(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20231031BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
(21)【出願番号】P 2023148371
(22)【出願日】2023-09-13
【審査請求日】2023-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515237795
【氏名又は名称】アキュイティー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 眞平
(72)【発明者】
【氏名】和田 悟
【審査官】千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-3597(JP,A)
【文献】特開2022-77805(JP,A)
【文献】特開2022-71822(JP,A)
【文献】特開2000-251074(JP,A)
【文献】特表2022-534123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記三次元空間に配置されている物体
であって、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの位置に、当該位置を特定するためのマーカーが付されている前記物体の画像データである第1画像データに基づいて、
前記複数の特徴点それぞれに対応する前記マーカーの三次元位置を特定し、特定した複数の前記マーカーそれぞれの三次元位置に基づいて前記複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部と、
前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部と、
前記第2撮像装置が撮像した前記物体の画像データである第2画像データを取得する画像取得部と、
前記装置情報取得部が取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部と、
前記画像取得部が取得した前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記三次元位置特定部は、前記物体と前記マーカーを示す三次元モデルを配置した三次元仮想空間を表示部に表示させ、前記三次元仮想空間において、前記マーカーに対応する前記特徴点の指定を受け付けることにより、前記特徴点の三次元位置を特定する、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記生成部は、前記第2画像データから前記マーカーを消去し、前記マーカーを消去した後の前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
三次元空間
に配置されている物体の向きを変化させた場合において、前記三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記
物体の複数の向きそれぞれに対応する画像データである第1画像データに基づいて、
前記複数の向きそれぞれに対応する、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部と、
前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部と、
前記第2撮像装置が撮像した前記物体の
前記複数の向きそれぞれに対応する画像データである第2画像データを取得する画像取得部と、
前記装置情報取得部が取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した
前記物体の前記複数の向きそれぞれに対応する前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が
前記複数の向きそれぞれに対応して前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部と、
前記画像取得部が取得した
前記物体の前記複数の向きそれぞれに対応する前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が
当該第2画像データに対して特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部と、
を有する情報処理システム。
【請求項5】
前記装置情報取得部は、前記三次元空間において前記物体を撮像する複数の前記第2撮像装置それぞれに対応する前記撮像装置情報を取得し、
前記画像取得部は、複数の前記第2撮像装置それぞれが撮像した前記第2画像データを取得し、
前記二次元位置特定部は、複数の前記第2撮像装置それぞれに対応する前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、複数の前記第2撮像装置それぞれが前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定し、
前記生成部は、複数の前記第2撮像装置それぞれが撮像した前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が当該第2画像データに対して特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する、
請求項1
又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記三次元空間に配置されている物体
であって、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの位置に、当該位置を特定するためのマーカーが付されている前記物体の画像データである第1画像データに基づいて、
前記複数の特徴点それぞれに対応する前記マーカーの三次元位置を特定し、特定した複数の前記マーカーそれぞれの三次元位置に基づいて前記複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定するステップと、
前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得するステップと、
前記第2撮像装置が撮像した前記物体の画像データである第2画像データを取得するステップと、
取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定するステップと、
取得した前記第2画像データと、特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
三次元空間
に配置されている物体の向きを変化させた場合において、前記三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記
物体の複数の向きそれぞれに対応する画像データである第1画像データに基づいて、
前記複数の向きそれぞれに対応する、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定するステップと、
前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得するステップと、
前記第2撮像装置が撮像した前記物体の
前記複数の向きそれぞれに対応する画像データである第2画像データを取得するステップと、
取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、特定した
前記物体の前記複数の向きそれぞれに対応する前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が
前記複数の向きそれぞれに対応して前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定するステップと、
取得した
前記物体の前記複数の向きそれぞれに対応する前記第2画像データと、
当該第2画像データに対して特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記三次元空間に配置されている物体
であって、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの位置に、当該位置を特定するためのマーカーが付されている前記物体の画像データである第1画像データに基づいて、
前記複数の特徴点それぞれに対応する前記マーカーの三次元位置を特定し、特定した複数の前記マーカーそれぞれの三次元位置に基づいて前記複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部、
前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部、
前記第2撮像装置が撮像した前記物体の画像データである第2画像データを取得する画像取得部、
前記装置情報取得部が取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部、及び、
前記画像取得部が取得した前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部、
として機能させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
三次元空間
に配置されている物体の向きを変化させた場合において、前記三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記
物体の複数の向きそれぞれに対応する画像データである第1画像データに基づいて、
前記複数の向きそれぞれに対応する、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部、
前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部、
前記第2撮像装置が撮像した前記物体の
前記複数の向きそれぞれに対応する画像データである第2画像データを取得する画像取得部、
前記装置情報取得部が取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した
前記物体の前記複数の向きそれぞれに対応する前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が
前記複数の向きそれぞれに対応して前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部、及び、
前記画像取得部が取得した
前記物体の前記複数の向きそれぞれに対応する前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が
当該第2画像データに対して特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物体を撮像した画像データから物体の位置を推定する技術が知られている。例えば、特許文献1には、物体を撮像した複数の学習用の画像データと、複数の学習用の画像データが示す画像のそれぞれに写る物体の特徴点の位置情報とが含まれるデータセットを用いて機械学習することにより、物体を撮像した画像データの入力に対して物体の特徴点の位置を推定する推定モデルを生成し、当該推定モデルを用いて、物体を撮像した画像データから物体の特徴点の位置を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、推定モデルの学習を行うためのデータセットを生成する場合、データセットを生成する作業者が、物体の画像データにおける物体の特徴点を見つけ出して、当該特徴点の位置情報を手動で生成する必要があり、データセットの生成作業が煩雑であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、物体の特徴点の位置を推定するための推定モデルの学習に用いるデータセットを効率よく生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記三次元空間に配置されている物体の画像データである第1画像データに基づいて、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部と、前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部と、前記第2撮像装置が撮像した前記物体の画像データである第2画像データを取得する画像取得部と、前記装置情報取得部が取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部と、前記画像取得部が取得した前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部と、を有する。
【0007】
前記物体の複数の特徴点それぞれに対応する位置に、前記三次元位置特定部が当該位置を特定するためのマーカーが付されており、前記三次元位置特定部は、前記第1撮像装置が撮像した前記第1画像データに基づいて、前記複数の特徴点それぞれに対応する複数の前記マーカーの三次元位置を特定し、特定した複数の前記マーカーそれぞれの三次元位置に基づいて前記複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定してもよい。
【0008】
前記三次元位置特定部は、前記物体と前記マーカーを示す三次元モデルを配置した三次元仮想空間を表示部に表示させ、前記三次元仮想空間において、前記マーカーに対応する前記特徴点の指定を受け付けることにより、前記特徴点の三次元位置を特定してもよい。
【0009】
前記生成部は、前記第2画像データから前記マーカーを消去し、前記マーカーを消去した後の前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成してもよい。
【0010】
前記装置情報取得部は、前記三次元空間において前記物体を撮像する複数の前記第2撮像装置それぞれに対応する前記撮像装置情報を取得し、前記画像取得部は、複数の前記第2撮像装置それぞれが撮像した前記第2画像データを取得し、前記二次元位置特定部は、複数の前記第2撮像装置それぞれに対応する前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、複数の前記第2撮像装置それぞれが前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定し、前記生成部は、複数の前記第2撮像装置それぞれが撮像した前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が当該第2画像データに対して特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成してもよい。
【0011】
前記三次元位置特定部は、前記物体の向きを変化させた場合における、前記物体の複数の向きそれぞれに対応する前記第1画像データに基づいて、前記複数の向きそれぞれに対応する前記物体の前記特徴点の三次元位置を特定し、前記画像取得部は、前記第2撮像装置が撮像した前記物体の複数の向きそれぞれに対応する前記第2画像データを取得し、前記二次元位置特定部は、前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記物体の複数の向きそれぞれに対応する前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記画像取得部が取得した前記物体の複数の向きそれぞれに対応する前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定し、前記生成部は、前記物体の複数の向きそれぞれに対応する前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が当該第2画像データに対して特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記三次元空間に配置されている物体の画像データである第1画像データに基づいて、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定するステップと、前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得するステップと、前記第2撮像装置が撮像した前記物体の画像データである第2画像データを取得するステップと、取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定するステップと、取得した前記第2画像データと、特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成するステップと、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置が撮像した前記三次元空間に配置されている物体の画像データである第1画像データに基づいて、前記物体の特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部、前記三次元空間において前記物体を撮像する第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部、前記第2撮像装置が撮像した前記物体の画像データである第2画像データを取得する画像取得部、前記装置情報取得部が取得した前記撮像装置情報が示す前記第2撮像装置の三次元位置及び撮像方向と、前記三次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、前記第2撮像装置が前記物体を撮像した場合に生成される前記第2画像データが示す画像における前記複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部、及び、前記画像取得部が取得した前記第2画像データと、前記二次元位置特定部が特定した前記複数の特徴点それぞれの前記二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、物体の特徴点の位置を推定するための推定モデルの学習に用いるデータセットを効率よく生成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】特徴点から離れた位置にマーカーが付された例を示す図である。
【
図4】情報処理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、第1撮像装置1と、複数の第2撮像装置2と、情報処理装置10とを有する。情報処理システムSは、三次元空間に配置されている物体Oを第2撮像装置2が撮像することにより生成された画像データと、当該画像データが示す画像に写る物体Oの複数の特徴点の当該画像データにおける二次元位置とを含むデータセットを生成するシステムである。
【0017】
情報処理装置10は、物体Oが撮影可能に設置された、第1撮像装置1と、複数の第2撮像装置2とに通信可能に接続されている。
図1においては、3台の第1撮像装置1が設けられている例を示している。第1撮像装置1は、例えば、赤外光を照射し、物体から放射される赤外線を可視化するためのモーションキャプチャ用のカメラであり、三次元空間における三次元位置及び撮像方向が予め特定されている。
【0018】
第2撮像装置2は、例えば二次元画像データを生成するカラーカメラ、モノクロカメラ、深度センシングカメラであり、第1撮像装置1と同様に三次元空間における三次元位置及び撮像方向が予め特定されている。深度センシングカメラには、ToF(Time Of Flight)カメラ及びLiDAR(Light Detection And Ranging)カメラが含まれているものとする。
【0019】
物体Oは、例えば車両、ロボット、人体等であるが、これに限らず、任意の物体であってもよい。物体Oの複数の特徴点それぞれに対応する位置には、マーカーMが付されている。マーカーMは、第1撮像装置1が撮像した第1画像データに基づいて情報処理装置10が特徴点を特定するために用いられる。
【0020】
情報処理装置10は、第1撮像装置1が撮像した物体Oの画像データである第1画像データに写るマーカーMの三次元位置を特定する。マーカーMの三次元位置を特定する方法については後述する。そして、情報処理装置10は、特定したマーカーMの三次元位置に基づいて、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する。
【0021】
情報処理装置10は、予め定められている第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向と、特定した複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、第2撮像装置2が撮像した物体Oの画像データである第2画像データが示す画像における、複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する。
【0022】
情報処理装置10は、第2画像データと、複数の特徴点それぞれの二次元位置を示す二次元位置情報とを含むデータセットを生成する。データセットは、物体Oを撮像した第2画像データに基づいて物体Oの特徴点それぞれの二次元位置を推定する推定モデルの学習に用いられる。このようにすることで、情報処理装置10は、推定モデルの学習に用いるデータセットを効率よく生成することができる。
【0023】
[情報処理装置10の機能構成]
続いて、情報処理装置10の構成の詳細を説明する。
図2は、情報処理装置10の機能構成を示す図である。情報処理装置10は、通信部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0024】
通信部11は、通信ケーブルを介して第1撮像装置1及び第2撮像装置2等の機器とデータを送受信するための通信インターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)(登録商標)インターフェースである。
【0025】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。
操作部13は、マウスやキーボード等のユーザの操作を受け付ける入力デバイスである。
【0026】
記憶部14は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶する。記憶部14は、制御部15を、装置情報取得部151、第1画像取得部152、三次元位置特定部153、二次元位置特定部154、第2画像取得部155、生成部156、及び出力部157として機能させるプログラムを記憶する。
【0027】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、装置情報取得部151、第1画像取得部152、三次元位置特定部153、二次元位置特定部154、第2画像取得部155、生成部156、及び出力部157として機能する。
【0028】
装置情報取得部151は、三次元空間において物体Oを撮像する複数の第2撮像装置2それぞれの三次元空間における三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する。装置情報取得部151は、例えば記憶部14に記憶されている撮影装置情報を取得する。
【0029】
撮影装置情報を作成する方法は任意であるが、例えば以下の方法により撮影装置情報が作成される。情報処理装置10に接続された複数の第1撮像装置1が、複数の第1撮像装置1の相対位置を特定するための第1治具を撮像することにより生成された画像データに基づいて、これらの第1撮像装置1それぞれの相対位置が予め特定されている。また、当該複数の第1撮像装置1により、三次元空間における三次元座標系を定義するための第2治具を撮像することにより生成された画像データに基づいて、三次元空間に対して三次元座標系が定義され、三次元座標系における当該複数の第1撮像装置1それぞれの三次元座標系における三次元位置及び撮像方向が予め特定されている。
【0030】
また、当該複数の第1撮像装置1と、複数の第2撮像装置2とにより、第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向を特定するための第3治具を撮像することにより生成された画像データに基づいて、当該複数の第2撮像装置2の三次元座標系における三次元位置及び撮像方向が予め特定されている。そして、予め特定された、複数の第2撮像装置2それぞれの三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報が、記憶部14に記憶される。
【0031】
第1画像取得部152は、三次元空間における三次元位置及び撮像方向が予め特定されている複数の第1撮像装置1それぞれが撮像した、三次元空間に配置されている物体Oの画像データである第1画像データを取得する。例えば、第1画像取得部152は、複数の第1撮像装置1が同時に撮像することにより生成された複数の第1画像データを取得する。
【0032】
ここで、物体Oの複数の特徴点のそれぞれには、
図1に示すように、複数のマーカーMが付されている。マーカーMは、例えば、赤外線を反射する反射マーカー、又は赤外線を発光する自己発光型マーカーである。第1画像取得部152は、複数の第1撮像装置1それぞれが撮像した、複数のマーカーMが付されている物体Oの赤外線画像データである第1画像データを取得する。なお、複数の第1画像データが示す画像には、マーカーMがそれぞれ写っているものとする。
【0033】
三次元位置特定部153は、第1画像取得部152が第1撮像装置1から取得した第1画像データに基づいて、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する。三次元位置特定部153は、例えば三角測量方法を用いることにより、複数の第1画像データそれぞれにおけるマーカーMの二次元座標に基づいて、マーカーMの三次元位置を特定する。三次元位置特定部153は、マーカーMと特徴点との相対位置に基づいて、マーカーMの三次元位置から特徴点の三次元位置を特定する。
【0034】
三次元位置特定部153は、第1撮像装置1が撮像した第1画像データに基づく、複数の特徴点それぞれに対応する複数のマーカーMの三次元位置を特定する。そして、三次元位置特定部153は、特定した複数のマーカーMそれぞれの三次元位置に基づいて、物体Oの複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する。
【0035】
例えば、マーカーMが物体Oの特徴点に付されている場合、三次元位置特定部153は、特定したマーカーMの三次元位置を、特徴点の三次元位置と特定する。ここで、物体Oにおける特徴点の位置によっては、第1撮像装置1から特徴点が見えない場合がある。このような場合、特徴点から離れた位置にマーカーMを付して、三次元位置特定部153が、マーカーMの三次元位置と、マーカーMの三次元位置に対する特徴点の三次元位置の相対位置とに基づいて、特徴点の三次元位置を特定してもよい。
図3は、特徴点から離れた位置にマーカーMが付された例を示す図である。
図3に示す例では、物体Oの複数の特徴点Fと異なる位置にマーカーMが設けられている。
【0036】
マーカーMの三次元位置とマーカーMと特徴点の三次元位置との相対位置を三次元位置特定部153が認識するために、三次元位置特定部153は、マーカーMが付された物体Oを撮影することにより生成された第1画像データに基づく物体Oの三次元モデルの画像を表示部12に表示させ、当該画像において、特徴点の三次元位置を受け付けてもよい。三次元位置特定部153は、操作部13を介して、三次元仮想モデルにおいてマーカーMに対応する特徴点の指定を受け付けることにより、マーカーMの三次元位置に対する特徴点の三次元位置の相対位置を特定する。三次元位置特定部153は、マーカーMの三次元位置と相対位置とに基づいて当該特徴点の三次元位置を特定することができる。このようにすることで、情報処理装置10は、特徴点が第1撮像画像データに写らない位置にあり、マーカーMが第1撮像画像データに写る位置にある場合であっても、マーカーMに対応する特徴点の三次元位置を特定することができる。
【0037】
なお、情報処理装置10が三次元位置特定部153を有しておらず、複数の第1撮像装置1が撮像した第1画像データに基づいて、物体Oに付されたマーカーMの三次元位置を特定する三次元位置特定装置が、三次元位置特定部153として機能してもよい。
【0038】
二次元位置特定部154は、装置情報取得部151が取得した撮像装置情報が示す複数の第2撮像装置2それぞれの三次元位置及び撮像方向と、三次元位置特定部153が特定した物体Oの複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、複数の第2撮像装置2それぞれが物体Oを撮像した場合に生成される第2画像データが示す画像における物体Oの複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する。
【0039】
二次元位置特定部154は、第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向から当該第2撮像装置2を用いて撮像した場合に、当該第2撮像装置2により生成された第2画像データが示す画像のどの位置に、複数の特徴点それぞれが写るのかを特定する。例えば、二次元位置特定部154は、複数の第2撮像装置2のそれぞれについて、三次元空間において、撮像装置情報が示す第2撮像装置2の三次元位置から、撮像装置情報が示す第2撮像装置2の撮像方向に対して第2撮像装置2が撮像を行うことにより生成される第2画像データに対応する画像平面を特定する。
【0040】
そして、二次元位置特定部154は、三次元位置特定部153が特定した複数の特徴点それぞれに対し、第2撮像装置2の三次元位置と、特徴点の三次元位置との両方を通る直線を算出する。二次元位置特定部154は、複数の特徴点それぞれに対応する直線それぞれの、特定した画像平面との交点の、画像平面に対応する二次元座標系における二次元位置を、第2画像データが示す画像における当該複数の特徴点それぞれの二次元位置と特定する。なお、二次元位置特定部154は、公知の座標変換の行列式を用いて、複数の特徴点それぞれの三次元座標系の座標位置を、特定した画像平面に対応する二次元座標系の座標位置に変換してもよい。
【0041】
第2画像取得部155は、複数の第2撮像装置2それぞれが撮像した物体Oの画像データである第2画像データを取得する。第2画像取得部155は、第1撮像装置1が第1画像データを生成したときの状態と同じ状態の物体Oを撮像した第2画像データを取得する。例えば、第2画像取得部155は、第1撮像装置1が物体Oを撮像するタイミングと同じタイミングで複数の第2撮像装置2それぞれが撮像した物体Oの画像データである第2画像データを取得する。
【0042】
なお、第1撮像装置1と、第2撮像装置2との撮像タイミングが同一であることとしたが、これに限らない。物体Oの状態が時間の経過に応じて変化しない場合には、第1撮像装置1と、第2撮像装置2との撮像タイミングが異なっていてもよい。また、複数の物体Oの状態が時間の経過に応じて変化しない場合には、複数の第2撮像装置2それぞれの撮像タイミングが異なっていてもよい。
【0043】
生成部156は、第2画像取得部155が取得した複数の第2画像データと、二次元位置特定部154が複数の第2画像データのそれぞれに対して特定した、複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成する。例えば、生成部156は、第2画像取得部155が取得した第2画像データに対して画像処理を行うことにより、当該第2画像データから、マーカーMを示す画像データを消去する。そして、生成部156は、マーカーMを消去した後の第2画像データと、二次元位置特定部154が当該第2画像データが生成された状態と同じ状態で物体Oが撮像された第1画像データに基づいて特定した複数の特徴点それぞれの二次元位置を示す二次元位置情報とを含むデータセットを生成する。
【0044】
出力部157は、生成部156が生成したデータセットを出力する。例えば、出力部157は、生成部156が生成したデータセットを記憶部14に記憶させる。
【0045】
なお、生成部156は、複数の第2撮像装置2それぞれが一つの向きの物体Oを撮像した複数の第2画像データそれぞれに対応するデータセットを生成したが、これに限らない。例えば、生成部156は、複数の向きそれぞれに対応する物体Oを複数の第2撮像装置2それぞれにより撮像したときの複数の第2画像データに対応するデータセットを生成してもよい。
【0046】
この場合、制御部15は、生成部156により生成されたデータセットを出力部157が出力した後に物体Oの向きを変化させる調整部を有する。例えば、所定の軸を中心に回転する回転テーブル上に物体Oを配置しておく。そして、調整部は、出力部157がデータセットを出力したことに応じて、所定の軸を中心に回転テーブルを回転させ、物体Oの向きを変化させる。そして、三次元位置特定部153は、調整部が物体Oの向きを変化させた場合における、物体Oの複数の向きそれぞれに対応する第1画像データに基づいて、複数の向きそれぞれに対応する物体Oの特徴点の三次元位置を特定する。
【0047】
ここで、調整部が回転テーブルを回転させ、物体Oの向きを変化させることとしたが、これに限らず、情報処理装置10とは異なる装置又は手動により物体Oの向きを変化させてもよい。また、物体OがAGV(Automatic Guided Vehicle)やドローン等の自身で向きを変更可能な物体である場合には、調整部、情報処理装置10とは異なる装置、又は手動により物体Oに指示情報を送信し、物体Oに向きを自ら変化させるようにしてもよい。
【0048】
第2画像取得部155は、複数の第2撮像装置2それぞれが撮像した物体Oの複数の向きそれぞれに対応する第2画像データを取得する。そして、二次元位置特定部154は、撮像装置情報が示す複数の第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向と、三次元位置特定部153が、当該第2画像データが生成された状態と同じ状態で物体Oが撮像された第1画像データに基づいて特定した物体Oの複数の向きそれぞれに対応する複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、第2画像取得部155が取得した物体Oの複数の向きそれぞれに対応する第2画像データにおける複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する。
【0049】
そして、生成部156は、物体Oの複数の向きそれぞれに対応する第2画像データと、二次元位置特定部154が第1画像データに基づいて特定した複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成する。このようにすることで、情報処理装置10は、物体Oを様々な方向から撮像した第2画像データに対応するデータセットを効率的に生成することができる。
【0050】
[動作フロー]
続いて、情報処理装置10の処理の流れについて説明する。
図4は、情報処理装置10における処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートでは、物体Oを回転テーブルに配置させておき、回転テーブルを回転させながら物体Oの複数の向きそれぞれに対応するデータセットを生成するときの処理の流れについて説明する。
【0051】
まず、装置情報取得部151は、複数の第2撮像装置2それぞれの三次元空間における三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する(S1)。
続いて、第1画像取得部152は、複数の第1撮像装置1それぞれが撮像した物体Oの画像データである第1画像データを取得する(S2)。また、第2画像取得部155は、複数の第2撮像装置2それぞれが撮像した物体Oの画像データである第2画像データを取得する(S3)。
【0052】
続いて、三次元位置特定部153は、S2において取得された第1画像データに基づいて、三次元空間における、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する(S4)。
続いて、二次元位置特定部154は、S1において取得された撮像装置情報が示す複数の第2撮像装置2それぞれの三次元位置及び撮像方向と、S4において特定された物体Oの複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、複数の第2撮像装置2それぞれが物体Oを撮像した場合に生成される第2画像データに対応する物体Oの複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する(S5)。
【0053】
続いて、生成部156は、S3において取得された複数の第2画像データと、S5において特定された、複数の第2画像データそれぞれに対応する複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成する(S6)。続いて、出力部157は、生成部156が生成したデータセットを出力する(S7)。
【0054】
続いて、制御部15は、データセットの生成を終了するか否かを判定する(S8)。例えば、制御部15は、操作部13を介してデータセットを生成する処理を終了する指示を受け付けたか否かを判定することにより、データセットの生成を終了するか否かを判定する。制御部15は、データセットの生成を終了すると判定すると、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0055】
また、制御部15は、データセットの生成を終了しないと判定すると、S9に処理を移し、回転テーブルを回転させて物体Oの向きを変化させる。その後、制御部15は、S2に処理を移す。これにより、S2からS7の処理が繰り返され、データセットの生成が繰り返される。なお、本フローチャートでは、初めにS1に係る処理を実行し、撮像装置情報を取得することとしたが、これに限らない。S1に係る処理は、撮像装置情報を用いる処理であるS5の前の任意のタイミングで実行されてもよい。
【0056】
[変形例]
なお、上述の説明では、情報処理装置10に複数の第2撮像装置2が接続され、生成部156が、複数の第2撮像装置2それぞれが撮像した第2画像データと、二次元位置特定部154が当該第2画像データに対して特定した複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成することとしたが、これに限らない。情報処理装置10には、1台の第2撮像装置2が接続され、生成部156が、1台の第2撮像装置2が撮像した第2画像データと、当該第2画像データが生成された状態と同じ状態で物体Oが撮像された第1画像データに基づいて二次元位置特定部154が特定した複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成してもよい。
【0057】
また、上述の説明では、複数の第1撮像装置1が情報処理装置10に接続され、三次元位置特定部153が、複数の第1撮像装置1が物体Oを撮像した第1画像データに基づいて、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定したが、これに限らない。情報処理装置10には、1台の第1撮像装置1が接続され、1台の第1撮像装置1が物体Oを撮像した第1画像データに基づいて、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定してもよい。
【0058】
この場合、物体Oに対し、所定の模様が付されたマーカーを付しておく。所定の模様は、例えば、第1撮像装置1が撮像した画像データが示す画像に写るマーカーの状態に基づいて、三次元位置特定部153がマーカーの傾きと、回転角とを検出できるような模様である。三次元位置特定部153は、例えば1台の第1撮像装置1が物体Oを撮像した第1画像データが示す画像に写るマーカーの大きさを特定するとともに、マーカーの模様に基づいて、マーカーの傾き及び回転角を特定する。そして、三次元位置特定部153は、特定したマーカーの大きさ、傾き及び回転角に基づいて、マーカーの三次元位置を特定する。
【0059】
また、第1撮像装置1として、1台で三次元位置を特定可能なモーションキャプチャ用のカメラを採用してもよい。そして、三次元位置特定部153は、当該第1撮像装置1が測定したマーカーの三次元位置を示す三次元位置情報を取得することにより、マーカーの三次元位置を特定してもよい。
【0060】
また、上述の説明では、物体OにマーカーMを付しておき、三次元位置特定部153がマーカーMの三次元位置を特定することにより物体Oの特徴点の三次元位置を特定することとしたが、これに限らない。物体Oが人等の関節を有する物体であり、マーカーを設けることなく関節を特定可能である場合には、物体Oにマーカーを付さなくてもよい。そして、三次元位置特定部153は、物体Oの関節の三次元位置を、物体の特徴点の三次元位置として特定してもよい。
【0061】
[情報処理システムSによる効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システムSにおいて、情報処理装置10は、三次元空間における三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置1が撮像した物体Oの画像データである第1画像データに基づいて、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定し、物体Oを撮像する第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向と、特定した複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、第2撮像装置2が撮像した物体Oの画像データである第2画像データが示す画像における複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する。そして、情報処理装置10は、第2撮像装置が撮像した第2画像データと、特定した複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成する。このようにすることで、情報処理装置10は、物体の特徴点の位置を推定するための推定モデルの学習に用いるデータセットを効率よく生成することができる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0063】
1 第1撮像装置
2 第2撮像装置
10 情報処理装置
11 通信部
12 表示部
13 操作部
14 記憶部
15 制御部
151 装置情報取得部
152 第1画像取得部
153 三次元位置特定部
154 二次元位置特定部
155 第2画像取得部
156 生成部
157 出力部
S 情報処理システム
【要約】
【課題】物体の特徴点の位置を推定するための推定モデルの学習に用いるデータセットを効率よく生成する。
【解決手段】情報処理装置10は、三次元位置及び撮像方向が特定されている第1撮像装置1が撮像した物体Oの第1画像データに基づいて、物体Oの特徴を示す複数の特徴点それぞれの三次元位置を特定する三次元位置特定部153と、第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向を示す撮像装置情報を取得する装置情報取得部151と、第2撮像装置2が撮像した物体Oの第2画像データを取得する第2画像取得部155と、第2撮像装置2の三次元位置及び撮像方向と、特定された複数の特徴点それぞれの三次元位置とに基づいて、第2画像データが示す画像における複数の特徴点それぞれの二次元位置を特定する二次元位置特定部154と、第2画像データと、特定された複数の特徴点それぞれの二次元位置とを含むデータセットを生成する生成部156と、を有する。
【選択図】
図2