(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】駆動力源制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 10/04 20060101AFI20231031BHJP
B60W 10/10 20120101ALI20231031BHJP
F16H 61/00 20060101ALI20231031BHJP
F16H 63/50 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B60W10/00 104
F16H61/00
F16H63/50
(21)【出願番号】P 2020120855
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 敦
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-504246(JP,A)
【文献】特開2003-202073(JP,A)
【文献】特開平10-011698(JP,A)
【文献】特開平11-334495(JP,A)
【文献】特開2009-185788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/04
F16H 61/00
F16H 63/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動力源を制御する駆動力源制御装置であって、
前記駆動力源が発生する動力を活軸に伝達する変速機の種別を示す種別情報と、前記変速機の種別それぞれに関連付けられた複数の前記駆動力源の制御情報とを記憶する記憶部と、
前記変速機を制御する変速機制御装置が出力した、前記変速機の種別を示す種別情報に対応する識別情報を取得する取得部と、
前記識別情報に基づいて前記変速機の種別を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記変速機の種別を示す前記種別情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記記憶部に記憶されている複数の前記駆動力源の制御情報のうち、前記車両に対応する前記変速機の種別に関連付けられた前記駆動力源の制御情報に基づいて前記駆動力源を制御する駆動力源制御部と、
を有
し、
前記記憶制御部は、前記駆動力源制御装置及び前記変速機制御装置が動作を開始した時刻から前記駆動力源が始動する直前までの時間に、前記取得部が前記識別情報を所定回数以上取得し、かつ前記記憶部に記憶された前記種別情報が初期値である場合、前記記憶部に記憶された前記種別情報を、前記特定部が特定した前記変速機の種別を示す前記種別情報に更新する、
駆動力源制御装置。
【請求項2】
前記記憶制御部は、前記記憶部に前記種別情報が記憶されていないことを条件として、前記種別情報を前記記憶部に記憶させる、
請求項
1に記載の駆動力源制御装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記変速機の種別が手動変速機であることを示す前記種別情報を初期値として記憶し、
前記記憶制御部は、前記特定部が特定した前記変速機の種別が手動変速機ではない場合に、前記記憶部が記憶する前記種別情報を前記特定部が特定した前記変速機の種別を示す前記種別情報に更新する、
請求項
1に記載の駆動力源制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動力源制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンを制御するECM(Engine Control Module)は、車両の変速機を制御するTCM(Transmission Control Module)から取得した変速機の種別情報に基づいてエンジンを制御する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ECMとTCMとを接続する通信路にレアショート断線などの障害が起きた場合、ECMは、車両の変速機の種別情報を正しく取得できない。その結果、車両の変速機に適したエンジンの制御を行うことができないという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、車両の変速機に適したエンジンの制御を可能とする駆動力源制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る駆動力源制御装置は、車両の駆動力源を制御する駆動力源制御装置であって、前記駆動力源が発生する動力を活軸に伝達する変速機の種別を示す種別情報と、前記変速機の種別それぞれに関連付けられた複数の前記駆動力源の制御情報とを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている複数の前記駆動力源の制御情報のうち、前記車両に対応する前記変速機の種別に関連付けられた前記駆動力源の制御情報に基づいて前記駆動力源を制御する駆動力源制御部と、を有する。
【0007】
前記駆動力源制御装置は、前記変速機を制御する変速機制御装置が出力した、前記変速機の種別を示す種別情報に対応する識別情報を取得する取得部と、前記識別情報に基づいて前記変速機の種別を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記変速機の種別を示す前記種別情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、をさらに有してもよい。
【0008】
前記記憶制御部は、前記記憶部に前記種別情報が記憶されていないことを条件として、前記種別情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記変速機の種別が手動変速機であることを示す前記種別情報を初期値として記憶し、前記記憶制御部は、前記特定部が特定した前記変速機の種別が手動変速機ではない場合に、前記記憶部が記憶する前記種別情報を前記特定部が特定した前記変速機の種別を示す前記種別情報に更新してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ECMとTCMとを接続する通信路に障害が起きた場合であっても、車両の変速機に基づくエンジンの制御ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】記憶部22が記憶する変速機の種別を示す種別情報と複数の駆動力源の制御情報との一例を示す図である。
【
図4】制御部23が変速機の種別を特定し、特定した変速機の種別を示す種別情報を記憶部22に記憶させる処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<車両Sの構成>
図1は、本発明に係る車両Sの構成を示す図である。
図1(a)は、車両Sが有する変速機3の種別が手動変速機(MT:Manual Transmission)である場合の車両Sの構成を示す図である。
図1(b)は、車両Sが有する変速機3の種別が、MT以外である場合の車両Sの構成を示す図である。MT以外は、例えばAT(Automatic Transmission)又はAMT(Automated Manual Transmission)である。
【0013】
図1(a)に示すように車両Sが有する変速機3の種別がMTである場合、車両Sは、駆動力源1と、駆動力源制御装置2と、変速機3とを有する。車両Sが有する変速機3の種別がMTである場合、駆動力源制御装置2は、駆動力源1と車載ネットワークを介して接続されている。車載ネットワークは、例えばCAN(Controller Area Network)である。
【0014】
図1(b)に示すように車両Sが有する変速機3の種別がMT以外である場合、車両Sは、駆動力源1と、駆動力源制御装置2と、変速機3と、変速機制御装置4とを有する。車両Sが有する変速機3の種別がMT以外である場合、駆動力源制御装置2は、駆動力源1及び変速機制御装置4とCANを介して接続されている。
【0015】
駆動力源1は、車両Sが走行するための動力を発する。駆動力源1は、エンジン又はモータのうち少なくとも1つを有する。駆動力源1は、例えば、車両Sがエンジン車の場合、エンジンを有し、車両Sがハイブリッド車の場合、エンジンとモータとを有し、車両Sが電動車の場合、モータを有する。駆動力源1は、駆動力源制御装置2の制御に基づいて、例えばエンジンに噴射する燃料の噴射量及び噴射タイミング又はモータの回転数を変えることで、車両Sのアクセル開度に対応する動力を発する。
【0016】
駆動力源制御装置2は、例えばECM(Engine Control Module)であり、車両Sの駆動力源1が発生させる動力を制御する。変速機制御装置4は、例えばTCM(Transmission Control Module)である。
【0017】
本実施の形態において、駆動力源制御装置2は、車両Sの動作を開始した直後に、CAN通信の状況に基づいて、変速機3の種別を特定する。駆動力源制御装置2は、
図1(b)に示すように車両Sが変速機制御装置4を有している場合、CANを介して変速機制御装置4から取得した変速機3の種別に対応する識別情報を取得することにより、変速機3の種別をMT以外と特定する。識別情報は、車載ネットワークを介して送受信するための通信IDであり、例えば変速機の種別を示す種別情報を含むことができる。
【0018】
一方、駆動力源制御装置2は、
図1(a)に示すように車両Sが変速機制御装置4を有していない場合には、CANにより変速機3の種別に対応する識別情報を取得できないことに基づいて、変速機3の種別がMTと特定する。
【0019】
CAN通信の状況に基づいて、車両Sの変速機3の種別を特定する場合、CANの通信路に断線などの障害が起きた場合に車両Sの変速機3の種別を特定できないという問題が生じる。これに対し、駆動力源制御装置2は、CAN通信の状況に基づいて車両Sの変速機3の種別を特定できた場合に、特定した変速機3の種別を示す種別情報である使用種別情報を記憶部に記憶させておく。
【0020】
駆動力源制御装置2は、記憶部に記憶されている車両Sの変速機3の種別を示す使用種別情報に関連付けられた制御情報を特定する。制御情報は、例えば、エンジン回転数及びスロットル開度に基づいて、燃料の噴射量及び噴射タイミングを決定するための情報である。駆動力源制御装置2は、特定した制御情報に基づいて駆動力源1を制御する。このようにすることで、駆動力源制御装置2は、CAN通信に障害が起きた場合であっても、車両Sの変速機3に基づくエンジンの制御を行うことができる。
【0021】
続いて、駆動力源制御装置2の構成を説明する。
図2は、駆動力源制御装置2の構成を示す図である。
図2に示すように、駆動力源制御装置2は、取得部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。
【0022】
取得部21は、車載ネットワークを介して情報を受信するための通信デバイスを含む。通信デバイスは、例えばCANコントローラである。取得部21は、車両Sが変速機制御装置4を有する場合、変速機制御装置4が出力した、変速機の種別を示す種別情報に対応する識別情報を取得する。
【0023】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。記憶部22は、駆動力源が発生する動力を活軸に伝達する変速機の種別を示す種別情報と、変速機の種別それぞれに関連付けられた複数の駆動力源の制御情報とを記憶する。
【0024】
図3は、記憶部22が記憶する変速機の種別を示す種別情報と複数の駆動力源の制御情報との一例を示す図である。記憶部22は、複数の変速機の種別情報である複数の「変速機の種類」と、複数の変速機の種別情報のそれぞれに関連付けられた制御情報である「駆動力源の制御情報」とを関連付けて記憶している。
【0025】
記憶部22は、制御部23が駆動力源1の制御に用いる「駆動力源の制御情報」を特定するために、複数の「変速機の種類」のうち、1つの「変速機の種類」を使用種別情報として記憶している。記憶部22が記憶している使用種別情報の初期値は、MTに対応する種別情報(
図3に示す「MT」)である。
【0026】
制御部23は、使用種別情報が初期値であるMTに対応する種別情報の場合、MTに関連付けられた駆動力源の制御情報(
図3に示す「ddd」)を用いて駆動力源1を制御する。
【0027】
一方、制御部23は、使用種別情報がMT以外に対応する種別情報の場合、MT以外に対応する種別情報に関連付けられた駆動力源の制御情報を用いて駆動力源1を制御する。例えば、使用種別情報が
図3に示す「AAA」の場合、使用種別情報に対応する駆動力源の制御情報は、
図3に示す「aaa」である。MT以外に対応する複数の種別情報のそれぞれに関連付けられた複数の「駆動力源の制御情報」のそれぞれは、複数の種別情報のそれぞれが示す複数のMT以外の変速機のそれぞれに最適化されている。
【0028】
このように、制御部23は、車両Sが有する変速機がMT以外の場合、車両Sが有する変速機の種別を示す種別情報と一致する使用種別情報を用いて駆動力源1の制御を行う。したがって、制御部23は駆動力源1を最適に制御できる。
【0029】
図2に戻って、制御部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部23は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、特定部231、記憶制御部232、及び駆動力源制御部233として機能する。
【0030】
特定部231は、取得部21から取得した識別情報から変速機3の種別を示す種別情報を抽出し、抽出した種別情報に基づいて変速機制御装置4が制御する変速機3の種別を特定する。
【0031】
特定部231は、ECM及びTCMが動作を開始した時刻からエンジンが始動する直前の時刻までに取得部21から識別情報を取得した場合、抽出した種別情報に基づいて変速機3の種別を特定し、所定の時間内に取得部21から識別情報を取得しなかった場合、車両Sが変速機制御装置4を有しないと判定して、変速機の種類を「MT」と特定する。
【0032】
記憶制御部232は、特定部231が特定した変速機3の種別を示す種別情報を使用種別情報として記憶部22に記憶させる。このように動作することで、駆動力源制御装置2は、変速機制御装置4が出力した識別情報に基づいて特定した変速機3の種別を示す種別情報を使用種別情報として記憶部22に記憶させることができる。
【0033】
記憶制御部232は、記憶部22が記憶している使用種別情報が示す変速機3の種別と特定部231が特定した変速機3の種別とに基づいて、記憶部22が記憶している使用種別情報を特定部231が特定した種別情報に更新するか否かを決定してもよい。具体的には、例えば、記憶部22は、変速機3の種別が手動変速機(MT)であることを示す使用種別情報を初期値として記憶している。そして、記憶制御部232は、特定部231が特定した変速機3の種別が手動変速機ではない場合に、記憶部22が記憶する使用種別情報を特定部231が特定した変速機の種別を示す種別情報に更新する。
【0034】
このように動作することで、駆動力源制御装置2は、車両Sが有する変速機3がMT以外であり、車両Sが変速機制御装置4を有する場合、変速機制御装置4から取得した正しい識別情報に基づいて変速機3の種別を特定し、特定した変速機3の種別を示す種別情報を使用種別情報として記憶部22に記憶させることができる。
【0035】
なお、使用種別情報の初期値としてMTに対応する種別情報を記憶することとしたが、これに限らず、使用種別情報の初期値を記憶させなくてもよい。この場合、記憶制御部232は、記憶部22に変速機3の種別を示す使用種別情報が記憶されていないことを条件として、種別情報を記憶部22に記憶させてもよい。このように動作することで、記憶制御部232は、特定した変速機3の種別を示す種別情報を使用種別情報として一度だけ記憶部22に記憶させればよい。
【0036】
駆動力源制御部233は、駆動力源1が有するエンジン又はモータのうち少なくとも1つを制御する。駆動力源制御部233は、記憶部22に記憶されている複数の駆動力源の制御情報のうち、使用種別情報が示す変速機3の種別(
図3に示す「変速機の種類」)に関連付けられた駆動力源の制御情報(
図3に示す「駆動力源の制御情報」)に基づいて駆動力源1を制御する。
【0037】
具体的には、例えば、駆動力源制御部233は、記憶部22に記憶されている使用種別情報を取得する。そして、取得した使用種別情報が示す変速機3の種類に関連付けられた駆動力源の制御情報を取得する。駆動力源制御部233は、例えば使用種別情報が
図3に示す「AAA」の場合、「AAA」に関連付けられた駆動力源の制御情報である「aaa」を取得する。続いて、駆動力源制御部233は、取得した駆動力源の制御情報に基づいて、駆動力源1を制御する。
【0038】
このように動作することで、駆動力源制御部233は、取得部21が識別情報を正しく取得できない場合であっても、記憶部22に記憶されている使用種別情報に基づいて駆動力源1の制御情報を特定することで、駆動力源1の最適な制御を行うことができる。
【0039】
<制御部23のフローチャート>
図4は、制御部23が変速機3の種別を特定し、特定した変速機3の種別を示す種別情報を記憶部22に記憶させる処理のフローチャートを示す図である。特定部231は、ECM及びTCMが動作を開始した時刻からエンジンが始動する直前の時刻までの時間(S10に示す「所定時間」)を経過した場合(S10のNO)、変速機3の種別を手動変速機(MT)と特定する(S11)。
【0040】
一方、ECM及びTCMが動作を開始した時刻からエンジンが始動する直前の時刻までの時間内である場合(S10のYES)、変速機制御装置4が出力した変速機3の種別を示す種別情報に対応する識別情報を取得する(S12)。続いて、特定部231は、取得した識別情報から変速機3の種別を示す種別情報を抽出し、抽出した種別情報に基づいて変速機3の種別を特定する(S13)。
【0041】
特定部231は、識別情報を取得した回数が所定以上ではない場合(S14のNO)、取得した回数が所定以上に達するまで識別情報を取得する。一方、特定部231は、識別情報を取得した回数が所定以上である場合(S14のYES)、記憶制御部232に変速機3の種別を示す種別情報を出力する。所定の回数は、予め実験又はシミュレーションに基づいて定められた回数である。
【0042】
記憶制御部232は、記憶部22に記憶されている種別情報がMTを示す場合、当該種別情報を初期値と判定する。一方、記憶部に記憶されている種別情報がMT以外を示す場合、当該種別情報が初期値ではないと判定する。
【0043】
続いて、記憶制御部232は、記憶部22に記憶されている種別情報が初期値である場合(S15のYES)、記憶部22に記憶されている種別情報を特定部231から取得した種別情報に更新する(S16)。一方、記憶部22に記憶されている種別情報が初期値でない場合(S15のNO)、記憶部22に記憶されている種別情報を更新せずに処理を終了する。
【0044】
<駆動力源制御装置2による効果>
以上のとおり、駆動力源制御装置2は、変速機の種別を示す種別情報と複数の駆動力源の制御情報とを記憶する記憶部22と、駆動力源の制御情報に基づいて駆動力源1を制御する駆動力源制御部233とを有する。そして、駆動力源制御部233は、記憶部22に記憶された使用種別情報が示す変速機3の種別に関連付けられた駆動力源の制御情報に基づいて駆動力源1を制御する。
【0045】
このように動作することで、駆動力源制御装置2は、記憶部22に記憶された車両Sが有する変速機3の種別を示す種別情報に関連付けられた駆動力源の制御情報を取得することにより、CAN通信により種別情報を常時取得する必要がないので、CAN通信の状態の影響を受けることなく変速機3に適した駆動力源1の制御を行うことができる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0047】
1 駆動力源
2 駆動力源制御装置
3 変速機
4 変速機制御装置
21 取得部
22 記憶部
23 制御部
231 特定部
232 記憶制御部
233 駆動力源制御部