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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】配送管理システム及び配送管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20231031BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020168115
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2022060102
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴史
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-296904(JP,A)
【文献】特開2020-054775(JP,A)
【文献】特開2002-117455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00ー99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いて、格納庫内における物品の在庫状況に基づいて、前記物品の配送を自動発注する配送管理システムであって、
前記格納庫は、家屋の外壁を貫通するように設けられており、
配送された前記物品を前記家屋の屋外から前記格納庫に搬入可能であると共に、搬入された前記物品を前記家屋の居住空間内において前記格納庫から取り出し可能であ
前記格納庫は、複数の格納スペースに分割されており、
前記複数の格納スペースのそれぞれは、独立して開閉可能であって、前記物品を前記屋外から搬入可能であると共に、前記物品を前記居住空間内において取り出し可能に構成されており、
配送される前記物品には識別情報が付されており、
前記物品が前記格納庫に到着した際、前記識別情報を読み取り、前記複数の格納スペースのうち、当該識別情報に紐付けられた格納スペースのみを開き、
前記複数の格納スペースのそれぞれは、
前記屋外から前記物品を搬入するための外扉と、
前記居住空間内において前記物品を取り出すための内扉と、
前記物品を収納するための収納箱と、を備え、
前記物品が前記格納庫に到着し、前記識別情報を読み取った際、
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースにおいて、前記外扉を開錠すると共に前記内扉を施錠し、前記収納箱を前記内扉と切り離すと共に前記外扉と連結させる、
配送管理システム。
【請求項2】
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースに前記物品が搬入され、前記外扉が閉められたことを検出した後、
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースにおいて、前記外扉を施錠すると共に前記内扉を開錠し、前記収納箱を前記内扉と連結すると共に前記外扉と切り離す、
請求項に記載の配送管理システム。
【請求項3】
コンピュータを用いて、格納庫内における物品の在庫状況に基づいて、前記物品の配送を自動発注する配送管理方法であって、
前記格納庫は、家屋の外壁を貫通するように設けられており、
配送された前記物品を前記家屋の屋外から前記格納庫に搬入可能であると共に、搬入された前記物品を前記家屋の居住空間内において前記格納庫から取り出し可能であ
前記格納庫は、複数の格納スペースに分割されており、
前記複数の格納スペースのそれぞれは、独立して開閉可能であって、前記物品を前記屋外から搬入可能であると共に、前記物品を前記居住空間内において取り出し可能に構成されており、
配送される前記物品には識別情報が付されており、
前記物品が前記格納庫に到着した際、前記識別情報を読み取り、前記複数の格納スペースのうち、当該識別情報に紐付けられた格納スペースのみを開き、
前記複数の格納スペースのそれぞれは、
前記屋外から前記物品を搬入するための外扉と、
前記居住空間内において前記物品を取り出すための内扉と、
前記物品を収納するための収納箱と、を備え、
前記物品が前記格納庫に到着し、前記識別情報を読み取った際、
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースにおいて、前記外扉を開錠すると共に前記内扉を施錠し、前記収納箱を前記内扉と切り離すと共に前記外扉と連結させる、
配送管理方法。
【請求項4】
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースに前記物品が搬入され、前記外扉が閉められたことを検出した後、
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースにおいて、前記外扉を施錠すると共に前記内扉を開錠し、前記収納箱を前記内扉と連結すると共に前記外扉と切り離す、
請求項に記載の配送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理システム及び配送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の格納スペースで区分けされた格納庫(ストッカ)に、物品を自動配送するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-45665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された配送管理システムでは、家屋とは別の場所(すなわち屋外)に設置された格納庫まで配送された物品を取りに行き、当該物品を居住空間内に運び入れる必要があり、手間が掛かる。他方、配送される物品を居住空間内において受け取るには、配送者を居住空間内において待機し、当該物品を配送者から直接受け取る必要があり、利便性に劣る。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、配送者を居住空間内において待機することなく、配送された物品を居住空間内において受け取り可能な配送管理システム及び配送管理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配送管理システムは、
コンピュータを用いて、格納庫内における物品の在庫状況に基づいて、前記物品の配送を自動発注する配送管理システムであって、
前記格納庫は、家屋の外壁を貫通するように設けられており、
配送された前記物品を前記家屋の屋外から前記格納庫に搬入可能であると共に、搬入された前記物品を前記家屋の居住空間内において前記格納庫から取り出し可能であるものである。
【0007】
また、本発明の一態様に係る配送管理方法は、
コンピュータを用いて、格納庫内における物品の在庫状況に基づいて、前記物品の配送を自動発注する配送管理方法であって、
前記格納庫は、家屋の外壁を貫通するように設けられており、
配送された前記物品を前記家屋の屋外から前記格納庫に搬入可能であると共に、搬入された前記物品を前記家屋の居住空間内において前記格納庫から取り出し可能であるものである。
【0008】
上記のように、本発明の一態様では、格納庫は、家屋の外壁を貫通するように設けられており、配送された前記物品を前記家屋の屋外から前記格納庫に搬入可能であると共に、搬入された前記物品を前記家屋の居住空間内において前記格納庫から取り出し可能である。そのため、配送者を居住空間内において待機することなく、配送された物品を居住空間内において受け取ることができる。
【0009】
前記格納庫は、複数の格納スペースに分割されており、前記複数の格納スペースのそれぞれは、独立して開閉可能であって、前記物品を前記屋外から搬入可能であると共に、前記物品を前記居住空間内において取り出し可能に構成されていてもよい。このような構成によって、物品の種類毎に格納スペースを割り当てることができる。
【0010】
配送される前記物品には識別情報が付されており、前記物品が前記格納庫に到着した際、前記識別情報を読み取り、前記複数の格納スペースのうち、当該識別情報に紐付けられた格納スペースのみを開いてもよい。このような構成によって、物品の誤配送を抑制できる。
【0011】
前記複数の格納スペースのそれぞれは、前記屋外から前記物品を搬入するための外扉と、前記居住空間内において前記物品を取り出すための内扉と、前記物品を収納するための収納箱と、を備え、前記物品が前記格納庫に到着し、前記識別情報を読み取った際、前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースにおいて、前記外扉を開錠すると共に前記内扉を施錠し、前記収納箱を前記内扉と切り離すと共に前記外扉と連結させてもよい。このような構成によって、誤配送を抑制できると共に家屋のセキュリティーも確保できる。
【0012】
前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースに前記物品が搬入され、前記外扉が閉められたことを検出した後、前記識別情報に紐付けられた前記格納スペースにおいて、前記外扉を施錠すると共に前記内扉を開錠し、前記収納箱を前記内扉と連結すると共に前記外扉と切り離してもよい。このような構成によって、物品を搬入する場合以外、居住空間内における引き出しとして格納庫を使用できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、配送者を居住空間内において待機することなく、配送された物品を居住空間内において受け取り可能な配送管理システム及び配送管理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る配送管理システムのブロック図である。
図2】格納庫12の模式斜視図である。
図3】格納スペース120の模式縦断面図である。
図4】第2の実施形態に係る配送管理システムのブロック図である。
図5】第2の実施形態の変形例に係る配送管理システムのブロック図である。
図6】第3の実施形態に係る配送管理システムのブロック図である。
図7】その他の実施形態に係る格納庫12の構成を示す模式図である。
図8】その他の実施形態に係る格納庫12の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0016】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る配送管理システム及び配送管理方法について説明する。図1は、第1の実施形態に係る配送管理システムのブロック図である。配送管理システムは、コンピュータを用いて、格納庫内における物品の在庫状況に基づいて、物品の配送を自動発注する配送管理システムである。図1に示すように、本実施形態に係る配送管理システムは、ユーザ端末11、格納庫12、管理サーバ20、EC(Electronic Commerce)サーバ30、及び配送用端末40を備えている。ここで、格納庫12は、格納庫12に関する各種制御を行う制御部12aを備えている。
【0017】
ユーザ端末11、制御部12a、管理サーバ20、ECサーバ30、及び配送用端末40は、それぞれ例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算部と、各種制御プログラムやデータ等が格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部と、を備えている。すなわち、ユーザ端末11、制御部12a、管理サーバ20、ECサーバ30、及び配送用端末40は、いずれもコンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて以下の処理を行う。
【0018】
図1に示すように、ユーザ端末11は、管理サーバ20及び格納庫12の制御部12aと通信可能に有線接続もしくは無線接続された通信端末である。ユーザ端末11は、管理サーバ20及び制御部12aと通信可能であれば特に限定されないが、例えばスマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末や、屋内に設置されたPC(Personal Computer)等である。
なお、図1では、ユーザ端末11は、家屋の居住空間内に位置しているが、屋外や屋内の居住空間外に位置してもよい。また、本明細書においては、居住空間は、オフィス空間を含む。
【0019】
図1に示すように、格納庫12の制御部12aは、格納庫12における物品の在庫状況に基づいて、ユーザ端末11に対し、在庫情報iiを送信する。そして、ユーザ端末11は、在庫情報iiに基づいて注文情報oiを生成し、管理サーバ20に送信する。注文情報oiは、配送される物品に関する情報であって、例えば、商品名、数量、配送希望日、発送先(住所)等の情報を含む。さらに、後述するように、格納庫12が複数の格納スペース120に分割されている場合、注文情報oiは、物品を搬入する格納スペース120の識別子を含む。
【0020】
例えば、在庫情報iiにおいて、特定の物品が所定の在庫量を下回ったら、ユーザ端末11は所定量の当該物品を発注する。すなわち、本実施形態に係る配送管理システムでは、格納庫12内における物品の在庫状況に基づいて、物品の配送を自動発注する。
なお、上記自動発注に加え、ユーザがユーザ端末11に注文情報oiを入力することによって、物品の配送を適宜注文してもよい。
【0021】
格納庫12は、家屋の外壁を貫通するように設けられている。そのため、配送された物品を家屋の屋外から格納庫12に搬入可能であると共に、搬入された物品を家屋の居住空間内において格納庫12から取り出し可能である。
格納庫12は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、各種棚、タンス、クローゼット、収納ボックス等の機能を有していてもよい。
なお、格納庫12の詳細については後述する。
【0022】
管理サーバ20は、当該配送管理システムを管理するサーバである。図1に示すように、管理サーバ20は、ユーザ端末11、ECサーバ30、及び配送用端末40と通信可能に接続されている。管理サーバ20は、例えばクラウドサーバである。管理サーバ20は、ユーザ端末11から受信した注文情報oiをECサーバ30に送信する。
【0023】
また、管理サーバ20は、ECサーバ30が発行した注文識別情報idを受信し、ユーザ端末11及び配送用端末40に送信する。注文識別情報idは、配送される物品を識別するための情報であり、例えば注文番号である。注文識別情報idは、ユーザ端末11を介して格納庫12の制御部12aにも送信される。
さらに、管理サーバ20は、物品の配送状況を示すステータス情報stを配送用端末40から受信し、ユーザ端末11に送信する。ステータス情報stは、例えば、物品の配送状況として、「配送待ち」、「配送中」、あるいは「配送済み」等の情報を含む。
【0024】
ECサーバ30は、例えばインターネット上においてEC業者が運営するECサイトを構成するサーバである。図1に示すように、ECサーバ30は、管理サーバ20と通信可能に接続されており、管理サーバ20から受信した注文情報oiに応じて、注文識別情報idを発行し、管理サーバ20に送信する。
【0025】
配送用端末40は、例えば、配送者が携帯する端末であって、物品に付された注文識別情報idを読み取り可能な通信端末である。図1に示すように、配送用端末40は、管理サーバ20と通信可能に接続されている。配送用端末40は、管理サーバ20から注文識別情報idを受信し、物品の配送状況を示すステータス情報stを管理サーバ20に送信する。
なお、配送用端末40が配送ロボットであり、配送者に代わり、当該配送ロボットが物品を配送してもよい。
【0026】
注文識別情報idは、例えば、文字、記号、バーコード、二次元コード、FRID(Radio Frequency IDentifier)等であって、物品に直接的又は間接的に付されている。より詳細には、注文識別情報idは、物品に直接的に貼り付けられたり、埋め込まれたりしている。あるいは、注文識別情報idは、物品の梱包物に貼り付けられたり、埋め込まれたり、物品に間接的に付されている。ここで、梱包物は、何ら限定されないが、例えば、紙製やビニール製の箱、袋、シート等である。梱包物は、使い捨てのものでも、通い箱のように繰り返し使用できるものでもよい。
【0027】
ここで、図1に示すように、注文識別情報idが付された物品が、配送者によってEC業者から格納庫12に配送される。例えば、配送用端末40が注文識別情報idを受信してから配送者がEC業者から物品を受け取るまで、物品の配送状況を示すステータス情報stは「配送待ち」となる。配送者がEC業者から物品を受け取り、物品に付された注文識別情報idを配送用端末40によって読み取ると、ステータス情報stが「配送中」に切り換わる。そして、配送者が物品を格納庫12に搬入する際、物品に付された注文識別情報idを配送用端末40によって再度読み取ると、ステータス情報stが「配送済み」に切り換わる。
なお、ステータス情報stは、必須ではない。他方、ステータス情報stは、ECサーバ30にも送信されてもよい。
【0028】
ここで、図2図3を参照して、格納庫12の構成の一例について説明する。図2は、格納庫12の模式斜視図である。図3は、格納スペース120の模式縦断面図である。
なお、当然のことながら、図2図3に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0029】
図2に示した例では、格納庫12は、仕切板によって複数の格納スペース120に分割されている。各格納スペース120を識別するため、例えば、各格納スペース120には番号1~6の識別子が割り当てられている。例えば識別子によって、物品を配送する格納スペース120が、注文識別情報idに紐付けられる。図2に示した例では、xy平面に平行な2枚の仕切板及びyz平面に平行な1枚の仕切板によって、格納庫12が6個の格納スペース120に分割されている。各格納スペース120は、独立して開閉可能である。そして、配送された物品を家屋の屋外から各格納スペース120に搬入可能であると共に、搬入された物品を家屋の居住空間内において各格納スペース120から取り出し可能である。
【0030】
図2に示した例では、6個の格納スペース120が、物品の種類毎に割り当てられている。具体的には、番号1の格納スペース120が「冷凍食品スペース」、番号2の格納スペース120が「冷蔵食品スペース」、番号3の格納スペース120が「日用消耗品スペース」、番号4の格納スペース120が「常温食品スペース」、番号5の格納スペース120が「衣類スペース」、番号6の格納スペース120が「その他スペース」に割り当てられている。
なお、格納スペース120の個数及び用途は、何ら限定されず、適宜決定される。より詳細により多数の格納スペース120に分割されていてもよい。
【0031】
「冷凍食品スペース」の格納スペース120は、冷凍庫としての機能を有し、冷凍庫として利用してもよい。
「冷蔵食品スペース」の格納スペース120は、冷蔵庫としての機能を有し、冷凍庫として利用してもよい。
「日用消耗品スペース」、「常温食品スペース」、「衣類スペース」、及び「その他スペース」の格納スペース120も、それぞれ居住空間内における収納場所として利用してもよい。
【0032】
このように、格納庫12を単に配送された物品の受け取り場所としてのみならず、居住空間内における収納場所として利用してもよい。その場合、格納庫12によって居住空間内における生活感を損なうことなく、配送された物品を受け取ることができる。さらに、格納庫12に配送された物品を収納場所に移動する手間を省略できる。
【0033】
ここで、各格納スペース120の具体的な構成について説明する。
図2に示に示すように、各格納スペース120は、xy平面に平行な上下面とyz平面に平行な両側面によって囲まれている。そして、図3に示すように、各格納スペース120には、y軸方向の両端に独立して施錠可能な外扉121、内扉122が設けられている。外扉121は、屋外から物品を各格納スペース120に搬入するための扉である。内扉122は、居住空間内において物品を各格納スペース120から取り出すための扉である。各格納スペース120の内部には、物品を収納するための収納箱123が収容されている。
【0034】
また、各格納スペース120には、収納箱123内の在庫状況を検出するセンサ124が設けられている。センサ124は、何ら限定されないが、例えばカメラやRFIDリーダ等である。センサ124がカメラの場合、センサ124によって取得された収納箱123内の画像に基づいて、物品の在庫状況を把握できる。センサ124がRFIDリーダの場合、個々の物品にRFIDタグが付されており、センサ124によって収納箱123内の物品の在庫状況を把握できる。センサ124によって検出された在庫状況に基づいて、制御部12aが在庫情報iiを生成する。
【0035】
図3には、上から順に「収納時」、「取り出し時」、及び「搬入時」における外扉121、内扉122、及び収納箱123の配置関係が示されている。
「収納時」及び「取り出し時」には、内扉122及び収納箱123から引き出しが構成される。すなわち、外扉121は施錠され、内扉122は開錠されている。そして、収納箱123は、内扉122と連結されており、外扉121と切り離されている。
これに対し、「搬入時」には、一時的に外扉121及び収納箱123から引き出しが構成される。すなわち、内扉122が施錠され、外扉121が開錠される。そして、収納箱123は内扉122と切り離され、外扉121と連結する。
【0036】
外扉121及び内扉122の施錠/開錠、並びに外扉121及び内扉122と収納箱123との連結/切り離しの動作は、制御部12aによって、例えば以下のように制御される。
格納庫12は、例えば配送された物品に付された注文識別情報idを読み取るリーダ(不図示)を備えている。物品が格納庫12に到着した際、リーダによって注文識別情報idを読み取る。制御部12aは、リーダによって読み取られた注文識別情報idが予め取得しておいた注文識別情報idと一致した場合のみ、物品を搬入する格納スペース120の外扉121のみを開錠する。より詳細には、制御部12aは、外扉121を開錠し、内扉122を施錠すると共に、収納箱123を内扉122と切り離し、外扉121と連結する。
【0037】
これにより、配送者は、外扉121を引いて開け、外扉121に連結された収納箱123に物品を搬入できる。
また、リーダによって読み取られた注文識別情報idが予め取得しておいた注文識別情報idと一致した場合のみ、物品を搬入する格納スペース120の外扉121を開錠するため、誤配送を抑制できる。さらに、この際、内扉122を施錠するため、家屋のセキュリティーも確保できる。
【0038】
次に、物品を収納箱123に搬入した後、配送者は外扉121を押して閉める。
ここで、格納庫12は、例えば外扉121が閉められたことを検出するセンサ(不図示)を備えている。センサによって外扉121が閉められたことが検出されると、制御部12aは、内扉122を開錠し、外扉121を施錠すると共に、収納箱123を外扉121と切り離し、内扉122と連結する。これにより、居住空間内における引き出しとして格納庫12を使用できる。
【0039】
なお、配送者は、物品を収納箱123に収納した状態で配送するようにしてもよい。具体的には、以下のような構成が考えられる。
収納箱123に収納されている物品が無くなったら(すなわち収納箱123が空になったら)、制御部12aから当該物品の配送を発注する。配送者は、物品を別の収納箱123に収納した状態で配送し、格納庫12における空の収納箱123と交換する。配送者は、空の収納箱123を回収し、次回の発注時に再利用する。
【0040】
以上の通り、本実施形態に係る配送管理システムでは、格納庫12が、家屋の外壁を貫通するように設けられている。そのため、配送された物品を屋外から格納庫12に搬入可能であると共に、搬入された物品を居住空間内において格納庫12から取り出し可能である。従って、配送者を居住空間内において待機することなく、配送された物品を居住空間内において受け取ることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、第2の実施形態に係る配送管理システム及び配送管理方法について説明する。図4は、第2の実施形態に係る配送管理システムのブロック図である。
【0042】
図4に示すように、本実施形態に係る配送管理システムは、図1に示されたユーザ端末11、格納庫12、管理サーバ20、ECサーバ30、及び配送用端末40に加え、室内搬送ロボット13を備えている。室内搬送ロボット13も、例えば演算部と各種制御プログラムやデータ等が格納された記憶部とを備え、コンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて以下の処理を行う。
【0043】
室内搬送ロボット13は、居住空間内を移動可能であり、例えば配送された物品を把持するためのアームを備えている。図1に示すように、室内搬送ロボット13は、例えば、格納庫12から物品を取り出し、目的地(例えばユーザ)まで搬送する。
【0044】
本実施形態に係る配送管理システムでは、室内搬送ロボット13を用いることによって、第1の実施形態に係る配送管理システムに比べ、格納庫12から物品を取り出す手間を省くことができる。
その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
(第2の実施形態の変形例)
次に、図5を参照して、第2の実施形態の変形例に係る配送管理システム及び配送管理方法について説明する。図5は、第2の実施形態の変形例に係る配送管理システムのブロック図である。
【0046】
図5では、格納庫12がセンサ124を備える代わりに、室内搬送ロボット13が同様のセンサ(不図示)を備えている。そして、室内搬送ロボット13が、例えば格納スペース120から物品を取り出す際、センサによって検出された在庫状況に基づいて、在庫情報iiを生成する。そして、格納庫12の制御部12aに代わり、室内搬送ロボット13が、ユーザ端末11に対して送信する。
【0047】
このように、室内搬送ロボット13が、例えば格納スペース120から物品を取り出す際などに在庫状況を検出し、在庫情報iiを生成してもよい。
その他の構成は、図4に示した第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
(第3の実施形態)
次に、図6を参照して、第3の実施形態に係る配送管理システム及び配送管理方法について説明する。図6は、第3の実施形態に係る配送管理システムのブロック図である。
図6に示すように、本実施形態に係る配送管理システムは、室内搬送ロボット13が、図4に示されたユーザ端末11としての機能も兼ね備えている。
【0049】
図6に示すように、格納庫12の制御部12aは、格納庫12における物品の在庫状況に基づいて、室内搬送ロボット13に対し、在庫情報iiを送信する。そして、室内搬送ロボット13は、在庫情報iiに基づいて注文情報oiを生成し、管理サーバ20に送信する。
【0050】
図6に示すように、管理サーバ20は、ECサーバ30が発行した注文識別情報idを受信し、室内搬送ロボット13及び配送用端末40に送信する。さらに、管理サーバ20は、物品の配送状況を示すステータス情報stを配送用端末40から受信し、室内搬送ロボット13に送信する。
【0051】
上述の通り、本実施形態に係る配送管理システムでは、室内搬送ロボット13が、第2の実施形態に係る図4に示されたユーザ端末11としての機能も兼ね備えている。そのため、本実施形態に係る配送管理システムは、第2の実施形態に係る配送管理システムよりも簡易な構成とすることができる。
その他の構成は、第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
(その他の実施形態)
次に、図7図8を参照して、その他の実施形態に係る配送管理システム及び配送管理方法について説明する。図7図8は、その他の実施形態に係る格納庫12の構成を示す模式図である。
【0053】
図7図8に示すように、格納庫12は鉛直方向に移動可能でもよい。図7図8では、格納庫12が、1階(1F)及び2階(2F)を往復移動可能な昇降機としての機能を有している。そのため、1階において格納庫12に搬入された物品を2階において格納庫12から取り出すことができる。
なお、格納庫12は、3階以上及び地下階まで往復移動できてもよい。
【0054】
昇降機の形式は何ら限定されない。典型的には、ワイヤーロープ式のエレベータ、油圧式のリフト等の昇降機を挙げることができる。また、垂直な支柱に沿ってスライドするタイプの昇降機でもよい。
【0055】
また、図7に示した例では、格納庫12が鉛直方向のみに移動するため、格納庫12の一端から物品を搬入し、搬入された物品を格納庫12の他端から取り出す。
これに対し、図8に示した例では、格納庫12が、鉛直方向に加え水平方向にも移動できる。具体的には、外壁を貫通するように設けられた格納庫12を居住空間内に移動させることができる。そのため、外壁を貫通した状態の格納庫12の一端から搬入した物品を、居住空間内に移動させた格納庫12の両端(少なくともいずれか一方)から取り出すことができる。
【0056】
上述の例において、各種制御プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
11 ユーザ端末
12 格納庫
12a 制御部
13 室内搬送ロボット
20 管理サーバ
30 ECサーバ
40 配送用端末
120 格納スペース
121 外扉
122 内扉
123 収納箱
124 センサ
id 注文識別情報
ii 在庫情報
oi 注文情報
st ステータス情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8