(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20231031BHJP
H04R 3/12 20060101ALI20231031BHJP
H04R 5/033 20060101ALI20231031BHJP
H04S 1/00 20060101ALI20231031BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20231031BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20231031BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
H04R3/12 Z
H04R5/033 Z
H04S1/00 500
H04R1/10 101A
H04R3/00 310
G10L17/00 200C
(21)【出願番号】P 2020052623
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小俣 成史
(72)【発明者】
【氏名】崔 丁珠
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】富澤 克美
(72)【発明者】
【氏名】宮口 涼
(72)【発明者】
【氏名】竹原 英樹
【審査官】上田 雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-211227(JP,A)
【文献】特開2017-126873(JP,A)
【文献】特開2005-156641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
H04S 1/00- 7/00
G10L 17/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する音入出力制御装置であって、
前記音出力装置のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期しているか否かを判定する同期性判定部と、
前記音出力装置のそれぞれの動作を制御する動作制御部と、
を備え、
前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していると判定された場合に、前記動作制御部は、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、
前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していないと判定された場合に、前記動作制御部は、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する、音入出力制御装置。
【請求項2】
前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していないと判定された場合に、前記動作制御部は、前記音出力装置のそれぞれにモノラル方式の音を出力させる、請求項1に記載の音入出力制御装置。
【請求項3】
前記音出力装置の少なくとも1つは、当該音出力装置が装着されたユーザの音声を収音する音入力部を備え、
前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していないと判定された場合に、前記動作制御部は、一の前記音出力装置から前記音入力部によって収音された音声を、他の前記音出力装置に出力させる、請求項1に記載の音入出力制御装置。
【請求項4】
前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していないと判定された場合に、前記動作制御部は、前記音出力装置のそれぞれの音量を個別に調整可能とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項5】
前記生体情報取得部が取得する前記生体情報は、前記音出力装置が装着されたユーザの脈拍、血圧、呼吸、体温の少なくとも1つに関する情報である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項6】
前記生体情報取得部が取得する前記生体情報は、前記音出力装置が装着されたユーザの耳の穴の中の音の反響性、又は、前記音出力装置が装着されたユーザの声紋に関する情報である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項7】
前記音出力装置と一体的に構成される、請求項1乃至6の何れか一項に記載の音入出力制御装置。
【請求項8】
ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を音入出力制御装置によって制御する音入出力制御方法であって、
前記音入出力制御装置が、
前記音出力装置のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得し、
前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期しているか否かを判定し、
前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、
前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していないと判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する、音入出力制御方法。
【請求項9】
音入出力制御装置に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する処理を実行させるプログラムであって、
前記音入出力制御装置に、
前記音出力装置のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得する処理と、
前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期しているか否かを判定する処理と、
前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、
前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していないと判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する処理と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、イヤホンを装着するユーザの身体の状態を取得し、当該身体の状態に基づいて、イヤホンを密閉型から開放型に切り替える技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年、左右のイヤホンが完全にワイヤレスな、フルワイヤレスイヤホン(TWS:True Wireless Stereo)が普及しつつある。フルワイヤレスイヤホンは、左右のイヤホンによってステレオ方式で音を出力する。本発明者らは、フルワイヤレスイヤホンのように、独立して使用可能な複数の音出力装置における、ステレオ方式の音の出力という通常の動作モード以外の動作モードも可能にする技術に想到した。
【0005】
本発明は、音出力装置により広い用途を付与できる音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る音入出力制御装置は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する音入出力制御装置であって、前記音出力装置のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期しているか否かを判定する同期性判定部と、前記音出力装置のそれぞれの動作を制御する動作制御部と、を備え、前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していると判定された場合に、前記動作制御部は、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、前記同期性判定部によって前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得された前記生体情報が同期していないと判定された場合に、前記動作制御部は、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する。
【0007】
本発明に係る音入出力制御方法は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を音入出力制御装置によって制御する音入出力制御方法であって、前記音入出力制御装置が、前記音出力装置のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得し、前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期しているか否かを判定し、前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していないと判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御するものである。
【0008】
本発明に係るプログラムは、音入出力制御装置に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置を制御する処理を実行させるプログラムであって、前記音入出力制御装置に、前記音出力装置のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得する処理と、前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期しているか否かを判定する処理と、前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していると判定した場合に、第1の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御し、前記音出力装置のうち少なくとも2つから取得した前記生体情報が同期していないと判定した場合に、第2の動作を行うように前記音出力装置のそれぞれを制御する処理と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音出力装置により広い用途を付与できる音入出力制御装置、音入出力制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る音入出力制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態2に係る音入出力制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1又は2に係る音入出力制御方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施の形態1又は2に係る音入出力制御方法の他の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態1又は2に係る音入出力制御方法の他の例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態1又は2に係る音入出力制御方法の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る音入出力制御装置200の構成を模式的に示すブロック図である。音入出力制御装置200は、
図1に示す音出力装置100の動作を制御する。具体的には、音入出力制御装置200は、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置100を制御する。これにより、音入出力制御装置200は、音出力装置100に、より広い用途を付与することができる。
【0012】
音出力装置100は、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等の完全に独立した個々のイヤホン等であり、例えばユーザの左右の耳に独立して装着される。すなわち、複数の音出力装置100は、互いに完全に独立して、ユーザの耳に装着される。通常、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等は、2個の完全に独立したイヤホンが1組となっている。しかし、本発明では、3個以上の音出力装置100が1組となっていてもよい。複数の音出力装置100は、ユーザの頬骨などに左右独立して装着されてもよく、首掛けスピーカやウェアラブルスピーカであってもよい。音出力装置100は、フルワイヤレス型に限定されず、その一部が有線接続であってもよい。
【0013】
本実施の形態1に係る音出力装置100は、
図1に示すように、生体センサ101、音出力部102、音入力部103、通信部104等を備える。なお、1組の音出力装置100のうち、少なくとも1つの音出力装置100が音入力部103を備えていればよく、他の音出力装置100は音入力部103を備えていなくてもよい。また、1組の音出力装置100のすべてが音入力部103を備えない形態であってもよい。
【0014】
生体センサ101は、ユーザの生体信号を検出するセンサであり、例えば、脈拍センサ、血圧センサ、呼吸センサ、体温計等である。生体センサ101が検出した生体信号は、通信部104によって、音入出力制御装置200に送信される。
【0015】
音出力部102は、スピーカ、又は、骨伝導スピーカ等を備え、スマートフォン等の携帯機器、DAP(Digital Audio Player)、CDプレーヤ等の音楽再生装置(図示省略)から取得する音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する。音楽再生装置からの音声信号は、音入出力制御装置200を介して通信部104によって受信されてもよいし、音入出力制御装置200を介さずに、直接、通信部104によって受信されてもよい。
また、音出力部102は、他の音出力装置100から通信部104が受信した音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する形態があってもよい。具体的には、他の音出力装置100の音入力部103が音声を収音することにより音声信号を取得し、音出力部102は、当該他の音出力装置100から通信部104が受信した当該音声信号に従って、当該音声を出力する。
【0016】
音入力部103は、マイク等であり、音出力装置100を装着したユーザの音声を収音して音声信号を取得する。なお、音入力部103は、ユーザが当該音出力装置100を装着した状態で、ユーザの音声を収音可能となっている。音入力部103が取得した音声信号は、通信部104によって、音入出力制御装置200又は他の音出力装置100に送信される。なお、音入力部103は、1組の音出力装置100のうち、全ての音出力装置100に備えられていてもよいし、少なくとも1つの音出力装置100に備えられていてもよい。1組の音出力装置100のうち、1台の音出力装置100にのみ音入力部103が備えられる場合、音入力部103が備えられた音出力装置100をマスター装置とし、他の音出力装置100をスレーブ装置としてもよい。
【0017】
なお、1組の音出力装置100の全てに、音入力部103が備えられる場合、音出力部102から所定長さの音(例えば、数百ミリ秒の音)を出力し、ユーザの耳の穴の中を伝搬した音(反響音)を音入力部103が収音して、反響音信号を取得してもよい。そして、音入力部103が取得した反響音信号は、通信部104によって、音入出力制御装置200に送信されてもよい。この場合、音入出力制御装置200の生体情報取得部201(後述)は、当該反響音信号からユーザの個人認証情報を生成し、生体情報として取得してもよい。1組の音出力装置100の全てに音入力部103が備えられる場合、音入力部103のそれぞれが収音した音声から声紋情報を導出し、生体情報取得部201(後述)は、当該声紋情報号からユーザの個人認証情報を生成し、生体情報として取得してもよい。
【0018】
通信部104は、当該通信部104が備えられる音出力装置100と、他の音出力装置100及び音入出力制御装置200、又は上述した音楽再生装置(図示省略)との間の通信を行う。
音出力装置100間の通信は、近接場磁気誘導(NFMI:Near Field Magnetic Induction)通信、及び、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信等である。音出力装置100間の通信として何れの通信を用いるのか、音出力装置100間の距離に応じて切り替えられてもよい。
音出力装置100と音入出力制御装置200との間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。音出力装置100と音入出力制御装置200との間の通信として何れの通信を用いるのか、音出力装置100と音入出力制御装置200との間の距離に応じて切り替えられてもよい。
【0019】
音入出力制御装置200は、上述したように、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する複数の音出力装置100を制御する。例えば、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100のうち、少なくとも2台の音出力装置100を制御する。音入出力制御装置200は、
図1に示すように、生体情報取得部201、同期性判定部202、動作制御部203、音入出力処理部204、通信部205等を備える。
【0020】
生体情報取得部201は、音出力装置100のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得する。すなわち、生体情報取得部201は、1組の音出力装置100のそれぞれから、生体情報を個別に取得する。
具体的には、生体情報取得部201は、音出力装置100の生体センサ101によって検出され通信部205が受信した生体信号を、生体情報として取得する。生体情報取得部201が取得する生体情報は、例えば、ユーザの脈拍、血圧、呼吸、体温等に関する情報である。
また、生体情報取得部201は、音出力装置100の音入力部103が取得し通信部205が受信した反響音信号からユーザの個人認証情報を生成し、当該個人認証情報を生体情報として取得してもよい。生体センサ101は、上述した各種センサを複数組み合わせたものであってもよく、生体情報取得部201は、これら複数のセンサが取得する生体情報を組み合わせて取得してもよい。
【0021】
同期性判定部202は、生体情報取得部201によって音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期しているか否かを判定する。すなわち、同期性判定部202は、生体情報取得部201が1組の音出力装置100のそれぞれから個別に取得した生体情報が同期しているか否かを判定する。
具体的には、例えば、同期性判定部202は、音出力装置100のそれぞれから個別に取得する生体情報が脈拍、呼吸等に関する周期性を有する情報である場合、これらの生体情報の周期が一致するか否かに基づいて、これらの生体情報が同期しているか否かを判定する。同期性判定部202は、音出力装置100のそれぞれから個別に取得する血圧や脈拍の強度、呼吸の深さ、体温などが略一致しているか否かに基づいて、これらの生体情報が同期しているか否かを判定してもよい。
もしくは、同期性判定部202は、音出力装置100のそれぞれから個別に取得する生体情報が上記反響音信号である場合、これらの反響音信号からユーザの個人認証情報を生成し、これらの個人認証情報が一致するか否かに基づいて、これらの生体情報が同期しているか否かを判定する。
【0022】
動作制御部203は、1組の音出力装置100のそれぞれの動作を制御する。
具体的には、同期性判定部202によって音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していると判定された場合に、動作制御部203は、音出力装置100のそれぞれが同一のユーザに装着されている場合に適した第1の動作、例えば音楽再生装置から取得する音声信号をステレオモードで再生する動作を行うように音出力装置100のそれぞれを制御する。動作制御部203は、音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していると判定された場合に、特定された動作を第1の動作として行うことなく、ユーザ指定の動作を行う、または通常動作を継続する形態であってもよい。言い換えると、第1の動作は、特に指定された動作でなくともよい。
また、同期性判定部202によって音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していないと判定された場合に、動作制御部203は、音出力装置100のそれぞれが異なるユーザに装着されている場合に適した第2の動作、例えば音楽再生装置から取得する音声信号をモノラルモードで再生する動作を行うように音出力装置100のそれぞれを制御する。
上記第1の動作及び上記第2の動作の詳細については、後述する。
【0023】
したがって、本実施の形態1に係る音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が2台の音出力装置100からなる場合、当該2台の音出力装置100から個別に取得した生体情報が同期している場合、当該2台の音出力装置100は同一のユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第1の動作を行うように当該2台の音出力装置100を制御する。
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が2台の音出力装置100からなる場合、当該2台の音出力装置100から個別に取得した生体情報が同期していない場合、当該2台の音出力装置100は異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第2の動作を行うように当該2台の音出力装置100を制御する。
【0024】
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が3台以上の音出力装置100からなり、1組の音出力装置100のうち2台の音出力装置100から個別に取得した生体情報が同期している場合、当該2台の音出力装置100は同一のユーザに装着されていると判断する。同時に、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100のうち生体情報が同期していない他の音出力装置100がある場合、1組の音出力装置100のうち他の音出力装置100は異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第1の動作を行うように当該2台の音出力装置100を制御するとともに、上記第2の動作を行うように他の音出力装置100を制御する。
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100が3台以上の音出力装置100からなり、これらの音出力装置100から個別に取得した生体情報がいずれも同期していない場合、これらの音出力装置100はいずれも異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第2の動作を行うようにこれらの音出力装置100を制御する。
【0025】
音入出力処理部204は、通信部205が音楽再生装置(図示省略)から受信した音声信号に所定の処理を行って、それぞれの音出力装置100に送信する音声信号を生成する。例えば、音入出力処理部204は、ステレオ方式の音声信号又はモノラル方式の音声信号を生成する。そして、音入出力処理部204が生成した音声信号は、通信部205によって、それぞれの音出力装置100に送信される。
例えば、1組の音出力装置100が、右耳用の音出力装置100、左耳用の音出力装置100からなり、これらの音出力装置100が同一のユーザに装着されている場合、第1の動作として、音入出力処理部204は、右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部205は、音入出力処理部204が生成した右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、音入出力処理部204が生成した左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。言い換えると、第1の動作とは、ステレオ方式の音声信号の再生動作(一人モード)である。
また、1組の音出力装置100が異なるユーザに装着されている場合、第2の動作として、音入出力処理部204は、モノラル方式の音声信号を生成し、通信部205は、モノラル方式の音声信号をそれぞれの音出力装置100に送信する。言い換えると、第2の動作とは、モノラル方式の音声信号の再生動作(二人モード)である。
1組の音出力装置100が異なるユーザに装着されている場合、第2の動作として、音入出力処理部204は、音入力部103が収音した音声信号を取得し、通信部205は、収音した音声信号を他の音出力装置100に送信してもよい。言い換えると、第2の動作とは、音出力装置100による異なるユーザ間の通信動作(トランシーバモード)であってもよい。トランシーバモードは、片方向の送受信のみであってもよく、双方向に送受信が可能であってもよい。
第2の動作とは、後述するように、音声出力の音量または音質調整などを別個に設定可能な動作モードであってもよい。
【0026】
通信部205は、音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置(図示省略)との間の通信を行う。
音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置との間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置との間の通信として何れの通信を用いるのか、音入出力制御装置200と音出力装置100及び音楽再生装置との間の距離に応じて切り替えられてもよい。
【0027】
なお、音入出力制御装置200は、スマートフォン等の携帯機器、DAP、CDプレーヤ等の音楽再生装置と一体であってもよい。この場合通信部205は、音入出力制御装置200と音出力装置100との通信を行う。また、音楽再生装置に音入出力制御装置200の上記機能を実行させるアプリーケーションプログラムがインストールされてもよい。
【0028】
実施の形態2
図2は、本発明の実施の形態2に係る音入出力制御装置としてのヒアラブルデバイス300の構成を模式的に示すブロック図である。実施の形態2に係るヒアラブルデバイス300は、実施の形態1に係る音出力装置100と音入出力制御装置200とが一体化したものである。したがって、ヒアラブルデバイス300に備えられる、生体センサ301、音出力部302、音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306、音入出力処理部307の機能は、
図1に示す生体センサ101、音出力部102、音入力部103、生体情報取得部201、同期性判定部202、動作制御部203、音入出力処理部204と同様である。また、ヒアラブルデバイス300に備えられる通信部308の機能は、
図1に示す通信部104の機能と通信部205の機能とを合わせたものと同様である。そのため、生体センサ301、音出力部302、音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306、音入出力処理部307、通信部308の機能のうち、生体センサ101、音出力部102、音入力部103、生体情報取得部201、同期性判定部202、動作制御部203、音入出力処理部204、通信部104、通信部205と同一の機能については、その説明を省略する。
【0029】
また、ヒアラブルデバイス300は、実施の形態1に係る音出力装置100と同様に、ユーザに独立して装着され、当該ユーザに向けて音を出力する。具体的には、ヒアラブルデバイス300は、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等の完全に独立した個々のイヤホン等であり、ユーザに独立して装着される。すなわち、複数のヒアラブルデバイス300は、互いに完全に独立して、ユーザに装着される。通常、フルワイヤレスイヤホン、フルワイヤレス骨伝導イヤホン等は、2個の完全に独立したイヤホンが1組となっている。しかし、本発明では、3個以上のヒアラブルデバイス300が1組となっていてもよい。
【0030】
本実施の形態2に係るヒアラブルデバイス300は、
図2に示すように、生体センサ301、音出力部302、音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306、音入出力処理部307、通信部308等を備える。なお、1組のヒアラブルデバイス300のうち、少なくとも1つのヒアラブルデバイス300が音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306を備えていればよく、他のヒアラブルデバイス300は音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306を備えていなくてもよい。1組のヒアラブルデバイス300のうち、1台のヒアラブルデバイス300にのみ音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306が備えられる場合、音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306が備えられたヒアラブルデバイス300をマスター装置とし、他のヒアラブルデバイス300をスレーブ装置としてもよい。
【0031】
生体センサ301が検出した生体信号は、生体情報取得部304に入力される。また、生体センサ301が検出した生体信号は、通信部308によって、他のヒアラブルデバイス300に送信される。
【0032】
音出力部302は、音楽再生装置としての携帯機器400から通信部308が受信した音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する。
また、音出力部302は、他のヒアラブルデバイス300から通信部308が受信した音声信号に従って、ユーザに向けて音を出力する。
【0033】
音入力部303が取得した音声信号は、通信部308によって、他のヒアラブルデバイス300に送信される。
なお、1組のヒアラブルデバイス300の全てに、音入力部303が備えられる場合、音入力部303が上記反響音信号を取得してもよい。そして、音入力部303が取得した反響音信号は、生体情報取得部304に入力される。また、音入力部303が取得した反響音信号は、通信部308によって、他のヒアラブルデバイス300に送信されてもよい。この場合、生体情報取得部304は、当該反響音信号からユーザの個人認証情報を生成し、生体情報として取得してもよい。
【0034】
生体情報取得部304は、1組のヒアラブルデバイス300のそれぞれから、生体センサ301によって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として個別に取得する。
例えば、1組のヒアラブルデバイス300の全てに生体情報取得部304が備えられる場合、生体情報取得部304は、当該生体情報取得部304が備えられるヒアラブルデバイス300の生体センサ301が検出した生体信号を生体情報として取得するとともに、通信部308が受信した他のヒアラブルデバイス300の生体センサ301が検出した生体信号も生体情報として取得する。
また、1組のヒアラブルデバイス300のうち、1台のヒアラブルデバイス300にのみ生体情報取得部304が備えられる場合、当該生体情報取得部304は、当該生体情報取得部304が備えられるヒアラブルデバイス300の生体センサ301が検出した生体信号を生体情報として取得するとともに、通信部308が受信した他のヒアラブルデバイス300の生体センサ301が検出した生体信号も生体情報として取得する。
生体情報取得部304が取得する生体情報は、例えば、ユーザの脈拍、血圧、呼吸、体温等に関する情報である。また、生体情報取得部304は、生体センサ301が検出した反響音信号、及び、通信部308が受信した他のヒアラブルデバイス300の反響音信号からユーザの個人認証情報を生成し、当該個人認証情報を生体情報として取得してもよい。
【0035】
同期性判定部305は、生体情報取得部304によって1組のヒアラブルデバイス300のそれぞれから取得された生体情報が同期しているか否かを判定する。1組のヒアラブルデバイス300の全てにおいて、それぞれ、同期性判定部305による同期判定が行われてもよい。また、1組のヒアラブルデバイス300のうち、1台のヒアラブルデバイス300にのみ生体情報取得部304、同期性判定部305が備えられる場合、他のヒアラブルデバイス300から生体信号が当該1台のヒアラブルデバイス300に送信されて、当該1台のヒアラブルデバイス300の同期性判定部305による同期判定が行われてもよい。
【0036】
動作制御部306は、ヒアラブルデバイス300の動作を制御する。
1組のヒアラブルデバイス300の全てにおいて、それぞれ、動作制御部306による動作制御が行われてもよい。例えば、1組のヒアラブルデバイス300のうち、2台のヒアラブルデバイス300において、一方のヒアラブルデバイス300の生体情報と他方のヒアラブルデバイス300の生体情報とが同期している場合、当該2台のヒアラブルデバイス300の動作制御部306は、上記第1の動作を行うように当該ヒアラブルデバイス300を制御する。また、1組のヒアラブルデバイス300の上記2台以外のヒアラブルデバイス300のそれぞれの動作制御部306は、上記第2の動作を行うように当該ヒアラブルデバイス300を制御する。
また、1組のヒアラブルデバイス300の全てにおいて、一のヒアラブルデバイス300の生体情報と他のヒアラブルデバイス300の生体情報とが同期していない場合、それぞれのヒアラブルデバイス300の動作制御部306は、第2の動作を行うように当該ヒアラブルデバイス300を制御する。
また、1組のヒアラブルデバイス300のうち、1台のヒアラブルデバイス300にのみ生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306が備えられる場合、当該1台のヒアラブルデバイス300の動作制御部306が、他のヒアラブルデバイス300の動作を制御してもよい。例えば、1組のヒアラブルデバイス300のうち、2台のヒアラブルデバイス300において、一方のヒアラブルデバイス300の生体情報と他方のヒアラブルデバイス300の生体情報とが同期している場合、動作制御部306は、上記第1の動作を行うように当該2台のヒアラブルデバイス300を制御する。また、動作制御部306は、上記第2の動作を行うように、1組のヒアラブルデバイス300の上記2台以外のヒアラブルデバイス300を制御する。
また、1組のヒアラブルデバイス300の全てにおいて、一のヒアラブルデバイス300の生体情報と他のヒアラブルデバイス300の生体情報とが同期していない場合、動作制御部306は、第2の動作を行うようにそれぞれのヒアラブルデバイス300を制御する。
ここで、第1の動作、及び第2の動作とは、実施の形態1と同等の動作である。
【0037】
音入出力処理部307は、通信部308が音楽再生装置としての携帯機器400から受信した音声信号に所定の処理を行って、音出力部302に入力する音声信号を生成する。
例えば、1組のヒアラブルデバイス300が、右耳用のヒアラブルデバイス300、左耳用のヒアラブルデバイス300からなり、これらのヒアラブルデバイス300が同一のユーザに装着されている場合、右耳用のヒアラブルデバイス300の音入出力処理部307は右耳用の音声信号を生成し、左耳用のヒアラブルデバイス300の音入出力処理部307は左耳用の音声信号を生成する。
また、1組のヒアラブルデバイス300が異なるユーザに装着されている場合、それぞれのヒアラブルデバイス300の音入出力処理部307は、モノラル方式の音声信号を生成する。
【0038】
通信部308は、当該通信部308が備えられるヒアラブルデバイス300と他のヒアラブルデバイス300との間の通信を行う。また、通信部308は、当該通信部308が備えられるヒアラブルデバイス300と音楽再生装置としての携帯機器400との間の通信を行う。
ヒアラブルデバイス300間の通信は、近接場磁気誘導通信、及び、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。ヒアラブルデバイス300間の通信として何れの通信を用いるのか、ヒアラブルデバイス300間の距離に応じて切り替えられてもよい。
ヒアラブルデバイス300と携帯機器400との間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN、赤外線通信、NFC等の近距離無線通信等である。ヒアラブルデバイス300と携帯機器400との間の通信として何れの通信を用いるのか、ヒアラブルデバイス300と携帯機器400との間の距離に応じて切り替えられてもよい。
【0039】
なお、音楽再生装置は、上記に挙げたスマートフォン等の携帯機器400だけでなく、DAP、CDプレーヤ等であってもよい。また、ヒアラブルデバイス300は、音楽再生装置と一体であってもよい。
【0040】
次に、
図3乃至
図6を参照しながら、本発明の実施の形態1又は2に係る音入出力制御方法の例について説明する。なお、以下の説明では、1組の音出力装置100又は1組のヒアラブルデバイス300が2台の音出力装置100又は2台のヒアラブルデバイス300からなり、一方の音出力装置100又はヒアラブルデバイス300がマスター装置となり、他方の音出力装置100又はヒアラブルデバイス300がスレーブ装置となる場合を例に挙げて説明する。
また、以下の説明では、実施の形態1に係る音入出力制御装置200における処理フローを例に挙げて説明する。実施の形態2に係るヒアラブルデバイス300における処理フローの説明は、生体センサ101、音出力部102、音入力部103、生体情報取得部201、同期性判定部202、動作制御部203、音入出力処理部204、通信部104、通信部205による処理を、それぞれ、生体センサ301、音出力部302、音入力部303、生体情報取得部304、同期性判定部305、動作制御部306、音入出力処理部307、通信部308による処理に読み換えれば同様となるため、その説明を省略する。
【0041】
最初に、
図3に示す音入出力制御方法の例について説明する。
まず、生体情報取得部201は、1組の音出力装置100のそれぞれによって検出される当該ユーザの生体信号を生体情報として取得する(ステップS101)。すなわち、生体情報取得部201は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100のそれぞれから、生体情報を個別に取得する。
【0042】
次に、同期性判定部202は、生体情報取得部201によって、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期しているか否かを判定する(ステップS102)。
【0043】
ステップS102において、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期している場合(ステップS102;Yes)、動作制御部203は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を一人モード(第1の動作)で動作するように制御する(ステップS103)。
【0044】
そして、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100において通常動作が行われる(ステップS104)。具体的には、音入出力処理部204が右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部205が右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102が当該右耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力し、左耳用の音出力装置100の音出力部102が当該左耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0045】
ステップS102において、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していない場合(ステップS102;No)、動作制御部203は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を二人モード(第2の動作)で動作するように制御する(ステップS105)。
【0046】
そして、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100においてモノラル方式で音楽の再生が行われる(ステップS106)。具体的には、音入出力処理部204がモノラル方式の音声信号を生成し、通信部205が当該モノラル方式の音声信号を右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100とに送信する。そして、右耳用の音出力装置100音出力部102と左耳用の音出力装置100の音出力部102とが、それぞれ、当該モノラル方式の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0047】
次に、
図4に示す音入出力制御方法の例について説明する。
図4に示す音入出力制御方法において、ステップS201、ステップS202、ステップS204の処理は、それぞれ、
図3に示す音入出力制御方法のステップS101、ステップS102、ステップS104の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0048】
ステップS202において、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期している場合(ステップS202;Yes)、動作制御部203は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を音声出力モード(第1の動作)で動作するように制御する(ステップS203)。
【0049】
ステップS202において、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していない場合(ステップS202;No)、動作制御部203は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100をトランシーバモード(第2の動作)で動作するように制御する(ステップS205)。
【0050】
そして、一方の音出力装置100のマイク(音入力部)103で収音したユーザの音声信号が他方の音出力装置100へ送信され、他方の音出力装置100が当該音声信号を受信し、他方の音出力装置100の音出力部102は、当該音声信号に従って、ユーザに音を出力する(ステップS206)。例えば、右耳用の音出力装置100を装着したユーザの音声が当該右耳用の音出力装置100のマイク(音入力部)103によって収音され、左耳用の音出力装置100へ送信される。そして、左耳用の音出力装置100の音出力部102は、当該音声信号に従って、当該左耳用の音出力装置100を装着したユーザに音を出力する。反対に、左耳用の音出力装置100を装着したユーザの音声が当該左耳用の音出力装置100のマイク(音入力部)103によって収音され、右耳用の音出力装置100へ送信される。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102は、当該音声信号に従って、当該右耳用の音出力装置100を装着したユーザに音を出力する。これにより、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100とが異なるユーザに装着された場合に、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100とをトランシーバとして用いることができる。
【0051】
なお、上記トランシーバモードにおいて、動作制御部203は、音出力部102による音声信号に基づく音の出力を停止させるように、又は、音声信号に基づく音の出力の音量を低下させるように音出力装置100を制御してもよい。また、上記トランシーバモードにおいて、動作制御部203は、右耳用の音出力装置100又は左耳用の音出力装置100の何れか一方における音入力部103による収音を停止させるように音出力装置100を制御してもよい。
【0052】
次に、
図5に示す音入出力制御方法の例について説明する。
図5に示す音入出力制御方法において、ステップS301、ステップS302、ステップS303、ステップS305の処理は、それぞれ、
図3に示す音入出力制御方法のステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS105の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
ステップS303において、右耳用及び左耳用の音出力装置100が一人モード(第1の動作)で動作するように制御された後、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100において音量や音質等の同時調整(通常動作)が行われる(ステップS304)。具体的には、音入出力処理部204が右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部205が右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。また、動作制御部203は、例えば、右耳用及び左耳用の音出力装置100における音出力部102が音を出力する音量や音質を実質的に同じ音量や音質となるように同時に調整する。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102が当該右耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力し、左耳用の音出力装置100の音出力部102が当該左耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0054】
ステップS305において、右耳用及び左耳用の音出力装置100が二人モード(第2の動作)で動作するように制御された後、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100において音量や音質の個別調整が行われる(ステップS306)。具体的には、音入出力処理部204が右耳用の音声信号と左耳用の音声信号を生成し、通信部205が右耳用の音声信号を右耳用の音出力装置100に送信し、左耳用の音声信号を左耳用の音出力装置100に送信する。また、動作制御部203は、例えば、右耳用及び左耳用の音出力装置100における音出力部102が音を出力する音量や音質を個別に調整可能とする。例えば、音入出力制御装置200又は音楽再生装置が、自身の表示部(図示省略)に、右耳用の音量や音質を調整するための設定画面と左耳用の音量や音質を調整するための設定画面を別々に表示する。これにより、右耳用の音出力装置100を装着したユーザ及び左耳用の音出力装置100を装着したユーザがそれぞれの設定画面を操作することにより、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100の音量や音質をそれぞれのユーザごとに好みのものに設定できる。そして、右耳用の音出力装置100の音出力部102が当該右耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力し、左耳用の音出力装置100の音出力部102が当該左耳用の音声信号に従ってユーザに向けて音を出力する。
【0055】
次に、
図6に示す音入出力制御方法の例について説明する。
図6に示す音入出力制御方法において、ステップS401の処理は、それぞれ、
図3に示す音入出力制御方法のステップS101の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0056】
同期性判定部202は、ステップS102又はS202又はS302における同期性判定を行う前に、生体情報取得部201によって、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100の双方から生体情報が取得されたか否かを判定する(ステップS402)。
【0057】
ステップS402において、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100の双方から生体情報が取得されている場合(ステップS402;Yes)、ステップS102又はS202又はS302の処理へ進む(ステップS403)。
【0058】
ステップS402において、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100の双方から生体情報が取得されていない場合(ステップS402;No)、動作制御部203は、右耳用の音出力装置100と左耳用の音出力装置100を一人モードで動作するように制御する(ステップS404)。そして、ステップS104又はS204又はS304の処理へ進む(ステップS405)。
【0059】
以上に説明した、実施の形態1に係る音入出力制御装置200によれば、同期性判定部202が、生体情報取得部201によって音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期しているか否かが判定する。また、同期性判定部202によって音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していると判定された場合に、動作制御部203は、音出力装置100のそれぞれが同一のユーザに装着されている場合に適した第1の動作を行うように音出力装置100のそれぞれを制御する。また、同期性判定部202によって音出力装置100のそれぞれから取得された生体情報が同期していないと判定された場合に、動作制御部203は、音出力装置100のそれぞれが異なるユーザに装着されている場合に適した第2の動作を行うように音出力装置100のそれぞれを制御する。
また、音入出力制御装置200は、1組の音出力装置100から個別に取得した生体情報がいずれも同期していない場合、これらの音出力装置100はいずれも異なるユーザに装着されていると判断する。そして、音入出力制御装置200は、上記第2の動作を行うようにこれらの音出力装置100を制御する。
そのため、ユーザの耳に独立して装着される複数の音出力装置100に、ステレオ方式の音を出力する等の通常の動作である第1の動作以外の、音出力装置100のそれぞれが異なるユーザに装着されている場合に適した第2の動作も付与することができる。よって、音出力装置100により広い用途を付与することができる。
実施の形態2に係るヒアラブルデバイス300も同様である。
【0060】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、
図3乃至6のフローチャートに記載の処理手順を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0061】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0062】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
100 音出力装置
200 音入出力制御装置
300 ヒアラブルデバイス(音入出力制御装置)
101、301 生体センサ
102、302 音出力部
103、303 音入力部
104、308 通信部
201、304 生体情報取得部
202、305 同期性判定部
203、306 動作制御部
204、307 音入出力処理部
205、308 通信部
400 携帯機器(音楽再生装置)