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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ペットサークル
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/04 20060101AFI20231031BHJP
   A01K 1/02 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
A01K15/04
A01K1/02 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020025784
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021129503
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】593046164
【氏名又は名称】孔雀金網株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】滝本 良樹
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0054394(US,A1)
【文献】登録実用新案第3220139(JP,U)
【文献】登録実用新案第3060698(JP,U)
【文献】特開2016-015897(JP,A)
【文献】登録実用新案第3104577(JP,U)
【文献】特開2001-245545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/04
A01K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金網と枠体とプラスチック製のジョイントの三部材を用いて胴部が組立てられるペットサークルであって、
枠体は、金網を構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材に隣接する内側平坦面部を有し、
ジョイントは、複数の金網を連結可能なように枠体の端部に嵌合する嵌合口を有し、さらに、
ジョイントは、嵌合口に嵌め込まれている枠体から金網が上下方向に外れないように金網を枠体側に固定係止する切欠穴を有し、枠体および金網を着脱自在に一体的に連結するよう構成され
前記切欠穴は、枠体の前記内側平坦面部の側に位置するよう形成され、
金属線材は上下に延びる複数の縦線材および左右に延びる横線材であり、横線材は、縦線材に交叉するよう配置されており、左右最外側に位置する縦線材には、枠体の前記内側平坦面部における左右両端部分に形成された差し込み口に差し込み可能な差し込み部が、上下最外側に位置する横線材よりも上下方向に突出した状態で形成され、
枠体の前記差し込み口に縦線材の前記差し込み部が差し込まれるとともに、上下最外側に位置する横線材が枠体の前記内側平坦面部の面上に当接する一方、
前記切欠穴は、コーナー部の前記上下最外側に位置する横線材を通過させるよう横線材の径に相当する幅の厚み分だけ上方に突出した状態でジョイントの上面に形成され横線材を係止する横線材係止用の穴部と、コーナー部の前記左右最外側に位置する縦線材を通過させるよう横線材係止用の穴部に沿う形で形成されている縦線材ガイド穴部とを有するとともに、差し込み部が差し込まれている前記縦線材を係止する縦線材係止穴部を縦線材ガイド穴部の奥に有するペットサークル。
【請求項2】
金網と枠体とプラスチック製のジョイントの三部材を用いて胴部が組立てられるペットサークルであって、
枠体は、金網を構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材に隣接する内側平坦面部を有し、
ジョイントは、複数の金網を連結可能なように枠体の端部に嵌合する嵌合口を有し、さらに、
ジョイントは、嵌合口に嵌め込まれている枠体から金網が上下方向に外れないように金網を枠体側に固定係止する切欠穴を有し、枠体および金網を着脱自在に一体的に連結するよう構成され、
前記切欠穴は、枠体の前記内側平坦面部の側に位置するよう形成され、
金属線材は上下に延びる複数の縦線材および左右に延びる横線材であり、横線材は、縦線材に交叉するよう配置されており、左右最外側に位置する縦線材には、枠体の前記内側平坦面部における左右両端部分に形成された差し込み口に差し込み可能な差し込み部が、上下最外側に位置する横線材よりも上下方向に突出した状態で形成され、
枠体の前記差し込み口に縦線材の前記差し込み部が差し込まれるとともに、上下最外側に位置する横線材が枠体の前記内側平坦面部に形成された凹部に配置される一方、
前記切欠穴は、凹部に配置された横線材を覆うように構成されるとともに、コーナー部の前記左右最外側に位置する縦線材を通過させるようジョイントの上面に形成されている縦線材ガイド穴部を有し、さらに、差し込み部が差し込まれている前記縦線材を係止する縦線材係止穴部を縦線材ガイド穴部の奥に有するペットサークル。
【請求項3】
ジョイントは、複数の金網を平面視直角状に連結するよう形成されている請求項1または請求項2に記載のペットサークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬、猫等のペットを収納するためのペットサークルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ジョイント部材を用いて複数の金網と枠体を連結して胴部が組立てられる箱状のペットサークルが提案されており、金網と枠体やジョイント部材と枠体を連結するためにネジ部材などの固定用金具が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、金網の8個のコーナー部それぞれにジョイント部材と固定用金具を配置して金網と枠体やジョイント部材と枠体を連結するのは手間のかかる作業である。
【0004】
また、金網同士を直線状に連結する作業を追加する必要がある場合はその分手間のいる作業が増える。
【0005】
また、ジョイント部材以外に固定用金具が必要であることから部品点数が増えて高価になるといった課題もある。
【0006】
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、ネジ部材などの固定用金具を用いずとも一体的に連結可能な胴部が組立てられるペットサークルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、金網と枠体とプラスチック製のジョイントの三部材を用いて胴部が組立てられるペットサークルであって、
枠体は、金網を構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材に隣接する内側平坦面部を有し、
ジョイントは、複数の金網を連結可能なように枠体の端部に嵌合する嵌合口を有し、さらに、
ジョイントは、嵌合口に嵌め込まれている枠体から金網が上下方向に外れないように金網を枠体側に固定係止する切欠穴を有し、枠体および金網を着脱自在に一体的に連結するよう構成され
前記切欠穴は、枠体の前記内側平坦面部の側に位置するよう形成され、
金属線材は上下に延びる複数の縦線材および左右に延びる横線材であり、横線材は、縦線材に交叉するよう配置されており、左右最外側に位置する縦線材には、枠体の前記内側平坦面部における左右両端部分に形成された差し込み口に差し込み可能な差し込み部が、上下最外側に位置する横線材よりも上下方向に突出した状態で形成され、
枠体の前記差し込み口に縦線材の前記差し込み部が差し込まれるとともに、上下最外側に位置する横線材が枠体の前記内側平坦面部の面上に当接する一方、
前記切欠穴は、コーナー部の前記上下最外側に位置する横線材を通過させるよう横線材の径に相当する幅の厚み分だけ上方に突出した状態でジョイントの上面に形成され横線材を係止する横線材係止用の穴部と、コーナー部の前記左右最外側に位置する縦線材を通過させるよう横線材係止用の穴部に沿う形で形成されている縦線材ガイド穴部とを有するとともに、差し込み部が差し込まれている前記縦線材を係止する縦線材係止穴部を縦線材ガイド穴部の奥に有するペットサークルを提供する(請求項1)。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
また、本発明は、金網と枠体とプラスチック製のジョイントの三部材を用いて胴部が組立てられるペットサークルであって、
枠体は、金網を構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材に隣接する内側平坦面部を有し、
ジョイントは、複数の金網を連結可能なように枠体の端部に嵌合する嵌合口を有し、さらに、
ジョイントは、嵌合口に嵌め込まれている枠体から金網が上下方向に外れないように金網を枠体側に固定係止する切欠穴を有し、枠体および金網を着脱自在に一体的に連結するよう構成され、
前記切欠穴は、枠体の前記内側平坦面部の側に位置するよう形成され、
金属線材は上下に延びる複数の縦線材および左右に延びる横線材であり、横線材は、縦線材に交叉するよう配置されており、左右最外側に位置する縦線材には、枠体の前記内側平坦面部における左右両端部分に形成された差し込み口に差し込み可能な差し込み部が、上下最外側に位置する横線材よりも上下方向に突出した状態で形成され、
枠体の前記差し込み口に縦線材の前記差し込み部が差し込まれるとともに、上下最外側に位置する横線材が枠体の前記内側平坦面部に形成された凹部に配置される一方、
前記切欠穴は、凹部に配置された横線材を覆うように構成されるとともに、コーナー部の前記左右最外側に位置する縦線材を通過させるようジョイントの上面に形成されている縦線材ガイド穴部を有し、さらに、差し込み部が差し込まれている前記縦線材を係止する縦線材係止穴部を縦線材ガイド穴部の奥に有するペットサークルを提供する(請求項2)。
【0012】
また、本発明は、ジョイントは、複数の金網を平面視直角状に連結するよう形成されている請求項1または請求項2に記載のペットサークルを提供する(請求項3)。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の効果】
【0016】
本発明では、金網と、枠体と、枠体および金網を着脱自在に一体的に連結する特異な構成のプラスチック製のジョイントの三部材を用いているので、ネジ部材などの固定用金具を用いずとも一体的に連結可能な胴部を組立てるようにすることができ、それによって、作業性を向上することができる。
【0017】
また、作業に手間のかかるネジ部材などの固定用金具を使用しなくても、素人でも容易に胴部を組立てることができる。
【0018】
また、金網を構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材に枠体の内側平坦面部を隣接させる構成を採用しているので、金網の上下に枠体を一周配列させることができ例えば枠体として木枠を用いた場合には、組立てに手間をかけずに高級感を醸しだすことができるペットサークルを提供することができる、といった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態を示す全体斜視図である。
図2】上記実施形態における下側の四つのコーナー部の一つを示す要部拡大図である。
図3図2における分解斜視図である。
図4】(a)は、図2における横断面図である。(b)は、図2(a)におけるA-A線縦断面図である。
図5】上記実施形態で用いるジョイントを示す斜視図である。
図6】本発明で用いるジョイントの変形例を示す斜視図である。
図7】本発明で用いるジョイントのさらに別の変形例を示す斜視図である。
図8】本発明の他の実施形態における図2に相当する要部拡大図である。
図9図8における分解斜視図である。
図10】(a)は、図8における横断面図である。(b)は、図10におけるB-B線縦断面図である。
図11】上記他の実施形態で用いるジョイントを示す斜視図である。
図12】上記他の実施形態で用いるジョイントの変形例を示す斜視図である。
図13】上記他の実施形態で用いるジョイントのさらに別の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、それによって本発明は限定されるものではない。
【0021】
図1図5は本発明の一実施形態を示す。
【0022】
図1はペットサークルの胴部Dを示しており、胴部Dの上面を開閉自在に閉塞する蓋体、および胴部Dの下面に配置されるトレーを省略している。
【0023】
図1において、胴部Dは、4枚の金網A,A,B,B、4個の枠体C1(上下2個ずつ)、4個の枠体C2(上下2個ずつ)、4枚の金網を平面視直角状に連結して八つのコーナー部αを形成する8個の同一形状のプラスチック製のジョイントJの三種類の部材を用いて組立てられている。
【0024】
胴部Dは、平面視矩形形状(平面視直角状)をなしている。
【0025】
ジョイントJは金網A,A,B,B(胴部D)の八つのコーナー部αにそれぞれ配置されている。
【0026】
金網A,Aは、同一サイズで、胴部Dの長手方向(両矢印aで示す)において対向配置されている縦長の平面視長方形タイプのものである。
【0027】
金網B,Bは、同一サイズで、胴部Dの長手方向に直角な短手方向(両矢印bで示す)において対向する横長の平面視長方形タイプのものである。
【0028】
枠体C1と枠体C2は同一材料よりなり、それぞれ太さが同じで長さの異なる木枠よりなる。この実施形態では、枠体C1と枠体C2の形として直方体の形状のものを用いている。
【0029】
枠体C1は、a方向において胴部Dの上下に対向配置されており、枠体C1のb方向における長さは枠体C2のa方向における長さよりも短い長さのものである。そして、枠体C1の長さは、枠体C1の差し込み口に金網Aが差し込まれるよう金網Aのb方向における長さよりも大に設定されている。
【0030】
枠体C2は、b方向において胴部Dの上下に対向配置されており、枠体C2は枠体C1の長さよりも長い寸法の長さをもつ。そして、枠体C2の長さは、枠体C2の差し込み口に金網Bが差し込まれるよう金網Bのa方向における長さよりも大に設定されている。
【0031】
金網A,Bを構成する金属線材は、上下に延びる複数の縦線材1および左右に延びる複数の横線材2である。金網A,Bは、断面略円形である(図4参照)。
【0032】
一方、上下に位置する枠体C1,C1は、金網A,Bを構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材2a,2bに隣接する内側平坦面部3,3を有する。
【0033】
そして、枠体C1,C1と同様に、上下に位置する枠体C2,C2も、金網A,Bを構成する金属線材のうち上下最外側に位置する横線材2a,2bに隣接する内側平坦面部3,3を有する。
【0034】
上下枠体C1,C1の内側平坦面部3,3における左右両端部分G1図3参照)に形成された所定長さL〔図4(b)参照〕の円形の差し込み口4に差し込み可能な差し込み部S1 が左右最外側に位置する縦線材1a,1b形成されている。
【0035】
差し込み部S1は、上下最外側に位置する横線材2a,2bよりも上下方向に所定長さLだけ上下に突出した状態で形成されている。
【0036】
また、金網Bにおいても、金網Aの場合と同様の構成を有する。すなわち、金網Bにおいて、左右最外側に位置する縦線材1a,1b(図1参照)には、上下枠体C2,C2の内側平坦面部3,3における左右両端部分G2図3参照)に形成された差し込み口4に差し込み可能な差し込み部S2が形成されている。差し込み部S2は、上下最外側に位置する横線材2a,2bよりも上下方向に所定長さLだけ突出した状態で形成されている。差し込み口4は差し込み部S2の長さLに相当する深さを有する。
【0037】
そして、この実施形態では、図3に示すように、縦線材1,1b(1)に対し90°の角度θでもって、また,横線材2b(2)は、縦線材1a(1),1に対し90°の角度θでもって交叉するよう配置されている。そして、図4に示すように、コーナー部αに位置している縦線材1b(1),1a(1)の方が他の縦線材1の厚みよりも大に形成されている。
【0038】
なお、横線材2を縦線材1の内側に位置させてもよい。そのために、後述するように、一つの切欠穴6に対して二つの横線材係止用の穴部11,11が対向配置されている。
【0039】
また、この実施形態では天然素材の木枠を枠体C1と枠体C2に用いたものを示したが、本発明では、枠体C1と枠体C2の素材としてMDF(Medium density fiberboard )(中質繊維板)などの繊維板や合成樹脂を用いてもよい。
【0040】
また、この実施形態では、枠体C1と枠体C2の形として直方体の形状のものを用いているが、この形状に限るものではない。
【0041】
以下、金網A,A,B,B(胴部D)の八つのコーナー部αにそれぞれ配置されている特異な形状のジョイントJについて、図3にも示すように縦線材1b(1)(金網Aにおける右最外側に位置する)および横線材2b(2)(金網Aにおける下最外側に位置する)を例にとって説明する。
【0042】
ジョイントJは、4枚の金網A,A,B,Bを平面視直角状に連結可能なように、図3図4図5に示すように、枠体C1,C2の端部分G1,G2に嵌合する嵌合口5を有する。また、図2図3図4図5に示すように、ジョイントJは、90°の曲がりを有するエルボ形状に構成されている。この実施形態では直方体の形状の枠体C1,C2を用いており、両端部の嵌合面は矩形形状であるので嵌合口5の断面は矩形形状である。そして、ジョイントJは、射出成形で安価に得られるものである。なお、120°の曲がりを有するエルボ形状にジョイントJを構成すると平面視六角形の胴部を組み立てできる。
【0043】
ジョイントJは、嵌合口5に嵌め込まれている枠体C1,C2から金網A,Bが上下方向に外れないように金網A,Bを枠体側に固定係止する二つの同一形状の切欠穴6,6を上面(同一面)に有し、枠体C1,C2および金網A,Bを着脱自在に一体的に連結するよう構成されている。以下の説明のためジョイントJの上面10に形成されている二つの切欠穴6,6のうち、図3図4(a)において、左側を左切欠穴6、右側を右切欠穴6という。
【0044】
図3図4において、左切欠穴6は、コーナー部αに位置する横線材2b(2)を通過させるよう横線材2b(2)の径に相当する幅の厚みF分だけ上方に突出した状態で横線材2b(2)を係止するようジョイントJの上面10に形成された左右一対の横線材係止用の穴部11(図5参照)と、コーナー部αの縦線材1b(1)を通過させるよう横線材係止用の穴部11に沿う形で形成されている縦線材ガイド穴部12(図5参照)とを有するとともに、差し込み部S1が差し込まれている縦線材1b(1)を係止する一つの縦線材係止穴部13(図5参照)を縦線材ガイド穴部12の奥に有している。なお、この実施形態では、横線材2b(2)を縦線材1b(1)の外側に位置させているので、横線材2b(2)を通過させる横線材係止用の穴部11は、左切欠穴6において対向配置された状態で二つ備わっている穴部11,11のうち、図4(a)にも示すように、外側の穴部11である。内側の穴部11は横線材2b(2)を縦線材1b(1)の内側に位置させた場合に用いられる。
【0045】
図4(b)において、上辺部mと、横線材2b(2)の厚みFに相当する高さを持つ両側辺部n,nとより構成された正面視門型形状の上辺部mにおける中央部分を切欠いて縦線材ガイド穴部12および縦線材係止穴部13が形成されているとともに、図3に示すように、横線材係止用の穴部11は縦線材ガイド穴部12および縦線材係止穴部13の左右に形成されている。すなわち、左右の横線材係止用の穴部11は、それぞれ、正面視門型形状の上辺部mと側辺部nによって、縦線材ガイド穴部12および縦線材係止穴部13に沿いながら形成されている。
【0046】
つまり、図4(b)に示すように、横線材係止用の穴部11は上辺部mおよび側辺部nによって形成される係止空間を構成するとともに、横線材2b(2)は、枠体C1の内側平坦面部3と、上辺部mおよび側辺部nとの間に挟まれた状態で係止されている。
【0047】
また、縦線材係止穴部13の径は縦線材1b(1)の径に略等しく設定されているとともに、縦線材ガイド穴部12の横幅t〔図4(a)参照〕は縦線材1b(1)の径に比べて大に設定されている。
【0048】
そして、図4に示すように、枠体C1の端部分G1および枠体C2の端部分G2はそれぞれの端部分が直角に当たる状態で対向配置されている。なお、図2における縦線材1b(1),1a(1)間の間隔を狭めたい場合は、端部分G1,G2を面取りして傾斜面を形成し、この傾斜面を有する端部分G1,G2を用い、傾斜面同士を対向配置させるとよい。
【0049】
以上、コーナー部αに位置する金網Aの横線材2b(2)について説明したが、金網Aの横線材2a(2)と金網Bの横線材1b(1)を連結する、図1におけるコーナー部α1 (α)においては、図4(a)におけるジョイントJを180°逆さまにして(ジョイントJの上面10を下向きにした状態で)右切欠穴6を使うとよい。
【0050】
而して、図3において、差し込み口4に例えば右最外側に位置する縦線材1bの差し込み部S1が差し込まれるとともに、下最外側に位置する横線材2bが内側平坦面部3の面上に当接される
【0051】
端部分G1を嵌合口5に嵌合させる。すなわち、ジョイントJを枠体C1に押し込んでいくと、縦線材ガイド穴部12は縦線材1bを通過するとともに、横線材係止用の穴部11は横線材2bを通過しながら横線材2bの動きが止まり横線材2bを係止できるとともに、縦線材係止穴部13に縦線材1bが係止される。これにより、嵌合口4に嵌め込まれている端部分G1から金網Aが上方向に外れないようにできる。
【0052】
図6は、複数の金網A,Bを平面視直線状に連結するよう形成されているジョイントJを示す。図6において、図1図5に示す符号と同一のものは、同一又は相当物であり、二つの同一形状の切欠穴6,6が、ジョイントJの上面10に直線状に形成されている。
【0053】
図7は、平面視T字型形状に形成されているジョイントJを示す。図7において、図1図6に示す符号と同一のものは、同一又は相当物であり、三つの同一形状の切欠穴6,6,6が、ジョイントJの上面10にT字型状に形成されている。このジョイントJは、ペットサークル内に仕切り用の金網を設けるときに使用される。
【0054】
このように、上記実施の形態では、図4(b)に示すように、横線材係止用の穴部11を上辺部mおよび側辺部nによって形成される係止空間で構成するとともに、横線材2b(2)を、枠体C1の内側平坦面部3と、上辺部mおよび側辺部nとの間に挟まれた状態で係止するよう構成されたジョイントJを示した。
【0055】
図8図11は、枠体C1,C2の内側平坦面部3に横線材2bが配置可能な凹部20を形成し、この凹部20に横線材2bを配置した場合に適用される本発明の他の実施形態を示す。図8図11において、図1図7に示す符号と同一のものは、同一又は相当物である。
【0056】
この実施形態では、図4(b)に示したような横線材係止用の穴部11に相当する凹部20を枠体C1,C2の内側平坦面部3に形成している。
【0057】
図8図11において、ジョイントJ’は、嵌合口5に嵌め込まれている例えば枠体C1から金網Aが上下方向に外れないように金網Aを枠体側に固定係止する切欠穴6’を有しているが、この切欠穴6’は、凹部20に配置された横線材2bを覆うように構成されるとともに、コーナー部αの左右最外側に位置する縦線材1b,1aを通過させるようジョイントJ’の上面10に形成されている縦線材ガイド穴部12を有し、さらに、差し込み部S1,S2が差し込まれている縦線材1bを係止する縦線材係止穴部13を縦線材ガイド穴部12の奥に有する。
【0058】
すなわち、切欠穴6’は、凹部20に配置された横線材2bを覆うように構成される。この横線材2bを覆う横線材被覆領域R(斜線部分)を図10に示している。
【0059】
横線材2bを通過させる横線材被覆領域Rは、ジョイントJ’の上面10に形成されており、縦線材ガイド穴部12および縦線材係止穴部13に沿う形で対向配置されている。すなわち、対向配置されている一対の横線材被覆領域R,Rによって切欠穴6’が形成されている。
【0060】
而して、図10(a)に示すように、ジョイントJ’を枠体C1に押し込んでいくと、縦線材ガイド穴部12は縦線材1bを通過させるとともに、凹部20に配置された横線材2bは被覆領域Rを通過しながら、縦線材係止穴部13に縦線材1bが係止されるとともに横線材2bの動きが止まる。
【0061】
すなわち、凹部20の左右両側面と底面によって囲まれた横線材2bが、その上面側を被覆領域Rで被覆されるので横線材2bを係止できるとともに、縦線材係止穴部13に縦線材1bが係止される。これにより、嵌合口4に嵌め込まれている端部分G1から金網Aが上方向に外れないようにできる。
【0062】
図12は、複数の金網A,Bを平面視直線状に連結するよう形成されているジョイントJ’を示す。図12において、図1図11に示す符号と同一のものは、同一又は相当物であり、二つの同一形状の切欠穴6’,6’が、ジョイントJ’の上面10に直線状に形成されている。
【0063】
図13は、平面視T字型形状に形成されているジョイントJ’を示す。図13において、図1図12に示す符号と同一のものは、同一又は相当物であり、三つの同一形状の切欠穴6’,6’,6’が、ジョイントJ’の上面10にT字型状に形成されている。このジョイントJ’は、ペットサークル内に仕切り用の金網を設けるときに使用される。
【符号の説明】
【0064】
A,B 金網
1,C2 枠体
J プラスチック製のジョイント
D 胴部
2a,2b 上下最外側に位置する横線材
3 内側平坦面部
1,G2 枠体の端部
5 嵌合口
6 切欠穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13