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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/309 20150101AFI20231031BHJP
   H04B 17/382 20150101ALI20231031BHJP
   H04B 17/23 20150101ALI20231031BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H04B17/309
H04B17/382
H04B17/23
H04L27/26 113
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021039037
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022138898
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】福元 伸哉
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-096447(JP,A)
【文献】特開2017-098966(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0194985(US,A1)
【文献】特開2004-207986(JP,A)
【文献】特開2004-159018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/309
H04B 17/382
H04B 17/23
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯でホッピング周波数を切り替えてデータの送受信を行う無線装置で使用することを推奨する推奨周波数を表示部で表示する表示装置であって、
前記周波数帯に割り当てられる複数のチャネル又は複数の中心周波数と、複数の前記チャネル又は複数の前記中心周波数に設定される占有周波数帯と、を対応付けて記憶する記憶部と、
ユーザが前記チャネル又は前記中心周波数を入力するための操作部と、
前記操作部によって入力された前記チャネル又は前記中心周波数に対応する前記占有周波数帯を前記記憶部の情報に基づいて判定し、前記周波数帯に含まれ且つ判定された前記占有周波数帯に含まれない周波数を前記推奨周波数と判定し、前記推奨周波数を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える、表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記操作部は、前記無線装置で使用される電波と他の電波とが干渉する頻度の許容量を示す干渉頻度をユーザが入力することを可能とし、
前記制御部は、前記干渉頻度が大きくなるほど前記占有周波数帯の帯域幅を狭くし、前記周波数帯に含まれ且つ狭くされた前記占有周波数帯に含まれない周波数を前記推奨周波数とする、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の周波数帯の周波数を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボット等を使用する産業設備において、マスターと複数のスレーブとが無線でデータの送受信を行うFA用ネットワークが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-261557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に開放された2.4GHzの周波数帯(ISMバンド)を利用してデータ通信を行う無線装置が増えている。このため、2.4GHzの周波数帯で電波干渉が発生する可能性も高くなってきている。
【0005】
産業設備を管理するユーザは、産業設備に新たに無線装置を設ける場合に、既に使用されている周波数を避けて無線装置の使用周波数を設定する必要がある。従って、複数のチャネルが使用されている場合、ユーザは使用されていない周波数、即ち空いている周波数を調べる必要がある。このような作業はユーザにとって煩わしい。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ユーザが所定の周波数帯の中で空いている周波数を容易に知ることができるようにする表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、所定の周波数帯でホッピング周波数を切り替えてデータの送受信を行う無線装置で使用することを推奨する推奨周波数を表示部で表示する表示装置であって、前記周波数帯に割り当てられる複数のチャネル又は複数の中心周波数と、複数の前記チャネル又は複数の前記中心周波数に設定される占有周波数帯と、を対応付けて記憶する記憶部と、ユーザが前記チャネル又は前記中心周波数を入力するための操作部と、前記操作部によって入力された前記チャネル又は前記中心周波数に対応する前記占有周波数帯を前記記憶部の情報に基づいて判定し、前記周波数帯に含まれ且つ判定された前記占有周波数帯に含まれない周波数を前記推奨周波数と判定し、前記推奨周波数を前記表示部に表示させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザは所定の周波数帯の中で空いている周波数を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】表示装置が使用される産業用無線通信システムの構成を示す図である。
図2】第1実施形態による表示装置を示すブロック図である。
図3】第1周波数情報の一例を示す図である。
図4】第1実施形態において表示装置が行う表示処理を示すフローチャートである。
図5】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
図6】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
図7】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
図8】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
図9】第2実施形態による表示装置を示すブロック図である。
図10】第2実施形態において表示装置が行う表示処理を示すフローチャートである。
図11】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
図12】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
図13】表示装置が表示する画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明に係る表示装置について実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
[1 第1実施形態]
[1.1 産業用無線通信システム10]
図1は、表示装置18が使用される産業用無線通信システム10の構成を示す図である。産業用無線通信システム10には、1つのコンピュータ12と、複数のベース無線装置14と、複数のリモート無線装置16と、表示装置18とが備えられる。1つのコンピュータ12と複数のベース無線装置14と表示装置18は有線(例えばフィールドバス20)又は無線(例えば近距離無線通信等)で通信自在に接続される。1つのベース無線装置14には、複数のリモート無線装置16が同期接続される。ベース無線装置14毎に複数のリモート無線装置16が同期接続されることで、複数のネットワーク22が構成される。
【0012】
コンピュータ12は、産業設備の監視制御を行い得る。コンピュータ12は、例えば、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)によって構成されるが、これに限定されるものではない。コンピュータ12は、入出力インターフェース(不図示)を用いて他装置との間で通信を行い得る。
【0013】
ベース無線装置14、即ち、マスター無線装置は、入出力インターフェース(不図示)又は第1の通信部(不図示)を用いてコンピュータ12及び表示装置18との間で通信を行い得る。又は、ベース無線装置14は、2.4GHzの周波数帯で無線通信を行う第2の通信部(不図示)を用いてリモート無線装置16との間で通信を行い得る。
【0014】
リモート無線装置16、即ち、スレーブ無線装置は、産業設備を構成する複数の機器24(図1参照)の各々に備えられる。機器24としては、センサ、バルブ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。リモート無線装置16は、2.4GHzの周波数帯で無線通信を行う通信部(不図示)を用いてベース無線装置14との間で通信を行い得る。なお、図1では、1つのリモート無線装置16に対して1つの機器24が設けられる例が示されるが、1つのリモート無線装置16に対して複数の機器24が設けられても良い。
【0015】
ベース無線装置14とリモート無線装置16との間では、周波数ホッピング方式の通信が行われる。即ち、ベース無線装置14とリモート無線装置16との間では、予め決められたホッピング周期でホッピング周波数を切り替えてデータの送受信が行われる。
【0016】
[1.2 表示装置18]
図2は、第1実施形態による表示装置18を示すブロック図である。表示装置18は、例えばパーソナルコンピュータ、又は、モバイル端末(タブレット型端末とスマートフォン等)によって構成される。パーソナルコンピュータ又はモバイル端末は、有線又は無線で他装置との間で通信を行い得る。図1は、パーソナルコンピュータによって構成される表示装置18が、フィールドバス20で他装置と接続される状態を示す。表示装置18は、操作部30と、制御部32と、記憶部34と、表示部36と、入出力インターフェース38とを備える。
【0017】
操作部30は、例えばキーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル及びマイクロホンの少なくとも1つによって構成される。操作部30は、ユーザが表示装置18にデータ及び指示を入力するためのヒューマンマシンインターフェースである。操作部30によって入力されたデータは、記憶部34で記憶される。
【0018】
制御部32は、CPU等のプロセッサ、即ち、処理回路によって構成される。制御部32は、表示装置18の全体の制御を司る。制御部32は、記憶部34に記憶されているプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。例えば、制御部32は、操作部30によって入力されたチャネル又は中心周波数に対応する占有周波数帯を記憶部34の情報に基づいて判定する。また、制御部32は非推奨周波数52(図5等)と推奨周波数54(図5等)とを判定し、各々を表示部36に表示させる。非推奨周波数52というのは、2.4GHzの周波数帯のうちの使用されている周波数のことをいう。推奨周波数54というのは、2.4GHzの周波数帯のうちの使用されていない周波数のことをいう。なお、制御部32の少なくとも一部が、ASIC、FPGA等の集積回路によって実現されるようにしても良い。また、制御部32の少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されるようにしても良い。
【0019】
記憶部34は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。揮発性メモリは、例えばデータ等を記憶する。不揮発性メモリは、例えばプログラム、テーブル、マップ等を記憶する。記憶部34の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていても良い。
【0020】
記憶部34の不揮発性メモリは、第1周波数情報40と第2周波数情報42とを記憶する。第1周波数情報40は、既に使用されているチャネルをユーザが入力したときに参照される情報である。具体的には、第1周波数情報40は、2.4GHzの周波数帯に割り当てられるチャネルの番号(チャネル番号)と、チャネルに設定される22MHz毎に区切られた占有周波数帯の情報(中心周波数と上限周波数と下限周波数)とを対応付けた情報である。例えば、通信規格がIEEE802.11bである無線LANの場合、図3に示されるように、第1周波数情報40は、1ch~14chのチャネル番号と各々のチャネルの占有周波数帯とを対応付ける。他の無線規格についても同様である。なお、第1実施形態の不揮発性メモリは、第1周波数情報40として、IEEE802.11bである無線LANのチャネルと占有周波数帯を記憶する。なお、2.4GHzの周波数帯で使用されるチャネルの数は国によって独自に定められる場合がある。周波数情報46は、産業用無線通信システム10が設けられる国に合わせて設定される。一方、第2周波数情報42は、既に使用されている中心周波数をユーザが入力したときに参照される情報である。具体的には、第2周波数情報42は、入力された周波数を中心周波数とする帯域幅(例えば1MHz)を示す情報である。
【0021】
表示部36は、例えば液晶ディスプレイ等のモニタによって構成される。表示部36は、制御部32から出力される表示指令に応じて画像50(図5等)を表示する。例えば、表示部36は、非推奨周波数52及び推奨周波数54を含む画像50を表示する。
【0022】
入出力インターフェース38は、フィールドバス接続を実現するためのインターフェース(例えばコネクタ、モデム等)によって構成される。
【0023】
[1.3 推奨周波数54及び非推奨周波数52の表示処理]
図4は、第1実施形態において表示装置18が行う表示処理を示すフローチャートである。図5及び図6は、表示装置18が表示する画像50の一例を示す図である。ユーザは、産業設備に新たに無線装置を設ける場合に、産業設備で既に使用されているチャネル及び周波数を周波数測定装置等で調べる。その後、ユーザは、操作部30を操作して、表示装置18に対して、産業設備で既に使用されているチャネルのチャネル番号と周波数の少なくとも一方を入力する。このとき、ユーザは、複数のチャネル番号と複数の周波数を入力可能である。ユーザが操作部30で所定操作を行うと、表示装置18は以下の表示処理を開始する。
【0024】
ステップS1において、制御部32は、記憶部34から入力データを取得する。ステップS1が終了すると、処理はステップS2に移行する。
【0025】
ステップS2において、制御部32は、入力データに対応する占有周波数帯を判定する。チャネル番号が入力された場合、制御部32は、第1周波数情報40を参照してチャネル番号に対応する占有周波数帯を判定する。また、周波数が入力された場合、制御部32は、第2周波数情報42を参照して入力された周波数を中心周波数とする1MHzの占有周波数帯を判定する。ステップS2が終了すると、処理はステップS3に移行する。
【0026】
ステップS3において、制御部32は、ステップS2で判定された占有周波数帯を非推奨周波数52と判定するとともに、2.4GHzの周波数帯に含まれる非推奨周波数52以外の周波数を推奨周波数54と判定する。そして、制御部32は、非推奨周波数52と推奨周波数54とを区別して表示部36に表示させる。表示部36は、制御部32から出力される表示指令に応じて、例えば、図5又は図6に示される画像50を表示する。画像50には、横方向に2403MHz~2481MHzの各周波数を並べ、縦方向に非推奨周波数52と推奨周波数54とを区別して示すグラフが示される。
【0027】
例えば、ユーザが操作部30を操作して2chを選択した場合、表示部36は、図5に示される画像50を表示する。表示部36は、2chの占有周波数帯(2406~2428MHz、帯域幅が22MHz)を非推奨周波数52として表示し、非推奨周波数52以外の周波数を推奨周波数54として表示する。
【0028】
例えば、ユーザが操作部30を操作して2403MHzを選択した場合、表示部36は、図6に示される画像50を表示する。表示部36は、2403MHzの占有周波数帯(2403MHzを中心周波数とする帯域幅1MHzの周波数帯)を非推奨周波数52として表示し、非推奨周波数52以外の周波数を推奨周波数54として表示する。
【0029】
図5及び図6に示されるように、表示部36は、一例として、非推奨周波数52を破線で表示し、推奨周波数54を実線で表示する。しかし、表示部36は、非推奨周波数52と推奨周波数54の色を変えて表示しても良い。又は、表示部36は、非推奨周波数52と推奨周波数54を数値で表示しても良い。
【0030】
表示部36は、非推奨周波数52と推奨周波数54を異なる表示形態で表示しても良い。例えば、図7で示されるように、表示部36は、非推奨周波数52を縦軸のプラス側に突出する凸部60にして表示するとともに、推奨周波数54を平坦部62にして表示しても良い。逆に、図8で示されるように、表示部36は、推奨周波数54を縦軸のプラス側に突出する凸部60にして表示するとともに、非推奨周波数52を平坦部62にして表示しても良い。この場合、表示部36は、図7に示される画像50と、図8に示される画像50とを切り替えて表示しても良い。この画像50の切替は、操作部30で行われる操作によって行われても良い。
【0031】
第1実施形態によれば、産業設備で使用されていない周波数が表示部36に表示される。このため、ユーザは所定の周波数帯、例えば2.4GHzの周波数帯の中で空いている周波数を容易に知ることができる。
【0032】
[2 第2実施形態]
無線LAN等で既に幾つかのチャネルが使用されていると、2.4GHzの周波数帯で空いている周波数が少ないか、又は、空いている周波数がない場合がある。しかし、一般にチャネルの占有周波数帯に含まれる全ての周波数が常時使用されることはない。例えば、ある時間帯でXch(Xは1~14のいずれか)の通信データがない場合、Xchの占有周波数帯に含まれる周波数はその時間帯では使用されていない。この間に新たに設ける無線装置がXchの占有周波数帯に含まれる周波数を使用したとしても電波干渉は発生しない。言い換えると、Xchの占有周波数帯に含まれる周波数が新たに設ける無線装置で使用されても、電波干渉は時々発生する可能性があるのであって、常時発生するのではない。第2実施形態は、ユーザが許容できる電波干渉の干渉頻度を表示装置18の入力データとするものである。
【0033】
[2.1 表示装置18]
図9は、第2実施形態による表示装置18を示すブロック図である。第2実施形態では、第1実施形態と同一の構成に同一の符号を付して、その説明を省略す。
【0034】
記憶部34の不揮発性メモリは、頻度情報44を記憶する。頻度情報44は、以下で説明する干渉頻度と、チャネルの占有周波数帯の帯域幅を中心周波数側に狭める量(狭帯域量という)とを対応付けている。
【0035】
干渉頻度というのは、新たに設けられる無線装置で使用される電波と他の電波とが干渉する頻度(可能性)の許容量である。干渉頻度というのは、非推奨周波数52として表示部36で表示される周波数帯を狭くする量を指定するパラメータでもある。一例として、干渉頻度は「小」、「中」、「大」に分けられている。干渉頻度が大きくなるほど、対応付けられる狭帯域量は大きくなる。第2実施形態では、「小」の干渉頻度には「0」の狭帯域量が対応付けられる。「中」の干渉頻度には「1MHz」の狭帯域量が対応付けられる。「大」の干渉頻度には「2MHz」の狭帯域量が対応付けられる。なお、この狭帯域量は、占有周波数帯の最大周波数と最小周波数をそれぞれ中心周波数側にシフトする量である。つまり、干渉頻度が「小」の場合、各チャネルの帯域幅は22MHzのまま維持されて表示部36で表示される。干渉頻度が「中」の場合、各チャネルの最大周波数と最小周波数はそれぞれ中心周波数側に1MHzだけシフトされるため、各チャネルの帯域幅は通常の22MHzから20MHzに狭められて表示部36で表示される。また、干渉頻度が「大」の場合、各チャネルの最大周波数と最小周波数はそれぞれ中心周波数側に2MHzだけシフトされるため、各チャネルの帯域幅は通常の22MHzから18MHzに狭められて表示部36で表示される。
【0036】
[2.2 推奨周波数54及び非推奨周波数52の表示処理]
図10は、第2実施形態において表示装置18が行う表示処理を示すフローチャートである。図11図13は、表示装置18が表示する画像50の一例を示す図である。ユーザは、操作部30を操作して、表示装置18に対して、産業設備で既に使用されているチャネルのチャネル番号と周波数の少なくとも一方を入力する。更に、ユーザは、「小」、「中」、「大」のいずれかの干渉頻度を入力する。なお、干渉頻度のデフォルトは「小」である。このため、ユーザが「小」の干渉頻度を希望する場合、干渉頻度の入力操作は省略可能である。入力されたデータは記憶部34に記憶される。ユーザが操作部30で所定操作を行うと、表示装置18は以下の表示処理を開始する。
【0037】
ステップS11及びステップS12の処理は、図4に示されるステップS1及びステップS12の処理と同じである。ステップS12が終了すると処理はステップS13に移行する。
【0038】
ステップS13において、制御部32は、チャネル番号が入力されたか否かを判定する。入力データにチャネル番号が含まれる場合(ステップS13:YES)、処理はステップS14に移行する。一方、入力データにチャネル番号が含まれない場合、即ちチャネル番号が入力されず周波数が入力される場合(ステップS13:NO)、処理はステップS15に移行する。
【0039】
ステップS14において、制御部32は、ステップS12で判定された占有周波数帯をユーザが入力した干渉頻度に応じた狭帯域量だけ狭くする。「小」の干渉頻度が入力された場合、制御部32は、占有周波数帯をそのまま維持する。「中」の干渉頻度が入力された場合、制御部32は、占有周波数帯の最大周波数と最小周波数をそれぞれ中心周波数側に1MHzだけシフトする。「大」の干渉頻度が入力された場合、制御部32は、占有周波数帯の最大周波数と最小周波数を中心周波数側にそれぞれ2MHzだけシフトする。ステップS14が終了すると、処理はステップS15に移行する。
【0040】
ステップS15の処理は、図4に示されるステップS3の処理と同じである。表示部36は、制御部32から出力される表示指令に応じて、例えば、図11図13に示される画像50を表示する。
【0041】
例えば、ユーザが操作部30を操作して2chと7chを選択し、「小」の干渉頻度を選択した場合、表示部36は、図11に示される画像50を表示する。表示部36は、2chと7chの占有周波数帯を非推奨周波数52として表示し、非推奨周波数52以外の周波数を推奨周波数54として表示する。ここで非推奨周波数52として表示される周波数帯の帯域幅は、通常の占有周波数帯の帯域幅である22MHzである。その結果、2chに含まれる非推奨周波数52のうちの最大周波数と7chに含まれる非推奨周波数52のうちの最小周波数との間には、2MHz分の推奨周波数54が存在する。
【0042】
例えば、ユーザが操作部30を操作して2chと7chを選択し、「中」の干渉頻度を選択した場合、表示部36は、図12に示される画像50を表示する。表示部36は、2chと7chの占有周波数帯の最大周波数と最小周波数が中央周波数側に1MHzシフトした周波数帯を非推奨周波数52として表示し、非推奨周波数52以外の周波数を推奨周波数54として表示する。ここで非推奨周波数52として表示される周波数帯の帯域幅は、通常の占有周波数帯の帯域幅よりも2MHzだけ狭い20MHzである。その結果、2chに含まれる非推奨周波数52のうちの最大周波数と7chに含まれる非推奨周波数52のうちの最小周波数との間には、4MHz分の推奨周波数54が存在する。
【0043】
例えば、ユーザが操作部30を操作して2chと7chを選択し、「大」の干渉頻度を選択した場合、表示部36は、図13に示される画像50を表示する。表示部36は、2chと7chの占有周波数帯の最大周波数と最小周波数が中央周波数側に2MHzシフトした周波数帯を非推奨周波数52として表示し、非推奨周波数52以外の周波数を推奨周波数54として表示する。ここで非推奨周波数52として表示される周波数帯の帯域幅は、通常の占有周波数帯の帯域幅よりも4MHzだけ狭い18MHzである。その結果、2chに含まれる非推奨周波数52のうちの最大周波数と7chに含まれる非推奨周波数52のうちの最小周波数との間には、6MHz分の推奨周波数54が存在する。
【0044】
第2実施形態によれば、空いている周波数がない場合であっても、ユーザは干渉を許容できる量の範囲内で使用可能な周波数を知ることができる。
【0045】
[3 周波数の設定]
ユーザは、操作部30を操作して、ベース無線装置14を指定するとともに、表示部36で表示された推奨周波数54の中から任意の周波数を設定することができる。制御部32は、ユーザが選択したベース無線装置14に対してユーザが選択した周波数を送信する。ベース無線装置14は、その周波数を用いて無線通信を行う。
【0046】
[4 実施形態から得られる技術的思想]
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0047】
本発明の態様は、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)でホッピング周波数を切り替えてデータの送受信を行う無線装置(ベース無線装置14及びリモート無線装置16)で使用することを推奨する推奨周波数54を表示部36で表示する表示装置18であって、前記周波数帯に割り当てられる複数のチャネル又は複数の中心周波数と、複数の前記チャネル又は複数の前記中心周波数に設定される占有周波数帯と、を対応付けて記憶する記憶部34と、ユーザが前記チャネル又は前記中心周波数を入力するための操作部30と、前記操作部30によって入力された前記チャネル又は前記中心周波数に対応する前記占有周波数帯を前記記憶部34の情報に基づいて判定し、前記周波数帯に含まれ且つ判定された前記占有周波数帯に含まれない周波数を前記推奨周波数54と判定し、前記推奨周波数54を前記表示部36に表示させる制御部32と、を備える。
【0048】
上記構成によれば、使用されていない周波数が表示部36に表示されるため、ユーザは所定の周波数帯、例えば2.4GHzの周波数帯の中で空いている周波数を容易に知ることができる。
【0049】
本発明の態様において、前記操作部30は、前記無線装置で使用される電波と他の電波とが干渉する頻度の許容量を示す干渉頻度をユーザが入力することを可能とし、前記制御部32は、前記干渉頻度が大きくなるほど前記占有周波数帯の帯域幅を狭くし、前記周波数帯に含まれ且つ狭くされた前記占有周波数帯に含まれない周波数を前記推奨周波数54としても良い。
【0050】
上記構成によれば、空いている周波数がない場合であっても、ユーザは干渉を許容できる量の範囲内で使用可能な周波数を知ることができる。
【0051】
なお、本発明に係る表示装置は、前述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0052】
14…ベース無線装置(無線装置)
16…リモート無線装置(無線装置)
18…表示装置 30…操作部
32…制御部 34…記憶部
52…非推奨周波数 54…推奨周波数
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