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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】患者認証システムおよび患者認証方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
A61B6/00 ZDM
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019231197
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021097870
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】大矢 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】奥村 皓史
(72)【発明者】
【氏名】坂口 淳平
(72)【発明者】
【氏名】奥野 智晴
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-185321(JP,A)
【文献】特開2009-110068(JP,A)
【文献】特開平08-095177(JP,A)
【文献】特開2004-201722(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109464155(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G07C 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用の生体情報である患者認証用生体情報を取得する患者生体情報取得部と、
前記患者を識別するための患者識別情報を取得する患者識別情報取得部と、
前記患者の認証を行う際に参照される生体情報として、前記医療用装置とは独立して設けられた受付機によって予め取得された患者参照用生体情報と前記患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記患者生体情報取得部によって取得された前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行う認証部と、
前記認証部による認証の結果である認証結果に基づいて、前記医療用装置の制御を行う装置制御部と、を備える、患者認証システム。
【請求項2】
前記患者参照用生体情報は、前記患者が予め撮像された患者参照用画像を含み、
前記患者生体情報取得部は、前記患者認証用生体情報としての患者認証用画像を撮像する撮像部を含み、
前記認証部は、前記患者参照用画像と前記患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記撮像部によって撮像された前記患者認証用画像と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うように構成されている、請求項1に記載の患者認証システム。
【請求項3】
前記患者参照用画像は、前記患者の顔が予め撮像された患者参照用顔画像を含み、
前記撮像部は、前記患者認証用画像としての患者認証用顔画像を撮像するように構成されており、
前記認証部は、前記患者参照用顔画像と前記患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記撮像部によって撮像された前記患者認証用顔画像と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うように構成されている、請求項2に記載の患者認証システム。
【請求項4】
前記認証部は、前記参照用データベースに記憶された前記患者参照用識別情報のうちから前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報に対応する前記患者参照用識別情報を抽出するとともに、抽出された前記患者参照用識別情報に関連付けられて前記参照用データベースに記憶されている前記患者参照用顔画像と、前記撮像部によって撮像された前記患者認証用顔画像とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うように構成されている、請求項3に記載の患者認証システム。
【請求項5】
前記患者識別情報取得部は、前記患者識別情報と、前記患者に行われる医療行為についての情報である検査オーダとを関連付けて取得するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項6】
前記患者識別情報取得部は、前記患者に対する医療行為が行われる医療機関の受付に設置されている受付機に対する入力操作に基づいて、前記患者識別情報を取得するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項7】
前記患者識別情報取得部により前記患者識別情報が取得されることと、前記参照用データベースに前記患者参照用識別情報が記憶されることとが、前記受付機に対する入力操作に基づいて行われるように構成されている、請求項6に記載の患者認証システム。
【請求項8】
前記患者生体情報取得部は、前記患者認証用生体情報としての患者認証用画像を撮像する撮像部を含み、
前記撮像部は、前記医療用装置が設置されている検査室に配置されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項9】
前記医療用装置は、放射線撮影装置を含み、
前記撮像部は、前記放射線撮影装置に配置されている、請求項8に記載の患者認証システム。
【請求項10】
医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用の生体情報である患者認証用生体情報を取得する患者生体情報取得部と、
前記患者を識別するための患者識別情報を取得する患者識別情報取得部と、
前記患者の認証を行う際に参照される生体情報として、前記医療用装置とは独立して設けられた受付機によって予め取得された患者参照用生体情報と前記患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記患者生体情報取得部によって取得された前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行う認証部と、
前記認証部による認証の結果である認証結果に基づいて、前記医療用装置の制御を行う装置制御部と、を備え、
前記患者生体情報取得部は、前記患者認証用生体情報としての患者認証用画像を撮像する撮像部を含み、
前記撮像部は、前記医療用装置が設置されている検査室の外側に、前記検査室に入室してくる患者を撮像するように配置されている、患者認証システム。
【請求項11】
前記医療用装置は、放射線撮影装置を含み、
前記装置制御部は、前記認証結果に基づいて、前記放射線撮影装置の動作の切り替えと、前記認証結果についての報知と、の少なくとも一方の制御を行うように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項12】
前記放射線撮影装置の動作についての情報を表示する表示部をさらに備え、
前記装置制御部は、認証の成功を示す前記認証結果を取得した場合に、前記表示部に、前記患者識別情報に基づいて放射線撮影を行うための撮影画面を表示する制御を行うように構成されている、請求項11に記載の患者認証システム。
【請求項13】
前記装置制御部は、認証の成功を示す前記認証結果を取得した場合に、放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替える制御を行うように構成されている、請求項11または12に記載の患者認証システム。
【請求項14】
前記放射線撮影装置の動作についての情報を表示する表示部をさらに備え、
前記装置制御部は、認証の失敗を示す前記認証結果を取得した場合に、前記表示部に、複数の前記患者についての前記患者識別情報と複数の前記患者に行われる医療行為についての情報である検査オーダとを、選択可能に表示する制御を行うように構成されている、請求項11~13のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項15】
前記装置制御部は、認証の失敗を示す前記認証結果を取得した場合に、前記患者に行われる医療行為についての情報である検査オーダを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モードへと切り替える制御を行うように構成されている、請求項11~13のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項16】
前記装置制御部は、前記認証結果についての情報を表示することと、前記認証結果に基づく音声報知を行うことと、の少なくとも一方によって、前記認証結果についての報知の制御を行うように構成されている、請求項11~15のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項17】
前記患者識別情報取得部は、前記患者に対する医療行為が行われる医療機関においての前記患者の識別情報と、公的な個人認証番号と、のいずれか一方である前記患者識別情報を取得するように構成されている、請求項1~16のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項18】
前記認証部は、クラウド上に構築されている前記参照用データベースと、前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報とに基づいて前記患者に対して認証を行うこと、または、前記患者に対する医療行為が行われる医療機関における院内サーバに構築されている前記参照用データベースと、前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報とに基づいて前記患者に対して認証を行うこと、のいずれか一方を行うように構成されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【請求項19】
医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用生体情報である患者認証用生体情報を取得するステップと、
前記患者を識別するための患者識別情報を取得するステップと、
前記患者の認証を行う際に参照される生体情報として、前記医療用装置とは独立して設けられた受付機によって予め取得された患者参照用生体情報と前記患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、取得された前記患者認証用生体情報と、取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うステップと、
認証の結果である認証結果に基づいて、前記医療用装置の制御を行うステップと、を備える、患者認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者認証システムおよび患者認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検査オーダをネットワーク経由で取得する放射線撮影システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の放射線撮影システムは、患者名および患者IDなどを含む患者情報と、検査IDおよび検査日時などを含む検査情報とが検索条件入力画面に入力されることによって、入力された検索条件に合致する検査オーダを取得する。そして、取得された検査オーダに基づいて、X線撮影が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、病院および診療所などの医療機関において、医師および検査技師などの検査作業者が、患者に対して医療用装置を用いて医療行為(臨床検査など)を行う際には、患者間違いを防ぐために、検査オーダの氏名と、実際に医療行為を行う患者の氏名とが照合(確認)される。上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に記載のような放射線撮影システム(X線撮影装置)では、たとえば、患者間違いを防ぐために、X線撮影(放射線撮影)を行う検査作業者により、検査オーダの氏名と、放射線撮影を行う患者の氏名とが、口頭での確認などによって照合されると考えられる。一般的に、検査作業者は、患者の氏名などの確認を行った結果(患者に対する認証結果)が正しかった場合、患者の氏名および患者IDなどに対応する検査オーダに基づいて医療用装置を操作し検査を行う。また、検査作業者は、確認の結果(認証結果)が患者間違いだった場合、患者の入れ替え、または、検査オーダの変更などの作業を行う。しかしながら、検査作業者が医療用装置を用いて医療行為を行う際に、患者に対する認証作業と、認証結果に基づいて医療用装置を制御する作業とが、負担となるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、患者に対して認証を行うとともに認証結果に基づいて医療用装置を制御する際の、検査作業者の作業負担を軽減することが可能な患者認証システムおよび患者認証方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における患者認証システムは、医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用の生体情報である患者認証用生体情報を取得する患者生体情報取得部と、患者を識別するための患者識別情報を取得する患者識別情報取得部と、患者の認証を行う際に参照される生体情報として、医療用装置とは独立して設けられた受付機によって予め取得された患者参照用生体情報と患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、患者生体情報取得部によって取得された患者認証用生体情報と、患者識別情報取得部によって取得された患者識別情報とに基づいて、患者に対しての認証を行う認証部と、認証部による認証の結果である認証結果に基づいて、医療用装置の制御を行う装置制御部と、を備える。
【0008】
この発明の第2の局面における患者認証方法は、医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用生体情報である患者認証用生体情報を取得するステップと、患者を識別するための患者識別情報を取得するステップと、患者の認証を行う際に参照される生体情報として、医療用装置とは独立して設けられた受付機によって予め取得された患者参照用生体情報と患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、取得された患者認証用生体情報と、取得された患者識別情報とに基づいて、患者に対しての認証を行うステップと、認証の結果である認証結果に基づいて、医療用装置の制御を行うステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の局面における患者認証システム、および、上記第2の局面における患者認証方法では、患者の認証を行う際に参照される生体情報として、前記医療用装置とは独立して設けられた受付機によって予め取得された患者参照用生体情報と患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、患者生体情報取得部によって取得された患者認証用生体情報と、患者識別情報取得部によって取得された患者識別情報とに基づいて、患者に対しての認証を行う。これにより、検査作業者が患者の氏名および患者IDなどの識別情報に基づいて、患者を確認(照合)する作業を行うことなく、医療行為を行う患者についての認証(確認)を自動的に行うことができる。そして、本発明では、認証部による認証の結果である認証結果に基づいて、医療用装置の制御を行う。これにより、認証の結果に基づいて、臨床検査などの医療行為を行うための準備として、医療用装置の制御を自動的に行うことができる。これらの結果、患者に対して認証を行うとともに認証結果に基づいて医療用装置を制御する際の、検査作業者の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態による患者認証システムの構成を説明するためのブロック図である。
図2】第1実施形態による放射線撮影装置の構成を説明するための図である。
図3】第1実施形態による検査オーダ選択画面について説明するための図である。
図4】第1実施形態による制御部の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図5】第1実施形態による患者に対する認証を説明するための図である。
図6】第1実施形態による撮影画面について説明するための図である。
図7】第1実施形態による認証の失敗を示す認証結果を取得した場合の表示について説明するための図である。
図8】第1実施形態による患者認証方法を説明するための図(フローチャート)である。
図9】第2実施形態による患者認証システムの構成を説明するためのブロック図である。
図10】第2実施形態による患者認証方法を説明するための図(フローチャート)である。
図11】第3実施形態による患者認証システムの構成を説明するための図である。
図12】第4実施形態による患者認証システムの構成を説明するための図である。
図13】第4実施形態による緊急撮影モードにおける表示部の表示について説明するための図である。
図14】第1~第4実施形態の第1変形例による患者認証システムの構成について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
(患者認証システムの構成)
図1図7を参照して、第1実施形態による患者認証システム100について説明する。
【0013】
本実施形態における患者認証システム100は、医療用装置(放射線撮影装置2)を用いて医療行為(臨床検査および放射線撮影など)が行われる患者Pの顔画像を用いて、患者Pに対して認証を行うように構成されている。すなわち、患者認証システム100は、臨床検査が行われる検査室Eにおいて撮像された患者Pの顔画像である患者認証用顔画像A1と、予め撮像された患者Pの顔画像である患者参照用顔画像A2と、を用いて、患者Pに対する認証を行うように構成されている。なお、患者認証用顔画像A1は、特許請求の範囲の「患者認証用生体情報」および「患者認証用画像」の一例である。また、患者参照用顔画像A2は、特許請求の範囲の「患者参照用生体情報」および「患者参照用画像」の一例である。
【0014】
本実施形態における患者認証システム100は、図1に示すように、受付機1、放射線撮影装置2、装置側撮像部3、および、院内サーバ4を備える。受付機1、放射線撮影装置2、装置側撮像部3、および、院内サーバ4は、患者Pが臨床検査を受ける医療機関H(たとえば、病院および診療所など)に設置されている。そして、受付機1、放射線撮影装置2、装置側撮像部3、および、院内サーバ4は、たとえば、LAN(Local area network)などのネットワークによって接続されており、相互に情報の送受信が可能に構成されている。なお、放射線撮影装置2は、特許請求の範囲の「医療用装置」の一例である。また、装置側撮像部3は、特許請求の範囲の「患者生体情報取得部」および「撮像部」の一例である。
【0015】
受付機1は、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hの受付(入口)に設置されている。そして、受付機1は、患者Pが診察および臨床検査などの医療行為を受けるために、医療機関Hに来院したことを受け付けるように構成されている。受付機1は、受付操作部11と、受付機側撮像部12とを備える。受付操作部11は、医療機関Hに来院した患者Pによって、患者Pが来院した事実を入力するための入力操作を受け付ける。受付機1は、患者Pによる受付操作部11に対する入力操作に基づいて、患者Pについての患者番号Bを取得する。患者番号Bは、医療機関Hにおいての患者Pを識別するための識別情報(識別番号)である。なお、受付機1は、受付操作部11に対する入力ではなく、IC(integrated circuit)カードおよび磁気カードなどで構成された診察券を、カードリーダなどを用いて読み取ることによって、患者Pが来院したことを受け付ける(患者番号Bを取得する)ように構成されていてもよい。
【0016】
また、受付機側撮像部12は、受付機1を使用する患者Pの顔画像を撮像する。受付機側撮像部12によって撮像された患者Pの顔画像は、患者参照用顔画像A2として、後述する参照用データベース41に記憶される。すなわち、患者参照用顔画像A2は、医療行為が行われる患者Pが、医療行為を受ける前に、予め撮像された患者Pについての顔画像である。また、患者参照用顔画像A2は、患者Pの認証を行う際に参照される生体情報として予め取得される。受付機側撮像部12は、たとえば、CMOS(Complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサを含む。
【0017】
このように、受付機1は、患者Pについての患者番号Bと患者参照用顔画像A2とを取得する。そして、受付機1は、患者Pとは異なる複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・についても同様に、複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・についての患者番号Bα、Bβ、Bγ、・・・と、患者参照用顔画像A2α、A2β、A2γと、を取得する。
【0018】
放射線撮影装置2は、図2に示すように、患者Pに対して放射線撮影を行う。放射線撮影装置2は、患者Pに対する医療行為が行われる検査室Eに設置されている。放射線撮影装置2は、コンソール20、X線照射部21、X線検出部22、天板23、移動部24、および、制御部28を含む。コンソール20は、操作部25、表示部26、および、報知部27を含む。
【0019】
X線照射部21は、患者Pに対してX線を照射するX線管21aを含む。X線検出部22は、X線照射部21によって照射され患者Pを通過したX線を検出するように構成されている。X線検出部22は、たとえば、FPD(flat panel detector)を含む。天板23は、X線が照射される患者Pが載置される。
【0020】
移動部24は、X線照射部21を移動可能に保持する。移動部24は、水平方向移動部24aと、鉛直方向移動部24bとを含む。水平方向移動部24aは、検査室Eの天井に接続されており、鉛直方向移動部24b(支柱)を介して、X線照射部21を水平方向(図2のX方向およびY方向)に移動可能に保持する。鉛直方向移動部24bは、X線照射部21を鉛直方向(図2のZ方向)に移動可能に保持する。
【0021】
操作部25は、検査作業者Qによる放射線撮影装置2を制御するための操作を受け付けるように構成されている。たとえば、操作部25は、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCを選択するための選択操作を受け付ける。また、操作部25は、患者Pに照射するX線の照射線量および照射位置などを選択する選択操作を受け付ける。検査作業者Qは、放射線撮影装置2を用いて、患者Pに対して放射線撮影を行う医師または放射線技師などを含む。
【0022】
表示部26は、放射線撮影装置2の動作についての情報を表示する。また、表示部26は、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCについての情報を表示する。検査オーダCは、たとえば、患者Pに対して臨床検査を行うための情報を含む。検査オーダCは、たとえば、患者Pに対して放射線撮影を行う際に撮影する撮影部位についての情報を含む。また、表示部26は、図3に示すように、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)を識別するための患者識別情報B1(B1α、B1β、B1γ、・・・)と複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)についての複数の検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)と、を選択可能に示す検査オーダ選択画面S1を表示する。また、表示部26は、患者Pに対しての認証の結果である認証結果Rについての情報(図6および図7参照)を表示する。表示部26は、たとえば、液晶ディスプレイを含む。
【0023】
報知部27は、患者Pに対しての認証の結果である認証結果Rに基づく報知を音声によって報知する。報知部27は、たとえば、ラウドスピーカーである。
【0024】
制御部28は、ハードウェア的な構成として、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)などを有する。また、制御部28は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体を含む。
【0025】
また、制御部28は、図4に示すように、機能的な構成として、装置制御部28a、患者識別情報取得部28b、および、患者認証用顔画像取得部28cを備える。すなわち、プログラムを実行することによって、制御部28は、装置制御部28a、患者識別情報取得部28b、および、患者認証用顔画像取得部28cとして機能するように構成されている。
【0026】
装置制御部28aは、放射線撮影装置2の制御を行う。また、装置制御部28aは、後述する認証部42による患者Pに対しての認証の結果である認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置2の制御を行う。なお、放射線撮影装置2の制御の詳細については後述する。
【0027】
患者識別情報取得部28bは、受付機1に対する入力操作に基づいて、患者Pを識別するための患者識別情報B1を取得する。具体的には、患者識別情報取得部28bは、受付機1によって取得された患者Pについての患者番号Bを、患者Pについての患者識別情報B1として取得する。また、患者識別情報取得部28bは、患者Pについての患者識別情報B1と、患者Pについての検査オーダCとを関連付けて取得するように構成されている。また、患者識別情報取得部28bは、患者Pとは異なる複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・についても同様に、複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・についての患者識別情報B1α、B1β、B1γ、・・・と、複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・に行われる医療行為(放射線撮影)についての情報である検査オーダCα、Cβ、Cγ、・・・とを、関連付けて取得する。
【0028】
患者認証用顔画像取得部28cは、後述する装置側撮像部3によって撮像された患者Pの顔画像を、患者Pの認証用の生体情報である患者認証用顔画像A1として取得する。
【0029】
装置側撮像部3は、図5に示すように、検査室Eに入室してきた患者Pを撮像する。本実施形態では、装置側撮像部3は、放射線撮影装置2が設置されている検査室Eに配置されている。具体的には、装置側撮像部3は、放射線撮影装置2の移動部24(水平方向移動部24a)に配置されている。装置側撮像部3は、患者Pの認証用の生体情報である患者認証用顔画像A1を撮像する。装置側撮像部3は、たとえば、CMOSイメージセンサを含む。
【0030】
院内サーバ4は、医療機関Hに設けられているサーバ装置(情報格納装置)である。院内サーバ4は、たとえば、コンピュータである。院内サーバ4は、たとえば、ハードウェア的な構成として、CPU、GPU、ROM、および、RAMなどを有する。また、院内サーバ4は、HDDまたはSSD等の不揮発性の記憶媒体を含む。院内サーバ4は、医療機関Hに設置されている複数の検査装置およびコンピュータ端末と通信可能に構成されている。そして、複数の患者についての臨床検査および診察などについての電子カルテ情報および検査オーダ情報などを一元的に管理するように構成されている。院内サーバ4は、患者Pに対して臨床検査を行うための検査オーダCを患者番号Bと関連付けて取得し記憶する。また、放射線撮影についての検査オーダCを取得した場合、放射線撮影装置2の制御部28に対して、患者番号Bと検査オーダCとを送信するように構成されている。また、院内サーバ4は、複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・についても同様に、検査オーダCα、Cβ、Cγ、・・・の各々を患者番号Bα、Bβ、Bγ、・・・の各々と関連付けて取得する。そして、院内サーバ4は、放射線撮影装置2の制御部28に対して、患者番号Bα、Bβ、Bγ、・・・と検査オーダCα、Cβ、Cγ、・・・とを送信する。
【0031】
院内サーバ4は、機能的な構成として、参照用データベース41および認証部42を含む。すなわち、プログラムを実行することによって、院内サーバ4は、参照用データベース41および認証部42として機能するように構成されている。
【0032】
本実施形態では、参照用データベース41は、院内サーバ4に構築されている。参照用データベース41は、図5に示すように、患者参照用顔画像A2と、患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている。患者参照用識別情報B2は、患者Pの認証を行う際に参照される患者番号Bである。具体的には、受付機1の受付操作部11に対する入力操作に基づいて入力された患者Pについての患者番号Bが患者参照用識別情報B2として参照用データベース41に記憶される。そして、受付機1の受付機側撮像部12によって撮像された患者Pについての患者参照用顔画像A2が、患者Pについての患者参照用識別情報B2と関連付けられて、参照用データベース41に記憶される。患者Pとは異なる複数の患者Pα、Pβ、Pγ、・・・についても、同様に、患者参照用顔画像A2α、A2β、A2γ、・・・の各々と、患者参照用識別情報B2α、B2β、B2γ、・・・の各々とが、関連付けられて参照用データベース41に記憶される。すなわち、参照用データベース41には、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)について、患者参照用顔画像A2(A2α、A2β、A3γ、・・・)と、患者参照用識別情報B2(B2α、B2β、B3β、・・・)とが、関連付けられて記憶されている。
【0033】
(患者に対する認証について)
患者Pに対する臨床検査が行われる際に、表示部26に表示された検査オーダ選択画面S1(図3参照)のうちから患者Pについての検査オーダCが選択される。そして、図5に示すように、認証部42は、検査室Eに入室した患者Pに対しての認証を行う。本実施形態では、認証部42は、患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶された参照用データベース41と、患者識別情報B1と、患者認証用顔画像A1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行う。具体的には、認証部42は、参照用データベース41に記憶された患者参照用識別情報B2のうちから患者識別情報取得部28bによって取得された患者識別情報B1に対応する患者参照用識別情報B2を抽出する。そして、認証部42は、抽出された患者参照用識別情報B2に関連付けられて参照用データベース41に記憶されている患者参照用顔画像A2と、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている。
【0034】
患者Pに対しての認証を行う際に、認証部42は、図5に示すように、参照用データベース41に記憶された複数の患者参照用識別情報B2のうちから、患者Pについての患者識別情報B1に合致する患者参照用識別情報B2を抽出する。そして、抽出された患者参照用識別情報B2と関連付けられて記憶されている患者参照用顔画像A2を取得する。そして、取得された患者参照用顔画像A2と、装置側撮像部3によって撮像された患者Pについての患者認証用顔画像A1との一致度を測定することによって、患者Pについての顔認証を行う。
【0035】
認証部42は、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1について、患者認証用顔画像A1のうちから、患者Pの顔の部分を検出する。そして、検出された患者Pの顔の部分に対して、特徴量を取得する。患者参照用顔画像A2に対しても同様に顔の部分に対して特徴量を取得する。そして、取得された特徴量の一致度に基づいて認証を行う。
【0036】
また、認証部42は、認証の結果として認証結果Rを取得する。認証部42は、患者Pに対する認証を行った結果、認証が成功した場合には、制御部28に対して、成功を示す認証結果Rを送信する。そして、認証部42は、患者Pに対する認証を行った結果、認証が失敗した場合には、制御部28に対して、失敗を示す認証結果Rを送信する。
【0037】
(認証結果に基づく制御について)
装置制御部28aは、認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置2の動作の切り替えと、認証結果Rについての報知との制御を行う。
【0038】
装置制御部28aは、図6に示すように、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合に、表示部26に、患者識別情報B1に基づいて放射線撮影を行うための撮影画面S2を表示する制御を行う。撮影画面S2は、患者Pについての検査オーダCに基づいて、患者Pに対する放射線撮影を開始するための画面表示である。撮影画面S2は、検査オーダCに基づいて放射線撮影を行う患者Pの体の部位および撮影方法などが示されている画面表示である。また、装置制御部28aは、認証の成功を示す認証結果Rについての情報を表示部26に合わせて表示する。
【0039】
また、装置制御部28aは、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合に、放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替える制御を行うように構成されている。装置制御部28aは、動作準備モードにおいて、X線管21aおよびX線検出部22を、放射線撮影を行うための準備状態にする。具体的には、装置制御部28aは、X線管21aをX線が照射可能な状態にするとともに、X線検出部22をX線が検出可能な状態にするように制御を行う。
【0040】
また、装置制御部28aは、図7に示すように、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、表示部26に、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)についての患者識別情報B1(B1α、B1β、B1γ、・・・)と、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)に行われる医療行為(放射線撮影)についての情報である検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)とを、選択可能に表示する制御を行うように構成されている。具体的には、装置制御部28aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、検査オーダ選択画面S1と、認証の失敗を示す認証結果Rとを、表示部26に表示する制御を行う。
【0041】
また、装置制御部28aは、報知部27による音声報知を行う。具体的には、装置制御部28aは、認証結果Rに基づいて、認証の成功と認証の失敗とが判断可能なように、報知部27によって音声による報知を行う制御を行う。なお、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合にのみ、認証の成功を報知するようにしてもよい。また、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合にのみ、認証の失敗を報知するようにしてもよい。
【0042】
(第1実施形態による患者認証方法について)
次に、図8を参照して、本実施形態による患者認証システム100を用いた患者認証方法について説明する。
【0043】
まず、ステップ101において、医療機関Hに来院した患者Pによる受付機1に対する入力操作によって、患者Pについての患者番号Bが取得される。そして、受付機1に設けられた受付機側撮像部12によって患者Pの顔が撮像される。受付機側撮像部12によって撮像された患者Pの顔画像が患者参照用顔画像A2として取得される。
【0044】
次に、ステップ102において、受付機1によって取得された患者番号Bに基づいて、患者Pについての検査オーダCが生成される。検査オーダCは、院内サーバ4に記憶される。
【0045】
次に、ステップ103において、受付機1によって取得された患者番号Bが、患者参照用識別情報B2として、参照用データベース41に記憶される。また、受付機側撮像部12によって撮像された患者参照用顔画像A2が、患者参照用識別情報B2と関連付けられて参照用データベース41に記憶される。
【0046】
次に、ステップ104において、受付機1によって取得された患者番号Bが、患者識別情報B1として、患者識別情報取得部28bによって取得される。また、患者Pについての検査オーダCが、患者識別情報B1と関連付けられて患者識別情報取得部28bによって取得される。
【0047】
次に、ステップ105において、複数の検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)を選択可能なように検査オーダ選択画面S1が表示部26に表示される。
【0048】
次に、ステップ106において、選択された検査オーダCに基づいて臨床検査を行うために検査室Eに入室した患者Pについての患者認証用顔画像A1が、装置側撮像部3によって取得される。
【0049】
次に、ステップ107において、参照用データベース41に記憶された複数の患者参照用識別情報B2(B2α、B2β、B2γ、・・・)のうちから、選択された検査オーダCと関連付けられている患者識別情報B1と対応する患者参照用識別情報B2が抽出される。
【0050】
次に、ステップ108において、抽出された患者参照用識別情報B2と関連付けられて記憶された患者参照用顔画像A2の特徴量と、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1の特徴量とに基づいて、画像認証を行うことによって一致度が算出される。そして、算出された一致度に基づいて、一致度が一定の値よりも大きい場合は、認証の成功を示す認証結果Rが取得される。また、一致度が一定の値よりも小さい場合は、認証の失敗を示す認証結果Rが取得される。そして、認証の成功を示す認証結果Rが取得された場合はステップ109に進む。また、認証の失敗を示す認証結果Rが取得された場合はステップ111に進む。
【0051】
ステップ109において、放射線撮影を行うための撮影画面S2が表示部26に表示される。また、認証の成功を示す認証結果Rについての情報が表示部26に表示される。そして、放射線撮影装置2が放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替えられる。そして、報知部27によって、認証の成功を示す認証結果Rについての情報が報知される。
【0052】
次に、ステップ110において、検査作業者Qによる操作部25に対する入力操作に基づいて、放射線撮影が行われる。
【0053】
一方、ステップ111において、複数の検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)を選択可能なように検査オーダ選択画面S1が表示部26に表示される。また、認証の失敗を示す認証結果Rについての情報が表示部26に表示される。また、報知部27によって、認証の失敗を示す認証結果Rについての情報が報知される。そして、新たな検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)が選択された場合は、ステップ106に戻る。
【0054】
なお、ステップ102における患者Pについての検査オーダCが生成される処理と、ステップ103における患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて参照用データベース41に記憶される処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。また、ステップ103における患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて参照用データベース41に記憶される処理と、ステップ104における検査オーダCと患者識別情報B1とが関連付けられて患者識別情報取得部28bによって取得される処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。
【0055】
[第1実施形態による患者認証システムの効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
第1実施形態の患者認証システム100では、上記のように、患者Pの認証を行う際に参照される生体情報として予め取得された患者参照用顔画像A2(患者参照用生体情報)と患者Pの認証を行う際に参照される患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている参照用データベース41と、装置側撮像部3(患者生体情報取得部)によって取得された患者認証用顔画像A1(患者認証用生体情報)と、患者識別情報取得部28bによって取得された患者識別情報B1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行う。これにより、検査作業者Qが患者Pの氏名および患者IDなどの識別情報に基づいて、患者Pを確認(照合)する作業を行うことなく、放射線撮影(医療行為)を行う患者Pについての認証(確認)を自動的に行うことができる。そして、本実施形態では、認証部42による認証の結果である認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置2(医療用装置)の制御を行う。これにより、認証の結果に基づいて、臨床検査などの医療行為を行うための準備として、放射線撮影装置2の制御を自動的に行うことができる。これらの結果、患者Pに対して認証を行うとともに認証結果Rに基づいて放射線撮影装置2を制御する際の、検査作業者Qの作業負担を軽減することができる。
【0057】
また、第1実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
【0058】
すなわち、第1実施形態では、上記のように、患者参照用生体情報(患者参照用顔画像A2)は、患者Pが予め撮像された患者参照用画像(患者参照用顔画像A2)を含み、患者生体情報取得部(装置側撮像部3)は、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)を撮像する撮像部(装置側撮像部3)を含み、認証部42は、患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている参照用データベース41と、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1と、患者識別情報取得部28bによって取得された患者識別情報B1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている。このように構成すれば、放射線撮影装置2(医療用装置)を用いて医療行為が行われる患者Pを装置側撮像部3で撮像することによって、患者Pを認証するための患者認証用顔画像A1を容易に取得することができる。また、患者Pの認証を行う際に参照される生体情報として、予め撮像された患者参照用画像を用いることができる。これらの結果、指紋、顔、虹彩などのそれぞれの個人によって異なる特徴をもつ生体情報に基づいて、患者Pの認証を自動的に行うことができる。そのため、放射線撮影装置2を用いて医療行為が行われる患者Pを認証する際に、精度よく認証を行うことができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、患者参照用画像(患者参照用顔画像A2)は、患者Pの顔が予め撮像された患者参照用顔画像A2を含み、撮像部(装置側撮像部3)は、患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用顔画像A1を撮像するように構成されており、認証部42は、患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている参照用データベース41と、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1と、患者識別情報取得部28bによって取得された患者識別情報B1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている。このように構成すれば、患者Pの顔を撮像した画像を、患者認証用顔画像A1および患者参照用顔画像A2として取得することができる。その結果、生体情報を取得するための特別な装置を用いる場合に比べて、画像を撮像するためのカメラなどの装置側撮像部3を用いて、患者認証用顔画像A1および患者参照用顔画像A2をより容易に取得することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、認証部42は、参照用データベース41に記憶された患者参照用識別情報B2のうちから患者識別情報取得部28bによって取得された患者識別情報B1に対応する患者参照用識別情報B2を抽出するとともに、抽出された患者参照用識別情報B2に関連付けられて参照用データベース41に記憶されている患者参照用顔画像A2と、装置側撮像部3(撮像部)によって撮像された患者認証用顔画像A1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている。このように構成すれば、参照用データベース41に記憶されている複数の患者参照用識別情報B2のうちから、放射線撮影装置2(医療用装置)を用いて放射線撮影(医療行為)が行われる患者Pについての患者識別情報B1に合致する患者参照用識別情報B2を抽出することができる。そして、患者識別情報B1に合致した患者参照用識別情報B2に関連付けられて記憶されている患者参照用顔画像A2と、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うことができる。その結果、参照用データベース41に記憶されている複数の患者参照用顔画像A2(A2α、A2β、A2γ、・・・)のうちから患者認証用顔画像A1を抽出する場合と比べて、抽出する対象のデータ容量が少ないため、認証部42の制御負担を軽減することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、患者識別情報取得部28bは、患者識別情報B1と、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCとを関連付けて取得するように構成されている。このように構成すれば、患者識別情報B1の示す患者Pと、その患者Pに対して行う医療行為(臨床検査)についての情報である検査オーダCとを関連付けて取得することができる。その結果、臨床検査を行う際に、検査対象の患者Pについての患者識別情報B1と検査オーダCとを容易に参照することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、患者識別情報取得部28bは、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hの受付に設置されている受付機1に対する入力操作に基づいて、患者識別情報B1を取得するように構成されている。このように構成すれば、患者Pが病院および診療所を含む医療機関Hに来院し受付を行う際に入力された情報に基づいて、患者Pを識別するための識別情報を取得することができる。その結果、患者Pは、受付とは別途に患者識別情報B1を取得するための作業を行う必要がなく、患者Pの負担の増加を抑制することができる。また、受付機1に対する入力操作に基づいて容易に患者識別情報B1を取得することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、患者識別情報取得部28bにより患者識別情報B1が取得されることと、参照用データベース41に患者参照用識別情報B2が記憶されることとが、受付機1に対する入力操作に基づいて行われるように構成されている。このように構成すれば、患者識別情報B1と患者参照用識別情報B2とが、患者Pが受付を行う際に入力された共通の情報によって、生成される。その結果、一度の入力操作によって患者識別情報B1と患者参照用識別情報B2とを生成することができるため、患者Pの負担の増加をより抑制することができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、患者生体情報取得部(装置側撮像部3)は、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)を撮像する撮像部(装置側撮像部3)を含み、装置側撮像部3は、放射線撮影装置2(医療用装置)が設置されている検査室Eに配置されている。このように構成すれば、患者Pに対して放射線撮影装置2を用いて医療行為が行われる際に、放射線撮影装置2が設置されている検査室Eに入室してきた患者Pを撮像することができる。その結果、医療行為が行われる患者Pを確実に対象として認証を行うことができる。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、医療用装置(放射線撮影装置2)は、放射線撮影装置2を含み、装置側撮像部3(撮像部)は、放射線撮影装置2に配置されている。このように構成すれば、放射線撮影装置2を用いて放射線撮影が行われる患者Pに対して、患者認証用顔画像A1を撮像することができる。その結果、放射線撮影を行う際の患者間違いを防ぐことができる。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、医療用装置(放射線撮影装置2)は、放射線撮影装置2を含み、装置制御部28aは、認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置2の動作の切り替えと、認証結果Rについての報知と、の少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、放射線撮影装置2を用いて放射線撮影(医療行為)を行う検査作業者Qは、認証結果Rについての報知によって、容易に患者Pに対する認証の結果を認識することができる。また、認証の結果に基づいて、放射線撮影装置2の動作の切り替えが自動的に行われるため、検査作業者Qが、認証の結果に基づいて、放射線撮影装置2の動作を制御するための操作を行う負担を軽減することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、上記のように、放射線撮影装置2の動作についての情報を表示する表示部26をさらに備え、装置制御部28aは、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合に、表示部26に、患者識別情報B1に基づいて放射線撮影を行うための撮影画面S2を表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、患者Pに対する認証の結果が、成功を示す認証結果Rであった場合に、自動的に放射線撮影を行うための撮影画面S2を表示部26に表示させることができる。その結果、検査作業者Qによって、撮影画面S2へと切り替えるための操作を行う負担を軽減することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、装置制御部28aは、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合に、放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替える制御を行うように構成されている。このように構成すれば、患者Pに対する認証の結果が、成功を示す認証結果Rであった場合に、放射線撮影装置2を、自動的に放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替えることができる。その結果、検査作業者Qによって、放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替えるための操作を行う負担を軽減することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、上記のように、放射線撮影装置2の動作についての情報を表示する表示部26をさらに備え、装置制御部28aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、表示部26に、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)についての患者識別情報B1と複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)に行われる医療行為についての情報である検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)とを、選択可能に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、患者Pに対する認証の結果が、失敗を示す認証結果Rであった場合に、自動的に放射線撮影を行うための複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)についての患者識別情報B1を含む複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)に対する検査についての情報を表示部26に表示させることができる。すなわち、自動的に、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)についての検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)を選択可能な状態で表示部26に表示することができる。その結果、検査作業者Qによって、検査オーダCを選択し直すために、複数の検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)を選択可能な状態に表示させるための操作を行う負担を軽減することができる。
【0070】
また、第1実施形態では、上記のように、装置制御部28aは、認証結果Rについての情報を表示することと、認証結果Rに基づく音声報知を行うことと、の少なくとも一方によって、認証結果Rについての報知の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、認証結果Rについての情報を、表示を視認することによって容易に認識することができる。また、認証結果Rについての情報を、音声による報知によって容易に認識することができる。
【0071】
また、第1実施形態では、上記のように、患者識別情報取得部28bは、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hにおいての患者Pの識別情報である患者識別情報B1を取得するように構成されている。このように構成すれば、患者Pが医療行為を受ける医療機関H(病院および診療所など)の各々において発行される患者Pを識別するための識別情報(患者IDまたは患者番号Bなど)を、患者識別情報B1として取得することができる。その結果、医療機関Hごとに管理されている電子カルテなどと関連付けて患者識別情報B1を管理するとともに、電子カルテと関連付けて、患者Pに対する認証を行い、医療行為(臨床検査および放射線撮影など)を行うことができる。そのため、医療機関Hの中で一元的に患者Pについての情報を管理することができるため、一人の患者Pに対する診察および検査を容易に管理することができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、認証部42は、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hにおける院内サーバ4に構築されている参照用データベース41と、患者認証用生体情報と、患者識別情報B1とに基づいて患者Pに対して認証を行うように構成されている。このように構成すれば、医療行為(臨床検査)を行う医療機関Hの各々において、患者参照用識別情報B2および患者参照用顔画像A2を記憶させることができる。その結果、患者Pが医療機関Hに来院するたびに、患者参照用顔画像A2を撮影することができるため、経年または髪型の変化などによる顔画像の変化に的確に対応するように、患者参照用顔画像A2を撮影することができる。そのため、経年または髪型の変化などによって、患者Pの顔画像が変化した場合においても、患者Pに対する認証の精度の低下を抑制することができる。
【0073】
[第1実施形態による患者認証方法の効果]
第1実施形態の患者認証方法では、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
第1実施形態の患者認証方法では、上記のように構成することにより、患者Pの認証を行う際に参照される生体情報として予め取得された患者参照用顔画像A2(患者参照用生体情報)と患者Pの認証を行う際に参照される患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている参照用データベース41と、装置側撮像部3(患者生体情報取得部)によって取得された患者認証用顔画像A1(患者認証用生体情報)と、患者識別情報取得部28bによって取得された患者識別情報B1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行う。これにより、検査作業者Qが患者Pの氏名および患者IDなどの識別情報に基づいて、患者Pを確認(照合)する作業を行うことなく、放射線撮影(医療行為)を行う患者Pについての認証(確認)を自動的に行うことができる。そして、本実施形態では、認証部42による認証の結果である認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置2(医療用装置)の制御を行う。これにより、認証の結果に基づいて、臨床検査などの医療行為を行うための準備として、放射線撮影装置2の制御を自動的に行うことができる。これらの結果、患者Pに対して認証を行うとともに認証結果Rに基づいて放射線撮影装置2を制御する際の、検査作業者Qの作業負担を軽減することができる。
【0075】
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による患者認証システム200の構成について説明する。この第2実施形態では、患者参照用顔画像A2および患者参照用識別情報B2が院内サーバ4に構築された参照用データベース41に記憶されていた第1実施形態と異なり、患者参照用顔画像A2および患者参照用識別情報B2が、院内サーバ4とは別個のクラウド上に構築された参照用データベース241に記憶されている。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0076】
第2実施形態による患者認証システム200は、図9に示すように、受付機201、放射線撮影装置202、院内サーバ204、および、認証サーバ205を備える。
【0077】
受付機201は、受付操作部211を備える。受付機201は、患者Pによる受付操作部211に対する入力操作に基づいて、患者Pについての公的な個人認証番号B200を取得する。公的な個人認証番号B200は、たとえば、日本国が発行する個人番号(マイナンバー)および米国が発行する社会保障番号などを含む。受付機201のその他の構成は、第1実施形態による受付機1と同様である。
【0078】
放射線撮影装置202は、制御部228を含む。機能的な構成として、患者識別情報取得部228bを有する。すなわち、プログラムを実行することによって、制御部228は、患者識別情報取得部228bとして機能する。なお、制御部428のハードウェア的な構成は、第1実施形態による制御部28の構成と同様である。
【0079】
患者識別情報取得部228bは、受付機201に対する入力操作に基づいて、患者Pを識別するための患者識別情報B1を取得する。具体的には、患者識別情報取得部228bは、受付機201によって取得された患者Pについての公的な個人認証番号B200を、患者Pについての患者識別情報B1として取得する。患者識別情報取得部228bのその他の機能は、第1実施形態による患者識別情報取得部28bと同様である。
【0080】
院内サーバ204は、第1実施形態による院内サーバ4と同様に、患者Pに対して臨床検査を行うための検査オーダCを患者Pについての公的な個人認証番号B200と関連付けて取得し記憶する。また、放射線撮影についての検査オーダCを取得した場合、放射線撮影装置202の制御部228に対して、患者Pについての公的な個人認証番号B200と検査オーダCとを送信するように構成されている。
【0081】
認証サーバ205は、参照用データベース241および認証部242を含む。認証サーバ205、は院内サーバ204と別個のクラウド(クラウドコンピューティング)上に構築されている。そして、認証サーバ205は、インターネットなどのネットワークNを介して、放射線撮影装置2と通信可能に構成されている。
【0082】
参照用データベース241は、認証サーバ205(クラウド)上に構築されている。参照用データベース241は、第1実施形態による参照用データベース41と同様に、患者参照用顔画像A2と、患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている(図5参照)。患者参照用識別情報B2は、患者Pの認証を行う際に参照される公的な個人認証番号B200である。具体的には、国および公的機関などによって管理されている個人ごとに発行される患者Pについての公的な個人認証番号B200が患者参照用識別情報B2として参照用データベース241に記憶される。また、公的な個人認証番号B200には、公的な個人認証番号B200に対応する個人の顔画像A200が関連付けられて、認証サーバ205に記憶されている。そして、公的な個人認証番号B200と対応する個人の顔画像A200を患者参照用顔画像A2として、患者参照用識別情報B2と関連付けて、参照用データベース241に記憶されている。
【0083】
認証部242は、検査室Eに入室した患者Pに対しての認証を行う。認証部242は、クラウド上に構築されている参照用データベース241と、患者認証用顔画像A1と、患者識別情報B1とに基づいて患者Pに対して認証を行うように構成されている。具体的には、認証部242は、参照用データベース241に記憶された患者参照用識別情報B2のうちから患者識別情報取得部228bによって取得された患者識別情報B1に対応する患者参照用識別情報B2を抽出する。そして、認証部242は、抽出された患者参照用識別情報B2に関連付けられて参照用データベース241に記憶されている患者参照用顔画像A2と、装置側撮像部3によって撮像された患者認証用顔画像A1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0084】
(第2実施形態による患者認証方法について)
次に、図10を参照して、本実施形態による患者認証システム200を用いた患者認証方法について説明する。なお、第1実施形態と同様の方法(制御処理)については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0085】
まず、ステップ501において、医療機関Hに来院した患者Pによる受付機1に対する入力操作によって、患者Pについての公的な個人認証番号B200が取得される。
【0086】
次に、ステップ502において、受付機1によって取得された公的な個人認証番号B200に基づいて、患者Pについての検査オーダCが生成される。検査オーダCは、院内サーバ204に記憶される。
【0087】
次に、ステップ503において、受付機1によって取得された公的な個人認証番号B200が、患者識別情報B1として、患者識別情報取得部228bによって取得される。また、患者Pについての検査オーダCが、患者識別情報B1と関連付けられて患者識別情報取得部228bによって取得される。そして、ステップ105およびステップ106において、第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0088】
次にステップ504において、参照用データベース241に記憶された複数の患者参照用識別情報B2(B2α、B2β、B2γ、・・・)のうちから、選択された検査オーダCと関連付けられている患者識別情報B1と対応する患者参照用識別情報B2が抽出される。その後、ステップ108~ステップ110およびステップ111において、第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0089】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0090】
第2実施形態では、上記のように、患者識別情報取得部228bは、公的な個人認証番号B200である患者識別情報B1を取得するように構成されている。このように構成すれば、公的に管理されている個人認証番号B200に基づいて、患者個人の各々を識別することができる。その結果、患者Pを識別するための患者識別情報B1を改めて生成する必要がなくなるため、患者識別情報B1を生成するための患者Pの負担の増加を抑制することができる。
【0091】
また、第2実施形態では、上記のように、認証部242は、クラウド上に構築されている参照用データベース241と、患者認証用顔画像A1(患者認証用生体情報)と、患者識別情報B1とに基づいて患者Pに対して認証を行うように構成されている。このように構成すれば、患者Pが医療行為(臨床検査)を受ける医療機関Hの各々において、患者参照用識別情報B2および患者参照用顔画像A2を取得し記憶させることなく、クラウド上に構築された参照用データベース241に、患者参照用識別情報B2および患者参照用顔画像A2を記憶させることができる。その結果、医療機関Hの各々に参照用データベース241を設ける場合に比べて、システムの構成を簡略化することができる。
【0092】
なお、第2実施形態によるその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0093】
[第3実施形態]
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態による患者認証システム300の構成について説明する。この第3実施形態では、装置側撮像部3が検査室Eに配置されていた第1実施形態と異なり、装置側撮像部303が、検査室Eの外側に配置されている。なお、上記第1および第2実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0094】
第3実施形態による患者認証システム300は、図11に示すように、装置側撮像部303を備える。
【0095】
本実施形態では、装置側撮像部303は、放射線撮影装置2が設置されている検査室Eの外側に、検査室Eに入室してくる患者Pを撮像するように配置されている。具体的には、装置側撮像部303は、検査室Eに入室するための扉Dの外側に、検査室Eに入室しようとする患者Pの顔を撮像するように設置されている。装置側撮像部303は、検査室Eに入室しようとする患者Pの顔画像を撮像することによって、患者認証用顔画像A1を取得する。なお、第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0096】
[第3実施形態の効果]
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0097】
第3実施形態では、上記のように、患者生体情報取得部(装置側撮像部303)は、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)を撮像する撮像部(装置側撮像部303)を含み、装置側撮像部303は、放射線撮影装置2(医療用装置)が設置されている検査室Eの外側に、検査室Eに入室してくる患者Pを撮像するように配置されている。このように構成すれば、放射線撮影装置2を用いて放射線撮影(医療行為)を行うために検査室Eに入室しようとする患者Pを撮像することができる。その結果、患者Pが検査室Eに入室する前に、患者Pを撮像することができるので、患者Pに対する認証を迅速に開始することができる。また、第3実施形態のその他の効果は、第1および第2実施形態の効果と同様である。
【0098】
[第4実施形態]
次に、図12および図13を参照して、本発明の第4実施形態による患者認証システム400の構成について説明する。この第4実施形態では、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合、装置制御部28aが、検査オーダ選択モードへと切り替える制御を行う第1実施形態と異なり、装置制御部428aが、放射線撮影装置402を撮影前に選択される検査オーダCを選択せずに撮影を行う緊急撮影モードへと切り替える制御を行う。なお、上記第1~第3実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0099】
第4実施形態による患者認証システム400は、図12に示すように、放射線撮影装置402を備える。放射線撮影装置402は、制御部428を含む。制御部428は、機能的な構成として、装置制御部428aを有する。すなわち、プログラムを実行することによって、制御部428は、装置制御部428aとして機能する。なお、制御部428のその他の構成は、第1実施形態による制御部28の構成と同様である。
【0100】
装置制御部428aは、認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置402を制御する。認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合の制御は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、装置制御部428aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モードへと切り替える制御を行うように構成されている。緊急撮影モードは、たとえば、患者Pを撮影するための放射線撮影装置402の動作(X線照射部21の位置およびX線管21aに印加する電圧の値など)の制御を、検査作業者Qが手動によって選択操作するための手動撮影モードである。
【0101】
図13に示すように、装置制御部428aは、緊急撮影モードにおいて、検査作業者Qによる操作部25に対する入力操作によって放射線撮影装置402の動作が決定されるための操作画面S3を表示部26に表示する。装置制御部428aは、検査作業者Qによる入力操作に基づいて定められた設定によって、患者Pに対して放射線撮影を行うように構成されている。なお、第4実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0102】
[第4実施形態の効果]
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0103】
第4実施形態では、上記のように、装置制御部428aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モード(手動撮影モード)へと切り替える制御を行うように構成されている。このように構成すれば、患者Pに対する認証の結果が、失敗を示す認証結果Rであった場合に、放射線撮影装置402を、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モードへと自動的に切り替えることができる。ここで、選択した検査オーダCに含まれる患者識別情報B1が示す患者Pと、実際に放射線撮影を行うために検査室Eに入室してきた患者とが異なる場合に、検査作業者Qは、検査オーダCを選択せずに手動で放射線撮影装置402を操作するための手動撮影モードである緊急撮影モードへと切り替えることによって、患者に対して放射線撮影を行う場合がある。これに対して本実施形態では、装置制御部428aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モードへと切り替える制御を行うように構成されていることにより、放射線撮影装置402を自動的に緊急撮影モードへと切り替えることができる。その結果、検査作業者Qによって、緊急撮影モードへと切り替えるための操作を行う負担を軽減することができる。また、第4実施形態のその他の効果は、第1~第3実施形態の効果と同様である。
【0104】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0105】
(第1変形例)
たとえば、上記第1~第4実施形態では、放射線撮影装置2(202、402)が、院内サーバ4および認証サーバ205と直接的に情報の送受信を行うことによって、患者Pについての情報(検査オーダC、患者番号B、および、認証結果Rなど)を取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図14に示す第1変形例による患者認証システム600のように、放射線撮影装置602とは別個に、院内サーバ4と通信可能に構成されている放射線撮影用情報端末606をさらに備えるように構成されていてもよい。具体的には、放射線撮影用情報端末606は、院内サーバ4と通信可能に構成されており、院内サーバ4より患者Pについての情報(検査オーダC、患者番号B、および、認証結果Rなど)を取得する。そして、放射線撮影装置602は、患者Pについての情報(検査オーダC、患者識別情報B1、および、認証結果Rなど)を放射線撮影用情報端末606より取得するように構成されていてもよい。なお、放射線撮影用情報端末606は、たとえば、コンピュータ端末である。
【0106】
(その他の変形例)
また、上記第1~第4実施形態では、医療用装置の一例として、放射線撮影装置2(202、402)を用いて、患者Pに対して医療行為(放射線撮影)を行う例を示したが、本発明は、これに限られない。たとえば、超音波検査診断装置、および、MRI(核磁気共鳴画像方:Magnetic resonance imaging)装置などを用いて患者Pに対して医療行為を行うようにしてもよい。また、PET(positron emission tomography)装置、および、ガンマカメラ装置などを用いて患者Pに対して医療行為を行うようにしてもよい。
【0107】
また、上記第1~第4実施形態では、放射線撮影装置2(202、402)の一例として、天井走行型一般X線撮影装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線透視撮影装置およびX線CT(コンピュータ断層撮影:computed tomography)装置、および、マンモグラフィなどを用いてもよい。
【0108】
また、上記第1~第4実施形態では、患者Pが載置される天板23を含む放射線撮影装置2(202、402)を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、天板23を含まず、立位術式において放射線撮影を行う放射線撮影装置を用いてもよい。また、天板23を含まず、X線検出部22を放射線撮影装置2(202、402)とは別個のベッドに配置して放射線撮影を行う移動式の放射線撮影装置を用いるようにしてもよい。
【0109】
また、上記第1、第2、および、第4実施形態では、装置側撮像部3は、放射線撮影装置2の水平方向移動部24aに配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、放射線撮影装置2(202、402)の鉛直方向移動部24bに配置されていてもよい。また、X線照射部21に配置されていてもよい。
【0110】
また、上記第1、第3、および、第4実施形態では、患者認証システム100(300、400)に含まれる院内サーバ4が認証部42を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、認証部42は、制御部28に構築されていてもよい。また、認証部42を有する認証用の端末(コンピュータ)を別個に備えるようにしてもよい。
【0111】
また、上記第1~第4実施形態では、操作部25と、表示部26と、報知部27とを、コンソール20に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、操作部25と、表示部26と、報知部27とが、別個に構成されていてもよい。また、操作部25と表示部26とをタッチパネルなどによって一体的に構成するようにしてもよい。
【0112】
また、上記第1~第4実施形態では、患者参照用生体情報(患者参照用顔画像A2)は、患者Pが予め撮像された患者参照用画像(患者参照用顔画像A2)を含み、患者生体情報取得部(装置側撮像部3、303)は、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)を撮像する撮像部(装置側撮像部3、303)を含み、認証部42(242)は、患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている参照用データベース41(241)と、装置側撮像部3(303)によって撮像された患者認証用顔画像A1と、患者識別情報取得部28b(228b)によって取得された患者識別情報B1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、患者Pの声(声紋)についての情報を、患者Pの認証用の生体情報として、患者参照用生体情報および患者認証用生体情報としてもよい。すなわち、患者生体情報取得部を、患者Pについての声を取得するように構成してもよい。
【0113】
また、上記第1~第4実施形態では、患者参照用画像(患者参照用顔画像A2)は、患者Pの顔が予め撮像された患者参照用顔画像A2を含み、撮像部(装置側撮像部3、303)は、患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用顔画像A1を撮像するように構成されており、認証部42(242)は、患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とが関連付けられて記憶されている参照用データベース41(241)と、装置側撮像部3(303)によって撮像された患者認証用顔画像A1と、患者識別情報取得部28b(228b)によって取得された患者識別情報B1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、患者Pについての指紋画像および虹彩画像などを、患者参照用画像および患者認証用画像として取得するように構成してもよい。そして、撮像部を患者Pについての指紋画像および虹彩画像を撮像するように構成してもよい。
【0114】
また、上記第1~第4実施形態では、認証部42(242)は、参照用データベース41(241)に記憶された患者参照用識別情報B2のうちから患者識別情報取得部28b(228b)によって取得された患者識別情報B1に対応する患者参照用識別情報B2を抽出するとともに、抽出された患者参照用識別情報B2に関連付けられて参照用データベース41(241)に記憶されている患者参照用顔画像A2と、撮像部(装置側撮像部3、303)によって撮像された患者認証用顔画像A1とに基づいて、患者Pに対しての認証を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、認証部42(242)を、参照用データベース41(241)のうちから、撮像された患者認証用顔画像A1に対応する患者参照用顔画像A2を画像認証によって抽出するとともに、取得された患者参照用顔画像A2と関連付けられた患者参照用識別情報B2を取得することによって、患者Pに対しての認証を行うようにしてもよい。
【0115】
また、上記第1~第4実施形態では、患者識別情報取得部28b(228b)は、患者識別情報B1と、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCとを関連付けて取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、患者識別情報B1と、検査オーダCとを別個に取得するようにしてもよい。また、患者識別情報取得部28b(228b)ではなく認証部42(242)によって、検査オーダCが取得されるようにしてもよい。
【0116】
また、上記第1、第3、および、第4実施形態では、患者識別情報取得部28b(228b)は、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hの受付に設置されている受付機1(201)に対する入力操作に基づいて、患者識別情報B1を取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、医療機関Hの受付員による受付員の使用する端末に対する入力操作に基づいて、患者識別情報B1を取得するようにしてもよい。また、医師による診察の結果、検査オーダが入力されることに基づいて、患者識別情報B1を取得するようにしてもよい。
【0117】
また、上記第1、第3、および、第4実施形態では、患者識別情報取得部28bにより患者識別情報B1が取得されることと、参照用データベース41に患者参照用識別情報B2が記憶されることとが、受付機1に対する入力操作に基づいて行われるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、患者識別情報取得部28bにより患者識別情報B1が取得されることと、参照用データベース41に患者参照用識別情報B2が記憶されることとを別個の端末に対する入力操作によって行われるようにしてもよい。
【0118】
また、上記第1、第2、および、第4実施形態では、患者生体情報取得部(装置側撮像部3)は、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)を撮像する撮像部(装置側撮像部3)を含み、装置側撮像部3は、医療用装置(放射線撮影装置2、202、402)が設置されている検査室Eに配置されている。例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、装置側撮像部3を、検査室Eに入る人物を撮像できるように、検査室Eの外側の天井に配置するようにしてもよい。
【0119】
また、上記第1、第2、および、第4実施形態では、医療用装置(放射線撮影装置2、202、402)は、放射線撮影装置2(202、402)を含み、撮像部(装置側撮像部3)は、放射線撮影装置2(202、402)に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、装置側撮像部3を、検査室Eの天井に配置するようにしてもよい。また、検査室Eの壁面に配置するようにしてもよい。また、X線検出部22または患者Pが載置される天板23に配置するようにしてもよい。
【0120】
また、上記第3実施形態では、患者生体情報取得部(装置側撮像部303)は、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)としての患者認証用画像(患者認証用顔画像A1)を撮像する撮像部(装置側撮像部303)を含み、装置側撮像部303は、医療用装置(放射線撮影装置2)が設置されている検査室Eの外側に、検査室Eに入室してくる患者Pを撮像するように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、患者Pに対して臨床検査を行う検査作業者Qが装置側撮像部303を保持(装着)していてもよい。
【0121】
また、上記第1~第4実施形態では、医療用装置(放射線撮影装置2、202、402)は、放射線撮影装置2(202、402)を含み、装置制御部28a(428a)は、認証結果Rに基づいて、放射線撮影装置2(202、402)の動作の切り替えと、認証結果Rについての報知との制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、放射線撮影装置2(202、402)の動作の切り替えと、認証結果Rについての報知とのいずれか一方のみを行うようにしてもよい。また、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合にのみ、放射線撮影装置2(202、402)の動作を切り替える制御を行うようにしてもよい。同様に、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合にのみ、放射線撮影装置2(202、402)の動作を切り替える制御を行うようにしてもよい。
【0122】
また、上記第1~第4実施形態では、放射線撮影装置2(202、402)の動作についての情報を表示する表示部26をさらに備え、装置制御部28a(428a)は、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合に、表示部26に、患者識別情報B1に基づいて放射線撮影を行うための撮影画面S2を表示する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、装置制御部28a(428a)を、検査作業者Qに対して撮影画面S2を表示させるように促す表示を表示部26に表示する制御を行うように構成してもよい。また、装置制御部28a(428a)を、認証結果Rが成功であることを表示部26に表示する制御を行うように構成してもよい。
【0123】
また、上記第1~第4実施形態では、装置制御部28a(428a)は、認証の成功を示す認証結果Rを取得した場合に、放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替える制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、装置制御部28a(428a)を、検査作業者Qに対して、動作準備モードへの移行を促す報知を表示部26に表示する制御を行うように構成してもよい。
【0124】
また、上記第1~第3実施形態では、放射線撮影装置2(202)の動作についての情報を表示する表示部26をさらに備え、装置制御部28aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、表示部26に、複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)についての患者識別情報B1と複数の患者P(Pα、Pβ、Pγ、・・・)に行われる医療行為についての情報である検査オーダC(Cα、Cβ、Cγ、・・・)とを、選択可能に表示する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、認証結果Rが失敗だった場合に、撮像された患者認証用顔画像A1に基づいて、参照用データベース41(241)のうちから、撮像された患者認証用顔画像A1に対応する患者参照用顔画像A2を画像認証によって取得するとともに、取得された患者参照用顔画像A2に関連付けられた患者参照用識別情報B2を取得することによって、取得された患者参照用識別情報B2に対応する患者識別情報B1に基づいて検査オーダCを新たに取得するように構成してもよい。すなわち、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、認証が失敗であるとされた患者認証用顔画像A1に対応する患者Pについての検査オーダCを自動で取得し直すように構成されていてもよい。
【0125】
また、上記第4実施形態では、装置制御部428aは、認証の失敗を示す認証結果Rを取得した場合に、患者Pに行われる医療行為についての情報である検査オーダCを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モードへと切り替える制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、認証が失敗だった場合に、患者認証用顔画像A1が撮像された患者Pについての検査オーダCを新たに取得することによって、新たに取得された検査オーダCに基づいて、放射線撮影を行うための撮影画面S2を表示するようにしてもよい。
【0126】
また、上記第1~第4実施形態では、装置制御部28a(428a)は、認証結果Rについての情報を表示することと、認証結果Rに基づく音声報知を行うことと、の少なくとも一方によって、認証結果Rについての報知の制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、認証結果Rについての情報を表示することと、認証結果Rに基づく音声報知を行うこととの両方を行わずに、放射線撮影装置2(202、402)を、動作準備モードへと切り替える制御を行うようにしてもよい。
【0127】
また、上記第1~第4実施形態では、患者識別情報取得部28b(228b)は、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hにおいての患者Pの識別情報(患者番号B)と、公的な個人認証番号B200と、のいずれか一方である患者識別情報B1を取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、患者Pが、医療機関Hに来院するたびに、患者Pを識別するための番号を生成するとともに、生成された番号を患者識別情報B1として取得するようにしてもよい。また、患者Pの所持している保険証の番号を患者識別情報B1として取得するようにしてもよい。
【0128】
また、上記第1~第4実施形態では、認証部42(242)は、クラウド上に構築されている参照用データベース241と、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)と、患者識別情報B1とに基づいて患者Pに対して認証を行うこと、または、患者Pに対する医療行為が行われる医療機関Hにおける院内サーバ4に構築されている参照用データベース41と、患者認証用生体情報(患者認証用顔画像A1)と、患者識別情報B1とに基づいて患者Pに対して認証を行うこと、のいずれか一方を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、認証部42(242)を、検査室Eに設置されているコンピュータに構築された参照用データベース41(241)と、患者認証用顔画像A1と、患者識別情報B1とに基づいて患者Pに対して認証を行うように構成してもよい。すなわち、患者参照用顔画像A2と患者参照用識別情報B2とを、検査室Eに設置されているコンピュータに記憶させるようにしてもよい。また、医療用装置(放射線撮影装置2、202、402)の制御を行う制御部28(装置制御部28a、428a)と認証部42(242)とを一体的に構成してもよい。
【0129】
また、上記第4実施形態では、緊急撮影モードは、患者Pを撮影するための放射線撮影装置402の動作の制御を、検査作業者Qが手動によって選択操作するための手動撮影モードである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、緊急撮影モードは、装置側撮像部3によって撮像された画像に基づいてX線検出部22の位置を取得することによって、放射線を照射する位置にX線照射部21を配置するようにしてもよい。また、緊急撮影モードは、たとえば、装置側撮像部3によって撮像された患者Pの画像に基づいて患者Pの体格を取得することによって、患者Pの体格に基づいて放射線撮影を行う条件(放射線の照射位置など)を決定するようにしてもよい。
【0130】
また、上記第1~第4実施形態では、装置側撮像部3(303)は、CMOSイメージセンサを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、装置側撮像部3(303)は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを含んでいてもよい。また、装置側撮像部3(303)は、ステレオカメラを含んでいてもよい。
【0131】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0132】
(項目1)
医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用の生体情報である患者認証用生体情報を取得する患者生体情報取得部と、
前記患者を識別するための患者識別情報を取得する患者識別情報取得部と、
前記患者の認証を行う際に参照される生体情報として予め取得された患者参照用生体情報と前記患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記患者生体情報取得部によって取得された前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行う認証部と、
前記認証部による認証の結果である認証結果に基づいて、前記医療用装置の制御を行う装置制御部と、を備える、患者認証システム。
【0133】
(項目2)
前記患者参照用生体情報は、前記患者が予め撮像された患者参照用画像を含み、
前記患者生体情報取得部は、前記患者認証用生体情報としての患者認証用画像を撮像する撮像部を含み、
前記認証部は、前記患者参照用画像と前記患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記撮像部によって撮像された前記患者認証用画像と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うように構成されている、項目1に記載の患者認証システム。
【0134】
(項目3)
前記患者参照用画像は、前記患者の顔が予め撮像された患者参照用顔画像を含み、
前記撮像部は、前記患者認証用画像としての患者認証用顔画像を撮像するように構成されており、
前記認証部は、前記患者参照用顔画像と前記患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、前記撮像部によって撮像された前記患者認証用顔画像と、前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うように構成されている、項目2に記載の患者認証システム。
【0135】
(項目4)
前記認証部は、前記参照用データベースに記憶された前記患者参照用識別情報のうちから前記患者識別情報取得部によって取得された前記患者識別情報に対応する前記患者参照用識別情報を抽出するとともに、抽出された前記患者参照用識別情報に関連付けられて前記参照用データベースに記憶されている前記患者参照用顔画像と、前記撮像部によって撮像された前記患者認証用顔画像とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うように構成されている、項目3に記載の患者認証システム。
【0136】
(項目5)
前記患者識別情報取得部は、前記患者識別情報と、前記患者に行われる医療行為についての情報である検査オーダとを関連付けて取得するように構成されている、項目1~4のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0137】
(項目6)
前記患者識別情報取得部は、前記患者に対する医療行為が行われる医療機関の受付に設置されている受付機に対する入力操作に基づいて、前記患者識別情報を取得するように構成されている、項目1~5のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0138】
(項目7)
前記患者識別情報取得部により前記患者識別情報が取得されることと、前記参照用データベースに前記患者参照用識別情報が記憶されることとが、前記受付機に対する入力操作に基づいて行われるように構成されている、項目6に記載の患者認証システム。
【0139】
(項目8)
前記患者生体情報取得部は、前記患者認証用生体情報としての患者認証用画像を撮像する撮像部を含み、
前記撮像部は、前記医療用装置が設置されている検査室に配置されている、項目1~7のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0140】
(項目9)
前記医療用装置は、放射線撮影装置を含み、
前記撮像部は、前記放射線撮影装置に配置されている、項目8に記載の患者認証システム。
【0141】
(項目10)
前記患者生体情報取得部は、前記患者認証用生体情報としての患者認証用画像を撮像する撮像部を含み、
前記撮像部は、前記医療用装置が設置されている検査室の外側に、前記検査室に入室してくる患者を撮像するように配置されている、項目1~7のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0142】
(項目11)
前記医療用装置は、放射線撮影装置を含み、
前記装置制御部は、前記認証結果に基づいて、前記放射線撮影装置の動作の切り替えと、前記認証結果についての報知と、の少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目1~10のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0143】
(項目12)
前記放射線撮影装置の動作についての情報を表示する表示部をさらに備え、
前記装置制御部は、認証の成功を示す前記認証結果を取得した場合に、前記表示部に、前記患者識別情報に基づいて放射線撮影を行うための撮影画面を表示する制御を行うように構成されている、項目11に記載の患者認証システム。
【0144】
(項目13)
前記装置制御部は、認証の成功を示す前記認証結果を取得した場合に、放射線撮影を行うための動作準備モードへと切り替える制御を行うように構成されている、項目11または12に記載の患者認証システム。
【0145】
(項目14)
前記放射線撮影装置の動作についての情報を表示する表示部をさらに備え、
前記装置制御部は、認証の失敗を示す前記認証結果を取得した場合に、前記表示部に、複数の前記患者についての前記患者識別情報と複数の前記患者に行われる医療行為についての情報である検査オーダとを、選択可能に表示する制御を行うように構成されている、項目11~13のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0146】
(項目15)
前記装置制御部は、認証の失敗を示す前記認証結果を取得した場合に、前記患者に行われる医療行為についての情報である検査オーダを選択せずに放射線撮影を行う緊急撮影モードへと切り替える制御を行うように構成されている、項目11~13のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0147】
(項目16)
前記装置制御部は、前記認証結果についての情報を表示することと、前記認証結果に基づく音声報知を行うことと、の少なくとも一方によって、前記認証結果についての報知の制御を行うように構成されている、項目11~15のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0148】
(項目17)
前記患者識別情報取得部は、前記患者に対する医療行為が行われる医療機関においての前記患者の識別情報と、公的な個人認証番号と、のいずれか一方である前記患者識別情報を取得するように構成されている、項目1~16のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0149】
(項目18)
前記認証部は、クラウド上に構築されている前記参照用データベースと、前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報とに基づいて前記患者に対して認証を行うこと、または、前記患者に対する医療行為が行われる医療機関における院内サーバに構築されている前記参照用データベースと、前記患者認証用生体情報と、前記患者識別情報とに基づいて前記患者に対して認証を行うこと、のいずれか一方を行うように構成されている、項目1~17のいずれか1項に記載の患者認証システム。
【0150】
(項目19)
医療用装置を用いて医療行為が行われる患者の認証用生体情報である患者認証用生体情報を取得するステップと、
前記患者を識別するための患者識別情報を取得するステップと、
前記患者の認証を行う際に参照される生体情報として予め取得された患者参照用生体情報と前記患者の認証を行う際に参照される患者参照用識別情報とが関連付けられて記憶されている参照用データベースと、取得された前記患者認証用生体情報と、取得された前記患者識別情報とに基づいて、前記患者に対しての認証を行うステップと、
認証の結果である認証結果に基づいて、前記医療用装置の制御を行うステップと、を備える、患者認証方法。
【符号の説明】
【0151】
1、201 受付機
2、202、402、602 放射線撮影装置(医療用装置)
3、303 装置側撮像部(撮像部、患者生体情報取得部)
4、204 院内サーバ
26 表示部
28a、428a 装置制御部
28b、228b 患者識別情報取得部
41、241 参照用データベース
42、242 認証部
100、200、300、400、600 患者認証システム
205 認証サーバ(クラウド)
図1
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