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特許7375703制御装置、車両、プログラム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】制御装置、車両、プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/50 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020132029
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028548
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】カイル アキラ ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】児玉 優太
(72)【発明者】
【氏名】モスウ コレンティン マリエ シー
(72)【発明者】
【氏名】谷森 俊介
(72)【発明者】
【氏名】皆川 里桜
(72)【発明者】
【氏名】ダニー ベンジャミン
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-159882(JP,A)
【文献】特開2018-177044(JP,A)
【文献】特開2020-091574(JP,A)
【文献】特開2014-067125(JP,A)
【文献】特開2015-137097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を制御する制御装置であって、前記制御装置は制御部を含み、前記制御部は、
ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが前記車両にて行われると判定すると、前記車両を制御して、前記車両から所定範囲内の領域の少なくとも一部にジオフェンスを設定させ、
前記制御部は、前記ジオフェンス内に存在する端末に前記ユーザの乗り降り又は前記荷物の積み下ろしが行われることを通知する、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記制御部は更に、前記車両に乗る予定のユーザのユーザ端末に、前記車両の識別情報を送信する、制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御装置において、
前記車両から所定範囲内の領域は、前記車両の上方、前方、側方又は後方の領域を含む、制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の制御装置が搭載された車両。
【請求項5】
車両を制御する制御装置としてのコンピュータに、
ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが前記車両にて行われると判定すると、前記車両を制御して、前記車両から所定範囲内の領域の少なくとも一部にジオフェンスを設定させることを含む動作を実行させ、
前記動作は、前記ジオフェンス内に存在する端末に前記ユーザの乗り降り又は前記荷物の積み下ろしが行われることを通知することを含む、プログラム。
【請求項6】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記車両に乗る予定のユーザのユーザ端末に、前記車両の識別情報を送信することを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項7】
車両を制御する制御装置による制御方法であって、
ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが前記車両にて行われると判定すると、前記車両を制御して、前記車両から所定範囲内の領域の少なくとも一部にジオフェンスを設定させることと、
前記ジオフェンス内に存在する端末に前記ユーザの乗り降り又は前記荷物の積み下ろしが行われることを通知することと、
を含む制御方法。
【請求項8】
請求項に記載の制御方法において、
前記車両に乗る予定のユーザのユーザ端末に、前記車両の識別情報を送信することを更に含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、車両、プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面に投影像を形成して車両の進行方向等の情報を周辺車両に報知する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-132707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人の乗り降り又は荷物の積み下ろし等の特定の場面では周辺への報知の必要性がある。しかし、場面に限らず報知を行えば、かえって煩わしいおそれがある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、特定の場面に限って車両の周辺への通知を行うことを可能にする制御装置、車両、プログラム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
車両を制御する制御装置であって、前記制御装置は制御部を含み、前記制御部は、
ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが前記車両にて行われると判定すると、前記車両を制御して、前記車両から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影させ又はジオフェンスを設定させる。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
車両を制御する制御装置としてのコンピュータに、
ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが前記車両にて行われると判定すると、前記車両を制御して、前記車両から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影させ又はジオフェンスを設定させることを実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る制御方法は、
車両を制御する制御装置による制御方法であって、
ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが前記車両にて行われると判定すると、前記車両を制御して、前記車両から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影させ又はジオフェンスを設定させることを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による制御装置、車両、プログラム及び制御方法によれば、特定の場面に限って車両の周辺への通知を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの概略図である。
図2】制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】車両の構成を示すブロック図である。
図4】ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図5】乗車情報DB(database)のデータ構造を示す図である。
図6】ユーザ端末に表示される画面を示す図である。
図7】視覚情報の一例を示す図である。
図8】視覚情報の他の例を示す図である。
図9】ジオフェンスの一例を示す図である。
図10】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、互いに通信可能に接続された制御装置1と車両2とユーザ端末3とを含む。図1では説明の簡便のため、制御装置1と車両2とユーザ端末3とは1つずつ図示される。しかし、制御装置1と車両2とユーザ端末3とのそれぞれの数はこれに限られない。制御装置1と車両2とユーザ端末3とは、例えば移動体通信網とインターネットとを含むネットワークNWを介して接続される。
【0012】
制御装置1は、事業者による配車サービスの提供を支援するサーバであってよい。制御装置1は、例えば、配車事業者専用の施設、又はデータセンタを含む共用の施設に設置されてよい。代替例として、制御装置1は車両2に搭載されてよい。
【0013】
車両2は、制御装置1によって制御される。車両2は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車を含む。「HV」は、Hybrid Vehicleの略語である。「PHV」は、Plug-in Hybrid Vehicleの略語である。「EV」は、Electric Vehicleの略語である。「FCV」は、Fuel Cell Vehicleの略語である。車両2は、本実施形態では任意のレベルでその運転が自動化されるが、他の実施形態では運転手によって運転されてよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両2は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0014】
ユーザ端末3は、ユーザにより所持される端末である。ユーザ端末3は例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットを含むモバイル機器であってよく、又はPCであってよい。「PC」は、Personal Computerの略語である。
【0015】
本実施形態の制御装置1が実行する処理の概要が説明される。制御装置1は車両2を制御する。制御装置1は、ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが車両2にて行われると判定すると、車両2を制御して、車両2から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影させ又はジオフェンスを設定させる。この構成により制御装置1は、特定の場面、すなわちユーザの乗り降り時又は荷物の積み下ろし時に限って、視覚情報又はジオフェンスを利用した通知を行うことができる。もって制御装置1は、煩わしい通知を低減することができる。更に制御装置1は、視覚情報又はジオフェンスを利用して、周辺の歩行者又は周辺の車両等に対して必要な情報を提供することができる。
【0016】
図2を参照して制御装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0017】
制御装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。制御装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0018】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。
【0019】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。任意の情報は、例えばGPS(Global Positioning System)を利用して得られた位置情報を含む。
【0020】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリであるが、これらに限られない。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、制御装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。本実施形態の記憶部13は、後述の乗車情報DBを含む。代替例として、乗車情報DBは制御装置1の外部の記憶装置に記憶されてよい。
【0021】
図3を参照して車両2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
車両2は、制御部21と通信部22と記憶部23と投影部24とを含む。車両2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。本実施形態における制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、制御装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一である。よってここでの説明は省略する。
【0023】
投影部24は、レーザ又は可視光線等を射出して像を投影する装置である。投影部24は車両2のいずれの面に設けられてもよい。投影部24は、感光媒体であるホログラムを介してレーザ又は可視光線を射出して、任意の視覚情報を車両2から所定範囲内の領域の少なくとも一部に投影することができる。視覚情報は、車両2の識別情報と、車両2にて乗り降りを行うユーザの識別情報と、ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが行われることを示す情報との少なくとも1つを含んでよい。車両2から所定範囲内の領域は、車両2の上方、前方、側方又は後方の領域であってよい。車両2から所定範囲内の領域は、空中又は路面であってよい。ホログラムは、エンボス型ホログラム又は体積型ホログラムであってよい。エンボス型ホログラムは、レインボーホログラムであってよい。体積型ホログラムは、透過型ホログラム又は反射型ホログラムであってよい。
【0024】
図4を参照してユーザ端末3の内部構成が詳細に説明される。
【0025】
ユーザ端末3は制御部31と通信部32と記憶部33と表示部34と入力部35とを含む。ユーザ端末3の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。本実施形態における制御部31と通信部32と記憶部33とのハードウェア構成は、車両2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成と同一である。よってここでの説明は省略する。
【0026】
表示部34は、表示用インタフェースであり、例えばパネルディスプレイを含む。表示部34は、記憶部33から読み出された情報、又は、制御部31が生成した情報を表示してよい。
【0027】
入力部35は、ユーザ入力を検出し、入力情報を制御部31に送る入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、パネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はICカードリーダであるが、これらに限られない。
【0028】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、ユーザ端末3のユーザが配車を要求する場面が説明される。配車される車両2は例えばライドシェア用のタクシーであってよい。ユーザのユーザIDはU01である。
【0029】
ユーザU01はユーザ端末3の入力部35を介して、乗車情報を入力する。乗車情報は乗車地点の情報と、乗車時刻の情報と、同伴者の情報と、荷物の大きさの情報とを含む。乗車地点は、ユーザU01が車両2に乗り込む地点である。乗車時刻はユーザU01が車両2に乗り込む時刻である。同伴者はユーザU01と共に車両2に乗り込む人物である。同伴者の情報は、ユーザU01の属性情報の1つである。荷物の大きさは、ユーザU01が所持する荷物の大きさである。荷物の大きさの情報は、例えば小、中又は大から選択可能である。荷物の大きさの情報は、荷物の属性情報の1つである。追加的に又は代替的に、他の情報がユーザU01の属性情報又は荷物の属性情報に含まれてよい。
【0030】
ユーザ端末3は、乗車情報の入力を受け付けると、乗車情報を含む配車要求を制御装置1に送信する。制御装置1は、乗車情報を取得すると、図5に示すように、ユーザIDである「U01」に対応付けて乗車情報を記憶部13の乗車情報DBに格納する。
【0031】
制御装置1は、記憶部13に記憶された乗車情報を参照して、指定された乗車地点へ、指定された乗車時刻に車両2を配車する。
【0032】
制御装置1は、現在時刻が乗車時刻の所定時間前、例えば10分前に、車両2が配車されることを示す情報と車両2の識別情報とを、車両2に乗る予定のユーザU01が所持するユーザ端末3に送信する。具体的には図6に示すように、車両2が乗車地点に向かっていることと、車両2のナンバー及び色の情報とを表示する画面D61をユーザ端末3に表示させる。
【0033】
制御装置1は、記憶部13の乗車情報DBを参照し、ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが行われるか否かを判定する。ここではユーザU01の乗り降りの一例として、ユーザU01が車両2に乗り込む場合が説明される。
【0034】
制御装置1がユーザU01の乗り降りが行われると判定すると、車両2は乗車地点にて、図7に示すように投影部24を用いて、視覚情報H71を車両2の上方に投影してよい。視覚情報H71は、車両2が迎えるユーザの識別情報(「U01さん」及びプロフィール画像に対応)と、車両2の識別情報であるナンバー(「XYZ」に対応)及び色(「白」に対応)の情報とを含む。視覚情報H71に含まれるナンバー及び色の情報は、ユーザ端末3に送信され表示されるナンバー及び色の情報と共通である。代替例として視覚情報H71は、車両2の上方ではなく、車両2の周辺の路面上に投影されてよい。ユーザU01は、視覚情報H71と図6の画面D61に表示される情報とを比較することによって、ユーザU01が乗車すべき車両2を識別することができる。
【0035】
制御装置1がユーザU01の乗り降りが行われると判定すると、車両2は図8に示すように、視覚情報H81を車両2の後方の路面上に投影してよい。視覚情報H81は、ユーザU01の乗り降りが行われることを示す情報を含む。車両2は視覚情報H81を投影することによって、周辺の車両及び周辺の人物に、ユーザU01が乗降中であることを認識させることができる。代替例として視覚情報H81は、車両2の後方の路面上ではなく車両2の後方の空中に投影されてよい。別の代替例として視覚情報H81は、車両2の後方ではなく、前方又は側方に投影されてよい。
【0036】
追加的に車両2は、ユーザU01の属性又は荷物の属性に応じて、投影される視覚情報の表示面積を調整してよい。例えば車両2は、乗車情報DBを参照して、ユーザU01の同伴者を識別する。図5に示す例では、ユーザU01の同伴者は「子」である。子どもは車両2の周辺をうろつくおそれがある。その場合に備えて車両2は、視覚情報H81の表示面積を拡大する。代替例として車両2は、別のユーザU02の乗り降りが行われるとき、ユーザU02の属性又は荷物の属性に応じて、視覚情報の表示面積を調整してよい。例えば車両2は、乗車情報DBを参照して、荷物の大きさを識別する。図5に示す例では、ユーザU02の荷物の大きさは「大」である。大きい荷物の積み下ろしを行うとき、荷物が小さい場合と比較して広い積み下ろし空間が必要である。そこで車両2は、ユーザU02の乗り降りが行われるとき、投影される視覚情報H81の表示面積を拡大してよい。
【0037】
追加的に又は代替的に、制御装置1がユーザU01の乗り降りが行われると判定すると、車両2は図9に示すようにジオフェンスG91を設定してよい。ジオフェンスG91の形状は任意であり、例えば円周状であってよい。ジオフェンスG91は仮想的な境界線である。ジオフェンスG91は人の目には視認不可能である。制御装置1は、定期的又は不定期的に任意のモバイル装置又は任意の車両の位置情報を取得して、任意のモバイル装置又は任意の車両がジオフェンスG91内に存在するか否かを判定する。制御装置1は、ジオフェンスG91内に存在する任意のモバイル装置又は任意の車両に対し、ユーザU01の乗り降りが行われることを通知する。
【0038】
車両2は、ユーザU01の属性又は荷物の属性に応じて、設定されるジオフェンスG91の大きさを調整してよい。例えば車両2は、乗車情報DBにおいて同伴者が「子」である場合又は荷物の大きさが「大」である場合、設定されるジオフェンスG91を拡大してよい。説明の簡便のため、ここでの再度の詳細な説明は省略する。
【0039】
車両2は、ユーザU01が車両2に乗り込んだことを検出すると、ドアを閉めて発進する。車両2は、ユーザU01によって指定された目的地に到着すると、ユーザU01の降車のためにドアを開く。車両2はユーザU01が降りるとき、ユーザU01の乗り降りが行われることを示す任意の視覚情報を投影してよい。追加的に又は代替的に車両2はユーザU01が降りるとき、任意のジオフェンスを設定して、ジオフェンス内に存在する任意のモバイル装置又は任意の車両に対し、ユーザU01の乗り降りが行われることを通知してよい。説明の簡便のため、ここでの再度の詳細な説明は省略する。
【0040】
上記の例ではユーザU01が乗り降りを行う場合が説明される。代替例として制御装置1は、乗車情報DBを参照して荷物の有無を識別し、ユーザU01の乗り降りの有無にかかわらず荷物の積み下ろしが行われると判定したときに車両2を制御して、車両2から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影させ又はジオフェンスを設定させてよい。
【0041】
図10を参照して、制御装置1による制御方法が説明される。
【0042】
ステップS1には制御装置1は、ユーザ端末3から、乗車情報を含む配車要求を受信する。
【0043】
ステップS2にて制御装置1は、ユーザ端末3に車両2の識別情報を送信する。
【0044】
ステップS3にて制御装置1は乗車情報を参照すると、指定された乗車地点へ、指定された乗車時刻に車両2を配車する。
【0045】
ステップS4にて制御装置1は、車両2にて人の乗り降り又は荷物の積み下ろしが行われるか否かを判定する。
【0046】
ステップS4にてYesのとき制御装置1はステップS5にて、車両2から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影する。代替例として制御装置1は、その領域の少なくとも一部にジオフェンスを設定してよい。
【0047】
ステップS4にてNoのとき制御装置1はステップS5を実行しない。
【0048】
ステップS6にて制御装置1は、ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが完了したと判定すると、車両2を発進させる。
【0049】
以上述べたように本実施形態によれば、制御装置1は、ユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが車両2にて行われると判定すると、車両2を制御して、車両2から所定範囲内の領域の少なくとも一部に視覚情報を投影させ又はジオフェンスを設定させる。この構成により、特定の場面に限って、視覚情報又はジオフェンスを利用した通知を行うことができる。もって制御装置1は、煩わしい通知を低減することができる。更に制御装置1は、視覚情報又はジオフェンスを利用して、周辺の歩行者又は周辺の車両2等に対して必要な情報を提供することができる。
【0050】
また本実施形態によれば、視覚情報は、車両2の識別情報と、車両2にて乗り降りを行うユーザの識別情報と、ユーザの乗り降り又は前記荷物の積み下ろしが行われることを示す情報と、の少なくとも1つを含む。この構成によりユーザは、ユーザが乗車すべき車両2を他の車両から識別することが容易である。更に、ユーザの悪意の他人の車両に誤って乗り込むことを避けることが容易である。この構成は特に、他の車両が車両2と同一の型、モデル又は色であるときに有効である。このように車両2の利用時の利便性及び安全性が向上する。
【0051】
また本実施形態によれば、制御装置1の制御部11は、ジオフェンス内に存在する端末にユーザの乗り降り又は荷物の積み下ろしが行われることを通知する。この構成により制御装置1は、車両2の近傍に存在する歩行者又は車両の運転者等に通知を送信することが可能である。もって制御装置1は、接触事故又は衝突事故を低減することができるので、道路交通の安全性を向上させることができる。
【0052】
また本実施形態によれば、制御部11は更に、車両2に乗る予定のユーザのユーザ端末3に、車両2の識別情報を送信する。投影される視覚情報とユーザ端末3に送信される識別情報とは共通の情報を含む。この構成によりユーザは、ユーザ端末3に送信された識別情報と、投影される視覚情報とを比較して共通の情報が含まれるか否かを確認することによって、自身が乗る予定の車両2を容易に識別することができる。
【0053】
また本実施形態によれば、制御部11は車両2を制御して、ユーザの属性又は荷物の属性に応じて、投影される視覚情報の表示面積又は設定されるジオフェンスの大きさを調整させる。この構成により制御装置1は、必要な情報が提供される範囲を拡大又は縮小することができる。もって制御装置1は、安全性を一層向上させることができる。
【0054】
また本実施形態によれば、車両2から所定範囲内の領域は、車両2の上方、前方、側方又は後方の領域を含む。この構成により制御装置1は、様々な位置に存在する周辺の歩行者及び周辺の車両へ情報を提供することができるので、もって情報の提供漏れを低減することができる。
【0055】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0056】
例えば、上記の実施形態において、制御装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【符号の説明】
【0057】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 制御装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 車両
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 投影部
3 ユーザ端末
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 表示部
35 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10