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  • 特許-ガラスパイプの接続方法および接続装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ガラスパイプの接続方法および接続装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/207 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
C03B23/207
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020023304
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021127276
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠井 久嗣
(72)【発明者】
【氏名】川越 聡
(72)【発明者】
【氏名】幅崎 利已
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 慎治
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-031427(JP,A)
【文献】国際公開第2004/101456(WO,A1)
【文献】特開昭62-070240(JP,A)
【文献】特開2001-247322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/207,37/012,
B29C 65/00-65/82,
B23K 31/00-31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を接続するガラスパイプ内に乾燥ガスを導入するステップと、
前記乾燥ガスを導入しながら前記端部を熱源で加熱して溶着接続するステップと、
接続後の前記ガラスパイプの内部圧力の増加に応じて、前記ガラスパイプ内の圧力を下げるように制御するステップと、
を備え、
前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に前記ガラスパイプ内部のガスを排出可能な配管を接続し、前記配管に圧力計を設置し、前記圧力計の下流側にバルブを設置し、前記圧力計と前記バルブとを制御装置に接続し、
前記制御するステップは、前記圧力計により前記ガラスパイプの内部圧力の増加を検知し、前記制御装置が前記バルブへ指令を送信し、前記指令に応じて前記バルブを開くことで、前記ガラスパイプ内の圧力を自動で下げる、ガラスパイプの接続方法。
【請求項2】
前記乾燥ガスの導入は、前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に継手を接続し、前記乾燥ガスを導入する配管と前記ガラスパイプとの隙間を前記継手によってシールして行う、
請求項1に記載のガラスパイプの接続方法。
【請求項3】
前記熱源は、バーナ火炎である、
請求項1または請求項2に記載のガラスパイプの接続方法。
【請求項4】
端部を接続するガラスパイプ内に乾燥ガスを導入する乾燥ガス供給部と、
前記乾燥ガス供給部により前記ガラスパイプ内に前記乾燥ガスを導入しながら、前記ガラスパイプの前記端部を溶着接続する熱源と、
前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に前記ガラスパイプ内部のガスを排出可能に接続された配管と、
前記配管に設置された圧力計と、
前記圧力計の下流側に設置されたバルブと、
前記圧力計が測定した圧力に関する情報に基づいて前記ガラスパイプの内部圧力の増加を検知し前記バルブへ指令を送信し、前記バルブを開くことで、前記ガラスパイプ内の圧力を自動で下げるよう制御する制御装置と、
を備えたガラスパイプの接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラスパイプの接続方法および接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガラスパイプとハンドリングパイプとの接続に際して、パイプ内に乾燥ガスを導入しながら両者を溶融接続することが記載されている。具体的には、それぞれのパイプの接続される側とは反対側の端面から両パイプ内に乾燥ガスを導入しながら、接続箇所を加熱して溶融接続することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-238277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された方法は、両パイプが接続されるまでは、両パイプ間の隙間から乾燥ガスが排出される。しかし、パイプ接続後には、両パイプ間の隙間がなくなるため、乾燥ガスが排出されなくなる。その結果、パイプ内の圧力が増加して、パイプ接続部が膨張し、破裂するおそれがあった。
【0005】
パイプ接続部の破裂を防止するためには、パイプ内部へ乾燥ガスを導入する部分を密閉せず、パイプに開口部を残したまま乾燥ガスを導入する方法が考えられる。しかし、このような方法の場合、開口部からパイプ内へと大気が混入し、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着する可能性がある。
【0006】
本開示は、ガラスパイプを接続する際に、ガラスパイプが破裂するおそれが少なく、また、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着するおそれも少ない、ガラスパイプの接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るガラスパイプの接続方法は、
端部を接続するガラスパイプ内に乾燥ガスを導入するステップと、
前記乾燥ガスを導入しながら前記端部を熱源で加熱して溶着接続するステップと、
接続後の前記ガラスパイプの内部圧力の増加に応じて、前記ガラスパイプ内の圧力を下げるように制御するステップと、
を備える。
【0008】
本開示の一態様に係るガラスパイプの接続装置は、
端部を接続するガラスパイプ内に乾燥ガスを導入する乾燥ガス供給部と、
前記ガラスパイプの前記端部を溶着接続する熱源と、
前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に前記ガラスパイプ内部のガスを排出可能に接続された配管と、
前記配管に設置された圧力計と、
前記圧力計の下流側に設置されたバルブと、
前記圧力計が測定した圧力に関する情報に基づいて、前記バルブを制御する制御装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記開示の構成によれば、ガラスパイプを接続する際に、ガラスパイプが破裂するおそれが少なく、また、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着するおそれも少ない、ガラスパイプの接続方法および接続装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係るガラスパイプの接続装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係るガラスパイプの接続方法は、
端部を接続するガラスパイプ内に乾燥ガスを導入するステップと、
前記乾燥ガスを導入しながら前記端部を熱源で加熱して溶着接続するステップと、
接続後の前記ガラスパイプの内部圧力の増加に応じて、前記ガラスパイプ内の圧力を下げるように制御するステップと、
を備える。
上記構成によれば、ガラスパイプが破裂するおそれが少なくなり、また、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着するおそれも少なくなる。
【0012】
前記ガラスパイプの接続方法において、
前記乾燥ガスの導入は、前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に継手を接続し、前記乾燥ガスを導入する配管と前記ガラスパイプとの隙間を前記継手によってシールして行うことが好ましい。
上記構成によれば、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着するおそれを更に低減できる。
【0013】
前記ガラスパイプの接続方法において、
前記熱源は、バーナ火炎であることが好ましい。
本開示の構成は、乾燥ガスを導入しながら溶着接続をするので、例えば、酸水素バーナのようにH2Oを発生する熱源を用いた場合であっても、水分がパイプ内部に付着するおそれを低減させることができる。
【0014】
前記ガラスパイプの接続方法は、
前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に前記ガラスパイプ内部のガスを排出可能な配管を接続し、前記配管に圧力計を設置し、前記圧力計の下流側にバルブを設置し、前記圧力計と前記バルブとを制御装置に接続し、
前記制御するステップは、前記圧力計により前記ガラスパイプの内部圧力の増加を検知し、前記制御装置が前記バルブへ指令を送信し、前記指令に応じて前記バルブを開くことで、前記ガラスパイプ内の圧力を自動で下げることが好ましい。
上記構成によれば、ガラスパイプが破裂するおそれを更に低減させることができる。
【0015】
本開示の一態様に係るガラスパイプの接続装置は、
端部を接続するガラスパイプ内に乾燥ガスを導入する乾燥ガス供給部と、
前記ガラスパイプの前記端部を溶着接続する熱源と、
前記ガラスパイプの接続する側とは反対側の端部に前記ガラスパイプ内部のガスを排出可能に接続された配管と、
前記配管に設置された圧力計と、
前記圧力計の下流側に設置されたバルブと、
前記圧力計が測定した圧力に関する情報に基づいて、前記バルブを制御する制御装置と、
を備える。
上記構成によれば、ガラスパイプが破裂するおそれが少なくなり、また、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着するおそれも少なくなる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示に係るガラスパイプの接続方法および接続装置の実施の形態の例を、図面を参照しつつ説明する。なお、図面に示す直線の矢印は、乾燥ガスの流れる方向を示す。
【0017】
(ガラスパイプの接続装置)
まず、本開示の実施形態に係るガラスパイプの接続装置について説明する。図1は、本開示の実施形態に係るガラスパイプの接続装置を示す概略構成図である。図1に示すガラスパイプ接続装置1は、ガス供給装置11と、ガスライン12a~12e(以下、まとめて「ガスライン12」とも称する)と、バルブ13~16と、圧力計17と、制御装置18と、熱源19と、を備えている。
【0018】
ガス供給装置11は、ガラスパイプの接続時にガラスパイプ内に導入する乾燥ガスを供給するための装置である。乾燥ガスとしては、特に制限はされないが、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガス、塩素ガス、塩化チオニルガス等の反応性ガス、又は酸素ガス等を挙げることができる。
【0019】
ガス供給装置11は、ガスライン12に乾燥ガスを供給する。ガスライン12は、ガスライン12a~12eを含む。また、ガスライン12上には、バルブ13~16が設けられている。
【0020】
バルブ13は、ガスライン12aとガスライン12bの間に設けられている。バルブ13の開度を制御することで、例えば、ガスライン12aからガスライン12bへと流れる乾燥ガスの流量を調整可能である。なお、ガラスパイプの接続時において、ガスライン12bの一端部には、第1ガラスパイプ21が取り付けられる。ガスライン12bを流れる乾燥ガスは、その後、第1ガラスパイプ21の内部へと導入される。
【0021】
バルブ14は、ガスライン12cとガスライン12dの間に設けられている。バルブ14の開度を制御することで、例えば、ガスライン12cからガスライン12dへと流れる乾燥ガスの流量を調整可能である。なお、ガラスパイプの接続時において、ガスライン12dの一端部には、第2ガラスパイプ22が取り付けられる。バルブ14が開いている状態において、ガスライン12dを流れる乾燥ガスは、その後、第2ガラスパイプ22の内部へと導入される。
【0022】
バルブ15は、ガスライン12dとガスライン12eの間に設けられている。バルブ15の開度を制御することで、例えば、ガスライン12dからガスライン12eへと流れる乾燥ガスの流量を調整可能である。なお、ガスライン12eを流れる乾燥ガスは、その後、排気されることになる。
【0023】
バルブ16は、バルブ13の下流かつガスライン12bの上流の位置から分岐したガスライン12上に設けられている。バルブ16は、ガラスパイプを接続した後の工程において、ガラスパイプ内に所定のガス(例えば、エッチングガス)を導入するためのバルブである。よって、バルブ16は、ガラスパイプの接続時には閉められており、ガラスパイプの接続後に実施される所定の工程中に開けられることになる。なお、ガラスパイプを接続した後の工程に用いるガスを流すガスラインは、ガスライン12とは別に設けてもよく、そのように構成する場合、バルブ16を設けなくともよい。
【0024】
上記のように、バルブ13~16の開度を制御することで、ガスライン12内における乾燥ガスの流路および流量を調整できる。すなわち、バルブ13~16の開度を制御することで、ガラスパイプ内の圧力を調整することが可能である。なお、ガラスパイプの接続時におけるバルブ13~16の開度制御等に関しては、後の段落で更に詳しく説明をする。
【0025】
圧力計17は、接続するガラスパイプの内部圧力を検出可能なように設けられている。圧力計17は、ガラスパイプ内の圧力を直接測定するのではなく、ガラスパイプ内の圧力に相当する圧力を有する位置の圧力を測定するものでもよい。図1の例では、圧力計17は、ガスライン12dの内部圧力を測定可能な位置に設けられている。圧力計17が測定したガラスパイプの内部圧力に関する情報は、例えば、制御装置18へと送信される。
【0026】
制御装置18は、無線又は有線によって、バルブ13~16及び圧力計17と接続されている。制御装置18は、圧力計17から受信した圧力に関する情報に基づいて、バルブ13~16の開度を制御可能である。なお、制御装置18を用いずに、作業員が圧力計17によって計測された圧力を確認して、バルブ13~16の開閉を制御してもよいが、ガラスパイプが破裂するおそれを更に低減させるという観点からは、制御装置18によってバルブ13~16の制御を行うことが好ましい。
【0027】
熱源19は、ガラスパイプを溶着接続するために用いる熱源である。熱源19としては、特に制限はされず、例えば、酸水素バーナ、プラズマトーチ、電気炉等を用いることができる。本開示のガラスパイプの接続方法は、乾燥ガスをガラスパイプ内に導入しながら溶着接続をするので、酸水素バーナのようにH2Oを発生する熱源を用いた場合であっても、水分がパイプ内部に付着するおそれが少ない。すなわち、本開示の構成によれば、酸水素バーナを用いる場合の上記デメリットを打ち消し、低コストや装置構成の容易さといった酸水素バーナを用いるメリットを享受することができる。
【0028】
(ガラスパイプの接続方法)
本開示のガラスパイプの接続方法は、ステップA)ガラスパイプ内に乾燥ガスを導入するステップ、ステップB)乾燥ガスを導入しながらガラスパイプの端部を熱源で加熱して溶着接続するステップ、及びステップC)接続後のガラスパイプの内部圧力の増加に応じて、ガラスパイプ内の圧力を下げるように制御するステップ、を少なくとも備える。
【0029】
ステップA)では、まず、接続する対象となるガラスパイプをガラスパイプ接続装置1の回転チャックに取り付ける。そして、例えば、図1のように、第1ガラスパイプ21の端部21bをガスライン12bの一端部に取り付け、第2ガラスパイプ22の端部22bをガスライン12dの一端部に取り付ける。
【0030】
上記取り付けの際は、図1のように、ガスライン12bの端部と、第1ガラスパイプ21の端部21bとの隙間をシールするために、継手23を端部21bに取り付けることが好ましい。同様に、ガスライン12dの端部と、第2ガラスパイプ22の端部22bとの隙間をシールするために、継手24を端部22bに取り付けることが好ましい。継手23及び24によって、端部21bとガスライン12bとの間、および端部22bとガスライン12dの間をそれぞれシールすることにで、大気中の水分が各ガラスパイプ内に混入することを防止できる。第1ガラスパイプ21と第2ガラスパイプ22は軸中心に回転することから、継手23及び継手24はロータリージョイントが好ましい。
【0031】
なお、第1ガラスパイプ21及び第2ガラスパイプ22は、例えば、光ファイバの製造に用いられるものである。光ファイバの製造用途において、第1ガラスパイプ21及び第2ガラスパイプ22のうちの少なくとも一方は、光ファイバ製品となるものであるが、残りの他方は、例えば、ハンドリング用のダミーパイプであってもよい。また、第1ガラスパイプ21及び第2ガラスパイプ22のうちのどちらか一方に代えて、ガラスロッドを用いてもよい。すなわち、本開示は、ガラスパイプとガラスロッドの接続に適用してもよい。
【0032】
ステップA)では、次に、ガス供給装置11からガスライン12内に乾燥ガスを供給する。ステップA)において、制御装置18はバルブ13~16に指令を送信し、バルブ13及び14を開け、バルブ15及び16を閉めるように、制御を行う。この状態において、ガス供給装置11から供給される乾燥ガスの一部は、ガスライン12a及び12bを通って第1ガラスパイプ21内に導入され、第1ガラスパイプ21の端部21aと第2ガラスパイプ22の端部22aとの間に生じる隙間31から排出されていく。同様に、ガス供給装置11から供給される乾燥ガスの一部は、ガスライン12c及び12dを通って第2ガラスパイプ22内に導入され、隙間31から排出されていく。
【0033】
上記の状態において、ステップB)が実行される。すなわち、第1ガラスパイプ21と第2ガラスパイプ22をそれぞれ軸中心に同期して回転させ、乾燥ガスを各ガラスパイプ内に導入しながら、第1ガラスパイプ21の端部21a及び第2ガラスパイプ22の端部22aを熱源19によって加熱することで、端部21a及び端部22a同士を溶着接続する。このように乾燥ガスを各ガラスパイプ内に導入しながら溶着接続をすることにより、大気に含まれる水分がパイプ内部に付着するおそれを少なくできる。また、本開示では、熱源19によって加熱される箇所である隙間31から乾燥ガスを噴出させながら溶着接続をすることにより、加熱箇所からの水分の混入を効果的に防止することができる。
【0034】
ステップB)において溶着接続がなされ、端部21aと端部22aの間の隙間31がなくなると、第1ガラスパイプ21及び第2ガラスパイプ22内において乾燥ガスが排出される場所がなくなる。その状態で乾燥ガスの導入を続けると、ガラスパイプ内部の圧力が増加して、変形や破裂のおそれがある。そのような事態を防止するため、以下のステップC)が実行される。
【0035】
ステップC)では、まず、圧力計17から送信される測定データに基づき、制御装置18がガラスパイプ内の圧力の増加を検知する。具体的には、制御装置18は、圧力計17から送信されてくる圧力に関する情報に基づき、第1ガラスパイプ21及び第2ガラスパイプ22の内部圧力が所定の閾値を超えたことを検知する。所定の閾値は、接続するガラスパイプの種類等に応じて、適宜設定すればよい。
【0036】
次に、制御装置18は、内部圧力が所定の閾値を超えた場合、バルブ14及び15に指令を送信し、バルブ14を閉め、バルブ15を開けるように、制御を行う。この状態において、ガス供給装置11から供給される乾燥ガスは、ガスライン12a、ガスライン12b、第1ガラスパイプ21、第2ガラスパイプ22、ガスライン12d、ガスライン12eの順に通過して、外部へと排気される。よって、ガラスパイプ内部の圧力を低下し、破裂を防止することが可能になる。
【0037】
なお、ステップC)において、バルブ14を閉めバルブ15を開けた後は、ガラスパイプ内の圧力が適正な範囲(例えば、0~50Pa)になるよう、制御装置18によって、バルブ15の開度を制御するように構成してもよい。ガラスパイプ内の圧力が低くなりすぎると、周囲の圧力によってガラスパイプが変形することもあり得るが、上記の構成により、このような事態を防止することが可能になる。
【0038】
以上説明した本実施形態のガラスパイプの接続方法におけるバルブ開閉パターンをまとめると、表1に示すとおりである。
【0039】
【表1】
【0040】
なお、ガラスパイプ及びガラスロッドの溶着接続に本開示を適用する際は、例えば、ガラスパイプ内の圧力の上昇を検知した際に乾燥ガスの供給を止めるように制御してもよい。また、ガラスパイプにおける乾燥ガスを導入する側の端部に、乾燥ガスを排出するための配管を取り付け、ガラスパイプ内の圧力の上昇を検知した際に当該配管を開けるように制御してもよい。
【0041】
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
【符号の説明】
【0042】
1:ガラスパイプ接続装置
11:ガス供給装置
12a~12e:ガスライン
13~16:バルブ
17:圧力計
18:制御装置
19:熱源
21,22:ガラスパイプ
23,24:継手
31:隙間
図1