(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
B61L 27/00 20220101AFI20231031BHJP
【FI】
B61L27/00
(21)【出願番号】P 2019151326
(22)【出願日】2019-08-21
【審査請求日】2021-04-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000191076
【氏名又は名称】日鉄ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】太田 有人
(72)【発明者】
【氏名】松山 紗季
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】河端 賢
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-315308(JP,A)
【文献】国際公開第2014/073412(WO,A1)
【文献】特開2019-34588(JP,A)
【文献】特開2000-71988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連付けられた複数の単位期間それぞれについて、当該単位期間に運行される複数の移動体の運行スケジュールの規定に関する条件を少なくとも含む制約条件に基づき、前記単位期間ごとに前記運行スケジュールの1つ以上の候補を生成する生成手段と、
前記単位期間ごとに生成された複数の前記候補のうち少なくとも2つ以上の候補間を、前記複数の単位期間の間の前記複数の移動体の運行スケジュールに係る関連性に基づき関連付ける処理手段と、
前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報を出力する出力制御手段と、
を備え、
前記単位期間は、前記移動体の運行が行われる日であり、
前記制約条件は、
前記単位期間ごとに指定された、前記移動体の前記運行スケジュールの規定に関する第1の制約条件と、
前記第1の制約条件に応じた前記候補の生成に際して適用される、乗車率に関する条件、運行本数に関する条件、及び運行効率に関する条件それぞれに対する重みづけに関する条件である第2の制約条件と、
を含み、
前記生成手段は、前記単位期間ごとにあらかじめ生成された複数のパターンのうちのいずれかの、ユーザから指定された前記第1の制約条件に基づく前記運行スケジュールの前記パターンと、前記第2の制約条件と、に基づき、前記単位期間ごとに前記1つ以上の候補を生成
し、
前記処理手段は、前記複数の単位期間である複数の日のうち前記移動体の運行上において連続する2つ以上の日の間で、前記日ごとに生成された前記候補を関連付ける、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の制約条件は、前記移動体が一時的に停留する位置として規定された複数の位置の間を移動する前記移動体の数及び種別のうち少なくともいずれかに基づく制約条件であり、
前記第2の制約条件は、前記複数の位置の間の移動に対する前記移動体の割り当てに関する制約条件である、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の制約条件は、前記移動体の行路の規定に係る条件であり、
前記第2の制約条件は、前記行路に対する前記移動体の編成の割り当てに係る要件に応じた制約条件である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力制御手段は、前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報を、前記候補間の関連付けに応じて、出力部に出力させる、請求項1~
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、互いに関連付けられた複数の前記候補間における運行スケジュールに関する情報の比較結果に応じて第1の報知情報を前記複数の候補に関連づけて前記出力部に出力させる、請求項
4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力制御手段は、互いに関連付けられた複数の前記候補のうち、
第1の単位期間に対応する前記候補における運行終了時の状態に関する情報と、
前記第1の単位期間よりも後の第2の単位期間に対応する前記候補における運行開始時の状態に関する情報と、
の間の整合性に応じた前記第1の報知情報を前記出力部に出力させる、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力制御手段は、前記候補ごとの運行スケジュールに関する情報の解析結果に応じて第2の報知情報を前記候補に関連付けて前記出力部に出力させる、請求項
5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力制御手段は、前記候補ごとの運行スケジュールに関する情報の整合性に応じて、前記候補について、前記第2の報知情報として警告を前記出力部に出力させる、請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力制御手段は、前記第1の報知情報と、前記第1の報知情報の出力の対象となる複数の前記候補のうち少なくともいずれかを出力の対象とした前記第2の報知情報と、を関連付けて出力する、請求項
7または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力制御手段は、前記候補それぞれに対応する表示情報が、前記候補間の関連付けに応じて、関連性を示す他の表示情報により結ばれて提示された画面を、前記出力部に提示させる、請求項
4~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記生成手段は、複数の前記候補それぞれを並列して生成する、請求項1~
10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記運行スケジュールは、1つの移動体について、運行の起点となる位置と、終点となる位置と、の間の移動に係るスケジュールを、時間の流れに合わせた1本のスジにより表したダイヤである、請求項1~
11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置と、
前記情報処理装置とネットワークを介して接続された端末装置と、
を含み、
前記情報処理装置は、
関連付けられた複数の単位期間それぞれについて、当該単位期間に運行される複数の移動体の運行スケジュールの規定に関する条件を少なくとも含む制約条件に基づき、前記単位期間ごとに前記運行スケジュールの1つ以上の候補を生成する生成手段と、
前記単位期間ごとに生成された複数の前記候補のうち少なくとも2つ以上の候補間を、前記複数の単位期間の間の前記複数の移動体の運行スケジュールに係る関連性に基づき関連付ける処理手段と、
を備え、
前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報が、前記ネットワークを介して前記端末装置に送信され、
前記単位期間は、前記移動体の運行が行われる日であり、
前記制約条件は、
前記単位期間ごとに指定された、前記移動体の前記運行スケジュールの規定に関する第1の制約条件と、
前記第1の制約条件に応じた前記候補の生成に際して適用される、乗車率に関する条件、運行本数に関する条件、及び運行効率に関する条件それぞれに対する重みづけに関する条件である第2の制約条件と、
を含み、
前記生成手段は、前記単位期間ごとにあらかじめ生成された複数のパターンのうちのいずれかの、ユーザから指定された前記第1の制約条件に基づく前記運行スケジュールの前記パターンと、前記第2の制約条件と、に基づき、前記単位期間ごとに前記1つ以上の候補を生成
し、
前記処理手段は、前記複数の単位期間である複数の日のうち前記移動体の運行上において連続する2つ以上の日の間で、前記日ごとに生成された前記候補を関連付ける、
情報処理システム。
【請求項14】
前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報が、前記候補間の関連付けに応じて、前記端末装置が備える出力部に出力される、請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記情報処理装置は、前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報を、前記ネットワークを介して前記端末装置に送信することで、一連の前記候補に関する情報を、前記候補間の関連付けに応じて、前記出力部に出力させる出力制御手段を備える、請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記端末装置は、前記ネットワークを介して前記情報処理装置から取得した、前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報に基づき、一連の前記候補に関する情報を、前記候補間の関連付けに応じて、前記出力部に出力させる出力制御手段を備える、請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項17】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
関連付けられた複数の単位期間それぞれについて、当該単位期間に運行される複数の移動体の運行スケジュールの規定に関する条件を少なくとも含む制約条件に基づき、前記単位期間ごとに前記運行スケジュールの1つ以上の候補を生成する生成ステップと、
前記単位期間ごとに生成された複数の前記候補のうち少なくとも2つ以上の候補間を、前記複数の単位期間の間の前記複数の移動体の運行スケジュールに係る関連性に基づき関連付ける処理ステップと、
前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報を出力する出力制御ステップと、
を含み、
前記単位期間は、前記移動体の運行が行われる日であり、
前記制約条件は、
前記単位期間ごとに指定された、前記移動体の前記運行スケジュールの規定に関する第1の制約条件と、
前記第1の制約条件に応じた前記候補の生成に際して適用される、乗車率に関する条件、運行本数に関する条件、及び運行効率に関する条件それぞれに対する重みづけに関する条件である第2の制約条件と、
を含み、
前記生成ステップは、前記単位期間ごとにあらかじめ生成された複数のパターンのうちいずれかの、ユーザから指定された前記第1の制約条件に基づく前記運行スケジュールの前記パターンと、前記第2の制約条件と、に基づき、前記単位期間ごとに前記1つ以上の候補を生成
し、
前記処理ステップは、前記複数の単位期間である複数の日のうち前記移動体の運行上において連続する2つ以上の日の間で、前記日ごとに生成された前記候補を関連付ける、
情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータに、
関連付けられた複数の単位期間それぞれについて、当該単位期間に運行される複数の移動体の運行スケジュールの規定に関する条件を少なくとも含む制約条件に基づき、前記単位期間ごとに前記運行スケジュールの1つ以上の候補を生成する生成ステップと、
前記単位期間ごとに生成された複数の前記候補のうち少なくとも2つ以上の候補間を、前記複数の単位期間の間の前記複数の移動体の運行スケジュールに係る関連性に基づき関連付ける処理ステップと、
前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報を出力する出力制御ステップと、
を実行させ、
前記単位期間は、前記移動体の運行が行われる日であり、
前記制約条件は、
前記単位期間ごとに指定された、前記移動体の前記運行スケジュールの規定に関する第1の制約条件と、
前記第1の制約条件に応じた前記候補の生成に際して適用される、乗車率に関する条件、運行本数に関する条件、及び運行効率に関する条件それぞれに対する重みづけに関する条件である第2の制約条件と、
を含み、
前記生成ステップは、前記単位期間ごとにあらかじめ生成された複数のパターンのうちいずれかの、ユーザから指定された前記第1の制約条件に基づく前記運行スケジュールの前記パターンと、前記第2の制約条件と、に基づき、前記単位期間ごとに前記1つ以上の候補を生成
し、
前記処理ステップは、前記複数の単位期間である複数の日のうち前記移動体の運行上において連続する2つ以上の日の間で、前記日ごとに生成された前記候補を関連付ける、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バス、列車、及び航空機に代表される移動体の運行を管理する輸送機関における重要な作業の1つとして、ダイヤ等に代表される移動体の運行スケジュールの作成が挙げられる。運行スケジュールの作成は、例えば、区間ごとの乗車人数を予測したうえで、この予測の結果に基づき運行する車両を割り当てることで行われる。このような特性から、手作業による運行スケジュールの作成には時間と労力を要し、運行スケジュールの作成時に考慮を要する条件が複雑化するほど、必要とされる時間と労力がより増大する傾向にある。このような背景から、運行スケジュールの生成の自動化に係る各種技術の検討が行われている。例えば、特許文献1には、各区間の予測乗車人数に応じて列車のダイヤを作成する技術の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、近年では、運行スケジュールの生成に際し考慮を要する条件が多様化してきており、このような多様化した条件の考慮が要望される場合もある。このような背景から、好適な運行スケジュールの作成を支援する技術の実現が求められている。
【0005】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、より好適な運行スケジュールの作成を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、関連付けられた複数の単位期間それぞれについて、当該単位期間に運行される複数の移動体の運行スケジュールの規定に関する条件を少なくとも含む制約条件に基づき、前記単位期間ごとに前記運行スケジュールの1つ以上の候補を生成する生成手段と、前記単位期間ごとに生成された複数の前記候補のうち少なくとも2つ以上の候補間を、前記複数の単位期間の間の前記複数の移動体の運行スケジュールに係る関連性に基づき関連付ける処理手段と、前記単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の前記候補に関する情報を出力する出力制御手段と、を備え、前記単位期間は、前記移動体の運行が行われる日であり、前記制約条件は、前記単位期間ごとに指定された、前記移動体の前記運行スケジュールの規定に関する第1の制約条件と、前記第1の制約条件に応じた前記候補の生成に際して適用される、乗車率に関する条件、運行本数に関する条件、及び運行効率に関する条件それぞれに対する重みづけに関する条件である第2の制約条件と、を含み、前記生成手段は、前記単位期間ごとにあらかじめ生成された複数のパターンのうちのいずれかの、ユーザから指定された前記第1の制約条件に基づく前記運行スケジュールの前記パターンと、前記第2の制約条件と、に基づき、前記単位期間ごとに前記1つ以上の候補を生成し、前記処理手段は、前記複数の単位期間である複数の日のうち前記移動体の運行上において連続する2つ以上の日の間で、前記日ごとに生成された前記候補を関連付ける。
このような構成により、単位期間ごとに生成され、かつ少なくとも2つ以上が関連付けられた一連の運行スケジュールの候補に関する情報を、候補間の関連付けに応じて、ユーザに提示することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より好適な運行スケジュールの作成を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、情報処理装置のハードウェア構成の一例について示した図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置の機能概要について説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置の機能概要について説明するための説明図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置の機能構成の一例を示したブロック図である。
【
図5】
図5は、情報処理装置の処理の一例を示したフローチャートである。
【
図6】
図6は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【
図9】
図9は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【
図10】
図10は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【
図11】
図11は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【
図12】
図12は、情報処理装置の実施例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について一例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。各図では、同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例について示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)110と、ROM(Read Only Memory)120と、RAM(Random Access Memory)130とを含む。また、情報処理装置100は、補助記憶装置140と、出力装置150と、入力装置160と、ネットワークI/F170とを含む。CPU110と、ROM120と、RAM130と、補助記憶装置140と、出力装置150と、入力装置160と、ネットワークI/F170とは、バス180を介して相互に接続されている。
【0011】
CPU110は、情報処理装置100の各種動作を制御する中央演算装置である。例えば、CPU110は、情報処理装置100全体の動作を制御してもよい。ROM120は、CPU110で実行可能な制御プログラムやブートプログラムなどを記憶する。RAM130は、CPU110の主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。
【0012】
補助記憶装置140は、各種データや各種プログラムを記憶する。補助記憶装置140は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)に代表される不揮発性メモリ等のような、各種データを一時的または持続的に記憶可能な記憶デバイスにより実現される。
【0013】
出力装置150は、各種情報を出力する装置であり、ユーザに対する各種情報の提示に利用される。本実施形態では、出力装置150は、ディスプレイ等の表示デバイスにより実現される。出力装置150は、各種表示情報を表示させることで、ユーザに対して情報を提示する。ただし、他の例として、出力装置150は、音声や電子音等の音を出力する音響出力デバイスにより実現されてもよい。この場合には、出力装置150は、音声や電信等の音を出力することで、ユーザに対して情報を提示する。また、出力装置150として適用されるデバイスは、ユーザに対して情報を提示するために利用する媒体に応じて適宜変更されてもよい。なお、出力装置150が、各種情報の提示に利用される「出力部」の一例に相当する。
【0014】
入力装置160は、ユーザからの各種指示の受け付けに利用される。本実施形態では、入力装置160は、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスを含む。ただし、他の例として、入力装置160は、マイクロフォン等の集音デバイスを含み、ユーザが発話した音声を集音してもよい。この場合には、集音された音声に対して音響解析や自然言語処理等の各種解析処理が施されることで、この音声が示す内容がユーザからの指示として認識される。また、入力装置160として適用されるデバイスは、ユーザからの指示を認識する方法に応じて適宜変更されてもよい。また、入力装置160として複数種類のデバイスが適用されてもよい。
【0015】
ネットワークI/F170は、外部の装置とのネットワークを介した通信に利用される。なお、ネットワークI/F170として適用されるデバイスは、通信経路の種別や適用される通信方式に応じて適宜変更されてもよい。
【0016】
CPU110は、ROM120又は補助記憶装置140に記憶されたプログラムをRAM130に展開し、このプログラムを実行することで、
図4に示す情報処理装置100の機能や、
図5に示すフローチャートで示された処理が実現される。
【0017】
<機能概要>
以下に、情報処理装置100の機能について概要を説明する。なお、本実施形態では、情報処理装置100の特徴をよりわかりやすくするために、運行スケジュールとして主に列車のダイヤを生成する場合について説明を行う。ただし、必ずしも情報処理装置100の機能を限定するものではない。すなわち、情報処理装置100は、列車のみに限らず、バス、飛行機、及び船舶等の他の移動体の運行スケジュールを生成してもよいし、ダイヤ以外の他の形態の運行スケジュールを生成してもよいものとする。なお、運行スケジュールとは、移動体の運行に係るスケジュールであり、移動体が、いつ、どこを運行するかを示す。
【0018】
また、本開示においてダイヤとは、1つの移動体について、運行の起点となる位置と、運行の終点となる位置と、の間の移動に係るスケジュールを、時間の流れに合わせた1本のスジにより表した運行スケジュールに相当する。運行の起点となる位置は、例えば、移動体が運行開始時に出発する位置に相当する。また、運行の終点となる位置は、例えば、移動体が運行終了時に停留する位置に相当する。また、このダイヤにおいて複数の移動体の運行スケジュールを提示する場合には、移動体ごとにスジが表されることとなる。
また、本開示において、運行スケジュールは、生成単位としてあらかじめ規定された期間(以下、「単位期間」とも称する)ごとに生成されることとする。なお、本実施形態では、単位期間は、日であるものとする。
また、本開示において、運行スケジュール上連続する複数の期間とは、列車等の移動体の運行上において連続する2つ以上の単位期間を示している。換言すると、移動体の運行が終了する単位期間と、この単位期間の次にこの移動体の運行が開始される単位期間とは、運行スケジュール上連続する複数の期間に相当する。具体的な一例として、毎日休まずに移動体の運行が行われ、単位期間が日である場合には、日付として連続する日が「運行スケジュール上連続する複数の期間(日)」に相当する。また、他の一例として、運行を休止する期間(1以上の日)が存在する場合には、この期間の直前及び直後の日が「運行スケジュール上連続する複数の期間(日)」に相当する。また、運行スケジュール上連続する複数の期間(単位期間)のように、運行スケジュールを規定するうえで関連性を有する複数の期間(単位期間)が、「関連付けられた複数の期間(単位期間)」の一例に相当する。より具体的な一例として、複数の運行スケジュール間において各運行スケジュールの規定のうえで依存関係がある場合には、当該複数の運行スケジュールに対応する複数の期間(単位期間)が、「関連付けられた複数の期間(単位期間)」の一例であるともいえる。
【0019】
列車のダイヤを生成する際には、予測される乗車人数のみに限らず、例えば、運行可能な車両の種別(例えば、高速運行可能な車両か否か、検査車両か否か等)、各車両の検査時期等のような多様な要因を考慮する場合がある。また、時期に応じた混雑状況の変化や、イベントの開催等に伴う一時的な混雑状況の変化等のような流動的な要因の考慮が要望される状況も少なくはなく、臨時列車の割り当てが行われる場合もある。特に、時期に応じて利用者の変動が大きい路線については、日ごとに異なるダイヤが生成される場合もある。このような状況下では、例えば、日ごとのダイヤのように、個々の運行スケジュール内での整合性を考慮するのみでは運行の効率化に限界が生じる場合もある。
【0020】
具体的な一例として、各駅に滞泊する車両の数(以下、「滞泊本数」とも称する)が常に一定である場合には、複数の日それぞれについてダイヤが生成されたとしても、各ダイヤ内で整合性が保たれていればよい。
しかしながら、日によって人の流れに偏りが生じるような状況下では、滞泊本数を一定に保つために、客を乗車させずに列車を移動させる回送が発生する場合がある。回送が発生すると、客を乗車させていないにも関わらず、列車を移動させることとなり、結果として列車の移動に係るコストが増大することとなる。
【0021】
これに対して、回送を発生させないように効率化を図ると、日によって滞泊本数が異なるような状態が発生する場合がある。このような場合には、運行スケジュール上連続する複数の日の間において、運行する車両の数の整合性を考慮することが望ましい。
具体的な一例として、ある日の運行終了後においてA駅に12本の車両が滞泊している場合には、その翌日にA駅から12本の車両が運行を開始するように日ごとの運行スケジュールが調整されることで、一連の日の間における運行スケジュールの整合性を保つことが可能となる。
【0022】
以上のような状況を鑑み、本開示では、より好適な運行スケジュールの作成を支援する技術を提案する。具体的な一例として、本開示に係る技術は、日ごとの滞泊本数の違いを許容しつつ、運行スケジュール上連続する複数の日の間における運行スケジュールの整合性をも担保されるような一連の運行スケジュールの生成の支援を可能とする。
【0023】
例えば、
図2及び
図3は、情報処理装置100の機能概要について説明するための説明図であり、移動体の運行スケジュールとして、列車のダイヤの生成に係る機能の概要を示している。
【0024】
まず、
図2について説明する。本実施形態に係る情報処理装置100は、運行スケジュールの規定に関する制約条件に基づき生成された、ダイヤのひな型となるパターンをあらかじめ複数、情報処理装置100の記憶部に保持する。本実施形態では、情報処理装置100は、ダイヤのひな型となるパターンを、補助記憶装置140に保持することとするが、ROM120、情報処理装置100に接続された外付けの記憶装置等の他の記憶部に保持することとしてもよい。また、運行スケジュールの規定とは、対応する期間における運行スケジュールについて、あらかじめ定められている規則に相当する。運行スケジュールの規定に関する制約条件は、例えば、運行される列車の本数や種別等のようなダイヤの生成に係る制約条件に相当する。なお、車両の種別の違いとは、例えば、高速運行が可能な車両か否かに応じた種別の違いや、運搬に利用する車両と各種検査に利用される検査車両との違い等が挙げられる。
具体的な一例として、運行される車両の本数がより多くなるほど、ダイヤのパターンはより複雑になる傾向にある。また、一部の車両が検査にまわされることで、運行可能な車両の本数が制限される場合もある。また、他の一例として、速度の異なる車両を運行させる場合には、駅以外の線路上で追い越しができない等の制約が発生するため、速度の異なる車両それぞれが運行される本数に応じて、ダイヤの生成に係る制約の強さが変化する。ダイヤの生成に係る制約がより強くなると、例えば、生成可能なダイヤの候補の数がより制限されることとなる。また、他の一例として、運行を許容する検査車両の本数がより多くなるほど、経路ごとに運搬に利用される車両を運行可能な時間帯が制限されるため、ダイヤの生成に係る制約がより強くなる。
例えば、
図2に示す例では、情報処理装置100は、「閑散期」、「通常期」、及び「繁忙期」のそれぞれに対応付けて生成されたダイヤのパターンをあらかじめ記憶部に保持している。なお、本開示では、「繁忙期」が最も列車の運行本数が多く、次いで、「通常期」、「閑散期」の順に運行本数がより少なくなるものとする。また、上記パターンの生成に係る制約条件、すなわち、上述した運行される列車の本数や種別の違い等のようなダイヤの生成に係る制約条件が、「第1の制約条件」の一例に相当する。また、他の一例として、この制約条件(第1の制約条件)は、列車等の移動体の行路の規定に係る条件であってもよい。
【0025】
情報処理装置100は、ユーザからの指示に基づき、複数のパターンのうちいずれかを選択し、選択したパターンに対して1つ以上の制約条件(例えば、互いに異なる複数の制約条件)を適用することで、この制約条件ごとにダイヤの候補を生成する。このとき適用される制約条件として、ダイヤのパターンの生成に係る制約条件とは異なる条件が適用される。なお、以降に具体例を説明するこの制約条件が、「第2の制約条件」の一例に相当する。また、以降の説明では、単に「候補」と記載した場合には、特に説明がない限りは、ダイヤ等のような運行スケジュールの候補を示すものとする。
【0026】
例えば、
図2に示す例では、「通常期」に対応するパターンが選択されている。この場合には、情報処理装置100は、「通常期」のパターンに基づき、「通常期候補1」、「通常期候補2」、及び「通常期候補3」として示したダイヤの候補を生成する。
「通常期候補1」は、乗車率に関連する条件であって、乗車率を所定の値とする制約条件に基づいて生成されたダイヤの候補を示している。具体的には、「通常期候補1」は、所定の乗車率により近づくように、乗車率に関連する条件をより優先して生成されたダイヤの候補を示している。「通常期候補2」は、運行本数に関連する条件であって、運行本数が所定の値とする制約条件に基づいて生成されたダイヤの候補を示している。具体的には、「通常期候補2」は、所定の運行本数により近づくように、運行本数に関連する条件をより優先して生成されたダイヤの候補を示している。「通常期候補3」は、運行効率に関連する条件であって、運行効率を所定の水準とする(列車の回送の回数を所定数より少なくする)ことを示す条件に基づいて生成されたダイヤの候補を示している。具体的には、「通常期候補3」は、列車の回送をより少なくすることで運行効率がより向上するように生成されたダイヤの候補を示している。
すなわち、指定されたパターンに基づきダイヤの候補の生成に適用する制約条件(第2の制約条件)のそれぞれは、移動体が一時的に停留する位置として規定された複数の位置間の移動に対する列車等の移動体の割り当てに関する条件の一例であるともいえる。なお、移動体が一時的に停留する位置の例としては、バスや列車等が停留する停留所や、飛行機が停留する空港、船舶が停留する港等に相当する。また、他の一例として、前述した第1の制約条件が列車等の移動体の行路の規定に係る条件の場合には、この第2の制約条件は、規定された各行路に対する列車等の移動体の編成の割り当てに係る要件に応じた制約条件であってもよい。
【0027】
なお、運行スケジュールのパターンに対して上記した各種制約条件を適用することで、この制約条件に応じた運行スケジュールの候補を生成することが可能であれば、運行スケジュールの候補の生成に係る方法は特に限定されない。
具体的な一例として、情報処理装置100は、ダイヤ等の運行スケジュールの候補の生成に際して適用される複数の条件それぞれの重みづけを変更することで、互いに異なる要件(ユーザが要求する条件)に即した運行スケジュールの候補を生成してもよい。
また、他の一例として、情報処理装置100は、ダイヤ等の運行スケジュールの候補の生成に係るアルゴリズムを変更することで、互いに異なる要件に即した運行スケジュールの候補を生成してもよい。
【0028】
以上のようにして、情報処理装置100は、複数の日それぞれについて、ユーザからの指示に基づきパターンを選択し、選択したパターンに基づき1つ以上のダイヤの候補を生成する。なお、パターンごとに適用される制約条件の数や種別は特に限定されない。具体的な一例として、「閑散期」、「通常期」、及び「繁忙期」のそれぞれに対応するパターンに対して適用される制約条件の数や種別が異なっていてもよい。
【0029】
次いで、
図3について説明する。情報処理装置100は、複数の日それぞれについてダイヤの候補を生成すると、対象となる日それぞれの間の関連性に応じて、生成した複数の候補のうち2つ以上の候補間を関連付ける。例えば、
図3に示す例の場合には、情報処理装置100は、運行スケジュール上連続する日の間において、日ごとに生成した候補間を関連付けている。
なお、関連付けが行われた複数の候補を、当該関連付けが行われた後の所望のタイミングで特定することが可能であれば、複数の候補間を関連付ける方法は特に限定されない。
具体的な一例として、情報処理装置100は、候補ごとのデータに対して、当該候補に関連付けられた他の候補に関する情報を埋め込むことで、複数の候補間の関連付けを行ってもよい。この場合には、候補ごとのデータに埋め込まれた上記情報に基づき、当該候補に関連付けられた他の候補を特定することが可能である。
また、他の一例として、情報処理装置100は、候補間の関連付けに関する情報を、管理テーブル等のような制御情報に基づき管理してもよい。この場合には、当該制御情報を参照することで、関連付けが行われた複数の候補を特定することが可能である。
【0030】
また、情報処理装置100は、日ごとに生成したダイヤの候補それぞれについて個別に、運行スケジュールに関する情報の整合性の解析を行い、この解析の結果に応じて報知情報を出力装置150に出力することで報知してもよい。
具体的な一例として、情報処理装置100は、少なくとも一部の候補において滞泊本数が所定の値でないことを検出した場合には、運行スケジュールにおいて不整合が生じていることに関する警告を示す報知情報を報知してもよい。また、他の一例として、情報処理装置100は、線路上の位置であって、駅と異なる位置において、車両の追い越しが生じることを検出した場合に、警告を示す報知情報を報知してもよい。また、他の一例として、情報処理装置100は、少なくとも一部の駅に停車する車両の本数が、その駅の許容量を超えていることを検出した場合に、警告を示す報知情報を報知してもよい。
また、情報処理装置100は、上記警告を示す報知情報を、この警告の対象となる候補(例えば、滞泊本数の違いが生じていることを検出した候補)に対応する情報に関連付けて提示してもよい。
図3に示す例では、情報処理装置100は、警告の対象となる候補に対応する表示情報(例えば、アイコン)に対して、警告を示すマークを重畳させることで、ユーザに対して警告を報知している。もちろん、警告を示す報知情報と、この警告の対象となる候補に対応する情報と、の関係性をユーザに提示することが可能であれば、この報知情報と、警告の対象となる候補に対応する情報と、を関連付ける方法は特に限定されない。なお、上記のように、ダイヤの候補それぞれについて個別に行われた整合性の解析結果に基づく警告を示す報知情報が、「第2の報知情報」の一例に相当する。
【0031】
また、情報処理装置100は、互いに関連性を有する複数の日それぞれについて生成した候補間を比較し、この比較の結果に応じて報知情報を報知してもよい。具体的な一例として、情報処理装置100は、運行スケジュール上連続する複数の日のうち、ある日の候補における運行終了時の状態と、その翌日の候補における運行開始時の状態と、の間で不整合を検出した場合に、警告を示す報知情報を報知してもよい。また、このとき情報処理装置100は、この警告を示す報知情報を、この警告の対象となる複数の候補(すなわち、上記不整合を検出した複数の候補)それぞれに対応する情報に関連付けて提示してもよい。例えば、
図3に示す例では、情報処理装置100は、警告の対象となる複数の候補間を結ぶエッジやリンク等の表示情報を、他の候補間を結ぶエッジやリンク等の表示情報とは異なる態様で提示することで、ユーザに対して警告を報知している。この際に、情報処理装置100は、複数の候補間を結ぶ表示情報の一部(例えば、端部)を、当該複数の候補それぞれに対応する表示情報に接続させることで、複数の候補間を結ぶ表示情報と、複数の候補それぞれに対応する表示情報とを関連付けている。もちろん、運行スケジュール上の不整合が検出された複数の候補間の関係性をユーザに提示することが可能であれば、警告の対象となる複数の候補それぞれに対応する表示情報と、当該警告を示す報知情報と、を関連付ける方法は特に限定されない。なお、上記のように、複数の候補間の比較結果に基づく警告を示す報知情報が、「第1の報知情報」の一例に相当する。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100は、日ごとに生成したダイヤの候補それぞれに関する情報を、日間の関連性に応じて関連付けたうえで、ユーザに提示する。また、このとき情報処理装置100は、互いに関連性を有する複数の日それぞれについて生成した候補間の整合性に応じて報知情報(例えば、警告)を報知する。このような構成に基づき、情報処理装置100は、例えば、ユーザからの指定に基づき、日ごとに提示されたダイヤの候補のうちのいずれかを適宜選択する。これにより、情報処理装置100は、煩雑な操作を要さずに、運行スケジュールの生成の対象となる一連の日それぞれについて適用するダイヤを決定することが可能となる。また、情報処理装置100は、ユーザから、報知された警告の内容に応じて、一部の候補について修正を受け付け、修正後の候補を、運行に適用するダイヤとすることも可能である。
また、
図2及び
図3を参照して説明した処理の流れの特性から、情報処理装置100は、日ごとの候補それぞれの生成に係る処理に対して、並列処理を適用することが可能となる。これにより、情報処理装置100は、複数のダイヤの候補の生成を並列して実行することで、日ごとの候補を順次生成する場合に比べて、一連のダイヤ(複数の日それぞれに適用するダイヤ)の生成に係る処理の時間をより短縮することが可能となる。
なお、以降では、情報処理装置100の機能構成や処理についてより詳しく説明する。
【0033】
<機能構成>
図4を参照して、情報処理装置100の機能構成の一例について説明する。
図4に示すように、情報処理装置100は、入力解析部111と、生成部112と、処理部113と、出力制御部114とを含む。
【0034】
入力解析部111は、入力装置160が受け付けた操作の内容を解析することでユーザからの指示を認識する。このとき、入力解析部111は、後述する出力制御部114から出力装置150を介してユーザに提示されたUIに関する情報を取得し、この情報と上記操作内容の解析結果とに基づきユーザからの指示を認識してもよい。具体的には、入力解析部111は、UIに関する情報と、上記操作内容の解析結果と、を照合することで、この操作を受け付けたUIのコンポーネントを特定し、このコンポーネントに関連付けられた情報に応じてユーザからの指示を認識してもよい。これにより、例えば、入力解析部111は、運行スケジュール(例えば、列車のダイヤ)の生成に利用する複数のパターンのうち、ユーザにより選択されたパターンを認識することが可能となる。そして、入力解析部111は、ユーザからの指示の認識結果を生成部112や処理部113に通知する。これにより、生成部112や処理部113は、ユーザからの指示を認識することが可能となる。
【0035】
生成部112は、入力解析部111から通知されるユーザからの指示に基づき、単位期間ごとに運行スケジュールの候補を生成する。具体的には、生成部112は、
図2を参照して説明したように、ユーザからの指示に基づき、単位期間ごとに運行スケジュールの候補の生成に適用するパターンを、あらかじめ生成された複数のパターンの中から選択する。次いで、生成部112は、選択したパターンに対して1つ以上の制約条件を適用することで、制約条件ごとに運行スケジュールの候補を生成する。なお、このとき生成部112は、複数の候補の生成に対して並列処理を適用してもよい。そして、生成部112は、単位期間ごとに1つ以上の制約条件それぞれについて生成した運行スケジュールの候補に関する情報を処理部113に出力する。
【0036】
処理部113は、単位期間ごとに1つ以上の制約条件それぞれについて生成された運行スケジュールの候補に関する情報を生成部112から取得する。処理部113は、単位期間ごとに生成された運行スケジュールの候補のうち2つ以上の候補間を、対象となる単位期間それぞれの間の関連性に応じて関連付ける。具体的な一例として、処理部113は、
図3を参照して説明した例のように、運行スケジュール上連続する単位期間(
図3に示す例では、日)の間において、単位期間ごとに生成した候補間を関連付ける。そして、処理部113は、対象となる一連の単位期間それぞれについて生成され、かつ互いに関連付けられた一連の運行スケジュールの候補に関する情報を出力制御部114に出力する。
【0037】
また、処理部113は、単位期間ごとの運行スケジュールの整合性と、互いに関連付けられた複数の運行スケジュール間の整合性と、のうちの少なくともいずれかの検証を行ってもよい。なお、以降では、これらの整合性の検証を特に区別しない場合には、単に「運行スケジュールの整合性の検証」とも称する。そして、この場合には、処理部113は、運行スケジュールの整合性の検証の結果に応じた情報を出力制御部114に出力してもよい。
【0038】
出力制御部114は、対象となる一連の単位期間それぞれについて生成され、かつ互いに関連付けられた一連の運行スケジュールの候補に関する情報を処理部113から取得する。出力制御部114は、処理部113から取得したこの情報に基づき、単位期間ごとに生成された運行スケジュールの候補と、複数の候補間の関連付けと、を含む表示情報を生成し、この表示情報を含む画面を出力装置150に表示させる。本実施形態では、このとき出力制御部114は、上記表示情報に基づき単位期間ごとに運行に適用する候補の指定をユーザから受け付けるUIを生成し、このUIの画面を出力装置150に表示させる。この場合には、出力制御部114は、入力解析部111と連携することで、入力装置160がユーザからの受け付けた操作に応じて、上記UIの画面を逐次更新してもよい。
また、本実施形態では、出力制御部114は、運行スケジュールの整合性の検証の結果に応じた情報を処理部113から取得し、この情報に応じた報知情報(例えば、警告)を出力装置150に報知させる。
なお、上記UIや上記報知情報の一例については実施例として詳細を別途後述する。
【0039】
また、入力解析部111は、上記UIが受け付けたユーザからの指示に応じた情報を生成部112や処理部113にフィードバックしてもよい。
具体的な一例として、入力解析部111は、ユーザから受け付けた、個々の運行スケジュールの候補の修正に係る指示に応じた情報を生成部112にフィードバックしてもよい。この場合には、生成部112は、対象となる運行スケジュールの候補を、ユーザからの指示に応じて修正し、修正後のこの候補に関する情報を処理部113に出力してもよい。そして、処理部113は、修正前の対象となる候補を、生成部112から出力される修正後の候補に置き換えればよい。
また、他の一例として、入力解析部111は、ユーザからの単位期間ごとの運行スケジュールの候補の指定結果に応じた情報を処理部113にフィードバックしてもよい。この場合には、処理部113は、対象となる一連の単位期間それぞれについて指定された候補を、この単位期間に対応する運行スケジュールとして決定することで、一連の運行スケジュールを生成する。そして、出力制御部114は、処理部113が生成した一連の運行スケジュールのデータを所定の出力先に出力する。具体的な一例として、出力制御部114は、処理部113が生成した一連の運行スケジュールのデータを、所定の記憶領域(例えば、補助記憶装置140やRAM130)に記憶させてもよい。また、他の一例として、出力制御部114は、処理部113が生成した一連の運行スケジュールのデータを、ネットワークを介して他の装置に転送してもよい。また、他の一例として、出力制御部114は、処理部113が生成した一連の運行スケジュールのデータを、印刷機を介して、印刷媒体(例えば、紙、フィルム等)に印刷させることで、出力してもよい。
【0040】
<処理>
図5を参照して、情報処理装置100の処理の一例について説明する。
図5は、情報処理装置100の処理の一例を示したフローチャートであり、運行スケジュールの生成に係る処理の流れの一例を示している。
【0041】
S101において、出力制御部114は、単位期間ごとに運行スケジュールのパターンの指定をユーザから受け付けるためのUIを生成し、このUIを出力装置150に表示させる。S101において出力装置150に表示されるUIの画面の一例については、
図7を参照して後述する。生成部112は、単位期間ごとに、上記UIを介して受け付けたユーザからの指示に基づき、あらかじめ生成された運行スケジュールの複数のパターンの中から、運行スケジュールの生成に適用するパターンを選択する。
【0042】
S102において、生成部112は、S101において選択されたパターンに対して1つ以上の制約条件それぞれを適用することで、制約条件ごとに運行スケジュールの候補を生成する。
S103において、処理部113は、S102において単位期間ごとに生成された運行スケジュールの候補のうち2つ以上の候補間を、対象となる単位期間それぞれの間の関連性に応じて関連付ける。
そして、S104において、出力制御部114は、S102において単位期間ごとに生成された運行スケジュールの候補と、複数の候補間の関連付けと、が提示された一連の表示情報を生成し、この表示情報が提示された画面を出力装置150に表示させる。これにより、対象となる一連の単位期間のそれぞれについて、1つ以上の制約条件それぞれに基づき生成された運行スケジュールの候補が、複数の候補間の関連性を示す情報とともにユーザに提示される。
なお、出力制御部114は、S102において生成した運行スケジュールの候補と、S103において関連付けが行われた後の運行スケジュールの候補と、のそれぞれを示す表示情報を段階的に分けて出力装置150に表示させてもよい。
【0043】
また、S105において、処理部113は、運行スケジュールの整合性の検証を行う。そして、S106において、処理部113は、運行スケジュールの整合性の検証結果としてエラーが検出されたか否かを判定する。ここでのエラーの一例としては、運行スケジュールにおける不整合の検出結果に応じたエラーや、運行スケジュール間における不整合の検出結果に応じたエラー等が該当し得る。
処理部113は、S106においてエラーを検出したと判定した場合には、処理をS107に進める。S107において、出力制御部114は、運行スケジュールの整合性の検証結果に応じた警告を報知情報として出力装置150に報知させる。この場合には、生成部112は、入力装置160を介して受け付けたユーザからの指示に基づき、運行スケジュールの候補の少なくとも一部を修正してもよい。その後、処理部113は、S108に処理を進める。
これに対して、処理部113は、S106においてエラーを検出しなかったと判定した場合には、処理をS108に進める。
【0044】
S108において、入力解析部111は、提示したUIを介して単位期間ごとに運行スケジュールの候補の指定をユーザから受け付ける。
なお、このとき処理部113は、運行スケジュールの候補の選択結果に応じて、改めて、運行スケジュールの整合性の検証を行ってもよい。また、出力制御部114は、この整合性の検証結果に応じて、警告を報知情報として出力装置150に報知させてもよい。
そして、処理部113は、対象となる一連の単位期間それぞれについて指定された候補を、この単位期間に対応する運行スケジュールとして確定することで、一連の運行スケジュールを生成する。これにより、対象となる一連の単位期間それぞれについて運行スケジュールが生成されることとなる。
【0045】
<実施例>
続いて、情報処理装置100の実施例として、運行スケジュールの生成に係るUIの一例を用いた処理を、
図6~
図12を参照して説明する。なお、本項では、情報処理装置100が列車のダイヤを日ごとに生成する場合の一例について説明する。
図6~
図12のそれぞれは、情報処理装置100の実施例について説明するための説明図であり、この情報処理装置100が出力装置150を介してユーザに提示するUIの画面の一例を示している。
【0046】
(ダイヤの生成対象となる期間の選択)
図6を参照して、ダイヤの生成対象となる期間の選択に係るUIの一例について説明する。画面200は、ダイヤの生成の対象とする期間の指定をユーザから受け付ける画面の一例を示している。画面200は、対象期間提示領域201と、対象期間指定領域202と、実行ボタン203とを含む。
対象期間提示領域201は、ダイヤの生成の対象となる期間の候補が選択肢として提示される領域である。
図6に示す例では、1年を春夏秋冬の4つの季節に分けて、各季節に対応する期間のそれぞれが、ダイヤの生成の対象となる期間として対象期間提示領域201に提示されている。また、対象期間指定領域202は、対象期間提示領域201に提示された各期間のうち少なくともいずれかの指定をユーザから受け付ける領域である。
図6に示す例では、対象期間指定領域202は、ラジオボタンとして実現されている。
実行ボタン203は、対象期間指定領域202を介して指定された期間をダイヤの生成の対象として決定し、ダイヤの生成に係る画面を表示させるために用いられる。実行ボタン203が押下されると、出力制御部114は、
図7~
図9、
図11、及び
図12を参照して後述する、ダイヤの生成に係る指示を受け付ける画面210を出力装置150に表示させる。
なお、
図7~
図9、
図11、及び
図12として示す画面210a~210dは、それぞれダイヤの生成に係る指示を受け付ける画面210の一状態を示している。そこで、以降の説明では、画面210a~210dを特に区別しない場合には、単に「画面210」と称する場合がある。
【0047】
(ダイヤの生成に利用するパターンの指定)
図7を参照して、ダイヤの生成に利用するパターンの指定に係るUIの一例について説明する。
図7に示す画面210aは、
図5のS101においてユーザに提示されるUIの画面の一例に相当する。画面210aは、画面210の一態様を示しており、特に、ダイヤの生成の対象とする日の指定と、各日においてダイヤの生成に適用するパターンの指定と、を受け付ける状態を示している。画面210aは、対象日指定領域211と、パターン指定領域214と、パターン提示領域216と、候補提示領域218とを含む。
【0048】
対象日指定領域211は、
図6に示す画面200において指定された期間に含まれる各日のうち、ダイヤの生成の対象とする日の指定をユーザから受け付ける領域である。例えば、
図7に示す例では、対象日指定領域211は、チェックボックスにより実現されている。また、
図7に示す例では、ダイヤの生成の対象として選択された日と、対象として選択されていない日と、が識別可能に提示されている。具体的には、領域213は、ダイヤの生成の対象として選択されている日に対応する領域である。また、領域212は、ダイヤの生成の対象として選択されていない日に対応する領域である。
図7に示す例では、領域212がグレーアウトされることで、既にダイヤの生成が完了している日が示されている。
【0049】
パターン指定領域214は、ダイヤの生成に利用されるパターンの指定をユーザから受け付ける領域である。パターン指定領域214には、ダイヤの生成の対象として指定された日それぞれについて、各パターンに対応する表示情報215が提示される。表示情報215は、
図7に示す例では、アイコンであるが、他の情報であってもよい。具体的な一例として、パターン指定領域214には、
図2を参照して説明した例のように、「閑散期」、「通常期」、及び「繁忙期」のそれぞれのパターンに対応する3つのアイコンが、表示情報215として表示される。ユーザは、ダイヤの生成の対象として指定した日ごとに、適用するパターンに対応したアイコンを操作することで、このパターンを選択することが可能である。
パターン提示領域216は、指定されたパターンに対応する情報が表示される領域である。出力制御部114は、パターン指定領域214を介してダイヤのパターンの指定を受け付けると、指定されたパターンを示す表示情報(例えば、アイコン)をパターン提示領域216に表示させる。これにより、ユーザは、どのパターンが選択されているかを認識することが可能となる。
【0050】
候補提示領域218は、パターン指定領域214を介して指定されたパターンに応じて生成されるダイヤの候補が提示される領域である。候補提示領域218に提示される情報の詳細については、
図8、
図9、及び
図11を参照して別途後述する。
【0051】
(ダイヤの候補の提示)
図8を参照して、指定されたパターンに応じて生成されたダイヤの候補の提示に係るUIの一例について説明する。
図8に示す画面210bは、例えば、
図5のS102として示した処理の結果に応じてユーザに提示されるUIの画面の一例に相当する。すなわち、出力制御部114は、S102の処理が行われた場合に、この処理の結果に応じて画面210aを更新することで、更新後の画面210bを出力装置150に表示させる。画面210bは、画面210の一態様を示しており、特に、指定された各日について、日ごとに指定されたパターンに基づき生成されたダイヤの候補を一覧として提示した状態を示している。219として示した表示情報(例えば、アイコン)のそれぞれは、日ごとに指定されたパターンに基づき生成された候補に対応付けられている。
【0052】
具体的には、
図2を参照して説明した例のように、生成部112は、指定されたパターンに対して1つ以上の第2の制約条件を適用することで、制約条件ごとにダイヤの候補を生成する。なお、生成部112は、互いに異なる2つ以上の第2の制約条件それぞれについて生成した複数の候補が同様の内容を示す場合には、この複数の候補をまとめて1つの候補としてもよい。そして、出力制御部114は、生成した候補ごとに表示情報219を、この候補に対応する日に関連付けて、画面210の候補提示領域218に表示する。
【0053】
図8に示す例では、生成部112は、「2019/3/18(月)」について指定された「閑散期」に対応するパターンに基づき、ダイヤの候補を1つ生成している。そのため、出力制御部114は、候補提示領域218における「2019/3/18(月)」に対応する領域に、上記1つの候補に対応付けた表示情報219aを提示している。
また、他の一例として、生成部112は、「2019/3/19(祝)」について指定された「繁忙期」に対応するパターンに基づき、ダイヤの候補を3つ生成している。そのため、出力制御部114は、候補提示領域218における「2019/3/19(祝)」に対応する領域に、上記3つの候補に対応付けた表示情報219b、219c、及び219dそれぞれを表示している。
【0054】
また、
図3及び
図5を参照して前述したように、処理部113は、生成したダイヤの候補それぞれについて、ダイヤの整合性の検証を行ってもよい。この場合には、出力制御部114は、ダイヤの整合性の検証結果としてエラーを検出した場合に、エラーが検出された候補に関連付けて警告を示す報知情報を報知してもよい。
【0055】
例えば、
図8に示す例では、処理部113は、「2019/3/19(祝)」について生成した3つの候補のうちの1つについて、ダイヤの整合性の検証結果としてエラーを検出している。そのため、出力制御部114は、エラーが検出された候補に対応付けた表示情報219dに関連付けて、警告を示す表示情報220を提示している。
図8に示す例では、出力制御部114は、表示情報219dに重畳するように、表示情報220を表示している。この警告を示す表示情報220の提示に係る処理は、例えば、
図5のS107として示した処理の一例に相当する。これにより、ユーザは、表示情報219dに対応するダイヤの候補において、ダイヤの整合性が取れていないことを認識することが可能となる。
【0056】
(ダイヤの候補間の関連付け)
図9を参照して、日ごとに生成されたダイヤの候補それぞれを、日間の関連性に応じて関連付けて提示するUIの一例について説明する。
図9に示す画面210cは、例えば、
図5のS103として示した処理の結果に応じてユーザに提示されるUIの画面の一例に相当する。すなわち、出力制御部114は、S103の処理が行われた場合に、この処理の結果に応じて画面210bを更新することで、更新後の画面210cを出力装置150に表示させる。画面210cは、画面210の一態様を示しており、特に、運行スケジュール上連続する複数の日間において、日ごとに生成されたダイヤの候補間が関連付けられて提示された状態を示している。表示情報221のそれぞれは、運行スケジュール上連続する複数の日間(すなわち、関連性を有する日間)における、日ごとに生成されたダイヤの候補間の関連性を示している。表示情報221は、複数の対象間の関連性を示すことが可能であれば提示態様は特に限定されない。表示情報221は、例えば、エッジやリンク等のように、オブジェクト間を結ぶ情報として提示されてもよい。
【0057】
また、
図3及び
図5を参照して前述したように、処理部113は、関連付けられた複数のダイヤの候補間におけるダイヤの整合性の検証を行ってもよい。この場合には、出力制御部114は、複数のダイヤの候補間におけるダイヤの整合性の検証結果としてエラーを検出した場合に、エラーが検出された候補間に関連付けて警告を示す報知情報を報知してもよい。
【0058】
例えば、
図9に示す例では、処理部113は、表示情報219a及び219dそれぞれに対応する候補間におけるダイヤの整合性の検証結果としてエラーを検出している。そのため、出力制御部114は、エラーが検出された候補間に関連付けて、警告を示す表示情報222を提示している。この警告を示す表示情報222の提示に係る処理は、
図5のS107として示した処理の一例に相当する。これにより、ユーザは、表示情報219a及び219dそれぞれに対応する候補間において、ダイヤの整合性が取れていないことを認識することが可能となる。
【0059】
また、生成部112は、入力装置160が受け付けたユーザからの指示に応じて、指定されたパターンに基づき生成された候補とは別に、新たに候補を追加してもよい。このとき、入力解析部111及び出力制御部114は、候補提示領域218に提示した一部の表示情報219に対応するダイヤの候補をひな型として、新たな候補を生成するためのUIを提供してもよい。
具体的な一例として、生成部112は、入力装置160が受け付けたユーザからの指示に応じて、パターンに基づき生成した候補のうち一部の候補の複製を生成してもよい。そして、生成部112は、入力装置160が受け付けたユーザからの指示に応じて、生成した上記候補の複製を編集することで、新たな候補としてもよい。
例えば、
図10は、ダイヤの候補の編集に係るUIの一例を示している。出力制御部114は、候補提示領域218に提示された一部の表示情報219が指定されると、この表示情報219に対応付けられたダイヤの候補の情報が提示された
図10に示すUIの画面を出力装置150に表示させる。生成部112は、
図10に示すUIを介して受け付けたユーザからの指示に応じて、このUIへの情報の表示対象となるダイヤの候補を編集する。
【0060】
(運行に適用するダイヤの決定)
図11を参照して、日ごとに提示したダイヤの候補から各日について運行に適用する候補の決定に用いられるUIの一例について説明する。
図11に示す画面210dは、例えば、
図5のS108として示した処理の結果に応じてユーザに提示されるUIの画面の一例に相当する。すなわち、出力制御部114は、S108の処理が行われた場合に、この処理の結果に応じて画面210cを更新することで、更新後の画面210dを出力装置150に表示させる。画面210dは、画面210の一態様を示しており、特に、ユーザからの指定に基づき運行に適用するダイヤの候補を決定し、その結果を表示した状態を示している。
【0061】
具体的には、処理部113は、入力装置160を介してユーザから指定された表示情報219に対応するダイヤの候補を、運行に適用する候補として決定する。この際に、出力制御部114は、日ごとに決定した運行に適用するダイヤの候補と、それ以外の他の候補と、を判別できるように、表示情報219それぞれの表示態様を制御する。
図8に示す例では、出力制御部114は、日ごとに決定した運行に適用するダイヤの候補以外の他の候補に対応する表示情報219をブラックアウトして提示している。これにより、ユーザは、日ごとに提示された一連のダイヤの候補のうち、いずれが運行に適用される候補として決定されているかを容易に識別することが可能となる。
また、他の例として、出力制御部114は、運行に適用するダイヤの候補以外の他の候補に対応する表示情報219の表示態様を変更せずに、運行に適用するダイヤの候補に対応する表示情報219の表示態様を変更してもよい。例えば、出力制御部114は、運行に適用するダイヤの候補に対応する表示情報219の背景の色をあらかじめ定められた色(例えば、青、緑等)に変更してもよいし、運行に適用するダイヤの候補に対応する表示情報219を点滅表示させてもよい。
【0062】
また、出力制御部114は、日ごとに運行に適用するダイヤの候補を決定した場合に、少なくとも一部の候補についてエラーが解消されていない場合には、警告を示す報知情報を報知してもよい。
図12には、報知される警告の一例が示されている。
【0063】
具体的には、
図12に示す例では、表示情報219a及び219cそれぞれに対応するダイヤの候補が、運行に適用するダイヤの候補として決定されている。一方で、表示情報219a及び219cそれぞれに対応するダイヤの候補間に関連付けて、警告を示す表示情報222aが表示されている。すなわち、表示情報219a及び219cそれぞれに対応するダイヤの候補間において、ダイヤの不整合が生じていることとなる。そのため、出力制御部114は、ダイアログ223を表示させることで、ユーザに対してエラーが解消していないことを報知している。
【0064】
なお、出力制御部114は、ダイアログ223に提示する情報を、ユースケースに応じて適宜変更してもよい。具体的な一例として、出力制御部114は、発生しているエラーの詳細な内容を示す情報をダイアログ223に表示してもよい。また、他の一例として、出力制御部114は、発生しているエラーを解消する方法を特定できる場合には、その方法を示す情報をダイアログ223に表示してもよい。
【0065】
<変形例>
以下に、情報処理装置100の変形例について説明する。
図3、
図8、
図9、及び
図12を参照して前述したように、情報処理装置100は、単位期間ごとの運行スケジュールの整合性と、関連付けられた複数の運行スケジュール間の整合性と、を検証し、それぞれの検証結果に応じた情報を報知することが可能である。この際に、情報処理装置100は、少なくとも2つ以上の検証結果の間に関連性があることが推測される場合には、これらの検証結果の関連性をユーザに提示してもよい。
【0066】
図9に示す例では、表示情報219a及び219dそれぞれに対応する候補間の整合性の検証結果に応じた表示情報222と、表示情報219dに対応する候補におけるダイヤの整合性の検証結果に応じた表示情報220と、が提示されている。すなわち、警告を示す表示情報220及び222のそれぞれは、表示情報219dに対応する候補に関連していることとなる。そのため、表示情報220及び222それぞれに対応するエラー間には、運行スケジュールの生成に係る何らかの関連性(因果関係)が存在する可能性がある。この場合には、出力制御部114は、
図9に示す表示情報220及び222それぞれの表示態様を制御することで、この表示情報220及び222間の関連性をユーザに提示してもよい。具体的な一例として、出力制御部114は、
図9に示す表示情報220及び222それぞれが強調されるように表示態様を制御することで、他の警告を示す情報と区別して提示してもよい。
【0067】
また、前述したように、出力制御部114は、発生したエラーの解消法を特定できる場合には、この解消法に関する情報をユーザに提示してもよい。この際に、処理部113は、単位期間ごとの運行スケジュールの整合性と、互いに関連付けられた複数の運行スケジュール間の整合性と、の因果関係(関連性)に基づき、エラーの解消法を特定してもよい。
具体的には、出力制御部114は、日ごとのダイヤの整合性の検証結果に応じてエラーが発生している場合に、日間のダイヤの調整によりこのエラーが解消できることが特定できたならば、その解消法に関する情報をユーザに提示してもよい。同様に、出力制御部114は、日間のダイヤの整合性の検証結果に応じてエラーが発生している場合に、日ごとのダイヤの調整によりこのエラーが解消できることが特定できたならば、その解消法に関する情報をユーザに提示してもよい。
【0068】
具体的な事例として、ダイヤの生成に係る制約を緩和することで、運行開始時にある駅からこの駅における滞泊本数を超えて車両が発車するようにダイヤの候補を生成することも可能である。この場合には、その駅から発車する車両の本数を調整することでエラーを解消することも可能であるが、別の手法として、前日から超過分の車両が確保されるように日間のダイヤを調整することでエラーを解消することも可能である。
【0069】
このように、処理部113は、単位期間ごとの運行スケジュールの整合性と、互いに関連付けられた複数の運行スケジュール間の整合性と、の間の因果関係に基づき、発生したエラーの解消方法を特定してもよい。このような構成が適用されることで、運行スケジュールの生成に係るユーザの手間をより低減することも可能となる。
【0070】
<補足>
なお、実施形態として上述した例では、日単位で運行スケジュールを生成する場合について説明したが、運行スケジュールの生成に係る単位期間は必ずしも日のみには限定されない。具体的な一例として、複数日を単位期間としてもよいし、半日等のような時間単位の期間を単位期間としてもよい。もちろん、週、月、年等の期間を単位期間としてもよい。単位期間としていずれを適用するかについては、運行スケジュールの管理単位に応じて適宜決定すればよい。
【0071】
また、実施形態として上述した例では、運行スケジュール上連続する複数の日等のような互いに関連性のある複数の単位期間を対象として、移動体の運行スケジュールを生成する場合の一例について説明した。一方で、互いに関連性のある複数の期間であれば、各期間の長さは必ずしも一定でなくてもよい。具体的な一例として、日単位の長さの期間と、この期間とは異なる半日単位の長さの期間と、について運行スケジュールを生成する場合についても、同様に本実施形態に係る技術を適用することが可能である。
【0072】
また、複数の運行スケジュールの候補間の関連付けに際し考慮する複数の期間の関連性についても、必ずしも、運行スケジュール上連続する複数の期間のみには限定されない。すなわち、運行スケジュールを生成するうえで相互に整合性を考慮する必要がある複数の期間であれば、本開示に係る技術をこの期間ごとの運行スケジュールの生成に適用することが可能である。
【0073】
また、実施形態として上述した例では、1種類の移動体に着目して運行スケジュールを生成する場合について説明したが、複数種類の移動体について運行スケジュールが生成されてもよい。この場合には、例えば、互いに種類の異なる移動体について生成された運行スケジュールの候補間が関連付けられてもよく、これらの候補間における運行スケジュールの整合性の検証結果に応じて報知情報(例えば、警告)が報知されてもよい。
【0074】
また、
図1及び
図4を参照して上述した情報処理装置100の構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る技術の適用先を限定するものではない。例えば、サーバ等に相当する情報処理装置と、この情報処理装置とネットワークを介して接続された端末装置と、を含む情報処理システムを利用して、前述した本実施形態に係る情報処理装置の各種機能を実現することも可能である。
この場合には、例えば、サーバ等に相当する情報処理装置側に設けられた出力制御部114が、端末装置側の出力部に
図4~
図10を参照して説明したUIが提示されるように、ネットワークを介してこの端末装置の動作を制御してもよい。
また、他の一例として、出力制御部114に相当する構成が端末装置側に設けられていてもよい。この場合には、端末装置側の出力制御部114に相当する構成は、ネットワークを介してサーバ等に相当する情報処理装置側の処理部113に相当する構成から、出力部への上記UIの提示に利用する各種情報を取得すればよい。
また、
図4に示す情報処理装置100の機能構成が、複数の装置が連携して動作することで実現されてもよい。具体的な一例として、生成部112に相当する構成と、処理部113に相当する構成と、がネットワークを介して接続された互いに異なる装置に設けられていてもよい。
【0075】
また、実施形態として上述した例では、
図2に示す例のように、情報処理装置100は、運行スケジュールに関する第1の制約条件に基づき生成されたパターンと、この第1の制約条件とは異なる第2の制約条件と、に基づき運行スケジュールの候補を生成している。一方で、運行スケジュールに関する条件を少なくとも含む制約条件に基づき、単位期間ごとに1つ以上の運行スケジュールの候補を生成することが可能であれば、運行スケジュールの候補を生成する方法は特に限定されない。
具体的な一例として、
図2を参照して説明したパターンが、運行スケジュールの候補の生成に利用されなくてもよい。例えば、情報処理装置100は、運行スケジュールに関する第1の制約条件と、この第1の制約条件とは異なる第2の制約条件と、に基づき、運行スケジュールの候補を生成してもよい。
また、他の一例として、少なくとも運行される列車の本数や種別等のような運行スケジュールに関する条件を含む制約条件に応じて、単位期間ごとに1つ以上の運行スケジュールの候補が生成されれば、この候補の生成に適用される制約条件は限定されない。例えば、情報処理装置100は、運行スケジュールに関する1種類の制約条件に基づき、単位期間ごとに1つ以上の運行スケジュールの候補を生成してもよい。また、他の一例として、情報処理装置100は、少なくとも運行スケジュールに関する制約条件を含む、3種類以上の制約条件に基づき、単位期間ごとに1つ以上の運行スケジュールの候補を生成してもよい。
【0076】
また、実施形態として上述した例では、
図6~
図12を参照して説明したように、情報処理装置100は、主に、生成された運行スケジュールの候補や、2つ以上の候補間の関係性を、表示情報としてユーザに提示している。一方で、生成された運行スケジュールの候補や、2つ以上の候補間の関係性をユーザに提示することが可能であれば、その提示方法は特に限定されない。具体的な一例として、情報処理装置100は、音声や電子音等の音を利用して上記各種情報の提示を行ってもよい。また、情報処理装置100は、情報の提示方法に応じて、この情報の提示に利用する出力部を適宜変更してもよい。具体的には、音声や電子音等の音を利用して情報の提示が行われる場合には、情報処理装置100は、出力部として、スピーカ等のような音響出力デバイスを利用することとなる。
【0077】
また、上述した情報処理装置100の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することが可能である。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等が挙げられる。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記コンピュータプログラムを実行させるコンピュータの数は特に限定されない。例えば、上記コンピュータプログラムを、複数のコンピュータ(例えば、複数のサーバ等)が互いに連携して実行してもよい。また、他の一例として、上記コンピュータが複数のプロセッサを備える場合には、上記コンピュータプログラムを、この複数のプロセッサが互いに連携して実行してもよい。
【0078】
<むすび>
以上説明したように、情報処理装置100は、関連付けられた複数の単位期間それぞれについて、単位期間ごとに指定された第1の制約条件に基づくパターンと、第2の制約条件と、に基づき、単位期間ごとに運行スケジュールの1つ以上の候補を生成する。また、上記情報処理装置は、単位期間ごとに生成された複数の候補のうち少なくとも2つ以上の候補間を、上記複数の単位期間の間の関連性に基づき関連付ける。そして、上記情報処理装置は、単位期間ごとに生成された一連の候補に関する情報を、上記候補間の関連付けに応じて、出力部に提示させる。
【0079】
以上のような構成により、ユーザは、例えば、単位期間ごとに提示された運行スケジュールの候補のうちのいずれかを適宜選択することで、運行スケジュールの生成の対象となる一連の日それぞれについて適用する運行スケジュールを決定することが可能となる。すなわち、情報処理装置100によれば、ユーザは、煩雑な操作を伴わずにより好適な運行スケジュールを作成することが可能となる。
また、情報処理装置100は、単位期間ごとに、運行スケジュールの規定に関する制約条件の下で、運行スケジュールの候補を生成することとした。即ち、情報処理装置100は、このような制約条件がある場合についてのみ、運行スケジュールの候補を作成し、制約条件がない場合についての運行スケジュールの候補を作成しない。このように、情報処理装置100は、不要な候補を作成しないため、CPU110に係る負担を軽減することが可能である。
また、情報処理装置100は、単位期間ごとの運行スケジュールの候補それぞれの生成を、他の候補の生成に依存することなく行うことが可能である。このような特性から、情報処理装置100は、単位期間ごとの運行スケジュールの候補それぞれの生成に対して並列処理を適用することが可能である。これにより、情報処理装置は、複数の候補の生成を並列して実行することで、単位期間ごとの運行スケジュールを順次生成する場合に比べて、一連の運行スケジュールの生成に係る処理の時間をより短縮することが可能となる。
【符号の説明】
【0080】
100 情報処理装置
110 CPU
111 入力解析部
112 生成部
113 演算部
114 出力制御部
120 ROM
130 RAM
140 補助記憶装置
150 出力装置
160 入力装置
170 通信装置
180 バス