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特許7376284サービス提供システム、及び、サービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】サービス提供システム、及び、サービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231031BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20231031BHJP
   E05B 49/00 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/00
E05B49/00 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019156391
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021033903
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナソニックホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】河田 真理子
(72)【発明者】
【氏名】奥津 拡
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 信吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】日高 紗彩
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-102391(JP,A)
【文献】特開2017-182313(JP,A)
【文献】特開2017-182361(JP,A)
【文献】特開2016-033740(JP,A)
【文献】特開平11-117528(JP,A)
【文献】特開2019-096209(JP,A)
【文献】特開2014-174852(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111170(WO,A1)
【文献】特開2019-124022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが建物内で提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得する取得部と、
取得された前記サービス情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定し、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第一事業者の前記サービスに関する作業の進行状況を、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第二事業者に通知する情報処理部と
前記複数のサービス提供事業者のそれぞれの、他のサービス提供事業者に対する評価を示す事業者間評価情報が記憶された記憶部とを備え、
前記情報処理部は、前記記憶部に記憶された前記事業者間評価情報に基づいて、前記複数のサービス提供事業者の中から前記2つ以上のサービス提供事業者を決定し、
決定された前記2つ以上のサービス提供事業者の相互評価の評価点は、所定値以上である
サービス提供システム。
【請求項2】
前記情報処理部は、前記第一事業者の作業の進行状況として、作業の開始時刻、及び、作業の終了時刻の少なくとも一方を、前記第二事業者に通知する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
さらに、記憶部を備え、
前記情報処理部は、
前記第一事業者の作業の進行状況を示す情報が前記第一事業者の情報端末によってアップロードされる記憶領域を、前記サービス情報が取得されたことを契機に前記記憶部内に生成し、
前記記憶領域へアクセスした前記第二事業者の情報端末に前記情報を提供することにより、前記通知を行う
請求項1または2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記サービス情報には、前記ユーザが前記サービスの提供を受けたい期間を示す情報が含まれ、
前記情報処理部は、前記期間を含む所定期間に限って、前記記憶領域へのアクセス権限を前記2つ以上のサービス提供事業者に付与する
請求項3に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
コンピュータによって実行されるサービス提供方法であって、
ユーザが建物内で提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得し、
取得された前記サービス情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定し、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第一事業者の前記サービスに関する作業の進行状況を、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第二事業者に通知し、
前記複数のサービス提供事業者のそれぞれの、他のサービス提供事業者に対する評価を示す事業者間評価情報を取得し、
取得された前記事業者間評価情報に基づいて、前記複数のサービス提供事業者の中から前記2つ以上のサービス提供事業者を決定し、
決定された前記2つ以上のサービス提供事業者の相互評価の評価点は、所定値以上である
サービス提供方法。
【請求項6】
請求項5に記載のサービス提供方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のサービス提供システムから、前記第二事業者が情報端末を通じて前記通知を受けるために、前記情報端末にインストールされるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、及び、サービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物のドアを施錠または開錠するための電気錠システムが知られている。特許文献1には、ユーザの意図に反して開錠されにくい電気錠システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-056503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気錠などが設けられた建物に、複数のサービス提供事業者のそれぞれが作業者を派遣して1つのサービスを提供する事業においては、サービスの品質を向上することが課題である。
【0005】
本発明は、高品質なサービスの提供を実現することができるサービス提供システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサービス提供システムは、ユーザが建物内で提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得する取得部と、取得された前記サービス情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定し、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第一事業者の前記サービスに関する作業の進行状況を、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第二事業者に通知する情報処理部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係るサービス提供方法は、コンピュータによって実行されるサービス提供方法であって、ユーザが建物内で提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得し、取得された前記サービス情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定し、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第一事業者の前記サービスに関する作業の進行状況を、前記2つ以上のサービス提供事業者のうちの第二事業者に通知する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記サービス提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、ユーザが第一情報端末を操作することにより前記建物において提供を受けたいサービスを指定したことに応じてサーバ装置が決定した2つ以上のサービス提供事業者の前記サービスに関する作業の進行状況を示す通知を前記サーバ装置から受けるための処理を第二情報端末に実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高品質なサービスの提供が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態に係るサービス提供システムの概要を示す図である。
図2図2は、建物の内部の間取り図の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係るサービス提供システムの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、管理情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係るサービス提供システムの動作例1の前半のシーケンス図である。
図6図6は、実施の形態に係るサービス提供システムの動作例1の後半のシーケンス図である。
図7図7は、第一携帯端末に表示されたサービス選択画面の一例を示す図である。
図8図8は、事業者情報の一例を示す図である。
図9図9は、アクセス可能エリア情報の一例を示す図である。
図10図10は、第二携帯端末に表示されたマップ情報の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態に係るサービス提供システムの動作例2のシーケンス図である。
図12図12は、サービス連携情報の一例を示す図である。
図13図13は、サービス提供事業者の位置情報を含む事業者情報の一例を示す図である。
図14図14は、作業の進行状況の通知動作のシーケンス図である。
図15図15は、第一作業者の作業の進行状況を示す画像の一例を示す図である。
図16図16は、事業者間評価情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係るサービス提供システムの概要について説明する。図1は、実施の形態に係るサービス提供システムの概要を示す図である。
【0015】
実施の形態に係るサービス提供システム100は、戸建住宅などの建物10に居住するユーザ15が、不在時に、建物10におけるサービスの提供を受けるためのシステムである。ユーザ15は、第一携帯端末40を操作して提供を受けたいサービスの内容、及び、期間を指定すると(図1の(a))、第一サーバ装置20は指定した期間に指定した内容のサービスを提供するための情報処理を行う。この結果、ユーザ15は、所望のサービスを受けることができる(図1の(b))。ここでのサービスは、例えば、宅配サービスであるが、調理サービス、水廻り掃除サービス、及び、収納整理サービスなどであってもよい。
【0016】
このようなサービスを受けるためには、サービス提供事業者の従業員(作業者)が建物10内に入る必要がある。しかしながら、セキュリティの観点、及び、ユーザ15のプライバシーの観点から作業者が建物10内を自由に移動できることは適切でないと考えられる。そこで、サービス提供システム100は、作業者が建物10の内部のうちサービスの提供に必要な領域にだけ入ることができるように建物10に設置された複数の電気錠30の開錠条件を制御する。図2は、建物10の内部の間取り図の一例を示す図であり、図中のA~Iは、複数の電気錠30の位置を示している。複数の電気錠30のそれぞれは、玄関の扉、または、部屋の扉の開錠及び施錠を行うが、複数の電気錠30には、収納の扉の開錠及び施錠を行う電気錠30が含まれてもよい。
【0017】
例えば、ユーザ15が宅配サービスを希望した場合、宅配サービスを提供する事業者に配布された鍵では、玄関の扉に取り付けられた電気錠Aしか開錠できない。つまり、宅配サービスの作業者は、建物10の玄関より先には進むことができない。一方、ユーザ15が調理サービスを希望した場合、調理サービスを提供する事業者に配布された鍵は、電気錠Aだけでなく、キッチンへ通じる扉に取り付けられた電気錠Fも開錠できる。つまり、調理サービスの作業者は、キッチンへ入ることができる。
【0018】
このように、サービス提供システム100は、サービス提供事業者のサービスの内容に応じて、当該サービス提供事業者から派遣された作業者に建物10内のどこまで入ることを許可するかを決定する。このようなサービス提供システム100は、セキュリティ、及び、ユーザ15のプライバシーに配慮したサービスの提供を実現することができる。
【0019】
[構成]
以下、このようなサービス提供システム100の機能構成について説明する。図3は、サービス提供システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0020】
図3に示されるように、サービス提供システム100は、第一サーバ装置20と、複数の電気錠30と、第一携帯端末40と、複数の第二サーバ装置50と、第二携帯端末60とを備える。以下、サービス提供システム100が備える各装置について引き続き図1図3を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
[第一サーバ装置、及び、複数の第二サーバ装置]
第一サーバ装置20は、ユーザ15に各種サービスを提供するための情報処理を行う。第一サーバ装置20は、サーバ通信部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備える。
【0022】
サーバ通信部21は、第一サーバ装置20が複数の電気錠30、第一携帯端末40、及び、複数の第二サーバ装置50とインターネット90などの広域通信ネットワークを介した通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。サーバ通信部21は、具体的には、取得部24(言い換えれば、取得回路)と、送信部25(言い換えれば、送信回路)とを有する。サーバ通信部21が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0023】
情報処理部22は、サービスを提供するための情報処理を行う。この情報処理には、複数の電気錠30の制御処理が含まれる。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0024】
記憶部23は、情報処理部22が行う情報処理に用いられる制御プログラム、及び、当該情報処理に用いられる各種情報などが記憶される記憶装置である。記憶部23は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0025】
記憶部23には、例えば、ユーザ15にサービスを提供するための管理情報が記憶される。図4は、管理情報の一例を示す図である。図4に示されるように、管理情報においては、ユーザID、ログインパスワード、複数の電気錠30それぞれのID、及び、建物10の住所(つまり、複数の電気錠30の設置場所)が対応付けられている。
【0026】
また、記憶部23には、建物10のマップ情報(図2のような建物10の内部の間取りを示す情報)が記憶される。マップ情報には、複数の電気錠30の配置を示す情報(複数の電気錠30のIDと設置位置の対応関係を示す情報)が含まれる。
【0027】
複数の第二サーバ装置50は、互いに異なるサービス提供事業者によって利用されるサーバ装置である。
【0028】
[電気錠]
電気錠30は、建物10に含まれる扉(または窓など)の開錠及び施錠を制御する。電気錠30は、電気錠本体31と、電気錠制御装置32とを備える。
【0029】
電気錠本体31は、電気錠制御装置の制御に基づいて扉を施錠及び開錠する構造体である。電気錠本体31は、具体的には、デッドボルトと、電動モータと、電動モータの駆動力をデッドボルトに伝達する伝達機構とを有する。電動モータは、錠駆動部34から出力される駆動信号に従って駆動し、電動モータの駆動力が伝達機構を介してデッドボルトに伝達されることによって、デッドボルトが施錠位置または開錠位置に移動する。
【0030】
電気錠制御装置32は、電気錠本体31を制御する。電気錠制御装置32は、鍵情報取得部33と、錠駆動部34と、制御部35と、記憶部36と、通信部37と、出音部38と、発光部39とを備える。
【0031】
鍵情報取得部33は、鍵情報を取得する。鍵情報取得部33は、例えば、複数のサービス提供事業者にあらかじめ配布されたカードキーから鍵情報を取得する、RFIDリーダである。鍵情報取得部33は、指紋などの生体情報を鍵情報として取得するセンサであってもよい。
【0032】
錠駆動部34は、電気錠本体31を駆動するための駆動装置である。錠駆動部34は、具体的には、制御部35から出力される制御信号に基づいて電気錠本体31が有する電動モータに駆動信号を出力する。なお、錠駆動部34は、電気錠本体31に含まれてもよい。
【0033】
制御部35は、鍵情報取得部33によって取得された鍵情報に基づいて錠駆動部34に制御信号を出力することにより電気錠30を制御する。つまり、制御部35は、扉の施錠及び開錠を制御する。制御部35は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0034】
記憶部36は、制御部35によって実行される制御プログラムが記憶される記憶装置である。記憶部36は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0035】
通信部37は、電気錠30が第一サーバ装置20とインターネット90などの広域通信ネットワークを介した通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部37によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信部37が行う通信の通信規格については特に限定されない。なお、通信部37は、図示されないゲートウェイ装置などの他の装置を介してインターネット90に接続してもよい。
【0036】
出音部38は、制御部35によって制御され、警告音などの音声を出力する。出音部38は、具体的には、スピーカによって実現される。
【0037】
発光部39は、制御部35によって制御され、点灯及び消灯する。発光部39は、具体的には、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子によって実現される。
【0038】
[第一携帯端末、第二携帯端末]
第一携帯端末40は、建物10に居住するユーザ15が所有する、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末である。つまり、第一携帯端末40は、一般的な通信プロトコル(HTTPなど)を使用でき、かつ、専用アプリケーションプログラムが動作する汎用の情報端末である。しかしながら、第一携帯端末40は、サービス提供システム100専用の簡易的な操作端末であってもよい。専用の簡易的な操作端末は、例えば、最低限のボタンを有する。ユーザ15は、このボタンを押すだけで頻繁に利用するサービスの依頼を所定のタイミングで行うことができる。所定のタイミングは、例えば、ボタンを押してから一定期間(例えば、3時間)以内であるが、ボタンが押された日の決まった時間帯などであってもよい。
【0039】
第二携帯端末60は、サービスの提供のために建物10を訪問する作業者が所有する、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末である。
【0040】
[動作例1]
次に、サービス提供システム100の動作例1について説明する。図5及び図6は、サービス提供システム100の動作例1のシーケンス図である。
【0041】
まず、図5を参照しながらサービスが提供されるまでのサービス提供システム100の動作について説明する。第一携帯端末40は、ユーザ15のログイン操作、及び、サービス選択操作を受け付ける(S11)。図7は、サービス選択画面の一例を示す図である。図7に示されるように、ユーザ15は、例えば、あらかじめ定められた複数種類のサービスの中から1つのサービスを選択し、さらに、当該サービスを受けたい期間を指定する。
【0042】
サービス選択操作が受け付けられると、第一携帯端末40は、サービス情報を第一サーバ装置20に送信する(S12)。サービス情報は、ユーザ15が提供を受けたいサービスを示す情報であり、サービス情報には、ユーザ15が建物10においてサービスの提供を受けたい期間を示す情報が含まれる。
【0043】
第一サーバ装置20の取得部24は、サービス情報を第一携帯端末40から取得する。情報処理部22は、取得したサービス情報と、記憶部23にあらかじめ記憶される事業者情報とに基づいて、サービスの提供を依頼する対象事業者を選択する(S13)。図8は、事業者情報の一例を示す図である。
【0044】
図8に示されるように、事業者情報においては、サービスの内容と、サービス提供事業者と、サービス提供事業者が使用する第二サーバ装置50のIDと、サービス提供事業者にあらかじめ配布された鍵情報(カードキーを読み取った場合に得られる情報)と、評価点(後述)とが紐づけられている。情報処理部22は、例えば、事業者情報を用いて、ステップS12で取得されたサービス情報が示すサービスを提供する事業者の第二サーバ装置50に、建物10において、サービス情報において指定された期間にサービスの提供が可能かであるか否かの問い合わせを行う。そして、情報処理部22は、問い合わせの結果サービスの提供が可能であると応答した事業者の1つを対象事業者として決定する。
【0045】
なお、対象事業者の決定方法は特に限定されない。対象事業者を1つに絞り込む方法は、例えば、費用の安さに基づく方法、及び、評価情報(後述)が示す評価に基づく方法などが例示される。また、サービスの提供が可能であると応答した1以上の事業者を、第一携帯端末40を介してユーザ15に提示し、ユーザ15によって対象事業者が選択されてもよい。また、最初からユーザ15によってサービス提供事業者が指定されてもよく、この場合、例えば、ステップS11においてサービス提供事業者が指定される。
【0046】
ステップS13の次に、情報処理部22は、サービス情報が示すサービスの内容に基づいて対象電気錠を決定する(S14)。対象電気錠は、複数の電気錠30のうち対象事業者から建物10に派遣される作業者に開錠することができる電気錠30である。つまり、情報処理部22は、対象事業者から建物10に派遣される作業者に建物10内のどのエリアまでの入室(アクセス)を許容するかを決定する。情報処理部22は、例えば、あらかじめ記憶部23に記憶されたアクセス可能エリア情報を参照することにより、対象電気錠を決定することができる。図9は、アクセス可能エリア情報の一例を示す図である。なお、図9における電気錠A~Iは、図2の電気錠A~Iを意味する。
【0047】
ステップS14の次に、情報処理部22は、対象電気錠に、少なくともサービス情報において指定された期間に対象事業者の鍵情報を有効にすることを指令する(S15)。言い換えれば、情報処理部22は、サービス情報において指定された期間とその前後の予備期間を含む所定期間に限って、対象事業者の鍵情報が得られたときに(つまり、作業者がカードキーを近づけたときに)開錠(または施錠)するように対象電気錠に指令する。情報処理部22は、具体的には、上記所定期間を示す期間情報、及び、事業者情報から得られる対象事業者の鍵情報を含む指令を送信部25に対象電気錠へ送信させる。
【0048】
なお、この指令は対象電気錠以外の電気錠30には行われない。対象電気錠の制御部35は、通信部37によって受信された指令に含まれる情報を記憶部36に記憶する。これにより、複数の電気錠30のうち対象電気錠のみが上記所定期間において対象事業者の鍵情報を有効にすることができる。
【0049】
ステップS15の次に、情報処理部22は、送信部25に、対象事業者の第二サーバ装置50へ建物10の内部のマップ情報を送信させる(S16)。マップ情報は、例えば、第二サーバ装置50から、対象事業者の作業者が所持する第二携帯端末60に提供される。マップ情報は、第一サーバ装置20から第二携帯端末60に直接送信されてもよい。図10は、第二携帯端末60に表示されたマップ情報の一例を示す図である。
【0050】
図10に示されるように、マップ情報においては、建物10の内部のうち対象事業者の鍵情報を用いて入ることが可能なエリアが示されている。このようなマップ情報によれば、作業者は、建物10の内部のどのエリアに入ることができるか、及び、自身がどのエリアで作業を行うかを容易に把握することができる。
【0051】
その後、上記所定期間の開始時刻の一定時間前(例えば、1時間前)になると、情報処理部22は、複数の電気錠30の全てを施錠するための施錠指令を行う(S17)。情報処理部22は、送信部25に複数の電気錠30の全てへ施錠指令を送信させる。施錠指令は、作業者が建物10を訪れる前に、建物10内の全ての電気錠30をいったん施錠するために行われる。施錠指令によれば、いったん全ての電気錠30が施錠されるため、作業者の訪問時に電気錠30が開錠されたままになってしまい、作業者が本来入るべきでないエリアに入ってしまうことが抑制される。
【0052】
なお、電気錠30が設けられたドアまたは窓が開いたままの場合には、当該電気錠30の施錠ができない場合がある。このような場合、電気錠30は、出音部38から警告音(または警告メッセージ)を発することにより、建物10内にいると考えられるユーザ15にドアまたは窓を閉めることを促してもよい。また、第一サーバ装置20がドアまたは窓の開閉を制御できるような場合(例えば、ドアが電気的に制御可能な自動ドアである場合など)には、ドアまたは窓を閉じる制御が行われてもよい。
【0053】
上記施錠指令は、より詳細には、上記所定期間の開始時刻の一定時間前のタイミング、及び、ユーザ15が外出する直前のタイミングのうち早いほうのタイミングで行われる。つまり、ユーザ15が建物10の中にいると推定されるタイミングで行われる。これにより、上記警告音を発する制御などがより効果的なものとなる。ユーザが外出する直前のタイミングは、例えば、建物10におけるホームセキュリティシステムの外出設定(ユーザ15が外出する直前に行う設定)が行われたことを検出することなどにより特定される。
【0054】
そして、上記所定期間中に、作業者がカードキーによって対象電気錠を開錠する。具体的には、対象電気錠の鍵情報取得部33は、作業者が近づけたカードキーから鍵情報を取得し、制御部35は、取得された鍵情報がステップS15において記憶部36に記憶された鍵情報と一致する場合に、錠駆動部34を介して電気錠本体31を開錠する。その後、作業者が建物10内に入って作業を行うことにより、ユーザ15の所望のサービスが提供される(S18)。対象電気錠以外の電気錠30の記憶部36には、対象事業者の鍵情報が記憶されていないため、対象電気錠以外の電気錠30を対象事業者の鍵情報で開錠することはできない。
【0055】
なお、所定期間中に、複数の電気錠30のそれぞれは、発光部39の発光態様により、作業者がカードキーで当該電気錠30を開錠できるか否かを示してもよい。例えば、作業者がカードキーで開錠できる電気錠30(つまり、対象電気錠)は第一の色(例えば、青色)で発光し、作業者がカードキーで開錠できない電気錠30は第一の色と異なる第二の色(例えば、赤色)で発光することで、作業者は、カードキーで開錠可能な電気錠30を容易に把握することができる。なお、作業者が開錠できるか否かは、発光部39の発光態様で区別できればよく、例えば、発光部39の点滅などによって区別されてもよい。
【0056】
また、所定期間中に、対象電気錠以外の電気錠30が開錠された場合には、当該電気錠30の出音部38は、警告音を発してもよい。
【0057】
次に、図5に代えて図6を参照しながら、サービスが提供された後のサービス提供システム100の動作について説明する。作業者は、作業が完了すると、第二携帯端末60に作業完了操作を行う。第二携帯端末60はこれを受け付け(S19)、作業完了通知を第一サーバ装置20に送信する(S20)。
【0058】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によって作業完了通知が取得されると、課金処理を行う(S21)。情報処理部22は、具体的には、管理情報(図4)において、サービスの提供にかかった費用をユーザ15のユーザIDに対応付けられた請求金額に加算する。なお、サービスの利用料金は、定額制であってもよく、この場合、ステップS21の課金処理は省略される場合がある。
【0059】
その後、ユーザ15は帰宅して建物10内の状態(サービスの提供結果)を確認し、第一携帯端末40へサービスに対する評価操作を行う。第一携帯端末40は評価操作を受け付け(S22)、評価結果を示す個別評価情報を第一サーバ装置20に送信する(S23)。
【0060】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によって個別評価情報が取得されると、事業者情報(図8)に含まれる評価情報を更新する(S24)。情報処理部22は、具体的には、事業者情報において、対象事業者に対応付けられた評価情報に、個別評価情報が示す評価点を反映させる。なお、評価情報は、例えば、個別評価情報が示す評価点の過去の平均値を示す。
【0061】
以上説明したように、サービス提供システム100は、サービス提供事業者の作業者が開錠可能な電気錠30をサービスの内容に応じて制限する。このようなサービス提供システム100は、セキュリティ、及び、ユーザ15のプライバシーを配慮したサービスの提供を実現することができる。
【0062】
[動作例1の変形例]
ところで、ステップS14の対象電気錠の選択においては、アクセス可能エリア情報に加えて、評価情報が用いられてもよい。例えば、図9のアクセス可能エリア情報に基づけば、宅配サービスの作業者に対しては、電気錠Aのみが対象電気錠とされる。しかしながら、ユーザ15は、評価情報における評価が高い宅配サービス提供事業者の作業員であれば、これを信頼して電気錠Fをさらに対象電気錠としてリビングまで荷物を運んで欲しいと考える場合がある。
【0063】
そこで、情報処理部22は、サービス情報が示すサービスが宅配サービスであり、かつ、対象事業者の評価点が所定値以上である場合には、アクセス可能エリア情報によって特定される電気錠Aに加えて、電気錠Fを対象電気錠として選択する。なお、サービス提供事業者の評価が高い場合にどの電気錠30を対象電気錠に追加するかは、例えば、あらかじめユーザ15の承認を得たうえでアクセス可能エリア情報において規定される。
【0064】
このように、情報処理部22は、複数の電気錠30のうちどの電気錠30を対象電気錠とするかを、サービス情報が示すサービスの内容、及び、評価情報に基づいて決定してもよい。
【0065】
なお、上記実施の形態では、評価情報は、サービス提供事業者ごとの評価を示しているが、サービス提供事業者の作業者ごとの評価を示してもよい。つまり、評価情報は、企業(事業者)単位の評価ではなく、個人単位の評価を示してもよい。この場合、情報処理部22は、複数の電気錠30のうちどの電気錠を対象電気錠とするかを、サービス情報が示すサービスの内容、及び、個人単位の評価情報に基づいて決定してもよい。
【0066】
[動作例2:全体の動作]
動作例1では、ユーザの所望のサービスが1つのサービス提供事業者(対象事業者)によって提供されたが、ユーザの所望のサービスを実現するために、複数のサービス提供事業者の協力が必要なケースがある。例えば、食事の提供サービスであって、買物を行って建物10に食材を運び、建物10内で時間までに料理を完成させるようなサービス(以下、買物・調理サービスと記載する)では、建物10に食材を運ぶ事業者、及び、建物10に料理人を派遣する事業者の両方に業務依頼を行う必要がある。以下、このようなケースを想定した動作例2について説明する。図11は、サービス提供システム100の動作例2のシーケンス図である。なお、以下の動作例2の説明では、動作例1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は適宜省略される。
【0067】
第一携帯端末40は、ユーザ15のログイン操作、及び、サービス選択操作を受け付ける(S31)。動作例2では、ユーザ15は、複数のサービス提供事業者の関与が必要なサービス(例えば、上述の買物・調理サービス)を選択し、さらに、当該サービスを受けたい期間を指定する。
【0068】
サービス選択操作が受け付けられると、第一携帯端末40は、サービス情報を第一サーバ装置20に送信する(S32)。サービス情報は、ユーザ15が提供を受けたいサービスを示す情報であり、サービス情報には、ユーザ15が建物10においてサービスの提供を受けたい期間を示す情報が含まれる。
【0069】
第一サーバ装置20の取得部24は、サービス情報を第一携帯端末40から取得する。情報処理部22は、取得したサービス情報と、事業者情報(図8)と、記憶部23にあらかじめ記憶されるサービス連携情報とに基づいて、業務を依頼する2つ以上の対象事業者を選択する(S33)。図12は、サービス連携情報の一例を示す図であり、サービス連携情報においては、サービス内容と、当該サービスを提供するために業務を依頼する必要がある2つ以上のサービス事業者とが対応付けられている。
【0070】
例えば、ユーザ15が買物・調理サービスを選択した場合、サービス連携情報、及び、事業者情報に基づいて、買物代行サービスを提供する対象事業者と、調理サービスを提供する対象事業者とがそれぞれ1社ずつ選択される。つまり2つの対象事業者が選択される。対象事業者の選択方法は、動作例1と同様である。
【0071】
なお、対象事業者の選択においては、サービス提供事業者の事業所等の位置情報(住所、または、座標など)が用いられてもよい。この場合、事業者情報は、サービス提供事業者の事業所等の位置情報を含む。図13は、サービス提供事業者の位置情報を含む事業者情報の一例を示す図である。
【0072】
例えば、情報処理部22は、サービス提供事業者の位置情報に基づいて、建物10までの距離が所定範囲内の事業所等を有するサービス提供事業者の中から2つ以上の対象事業者を選択してもよい。これにより、2つ以上の対象事業者から派遣される作業者が渋滞などにより遅れることが抑制され、サービスの提供に遅延が生じることが抑制される。なお、複数のサービス提供事業者のそれぞれは、あらかじめサービス提供可能な対象エリアを登録しておき、対象エリア内におけるサービスの提供の依頼のみを受け付けてもよい。
【0073】
ステップS33の次に、情報処理部22は、サービス情報が示すサービスの内容に基づいて対象電気錠を決定し(S34)、対象電気錠に、サービス情報において指定された期間に対象事業者の鍵情報を有効にすることを指令する(S35)。
【0074】
また、情報処理部22は、記憶部23に選択した2つ以上の対象事業者が作業の進行状況を共有するための記憶領域を生成し(S36)、この記憶領域へアクセスするための認証情報(具体的には、ログインID及びパスワードなど)を2つ以上の対象事業者の第二サーバ装置50のそれぞれに送信する(S37)。つまり、情報処理部22は、記憶領域へのアクセス権限を2つ以上の対象事業者に付与する。なお、認証情報は、例えば、第二サーバ装置50から、対象事業者の作業者(作業者が所持する第二携帯端末60)に提供される。認証情報は、第一サーバ装置20から第二携帯端末60に直接送信されてもよい。
【0075】
なお、認証情報が送信されることは必須ではない。例えば、図8または図13の事業者情報においてあらかじめ各事業者のログインID及びパスワードが管理されている場合がある。このような場合、情報処理部22は、事業者情報に含まれる2つ以上の対象事業者のログインID及びパスワードを、ステップS36で生成した記憶領域へアクセス可能な認証情報として登録することで、記憶領域へのアクセス権限を2つ以上の対象事業者に付与することができる。
【0076】
その後、動作例1と同様に、マップ情報の送信(S38)、及び、施錠指令(S39)が行われた後、2つ以上の対象事業者のそれぞれから派遣された作業者が建物10内に入って作業を行うことにより、ユーザ15の所望のサービスが提供される(S40)。
【0077】
なお、記憶領域へのアクセス権限は、ユーザ15にも与えられてもよい。これにより、ユーザ15は、図15(後述)の画像によって作業の進行状況を把握することができる。
【0078】
また、記憶領域へのアクセス権限は、上記所定期間の経過後に無効化されてもよい。つまり、情報処理部22は、上記所定期間に限って、記憶領域へのアクセス権限を2つ以上の対象事業者に提供してもよい。これにより、記憶部23の記憶領域を別のサービスにおける情報の共有に使用することができる。つまり、記憶部23の記憶領域を有効に活用することができる。
【0079】
[動作例2:作業の進行状況の通知(共有)]
上記買物・調理サービスでは、買物代行サービスを提供する第一事業者の作業者が食材を届けた後でなければ、調理サービスを提供する第二事業者の作業者は作業(調理)を行うことができない。このような場合に、上記記憶領域において第一事業者の作業者の作業の進行状況(言い換えれば、進捗状況)が共有されることが有用である。そこで、サービス提供システム100は、上記記憶領域を利用して、第一事業者の作業者の作業の進行状況を第二事業者の作業者に通知する。図14は、作業の進行状況の通知動作のシーケンス図である。
【0080】
なお、以下の図14に示される動作は、例えば、上記ログインID及びパスワードを用いて所定のアプリケーションプログラム実行中の第二携帯端末60を用いて行われる。以下の説明では、2つの第二携帯端末60を区別するために、第一事業者の作業者は第二携帯端末Aを使用し、及び、第二事業者の作業者は、第二携帯端末Bを使用するものとする。
【0081】
また、以下の図14に示される動作の説明では、第一事業者の作業者は、第一作業者とも記載され、第二事業者の作業者は、第二作業者とも記載される。また、以下の説明において、第一作業者は、適宜、第一事業者と読み替えられてよく、第二作業者は、適宜、第二事業者と読み替えられてよい。
【0082】
第一作業者は、買物の開始時点、買物の終了時点、及び、食材の配達の完了時点などの実績を、第二携帯端末Aを操作することで入力する。第二携帯端末Aは操作を受け付けたこと(S41)を契機に、作業の進行状況を示す情報を送信する(S42)。この情報は、具体的には、買物の開始時点、買物の終了時点、及び、食材の配達の完了時点などを示す情報である。
【0083】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によってこのような情報が取得されると、取得された情報を、記憶部23の記憶領域に記憶する(S43)。このように、第二携帯端末Aは、作業の進行状況を示す情報を記憶領域にアップロードする。
【0084】
第二携帯端末Bは、第二作業者の所定の操作を受け付けると(S44)、第一サーバ装置20へ、第一作業者の作業の進行状況を示す情報の提供要求を送信する(S45)。第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によってこのような情報が取得されると、記憶部23の記憶領域に記憶された第一作業者の作業の進行状況を示す情報を第二携帯端末Bに送信(言い換えれば、提供)する(S46)。この結果、第二携帯端末Bの表示部には、図15に示されるような画像が表示される。図15は、第一作業者の作業の進行状況を示す画像の一例を示す図である。
【0085】
図15に示される画像においては、第一作業者の作業の予定に対する実績(つまり、進行状況)が時間軸上に表示されている。具体的には、買物の開始時点、買物の終了時点、及び、食材の配達の完了時点が示されている。なお、作業の予定は、サービス情報に基づいてあらかじめ定められる。このような画像によれば、第二作業者は、第一作業者の作業の進行状況を把握することができる。第二作業者は、第一作業者の作業が遅れている場合には、建物10を訪問する時間を調整するなどのスケジュールの遅れに対処することができる。
【0086】
なお、第一作業者の作業の進行状況は、第二作業者の作業の予定に反映されてもよい。例えば、図15の例のように、第一作業者の作業の進行状況が予定よりも15分遅れている場合には、第二作業者の作業の予定が自動的に15分遅れて表示されてもよい。つまり、先に作業を行う作業者の作業の進行状況に基づいて、後に作業を行う作業者の作業予定が自動調整されてもよい。
【0087】
また、図15では、第一作業者の作業が予定よりも遅れる例が示されているが、第一作業者の作業が予定よりも早まる場合もある。このような場合も、第一作業者の作業の進行状況が第一作業者及び第二作業者で共有されていることで、第二作業者が早めに作業を開始するなど第二作業者が時間の余裕を利用して作業を行うことができる。したがって、サービスの提供のオペレーション全体が効率化される効果が得られる。
【0088】
ところで、図15に示されるように、第一作業者、及び、第二作業者は、上記記憶領域を利用して、メッセージを交換する(チャットを行う)こともできる。これにより、第一作業者及び第二作業者は、作業の進行状況の詳細などをやり取りすることができる。なお、メッセージの交換は、例えば、図14と同様の動作シーケンスに基づいて行われる。
【0089】
以上説明したように、サービス提供システム100は、2つ以上の対象事業者が作業の進行状況に関する情報を共有するための環境を提供することができる。サービス提供システム100は、具体的には、記憶領域へアクセスした第二作業者の第二携帯端末Bに第一作業者の進行状況を示す情報を提供することができる。
【0090】
なお、図14の動作シーケンスは、第一作業者の作業の進行状況を第二作業者に通知する例を示しているが、サービス提供システム100は、第二作業者の作業の進行状況を第一作業者に通知することもできる。
【0091】
[動作例2の変形例1]
上記動作例2では、第一作業者の作業の進行状況は、第二携帯端末Aへの操作によって手動入力されたが、第一サーバ装置20によって推定されてもよい。上述のように、第一サーバ装置20は、管理情報において建物10の位置を管理している。このため、第一サーバ装置20の取得部24によって、第二携帯端末Aが有するGPSモジュールによって計測される第二携帯端末Aの位置情報が定期的に取得されれば、情報処理部22は、建物10と第二携帯端末Aとの位置関係を認識し、作業の進行状況(例えば、建物10への到着時刻または到着予想時刻など)を推定することができる。
【0092】
[動作例2の変形例2]
上記動作例2においては、対象事業者の選択方法としてサービス提供事業者の事業所等の位置情報(住所、または、座標など)を用いる例について説明された。ここで、対象事業者の選択においては、複数のサービス提供事業者のそれぞれの、他のサービス提供事業者に対する評価を示す事業者間評価情報が用いられてもよい。図16は、事業者間評価情報の一例を示す図である。
【0093】
事業者間評価情報は、上記動作例1の評価情報と同様の要領で、記憶部23にあらかじめ記憶される。具体的には、サービスの提供が完了した後に、対象事業者の作業者は、他の対象事業者(つまり、サービスの提供に際して連携したサービス提供事業者)を評価するための評価操作を第二携帯端末60に対して行う。この結果、サービス提供事業者の個別評価情報が第一サーバ装置20に送信される。
【0094】
第一サーバ装置20の情報処理部22は、取得部24によってサービス提供事業者の個別評価情報が取得されると、事業者間評価情報を更新する。情報処理部22は、具体的には、事業者間評価情報に個別評価情報が示す評価点を反映させる。なお、事業者間評価情報は、例えば、個別評価情報が示す評価点(最高5点)の過去の平均値を示す。
【0095】
情報処理部22は、このような事業者間評価情報を用いて、2つ以上の対象事業者の選択を行ってもよい。情報処理部22は、具体的には、事業者間評価情報が示す評価点が所定値よりも低いサービス提供事業者のペアが含まれないように、2つ以上の対象事業者の選択を行う。ここでの「事業者間評価情報が示す評価点が所定値よりも低い」は、例えば、一方の他方への評価点、及び、他方の一方への評価点のいずれかが所定値よりも低いことを意味するが、一方の他方への評価点、及び、他方の一方への評価点の両方が所定値よりも低いという意味であってもよい。
【0096】
このように事業者間評価情報を用いて2つ以上の対象事業者が選択されれば、2つ以上の対象事業者の中に相性の悪いサービス提供事業者のペアが含まれないため、サービスの提供に際して事業者間の連携の強化が期待できる。つまり、サービスの質の向上が期待できる。
【0097】
また、対象事業者の選択においては、ユーザ15の複数のサービス提供事業者のそれぞれに対する評価を示す評価情報が用いられてもよい。情報処理部22は、例えば、動作例1で説明した評価情報と同様の手法で、ユーザ15の複数のサービス提供事業者への評価を示す評価情報を記憶部23に記憶することができる。これにより、ユーザ15が同じサービスの提供を何度か繰り返して受けるうちに、ユーザ15の評価が高いサービス提供事業者が優先的に選択されるようになる。したがって、ユーザ15は、より満足度の高いサービスの提供を受けることができる可能性が高くなる。
【0098】
[動作例2の変形例3]
上記動作例2においては、対象事業者の選択方法としてサービス提供事業者の事業所等の位置情報(住所、または、座標など)を用いる例について説明された。ここで、2つ以上の対象事業者が選択された後に、一部の対象事業者が何らかのアクシデントにより参加をキャンセルする場合が考えられる。このような場合、情報処理部22は、対象事業者を追加選択する。
【0099】
情報処理部22は、具体的には、事業者情報に基づいて、建物10までの距離が所定範囲内の事業所等を有するサービス提供事業者であって、参加をキャンセルしたサービス提供事業者と同じサービスを提供する(言い換えれば、サービス内容が同じである)サービス提供事業者を選択する。このようなサービス提供事業者が存在しない場合には、情報処理部22は、上記所定範囲外のサービス提供事業者を探索する。つまり、選択の要件を緩和する。これにより、サービス提供システム100は、参加のキャンセルに対応することができる。
【0100】
[動作例2の変形例4]
上記動作例2では、作業の進行状況は、第二携帯端末60のアプリケーションプログラムを利用して共有された。しかしながら、サービス提供システム100は、ある事業者のサービスに関する作業の進行状況を、他の事業者に通知できればよく、この通知は、電子メールの配信によって行われてもよいし、WEBサイトを利用して行われてもよい。
【0101】
[効果等]
以上説明したように、サービス提供システム100は、ユーザ15が建物10内で提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得する取得部24と、取得されたサービス情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定し、2つ以上のサービス提供事業者のうちの第一事業者の前記サービスに関する作業の進行状況を、2つ以上のサービス提供事業者のうちの第二事業者に通知する情報処理部22とを備える。
【0102】
このようなサービス提供システム100は、作業の進行状況の通知を行うことで所属の異なる複数の作業者の連携を促すことができる。したがって、サービス提供システム100は、高品質なサービスの提供を実現することができる。
【0103】
また、例えば、情報処理部22は、第一事業者の作業の進行状況として、作業の開始時刻、及び、作業の終了時刻の少なくとも一方を、第二事業者に通知する。
【0104】
このようなサービス提供システム100は、第一事業者の、作業の開始時刻、及び、作業の終了時刻の少なくとも一方の通知を行うことで、第二事業者にスケジュールの変化に応じた対処を促すことができる。
【0105】
また、例えば、サービス提供システム100は、さらに、記憶部23を備える。情報処理部22は、第一事業者の作業の進行状況を示す情報が第一事業者の情報端末(例えば、第二携帯端末A)によってアップロードされる記憶領域を、サービス情報が取得されたことを契機に記憶部23内に生成し、記憶領域へアクセスした第二事業者の情報端末(例えば、第二携帯端末B)に上記情報を提供することにより、通知を行う。
【0106】
このようなサービス提供システム100は、情報を共有するための環境(記憶領域)を提供することで、複数の作業者の連携を促すことができる。
【0107】
また、例えば、サービス情報には、ユーザ15がサービスの提供を受けたい期間を示す情報が含まれる。情報処理部22は、上記期間を含む所定期間に限って、記憶領域へのアクセス権限を2つ以上のサービス提供事業者に付与する。
【0108】
このようなサービス提供システム100は、所定期間の満了後には、記憶部23の記憶領域を別のサービスにおける情報の共有に使用することができる。つまり、サービス提供システム100は、記憶部23の記憶領域を有効に活用することができる。
【0109】
また、例えば、サービス提供システム100は、さらに、複数のサービス提供事業者のそれぞれの、他のサービス提供事業者に対する評価を示す事業者間評価情報が記憶された記憶部23を備える。情報処理部22は、記憶部23に記憶された事業者間評価情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定する。この場合の記憶部23は、第一記憶部の一例である。
【0110】
このようなサービス提供システム100は、相性の悪いサービス提供事業者のペアが含まれないように2つ以上のサービス提供事業者を選択することで、サービスの提供に際して事業者間の連携の強化を促すことができる。
【0111】
また、例えば、サービス提供システム100は、さらに、複数のサービス提供事業者のそれぞれの位置情報が記憶された記憶部23を備える。情報処理部22は、記憶部23に記憶された位置情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定する。この場合の記憶部23は、第二記憶部の一例である。
【0112】
このようなサービス提供システム100は、建物10までの距離が所定範囲内の事業所等を有するサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を選択することで、2つ以上の対象事業者から派遣される作業者が渋滞などにより遅れることを抑制することができる。つまり、サービス提供システム100は、サービスの提供に遅延が生じることを抑制することができる。
【0113】
また、サービス提供システム100などのコンピュータによって実行されるサービス提供方法は、ユーザ15が建物10内で提供を受けたいサービスを示すサービス情報を取得し、取得されたサービス情報に基づいて、複数のサービス提供事業者の中から2つ以上のサービス提供事業者を決定し、2つ以上のサービス提供事業者のうちの第一事業者のサービスに関する作業の進行状況を、2つ以上のサービス提供事業者のうちの第二事業者に通知する。
【0114】
このようなサービス提供方法は、作業の進行状況の通知を行うことで所属の異なる複数の作業者の連携を促すことができる。したがって、サービス提供方法は、高品質なサービスの提供を実現することができる。
【0115】
また、第二携帯端末60にインストールされるアプリケーションプログラムは、ユーザが第一携帯端末40を操作することにより建物10において提供を受けたいサービスを指定したことに応じて第一サーバ装置20が決定した2つ以上のサービス提供事業者のサービスに関する作業の進行状況を示す通知を第一サーバ装置20から受けるための処理を第二携帯端末60に実行させるためのプログラムである。第一携帯端末40は、第一情報端末の一例であり、第二携帯端末60は、第二情報端末の一例である。
【0116】
このようなプログラムは、作業者が作業の進行状況の通知を受けることを支援することで所属の異なる複数の作業者の連携を促すことができる。したがって、このようなプログラムは、高品質なサービスの提供を実現することができる。
【0117】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0118】
例えば、上記実施の形態では、建物は戸建住宅であるとして説明されたが、建物は集合住宅であってもよいし、住宅以外の建物であってもよい。また、上記実施の形態では、建物におけるサービスはユーザが不在であるときに提供されると説明されたが、サービスは、ユーザが建物内にいるときに提供されてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態では、複数のサービス提供事業者への業務依頼が必要なサービスとして、買物・調理サービスが例示されたが、複数のサービス提供事業者への業務依頼が必要なサービスはこのようなサービスに限定されない。その他のサービスとしては、例えば、室内の装飾サービスを提供するサービス提供事業者、及び、調理サービスを提供するサービス提供事業者への業務依頼が必要なパーティ準備サービスなどが例示される。
【0120】
また、上記買物・調理サービスでは、買物が終わった後でないと調理ができない、というように作業の順序に制約があったが、作業の順序に制約が無い場合もある。例えば、上記パーティ準備サービスでは、室内の装飾作業と、調理作業とは順序に制約はなく、これらの作業は並行して行われてもよい。なお、複数のサービス提供事業者への業務依頼が必要なサービスは、3つ以上のサービス提供事業者への業務依頼が必要なサービスであってもよい。
【0121】
また、上記実施の形態では、電気錠は、あらかじめサービス提供事業者に配布されたカードキーによって開錠または施錠された。しかしながら、電気錠の開錠または施錠には、作業者の生体情報(指紋など)が用いられてもよい、あらかじめ第一サーバ装置の記憶部に生体情報が鍵情報として記憶されていれば、生体情報による電気錠の開錠または施錠を実現することができる。
【0122】
また、鍵情報は、サービス情報が取得される前にあらかじめ配布される必要はない。例えば、第一サーバ装置によって、サービス情報が取得されるごとに第二携帯端末に一時的なトークンが配信されることにより、トークンが記憶された第二携帯端末がカードキー代わりに使用されてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態で携帯端末を使用して行われる処理は、携帯端末に代えてパーソナルコンピュータまたはサーバ装置などの据え置き型の情報端末を使用して行われてもよい。
【0124】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、サービス提供システムは、建物に設置されるホームコントローラなどの制御装置を備え、第一サーバ装置によって行われる情報処理の一部または全部が、この制御装置によって行われてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0126】
また、上記実施の形態のシーケンス図で説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0127】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0128】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0129】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、電気錠、または、電気錠制御装置として実現されてもよい。本発明は、サービス提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態において、サービス提供システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、サービス提供システムは、第一サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。また、サービス提供システムが複数の装置によって実現される場合、サービス提供システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0131】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0132】
10 建物
15 ユーザ
20 第一サーバ装置
22 情報処理部
23 記憶部
24 取得部
60 第二携帯端末(第一事業者の情報端末、第二事業者の情報端末)
100 サービス提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16