(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】走行経路生成システム及び車両運転支援システム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20231031BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231031BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B60W30/10
G08G1/16 C
B60W40/04
(21)【出願番号】P 2020022369
(22)【出願日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】菅野 崇
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/141788(WO,A1)
【文献】特開2017-100657(JP,A)
【文献】特開2019-137139(JP,A)
【文献】国際公開第2017/010349(WO,A1)
【文献】特開2019-189216(JP,A)
【文献】特開2019-209813(JP,A)
【文献】特開2019-018788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路生成システムであって、
自車両の走行路に関する走行路情報を取得する走行路情報取得装置と、
前記走行路上の障害物に関する障害物情報を取得する障害物情報取得装置と、
前記走行路情報及び前記障害物情報に基づいて、前記走行路において前記自車両に走行させる目標走行経路を生成するよう構成された演算装置と、を有し、
前記演算装置は、
前記自車両が車線変更する場合に、変更先の車線上において前記自車両付近に存在する少なくとも2台の周辺車両の情報を、前記障害物情報から取得し、
前記少なくとも2台の周辺車両の情報に基づき、前記自車両が前記変更先の車線において移動すべき目標スペースを、前記少なくとも2台の周辺車両の間に設定し、
前記目標スペースの移動速度に基づき当該目標スペースの将来位置を予測し、予測された前記将来位置に基づき、前記自車両が車線変更するときに走行させる前記目標走行経路を生成するよう構成され、
前記演算装置は、現在から所定の車線変更時間が経過した後において、前記自車両の速度と前記目標スペースの移動速度との相対速度が所定速度未満になり、且つ、前記自車両と前記目標スペースとの相対距離が所定距離未満になったときに、前記自車両が車線変更を開始するような前記目標走行経路を生成するよう構成されている、ことを特徴とする走行経路生成システム。
【請求項2】
前記演算装置は、
前記少なくとも2台の周辺車両の情報に基づき、当該少なくとも2台の周辺車両のそれぞれの周囲に、前記自車両を進入させないようにするための危険領域を設定し、
前記少なくとも2台の周辺車両のそれぞれに設定された前記危険領域の間に、前記目標スペースを設定するよう構成されている、
請求項1に記載の走行経路生成システム。
【請求項3】
前記演算装置は、前記周辺車両の周囲に設定する前記危険領域に関して、前記周辺車両の後方に延びる前記危険領域の部分を、前記周辺車両の前方に延びる前記危険領域の部分よりも広く設定するよう構成されている、請求項2に記載の走行経路生成システム。
【請求項4】
前記演算装置は、
前記自車両が車線変更すべき地点までの距離が所定距離以上である場合には、予測された前記目標スペースの将来位置に基づき、前記自車両が車線変更するときに走行させる前記目標走行経路を生成する一方で、
前記自車両が車線変更すべき地点までの距離が前記所定距離未満である場合には、前記目標スペースの大きさの変化を予測し、予測された前記目標スペースの大きさの変化に基づき、前記自車両が車線変更するときに走行させる前記目標走行経路を生成するよう構成されている、
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の走行経路生成システム。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の走行経路生成システムによって生成された目標走行経路に沿って車両が走行するように、前記車両を運転制御するよう構成された制御装置を有することを特徴とする車両運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行経路を生成する走行経路生成システム、及び走行経路に基づき車両の運転支援を行う車両運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自車両の周辺の状況や自車両の状態などに基づき、自車両に走行させるための目標走行経路を設定し、この目標走行経路に基づき車両の運転支援(具体的には運転アシスト制御や自動運転制御)を行う技術が開発されている。例えば、特許文献1には、車線変更時において、自車両の情報や自車両周辺の他車両の情報などに基づき、車線変更の開始ポイント及び終了ポイントを設定し、これらポイントに応じた目標走行経路を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願の発明者らは、自車両が車線変更するときにおいて、自車両を変更先の車線上に存在する周辺車両の間(典型的には自車両付近に存在する先行車両と後続車両との間)に安全に移動させられるような目標走行経路を生成できれば良いと考えた。この場合、車線変更時の安全性を適切に確保するためには、自車両が変更先の車線において移動することとなる周辺車両間のスペースを的確に把握することが望ましい。より具体的には、様々な速度にて時々刻々と移動していく周辺車両に応じて変化する、周辺車両間のスペースの位置や大きさなどを的確に把握することが望ましい。
【0005】
なお、上述した特許文献1には、車線変更時における目標走行経路を生成することが記載されているに止まり、このような本願の発明者が着眼した課題については何ら開示されておらず、当然、これを解決可能な技術について開示も示唆もされていない。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、自車両が車線変更するときに、自車両を変更先の車線上の周辺車両の間に安全に移動させられるような目標走行経路を適切に生成することができる走行経路生成システム、及び、この目標走行経路に基づき車両の運転支援を行うことができる車両運転支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、走行経路生成システムであって、自車両の走行路に関する走行路情報を取得する走行路情報取得装置と、走行路上の障害物に関する障害物情報を取得する障害物情報取得装置と、走行路情報及び障害物情報に基づいて、走行路において自車両に走行させる目標走行経路を生成するよう構成された演算装置と、を有し、演算装置は、自車両が車線変更する場合に、変更先の車線上において自車両付近に存在する少なくとも2台の周辺車両の情報を、障害物情報から取得し、少なくとも2台の周辺車両の情報に基づき、自車両が変更先の車線において移動すべき目標スペースを少なくとも2台の周辺車両の間に設定し、目標スペースの移動速度に基づき当該目標スペースの将来位置を予測し、予測された将来位置に基づき、自車両が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成するよう構成され、演算装置は、現在から所定の車線変更時間が経過した後において、自車両の速度と目標スペースの移動速度との相対速度が所定速度未満になり、且つ、自車両と目標スペースとの相対距離が所定距離未満になったときに、自車両が車線変更を開始するような目標走行経路を生成するよう構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
このように構成された本発明では、演算装置は、自車両が車線変更する場合に、自車両が変更先の車線において移動すべき目標スペースを周辺車両間に設定し、この目標スペースの移動速度に基づき当該目標スペースの将来位置を予測して、自車両が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成する。これにより、様々な速度にて時々刻々と移動していく周辺車両に応じて変化する周辺車両間のスペースの位置を、的確に把握することができる。したがって、本発明によれば、目標走行経路に基づき自車両を車線変更させるときに、自車両を変更先の車線上の周辺車両の間に安全に移動させることができる。また、本発明によれば、所定の車線変更時間の経過後に、自車両と目標スペースとの相対速度が所定速度未満になり且つ自車両と目標スペースとの相対距離が所定距離未満になったときに車線変更を開始するので、目標走行経路に基づき自車両を車線変更させるときに自車両を目標スペースに安全且つ確実に移動させることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、演算装置は、少なくとも2台の周辺車両の情報に基づき、当該少なくとも2台の周辺車両のそれぞれの周囲に、自車両を進入させないようにするための危険領域を設定し、少なくとも2台の周辺車両のそれぞれに設定された危険領域の間に、目標スペースを設定するよう構成されている。
このように構成された本発明では、周辺車両のそれぞれの周囲に設定された危険領域に基づき目標スペースを設定する。これにより、目標走行経路に基づき自車両を車線変更して目標スペースに移動させるときに、自車両と周辺車両との衝突を効果的に防止することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、演算装置は、周辺車両の周囲に設定する危険領域に関して、周辺車両の後方に延びる危険領域の部分を、周辺車両の前方に延びる危険領域の部分よりも広く設定するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、自車両の車線変更時において周辺車両(特に先行車両)が減速した場合における自車両と当該周辺車両との衝突を効果的に防止することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、演算装置は、自車両が車線変更すべき地点までの距離が所定距離以上である場合には、予測された目標スペースの将来位置に基づき、自車両が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成する一方で、自車両が車線変更すべき地点までの距離が所定距離未満である場合には、目標スペースの大きさの変化を予測し、予測された目標スペースの大きさの変化に基づき、自車両が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、車線変更すべき地点が遠方にあるか自車両の近辺にあるかに応じて、目標スペースに基づき目標走行経路を生成するための処理を適切に切り替えることができる。
【0013】
他の観点では、本発明において、車両運転支援システムは、上述した走行経路生成システムによって生成された走行経路に沿って車両が走行するように、車両を運転制御するよう構成された制御装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の走行経路生成システムによれば、自車両が車線変更するときに、自車両を変更先の車線上の周辺車両の間に安全に移動させられるような目標走行経路を適切に生成することができ、また、本発明の車両運転支援システムによれば、このような目標走行経路に基づき車両の運転支援を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態による走行経路生成システムが適用された車両運転支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態において、車線変更すべき地点が比較的遠方にある場合に、自車両が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成するための方法についての説明図である。
【
図3】本発明の実施形態において、車線変更すべき地点が自車両の比較的近辺にある場合に、自車両が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成するための方法についての説明図である。
【
図4】本発明の実施形態による全体処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態による第1処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態による第2処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態による目標スペース追従処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による走行経路生成システム及び車両運転支援システムについて説明する。
【0017】
[システム構成]
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態による走行経路生成システムが適用された車両運転支援システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態による走行経路生成システムが適用された車両運転支援システムの概略構成を示すブロック図である。
【0018】
車両運転支援システム100は、走行路において車両(以下では適宜「自車両」と呼ぶ。)1に走行させるための目標走行経路を設定する走行経路生成システムとしての機能を有すると共に、車両1をこの目標走行経路に沿って走行させるように運転支援制御(運転アシスト制御や自動運転制御)を行うように構成されている。
図1に示すように、車両運転支援システム100は、演算装置及び制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)10と、複数のセンサ類と、複数の制御システムと、を有する。
【0019】
具体的には、複数のセンサ類には、カメラ21、レーダ22や、車両1の挙動や乗員による運転操作を検出するための車速センサ23、加速度センサ24、ヨーレートセンサ25、操舵角センサ26、アクセルセンサ27、ブレーキセンサ28が含まれている。さらに、複数のセンサ類には、車両1の位置を検出するための測位システム29、ナビゲーションシステム30が含まれている。複数の制御システムには、エンジン制御システム31、ブレーキ制御システム32、ステアリング制御システム33が含まれている。
【0020】
また、他のセンサ類として、車両1に対する周辺構造物の距離及び位置を測定する周辺ソナー、車両1の4箇所の角部における周辺構造物の接近を測定するコーナーレーダや、車両1の車室内を撮影するインナーカメラが含まれていてもよい。
【0021】
ECU10は、複数のセンサ類から受け取った信号に基づいて種々の演算を実行し、エンジン制御システム31、ブレーキ制御システム32、ステアリング制御システム33に対して、それぞれエンジンシステム、ブレーキシステム、ステアリングシステムを適宜に作動させるための制御信号を送信する。ECU10は、1つ以上のプロセッサ(典型的にはCPU)と、各種プログラムを記憶するメモリ(ROM、RAMなど)と、入出力装置などを備えたコンピュータにより構成される。なお、ECU10は、本発明における「演算装置」及び「制御装置」の一例に相当する。
【0022】
カメラ21は、車両1の周囲を撮影し、画像データを出力する。ECU10は、カメラ21から受信した画像データに基づいて、対象物(例えば、先行車両(前方車両)、後続車両(後方車両)、駐車車両、歩行者、走行路、区画線(車線境界線、白線、黄線)、交通信号、交通標識、停止線、交差点、障害物等)を特定する。なお、ECU10は、交通インフラや車々間通信等により、外部から対象物の情報を取得してもよい。これにより、対象物の種類、相対位置、移動方向等が特定される。
【0023】
レーダ22は、対象物(特に、先行車両、後続車両、駐車車両、歩行者、走行路上の落下物等)の位置及び速度を測定する。レーダ22として、例えばミリ波レーダを用いることができる。レーダ22は、車両1の進行方向に電波を送信し、対象物により送信波が反射されて生じた反射波を受信する。そして、レーダ22は、送信波と受信波に基づいて、車両1と対象物との間の距離(例えば、車間距離)や、車両1に対する対象物の相対速度を測定する。なお、本実施形態において、レーダ22に代えて、レーザレーダや超音波センサ等を用いて対象物との距離や相対速度を測定してもよい。また、複数のセンサ類を用いて、位置及び速度測定装置を構成してもよい。
【0024】
なお、カメラ21及びレーダ22は、本発明における「走行路情報取得装置」及び「障害物情報取得装置」の一例に相当する。また、「走行路情報」は、例えば、走行路の形状(直線、カーブ、カーブ曲率)、走行路幅、車線数、車線幅、標識などに規定された走行路の規制情報(制限速度など)、交差点、横断歩道等に関する情報を含んでいる。また、「障害物情報」は、車両1の走行路上の障害物(例えば先行車両や後続車両や駐車車両や歩行者などの車両1の走行において障害となり得る対象物)の有無や、障害物の移動方向、障害物の移動速度等に関する情報を含んでいる。
【0025】
車速センサ23は、車両1の絶対速度を検出する。加速度センサ24は、車両1の加速度を検出する。この加速度は、前後方向の加速度と、横方向の加速度(つまり横加速度)とを含む。なお、加速度には、速度が増加する方向の速度の変化率だけでなく、速度が減少する方向の速度の変化率(つまり減速度)も含むものとする。
【0026】
ヨーレートセンサ25は、車両1のヨーレートを検出する。操舵角センサ26は、車両1のステアリングホイールの回転角度(操舵角)を検出する。ECU10は、車速センサ23が検出した絶対速度、及び、操舵角センサ26が検出した操舵角に基づいて所定の演算を実行することにより、車両1のヨー角を取得することができる。アクセルセンサ27は、アクセルペダルの踏み込み量を検出する。ブレーキセンサ28は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出する。
【0027】
測位システム29は、GPSシステム及び/又はジャイロシステムであり、車両1の位置(現在車両位置情報)を検出する。ナビゲーションシステム30は、内部に地図情報を格納しており、ECU10に地図情報を提供することができる。ECU10は、地図情報及び現在車両位置情報に基づいて、車両1の周囲(特に、進行方向)に存在する道路、交差点、交通信号、建造物等を特定する。地図情報は、ECU10内に格納されていてもよい。なお、ナビゲーションシステム30も、本発明における「走行路情報取得装置」の一例に相当する。
【0028】
エンジン制御システム31は、車両1のエンジンを制御する。エンジン制御システム31は、エンジン出力(駆動力)を調整可能な構成部であり、例えば、点火プラグや、燃料噴射弁や、スロットルバルブや、吸排気弁の開閉時期を変化させる可変動弁機構などを含む。ECU10は、車両1を加速又は減速させる必要がある場合に、エンジン制御システム31に対して、エンジン出力を変更するために制御信号を送信する。
【0029】
ブレーキ制御システム32は、車両1のブレーキ装置を制御する。ブレーキ制御システム32は、ブレーキ装置の制動力を調整可能な構成部であり、例えば液圧ポンプやバルブユニットなどを含む。ECU10は、車両1を減速させる必要がある場合に、ブレーキ制御システム32に対して、制動力を発生させるために制御信号を送信する。
【0030】
ステアリング制御システム33は、車両1のステアリング装置を制御する。ステアリング制御システム33は、車両1の操舵角を調整可能な構成部であり、例えば電動パワーステアリングシステムの電動モータなどを含む。ECU10は、車両1の進行方向を変更する必要がある場合に、ステアリング制御システム33に対して、操舵方向を変更するために制御信号を送信する。
【0031】
[目標走行経路の生成]
次に、本発明の実施形態において上述したECU10によって実行される目標走行経路の生成について説明する。まず、その概要を、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0032】
図2は、車線変更すべき地点が比較的遠方にある場合(自車両1と車線変更すべき地点との距離が所定距離(1つの例では1km)以上である場合)、例えば車線変更が必要となるような合流地点又は分岐地点が比較的遠方にある場合に、自車両1が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成するための方法についての説明図である。
図2は、上に、現在の自車両1周辺の状況を示し、中央に、現在から第1時間(例えば3秒)後に予測される自車両1周辺の状況を示し、下に、現在から第2時間(第1時間よりも長い時間であり、例えば6秒)後に予測される自車両1周辺の状況を示している。本実施形態では、ECU10は、現在から第2時間が経過するまでの期間について、自車両1周辺の状況を所定の周期で繰り返し予測していく。この第2時間は、通常、車両が車線変更を行うのに要する時間に基づき設定される。
【0033】
まず、ECU10は、自車両1が車線変更する場合、変更先の隣接車線上において自車両1付近に存在する周辺車両3a、3bの情報を、上記の障害物情報から取得する。この場合、ECU10は、基本的には、変更先の隣接車線上において自車両1の最も近くに位置する2台の周辺車両3a、3bの情報を取得する。より詳しくは、ECU10は、隣接車線上において自車両1の最も近くに位置する先行車両としての周辺車両3a、及び隣接車線上において自車両1の最も近くに位置する後続車両としての周辺車両3bの情報を取得する。本実施形態では、車線変更すべき地点が比較的遠方にある場合には、隣接車線上の周辺車両間の距離が広くなっている傾向にあるため(換言すると隣接車線上の周辺車両が比較的疎らになっている傾向にあるため)、また、車線変更するのに十分な時間及び距離があるため、ECU10は、車線変更のための目標走行経路を設定する上で、車線変更において移動することとなる周辺車両間の1つのスペースのみを考慮するようにしている、つまり当該1つのスペースを形成する2台の周辺車両3a、3bのみを考慮するようにしている。すなわち、ECU10は、周辺車両間の1つのスペースの把握に注力するようにする。
【0034】
次いで、ECU10は、取得された周辺車両3a、3bの情報に基づき、目標走行経路に基づく運転支援において自車両1を進入させないようにするための危険領域40a1、40b1を、周辺車両3a、3bのそれぞれの周囲に設定する。具体的には、ECU10は、自車両1と周辺車両3a、3bとの相対速度及び相対距離(車間距離)などに基づき危険領域40a1、40b1を設定する。例えば、ECU10は、これらの相対速度及び相対距離に基づき、車両1と周辺車両3a、3bとにおける車頭時間(THW:Time-Head Way)及び/又は衝突余裕時間(TTC:Time To Collision)を求めて、求められた車頭時間及び/又は衝突余裕時間から危険領域40a1、40b1を設定する。なお、車頭時間は、自車両1と周辺車両3a、3bとの相対距離を自車両1の速度により除算することで求められ、衝突余裕時間は、自車両1と周辺車両3a、3bとの相対距離を自車両1と周辺車両3a、3bとの相対速度により除算することで求められる。
【0035】
また、ECU10は、周辺車両3a、3bの後方に延びる危険領域40a1、40b1の部分を、周辺車両3a、3bの前方に延びる危険領域40a1、40b1の部分よりも広く設定する。こうする理由は以下の通りである。仮に自車両1が周辺車両3a、3bの前方に割り込んだ場合を考えると、この場合には、周辺車両3a、3bのドライバは基本的には前方を見ているので、当該ドライバが周辺車両3a、3bを加速させる可能性は低い。むしろ、このドライバは、周辺車両3a、3bを減速させる傾向にある。そうすると、隣接車線を走行する周辺車両3a、3bは、加速する可能性よりも減速する可能性のほうが高いと考えられる。したがって、自車両1の車線変更時において、周辺車両3a、3bが加速した場合における自車両1と周辺車両3a、3bの前部との衝突よりも、周辺車両3a、3bが減速した場合における自車両1と周辺車両3a、3bの後部との衝突を優先的に防止するのが望ましいと考えられる。よって、本実施形態では、ECU10は、上記のように危険領域40a1、40b1について、周辺車両3a、3bの後方の部分を周辺車両3a、3bの前方の部分よりも広く設定している。こうすることで、自車両1の車線変更時において周辺車両3a、3bが減速した場合における自車両1と周辺車両3a、3bとの衝突を効果的に防止できるようになる。
【0036】
次いで、ECU10は、このように設定された危険領域40a1と危険領域40b1との間に、自車両1が車線変更により隣接車線において移動すべき目標スペースSP1aを設定する。走行路が延びる方向に沿った目標スペースSP1aの長さは、危険領域40a1と危険領域40b1との間の距離に相当し、走行路の幅方向に沿った目標スペースSP1aの長さ(幅)は、走行路の幅方向に沿った危険領域40a1、40b1の長さ(幅)に相当する。また、ECU10は、車線変更のための目標走行経路を設定する上で用いる走行経由点として、目標スペースSP1aの中に目標点P1aを設定する。具体的には、ECU10は、目標スペースSP1aの中央に目標点P1aを設定する。
【0037】
この後、ECU10は、現在から第2時間が経過するまでの期間について、自車両1周辺の状況を所定の周期で繰り返し予測していく。
図2の中央に示すように、ECU10は、現在から第2時間が経過するまでの期間の途中において、具体的には現在から第1時間後には、周辺車両3a、3bの危険領域40a2、40b2を予測する。この場合、ECU10は、第1時間後における自車両1と周辺車両3a、3bとの相対速度及び相対距離(車間距離)などを予測し、これらの相対速度及び相対距離などに基づき、上記と同様の方法により、危険領域40a2、40b2を設定する。
【0038】
次いで、ECU10は、設定された危険領域40a2と危険領域40b2との間に目標スペースSP1bを設定すると共に、この目標スペースSP1bの中央に目標点P1bを設定する。次いで、ECU10は、自車両1と目標点P1bとの相対速度及び相対距離に基づき、自車両1を目標点P1bに追従させるための自車両1の速度を求める。ECU10は、この自車両1の速度と先行車両である周辺車両3aの速度との相対速度などに基づき、自車両1が車線変更したときに自車両1と周辺車両3aとが衝突する可能性を判定する。
図2に示す例では、ECU10は、衝突する可能性はないと判定して、第1時間が過ぎた後も、自車両1周辺の状況を引き続き予測していく。
【0039】
この後、
図2の下に示すように、ECU10は、現在から第2時間後、つまり車線変更に要する時間の経過時には、周辺車両3a、3bの危険領域40a3、40b3を予測する。この場合、ECU10は、第2時間後における自車両1と周辺車両3a、3bとの相対速度及び相対距離(車間距離)などを予測し、これらの相対速度及び相対距離などに基づき、上記と同様の方法により、危険領域40a3、40b3を設定する。次いで、ECU10は、設定された危険領域40a3と危険領域40b3との間に目標スペースSP1cを設定すると共に、この目標スペースSP1cの中央に目標点P1cを設定する。次いで、ECU10は、自車両1と目標点P1bとの相対速度及び相対距離に基づき、自車両1を目標点P1cに追従させるための自車両1の速度を算出する。ECU10は、この自車両1の速度と先行車両である周辺車両3aの速度との相対速度などに基づき、自車両1が車線変更したときに自車両1と周辺車両3aとが衝突する可能性を判定する。
図2に示す例では、ECU10は、衝突する可能性はないと判定する。
【0040】
次いで、ECU10は、更に、自車両1と目標点P1cとの相対距離が所定距離(例えば5m)未満で、且つ自車両1と目標点P1cとの相対速度が所定速度(例えば5~10km)未満であるか否かを判定する。
図2に示す例では、ECU10は、相対距離が所定距離未満で且つ相対速度が所定速度未満であると判定する。そして、ECU10は、目標点P1cを走行経由点として採用することを決定し、自車両1の現在位置と走行経由点P1cとを繋ぐ経路L1を(例えば所定の曲線(n次関数など)を用いて経路L1を生成すればよい)、車線変更のための目標走行経路として設定する。このような目標走行経路L1により運転制御を行うと、現在から第2時間が経過したときに、自車両1の速度と目標点P1cの移動速度(一義的に目標スペースSP1cの移動速度)との相対速度が所定速度未満である場合に、自車両1が車線変更を開始するようになる。更に、ECU10は、上記の目標走行経路L1において自車両1に適用すべき車速も設定する。
図2に示す例では、ECU10は、車線変更に当たって自車両1を減速(矢印A1参照)させるような車速を設定する。
【0041】
なお、上記では、先行車両としての周辺車両3a及び後続車両としての周辺車両3bの両方が自車両1付近に存在する例を示したが、このような先行車両及び後続車両の一方が存在しない場合には、存在するほうの周辺車両から十分なマージンを設けた場所に目標スペースを設定すればよい(
図3で示す例も同様とする)。例えば、先行車両のみが存在する場合には、先行車両の後端から所定距離離れた位置までのスペースを目標スペースとして設定すればよく、また、後続車両のみが存在する場合には、後続車両の前端から所定距離離れた位置までのスペースを目標スペースとして設定すればよい。
【0042】
次に、
図3は、車線変更すべき地点が自車両1の比較的近辺にある場合(自車両1と車線変更すべき地点との距離が所定距離(1つの例では1km)未満である場合)、例えば車線変更が必要となるような合流地点又は分岐地点が自車両1の比較的近辺にある場合に、自車両1が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成するための方法についての説明図である。
図3は、上に、現在の自車両1周辺の状況を示し、中央に、現在から第1時間(例えば3秒)後に予測される自車両1周辺の状況を示し、下に、現在から第2時間(例えば6秒)後に予測される自車両1周辺の状況を示している。上記と同様に、ECU10は、現在から第2時間(通常、車両が車線変更を行うのに要する時間に基づき設定される)が経過するまでの期間について、自車両1周辺の状況を所定の周期で繰り返し予測していく。なお、以下では、
図2と同様の内容については、その説明を適宜省略する。
【0043】
まず、ECU10は、自車両1が車線変更する場合、変更先の隣接車線上において自車両1付近に存在する周辺車両3c、3d、3eの情報を、上記の障害物情報から取得する。この場合、ECU10は、基本的には、変更先の隣接車線上において自車両1の最も近くに位置する3台の周辺車両3c、3d、3eの情報を取得する。より詳しくは、ECU10は、隣接車線上において自車両1の最も近くに位置する先行車両としての周辺車両3d、この周辺車両3dの先行車両としての周辺車両3c、及び隣接車線上において自車両1の最も近くに位置する後続車両としての周辺車両3eを用いる。本実施形態では、車線変更すべき地点が自車両1の比較的近辺にある場合には、隣接車線上の周辺車両間の距離が狭くなっている傾向にあるため(換言すると隣接車線上の周辺車両が比較的密になっている傾向にあるため)、また、車線変更するのに十分な時間及び距離がないため、ECU10は、車線変更のための目標走行経路を設定する上で、車線変更において移動することとなる周辺車両間のスペースの候補として2つのスペースを考慮するようにしている、つまり当該2つのスペースを形成する3台の周辺車両3c、3d、3eを考慮するようにしている。すなわち、ECU10は、2つのスペースを候補として用い、これらを比較することで、目標走行経路の設定のために最終的に1つのスペースを選択するようにする。
【0044】
次いで、ECU10は、取得された周辺車両3c、3d、3eの情報に基づき、具体的には自車両1と周辺車両3c、3d、3eとの相対速度及び相対距離(車間距離)などに基づき、周辺車両3c、3d、3eのそれぞれの周囲に危険領域40c1、40d1、40e1を設定する。この場合、ECU10は、危険領域40c1、40d1、40e1において周辺車両3c、3d、3eの後方の部分を周辺車両3c、3d、3eの前方の部分よりも広く設定する。次いで、ECU10は、危険領域40c1と危険領域40d1との間に目標スペースSP2aを設定すると共に、この目標スペースSP2aの中央に目標点P2aを設定し、また、危険領域40d1と危険領域40e1との間に目標スペースSP3aを設定すると共に、この目標スペースSP3aの中央に目標点P3aを設定する。
【0045】
この後、ECU10は、現在から第2時間が経過するまでの期間について、自車両1周辺の状況を所定の周期で繰り返し予測していく。
図3の中央に示すように、ECU10は、現在から第2時間が経過するまでの期間の途中において、具体的には現在から第1時間後には、周辺車両3c、3d、3eの危険領域40c2、40d2、40e2を予測する。次いで、ECU10は、危険領域40c2と危険領域40d2との間に第1目標スペースSP2bを設定すると共に、この第1目標スペースSP2bの中央に第1目標点P2bを設定し、また、危険領域40d2と危険領域40e2との間に第2目標スペースSP3bを設定すると共に、この第2目標スペースSP3bの中央に第2目標点P3bを設定する。
【0046】
この後、
図3の下に示すように、ECU10は、現在から第2時間後、つまり車線変更に要する時間の経過時には、周辺車両3c、3d、3eの危険領域40c3、40d3、40e3を予測する。次いで、ECU10は、危険領域40c3と危険領域40d3との間に第1目標スペースSP2cを設定すると共に、この第1目標スペースSP2cの中央に第1目標点P2cを設定し、また、危険領域40d3と危険領域40e3との間に第2目標スペースSP3cを設定すると共に、この第2目標スペースSP3cの中央に第2目標点P3cを設定する。
【0047】
次いで、ECU10は、これまでの第1及び第2目標スペースSP2a、SP2b、SP3a、SP3bに対する、第2時間後における第1及び第2目標スペースSP2c、SP3cのそれぞれの大きさ(走行路が延びる方向に沿った長さを意味する。以下同様とする。)の変化に基づき、車線変更のための目標走行経路を設定する上で用いる目標スペースとして、第1及び第2目標スペースSP2c、SP3cの一方を選択する。つまり、ECU10は、第1及び第2目標スペースSP2c、SP3cのうちで、車線変更により自車両1を隣接車線上において移動させるべきスペースとして適しているほうを選択する。
図3に示す例では、ECU10は、第1目標スペースSP2cが拡大し、第2目標スペースSP3cが縮小しているため、第1目標スペースSP2cを選択する。こうするのは、縮小している第2目標スペースSP3cよりも、拡大している第1目標スペースSP2cのほうが、車線変更により自車両1を安全に隣接車線上に移動させられると考えられるからである。
【0048】
次いで、ECU10は、上記のように選択された第1目標スペースSP2c及び第1目標点P2cを用いて、自車両1と第1目標点P2cとの相対速度及び相対距離に基づき、自車両1を第1目標点P2cに追従させるための自車両1の速度を算出する。ECU10は、この自車両1の速度と、第1目標スペースSP2cに車線変更する場合に先行車両となる周辺車両3cの速度との相対速度などに基づき、自車両1が車線変更したときに自車両1と周辺車両3cとが衝突する可能性を判定する。
図3に示す例では、ECU10は、衝突する可能性はないと判定する。
【0049】
次いで、ECU10は、更に、自車両1と第1目標点P2cとの相対距離が所定距離(例えば5m)未満で、且つ自車両1と第1目標点P2cとの相対速度が所定速度(例えば5~10km)未満であるか否かを判定する。
図3に示す例では、ECU10は、相対距離が所定距離未満で且つ相対速度が所定速度未満であると判定する。そして、ECU10は、第1目標点P2cを走行経由点として採用することを決定し、自車両1の現在位置と走行経由点P2cとを繋ぐ経路L2を(例えば所定の曲線(n次関数など)を用いて経路L2を生成すればよい)、車線変更のための目標走行経路として設定する。このような目標走行経路L2により運転制御を行うと、現在から第2時間が経過したときに、自車両1の速度と第1目標点P2cの移動速度(一義的に第1目標スペースSP2cの移動速度)との相対速度が所定速度未満である場合に、自車両1が車線変更を開始するようになる。更に、ECU10は、上記の目標走行経路L2において自車両1に適用すべき車速も設定する。
図3に示す例では、ECU10は、車線変更に当たって自車両1を加速(矢印A2参照)させるような車速を設定する。
【0050】
次に、
図4乃至
図7を参照して、本発明の実施形態においてECU10によって実行される処理の流れについて説明する。
図4は、本発明の実施形態による全体処理を示すフローチャートである。
図5は、本発明の実施形態において、車線変更すべき地点が比較的遠方にある場合に、
図2に示したような方法により目標走行経路を生成するための処理(第1処理)を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施形態において、車線変更すべき地点が自車両1の比較的近辺にある場合に、
図3に示したような方法により目標走行経路を生成するための処理(第2処理)を示すフローチャートである。
図7は、本発明の実施形態において、車線変更に要する時間に相当する第2時間(以下では適宜「車線変更時間」と呼ぶ。)が経過するまでの間、目標スペースを追従するための処理(目標スペース追従処理)を示すフローチャートである。
【0051】
図4のフローチャートに係る処理は、ECU10によって所定の周期(例えば、0.05~0.2秒毎)で繰り返し実行される。このフローチャートに係る処理が開始されると、ステップS101において、ECU10は、
図1に示した複数のセンサ類(特にカメラ21、レーダ22、車速センサ23、及びナビゲーションシステム30など)から各種種の情報を取得する。この場合、ECU10は、上述した走行路情報及び障害物情報を少なくとも取得する。
【0052】
次いで、ステップS102において、ECU10は、走行路情報などに基づき、自車両1が目的地に到達するまでの間に、走行路の分岐又は合流があるか否かを判定する。その結果、ECU10は、分岐又は合流があると判定した場合(ステップS102:Yes)、ステップS103に進み、分岐又は合流がないと判定した場合(ステップS102:No)、
図4に示すフローチャートに係る処理を終了する。
【0053】
次いで、ステップS103において、ECU10は、車両1の車線変更要求があるか否かを判定する。例えば、ECU10は、走行路情報などに基づき、走行路の分岐又は合流のために自車両1が車線変更を行う必要があるか否かを判定する。その結果、ECU10は、車線変更要求があると判定した場合(ステップS103:Yes)、ステップS104に進み、車線変更要求がないと判定した場合(ステップS103:No)、
図4に示すフローチャートに係る処理を終了する。
【0054】
次いで、ステップS104において、ECU10は、走行路情報から、自車両1の現在位置から分岐地点又は合流地点までの距離を取得する。そして、ステップS105において、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が第1所定距離以上であるか否かを判定する。ここでは、ECU10は、分岐地点又は合流地点が比較的遠方にあるか否か、すなわち
図2に示したような方法により目標走行経路を生成すべき状況であるか否かを判定している。このような判定の趣旨から、ステップS105の判定に用いられる第1所定距離が設定される。好適には、第1所定距離は、走行路の種別に応じて設定される。1つの例では、第1所定距離は、高速道路では1km程度に設定され、一般道路では500m程度に設定される。
【0055】
ステップS105の結果、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が第1所定距離以上であると判定した場合(ステップS105:Yes)、ステップS106に進み、
図2に示したような方法により目標走行経路を生成するための第1処理を行う。この処理の詳細は後述する。これに対して、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が第1所定距離未満であると判定した場合(ステップS105:No)、ステップS107に進む。
【0056】
ステップS107において、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が第2所定距離(<第1所定距離)以上であるか否かを判定する。ここでは、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が非常に短く、車線変更を行うのが困難な状況であるか否かを判定している。このような判定の趣旨から、ステップS107の判定に用いられる第2所定距離が設定される。好適には、第2所定距離は、走行路の種別に応じて設定される。1つの例では、第2所定距離は、高速道路では100m程度に設定され、一般道路では50m程度に設定される。
【0057】
ステップS107の結果、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が第2所定距離以上であると判定した場合(ステップS107:Yes)、ステップS108に進み、
図3に示したような方法により目標走行経路を生成するための第2処理を行う。この処理の詳細は後述する。これに対して、ECU10は、分岐地点又は合流地点までの距離が第2所定距離未満であると判定した場合(ステップS107:No)、ステップS109に進む。この場合には、ECU10は、目標走行経路に基づく運転支援において自車両1を車線変更させないことを決定し(ステップS109)、
図4に示すフローチャートに係る処理を終了する。
【0058】
次いで、上記のステップS106、S108の後、つまり第1処理又は第2処理の終了後、ECU10は、ステップS110に進み、第1処理又は第2処理により決定された走行経由点に基づき、車線変更のための目標走行経路を生成する。例えば、ECU10は、n次関数などの所定の曲線を用いて、車線変更により自車両1を走行経由点に到達させる目標走行経路を生成する。そして、ECU10は、ステップS111に進み、生成された目標走行経路に沿って車両1が走行するように、エンジン制御システム31、ブレーキ制御システム32及びステアリング制御システム33のうちの少なくとも1以上に対して制御信号を送信して、運転制御として、エンジン制御、制動制御及び操舵制御の少なくとも1つ以上を実行する。なお、ECU10は、第1処理又は第2処理により走行経由点が決定されなかった場合には(詳細は後述する)、目標走行経路に基づく運転支援において自車両1を車線変更させないことを決定し、
図4に示すフローチャートに係る処理を終了する。
【0059】
次に、
図5を参照して、
図4のステップS106で行われる第1処理について説明する。第1処理が開始されると、ステップS201において、ECU10は、上記のステップS101で取得された障害物情報から、自車両1の変更先の隣接車線上において自車両1付近に存在する2台の周辺車両の情報を取得する。具体的には、ECU10は、自車両1の前方において自車両1の最も近くに位置する周辺車両(先行車両)の情報、及び自車両1の後方において自車両1の最も近くに位置する周辺車両(後続車両)の情報を取得する。
【0060】
次いで、ステップS202において、ECU10は、ステップS201で取得された2台の周辺車両の情報に基づき、これら2台の周辺車両のそれぞれの周囲に危険領域を設定する。具体的には、ECU10は、自車両1と先行車両との相対速度及び相対距離(車間距離)に基づき、自車両1と先行車両とにおける車頭時間及び/又は衝突余裕時間を算出して、この車頭時間及び/又は衝突余裕時間から先行車両の周囲に危険領域を設定し、また、自車両1と後続車両との相対速度及び相対距離(車間距離)に基づき、自車両1と後続車両とにおける車頭時間及び/又は衝突余裕時間を算出して、この車頭時間及び/又は衝突余裕時間から後続車両の周囲に危険領域を設定する。また、ECU10は、先行車両及び後続車両のそれぞれの危険領域について、車両の後方に延びる部分を車両の前方の部分よりも広く設定する。
【0061】
次いで、ステップS203において、ECU10は、ステップS202で設定された先行車両の危険領域と後続車両の危険領域との間に目標スペースを設定すると共に、この目標スペースの中央に目標点を設定する。そして、ECU10は、ステップS204において、こうして設定された目標スペースなどに基づき、
図7の目標スペース追従処理を実行する。
【0062】
次に、
図6を参照して、
図4のステップS108で行われる第2処理について説明する。第2処理が開始されると、ステップS301において、ECU10は、上記のステップS101で取得された障害物情報から、自車両1の変更先の隣接車線上において自車両1付近に存在する3台の周辺車両の情報を取得する。具体的には、ECU10は、自車両1の前方において自車両1の最も近くに位置する周辺車両(以下では適宜「第2先行車両」と呼ぶ。)の情報と、この第2先行車両の直ぐ前方に位置する周辺車両(以下では適宜「第1先行車両」と呼ぶ。)の情報と、自車両1の後方において自車両1の最も近くに位置する周辺車両(後続車両)の情報と、を取得する。
【0063】
次いで、ステップS302において、ECU10は、ステップS301で取得された3台の周辺車両の情報に基づき、これら3台の周辺車両のそれぞれの周囲に危険領域を設定する。具体的には、ECU10は、自車両1と第1先行車両との相対速度及び相対距離(車間距離)に基づき、自車両1と第1先行車両とにおける車頭時間及び/又は衝突余裕時間を算出して、この車頭時間及び/又は衝突余裕時間から第1先行車両の周囲に危険領域を設定する。これと同様の方法により、ECU10は、第2先行車両及び後続車両のそれぞれについて危険領域を設定する。また、ECU10は、第1先行車両、第2先行車両及び後続車両のそれぞれの危険領域について、車両の後方に延びる部分を車両の前方の部分よりも広く設定する。
【0064】
次いで、ステップS303において、ECU10は、ステップS302で設定された危険領域に基づき目標スペースを設定する。具体的には、ECU10は、第1先行車両の危険領域と第2先行車両の危険領域との間に目標スペース(第1目標スペース)を設定すると共に、第2先行車両の危険領域と後続車両の危険領域との間に目標スペース(第2目標スペース)を設定する。
【0065】
次いで、ステップS304において、ECU10は、ステップS303で設定された第1及び第2目標スペースの変化を算出する。具体的には、ECU10は、車線変更時間後における第1及び第2目標スペースの大きさの変化率(変化速度)を算出する。この場合、ECU10は、自車両1と第1先行車両との相対速度などに基づき、車線変更時間後における第1目標スペースの前端の速度を算出すると共に、自車両1と第2先行車両との相対速度などに基づき、車線変更時間後における第1目標スペースの後端の速度を算出し、これら第1目標スペースの前端及び後端の速度から第1目標スペースの大きさの変化率を得る。同様に、ECU10は、自車両1と第2先行車両との相対速度などに基づき、車線変更時間後における第2目標スペースの前端の速度を算出すると共に、自車両1と後続車両との相対速度などに基づき、車線変更時間後における第2目標スペースの後端の速度を算出し、これら第2目標スペースの前端及び後端の速度から第2目標スペースの大きさの変化率を得る。ECU10は、このような第1及び第2目標スペースの大きさの変化率に加えて、車線変更時間後における第1及び第2目標スペースの大きさ自体も算出する。
【0066】
次いで、ステップS305において、ECU10は、ステップS304で算出された第1及び第2目標スペースの変化に基づき、第1及び第2目標スペースのうちで、車線変更により自車両1を隣接車線上において移動させるべきスペースとして適しているものを選択する。1つの例では、ECU10は、第1及び第2目標スペースの一方が拡大し、他方が縮小している場合には、拡大しているほうの目標スペースを選択する。他の例では、ECU10は、第1及び第2目標スペースの両方が拡大している場合には、拡大率が大きいほうの目標スペース、又はサイズが大きいほう(つまり走行路が延びる方向に沿った長さが長いほう)の目標スペースを選択する。更に他の例では、ECU10は、第1及び第2目標スペースの両方が拡大していない場合、つまり縮小しているか又は大きさが一定である場合には、大きさの変化率が小さい方の目標スペースを選択する。更に他の例では、ECU10は、第1及び第2目標スペースの両方が縮小している場合には、第1及び第2目標スペースの一方又は両方の大きさが所定値以上である場合にのみ、第1及び第2目標スペースのうちで大きいほうの目標スペースを選択する。この例では、ECU10は、第1及び第2目標スペースの両方の大きさが所定値未満である場合には、第1及び第2目標スペースのいずれも選択しない。更に他の例では、ECU10は、第1及び第2目標スペースの大きさの変化が同程度である場合、及び/又は第1及び第2目標スペースの大きさが同じ場合には、後ろにある第2目標スペースを選択する。こうするのは、自車両1が車線変更時に加速して前方の第1目標スペースに移動するよりも、自車両1が車線変更時に減速して後方の第2目標スペースに移動するほうが安全と考えられるからである。なお、上記した複数の例は、適宜組み合せて実施してもよい。
【0067】
次いで、ステップS306において、ECU10は、ステップS305で選択された目標スペースなどに基づき、
図7の目標スペース追従処理を実行する。
【0068】
次に、
図7を参照して、
図5のステップS204及び
図6のステップS306で行われる目標スペース追従処理について説明する。目標スペース追従処理が開始されると、ステップS401において、ECU10は、上記した第1又は第2処理において適用された目標スペース(第2処理の場合には、当該処理にて選択された目標スペース)を規定する2台の周辺車両のそれぞれについて危険領域を設定する。具体的には、ECU10は、カルマンフィルタなどを用いて、周辺車両の位置や速度を予測して、自車両1と周辺車両との相対速度及び相対距離(車間距離)を求める。そして、ECU10は、自車両1と周辺車両との相対速度及び相対距離に応じた車頭時間及び/又は衝突余裕時間に基づき、周辺車両の周囲に危険領域を設定する。
【0069】
次いで、ステップS402において、ECU10は、ステップS401で2台の周辺車両のそれぞれの周囲に設定された危険領域の間に、目標スペースを設定する。また、ECU10は、この目標スペースの中央に目標点を設定する。
【0070】
次いで、ステップS403において、ECU10は、自車両1がステップS402で設定された目標点に追従するための加減速度を算出する。具体的には、ECU10は、自車両1と目標点との相対速度及び相対距離に基づき、自車両1が目標点に追従するための加減速度を算出する。そして、ステップS404において、ECU10は、算出された加減速度を適用した自車両1の速度、つまり目標点に追従するための自車両1の速度を算出する。
【0071】
次いで、ステップS405において、ECU10は、ステップS404で算出された自車両1の速度に基づき、自車両1が車線変更したときに自車両1と目標スペースを規定する先行車両とが衝突する可能性があるか否かを判定する。ECU10は、自車両1と先行車両との相対速度及び相対距離から衝突余裕時間を求め、この衝突余裕時間が所定時間未満である場合に、自車両1と先行車両とが衝突する可能性があると判定する(ステップS405:No)。この場合には、ECU10は、車線変更するための目標走行経路を規定する走行経由点を設定せずに、換言すると目標点を走行経由点に設定せずに、
図7に示すフローチャートに係る処理を終了する。これに対して、ECU10は、衝突余裕時間が所定時間以上である場合には、自車両1と先行車両とが衝突する可能性はないと判定し(ステップS405:Yes)、ステップS406に進む。
【0072】
ステップS406において、ECU10は、目標スペース追従処理を開始してから車線変更時間が経過したか否かを判定する。ECU10は、車線変更時間が経過していると判定した場合(ステップS406:Yes)、ステップS407に進む。これに対して、ECU10は、車線変更時間が経過していないと判定した場合(ステップS406:No)、ステップS401に戻る。この場合には、ECU10は、車線変更時間が経過するまで、ステップS401~S406の処理を繰り返す。
【0073】
次いで、ステップS407において、ECU10は、自車両1と目標点との相対距離及び相対速度を算出する。そして、ステップS408において、ECU10は、自車両1と目標点との相対距離が所定距離(例えば5m)未満で、且つ自車両1と目標点との相対速度が所定速度(例えば5~10km)未満であるか否かを判定する。ここでは、ECU10は、自車両1と目標スペースとの相対関係が、自車両1が目標スペースに安全且つ確実に移動できるような状態にあるか否かを判定している。
【0074】
ステップS408の結果、ECU10は、自車両1と目標点との相対距離が所定距離未満で且つ自車両1と目標点との相対速度が所定速度未満である場合(ステップS408:Yes)、ステップS409に進み、この目標点を、車線変更のための目標走行経路を規定する走行経由点として設定する。これに対して、ECU10は、自車両1と目標点との相対距離が所定距離以上である場合、又は自車両1と目標点との相対速度が所定速度以上である場合(ステップS408:No)、目標点を走行経由点に設定せずに、
図7に示すフローチャートに係る処理を終了する。
【0075】
[作用及び効果]
次に、本発明の実施形態による作用及び効果について説明する。
【0076】
本実施形態によれば、ECU10は、自車両1が車線変更する場合に、自車両1が変更先の車線において移動すべき目標スペースを周辺車両間に設定し、この目標スペースの移動速度に基づき当該目標スペースの将来位置を予測し、予測された将来位置に基づき、自車両1が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成する。これにより、様々な速度にて時々刻々と移動していく周辺車両に応じて変化する周辺車両間のスペースの位置を、的確に把握することができる。その結果、目標走行経路に基づく運転支援により自車両1を車線変更させるときに、自車両1を変更先の車線上の周辺車両の間に安全に移動させることができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、ECU10は、2台の周辺車両のそれぞれの周囲に危険領域を設定し、これら危険領域の間に、自車両1が変更先の車線において移動すべき目標スペースを設定する。これにより、目標走行経路に基づく運転支援により自車両1を車線変更して目標スペースに移動させるときに、自車両1と周辺車両との衝突を効果的に防止することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、ECU10は、周辺車両の後方に延びる危険領域の部分を、周辺車両の前方に延びる危険領域の部分よりも広く設定するので、自車両1の車線変更時において周辺車両が減速した場合における自車両1と周辺車両との衝突を効果的に防止することができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、ECU10は、自車両1の速度と目標スペースの移動速度(一義的に目標点の移動速度)との相対速度が所定速度未満になったときに、自車両が車線変更を開始するような目標走行経路を生成する。これにより、目標走行経路に基づく運転支援により自車両1を車線変更させるときに、自車両1を目標スペースに安全且つ確実に移動させることができる。
【0080】
他方で、本実施形態によれば、ECU10は、自車両1が車線変更する場合に、自車両1が変更先の車線において移動すべき目標スペースを周辺車両間に設定し、この目標スペースの大きさの変化を予測し、予測された目標スペースの大きさの変化に基づき、自車両1が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成する。これにより、様々な速度にて時々刻々と移動していく周辺車両に応じて変化する周辺車両間のスペースの大きさを、的確に把握することができる。その結果、目標走行経路に基づく運転支援により自車両1を車線変更させるときに、自車両1を変更先の車線上の周辺車両の間に安全に移動させることができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、ECU10は、変更先の車線上に2つの目標スペース(第1及び第2目標スペース)を設定し、これら2つの目標スペースのそれぞれの大きさの変化に基づき、一方の目標スペースを選択し、選択された目標スペースに基づき目標走行経路を生成する。これにより、変更先の車線上において自車両1付近に存在する2つの周辺車両間のスペースのうちで、自車両1が移動するのに適したスペースを的確に採用して、目標走行経路を生成することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、ECU10は、第1及び第2目標スペースの一方が拡大し、他方が拡大していない場合には、拡大しているほうの目標スペースを選択する。これにより、車線変更において自車両1をより安全に隣接車線上に移動させられる目標スペースを的確に採用することができる。この場合には、縮小している目標スペースに自車両1を移動させるよりも、拡大している目標スペースに自車両1を移動させるほうが安全と考えられるからである。
【0083】
また、本実施形態によれば、ECU10は、第1及び第2目標スペースの両方が拡大していない場合、つまり縮小しているか又は大きさが一定である場合には、大きさの変化率が小さい方の目標スペースを選択する。これによっても、車線変更において自車両1をより安全に隣接車線上に移動させられる目標スペースを的確に採用することができる。この場合には、大きさの変化率が小さい方の目標スペースに自車両1を移動させるのが安全と考えられるからである。
【0084】
また、本実施形態によれば、ECU10は、第1及び第2目標スペースの両方が縮小している場合において、第1及び第2目標スペースの一方又は両方の大きさが所定値以上である場合には、第1及び第2目標スペースのうちで大きいほうの目標スペースを選択する。これによっても、車線変更において自車両1をより安全に隣接車線上に移動させられる目標スペースを的確に採用することができる。この場合には、目標スペースが縮小していても、目標スペースが十分な大きさを有していれば、この目標スペースに自車両1を移動させるのは安全と考えられるからである。
【0085】
また、本実施形態によれば、ECU10は、第1及び第2目標スペースの大きさの変化が同程度である場合には、第2目標スペースを選択する。これによっても、車線変更において自車両1をより安全に隣接車線上に移動させられる目標スペースを的確に採用することができる。この場合には、自車両1が車線変更時に加速して前方の第1目標スペースに移動するよりも、自車両1が車線変更時に減速して後方の第2目標スペースに移動するほうが安全と考えられるからである。
【0086】
また、本実施形態によれば、ECU10は、自車両1が車線変更すべき地点までの距離が所定距離以上である場合には、目標スペースの移動速度に基づき当該目標スペースの将来位置を予測し、予測された将来位置に基づき、自車両1が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成する一方で、自車両1が車線変更すべき地点までの距離が所定距離未満である場合には、目標スペースの大きさの変化を予測し、予測された目標スペースの大きさの変化に基づき、自車両1が車線変更するときに走行させる目標走行経路を生成する。これにより、車線変更すべき地点が遠方にあるか自車両1の近辺にあるかに応じて、目標スペースに基づき目標走行経路を生成するための処理を適切に切り替えることができる。
【0087】
[変形例]
上記した実施形態では、第1処理において、2台の周辺車両により規定された1つの目標スペースに基づき目標走行経路を生成していたが(
図2参照)、他の例では、3台以上の周辺車両により規定された2つ以上の目標スペースに基づき目標走行経路を生成してもよい。また、上記した実施形態では、第2処理において、3台の周辺車両により規定された2つの目標スペースに基づき目標走行経路を生成していたが(
図3参照)、他の例では、4台以上の周辺車両により規定された3つ以上の目標スペースに基づき目標走行経路を生成してもよい。
【0088】
上記した実施形態では、エンジンを駆動源とする車両1に本発明を適用する例を示したが(
図1参照)、本発明は、電気モータを駆動源とする車両(電気自動車やハイブリッド車)にも適用可能である。加えて、上述した実施形態では、ブレーキ装置(ブレーキ制御システム32)により制動力を車両1に付与していたが、他の例では、電気モータの回生により制動力を車両に付与してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 車両(自車両)
3a~3e 周辺車両
10 ECU
21 カメラ
22 レーダ
30 ナビゲーションシステム
31 エンジン制御システム
32 ブレーキ制御システム
33 ステアリング制御システム
100 車両運転支援システム