(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】蒸気送達システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20231031BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20231031BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2021577172
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(86)【国際出願番号】 GB2020051643
(87)【国際公開番号】W WO2021005366
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-02-07
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ポッター, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ボール, ダニエル
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1552254(KR,B1)
【文献】国際公開第2018/122389(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/081569(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/121143(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/202953(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/30
A24F 40/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能媒体を生成するための装置であって、前記装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを備え、前記レセプタクルが前記香料材料を保持するための壁部分を備え、前記壁部分が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、前記複数の開口部が前記非平面状領域内に配置されて
おり、前記非平面状領域が前記レセプタクルの中心に向かう前記壁部分の陥入部を備える、装置。
【請求項2】
前記非平面状領域は連続的に湾曲した表面を備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
通常使用時の気流方向に対して垂直な第1の平面における前記非平面状領域の第1の曲率半径が、0.3cm~3.0cm、0.3~2.5cm、0.3cm~2.0cm、0.3cm~1.5cm、及び0.3cm~1.0cmから成る群から選択される範囲内にある、請求項1
又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記通常使用時の気流方向及び前記第1の平面に対して垂直な第2の平面における前記非平面状領域の第2の曲率半径が、0.3cm~3.0cm、0.3~2.5cm、0.3cm~2.0cm、0.3cm~1.5cm、及び0.3cm~1.0cmから成る群から選択される範囲内にある、請求項
3に記載の装置。
【請求項5】
前記非平面状領域は、前記通常使用時の気流方向及び前記第1の平面に対して垂直な第2の平面において湾曲していない、請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の開口部が規則的なパターンで配置されている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の開口部が前記非平面状の領域の中心の周囲に同心に配置されている、請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の開口部の各々が、共通の軸線と平行な方向に前記壁部分を貫通して延びている、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の開口部の各々が、前記壁部分の局所法線と平行な方向に前記壁部分を貫通して延びている、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記レセプタクルは、前記香料材料用の空洞を少なくとも部分的に画定する側壁部分を備える、請求項1~
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記壁部分の少なくとも一部が前記側壁部分と交わり、90°未満である前記レセプタクルの内角を成している、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記レセプタクルが、前記側壁部分及び/又は前記壁部分に形成された1つ又は複数の液体案内チャネルであって、前記レセプタクル内で凝縮された液体を前記壁部分と前記側壁部分の間の交差部に向かって案内するように配置された前記1つ又は複数の液体案内チャネルを備える、請求項
10又は
11に記載の装置。
【請求項13】
前記レセプタクルが、気流が前記空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を備える第2の壁部分を備え、前記壁部分及び前記第2の壁部分が前記側壁部分に取り付けられて、前記壁部分と前記第2の壁部分の間で前記空洞内の前記香料材料を圧縮するようになっている、請求項
10~
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
マウスピース部分を更に備え、前記複数の開口部を備える前記壁部分が前記マウスピース部分の出口壁部分であり、前記マウスピース部分、前記側壁部分、及び前記出口壁部分が一体に形成されている、請求項
10~
13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
エアロゾル化可能材料と、前記エアロゾル化可能材料を選択的にエアロゾル化して前記吸入可能媒体を生成するように構成されているヒーターと、前記吸入可能媒体を前記レセプタクルの入口に向かって案内するための気流チャネルと、を更に備える、請求項1~
14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルであって、香料材料を保持するための壁部分を備え、前記壁部分が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、前記複数の開口部が前記非平面状領域内に配置されて
おり、前記非平面状領域が前記レセプタクルの中心に向かう前記壁部分の陥入部を備える、レセプタクル。
【請求項17】
吸入可能媒体を生成するための手段であって、前記吸入可能媒体を生成するための手段によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料手段用のレセプタクル手段を備え、前記レセプタクル手段が前記香料材料手段を保持するための壁手段を備え、前記壁手段が気流用の複数の開口部手段と非平面状領域とを備え、前記複数の開口部手段が前記非平面状領域内に配置されて
おり、前記非平面状領域が前記レセプタクル手段の中心に向かう前記壁手段の陥入部を備える、手段。
【請求項18】
吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与する方法であって、前記吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを用意するステップであり、前記レセプタクルが前記香料材料を保持するための壁部分を備え、前記壁部分が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、前記複数の開口部が前記非平面状領域内に配置されて
おり、前記非平面状領域が前記レセプタクルの中心に向かう前記壁部分の陥入部を備える、用意するステップを含み、前記吸入可能媒体に前記レセプタクルを通過させて前記吸入可能媒体に前記香料を付与するステップを更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン送達システム(例えば電子タバコ及び類似のもの)などの蒸気送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)などの電子蒸気送達システムは一般に、ニコチンを典型的に含む調合物を含有する原料液体のリザーバ、又はタバコベースの生成物のような固体材料などの蒸気前駆体材料を含み、そこから例えば熱気化によって、ユーザによって吸入される蒸気が生成される。このため蒸気送達システムは典型的には蒸気生成チャンバを備えることになり、蒸気生成チャンバは、前駆体材料の一部を気化させて蒸気生成チャンバ内に蒸気を生成するように配置された気化器、例えば加熱素子を含む。ユーザがデバイスから吸入し気化器に電力が供給されると、空気が吸気穴を通してデバイス内に引き込まれ、蒸気生成チャンバに入り、そこで空気と気化した前駆体材料が混合されて、凝縮エアロゾルが形成される。蒸気生成チャンバとマウスピースの開口部との間には流路が存在し、このため蒸気生成チャンバを通して引き込まれた流入空気は、この流路に沿ってマウスピース開口部まで続き、蒸気/凝縮エアロゾルの一部を一緒に運び、ユーザによる吸入のためにマウスピース開口部から出る。電子タバコによっては、追加の香料を付与するために、デバイスを通る流路内に香料材料を含むものもある。そのようなデバイスをハイブリッドデバイスと呼ぶ場合もあり、香料材料としては例えば、蒸気生成チャンバとマウスピースの間の空気経路内に配置されるある分量のタバコを挙げることができるが、その場合、デバイスを通して引き込まれた蒸気/凝縮エアロゾルは、そのある分量のタバコを通過した後でユーザによる吸入のためにマウスピースから出る。
【0003】
本明細書には、上で検討したデバイスの性能の改善の実現を追求する様々な手法が記載されている。
【発明の概要】
【0004】
特定の実施形態の第1の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置であって、装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを備え、レセプタクルが香料材料を保持するための壁部分を備え、壁部分が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、複数の開口部が非平面状領域内に配置されている、装置、を備える、エアロゾル送達システム、が提供される。
【0005】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための手段であって、吸入可能媒体を生成するための手段によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料手段用のレセプタクル手段を備え、レセプタクル手段が香料材料手段を保持するための壁部分手段を備え、壁部分手段が気流用の複数の開口部手段と非平面状領域とを備え、複数の開口部手段が非平面状領域内に配置されている、手段、を備える、エアロゾル提供手段が提供される。
【0006】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルであって、香料材料を保持するための壁部分を備え、壁部分が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、複数の開口部が非平面状領域内に配置されている、レセプタクル、が提供される。
【0007】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与する方法であって、吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを用意するステップであり、レセプタクルが香料材料を保持するための壁部分を備え、壁部分が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、複数の開口部が非平面状領域内に配置されている、用意するステップを含み、方法が、吸入可能媒体にレセプタクルを通過させて吸入可能媒体に香料を付与するステップを更に含む、方法、が提供される。
【0008】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置であって、装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを備え、レセプタクルが側壁部分と出口壁部分と入口壁部分とを備え、側壁部分が香料材料用の空洞を画定し、入口壁部分及び出口壁部分が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、入口壁部分及び出口壁部分が側壁部分に取り付けられて、入口壁部分と出口壁部分の間で空洞内の香料材料を圧縮するようになっている、装置、を備える、エアロゾル送達システム、が提供される。
【0009】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルであって、側壁部分と出口壁部分と入口壁部分とを備え、側壁部分が香料材料用の空洞を画定し、入口壁部分及び出口壁部分が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、入口壁部分及び出口壁部分が側壁部分に取り付けられて、入口壁部分と出口壁部分の間で空洞内の香料材料を圧縮するようになっている、レセプタクル、が提供される。
【0010】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための手段であって、吸入可能媒体を生成するための手段によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料手段用のレセプタクル手段を備え、レセプタクル手段が側壁手段と出口壁手段と入口壁手段とを備え、側壁手段が香料材料用の空洞を画定し、入口壁手段及び出口壁手段が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、入口壁手段及び出口壁手段が側壁手段に取り付けられて、入口壁手段と出口壁手段の間で空洞内の香料材料を圧縮するようになっている、手段、が提供される。
【0011】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与する方法であって、香料材料用のレセプタクルを用意するステップであり、レセプタクルが側壁部分と出口壁部分と入口壁部分とを備え、側壁部分が香料材料用の空洞を画定し、入口壁部分及び出口壁部分が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、入口壁部分及び出口壁部分が側壁部分に取り付けられて、入口壁部分と出口壁部分の間で空洞内の香料材料を圧縮するようになっている、用意するステップ、を含み、方法が、吸入可能媒体にレセプタクルを通過させて吸入可能媒体に香料を付与するステップを更に含む、方法、が提供される。
【0012】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを製造する方法であって、レセプタクルが側壁部分と出口壁部分と入口壁部分とを備え、側壁部分が香料材料用の空洞を画定し、入口壁部分及び出口壁部分が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、方法が、入口壁部分及び出口壁部分の一方が取り付けられている側壁部分を用意するステップと、空洞内に香料材料を設置するステップと、入口壁部分と出口壁部分の間で香料材料が圧縮されるように、入口壁部分及び出口壁部分の他方を側壁部分に取り付けるステップと、を含む、方法、が提供される。
【0013】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置であって、装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを備え、レセプタクルが、マウスピース部分と、側壁部分と、気流用の複数の開口部を有するマウスピース部分の出口壁部分と、を備えるハウジングを備え、マウスピース部分、側壁部分、及び出口壁部分が一体に形成されている、装置、を備える、エアロゾル送達システム、が提供される。
【0014】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルであって、マウスピース部分と、側壁部分と、気流用の複数の開口部を有するマウスピース部分の出口壁部分と、を備えるハウジングを備え、マウスピース部分、側壁部分、及び出口壁部分が一体に形成されている、レセプタクル、が提供される。
【0015】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための手段であって、吸入可能媒体を生成するための手段によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料手段用のレセプタクル手段を備え、レセプタクル手段が、マウスピース手段と、側壁手段と、気流用の複数の開口部手段を有するマウスピース手段の出口壁手段と、を備えるハウジング手段を備え、マウスピース手段、側壁手段、及び出口壁手段が一体に形成されている、手段、が提供される。
【0016】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与する方法であって、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを備える装置を用意するステップであり、レセプタクルが、マウスピース部分と、側壁部分と、気流用の複数の開口部を有するマウスピース部分の出口壁部分と、を備えるハウジングを備え、マウスピース部分、側壁部分、及び出口壁部分が一体に形成されている、用意するステップ、を含み、方法が、吸入可能媒体にレセプタクルを通過させて吸入可能媒体に香料を付与するステップを更に含む、方法、が提供される。
【0017】
特定の実施形態の別の態様によれば、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを製造する方法であって、マウスピース部分、側壁部分、及び気流用の複数の開口部を有するマウスピース部分の出口壁部分を一体に形成するステップを含む、方法、が提供される。
【0018】
更なるそれぞれの態様及び特徴が、付属の特許請求の範囲によって規定される。
【0019】
上記の各段落は一般的導入部として提供されており、後出の特許請求の範囲を限定することは意図していない。記載されている実施形態は、更なる利点と共に、付属の図面と関連させて解釈される以下の詳細な説明を参照することで最もよく理解されるであろう。
【0020】
ここで本発明の実施形態について、以下の添付の図面を参照して、単なる例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムを断面で概略的に表した図である。
【
図2A】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用されるレセプタクルの斜視図である。
【
図2B】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用されるレセプタクルの斜視図である。
【
図2C】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用されるレセプタクルの斜視図である。
【
図3A】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用されるレセプタクルの、それぞれ斜視図及び断面図である。
【
図3B】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用されるレセプタクルの、それぞれ斜視図及び断面図である。
【
図4A】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なるレセプタクルの、それぞれ斜視図及び断面図である。
【
図4B】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なるレセプタクルの、それぞれ斜視図及び断面図である。
【
図5】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図6】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図7】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図8】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図9】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図10】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図11】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図12】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図13】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される更なる例示のレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図14】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される、香料材料を含むレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図15A】本開示の特定の実施形態に係る、
図14の例に係るレセプタクルを香料材料で充填する方法を、概略的に表した図である。
【
図15B】本開示の特定の実施形態に係る、
図14の例に係るレセプタクルを香料材料で充填する方法を、概略的に表した図である。
【
図15C】本開示の特定の実施形態に係る、
図14の例に係るレセプタクルを香料材料で充填する方法を、概略的に表した図である。
【
図16】本開示の特定の実施形態に係るエアロゾル送達システムと共に使用される、香料材料を含むレセプタクルを断面で概略的に表した図である。
【
図17】本開示の特定の実施形態に係る、吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを製造する方法を、概略的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書では特定の例及び実施形態の態様及び特徴について検討/記載する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は従来通り実施することができ、簡潔にするためにそれらについては詳細に検討/記載しない。したがって、本明細書で検討する装置及び方法の詳細には記載されていない態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実施するための従来の任意の技法に従って実施され得ることが諒解されるであろう。
【0023】
本開示は、エアロゾル送達システムと呼ばれる場合もある蒸気送達システム、例えばeシガレットに関し、これにはハイブリッドデバイスも含まれる。以下の説明全体を通して、用語「eシガレット」又は「電子タバコ」が使用される場合があるが、この用語は、蒸気供給システム/デバイス、電子蒸気供給システム/デバイス、蒸気送達システム/デバイス、電子蒸気送達システム/デバイス、エアロゾル供給システム/デバイス、電子エアロゾル供給システム/デバイス、エアロゾル送達システム/デバイス、及び電子エアロゾル送達システム/デバイスと言い替え可能に使用され得ることが諒解されるであろう。また更に、当技術分野では一般的であるが、用語「蒸気」及び「エアロゾル」、並びに関連用語「気化させる」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」は一般に言い替え可能に使用され得る。
【0024】
エアロゾル送達システムは常にではないが多くの場合、再利用可能部分(コントロールユニットとも呼ばれる)、及び交換可能な/使い捨てのカートリッジ部分(消耗部分とも呼ばれる)の両方を含む、モジュール式アセンブリを備える。多くの場合、交換可能なカートリッジ部分は、エアロゾル化可能材料と、気化器と、を含むことになり、再利用可能部分は、電源(例えば充電式バッテリー)と、作動機構(例えばボタン又はパフセンサ)と、制御回路構成(control circuitry)と、を備えることになる。ただし、これらの異なる部分が機能性に応じて更なる要素を備え得ることが諒解されるであろう。例えば、いわゆるハイブリッドデバイスの場合、カートリッジ部分はまた、追加の香料材料又はエアロゾル改質剤も含み得る。例えば香料材料は、システムの他の場所で生成されたエアロゾルに香料を加えるための、インサート(「ポッド」)として提供されるある分量のタバコであり得る。香料材料又はエアロゾル改質剤は、使用時にエアロゾルを改質できる物質であり得る。改質剤は、人体への生理的又は感覚的効果を生むようにエアロゾルを改質し得る。例示のエアロゾル改質剤は、活性剤(active)、香味料、及び感覚惹起剤(sensate)である。感覚惹起剤は、冷涼感覚又は酸味感覚などの感覚器官を通して感知され得る官能性感覚(organoleptic sensation)を生む。
【0025】
香料材料は交換できるように取り出し可能であってもよく、それは例えば、香料を変えるためであるか、又は、香料材料の使用可能寿命がカートリッジのエアロゾル生成構成要素の使用可能寿命よりも短いためである。再利用可能なデバイス部分は多くの場合、ユーザ入力の受け付け及び動作状態特徴の表示のためのユーザインターフェースなどの、追加の構成要素も備えることになる。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「香料」及び「香味料」は、現地の規制が許可する範囲で、成人消費者用の製品において所望の味又は香りを生み出すために使用できる材料を指す。いくつかの例では、香料材料は、タバコ材料若しくはタバコ抽出物を含む材料、及び/又はニコチンを含み得る。いくつかの例では、香料材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、若しくはハッカ属の任意の種からのハッカ油など)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトール)、並びに他の添加物、例えばチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を含み得る。これらは、模造品、合成原料若しくは天然原料、又はこれらの混合物であってもよい。
【0027】
モジュール式デバイスの場合、例えば適切に係合する電気接点を有するねじ山、ラッチング、又はバヨネット固定手段を使用して、カートリッジとコントロールユニットを使用に際して電気的及び機械的に1つに結合することができる。カートリッジ内の蒸気前駆体材料を使い切ると、又はユーザが異なる蒸気前駆体材料を有する異なるカートリッジへの取り替えを望むとき、カートリッジをコントロールユニットから取り外し、その代わりに交換カートリッジを装着することができる。
【0028】
複数部分で成るデバイスを含むエアロゾル送達システムが全体的に細長い形状を有することは比較的一般的であり、具体的な例を提供するために、本明細書に記載する本開示の特定の実施形態は、エアロゾル化可能材料を含む使い捨てカートリッジと、香料付与媒体と、エアロゾル化可能材料を気化させて使用中にユーザに吸入される凝縮エアロゾルを形成するための電気ヒーターと、を利用する、複数部分で成る全体的に細長いデバイスを備えるものとして解釈されることになる。これらの蒸気送達システムを例えば、ハイブリッドシステム又はハイブリッドeシガレットと呼ぶ場合がある。場合によっては、香料材料インサート自体を使い捨てカートリッジ部分から取り外せるようにして、香料材料インサートをカートリッジ又は再利用可能部分とは別個に交換できるようしてもよいが、それは例えば、香料を変えるためであるか、又は、香料材料インサートの使用可能寿命がカートリッジの蒸気生成構成要素の使用可能寿命とは異なるためである。香料材料インサートはレセプタクル内に収容され得る。以下の説明の全体を通して、用語「ポッド」、「レセプタクル」、「容器」、又は「インサート」が使用される場合があるが、これらの用語は言い替え可能に使用され得ることが諒解されるであろう。いくつかの例では、ポッドは再利用可能であってもよく、香料材料インサートを交換するためにユーザがポッド内の香料材料インサートにアクセスできてもよい。他の例では、ポッドは使い捨てであってもよく、ユーザが香料材料インサートにアクセスすること又はその交換を試みることが防止される。ポッドを使用することで、例えば、気流経路内での香料材料インサートの最適な配置が保証されることによって、及び/又は、香料材料インサートの特性(例えば体積、粘度、密度、等)が限定されることによって、ユーザ体験が向上し得る。
【0029】
本明細書に記載する基本的原理を、例えば典型的にはより箱に似た形状を有するいわゆるボックスモッド(box-mod)の高性能デバイス又はいわゆるポッドモッド(pod-mod)デバイスなどのより小さいフォームファクタのデバイスを基本とした、他の全体形状に従うデバイスなどの、異なる構成のエアロゾル送達システムに等しく採用できることが、諒解されるであろう。より一般的には、本開示の実施形態が、本明細書に記載する原理を組み込むように構成されているエアロゾル送達システムに基づくことができ、このことはそのようなエアロゾル送達システムの他の態様の特定の形式とは無関係であることが、諒解されるであろう。
【0030】
図1は、本開示の特定の実施形態に係る例示のeシガレット1を通る断面図である。eシガレット1は、3つの主要な構成要素、すなわち、再利用可能部分2と、交換可能な/使い捨てのカートリッジ部分4と、取り外し可能なレセプタクルなどの、挿入ハウジング内に提供されるある分量の加香材料36(例えば刻みタバコ、再構成タバコ、又は押出タバコ)を収容した香料付与手段8と、を備える。ただし、この例が複数部分で成るハイブリッドデバイスであるということそれ自体は、本明細書で更に記載されているようなデバイス作動機能性にとって直接的に重要ではない。
【0031】
通常使用時、再利用可能部分2及びカートリッジ部分4は、接合部6において着脱可能に1つに結合される。カートリッジ部分を使い切ると(すなわち、液体などのカートリッジ部分内のエアロゾル化可能材料を使い果たすか若しくは実質的に使い果たすと)、又は単にユーザが異なるカートリッジ部分に取り替えることを望むとき、カートリッジ部分を再利用可能部分から取り外し、その代わりに再利用可能部分に交換カートリッジ部分を装着することができる。接合部6は、これら2つの部分の間の構造的、電気、及び空気経路の接続を提供するもので、従来の技法によって、例えば、2つの部分の間の電気接続及び空気経路を適宜確立するように適切に配置された電気接点及び開口部を有する、例えばねじ山、ラッチ機構、又はバヨネット固定手段に基づいて、確立され得る。カートリッジ部分4が再利用可能部分2に機械的に取り付けられる特定の様式は、本明細書に記載する原理にとって重要ではないが、ここでは例を具体的にするために、例えばカートリッジの一部が、再利用可能部分の協働するラッチ係合要素を有する対応するレセプタクル内に受けられる、ラッチング機構を備えるものと想定する(
図1には表されていない)。接合部6はいくつかの実装形態では、それぞれの部分の間の電気接続をサポートしない場合のあることも諒解されるであろう。例えば、いくつかの実装形態では、カートリッジ部分内ではなく再利用可能部分によって気化器が提供されてもよく、又は、再利用可能部分とカートリッジ部分の間の電気接続が必要ないように、再利用可能部分からカートリッジ部分への電力の伝送は(例えば電磁誘導に基づく)ワイヤレス式であってもよい。
【0032】
カートリッジ部分4は本開示の特定の実施形態によれば概ね従来通りである。
図1では、カートリッジ部分4は、プラスチック材料で形成されるカートリッジハウジング42を備える。カートリッジハウジング42は、カートリッジ部分の他の構成要素を支持し、再利用可能部分2に機械的接合部6を提供する。カートリッジハウジングは、長手軸線を中心に円対称であり、この長手軸線に沿ってカートリッジ部分が再利用可能部分2に結合する。この例では、カートリッジ部分は約4cmの長さ、及び約3cmの直径を有する。ただし、詳細な幾何形状、並びにより一般的に使用される全体的な形状及び材料は、異なる実装形態では異なり得ることが諒解されるであろう。
【0033】
カートリッジハウジング42内には、液体蒸気前駆体材料を収容したリザーバ44がある。液体蒸気前駆体材料は従来のものであってもよく、eリキッドと呼ぶ場合がある。液体リザーバ44はこの例では、カートリッジハウジング42によって画定される外壁、及びカートリッジ部分4を通る空気経路52を画定する内側カートリッジ壁58を有する、環形状を有する。リザーバ44はeリキッドを収容するべく各端部を端部壁で閉じられる。リザーバ44は従来の技法によって形成され得る、例えばこれは、プラスチック材料を含むことができ、カートリッジハウジング42と一体に成形され得る。
【0034】
通常使用時、カートリッジ部分4及びレセプタクル8は、接合部1において着脱可能に1つに結合される。レセプタクル8内の加香材料36を使い切ると、又は単にユーザが異なるレセプタクル及び/又は加香材料に取り替えることを望むとき、レセプタクルをカートリッジ部分から取り外すことができ、レセプタクル内の加香材料を交換することができるか、又は、その代わりにカートリッジ部分に異なるレセプタクルを装着することができる。接合部10は、これら2つの部分の間の空気経路の構造的接続部を提供するもので、従来の技法によって、例えば、2つの部分の間の電気接続及び空気経路を適宜確立するように適切に配置された電気接点及び開口部を有する、例えばねじ山、ラッチ機構、又はバヨネット固定手段に基づいて、確立され得る。カートリッジ部分4がレセプタクル8に機械的に取り付けられる特定の様式は、本明細書に記載する原理にとって重要ではないが、これらの及び他の例では、レセプタクル8の保持及び配置は摩擦に起因し得る、並びに/又は、空気経路52内のクリップ、桟部、及び他の特徴によって容易になり得る。例えばレセプタクル8の挿入部分38は、カートリッジ4のコントロールユニット2に結合する端部の反対側にある空気経路52の開口端に設けられた、受け部54に挿入され得る。挿入部分38及び/又は受け部54は、摩擦によるカートリッジ部分4内でのレセプタクル8の保持を補助するための、表面突出部(例えば隆起部又は突条)を有し得る。
【0035】
接合部10はいくつかの実装形態では、それぞれの部分の間の電気接続をサポートする場合のあることも諒解されるであろう。例えば、レセプタクル8は、加香材料36を加熱するためのヒーターを含み得る。
【0036】
示されている例では、レセプタクル8は、中に香味料36が収容又は保持され得るチャネル又は空洞34を画定する、ハウジング又は側壁部分32を含む。レセプタクル8の側壁部分32は、2つの開口端も含み得る。通常使用時、空気又は他の吸入可能媒体が(例えばパフ中に)空洞の一方端部から他方端部へと流れることができ、このため、使用中に空気経路52に沿って引き込まれた空気が加香材料36を通過し、その結果、マウスピース出口50(すなわち開口又は開口部)を通ってレセプタクルから出てユーザに吸入される前に、香料(例えばタバコ香料)を帯びることが可能になる。香味料36を保持又は配置するために、レセプタクルは、チャネル壁部分32に取り付けられるチャネル入口壁部分40(すなわち下側又は上流の壁)と、チャネル出口壁部分70(すなわち上側又は下流の壁)と、を含むことができ、チャネル入口壁部分40及びチャネル出口壁部分70の各々は、開口端をそれぞれ覆うようになっている。チャネル入口壁部分40及びチャネル出口壁部分70は各々、気流用の複数の穴、開口部、又は開口を有する。例えば、チャネル入口壁部分40及びチャネル出口壁部分70は、メッシュ、穿孔された壁部分、又は空気透過性スクリーンによって形成され得る。チャネル入口壁部分40及びチャネル出口壁部分70は、チャネル壁部分34の対向する両端部に向かって設けられ得る。例えば、一方若しくは両方がチャネル壁部分34の端部に配置され得るか、又は、一方若しくは両方がチャネル壁部分34の端部よりも内側にセットされ(inset)て(例えば、チャネル壁部分34の長さの2~20%だけ、好ましくはチャネル壁部分34の長さの5%~15%だけ、内側にセットされ(inset)て)配置され得る。
【0037】
チャネル入口壁部分40(すなわち下側又は上流の壁)及びチャネル出口壁部分70(すなわち上側又は下流の壁)は、チャネル壁部分32に交換可能に取り付けられ得るか、又は、チャネル壁出口部分70に固定的に取り付けられ得る。交換可能に取り付けられるとは、レセプタクル8が、必要に応じて壁部分を分離できるように(例えば、レセプタクル8の香料材料の交換又は再充填が可能になるように)構成されることを意味する。固定的に取り付けられるとは、レセプタクル8が、壁部分を分離できない(例えば、どのような分離にもレセプタクル8の構成要素の破壊を要する)ように構成されることを意味する。いくつかの例では、一方の壁部分(例えば入口壁部分40)を側壁部分32に固定的に取り付けられるように、及び他方の壁部分(例えば出口壁部分70)を側壁部分32に交換可能に取り付けられるようにすることが有利であり得ることが諒解されるであろう。
【0038】
入口壁部分40及び/又は出口壁部分70は、特定の係合機構によって、例えばラッチ、バヨネット、押し嵌め、及びねじ接続を使用して、側壁部分に取り付けられ得る。側壁部分32は、接続可能にするための対応する特徴を有し得る。ラッチ、バヨネット、押し嵌め、及びねじ接続の使用が典型的には可逆の係合機構を表すことが諒解されるであろうが、一方で、固定された取り付け部又は係合部を作り出すために、係合機構を介した最初の接続後に接着剤結合及び又は超音波溶接を使用して、永続的な結合部を作り出してもよい。他の例では、上記した係合機構のいずれも用いずに、超音波溶接、接着剤結合、又は他の方法を使用して、壁部分40、70の一方又は両方を側壁部分32に固定的に取り付けてもよい。いくつかの他の例では、壁部分40、70の一方を側壁部分32と一体に形成し、壁部分40、70の選択された一方が元から側壁部分32に固定的に取り付けられているようにしてもよい。入口壁部分40又は出口壁部分70のいずれかを取り付ける他の方法について、以下でより詳細に記載する。
【0039】
チャネル入口壁部分40及びチャネル出口壁部分70は、必ずしもレセプタクル8の中心点に対して対称に配置される必要はないことが諒解されるであろう。いくつかの例では、チャネル入口壁部分40とチャネル出口壁部分70は、互いと実質的に異なるように構成され得る。例えば、
図1に示されているように、チャネル入口壁部分40は、平坦又は平面状の形状を有するように構成することができ、一方でチャネル出口壁部分70は、湾曲した又は非平面状の形状を有するように構成することができる。また更に、チャネル入口壁部分40及びチャネル出口壁部分70は、異なる材料から構築され得る。例えば、チャネル入口壁部分40は金属材料から構築されてもよく、チャネル出口壁部分70はプラスチック材料、から構築されてもよく、この逆も可能である。いくつかの例では、チャネル入口壁部分40及び/又はチャネル出口壁部分70は側壁部分32と同じ材料から構築され得る。例えば、チャネル入口壁部分40及び/又はチャネル出口壁部分70は、側壁部分32と同じプラスチック材料から構築され得る。いくつかの例では、チャネル入口壁部分40又はチャネル出口壁部分70の一方が、(例えば、構成要素を一体成形することによって)レセプタクルの側壁部分32と一体に形成され得る。レセプタクル側壁部分32、チャネル入口壁部分40、及び/又はチャネル出口壁部分70は、プラスチック材料を含み得るか、又はプラスチック材料から成る。例示の材料としては、コポリエステル(トライタン(Tritan)(登録商標))、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフタルアミド(グリボリー(Grivory)(登録商標))、及びポリプロピレンが挙げられる。
【0040】
いくつかの例では、レセプタクル8の側壁部分32はマウスピース要素を画定し得るか、又は他の方法で組み込み得る。例えば、側壁部分32は、使用中のユーザの唇による封止の形成を補助するような形状の外側表面を提供するように構成され得る。他の例では、レセプタクル8の下流にマウスピースを装着してもよい(図示せず)。
【0041】
カートリッジ部分は、リザーバ44のレセプタクル8とは反対側の端部に向かって配置されたウィック46及びヒーター(気化器)48を更に備える。この例では、ウィック46はカートリッジ空気経路52を横断して延在しており、その端部がeリキッドのリザーバ44の内壁にある開口部を通ってリザーバ44内へと延びている。リザーバ44の内壁の開口部は、ウィックの流体移送能力にとって有害であり得るウィックの過度な圧縮を伴わずに、液体リザーバからカートリッジ空気経路内への漏れに対する妥当な封止を提供するように、ウィック46の寸法と概ね一致するようなサイズとなっている。
【0042】
ウィック46及びヒーター48は、カートリッジ空気経路52のウィック46及びヒーター48の周囲の領域がカートリッジ部分用の蒸気生成領域又は気化領域を事実上画定するように、カートリッジ空気経路52内に配置されている。リザーバ44内のeリキッドは、リザーバ44内へと延びているウィックの端部を通ってウィック46に浸透し、表面張力/毛管作用(すなわちウィッキング)によってウィックに沿って引き込まれる。ヒーター48はこの例では、ウィック46の周囲にコイル状に巻かれた電気抵抗性ワイヤを備える。この例では、ヒーター48はニッケルクロム合金(Cr20Ni80)ワイヤを含み、ウィック46はガラス繊維束を含むが、気化器の特定の構成は本明細書に記載する原理にとって重要ではないことが諒解されるであろう。使用時、ウィック46によってヒーター48の近傍に引き寄せられたある量のeリキッド(蒸気前駆体材料)を気化させるために、ヒーター48に電力が供給され得る。次いで気化したeリキッドを、カートリッジ空気経路に沿って引き込まれて、気化領域からレセプタクル8のチャネル壁部分34を通ってマウスピース出口50から出てユーザに吸入される空気に、取り込ませることができる。
【0043】
気化器(ヒーター)48によってeリキッドが揮発する速さは、使用中にヒーター48に供給される電力の量(レベル)によって決まる。したがって、カートリッジ部分4内のeリキッドから蒸気を選択的に生成するようにヒーターに電力を印加することができ、また更に、例えばパルス幅変調技術及び/又は周波数変調技術によってヒーター48に供給される電力の量を変えることにより、蒸気生成の速度を変えることができる。
【0044】
蒸気送達システムの様々な態様が機能する特定の様式は、本明細書に記載する例の基本となる原理には直接的には関係しない。例えば、上記した実施形態では、液体蒸気前駆体材料を加熱するための電気ヒーター式気化器を有するデバイスに主に注目してきたが、例えば、圧電バイブレータに基づく気化器又は光学加熱気化器などの他の技術に基づく気化器、及び更に、タバコ由来材料といった植物由来材料を始めとする固体材料などの他のエアロゾル前駆体材料、又は、ゲル、ペースト、若しくは泡に基づく蒸気前駆体材料などの他の形態の蒸気前駆体材料に基づくデバイスにも、同じ原理を採用することができる。
【0045】
再利用可能部分2は、eシガレットの空気入口28を画定する開口部を有する外側ハウジング12と、電子タバコに作動電力を提供するためのバッテリー26と、電子タバコの動作を制御及びモニタするための制御回路構成20と、ユーザ入力ボタン14と、この例では圧力センサチャンバ18内に配置された圧力センサを備える、吸入センサ(パフ検出器)16と、視覚ディスプレイ24と、を備える。
【0046】
外側ハウジング12は、例えばプラスチック又は金属材料から形成することができ、この例では、接合部6において2つの部分の間の滑らかな移行を実現するように、カートリッジ部分4の形状及びサイズに概ね従う円形の断面領域を有している。この例では、再利用可能部分は約6cmの長さを有し、したがって、カートリッジ部分と再利用可能部分を1つに結合したときのeシガレットの全長は約10cmである。ただし(既に記載したように)、本開示の実施形態を実施する電子タバコの全体的な形状及びスケールは、本明細書に記載する原理にとっては重要ではないことが諒解されるであろう。
【0047】
空気入口28は、再利用可能部分2を通る空気経路30に接続している。再利用可能部分の空気経路30は次に、再利用可能部分2とカートリッジ部分4が1つに接続されると、接合部6を通過してカートリッジ空気経路52に接続する。圧力センサ16を含む圧力センサチャンバ18は、再利用可能部分2の空気経路30と流体連通している(すなわち、圧力センサチャンバ18は、再利用可能部分2の空気経路30から分岐している)。こうして、ユーザがマウスピース開口部50から吸入すると、圧力センサチャンバ18内で圧力センサ16によって検出され得る圧力降下が生じると共に、空気入口28を通して再利用可能部分の空気経路30に沿って空気が引き込まれ、この空気は接合部6を通過し、霧化器48の近傍の蒸気生成領域を通り(気化器の作動中、気化したeリキッドは空気流に取り込まれる)、カートリッジ空気経路52に沿い、マウスピース開口部50を通って外に出て、ユーザに吸入される。
【0048】
バッテリー26はこの例では充電式であり、従来のタイプのもの、例えば、電子タバコ及び比較的短い期間に比較的高い電流を要する他の用途で、通常使用される種類のものであり得る。バッテリー26は、再利用可能部分のハウジング12における充電コネクタ、例えばUSBコネクタを通して再充電され得る。
【0049】
ユーザ入力ボタン14はこの例では、従来の機械式ボタン、例えば、ユーザが押すことで電気的接触を確立できる、ばね式構成要素である。この点に関して、入力ボタンは端末デバイス用の手動入力機構を提供するものと考えることができるが、ボタンが実装される特定の様式は重要ではない。例えば、他の実装形態では、異なる形態の機械式ボタン、又は(例えば容量性感知技術若しくは光学感知技術に基づく)接触感知式ボタンが使用され得る。ボタンが実装される特定の様式は例えば、所望の美観を考慮して選択され得る。
【0050】
ディスプレイ24は、電子タバコに関連する様々な特徴、例えば現在の電力設定情報、バッテリー電力残量などの視覚的指示を、ユーザに与えるために設けられる。ディスプレイは様々な方法で実装され得る。この例では、ディスプレイ24は、所望の情報を従来の技法によって表示するように駆動され得る、従来のピクセル式LCDスクリーンを備える。他の実装形態では、ディスプレイは、例えば特定の色及び/又は点滅シークエンスによって、所望の情報を表示するように構成されている、1つ又は複数の個別のインジケータ、例えばLEDを備え得る。より一般的には、ディスプレイが提供されそのディスプレイを使用してユーザに情報が表示される様式は、本明細書に記載する原理にとって重要ではない。実施形態によっては、視覚ディスプレイを含まなくてもよく、電子タバコの動作特徴に関する情報をユーザに提供するための他の手段、例えば音声シグナリング若しくは触覚フィードバックを使用するものを含み得るか、又は、電子タバコの動作特徴に関する情報をユーザに提供するための、どのような手段も含まなくてもよい。
【0051】
制御回路20は、電子タバコの動作を制御して本明細書に更に記載されているような本開示の実施形態に係る機能性を提供するように、並びに、電子タバコの従来の動作機能を提供するように、そのようなデバイスを制御するための既成の技法に即して好適に構成/プログラムされる。制御回路(プロセッサ回路)20は、ディスプレイ駆動回路及びユーザ入力検出などの本明細書に記載する原理及び電子タバコの他の従来の動作態様に従う電子タバコの動作の様々な態様と関連付けられた、様々な下位ユニット/回路素子をロジック上備えるものと考えることができる。制御回路構成20の機能性を、様々な異なる方法で、例えば、所望の機能性を提供するための、1つ若しくは複数の好適にプログラムされたプログラム可能コンピュータ(複数可)及び/又は1つ若しくは複数の好適に構成された特定用途向け集積回路(複数可)/回路構成/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して提供できることが、諒解されるであろう。
【0052】
この例では、蒸気送達システム1は、ユーザ入力ボタン14と吸入センサ16とを備える。制御回路構成20は、吸入センサ16からシグナリングを受信するように及びこのシグナリングを使用してユーザが電子タバコを吸入しているかどうかを判定するように、並びにまた、入力ボタン14からシグナリングを受信するように及びこのシグナリングを使用してユーザが入力ボタンを押している(すなわち作動させている)かどうかを判定するように、構成され得る。電子タバコの動作のこれらの態様(すなわちパフ検出及びボタン押下検出)はそれら自体で、既成の技法に従って(例えば、従来の吸入センサ及び吸入センサ信号処理技法を使用して、並びに従来の入力ボタン及び入力ボタン信号処理技法を使用して)実行され得る。他の例示の蒸気送達システムは、ユーザ入力ボタン14及び吸入センサ16の一方のみを有し得る。更なる例では、蒸気送達システムはシステムの構成及び動作に応じて、ユーザ入力ボタン又は吸入センサのいずれも有さない場合がある。
【0053】
本開示の実施形態によれば、ある場所における空気経路の断面積は、その場所における空気経路の中心軸線(central axis)又は中心軸(medial axis)に対して垂直な又は横方向の面積として定義され得る。この面積は、少なくとも1つの壁、例えば内側カートリッジ壁58若しくは側壁部分32、又は他の構造上の特徴によって区切ることができる。使用時、空気は、空気入口28から空気出口50に向かって中心軸線の方向に流れる。したがって断面積は、使用中に中を空気が流れるのに利用できる横方向領域の寸法を提供する。いくつかの例では、空気経路の断面は、実質的に円形の形状、楕円形状、多角形形状、又は角を丸めた多角形形状を有し得る。空気経路の断面積は、その場所における当該形状の面積である。いくつかの例では、断面の形状は場所が異なれば変化し得る。
【0054】
図2A、
図2B、及び
図2Cは、
図1の例示の蒸気送達システムに係るレセプタクルの斜視図を示す。レセプタクル8は側壁部分32によって形成される。側壁部分32の外側表面は、マウスピース出口50と、カートリッジ部分4の対応する受け部54(図示せず)に挿入するための挿入可能な部分38と、を提供するように構成されている。側壁部分32は丸みを帯びた拡開する形状を有し、マウスピース出口50と隣接し、使用時にユーザの唇を受け入れるように構成されている。図示されていない他の例では、側壁部分32が異なる形状を有し得ることが諒解されるであろう。例えば側壁部分32は、丸みを帯びた表面ではなく平坦な表面を備え得る。また更に、他の例では、側壁部分32は拡開していなくてもよい。
【0055】
側壁部分32は、中に香味料36が収容又は保持され得るチャネル34を画定する。レセプタクル8用のハウジングはチャネル34の入口及び出口を画定する2つの端部も含み、このため、使用中に空気経路52に沿って引き込まれた吸入可能媒体(例えば蒸気、エアロゾル、及び/又は空気)が加香材料36を通過し、その結果、マウスピース出口50を通ってレセプタクルから出てユーザに吸入される前に、香料(例えばタバコ香料)を帯びることが可能になる。ハウジングは、受け部54の表面との接触をもたらすための、複数の突出部64を提供するように更に構成される。ハウジングは更に、カートリッジ部分からレセプタクル8を取り外すか又はレセプタクル8をカートリッジ部分と係合させるときにユーザが把持するための、凹部62を提供するように構成されている。
【0056】
図2A、
図2B、及び
図2Cのレセプタクル8は、マウスピースと側壁部分32と出口壁部分70とを備え、これらは一体に形成された単一の構成要素として提供されている。一体に形成された構成要素は、マウスピース、側壁部分32、及び出口壁部分70を単一の型を使用して一体成形することによって形成され得る。構成要素は、射出成形又は任意の他の従来の工程を使用して形成され得る。例えば、構成要素は付加製造工程、例えば好適な材料のトップダウン又はボトムアップ3Dプリンティングによって、一体に形成され得る。いくつかの例では、鋳造工程が用いられ得る。
【0057】
出口壁部分70は、出口壁部分の一方側から出口壁部分の他方側へと空気が通過するのを可能にする複数の穴を有する。出口壁部分70は、側壁部分32によって形成されるチャネル34のマウスピース出口50端部に設けられる。出口壁部分70はチャネル34の端部よりも僅かに内側にセットされ(inset)てもよく、平面状の表面を画定し得る。
図2Bに示されているように、複数の穴は、平行な棒体の連なり又は配列を設けることによって形成され得る。平行な棒体の第2の連なり又は配列は、平行な棒体の第1の連なりと隣接しこれと非平行になるように設けられて、格子配列された穴を提供し得る。棒体の第1及び第2の連なりは規則的に離間され得ること、並びに、棒体によって画定される穴は、棒体の第1及び第2の連なりの周期性に依存する規則的なパターン(例えば間隔)を有し得ることが、諒解されるであろう。
【0058】
棒体の2つの組の間の角度は、穴の形状を定める。例えば、角度が90°である場合は穴は正方形又は長方形となるが、角度が90°未満である場合は穴は平行四辺形となる。出口壁部分に異なる形状の穴を形成するために、棒体の異なる構成体が使用され得ること、及び、これらの実施形態が、正方形、長方形、又は平行四辺形の形状の穴に限定されないことが、諒解されるであろう。いくつかの例では、平行な湾曲した棒体が提供され得る。平行な湾曲した棒体は、湾曲した辺を有し更に棒体が交わるところに隅角を有する穴を提供し得る。
【0059】
いくつかの例では、出口壁部分70は、0.2mm~1mm、好ましくは0.3mm~0.7mm、最も好ましくは0.4mmの直径を有する穴を提供するように構成され得る。これらの例に係る出口壁部分70は、レセプタクル8内に加香材料(例えば、ばらタバコ又はタバコ細粒)を保持しながら、加香材料36に蒸気を浸透させることを可能にし得る。穴の好ましい直径はレセプタクル38内に保持されることになる加香材料36のサイズ及び構成に依存することが、諒解されるであろう。例えば、穴のサイズ及び構成は、加香材料36が単一片として用意されるかそれとも複数片として用意されるかに依存する場合があり、またその1つ又は複数の部片の寸法に基づき得る。加香材料36が複数片として提供される例では、穴のサイズはそれら複数片の90%よりも小さく、好ましくはそれら複数片の95%よりも小さくなり得る。
【0060】
側壁部分32は、チャネル34のマウスピース出口端部50の反対側にある端部内にチャネル入口壁部分40(図示せず)を保持するための、保持機構60を画定するように更に構成され得る。保持機構とは、チャネル入口壁部分40をチャネル34内に保持するための機構を意味する。言い換えれば、保持機構60は、挿入後にチャネル入口壁部分40がチャネル34から出ることを阻止又はそれ以外で防止する。チャネル出口壁部分70の存在に起因して及び/又は通常使用時にチャネル34内に存在し得る香料材料に起因して、チャネル入口壁部分40がチャネル出口壁部分70を有する端部を介してチャネル34から出ることが防止されることが諒解されるであろう。
【0061】
図2B及び
図2Cに示すように、保持機構60は複数のタブを備え得る。タブは、圧力(及び任意選択で熱)が加わると、チャネル34の中心に向かって内側を向いて上向きに畳まれるように構成されている。使用時、入口壁部分40は側壁部分32によって形成されるチャネル34に挿入され、次いで保持機構60は入口壁部分の上流でチャネル34の直径を狭めるように調整され、この結果入口壁部分40がチャネル34から出ることが阻止される。入口壁部分40は、チャネル34に挿入されるのに十分に小さいが、保持機構60が係合/作動/変形された後で保持機構60によって保持されるのに十分に大きい形状を有するように構成されることが、諒解されるであろう。例として、チャネル34の下側開口部は、1.00cmの短軸径及び2.00cmの長軸径を有する楕円形状を有し得る。保持機構60のタブは記載されているように内向きに畳まれて、0.80cmの短軸径及び1.80cmの長軸径を有する楕円形状を有する開口を形成し得る。そのような例として、入口壁部分40は、0.95cmの短軸径及び1.95cmの長軸径を有する楕円形状を有し得る。
【0062】
他の例(図示せず)では、保持機構60は従来の技法によって、例えばねじ山、クリップ、又はラッチ機構に基づいて確立され得る。別法として又は加えて、保持機構60は、入口壁部分40をハウジングに接着するために、接着剤又は超音波溶接を使用し得る。このことは、
図2A、
図2B、及び
図2Cに示すタブに対する代替又は追加であり得る。
【0063】
上記したように、レセプタクル8は、マウスピース、チャネル34の側壁、及び出口壁部分70を画定する、一体に形成された単一の側壁部分32と、別個の入口壁部分40と、によって形成され得る。このことにより製造工程の単純化が可能になり、その場合、より多数の構成要素を複雑な製造工程で組み合わせるのではなく、チャネル34内に加香材料36が提供された後で、2つの構成要素(側壁部分32及び入口壁部分40)を組み合わせさえすればよい。
【0064】
図3A及び
図3Bは、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を示す。
図3Aは斜視図を提供し、一方で
図3Bはレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図2A、
図2B、及び
図2Cのレセプタクル8とは対照的に、
図3A及び
図3Bのレセプタクル8の側壁部分32は、液体を回収するための液体回収エリアを画定するような形状となっている。
図3A及び
図3Bの、
図2A、
図2B、及び
図2Cに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0065】
レセプタクル内に保持されている蒸気を、加香材料36上に、又はチャネル34を形成している側壁上に、液体として凝縮することができる。例えば、ユーザがデバイスに対する吸込をやめると、蒸気はマウスピース出口50への移動を停止することができ、冷却が始まり得る。凝縮された液体は表面張力によってレセプタクル8の壁の表面に付着する。液体は吸入中にユーザの口に向かって引き込まれ得る。液体は、例えば不透過性の壁に起因して、液体の流れが妨害される領域内に集まり得る。
図3A及び
図3Bに示されているように、凹部又は谷部90として設けられる液体を回収するための液体回収エリア又は領域は、チャネル34内でマウスピース出口50の近くに設けられ得る。例えば、凹部90は、側壁部分32と出口壁部分70の交差部によって設けられ得る。
【0066】
レセプタクル8(例えば、レセプタクル8の出口壁部分70)は、使用時の気流方向に実質的に沿う、レセプタクルの中心に向かう陥入部を画定し得る。この気流方向8は、レセプタクル8の長手軸線と平行になり得る。陥入とは、レセプタクル8の中央領域がレセプタクル8の周縁領域よりもレセプタクル8の中心に近いことを意味する。
図3Aに示されているように、レセプタクル8のマウスピース端部の周縁領域は長円形状を形成することができ、これがマウスピース出口50を画定し得る。出口壁部分70の複数の開口部は、気流方向に対して垂直な、陥入部の中央領域にある平面状の壁部分に設けられ得る。陥入部は、内側表面(すなわちレセプタクル内に面する上流表面)と、外側表面(すなわち通常使用時にユーザに見えている下流側)と、を有する。
【0067】
図3Bに示されているように、凹部90は、側壁部分32及びチャネル出口壁部分70によって形成される谷部(例えば、U形状の谷部又はV形状の谷部)として提供され得る。チャネル出口壁部分70の谷部を形成している部分は、複数の開口部のいずれも含まない周縁領域を形成する陥入部の内側表面であり得る。いくつかの例では、谷部又は凹部90は、チャネル出口壁90と側壁34との交差部に形成され得る。例えば、出口壁部分70の一部は、側壁34と90°未満の角度で交わり得る。90°未満の角度を有することによって、出口壁部分70と側壁34によってV形状が画定されると考えてもよいことが諒解されるであろう。他の例では、出口壁部分70と側壁34の間の交差部は、U形状により近い形状が得られるように、滑らかにするか又は丸みを帯びさせてもよい。更なる例では、出口壁部分70及び側壁34は、U形状の谷部が得られるように、平行な部分を含んでもよい。谷部又は凹部90を多くの異なる形態で提供できることが諒解されるであろう。
【0068】
いくつかの例では、谷部又は凹部90は、チャネル出口壁部分70と側壁34の間の交差部の一部のみに形成され得る。例えば、出口壁部分70の外周の第2の長さ部分が、第1の長さ部分を形成しない部分にわたって90°を超える交差角を有してもよい、及び/又は、複数の開口部のうちのいくつかの開口部を第2の長さ部分における交差部と隣り合わせることによって、液体がマウスピース出口50に向かって実質的に支障なく流れることができるようになる。これらの例では、液体回収エリアは細長い構成を有する谷部であってもよいか、又はより椀形状に近い凹部であってもよい。谷部又は凹部90を取り囲む壁の湾曲によって、谷部又は凹部90に向かう液体凝縮物の流れを促進することができる。いくつかの例では、谷部又は凹部90は、チャネル出口壁部分70と側壁部分32の交差部の全周に(言い換えれば、チャネル出口壁部分70の外周の全周に)形成され得る。
【0069】
凹部90は、凹部に液体が入ることができるように、一方側(例えば上流側)が開いている。いくつかの例では、凹部90は、典型的には気流方向と平行な、1mm~5mmの、好ましくは2mm~4mmの、最も好ましくは3mmの深さを有し得る。凹部は、0.2ml~1ml、好ましくは0.3ml~0.5mlの液体体積容量を有し得る。
【0070】
チャネル34は、液体案内用の1つ又は複数の内部突条又はチャネル80を提供するように構成され得る。突条又はチャネル80は、凹部90に向かう及び/又は複数の開口部から離れていくレセプタクル8内の液体の移動を補助又は促進する。液体案内機構について記載するために、突条及びチャネルが言い替え可能に使用され得ることが諒解されるであろう。例えば、液体案内チャネルが2つの液体案内突条の対面する縁部によって形成されると考えてもよく、同様に、液体案内突条が2つの液体案内チャネルの対面する縁部によって形成されるものと考えてもよい。
【0071】
突条又はチャネル80は典型的には、
図3Bに示されているように、通常使用時の気流方向と平行に設けられる。他の例では、図示されていないが、側壁部分32は、平行ではない突条及びチャネル80を提供するように構成され得る。いくつかの他の例では、チャネル34は、湾曲した突条及びチャネルを提供するように構成され得る。ほとんどの例では、突条又はチャネル80は、凹部90内で又は凹部90と隣り合って終端する。湾曲したチャネルは、凹部又は谷部90まで液体を案内できるように、凹部又は谷部90がチャネル出口壁部分70の一部の周囲だけに設けられる場合に有利であり得る。いくつかの例では、チャネル出口壁部分70と隣り合う側壁部分32の外側表面は、外部チャネル82(すなわちレセプタクルの外面上のチャネル)を有し得る。いくつかの例では、チャネル出口壁部分70には、チャネル80及び/又は外側チャネル82も設けられ得る。チャネル出口壁部分70の液体案内チャネル80は、凹部及び/又は谷部90に向かう液体の流れ又は移動を、促進又は補助することができる。
【0072】
図4A及び
図4Bは、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を示す。
図4Aは斜視図を提供し、一方で
図4Bはレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図3A及び
図3Bのレセプタクル8とは対照的に、
図4A及び
図4Bのレセプタクル8のチャネル出口壁部分70は、レセプタクル8の非平面状領域72内に形成されており、この結果、チャネル出口壁部分70の複数の開口部は非平面状の表面上に設けられている。
図4A及び
図4Bの、
図3A及び
図3Bに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0073】
非平面状領域72を画定するようにハウジング23を構成することによって、平面状領域とは対照的に、表面積の増加がもたらされる。例えば、円形表面はπ*半径2の表面積を有し、一方で半球表面は2*π*半径2の表面積を有することが諒解されるであろう。三次元表面を提供することによって、チャネル出口壁部分70の表面積が、第3の次元における表面の広がりに応じて、二次元表面を有するチャネル出口壁に対して大きくなる。
【0074】
非平面状領域72は、マウスピース出口50の周縁領域によって区切られる。非平面状領域72は、連続的に湾曲する表面を有し得る。非平面状領域は、非平面状領域及び周縁領域が椀形状又は凹形状を形成するように、周縁領域の境界内に連続的に湾曲する表面を画定し得る。非平面状領域の湾曲表面は一定ではない場合があり、曲率半径によって定義され得る。いくつかの例では、非平面状領域72は、周縁領域に近いほど大きい曲率半径を、及び周縁領域から遠いほど小さい曲率半径を有し得る。また更に、いくつかの例では、非平面状領域72は、第1の平面及び第2の平面において異なる曲率半径を有し得る。例えば、
図4に示されているように、マウスピース出口50は楕円形状を有し得る。楕円の長軸と気流方向とによって定められる平面における曲率半径は、楕円の短軸と気流方向とによって定められる面における曲率半径よりも小さい曲率半径を有する。
【0075】
いくつかの例では、非平面状領域の曲率半径は、0.3cm~3.0cm、0.3~2.5cm、0.3cm~2.0cm、0.3cm~1.5cm、及び0.3cm~1.0cmから成る群から選択される範囲を有し、曲率半径は第1の平面におけるものであり、第1の平面は通常使用時の気流方向に対して垂直である。いくつかの例では、第1の平面は、マウスピース出口50の周縁部分の形状の軸線と気流方向の軸線とによって定められ得る。例えば、この形状の軸線は、周縁部分によって画定される楕円の長軸又は短軸であり得る。
【0076】
いくつかの例では、ノンポーラーな(non-polar)領域の第2の曲率半径は、0.3cm~3.0cm、0.3~2.5cm、0.3cm~2.0cm、0.3cm~1.5cm、及び0.3cm~1.0cmから成る群から選択される範囲を有し、第2の曲率半径は、通常使用時の気流方向及び第1の平面の法線の両方に対して垂直な軸線に対するものである(例えば、気流方向が第1の軸線を定め、第1の平面の法線が第2の軸線を定め、第3の軸線は第1及び第2の軸線に対して垂直であり、第2の曲率半径は第3の軸線に対して定められる、と考えることができる)。いくつかの例では、連続的に湾曲する表面の第2の曲率半径は第2の軸線に関して実質的に無限大であり、この場合、非平面状の表面は平坦であるか、又は通常使用時の気流方向及び第1の平面の両方に対して垂直な軸線に関して実際上湾曲していないことが、諒解されるであろう。
【0077】
図5は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図4Bのレセプタクル8とは対照的に、側壁部分32は陥入部を画定せず、代わりに
図5のレセプタクル8のチャネル出口壁部分70の非平面状の表面72は、レセプタクル8の中心から外向きに湾曲している。
図5の、
図4Bに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0078】
図5に描かれているレセプタクル8のマウスピース出口は、レセプタクル8の内部領域に対して凸形状を呈する。
図4A及び
図4Bと同様に、非平面状領域72を画定するように側壁部分32を構成することによって、平面状領域とは対照的に、表面積の増加がもたらされる。
図4A及び
図4Bとは対照的に、側壁部分32は、レセプタクル8の中心から最も遠い中央領域及び中央領域を取り囲む周縁領域を含む、マウスピースの外側表面を画定する。周縁領域は、チャネル34の端部及び/又は液体を回収するための凹部90とほぼ隣接し得る。
【0079】
凹部90を、チャネル34の外周の全体又はチャネル34の外周の一部を取り囲む谷部(例えば、U形状の谷部又はV形状の谷部)として設けることができる。チャネル出口壁部分70と側壁部分32が交わることによって凹部が生まれ得る。チャネル出口壁部分70は、側壁部分32に対して、チャネル出口壁部分70及び側壁部分32によって凹部が画定されるような角度で設けることができ、凹部90は、液体が凹部に入れるように一方側が開いている。いくつかの例では、凹部は、出口壁部分70又は側壁部分32のいずれかから延びている追加の壁特徴部によって画定され得る。いくつかの例では、凹部90は、典型的には気流方向と平行な、1mm~5mmの、好ましくは2mm~4mmの、最も好ましくは3mmの深さを有し得る。凹部は、0.2mlと1mlの間、好ましくは0.3mlと0.5mlの間の液体体積容量を有し得る。
【0080】
図5に係るいくつかの例では、非平面状領域の曲率半径は、0.3cm~3.0cm、0.3~2.5cm、0.3cm~2.0cm、0.3cm~1.5cm、及び0.3cm~1.0cmから成る群から選択される範囲を有し、曲率半径は第1の平面におけるものであり、第1の平面は通常使用時の気流方向に対して垂直である。いくつかの例では、第1の平面は、マウスピース出口50の周縁部分の形状の軸線と気流方向の軸線とによって定められ得る。例えば、この形状の軸線は、周縁部分によって画定される楕円の長軸又は短軸であり得る。
【0081】
図5に係るいくつかの例では、ノンポーラーな(non-polar)領域の第2の曲率半径は、0.3cm~3.0cm、0.3~2.5cm、0.3cm~2.0cm、0.3cm~1.5cm、及び0.3cm~1.0cmから成る群から選択される範囲を有し、第2の曲率半径は、通常使用時の気流方向及び第1の平面の法線の両方に対して垂直な軸線に対するものである。いくつかの例では、連続的に湾曲する表面の第2の曲率半径は第2の軸線に関して実質的に無限大であり、この場合、非平面状の表面は通常使用時の気流方向及び第1の平面の法線の両方に対して垂直な軸線に関して実際上湾曲していないことが諒解されるであろう。
【0082】
図6は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図4Bのレセプタクル8とは対照的に、側壁部分32は、液体を回収するための凹部90を画定しない。
図6の、
図4Bに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0083】
図6では、複数の穴を有する非平面状領域72はチャネル34の縁部に延びていてもよく、この場合、液体を回収するための凹部は形成されない。この結果、複数の穴により大きい表面積が与えられる。また更に、このことにより、チャネル34の全体にわたるより均一な空気の流れが促進され、中央領域に空気の流れが集中するのが回避され得る。
【0084】
図7は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図4Bのレセプタクル8とは対照的に、レセプタクル8は、一体に形成された単一の構成要素として形成された、側壁部分32、マウスピース、及び(出口壁部分70ではなく)入口壁部分40を備える。
図6の、
図4Bに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0085】
上記の例と同様に、一体に形成された構成要素は、マウスピース、側壁部分、及び入口壁部分40を単一の型を使用して一体成形することによって形成され得る。構成要素は、射出成形又は任意の他の従来の工程を使用して形成され得る。例えば、構成要素は付加製造工程、例えば好適な材料のトップダウン又はボトムアップ3Dプリンティングによって、一体に形成され得る。いくつかの例では、鋳造工程を用いてもよい。
【0086】
図7に示されているように、入口壁部分40は、複数の穴を有する非平面状領域72を含み得る。非平面状領域72を画定するようにハウジング23を構成することによって、平面状領域とは対照的に、表面積の増加がもたらされる。例えば、円形表面はπ*半径
2の表面積を有し、一方で半球表面は2*π*半径
2の表面積を有することが諒解されるであろう。三次元表面を提供することによって、チャネル入口壁部分40の表面積が、第3の次元における表面の広がりに応じて、二次元表面を有するチャネル入口壁に対して大きくなる。
【0087】
非平面状領域72は、挿入部分38の基部の周縁領域によって区切られる。非平面状領域72は、連続的に湾曲する表面を有し得る。非平面状領域は、非平面状領域及び周縁領域が椀形状又は凹形状を形成するように、周縁領域の境界内に連続的に湾曲する表面を画定し得る。非平面状領域の湾曲表面は一定ではない場合があり、曲率半径によって定義され得る。いくつかの例では、非平面状領域72は、周縁領域に近いほどより大きい曲率半径を、及び周縁領域から遠いほどより小さい曲率半径を有し得る。また更に、いくつかの例では、非平面状領域72は、第1の平面及び第2の平面において異なる曲率半径を有し得る。
【0088】
レセプタクル8を香料材料36で充填した後で、出口壁部分70が設けられ得る。側壁部分32は、チャネル出口壁部分70を有する端部の反対側にあるチャネル34の端部内に、チャネル出口壁部分70を保持するための保持機構60(図示せず)を画定するように更に構成され得る。保持機構とは、チャネル出口壁部分70をチャネル34内に保持するための機構を意味する。言い換えれば、保持機構60は、挿入後にチャネル出口壁部分70がチャネル34から出ることを阻止又は防止する。チャネル入口壁部分40の存在に起因して、チャネル入口壁部分40を有する端部によってチャネル出口壁部分70がチャネル34から出ることが防止されることが諒解されるであろう。
【0089】
図2B及び
図2Cの保持機構と同様に、保持機構60は複数のタブを備え得る。タブは、圧力(及び任意選択で熱)が加わると上向きに畳まれて、チャネル34の中心に向かって内側を向くように構成されている。使用時、出口壁部分70は側壁部分32によって形成されるチャネル34に挿入され、次いで保持機構60はチャネル34の直径を狭めるように調整され、この結果出口壁部分70がチャネル34から出ることが阻止される。出口壁部分70は、チャネル34に挿入されるのに十分に小さいが、保持機構60によって保持されるのに十分に大きい形状を有するように構成されることが諒解されるであろう。
【0090】
他の例では、図示されていないが、保持機構60は従来の技法によって、例えばねじ山、クリップ、又はラッチ機構に基づいて確立され得る。別法として又は加えて、保持機構60は、入口壁部分40をハウジングに接着するために接着剤又は超音波溶接を使用し得る。これは
図7に示すタブの代わりとなり得る。
【0091】
図8は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図4Bのレセプタクル8とは対照的に、複数の穴を有する非平面状領域72は、平面状の又は平坦な中央領域73と湾曲領域74とを備える。
図8の、
図4Bに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0092】
非平面状領域72の例は、平面状領域73と、平面状領域73と境界を接する少なくとも1つの他の隣接湾曲領域74と、を備え得る。
図8に示されているように、平面状領域73は出口壁部分70の中央部分を含み、少なくとも1つの隣接湾曲領域74は、中央部分の少なくとも一部を取り囲むか又はその境界となる。いくつかの例では、平面状領域73は非平面状領域72の円形又は楕円形の中央部分を画定し、隣接する非平面状領域はこの円形又は楕円形の表面の縁部から延びている非平面状の表面を画定する。例として、隣接湾曲領域74は、平面状領域73の円形の中央部分を取り囲む環体であり得る。
【0093】
他の例では、平面状部分73は、いくつかの縁部を備えた多角形形状を有する表面を備え得る(例えば、表面は正方形であり得る)。平面状の表面73の縁部から湾曲表面74が延びている。上記表面の異なる縁部、例えば上記表面の反対側の縁部(すなわち正方形の平行な縁部)から、第2の隣接湾曲表面74が延びていてもよい。いくつかの例では、隣接湾曲表面又は部分74同士は、互いに隣り合わなくてもよい。例えば、隣接湾曲表面74は、非平面状領域72の複数の穴のいずれも含まない壁によって接続され得る。
【0094】
図8の例には、出口壁部分70の中央領域が平面状の又は平坦な表面を有することが描かれているが、他の例では、中央領域は湾曲表面を有することができ、1つ又は複数の隣接領域は平坦表面を有することができる。出口壁部分70は特定の要件に応じて、様々な異なる湾曲表面及び平面状の表面を提供するように構成され得ることが諒解されるであろう。
【0095】
図9は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はデバイスの長手軸線に対して垂直である。
図4Bのレセプタクル8とは対照的に、複数の穴を有する非平面状領域72は複数の平面状領域73を備え、それらの各々は、複数の平面状領域73の他のどの表面とも非平行な法線を有する表面を画定する。
図9の、
図4Bに示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0096】
いくつかの例では、非平面状部分72は、各々がそれ以外の部分の表面によって画定される平面とは異なる平面を有する表面を画定する、複数の平面状部分から形成され得る。
【0097】
他の例では、平面状部分73は、いくつかの縁部を備えた多角形形状を有する表面を備え得る(例えば、表面は正方形であり得る)。表面の縁部から隣接湾曲表面74が延びている。上記表面の異なる縁部、例えば上記表面の反対側の縁部(すなわち正方形の平行な縁部)から、第2の隣接湾曲表面74が延びていてもよい。いくつかの例では、隣接湾曲表面74同士は、互いに隣り合わなくてもよい。例えば、隣接湾曲表面74は、非平面状領域72の複数の穴のいずれも含まない壁によって接続され得る。
【0098】
図10は、
図9の例示のレセプタクル8に係る、レセプタクル8を上から見下ろした図を提供する。
図10の、
図9に示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。上から見下ろすとは、視野が通常使用時の気流方向に対して垂直な平面内にあることを意味する。言い換えれば、これはレセプタクル8の長手軸線に対して垂直な平面内にある視野である。
【0099】
示されている例では、非平面状部分72は、7つの平面状部分73の組を含む。中央の平面状部分は、六角形形状を有する表面を画定する。六角形の中央部分の6つの辺の各々から、それ以外の6つの平面状部分のうちの1つが延びている。平面状部分73の各々は、中央の平面状部分から側壁部分32によって画定されるマウスピース出口50の縁部まで延びる表面を画定する。中央部分を取り囲む平面状部分の各々の平面は、中央部分に対して、どの平面状部分73が定める法線もそれ以外のどの平面状部分73の法線とも平行にならないような角度を成している。
【0100】
いくつかの例では、非平面状領域72の複数の穴は、平面状部分73の各々において全体に規則的に離間され得る。他の例では、平面状部分73のうちの1つ又は複数は、より大きい穴の密度を有してもよい。例えば、非平面状の表面の中央に設けられる平面状部分73は、非平面状領域72の外側の周囲の平面状部分と比較して、より大きい又はより小さい穴の密度を有し得る。他の例では、図示されていないが、非平面状領域72を提供するための、平面状部分73の他の構成が存在し得ることが諒解されるであろう。例えば中央領域が存在しなくてもよく、又は中央領域が異なる数の縁部、例えば3~12本の縁部を有し得る。
【0101】
図11は、
図8の例示のレセプタクル8に係る、レセプタクル8を上から見下ろした図を提供する。
図11の、
図8に示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。上から見下ろすとは、視野が通常使用時の気流方向に対して垂直な平面内にあることを意味する。言い換えれば、これはレセプタクル8の長手軸線に対して垂直な平面内にある視野である。
【0102】
示されているように、非平面状領域72の複数の穴は、非平面状領域72の中心の周囲に同心に配置され得る。非平面状領域72の中心はデバイスを通る長手軸線の中心であってもよく、この長手軸線を中心として少なくとも1回対称性がある。いくつかの例では、長手軸線は通常使用時、気流の中心でもあり得る。いくつかの例では、穴の密度は非平面状領域にわたって一定であり得る。他の例では、穴の密度は中心からの距離に伴って増減し得る。
【0103】
図12は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るマウスピース出口50及び側壁部分32の一部の断面の図を提供する。
図12の特定の態様は先行する図に示すものと実質的に同様であり、再び詳細には記載しない。
【0104】
図12の例示のマウスピース出口50には、非平面状領域72の複数の穴の位置が描かれている。上述したように、出口壁部分70は、出口壁の一方側から出口壁の他方側へと空気が通過するのを可能にする複数の穴を有する。出口壁部分70は、側壁部分32によって形成されるチャネル34のマウスピース出口50端部に設けられる。出口壁部分70は、チャネル34の端部よりも僅かに内側にセットされる(inset)。側壁部分32及び出口壁部分70は、液体を保持するための凹部90を更に画定し得る。
【0105】
示されているように、出口壁部分70は、複数の穴又は開口部77を有する非平面状領域72を備える。開口部の各々は、レセプタクル8の長手軸線と平行に設けられる。長手軸線は通常使用時、レセプタクル8を通る気流方向と実質的に平行となっている。
【0106】
図13は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るマウスピース出口50及び側壁部分32の一部の断面の図を提供する。
図13の特定の態様は先行する図に示すものと実質的に同様であり、再び詳細には記載しない。
【0107】
図13の例示のマウスピース出口50には、非平面状領域72の複数の穴の位置が描かれている。上述したように、出口壁部分70は、出口壁の一方側から出口壁の他方側へと空気が通過するのを可能にする複数の穴を有する。出口壁部分70は、側壁部分32によって形成されるチャネル34のマウスピース出口50端部に設けられる。出口壁部分70は、チャネル34の端部よりも僅かに内側にセットされる(inset)。側壁部分32及び出口壁部分70は、液体を保持するための凹部90を更に画定し得る。
【0108】
示されているように、出口壁部分70は、複数の穴又は開口部77を有する非平面状領域72を備える。開口部77の各々は出口壁を貫通する孔を備え、孔は、対応する開口部の場所としての非平面状領域の法線と平行な長手軸線を有する。このことは、香料材料36の周縁領域からの空気の流れを補助し得る。
【0109】
図14は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はレセプタクル8の長手軸線に対して垂直である。
図14の、先行する図に示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0110】
側壁部分32は、ある方向への入口壁部分40の移動を防止するように構成されている、桟部又はリップ120を備え得る。例えば、入口壁部分40は、マウスピース出口50端部からチャネル34に挿入され得る。入口壁部分40は、チャネル34内でマウスピース出口50とリップ120の間を移動し得るが、入口壁部分40はリップ120を越えては移動できない。このように、入口壁部分40は、リップ120を使用して側壁部分32に取り付けられ得る。
【0111】
リップ又は桟部120は、チャネル34を形成している側壁部分32から内向きに延びている、1つ又は複数の突出部によって形成され得る。したがって、リップ又は桟部120は、入口壁部分40の移動を阻止して入口壁をチャネル内に保持し、以ってレセプタクル8内の入口壁部分40の位置を維持するように構成されている。いくつかの例では、入口壁部分40は、入口壁部分40の配置を維持するために、超音波溶接、接着剤、又は任意の他の従来の技法によって、側壁部分32に追加的に接続され得る。
【0112】
他の例では、側壁部分32及び入口壁部分40は、例えば、単一の型を使用する射出成形によって、又は単一の構成要素を3Dプリントすることによって、一体に形成され得る。これらの他の例では、レセプタクル8はリップ110を備えても備えなくてもよい。また更に、
図14の入口壁部分40は平面状又は平坦であるが、他の例では入口壁部分40は非平面状であってもよく、例えば、
図7及び関連する実施形態に記載されているように構成され得る。
【0113】
レセプタクル8は、側壁部分32と、マウスピース要素110と、出口壁部分70と、入口壁部分40と、を備える。マウスピース要素110は、出口壁部分70と一体に形成されるか、またそれ以外の方法でそれに接続される。例えば、マウスピース要素110は単一の型を使用して出口壁部分70と一体に形成され得る、又は、マウスピース要素110及び出口壁部分70は別個に形成され、超音波溶接、接着剤、若しくは任意の他の従来の技法によって接続されて単一の構成要素を形成し得る。レセプタクル8は、中に香料材料36が提供され得るチャネル34を画定する、側壁部分32を備える。
【0114】
図14の例では、出口壁部分70は、出口壁部分70が(例えば、マウスピース要素110を側壁部分32に装着することによって)側壁部分32に装着されるときに、レセプタクル8のチャネル34に挿入される、チャネル挿入部分130を備える。出口壁部分70は、図示のように、チャネル挿入部分130の基部に設けられ得る。チャネル挿入部分130は、チャネル挿入部分130がチャネルに挿入されるときにチャネル挿入部分130がチャネル34の側壁に密接に嵌合するように(すなわち、チャネル挿入部分130がチャネル34の側壁と緊密に嵌合するような締まりばめ)、それが挿入されるチャネル34の部分にほぼ一致するが僅かに小さい形状を有するように構成される。例として、チャネル挿入部分130及びチャネル34は円筒形であってもよく、チャネル挿入部分130の直径はチャネル34の直径よりもごく僅かだけ小さくてもよい。出口壁部分70は、チャネル挿入部分130によって形成される円筒体に栓をする円形部分として設けることができる。チャネル34及びチャネル挿入部分130の構成は、チャネル34とチャネル挿入部分130の間の密接な嵌合を依然として可能にするような、様々な対応する形状で提供され得ることが諒解されるであろう。また更に、
図14の出口壁部分70は平面状又は平坦であるが、他の例では出口壁部分70は非平面状であってもよく、例えば、
図4A、
図4B、
図5、
図6、及び
図8~
図13、並びに関連する実施形態に記載されているように構成され得る。
【0115】
いくつかの例では、側壁部分32及びマウスピース要素110が、着脱可能に1つに結合されてもよい。レセプタクル8内の加香材料36を使い切ると、又は単にユーザが異なる加香材料に取り替えることを望むとき、マウスピース要素110を側壁部分32から分離することができ、チャネル34内の加香材料36を交換することができる。側壁部分32及びマウスピース要素110は、これら2つの部分の間の構造的接続が確立されるように1つに結合され得る。
図14の例では、ラッチング要素又はクリップ150及びラッチング要素150の一部を受けるための対応するラッチ部材160によって、側壁部分32に対するマウスピース要素110の保持が容易になる。
【0116】
マウスピース要素110は一対のラッチング要素150を備え得る。2つのラッチング要素150は、対向するようにマウスピース要素110の各側に配設されている。ラッチング要素150は、足部分152と脚部分151とを備える。この例では、脚151は実質的に細長い要素であり、足152は、脚151の端部から脚151の長手方向の軸線に対して実質的に90度を成して突出している要素である。脚151の可撓性によって、脚151に外力が加わったときに、マウスピース要素110の残りの部分(例えばチャネル挿入部分130)に対して足152が移動することが可能になる。脚151(及びその結果としての足)の移動は、脚151の角度を何もしていない位置からマウスピース要素110の残りの部分に対して増減させる、ヒンジ式の移動と考えることができる。力が除かれると、脚151の弾性によって角度はその元のサイズに戻され、ラッチング要素の通常の形状が維持される。
【0117】
ラッチング要素150は側壁部分32に固定され、このとき脚151及び足152はハウジングの上面を越えて延びている。言い換えれば、側壁部分32の一部、及び少なくとも脚151は、レセプタクル8の長手方向において重なり合う。ラッチング要素150は、足部分152をラッチ部材160内に係止することによって固定され得る。足部分152は概ねラッチ部材160の平面内に存在する。ラッチ部材160は足部分152を受けるような形状であり、例えば、側壁部分32の側縁部から延びているラッチ部材160の突出部によって形成される穴又は凹部が存在し、その中に足部分152が挿入される。例えば、側壁部分32は型成形されるか、さもなければ、足部分の周囲に係合してそれを収容しその結果それを所定位置に保持する、剛性プラスチックから形成された成形部分を含む。
【0118】
他の例では、図示されていないが、マウスピース要素120は側壁部分32に従来の技法によって、例えば、2つの部分の間の電気接続及び空気経路を適宜確立するための、ねじ山、ラッチ機構、又はバヨネット固定手段の開口部に基づいて、機械的又は化学的に結合され得る。いくつかの例では、足部分152は、ラッチング要素150を貫通して側壁部分32内に装着されるねじ若しくはリベットによって、又はハウジングに接着若しくは溶接されることによって、係止され得る。これらの例では、側壁部分32及びマウスピース要素110が、着脱可能に1つに結合されることが意図されない場合のあることが諒解されるであろう。
【0119】
図15A~
図15Cは、レセプタクルへの香料材料の充填及び側壁部分32へのマウスピース要素110の装着を描いた、
図14の例示のレセプタクル8に係る一連の断面図を提供する。
図15A~
図15Cの、
図14に示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0120】
レセプタクル8は、香料材料36をチャネル34内で入口壁部分40と出口壁部分70の間に保持するように構成されている。
図15Aに示すように、レセプタクル8は、チャネル34内に入口壁部分40が設けられた後で、ある量の香料材料36で実質的に充填されることが意図されている。入口壁部分40は例えば、レセプタクル8及びリップ120の向きに起因して(すなわち重力によって)、又は任意の他の手段(例えば接着剤若しくは溶接)によって、チャネル34内に保持され得る。香料材料36は次いで、チャネル34の開いた出口端部を通ってレセプタクル8内に供給され得る。レセプタクル8への香料材料36の充填は、香料材料を導くための漏斗170、シュート、又は類似の要素によって補助され得る。
【0121】
続いて、
図15Bに示されているように、ラッチング要素150及び対応するラッチ部材160によって、マウスピース要素110を側壁部分32に装着することができる。マウスピース要素110が側壁部分32に装着されると、チャネル挿入部分130はチャネル34に挿入される。
【0122】
図15Cに示されているように、側壁部分32へのマウスピース要素110の装着によって、チャネル挿入部分130がチャネル34内の香料材料36を圧縮する。チャネル挿入部分130は、チャネル34の側壁、入口壁部分40、及び出口壁部分70で区切られている容積内の空の空間を事実上縮小又は除去することによって、香料材料36を圧縮し得る。レセプタクルは、香料材料の未圧縮体積に対して、5%~40%、10%~35%、15%~30%、及び20%~30%から成る群から選択される範囲で香料材料を圧縮するように構成され得る。
【0123】
また更に、入口壁部分40と、側壁部分32と、側壁によって画定されるチャネルの出口端部にある開口部と、によって画定される容積は、2cm3~10cm3、3cm3~9cm3、4cm3~8cm3、及び5cm3~8cm3から成る群から選択される範囲内の容積を有し得る。入口壁部分40、側壁部分32、及び外壁部分70によって画定される容積(マウスピース要素110が側壁部分32に装着される場合)は、1cm3~8cm3、2cm3~7cm3、2.5cm3~6cm3、及び3cm3~5cm3から成る群から選択される範囲内の容積を有し得る。また更に、入口壁部分40と、側壁部分32と、側壁によって画定されるチャネルの出口端部にある開口部と、によって画定される容積は、香料材料の未圧縮体積によって、50%~95%、60%~85%、65%~80%、及び70%~80%から成る群から選択される範囲内で充填され得る。
【0124】
図16は、
図1の例示の蒸気送達システム1に係るレセプタクル8を通る断面の図を提供し、断面の平面はレセプタクル8の長手軸線に対して垂直である。
図14のレセプタクルとは対照的に、
図16のレセプタクルは、入口壁部分40と側壁部分32に接続されるように構成されているラッチング要素150とを備える、装着体180を含む。
図16の、先行する図に示すものと実質的に同様である態様については、詳細に記載しない。
【0125】
レセプタクル8は、側壁部分32と、出口壁部分70と、入口壁部分40と、を備える。側壁部分32は、マウスピース出口50、及び中に香料材料36が提供され得るチャネル34、並びに任意選択で出口壁を画定するように構成されている。出口壁部分70は、側壁部分32に(例えば、超音波溶接又は接着剤を使用して)別個に装着され得るか、又は、
図14に詳細に示すようなリップ特徴部を使用して配置され得る。
図16のレセプタクルにおいて使用される桟部又はリップ120は、ある方向への(入口壁ではなく)出口壁部分70の移動を防止するように構成され得る。出口壁部分70は、チャネル34内でチャネル34の入口端部とリップ120の間を移動し得るが、出口壁部分70はリップ120を越えては移動できない。別法として、側壁部分32及び出口壁部分70(及びハウジングの任意の他の構成要素)は、例えば単一の型を使用する射出成形又は上記した他の方法によって、一体に形成され得る。側壁部分32はまた、カートリッジ4のコントロールユニット2に結合する端部の反対側にある空気経路52の開口端に設けられた受け部54に挿入されるレセプタクル8の挿入部分38も画定し得る。挿入部分は、側壁部分32及び出口壁部分70と一体に形成され得る。また更に、
図14の出口壁部分70は平面状又は平坦であるが、他の例では出口壁部分70は非平面状であってもよく、例えば、
図4A、
図4B、
図5、
図6、及び
図8~
図13、並びに関連する実施形態に記載されているように構成され得る。
【0126】
図16の例では、入口壁部分40は装着体180の一部として設けられ、装着体180はまた、入口壁部分40がハウジングに装着されるときにレセプタクル8のチャネル34に挿入されるチャネル挿入部分130も含む。入口壁部分40は、チャネル挿入部分130の基部に設けられる。チャネル挿入部分130は、チャネル挿入部分130がチャネルに挿入されるときにチャネル挿入部分130がチャネル34の側壁に密接に嵌合するように、それが挿入されるチャネル34の部分にほぼ一致するが僅かに小さい形状を有するように構成される。例として、チャネル挿入部分130及びチャネル34は円筒形であってもよく、チャネル挿入部分130の直径はチャネル34の直径よりもごく僅かだけ小さくてもよい。入口壁部分40は、チャネル挿入部分130によって形成される円筒体に栓をする円形部分として設けることができる。チャネル34、チャネル挿入部分130の構成は、チャネル34とチャネル挿入部分130の間の密接な嵌合を依然として可能にするような、様々な形状で提供され得ることが諒解されるであろう。
【0127】
いくつかの例では、側壁部分32及び装着体180が、着脱可能に1つに結合されてもよい。レセプタクル8内の加香材料36を使い切ると、又は単にユーザが異なる加香材料に取り替えることを望むとき、装着体180を側壁部分32から分離することができ、チャネル34内の加香材料36を交換することができる。側壁部分32及び装着体180は、これら2つの部分の間の構造的接続が確立されるように1つに結合され得る。
図14の例では、ラッチング要素又はクリップ150及びラッチング要素150の一部を受けるための対応するラッチ部材160によって、側壁部分32に対する装着体180の保持が容易になる。
【0128】
装着体180は一対のラッチング要素150を備え得る。2つのラッチング要素150は、対向するようにマウスピース要素110の各側に配設されている。ラッチング要素150は、足部分152と脚部分151とを備える。この例では、脚151は実質的に細長い要素であり、足152は、脚151の端部から脚151の長手方向の軸線に対して実質的に90度を成して突出している要素である。脚151の可撓性によって、脚151に外力が加わったときに、装着体180の残りの部分(例えばチャネル挿入部分130)に対して足152が移動することが可能になる。脚151(及びその結果としての足)の移動は、脚151の角度を平常時の位置から装着体180の残りの部分に対して増減させる、ヒンジ式の移動と考えることができる。力が除かれると、脚151の弾性によって角度はその元のサイズに戻され、ラッチング要素の通常の形状が維持される。
【0129】
ラッチング要素150は側壁部分32に固定され、このとき脚151及び足152はハウジングの上面を越えて延びている。言い換えれば、側壁部分32の一部、及び少なくとも脚151は、レセプタクル8の長手方向において重なり合う。ラッチング要素150は、足部分152をラッチ部材160内に係止することによって固定され得る。足部分152は概ねラッチ部材160の平面内に存在する。ラッチ部材160は足部分152を受けるような形状であり、例えば、側壁部分32の側縁部から延びているラッチ部材160の突出部によって形成される穴又は凹部が存在し、その中に足部分152が挿入される。例えば、側壁部分32は型成形されるか、さもなければ、足部分の周囲に係合してそれを収容しその結果それを所定位置に保持する、剛性プラスチックから形成された成形部分を含む。
【0130】
他の例では、図示されていないが、マウスピース要素120は側壁部分32に従来の技法によって、例えば、2つの部分の間の電気接続及び空気経路を適宜確立するための、ねじ山、ラッチ機構、又はバヨネット固定手段の開口部に基づいて、機械的又は化学的に結合され得る。いくつかの例では、足部分152は、ラッチング要素150を貫通して側壁部分32内に装着されるねじ若しくはリベットによって、又はハウジングに接着若しくは溶接されることによって、係止され得る。これらの例では、側壁部分32及び装着体180が、着脱可能に1つに結合されることが意図されない場合のあることが諒解されるであろう。
【0131】
充填工程中、レセプタクル8は、チャネル34内に出口壁部分70が設けられた後で、ある量の香料材料36で実質的に充填されることが意図されている。出口壁部分70は例えば、レセプタクル8及びリップ120の向きに起因して(すなわち重力によって)、又は任意の他の手段(例えば接着若しくは溶接)によって、チャネル34内に保持され得る。香料材料36は次いで、チャネル34の開いた入口端部を通ってレセプタクル8内に供給され得る。レセプタクル8への香料材料36の充填は、香料材料を導くための漏斗、シュート、又は類似の要素によって補助され得る。装着体180は、ラッチング要素150及び対応するラッチ部材160によって、側壁部分32に装着することができる。装着体180が側壁部分32に装着されると、チャネル挿入部分130はチャネル34に挿入される。側壁部分32への装着体180の装着によって、チャネル挿入部分130がチャネル34内の香料材料36を圧縮する。チャネル挿入部分130は、チャネル34の側壁、入口壁部分40、及び出口壁部分70で区切られている容積内の空の空間を事実上縮小又は除去することによって、香料材料36を圧縮し得る。上で詳述したように、レセプタクルは、香料材料の未圧縮体積に対して、5%~40%、10%~35%、15%~30%、及び20%~30%から成る群から選択される範囲で香料材料を圧縮するように構成され得る。
【0132】
また更に、入口壁部分40と、側壁部分32と、側壁によって画定されるチャネルの出口端部にある開口部と、によって画定される容積は、2cm3~10cm3、3cm3~9cm3、4cm3~8cm3、及び5cm3~8cm3から成る群から選択される範囲内の容積を有し得る。入口壁部分40、側壁部分32、及び外壁部分70によって画定される容積(マウスピース要素110が側壁部分32に装着される場合)は、1cm3~8cm3、2cm3~7cm3、2.5cm3~6cm3、及び3cm3~5cm3から成る群から選択される範囲内の容積を有し得る。また更に、入口壁部分40と、側壁部分32と、側壁によって画定されるチャネルの出口端部にある開口部と、によって画定される容積は、香料材料の未圧縮体積によって、50%~95%、60%~85%、65%~80%、及び70%~80%から成る群から選択される範囲内で充填され得る。
【0133】
図17は、本開示の特定の実施形態に係る吸入可能媒体を生成するための装置によって生成された吸入可能媒体に香料を付与するための香料材料用のレセプタクルを製造する方法を、概略的に表す。レセプタクルは、側壁部分と出口壁部分と入口壁部分とを備え、側壁部分が香料材料用の空洞を画定し、入口壁部分及び出口壁部分が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、方法は、入口壁部分及び出口壁部分の一方が取り付けられている側壁部分を用意する第1のステップS1と、空洞内に香料材料を設置する第2のステップS2と、入口壁部分と出口壁部分の間で香料材料が圧縮されるように、入口壁部分及び出口壁部分の他方を側壁部分に取り付ける第3のステップS3と、を含む。
【0134】
このように、ユーザに吸入される蒸気が生成される蒸気生成領域から、蒸気に香料を付与するための香料付与媒体を受け入れるためのレセプタクルの香料付与領域まで延びている、空気通路を備える、エアロゾル送達システムであって、レセプタクルが香料材料を保持するための壁を備え、壁が気流用の複数の開口部と非平面状領域とを備え、複数の開口部が非平面状領域内に配置されている、エアロゾル送達システム、について記載されている。
【0135】
また更に、ユーザに吸入される蒸気が生成される蒸気生成領域から、蒸気に香料を付与するための香料付与媒体を受け入れるためのレセプタクルの香料付与領域まで延びている、空気通路を備える、エアロゾル送達システムであって、レセプタクルが側壁部分と出口壁部分と入口壁部分とを備え、側壁部分が香料材料用の空洞を画定し、入口壁部分及び出口壁部分が気流が空洞を通ることを可能にするための複数の開口部を各々備え、入口壁部分及び出口壁部分が側壁部分に取り付けられて、入口壁部分と出口壁部分の間で空洞内の香料材料を圧縮するようになっている、エアロゾル送達システム、について記載されている。
【0136】
また更に、ユーザに吸入される蒸気が生成される蒸気生成領域から、エアロゾル送達システムによって生成された蒸気に香料を付与するための香料付与媒体を受け入れるためのレセプタクルの香料付与領域まで延びている、空気通路を備える、エアロゾル送達システムであって、レセプタクルが、マウスピース部分と、側壁と、気流用の複数の開口部を有するマウスピース部分の出口壁と、を備え、マウスピース部分、側壁、及び出口壁が一体に形成されている、エアロゾル送達システム、について記載されている。
【0137】
また更に、ユーザに吸入される蒸気が生成される蒸気生成領域から、蒸気に香料を付与するための香料付与媒体を受け入れるためのレセプタクルの香料付与領域まで延びている、空気通路を備える、エアロゾル送達システムであって、レセプタクルが、側壁と、側壁から内向きに延びているレセプタクルの入口壁又は出口壁の一方を支持するためのリップと、を備えるハウジングを備える、エアロゾル送達システム、について記載されている。
【0138】
図1を参照して上で検討した実施形態は、吸入可能媒体を生成するためのエアロゾル化可能な液体材料を有するデバイスにある程度焦点を絞っているが、既に指摘したように、他のエアロゾル化可能材料、例えば、タバコ由来材料といった植物由来材料を始めとする固体材料、又は、ゲル、ペースト、若しくは泡に基づくエアロゾル化可能材料などの他の形態のエアロゾル化可能材料に基づくデバイスに、同じ原理を採用することができる。この場合、エアロゾル化可能材料は例えば、ニコチン及び/又は香味料を含んでも含まなくてもよい、固体、液体、又はゲルの形態であり得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は「非晶質固体」を含むことができ、これは代替として「モノリシック固体」(つまり、非繊維質の)と呼ばれる場合もある。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルであり得る。非晶質固体は、中にある程度の流体、例えば液体を保持し得る固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は例えば、非晶質固体の約50wt%、60wt%、又は70wt%から、非晶質固体の約90wt%、95wt%、又は100wt%まで含み得る。
【0139】
エアロゾル化可能材料(エアロゾル生成材料又はエアロゾル前駆体材料と呼ぶ場合もある)はいくつかの実施形態では、蒸気生成剤若しくはエアロゾル生成剤、又は保湿剤を含み得る。例示のそのような作用剤は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニル酢酸塩、トリブチリン、ラウリル酢酸塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレン炭酸塩である。1種又は複数種のエアロゾル生成剤(複数可)を含む調合物を本明細書では活性剤と呼ぶ。
【0140】
また更に、既に指摘したように、上記した手法を、
図1に表したものとは異なる全体構造を有するエアロゾル送達システム、例えば電子喫煙品において実施できることが、諒解されるであろう。例えば、2部分で成るモジュール式構築物を備えず代わりに単一部分で成るデバイスを備えるエアロゾル送達システム、例えば使い捨ての(すなわち再充電不可及び再充填不可の)デバイスにおいて、同じ原理を採用することができる。また更に、モジュール式デバイスのいくつかの実装形態では、構成要素の構成は異なり得る。例えば、いくつかの実装形態では、コントロールユニットはまた、エアロゾルを生成するために使用するエアロゾル化可能材料の供給源を提供する交換可能カートリッジを有する気化器も備え得る。
【0141】
その上更に、いくつかの例では、デバイスを通る気流経路内に配置されているレセプタクル(香料インサート/ポッド)は、気化器の下流とは対照的に気化器の上流にあってもよい。
【0142】
本明細書で使用する場合、用語「香料」及び「香味料」、及び関連用語は、現地の規制が許可する範囲で、成人消費者用の製品において所望の味又は香りを生み出すために使用できる材料を指す。材料は、模造品、合成原料若しくは天然原料、又はこれらの混合物であってもよい。材料は、油、液体、又は粉末など、任意の好適な形態のものであってよい。
【0143】
様々な課題に対処し当技術分野を発展させるために、本開示には、特許請求される発明(複数可)が実施され得る様々な実施形態が、例示により示されている。本開示の利点及び特徴は実施形態の代表的なサンプルについてのものに過ぎず、網羅的及び/又は排他的なものではない。それらは、特許請求される発明(複数可)の理解を助けるため、及びそれらについて教示するために提示されているに過ぎない。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、各請求項によって規定される本開示を限定するもの又は各請求項の等価物を限定するものと見なすべきではないこと、並びに、各請求項の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用してもよく修正を行ってもよいことが、理解されるべきである。様々な実施形態は、本明細書に特定的に記載されている組合せ以外の、開示される要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段、等の様々な組合せを好適に備え、それらから成り、又はそれらから本質的に成り、したがって、従属請求項の特徴を独立請求項の特徴と、特許請求の範囲に明示的に提示されている組合せ以外の組合せで組み合わせることのできることが、諒解されるであろう。本開示は、現時点では特許請求されていないが将来特許請求され得る他の発明を含み得る。