(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20231031BHJP
【FI】
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2021554597
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020056273
(87)【国際公開番号】W WO2020182774
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-10-05
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】サイエド, アシュレイ ジョン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/190607(WO,A2)
【文献】特表2018-529800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0128970(US,A1)
【文献】特表2015-511495(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104522891(CN,A)
【文献】特表2018-501784(JP,A)
【文献】特表2018-500940(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0374039(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスであって、
ハウジングと、
前記エアロゾル生成材料を受け入れるために前記ハウジング内に配置された加熱アセンブリと、
を備え、
前記加熱アセンブリは、前記加熱アセンブリ内に受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成され、
前記ハウジングの少なくとも一部分は、ソフトタッチコーティングを有し、前記ハウジングは、本体部分を備え、前記本体部分は、外表面と、接続面と、前記外表面と前記接続面との間に外縁部と、を備え、前記ソフトタッチコーティングを備える前記本体部分の部分は、前記外表面の部分、前記接続面の部分および前記外縁部の部分を含む連続部分である、エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記ハウジングは、本体部分と、ベースと、上部分とを備え、前記本体部分は、前記ベースから前記上部分まで第1の方向に沿って延びる、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記ベースは、前記第1の方向に対して垂直な第1の平面を横切って延びる、請求項2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
本体部分は、モノリシック要素である、請求項2又は3に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記本体部分は、第1の軸に沿って第1の方向に延びる管腔を画定する管状の要素であり、前記管状の要素は、第1の端部と第2の端部の両方で開口している、請求項2~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記第1の端部及び第2の端部の前記開口を閉鎖するように前記ハウジングの前記ベース及び上面が配置される、請求項5に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記本体部分は、前記管腔の前記第1の軸に面する内表面と、前記管腔の前記第1の軸とは反対側に面する外表面とを備える、請求項5又は6に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記ハウジングのソフトタッチコーティングを有する部分は、前記本体部分の外表面の一部分を含む、請求項7に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記本体部分は、前記内表面と前記外表面とを接続する接続面を有し、前記接続面は、内縁部で前記内表面に接続され、前記接続面は、外縁部で前記外表面に接続される、請求項7又は8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記接続面は平坦であり、前記第1の平面を横切って延びる、請求項3に間接的に従属する請求項9に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
前記外縁部は、丸みを帯びた縁部である、請求項9又は10に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記ハウジングのソフトタッチコーティングを有する部分は、前記接続面を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記ハウジングのソフトタッチコーティングを有する部分は、前記内表面の一部分を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
前記ソフトタッチコーティングを有する部分は、前記外表面、前記外縁部、前記接続面、前記内縁部及び前記内表面の一部分に沿って延びる連続部分である、請求項13に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
前記内表面のソフトタッチコーティングを有する部分は、第1の方向の内縁部から0.5mm~3mmの範囲を有する、請求項13又は14に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項16】
エアロゾル生成デバイスのハウジングのための本体部分であって、
前記本体部分は、第1の軸に沿って第1の方向に延びる管腔を画定する実質的に管状の要素であり、前記管状の要素は、第1の端部と第2の端部の両方で開口しており、前記本体部分は、
前記管腔の前記第1の軸に面する内表面と、
前記管腔の前記第1の軸に対して反対方向を向いている外表面と、
前記内表面と前記外表面とを接続する接続面と、
を備え、
前記接続面は、内縁部によって前記内表面に接続され、外縁部によって前記外表面に接続され、
前記本体部分の少なくとも一部分は、ソフトタッチコーティングが備えられ、前記ソフトタッチコーティングを有する前記一部分は、前記外表面の部分、前記外縁部の部分および前記接続面の部分に沿って延びる連続部分である、本体部分。
【請求項17】
前記接続面は、平坦であり、前記第1の方向に垂直な第1の平面内に延びる、請求項16に記載の本体部分。
【請求項18】
前記外縁部は、丸みを帯びた縁部であり、前記内縁部は、前記接続面と前記内表面との間で直角を形成する、請求項16又は17に記載の本体部分。
【請求項19】
前記接続面を横切る前記内縁部と前記外縁部の最短距離は、0.5mm~5mmである、請求項16~18のいずれか一項に記載の本体部分。
【請求項20】
前記本体部分の前記外表面に沿って配置された凹部を更に備える、請求項16~19のいずれか一項に記載の本体部分。
【請求項21】
前記凹部は、一定の幅および凹部に沿った深さを有するチャネルを形成し、前記幅および/又は深さは、0.4~1.2mmである、請求項20に記載の本体部分。
【請求項22】
前記凹部の深さは、前記凹部の幅以下である、請求項21に記載の本体部分。
【請求項23】
前記チャネルは、前記チャネルの底部に沿って延在するベースと、前記チャネルのベースの第1の縁部を前記本体部分の前記外表面に接続する第1の壁と、前記チャネルのベースの第2の縁部を前記本体部分の前記外表面に接続する第2の壁と、を備える、請求項21又は22に記載の本体部分。
【請求項24】
前記本体部分の少なくとも一部分は、ソフトタッチコーティングを備える、請求項16~23のいずれか一項に記載の本体部分。
【請求項25】
請求項16~23のいずれか一項に記載の本体部分
を製造する方法であって、
前記外表面、前記外縁部、前記接続面、前記内縁部、前記内表面の一部分に沿って延びる前記本体部分の連続部分に、ソフトタッチコーティングの前駆体を供給するステップと、
前記連続部分にソフトタッチコーティングを提供するために前記ソフトタッチコーティングの前駆体を処置するステップと、
を含む、方法。
【請求項26】
前記連続部分は、前記外縁部の全体、前記接続面の全体及び前記内表面の全体に沿って延びる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項22に記載の本体部分
を製造する方法であって、
前記外表面の一部分、前記凹部の第1の側壁または第2の側壁、および前記チャネルのベースに沿って延びる前記本体部分の連続部分にコーティング前駆体を供給するステップと、
前記コーティング前駆体を処置して連続部分にコーティングを提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項28】
前記コーティング前駆体は、ソフトタッチコーティングを提供するためのソフトタッチコーティング前駆体である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記加熱アセンブリは、少なくとも1つの誘導加熱ユニットを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項30】
エアロゾル生成品と組み合わせて、請求項1~15のいずれか一項または請求項29に記載のエアロゾル生成デバイスを備える、エアロゾル生成システム。
【請求項31】
請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと、前記エアロゾル生成デバイスの取り外し可能なカバーとを組み合わせたキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成デバイス、このエアロゾル生成デバイスを用いたエアロゾルの生成方法、このエアロゾル生成デバイスを備えたエアロゾル生成システムに関する。
【0002】
【背景】
【0003】
タバコ、葉巻などの物品は、タバコの煙を作り出すために使用中にタバコを燃焼させる。燃焼することなく化合物を放出する製品を作り出すことによって、タバコを燃焼するこれらのタイプの物品に代わるものを提供する試みがなされてきた。喫煙材料を加熱して、喫煙材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には、喫煙材料を燃焼または燃焼させることなく吸入可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、時には、「加熱-非燃焼」装置、または「タバコ加熱生成物」(THP)または「タバコ加熱デバイス」などと記載される。喫煙材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための様々な異なる構成体が知られている。
【0004】
材料は、たとえば、ニコチンを含有してもしなくてもよく、タバコまたは他の非タバコ製品、またはブレンドされた混合物のような組合せであってもよい。
【0005】
【概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスが提供される。本発明のエアロゾル生成デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置されてエアロゾル生成材料を受け入れる加熱アセンブリとを備え、加熱アセンブリは、加熱アセンブリ内に受け入れられたエアロゾル生成材料を加熱するように構成される。ハウジングの少なくとも一部分は、ソフトタッチコーティングを有する。
【0007】
ハウジングは、本体部分と、ベースと、上部分とを含み、本体部分は、ベース部分から上部分まで第1の方向に沿って延びる。一実施形態において、ベースは、第1の方向に実質的に垂直な第1の平面を横切って延びる。
【0008】
一実施形態において、本体部分はモノリシック要素である。
【0009】
本体部分は、第1の軸に沿って第1の方向に延びる管腔を画定する実質的に管状の要素であってよく、管状の要素は、第1の端部および第2の端部の両方で開口している。一実施形態において、ハウジングのベースおよび上面は、第1の端部および第2の端部の開口を閉じるように配置される。
【0010】
本体部分は、管腔の第1の軸に面する内表面と、管腔の第1の軸から離れて面する外表面とを備えることができる。一実施形態において、ハウジングのソフトタッチコーティングを有する部分は、本体部分の外表面の一部分を含む。
【0011】
本体部分は、内表面と外表面とを接続する接続面を更に備え、接続面は、内縁部によって内表面に接続され、外縁部によって外表面に接続される。接続面は、実質的に平面であり、第1の平面を横切って延びる。外縁部は、丸みを帯びた縁部であり、内縁部は鋭い縁部であってもよい。
【0012】
一部の実施態様において、ハウジングのソフトタッチコーティングを有する部分は、接続面を含む。
【0013】
一部の実施態様において、ハウジングのソフトタッチコーティングを有する部分は、内面の一部分を含む。
【0014】
特定の実施形態において、ソフトタッチコーティングを有するハウジングの部分は、外表面、外縁部、接続面、内縁部、内表面の部分に沿って延びる連続部分である。
【0015】
内表面の一部分がソフトタッチコーティングを有する一部の実施例において、コーティングは、第1の方向の内縁部から0.5mm~3mmの範囲を有する。
【0016】
デバイスの加熱アセンブリは、少なくとも1つの誘導加熱ユニットを含むことができる。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、エアロゾル生成デバイスのハウジングのための本体部分が提供される。本体部分は、第1の軸に沿って第1の方向に延びる管腔を画定する実質的に管状の要素であり、管状の要素は、第1の端部および第2の端部の両方で開口している。本体部分は、管腔の第1の軸に面する内表面と、管腔の第1の軸とは反対方向に面する外表面と、内表面と外表面とを接続する接続面とを備える。接続面は、内縁部によって内表面に接続され、外縁部によって外表面に接続される。
【0018】
接続面は、実質的に平面であってもよく、第1の方向に実質的に垂直な第1の平面内に延びてもよい。
【0019】
一部の実施態様において、外縁部は、丸みを帯びた縁部であり、更に/又は、内縁部は、接続面と内表面との間に直角を形成する。接続面を横切る内縁部と外縁部との最短距離は、0.5mm~5mmであってもよい。
【0020】
本体部分は、本体部分の外表面に沿って配置された凹部を更に含むことができる。凹部は、実質的に一定の幅および凹部に沿った深さを有し、幅および/又は深さは、0.4~1.2mmである。一部の実施態様において、凹部の深さは、凹部の幅と等しいか又はそれ未満である。
【0021】
特定の実施形態において、チャネルは、チャネルの底部に沿って延びるベースと、チャネルのベースの第1の縁部を本体部分の外表面に接続する第1の壁と、チャネルのベースの第2の縁部を本体部分の外表面に接続する第2の壁とを備える。
【0022】
本体部分は、少なくとも、ソフトタッチコーティングを備えた部分を備えることができる。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、上述したように、本体部分にソフトタッチコーティングを塗布する方法が提供される。この方法は、外表面、外縁部、接続面、内縁部、内表面の一部分に沿って延びる本体部分の連続部分にソフトタッチコーティング前駆体を供給するステップと、連続部分にソフトタッチコーティングを提供するためにソフトタッチコーティング前駆体を処理するステップと、を含む。
【0024】
一実施形態において、連続部分は、外縁部全体、接続面全体、内表面全体に沿って延びる。
【0025】
本発明の第4の態様によれば、上述したように、ベース及び側壁を備えた凹部を有する本体部分にコーティングを塗布する方法が提供される。この方法は、外表面の一部分、凹部の第1の側壁または第2の側壁、チャネルのベースに沿って延びる本体部分の連続部分にコーティング前駆体を供給するステップと、コーティング前駆体を処理して連続部分にコーティングを提供するステップと、を含む。
【0026】
一実施形態において、コーティング前駆体は、ソフトタッチコーティングを提供するためのソフトタッチコーティング前駆体である。
【0027】
本発明の第5の態様によれば、エアロゾル生成物品と組み合わせて上述のエアロゾル生成デバイスを含むエアロゾル生成システムが提供される。
【0028】
本発明の別の態様によれば、上記の態様のいずれかに係るエアロゾル生成デバイスと、該エアロゾル生成デバイスの取り外し可能なカバーとを組み合わせたキットが提供される。
【0029】
1つの態様の文脈で説明される特徴は、互換性がある限り、本発明の他の態様と組み合わせて明示的に開示される。
【0030】
本発明の更なる特徴および利点は、添付の図面を参照して作成された実施例のみを示す本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】
図1Aは、本発明によるハウジングを含むエアロゾル生成デバイスの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の平面を示す、本発明によるエアロゾル生成デバイスの斜視図である。
【
図3】
図3は、ハウジングの上面の角度を示す、本発明によるエアロゾル生成デバイスの正面図である。
【
図4】
図4は、第3の平面を示す、本発明によるエアロゾル生成デバイスの側面図である。
【
図5】
図5は、第2の平面を示す、本発明によるエアロゾル生成デバイスの上面図である。
【
図6A】
図6Aは、ソフトタッチコーティングを備えたハウジングの本体部分の斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、本体部分の接続面の特徴的な形状を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、特徴的な形状が二次元形状を参照して定義可能な方法を表示する。
【
図8C】
図8Cは、特徴的な形状が二次元形状を参照して定義可能な方法を表示する。
【
図8D】
図8Dは、特徴的な形状が二次元形状を参照して定義可能な方法を表示する。
【
図9A】
図9Aは、本発明のエアロゾル生成デバイスに配置された加熱アセンブリの正面図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明のエアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成品の概略横断面図である。
【
図11】
図11は、一実施例によるエアロゾル生成デバイスと組み合わせて使用される取り外し可能なカバーの斜視図である。
【詳細な説明】
【0032】
本明細書で使用される場合、「the」は、適宜、「the」または「the or each」を意味するために使用できる。特に、「少なくとも1つの加熱ユニット」に関連して説明される特徴は、存在する場合、第1の加熱ユニット、第2の加熱ユニット、更なる加熱ユニットに適用されてもよいる。さらに、「第1の」または「第2の」の整数に関して説明した特徴は、等しく適用可能な整数であってもよい。たとえば、「第1の」または「第2の」加熱ユニットに関して記載された特徴は、異なる実施形態における他の加熱ユニットに等しく適用されてもよい。同様に、「第1の」または「第2の」動作モードに関して説明した特徴は、他の構成された動作モードにも同様に適用されてもよい。
【0033】
一般に、加熱アセンブリにおける「第1の」加熱ユニットへの言及は、別段の指定がない限り、加熱アセンブリが2つ以上の加熱ユニットを含むことを表さず、むしろ、「第1の」加熱ユニットを含む加熱アセンブリは、少なくとも1つの加熱ユニットを単に含まなければならない。したがって、1つのみの加熱ユニットを含む加熱アセンブリは、「第1の」加熱ユニットを含む加熱アセンブリの定義に明らかに含まれる。
【0034】
同様に、加熱アセンブリにおける「第1の」および「第2の」加熱ユニットへの言及は、加熱アセンブリが2つの加熱ユニットのみを含むことを必ずしも表さず、更なる加熱ユニットがあってもよい。むしろ、この実施例では、加熱アセンブリは、少なくとも第1のおよび第2の加熱ユニットを単に含まなければならない。
【0035】
本明細書で使用される用語「エアロゾル生成材料」は、加熱時に揮発成分を提供する材料を含み、典型的にはエアロゾルの形態である。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再構成タバコまたはタバコ代用物のうちの一つ又は複数を含むことができる。また、エアロゾル生成材料は、製品に応じてニコチンを含有してもしなくてもよい他の非タバコ製品を含むことができる。エアロゾル生成材料は、たとえば、固体、液体、ゲル、ワックスなどの形態であってもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、材料の組合せ又はブレンドであってもよい。エアロゾル生成材料は、「喫煙材」としても知られている。好ましい実施形態において、エアロゾル生成材料は、非液体エアロゾル生成材料である。特に好ましい実施形態において、非液体エアロゾル生成材料は、タバコを含む。
【0036】
エアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には、エアロゾル生成材料を燃焼または燃焼させることなく吸入可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼デバイス」、「タバコ加熱製品」、「タバコ加熱製品デバイス」、「タバコ加熱デバイス」などと記載されることがある。本発明の好ましい実施形態において、本発明のエアロゾル生成デバイスはタバコ加熱製品である。タバコ加熱製品と共に使用するための非液体エアロゾル生成材料は、タバコを含む。
【0037】
同様に、いわゆる「e-シガレット」装置もあり、これは、典型的には、液体の形態のエアロゾル生成材料を蒸発させるエアロゾル生成デバイスであり、ニコチンを含有してもしなくてもよい。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジまたはカセットなどの形態で、またはその一部として提供することができる。装置の「恒久的」部分として、エアロゾル生成材料を加熱して揮発させるための加熱器を設けることができる。
【0038】
本発明のエアロゾル生成デバイスは、「喫煙物品」とも呼ばれる加熱用のエアロゾル生成材料を含む物品を受け入れることができる。この文脈における「物品」、「エアロゾル生成物品」または「喫煙物品」は、使用中にエアロゾル生成材料を含む又は含有する成分であり、この成分は、加熱されてエアロゾル生成材料を揮発させる、あるいは、任意で使用中に他の成分を揮発させる。ユーザは、物品を加熱してエアロゾルを生み出す前にエアロゾル生成デバイスに挿入することができ、その後、ユーザはエアロゾルを吸入する。物品は、たとえば、物品を受け入れる大きさのデバイスの加熱チャンバ内に設定されるように構成された所定の又は特定の大きさのものであってもよい。
【0039】
本発明のエアロゾル生成デバイスは、加熱アセンブリを備える。加熱アセンブリは、使用中のエアロゾル生成材料を加熱するが燃焼しないように構成された少なくとも1つの加熱ユニットを含む。
【0040】
加熱ユニットは、典型的には、電気エネルギ源から電気エネルギを受け取り、エアロゾル生成材料に熱エネルギを供給するように配置された構成要素を指す。加熱ユニットは、加熱要素を備える。加熱要素は、典型的には、使用中のエアロゾル生成材料に熱を供給するように配置された材料である。加熱要素を備えた加熱ユニットは、加熱ユニットによって受け取られた電気エネルギを変換するための構成要素など、必要とされる任意の他の構成要素を含むことができる。他の実施例では、加熱要素自体は、電気エネルギを熱エネルギに変換するように構成されてもよい。
【0041】
加熱ユニットは、コイルを含んでもよい。一部の実施例において、コイルは、使用時に、少なくとも1つの導電性加熱要素の加熱を引き起こすように構成され、その結果、熱エネルギは、少なくとも1つの導電性加熱要素からエアロゾル生成材料に伝導可能となり、それによって、エアロゾル生成材料の加熱を引き起こす。
【0042】
一部の実施例において、コイルは、使用時に、少なくとも1つの加熱要素を貫通するための変動磁場を生成させ、それによって、少なくとも1つの加熱要素の誘導加熱および/または磁気ヒステリシス加熱を引き起こすように構成される。このような構成体において、各加熱要素を「サセプタ」と呼んでもよい。使用時に、少なくとも1つの導電性加熱要素を貫通し、それによって少なくとも1つの導電性加熱要素の誘導加熱を引き起こすための変動磁場を生成するように構成されたコイルは、「誘導コイル」または「インダクタコイル」と呼んでもよい。
【0043】
デバイスは、加熱要素、たとえば、導電性加熱要素を含むことができ、加熱要素は、加熱要素の、そのような加熱を可能にするために、コイルに対して適切に置かれ、または置くことができる。加熱要素は、コイルに対して固定位置にあってもよい。あるいは、少なくとも1つの加熱要素、たとえば、少なくとも1つの導電性加熱要素を、デバイスの加熱ゾーンに挿入するための物品に含めることができるが、この物品は、エアロゾル生成材料を含み、使用後に加熱ゾーンから取り外すことができる。あるいは、デバイス及びそのような物品の両方は、少なくとも1つの、それぞれの加熱要素(たとえば、少なくとも1つの導電性加熱要素)を含んでもよく、コイルは、物品が加熱ゾーンにあるときに、デバイスおよび物品のそれぞれの加熱要素の加熱を引き起こすものであってもよい。
【0044】
一部の実施例において、コイルは螺旋状である。一部の実施例において、コイルは、エアロゾル生成材料を受け取るように構成されたデバイスの加熱ゾーンの少なくとも一部を取り囲む。一部の実施例において、コイルは、加熱ゾーンの少なくとも一部を囲む螺旋コイルである。
【0045】
一部の実施例において、デバイスは、加熱ゾーンを少なくとも部分的に囲む導電性加熱要素を備え、コイルは、導電性加熱要素の少なくとも一部を取り囲む螺旋コイルである。一部の実施例において、導電性加熱要素は管状である。一部の実施例において、コイルはインダクタコイルである。
【0046】
一部の実施例において、加熱ユニットは誘導加熱ユニットである。一部の実施例において、加熱ユニットは抵抗加熱ユニットである。抵抗加熱ユニットは、抵抗加熱要素から構成することができる。すなわち、抵抗加熱要素自体が電気エネルギを熱エネルギに変換するので、抵抗加熱ユニットが、加熱ユニットによって受け取られた電気エネルギを変換するための別個の構成要素を含む必要がない場合がある。
【0047】
また、加熱アセンブリは、加熱アセンブリ内に存在する各加熱ユニットを制御するためのコントローラを含むことができる。コントローラは、PCBであってもよい。コントローラは、各加熱ユニットに供給される電力を制御するように構成され、加熱アセンブリ内に存在する各加熱ユニットの「プログラムされた加熱プロファイル」を制御する。たとえば、コントローラは、対応する誘導加熱要素の結果として生じる温度プロファイルを制御するために、複数のインダクタに供給される電流を制御するようにプログラムすることができる。上述の加熱要素とエアロゾル生成材料の温度プロファイルの間では、加熱要素のプログラムされた加熱プロファイルは、上述と同じ理由で、加熱要素の観測された温度プロファイルに正確に対応しない場合がある。
【0048】
加熱アセンブリは、少なくとも第1のモードおよび第2のモードで動作可能である。加熱アセンブリは、最大2つのモードで作動可能であってもよく、または3つのモード、4つのモード、または5つのモードなど、2を超えるモードで作動可能であってもよい。
【0049】
本開示のデバイスは、複数のモードでデバイスを動作させるようにプログラムされている加熱アセンブリのコントローラによって、このように動作するように構成することができる。したがって、本明細書において、本発明のデバイスまたはその構成要素の構成に関する言及は、本明細書に開示されるようにデバイスを動作させるようにプログラムされている加熱アセンブリのコントローラを指すことができる。
【0050】
各モードは、プログラムされた加熱プロファイルなど、加熱アセンブリ内の各加熱ユニットに対する所定の加熱プロファイルに関連付けられてもよい。たとえば、加熱アセンブリは、コントローラが、選択された動作モードを識別する信号を受信し、加熱アセンブリ内に存在する加熱要素または各加熱要素に、所定の加熱プロファイルに従って動作するように指示するように構成されてもよい。コントローラは、どの所定の加熱プロファイルを指示するか、または、受信した信号に基づいて各加熱ユニットを指示するかを選択する。
【0051】
プログラムされた加熱プロファイルの一つ又は複数は、ユーザによってプログラムされてもよい。代替的に、または追加的に、プログラムされた加熱プロファイルのうちの一つ又は複数は、製造業者によってプログラムされてもよい。これらの実施例では、エンドユーザが一つ又は複数のプログラムされた加熱プロファイルを変更できないように、一つ又は複数プログラムされた加熱プロファイルを固定することができる。
【0052】
本明細書で使用する「使用セッション」とは、ユーザによるエアロゾル生成デバイスの単一の使用期間を指す。使用セッションは、加熱アセンブリ内に存在する少なくとも1つの加熱ユニットに電力が最初に供給される時点から始まる。デバイスは、使用セッションの開始から一定時間が経過した後に使用可能になる。使用セッションは、エアロゾル生成デバイス内の加熱要素のいずれにも電力が供給されない時点で終了する。使用セッションの終了は、喫煙物品が枯渇した時点(各パフにおける総粒子状物質収量(mg)がユーザによって許容できないほど低いとみなされる時点)と一致してもよい。セッションは、複数のパフの持続時間を有する。前記セッションは、7分、6分、5分、4分30秒、4分、3分30秒未満の持続時間を有することができる。一部の実施態様において、使用セッションは、2~5分、または3~4.5分、または、3.5~4.5分、または適切には4分の持続時間を有してもよい。セッションは、ユーザがデバイスのボタンまたはスイッチを作動させて、少なくとも1つの加熱要素の温度上昇を開始させることによって開始してもよい。セッションは、コントローラ内のプログラムされた継続時間などの所定の継続時間の後に終了してもよい。また、セッションは、使用セッションのプログラムされた終了前などに、ユーザがデバイスを停止した場合に終了すると考えられる(デバイスの停止は、エアロゾル生成デバイス内の加熱要素のいずれかに供給される電力を終了させる)。
【0053】
加熱要素または加熱ユニットに関して本明細書で使用される「動作温度」とは、要素がエアロゾル生成材料を加熱して、エアロゾル生成材料を燃焼させることなく十分なパフに十分なエアロゾルを生み出すことができる任意の加熱要素温度を指す。加熱要素の最高動作温度は、使用セッション中に要素が到達する最高温度である。加熱要素の最低動作温度とは、満足なパフを得るために、加熱要素によってエアロゾル生成材料から十分なエアロゾルを生成することができる最低加熱要素温度を指す。エアロゾル生成デバイス内に複数の加熱要素が存在する場合、各加熱要素は、関連する最大動作温度を有する。各加熱要素の最大動作温度は、同じであってもよく、または各加熱要素ごとに異なってもよい。
【0054】
一部の実施形態において、加熱アセンブリの各動作モードは、使用セッションのための所定の持続時間(即ち、使用セッションのための所定の持続時間)または所定の最高動作温度に関連付けられてもよい。一部の実施形態において、少なくとも1つのモードに関連する使用セッション持続時間は、他のモードに関連する使用セッション持続時間とは異なる。一部の実施形態において、各モードは、異なる所定の使用セッション持続時間に関連付けることができる。特に、第1のモードは、第1の使用セッション持続時間に関連付けられてもよく、第2のモードは、第2の使用セッション持続時間に関連付けられてもよい。第1の使用セッションの持続時間は、使用期間の第2のセッションと異なることがある。好ましくは、第1の使用セッション持続時間は、第2の使用セッション持続時間よりも長い。一部の実施例において、第1の使用セッションおよび/または第2の使用セッションは、少なくとも2分、2分30秒、3分、3分30秒、4分、4分30秒、5分、5分30秒、または6分の持続時間を有することができる。一部の実施例において、第1の使用セッションおよび/または第2の使用セッションは、7分未満、6分未満、5分30秒未満、5分未満、4分30秒未満、または4分未満の持続時間を有することができる。好ましくは、第1の使用セッションの持続時間は、3分~5分、より好ましくは、3分30秒~4分30秒である。好ましくは、第2の使用セッションは、2分~4分、より好ましくは、2分30秒~3分30秒の持続時間を有する。
【0055】
各モードは、加熱アセンブリ内の加熱ユニットまたは各加熱ユニットが使用中に上昇する最高温度に関連付けることができる。一部の実施形態において、加熱アセンブリは、第1の加熱ユニットが、第1のモードでは第1のモード最高動作温度に達し、第2のモードでは第2のモード最高動作温度に達するように構成される。第1のモードにおける第1の加熱ユニットの最高動作温度(ここでは、第1の加熱ユニットの「第1のモード最高動作温度」と呼ぶ)は、第2のモードにおける第1の加熱ユニットの最高動作温度(ここでは、第1の加熱ユニットの「第2のモード最高動作温度」と呼ぶ)と異なっていてもよい。一部の実施例において、第1のモード最高動作温度は、第2のモード最高動作温度よりも高い。他の実施例において、第1のモード最高動作温度は、第2のモード最高動作温度よりも低い。好ましくは、第1の加熱ユニットの第2のモード最高動作温度は、第1の加熱ユニットの第1のモード最高動作温度よりも高い。
【0056】
本発明のデバイスは、ハウジングを備える。ハウジングは、一般に、ユーザが最も相互に作用するデバイスの態様である。したがって、人間工学的に快適な形状と同様に、心地よい外観を有するハウジングを提供することが重要である。驚くべきことに、ハウジングの少なくとも一部にコーティング、特にソフトタッチコーティングを設けることにより、デバイスの視覚的な魅力および触覚的な魅力を改善できることがわかった。
【0057】
「ソフトタッチコーティング」は、当該技術分野において一般的に認められた意味を有する。疑いを避けるために、ソフトタッチコーティングを備えた表面の一部分は、ユーザがソフトタッチコーティングに触れたときに、表面の対応するコーティングされていない部分よりも柔らかい表面の感覚をユーザに与える。このようなコーティングは、ユーザにとってより魅力的であり、かつ/または、より高級な外観を提供することができる。また、ソフトタッチコーティングは、ハウジングに耐スクラッチコーティングを有利に提供することができる。好ましい実施形態において、ソフトタッチコーティングはマットな質感を有する。
【0058】
ソフトタッチコーティングは、顔料を含んでもよい。すなわち、ソフトタッチコーティングは、ハウジングに色を与えることができる。別の実施形態では、ソフトタッチコーティングは顔料を含まない。ソフトタッチコーティングは着色されていない。特定の実施形態では、コーティングは実質的に透明である。本発明の文脈において、「透明」とは、ソフトタッチコーティングの下にある表面の色が、デバイスを見るユーザによって識別できるように、コーティングが光の通過を可能にすることを意味すると解釈される。
【0059】
驚くべきことに、マット仕上げを有する透明なソフトタッチコーティングは、ソフトタッチコーティングの下に配列されたテキストの可読性を改善できることが見出された。
【0060】
コーティングは、任意の適切な厚さを有することができる。たとえば、コーティングは、2mm未満または1mm未満の厚さを有することができる。
【0061】
ソフトタッチコーティングは、ハウジングの表面上にコーティング前駆体を供給し、前駆体を処理してコーティングを提供することによって調製することができる。
【0062】
一部の実施例において、コーティング前駆体は、ポリウレタン分散体(PUD)、および/またはポリイソシアネートもしくはカーボディアーミデス、および/またはシリコーンのいずれかで架橋されたポリアクリレート(PAC)エマルジョンを含む。
【0063】
一部の実施例において、コーティング前駆体は、光沢油、溶媒、および艶消し粉末を含んでもよい。特定の実施例では、コーティング前駆体は、40%~75%w/wの量の光沢油、20%~45%w/wの量の溶剤、および0%~15%、好ましくは、2%~12%の量の艶消し粉末を含むことができる。マット粉体は、シリカを含んでもよいし、シリカを用いてもよい。
【0064】
コーティング前駆体は、任意の適切な手段によってハウジングの表面に塗布することができる。1つの実施例において、前駆体は、液体として提供されてもよい。たとえば、一態様において、コーティング前駆体は塗料であってもよい。これらの実施例において、前駆体は、たと例えば、浸漬コーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、またはスクリーン印刷によって堆積できる。別の実施例において、前駆体は粉末として提供することができる。これらの実施例において、前駆体は、たとえば、粉末スプレーによって堆積されてもよい。
【0065】
前駆体が塗料である場合、前駆体を処理することが、前駆体を乾燥することを含んでもよい。本発明の文脈における乾燥は、必ずしも前駆体への乾燥手段の能動的な適用を意味しない。むしろ、乾燥は、塗料が乾燥してコーティングを形成するような雰囲気中に前駆体を担持する表面を残すような受動的技術を含むようにされる。
【0066】
一部の実施形態において、前駆体を処理することが、前駆体を硬化することを含んでもよい。硬化方式は、前駆体の性質に依存するが、前駆体を加熱すること、または前駆体を(UV光のような)電磁波で照射して前駆体を硬化させ、コーティングを提供することを含んでもよい。
【0067】
ハウジングおよびコーティングの構成は、他のデバイスと比較して、動作中にデバイスが到達する表面温度を低下させてもよい。一部の実施形態では、使用セッション中、デバイスの表面は、55℃未満、好ましくは50℃、より好ましくは48℃、最も好ましくは45℃の温度に達する。
【0068】
本発明の一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイスを、エアロゾル生成デバイスの取り外し可能なカバーと組み合わせたキットが提供される。取り外し可能なカバーは、「スリーブ」とも呼ばれる。エアロゾル生成デバイスは、本明細書に記載のエアロゾル生成デバイスのような任意の適切なエアロゾル生成デバイスであってよい。この態様による一部の実施例では、エアロゾル生成デバイスのハウジングは、ソフトタッチコーティングを有する。他の実施例では、エアロゾル生成デバイスのハウジングは、ソフトタッチコーティングを有していない。
【0069】
取り外し可能なカバーは、カバーがエアロゾル生成デバイスに設けられたときに、その内表面がエアロゾル生成デバイスのハウジングの少なくとも一部分に接触するように構成された内表面を有する。実施例では、内表面は、使用中にエアロゾル生成デバイスを配置することができる容積を画定する。
【0070】
取り外し可能なカバーは、典型的には、開口部を有し、この開口部を通して、エアロゾル生成デバイスを容積に供給し、または容積から取り外すことができ、取り外し可能なカバーをデバイスに対してスライドさせることによって、取り外し可能なカバーをデバイスに取り付けたり取り外したりすることができる。実施例において、取り外し可能なカバーは、2つの端部(典型的には対向する端部)で開口し、取り外し可能なカバーは、開口した端部間の軸に沿って延びる管腔(容積)を画定する。
【0071】
取り外し可能なカバーは、外表面を有し、この外表面は、カバーがエアロゾル生成デバイスに設けられたときに、ユーザが、エアロゾル生成デバイスと相互作用するときに取り外し可能なカバーの外表面に触れることができるように構成されている。実施例において、取り外し可能なカバーは、エアロゾル生成デバイスのハウジングの少なくとも一部分とユーザとの間に障壁を形成する。本発明者らは、デバイスの動作中に取り外し可能なカバーがエアロゾル生成デバイスの周囲に配置されるとき、取り外し可能なカバーの外表面が、典型的には、ハウジングの表面温度より低い表面温度を有することを確認した。
【0072】
取り外し可能なカバーは、任意の適切な材料を含むことができる。実施例において、取り外し可能なカバーの実質的に全てが同じ材料で形成される。実施例において、取り外し可能なカバーは断熱材を含む。実施例において、取り外し可能なカバーは繊維状であり、例えば、織物繊維を含む。実施例では、取り外し可能なカバーはエラストマであり、例えば、取り外し可能なカバーはシリコーンを含み、更に/又はシリコーンからなる。エラストマの取り外し可能なカバーは、所望であれば、エアロゾル生成デバイスの周囲から容易に取り外すことができ、所望であれば、カバーウェル内にエアロゾル生成デバイスを保持する。
【0073】
有利なことに、本発明者らは、断熱材を含む取り外し可能なカバーを備えたエアロゾル生成デバイスを提供することにより、エアロゾル生成デバイスの使用中にユーザが経験する表面温度が低下し、それによってユーザの経験が向上することを確認した。
【0074】
さらに、取り外し可能なカバーと組み合わせてエアロゾル生成デバイスを提供することにより、たとえば、特徴的な色または表面パターンを有する取り外し可能なカバーによって、より望ましい外観を提供することができる。
【0075】
取り外し可能なカバーは、典型的には、ユーザがデバイスと相互作用することができる一つ又は複数の穴を含む。実施例において、取り外し可能なカバーは、デバイスのユーザインターフェースおよび/またはインジケータに対応する穴を備え、例えば、取り外し可能なカバーは、デバイスが取り外し可能なカバー内に配置されるときに、穴は、取り外し可能なカバーがデバイスのユーザインターフェースおよび/またはインジケータを覆わないように、ユーザインターフェースおよび/またはインジケータの周囲に位置するように構成される。ユーザインターフェースは、典型的には、デバイスおよび/またはディスプレイを制御するアクチュエータを備える。実施例において、取り外し可能なカバーは、デバイスのバッテリを充電するためのケーブルを受け入れるためのソケット/ポートに対応する穴を備え、例えば、取り外し可能なカバーは、デバイスが取り外し可能なカバー内部に配置されたときに、穴がソケット/ポートの周囲に位置して、電力ケーブルが穴を通ってソケット/ポートに達することができるように構成される。
【0076】
以下、図面を参照して本発明の他の態様について説明する。
【0077】
図1Aは、本発明によるエアロゾル生成デバイス100の斜視図である。
図1Bは、デバイス100の正面図である。
図1Cは、デバイス100の側面図である。
図1Dは、デバイス100の上面図である。
【0078】
デバイス100は、ハウジング102を備える。ハウジングは、ベース104、上面106、本体部分108を備えることができる。本体部分は、前面110、後面112、第1の側部分114、第2の側部分116を備えることができる。
【0079】
ハウジングは、第1の方向120、第2の方向122、第3の方向124に延びる。各方向は他の方向に垂直である。第1の方向120、第2の方向122、第3の方向124は3次元空間を規定する。
【0080】
さらに、
図2A~
図2Cは、第1の方向120、第2の方向122、第3の方向124およびハウジング102の延長部を示す。第1の方向120において、ハウジング102は、85mm以下の特徴的な範囲130を有する。好ましくは、第1の方向120の範囲130は、70mmより大きく、75mmより大きく、または80mmより大きい。好適には、第1の方向130の範囲130は82mmである。第1の方向120における特徴的な範囲130は、便宜上、ハウジング102の高さ130と呼ぶことができ、その方向におけるハウジングの最大範囲を指す。
【0081】
第2の方向122において、ハウジング102は、45mm以下の特徴的な範囲132を有する。好ましくは、第2の方向122における範囲132は、30mm、35mm、40mmを超える。好適には、第2の方向122における範囲132は43mmである。第2の方向122における特徴的な範囲132は、便宜上、ハウジング102の幅132と呼ばれ、第2の方向132におけるハウジング102の最大範囲を指す。
【0082】
第3の方向124において、ハウジング102は、23mm以下の特徴的な範囲134を有する。好ましくは、第3の方向124における範囲134は、10mm、15mm、20mmを超える。好適には、第3の方向124における範囲134は、21mmである。
【0083】
本発明者らは、上述のパラメータを有するハウジング102が、ユーザの手に保持されるのに驚くほど適していることを見出した。これらの寸法は、使用セッション中にユーザにより満足される人間工学的デバイスを提供する。
【0084】
ハウジング102の内側には、好ましくはエアロゾル生成物品の形態のエアロゾル生成材料を受け入れるための加熱アセンブリ(図示せず)が配列されている。加熱アセンブリは、加熱アセンブリ内に受容されたエアロゾル生成材料を加熱するように構成される。たとえば、加熱アセンブリは、エアロゾル生成物品を受け入れることができるチャンバを画定し、エアロゾル生成物品を外部から加熱するためにチャンバの周囲に配置された一つ又は複数の加熱ユニットを備えることができる。別の実施形態において、加熱アセンブリに受け入れられたエアロゾル生成物品に挿入されるように構成された加熱ユニットを備えることができ、使用時に加熱ユニットが内部からエアロゾル生成物品を加熱、即ち、エアロゾル生成物品の内側からエアロゾル生成材料を加熱する。加熱アセンブリは、穴140を画定し、この穴140を通って、エアロゾル生成物品を加熱アセンブリに挿入することができる。穴140は、好ましくは、ハウジング102の上表面106に配置される。
【0085】
デバイスは、任意に、ハウジング102の一部分に配置された摺動可能なカバー142を含む。
図1A~
図1Dに示すデバイスでは、摺動可能なカバー142は、上面106上に配置される。摺動可能なカバー142は、ユーザが摺動可能なカバー142を少なくとも第1の位置および第2の位置に位置決めできるように構成される。摺動可能なカバー142は、第1の位置において、摺動可能なカバーが穴140を覆い、それによって、望ましくない材料が加熱アセンブリに入るのを防ぐように構成される。また、摺動可能なカバー142は、第2の位置において、摺動可能なカバー142が穴140を覆わず、エアロゾル生成物品の挿入を可能にするように構成される。
【0086】
また、デバイスは、デバイス100を作動させるためのユーザインターフェース144を備え、ユーザインターフェースはハウジングの一部分に配置される。オプションとして、ユーザインターフェース144は、ユーザが所定の方法でユーザインターフェース144と相互に作用することによって、デバイス100の所望の動作モードを選択できるように構成することもできる。
【0087】
デバイスは、デバイス100の動作をユーザに示すインジケータ146を更に備える。たとえば、インジケータ146は、デバイス100がオンであること、および/または、加熱セッションが進行中であることを示すように構成することができる。さらに、デバイス100が複数のモードで動作可能である実施形態において、インジケータ146は、選択された動作モードをユーザに示すことができる。
【0088】
好ましくは、ユーザインターフェース144およびインジケータ146は、ハウジング102の表面に一緒に配置される。
図1に示されるような特に好ましい実施形態において、インジケータ146は、ユーザインターフェース144を囲むように配置される。
【0089】
ハウジングは、デバイス100のバッテリを充電するために、ケーブルを受け入れることができるソケット/ポートなどのデバイスの電気コネクタ/コンポーネントを受け入れるための穴148を含むことができる。たとえば、ソケットは、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。一部の実施例において、ソケットは、デバイス100と計算デバイスなどの別のデバイスとの間でデータを転送するために、追加的に又は代替的に使用されてもよい。好ましくは、穴148は、第1の側部分114または第2の側部分116に設けられる。この構成により、デバイス100は、平坦な表面上のベース104上にある電荷を受け取ることができる。特に好ましい実施形態において、第2の側部分よりも第1の側部分114に近いハウジング内にバッテリが配置され、第1の側部分114に穴148が設けられ、穴148に充電ポートが配置される。
【0090】
また、ハウジング102は、コントラスト特徴部150を備えることができる。コントラスト特徴部150は、異なる色で提供することができ、デバイスのモデルを示すために有利に使用することができる。コントラスト特徴部150は、顔料層(即ち、塗装によって提供される)から形成され、ハウジング102の表面と実質的に同一平面であってもよい。あるいは、コントラスト特徴部150は機械加工されてもよい。たとえば、コントラスト特徴部150は、ハウジングの表面にわたって窪み又は凹部を形成することができる。任意に、コントラスト特徴部150は、異なる仕上げを備えることができる。
【0091】
好ましくは、コントラスト特徴部150は、ハウジングの表面に沿って凹部を形成する。凹部は、チャネルを形成することができ、このチャネルは、ベースと、ハウジングの表面をベースの第1の縁部に接続する第1の側壁と、表面をベースの第2の縁部に接続する第2の側壁とを有する。凹部は、凹部に沿って実質的に一定の幅および深さを有することができる。凹部の幅は、凹部に沿った任意の点における第1の側壁と第2の側壁との最短距離とする。凹部の深さは、チャネルの最深点に垂直に測定した、凹部に沿った任意の点におけるチャネルの最深点からハウジングの表面までの距離とする。
【0092】
凹部は、実質的に一定の幅および凹部に沿った深さを好適に有することができ、幅および/または深さは、0.4~1.2mmである。好ましくは、凹部の深さは、幅以下である。
【0093】
好ましい実施形態において、コントラスト特徴部150は、異なる外観を有するハウジング102の2つの部分を区切る。たとえば、コントラスト特徴部150は、第1の色を有するハウジングの部分と、第1の色とは異なる第2の色を有する別の部分との間に配置されてもよい。代替的または追加的に、コントラスト特徴部150は、異なる仕上げを有するハウジングの部分の間に配置されてもよい。特に好ましい実施形態において、コントラスト特徴部150は、ソフトタッチコーティングを有するハウジングの部分と、ソフトタッチコーティングを有さないハウジングの部分との間に配置される。
【0094】
本発明の一態様は、ソフトコーティング前駆体などのコーティング前駆体をハウジング102の一部分に塗布する方法である。一実施形態において、本方法は、コントラスト特徴部150に当接する部分にコーティングを塗布することを含む。好ましくは、この方法は、コントラスト特徴部150の第1の側壁または第2の側壁と同様に、コントラスト特徴部150に隣接するハウジングの表面の部分、および任意にコントラスト特徴部106のベースの部分にコーティングを塗布することを含む。これは、凹部の内部に配置された「端部」にコーティングを設けることができ、有利なことに、ユーザがソフトタッチ表面を剥がすことを少なくとも部分的に禁止する。また、この構成体は、コーティングの「端部」が叩かれ、表面から剥離する可能性を低減することができる。
【0095】
ハウジングは、任意の適切な材料で形成することができる。好ましい実施形態において、ハウジングの少なくとも一部分は、アルミニウムを備える。たとえば、ハウジング102の少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、80重量%をアルミニウムで形成することができる。特に好ましい実施形態において、ハウジング102の少なくとも一部分は、陽極酸化アルミニウムを備える。たとえば、ハウジング102は、陽極酸化アルミニウム層で覆われたアルミニウム金属ベースを有する。
【0096】
図2は、デバイス100を示す。ハウジング102は、ベース104を備える。ベースは、第1の方向120に垂直な第1の平面160に配置される。第1の平面160は、第2の方向122および第3の方向124に沿って延びる。このような構成体は、使用の間に平坦な表面上に都合よく置くことができるエアロゾル生成デバイス100を提供することができる。さらに、本図に示すように、ベース104が実質的に平面である場合、デバイス100は、平坦な表面上に静止した状態で表示できる。
【0097】
あるいは、デバイスの特徴部は、第2の方向122に垂直で第1の方向122および第3の方向124に延びる第2の平面162、または第3の方向124に垂直で第1の方向120および第2の方向122に延びる第3の平面164に配置されてもよい。以下、第2の平面162及び第3の平面164を更に参照する。
【0098】
また、ハウジング102は、上面106を備える。上面は、平面160を横切ってベース104と対向するように配置される。上面は、ベース104と実質的に同一平面上にあってもよく、第1の平面160内にあってもよい。しかし、好ましくは、上面はベース104と同一平面上にない。むしろ、
図3に示されるように、上面は、好ましくは、第4の平面166内に延びる。第4の平面166は、第3の方向124に延び、第1の平面160と二面角θ
160-166を形成する。したがって、二面角θ
160-166は、ベース104と上面106との間の角度に対応する。二面角θ
160-166は、0°より大きい。二面角θ
160-166は、5°未満が好ましく、4°未満がより好ましく、3°未満が更に好ましい。二面角は、0.5°、1°、1.5°、2°より大きいことが好ましい。好ましい実施形態において、二面角は約2.5°である。本発明者らは、本明細書で定義されるような傾斜を有するように配置された上面は、デバイスが手に保持されたときに、ユーザにとってより快適に感じることができることを見出した。
【0099】
また、第4の平面166は、第3の方向124および第4の方向126に延びるものとして規定可能である。第4の方向126は、第3の方向124に対して垂直であり、第2の方向122からθ160-166である。
【0100】
特に好ましい実施形態において、二面角θ160-166は5℃未満であり、摺動カバー142は第4の方向126の軸に沿って摺動可能に構成される。本発明者らは、この構成が、摺動カバー142を動かして穴140を露出または覆う際に、ユーザにとってより快適であることを見出した。摺動カバー142は、上面106と実質的に平行に配置することができる。一実施形態において、摺動ドアは、10mm未満、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mmの厚さを有する。摺動カバー142の厚さは、第4の平面166に対して垂直な方向における摺動ドアの範囲として規定される。摺動カバーは、摺動カバーの上表面に溝付きテクスチャを備えることができる。有利なことに、この溝のある構造は、摺動ドアがより大きなグリップを提供するので、ユーザがより容易に摺動ドアを動かすことができることを意味する。
【0101】
ベース104と上面106は、本体部分によって接続されている。本体部分は、前面110、後面112、第1の側部分114、第2の側部分116を備える。
【0102】
図5に示すように、第1の側部分114は、面110、112の第1の縁部で前面110と後面112を接続し、第2の側部分116は、面110、112の第2の縁部で前面110と後面112を接続する。第1の側部分114は、第2の側部分116に対向して配置される。好ましくは、第1の側部分114は、第2の平面162を横切って第2の側部分116に対向して配置される。
【0103】
第1の側部分114および第2の側部分116は、両方とも第1の方向に延びる。好ましくは、各側部分は、第1の平面160において湾曲している。
【0104】
好ましい実施形態において、ハウジング102の形状は、第3の平面164にわたって実質的に対称である(すなわち、
図4の平面164の左側の部分は、
図4の平面164の右側の部分に対して対称である)。本発明者らは、ユーザが、このようにして対称的に構成されたデバイス100を手でより快適に保持することができることを見出した。更なる実施形態において、ハウジング102の形状は、好ましくは、第2の平面162および第1の平面160にわたって非対称である。特に、第3の方向124におけるデバイスの範囲は、ハウジング102の第2の方向122に沿って一定でないことが好ましい。ここでも、本発明者らは、ユーザが、このように非対称に構成されたデバイス100を手でより快適に保持することができることを見出した。
【0105】
図6A~
図6Cは、本発明の別の態様:ハウジング102の本体部分108を示す。本体部分108の一部分(したがって、ハウジング102の一部分)は、近接した陰影で表示されるソフトタッチコーティングを有する。
図6Aは、本体部分108の斜視図である。
図6Bは、ハウジング102の底面図である。
図6Cは、
図6Bの一部分の拡大図である。
【0106】
本体部分は、実質的に管状の要素を画定する。すなわち、本体部分は、軸168に沿って延びる管腔170を画定する。軸168は、第1の方向120にある。ハウジングは、第1の端部172および第2の端部174を有する。ハウジングは、第1の端部172及び第2の端部174の両方で開口している。別の実施形態(図示せず)において、管状要素は、一端部のみが開口していてもよい。たとえば、本体要素108は、本体要素が第2の端部174に単一の開口を有するチャンバを画定するように、第1の端部172の開口を覆う上部を備えることができる。しかし、好ましくは、本体部分108は、図に示すように、両端部172,174において開口している。
【0107】
この実施形態は、デバイス100のモジュール式アセンブリに特に適しており、両端部で開口している本体部分108は、ハウジング102内部に加熱アセンブリを提供する場合など、より簡単な組立処理を可能にすることができる。
【0108】
本体部分108がデバイス100内のハウジング102の一部として配置される場合、ベース104及び上面106は、本体部分108の第1の端部172及び第2の端部174の開口を閉じるように配置されることが好ましい。一部の実施例において、ベース104及び/又は上面106は、ソフトタッチコーティングを含む。好ましい実施例において、ベース104及び上面106の少なくとも一方は、ソフトタッチコーティングを含まない。特定の実施例において、ベース104も上面196もソフトタッチコーティングを含まない。
【0109】
本体部分は、内表面176を備える。内表面176は、軸168に面し、デバイスの内部部品に面する意味で、内「面」である。内表面176は、広い間隔の陰影で示されている。
【0110】
また、本体部分は、外表面178を備える。外表面178は、内表面176および軸168とは反対の方向を向いており、デバイス100の外部環境に面する意味で「外」である。好ましくは、密接した線の陰影で示されるように、少なくとも一部のソフトタッチコーティングは、外表面178の部分178a上に配列され、これは、ユーザがソフトタッチ感覚を体験するために最も容易に取り扱うことができる本体部分108の一部である。外表面178の全体は、好ましくはコーティングされない。むしろ、コーティングされた部分178aは、表面積で外表面178の10%~90%、好ましくは、20%~85%、より好ましくは、30%~80%、さらに好ましくは、40%~75%、最も好ましくは、45%~70%を占めることが好ましい。一部の実施例において、コーティングされた部分178aは、表面積によって、外表面178の少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、75%、80%、85%を構成する。一部の実施例において、コーティングされた部分178aは、表面積によって、外表面178の85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%未満を構成する。
【0111】
好ましい実施形態において、本体部分108は、モノリシック素子である。すなわち、それは、単一の連続した材料片から形成され、モジュール式ではない。しかし、別の実施形態において、本体部分108は、複数のモジュール部品から形成することができる。
【0112】
本体部分108は、接続面180を含む。接続面180は、内表面176と外表面178とを接続する面である。好ましくは、接続面は、内表面176及び外表面178の各々の縁部の全体に沿って配置される。接続面180が配置される場所に応じて、接続面180は、本体部分108の上面180(接続面180が本体部分108の第1の端部172に配置される場合)または本体部分108の底面180(接続面が第2の端部174に配置される場合)と呼ばれることがあり、好ましくは、図に示されるように、接続面は底面180である。
【0113】
接続面180は、好ましくは実質的に平坦である。図に示すように、接続面180は、実質的に平坦であり、第1の平面160を横切って延びる(即ち、第1の方向120に垂直である)。有利には、このように接続面180を配置することにより、デバイス1000に安定したベースを提供することができる。特に好ましい実施形態において、本体部分108がデバイス100内のハウジング102の一部として配置されるとき、ベース104及び接続面180は、それらが一緒にデバイスに底表面を提供するように配置される。更に好ましくは、ベース104および本体部分108は、接続面180がベース104から突出するように配置できる。すなわち、本体部分108は、ベース104の外部表面を越えて第1の方向120に延び、デバイスが第1の平面160内に延びる平面に配置された場合、ベース104が表面に直接接触しないようにし、むしろ、デバイス100は、デバイス100が第1の平面160内に延びる表面上に置かれたときに、接続面180のみが表面に接触するように構成される。これにより、ベース104のひっかき傷および磨耗の低減、および/またはベース104内のコンポーネントへの応力の低減が可能となる。
【0114】
図6Cに最も明確に示されるように、接続面180は、内部縁部182によって内表面176に接続される。接続面180は、外縁部184によって外面178に接続される。
【0115】
図7Aは、
図6Bに示す平面B-Bに沿った本体部分108の断面図である。
図7Bは、
図7Aの一部分の拡大図である。
図7Cは、
図7Aに示す断面の拡大斜視図であり、楔形の矢印に沿った斜視図(即ち、
図7Aに示す断面の底面、前面、第2の側面図)である。
【0116】
図7Bに最も明確に示されるように、内縁部182は、鋭い角部によって内表面176と接続面180とを接続し、好ましくは、内縁部182は、内表面176と接続面180との間に直角を形成する。内縁部182によって形成される角度は、好ましくは、内表面の周囲全体にわたって一定である。たとえば、内縁部182は、好ましくは、本体部分108の全体の周りに直角を形成する。別の実施形態(図示せず)において、内縁部182は直角を形成せず、むしろ、接続面180は、第1の平面160に沿って延び、内縁部が鈍角を形成するように配置された内表面176の一部分に接続される。換言すれば、接続面180に接続された内表面176の部分は、内縁部182から軸168に向かって傾斜してもよい。
【0117】
外縁部184は、丸みを帯びた角部によって、外表面178と接続面180とを接続する。丸みを帯びた角部は、より望ましい使用感を提供することができる。さらに、本発明者らは、外縁部184を丸みを帯びた縁部として形成することにより、外表面178上に配列されたソフトタッチコーティングの層間剥離を低減できることを見出した。
【0118】
ソフトタッチコーティングは、外表面178、内表面176、接続面180、内縁部182および/または外縁部184の一部分に配列されてもよい。
図7Bおよび
図7Cに示すように、ソフトタッチコーティングを有する本体部分108の部分は、好ましくは、外表面178の部分178a、接続面180の部分、外縁部184の部分を含む連続部分であり、特に好ましい実施形態において、ソフトタッチコーティングは、接続面180及び外縁部184の全体を覆う。本発明者らは、外表面の一部分178aに沿って延びるようにソフトタッチコーティングを配置することによって、外縁部184および接続面180がソフトタッチコーティングの層間剥離を低減できることを見出した。理論に束縛されることを望まないが、端部を越えて接続面180上にコーティングを延ばすことにより、コーティングの端部が外部要素に引っ掛かり、本体部分108の表面から剥がれ始める機会が減少すると考えられる。
【0119】
さらに、連続部分は、好ましくは、内縁部182の一部分および内表面176の一部分に沿って延びる。たとえば、連続部分は、好ましくは、外表面178、外縁部184、接続面180、内面182、内表面176の部分に沿って延びる。特に好ましい実施形態において、連続部分は、内縁部182の全体及び内表面176の部分176aに沿って延びる。ソフトタッチコーティングを有する内表面の部分176aは、好ましくは、第1の方向120における内表面176に沿った内縁部182からの範囲176bが0.5~3mm、好ましくは1~2mmである。部分176aと内表面176の残分との間の境界は、便宜上、被覆部分の「端部」と呼ぶことができる。好ましくは、コーティングされた部分は、第2の端部174における開口部全体の周囲の内表面176の部分176aに沿って延びる。
【0120】
デバイス100の特に好ましい実施形態において、上述のような内コーティング176aを有する本体部分108は、ベース104が、ソフトタッチコーティングを有する内表面176の部分176aに当接するように、ベース104と共に配置される。具体的には、デバイスは、コーティングされた部分の端部が、通常のユーザがアクセスできないようにデバイス内部に配列されるように構成される。驚くべきことに、このようにして、ユーザは、本体部分108からソフトタッチコーティングを剥がすことを思いとどまらせ、それによって、ソフトタッチコーティングの層間剥離のリスクを低減する。0.5~3mmの範囲176bは、コーティングされた部分の端部がデバイス100の外側から十分に離れており、製造コストができるだけ低く保たれる点で(エンドユーザがアクセスできない内表面176の不必要に大きなコーティングが回避されるため)、特に有利な範囲であることが分かった。
【0121】
この被覆された本体部分は、ソフトタッチコーティングを受けるべき部分にソフトタッチコーティング前駆体を供給し、連続部分にソフトタッチコーティングを提供するためにソフトタッチコーティング前駆体を処理することによって製造することができる。たとえば、前駆体は、外表面178の部分178a、外縁部184、接続面180、内縁部182、内表面176の部分176aに沿って延びる連続部分に供給されてもよい。
【0122】
本体部分108の周りの任意の点における内縁部182と外縁部184との間の最短距離は、便宜上、接続面180の幅と呼ぶことができる。接続面の幅は、好ましくは、本体部分108全体の周りで実質的に一定である。ここで規定されるように、幅は、接続面180の平面特性が終了する地点の間に延びる。縁部が実質的に鋭い縁部(たとえば、内縁部182)である実施形態において、幅は、鋭い縁部から測定することが適切である。縁部が丸みを帯びた縁部(たとえば、外縁部184)である実施形態において、接続面は平坦部分のみを含むと考えられ、縁部は、丸みを帯びた角部の湾曲が始まる点から延びると見なされる。したがって、
図7Bに示す実施例では、本体部分108の周りの任意の点における接続面180の幅は、鋭い角部182と接続面80aの平面特性の外部端部との間の最短距離である。好ましくは、接続面180の幅は、本体部分108の周りで実質的に一定であり、0.5mm~5mm、好ましくは、0.5mm~2mm、より好ましくは、0.5mm~1mm、適切には約75mmである。本発明者らは、このサイズの幅が、より小さい又はより大きい接続面180の幅を有する対応する本体部分よりも、コーティング層間剥離の著しい低減およびより大きい剥離抵抗を提供することを見出した。
【0123】
外表面178が内表面176と同一平面上にある場合(例えば、外表面178が内表面176に向かって先細になっていない、外表面178と内表面176との間に実質的に一定の最短距離がある部分に沿って)、外表面178と内表面との間の平均最短距離(例えば、ハウジングの厚さ)は、典型的には、約0.8~約1.6mmである(平均は、ハウジングの周りで得られる全ての測定値の平均である)。一実施例では、平均厚さは約0.975mmである。別の実施例では、平均厚さは約1.5mmである。有利には、より大きな厚さを有する、この実施例は、動作中により低い外表面178の温度を有してもよい。
【0124】
接続面180は、特徴的な形状を有してもよい。特徴的な形状は、第1の平面160を通る本体部分108の横断面の特徴的な形状に対応してもよい。
【0125】
図8Aは、接続面180の適切な特徴的な形状を示す。特徴的な形状は、特徴的な形状の外縁部を形成する形状190a(「外形状190a」)と、特徴的な形状の内縁部を形成する形状190b(「内形状190b」)とを有する。本発明の文脈において、このような形状は、環状部と呼ばれてもよい。誤解を避けるために、環状部の定義は、本開示による実質的に円形の形状を超えて拡張する。
【0126】
内形状190bは、内縁部182に適切に対応する。適切な外形状190aは、接続面180の最も遠い範囲に対応し、これは、外縁部184が終わる点である(即ち、
図7Bに示される範囲180aに対応する)。
【0127】
好ましくは、
図8Aに示すように、外形状190aおよび内形状190bは同心である。すなわち、それらは同じ中心点186を共有する。
【0128】
一実施形態において、外形状190aおよび内形状190bの両方は、規則的な二次元形状の組み合わせとして特徴付けることができる。たとえば、各形状190a、190bは、
図8B~
図8Dに示されるように、第1の凸部分194および第2の凸部分196と組み合わせて等脚台形192から形成されてもよい。各形状190a、190bは、必然的に他とは異なるパラメータを有するが、以下の説明は、他に示される場合とは別に各形状に別々に適用することができる。
【0129】
等脚台形192は、形状の中心部分を形成し、内角αおよびβを含む。α = α, β = β, α≠β。等脚台形192aの高さhは、25mm以下であることが好ましい。高さhは、10mm、15mm、20mmより大きくてもよい。台形192の高さhは、約24mmが適当である。
【0130】
台形は、一対の平行な側部(「ベース」)および一対の非平行な側部(「脚」)を有する。台形192の脚は長さが等しく、ベースaは、ベースbより長い。
【0131】
第1の凸部分194は、ベースaの全体に亘って配置されている。すなわち、凸部分194のベースは、ベースaと同じ長さである。好ましくは、図示のように、第1の凸部分194は、実質的に半円形である。本実施形態において、凸部分194の半径は、r1であり、a=2r1である。
【0132】
半円状の第1の凸部分194aの半径r1は、12mm以下である。半径r1は、5mm、8mm、または、10mmより大きくてもよい。好適には、半径r1は、10mm~11mmである。したがって、ベースaは、24mm以下であり、23mm程度が適当である。
【0133】
第2の凸部分196は、ベースbの全体に亘って配置されている。すなわち、凸部分196のベースは、ベースbと同じ長さである。したがって、b=2r2である。好ましくは、図示のように、第2の凸部分196は、実質的に半円形である。本実施形態では、凸部分196の半径はr2であり、b=2r2である。
【0134】
半円状の第2の凸部分196aの半径r2は、11mm以下である。半径r2は、5mm、7mm、または9mmより大きくてもよい。好適には、半径r2は、約9mmである。したがって、ベースbは、22mm以下であり、18mm程度が適当である。
【0135】
好ましくは、特徴的な形状が環である場合、環の幅188(即ち、環の周りの各点における外形状190aと内形状190bとの間の最短距離)は、環の全体の周りで実質的に一定である。特徴的な形状が実質的に円形ではない図に示されるような実施例において、これは、外形状190aおよび190bが一致しないことを意味し、それらは、側部の長さおよび内角の同じ比率を有しない。幅は、0.5mm~5mmが好ましい。
【0136】
図9Aは、本発明によるエアロゾル生成デバイスの誘導加熱アセンブリ200を示す。
図1Bは、デバイスの誘導加熱アセンブリ200の横断面を示す。
【0137】
加熱アセンブリ200は、第1のまたは近位または口側端部202と、第2のまたは遠位端部204とを有する。使用時、ユーザは、形成されたエアロゾルをエアロゾル生成デバイスの口側端部から吸入する。口側端部は、開放端部であってもよい。
【0138】
加熱アセンブリ200は、第1の誘導加熱ユニット210および第2の誘導加熱ユニット220を備える。第1の誘導加熱ユニット210は、第1のインダクタコイル212および第1の加熱要素214を備える。第2の誘導加熱ユニット220は、第2のインダクタコイル222および第2の加熱要素224を備える。
【0139】
図9Aおよび
図9Bは、サセプタ240内部に受け入れられた喫煙物品230を示す。サセプタ240は、第1の誘導発熱体214及び第2の誘導発熱体224を形成する。サセプタ240は、誘導加熱に適した任意の材料から形成することができる。たとえば、サセプタ240は金属を含んでもよい。一部の実施形態において、サセプタ240は、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム、スズ、もしくは亜鉛などの非鉄金属、および/または鉄、ニッケル、もしくはコバルトなどの鉄材料を含むことができる。追加的に又は代替的に、サセプタ240は、炭化ケイ素、炭素またはグラファイトなどの半導体を含んでもよい。
【0140】
エアロゾル生成デバイスに存在する各誘導加熱要素は、任意の適切な形状を有することができる。
図9Bに示す実施形態において、誘導加熱要素214,224は、エアロゾル生成物品を囲むレセプタクルを画定し、エアロゾル生成物品を外部から加熱する。他の実施形態(図示せず)において、一つ又は複数の誘導加熱要素を実質的に細長くして、エアロゾル生成物品を貫通し、エアロゾル生成物品を内部で加熱するように構成することができる。
【0141】
図9Bに示されるように、第1の誘導加熱要素214および第2の誘導加熱要素224は、モノリシック要素240として一緒に提供されてもよい。すなわち、一部の実施形態において、第1の加熱要素214と第2の加熱要素224との間に物理的な区別がない。むしろ、第1の加熱ユニット210と第2の加熱ユニット220との間の異なる特性は、各誘導加熱要素214,224を囲む別々のインダクタコイル212,222によって規定され、それらは互いに独立して制御可能である。他の実施形態(図示せず)において、物理的に異なる誘導加熱要素を使用することができる。
【0142】
第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222は、導電性材料から作られる。この実施例において、第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222は、螺旋状に巻かれて螺旋状インダクタコイル212,222を提供するリッツ線/ケーブルから作られる。リッツ線は、個々に絶縁され、互いに撚り合わされて単一のワイヤを形成する複数の個々のワイヤを含む。リッツ線は、導体の表皮効果損失を低減するように設計されている。例示的な誘導加熱アセンブリ200において、第1のインダクタコイル224および第2のインダクタコイル226は、円形横断面を有する銅リッツ線から作られる。他の実施例において、リッツ線は、矩形などの他の形状の横断面を有することができる。
【0143】
第1のインダクタコイル212は、第1の誘導加熱要素214を加熱するための第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル222は、サセプタ224の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成される。第1の誘導コイル212と第1の誘導加熱要素214とが一体となって第1の誘導加熱ユニット210を形成する。同様に、第2のインダクタコイル222及び第2の誘導加熱要素224が、一体となって第2の誘導加熱ユニット220を形成する。
【0144】
この実施例では、第1のインダクタコイル212は、デバイス加熱アセンブリ200の縦軸に沿った方向で第2のインダクタコイル222に隣接している(すなわち、第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222は重複しない)。サセプタ構成体240は、単一のサセプタを含むことができる。第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222の端部250は、PCB(図示せず)などのコントローラに接続することができる。PCBは、好ましくは、第1の平面に沿って延びるように配置される。すなわち、PCBの最小範囲は第1の方向である。この構成体は、第1の方向に最大に延びるように配置されたPCBを備える同等のデバイスよりも、第1の方向に小さい範囲を有するデバイスを可能にすることができる。第1の方向の範囲を小さくすることにより、ユーザは、デバイスを片手で保持しながら、デバイスの上部に配置された摺動ドアとより容易に相互作用することができる。好ましい実施形態において、コントローラは、PIDコントローラ(比例積分微分コントローラ)を含む。
【0145】
変動磁場は、第1の誘導加熱要素214内部に渦電流を生成させ、それによって、コイル212に交流電流を供給してから短時間内に(たとえば、20,15,12,10,5,2秒以内に)最高動作温度まで第1の誘導加熱要素214を急速に加熱する。最高動作温度に急速に達するように構成された第1の誘導加熱ユニット210を、第2の誘導加熱ユニット220よりも加熱アセンブリ200の口端部202の近くに配置することは、許容可能なエアロゾルが、使用セッションの開始後できるだけ早くユーザに提供されることを意味する。
【0146】
第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222は、一部の実施例において、互いに異なる少なくとも1つの特性を有してもよいことが理解されよう。たとえば、第1のインダクタコイル212は、第2のインダクタコイル222とは異なる少なくとも1つの特性を有することができる。より具体的には、一実施例において、第1のンダクタコイル212は、第2のインダクタコイル222とは異なるインダクタンス値を有することができる。
図9Aおよび
図9Bにおいて、第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222は、第1のインダクタコイル212が第2のインダクタコイル222よりも小さいサセプタ240のセクションに巻き付けられるように、異なる長さを有する。したがって、第1のインダクタコイル212は、第2のインダクタコイル222とは異なる数のターンを含むことができる(個々のターン間の間隔が実質的に同じであると仮定する)。さらに別の実施例において、第1のインダクタコイル212は、第2のインダクタコイル222とは異なる材料から作られてもよい。一部の実施例において、第1のインダクタコイル212および第2のインダクタコイル222は、実質的に同一であってもよい。
【0147】
この実施例において、第1のインダクタコイル212と第2のインダクタコイル222は同じ方向に巻回されている。しかしながら、別の実施形態において、インダクタコイル212,222は、反対方向に巻回されてもよい。これは、インダクタコイルが異なる時間にアクティブである場合に有用である。たとえば、最初に、第1のインダクタコイル212は、第1の誘導加熱要素214を加熱するように動作し、後に、第2のインダクタコイル222は、第2の誘導加熱要素224を加熱するように動作する。コイルを逆方向に巻回することは、特定のタイプの制御回路と共に使用される場合に、非アクティブコイルに誘起される電流を低減するのに役立つ。一実施例において、第1のインダクタコイル212は右螺旋であり、第2のインダクタコイル222aは左螺旋である。別の実施例において、第1のインダクタコイル212は左螺旋であり、第2のインダクタコイル222は右螺旋である。
【0148】
コイル212,222は、任意の適切なジオメトリを有することができる。理論に束縛されることを望まないが、誘導加熱要素をより小さく構成すること(例えば、より小さいピッチの螺旋、螺旋内のより少ない回転、螺旋のより短い全長)は、誘導加熱要素が最大動作温度に達することができる速度を増加させることができる。一部の実施態様において、第1のコイル212は、加熱アセンブリ200の縦方向に、約20mm未満、18mm未満、16mm未満又は約14mmの長さを有することができる。好ましくは、第1のコイル212は、加熱アセンブリ200の縦方向において第2のコイル224よりも短い長さを有することができる。このような構成体は、エアロゾル生成物品の長さに沿ってエアロゾル生成物品の非対称加熱を提供することができる。
【0149】
この実施例のサセプタ240は中空であり、したがって、その中にエアロゾル生成材料が受容されるレセプタクルを画定する。たとえば、物品230をサセプタ240に挿入することができる。この実施例において、サセプタ240は円形横断面を有する管状である。
【0150】
誘導加熱要素214、224は、喫煙物品230を囲み、喫煙物品230を外部から加熱するように構成される。エアロゾル生成デバイスは、喫煙物品230がサセプタ240内部に収容されると、物品230の外表面がサセプタ240の内表面に当接するように構成される。これにより、加熱が最も効率的になる。この実施例の物品230は、エアロゾル生成材料を含む。エアロゾル生成材料は、サセプタ240内部に位置する。また、物品230は、フィルタ、包装材料および/または冷却構造などの他のコンポーネントを備えてもよい。
【0151】
加熱アセンブリ200は、2つの加熱ユニットに限定されない。一部の実施例において、加熱アセンブリ200は、3個,4個,5個,6個,または7個以上の加熱ユニットを備えてもよい。これらの加熱ユニットは、それぞれ、加熱アセンブリ200内に存在する他の加熱ユニットから独立して制御可能であってもよい。
【0152】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、エアロゾル生成物品300の一実施例の部分断面図および斜視図が示されている。
図10Aおよび
図10Bに示されたエアロゾル生成物品300は、
図9Aおよび
図9Bに示されたエアロゾル生成物品230に対応する。
【0153】
エアロゾル生成物品300は、エアロゾル生成デバイスと共に使用するのに適した任意の形状であってよい。喫煙物品300は、デバイスに挿入することができるカートリッジまたはカセットまたはロッドの形で、またはその一部として提供することができる。
図9Aおよび
図9Bに示す実施形態において、喫煙物品300は、喫煙可能な材料302の本体およびロッドの形態のフィルタアセンブリ304を含む実質的に円筒形のロッドの形態である。フィルタアセンブリ304は、冷却セグメント306、フィルタセグメント308、口側端部セグメント310の3つのセグメントを含む。物品300は、口側端部または近位端部としても知られる第1の端部312と、遠位端部としても知られる第2の端部314とを有する。エアロゾル生成材料302の本体は、物品300の遠位端部314に向かって置かれる。一実施形態において、冷却セグメント306は、エアロゾル生成材料302の本体とフィルタセグメント308との間でエアロゾル生成材料302の本体に隣接して配置され、冷却セグメント306は、エアロゾル生成材料302およびフィルタセグメント308と隣接関係にある。他の実施例において、エアロゾル生成材料302の本体と冷却セグメント306との間、およびエアロゾル生成材料302の本体とフィルタセグメント308との間に分離があってもよい。フィルタセグメント308は、冷却セグメント306と口側端部セグメント310との間に置かれる。口側端部セグメント310は、フィルタセグメント308に隣接して、物品300の近位端部312に向かって置かれる。一実施例において、フィルタセグメント308は、口側端部セグメント310と当接する関係にある。一実施形態において、フィルタアセンブリ304の全長は37mm~45mmであり、より好ましくは、フィルタアセンブリ304の全長は41mmである。
【0154】
使用において、エアロゾル生成材料302の本体の部分302a、302bは、それぞれ、
図9Bに示された部分200の第1の誘導加熱要素214および第2の誘導加熱要素224に対応してもよい。
【0155】
喫煙材料の本体は、エアロゾル生成デバイスに存在する複数の誘導加熱要素に対応する複数の部分302a、302bを有することができる。たとえば、エアロゾル生成物品300は、第1の誘導加熱要素214に対応する第1の部分302aと、第2の誘導加熱要素224に対応する第2の部分302bとを有することができる。これらの部分302a、302bは、使用セッション中に互いに異なる温度プロファイルを示すことができ、部分302a、302bの温度プロファイルは、それぞれ第1の誘導加熱要素214及び第2の誘導加熱要素224の温度プロファイルから導出することができる。
【0156】
エアロゾル生成材料302の本体の複数の部分302a、302bがある場合、任意の数の基板部分302a、302bが実質的に同じ組成を有することができる。特定の実施例において、基板のすべての部分302a、302bは、実質的に同じ組成を有する。一実施形態において、エアロゾル生成材料302の本体は、単一の連続体であり、第1の部分302aと第2の部分302bとの間に物理的な分離はなく、第1の部分と第2の部分は実質的に同じ組成を有する。
【0157】
一実施形態において、エアロゾル生成材料302の本体は、タバコを含む。しかしながら、他のそれぞれの実施形態において、喫煙材料302の本体は、タバコから構成されてもよく、実質的に完全にタバコから構成されてもよく、タバコおよびタバコ以外のエアロゾル生成材料を含んでもよく、タバコ以外のエアロゾル生成材料を含んでもよく、またはタバコを含まなくてもよい。エアロゾル生成材料は、グリセロールなどのエアロゾル生成剤を含むことができる。
【0158】
特定の実施形態において、エアロゾル生成材料は、一つ又は複数のタバコ成分、充填剤成分、結合剤およびエアロゾル生成剤を含むことができる。
【0159】
充填成分は、任意の適切な無機充填剤材料であってよい。適切な無機充填剤材料としては、炭酸カルシウム(即ち、チョーク)、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイド状シリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、およびモレキュラーシーブなどの適切な無機収着剤が挙げられるが、これらに限定されない。炭酸カルシウムが特に適している。場合によっては、充填剤は、木材パルプ、セルロースおよびセルロース誘導体などの有機材料を含む。
【0160】
結合剤は、任意の適切な結合剤であってよい。一部の態様において、結合剤は、アルギン酸塩、セルロースまたは修飾セルロース、多糖類、デンプンまたは修飾デンプン、および天然ガムのうちの1つ以上を含む。
【0161】
適切な結合剤としては、任意の適切なカチオンを含むアルギン酸塩、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、およびアルギン酸カリウム;セルロースまたは修飾セルロース、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース;デンプンまたは修飾デンプン;多糖類、例えば、任意の適切なカチオンを含むペクチン塩、例えば、ペクチン酸塩ナトリウム、カリウム、カルシウムまたはマグネシウム;キサンタンゴム、グアーガム、および任意の他の適切な天然ゴムが含まれるが、これらに限定されない。
【0162】
結合剤は、任意の適切な量および濃度でエアロゾル生成材料に含まれてもよい。
【0163】
「エアロゾル生成剤」とは、エアロゾルの生成を促進する剤である。エアロゾル生成剤は、初期蒸発および/または気体の吸入可能な固体および/または液体エアロゾルへの凝縮を促進することによって、エアロゾルの生成を促進することができる。一部の実施態様において、エアロゾル生成剤は、喫煙物品からの香味料の送達を改善してもよい。
【0164】
一般に、任意の適切な一つ又は複数のエアロゾル生成剤を、エアロゾル生成材料に含めることができる。適切なエアロゾル生成剤には、ソルビット、グリセロール、およびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコールのようなポリオール;一価アルコール、高沸点炭化水素のような非ポリオール、酸、例えば乳酸、グリセロール誘導体、エステル、例えばジアセチン、トリアセチン、エチルミリステートおよびイソプロピルミリステートを含むトリエチレングリコールジアセテート、トリエチルシトレートまたはミリスタテス、および脂肪族カルボン酸エステル、例えばステアリン酸メチル、ドデカン二酸およびジメチルテトラデカンディオータが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0165】
特定の実施形態において、エアロゾル生成材料は、タバコ組成物の60~90重量%の量のタバコ成分、タバコ組成物の0~20重量%の量の充填剤成分、およびタバコ組成物の10~20重量%の量のエアロゾル生成剤を含む。タバコ成分は、70~100重量%の量の紙再構成タバコを含むことができる。
【0166】
1つの実施例において、エアロゾル生成材料302の本体は、34mm~50mmの長さであり、より好ましくは、エアロゾル生成材料302の本体は、38mm~46mmの長さであり、さらに好ましくは、エアロゾル生成材料302の本体は、42mmの長さである。
【0167】
一実施例において、物品300の全長は71mm~95mmであり、より好ましくは、物品300の全長は79mm~87mmであり、さらに好ましくは、物品300の全長は83mmである。
【0168】
エアロゾル生成材料302の本体の軸方向端部は、物品300の遠位端部314で見える。しかしながら、他の実施形態において、物品300の遠位端部314は、エアロゾル生成材料302の本体の軸方向端部を覆う端部材(図示せず)を備えてもよい。
【0169】
エアロゾル生成材料302の本体は、フィルタアセンブリ304を囲むようにフィルタアセンブリ304の実質的に周囲に置かれ、エアロゾル生成材料302の本体の長さに沿って部分的に延びる環状ティッピング紙(図示せず)によってフィルタアセンブリ304に結合される。一実施例において、ティッピング紙は、58GSM標準ティッピングベース紙で構成される。一実施例において、42mm~50mmの長さを有し、より好ましくは、ティッピング紙は46mmの長さを有する。
【0170】
一実施例において、冷却セグメント306は環状管であり、冷却セグメントの周囲に置かれ、冷却セグメント内部に空隙を画定する。空隙は、エアロゾル生成材料302の本体から生成された加熱揮発成分が流れるためのチャンバを提供する。冷却セグメント306は、エアロゾル蓄積用のチャンバを提供するために中空であり、これは、製造中およびデバイス100への挿入中に、物品300が使用されている間に生じる可能性のある軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有する。一実施例において、冷却セグメント306の壁の厚さは、約0.29mmである。
【0171】
冷却セグメント306は、エアロゾル生成材料302とフィルタセグメント308との間の物理的変位を提供する。冷却セグメント306によって提供される物理的変位は、冷却セグメント306の長さにわたって熱勾配を提供する。一実施例において、冷却セグメント306は、冷却セグメント306の第1の端部に入る加熱揮発成分と冷却セグメント306の第2の端部から出る加熱揮発成分との間に少なくとも40℃の温度差を提供するように構成される。一実施例において、冷却セグメント306は、冷却セグメント306の第1の端部に入る加熱揮発成分と冷却セグメント306の第2の端部から出る加熱揮発成分との間に少なくとも60℃の温度差を提供するように構成される。冷却要素306の長さにわたる、この温度差は、デバイスのエアロゾル生成デバイスの加熱アセンブリ200によって加熱されるとき、エアロゾル生成材料302の高温から温度に敏感なフィルタセグメント308を保護する。フィルタセグメント308と、エアロゾル生成材料302の本体と、加熱アセンブリ200の加熱要素214、224との間に物理的変位が提供されない場合、温度に敏感なフィルタセグメント308は、使用中に損傷を受ける可能性があり、したがって、必要な機能を効果的に実行しない。
【0172】
一実施例において、冷却セグメント306の長さは、少なくとも15mmである。一実施例において、冷却セグメント306の長さは、20~30mm、より具体的には、23mm~27mm、より具体的には、25mm~27mm、より具体的には、25mmである。
【0173】
冷却セグメント306は紙製であり、これは、エアロゾル生成デバイスのヒータアセンブリ100に隣接して使用される場合に、問題の化合物、例えば毒性化合物を生成しない材料から構成されることを意味する。一実施例において、冷却セグメント306は、螺旋状に巻かれた紙管から製造され、この紙管は、中空の内部チャンバを提供するが、機械的剛性を維持する。螺旋状に巻かれた紙管は、管の長さ、外径、丸みおよび真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0174】
別の実施例において、冷却セグメント306は、硬いプラグラップまたはティッピング紙から作り出された凹部である。剛性のプラグラップまたはティッピング紙は、製造中およびデバイス1000への挿入中に、物品300が使用されている間に生じる可能性のある軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。
【0175】
冷却セグメント306の実施例のそれぞれについて、冷却セグメントの寸法精度は、高速製造プロセスの寸法精度要件を満たすのに十分である。
【0176】
フィルタセグメント308は、喫煙材料から加熱された揮発成分から1つ以上の揮発化合物を除去するのに十分な任意のフィルタ材料で形成することができる。一実施例において、フィルタセグメント308は、酢酸セルロースのようなモノアセテート材料で作られる。フィルタセグメント308は、加熱された揮発成分の量をユーザが満足できないレベルまで減少させることなく、加熱された揮発成分からの冷却および刺激低減を提供する。
【0177】
フィルタセグメント308の酢酸セルローストウ材料の密度は、フィルタセグメント308を横切る圧力降下を制御し、これが次に物品300の引抜き抵抗を制御する。従って、フィルタセグメント308の材料の選択は、物品300の延伸に対する抵抗を制御する上で重要である。さらに、フィルタセグメント308は、物品300における濾過機能を果たす。
【0178】
一実施例において、フィルタセグメント308は、8Y15グレードのフィルタトウ材料で作られ、これは、加熱された揮発性材料に対して濾過効果を提供する一方で、加熱された揮発性物質から生じる凝縮されたエアロゾル液滴のサイズを減少させ、その結果、加熱された揮発性物質の刺激および喉への影響を十分なレベルまで減少させる。
【0179】
フィルタセグメント308の存在は、冷却セグメント306を出る加熱揮発成分に更なる冷却を提供することによって、絶縁効果を提供する。この更なる冷却効果は、フィルタセグメント308の表面上のユーザの唇の接触温度を低下させる。
【0180】
1つ以上の香味料は、フィルタセグメント308に香味液体を直接注入するか、またはフィルタセグメント308のセルロースアセテートトウ内に1つ以上の香味の壊れやすいカプセルまたは他の香味キャリアを埋め込むか又は配置することによって、フィルタセグメント308に添加することができる。
【0181】
一実施例において、フィルタセグメント308は、長さが6mm~10mm、より好ましくは、8mmである。
【0182】
口側端部セグメント310は環状管であり、口側端部セグメント310の周囲に置かれ、口側端部セグメント310内部に空隙を画定する。空隙は、フィルタセグメント308から流れる加熱揮発成分の為にチャンバを提供する。口側端部セグメント310は中空であり、エアロゾル蓄積用のチャンバを提供するが、このチャンバは、製造中およびデバイス100への挿入中に物品が使用されている間に生じる可能性のある軸方向の圧縮力および曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有する。一実施例において、口側端部セグメント310の壁の厚さは、約0.29mmである。
【0183】
一実施例において、口側端部セグメント310の長さは、6mm~10mmであり、より好ましくは、8mmである。一実施例において、口側端部セグメントの厚さは。0.29mmである。
【0184】
口側端部セグメント310は、螺旋状に巻かれた紙管から製造することができ、この紙管は、中空の内部チャンバを提供するが、臨界的な機械的剛性を維持する。螺旋状に巻かれた紙管は、管の長さ、外径、丸みおよび真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0185】
口側端部セグメント310は、フィルタセグメント308の出口に蓄積する液体凝縮体がユーザに直接接触するのを防止する機能を提供する。
【0186】
一実施例において、口側端部セグメント310および冷却セグメント306は、単一の管から形成されてもよく、フィルタセグメント308は、口側端部セグメント310および冷却セグメント306を分離する管内部に置かれることが理解されるべきである。
【0187】
通気領域316は、物品300の外部から物品300の内部に空気が流入できるように、物品300に設けられている。一実施例において、通気領域316は、物品300の外層を貫通して形成された一つ又は複数の通気孔316の形態をとる。通気孔は、物品300の冷却を補助するために、冷却セグメント306に配くことができる。一実施例において、通気領域316は、一つ又は複数の列の孔を含み、好ましくは、各列の穴は、物品300の縦軸に実質的に垂直な横断面で物品300の周囲に周方向に配置される。
【0188】
一実施例において、物品300に通気を提供するために、1列から4列の通気孔がある。通気孔の各列は、12~36個の通気孔316を有することができる。通気孔316は、たとえば、直径100~500μmであってもよい。一実施例において、通気孔316の列の間の軸方向の間隔は、0.25mm~0.75mmであり、より好ましくは、通気孔316の列の間の軸方向の間隔は、0.5mmである。
【0189】
一実施例において、通気孔316は、均一な大きさである。別の実施例において、通気孔316の大きさは様々である。通気孔は、任意の適切な技術、例えば、以下の技術のうちの一つ又は複数を用いて作ることができる。レーザ技術、冷却セグメント306の機械的穿孔、または冷却セグメント306が物品300に形成される前の予備穿孔。通気孔316は、物品300を効果的に冷却するように位置する。
【0190】
一実施例において、通気孔316の列は、物品の近位端部312から少なくとも11mmに置かれ、より好ましくは、通気孔は、物品300の近位端部312から17mm~20mmに置かれる。通気孔316の場所は、ユーザが物品300の使用中に通気孔316を塞がないように位置決めされる。
【0191】
有利には、物品300の近位端部312から17mm~20mmに通気孔の列を設けることにより、
図1に示すように、物品300がデバイス100に完全に挿入されたときに、通気孔316をデバイス100の外側に置くことができる。デバイスの外側に通気孔を置くことによって、非加熱空気は、デバイス100の外側から通気孔を通して物品300に入り、物品300の冷却を助けることができる。
【0192】
冷却セグメント306の長さは、物品300がデバイス100に完全に挿入されたときに、冷却セグメント306がデバイス100に部分的に挿入されるような長さである。冷却セグメントの長さは、デバイス100のヒータ構成体と感熱フィルタ構成体308との間に物理的な間隙を提供する第1の機能と、物品300がデバイス100に完全に挿入されたときに、通気孔316をデバイス100の外側に置きながら、冷却セグメントに置かせる第2の機能とを提供する。
図1から分かるように、冷却要素306の大部分は、デバイス100の内部に置かれる。しかしながら、冷却要素306の一部分は、デバイス100の外に延びている。それは、冷却要素306の、この部分において、通気孔316が置かれているデバイス100の外に延びている。
【0193】
図11は、
図1~
図8に示されるエアロゾル生成デバイス100のための取り外し可能なカバー400を示す。
【0194】
取り外し可能なカバー400は、内表面402を有し、この内表面402は、カバー400がエアロゾル生成デバイス100上に設けられたときに、内表面402がエアロゾル生成デバイスのハウジング102の少なくとも一部分に接触するように構成される。示された実施例において、使用時に、内表面402は、本体部分の前面110、後面112、第1の側部分114、第2の側部分116の少なくとも一部分に接触する。
【0195】
内表面402は、使用時にエアロゾル生成デバイス100を内部に配置することができる容積404を画定する。
【0196】
取り外し可能なカバー400は、開口406を有し、この開口を通してエアロゾル生成デバイス100を容積404に供給し、または容積404から取り外すことができる。
【0197】
取り外し可能なカバー400は、外表面408を有するが、カバー400がエアロゾル生成デバイス100上に設けられたときに、ユーザがエアロゾル生成デバイスと相互作用するときに取り外し可能なカバー400の外表面408に触れることができるように外表面408は構成されている。
【0198】
取り外し可能なカバー400は、デバイス100のユーザインターフェース144およびインジケータ146に対応するように配置された第1の穴310を含む。すなわち、デバイス100が取り外し可能なカバー400内部に配置されるとき、第1の穴は、取り外し可能なカバー400がデバイス100のユーザインターフェース144またはインジケータ146を覆わないように、ユーザインターフェース144およびインジケータ146の周囲に位置決めされる。
【0199】
取り外し可能なカバー400は、デバイス100のバッテリを充電するためのケーブルを受け入れるためのソケット/ポートに対応するように配置された第2の穴412を含む。すなわち、デバイス100が着脱可能なカバー400内部に配置されるとき、第2の穴412は、電源ケーブルが第2の穴412を通ってデバイス100のソケット/ポートまで通ることができるように、ソケット/ポートの周囲に位置決めされる。第2の穴412は、典型的には、ハウジング102の穴148に対応する。
【0200】
上記の実施形態は、本発明の例示的実施例として理解されるべきである。本発明の更なる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して記載された任意の特徴は、単独で、または記載された他の特徴と組み合わせて使用することができ、また、任意の他の実施形態の一つ又は複数の特徴、または任意の他の実施形態の任意の組み合わせと組み合わせて使用することもできることを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上述していない均等物および修正物を使用することもできる。