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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】巻線装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/085 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
H02K15/085
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022142015
(22)【出願日】2022-09-07
【審査請求日】2023-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390020031
【氏名又は名称】三工機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大岡 正典
(72)【発明者】
【氏名】永井 福弥
(72)【発明者】
【氏名】脇田 亨音
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6813253(JP,B1)
【文献】特開2011-223858(JP,A)
【文献】再公表特許第2018/078758(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に導線の挿通路が形成された導線ガイド筒と、
前記導線ガイド筒を回転可能に保持する昇降ベースと、
前記昇降ベースを上下移動させる第1駆動装置と、
前記導線ガイド筒を所定角度で往復回動させる第2駆動装置と、
前記導線ガイド筒の先端に取付けられたノズルホルダと、
前記ノズルホルダに半径方向移動可能に保持されて、前記ノズルホルダの外周から前記導線ガイド筒に対して所定角度間隔で半径方向外方に突出する複数のノズルと、
前記ノズルホルダに回動可能に保持され、前記複数のノズルの半径方向外方への突出量を変えるカム板と、
前記カム板を回転させる第3駆動装置とを備え、
前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、及び前記第3駆動装置は、それぞれ独立したサーボモータを有し、制御装置によって駆動タイミング及び駆動量を制御され、
前記ノズルは、その先端がステータコアの対応するスロットにそれぞれ挿入され、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とによって、前記ステータコアの対応する内歯を周回するように移動すると共に、前記第3駆動装置によって半径方向に移動して、前記内歯に対して整列するように巻線が施され
前記ノズルは、前記ノズルホルダに半径方向移動可能に保持される基部と、該基部から延出して半径方向外方に突出し、導線の吐出口を設けた先端部とを有し、前記基部は、前記導線ガイド筒の軸心を超えて前記先端部とは反対側まで延び、前記基部が軸方向に重なって前記ノズルホルダに保持されていることを特徴とする巻線装置。
【請求項2】
前記導線ガイド筒と平行に配置され、前記昇降ベースに設けられたネジ孔に螺合して、前記昇降ベースを貫通するボールネジが設けられ、前記第1駆動装置は、前記ボールネジを回動させるように構成されている、請求項1記載の巻線装置。
【請求項3】
前記導線ガイド筒の外周には、軸方向に沿って所定長さで形成されたスプラインが設けられ、前記第2駆動装置は、前記スプラインに嵌合するギヤを回動させるように構成されている、請求項1記載の巻線装置。
【請求項4】
前記導線ガイド筒の先端部外周に前記導線ガイド筒に対して回動可能に配置されたスプライン筒を有し、該スプライン筒から延出した先端が前記カム板に連結されており、前記第3駆動装置は、前記スプライン筒に嵌合するギヤを回動させるように構成されている、請求項1記載の巻線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアの内歯に導線を直接巻付ける巻線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ステータコアの内歯に導線を直接巻付ける巻線装置として、下記特許文献1には、一方から導入した導線を他方に設けたノズルから供出するガイド筒と、ガイド筒を軸方向へ往復動作させる往復動作部と、ガイド筒を軸周方向へ設定角度揺動させる揺動部とを備え、ステータコアにノズルを臨ませると共にガイド筒の往復動作及び揺動によりノズルから供出する導線をステータコアの内歯に巻付けてコイルを形成する、ステータコアへの巻線装置が記載されている。そして、上記ガイド筒に揺動スリーブをスプライン係合し、この揺動スリーブの一側にカムフォロワを二股に取付け、ガイド筒に直交する方向に配設したカム軸に周回状に設けたカムに上記カムフォロワを挟持させる。このカムには、ガイド筒を揺動させるカム曲線部と、ガイド筒の揺動を停止させて次の反転に備えるカム直線部とが交互に連続形成されている。
【0003】
そして、上記カム軸が、上記ガイド筒を軸方向へ往復動作させる往復動作部と同期して回転することにより、ガイド筒を揺動させて、ステータコアの内歯を周回するようにノズルを移動させるようになっている。
【0004】
また、下記特許文献2には、導線導入筒と、その先端に装着されたヘッドと、ヘッドを介して導線導入筒に取付けられたノズルとを備え、導線導入筒の作動によってノズルをステータコアの内歯に対して周回させて導線を巻付けるようにしたものが記載されている。ノズルはヘッドに対して半径方向に摺動可能に装着されると共に、その基端部にカムフォロアが取付けられ、カムフォロアが嵌入するカム溝を有するカム板がヘッドに回転可能に内蔵され、かつ、このカム板を回動させる回転制御可能なモータがヘッドに装着されている。更に、カム板外周にはギヤが形成され、このギヤに、ステッピングモータ等の回転制御可能なモータの駆動軸に装着された駆動ギヤが歯合している。
【0005】
そして、予め設定されたプログラムに従ってモータが作動し、駆動ギヤと、カム板外周のギヤを介して、カム板を所定の角度及びタイミングで回動させることで、カム溝に嵌入したカムフォロアが半径方向に移動し、ノズルの基部をガイド溝に沿って半径方向に移動させて、ノズルを、ステータコアの半径方向に進退動作し、巻線すべき内歯の突出方向に沿って導線を整列させながら巻付けるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平8-251880号公報
【文献】特開2000-175415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2の巻線装置においては、導線ガイド筒の昇降動作及び揺動動作がクランクやカムを介して機械的に連動してなされるようになっているため、ステータコアの変更によってその軌跡を変更しようとすると、クランクやカムの交換が必要となるという問題があった。
【0008】
また、周回の軌跡がクランクやカムの形状によって設定されるため、ステータコアの内歯や、該内歯に装着されるインシュレータの形状に十分に適合させにくく、巻線時に、ノズルが内歯から離間した位置で周回して、内歯に巻線される導線にたるみが生じることがあった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、ステータコアの変更時における段取り時間を短くすることができ、巻線時のたるみを抑えて巻線整列度を高めることができる、巻線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る巻線装置は、内部に導線の挿通路が形成された導線ガイド筒と、前記導線ガイド筒を回転可能に保持する昇降ベースと、前記昇降ベースを上下移動させる第1駆動装置と、前記導線ガイド筒を所定角度で往復回動させる第2駆動装置と、前記導線ガイド筒の先端に取付けられたノズルホルダと、前記ノズルホルダに半径方向移動可能に保持されて、前記ノズルホルダの外周から前記導線ガイド筒に対して所定角度間隔で半径方向外方に突出する複数のノズルと、前記ノズルホルダに回動可能に保持され、前記複数のノズルの半径方向外方への突出量を変えるカム板と、前記カム板を回転させる第3駆動装置とを備え、前記第1駆動装置、前記第2駆動装置、及び前記第3駆動装置は、それぞれ独立したサーボモータを有し、制御装置によって駆動タイミング及び駆動量を制御され、前記ノズルは、その先端がステータコアの対応するスロットにそれぞれ挿入され、前記第1駆動装置と前記第2駆動装置とによって、前記ステータコアの対応する内歯を周回するように移動すると共に、前記第3駆動装置によって半径方向に移動して、前記内歯に対して整列するように巻線が施されることを特徴とする。
【0011】
上記発明によれば、第1駆動装置、第2駆動装置、及び第3駆動装置は、それぞれ独立したサーボモータを有し、制御装置によって駆動タイミング及び駆動量を制御するようにしたので、ノズルの軌跡を比較的自由に設定することができ、ステータコアの内歯に近い位置で周回するように軌跡を設定でき、巻線時のたるみを抑えて巻線整列度を高めることができる。
【0012】
また、ステータコアの形状が変わった場合でも、制御装置の設定を変えるだけで対応できるので、段取り時間を短くすることができる。更に、サーボモータの利用によって巻線速度が低下しても、複数のノズルによって複数の内歯に対して同時に巻線することにより、巻線サイクルを短くすることができる。
【0013】
本発明に係る巻線装置においては、前記ノズルは、前記ノズルホルダに半径方向移動可能に保持される基部と、該基部から延出して半径方向外方に突出し、導線の吐出口を設けた先端部とを有し、前記基部は、前記導線ガイド筒の軸心を超えて前記先端部とは反対側まで延び、前記基部が軸方向に重なって前記ノズルホルダに保持されていてもよい。
【0014】
上記態様によれば、ノズルの基部が、導線ガイド筒の軸心を超えて先端部とは反対側まで伸びてノズルホルダに保持されているので、ノズルの半径方向移動時のガタ付きを抑制して、巻線整列度をより高めることができる。
【0015】
本発明に係る巻線装置においては、前記導線ガイド筒と平行に配置され、前記昇降ベースに設けられたネジ孔に螺合して、前記昇降ベースを貫通するボールネジが設けられ、前記第1駆動装置は、前記ボールネジを回動させるように構成されていてもよい。
【0016】
上記態様によれば、昇降ベースを貫通するボールネジを回動させて、昇降ベースに保持された導線ガイド筒を昇降させることにより、ノズルの上下動作をより正確に行うことができる。
【0017】
本発明に係る巻線装置においては、前記導線ガイド筒の外周には、軸方向に沿って所定長さで形成されたスプラインが設けられ、前記第2駆動装置は、前記スプラインに嵌合するギヤを回動させるように構成されていてもよい。
【0018】
上記態様によれば、第2駆動装置によりスプラインに嵌合するギヤを介して導線ガイド筒を回動させるようにしたので、第2駆動装置を固定設置することができる。
【0019】
本発明に係る巻線装置においては、前記導線ガイド筒の先端部外周に前記導線ガイド筒に対して回動可能に配置されたスプライン筒を有し、該スプライン筒から延出した先端が前記カム板に連結されており、前記第3駆動装置は、前記スプライン筒に嵌合するギヤを回動させるように構成されていてもよい。
【0020】
上記態様によれば、第3駆動装置によりスプライン筒に嵌合するギヤを介してカム板を回転させるようにしたので、第3駆動装置を固定設置することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の巻線装置によれば、第1駆動装置、第2駆動装置、及び第3駆動装置は、それぞれ独立したサーボモータを有し、制御装置によって駆動タイミング及び駆動量を制御するようにしたので、ノズルの軌跡を比較的自由に設定することができ、ステータコアの内歯に近い位置で周回するように軌跡を設定でき、巻線時のたるみを抑えて巻線整列度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る巻線装置の、一実施形態を示す説明図である。
図2】同巻線装置の要部拡大説明図である。
図3】同巻線装置において、図2とは異なる方向での要部拡大説明図である。
図4】同巻線装置の平面図である。
図5図3の要部拡大説明図である。
図6】同巻線装置において、ノズルホルダやノズル等を示す拡大斜視図である。
図7図6とは異なる方向から見た、ノズルホルダやノズル等を示す拡大斜視図である。
図8図7から第2ノズルホルダを取り除いた状態の拡大斜視図である。
図9】同巻線装置において、ノズルホルダを構成する第2ノズルホルダの拡大斜視図である。
図10】同巻線装置において、複数のノズルの重なり状態を示す拡大斜視図である。
図11】同巻線装置において、カム板の拡大斜視図である。
図12】同巻線装置において、ステータコアと複数のノズルとの関係を示す説明図である。
図13】同巻線装置において、ステータコアの内歯に対する巻線工程を説明する説明図である。
図14A】同巻線装置において、ノズルの軌跡が八角形を描く場合であって、ノズル上昇時の要部拡大説明図である。
図14B】同巻線装置において、ノズルの軌跡が八角形を描く場合であって、ノズル下降時の要部拡大説明図である。
図15A】同巻線装置において、ノズルの軌跡が四角形を描く場合であって、ノズル上昇時の要部拡大説明図である。
図15B】同巻線装置において、ノズルの軌跡が四角形を描く場合であって、ノズル下降時の要部拡大説明図である。
図16A】同巻線装置において、ノズルの軌跡が円弧形を描く場合であって、ノズル上昇時の要部拡大説明図である。
図16B】同巻線装置において、ノズルの軌跡が円弧形を描く場合であって、ノズル下降時の要部拡大説明図である。
図17】同巻線装置において、ノズルの軌跡を設定する際のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(巻線装置の一実施形態)
以下、図面を参照して、本発明に係る巻線装置の、一実施形態について説明する。
【0024】
図1に示すように、この巻線装置10はフレーム11を有しており、このフレーム11に、所定長さで延びる導線ガイド筒15が支持されている。図3を併せて参照すると、この導線ガイド筒15は、内部に導線13の挿通路17が形成されており、図示しない導線供給部から供給される複数の導線13(ここではステータコアにU、V、W相を形成するための3本の導線)を、延出方向の先端(下端)に至るまでガイドする。また、導線ガイド筒15は、ステータコア1の中心に対して同軸的に配置されている(図5参照)。
【0025】
なお、図12に示すように、ステータコア1は、複数の内歯3と、隣接する内歯3,3間に形成された複数のスロット5とを有している。また、ステータコア1の各内歯3には、インシュレータ7が装着されるようになっている(図13参照)。
【0026】
図3に示すように、導線ガイド筒15は、昇降ベース19により回転可能に保持される。この昇降ベース19は、導線ガイド筒15と平行に配置された、一対のガイド軸21,21により、昇降可能にガイドされるようになっている。また、昇降ベース19の中央部に、ガイド筒ホルダ23が取付けられている。このガイド筒ホルダ23は、その内周部分が、導線ガイド筒15の外周全周に形成した図示しない凹溝に入り込んで、導線ガイド筒15を回転可能に保持すると共に、凹溝の上下端部に係止して、導線ガイド筒15の昇降動作(上下移動)と共に昇降する。
【0027】
また、図1図2に示すように、巻線装置10は昇降用モータ25を有している。この昇降用モータ25の駆動軸には、駆動プーリ27が連結されている。更に図3に示すように、フレーム11の上方には、一対の従動プーリ29,29が配置されており、これらの一対の従動プーリ29,29と、前記駆動プーリ27とに、ベルト31が張設されている(図4参照)。
【0028】
また、図3に示すように、各従動プーリ29には、導線ガイド筒15と平行に配置され、昇降ベース19を貫通するボールネジ33がそれぞれ連結されている。更に、一対のボールネジ33,33は、昇降ベース19に形成された一対のネジ孔20,20に螺合している。したがって、昇降用モータ25が駆動し、駆動プーリ27が回転すると、ベルト31を介して一対の従動プーリ29,29が回転して、一対のボールネジ33,33も回転するので、昇降ベース19が昇降動作する。また、昇降ベース19の昇降動作に伴って、ガイド筒ホルダ23を介して、導線ガイド筒15が昇降動作する。
【0029】
なお、上記の昇降用モータ25、駆動プーリ27、従動プーリ29、ベルト31、ボールネジ33が、本発明における昇降ベースを上下移動させる「第1駆動装置」をなしている。
【0030】
また、導線ガイド筒15の外周には、軸方向に沿って所定長さで延びる、凹溝状をなしたスプライン35が、周方向に複数形成されている。
【0031】
更に図1図3に示すように、導線ガイド筒15の軸方向途中であって、昇降ベース19よりも下方には、従動ギヤ41が外装されている。この従動ギヤ41は、内部に導線ガイド筒15外周のスプライン35に嵌合する嵌合突部が形成されている。そのため、従動ギヤ41は、導線ガイド筒15の上下移動を許容しつつ、導線ガイド筒15と一体に回動する。
【0032】
また、上記従動ギヤ41は、揺動用モータ43の駆動軸に連結された駆動ギヤ45に歯合している。そして、揺動用モータ43が駆動し、駆動ギヤ45が回転すると、従動ギヤ41を介して導線ガイド筒15が回動するようになっている。
【0033】
上記の従動ギヤ41、揺動用モータ43、駆動ギヤ45が、本発明における導線ガイド筒を所定角度で往復回動させる「第2駆動装置」をなしている。
【0034】
更に図1図5~11に示すように、巻線装置10は、導線ガイド筒15の先端に取付けられたノズルホルダ57(第1ノズルホルダ58及び第2ノズルホルダ59)と、ノズルホルダ57に半径方向移動可能に保持されて、ノズルホルダ57の外周から導線ガイド筒15に対して所定角度間隔で半径方向外方に突出する複数のノズル74,75,76と、ノズルホルダ57に回動可能に保持され、複数のノズル74~76の半径方向外方への突出量を変えるカム板55と、カム板55を回転させる第3駆動装置とを備えている。
【0035】
次に、上述したノズルホルダ57や、ノズル74,75,76、第3駆動装置等について詳述する。
【0036】
図1図3、及び図5に示すように、導線ガイド筒15の延出方向の先端部の外周には、導線ガイド筒15に対して回動可能とされた、スプライン筒51が配置されている。スプライン筒51の外周には、軸方向に沿って所定長さで延びる、凹溝状をなしたスプライン61が、周方向に複数形成されている。
【0037】
また、スプライン筒51の先端(下端)外周には、略筒状をなしたカム板連結軸53の基端(上端)が連結されている。このカム板連結軸53の先端(下端)に、カム板55が連結されている。
【0038】
更に図5に示すように、導線ガイド筒15は、スプライン筒51の先端(下端)から延出すると共に、カム板連結軸53の先端(下端)から挿出されて、ノズルホルダ57を構成する第1ノズルホルダ58に連結されている。なお、ノズルホルダ57は、第1ノズルホルダ58と、その下方に配置されたた第2ノズルホルダ59とから構成されている。また、図5に示すように、カム板55は、第1ノズルホルダ58に回転可能に保持されている。
【0039】
更に図1図3に示すように、スプライン筒51の下端部寄りの外周には、従動ギヤ63が外装されている。この従動ギヤ63は、内部にスプライン筒51外周のスプライン61に嵌合する嵌合突部が形成されている。この従動ギヤ63は、カム板回転用モータ65の駆動軸に連結された駆動ギヤ67に歯合している。そして、カム板回転用モータ65が駆動し、駆動ギヤ67が回転すると、従動ギヤ63を介してスプライン筒51が回動する。また、スプライン筒51が回動すると、カム板連結軸53を介して、カム板55がノズルホルダ57に対して回動するようになっている。
【0040】
なお、上記の従動ギヤ63、カム板回転用モータ65、駆動ギヤ67が、本発明におけるカム板を回転させる「第3駆動装置」をなしている。
【0041】
また、ノズルホルダ57の第1ノズルホルダ58が、導線ガイド筒15の下端に連結されているので、ノズルホルダ57は、第1駆動装置の動作に伴って、導線ガイド筒15と共に上下移動し、且つ、第2駆動装置の動作に伴って、導線ガイド筒15と共に回動するようになっている(図6の矢印R1,R2参照)。
【0042】
図11に示すように、カム板55は、略円形板状をなしており、導線ガイド筒15に対する半径が徐々に変化する円弧を描く、渦巻形状のカム溝69,70,71が、3個のノズル74,75,76に対応して、3個形成されている。カム溝69には、ノズル74に取付けられたカムフォロア81が嵌入し、カム溝70には、ノズル75に取付けられたカムフォロア81が嵌入し、カム溝71には、ノズル76に取付けられたカムフォロア81が嵌入する。また、カム板55の径方向中央部には、導線13が挿通する、導線挿通孔72が形成されている。
【0043】
図6~8及び図10に示すように、ノズル74,75,76は、ノズルホルダ57に半径方向移動可能に保持される基部78と、該基部78から延出して半径方向外方に突出し、導線13の吐出口82を設けた先端部79とを有している。また、基部78は、導線ガイド筒15の軸心を超えて先端部79とは反対側まで延び、基部78が軸方向に重なってノズルホルダ57に保持された構成となっている。
【0044】
より具体的には、ノズル74,75,76の基部78は、長板状に延びる延出部84と、該延出部84の一端(先端)及び他端(基端)に設けられた、ブロック状をなした一端部85及び他端部86とを有している。図10に示すように、ノズル74の基部78は、延出部84の両端部表側から、一端部85及び他端部86が上方(第1ノズルホルダ58から離反する方向)に突出している。また、ノズル75の基部78は、延出部84の両端部表裏両側から、一端部85及び他端部86が上下方向に突出している。更に、ノズル76の基部78は、延出部84の両端部裏側から、一端部85及び他端部86が下方(第1ノズルホルダ58に近接する方向)に突出している。
【0045】
そして、図8に示すように、ノズル74,75,76は、第1ノズルホルダ58の下面側に、基部78の一端部85及び他端部86を介して配置されている。すなわち、ノズル74の基部78の延出部84の下方に、ノズル75の基部78の延出部84が配置されていると共に、該延出部84の下方に、ノズル76の基部78の延出部84が配置されており、ノズル74,75,76の各基部78が軸方向に重なっている。
【0046】
また、図8図10に示すように、ノズル74,75,76の各基部78の延出部84には、長孔87がそれぞれ形成されている。各長孔87は、ノズルホルダ57の軸心を通り、ノズルホルダ57の軸心で互いに重なり合って連通するようになっている。そして、導線ガイド筒15でガイドされた導線13は、上記各長孔87が重なりあった連通部を通して下方に引き出されるようになっている。
【0047】
更に図8に示すように、各基部78の一端部85の下端側には、幅狭部85aが設けられており、該幅狭部85aを介して先端部79が連結されている。また、先端部79は、ブロック状をなしたブロック部88と、該ブロック部88の先端から延出したノズル部89とを有している。更に、ブロック部88の後端には、導線13が挿入される挿入口83が形成され、ノズル部89の先端に、挿入口83に連通し且つ導線13を吐出するための、前記吐出口82が形成されている(図8及び図10参照)。
【0048】
また、ノズル74は、基部78の他端部86に、軸部81aを介してカムフォロア81が取付けられており、ノズル75は、基部78の一端部85及び先端部79のブロック部88に、軸部81aを介してカムフォロア81が取付けられており、ノズル76は、基部78の他端部86に、軸部81aを介してカムフォロア81が取付けられている。
【0049】
更に図8に示すように、前記第1ノズルホルダ58は、略円形板状をなしていると共に、ノズル74,75,76に取付けられたカムフォロア81の軸部81aが挿通する、軸挿通孔90がそれぞれ形成されている。
【0050】
また、図9に示すように、前記第2ノズルホルダ59は、第1ノズルホルダ58に適合する略円形板状をなしていると共に、複数のノズルガイド溝91,92,93が形成されている。各ノズルガイド溝91,92,93は、第2ノズルホルダ59の軸心を通過して横切るようにして真っ直ぐに延びた形状をなしている。そして、ノズルガイド溝91には、ノズル74の基部78の一端部85及び他端部86が挿入され、ノズルガイド溝92には、ノズル75の基部78の一端部85及び他端部86が挿入され、ノズルガイド溝93には、ノズル76の基部78の一端部85及び他端部86が挿入されて、各ノズル74,75,76のスライド動作がガイドされる。
【0051】
また、ノズルガイド溝91,92,93の、ノズル74,75,76の一端部85が挿入される部分には、スリット94がそれぞれ形成されている。各スリット94には、ノズル74,75,76の一端部85の幅狭部85aがスライド可能に差し込まれる。更に、第2ノズルホルダ59の径方向中央部には、導線13が挿通する、導線挿通孔95が形成されている。
【0052】
また、図11には、カム溝69の始端にノズル74のカムフォロア81が嵌入し、カム溝70の始端にノズル75のカムフォロア81が嵌入し、カム溝71の始端にノズル76のカムフォロア81が嵌入した状態が示されているが、この状態では、図6に示すように、ノズル74,75,76は、その先端部79のブロック部88の外周が、ノズルホルダ57の外周に対してほぼ整合した位置となっている。すなわち、ノズル74,75,76の先端部79が前進した状態となっている。
【0053】
この状態から、第3駆動装置が駆動、すなわち、カム板回転用モータ65が駆動し、駆動ギヤ67が回転し、従動ギヤ63を介してスプライン筒51が回動し、カム板連結軸53を介してカム板55が図11の矢印K方向に回動すると、カム板55のカム溝69,70,71の内周によって、カムフォロア81が押圧されて、ノズル74,75,76の先端部79が後退するようになっている。すなわち、ノズル74,75,76の先端部79が、ノズルホルダ57の半径方向内方に移動する。
【0054】
また、ノズル74,75,76の先端部79が、ノズルホルダ57の半径方向内方に後退した状態から、図11のK方向とは反対方向にカム板55が回動すると、カム溝69,70,71及びカムフォロア81を介して、ノズル74,75,76の先端部79が前進することになる。すなわち、ノズル74,75,76の先端部79が、ノズルホルダ57の半径方向外方に移動する。
【0055】
そして、この巻線装置10において、第1駆動装置、第2駆動装置、及び第3駆動装置は、それぞれ独立したサーボモータを有している。すなわち、第1駆動装置の昇降用モータ25、第2駆動装置の揺動用モータ43、第3駆動装置のカム板回転用モータ65は、それぞれ独立したサーボモータとなっている。また、各モータ25,43,65は、制御装置97(図2参照)によって駆動タイミング及び駆動量が制御(ここではNC制御)されるようになっている。
【0056】
更に、ノズル74,75,76は、その先端(ここでは先端部79のノズル部89)がステータコア1の対応するスロット5にそれぞれ挿入され、第1駆動装置と第2駆動装置とによって、ステータコア1の対応する内歯3を周回するように移動すると共に、第3駆動装置によって半径方向に移動して、内歯3に対して整列するように巻線が施される構成となっている。
【0057】
(作用効果)
次に、上記巻線装置10による、ステータコア1への巻線動作について説明する。
【0058】
なお、複数の導線13(ここではU、V、W相を形成する3本の導線13)は、図示しない導線収容部から引き出されて、導線ガイド筒15の挿通路17の下端開口から挿出されて、カム板55の導線挿通孔72、ノズル74,75,76の長孔87、第2ノズルホルダ59の導線挿通孔95を通過して、ノズル74,75,76の挿入口83に挿入されて、吐出口82から吐出されるようになっている。
【0059】
また、図12に示すように、ノズル74,75,76は、ステータコア1の隣接するスロット5,5,5内に入り込んで、スロット5に隣接する内歯3のインシュレータ7の外周に、導線13を巻線するようになっている。
【0060】
そして、この実施形態における巻線の一例としては、図13に示すような動作がなされる。図13のポイントP1に示すように、初期状態では、ノズルホルダが下降し、且つ、図11に示すようにカムフォロア81がカム溝69,70,71の始端に位置しており、ノズル74,75,76の先端部79が前進した状態となっている。
【0061】
この状態から、ノズルホルダ57が第1駆動装置により所定距離上昇しつつ第2駆動装置により図6の矢印R1方向に所定角度回動(往動)すると(図13のポイントP1からポイントP2参照)、導線13がインシュレータ7の図中左下角部に巻線される。
【0062】
上記状態から、ノズルホルダ57が第1駆動装置により所定距離上昇すると(図13のポイントP2からポイントP3参照)、導線13がインシュレータ7の図中左側面に巻線される。
【0063】
上記状態から、ノズルホルダ57が第1駆動装置により所定距離上昇すると共に第2駆動装置により図6の矢印R2方向に所定角度回動(復動)すると(図13のポイントP3からポイントP4参照)、導線13がインシュレータ7の図中左上角部に巻線される。
【0064】
上記状態から、ノズルホルダ57が第2駆動装置により図6の矢印R2方向に所定角度回動すると(図13のポイントP4からポイントP5参照)、導線13がインシュレータ7の図中上面に巻線される。
【0065】
上記状態から、ノズルホルダ57が第1駆動装置により所定距離下降すると共に第2駆動装置により図6の矢印R2方向に所定角度回動すると(図13のポイントP5からポイントP6参照)、導線13がインシュレータ7の図中右上角部に巻線される。
【0066】
上記状態から、ノズルホルダ57が第1駆動装置により所定距離下降すると(図13のポイントP6からポイントP7参照)、導線13がインシュレータ7の図中左側面に巻線される。
【0067】
上記状態から、ノズルホルダ57が第1駆動装置により所定距離下降すると共に第2駆動装置により図6の矢印R1方向に所定角度回動すると(図13のポイントP7からポイントP8参照)、導線13がインシュレータ7の図中右下角部に巻線される。
【0068】
上記状態から、ノズルホルダ57が第2駆動装置により図6の矢印R1方向に所定角度回動すると(図13のポイントP8からポイントP9参照)、導線13がインシュレータ7の図中下面に巻線される。
【0069】
以上の工程が第1駆動装置及び第2駆動装置による、ステータコア1の内歯3を周回する工程であり、内歯3に対する導線13の巻線工程の1サイクルとなる。
【0070】
上記のように、巻線工程の1サイクルが終了したら、第3駆動装置によりカム板55を図11のK方向に回動させる。すると、ノズル74,75,76の先端部79が後退して(ノズルホルダ57の半径方向内方に移動する)、すでに内歯3に1巻きされた導線13に隣接した位置に、ノズル74,75,76の先端部79のノズル部89の先端が位置することになる。その後、図13に示すポイントP1からポイントP9までの巻線工程が繰り返されて、導線13が、内歯3外周のインシュレータ7に整列した状態で巻線される。
【0071】
また、この実施形態においては、ノズル74,75,76の軌跡は、図13図14A,14Bに示すように、ステータコア1の内歯3に装着されたインシュレータ7に対して、八角形を描くようになっている。
【0072】
但し、ノズル74,75,76の軌跡としては、図15A,15Bに示すように、ステータコア1の内歯3に装着されたインシュレータ7に対して、四角形を描くようにしてもよく、図16A,16Bに示すように、ステータコア1の内歯3に装着されたインシュレータ7に対して、円弧形(インシュレータ7の各角部が円弧形)を描くようにしてもよい。
【0073】
また、ノズルの軌跡を設定する際には、例えば、図17に示すようなフローに従って設定することができる。
【0074】
まず、ステータコア1なしでノズルを周回させて、その動作を高速度カメラ等で撮影する(ステップS1)。
【0075】
次に、撮影した動画を、動作分析ソフト等にて追跡処理を行い、ノズルの軌跡を作成する(ステップS2)。
【0076】
次いで、ノズルの軌跡を、CADに取り込み、ノズルとインシュレータの周面との当たりを確認する(ステップS3)。
【0077】
次に、ノズルが、インシュレータの周面に近い位置で周回するかどうかを判断する(ステップS4)。
【0078】
ノズルが、インシュレータの周面に近い位置で周回する場合には、再度、高速度カメラ等で撮影して、ノズルの軌跡を確認する(ステップS5)。
【0079】
仮に、ノズルが、インシュレータの周面に近い位置で周回しない場合には、制御信号を指令するポイントの位置(図13のポイントP1~P9)、プログラム設定値(ゲイン、インポジション値、加減速等)、ノズルの上下移動やノズルの往復回動時の速度比率等を適宜変更する(ステップS6)。
【0080】
その後、所望のノズル軌跡を得たら、ステータコア1の内歯3のインシュレータ7に、実際に導線13を巻線して確認する(ステップS7)。
【0081】
また、巻線中の導線13の巻き上がり状態によって、ノズルの軌跡の調整を繰り返す(ステップS8)。
【0082】
以上説明した巻線装置10においては、第1駆動装置、第2駆動装置、及び第3駆動装置は、それぞれ独立したサーボモータ(昇降用モータ25、揺動用モータ43、カム板回転用モータ)を有し、制御装置97によって駆動タイミング及び駆動量を制御するようにしたので、ノズル74,75,76の軌跡を比較的自由に設定することができ、ステータコア1の内歯3に近い位置で周回するように軌跡を設定でき、巻線時のたるみを抑えて巻線整列度を高めることができる。
【0083】
また、ステータコア1の形状が変わった場合でも、制御装置97の設定を変えるだけで対応できるので、段取り時間を短くすることができる。更に、サーボモータの利用によって巻線速度が低下しても、複数のノズル74,75,76によって複数の内歯3に対して同時に巻線することにより、巻線サイクルを短くすることができる。
【0084】
また、この実施形態においては、図6~8及び図10に示すように、ノズル74,75,76は、ノズルホルダ57に半径方向移動可能に保持される基部78と、該基部78から延出して半径方向外方に突出し、導線13の吐出口82を設けた先端部79とを有している。また、基部78は、導線ガイド筒15の軸心を超えて先端部79とは反対側まで延び、基部78が軸方向に重なってノズルホルダ57に保持された構成となっている。
【0085】
上記態様によれば、ノズル74,75,76の基部78が、導線ガイド筒15の軸心を超えて先端部79とは反対側まで伸びてノズルホルダ57に保持されているので、ノズル74,75,76の半径方向移動時のガタ付きを抑制して、巻線整列度をより高めることができる。
【0086】
更に、この実施形態においては、導線ガイド筒15と平行に配置され、昇降ベース19に設けられたネジ孔20に螺合して、昇降ベース19を貫通するボールネジ33が設けられ、第1駆動装置は、ボールネジ33を回動させるように構成されている。
【0087】
上記態様によれば、昇降ベース19を貫通するボールネジ33を回動させて、昇降ベース19に保持された導線ガイド筒15を昇降させることにより、ノズル74,75,76の上下動作をより正確に行うことができる。
【0088】
また、この実施形態においては、導線ガイド筒15の外周には、軸方向に沿って所定長さで形成されたスプライン35が設けられ、第2駆動装置は、スプライン35に嵌合するギヤ(従動ギヤ41)を回動させるように構成されている。
【0089】
上記態様によれば、第2駆動装置によりスプライン35に嵌合する従動ギヤ41を介して、導線ガイド筒15を回動させるようにしたので、第2駆動装置を固定設置することができる。
【0090】
更に、この実施形態においては、導線ガイド筒15の先端部外周に、導線ガイド筒15に対して回動可能に配置されたスプライン筒51を有し、該スプライン筒51から延出した先端がカム板55に連結されており、第3駆動装置は、スプライン筒51に嵌合するギヤ(従動ギヤ63)を回動させるように構成されている。
【0091】
上記態様によれば、第3駆動装置によりスプライン筒51に嵌合する従動ギヤ63を介して、カム板55を回転させるようにしたので、第3駆動装置を固定設置することができる。
【0092】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 ステータコア
3 内歯
5 スロット
10 巻線装置
13 導線
15 導線ガイド筒
17 挿通路
19 昇降ベース
20 ネジ孔
21,21 ガイド軸
25 昇降用モータ
27 駆動プーリ
29 従動プーリ
31 ベルト
33 ボールネジ
35 スプライン
41 従動ギヤ
43 揺動用モータ
45 駆動ギヤ
51 スプライン筒
55 カム板
57 ノズルホルダ
61 スプライン
63 従動ギヤ
65 カム板回転用モータ
69,70,71 カム溝
74,75,76 ノズル
78 基部
79 先端部
82 吐出口
97 制御装置
【要約】
【課題】巻線時のたるみを抑えて巻線整列度を高めることができる巻線装置を提供する。
【解決手段】この巻線装置10は、導線ガイド筒15と、昇降ベース19と、昇降ベース19を上下移動させる第1駆動装置と、導線ガイド筒15を往復回動させる第2駆動装置と、導線ガイド筒先端に取付けられたノズルホルダ57と、複数のノズル74,75,76と、カム板55と、カム板55を回転させる第3駆動装置とを備え、第1駆動装置、第2駆動装置、第3駆動装置はそれぞれ独立したサーボモータを有し、制御装置によって駆動タイミング及び駆動量を制御され、ノズルは、第1,第2駆動装置により、ステータコアの内歯を周回移動し、第3駆動装置により半径方向に移動し整列するよう巻線される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17