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  • 特許-射出装置並びにその潤滑及び冷却方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】射出装置並びにその潤滑及び冷却方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/20 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
B22D17/20 H
B22D17/20 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020046172
(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公開番号】P2021146350
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 高弘
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-053930(JP,A)
【文献】実開昭55-177971(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/20
B29C 45/53
F16N 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の射出スリーブと、
この射出スリーブの内側に同軸配置されて前記射出スリーブに対して軸方向に進退する円筒状のアウタープランジャと、
このアウタープランジャの内側に同軸配置されて前記アウタープランジャに対して前記軸方向に進退するインナープランジャと、を備え、
前記インナープランジャは、先端外周部に設けられた複数のインナー吐出口と、前記インナー吐出口に連通するインナー流体通路と、を有し、
前記インナー流体通路には潤滑剤又は冷却剤が供給され
前記アウタープランジャは、先端外周部に設けられた複数のアウター吐出口と、前記アウター吐出口に連通するアウター流体通路と、を有し、
前記アウター流体通路には前記潤滑剤又は前記冷却剤が供給される
ことを特徴とする射出装置。
【請求項2】
円筒状の射出スリーブの内側にアウタープランジャが軸方向に進退可能に同軸配置されると共に、前記アウタープランジャの内側にインナープランジャが前記軸方向に進退可能に同軸配置され、前記アウタープランジャの先端外周部に複数の第1の吐出口が設けられ、前記インナープランジャの先端外周部に複数の第2の吐出口が設けられた射出装置の潤滑方法であって、
前記射出スリーブ内で前記アウタープランジャを軸方向に移動させ、前記第1の吐出口から潤滑剤を吐出して、前記射出スリーブの内周面へ前記潤滑剤を供給し、
前記インナープランジャを前記アウタープランジャから突出させて金型ゲート部の内側で前記インナープランジャを軸方向に移動させ、前記第2の吐出口から前記潤滑剤を吐出して、前記金型ゲート部へ前記潤滑剤を供給する
ことを特徴とする射出装置の潤滑方法。
【請求項3】
円筒状の射出スリーブの内側にアウタープランジャが軸方向に進退可能に同軸配置されると共に、前記アウタープランジャの内側にインナープランジャが前記軸方向に進退可能に同軸配置され、前記アウタープランジャの先端外周部に複数の第1の吐出口が設けられ、前記インナープランジャの先端外周部に複数の第2の吐出口が設けられた射出装置の潤滑及び冷却方法であって、
前記インナープランジャを前記アウタープランジャに対して突出させた状態で、前記射出スリーブ内で前記アウタープランジャを軸方向に移動させ、前記第1の吐出口から冷却剤を吐出して、前記射出スリーブを冷却すると共に、前記インナープランジャを前記アウタープランジャと共に前記軸方向に移動させ、前記第2の吐出口から潤滑剤を吐出して、前記射出スリーブの内周面及び金型のゲート部へ前記潤滑剤を供給する
ことを特徴とする射出装置の潤滑及び冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、射出装置並びにその潤滑及び冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシン等で使用される射出装置は、竪型射出装置を例にとると、射出装置を傾けた状態で、射出スリーブ内に溶湯を供給し、射出装置を直立状態に戻してから上昇させ、金型に結合させる。その後、射出スリーブ内のプランジャチップを上昇させて、射出スリーブ内の溶湯を金型内に鋳込む。このように、プランジャチップは、射出スリーブ内で上下移動する。その際に、射出スリーブの内周面とプランジャチップの外周面とが摺動するので、摺動面で摩耗が生じたり、かじりが発生することもある。このため、射出スリーブとプランジャチップとの摺動面に潤滑剤を投入することがなされている(例えば特許文献1)。
【0003】
一方、成形の際には、成形品の離型を促進するため、金型ゲート部(湯口部)へ下側から潤滑剤を塗布する必要がある。金型ゲート部へ潤滑剤を塗布する技術としては、例えばゲートスプレーを利用した方式が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-279645号公報
【文献】特開平8-243709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、それぞれ別の潤滑剤供給装置を用いているので、両者の双方の機能を備えた射出装置は、構成が複雑化するという問題があった。また、従来の技術は、冷却剤と潤滑剤との併用が難しく、潤滑剤と冷却剤とを兼用することにより、潤滑剤過多となって製品や装置に悪影響を及ぼすという問題があった。
なお、離型剤の中には粘度を抑えて潤滑剤と兼用できるものがあり、本明細書においては、これらも含めて潤滑剤と称している。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたもので、構成の簡素化を図ることが出来る射出装置及びその循環方法を提供することを目的とする。
本発明は、また、冷却剤の併用も可能な射出装置並びにその潤滑及び冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る射出装置は、円筒状の射出スリーブと、この射出スリーブの内側に同軸配置されて前記射出スリーブに対して軸方向に進退する円筒状のアウタープランジャと、このアウタープランジャの内側に同軸配置されて前記アウタープランジャに対して前記軸方向に進退するインナープランジャとを備える。前記インナープランジャは、先端外周部に設けられた複数のインナー吐出口と、前記インナー吐出口に連通するインナー流体通路とを有する。前記インナー流体通路には潤滑剤又は冷却剤が供給される。
なお、前記アウタープランジャは、先端外周部に設けられた複数のアウター吐出口と、前記アウター吐出口に連通するアウター流体通路と、を有しても良く、前記アウター流体通路には前記潤滑剤又は前記冷却剤が供給されるようにしても良い。
【0008】
本発明の実施形態に係る射出装置の潤滑方法は、円筒状の射出スリーブの内側にアウタープランジャが軸方向に進退可能に同軸配置されると共に、前記アウタープランジャの内側にインナープランジャが前記軸方向に進退可能に同軸配置され、前記アウタープランジャの先端外周部に複数の第1の吐出口が設けられ、前記インナープランジャの先端外周部に複数の第2の吐出口が設けられた射出装置の潤滑方法であって、前記射出スリーブ内で前記アウタープランジャを軸方向に移動させ、前記第1の吐出口から潤滑剤を吐出して、前記射出スリーブの内周面へ前記潤滑剤を供給し、前記インナープランジャを前記アウタープランジャから突出させて金型ゲート部の内側で前記インナープランジャを軸方向に移動させ、前記第2の吐出口から前記潤滑剤を吐出して、前記ゲート部へ前記潤滑剤を供給する。
【0009】
本発明の他の実施形態に係る射出装置の潤滑及び冷却方法は、円筒状の射出スリーブの内側にアウタープランジャが軸方向に進退可能に同軸配置されると共に、前記アウタープランジャの内側にインナープランジャが前記軸方向に進退可能に同軸配置され、前記アウタープランジャの先端外周部に複数の第1の吐出口が設けられ、前記インナープランジャの先端外周部に複数の第2の吐出口が設けられた射出装置の潤滑及び冷却方法であって、前記インナープランジャを前記アウタープランジャに対して突出させた状態で、前記射出スリーブ内で前記アウタープランジャを軸方向に移動させ、前記第1の吐出口から冷却剤を吐出して、前記射出スリーブを冷却すると共に、前記インナープランジャを前記アウタープランジャと共に前記軸方向に移動させ、前記第2の吐出口から潤滑剤を吐出して、前記射出スリーブの内周面及び金型のゲート部へ前記潤滑剤を供給する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成の射出装置及びその潤滑方法を提供することができる。
また、本発明によれば、冷却剤の併用も可能な射出装置並びに潤滑及び冷却方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る射出装置の模式的断面図である。
図2】同射出装置の要部を示す図である。
図3】同射出装置の射出成形時の動作を示す模式的断面図である。
図4】同射出装置の射出スリーブ内周面への潤滑剤塗布工程を示す模式的断面図である。
図5】同射出装置の金型ゲート部への潤滑剤塗布工程を示す模式的断面図である。
図6】同射出装置の射出スリーブ内周面及び金型ゲート部への潤滑剤塗布工程及び射出スリーブの冷却工程を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る射出装置並びにその潤滑及び冷却方法を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る射出装置の構成を示す模式的断面図である。図1に示すように、本実施形態の射出装置として、竪型射出装置の例を示している。射出装置は、円筒状のフレーム1と、このフレーム1の先端部に取り付けられた円筒状の射出スリーブ2と、これらフレーム1及び射出スリーブ2の内側に同軸配置された円筒状のアウタープランジャ3と、このアウタープランジャ3の内側に同軸配置されたインナープランジャ4とを備える。
【0014】
アウタープランジャ3は、より詳細には、例えば、先端部のアウターチップと、アウターチップを駆動するアウタープランジャロッドと、これらを結合するアウターチップジョイント等から構成されるが、図ではこれらを一つの構成として簡略化して示している。また、インナープランジャ4も、より詳細には、例えば、先端部のインナーチップと、インナーチップを駆動するインナープランジャロッドと、これらを結合するインナーチップジョイント等から構成されるが、図ではこれらを一つの構成として簡略化して示している。
【0015】
アウタープランジャ3とインナープランジャ4とは、それぞれ油圧又はエアー圧を利用した流体圧駆動部5によって個別に駆動され、軸方向に進退可能に構成されている。
【0016】
図2には、アウタープランジャ3及びインナープランジャ4の特にアウターチップ及びインナーチップの部分の詳細が示されている。点線で囲んだ部分の右側にその部分の断面図が示されている。図2(a)は、アウタープランジャ3及びインナープランジャ4の先端が射出スリーブ2の先端から奥まった位置に下がっている状態を示し、図2(b)は、アウタープランジャ3の先端が射出スリーブ2の先端位置まで上昇し、且つインナープランジャ4が、アウタープランジャ3の先端から上に突出している状態を示している。
【0017】
図2に示すように、アウタープランジャ3の先端外周部には、周方向及び軸方向に所定の間隔で配設された複数の第1の吐出口(アウター吐出口)3aが形成されている。これら第1の吐出口3aは、径方向に穿たれ、基端部がアウタープランジャ3の内部に形成された軸方向に延びる第1の流体通路(アウター流体通路)3bと接続されている。また、インナープランジャ4の先端外周部にも、周方向及び軸方向に所定の間隔で配設された複数の第2の吐出口(インナー吐出口)4aが形成されている。これら第2の吐出口4aは、径方向に穿たれ、基端部がインナープランジャ4の内部に形成された軸方向に延びる第2の流体通路(インナー流体通路)4bと接続されている。第1の流体通路3bには、所定のタイミングで投入口Aを介して潤滑剤又は冷却剤が投入される。第2の流体通路4bには、所定のタイミングで投入口Bを介して潤滑剤又は冷却剤が投入される。
【0018】
図1に示すように、この射出装置は、図示しない駆動装置によって全体が上下に駆動され、金型10の溶湯導入口と射出スリーブ2の先端部とが結合されるようになっている。また、この射出装置は、射出スリーブ2内に給湯する際に、図示しない駆動装置により、二点鎖線で示す位置まで傾転させるようになっている。更に、射出装置は、投入口C,Dを介して作動油又は作動エアーを導入して、アウタープランジャ3及びインナープランジャ4を個別に軸方向に進退駆動させるようになっている。
【0019】
次に、このように構成された射出装置の動作について説明する。
図3は、射出成形時の動作を説明するための図である。射出装置が傾斜した状態で射出スリーブ2の内部に図示しないラドルによって溶湯6が充填され、射出装置が立直姿勢に戻り、上昇すると、図3(a)のように、射出スリーブ2の先端が金型10の溶湯導入口に結合された状態になる。なお、ここでは、金型10が、横方向に開閉する固定型10a及び可動型10bの例を示しているが、縦方向に開閉する金型にも適用可能であることは言うまでも無い。
【0020】
次に、図3(b)に示すように、アウタープランジャ3及びインナープランジャ4を射出スリーブ2に沿って上昇させて、溶湯6を金型10内のキャビティー内に鋳込む。
【0021】
図3(c)は、鋳込みが終了した状態を示している。この時、図示しない加圧ピン等で溶湯を加圧したり、インナープランジャ4をゲート部に向けて突出させて溶湯を加圧することも可能である。
【0022】
図4は、上記の一連の射出成形工程の前又は後に行う、射出スリーブ2内の潤滑方法を示している。図4(a)に示すように、製品を取り出した後、又は、射出成形を行う前の型締めされた金型10に、射出スリーブ2の先端を結合させる。この状態で、図4(a)、(b)、(c)に示すように、アウタープランジャ3を、インナープランジャ4と一緒に上下に移動させる。この時、投入口Aに潤滑剤を投入する。これにより、潤滑剤は、第1の流体通路3bを通って第1の吐出口3aに至り、第1の吐出口3aから射出スリーブ2の内周面に向けて吐出される。アウタープランジャ3の複数回の往復動作によって、射出スリーブ2とアウタープランジャ3との間の潤滑工程が終了する。
なお、前述の実施形態では、アウタープランジャ3について複数回の往復動作させる例を説明したが、潤滑剤の噴出量が十分であれば、複数回往復動作させる必要がないことは勿論であって、例え、1回の往復動作しかしなかったとしても、必要な潤滑剤を噴霧するに必要な時間だけ噴出できれば良い。
【0023】
図5は、一連の射出成形工程の前又は後に行う、金型10のゲート部(湯口部)の潤滑方法を示している。図5(a)に示すように、製品を取り出した後、又は、射出成形を行う前の型締めされた金型10に、射出スリーブ2の先端を結合させる。このときアウタープランジャ3及びインナープランジャ4の先端は、射出スリーブ2の先端に位置している。そして、図5(a)、(b)、(c)に示すように、アウタープランジャ3を静止した状態で、インナープランジャ4のみを上下に移動させる。この時、投入口Bに潤滑剤を投入する。これにより、潤滑剤は、第2の流体通路4bを通って第2の吐出口4aに至り、第2の吐出口4aから金型10のゲート部付近の内周面に向けて吐出される。インナープランジャ4の複数回の往復動作によって、金型10のゲート部付近の潤滑工程が終了する。
なお、前述の実施形態では、インナープランジャ4について複数回の往復動作させる例を説明したが、アウタープランジャ3の例で説明したと同様に、潤滑剤の噴出量が十分であれば、複数回往復動作させる必要がないことは、勿論であって、例え、1回の往復動作しかしなかったとしても、必要な潤滑剤を噴霧するに必要な時間だけ噴出できれば良い。
【0024】
図6は、一連の射出成形工程の前又は後に行う、射出スリーブ2の内周面と金型10のゲート部(湯口部)の潤滑方法、並びに射出スリーブ2の冷却方法を示している。図6(a)に示すように、製品を取り出した後、又は、射出成形を行う前の型締めされた金型10に、射出スリーブ2の先端を結合させる。そして、図6(a)、(b)、(c)に示すように、アウタープランジャ3に対してインナープランジャ4を第2の吐出口4aが露出するまで突出させた状態で、アウタープランジャ3とインナープランジャ4とを一緒に上下に移動させる。この時、投入口Aに冷却剤を投入すると共に、投入口Bに潤滑剤を投入する。
【0025】
これにより、冷却剤は、第1の流体通路3bを通って第1の吐出口3aに至り、第1の吐出口3aから射出スリーブ2の内周面に向けて吐出される。一方、潤滑剤は、第2の流体通路4bを通って第2の吐出口4aに至り、第2の吐出口4aから射出スリーブ2の内周面及び金型10のゲート部付近の内周面に向けて吐出される。アウタープランジャ3とインナープランジャ4の複数回の往復動作によって、射出スリーブ2の冷却と、射出スリーブ2の内周面及び金型10のゲート部付近の潤滑工程が終了する。
なお、前述の実施形態では、射出スリーブ2を冷却する目的で、アウタープランジャ3から冷却剤を噴出させる例を説明した。しかし、例え、アウタープランジャ3から冷却剤を噴出させる構造でなかったとしても、アウタープランジャ3内において冷却剤を循環流通できる構造とすれば、アウタープランジャ3自体の冷却は勿論のこと、条件によっては、さらに、外周側からインナープランジャ4の冷却が可能になるという効果を期待できる。
【0026】
[実施形態の効果]
以上の実施形態によれば、射出装置単体で、射出スリーブ2と金型10のゲート部の双方への潤滑剤供給が可能になるので、ゲートスプレー等の特別な装置が不要であり、装置構成が簡略化されるという効果がある。
また、型締めされた金型10に射出スリーブ2を結合させた状態で、潤滑及び冷却工程を行うことができるので、射出装置を傾転させた状態での潤滑工程及び冷却工程が不要となる。このため、射出成形のサイクルタイムの短縮化を図ることが出来る。
更には、潤滑剤と冷却剤とを別々に供給することにより、潤滑剤の供給量を減らすことが出来る。冷却剤をエアーにすれば、コスト低減と安全性の向上を図ることができる。
【0027】
なお、冷却剤を投入する場合、図6に示す熱電対等の温度センサ8で射出スリーブ2の温度を測定し、その測定結果に応じて冷却剤の供給量をコントロールするようにしても良い。
これによれば、潤滑剤の量を適量に保ちつつ、射出スリーブ2を適正な温度状態に保つことができる。
【0028】
また、以上の各潤滑方法及び冷却方法では、金型10の溶湯導入口に射出スリーブ2を結合させた状態で潤滑剤又は冷却剤を投入するようにしたが、射出スリーブ2の潤滑又は冷却については、射出装置の傾転時に行うこともできる。その場合、例えば図1の二点鎖線で示すように、射出スリーブ2の先端開口部の上を、潤滑剤又は冷却剤の飛散防止用のカバー7で覆い、カバー7の端の図示しない回収口から潤滑剤又は冷却剤を回収するようにしても良い。
【0029】
また、上記実施形態では、竪型射出装置を例にとって説明したが、本発明は、横型射出装置を備えたダイカスト装置にも適用可能である。
【0030】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 フレーム
2 射出スリーブ
3 アウタープランジャ
4 インナープランジャ
5 流体圧駆動部
6 溶湯
10 金型
図1
図2
図3
図4
図5
図6