(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】蓄電システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/42 20060101AFI20231031BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231031BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231031BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231031BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231031BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231031BHJP
【FI】
H01M10/42 A
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H01M50/249
H02J7/00 P
H02J7/02 H
(21)【出願番号】P 2019110657
(22)【出願日】2019-06-13
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】510078160
【氏名又は名称】NExT-e Solutions株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 治彦
(72)【発明者】
【氏名】石 振懿
(72)【発明者】
【氏名】陸 鋒平
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-152108(JP,A)
【文献】特開2014-020818(JP,A)
【文献】特開2009-244166(JP,A)
【文献】特開2007-141464(JP,A)
【文献】特開2017-197012(JP,A)
【文献】特開2017-191735(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129385(WO,A1)
【文献】特開2017-079131(JP,A)
【文献】国際公開第2013/008409(WO,A1)
【文献】特開2018-037185(JP,A)
【文献】特開2015-170410(JP,A)
【文献】特開2014-120340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
H01M10/42-10/667
H01M50/20-50/298
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体から取り外された第1の種類の蓄電装置の代わりに、前記移動体に搭載されて使用されるよう構成された蓄電システムであって、
前記第1の種類の蓄電装置は、第1の種類の蓄電セルを含み、
前記蓄電システムは、
第2の種類の蓄電装置
と、
前記蓄電システムの質量を調整するための質量調整部材と、
その内部に前記第2の種類の蓄電装置及び前記質量調整部材を収容する収容部材と、
を備え、
前記第2の種類の蓄電装置は、
前記第1の種類の蓄電セルよりも容量当たりの質量が小さい、第2の種類の蓄電セルと、
その外部に第1面及び第2面を有し、その内部に前記第2の種類の蓄電セルを収容する筐体と、
前記筐体の前記第1面の端部に配され、前記第1面から突出する突出部材と、
を有し、
前記突出部材は、前記第1面における前記第1面及び前記第2面が接する辺の近傍の位置から、前記第2面の法線ベクトルに垂直な方向に延伸し、
前記突出部材には、第1接続部材を用いて又は直接的に、前記第2の種類の蓄電装置と、前記質量調整部材とを着脱自在に接続するために用いられる接続部が配され、
前記質量調整部材は、側面と、前記側面に垂直な第1面とを含む板状の形状を有し、
前記質量調整部材の前記第1面には、前記質量調整部材と、前記第2の種類の蓄電装置の前記接続部との接続に用いられる蓄電装置接続部が配され、
前記質量調整部材の前記側面には、前記質量調整部材及び前記収容部材の接続に用いられるねじ穴が配され、
前記質量調整部材の前記ねじ穴と、前記収容部材の側面に形成された開口とがネジ留めされることで、前記収容部材及び前記質量調整部材が接続される、
蓄電システム。
【請求項2】
前記接続部は、前記
第2の種類の蓄電装置が、移動体に搭載されずに使用される第2蓄電システムの一部を構成する場合
、第2接続部材を用いて又は直接的に、
前記第2の種類の蓄電装置と、前記第2蓄電システムを構成する他の蓄電装置と
を着脱自在に接続
するために用いられる、
請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記第2の種類の蓄電装置は、前記筐体の前記第1面に配される電力インターフェースをさらに備える、
請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記質量調整部材は、電力を蓄電する蓄電セルを有さず、
前記質量調整部材の質量は、前
記蓄電システムの全体質量が予め定められた値となるように設定される、
請求項1
から請求項3までの何れか一項に記載の蓄電
システム。
【請求項5】
複数の蓄電セルと、
前記複数の蓄電セルのうち、少なくとも2つの蓄電セルの電圧を均等化する第1均等化部と、
をさらに備える、
請求項1から請求項4
までの何れか一項に記載の蓄電
システム。
【請求項6】
前記質量調整部材は、前記収容部材に着脱自在に取り付けら
れ、
前記
第2の種類の蓄電装置は、前記第1接続部材を用いて又は直接的に、前記質量調整部
材に着脱自在に取り付けら
れる、
請求項
1から請求項5までの何れか一項に記載の蓄電システム。
【請求項7】
前記蓄電装置の動作及び状態の少なくとも一方を示す情報を収集する情報収集部
と、
無線通信により、外部の情報処理装置との間で情報を送受する通信部と、
をさらに備える、
請求項
1から請求項6までの何れか一項に記載の蓄電システム。
【請求項8】
前記第2の種類の蓄電装置の前記筐体は、
前記第2面と平行に配される第3面と、
前記第3面に形成された開口を塞ぐための蓋部材と、
をさらに有する、
請求項4に記載の蓄電システム。
【請求項9】
前記第2の種類の蓄電装置の前記筐体は、前記筐体の前記第1面の端部に配され、前記第1面から突出する第2突出部材をさらに有し、
前記第2突出部材は、前記第1面における前記第1面及び前記第3面が接する辺の近傍の位置から、前記第1面の法線ベクトルに垂直且つ前記第3面の法線ベクトルに平行な方向に延伸し、
前記第2突出部材には、第2接続部材を用いて又は直接的に、前記第2の種類の蓄電装置と、前記収容部材とを着脱自在に接続するために用いられる第2接続部が配される、
請求項8に記載の蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置、蓄電システム、蓄電装置を生産する方法、及び、蓄電システムを生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に搭載された二次電池が劣化した場合に、当該二次電池を、定置用の二次電池として再利用することが検討されている(例えば、特許文献1)。また、車両に搭載される電池パックを構成する電池モジュールの個数を増減させる場合に、当該電池モジュールの増減に応じて、電池パック内にダミーモジュール等を設置することで、電池パックのウェイトバランスの悪化を防止する技術が知られている(例えば、特許文献2~3)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2013-218909号公報
[特許文献2]特許第6304426号公報
[特許文献3]特許第5208653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池パックの質量を調整するために、例えば、当該電池パックを構成する電池モジュールの一部をダミーモジュールに置換する場合、当該電池パックの組立作業の作業量が比較的多くなる。また、電池パックを構成する電池モジュールを再利用するときに、当該電池パックの分解作業の作業量も比較的多くなる。このように、従来の電池パックは、電池パックの質量調整と、電池モジュールの再利用との両方を考慮して設計されていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、蓄電装置が提供される。上記の蓄電装置が、移動体に搭載されて使用されるよう構成された第1蓄電システムの一部を構成する場合、上記の蓄電装置は、例えば、第1接続部材を用いて又は直接的に、第1蓄電システムの質量を調整するための質量調整部材と着脱自在に接続される。上記の蓄電装置が、移動体に搭載されずに使用される第2蓄電システムの一部を構成する場合、上記の蓄電装置は、例えば、第2接続部材を用いて又は直接的に、第2蓄電システムを構成する他の蓄電装置と着脱自在に接続される。
【0005】
上記の蓄電装置において、蓄電装置及び質量調整部材は着脱自在に構成されてよい。上記の蓄電装置において、第1蓄電システムの一部を構成していた蓄電装置が、第2蓄電システムの一部を構成する場合、蓄電装置は、質量調整部材と分離された状態で、他の蓄電装置と接続されてよい。上記の蓄電装置において、質量調整部材は、電力を蓄電する蓄電セルを有しなくてよい。上記の蓄電装置において、質量調整部材の質量は、第1蓄電システムの全体質量が予め定められた値となるように設定されてよい。
【0006】
上記の蓄電装置は、1以上の蓄電セルを備えてよい。上記の蓄電装置は、1以上の蓄電セルを収容する筐体を備えてよい。上記の蓄電装置は、複数の蓄電セルを備えてよい。上記の蓄電装置は、複数の蓄電セルのうち、少なくとも2つの蓄電セルの電圧を均等化する第1均等化部を備えてよい。
【0007】
上記の蓄電装置は、質量調整部材又は他の蓄電装置との接続に用いられる接続部を備えてよい。上記の蓄電装置において、接続部は、蓄電装置が第1蓄電システムの一部を構成する場合には、質量調整部材との接続に用いられ、蓄電装置が第2蓄電システムの一部を構成する場合には、他の蓄電装置との接続に用いられる共通接続部を有してよい。上記の蓄電装置において、接続部は、質量調整部材との接続に用いられる第1接続部と、第1接続部とは異なる位置に配され、他の蓄電装置との接続に用いられる第2接続部とを有してよい。
【0008】
本発明の第2の態様においては、蓄電システムが提供される。上記の蓄電システムは、例えば、上記の第1の態様に係る蓄電装置を備える。上記の蓄電システムは、例えば、質量調整部材を備える。
【0009】
上記の蓄電システムは、蓄電装置及び質量調整部材を収容する収容部材を備えてよい。上記の蓄電システムにおいて、質量調整部材は、収容部材に着脱自在に取り付けられてよい。上記の蓄電システムにおいて、蓄電装置は、第1接続部材を用いて又は直接的に、質量調整部材及び収容部材に着脱自在に取り付けられてよい。
【0010】
上記の蓄電システムは、蓄電装置及び質量調整部材を収容する収容部材を備えてよい。上記の蓄電システムにおいて、質量調整部材の少なくとも一部は、収容部材と、蓄電装置との間に配されてよい。上記の蓄電システムにおいて、蓄電装置が、第1接続部材を用いて又は直接的に、収容部材に着脱自在に取り付けられることで、質量調整部材が、収容部材に着脱自在に取り付けられてよい。
【0011】
上記の蓄電システムは、蓄電装置の動作及び状態の少なくとも一方を示す情報を収集する情報収集部を備えてよい。
【0012】
本発明の第3の態様においては、定置用の蓄電システムが提供される。上記の定置用の蓄電システムは、例えば、上記の第1の態様に係る蓄電装置を備える。上記の定置用の蓄電システムは、例えば、複数の蓄電装置と、複数の蓄電装置の電圧を均等化する第2均等化部とを備える。
【0013】
本発明の第4の態様においては、蓄電装置を備えた蓄電システムを生産する方法が提供される。上記の方法は、例えば、蓄電装置の質量を示す第1質量情報を取得する第1質量情報取得段階を有する。上記の方法は、例えば、移動体に搭載された他の蓄電システムの一部を構成する他の蓄電装置の質量を示す第2質量情報を取得する第2質量情報取得段階を有する。上記の方法は、例えば、第2質量情報により示される質量と、第1質量情報により示される質量との差に相当する質量を有する質量調整部材を準備する第1準備段階を有する。上記の方法は、例えば、蓄電装置及び質量調整部材を組み立てて、蓄電システムを作製する組立段階を有する。
【0014】
上記の方法は、他の蓄電システムの外形寸法を示す寸法情報を取得する寸法情報取得段階を有してよい。上記の方法は、他の蓄電システムの重心の位置を示す重心情報を取得する重心情報取得段階を有してよい。上記の方法は、寸法情報により示される外形寸法を有し、その内部に蓄電装置及び質量調整部材を収容するための収容部材を準備する第2準備段階を有してよい。上記の方法において、組立段階は、収容部材の外形と、蓄電システムの重心との位置関係が、他の蓄電システムの外形と、重心情報により示される他の蓄電システムの重心との位置関係と略同一になるように、蓄電装置及び質量調整部材を収容部材に取り付ける段階を含んでよい。
【0015】
本発明の第5の態様においては、定置用の蓄電システムを生産する方法が提供される。上記の方法は、例えば、他の蓄電システムであって、電力を蓄積する蓄電装置と、他の蓄電システムの質量を調整するための質量調整部材とを備える他の蓄電システムを、複数個準備する段階を有する。上記の方法は、例えば、複数個の他の蓄電システムのそれぞれを構成する複数の蓄電装置のそれぞれと、対応する質量調整部材とを分離する段階を有する。上記の方法は、例えば、対応する質量調整部材から分離された複数の蓄電装置を電気的に接続する段階を有する。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】リチウム電池パック160の用途の一例を概略的に示す。
【
図2】リチウム電池パック160の用途の他の例を概略的に示す。
【
図3】蓄電モジュール162のシステム構成の一例を概略的に示す。
【
図4】リチウム電池パック160の組立工程の一例を概略的に示す。
【
図5】リチウム電池パック160の組立工程の一例を概略的に示す。
【
図6】リチウム電池パック160の組立工程の一例を概略的に示す。
【
図7】リチウム電池パック160の断面図の一例を概略的に示す。
【
図8】リチウム電池パック160の断面図の他の例を概略的に示す。
【
図10】蓄電モジュール162の取付方法の一例を概略的に示す。
【
図11】リチウム電池パック160の生産方法の一例を概略的に示す。
【
図12】定置用電源200の生産方法の一例を概略的に示す。
【
図13】コンピュータ3000のシステム構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面を参照して、実施形態について説明するが、図面の記載において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して重複する説明を省く場合がある。
【0019】
本明細書において、「電気的に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが直接接続される場合に限定されない。特定の要素と他の要素との間に、第三の要素が介在してもよい。また、特定の要素と他の要素とが物理的に接続されている場合に限定されない。例えば、変圧器の入力巻線と出力巻線とは物理的には接続されていないが、電気的には接続されている。さらに、特定の要素と他の要素とが現実に電気的に接続されている場合だけでなく、蓄電セルとバランス補正部とが電気的に接続されたときに、特定の要素と他の要素とが電気的に接続される場合をも含む。また、「直列に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが直列に電気的に接続されることを示し、「並列に接続される」とは、特定の要素と他の要素とが並列に電気的に接続されることを示す。
【0020】
図1及び
図2を用いて、リチウム電池パック160の構造及び用途の概要が説明される。
図1は、リチウム電池パック160の用途の一例を概略的に示す。具体的には、
図1を用いて、車両100に搭載されている既存の電池パックを、リチウム電池パック160に置き換える場合を例として、リチウム電池パック160の詳細が説明される。
図2は、リチウム電池パック160の用途の他の例を概略的に示す。具体的には、
図2を用いて、リチウム電池パック160を、定置用電源200の一部として再利用する場合を例として、リチウム電池パック160の詳細が説明される。
【0021】
図1に示されるとおり、本実施形態において、車両100は、車両制御部120と、駆動システム130と、電源システム140とを備える。本実施形態において、電源システム140は、鉛電池パック142を有する。また、本実施形態において、リチウム電池パック160は、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164と、収容ケース166と、アンテナ168とを備える。
【0022】
図2に示されるとおり、本実施形態において、定置用電源200は、蓄電部220と、モジュール均等化部230と、電源制御部240とを備える。本実施形態において、蓄電部220は、ラック222を有する。
【0023】
[車両100の概要]
本実施形態において、車両100は、電源システム140が提供する電力を使用する。車両100は、電源システム140が提供する電力を使用して移動してもよい。車両100としては、自動車、自動二輪車、作業機械、電車などが例示される。自動二輪車としては、(i)バイク、(ii)三輪バイク、(iii)セグウェイ(登録商標)、動力ユニット付きキックボード(登録商標)、動力ユニット付きスケートボードのような、動力ユニットを有する立ち乗り二輪車又は三輪車などが例示される。作業機械としては、フォークリフト、農作業機械、土木作業機械などが例示される。
【0024】
本実施形態において、車両制御部120は、車両100の動作を制御する。車両制御部120は、例えば、駆動システム130を制御して、車両100の駆動を制御する。車両制御部120は、例えば、電源システム140を制御して、電源システム140の充電及び放電を制御する。
【0025】
本実施形態において、駆動システム130は、車両制御部120からの指示に従って、車両100を駆動する。駆動システム130は、電源システム140から提供される電力を使用して、車両100を駆動してよい。
【0026】
本実施形態において、電源システム140は、車両制御部120からの指示に従って、電源システム140に蓄えられた電力を出力する。電源システム140は、車両制御部120からの指示に従って、鉛電池パック142を充電する。
【0027】
本実施形態において、鉛電池パック142は、電力を蓄積したり、電力を放出したりする。鉛電池パック142は、1又は複数の鉛蓄電池の蓄電セルを含む。鉛電池パック142の内部において、複数の蓄電セルの少なくとも一部が直列に接続されていてもよく、複数の蓄電セルの少なくとも一部が並列に接続されていてもよく、複数の蓄電セルの少なくとも一部がマトリクス状に接続されていてもよい。
【0028】
[車両100の各部の具体的な構成]
車両100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。車両100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。プロセッサは、コンピュータの一例であってもよい。
【0029】
上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。
【0030】
プログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、車両100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、車両100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。
【0031】
コンピュータを車両100の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、車両100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータを車両100の各部として機能させたり、コンピュータに車両100の各部における情報処理方法を実行させたりする。
【0032】
プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、車両100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じた車両100が構築される。
【0033】
[リチウム電池パック160の概要]
本実施形態において、リチウム電池パック160は、車両100に搭載されて使用されるように構成される。
図1に記載された実施形態によれば、鉛電池パック142が、車両100の電源システム140から取り外され、鉛電池パック142の代わりに、リチウム電池パック160が、車両100に搭載される。車両100の各部は、鉛電池パック142の質量を考慮して設計されている可能性がある。そのため、リチウム電池パック160の質量は、鉛電池パック142の質量と略同一であることが好ましい。
【0034】
リチウム電池パック160の質量と、鉛電池パック142の質量とが略同一であるとは、リチウム電池パック160の質量と、鉛電池パック142の質量とが同一である場合だけでなく、リチウム電池パック160の質量及び鉛電池パック142の質量の差が、車両100の設計上、許容できる範囲である場合をも含む。具体的には、リチウム電池パック160の質量及び鉛電池パック142の質量の差の絶対値が、鉛電池パック142の質量の20%以内であることが好ましく、鉛電池パック142の質量の15%以内であることがより好ましく、鉛電池パック142の質量の10%以内であることがさらに好ましく、鉛電池パック142の質量の5%以内であることがさらに好ましい。
【0035】
同様に、車両100の各部は、鉛電池パック142の重心の位置を考慮して設計されている可能性がある。より具体的には、車両100の各部は、車両100の任意の基準点に対する、鉛電池パック142の重心の相対位置を考慮して設計されている可能性がある。車両100の基準点は、車両100の重心であってよい。車両100の基準点は、鉛電池パック142又はリチウム電池パック160が取り外された場合における、車両100の重心であってよい。
【0036】
そこで、一実施形態において、車両100の基準点に対するリチウム電池パック160の重心の相対位置が、鉛電池パック142が車両100に搭載されていたときの、車両100の基準点に対する鉛電池パック142の重心の相対位置と略同一となるように、車両100におけるリチウム電池パック160の搭載位置が決定される。上記の略同一の範囲又は程度は、車両100の設計上、許容できる誤差又は変動の範囲又は程度を考慮して決定されてよい。
【0037】
他の実施形態において、(i)リチウム電池パック160の外形寸法と、(ii)車両100におけるリチウム電池パック160の搭載位置と、(iii)鉛電池パック142が車両100に搭載されていたときの、車両100の基準点に対する鉛電池パック142の重心の相対位置とに基づいて、リチウム電池パック160におけるリチウム電池パック160の重心の位置が決定される。例えば、リチウム電池パック160の外形寸法が、鉛電池パック142の外形寸法と略同一である場合、リチウム電池パック160の重心の位置は、鉛電池パック142の重心の位置と略同一であることが好ましい。上記の略同一の範囲又は程度は、車両100の設計上、許容できる誤差又は変動の範囲又は程度を考慮して決定されてよい。
【0038】
さらに他の実施形態において、(i)リチウム電池パック160の外形寸法と、(ii)車両100におけるリチウム電池パック160の搭載位置と、(iii)鉛電池パック142が車両100に搭載されていたときの、車両100の基準点に対する鉛電池パック142の重心の相対位置とに基づいて、リチウム電池パック160の質量と、リチウム電池パック160におけるリチウム電池パック160の重心の位置とが決定される。例えば、車両100の基準点を回転中心とした場合の鉛電池パック142の慣性モーメントと、車両100の基準点を回転中心とした場合のリチウム電池パック160の慣性モーメントとが略同一となるように、リチウム電池パック160の質量と、リチウム電池パック160の重心の位置とが決定される。上記の略同一の範囲又は程度は、車両100の設計上、許容できる誤差又は変動の範囲又は程度を考慮して決定されてよい。
【0039】
また、
図2に示されるとおり、本実施形態によれば、例えば、リチウム電池パック160を構成する蓄電モジュール162の劣化が予め定められた程度まで進行すると、リチウム電池パック160は、車両100から取り外される。また、車両100から取り外されたリチウム電池パック160は、定置用電源200の一部として再利用される。より具体的には、まず、1又は複数の車両100から取り外された複数のリチウム電池パック160が収集される。次に、複数のリチウム電池パック160のそれぞれが分解されて、複数の蓄電モジュール162が取り出される。これにより、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とが分離される。その後、ウエイトモジュール164から分離された蓄電モジュール162は、ラック222に取り付けられて、定置用電源200の蓄電部220の一部として再利用される。
【0040】
[リチウム電池パック160の各部の概要]
本実施形態において、蓄電モジュール162は、電力を蓄積したり、電力を放出したりする。蓄電モジュール162は、1又は複数の蓄電セル(蓄電セル群と称される場合がある。)を含む。一実施形態において、蓄電モジュール162は、リチウム電池パック160の一部を構成する。他の実施形態において、蓄電モジュール162は、定置用電源200の一部を構成する。
【0041】
図1に示されるとおり、蓄電モジュール162がリチウム電池パック160の一部を構成する場合、蓄電モジュール162は、ウエイトモジュール164と、直接的又は間接的に接続される。蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、着脱自在に接続されてよい。
【0042】
例えば、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が溶接により結合されている場合、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、着脱自在ではない。一方、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が(i)留め具などの物理的手段、(ii)接着剤などの化学的手段、及び、(iii)磁石などの磁気的手段により結合されている場合、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、着脱自在である。
【0043】
一実施形態において、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、嵌め込みなどの手法により、直接的に接続されてよい。他の実施形態において、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、任意の部材を介して、間接的に接続されてもよい。任意の部材としては、(i)留め具、ロープ、バンド、布、及び、各種の材料の板、棒、箱又は袋、(ii)テープ及び接着剤、並びに、(iii)磁石からなる群から選択される少なくとも1つが例示される。留め具としては、ピン、ネジ、面ファスナーなどが例示される。
【0044】
本実施形態においては、蓄電モジュール162と、収容ケース166の一部の部分とが直接的又は間接的に接続され、且つ、ウエイトモジュール164と、収容ケース166の他の一部とが、直接的又は間接的に接続される。これにより、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が接続される。
【0045】
図2に示されるとおり、複数の蓄電モジュール162が定置用電源200の一部を構成する場合、一の蓄電モジュール162は、定置用電源200を構成する他の蓄電モジュール162と、直接的又は間接的に接続される。蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、着脱自在に接続されてもよく、強固に接続されてもよい。
【0046】
一実施形態において、一の蓄電モジュール162及び他の蓄電モジュール162は、嵌め込みなどの手法により、直接的に接続されてよい。他の実施形態において、一の蓄電モジュール162及び他の蓄電モジュール162は、任意の部材を介して、間接的に接続されてもよい。任意の部材としては、(i)留め具、ロープ、バンド、布、及び、各種の材料の板、棒、箱又は袋(ii)テープ及び接着剤、並びに、(iii)磁石からなる群から選択される少なくとも1つが例示される。留め具としては、ピン、ネジ、面ファスナーなどが例示される。
【0047】
本実施形態においては、一の蓄電モジュール162と、ラック222の一の部分とが直接的又は間接的に接続され、且つ、他の蓄電モジュール162と、ラック222の他の部分とが直接的又は間接的に接続される。これにより、一の蓄電モジュール162及び他の蓄電モジュール162が、ラック222を介して間接的に接続される。なお、蓄電モジュール162の詳細は後述される。
【0048】
本実施形態において、ウエイトモジュール164は、リチウム電池パック160の質量を調整するために用いられる。ウエイトモジュール164は、リチウム電池パック160の重心を調整するために用いられてもよい。ウエイトモジュール164は、蓄電セルを有してもよく、蓄電セルを有さなくてもよい。
【0049】
一実施形態において、ウエイトモジュール164の質量は、リチウム電池パック160の全体質量が予め定められた値となるように設定される。ウエイトモジュール164の質量は、リチウム電池パック160の全体質量が、鉛電池パック142の全体質量と略同一になるように設定されてもよい。
【0050】
他の実施形態において、ウエイトモジュール164の質量は、(i)リチウム電池パック160が車両100に搭載されたときに、車両100の基準点を中心とするリチウム電池パック160の慣性モーメントと、(ii)鉛電池パック142が車両100に搭載されたときに、車両100の基準点を中心とする鉛電池パック142の慣性モーメントとが略同一になるように設定されてもよい。車両100の基準点は、車両100の重心であってよい。車両100の基準点は、鉛電池パック142又はリチウム電池パック160が取り外された場合における、車両100の重心であってよい。
【0051】
鉛電池パック142をリチウム電池パック160に置き換える場合、リチウム電池パック160の容量は、鉛電池パック142の容量と略同一、又は、鉛電池パック142の容量より大きくなるように決定されることが多い。ここで、一般的に、鉛蓄電池は、リチウム電池又はリチウムイオン電池と比較して、容量当たりの質量が大きい。そのため、リチウム電池パック160の外形寸法が、鉛電池パック142の外形寸法と略同一、又は、鉛電池パック142の外形寸法より小さい場合であっても、リチウム電池パック160の適切な位置に、適切な質量を有するウエイトモジュール164を配置することで、リチウム電池パック160の質量を調整したり、リチウム電池パック160の重心の位置を調整したりすることができる。
【0052】
本実施形態において、収容ケース166は、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164を保持する。収容ケース166は、その内部に、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164を収容してよい。収容ケース166には、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164をその内部に収容したり、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164をその内部からとりだしたりするための開口が形成される。収容ケース166は、上記の開口を塞ぐための蓋部材(図示されていない。)を有してよい。
【0053】
本実施形態において、アンテナ168は、蓄電モジュール162と、リチウム電池パック160の外部の情報処理装置との間の無線通信に用いられる。アンテナ168は、収容ケース166の外部に配されてよい。収容ケース166が開口を有する場合、アンテナ168は、収容ケース166の内部に配されてもよい。
【0054】
[定置用電源200の概要]
本実施形態において、定置用電源200は、車両100に搭載されずに使用される。
図2に記載された実施形態によれば、例えば、車両100に搭載されていたリチウム電池パック160に含まれる蓄電モジュール162の劣化が予め定められた程度まで進行すると、リチウム電池パック160が、車両100の電源システム140から取り外される。
【0055】
電源システム140から取り外されたリチウム電池パック160は分解され、蓄電モジュール162が回収される。上述されたとおり、リチウム電池パック160において、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、着脱自在に構成されている。そのため、この段階で、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とが分離され得る。そして、蓄電モジュール162は、ウエイトモジュール164と分離された状態で、他の蓄電モジュール162と接続される。また、複数の蓄電モジュール162が電気的に接続される。
【0056】
これにより、回収された蓄電モジュール162が、定置用電源200の蓄電部220の一部として再利用される。蓄電モジュール162と分離されたウエイトモジュール164は、ラック222に搭載されることなく、リチウム電池パック160の質量を調整するために再利用されてよい。本実施形態によれば、ウエイトモジュール164がラック222に搭載されないので、ラック222のコスト及びスペースが低減され得る。
【0057】
[定置用電源200の各部の概要]
本実施形態において、蓄電部220は、電力を蓄積したり、電力を放出したりする。蓄電部220は、1又は複数の蓄電モジュール162を含む。例えば、複数のリチウム電池パック160のそれぞれから回収された複数の蓄電モジュール162のそれぞれが、ラックに取り付けられる。複数の蓄電モジュール162のそれぞれは、ラック222に着脱自在に取り付けられてよい。ラック222の詳細は後述される。
【0058】
一実施形態において、複数の蓄電モジュール162のそれぞれと、ラック222とは、嵌め込みなどの手法により、直接的に接続されてよい。他の実施形態において、複数の蓄電モジュール162のそれぞれと、ラック222とは、任意の部材を介して、間接的に接続されてもよい。任意の部材としては、(i)留め具、ロープ、バンド、布、及び、各種の材料の板又は棒、(ii)テープ及び接着剤、並びに、(iii)磁石からなる群から選択される少なくとも1つが例示される。留め具としては、ピン、ネジ、面ファスナーなどが例示される。
【0059】
本実施形態において、モジュール均等化部230は、蓄電部220を構成する複数の蓄電モジュール162のうち、少なくとも2つ蓄電モジュール162の電圧を均等化する。モジュール均等化部230の動作原理は特に限定されるものではなく、任意のバランス補正装置(均等化装置と称される場合もある。)を利用することができる。
【0060】
モジュール均等化部230は、複数のバランス補正装置を有してよい。一実施形態において、蓄電部220がn個(nは、2以上の整数である。)の蓄電モジュール162を有する場合、モジュール均等化部230は、n個のバランス補正装置を有する。他の実施形態において、蓄電部220がn個(nは、2以上の整数である。)の蓄電モジュール162を有する場合、モジュール均等化部230は、n-1個のバランス補正装置を有する。
【0061】
モジュール均等化部230は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。モジュール均等化部230は、アナログ回路、デジタル回路、又は、アナログ回路及びデジタル回路の組み合わせにより実現されてもよい。一実施形態において、モジュール均等化部230は、アクティブ方式のバランス補正装置を含む。アクティブ方式のバランス補正装置は、特開2006-067742号公報に記載されているような、2つの蓄電モジュール162の間でインダクタを介して電荷を移動させるバランス補正装置であってもよく、特開2012-210109号公報に記載されているような、キャパシタを用いて電荷を移動させるバランス補正装置を含む。他の実施形態において、モジュール均等化部230は、パッシブ方式のバランス補正装置であってもよい。パッシブ方式のバランス補正装置は、例えば、外部抵抗を用いて余計な電荷を放出する。
【0062】
本実施形態において、電源制御部240は、定置用電源200の動作を制御する。電源制御部240は、定置用電源200の出力を制御してよい。電源制御部240は、例えば、定置用電源200の出力電力、出力電圧、出力電流、及び、出力レートの少なくとも1つを制御する。電源制御部240は、定置用電源200の充電を制御してよい。例えば、電源制御部240は、定置用電源200の充電電力、充電電圧、充電電流、及び、充電レートの少なくとも1つを制御する。
【0063】
電源制御部240は、蓄電部220を構成する複数の蓄電モジュール162のそれぞれの動作及び状態の少なくとも一方を監視してよい。電源制御部240は、時刻を示す情報と、当該時刻における蓄電モジュール162の状態を示す情報とを対応付けて、任意の記憶装置に格納してよい。
【0064】
蓄電モジュール162の動作としては、充電、放電、均等化、及び、停止の少なくとも1つが例示される。蓄電モジュール162の状態としては、電圧値、電流値、残容量、SOC(State Of Charge)、温度、及び、劣化状態、並びに、蓄電モジュール162の異常の有無の少なくとも1つが例示される。
【0065】
蓄電モジュール162の劣化状態に関する情報としては、任意の時点における蓄電モジュール162の情報であって、(i)満充電状態における電池容量、(ii)予め定められた温度条件におけるSOC、(iii)SOH(State Of Health)、(iv)等価直列抵抗(DCR、内部抵抗と称される場合もある。)、(v)初期状態又は予め定められたタイミングから積算された使用時間、充電回数、充電量、放電量、充放電サイクル数、温度ストレス要素及び過電流ストレス要素の少なくとも1つなどに関する情報を例示することができる。蓄電モジュール162の異常の有無を示す情報としては、蓄電モジュール162の動作又は状態が正常であることを示す情報、蓄電モジュール162の動作又は状態に異常が生じたことを示す情報、蓄電モジュール162の動作又は状態に異常が生じていることを示す情報、蓄電モジュール162の異常を知らせる警報の有無を示す情報などが例示される。
【0066】
電源制御部240は、蓄電部220の過充電及び過放電を防止してよい。電源制御部240は、モジュール均等化部230の動作を制御して、蓄電部220を構成する複数の蓄電モジュール162の間の電圧のバラツキを補正してよい。
【0067】
電源制御部240は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。電源制御部240を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。プロセッサは、コンピュータの一例であってもよい。
【0068】
車両100は、移動体の一例であってよい。電源システム140は、第1蓄電システムの一例であってよい。電源システム140は、移動体に搭載された他の蓄電システムの一例であってよい。鉛電池パック142は、移動体に搭載された他の蓄電システムの一部を構成する他の蓄電装置の一例であってよい。
【0069】
リチウム電池パック160は、蓄電システムの一例であってよい。リチウム電池パック160は、車両100に搭載されて使用される場合、第1蓄電システムの一例であってよい。リチウム電池パック160は、定置用電源200に組み込まれて使用される場合、第2蓄電システムの一例であってよい。蓄電モジュール162は、蓄電装置の一例であってよい。定置用電源200を構成する蓄電モジュール162は、第2蓄電システムを構成する他の蓄電装置の一例であってよい。蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164の接続を介在する任意の部材は、第1接続部材の一例であってよい。一の蓄電モジュール162及び他の蓄電モジュール162の接続を介在する任意の部材は、第2接続部材の一例であってよい。ウエイトモジュール164は、質量調整部材の一例であってよい。収容ケース166は、収容部材の一例であってよい。収容ケース166は、第1接続部材の一例であってよい。
【0070】
定置用電源200は、第2蓄電システムの一例であってよい。定置用電源200は、定置用の蓄電システムの一例であってよい。ラック222は、第2接続部材の一例であってよい。モジュール均等化部230は、第2均等化部の一例であってよい。
【0071】
本実施形態においては、リチウム電池パック160が、移動体の一例である車両100に搭載される場合を例として、リチウム電池パック160の詳細が説明された。しかしながら、移動体は、車両100に限定されない。移動体の他の例としては、船舶、飛行体などが例示される。船舶としては、船、ホバークラフト、水上バイク、潜水艦、潜水艇、水中スクータなどを例示することができる。飛行体としては、飛行機、飛行船又は風船、気球、ヘリコプター、ドローンなどを例示することができる。
【0072】
本実施形態においては、モジュール均等化部230が蓄電モジュール162の外部に配され、定置用電源200の組み立て時に、蓄電部220を構成する複数の蓄電モジュール162と電気的に接続される場合を例として、モジュール均等化部230の一例が説明された。しかしながら、モジュール均等化部230は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、モジュール均等化部230は、蓄電部220を構成する1以上のリチウム電池パック160の少なくとも一部に内蔵されていてもよい。
【0073】
図3は、蓄電モジュール162のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、蓄電モジュール162は、蓄電セル群320と、セル均等化部330と、制御部340と、通信部350と、筐体360とを備える。本実施形態において、筐体360は、電力コネクタ362と、通信コネクタ364と、取付部366とを有する。
【0074】
本実施形態において、蓄電セル群320は、電力を蓄積したり、電力を放出したりする。蓄電セル群320は、1以上の蓄電セルを含む。蓄電セル群320が複数の蓄電セルを含む場合、当該複数の蓄電セルの少なくとも一部が直列に接続されていてもよく、当該複数の蓄電セルの少なくとも一部が並列に接続されていてもよく、当該複数の蓄電セルの少なくとも一部がマトリクス状に接続されていてもよい。
【0075】
本実施形態において、セル均等化部330は、蓄電セル群320に含まれる複数の蓄電セルのうち、少なくとも2つの蓄電セルの電圧を均等化する。セル均等化部330の動作原理は特に限定されるものではなく、任意のバランス補正装置(均等化装置と称される場合もある。)を利用することができる。
【0076】
セル均等化部330は、複数のバランス補正装置を有してよい。一実施形態において、蓄電セル群320がn個(nは、2以上の整数である。)の蓄電セルを有する場合、セル均等化部330は、n個のバランス補正装置を有する。他の実施形態において、蓄電セル群320がn個(nは、2以上の整数である。)の蓄電セルを有する場合、セル均等化部330は、n-1個のバランス補正装置を有する。
【0077】
セル均等化部330は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。セル均等化部330は、アナログ回路、デジタル回路、又は、アナログ回路及びデジタル回路の組み合わせにより実現されてもよい。一実施形態において、セル均等化部330は、アクティブ方式のバランス補正装置を含む。アクティブ方式のバランス補正装置は、特開2006-067742号公報に記載されているような、2つの蓄電セルの間でインダクタを介して電荷を移動させるバランス補正装置であってもよく、特開2012-210109号公報に記載されているような、キャパシタを用いて電荷を移動させるバランス補正装置であってもよい。他の実施形態において、セル均等化部330は、パッシブ方式のバランス補正装置を含む。パッシブ方式のバランス補正装置は、例えば、外部抵抗を用いて余計な電荷を放出する。
【0078】
本実施形態において、制御部340は、蓄電モジュール162の動作を制御する。制御部340は、蓄電モジュール162の出力を制御してよい。制御部340は、例えば、蓄電モジュール162の出力電力、出力電圧、出力電流、及び、出力レートの少なくとも1つを制御する。制御部340は、蓄電モジュール162の充電を制御してよい。例えば、制御部340は、蓄電モジュール162の充電電力、充電電圧、充電電流、及び、充電レートの少なくとも1つを制御する。
【0079】
制御部340は、蓄電モジュール162の動作及び状態の少なくとも一方を監視してよい。例えば、制御部340は、リチウム電池パック160の各部に配された各種のセンサからの出力信号を受信することで、蓄電モジュール162の動作及び状態の少なくとも一方を示す情報を取得する。制御部340は、時刻を示す情報と、当該時刻における蓄電モジュール162の状態を示す情報とを対応付けて、任意の記憶装置に格納してよい。制御部340は、上記の情報を、外部の情報処理装置に送信してもよい。
【0080】
蓄電モジュール162の動作としては、充電、放電、均等化、及び、停止の少なくとも1つが例示される。蓄電モジュール162の状態としては、電圧値、電流値、残容量、SOC(State Of Charge)、温度、及び、劣化状態の少なくとも1つが例示される。
【0081】
制御部340は、蓄電部220の過充電及び過放電を防止してよい。制御部340は、モジュール均等化部230の動作を制御して、蓄電部220を構成する複数の蓄電モジュール162の間の電圧のバラツキを補正してよい。
【0082】
本実施形態において、通信部350は、制御部340と、リチウム電池パック160の外部の情報処理装置との間で情報を送受する。例えば、外部の情報処理装置としては、車両制御部120、電源制御部240、蓄電モジュール162の状態を監視するサーバ(図示されていない。)などが例示される。例えば、通信部350は、通信コネクタ364を介して、リチウム電池パック160の外部の情報処理装置との間で、有線通信により情報を送受する。通信部350は、通信コネクタ364及びアンテナ168を介して、リチウム電池パック160の外部の情報処理装置との間で、無線通信により情報を送受してもよい。
【0083】
本実施形態において、筐体360は、蓄電セル群320を、その内部に収容する。筐体360は、セル均等化部330、制御部340及び通信部350の少なくとも1つを、その内部に収容してよい。筐体360は、セル均等化部330、制御部340及び通信部350の少なくとも1つを、その外部に保持してもよい。
【0084】
本実施形態において、電力コネクタ362は、電力のインターフェースであってよい。本実施形態において、通信コネクタ364は、通信のインターフェースであってよい。
【0085】
本実施形態において、取付部366は、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164又は他の蓄電モジュール162との接続に用いられる。筐体360は、複数の取付部366を有してもよい。
【0086】
一実施形態において、リチウム電池パック160の組み立てにおいて、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164の接続に用いられた取付部366が、定置用電源200の組み立てにおいて、蓄電モジュール162及び他の蓄電モジュール162の接続に用いられてもよい。他の実施形態において、リチウム電池パック160の組み立てにおいて、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164の接続に用いられた取付部366と、定置用電源200の組み立てにおいて、蓄電モジュール162及び他の蓄電モジュール162の接続に用いられる取付部366とが異なってよい。
【0087】
[車両100の各部の具体的な構成]
車両100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。車両100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。プロセッサは、コンピュータの一例であってもよい。
【0088】
上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。
【0089】
プログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、車両100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、車両100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。
【0090】
コンピュータを車両100の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、車両100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータを車両100の各部として機能させたり、コンピュータに車両100の各部における情報処理方法を実行させたりする。
【0091】
プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、車両100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じた車両100が構築される。
【0092】
蓄電セル群320は、1以上の蓄電セル及び複数の蓄電セルの一例であってよい。セル均等化部330は、第1均等化部の一例であってよい。制御部340は、情報収集部の一例であってよい。筐体360は、筐体の一例であってよい。取付部366は、接続部、共通接続部、第1接続部及び第2接続部の一例であってよい。
【0093】
図4、
図5、
図6及び
図7を用いて、リチウム電池パック160の組み立て工程の一例が説明される。
図4は、ウエイトモジュール164及び収容ケース166の接続工程の一例を示す。
図5及び
図6は、蓄電モジュール162及び収容ケース166の接続工程の一例を示す。
図7は、
図4~
図6に示された工程を経て組み立てられたリチウム電池パック160の断面図を示す。
【0094】
図4に示されるとおり、本実施形態において、ウエイトモジュール164の上面には、その四隅のそれぞれに、ネジ穴442が形成されている。ネジ穴442は、例えば、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164との接続に用いられる。
【0095】
本実施形態において、ウエイトモジュール164の側面のうち、一の側面には3つのネジ穴444が形成されており、当該一の側面に対向する他の側面にも3つのネジ穴444(図示されていない。)が形成されている。ネジ穴444は、例えば、ウエイトモジュール164と、収容ケース166との接続に用いられる。
【0096】
本実施形態において、収容ケース166の側面のうち、一の側面には、ウエイトモジュール164の一の側面に形成された3つのネジ穴444のそれぞれに対応する位置に、3つの開口464が形成されている。同様に、収容ケース166の側面のうち、上記の一の側面に対向する他の側面には、ウエイトモジュール164の他の側面に形成された3つのネジ穴444のそれぞれに対応する位置に、3つの開口464(図示されていない。)が形成されている。開口464は、例えば、ウエイトモジュール164と、収容ケース166との接続に用いられる。開口464はネジ穴であってもよい。
【0097】
本実施形態において、収容ケース166の側面のうち、上記の一の側面及び他の側面とは異なる2つの側面のそれぞれには、当該側面の上端付近に2つの開口462が形成されている。開口462は、例えば、蓄電モジュール162と、収容ケース166との接続に用いられる。開口462はネジ穴であってもよい。
【0098】
図4に示される工程においては、まず、ウエイトモジュール164が、収容ケース166の内部の所定の位置に収容される。例えば、ウエイトモジュール164が、収容ケース166の底部に配される。このとき、ウエイトモジュール164のネジ穴444の位置と、収容ケース166の開口464との位置が一致する。次に、収容ケース166に配された6つの開口464のそれぞれにネジ484が挿入され、ウエイトモジュール164と、収容ケース166とがネジ留めされる。
【0099】
図5及び
図6に示されるとおり、本実施形態において、蓄電モジュール162の上面にはメンテナンス用の開口(図示されていない。)が形成されており、当該開口を塞ぐ蓋部材562が配されている。また、蓄電モジュール162の下部には、その四隅のそれぞれに、突出部564が配される。4つの突出部564のそれぞれには、ネジ留め用の開口が形成されている。同様に、蓄電モジュール162の上部には、その四隅のそれぞれに、突出部566が形成されている。4つの突出部566のそれぞれには、ネジ留め用の開口が形成されている。
【0100】
図5に示される工程においては、まず、蓄電モジュール162が、蓄電モジュール162の内部の所定の位置に収容される。例えば、蓄電モジュール162の下部に配された突出部566の開口の位置と、ウエイトモジュール164の上面に配されたネジ穴442の位置とが一致するように、蓄電モジュール162の位置が決定される。
【0101】
次に、
図6に示される工程において、蓄電モジュール162に配された4つの突出部566のそれぞれに設けられた開口にネジ682が挿入され、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とがネジ留めされる。
【0102】
以上の工程により、
図7に示されるリチウム電池パック160が組み立てられる。本実施形態において、蓄電モジュール162は、ネジ682を用いて、ウエイトモジュール164に着脱自在に取り付けられている。また、ウエイトモジュール164は、ネジ484を用いて、収容ケース166に着脱自在に取り付けられている。なお、上述されたとおり、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とを取り付ける方法は、本実施形態に限定されない。蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164は、任意の物理的手段、化学的手段及び磁気的手段の少なくとも1つを用いて、着脱可能に接続されてよい。
【0103】
上述されたとおり、本実施形態によれば、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が着脱自在に構成される。より具体的には、例えば、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164のそれぞれが、収容ケース166に着脱自在に取り付けられる。これにより、ウエイトモジュール164の外形形状を、蓄電モジュール162の外形形状によらず、自由に決定することができる。また、従来技術と比較して、リチウム電池パック160の組立工程及び分解工程が簡素化され得る。
【0104】
本実施形態によれば、リチウム電池パック160が車両100に搭載される場合には、例えば、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が収容ケース166に固定される。これにより、車両100の走行中に、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164の位置ずれが抑制される。その結果、車両100の走行中における、リチウム電池パック160の重心の位置の変動が抑制される。また、車両100の走行中におけるリチウム電池パック160からの振動又は騒音の発生が抑制される。
【0105】
本実施形態によれば、リチウム電池パック160を構成する蓄電モジュール162が、定置用電源200の一部として再利用される場合には、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とが分離される。これにより、ラック222の構造が簡略化され得る。また、蓄電部220が小型化及び軽量化され得る。
【0106】
突出部564は、接続部及び第1接続部の一例であってよい。ネジ682は、第1接続部材の一例であってよい。
【0107】
本実施形態においては、蓄電モジュール162が、ウエイトモジュール164に取り付けられる場合を例として、リチウム電池パック160の組立工程の詳細が説明された。しかしながら、リチウム電池パック160の組立工程は、本実施形態に限定されない。
【0108】
他の実施形態において、蓄電モジュール162は、ウエイトモジュール164及び収容ケース166に取り付けられてよい。例えば、複数の突出部566のそれぞれと、収容ケース166に形成された複数の開口462のそれぞれとが対応しており、複数の突出部566のそれぞれには、対応する開口462の位置に合わせて、開口766が形成されている。そこで、適切な留め具を開口462及び開口766に挿入して、蓄電モジュール162及び収容ケース166を接続してよい。
【0109】
本実施形態においては、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164と、ウエイトモジュール164及び収容ケース166とが、ネジを用いて接続された。しかしながら、接続手段は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ピン留め、面テープ、接着剤、磁石など任意の接続手段が利用され得る。また、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が直接的に接続されてもよく、ウエイトモジュール164及び収容ケース166が直接的に接続されてもよい。
【0110】
図8は、リチウム電池パック160の断面図の他の例を概略的に示す。
図8を用いて、リチウム電池パック160の組み立て方法の他の例が説明される。
図8の実施形態においては、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164がネジ留めされていない点と、ウエイトモジュール164及び収容ケース166がネジ留めされていない点と、蓄電モジュール162及び収容ケース166がネジ留めされている点とにおいて、
図4~
図7に関連して説明された実施形態と相違する。
図8の実施形態において、その他の構成は、
図7に関連して説明された実施形態と同様の特徴を有してよい。
【0111】
本実施形態において、ウエイトモジュール164は、収容ケース166の内部に収容され、ウエイトモジュール164の少なくとも一部が、蓄電モジュール162と、収容ケース166との間に配される。また、蓄電モジュール162が、留め具882を用いて、収容ケース166に着脱自在に取り付けられている。具体的には、蓄電モジュール162に配された複数の突出部566のそれぞれに配された開口766と、複数の開口766のそれぞれに対応する開口462との内部に、留め具882が挿入され、蓄電モジュール162及び収容ケース166が着脱自在に接続される。
【0112】
留め具882は、第1接続部材の一例であってよい。収容ケース166は、第1接続部材の一例であってよい。
【0113】
本実施形態においては、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164がネジ留めされていない場合を例として、リチウム電池パック160の一例が説明された。しかしながら、リチウム電池パック160は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、蓄電モジュール162の突出部564に形成された開口864に、例えばネジ682が挿入され、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とがネジ留めされる。
【0114】
本実施形態においては、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164が、収容ケース166及び留め具882を用いて接続された。しかしながら、接続手段は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ピン留め、面テープ、接着剤、磁石など任意の接続手段が利用され得る。また、蓄電モジュール162及び収容ケース166が、直接的に接続されてもよい。
【0115】
図9は、ラック222の構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、ラック222は、棚部材922と、フレーム924と、位置決め部材926とを備える。ラック222は、複数の棚部材922を備えてよい。ラック222は、複数の位置決め部材926を備えてよい。
【0116】
本実施形態において、棚部材922は、1又は複数の蓄電モジュール162を保持する。本実施形態において、フレーム924は、棚部材922を支持する。本実施形態において、位置決め部材926は、蓄電モジュール162が棚部材922に取り付けられる位置を示す。単一の棚部材922に、複数の位置決め部材926が配されてもよい。
【0117】
図10は、蓄電モジュール162の取り付け方法の一例を概略的に示す。本実施形態において、位置決め部材926の寸法は、蓄電モジュール162の下部に配された2つの突出部564の間の距離と同等、又は、当該距離よりもわずかに小さい長さに設定される。これにより、
図10に示されるとおり、蓄電モジュール162が棚部材922の予め定められた位置に配されたときに、位置決め部材926が、当該2つ突出部564に挟まれるので、蓄電モジュール162の位置決めが容易になる。
【0118】
棚部材922の上面の位置決め部材926の両端の近傍には、突出部564に配された開口に対応する位置に、開口が形成されている。例えば、突出部564に配された開口と、棚部材922に配された開口とを任意の留め具1082で接続することで、蓄電モジュール162がラック222に取り付けられる。
【0119】
突出部564は、共通接続部の一例であってよい。留め具1082は、第2接続部材の一例であってよい。
【0120】
本実施形態においては、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164の接続に用いられた突出部564が、蓄電モジュール162及びラック222の接続に用いられた。しかしながら、蓄電モジュール162及びラック222の接続方法は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、蓄電モジュール162は、蓄電モジュール162及びウエイトモジュール164の接続に用いられる第1接続部と、蓄電モジュール162及びラック222の接続に用いられる第2接続部とを備えてもよい。
【0121】
突出部564は、第1接続部及び第2接続部の一方の一例であってよい。突出部566は、第1接続部及び第2接続部の他方の一例であってよい。
【0122】
図11は、リチウム電池パック160の生産方法の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、まず、S1122において、(i)鉛電池パック142の質量を示す情報と、(ii)蓄電モジュール162の質量を示す情報とが取得される。鉛電池パック142の質量を示す情報としては、鉛電池パック142の質量の数値を示す情報、鉛電池パック142の型番を示す情報、鉛電池パック142が組み込まれた電源システム140の型番を示す情報、鉛電池パック142が組み込まれた車両100の型番を示す情報などが例示される。蓄電モジュール162の質量を示す情報としては、蓄電モジュール162の質量の数値を示す情報、蓄電モジュール162の型番を示す情報などが例示される。これらの情報は、例えば、ユーザにより入力される。これらの情報は、通信ネットワークを介して、外部の情報処理装置から取得されてもよい。
【0123】
このとき、鉛電池パック142の外形寸法を示す情報が取得されてもよい。また、鉛電池パック142の重心を示す情報が取得されてもよい。鉛電池パック142の重心を示す情報としては、鉛電池パック142の基準点に対する鉛電池パック142の重心の相対位置を示す情報、車両100の基準点に対する鉛電池パック142の重心の相対位置などが例示される。
【0124】
次に、S1124において、ウエイトモジュール164が準備される。一実施例において、鉛電池パック142の質量と、蓄電モジュール162の質量との差に相当する質量を有するウエイトモジュール164が用意される。他の実施形態において、ウエイトモジュール164の質量が、鉛電池パック142の質量と、蓄電モジュール162の質量との差に相当する値に調整される。ウエイトモジュール164の質量の調整方法としては、複数の重りを組み合わせる方法、ウエイトモジュール164に設けられた空洞を充填する重りの量を調整する方法などが例示される。
【0125】
また、収容ケース166が準備される。収容ケース166の外形寸法は、鉛電池パック142の外形寸法と略同一であってよい。なお、収容ケース166の外形寸法はこれに限定されない。
【0126】
次に、S1126において、例えば、
図4~
図7に関連して説明された手順に従って、蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164と、収容ケース166とが組み立てられる。このとき、収容ケース166の外形と、リチウム電池パック160の重心との位置関係が、鉛電池パック142の外形と、鉛電池パック142の重心との位置関係と略同一となるように、組み立て作業が実施されてよい。これにより、蓄電モジュール162を備えたリチウム電池パック160が生産される。
【0127】
鉛電池パック142の質量を示す情報は、第2質量情報の一例であってよい。蓄電モジュール162の質量を示す情報は、第1質量情報の一例であってよい。鉛電池パック142の外形寸法を示す情報は、寸法情報の一例であってよい。鉛電池パック142の重心の位置を示す情報は、重心情報の一例であってよい。
【0128】
図12は、定置用電源200の生産方法の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、まず、S1222において、複数のリチウム電池パック160が準備される。次に、S1224において、複数のリチウム電池パック160のそれぞれが分解される。これにより、リチウム電池パック160において接続されていた蓄電モジュール162と、ウエイトモジュール164とが分離される。次に、S1226において、回収された複数の蓄電モジュール162を用いて、定置用電源200が組み立てられる。具体的には、複数の蓄電モジュール162のそれぞれが、ラック222に固定される。また、複数の蓄電モジュール162が電気的に接続される。これにより、定置用電源200が生産される。
【0129】
図13は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。
【0130】
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
【0131】
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、グラフィックコントローラ3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インターフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
【0132】
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
【0133】
通信インターフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD-ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0134】
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
【0135】
プログラムが、DVD-ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0136】
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0137】
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026(DVD-ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0138】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0139】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
【0140】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0141】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0142】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0143】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0144】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載などから明らかである。
【0145】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0146】
100 車両、120 車両制御部、130 駆動システム、140 電源システム、142 鉛電池パック、160 リチウム電池パック、162 蓄電モジュール、164 ウエイトモジュール、166 収容ケース、168 アンテナ、200 定置用電源、220 蓄電部、222 ラック、230 モジュール均等化部、240 電源制御部、320 蓄電セル群、330 セル均等化部、340 制御部、350 通信部、360 筐体、362 電力コネクタ、364 通信コネクタ、366 取付部、442 ネジ穴、444 ネジ穴、462 開口、464 開口、484 ネジ、562 蓋部材、564 突出部、566 突出部、682 ネジ、766 開口、864 開口、882 留め具、922 棚部材、924 フレーム、926 位置決め部材、1082 留め具、3000 コンピュータ、3001 DVD-ROM、3010 ホストコントローラ、3012 CPU、3014 RAM、3016 グラフィックコントローラ、3018 ディスプレイデバイス、3020 入出力コントローラ、3022 通信インターフェース、3024 ハードディスクドライブ、3026 DVD-ROMドライブ、3030 ROM、3040 入出力チップ、3042 キーボード