(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】スペクトル管理装置、スペクトル管理方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20231031BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20231031BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20231031BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W72/0453
H04W24/02
(21)【出願番号】P 2021538307
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2019126950
(87)【国際公開番号】W WO2020135248
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】201811635724.8
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙友平
(72)【発明者】
【氏名】盧聰
(72)【発明者】
【氏名】孫晨
(72)【発明者】
【氏名】郭欣
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0242165(US,A1)
【文献】特開2011-049913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共存システムにおけるスペクトル管理装置であって、
前記スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップと、前記共存システムにおける他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップとの間の差異に従って、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームを決定し、
前記共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、前記複数の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定するように配置される処理回路を含むスペクトル管理装置。
【請求項2】
前記処理回路は、
前記スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップ及び前記他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップに従って、差異のあるエッジを決定し、
前記差異のあるエッジに従って、前記複数の和解スキームを決定するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項3】
前記処理回路は、さらに、
前記複数の和解スキームの各々に対応する干渉オーバーラップマップに対して、
エッジで接続されたポイントの色が異なり、エッジで接続されていないポイントの色が同じであるように、前記干渉オーバーラップマップを着色し、
着色された干渉オーバーラップマップに従って、前記干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティを決定するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項4】
前記処理回路は、さらに、
前記複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項5】
前記処理回路は、さらに、
前記スペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、前記複数の和解スキームから第1の和解スキームを選択し、
前記他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、前記複数の和解スキームから他の和解スキームを選択し、
前記第1の和解スキームと前記他の和解スキームに従って、前記最終の和解スキームを決定するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項6】
前記処理回路は、さらに、
前記スペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、前記複数の和解スキームからトータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを選択して、前記第1の和解スキームとし、
前記他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、前記複数の和解スキームからトータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを選択して、前記他の和解スキームとするように配置される請求項5に記載のスペクトル管理装置。
【請求項7】
前記処理回路は、さらに、
前記複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の第1の和解スキームを選択し、
前記第1の和解スキーム、及び前記他のスペクトル管理装置によって選択された他の和解スキームに従って、前記最終の和解スキームを決定するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項8】
前記処理回路は、さらに、
前記第1の和解スキームと前記他の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを選択して、前記最終の和解スキームとするように配置される請求項7に記載のスペクトル管理装置。
【請求項9】
前記処理回路は、さらに、
前記第1の和解スキームと前記他の和解スキームの裁決が一致するエッジについて、前記エッジについての裁決と前記第1の和解スキーム及び前記他の和解スキームの裁決が一致すると決定し、
前記第1の和解スキームと前記他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、前記共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉に従って前記エッジについての裁決を決定し、
全てのエッジについての裁決に従って、前記最終の和解スキームを決定するように配置される請求項
5に記載のスペクトル管理装置。
【請求項10】
前記処理回路は、さらに、
前記トータルシステムユーティリティの大きさ及び所定の閾値を超える前記トータルシステムユーティリティの持続時間に従って、前記複数の和解スキームから、前記最終の和解スキームを決定するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項11】
前記処理回路は、さらに、
前記共存システムにおける全てのセカンダリシステムによって前記干渉オーバーラップマップを決定し、前記干渉オーバーラップマップにおけるポイントはセカンダリシステムを示し、2つのポイントの間にあるエッジは前記2つのポイントに対応する2つのセカンダリシステム間に干渉があることを示すように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項12】
前記処理回路は、さらに、
前記共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける累積干渉と、前記共存システムにおけるセカンダリユーザーが受ける累積干渉と、前記共存システムにおけるセカンダリユーザーの送信電力バックオフ量と、前記共存システムのスペクトル利用率と、前記共存システムのアップリンク性能と、前記共存システムのダウンリンク性能と、前記共存システムのネットワーク容量と、前記共存システムのシステム総オーバーヘッドとのようなパラメータの1つ又は複数に従って、前記共存システムのトータルシステムユーティリティを決定するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項13】
前記処理回路は、さらに、
前記最終の和解スキームに従って前記共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、前記スペクトル割り当てスキームは、前記共存システムにおける各セカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てることを含むように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項14】
前記処理回路は、さらに、
前記最終の和解スキームを、前記他のスペクトル管理装置に送信するように配置される請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項15】
前記処理回路は、さらに、
前記共存システムのスペクトル割り当てスキームに従って、前記スペクトル管理装置によって管理されるセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てるように配置される請求項13に記載のスペクトル管理装置。
【請求項16】
前記スペクトル管理装置は、共存マネージャーCxM又はスペクトルアクセスシステムSASである請求項1に記載のスペクトル管理装置。
【請求項17】
共存システムにおけるスペクトル管理装置によって実行されるスペクトル管理方法であって、
前記スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップと、前記共存システムにおける他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップとの間の差異に従って、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームを決定するステップと、
前記共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、前記複数の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定するステップとを含むスペクトル管理方法。
【請求項18】
前記複数の和解スキームを決定する前記ステップは、
前記スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップ、及び前記他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップに従って、差異のあるエッジを決定するステップと、
前記差異のあるエッジに従って、前記複数の和解スキームを決定するステップとを含む請求項17に記載のスペクトル管理方法。
【請求項19】
前記複数の和解スキームの各々に対応する干渉オーバーラップマップに対して、エッジで接続されたポイントの色が異なり、エッジで接続されていないポイントの色が同じであるように、前記干渉オーバーラップマップを着色するステップと、
着色された干渉オーバーラップマップに従って、前記干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティを決定するステップとをさらに含む請求項17に記載のスペクトル管理方法。
【請求項20】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータによって実行される場合、請求項
17に記載のスペクトル管理方法を前記コンピュータに実行させる実行可能なコンピュータ命令を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年12月29日に中国専利局に提出した、出願番号が201811635724.8であって、発明の名称が「スペクトル管理装置、スペクトル管理方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、本願で、その全ての内容を援用するものとする。
【0002】
本開示の実施例は、全体として無線通信分野に関し、具体的に、スペクトル管理装置、スペクトル管理方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。より具体的に、本開示は、共存システムにおけるスペクトル管理装置、共存システムにおけるスペクトル管理装置によって実行されるスペクトル管理方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムの進化に伴い、高品質、高速及び新しいサービスに対するユーザーのサービスニーズがますます高くなっている。オペレータと機器ベンダーは、ユーザー要件を満たすために、システムを継続的に改善する必要があるが、これは多くのスペクトルリソースを必要とする。しかし、限られたスペクトルリソースは既に特定のオペレータとサービスに割り当てられており、新しい利用可能なスペクトルは非常に少なく、高価である。これに鑑みて、スペクトル動的利用の概念が提案されている。即ち、あるサービスに割り当てられているが十分に活用されていないスペクトルリソースを動的に利用することである。例えば、デジタルテレビ放送スペクトルで番組を放送していない一部のチャンネルのスペクトルを動的に利用し、テレビ信号の受信を妨げることなく無線移動通信を実行する。
【0004】
この適用例では、テレビ放送スペクトル自体がテレビ放送システムに割り当てられるため、テレビ放送システムがプライマリシステム(primary system)であり、テレビがプライマリユーザー(primary user)であり、移動通信システムがセカンダリシステム(secondary system)と呼ばれ、移動通信システムにおけるユーザーがセカンダリユーザー(secondary user)と呼ばれる。つまり、プライマリシステムは、スペクトルを使用する権利を持つシステムであり、プライマリシステムにおけるユーザーはプライマリユーザーと呼ばれ、セカンダリシステムはスペクトルを使用する権利を持たなく、プライマリシステムが所有するスペクトルを使用しない場合のみ当該スペクトルを適切に使用するシステムである。また、プライマリシステムとセカンダリシステムは、ともにスペクトルを使用する権利を持つシステムであり得るが、スペクトルの使用で異なる優先度レベルを持っていてもよい。
【0005】
共存システムでは、複数のセカンダリシステムをそれぞれ管理する複数のスペクトル管理装置が存在する可能性がある。複数のスペクトル管理装置によって決定されるスペクトル割り当てスキームは異なる場合がある。如何に複数のスペクトル管理装置によって生成されたスペクトル割り当てスキームを和解して一致したスペクトル割り当てを行うかは、解決する必要のある課題の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここでは、本開示の全範囲または全ての特徴の包括的な開示ではなく、一般的な概要を提供する。
【0007】
本開示の目的は、スペクトル管理装置、スペクトル管理方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供して、複数のスペクトル管理装置によって生成されたスペクトル割り当てスキームを和解して一致した合理的なスペクトル割り当てを行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によれば、共存システムにおけるスペクトル管理装置であって、前記スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップと前記共存システムにおける他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップとの間の差異に従って、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームを決定し、前記共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、前記複数の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定するように配置される処理回路を含む。
【0009】
本開示の別の態様によれば、共存システムにおけるスペクトル管理装置によって実行されるスペクトル管理方法であって、前記スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップと前記共存システムにおける他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップとの間の差異に従って、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームを決定し、前記共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、前記複数の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することを含む。
【0010】
本開示の別の態様によれば、実行可能なコンピュータ命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、上記のコンピュータ命令がコンピュータによって実行された場合に、前記コンピュータに本開示によるスペクトル管理方法を実行させる。
【0011】
本開示によるスペクトル管理装置、スペクトル管理方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を使用して、複数のスペクトル管理装置によって生成された複数の干渉オーバーラップマップ間の差異に従って複数の和解スキームを決定することができ、共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて最終の和解スキームを決定することができる。このようにして、トータルシステムユーティリティが最適であることが保証される場合で複数のスペクトル割り当てスキームを和解することで、共存システムで一致したスペクトル割り当てを実行することができる。
【0012】
ここで提供する説明から、さらなる適用可能な領域が明らかになる。この概要における説明及び特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ここで説明する図面は、選択された実施例の例示のみを目的としており、全ての可能な実施ではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の実施例による適用シナリオを示す概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例によるスペクトル管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例による異なるスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップを示す概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例による
図3に示す干渉オーバーラップマップによって決定される複数の和解スキームを示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例による
図4に示す複数の和解スキームを着色しトータルシステムユーティリティを算出することを示す概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例による
図5に示す複数の和解スキームによって決定する最終の和解スキームを示す概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例によるスペクトル管理方法を示すシグナリングフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の実施例によるスペクトル管理方法を示すシグナリングフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の実施例によるスペクトル管理方法を示すシグナリングフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の実施例によるスペクトル管理方法を示すシグナリングフローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示の実施例による経時的なトータルシステムユーティリティの曲線を示す概略図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施例による遺伝的アルゴリズムを使用して和解スキームを選択する方法を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本開示の実施例によるスペクトル管理装置によって実行されるスペクトル管理方法を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、本開示によるスペクトル管理装置を実現できるサーバーの例を示すブロック図である。
【0015】
本開示は、様々な修正と代替形態の影響を受けやすいが、その特定の実施例は例として添付の図面に示されて、ここで詳細に説明される。ここの特定の実施例に対する説明は、本開示を公開された具体的な形態に限定することを意図するものではなく、逆に、本開示は本開示の精神および範囲内に入る全ての修正、均等物、及び置換を包含することを意図する。なお、複数の図面で、対応する符号は対応する部品を指示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面を参照して、本開示の例を、より完全に説明する。以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、適用、または用途を制限することを意図するものではない。
【0017】
本開示が詳しくなり、その範囲を当業者に十分に伝えるように、例示的な実施例を提供する。特定の部品、装置、及び方法の例などの様々な特定の詳細を説明して、本開示の実施例に対する十分な理解を提供する。特定の詳細を必ずしも使用する必要がなく、例示的な実施例は多くの異なる形態で実施することができ、どちらも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。いくつかの例示的な実施例では、周知の手順、周知の構造、及び周知の技術は詳細に記載されていない。
【0018】
次の順序で説明する。
1.シナリオの説明
2.スペクトル管理装置の配置例
3.スペクトル管理方法の実施例
4.適用例
【0019】
〔1.シナリオの説明〕
図1は、本開示の適用シナリオを示す概略図である。本開示では、説明の都合上、1つ又は複数のスペクトル管理装置と、この1つ又は複数のスペクトル管理装置によって管理されるセカンダリシステム及びセカンダリユーザーで構成されるシステムを共存システムと呼ぶ。例えば、
図1に、1つの共存システムの例を示している。
図1に示すように、共存システムには、スペクトル管理装置1、スペクトル管理装置2、及びスペクトル管理装置3のような3つのスペクトル管理装置がある。3つのスペクトル管理装置は、それぞれ複数のセカンダリシステムと複数のセカンダリユーザーを管理する。例えば、スペクトル管理装置1は、3つのセカンダリシステム及び4つのセカンダリユーザーを管理し、スペクトル管理装置2は、3つのセカンダリシステムと5つのセカンダリユーザーを管理し、スペクトル管理装置3は、4つのセカンダリシステムと4つのセカンダリユーザーを管理する。
図1に示す3つのスペクトル管理装置によって管理される領域は、地理的に重複し得る。つまり、説明の都合上、
図1に示すように、サービスを提供するスペクトル管理装置の違いに応じて、1つの共存システムに係る領域におけるセカンダリシステムとセカンダリユーザーを階層的に表示し、実際にこれらのセカンダリシステムとセカンダリユーザーは、分散した形で当該共存システムに係る領域にある。
【0020】
図1に示すシナリオでは、3つのスペクトル管理装置がインタラクションを通じて当該共存システム内の全てのセカンダリシステムの情報を取得することができ、その結果、各スペクトル管理装置は、当該共存システムに対するスペクトル割り当てスキームを生成することができる。なお、各スペクトル管理装置でサポートされるサービスのタイプは異なる可能性がある。例えば、あるスペクトル管理装置は、リモート検針請求などの狭帯域モノのインターネットアプリケーションを提供し、あるスペクトル管理装置は、ビデオブロードバンド通信サービスを提供する。この場合に、各スペクトル管理装置によって生成されるスペクトル割り当てスキームは異なる可能性がある。
【0021】
本開示は、このようなシナリオに対して、共存システムにおけるスペクトル管理装置、スペクトル管理装置によって実行されるスペクトル管理方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提案し、最適なトータルシステムユーティリティを確保しながら複数のスペクトル割り当てスキームの和解を行い、共存システムで一致したスペクトル割り当てを実行することができる。
【0022】
図1は、本開示の適用シナリオの一例に過ぎないことに留意すべきである。つまり、共存システムにおけるスペクトル管理装置の数、各スペクトル管理装置によって管理されるセカンダリシステムとセカンダリユーザーの数などのパラメータは異なってもよい。なお、説明の都合上、
図1にはプライマリシステムとプライマリユーザーが示されていない。言い換えれば、本開示は、複数のスペクトル管理装置を含む任意の無線通信システムに適用可能である。
【0023】
なお、本開示の実施例は、同様に複数のネットワークスライシング(network slicing)を含む無線通信システムに適用可能である。
【0024】
ネットワークスライシング技術は、ネットワークを仮想化した技術であり、1つの共有物理ネットワークインフラストラクチャで、複数の論理ネットワークを実行できるようにする。なお、各論理ネットワークは分離されており、帯域幅、遅延、及び容量などのカスタマイズされたネットワーク特性を提供して、さまざまなネットワーク適用シナリオに柔軟に対応できる。例えば、第5世代移動通信(5G)ネットワークは、モバイルブロードバンド、大規模なモノのインターネット、及びミッションクリティカルなモノのインターネットの3種類のシナリオに対応する。この3種類のシナリオは、ネットワークサービスに対する需要が異なる。モバイルブロードバンドシナリオでは、超高精細ビデオ、ホログラフィックテクノロジー、及び拡張現実/仮想現実などのアプリケーションに向けるため、ネットワーク帯域幅とレートに対する要求が高い。大規模モノのインターネットシナリオでは、大量のモノのインターネットセンサーが測定、建築、農業、ロジスティクス、スマートシティ、及び家庭などの分野に配置されて、これらのセンサーデバイスは、非常に高密度で、大規模で、ほとんどが静的であるため、遅延とモビリティに対する要求が高くない。ミッションクリティカルなモノのインターネットシナリオでは、主に自動運転、車両のインターネット、自動化工場、及び遠隔医療などの分野で使用されるため、超低遅延と高信頼性が求められる。従って、異なるサービス需要に応じて、物理ネットワークを、スマートフォンスライシングネットワーク、自動運転スライシングネットワーク、大規模モノのインターネットスライシングネットワークなどの複数のバーチャルプロップネットワークにスライスすることができる。
【0025】
複数のネットワークスライシングを含む無線通信システムでは、異なるネットワークスライシングのスペクトルニーズや通信品質などの要求に応じて、ネットワークスライシングに適切なスペクトルリソースを割り当てることができる。全てのネットワークスライシングが物理ネットワークインフラストラクチャを共有するため、同様に異なるネットワークスライシングによって生成されたスペクトル割り当てスキームが衝突する可能性があるという技術的な問題がある。本開示の実施例によれば、1つのスペクトル管理装置、及び共存システムにおける全てのセカンダリシステムとセカンダリユーザーで構成される全体は、5G通信システムにおけるネットワークスライシングと見なすことができる。したがって、本開示の実施例によれば、最適なトータルシステムユーティリティを確保しながら複数のネットワークスライシングのスペクトル割り当てスキームの和解を行い、一致したスペクトル割り当てを実行することができる。
【0026】
以上のように、本開示は、一致したスペクトル割り当てを実行するために、複数のスペクトル割り当てスキームを和解する必要がある任意の無線通信システムに適用可能である。
【0027】
本開示による無線通信システムは、5G NR(new radio、新しい無線)通信システムでありえる。
【0028】
本開示によるスペクトル管理装置は、SAS(Spectrum Access System、スペクトルアクセスシステム)であり得る。SASは、プライマリシステムのスペクトル使用状況、プライマリシステムの位置、及びセカンダリシステムの位置等の情報に従って、セカンダリシステムが使用可能なスペクトル範囲を決定してもよい。SASは、地理的な位置に応じて決定されるスペクトル管理デバイスであってもよく、各SASは一定の領域内のセカンダリシステムを管理できる。例えば、SASは、国内規制に従って認可された地理的位置データベースオペレータによって提供されるスペクトル割り当て機能モジュールであり得る。
【0029】
本開示によるスペクトル管理装置は、CxM(Coexistence Manager、共存マネージャー)であり得る。CxMは、利用可能なスペクトルリソース範囲内でセカンダリシステムのスペクトル使用を調整するスペクトル管理デバイスであり得る。各CxMは、1つのCSG(Coexistence Group、共存グループ)を管理し、1つのCSGは1つ又は複数のセカンダリシステムを含んでもよい。例えば、CxMは、異なるオペレータ又はネットワークプロバイダーであってもよく、あるオフィスエリア、住宅エリア、または大学のキャンパスのネットワーク管理組織であってもよい。
【0030】
本開示によるセカンダリシステムは、CBSD(Citizens Broadband Radio Service Devices、市民ブロードバンド無線サービスデバイス)であり得る。CBSDは、任意のタイプのTRP(Transmit and Receive Port、送信及び受信ポート)及び基地局機器などのネットワーク側デバイスであり得て、例えば、eNBであってもよく、gNB(第5世代通信システムにおける基地局)であってもよい。
【0031】
本開示によるUE(User Equipment、ユーザーデバイス)は、モバイル端末(例えば、スマートフォン、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯ゲーム端末、ポータブル/ドングルタイプのモバイルルータ、及びデジタル撮影装置)又は車載端末(例えばカーナビゲーション)であり得る。UEは、マシンツーマシン(M2M)通信を実行する端末(マシンタイプ通信(MTC)端末とも呼ばれる)として実現されてもよい。なお、UEは、上記の端末における各端末に取り付けられる無線通信モジュール(例えば、シングルチップを含む集積回路モジュール)であり得る。
【0032】
〔2.スペクトル管理装置の配置例〕
図2は、本開示の実施例によるスペクトル管理装置200の構成例を示すブロック図である。ここのスペクトル管理装置200は、例えば、共存システムにおけるSAS又はCxMであり得る。共存システムは、例えば、スペクトル管理装置200、及び1つ又は複数の他のスペクトル管理装置を含んでもよい。さらに、スペクトル管理装置200、及び他のスペクトル管理装置は、何れも1つ又は複数のセカンダリシステムを管理できる。
【0033】
図2に示すように、スペクトル管理装置200は、生成ユニット210と、通信ユニット220と、決定ユニット230と、処理ユニット240を含んでもよい。
【0034】
ここで、スペクトル管理装置200の各ユニットは、処理回路に含まれてもよい。なお、スペクトル管理装置200は、1つの処理回路を含んでもよく、複数の処理回路を含んでもよい。さらに、処理回路は、様々な異なる機能及び/又は動作を実行するように、様々な個別の機能ユニットを含んでもよい。なお、これらの機能ユニットは、物理エンティティ又は論理エンティティであってもよく、異なるタイトルのユニットは、同一物理エンティティによって実現される可能性がある。
【0035】
本開示の実施例によれば、生成ユニット210は、スペクトル管理装置200が位置する共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。ここで、生成ユニット210は、本分野で知られている任意の方法を使用して干渉オーバーラップマップを生成することができる。本開示では、限定されない。
【0036】
本開示の実施例によれば、通信ユニット220は、共存システムにおける他のスペクトル管理装置から、他のスペクトル管理装置によって生成された当該共存システムの干渉オーバーラップマップを受信する。ここで、共存システムは、スペクトル管理装置200及び1つ又は複数のスペクトル管理装置200以外の他のスペクトル管理装置を含んでいる。この1つ又は複数のスペクトル管理装置は、スペクトル管理装置200と同じ構成を持っていてもよい。つまり、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、1つ又は複数の他のスペクトル管理装置から干渉オーバーラップマップを受信する。
【0037】
本開示の実施例によれば、決定ユニット230は、生成ユニット210からスペクトル管理装置200によって生成された干渉オーバーラップマップを受信でき、通信ユニット220によって他のスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップを受信できる。さらに、決定ユニット230は、スペクトル管理装置200によって決定された干渉オーバーラップマップと、1つ又は複数の他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップとの間の差異に従って、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームを決定する。つまり、決定ユニット230は、少なくとも2つの干渉オーバーラップマップの間の差異に従って、複数の和解スキームを決定する。
【0038】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、決定ユニット230によって決定された複数の和解スキームに従って、当該共存システムの最終の和解スキームを決定できる。ここで、最終の和解スキームは、決定ユニット230によって決定された複数の和解スキームのうちの1つであり得る。
【0039】
上記のように、本開示によるスペクトル管理装置200は、複数のスペクトル管理装置によって生成された複数の干渉オーバーラップマップ間の差異に従って複数の和解スキームを決定することができ、共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、最終の和解スキームを決定することができる。このようにして、トータルシステムユーティリティが最適であることを保証しながら複数のスペクトル割り当てスキームを和解することで、共存システムで一致したスペクトル割り当てを実行することができる。
【0040】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、スペクトル管理装置200によって管理される全てのセカンダリシステムから、セカンダリシステムの情報を受信することができる。このセカンダリシステムの情報に、セカンダリシステムの位置情報及び電力情報等が含まれるがこれらに限定されない。さらに、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、他のスペクトル管理装置から他のスペクトルによって管理される装置管理の全てのセカンダリシステムの情報を受信することができる。このセカンダリシステムの情報に、セカンダリシステムの位置情報及び電力情報等が含まれるがこれらに限定されない。このようにして、スペクトル管理装置200は、共存システムにおける全てのセカンダリシステムの情報を取得することができる。
【0041】
本開示の実施例によれば、生成ユニット210は、共存システムにおける全てのセカンダリシステムに従って、干渉オーバーラップマップを決定することができる。つまり、生成ユニット210は、共存システムにおける全てのセカンダリシステムの情報に従って、任意の2つのセカンダリシステムの間に干渉があるかどうかを決定することができる。ここで、生成ユニット210は、セカンダリシステムの位置情報に従って、干渉オーバーラップマップにおけるポイントの位置を決定することができ、その結果、干渉オーバーラップマップにおけるポイントが、セカンダリシステムを示す。さらに、生成ユニット210は、本分野の任意の知られている方法に従って、任意の2つのセカンダリシステムの間に干渉があるかどうかを決定することができ、その結果、2つのポイント間のエッジが、これらの2つのポイントに対応する2つのセカンダリシステムの間に干渉があることを示す。つまり、2つのポイント間にエッジがある場合、これらの2つのポイントに対応する2つのセカンダリシステムの間に干渉があることを意味し、2つのポイント間にエッジがない場合、これらの2つのポイントに対応する2つのセカンダリシステムの間に干渉がないことを意味する。
【0042】
本開示の実施例によれば、他のスペクトル管理装置も、上記のような干渉オーバーラップマップを生成することができる。従って、スペクトル管理装置200は、少なくとも2つの干渉オーバーラップマップを取得することができる。
【0043】
図3は、本開示の実施例による、異なるスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップを示す概略図である。
図3に示す例では、スペクトル管理装置はSASであり、セカンダリシステムはCBSDである。なお、共存システムにはSAS1とSAS2の2つのスペクトル管理装置があり、円形のCBSD(CBSD1とCBSD3)はSAS1によって管理されるセカンダリシステムを示し、四角形のCBSD(CBSD2とCBSD4)はSAS2によって管理されるセカンダリシステムを示すと仮定する。上記のように、SAS1とSAS2は、インタラクションを通じて、CBSD1、CBSD2、CBSD3及びCBSD4の情報を取得することができる。
【0044】
図3に示すように、SAS1によって生成された干渉オーバーラップマップにおいて、4つのポイントは、それぞれ4つのセカンダリシステムを示す。さらに、CBSD1とCBSD2の間にエッジがあることは、CBSD1とCBSD2の間に干渉があることを示し、CBSD1とCBSD3の間にエッジがあることは、CBSD1とCBSD3の間に干渉があることを示し、CBSD1とCBSD4の間にエッジがあることは、CBSD1とCBSD4の間に干渉があることを示し、CBSD2とCBSD3の間にエッジがあることは、CBSD2とCBSD3間に干渉があることを示し、CBSD2とCBSD4の間にエッジがあることは、CBSD2とCBSD4の間に干渉があることを示し、CBSD3とCBSD4の間にエッジがあることは、CBSD3とCBSD4の間に干渉があることを示す。同様に、SAS2によって生成される干渉オーバーラップマップにおいて、4つのポイントは、それぞれ4つのセカンダリシステムを示す。さらに、CBSD1とCBSD2の間にエッジがあることは、CBSD1とCBSD2の間に干渉があることを示し、CBSD2とCBSD3の間にエッジがあることは、CBSD2とCBSD3の間に干渉があることを示し、CBSD3とCBSD4の間にエッジがあることは、CBSD3とCBSD4の間に干渉があることを示し、CBSD1とCBSD4の間にエッジがあることは、CBSD1とCBSD4の間に干渉があることを示す。
【0045】
本開示の実施例によれば、決定ユニット230は、スペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップと他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップに従って、差異のあるエッジを決定することができる。
【0046】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200によって生成される干渉オーバーラップマップと他のスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップで構成される少なくとも2つの干渉オーバーラップマップにおいて、あるエッジの有無に対する裁決が一致しない場合、決定ユニット230は、このエッジを差異があるエッジと決定することができる。例えば、共存システムに3つのスペクトル管理装置があると仮定し、あるエッジについて、1つのスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップにこのエッジが存在し、他の2つのスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップにこのエッジが存在しないと、このエッジを差異があるエッジと認定することができる。例えば、
図3に示す例では、SAS1によって生成された干渉オーバーラップマップとSAS2によって生成された干渉オーバーラップマップに従って、差異があるエッジはCBSD1とCBSD3の間のエッジと、CBSD2とCBSD4の間のエッジであると決定することができる。
【0047】
本開示の実施例によれば、決定ユニット230は、差異があるエッジに従って、複数の和解スキームを決定することができる。ここで、決定ユニット230によって決定された複数の和解スキームにおいて、差異がないエッジについて、全ての干渉オーバーラップマップと同じ判定を保持する。各差異があるエッジに対して、「存在する」と「存在しない」の2つのケースがある。本開示の実施例によれば、各差異があるエッジの2つのケースについて、決定ユニット230は、最終の複数の和解スキームとして、すべての状況を列挙することが可能である。つまり、差異があるエッジの数がNである場合、決定ユニット230によって決定される和解スキームの数は2Nである。
【0048】
図4は、本開示の実施例による、
図3に示す干渉オーバーラップマップによって決定される複数の和解スキームを示す概略図である。
図4に示すように、差異があるエッジはCBSD1とCBSD3の間のエッジ及びCBSD2とCBSD4の間のエッジである場合、決定ユニット230は、4つの和解スキームを決定することができる。
【0049】
図4に示すように、4つの和解スキームにおいて、差異がないエッジ、即ち、CBSD1とCBSD2の間のエッジ、CBSD2とCBSD3の間のエッジ、CBSD3とCBSD4の間のエッジ、及びCBSD4とCBSD1の間のエッジについて、SAS1によって生成された干渉オーバーラップマップとSAS2によって生成された干渉オーバーラップマップと同じ判定、即ち、「存在する」を保持する。CBSD1とCBSD3の間のエッジ、及びCBSD2とCBSD4の間のエッジがいずれも存在しない場合、決定ユニット230は和解スキーム1を決定し、CBSD1とCBSD3の間のエッジが存在するが、CBSD2とCBSD4の間のエッジが存在しない場合、決定ユニット230は和解スキーム2を決定し、CBSD1とCBSD3の間のエッジが存在しないが、CBSD2とCBSD4の間のエッジが存在する場合、決定ユニット230は和解スキーム3を決定し、CBSD1とCBSD3の間のエッジ、及びCBSD2とCBSD4の間のエッジがいずれも存在する場合、決定ユニット230は和解スキーム4を決定する。したがって、
図3に示す2つの干渉オーバーラップマップに基づいて、決定ユニット230は、
図4に示す4つの和解スキームを決定することができる。
【0050】
上記のように、生成ユニット210と決定ユニット230を詳細に説明した。なお、共存システムに2つのスペクトル管理装置が含まれる(即ち、スペクトル管理装置200と1つの他のスペクトル管理装置が含まれる)ことを例として、決定ユニット230を説明したが、共存システムに3つ以上のスペクトル管理装置が含まれる例にも同様に適用でき、本開示では繰り返さない。
【0051】
図2に示すように、本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200は、複数の和解スキームのそれぞれに対応する干渉オーバーラップマップを着色するための着色ユニット250をさらに含んでもよい。ここで、着色ユニット250は、エッジに接続されたポイントが異なる色を有し、エッジに接続されていないポイントが同じ色を有するように、干渉オーバーラップマップを着色することができる。
【0052】
周知のように、グラフ彩色問題(Graph Coloring Problem、GCP)は最も有名な問題の1つである。1つの無向グラフである場合、グラフ彩色問題は、無向グラフの頂点をK色のグループに分けることであり、各グループは独立したセットを形成して、つまり、隣接する頂点はない。最適化バージョンは、最小のK値を取得するためである。本開示の実施例によれば、着色ユニット250は、着色法を使用して、複数の和解スキームのそれぞれに対応する干渉オーバーラップマップのポイントを複数の色のグループに分けることができる。つまり、各色のグループに隣接するポイントがなく、色のグループの数は最も少ない。
【0053】
図5は、本開示の実施例による、
図4に示す複数の和解スキームを着色しトータルシステムユーティリティを算出する概略図である。
図5では、CBSDにおける番号は色の番号を示す。即ち、同じ数字は同じ色を示し、異なる数字は異なる色を示す。
【0054】
図5に示すように、和解スキーム1では、着色ユニット250は、4つのポイントを2つの色のグループに分割し、CBSD1とCBSD3の間にエッジで接続しないため、同じ色(色1)を有し、CBSD2とCBSD4の間にエッジで接続しないため、同じ色(色2)を有する。同様に、CBSD1とCBSD2の間、CBSD2とCBSD3の間、CBSD3とCBSD4の間、及びCBSD1とCBSD4の間にいずれもエッジで接続しているため、異なる色を有する。本開示の実施例によれば、着色ユニット250は、
図5に示す和解スキーム2、和解スキーム3及び和解スキーム4に対応する干渉オーバーラップマップを着色することができる。
【0055】
本開示の実施例によれば、着色ユニット250は、着色された干渉オーバーラップマップに従って、干渉オーバーラップマップにおけるポイントに対応するセカンダリシステムスペクトルリソースを割り当てることができる。例えば、同じ色のポイントに対応するセカンダリシステムには同じスペクトルリソースを割り当てることができ、異なる色のポイントに対応するセカンダリシステムには異なるスペクトルリソースを割り当てることができる。
【0056】
図2に示すように、本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200は、干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティを算出するための算出ユニット260をさらに含む。さらに、算出ユニット260は、着色されてスペクトルリソースを割り当てた干渉オーバーラップマップに従って、干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティを決定することができる。
【0057】
本開示の実施例によれば、トータルシステムユーティリティは、共存システムの性能を反映できるパラメータである。例えば、トータルシステムユーティリティは、共存システムの複数の性能パラメータを考慮して得られた効用値であるため、共存システムの包括的な性能を反映できる。好ましくは、トータルシステムユーティリティは(0、1)の値である。以下は、非限定的な例として、トータルシステムユーティリティを算出するいくつかの方式を説明する。
【0058】
本開示の実施例によれば、算出ユニット260は、次の式に基づいて、共存システムのトータルシステムユーティリティを算出する。
【0059】
【0060】
なお、Utotalはトータルシステムユーティリティを示し、Mはトータルシステムユーティリティを算出するときに考慮される性能パラメータの総数であり、Uiはi番目のパラメータに対応する効用値であり、Wiはトータルシステムユーティリティを算出するときにi番目のパラメータの重みであり、Wiは経験値又は共存システムの実際ニーズに応じて設置でき、U0は、次の式で取得できる。
【0061】
【0062】
【0063】
Uiは、次の式で取得できる。
【0064】
【0065】
【0066】
上記のように、共存システムの複数の性能パラメータの効用値の加重和に従って、共存システムのトータルシステムユーティリティを決定でき、同時にプライマリユーザーの信号対干渉とノイズ比が条件を満たすかも考慮することができる。
【0067】
本開示の実施例によれば、算出ユニット260は、次の式に基づいて、共存システムのトータルシステムユーティリティを算出することもできる。
【0068】
【0069】
なお、Utotalはトータルシステムユーティリティを示し、Mはトータルシステムユーティリティを算出するときに考慮されるパラメータの総数であり、Uiはi番目のパラメータに対応する効用値であり、Wiはトータルシステムユーティリティを算出するときにi番目のパラメータの重みであり、Wiは経験値又は共存システムの実際ニーズに応じて設置でき、Uiは次の式で取得できる。
【0070】
【0071】
なお、xiはi番目のパラメータの値であり、xi1、xi2はそれぞれi番目のパラメータの上限と下限であり、mとnは定数である。
【0072】
本開示の実施例によれば、算出ユニット260は、式(4)に基づいて共存システムのトータルシステムユーティリティを算出する場合、Uiは次の式で取得できる。
【0073】
【0074】
【0075】
上記のように、共存システムの複数の性能パラメータの効用値の加重和に従って、共存システムのトータルシステムユーティリティを決定することができる。
【0076】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200によってサポートされるサービスタイプに従って、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法で考慮されるパラメータ及び各パラメータの重みWiを決定することができる。
【0077】
本開示の実施例によれば、トータルシステムユーティリティの算出方法で考慮されるパラメータは、共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける累積干渉、共存システムにおけるセカンダリユーザーが受ける累積干渉、共存システムにおけるセカンダリユーザーの送信電力バックオフ量、共存システムのスペクトル利用率、共存システムのアップリンク性能、共存システムのダウンリンク性能、共存システムのネットワーク容量、及び共存システムのシステム総オーバーヘッドのパラメータの1つまたは複数から選択できる。
【0078】
本開示の実施例によれば、共存システムにおけるセカンダリシステム又はセカンダリユーザーにスペクトルリソースを割り当てる場合、割り当てられたスペクトルリソースとプライマリユーザーが使用するスペクトルリソースが同じであると、プライマリユーザーに干渉を引き起こす。プライマリユーザーと同じスペクトルリソースを使用する全てのセカンダリユーザーからプライマリユーザーへの干渉の合計は、プライマリユーザーが受けた累積干渉と呼ばれる。
【0079】
本開示の実施例によれば、共存システムにおけるセカンダリシステム又はセカンダリユーザーにスペクトルリソースを割り当てる場合、1つのセカンダリユーザーに割り当てられたスペクトルリソースが別のセカンダリユーザーに割り当てられたスペクトルリソースが同じである場合、このセカンダリユーザーは別のセカンダリユーザーに干渉を引き起こす可能性がある。セカンダリユーザーと同じスペクトルリソースを使用する全てのセカンダリユーザーから当該セカンダリユーザーへの干渉の合計は、セカンダリユーザーが受ける累積干渉と呼ばれる。
【0080】
本開示の実施例によれば、プライマリユーザーが受ける累積干渉が所定の閾値を超えると、プライマリユーザーに干渉を生じる各セカンダリユーザーの送信電力を調整することができる。セカンダリユーザーの送信電力バックオフ量は、セカンダリユーザーの調整前後の電力の差を示す。
【0081】
本開示の実施例によれば、共存システムのスペクトル利用率は、共存システムにおける全てのセカンダリユーザーのスペクトル利用率の平均値を示し、セカンダリユーザーのスペクトル利用率は、セカンダリユーザーが実際に使用するスペクトルリソースと当該セカンダリユーザーに割り当てられたスペクトルリソースの比率を示すことができる。
【0082】
共存システムのアップリンクリンクは、共存システムにおけるセカンダリユーザーからセカンダリシステムへのリンクを示し、共存システムのアップリンク性能は、アップリンクリンク信号対干渉とノイズ比SINRなどのリンクの性能を示し得る。同様に、共存システムのダウンリンクリンクは、共存システムにおけるセカンダリシステムからセカンダリユーザーへのリンクを示し、共存システムのダウンリンク性能は、ダウンリンクリンクの信号対干渉とノイズ比SINRなどのリンク的性能を示し得る。
【0083】
共存システムのネットワーク容量は、一定の信号対干渉とノイズ比の条件でチャネルの最大情報伝送能力を示し得る。
【0084】
共存システムのシステム総オーバーヘッドは、共存システムを管理するための時間とスペースのオーバーヘッドを示し得る。
【0085】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200によってサポートされるサービスタイプに従って、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法で考慮されるパラメータ及び各パラメータの重みWiを決定することができる。例えば、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法で考慮されるパラメータが、共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける累積干渉、共存システムにおけるセカンダリユーザーが受ける累積干渉、共存システムのスペクトル利用率の3つを含む場合、M=3であり、x1はプライマリユーザーが受ける累積干渉の値を示し、x2は共存システムにおけるセカンダリユーザーが受ける累積干渉の値を示し、x3は共存システムのスペクトル利用率の値を示すことで、これらの3つのパラメータに対応する効用値U1、U2及びU3を算出し、トータルシステムユーティリティUtotalを算出することができる。
【0086】
上記のように、本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200によってサポートされるサービスタイプに従って、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法で考慮されるパラメータを決定し、トータルシステムユーティリティを算出するための式を決定することができる。このようにして、サービスタイプに応じて、共存システムを反映する総合的な性能をより正確に算出することができる。
【0087】
本開示の実施例によれば、上記のパラメータを算出するときに、共存システムにおける経路損失情報を取得する必要がある。ここの経路損失には、プライマリユーザーとセカンダリシステムの間、セカンダリシステムとセカンダリシステムの間、及びセカンダリシステムとセカンダリユーザーの間の経路損失が含まれる。本開示は、経路損失を正確に算出できる方法を提供する。
【0088】
本開示の実施例によれば、異なるスペクトル管理装置の重複領域で1つのセカンダリシステムを選択して信号を送信し、異なるスペクトル管理装置によって管理される全て又は一部のセカンダリユーザーは当該セカンダリシステムにより送信される信号を受信してもよい。次に、信号を受信したセカンダリユーザーは、位置情報と受信した信号の強度情報を、当該セカンダリユーザーを管理するスペクトル管理装置に報告してもよい。したがって、スペクトル管理装置は、信号を受信したセカンダリユーザーの位置情報と受信した信号の強度情報に従って、共存システムにおける電波伝搬経路損失指数を正確にフィッティングして、共存システムにおける各種経路損失情報を正確に決定できる。
【0089】
つまり、スペクトル管理装置200は、そのサービス範囲内のセカンダリユーザーから当該セカンダリユーザーの位置情報及び受信信号強度を受信することで、共存システムにおける電波伝搬経路損失指数を決定することができる。ここの受信信号強度とは、セカンダリユーザーが受信したセカンダリシステムからの信号の信号強度を指し、当該セカンダリシステムは、スペクトル管理装置200が管理するセカンダリシステム以外のセカンダリシステムであり得る。
【0090】
上記のように、本開示の実施例によれば、共存システムにおける各種経路損失情報を正確に決定できることで、トータルシステムユーティリティを決定するために必要な各性能パラメータの値をより正確に算出し、トータルシステムユーティリティをより正確にすることができる。
【0091】
図5は、本開示の実施例による、
図4に示す複数の和解スキームを着色しトータルシステムユーティリティを算出する概略図を示す。
図5に示すように、算出ユニット260は、例えば、上記の方法に従って、和解スキーム1に対応する干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティが0.8で、和解スキーム2に対応する干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティが0.7で、和解スキーム3に対応する干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティが0.9で、和解スキーム4に対応する干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティが0.8であるように算出する。
【0092】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することができる。次に、本開示の実施例による処理ユニット240を詳細に説明する。
【0093】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択することができる。
【0094】
上記のように、スペクトル管理装置200によってサポートされるサービスタイプに従って、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法で考慮されるパラメータ及び各パラメータの重みWiを決定することができる。つまり、異なるスペクトル管理装置について、トータルシステムユーティリティを算出するときに考慮されるパラメータが異なる可能性があり、使用される式が異なる可能性がある。本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を取得し、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法とスペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法が一致するかどうかを決定することができる。
【0095】
さらに、本開示の実施例によれば、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法とスペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法が一致するときに、算出ユニット260は、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法(実際上、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法でもある)を使用して、複数の和解スキームにおける各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出することができる。さらに、処理ユニット240は、算出ユニット260の算出結果に従って、直接にトータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択することができる。
【0096】
図6は、本開示の実施例による、
図5に示す複数の和解スキームに従って決定された最終の和解スキームを示す概略図である。
図6に示すように、処理ユニット240は、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキーム3を最終の和解スキームとして選択してもよい。
【0097】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティを算出する方法が一致しない場合、処理ユニット240は、次の方式を採用して最終の和解スキームを決定してもよい。
【0098】
本開示の実施例によれば、算出ユニット260は、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームのそれぞれのトータルシステムユーティリティを算出し、そして処理ユニット240は、複数の和解スキームから、第1の和解スキームを選択してもよい。例えば、処理ユニット240は、複数の和解スキームから、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して算出したトータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを第1の和解スキームとして選択する。
【0099】
さらに、本開示の実施例によれば、算出ユニット260は、通信ユニット220を介して、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を取得し、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームのそれぞれのトータルシステムユーティリティを算出し、処理ユニット240は、複数の和解スキームから、他の和解スキームを選択してもよい。例えば、処理ユニット240は、複数の和解スキームから、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して算出したトータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを他の和解スキームとして選択してもよい。ここで、他の和解スキームは、1つも複数もあってもよく、他の和解スキームの数は他のスペクトル管理装置の数と同じであってもよい。例えば、スペクトル管理装置Aとスペクトル管理装置Bに示す2つの他のスペクトル管理装置がある場合、算出ユニット260は、スペクトル管理装置Aのトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して複数の和解スキームのそれぞれのトータルシステムユーティリティを算出し、処理ユニット240は、1つの他の和解スキーム(第2の和解スキームと呼ばれる)を選択してもよい。さらに、算出ユニット260は、スペクトル管理装置Bのトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して複数の和解スキームのそれぞれのトータルシステムユーティリティを算出し、処理ユニット240は、別の他の和解スキーム(第3の和解スキームと呼ばれる)を選択してもよい。したがって、処理ユニット240によって決定される他の和解スキームが二つある。
【0100】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、第1の和解スキームと他の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することができる。
【0101】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致するエッジについて、処理ユニット240は、当該エッジについての裁決と第1の和解スキーム及び他の和解スキームの裁決と一致すると決定することができる。
【0102】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉に従って、当該エッジについての裁決を決定することができる。一例では、処理ユニット240は、第1の和解スキーム及び1つ又は複数の他の和解スキームを採用する場合にプライマリユーザーが受ける干渉をそれぞれ算出し、プライマリユーザーが受ける干渉が比較的に小さい和解スキームを最終の和解スキームとして決定することができる。つまり、最終の和解スキームは、第1の和解スキーム及び他の和解スキームにおけるプライマリユーザーが受ける干渉が比較的に小さい1つである。
【0103】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置の優先度に従って当該エッジについての裁決を決定することができる。一例では、処理ユニット240は、優先度の高いスペクトル管理装置と同じ裁決を採用することができる。
【0104】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置のラウンドロビン順序に従って、当該エッジについての裁決を決定することができる。つまり、共存システムにおける全てのスペクトル管理装置は、裁決が一致しないエッジについての最終の裁決を互替わりに行う。例えば、共存システムがスペクトル管理装置200及び2つの他のスペクトル管理装置を含む場合、今度のリソース割り当てについては、スペクトル管理装置200の裁決を採用し、次のリソース割り当てについては、他のスペクトル管理装置のうち1つのスペクトル管理装置の裁決を採用し、また次のリソース割り当てについては、他のスペクトル管理装置における別のスペクトル管理装置の裁決を採用する。
【0105】
本開示の実施例によれば、以上、処理ユニット240が裁決が一致しないエッジに対する裁決方式を、非限定的な方式で説明した。本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、上記の裁決方式を柔軟に利用することができる。例えば、裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、まず、第1の和解スキーム及び1つ又は複数の他の和解スキームを採用する場合にプライマリユーザーが受ける干渉を算出し、第1の和解スキーム及び1つ又は複数の他の和解スキームを採用する場合にプライマリユーザーが受ける干渉が同じ又は類似する場合、処理ユニット240は、スペクトル管理装置200及び他のスペクトル管理装置の優先度に従って当該エッジについての裁決を決定するか、スペクトル管理装置200及び他のスペクトル管理装置のラウンドロビン順序に従って、当該エッジについての裁決を決定することができる。
【0106】
上記のように、処理ユニット240は、全てのエッジ(裁決が一致するエッジと、裁決が一致しないエッジを含む)についての裁決に従って、最終の和解スキームを決定することができる。
【0107】
上記のように、スペクトル管理装置200により、共存システムの干渉オーバーラップマップの最終の和解スキームを決定することができる。ここで、スペクトル管理装置200は、共存システムにおいて意思決定を担当するスペクトル管理装置でありえる(管理スペクトル管理装置とも呼ばれる)。つまり、共存システムでは、スペクトル管理装置200により共存システムの干渉オーバーラップマップを決定すると事前に合意されている。例えば、スペクトル管理装置200は、共存システム内の比較的中央の位置、比較的良い性能、又は管理するセカンダリシステムが多いスペクトル管理装置であり得るが、これは本開示に限定されない。しかしながら、実際のシナリオでは、共存システムにおいて意思決定を担当するスペクトル管理装置がない場合もある。この状況については、以下で詳しく説明する。
【0108】
本開示の実施例によれば、算出ユニット260は、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して複数の和解スキームのそれぞれのトータルシステムユーティリティを算出し、処理ユニット240は、複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の第1の和解スキームを選択することができる。ここで、第1の和解スキームのトータルシステムユーティリティはUmax1であると仮定する。
【0109】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、スペクトル管理装置200によって生成された干渉オーバーラップマップを他のスペクトル管理装置のそれぞれに送信し、他のスペクトル管理装置が他の和解スキームを選択するために使用する。ここで、他のスペクトル管理装置が他の和解スキームを選択する手順は、スペクトル管理装置200が第1の和解スキームを選択する手順と類似する。例えば、他のスペクトル管理装置は、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームのそれぞれのトータルシステムユーティリティを算出し、複数の和解スキームからトータルシステムユーティリティが最大の他の和解スキームを選択することができる。ここで、他のスペクトル管理装置が1つしかなく、他のスペクトル管理装置によって決定される他の和解スキームのトータルシステムユーティリティはUmax2であると仮定する。
【0110】
さらに、本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、上記のように決定された第1の和解スキーム、及び他のスペクトル管理装置によって選択された他の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することができる。
【0111】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法と他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法が一致する場合、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、他のスペクトル管理装置によって決定された他の和解スキームのトータルシステムユーティリティを受信することができる。さらに、スペクトル管理装置200は、第1の和解スキームのトータルシステムユーティリティを他のスペクトル管理装置に送信して、他のスペクトル管理装置が最終の和解スキームを決定するために使用することもできる。次に、処理ユニット240は、第1の和解スキームのトータルシステムユーティリティと他の和解スキームのトータルシステムユーティリティを比較し、第1の和解スキームと他の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択することができる。例えば、Umax1>Umax2の場合、処理ユニット240は、第1の和解スキームを最終の和解スキームとして決定し、さもなければ、他の和解スキームを最終の和解スキームとして決定する。
【0112】
さらに、処理ユニット240によって選択された最終の和解スキームが他の和解スキームである場合、スペクトル管理装置200は、他のスペクトル管理装置から他の和解スキームを受信してもよい。処理ユニット240によって選択された最終の和解スキームが第1の和解スキームである場合、スペクトル管理装置200は、他のスペクトル管理装置に第1の和解スキームを送信してもよい。
【0113】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200のトータルシステムユーティリティ算出方法と他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法が一致しない場合、スペクトル管理装置200は、通信ユニット220を介して、他のスペクトル管理装置によって決定された他の和解スキームを受信することができる。さらに、スペクトル管理装置200は、第1の和解スキームを他のスペクトル管理装置に送信することができる。次に、処理ユニット240は、第1の和解スキームと他の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することができる。
【0114】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致するエッジについて、処理ユニット240は、当該エッジについての裁決と第1の和解スキーム及び他の和解スキームの裁決と一致すると決定することができる。
【0115】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉に従って、当該エッジについての裁決を決定することができる。ここで、処理ユニット240は、第1の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉を算出することができる。さらに、スペクトル管理装置200は、第1の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉を、他のスペクトル管理装置に送信することができる。同様に、他のスペクトル管理装置は、他の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉を算出して、スペクトル管理装置200は他の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉を受信することができる。本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、第1の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉と、他の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉を比較し、プライマリユーザーが受ける干渉の比較的に小さい和解スキームを選択することができる。
【0116】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームの裁決と他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置の優先度に従って、当該エッジについての裁決を決定することができる。一例では、処理ユニット240は、優先度の高いスペクトル管理装置と同じ裁決を採用してもよい。
【0117】
本開示の実施例によれば、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置のラウンドロビン順序に従って、当該エッジについての裁決を決定することができる。つまり、共存システムにおける全てのスペクトル管理装置は、裁決が一致しないエッジについての最終の裁決を互替わりに行うことができる。例えば、共存システムがスペクトル管理装置200と2つの他のスペクトル管理装置を含む場合、今度のリソース割り当てについて、スペクトル管理装置200の裁決を採用し、次のリソース割り当てについて、他のスペクトル管理装置のうち1つのスペクトル管理装置の裁決を採用し、また次のリソース割り当てについて、他のスペクトル管理装置のうち別のスペクトル管理装置の裁決を採用する。
【0118】
同様に、上記のように、処理ユニット240は、上記の裁決方式を柔軟に利用することができる。例えば、裁決が一致しないエッジについて、処理ユニット240は、まず、第1の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉と、他の和解スキームを採用するときに共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉を比較し、第1の和解スキーム及び1つ又は複数の他の和解スキームを採用する場合にプライマリユーザーが受ける干渉が同じ又は類似する場合、処理ユニット240は、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置の優先度に従って当該エッジについての裁決を決定するか、スペクトル管理装置200と他のスペクトル管理装置のラウンドロビン順序に従って当該エッジについての裁決を決定することができる。
【0119】
上記のように、処理ユニット240は、全てのエッジ(裁決が一致するエッジと、裁決が一致しないエッジを含む)についての裁決に従って、最終の和解スキームを決定することができる。
【0120】
上記のように、スペクトル管理装置200は、共存システムの干渉オーバーラップマップの最終の和解スキームを決定することができる。
【0121】
図2に示すように、本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200は、最終の和解スキームに従って共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定する割り当てユニット270をさらに含み、スペクトル割り当てスキームは共存システムにおける各セカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てることを含む。ここで、スペクトル管理装置200が最終の和解スキームを決定した場合に、実際に共存システムにおけるセカンダリシステムの間の干渉関係を決定し、本分野の知られている方法を利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定することができる。例えば、スペクトル管理装置200は、最終の和解スキームに対応する干渉オーバーラップマップを着色し、各スペクトル管理装置によって管理されるセカンダリシステムに割り当てるスペクトルリソースを決定することができる。本開示は、その手順を制限しない。
【0122】
本開示の実施例によれば、スペクトル管理装置200により最終の和解スキームを決定する場合、スペクトル管理装置200は、前記共存システムの最終の和解スキームを前記他のスペクトル管理装置に送信することができる。
【0123】
本開示の実施例によれば、割り当てユニット270は、共存システムのスペクトル割り当てスキームに従って、スペクトル管理装置によって管理されるセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てることができる。
【0124】
以上のように、本開示の実施例によれば、複数のスペクトル管理装置によって和解される干渉オーバーラップマップに従って、共存システムスにペクトルリソースを割り当てることができる。これにより、最適なトータルシステムユーティリティを確保しながら、共存システムで一致したスペクトル割り当てを実行することができる。
【0125】
図7~
図10は、本開示の実施例によるスペクトル管理方法を示すシグナリングフローチャートである。
図7~
図10では、共存システムはSAS1とSAS2の2つのスペクトル管理装置を含むと仮定し、CBSD1を例としてSAS1が管理するセカンダリシステムを説明し、CBSD2を例としてSAS2が管理するセカンダリシステムを説明する。
【0126】
図7では、SAS1は意思決定を担当するSAS、即ち管理SASであり、SAS1とSAS2がトータルシステムユーティリティを算出する方法が一致する。ステップS701では、CBSD1は、CBSD1の位置情報をSAS1に送信する。任意選択で、電力情報などの情報を含んでもよい。ステップS702では、CBSD2は、CBSD2の位置情報をSAS2に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。次に、ステップS703では、SAS1は、CBSD1の位置情報をSAS2に送信する。ステップS704では、SAS2は、CBSD2の位置情報をSAS1に送信する。次に、ステップS705では、SAS1は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。ステップS706では、SAS2は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。次に、ステップS707では、SAS2は、その生成した干渉オーバーラップマップをSAS1に送信する。次に、ステップS708では、SAS1は、2つの干渉オーバーラップマップに基づいて複数の和解スキームを決定する。次に、ステップS709では、SAS1は、各和解スキームの干渉オーバーラップマップを着色する。次に、ステップS710では、SAS1は、SAS1のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して、各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出する。次に、ステップS711では、SAS1は、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択する。次に、ステップS712では、SAS1は、最終の和解スキームをSAS2に送信する。次に、ステップS713では、SAS1は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。次に、ステップS714では、SAS2は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。その結果、SAS1とSAS2は、和解後の干渉オーバーラップマップを利用して、共存システムにおけるセカンダリシステムにリソースを割り当てる。
【0127】
図8では、SAS1は意思決定を担当するSAS、即ち管理SASであり、SAS1とSAS2がトータルシステムユーティリティを算出する方法は一致しない。ステップS801では、CBSD1は、CBSD1の位置情報をSAS1に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。ステップS802では、CBSD2は、CBSD2の位置情報をSAS2に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。次に、ステップS803では、SAS1は、CBSD1の位置情報をSAS2に送信する。ステップS804では、SAS2は、CBSD2の位置情報をSAS1に送信する。次に、ステップS805では、SAS1は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。ステップS806では、SAS2は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。次に、ステップS807では、SAS2は、その生成した干渉オーバーラップマップをSAS1に送信する。次に、ステップS808では、SAS1は、2つの干渉オーバーラップマップに基づいて複数の和解スキームを決定する。次に、ステップS809では、SAS1は、各和解スキームの干渉オーバーラップマップを着色する。次に、ステップS810では、SAS1は、SAS1のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して、各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出し、第1の和解スキームを決定する。次に、ステップS811では、SAS1は、SAS2のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出し、第2の和解スキームを決定する。次に、ステップS812では、SAS1は、第1の和解スキームと第2の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定する。次に、ステップS813では、SAS1は、最終の和解スキームをSAS2に送信する。次に、ステップS814では、SAS1は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。次に、ステップS815では、SAS2は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。その結果、SAS1とSAS2は、和解後の干渉オーバーラップマップを利用して、共存システムにおけるセカンダリシステムにリソースを割り当てる。
【0128】
図9では、共存システムに意思決定を担当するSASがなく、SAS1とSAS2のトータルシステムユーティリティを算出する方法が一致する。ステップS901では、CBSD1は、CBSD1の位置情報をSAS1に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。ステップS902では、CBSD2は、CBSD2の位置情報をSAS2に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。次に、ステップS903では、SAS1は、CBSD1の位置情報をSAS2に送信する。ステップS904では、SAS2は、CBSD2の位置情報をSAS1に送信する。次に、ステップS905では、SAS1は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。ステップS906では、SAS2は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。次に、ステップS907では、SAS2は、その生成した干渉オーバーラップマップをSAS1に送信する。次に、ステップS908では、SAS1は、それが生成した干渉オーバーラップマップをSAS2に送信する。次に、ステップS909では、SAS1は、2つの干渉オーバーラップマップに基づいて複数の和解スキームを決定する。次に、ステップS910では、SAS1は、各和解スキームの干渉オーバーラップマップを着色する。次に、ステップS911では、SAS1は、SAS1のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して、各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出する。次に、ステップS912では、SAS1は、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを選択して、この和解スキームのトータルシステムユーティリティがU
max1である。ステップS913では、SAS2は、2つの干渉オーバーラップマップに基づいて、複数の和解スキームを決定する。次に、ステップS914では、SAS2は、各和解スキームの干渉オーバーラップマップを着色する。次に、ステップS915では、SAS2は、SAS2のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して、各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出する。次に、ステップS916では、SAS2は、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを選択して、この和解スキームのトータルシステムユーティリティがU
max2である。次に、ステップS917では、SAS2は、U
max2をSAS1に送信する。次に、ステップS918では、SAS1は、U
max1をSAS2に送信する。次に、ステップS919では、SAS1は、U
max1とU
max2のうち最大値の和解スキームを最終の和解スキームとして選択する。同様に、ステップS920では、SAS2は、U
max1とU
max2のうち最大値の和解スキームを最終の和解スキームとして選択する。ここで、U
max1がU
max1とU
max2のうち最大値であると仮定すると、ステップS921では、SAS1は、最終の和解スキームをSAS2に送信する。次に、ステップS922では、SAS1は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。次に、ステップS923では、SAS2は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。その結果、SAS1とSAS2は、和解後の干渉オーバーラップマップを利用して、共存システムにおけるセカンダリシステムにリソースを割り当てる。
【0129】
図10では、共存システムに意思決定を担当するSASがなく、SAS1とSAS2のトータルシステムユーティリティを算出する方法は一致しない。ステップS1001では、CBSD1は、CBSD1の位置情報をSAS1に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。ステップS1002では、CBSD2は、CBSD2の位置情報をSAS2に送信する。任意選択で、電力情報などの情報も含んでもよい。次に、ステップS1003では、SAS1は、CBSD1の位置情報をSAS2に送信する。ステップS1004では、SAS2は、CBSD2の位置情報をSAS1に送信する。次に、ステップS1005では、SAS1は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。ステップS1006では、SAS2は、共存システムの干渉オーバーラップマップを生成する。次に、ステップS1007では、SAS2は、それが生成した干渉オーバーラップマップをSAS1に送信する。次に、ステップS1008では、SAS1は、それが生成した干渉オーバーラップマップをSAS2に送信する。次に、ステップS1009では、SAS1は、2つの干渉オーバーラップマップに基づいて複数の和解スキームを決定する。次に、ステップS1010では、SAS1は、各和解スキームの干渉オーバーラップマップを着色する。次に、ステップS1011では、SAS1は、SAS1のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して、各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出する。次に、ステップS1012では、SAS1は、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを第1の和解スキームとして選択する。次に、ステップS1013では、SAS2は、2つの干渉オーバーラップマップに基づいて、複数の和解スキームを決定する。次に、ステップS1014では、SAS2は、各和解スキームの干渉オーバーラップマップを着色する。次に、ステップS1015では、SAS2は、SAS2のトータルシステムユーティリティを算出する方法を使用して、各和解スキームのトータルシステムユーティリティを算出する。次に、ステップS1016では、SAS2は、トータルシステムユーティリティが最大である和解スキームを第2の和解スキームとして選択する。次に、ステップS1017では、SAS2は、第2の和解スキームをSAS1に送信する。次に、ステップS1018では、SAS1は、第1の和解スキームをSAS2に送信する。ここで、SAS1が優先度の高いスペクトル管理装置であるか、現在裁決はSAS1の番であるか、第1の和解スキームを採用するときにプライマリユーザーが受ける干渉が少ないと仮定する。次に、ステップS1019では、SAS1は、第1の和解スキームと第2の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定する。次に、ステップS1020では、SAS1は、最終の和解スキームをSAS2に送信する。次に、ステップS1021では、SAS1は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。次に、ステップS1022では、SAS2は、最終の和解スキームを利用して共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定し、それが管理するセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てる。その結果、SAS1とSAS2は、和解後の干渉オーバーラップマップを利用して、共存システムにおけるセカンダリシステムにリソースを割り当てる。
【0130】
上記のように、
図7~
図10を例として、本開示によるスペクトル割り当て方法を説明した。
図7~
図10は、共存システムが2つのスペクトル管理装置を含む場合を示しているが、共存システムが3つ以上のスペクトル管理装置を含む場合にも適用可能である。
【0131】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、トータルシステムユーティリティの大きさ及び所定の閾値を超えるトータルシステムユーティリティの持続時間に従って、複数の和解スキームから、最終の和解スキームを決定してもよい。
【0132】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、トータルシステムユーティリティがトータルシステムユーティリティの閾値よりも高い持続時間がヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定してもよい。ここで、トータルシステムユーティリティがトータルシステムユーティリティの閾値よりも高い持続時間は、ヒステリシスパラメータと呼ばれてもよい。
【0133】
図11は、本開示の実施例による、経時的なトータルシステムユーティリティの曲線を示す概略図である。
図11に、1つの和解スキームのトータルシステムユーティリティが時間tとともに変化する曲線を示して、U
thはトータルシステムユーティリティ閾値を示し、T
thはヒステリシスパラメータ閾値を示す。
図11に示すように、時間T1について、トータルシステムユーティリティがトータルシステムユーティリティの閾値U
thより高い持続時間T1は、ヒステリシスパラメータ閾値T
thを超える。したがって、時間T1の終了点で最終の和解スキームを決定すると、当該和解スキームは、最終の和解スキームの代替として使用できる。時間T2について、トータルシステムユーティリティがトータルシステムユーティリティの閾値U
thより高い持続時間T2は、ヒステリシスパラメータ閾値T
thを超えない。したがって、時間T2の終了点で最終の和解スキームを決定すると、当該和解スキームは、最終の和解スキームの代替として使用できない。
【0134】
本開示の実施例によれば、処理ユニット240は、最終の和解スキームを決定するときに、及び/又は第1の和解スキームを決定するときに、ヒステリシスパラメータを算出し、ヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超えるかどうかを決定してもよい。例えば、
図7に示す例では、ステップS711では、処理ユニット240は、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを最終の和解スキームとして選択してもよい。
図8に示す例では、ステップS810では、処理ユニット240は、SAS1のトータルシステムユーティリティ算出方法によって、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを第1の和解スキームとして選択し、ステップS811では、処理ユニット240は、SAS2のトータルシステムユーティリティ算出方法によって、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを第2の和解スキームとして選択してもよい。
図9に示す例では、ステップS912では、処理ユニット240は、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを第1の和解スキームとして選択し、ステップS916では、SAS2は、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを第2の和解スキームとして選択してもよい。
図10に示す例では、ステップS1012では、処理ユニット240は、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを第1の和解スキームとして選択し、ステップS1016では、SAS2は、トータルシステムユーティリティが最大でありヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超える和解スキームを第2の和解スキームとして選択してもよい。
【0135】
以上のように、本開示の実施例によれば、決定された最終の和解スキームのヒステリシスパラメータがヒステリシスパラメータ閾値を超えるように、適切なヒステリシスパラメータ閾値を選択することができる。このようにして、最終の和解スキームは、比較的安定した和解スキームであるので、和解スキームの頻繁な置き換えを回避する。
【0136】
上記のように、処理ユニット240は、SAS1のトータルシステムユーティリティ算出方法によって、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームから、最終の和解スキーム又は第1の和解スキームを選択してもよい。任意選択で、処理ユニット240は、SAS2のトータルシステムユーティリティ算出方法により、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームから、第2の和解スキームを選択してもよい。このようなプロセスにおいて、処理ユニット240は、遺伝的アルゴリズムを使用して、選択プロセスを実行してもよい。
【0137】
周知のように、遺伝的アルゴリズムの基本的な原理は、各世代の全ての個体から適応度の最適な個体を選択することであり、本開示の処理ユニット240は、2N個の和解スキームから総効用の最適な1つの和解スキームを選択する必要がある(異なるスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップの間に差異があるエッジの数がNであると仮定する)。本開示の実施例によれば、トータルシステムユーティリティを算出するための式を遺伝的アルゴリズムにおける適応度パラメータに対応させて、2N個の和解スキームを遺伝的アルゴリズムにおける一世代の全ての個体に対応させることで、遺伝的アルゴリズムを使用して選択の手順を実行することができる。
【0138】
図12は、本開示の実施例による遺伝的アルゴリズムを使用して和解スキームを選択する方法を示すフローチャートである。
図12に示すように、まず、初期個体群を生成し、ここでの初期個体群は、2N個の個体からランダムに生成されたものである。そして、各世代の個体群における各個体の適応度Fを算出し、ここでの適応度Fがトータルシステムユーティリティを算出するための式に対応する。次に、適応度Fが最適な個体を選択する。次に、クロスオーバーと突然変異の手順を実行して、新しい個体を生成し、生成された個体を前世代の個体群における個体と組み合わせてから、前の数個の総効用値の個体を新しい個体群として選択し、新しい個体群の数と初期個体群の数が一致する。次に、最適な個体の適応度が適応度閾値F
thを超えているかどうかを判断し、そうであると、選択した個体を出力し、出力された最適な個体を対応する干渉オーバーラップマップに復号化し、そうではないと、最適な個体が選択されるまで手順を繰り返して実行する。
【0139】
本開示の実施例による遺伝的アルゴリズムを使用して和解スキームを選択する擬似コードは、以下の通りである。
【0140】
initialize the initial population
for i =1:iterations
calculate the fitness value for each individual
select the outstanding individuals
Crossover
Mutation
update the new population
end
select the best individual
decoding
【0141】
なお、「initialize the initial population」は初期化個体群を示し、即ち、popsize個の個体の初期個体群を選択し、初期個体群は2N個の個体からランダムに選択されたものである。各世代の個体群における個体について、「calculate the fitness value for each individual」は、各世代の個体群における各個体のトータルシステムユーティリティ値を算出することを示し、「select the outstanding individuals」は、最適な個体を選択することを示す。「crossover」は、個体群における異なる個体の染色体がクロスオーバーして新しい個体を生成することを示す。「mutation」は、個体群における個体の染色体が突然変異して新しい個体を生成することを示す。「update the new population」は、新しい個体で個体群を更新することを示し、更新された個体群における個体数もpopsize個である。「select the best individual」は、トータルシステムユーティリティが最大の個体を選択することを示す。「decoding」は、最適な個体を対応する干渉オーバーラップマップに復号化することを示す。
【0142】
上記のように、本開示の実施例によれば、繰り返し回数を合理的に調整し、遺伝的アルゴリズムを使用して和解スキームを選択することができる。これにより、算出量が大幅に削減され、アルゴリズムの複雑さが軽減される。
【0143】
本開示の実施例によれば、決定ユニット230は、スペクトル管理装置200によって生成された干渉オーバーラップマップと他のスペクトル管理装置によって生成された干渉オーバーラップマップとの間に差異があるエッジを決定した後、差異があるエッジをさらに最適化することができる。例えば、決定ユニット230は、差異があるエッジのうち所定の条件を満たすエッジのみに従って、複数の和解スキームを決定することができる。
【0144】
本開示の実施例によれば、エッジで接続された2つのポイントの度数及び/又はトータルシステムユーティリティの算出に対するエッジの影響力に従って、所定の条件を決定することができる。例えば、所定の条件は、エッジで接続された2つのポイントの度数の平均値が所定の閾値よりも大きいこと、エッジで接続された2つのポイントの度数の最大値が所定の閾値よりも大きいこと、トータルシステムユーティリティに対するエッジの影響力が所定の閾値よりも大きいことなどである。ここで、1つのポイントの度数は、干渉オーバーラップマップにおいて当該ポイントを含むエッジの数を指す。もちろん、所定の条件は他の条件でもよい。
【0145】
上記のように、本開示の実施例によれば、差異があるエッジから、いくつかの特徴的なエッジ又はトータルシステムユーティリティに対する影響が比較的小さいエッジを除外することにより、複数の和解スキームの数を減らすことができる。このようにして、算出量を大幅に削減し、アルゴリズムの複雑さを軽減することもできる。
【0146】
このことから、本開示の実施例によれば、複数のスペクトル管理装置によって生成された複数の干渉オーバーラップマップ間の差異に従って複数の和解スキームを決定することができ、共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて最終の和解スキームを決定することができることが分かる。このようにして、トータルシステムユーティリティが最適であることを保証しながら複数のスペクトル割り当てスキームを和解することで、共存システムで一致したスペクトル割り当てを実行することができる。本開示では、共存システムに意思決定を行うスペクトル管理装置が存在する状況と、意思決定を行うスペクトル管理装置を存在しない状況のようなさまざまな状況を考慮し、このスペクトル管理装置及びスペクトル管理方法を各種システムに適用できる。なお、本開示は、異なるスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法が一致しない状況も考慮する。さらに、和解スキームのヒステリシスパラメータを算出することで、選択した和解スキームの安定性を高めることができる。さらに、差異があるエッジから、いくつかの特徴的なエッジ又はトータルシステムユーティリティに対する影響が比較的小さいエッジを除外することにより、算出量を低減することができる。さらに、和解スキームを選択する手順では、遺伝的アルゴリズムを使用して、算出量を大幅に削減し、アルゴリズムの複雑さを軽減できる。
【0147】
〔3.スペクトル管理方法の実施例〕
次に、本開示の実施例による共存システムにおけるスペクトル管理装置200によって実行されるスペクトル管理方法について詳細に説明する。
【0148】
図13は、本開示の実施例によるスペクトル管理装置200によって実行されるスペクトル管理方法を示すフローチャートである。
【0149】
図13に示すように、ステップS1310では、スペクトル管理装置200によって決定された干渉オーバーラップマップと、共存システムにおける他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップの間の差異に従って、干渉オーバーラップマップの複数の和解スキームを決定する。
【0150】
次に、ステップS1320では、共存システムのトータルシステムユーティリティに基づいて、複数の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定する。
【0151】
好ましくは、ステップS1310での複数の和解スキームを決定することは、スペクトル管理装置200によって決定された干渉オーバーラップマップ及び他のスペクトル管理装置によって決定された干渉オーバーラップマップに従って、差異のあるエッジを決定することと、差異があるエッジに従って、複数の和解スキームを決定することを含む。
【0152】
好ましくは、スペクトル管理方法は、複数の和解スキームにおけるそれぞれに対応する干渉オーバーラップマップに対して、エッジで接続されたポイントが異なる色を有し、エッジで接続されていないポイントが同じ色を有するように、干渉オーバーラップマップを着色することと、着色された干渉オーバーラップマップに従って、干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティを決定することとをさらに含む。
【0153】
好ましくは、ステップS1320での最終の和解スキームを決定することは、複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択することを含む。
【0154】
好ましくは、ステップS1320での最終の和解スキームを決定することは、スペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームから、第1の和解スキームを選択することと、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームから、他の和解スキームを選択することと、第1の和解スキーム及び他の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することを含む。
【0155】
好ましくは、第1の和解スキームを選択することは、スペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを第1の和解スキームとして選択することを含み、他の和解スキームを選択することは、他のスペクトル管理装置のトータルシステムユーティリティ算出方法を使用して、複数の和解スキームからトータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを他の和解スキームとして選択することを含む。
【0156】
好ましくは、ステップS1320での最終の和解スキームを決定することは、複数の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の第1の和解スキームを選択することと、第1の和解スキーム及び他のスペクトル管理装置によって選択された他の和解スキームに従って、最終の和解スキームを決定することを含む。
【0157】
好ましくは、ステップS1320での最終の和解スキームを決定することは、第1の和解スキームと他の和解スキームから、トータルシステムユーティリティが最大の和解スキームを最終の和解スキームとして選択することを含む。
【0158】
好ましくは、ステップS1320での最終の和解スキームを決定することは、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致するエッジについて、エッジについての裁決と第1の和解スキーム及び他の和解スキームの裁決が一致すると決定することと、第1の和解スキームと他の和解スキームの裁決が一致しないエッジについて、共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける干渉に従ってエッジについての裁決を決定することと、全てのエッジについての裁決に従って、最終の和解スキームを決定することを含む。
【0159】
好ましくは、ステップS1320での最終の和解スキームを決定することは、トータルシステムユーティリティの大きさ及び所定の閾値を超えるトータルシステムユーティリティの持続時間に従って、複数の和解スキームから、最終の和解スキームを決定することを含む。
【0160】
好ましくは、スペクトル管理方法は、共存システムにおける全てのセカンダリシステムによって干渉オーバーラップマップを決定することをさらに含み、干渉オーバーラップマップにおけるポイントはセカンダリシステムを示し、2つのポイントの間にあるエッジは2つのポイントに対応する2つのセカンダリシステム間に干渉があることを示す。
【0161】
好ましくは、スペクトル管理方法は、共存システムにおけるプライマリユーザーが受ける累積干渉、共存システムにおけるセカンダリユーザーが受ける累積干渉、共存システムにおけるセカンダリユーザーの送信電力バックオフ量、共存システムのスペクトル利用率、共存システムのアップリンク性能、共存システムのダウンリンク性能、共存システムのネットワーク容量及び共存システムのシステム総オーバーヘッドのようなパラメータの一つ又は複数に従って、共存システムのトータルシステムユーティリティを決定することをさらに含む。
【0162】
好ましくは、スペクトル管理方法は、最終の和解スキームに従って共存システムのスペクトル割り当てスキームを決定することをさらに含み、スペクトル割り当てスキームは共存システムにおける各セカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てることを含む。
【0163】
好ましくは、スペクトル管理方法は、最終の和解スキームを、他のスペクトル管理装置に送信することをさらに含む。
【0164】
好ましくは、スペクトル管理方法は、共存システムのスペクトル割り当てスキームに従って、スペクトル管理装置によって管理されるセカンダリシステムにスペクトルリソースを割り当てることをさらに含む。
【0165】
本開示の実施例によれば、上記の方法を実行する本体は、本開示の実施例によるスペクトル管理装置200であり得る。従って、上記のスペクトル管理装置200に関する全ての実施例は、これに適用可能である。
【0166】
〔4.適用例〕
本開示の技術は、様々な製品に適用することができる。
【0167】
例えば、スペクトル管理装置200は、例えば、タワーサーバー、ラックサーバー、及びブレッドサーバーなど、任意のタイプのサーバーとして実現できる。スペクトル管理装置200と電子デバイス1000は、サーバーに取り付ける制御モジュールであり得る(例えば、シングルチップを含む集積回路モジュール、及びブレッドサーバーのスロットに挿入されたカード又はブレッド(blade)である)。
【0168】
図14は、本開示によるスペクトル管理装置200を実現できるサーバー1400の例を示すブロック図である。サーバー1400は、プロセッサー1401と、メモリ1402と、記憶装置1403と、ネットワークインターフェース1404と、バス1406とを含む。
【0169】
プロセッサー1401は、例えば、中央処理ユニット(CPU)又はデジタル信号プロセッサー(DSP)であり得て、サーバー1400の機能を制御する。メモリ1402は、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み取り専用メモリ(ROM)を含み、データ及びプロセッサー1401によって実行されるプログラムを記憶する。記憶装置1403は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。
【0170】
ネットワークインターフェース1404は、サーバー1400を有線通信ネットワーク1405に接続するための有線通信インターフェースである。有線通信ネットワーク1405は、進化パケットコアネットワーク(EPC)などのコアネットワーク、又はインターネットなどのパケットデータネットワーク(PDN)であり得る。
【0171】
バス1406は、プロセッサー1401、メモリ1402、記憶装置1403及びネットワークインターフェース1404を互いに接続する。バス1406は、それぞれが異なる速度を有する2つ以上のバス(例えば、高速バス及び低速バス)を含み得る。
【0172】
図14に示すサーバー1400では、
図2で説明した生成ユニット210、決定ユニット230、処理ユニット240、着色ユニット250、算出ユニット260及び割り当てユニット270はプロセッサー1401により実現され、
図2で説明した通信ユニット220はネットワークインターフェース1404により実現される。例えば、プロセッサー1401は、メモリ1402又は記憶装置1403に記憶されている命令を実行することによって、干渉オーバーラップマップの生成、複数の和解スキームの決定、最終の和解スキームの決定、干渉オーバーラップマップの色付け、干渉オーバーラップマップのトータルシステムユーティリティの算出、スペクトルリソースの割り当ての機能を実行する。
【0173】
以上、本開示の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して説明したが、本開示は、上記の例に限定されない。当業者は、添付の特許請求の範囲内で様々な変更および修正を得ることができ、これらの変更および修正は、当然、本開示の技術的範囲内に入る。
【0174】
例えば、添付の図面に示した機能ブロック図において破線のボックスで示したユニットは、機能ユニットが対応するデバイスでオプションであることを示しており、オプションの各機能ユニットを適切な方式で組み合わせて、必要な機能を実現できる。
【0175】
例えば、以上の実施例の1つのユニットに含まれる複数の機能は、別個の装置によって実施されてもよい。あるいは、上記の実施例において複数のユニットによって実施される複数の機能は、それぞれ、別個の装置によって実施されてもよい。また、上記の機能の1つは、複数のユニットで実現されてもよい。言うまでもなく、そのような構成は、本開示の技術的範囲に含まれる。
【0176】
本明細書では、フローチャートに記載されているステップは、記載の順序で時系列で実行される処理だけでなく、必ずしも時系列ではなく並行または個別に実行される処理も含む。なお、時系列で処理されるステップでも、言うまでもなく、順序を適切に変更できる。
【0177】
以上、本開示の実施例は、添付の図面を参照して詳細に説明したが、上記の実施形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示に対する限定を構成しない。当業者にとって、本開示の本質および範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができる。従って、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等の意味によって制限される。