】
なお
図4には熱接続部材56が支持面45bから浮いた状態が示されている。例えばこの浮いた部分には、熱接続部材56の固定も兼ねて接着剤が設けられる。従って、熱接続部材56は接着剤を介して支持面45bに支持される。熱接続部材56は延出片58aの途中で曲がるなどして、支持面45bと直接接触して支持されていてもよい。また熱接続部材56は支持面45bから浮いたままの場合もあり得る。
【0053】
温度検知部材50は、接続部分保持部38においてボルトB及びナットNによる保持がなされる。温度検知部材50は、基端部分保持部45において接着剤による保持、または圧入による保持がなされる。かかる接着剤は保持力がボルト及びナットによる保持力よりも弱いものが採用される。かかる圧入においては圧入による保持力がボルト及びナットによる保持力よりも弱くなるように基端部分保持部45の幅寸法が設定される。これにより、基端部分保持部45の保持力よりも接続部分保持部38の保持力が大きい。ここで保持力とは、保持部38、45に保持された状態の温度検知部材50を前後、左右、上下などに動かすのに必要な力を言う。
【0054】
スイッチング素子60は、第1バスバー21と第2バスバー25とのオンオフを切り替える。すなわちスイッチング素子60がオンであるときに第1バスバー21と第2バスバー25とが接続される。これにより、電源からスイッチング素子60を通して第1負荷へ電流が流れる。スイッチング素子60がオフであるときに第1バスバー21と第2バスバー25との接続が切断される。このとき、電源と第1負荷との接続が切断される。なお電源と第1負荷との接続が切断されている場合、第1負荷は、第1負荷に直接的に接続されている補助電源(例えばサブバッテリ)から給電される。なおスイッチング素子60は電界効果トランジスタ60に限定されない。またスイッチング素子60の数も5つでなくともよく、少なくとも1つ設けられていればよい。
【0055】
回路基板70は、スイッチング素子60を制御する制御基板である。回路基板70には、上記制御素子(図示省略)が実装される。制御素子は、例えば回路基板70における回路及び第3バスバー28を介してゲート端子64と電気的に接続される。制御素子は、例えばマイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit)である。制御素子には例えばコネクタが接続される。コネクタは回路基板70の周縁部に設けられる。制御素子には、コネクタに接続された信号線を介して、電気接続箱10の外部から制御信号が入力される。制御素子は、入力された制御信号に応じて、各スイッチング素子60のオンオフを切り替える。例えばスタータが作動を開始することを示す制御信号が入力された場合、制御素子は、全てのスイッチング素子60をオフに切り替える。スタータによるエンジンの始動後、制御素子は、全てのスイッチング素子60をオンに切り替える。
【0056】
回路基板70には、位置決め突起43を通すための位置決め孔71が形成されている。位置決め孔71は位置決め突起43と同じかそれよりも大きく形成されていてもよい。回路基板70にはねじ穴42hに対応する位置にねじ挿通孔72が形成されている。ねじ挿通孔72は位置決め孔71と同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。位置決め孔71の大きさとねじ挿通孔72の大きさとが異なっていると、位置決め孔71とねじ挿通孔72とが区別されやすくなる。ここではねじ挿通孔72は位置決め孔71よりも大きく形成されている。回路基板70にはスルーホール73、74が形成されている。スルーホール73には配線部54の他端部が接続される。スルーホール74にはゲート端子64の他端部が接続される。例えば配線部54の他端部及びゲート端子64の他端部はスルーホール73、74に通されてはんだによって電気的に接続されつつ固定される。
【0057】
カバー80はフレーム30の上側の開口を閉塞する。カバー80は枠部41の上側の開口を閉塞する。カバー80は例えば樹脂などの絶縁材料あるいは金属材料によって形成される。例えばカバー80と枠部41とは係止突起を用いた引っ掛かり構造によって係止し、外嵌めされる。ねじ止めによる固定でもよい。
【0058】
放熱部材82は第1バスバー21及び第2バスバー25の熱を逃がす。放熱部材82は、例えばヒートシンクである。放熱部材82は例えば、熱伝導性の高い材料によって形成される。例えば放熱部材82は、アルミニウム等の金属製である。放熱部材82はフレーム30の下側に設けられる。放熱部材82は、フレーム30に応じた大きさに形成される。放熱部材82は、フレーム30の下側の開口を閉塞する。フレーム30及び放熱部材82は、フレーム30を周壁とし、放熱部材82を底壁とする箱体を形成する。なお、放熱部材82の下面に放熱フィンが設けられてもよい。例えば放熱部材82と第2フレーム40とがねじ止めされる。そして放熱部材82と第2フレーム40との間に配置される第1バスバー21、第2バスバー25、第1フレーム31、介在部材84は放熱部材82と第2フレーム40とに挟持される。
【0059】
介在部材84は、放熱部材82と第1バスバー21及び第2バスバー25との間に介在する。介在部材84は、絶縁性を有する材料によって形成された絶縁部材を含む。絶縁部材は第1バスバー21及び第2バスバー25と放熱部材82とを絶縁する。例えば、介在部材84は、絶縁シートとグリス状部材とを含む。絶縁シートは放熱部材82に応じた大きさに形成される。絶縁シートはバスバー20と放熱部材82との間に配置される。グリス状部材は、絶縁シートとバスバー21、25との間及び絶縁シートと放熱部材82との間の少なくとも一方の間に設けられる。グリス状部材は、絶縁シートとバスバー21、25との間及び絶縁シートと放熱部材82との間の隙間を埋めることによって、熱伝導性を高める。グリス状部材は、半固体状の部材であり、隙間に入り込むことができる。またはグリス状部材は、接着剤などのように、半固体状の状態を経て硬化した部材であってもよい。
【0060】
以上のように構成された電気接続箱10によると、バスバー21、25を保持するフレーム30に、温度検知部材50を保持する保持部38、45が一体成形されているため、なるべく部品点数を増やさずに温度検知部材50を保持することが可能となる。
【0061】
また保持部として基端部分保持部45が設けられているため、基端部分保持部45に近い検知本体部52が安定する。
【0062】
また接続部分保持部38が設けられているため、さらに熱接続部分が保持される。ここでは接続部分保持部38は、ナットNを保持することができる。
【0063】
また基端部分保持部45の保持力よりも接続部分保持部38の保持力が大きいため、接続部分保持部38よりも基端部分保持部45ががたつきやすくなり、接続部分保持部38に応力がかかりにくくなる。
【0064】
また接続部分保持部38におけるバスバー21の上面の高さよりも基端部分保持部45の支持面45bの高さが低いため、バスバー21及び熱接続部材56が、接続部分において面接触しやすくなる。
【0065】
[実施形態2]
実施形態2にかかる電気接続箱について説明する。
図5は実施形態2にかかる電気接続箱110を示す分解斜視図である。
図6は実施形態2にかかる電気接続箱110を示す平面図である。
図6ではカバー80が省略されている。
図7は実施形態2にかかる電気接続箱110を示す底面図である。
図7ではバスバー20及び第2フレーム40が省略されている。なお、本実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】
電気接続箱110では、上記保持部38、45に加えて中間保持部47、48、49が追加されている点で上記電気接続箱10とは異なる。中間保持部47、48、49は第2フレーム140に設けられている。第2フレーム140は枠部41と基端部分保持部45と中間保持部47、48、49とを含む形状に一体成形された一体成形品である。電気接続箱110において第2フレーム140以外の構成については電気接続箱10と同様である。
【0067】
中間保持部47、48、49は配線部54の延びる方向に沿って基端部分保持部45からこの順に設けられる。中間保持部47、48、49は配線部54の中間部分をそれぞれ異なる位置で保持する。中間保持部47、48、49それぞれに溝47a、48a、49aが形成される。溝47a、48a、49aに配線部54の中間部分が収容される。中間保持部47、48はリブ44Aに設けられている。中間保持部49はリブ44Bに設けられている。なお配線部54の中間部は上記基端部及び先端部の間の部分である。
【0068】
中間保持部47は、配線部54の延びる方向に沿って基端部から先端部に向かう順に基端部分保持部45の次の位置に設けられている。中間保持部47は基端側中間保持部の一例である。溝47aはリブ44Aを横断するように形成される。溝47aはリブ44Aの上面に形成されている。溝47aは上方に開口する。溝47aの幅寸法は配線部54の幅寸法よりも大きい。
【0069】
中間保持部48において溝48aはリブ44Aに平行に延びるように形成されている。具体的には、リブ44Aから側方に突出する突出部48bが設けられている。突出部48bは横断面がL字状に形成される。突出部48bはリブ44Aから側方に突出する突出片と突出片の先端からリブ44Aと間隔をあけて設けられる垂片とを含む。突出部48bとリブ44Aとの間に溝47aが形成される。突出部48bにおける突出片が溝47aの底部となる。突出部48bにおける垂片とリブ44Aとが溝47aの側壁となる。
【0070】
突出部48bはリブ44Aの長手方向に沿って溝47aとリブ44Bとの間の領域に形成される。突出部48bはリブ44Aのうち溝47aとリブ44Bとの間の中間部に形成される。突出部48bの長さ寸法は、溝47aの長さ寸法(リブ44Aの幅寸法)よりも長尺とされる。突出部48bの長さ寸法は例えば、リブ44Aのうち溝47aとリブ44Bとの間隔の半分以上の寸法に設定される。溝48aは突出部48bの下面に形成される。溝48aは下方に開口する。溝48aはリブ44Aの延びる方向に沿って突出部48bの全体にわたって設けられる。溝48aの幅寸法は配線部54の幅寸法よりも大きい。
【0071】
中間保持部48には、抜止片48cが設けられている。抜止片48cは溝48aの開口部の縁部から突出する。抜止片48cは溝48aの開口部の一部を塞ぐ。ここでは抜止片48cは突出部48bにおける垂片の先端からリブ44Aに向けて突出している。抜止片48cの幅寸法は突出部48bの長さ寸法よりも小さい。突出部48bにおける垂片において抜止片48cにつながる部分の両隣の位置にスリット48Sが形成されている。これにより垂片において抜止片48cにつながる部分が弾性変形容易な弾性片となる。弾性片が弾性変形することによって、配線部54が開口部から抜止片48cを越えて溝48aに収容されることが容易となる。
【0072】
中間保持部49は、配線部54の延びる方向に沿って最も回路基板70との接続部分に寄った位置に設けられている。溝49aはリブ44Bを横断するように形成されている。溝49aはリブ44Bの上面に形成されている。溝49aは上方に開口する。溝49aの幅寸法は配線部54の幅寸法よりも大きい。
【0073】
溝47a、49aは第1溝の一例である。中間保持部47、49は第1中間保持部の一例である。溝48aは第2溝の一例である。中間保持部48は第2中間保持部の一例である。溝47a、49aと溝48aとは相互に反対向きに開口している。
【0074】
配線部54は溝47a、48a、49aに嵌っているが、圧入はされていない。このため中間保持部47、48、49における保持力は、基端部分保持部45の保持力及び接続部分保持部38の保持力よりも弱い。同様に中間保持部47、48、49における保持力は、配線部54と回路基板70との接続部分における保持力よりも弱い。
【0075】
以上のように構成された電気接続箱110においても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。また電気接続箱110によると、基端側中間保持部47における保持力は、基端部分保持部45の保持力及び接続部分保持部38の保持力よりも弱い。このため、接続部分保持部38及び基端部分保持部45よりも基端側中間保持部47ががたつきやすくなり、基端部分保持部45及び接続部分保持部38に応力がかかりにくくなる。
【0076】
また中間保持部48は中間保持部47、49よりも長尺に形成されているため、中間保持部48において配線部54の余長が吸収される。これにより、配線部54がぶらつきにくくなる。
【0077】
また中間保持部48には抜止片48cが設けられているため、長尺な溝48aから配線部54が抜けることが抑制される。
【0078】
また溝47a、49aと溝48aとは相互に反対向きに開口しているため、中間保持部47、49と中間保持部48とにおいて相互に反対側から配線部54が保持される。
【0079】
また溝49aが形成されているリブ44Bが、位置決め突起43が形成される回路基板支持部42から延長しているため、中間保持部49は、位置決め突起43に近い位置において配線部54を保持できる。
【0080】
また中間保持部47、48、49における保持力は、配線部54と回路基板70との電気的接続部分における配線部54の保持力よりも弱いため、電気的接続部分に応力がかかりにくくなる。
【0081】
[変形例]
各実施形態において、バスバー21、25はスイッチング素子60によるスイッチングの対象となる回路を構成するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。バスバー21、25はスイッチングの対象となる回路とは別の回路に用いられるものであってもよい。
【0082】
各実施形態において、保持部38、45、47、48、49の一部は省略されてもよい。例えば実施形態1において保持部38、45のうちいずれか一方が省略されてもよい。また例えば実施形態2において保持部38、45、47、48、49のうち中間保持部47、48、49のいずれか1つ又は複数を残して他の保持部が省略されてもよい。
【0083】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0084】
10 電気接続箱
20 バスバー
21 第1バスバー
22 枠内収容部
22a 載置部分
22b 検知対象部分
22h 貫通孔
23 外方延出部
23h 挿通孔
25 第2バスバー
26 枠内収容部
27 外方延出部
27h 挿通孔
28 第3バスバー
30 フレーム
31 第1フレーム
32 枠部
33 バスバー支持部
34 仕切部
35 第1バスバー支持部
36 第2バスバー支持部
37 第3バスバー支持部
38 接続部分保持部
38a 支持面
38b 凹部
39 外部接続部
40 第2フレーム
41 枠部
42 回路基板支持部
42h ねじ穴
43 位置決め突起
44 リブ
45 基端部分保持部
45a 溝
46 窓部
47、48、49 中間保持部
47a、48a、49a 溝
48b 突出部
48c 抜止片
48S スリット
50 温度検知部材
52 検知本体部
54 配線部
55 保護部材
56 熱接続部材
57 固定部
57h 貫通孔
58 装着部
58a 延出片
58b、58c 固定片
60 スイッチング素子
61 本体
62 ドレイン端子
63 ソース端子
64 ゲート端子
70 回路基板
72 ねじ挿通孔
74 スルーホール
80 カバー
82 放熱部材
84 介在部材
B ボルト
N ナット
SB スタッドボルト