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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】圧電デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20231031BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20231031BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20231031BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H03H9/02 A
H03H9/17 H
H01L23/02 K
H04R17/00 330B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020038580
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021141476
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】太田 佳生
(72)【発明者】
【氏名】松村 湧
(72)【発明者】
【氏名】住吉 三樹夫
(72)【発明者】
【氏名】谷口 徹行
(72)【発明者】
【氏名】坂野 茂
(72)【発明者】
【氏名】武田 明丈
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-141175(JP,A)
【文献】特開2017-117998(JP,A)
【文献】特開平10-224895(JP,A)
【文献】特開2006-279113(JP,A)
【文献】特開2015-035749(JP,A)
【文献】特開2006-203563(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131375(WO,A1)
【文献】実開昭63-105860(JP,U)
【文献】特開2008-096113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/54-H01L23/26
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
H04R1/00-H04R31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂からなり、収容空間を画成するケースと、
前記収容空間内に配置されている圧電素子と、
前記ケースと前記圧電素子との間に配置されており、圧電素子が接合されている振動板と、
前記収容空間内に前記圧電素子と離間して配置されており、前記圧電素子と電気的に接続されている基板と、
前記収容空間内に配置されており、前記基板を支持している枠体と、を備えている、圧電デバイス。
【請求項2】
前記ケースは、前記収容空間を画成している、底壁と、前記底壁と交差する方向に延在している側壁とを有し、
前記圧電素子が、圧電素体を有し、
前記振動板と前記圧電素子とが、前記底壁上に配置されており、
前記圧電素体の厚みと前記底壁の厚みとの比率が、1:1~1:5の範囲内である、請求項1に記載の圧電デバイス。
【請求項3】
前記枠体が、樹脂からなる、請求項1又は2に記載の圧電デバイス。
【請求項4】
樹脂からなり、前記収容空間を封止する蓋材を更に備えている、請求項1~のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
金属(たとえば、アルミニウム)からなるケースと、ケースに配置されている圧電素子と、を備えている圧電デバイスが知られている(たとえば、特許文献1参照)。圧電デバイスは、たとえば、超音波センサを構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-072416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧電素子が金属からなるケースに配置されている構成では、圧電素子とケースとは、主として、撓み振動モードで振動する。したがって、金属からなるケースを備える圧電デバイスでは、送受信特性が確保される。
しかしながら、ケースが金属からなる場合、以下の事象が生じるおそれがある。外部から加わる衝撃が、圧電素子に伝わりやすいので、圧電素子が物理的なダメージを受けるおそれがある。
【0005】
圧電素子が樹脂からなるケースに配置されている構成では、外部から加わる衝撃が圧電素子に伝わりがたい。したがって、圧電素子が、物理的なダメージを受けがたい。
しかしながら、ケースが樹脂からなる場合、以下の事象が生じるおそれがある。ケースが樹脂からなる場合、圧電素子とケースとは、撓み振動モードで振動しがたい。したがって、送受信特性を確保するためには、圧電素子とケースとの振動に、撓み振動モードと厚み縦振動モードとの共振振動を利用する必要がある。撓み振動モードと厚み縦振動モードとの共振振動を適切に利用するためには、ケースの厚みを大きくする必要がある。たとえば、ケースの厚みは、圧電素子の厚みの10倍以上に設定される。ケースの厚みが大きいほど、ケースの音響インピーダンスが増加し、送受信特性が劣化するおそれがある。
【0006】
本発明の一つの態様は、外部からの衝撃が圧電素子に伝わりがたく、かつ、送受信特性が劣化しがたい圧電デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様に係る圧電デバイスは、樹脂からなり、収容空間を画成するケースと、収容空間内に配置されている圧電素子と、ケースと圧電素子との間に配置されており、圧電素子が接合されている振動板と、を備えている。
【0008】
上記一つの態様では、ケースが樹脂からなるので、外部から加わる衝撃が、圧電素子に伝わりがたい。
圧電素子が、振動板に接合されているので、圧電素子、振動板、及びケースは、主として、撓み振動モードで振動する。したがって、上記一つの態様は、送受信特性を劣化させがたい。
【0009】
上記一つの態様では、ケースが、収容空間を画成している、底壁と、底壁と交差する方向に延在している側壁とを有していてもよい。圧電素子が、圧電素体を有していてもよい。振動板と圧電素子とが、底壁上に配置されていてもよい。圧電素体の厚みと底壁の厚みとの比率が、1:1~1:5の範囲内であってもよい。
圧電素体の厚みと底壁の厚みとの比率が、1:1~1:5の範囲内である構成では、外部からの衝撃が圧電素子に確実に伝わりがたく、かつ、送受信特性がより一層劣化しがたい。
【0010】
上記一つの態様は、基板と、枠体とを備えていてもよい。この場合、基板は、収容空間内に圧電素子と離間して配置されており、圧電素子と電気的に接続されている。枠体は、収容空間内に配置されており、基板を支持している。
物理的な外力が圧電デバイスに作用する場合、基板が収容空間内で移動するおそれがある。基板が収容空間内で移動する場合、基板と圧電素子との間隔が変化し、圧電素子と基板との電気的な接続が断たれるおそれがある。この場合、圧電デバイスでは、電気的な接続の信頼性が低下する。
基板が枠体に支持されている構成では、物理的な外力が圧電デバイスに作用する場合でも、基板が収容空間内で移動しがたく、基板と圧電素子との間隔が変化しがたい。この場合、圧電素子と基板との電気的な接続が断たれることなく、維持される。したがって、本構成は、電気的な接続の信頼性が低下するのを抑制する。
【0011】
上記一つの態様では、枠体が、樹脂からなっていてもよい。
枠体が樹脂からなる構成では、環境温度が変化する場合でも、ケースと枠体との熱収縮差が小さく、熱収縮差に起因する応力が生じがたい。したがって、本構成では、熱履歴による特性劣化が生じがたい。たとえば、本構成は、耐熱衝撃性の低下を抑制する。
たとえば、ケースが金属からなると共に、枠体が樹脂からなる場合では、ケースと枠体との音響インピーダンス差が大きい。この場合、ケースと枠体との界面での音響インピーダンス差により、超音波が反射して、残響が生じるおそれがある。
ケースと枠体とが樹脂からなる構成では、ケースと枠体との音響インピーダンス差が小さくなる傾向がある。したがって、本構成では、残響が生じがたい。
【0012】
上記一つの態様は、樹脂からなり、収容空間を封止する蓋材を備えていてもよい。
蓋材が収容空間を封止する構成では、収容空間内に水分及び異物が侵入しがたい。したがって、本構成は、信頼性の低下を抑制する。
ケースと枠体と蓋材との熱収縮差が小さく、熱収縮差に起因する応力が生じがたい。圧電デバイスが蓋材を備える場合でも、熱履歴による特性劣化が生じがたい。
ケースと枠体と蓋材とが樹脂からなる構成では、ケースと枠体と蓋材との音響インピーダンス差が小さくなる傾向がある。したがって、本構成では、残響が生じがたい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一つの態様によれば、外部からの衝撃が圧電素子に伝わりがたく、かつ、送受信特性が劣化しがたい圧電デバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る圧電デバイスの斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る圧電デバイスの分解斜視図である。
図3図3は、本実施形態に係る圧電デバイスの断面構成を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る圧電デバイスの断面構成を示す図である。
図5図5は、ケースと振動板と圧電素子とを示す平面図である。
図6図6は、圧電素子を示す平面図である。
図7図7は、ケースと振動板と圧電素子とを示す平面図である。
図8図8は、基板と枠体とを示す平面図である。
図9図9は、基板と枠体とを示す側面図である。
図10図10は、圧電素子と基板とを示す斜視図である。
図11図11は、圧電素子と基板と緩衝材とを示す模式図である。
図12図12は、緩衝材の断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1図4を参照して、本実施形態に係る圧電デバイス1の構成を説明する。図1は、一実施形態に係る圧電デバイスの斜視図である。図2は、本実施形態に係る圧電デバイスの分解斜視図である。図3及び図4は、本実施形態に係る圧電デバイスの断面構成を示す図である。
【0017】
圧電デバイス1は、図1図4に示されるように、ケース10と、振動板17と、圧電素子20と、基板30と、複数の接続部材41,43と、枠体50と、緩衝材60と、蓋材70と、複数のピン81,83と、を備えている。ケース10は、収容空間S1を画成している。振動板17、圧電素子20、基板30、複数の接続部材41,43、枠体50、緩衝材60、及び蓋材70は、収容空間S1内に配置されている。本実施形態では、圧電デバイス1は、二つの接続部材41,43と、二つのピン81,83と、を備えている。本実施形態では、圧電デバイス1は、超音波センサを構成する。圧電デバイス1は、たとえば、超音波を送受信する。
【0018】
ケース10は、底壁11と、側壁13とを有している。側壁13は、底壁11と交差する方向に延在している。底壁11と側壁13とが、収容空間S1を画成している。底壁11と交差する方向は、たとえば、底壁11と直交する方向であってもよい。底壁11と側壁13とは、一体形成されている。ケース10は、一端が開口している有底筒状の部材である。ケース10は、樹脂からなる。ケース10は、たとえば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)又はポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂からなっている。
【0019】
底壁11は、図5にも示されるように、収容空間に臨む底面12を有している。底面12は、底面12と交差する方向から見て、長径と短径とを有する円形状を呈している。本実施形態では、底面12は、長円形状を呈している。底面12では、長径に沿う方向と短径に沿う方向とが互いに交差している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とは、たとえば、直交している。底壁11の厚みは、たとえば、0.2~1.0mmである。本実施形態では、底壁11の厚みは、0.3mmである。図5は、ケースと振動板と圧電素子とを示す平面図である。
【0020】
底面12は、直線状を呈している一対の縁12aと、円弧状を呈している一対の縁12bとで規定されている。一対の縁12aは、長径の方向に延在していると共に、短径の方向で離間している。一対の縁12aは、互いに略平行である。縁12bは、各縁12aの端同士を接続している。長径と短径とを有する円形状は、楕円形状であってもよい。底面12と交差する方向は、たとえば、底面12と直交する方向であってもよい。底面12と交差する方向は、底壁11と交差する方向と一致してもよい。
【0021】
振動板17は、互いに対向している一対の主面17a,17bを有している。主面17bは、底面12と対向している。振動板17は、は、主面17bと底面12とが対向するように、底壁11上に配置されている。振動板17は、たとえば、接着により底壁11上に固定されている。振動板17は、ケース10(底壁11)に接合されていなくてもよい。振動板17は、たとえば、Ni-Fe合金、Ni、黄銅、又はステンレス鋼からなる。振動板17は、圧電素子20の振動を増幅させる。
【0022】
振動板17(主面17a,17b)は、振動板17(主面17a,17b)に直交する方向から見て、長径と短径とを有する円形状を呈している。本実施形態では、振動板17は、長円形状を呈している。振動板17では、長径に沿う方向と短径に沿う方向とが互いに交差している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とは、たとえば、直交している。振動板17は、振動板17に直交する方向から見て、多角形状を呈していてもよい。たとえば、振動板17は、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈していてもよい。本実施形態では、主面17a,17bは、底面12と略相似である。主面17a,17bの各面積は、底面12の面積より小さい。振動板17の厚みは、たとえば、100~1000μmである。本実施形態では、振動板17の厚みは、700μmである。振動板17は、たとえば、金属からなる。振動板17(主面17a,17b)に直交する方向は、底壁11(底面12)と交差する方向である。振動板17(主面17a,17b)に直交する方向は、底壁11(底面12)と直交する方向であってもよい。
【0023】
圧電素子20は、図6にも示されるように、圧電素体21と、複数の電極23,25とを有している。本実施形態では、圧電素子20は、二つの電極23,25を有している。圧電素子20は、振動板17上に配置されている。圧電素子20は、たとえば、接着により振動板17(主面17a)上に固定されている。圧電素子20は、振動板17に接合されている。振動板17は、圧電素子20とケース10(底壁11)との間に配置されている。圧電素子20は、振動板17が圧電素子20と底壁11との間に位置するように、底壁11上に配置されている。圧電素子20は、底壁11上に間接的に配置されている。振動板17と圧電素子20とは、底壁11上に配置されている。図6は、圧電素子を示す平面図である。
【0024】
圧電素体21は、互いに対向している一対の主面21a,21bと、少なくとも一つの側面21cと、を有している。側面21cは、一対の主面21a,21bを連結するように、一対の主面21a,21bが対向している方向に延在している。主面21bは、底面12と対向している。圧電素子20は、主面21bと主面17aとが対向するように、振動板17上に配置されている。たとえば、主面21bが第一主面を構成する場合、主面21aは第二主面を構成する。一対の主面21a,21bが対向している方向は、底壁11(底面12)及び振動板17と交差する方向である。一対の主面21a,21bが対向している方向は、底壁11(底面12)及び振動板17と直交する方向であってもよい。
【0025】
圧電素体21は、直方体形状を呈している。圧電素体21は、側面21c以外に、三つの側面21dを有している。各側面21dも、一対の主面21a,21bを連結するように、一対の主面21a,21bが対向している方向に延在している。本実施形態では、圧電素体21は、平面視で、正方形状を呈している。本実施形態では、圧電素体21は、角板状を呈している。圧電素体21は、円板状を呈していてもよい。本明細書での「直方体形状」は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
【0026】
圧電素体21は、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料は、たとえば、PZT[Pb(Zr、Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb,La)(Zr、Ti)O]、又はチタン酸バリウム(BaTiO)を含む。圧電素体21は、たとえば、上述した圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体により構成される。圧電素体21の厚みは、たとえば、150~500μmである。本実施形態では、圧電素体21の厚みは、200μmである。圧電素体21の厚みと底壁11の厚みとの比率は、1:1~1:5の範囲内である。
【0027】
電極23は、主面21bと側面21cと主面21aとに設けられている。電極23は、主面21b上に位置している部分23aと、側面21c上に位置している部分23bと、主面21a上に位置している部分23cと、を有している。部分23aと部分23bとは、主面21bと側面21cとの間に位置している稜部で互いに連結されている。部分23bと部分23cとは、主面21aと側面21cとの間に位置している稜部で互いに連結されている。各部分23a,23b,23cは、一体に形成されている。電極23の部分23aが振動板17(主面17a)に接合されている。
【0028】
主面21bに直交する方向から見て、電極23の部分23aは、側面21cと対向している側面21dと主面21bとの間に位置している稜部から離間している。主面21bは、側面21cと対向している側面21dと主面21bとの間に位置している稜部に沿って、露出している。電極23の部分23bは、側面21c全体を覆っている。各側面21dは、電極23から露出している。
【0029】
電極25は、主面21aに設けられている。電極25は、主面21a上のみに配置されている。電極25は、電極23の部分23cと離間している。主面21aは、電極23の部分23cと電極25との間で露出している。主面21aに直交する方向から見て、電極25は、側面21cと対向している側面21dと主面21aとの間に位置している稜部から離間している。主面21aは、側面21cと対向している側面21dと主面21aとの間に位置している稜部に沿って、露出している。各側面21dは、電極25からも露出している。圧電素体21は、一対の主面21a,21bが対向している方向で電極23の部分23aと電極25とに重なる領域R1を有している。領域R1は、一対の主面21a,21bが対向している方向で、電極23の部分23aと電極25とで挟まれている。圧電素子20では、領域R1が、圧電的に活性な領域を構成する。
【0030】
各電極23,25は、圧電素体21の表面と接している。各電極23,25の厚みは、1.5μm以下である。各電極23,25は、たとえば、クロム(Cr)層、ニッケル銅合金(Ni-Cu)層、及び金(Au)層からなる積層体を含む。各電極23,25は、銀(Ag)、チタン(Ti)、白金(Pt)、銀パラジウム合金(Ag-Pd)、又はニッケルクロム合金(Ni-Cr)を含んでいてもよい。各電極23,25は、たとえば、スパッタリング法により圧電素体21の表面に形成される。たとえば、電極23が第一電極を構成する場合、電極25は第二電極を構成する。
【0031】
圧電素子20は、図5に示されるように、側面21cが長径の方向に沿うように、底壁11(底面12)及び振動板17(主面17a)上に配置されている。主面21aにおける、各電極23,25から露出している領域は、長径に沿う方向に延在している。圧電素子20がケース10に配置されている状態では、電極25と、電極23の部分23cとは、短径に沿う方向で離間している。本実施形態では、側面21cと側面21dとが対向している方向が、短径に沿う方向である。圧電素子20は、たとえば、底面12(主面17a)での、長径に沿う方向及び短径に沿う方向での略中央に配置されている。
【0032】
圧電素体21は、図7に示されるように、平面視で、長手方向と短手方向とを有する形状を呈していてもよい。図7に示されている圧電素子20では、圧電素体21は、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。この場合、長辺に沿う方向が長手方向であり、短辺に沿う方向が短手方向である。圧電素体21の領域R1は、一対の主面21a,21bが対向している方向から見て、長手方向と短手方向とを有する形状を呈している。領域R1は、一対の主面21a,21bが対向している方向から見て、一対の長辺と一対の短辺とを有する長方形状を呈している。圧電素子20は、領域R1の長手方向が底面12(主面17a)の長径の方向に沿うように、配置されている。すなわち、圧電素子20は、圧電素体21の長手方向が底面12(主面17a)の長径の方向に沿うように、配置されている。図7は、ケースと振動板と圧電素子とを示す平面図である。
【0033】
基板30は、収容空間S1内に、圧電素子20と離間して配置されている。基板30は、圧電素子20と電気的に接続されている。基板30は、図8及び図9にも示されるように、基体31と、複数の導体33,35とを有している。本実施形態では、基板30は、二つの導体33,35を有している。図8は、基板と枠体とを示す平面図である。図9は、基板と枠体とを示す側面図である。
【0034】
基体31は、平面視で、略矩形状を呈している。基体31は、互いに対向している一対の主面31a,31bと、互いに対向している一対の側面31c,31dと、互いに対向している一対の側面31e,31fを有している。各側面31c,31d,31e,31fは、一対の側面31e,31fを連結するように、一対の側面31e,31fが対向している方向に延在している。一対の側面31c,31dが対向している方向と、一対の側面31e,31fが対向している方向とは、略直交している。基板30は、主面31bが圧電素体21及び振動板17と対向するように、ケース10内に配置されている。
【0035】
基体31には、ノッチ32aが側面31c寄りの位置に形成されていると共に、側面31d寄りの位置に、ノッチ32bが形成されている。一対の側面31e,31fが対向している方向での、各ノッチ32a,32bが形成されている位置は、一対の側面31e,31fが対向している方向での略中央である。基体31には、ピン81が挿通される貫通孔32cと、ピン83が挿通される貫通孔32dとが形成されている。一対の側面31c,31dが対向している方向での、貫通孔32c,32dが形成されている位置は、ノッチ32aが形成されている位置とノッチ32bが形成されている位置との間である。基体31は、たとえば、ガラスエポキシ基板からなる。
【0036】
各導体33,35は、主面31a上に配置されている。各導体33,35は、たとえば、銅(Cu)を含む。各導体33,35の厚みは、たとえば、約80μmである。各導体33,35は、たとえば、めっきにより形成される。
【0037】
導体33は、主面31aに直交する方向から見て、ノッチ32aに沿うように配置されている部分33aと、貫通孔32cを囲むように配置されている部分33bと、部分33aと部分33bとを接続している部分33cと、を有している。各部分33a,33b,33cは、一体に形成されている。導体33の部分33cは、一対の側面31c,31dが対向している方向に延在している。
【0038】
導体35は、主面31aに直交する方向から見て、ノッチ32bに沿うように配置されている部分35aと、貫通孔32dを囲むように配置されている部分35bと、部分35aと部分35bとを接続している部分35cと、を有している。各部分35a,35b,35cは、一体に形成されている。導体35の部分35cは、一対の側面31c,31dが対向している方向に延在している。
【0039】
接続部材41は、図10もに示されるように、電極23と導体33とを電気的に接続している。接続部材41は、電極23と導体33とに物理的に接続されている。接続部材41は、電極23に物理的かつ電気的に接続される部分41aと、導体33に物理的かつ電気的に接続される部分41bと、部分41aと部分41bとを接続している部分41cと、を有している。部分41aは、電極23の部分23cと重なる領域を有している。部分41aは、部分23cと重なる領域で、部分23cにはんだ接続されている。部分41bは、ノッチ32aにより構成される空間を通るように位置している。部分41bの一端は、基板30から突出している。部分41bは、基板30から突出している一端で、導体33の部分33aにはんだ接続されている。たとえば、部分41aが第一部分を構成する場合、部分41bは第二部分を構成する。図10は、圧電素子と基板とを示す斜視図である。
【0040】
接続部材41の部分41aは、圧電素子20と沿うように延在している。接続部材41の部分41bは、部分41aが延在している方向と交差する方向に延在している。本実施形態では、部分41aが延在している方向と、部分41bが延在している方向とは、略直交している。部分41cは、湾曲している。各部分41a,41b,41cは、一体に形成されている。接続部材41は、部分41cを有していなくてもよい。この場合、部分41aと部分41bとが直接的に接続されており、接続部材41はL字状に折れ曲がっている。
【0041】
接続部材43は、電極25と導体35とを電気的に接続している。接続部材43は、電極25と導体35とに物理的に接続されている。接続部材43は、電極25に物理的かつ電気的に接続される部分43aと、導体35に物理的かつ電気的に接続される部分43bと、部分43aと部分43bとを接続している部分43cと、を有している。部分43aは、電極25と重なる領域を有している。部分43aは、電極25と重なる領域で、電極25にはんだ接続されている。部分43bは、ノッチ32bにより構成される空間を通るように位置している。部分43bの一端は、基板30から突出している。部分43bは、基板30から突出している一端で、導体35の部分35aにはんだ接続されている。たとえば、部分43aが第一部分を構成する場合、部分43bは第二部分を構成する。
【0042】
接続部材43の部分43aは、圧電素子20と沿うように延在している。接続部材43の部分43bは、部分43aが延在している方向と交差する方向に延在している。本実施形態では、部分43aが延在している方向と、部分43bが延在している方向とは、略直交している。部分43cは、湾曲している。各部分43a,43b,43cは、一体に形成されている。接続部材43は、部分43cを有していなくてもよい。この場合、部分43aと部分43bとが直接的に接続されており、接続部材43はL字状に折れ曲がっている。
【0043】
各接続部材41,43は、板状の部材である。各接続部材41,43の厚みは、たとえば、約150μmである。各接続部材41,43は、たとえば、金属板からなる。この場合、各接続部材41,43は、たとえば、真鍮、りん青銅、又は銅からなる。各接続部材41,43の表面には、めっき層(不図示)が形成されていてもよい。めっき層は、たとえば、錫めっきにより形成されていてもよい。たとえば、接続部材41が第一接続部材を構成する場合、接続部材43は第二接続部材を構成する。
【0044】
接続部材41と電極23とは、導電性接着剤により物理的かつ電気的に接続されていてもよい。接続部材41と導体33とは、導電性接着剤により物理的かつ電気的に接続されていてもよい。接続部材43と電極25とは、導電性接着剤により物理的かつ電気的に接続されていてもよい。接続部材43と導体35とは、導電性接着剤により物理的かつ電気的に接続されていてもよい。
【0045】
接続部材41と接続部材43とは、底面12(主面17a)の長径の方向と交差する方向で対向するように配置されている。本実施形態では、接続部材41と接続部材43とは、底面12(主面17a)の短径の方向で対向するように配置されている。接続部材41は、側面21c寄りに配置されている。接続部材43は、側面21cに対向している側面21d寄りに配置されている。接続部材41と接続部材43とは、底面12(主面17a)の長径の方向と交差する方向で離間している。
【0046】
接続部材41は、接続部材41の幅方向が底面12(主面17a)の長径の方向に沿うように、配置されている。接続部材43は、接続部材43の幅方向が底面12(主面17a)の長径の方向に沿うように、配置されている。接続部材41と接続部材43とは、部分41bと部分43bとが底面12(主面17a)の長径の方向と交差する方向で対向するように、配置されている。接続部材41と接続部材43とは、部分41bと部分43bとは、底面12(主面17a)の短径の方向で対向するように配置されている。
【0047】
枠体50は、振動板17上に配置されている。枠体50は、振動板17が枠体50と底壁11との間に位置するように、底壁11上に配置されている。枠体50は、底壁11上に間接的に配置されている。枠体50は、たとえば、接着により振動板17上に固定されている。枠体50は、振動板17上に接合されていなくてもよい。枠体50は、枠壁51を有している。枠壁51は、底壁11(底面12)及び振動板17(主面17a)と交差する方向から見て、圧電素子20を囲むように位置している。枠壁51の外側表面とケース10の側壁13の内側表面とが、接している。枠体50は、側壁13の内側に圧入されている。枠壁51は、振動板17と対向する主面を有している。枠壁51の主面は、略平坦である。枠壁51の主面は、振動板17が枠体50と底壁11との間に位置している状態で、底壁11と間接的に対向している。
【0048】
枠壁51(枠体50)の外側形状は、枠壁51(枠体50)の開口方向から見て、底面12と同様に、長径と短径とを有する円形状である。枠体50がケース内に設けられている状態では、枠壁51の開口方向は、底壁11(底面12)及び振動板17(主面17a)と直交する方向と略一致する。本実施形態では、枠体50の外側形状は、長円形状である。枠体50の外側形状は、底面12(収容空間S1)の形状と対応している。底面12が楕円形状である場合、枠壁51の外側形状は、枠壁51の開口方向から見て、楕円形状である。枠壁51の外側形状でも、長径に沿う方向と短径に沿う方向とは、たとえば、直交している。枠壁51(枠体50)の内側形状は、枠壁51(枠体50)の開口方向から見て、略矩形状である。
【0049】
枠壁51は、複数の壁部52,53,54,57を有している。本実施形態では、枠壁51は、四つの壁部52,53,54,57を有している。壁部52と壁部53とは、短径に沿う方向で、離間していると共に互いに対向している。壁部54と壁部57とは、長径に沿う方向で、離間していると共に互いに対向している。各壁部52,53,54,57は、一体に形成されている。四つの壁部52,53,54,57により、枠壁51(枠体50)の内側空間が画成されている。各壁部52,53,54,57は、振動板17と対向する面を有している。枠壁51の開口方向から見たときの、枠壁51の内側空間、すなわち、枠壁51の開口面積は、一対の主面21a,21bに直交する方向から見たときの、圧電素子20の面積より大きい。
【0050】
壁部52は、壁部53と対向している面52aと、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向で互いに対向している一対の面52b,52cと、を有している。壁部52の面52aには、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向に延在するように、溝52dが形成されている。溝52dは、接続部材41の部分41bに対応する位置に、部分41bと係合可能に形成されている。溝52dの深さは、たとえば、接続部材41(部分41b)の厚みより大きい。壁部52に溝52dが形成されることにより、面52aには、段差が形成されている。本実施形態では、溝52dは、枠壁51での、長径に沿う方向での略中央に形成されている。溝52dは、接続部材41を位置決めするガイド部として機能する。
【0051】
壁部53は、壁部52と対向している面53aと、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向で互いに対向している一対の面53b,53cと、を有している。壁部53の面53aには、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向に延在するように、溝53dが形成されている。溝53dは、接続部材43の部分43bに対応する位置に、部分43bと係合可能に形成されている。溝53dの深さは、たとえば、接続部材43(部分43b)の厚みより大きい。壁部53に溝53dが形成されることにより、面53aには、段差が形成されている。本実施形態では、溝53dは、枠壁51での、長径に沿う方向での略中央に形成されている。溝53dは、接続部材43を位置決めするガイド部として機能する。
【0052】
壁部54は、部分55と部分56とを有している。壁部54では、部分55は、部分56よりも壁部52,53寄りに位置している。部分55は、壁部52,53に連結されており、壁部52,53と連続している。
【0053】
部分55は、壁部57と対向している面55aと、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向で互いに対向している一対の面55b,55cと、を有している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向において、部分55の長さは、各壁部52,53の長さと略同等である。部分55の面55bと、各面52b,53bとは、同一平面上にほぼ位置している。部分55の面55cと、各面52c,53cとは、同一平面上にほぼ位置している。
【0054】
部分56は、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向で互いに対向している一対の面56a,56bを有している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向において、部分56の長さは、部分55の長さより大きい。部分56の面56bと、各面52c,53c,55cとは、同一平面上にほぼ位置している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向において、部分56の面56aの位置と、各面52b,53b,55bの位置とは、異なっている。壁部54では、部分55(面55b)と部分56(面56a)とにより段差が形成されている。
【0055】
壁部57は、部分58と部分59とを有している。壁部57では、部分58は、部分59よりも壁部52,53寄りに位置している。部分58は、壁部52,53に連結されており、壁部52,53と連続している。
【0056】
部分58は、壁部54と対向している面58aと、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向で互いに対向している一対の面58b,58cと、を有している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向において、部分58の長さは、各壁部52,53の長さと略同等である。部分58の面58bと、各面52b,53bとは、同一平面上にほぼ位置している。部分58の面58cと、各面52c,53cとは、同一平面上にほぼ位置している。
【0057】
部分59は、長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向で互いに対向している一対の面59a,59bを有している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向において、部分59の長さは、部分58の長さより大きい。部分59の面59bと、各面52c,53c,58cとは、同一平面上にほぼ位置している。長径に沿う方向と短径に沿う方向とに直交する方向において、部分59の面59aの位置と、各面52b,53b,58bの位置とは、異なっている。壁部57では、部分58(面58b)と部分59(面59a)とにより段差が形成されている。
【0058】
基板30は、壁部52、壁部53、壁部54の部分55、及び壁部57の部分58上に配置されている。壁部52の面52b、壁部53の面53b、部分55の面55b、及び部分58の面58bは、基体31の主面31bと接している。基板30は、枠体50に載置されており、枠体50は、基板30を支持している。基板30は、枠体50の開口を塞ぐように、枠体50に配置されている。圧電素子20は、枠壁51の開口方向から見て、枠壁51の内側に位置していると共に枠壁51と重なっていない。基板30は、圧電素子20と対向している。
【0059】
基板30(基体31)に直交する方向から見て、基板30は、部分56と部分59との間に位置している。長径の方向での、部分56と部分59との間隔は、一対の側面31e,31fが対向している方向での、基板30の長さよりも、僅かに大きい、又は、同等である。本実施形態では、部分56と部分59との上記間隔は、9.2mmであり、基板30の上記長さは、9.0mmである。部分56と部分59とは、基板30を位置決めするガイド部として機能する。本実施形態では、部分55と部分56とにより形成される段差の高さと、部分58と部分59とにより形成される段差の高さとは、基板30(基体31)の厚みより小さい。部分55と部分56とにより形成される段差の高さと、部分58と部分59とにより形成される段差の高さとは、基板30の厚み以上でもよい。
【0060】
接続部材41の部分41bは、溝52dに沿うように延在している。基板30(基体31)に直交する方向から見て、部分41bは、溝52dとノッチ32aとの間に位置している。接続部材43の部分43bは、溝53dに沿うように延在している。基板30(基体31)に直交する方向から見て、部分43bは、溝53dとノッチ32bとの間に位置している。
【0061】
緩衝材60は、圧電素子20上に配置されている。緩衝材60は、圧電素子20と接している。本実施形態では、緩衝材60は、圧電素子20に接合されていない。緩衝材60は、たとえば、接着により圧電素子20上に固定されていてもよい。緩衝材60は、圧電素子20と基板30と枠体50とで画成される空間内に配置されている。緩衝材60は、枠壁51の内側空間内に配置されている。緩衝材60は、圧電素子20と基板30との間に配置されている。緩衝材60は、各接続部材41,43と接している。緩衝材60は、枠体50とも接している。
【0062】
図11に示されるように、緩衝材60は、基板30によって圧電素子20に向けて圧縮されている。緩衝材60は、圧電素子20に向けて圧縮された状態で圧電素子20上に配置されている。図11では、圧縮されていない状態での緩衝材60が、二点鎖線で示されている。図11は、圧電素子と基板と緩衝材とを示す模式図である。
【0063】
緩衝材60は、図12に示されるように、気泡構造体61を含んでいる。本実施形態では、気泡構造体61は、独立気泡構造体である。緩衝材60は、独立気泡構造体を含んでいる。独立気泡構造体は、完全独立気泡構造体又は半独立半連続気泡構造体を含んでいる。緩衝材60は、たとえば、熱可塑性樹脂を主体とする発泡体である。熱可塑性樹脂は、たとえば、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)を含む。図12は、緩衝材の断面構成を示す図である。
【0064】
緩衝材60の内部には、複数の気泡63が存在している。緩衝材60の表面には、複数の気泡63と連通していない複数の窪み65が存在している。緩衝材60(気泡構造体61)内に存在する複数の気泡63は、圧電素子20に向かう方向、すなわち、緩衝材60の圧縮方向に対して扁平である形状を呈している。複数の気泡63の平均アスペクト比は、1.3~2.5である。アスペクト比は、緩衝材60の圧縮方向での気泡63の最大長さLaと、緩衝材60の圧縮方向に直交する方向での気泡63の最大長さLbとの比率(Lb/La)である。緩衝材60の圧縮方向は、基板30と圧電素子20とが対向している方向と略一致している。緩衝材60の圧縮方向は、基板30又は圧電素子20に直交する方向と略一致していてもよい。
【0065】
平均アスペクト比は、たとえば、以下のようにして求めることができる。
圧縮されている緩衝材60の断面写真が取得される。断面写真は、緩衝材60を緩衝材60の圧縮方向に沿う平面で切断したときの断面を撮影した写真である。取得した断面写真が、ソフトウェアにより画像処理される。この画像処理により、各気泡63の境界が判別される。各気泡63の境界が判別された後、断面写真内に含まれる、すべての気泡63の最大長さLa及び最大長さLbが求められる。各気泡63の最大長さLaと最大長さLbとの比率(Lb/La)が算出された後、比率(Lb/La)の平均値が算出される。算出された平均値が、平均アスペクト比である。
【0066】
複数の窪み65は、図12に示されるように、樹脂67で埋められている。樹脂67は、基板30と緩衝材60とを接合している。基板30と樹脂67との接合界面は、緩衝材60の表面と樹脂67との接合界面より平滑である。平滑さは、たとえば、算術平均粗さ(Ra)で規定される。この場合、基板30と樹脂67との接合界面の算術平均粗さは、緩衝材60の表面と樹脂67との接合界面の算術平均粗さより小さい。樹脂67は、たとえば、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、たとえば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂である。
【0067】
ピン81は、基板30(基体31)に形成されている貫通孔32cに挿通されている一端と、ケース10外に露出している他端とを有している。ピン81は、貫通孔32cに挿通されている状態で、導体33(部分33b)に物理的かつ電気的に接続されている。ピン81は、導体33にはんだ接続されている。ピン81と導体33とは、導電性接着剤により物理的かつ電気的に接続されていてもよい。ピン81は、導体33及び接続部材41を通して、電極23と電気的に接続されている。
【0068】
ピン83は、基板30(基体31)に形成されている貫通孔32dに挿通されている一端と、ケース10外に露出している他端とを有している。ピン83は、貫通孔32dに挿通されている状態で、導体35(部分35b)に物理的かつ電気的に接続されている。ピン83は、導体35にはんだ接続されている。ピン83と導体35とは、導電性接着剤により物理的かつ電気的に接続されていてもよい。ピン83は、導体35及び接続部材43を通して、電極25と電気的に接続されている。
【0069】
各ピン81,83は、たとえば、金属からなる。ピン81,83は、たとえば、真鍮からなる。各ピン81,83の表面には、めっき層(不図示)が形成されていてもよい。めっき層は、たとえば、ニッケルめっき及び錫めっきにより形成されていてもよい。この場合、めっき層は、二層構造である。ピン81とピン83とは、互いに略平行な状態で、ホルダ85に保持されている。本実施形態では、ホルダ85は、樹脂からなる。ホルダ85は、たとえば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)又はポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂からなる。ホルダ85は、基板30と接していてもよい。ホルダ85は、基板30に接合されていてもよい。ホルダ85は、基板30から離間していてもよい。各ピン81,83は、圧電デバイス1の外部端子を構成する。
【0070】
蓋材70は、圧電素子20、基板30、接続部材41,43、枠体50、及び緩衝材60がケース10内に収容されている状態で、ケース10の開口を封止している。蓋材70は、収容空間S1を封止している。本実施形態では、蓋材70は、樹脂からなる。蓋材70は、たとえば、シリコーンゴムからなる。蓋材70は、たとえば、RTV(Room Temperature Vulcanizing)シリコーンゴムからなる。各ピン81,83の他端と、ホルダ85の一部とは、蓋材70から露出している。
【0071】
以上のように、本実施形態では、ケース10が樹脂からなるので、外部から加わる衝撃が、圧電素子20に伝わりがたい。
圧電素子20が、振動板17に接合されているので、圧電素子20、振動板17、及びケース10(底壁11)は、主として、撓み振動モードで振動する。したがって、圧電デバイス1は、送受信特性を劣化させがたい。
【0072】
圧電デバイス1では、圧電素体21の厚みと底壁11の厚みとの比率が、1:1~1:5の範囲内である。したがって、外部からの衝撃が圧電素子20に確実に伝わりがたく、かつ、送受信特性がより一層劣化しがたい。
【0073】
圧電デバイス1では、枠体50が、樹脂からなっている。したがって、環境温度が変化する場合でも、ケース10と枠体50との熱収縮差が小さく、熱収縮差に起因する応力が生じがたい。したがって、圧電デバイス1では、熱履歴による特性劣化が生じがたい。たとえば、圧電デバイス1は、耐熱衝撃性の低下を抑制する。
たとえば、ケース10が金属からなると共に、枠体50が樹脂からなる場合では、ケース10と枠体50との音響インピーダンス差が大きい。この場合、ケース10と枠体50との界面での音響インピーダンス差により、超音波が反射して、残響が生じるおそれがある。
ケース10と枠体50とが樹脂からなる構成では、ケース10と枠体50との音響インピーダンス差が小さくなる傾向がある。したがって、圧電デバイス1では、残響が生じがたい。
【0074】
圧電デバイス1は、蓋材70を備えている。したがって、収容空間S1内に水分及び異物が侵入しがたい。したがって、圧電デバイス1は、信頼性の低下を抑制する。
ケース10と枠体50と蓋材70との熱収縮差が小さく、熱収縮差に起因する応力が生じがたい。圧電デバイス1が蓋材70を備える場合でも、熱履歴による特性劣化が生じがたい。
ケース10と枠体50と蓋材70とが樹脂からなる構成では、ケース10と枠体50と蓋材70との音響インピーダンス差が小さくなる傾向がある。したがって、圧電デバイス1では、残響が生じがたい。
【0075】
圧電デバイス1では、基板30が、枠体50に支持されている。したがって、物理的な外力が圧電デバイス1に作用する場合でも、基板30が収容空間S1内で移動しがたく、基板30と圧電素子20との間隔が変化しがたい。この場合、圧電素子20と接続部材41,43との電気的な接続が、断たれることなく、維持される。基板30と接続部材41,43との電気的な接続も、断たれることなく、維持される。この結果、圧電デバイス1は、電気的な接続の信頼性が低下するのを抑制する。
【0076】
圧電デバイス1では、枠体50が枠壁51を有している。枠壁51は、底壁11及び振動板17と交差する方向から見て、圧電素子20を囲むように位置している。枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接している。
枠体50が枠壁51を有している圧電デバイス1では、枠壁51が、圧電素子20を囲むように位置しているので、枠体50が圧電素子20の振動を阻害しがたい。したがって、圧電デバイス1は、振動特性を低下させがたい。
枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接していない構成では、物理的な外力が圧電デバイスに作用する場合、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接してしまうおそれがある。枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接していない構成と、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接している構成とでは、圧電デバイスの共振周波数が異なる。したがって、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接していない構成では、物理的な外力が圧電デバイスに作用する場合、圧電デバイスの共振周波数が変化するおそれがある。
圧電デバイス1では、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接している。したがって、物理的な外力が圧電デバイス1に作用する場合でも、圧電デバイス1は、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接している状態を維持する。したがって、圧電デバイス1は、共振周波数を変化させがたい。
【0077】
圧電デバイス1では、枠体50(枠壁51)が、側壁13の内側に圧入されている。
物理的な外力が圧電デバイス1に作用する場合でも、圧電デバイス1は、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接している状態を確実に維持する。
【0078】
圧電デバイス1では、枠体50が、接続部材41を位置決めするガイド部と接続部材43を位置決めするガイド部とを有している。したがって、枠体50は、基板30と接続部材41,43との電気的な接続を確実に維持する。本実施形態では、溝52dが、接続部材41を位置決めするガイド部として機能し、溝53dが、接続部材43を位置決めするガイド部として機能している。
【0079】
圧電デバイス1では、枠体50が、基板30を位置決めするガイド部を有している。したがって、基板30が収容空間S1内でより一層移動しがたい。本実施形態では、枠壁51の部分56,59が、基板30を位置決めするガイド部として機能している。
【0080】
圧電デバイス1では、接続部材41が、電極23に物理的かつ電気的に接続される部分41aと、導体33に物理的かつ電気的に接続される部分41bと、を有している。接続部材43が、電極25に物理的かつ電気的に接続される部分43aと、導体35に物理的かつ電気的に接続される部分43bと、を有している。各部分41a,43aが、圧電素子20に沿うように延在しており、各部分43a,43bが、部分41a,43aが延在している方向と交差する方向に延在している。したがって、圧電素子20の振動が基板30に伝わりがたい。圧電デバイス1は、基板30と接続部材41,43との電気的な接続を確実に維持し、電気的な接続の信頼性が低下するのをより一層抑制する。
【0081】
圧電デバイス1は、緩衝材60を備えている。緩衝材60は、超音波成分の残響を抑制する。
緩衝材60は、圧電素子20に向けて圧縮されている。緩衝材60が圧電素子20に向けて圧縮されている構成では、緩衝材60が圧縮されていない構成に比して、気泡63の単位容積当たりの数が大きい傾向があると共に、気泡63が、圧電素子20に向かう方向に対して扁平である形状を呈する傾向がある。したがって、緩衝材60(気泡構造体61)に含まれている気泡63が、超音波成分をより一層散乱させる。この結果、圧電デバイス1では、緩衝材60が圧縮されていない構成に比して、気泡63による超音波成分の散乱減衰が大きい。圧電デバイス1は、超音波成分の残響をより一層低減する。
【0082】
圧電デバイス1では、緩衝材60が、圧電素子20と基板30と枠体50とで画成される空間に配置されていると共に、基板30によって圧電素子20に向けて圧縮されている。したがって、圧電デバイス1は、緩衝材60が圧電素子20に向けて圧縮された状態で圧電素子20上に配置されている構成を簡易かつ確実に実現する。
【0083】
圧電デバイス1では、接続部材41,43が、緩衝材60と接している。圧電デバイス1が接続部材41,43を備えている場合、圧電素子20の振動が接続部材41,43に伝わり、接続部材41,43が微小に振動するおそれがある。接続部材41,43の微小振動は、残響振動を生じさせるおそれがある。接続部材41,43が緩衝材60と接している構成では、緩衝材60が接続部材41,43の微小振動を抑制する。したがって、圧電デバイス1は、接続部材41,43の微小振動が要因である残響振動を生じさせがたい。
【0084】
圧電デバイス1では、緩衝材60(気泡構造体61)内に存在する気泡63の平均アスペクト比が、1.3~2.5である。この場合、圧電デバイス1は、超音波成分の残響をより一層確実に低減する。
【0085】
圧電デバイス1では、圧電素子20が配置される振動板17及び底面12が、長径と短径とを有する円形状を呈している。圧電素子20が、側面21cが長径の方向に沿うように、配置されている。振動板17及び底面12の形状に起因して、圧電素子20、振動板17、及びケース10(底壁11)は、長径に沿う方向が主である撓み振動モードで振動する。
振動板17及び底面12は、短径に沿う方向に比して、長径に沿う方向に撓みやすい。したがって、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動は、変位が得られやすい。
圧電素体21では、側面21c寄りの領域が、圧電的に活性な領域になりがたい。圧電素子20が、側面21cが短径の方向に沿うように、配置されている構成では、側面21c寄りの領域が、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動を阻害するおそれがある。これに対し、圧電デバイス1では、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動を阻害しがたい。
これらの結果、圧電デバイス1は、振動特性をより一層向上する。この場合、圧電デバイス1は、送受信特性をより一層向上する。
【0086】
圧電デバイス1では、接続部材41と接続部材43とが、長径の方向と交差する方向で対向するように配置されている。
接続部材41が電極23に物理的に接続されている構成では、接続部材41が、圧電素子20とケース10との振動を阻害するおそれがある。同様に、接続部材43も、圧電素子20とケース10との振動を阻害するおそれがある。しかしながら、接続部材41と接続部材43とが、長径の方向と交差する方向で対向するように配置されている構成では、接続部材41,43は、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動を阻害しがたい。したがって、圧電デバイス1は、振動特性をより一層向上する。
【0087】
圧電デバイス1では、接続部材41と接続部材43とが、短径の方向で対向するように配置されている。したがって、接続部材41,43は、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動をより一層阻害しがたい。
【0088】
圧電デバイス1では、接続部材41と接続部材43とが、接続部材41,43の各幅方向が長径の方向に沿うように、配置されている。
上述したように、接続部材41,43は、圧電素子20とケース10との振動を阻害するおそれがある。しかしながら、接続部材41と接続部材43とが、接続部材41,43の各幅方向が長径の方向に沿うように、配置されている構成では、接続部材41,43は、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動を阻害しがたい。したがって、圧電デバイス1は、振動特性をより一層向上する。
【0089】
圧電デバイス1では、接続部材41が、側面21c寄りに配置されており、接続部材43が、側面21cと対向している側面21d寄りに配置されている。接続部材41と接続部材43とが、離間している。したがって、圧電デバイス1は、接続部材41と接続部材43との短絡を防ぐ。
【0090】
圧電デバイス1では、電極23,25の各厚みが、1.5μm以下である。
電極23,25の各厚みが1.5μm以下である構成では、電極23,25の各厚みが1.5μmより大きい構成に比して、電極23,25が、圧電素子20(圧電素体21)の変位を阻害しがたい。したがって、圧電デバイス1は、振動特性をより一層向上する。
【0091】
圧電デバイス1では、圧電素体21は、一対の主面21a,21bが対向している方向で電極23の部分23aと電極25とに重なる領域R1を含んでいる。領域R1が、長手方向と短手方向とを有する形状を呈している場合、圧電素子20(圧電素体21)の変位が増加し得る。圧電素子20が、領域R1の長手方向が長径の方向に沿うように、配置されている場合、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動の阻害を抑制し得る。この場合、圧電デバイス1は、振動特性をより一層向上し得る。
【0092】
圧電素体21が、平面視で、長手方向と短手方向とを有する形状を呈している場合、圧電素子20(圧電素体21)の変位が増加し得る。圧電素子20が、圧電素体21の長手方向が長径の方向に沿うように、配置されている場合、長径に沿う方向が主である撓み振動モードでの振動の阻害を抑制し得る。この場合、圧電デバイス1は、振動特性をより一層向上し得る。
【0093】
上述したように、緩衝材60の内部に存在している複数の気泡63が、超音波成分を散乱させる。超音波成分は、散乱により減衰する。
緩衝材60の表面に存在している複数の窪み65が、樹脂67で埋められている。したがって、超音波成分は、複数の窪み65の各表面と樹脂67との界面で乱反射する。超音波成分は、乱反射によっても減衰する。
これらの結果、圧電デバイス1では、超音波成分の散乱減衰が大きい。圧電デバイス1は、超音波成分の残響をより一層低減する。
【0094】
圧電デバイス1では、樹脂67が、緩衝材60と基板30とを接合している。基板30と樹脂67との接合界面が、緩衝材60の表面と樹脂67との接合界面より平滑である。したがって、超音波は、緩衝材60の表面と樹脂67との接合界面で散乱され、緩衝材60と基板30との界面に達しにくい。この結果、圧電デバイス1は、超音波成分の残響を効率よくかつ安定して低減する。
【0095】
圧電デバイス1では、緩衝材60が、独立気泡構造体である。この場合、圧電デバイス1は、複数の気泡63が内部に存在している共に、複数の気泡63と連通していない複数の窪み65が表面に存在している緩衝材60を簡易かつ確実に実現する。
【0096】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0097】
圧電素体21の厚みと底壁11の厚みとの比率は、1:1~1:5の範囲内でなくてもよい。圧電素体21の厚みと底壁11の厚みとの比率が、1:1~1:5の範囲内である構成では、上述したように、外部からの衝撃が圧電素子20に確実に伝わりがたく、かつ、送受信特性がより一層劣化しがたい。
【0098】
枠体50は、樹脂からなっていなくてもよい。枠体50が樹脂からなる構成では、上述したように、熱履歴による特性劣化が生じがたく、また、残響が生じがたい。
【0099】
圧電デバイス1は、蓋材70を備えていなくてもよい。圧電デバイス1が、蓋材70を備えている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、信頼性の低下を抑制する。
蓋材70は、樹脂からなっていなくてもよい。蓋材70は、樹脂からなる構成では、上述したように、熱履歴による特性劣化が生じがたく、また、残響が生じがたい。
【0100】
圧電デバイス1は、枠体50を備えていなくてもよい。圧電デバイス1が、枠体50を備えている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、電気的な接続の信頼性が低下するのを抑制する。
枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とは、接していなくてもよい。枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とは接している構成では、上述したように、圧電デバイス1が、共振周波数を変化させがたい。
枠体50は、側壁13の内側に圧入されていなくてもよい。枠体50は、側壁13の内側に圧入されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、枠壁51の外側表面と側壁13の内側表面とが接している状態を確実に維持する。
枠体50は、接続部材41,43を位置決めするガイド部を有していなくてもよい。枠体50が、接続部材41,43を位置決めするガイド部を有している構成では、上述したように、枠体50が、基板30と接続部材41,43との電気的な接続を確実に維持する。
枠体50は、基板30を位置決めするガイド部を有していなくてもよい。枠体50が、基板30を位置決めするガイド部を有している構成では、上述したように、基板30が収容空間S1内でより一層移動しがたい。
接続部材41は、部分41aと部分41bとを有していなくてもよく、接続部材43は、部分43aと部分43bとを有していなくてもよい。接続部材41が、部分41aと部分41bとを有していると共に、接続部材43が、部分43aと部分43bとを有している構成では、上述したように、圧電デバイス1は、基板30と接続部材41,43との電気的な接続を確実に維持し、電気的な接続の信頼性が低下するのをより一層抑制する。
【0101】
圧電デバイス1は、緩衝材60を備えていなくてもよい。圧電デバイス1が、緩衝材60を備えている構成では、上述したように、緩衝材60が、超音波成分の残響を抑制する。
緩衝材60は、圧電素子20に向けて圧縮されていなくてもよい。緩衝材60が、圧電素子20に向けて圧縮されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、超音波成分の残響をより一層低減する。
緩衝材60は、基板30によって圧電素子20に向けて圧縮されていなくてもよい。緩衝材60が、基板30によって圧電素子20に向けて圧縮されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、緩衝材60が圧電素子20に向けて圧縮された状態で圧電素子20上に配置されている構成を簡易かつ確実に実現する。
接続部材41,43は、緩衝材60と接していなくてもよい。接続部材41,43が、緩衝材60と接している構成では、上述したように、圧電デバイス1が、接続部材41,43の微小振動が要因である残響振動を生じさせがたい。
気泡63の平均アスペクト比は、1.3~2.5でなくてもよい。気泡63の平均アスペクト比が、1.3~2.5である構成では、上述したように、圧電デバイス1が、超音波成分の残響をより一層確実に低減する。
【0102】
底面12は、長径と短径とを有する円形状を呈していなくてもよい。底面12が、長径と短径とを有する円形状を呈していると共に、圧電素子20が、側面21cが長径の方向に沿うように、配置されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、振動特性を向上する。
接続部材41,43は、長径の方向と交差する方向で対向するように配置されていなくてもよい。たとえば、接続部材41,43は、長径の方向で対向するように配置されていてもよい。接続部材41,43が、長径の方向と交差する方向で対向するように配置されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、振動特性をより一層向上する。
接続部材41,43は、接続部材41,43の幅方向が長径の方向に沿うように、配置されていなくてもよい。たとえば、接続部材41,43は、接続部材41,43の幅方向が短径の方向に沿うように、配置されていてもよい。接続部材41,43が、接続部材41,43の幅方向が長径の方向に沿うように、配置されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、振動特性をより一層向上する。
接続部材41は、側面21c寄りに配置されていなくてもよい。接続部材43は、側面21cと対向している側面21d寄りに配置されていなくてもよい。たとえば、接続部材41,43は、側面21c寄りに配置されていてもよく、接続部材41,43は、側面21cと対向している側面21d寄りに配置されていてもよい。接続部材41が、側面21c寄りに配置されていなくていると共に、接続部材43が、側面21cと対向している側面21d寄りに配置されている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、接続部材41と接続部材43との短絡を防ぐ。
電極23,25の各厚みは、1.5μm以下でなくてもよい。電極23,25の各厚みが1.5μm以下である構成では、上述したように、圧電デバイス1が、振動特性をより一層向上する。
【0103】
複数の窪み65は、樹脂67で埋められていなくてもよい。複数の窪み65が樹脂67で埋められている構成では、上述したように、圧電デバイス1が、超音波成分の残響をより一層低減する。
基板30と樹脂67との接合界面は、緩衝材60の表面と樹脂67との接合界面より平滑でなくてもよい。基板30と樹脂67との接合界面が、緩衝材60の表面と樹脂67との接合界面より平滑である構成では、上述したように、圧電デバイス1は、超音波成分の残響を効率よくかつ安定して低減する。
緩衝材60は、独立気泡構造体でなくてもよい。緩衝材60は、独立気泡構造体である構成では、上述したように、圧電デバイス1は、複数の気泡63が内部に存在している共に、複数の気泡63と連通していない複数の窪み65が表面に存在している緩衝材60を簡易かつ確実に実現する。
【0104】
圧電デバイス1は、超音波の送信のみを行ってもよい。圧電デバイス1は、超音波の受信のみを行ってもよい。
圧電素子20は、圧電素体21内に配置される一つ又は複数の内部電極を有していてもよい。この場合、圧電素体21は複数の圧電体層を有していてもよく、内部電極と圧電体層とが交互に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…圧電デバイス、10…ケース、11…底壁、13…側壁、17…振動板、20…圧電素子、21…圧電素体、30…基板、50…枠体、70…蓋材、S1…収容空間。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
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図10
図11
図12