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特許7376338媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20231031BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20231031BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B65H7/06
B65H3/06 350B
H04N1/00 567J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019229531
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021095277
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】庭田 智行
(72)【発明者】
【氏名】舟木 健
(72)【発明者】
【氏名】北野 浩行
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-222511(JP,A)
【文献】特開平05-058512(JP,A)
【文献】特開2008-169026(JP,A)
【文献】特開2015-218056(JP,A)
【文献】特開平11-292344(JP,A)
【文献】特開平11-020982(JP,A)
【文献】特開2009-196783(JP,A)
【文献】特開2017-218296(JP,A)
【文献】特開2020-100454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/06
B65H 3/06
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台と、
前記載置台に載置された媒体を分離して給送する給送部と、
前記給送部に媒体を案内する下側ガイドに対向して配置された上側ガイドと、
前記上側ガイドに、前記給送部より上流側に、給送される媒体により移動可能に設けられたアームを含み、且つ、前記アームの移動量に応じた移動量信号を生成する移動センサと、
前記載置台の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサと、
前記移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定する判定部と、
前記媒体センサによる検出結果に基づいて、前記載置台に載置された媒体のサイズを検出する検出部と、
前記判定部により媒体の給送異常が発生したと判定された場合、前記検出部により検出された媒体のサイズが所定サイズ以下であるときは、前記給送部による媒体の給送を停止し、前記検出部により検出された媒体のサイズが前記所定サイズより大きいときは、前記給送部による媒体の給送を停止しない制御部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記媒体センサは、前記上側ガイドに、媒体搬送方向と直交する方向において前記移動センサより外側に配置され、且つ、光を照射する発光部、及び、受光した光に応じた信号を生成する受光部を含む光センサである、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記移動センサは、前記アームを下方に押圧する弾性部材を含む、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記給送部による媒体の給送を停止した場合、当該媒体を前記載置台に一旦戻し、分離せずに再給送するように前記給送部を制御する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、前記移動量信号に基づいて、前記載置台に媒体が載置されているか否かを判定する、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
載置台と、前記載置台に載置された媒体を分離して給送する給送部と、前記給送部に媒体を案内する下側ガイドに対向して配置された上側ガイドと、前記上側ガイドに、前記給送部より上流側に、給送される媒体により移動可能に設けられたアームを含み、且つ、前記アームの移動量に応じた移動量信号を生成する移動センサと、前記載置台の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
前記移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定し、
前記媒体センサによる検出結果に基づいて、前記載置台に載置された媒体のサイズを検出し、
媒体の給送異常が発生したと判定された場合、前記検出された媒体のサイズが所定サイズ以下であるときは、前記給送部による媒体の給送を停止し、前記検出された媒体のサイズが前記所定サイズより大きいときは、前記給送部による媒体の給送を停止しない
ことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
載置台と、前記載置台に載置された媒体を分離して給送する給送部と、前記給送部に媒体を案内する下側ガイドに対向して配置された上側ガイドと、前記上側ガイドに、前記給送部より上流側に、給送される媒体により移動可能に設けられたアームを含み、且つ、前記アームの移動量に応じた移動量信号を生成する移動センサと、前記載置台の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定し、
前記媒体センサによる検出結果に基づいて、前記載置台に載置された媒体のサイズを検出し、
媒体の給送異常が発生したと判定された場合、前記検出された媒体のサイズが所定サイズ以下であるときは、前記給送部による媒体の給送を停止し、前記検出された媒体のサイズが前記所定サイズより大きいときは、前記給送部による媒体の給送を停止しない
ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、媒体の給送異常が発生したか否かを判定する媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキャナ等の媒体搬送装置では、媒体として用紙だけでなく、パスポート又は通帳等の冊子を搬送させることも要求されている。このような種類の媒体の搬送をサポートする媒体搬送装置では、媒体を分離して給送する分離モードと、媒体を分離させずに給送する非分離モードとが設けられている。しかしながら、誤って分離モードで冊子を給送してしまった場合に、ジャム(紙詰まり)等の給送異常が発生する可能性がある。媒体搬送装置では、ジャム等の給送異常が発生した場合に、媒体が損傷しないように媒体の給送を停止する必要がある。
【0003】
シートを一枚ずつ分離して搬送する分離手段と、分離手段を通過するシートの変形により変位する可動部材を有し、可動部材の変位に応じてシートの変形を検知する搬送装置が開示されている(特許文献1を参照)。この搬送装置は、シートの変形を検知した場合に、分離手段の搬送を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-218296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、媒体の給送を適切に制御することが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、媒体の給送を適切に制御することが可能な媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、載置台と、載置台に載置された媒体を分離して給送する給送部と、給送部に媒体を案内する下側ガイドに対向して配置された上側ガイドと、上側ガイドに、給送部より上流側に、給送される媒体により移動可能に設けられたアームを含み、且つ、アームの移動量に応じた移動量信号を生成する移動センサと、載置台の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサと、移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定する判定部と、媒体センサによる検出結果に基づいて、載置台に載置された媒体のサイズを検出する検出部と、判定部により媒体の給送異常が発生したと判定され、且つ、検出部により検出された媒体のサイズが所定サイズ以下である場合に、給送部による媒体の給送を停止する制御部と、を有する。
【0008】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、載置台と、載置台に載置された媒体を分離して給送する給送部と、給送部に媒体を案内する下側ガイドに対向して配置された上側ガイドと、上側ガイドに、給送部より上流側に、給送される媒体により移動可能に設けられたアームを含み、且つ、アームの移動量に応じた移動量信号を生成する移動センサと、載置台の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定し、媒体センサによる検出結果に基づいて、載置台に載置された媒体のサイズを検出し、媒体の給送異常が発生したと判定され、且つ、検出された媒体のサイズが所定サイズ以下である場合に、給送部による媒体の給送を停止する。
【0009】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、載置台と、載置台に載置された媒体を分離して給送する給送部と、給送部に媒体を案内する下側ガイドに対向して配置された上側ガイドと、上側ガイドに、給送部より上流側に、給送される媒体により移動可能に設けられたアームを含み、且つ、アームの移動量に応じた移動量信号を生成する移動センサと、載置台の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定し、媒体センサによる検出結果に基づいて、載置台に載置された媒体のサイズを検出し、媒体の給送異常が発生したと判定され、且つ、検出された媒体のサイズが所定サイズ以下である場合に、給送部による媒体の給送を停止することを媒体搬送装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムは、媒体の給送を適切に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】移動センサ113について説明するための模式図である。
図4】第1センサ111等の配置について説明するための模式図である。
図5】第1センサ111等の配置について説明するための模式図である。
図6】第1センサ111等の配置について説明するための模式図である。
図7】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図8】記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
図9】初期処理の動作の例を示すフローチャートである。
図10】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図11】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図12】警告画面1200の一例を示す模式図である。
図13】他の移動センサ213について説明するための模式図である。
図14】他の移動センサ213について説明するための模式図である。
図15】他の移動センサ213について説明するための模式図である。
図16】他の処理回路270の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、カード又は冊子等である。冊子には、パスポート又は通帳等の小型冊子が含まれる。小型冊子は、綴じ目に沿った方向のサイズが、A4の横サイズ(210mm)より小さい冊子である。なお、小型冊子は、綴じ目に沿った方向のサイズが、パスポートのサイズ(128mm)以下である冊子、又は、通帳のサイズ(140mm)以下である冊子でもよい。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0014】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0015】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0016】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。載置台103は、媒体が載置される載置面103aを有し、載置面103a上には、サイドガイド107a、bが設けられている。サイドガイド107a、bは、載置台103の媒体搬送方向と直交する幅方向A2に移動可能に設けられ、且つ、載置台103に載置された媒体の幅方向を規制する。以下では、サイドガイド107a及び107bを総じてサイドガイド107と称する場合がある。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0017】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0018】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0019】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1センサ111、第2センサ112、移動センサ113、第3センサ114、給送ローラ115、ブレーキローラ116、第4センサ117、第1搬送ローラ118、第2搬送ローラ119、第1撮像装置120a、第2撮像装置120b、第3搬送ローラ121及び第4搬送ローラ122等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
【0020】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド108aを形成し、給送ローラ115、ブレーキローラ116、第4センサ117及び第1~第4搬送ローラ118、119、121、122に媒体を案内する。上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド108bを形成する。上側ガイド108bは、下側ガイド108aに対向して配置される。図2において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0021】
第3センサ114は、第1センサ111、第2センサ112及び移動センサ113より下流側且つ給送ローラ115及びブレーキローラ116より上流側に配置される。第3センサ114は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第3センサ114は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第3媒体信号を生成して出力する。
【0022】
給送ローラ115は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ116は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ115と対向して配置される。
【0023】
第4センサ117は、給送ローラ115及びブレーキローラ116より下流側且つ第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119より上流側に配置される。第4センサ117は、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。第4センサ117は、媒体の搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられたミラー等の反射部材とを含む。発光器は、搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第4媒体信号を生成して出力する。第4センサ117の位置に媒体が存在する場合、発光器により照射された光はその媒体により遮光されるため、第4センサ117の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで第4媒体信号の信号値は変化する。なお、発光器及び受光器は、搬送路を挟んで相互に対向する位置に設けられ、反射部材は省略されてもよい。
【0024】
第1撮像装置120aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置120aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置120aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の表面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0025】
同様に、第2撮像装置120bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置120bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置120bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の裏面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0026】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置120a及び第2撮像装置120bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。以下では、第1撮像装置120a及び第2撮像装置120bを総じて撮像装置120と称する場合がある。
【0027】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ115が図2の矢印A4の方向に回転することによって、下側ガイド108aと上側ガイド108bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ116は、媒体搬送時、矢印A5の方向に回転する。給送ローラ115及びブレーキローラ116の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ115と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。給送ローラ115及びブレーキローラ116は、載置台103に載置された媒体を分離して給送する給送部の一例である。
【0028】
媒体は、下側ガイド108aと上側ガイド108bによりガイドされながら、第1搬送ローラ118と第2搬送ローラ119の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって、第1撮像装置120aと第2撮像装置120bの間に送り込まれる。第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ119は、給送ローラ115により給送された媒体を撮像装置120に搬送する搬送部の一例である。撮像装置120により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ121及び第4搬送ローラ122がそれぞれ矢印A8及び矢印A9の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0029】
図3は、移動センサ113について説明するための模式図である。図3は、媒体搬送装置100から取り外した移動センサ113を示す斜視図である。
【0030】
図3に示すように、移動センサ113は、アーム113a、支持部113b、遮蔽部113c、移動センサ発光器113d及び移動センサ受光器113e等を有する。
【0031】
支持部113bは、棒状に形成され、媒体搬送装置100の筐体に矢印A10の方向に回転可能に取り付けられる。アーム113aは、支持部113bの一端において支持部113bを回転軸として揺動(回転)可能に支持される。遮蔽部113cは、支持部113bの他端において支持部113bを回転軸として揺動(回転)可能に支持される。アーム113a、支持部113b及び遮蔽部113cは、単一の部材で形成されている。なお、アーム113a、支持部113b及び遮蔽部113cは、別個の部材で形成されてもよい。
【0032】
移動センサ発光器113dは、移動センサ受光器113eに向けて光を照射する。移動センサ受光器113eは、移動センサ発光器113dにより照射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である移動量信号を生成して出力する。移動センサ発光器113dと移動センサ受光器113eの間に遮蔽部113cが存在する場合、移動センサ発光器113dにより照射された光は遮蔽部113cにより遮光される。そのため、移動量信号の信号値は、遮蔽部113cの位置に応じて、即ち遮蔽部113cとともに移動するアーム113aの移動量に応じて変化する。
【0033】
なお、移動センサ113は、移動センサ発光器113d及び移動センサ受光器113eの代わりに、支持部113bの回転量を測定可能なエンコーダ等を有し、支持部113bの回転量に応じた電気信号を移動量信号として生成してもよい。
【0034】
図4図6は、第1センサ111、第2センサ112及び移動センサ113等の配置について説明するための模式図である。図4及び図5は、媒体搬送装置100の上流側を、サイドガイド107を取り外した状態で側方から見た模式図である。図4は、載置台103に媒体が載置されていない状態の媒体搬送装置100を示し、図5は、媒体として小型冊子Bが給送されている状態の媒体搬送装置100を示す。図6は、媒体搬送装置100の上流側を上方から見た模式図である。
【0035】
図4及び図5に示すように、移動センサ113の支持部113bは、上側筐体102に回転可能に取り付けられる。アーム113aは、上側ガイド108bに、即ち媒体の搬送路に対して上側に、且つ、給送ローラ115及びブレーキローラ116より上流側に、給送される媒体に接触可能に設けられる。上側筐体102とアーム113aの間には、ねじりコイルばね113fが設けられる。ねじりコイルばね113fは、支持部113bの周りに、アーム113aに矢印A11の方向(高さ方向A3における下方)に力が加えられるように設けられる。ねじりコイルばね113fは、アーム113aを下方に押圧する弾性部材の一例である。なお、弾性部材として、ねじりコイルばね113fの代わりに、アーム113aを下方に押圧する圧縮コイルばね又はゴム部材等が用いられてもよい。また、移動センサ113は、弾性部材を有さずに、アーム113aには、その自重によってのみ下方に力が加えられてもよい。
【0036】
また、上側筐体102には、遮蔽部113cを停止させるためのストッパ113gが設けられる。図4に示すように、載置台103に媒体が載置されていない状態では、遮蔽部113cは、ねじりコイルばね113fによって下方に押圧されるアーム113aにより上方に押圧されてストッパ113gに当接して停止する。これにより、遮蔽部113cは、移動センサ発光器113dと移動センサ受光器113eの間に配置され、移動量信号の信号値は、アーム113aが図4に示す初期位置に存在する状態を示す。
【0037】
一方、図5に示すように、小型冊子Bが給送されて、給送ローラ115と接触しているページから他のページが分離されて撓んでしまった場合、アーム113aは撓んだページによって矢印A11の反対方向に押し上げられる。遮蔽部113cは、撓んだ媒体によって上方に押圧されるアーム113aにより下方に押圧される。これにより、遮蔽部113cは、移動センサ発光器113dと移動センサ受光器113eの間に存在しなくなり、移動量信号の信号値は、アーム113aが初期位置に存在しない状態を示す。
【0038】
ねじりコイルばね113fによる押圧力は、アーム113aに所定量(例えば40gf)以上の荷重がかかった場合に、アーム113aが矢印A11の反対方向に回転する大きさに設定される。したがって、アーム113aは、パスポート又は通帳等の小型冊子が撓んでしまった場合のように、所定量以上の荷重(40gf以上の力)がかかった場合に移動する。一方、アーム113aは、一部が変形している(折れ曲がっている)用紙が給送された場合又は給送中の用紙の一部が浮き上がった場合のように、所定量より小さい荷重(10gf程度の力)がかかった場合には移動しない。このように、移動センサ113は、小型冊子が給送された場合と、用紙が給送された場合とを精度良く判別することができる。
【0039】
第1センサ111は、光センサの一例であり、上側ガイド108bに、即ち媒体の搬送路に対して上側に、且つ、給送ローラ115及びブレーキローラ116より上流側に配置される。第1センサ111は、赤外線近接距離センサであり、赤外線の照射から反射までの時間差から、対向する位置に存在する物体までの距離を測定する。第1センサ111は、第1発光部111a及び第1受光部111bを含む。第1発光部111aは、載置台103の載置面103a又は載置台103に載置された媒体に向けて光(赤外光)を照射する。特に、第1発光部111aは、媒体搬送方向A1において上流側であり、且つ、幅方向A2において第1発光部111aと対向する位置に向けて、光を照射する。一方、第1受光部111bは、第1発光部111aにより照射され、載置台103の載置面103a又は載置台103に載置された媒体により反射された光を受光し、受光した光に応じた電気信号である第1媒体信号を生成して出力する。
【0040】
第1媒体信号は、第1発光部111aが光を照射してから第1受光部111bが光を受光するまでの時間及び第1受光部111bが受光した光の光量を示す。即ち、第1媒体信号の信号値は、第1発光部111aが光を照射した位置に媒体が存在するか否かにより変化する。したがって、第1センサ111は、載置台103の、第1発光部111aが光を照射する位置における媒体の存在を検出する媒体センサとして動作する。
【0041】
同様に、第2センサ112は、光センサの一例であり、上側ガイド108bに、即ち媒体の搬送路に対して上側に、且つ、給送ローラ115及びブレーキローラ116より上流側に配置される。第2センサ112は、赤外線近接距離センサであり、赤外線の照射から反射までの時間差から、対向する位置に存在する物体までの距離を測定する。第2センサ112は、第2発光部112a及び第2受光部112bを含む。第2発光部112aは、載置台103の載置面103a又は載置台103に載置された媒体に向けて光(赤外光)を照射する。特に、第2発光部112aは、媒体搬送方向A1において上流側であり、且つ、幅方向A2において第2発光部112aと対向する位置に向けて、光を照射する。一方、第2受光部112bは、第2発光部112aにより照射され、載置台103の載置面103a又は載置台103に載置された媒体により反射された光を受光し、受光した光に応じた電気信号である第2媒体信号を生成して出力する。
【0042】
第2媒体信号は、例えば第2発光部112aが光を照射してから第2受光部112bが光を受光するまでの時間及び第2受光部112bが受光した光の光量を示す。即ち、第2媒体信号の信号値は、第2発光部112aが光を照射した位置に媒体が存在するか否かにより変化する。したがって、第2センサ112は、載置台103の、第2発光部112aが光を照射する位置における媒体の存在を検出する媒体センサとして動作する。
【0043】
第1センサ111及び第2センサ112として、例えば、0~100mmの範囲で、1mmの分解能で距離を測定できる公知の赤外線近接距離センサを利用できる。なお、媒体搬送装置100は、第1センサ111又は第2センサ112の内の一方だけ配置し、他方を配置しなくてもよい。
【0044】
また、図6に示すように、移動センサ113のアーム113aは、幅方向A2において上側筐体102の中央部に配置される。一方、第1センサ111及び第2センサ112は、幅方向A2において移動センサ113より外側に配置される。
【0045】
通常、パスポート又は通帳等の小型冊子が給送される場合、小型冊子は、幅方向A2において載置台103の中央に載置され、その両端を挟むようにサイドガイド107がセットされる。アーム113aは、中央に載置された小型冊子が撓んだ際に接触可能であるように、幅方向A2において、中央に載置された小型冊子と対向する位置に配置されることが好ましい。パスポートの綴じ目部に沿った方向のサイズは128mmであり、通帳の綴じ目部に沿った方向のサイズは140mmである。アーム113aは、中央に載置されたパスポート及び通帳の何れとも接触可能であるように、幅方向A2において、中心位置P1から64mmの範囲内に配置されることが好ましい。
【0046】
一方、第1センサ111及び第2センサ112は、載置台103に載置された媒体のサイズを検出するために使用される。第1センサ111及び第2センサ112は、幅方向A2において、中央に載置されたパスポート又は通帳、及び、パスポート又は通帳を挟むサイドガイド107と対向しない位置に配置されることが好ましい。即ち、第1センサ111及び第2センサ112は、幅方向A2において、中心位置P1から、70mmにサイドガイド107の幅のサイズを加えた距離より離れた位置P2に配置されることが好ましい。これにより、媒体搬送装置100は、第1センサ111及び第2センサ112により生成される媒体信号に基づいて、載置台103に載置された媒体がパスポート又は通帳より大きいか否かを精度良く判別することができる。
【0047】
図7は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0048】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、駆動装置151、インタフェース装置152、記憶装置160及び処理回路170等をさらに有する。
【0049】
駆動装置151は、1つ又は複数のモータを含み、処理回路170からの制御信号によって、給送ローラ115、ブレーキローラ116、第1~第4搬送ローラ118、119、121及び122を回転させて媒体を搬送させる。
【0050】
インタフェース装置152は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置152の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0051】
記憶装置160は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置160には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置160にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0052】
処理回路170は、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路170として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0053】
処理回路170は、操作装置105、表示装置106、第1センサ111、第2センサ112、移動センサ113、第3センサ114、第4センサ117、撮像装置120、駆動装置151、インタフェース装置152及び記憶装置160等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路170は、駆動装置151の駆動制御、撮像装置120の撮像制御等を行い、入力画像を生成し、インタフェース装置152を介して情報処理装置に送信する。特に、処理回路170は、移動センサ113により生成される移動量信号に基づいて媒体の給送異常が発生したか否かを判定するとともに、第1センサ111及び第2センサ112により生成される媒体信号に基づいて媒体のサイズを検出する。媒体の給送異常は、媒体のジャム(紙詰まり)又は浮き上がり等である。処理回路170は、その判定結果及び検出結果に基づいて、媒体の搬送を制御する。
【0054】
図8は、記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
【0055】
図8に示すように、記憶装置160には、制御プログラム161、判定プログラム162、検出プログラム163及び画像取得プログラム164等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路170は、記憶装置160に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路170は、制御部171、判定部172、検出部173及び画像取得部174として機能する。
【0056】
図9は、媒体搬送装置100の初期処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0057】
以下、図9に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の初期処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路170により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図9に示す動作のフローは、媒体搬送装置100の装置起動時に実行される。
【0058】
最初に、制御部171は、第3センサ114から第3媒体信号を取得し、取得した第3媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS101)。制御部171は、載置台103に媒体が載置されていない状態になるまで待機する。
【0059】
一方、載置台103に媒体が載置されていない場合、検出部173は、第1センサ111から第1媒体信号を、第2センサ112から第2媒体信号をそれぞれ取得する(ステップS102)。
【0060】
次に、検出部173は、取得した第1媒体信号及び第2媒体信号に基づいて、第1センサ111及び第2センサ112が正常であるか否かを判定する(ステップS103)。制御部171は、第1媒体信号の信号値及び第2媒体信号の信号値が、載置台103に媒体が載置されていない場合の時間及び光量の範囲に含まれるか否かを判定する。第1媒体信号の信号値及び第2媒体信号の信号値が、載置台103に媒体が載置されていない場合の時間及び光量の範囲に含まれていない場合、制御部171は、第1センサ111及び第2センサ112が汚れているとみなし、異常であると判定する。
【0061】
第1センサ111及び第2センサ112が異常である場合、検出部173は、その旨を表示装置106に表示し又はインタフェース装置152を介して不図示の情報処理装置に送信することにより利用者に通知し(ステップS104)、一連のステップを終了する。
【0062】
一方、第1センサ111及び第2センサ112が正常である場合、検出部173は、第1媒体信号の信号値及び第2媒体信号の信号値を基準値として記憶装置160に記憶し(ステップS105)、一連のステップを終了する。
【0063】
図10及び図11は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0064】
以下、図10及び図11に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路170により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。図10及び図11に示す動作のフローは、定期的に実行される。なお、媒体搬送装置100は、媒体を給送する給送モードとして、複数の媒体を分離して給送する分離モードと、媒体を分離せずに給送する非分離モードとを有している。図10及び図11に示す動作のフローは、給送モードが分離モードに設定されている場合に実行される。
【0065】
最初に、制御部171は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS201)。
【0066】
次に、制御部171は、第3センサ114から第3媒体信号を取得し、取得した第3媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS202)。
【0067】
載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部171は、ステップS201へ処理を戻し、操作装置105から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0068】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部171は、駆動装置151を駆動し、給送ローラ115、ブレーキローラ116、第1~第4搬送ローラ118、119、121、122を回転させて、媒体を給送及び搬送させる(ステップS203)。
【0069】
次に、判定部172は、移動センサ113から移動量信号を取得する(ステップS204)。
【0070】
次に、判定部172は、取得した移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定する(ステップS205)。判定部172は、移動量信号の信号値が、アーム113aが初期位置に存在する状態を示す場合、給送されている媒体が撓んで(浮いて)おらず、媒体の給送異常が発生していないと判定する。一方、判定部172は、移動量信号の信号値が、アーム113aが初期位置に存在しない状態を示す場合、給送されている媒体が撓んでおり、媒体の給送異常が発生していると判定する。なお、判定部172は、移動量信号の信号値が、一定時間以上連続して、アーム113aが初期位置に存在しない状態を示す場合に限り、媒体の給送異常が発生していると判定してもよい。これにより、判定部172は、一部が変形している用紙が給送された場合又は給送中の用紙の一部が浮き上がった場合に、媒体の給送異常が発生したと誤って判定してしまうことを抑制できる。判定部172は、媒体の給送異常が発生していないと判定した場合、処理をステップS209へ移行する。
【0071】
一方、判定部172が媒体の給送異常が発生していると判定した場合、検出部173は、第1センサ111から第1媒体信号を、第2センサ112から第2媒体信号をそれぞれ取得する(ステップS206)。
【0072】
次に、検出部173は、取得した第1媒体信号及び第2媒体信号に基づいて、即ち第1センサ111及び第2センサ112による検出結果に基づいて、載置台103に載置された媒体のサイズを検出する(ステップS207)。検出部173は、取得した第1媒体信号の信号値及び第2媒体信号の信号値を、それぞれ記憶装置160に記憶された基準値と比較する。
【0073】
各媒体信号の信号値に示される時間と基準値に示される時間との差が所定高さ(例えば10mm)に相当する時間未満である場合、検出部173は、第1センサ111及び第2センサ112に対向する位置に媒体が存在しないと判定する。この場合、検出部173は、載置台103に載置された媒体のサイズとして、所定サイズ以下のサイズを検出する。所定サイズは、第1センサ111が配置された位置と第2センサ112が配置された位置との間の距離からサイドガイド107の幅のサイズ及びマージンを減算した長さであり、例えばパスポート又は通帳の綴じ目部に沿った方向のサイズである。一方、各媒体信号の信号値に示される時間と基準値に示される時間との差が所定高さに相当する時間以上である場合、検出部173は、第1センサ111及び第2センサ112に対向する位置に媒体が存在すると判定する。この場合、検出部173は、載置台103に載置された媒体のサイズとして、所定サイズより大きいサイズを検出する。
【0074】
次に、制御部171は、検出部173により検出された媒体のサイズが所定サイズ以下であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0075】
媒体のサイズが所定サイズより大きい場合、制御部171は、媒体のジャムが発生していないとみなし、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したか否かを判定する(ステップS209)。制御部171は、第4センサ117の検知結果に基づいて、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したか否かを判定する。制御部171は、第4センサ117から定期的に第4媒体信号を取得し、取得した第4媒体信号に基づいて、第4センサ117の位置に媒体が存在するか否かを判定する。制御部171は、第4媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第4センサ117の位置を通過し、給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したと判定する。
【0076】
なお、制御部171は、第4センサ117を用いずに、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したか否かを判定してもよい。例えば、制御部171は、媒体の給送(駆動装置151の駆動)を開始してから所定時間経過した時に、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したと判定してもよい。所定時間は、事前の実験により、媒体の給送を開始してから媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過するまでに要する時間に設定される。また、制御部171は、駆動装置151を所定量駆動(回転)させた時に、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したと判定してもよい。所定量は、事前の実験により、媒体の給送を開始してから媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過するまでに要する回転量に設定される。
【0077】
制御部171は、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過していないと判定した場合、処理をステップS204へ戻し、ステップS204~S209の処理を繰り返す。
【0078】
一方、制御部171は、媒体の先端が給送ローラ115及びブレーキローラ116の位置を通過したと判定した場合、媒体の給送が正常であると判定し(ステップS210)、処理をステップS220へ移行する。
【0079】
一方、ステップS208において、媒体のサイズが所定サイズ以下であると判定した場合、制御部171は、給送ローラ115及びブレーキローラ116による給送を停止するように駆動装置151を制御する(ステップS211)。
【0080】
このように、制御部171は、判定部172により媒体の給送異常が発生したと判定され、且つ、検出部173により検出された媒体のサイズが所定サイズ以下である場合に、給送ローラ115及びブレーキローラ116による媒体の給送を停止する。即ち、制御部171は、媒体の給送異常が発生したと判定され、且つ、媒体のサイズが所定サイズ以下である場合、小型冊子が給送されて、分離部で分離されずにジャムが発生したとみなす。一方、制御部171は、媒体の給送異常が発生したと判定された場合でも、媒体のサイズが所定サイズより大きい場合は、小型冊子より大きい用紙が給送されて、その一部が変形し又は浮き上がっているだけであり、ジャムは発生していないとみなす。この場合、制御部171は、媒体の給送を停止しない。これにより、制御部171は、媒体のジャムが発生したと誤って判定して、媒体の給送を停止してしまうことを抑制できる。
【0081】
次に、制御部171は、警告画面を表示装置106に表示し又はインタフェース装置152を介して不図示の情報処理装置に送信することにより利用者に通知する(ステップS212)。
【0082】
図12は、警告画面1200の一例を示す模式図である。
【0083】
図12に示すように、警告画面1200には、警告文字列1201、継続ボタン1202、変更ボタン1203、非表示ボタン1204及び終了ボタン1205等が表示される。警告文字列1201には、媒体の給送異常が発生したと判定されたために媒体の給送を停止した旨と、給送モードを分離モードから非分離モードに変更することを促す旨とが示される。継続ボタン1202は、給送モードを分離モードに設定したまま、媒体の給送を継続することを指示するためのボタンである。変更ボタン1203は、給送モードを分離モードから非分離モードに変更することを指示するためのボタンである。非表示ボタン1204は、今後は警告画面1200を表示しないことを指示するためのボタンである。終了ボタン1205は、媒体の給送を終了させることを指示するためのボタンである。
【0084】
制御部171は、利用者により操作装置105を用いて継続ボタン1202が押下され、継続指示が指定されたか否かを判定する(ステップS213)。
【0085】
継続指示が指定された場合、制御部171は、給送モードを分離モードのまま変更することなく、駆動装置151を再駆動する。この場合、制御部171は、給送ローラ115、ブレーキローラ116、第1~第4搬送ローラ118、119、121、122を再回転させて、媒体を給送及び搬送させ(ステップS214)、処理をステップS220へ移行する。
【0086】
一方、継続指示が指定されていない場合、制御部171は、利用者により操作装置105を用いて変更ボタン1203が押下され、変更指示が指定されたか否かを判定する(ステップS215)。
【0087】
変更指示が指定された場合、制御部171は、給送ローラ115及び第1~第4搬送ローラ118、119、121、122をそれぞれ矢印A4、A6、A7、A8、A9(媒体給送方向又は媒体搬送方向)の反対方向に回転させるように駆動装置151を駆動する。また、制御部171は、ブレーキローラ116を矢印A5の方向(媒体給送方向の反対方向)に回転させるように駆動装置151を駆動する。これにより、制御部171は、媒体を逆送させて、載置台103に一旦戻す(ステップS216)。
【0088】
次に、制御部171は、給送モードを分離モードから非分離モードに変更する(ステップS217)。制御部171は、非分離モードでは、給送ローラ115及び第1~第4搬送ローラ118、119、121、122をそれぞれ矢印A4、A6、A7、A8、A9の方向(媒体給送方向又は媒体搬送方向)に回転させる。また、制御部171は、非分離モードでは、駆動装置151からブレーキローラ116への駆動力を遮断することにより、給送する媒体の分離機能をOFFにする。なお、制御部171は、ブレーキローラ116を媒体給送方向(矢印A5の反対方向)に回転させることにより、又は、ブレーキローラ116による分離力を低減させることにより、給送する媒体の分離機能をOFFにしてもよい。
【0089】
次に、制御部171は、駆動装置151を再駆動し、給送ローラ115及び第1~第4搬送ローラ118、119、121、122を媒体給送方向又は媒体搬送方向に再回転させて、媒体を再給送及び再搬送させる(ステップS218)。次に、制御部171は、処理をステップS220へ移行する。このとき、ブレーキローラ116は、給送ローラ115に従動し、又は、駆動装置151により媒体給送方向に回転し、媒体を分離しない。
【0090】
このように、制御部171は、給送ローラ115及びブレーキローラ116による媒体の給送を停止した場合、その媒体を載置台103に一旦戻し、分離せずに再給送するように給送ローラ115及びブレーキローラ116を制御する。これにより、利用者は、媒体の分離機能をOFFにして媒体を再給送する必要がなくなり、制御部171は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。なお、ステップS216及びS218の処理が省略され、制御部171は、変更指示が指定された場合、媒体の給送及び搬送を停止したまま、給送モードの変更のみを実行してもよい。その場合、利用者は、給送モードを変更する必要がなくなり、制御部171は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0091】
一方、変更指示が指定されていない場合、制御部171は、利用者により操作装置105を用いて終了ボタン1205が押下され、終了指示が指定されたか否かを判定する(ステップS219)。
【0092】
終了指示が指定された場合、制御部171は、一連のステップを終了する。この場合、媒体はステップS211において停止した位置に残され、利用者により取り除かれる。一方、終了指示が指定されていない場合、制御部171は、処理をステップS213へ戻し、ステップS213~S219の処理を繰り返す。
【0093】
また、制御部171は、利用者により操作装置105を用いて非表示ボタン1204が押下された場合、非表示指示の指定を受け付ける。その場合、制御部171は、以後に、媒体の給送異常が発生し且つ媒体のサイズが所定サイズ以下であった場合には、ステップS213~S219の処理を実行しない。即ち、制御部171は、警告画面を表示せずに、媒体をステップS211において停止させた位置に残したまま、一連のステップを終了する。
【0094】
一方、ステップS220において、画像取得部174は、撮像装置120に媒体の撮像を開始させ、撮像装置120から入力画像を取得する(ステップS220)。
【0095】
次に、画像取得部174は、入力画像を、インタフェース装置152を介して情報処理装置へ送信する(ステップS221)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像取得部174は、入力画像を記憶装置160に記憶しておく。
【0096】
次に、制御部171は、第3センサ114から取得する第3媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS222)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部171は、ステップS204へ処理を戻し、ステップS204~S222の処理を繰り返す。
【0097】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部171は、駆動装置151を停止させて(ステップS223)、一連のステップを終了する。
【0098】
なお、制御部171は、図7の初期処理を省略し、予め設定しておいた基準値を用いて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定してもよい。また、制御部171は、図7のステップS105で基準値を取得できなかった場合、ステップS204~S219の処理を省略し、媒体の給送異常が発生したか否かの判定を省略してもよい。または、制御部171は、ステップS207~S208の処理を省略し、媒体の給送異常が発生した場合には、媒体のサイズが所定サイズ以下であるか否かを判定することなく媒体の給送を停止してもよい。
【0099】
また、制御部171は、ステップS222において載置台103に媒体が残っている場合、2枚目以降の媒体は、1枚目の媒体と同様の種類の媒体、即ち用紙であるとみなして、2枚目以降の媒体に対する給送異常の判定を省略してもよい。これにより、制御部171は、媒体読取処理の処理時間を短縮させることができる。
【0100】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、給送ローラ115及びブレーキローラ116より上流側に配置されたアーム113aの移動に基づいて、媒体の給送異常の発生を判定する。媒体搬送装置100は、媒体の給送異常が発生し、且つ、媒体のサイズが所定サイズ未満である場合に、媒体の給送を停止する。これにより、媒体搬送装置100は、小型冊子を誤って分離モードで給送してしまった場合に、冊子が損傷しないように給送を停止することが可能となった。また、媒体搬送装置100は、小型冊子より大きい用紙が給送されて、その一部が変形し又は浮き上がっている場合に、媒体のジャムが発生したと誤って判定してしまい、媒体の給送を停止することを抑制することが可能となった。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の給送を適切に制御することが可能となった。
【0101】
また、媒体搬送装置100は、アーム113aの移動に基づいて給送異常の発生を判定するため、用紙の一部が変形し又は浮き上がっている場合に、給送異常が発生したと誤って判定することを抑制できる。媒体搬送装置は、仮に、光センサ又は撮像センサの検出結果に基づいて給送異常の発生を判定する場合、用紙の一部が変形し又は浮き上がっているときに、媒体の給送異常が発生したと誤って判定する可能性がある。したがって、媒体搬送装置100は、光センサ又は撮像センサの検出結果に基づいて給送異常の発生を判定する場合と比較して、媒体の給送異常が発生したか否かを高精度に判定することが可能となった。
【0102】
図13図15は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における移動センサ213について説明するための模式図である。図13図15は、媒体搬送装置の上流側を、サイドガイド107を取り外した状態で側方から見た模式図である。図13は、載置台103に媒体が載置されていない状態の媒体搬送装置を示し、図14は、媒体として用紙Pが載置台103に載置された状態の媒体搬送装置をし、図15は、媒体として小型冊子Bが給送されている状態の媒体搬送装置を示す。
【0103】
移動センサ213は、媒体搬送装置100の移動センサ113及び第3センサ114の代わりに使用される。図13図15に示すように、移動センサ213は、アーム213a、支持部213b、遮蔽部213c、第1移動センサ発光器213d、第1移動センサ受光器213e、ねじりコイルばね213f、第1ストッパ213g、第2移動センサ発光器213h、第2移動センサ受光器213i及び第2ストッパ213j等を有する。
【0104】
支持部213bは、支持部113bと同様に、棒状に形成される。アーム213aは、アーム113aと同様に、支持部213bの一端において支持部213bを回転軸として揺動(回転)可能に支持される。遮蔽部213cは、遮蔽部113cと同様に、支持部213bの他端において支持部213bを回転軸として揺動(回転)可能に支持される。
【0105】
第1移動センサ発光器213dは、第1移動センサ受光器213eに向けて光を照射する。第1移動センサ受光器213eは、第1移動センサ発光器213dにより照射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第1移動量信号を生成して出力する。第2移動センサ発光器213hは、第2移動センサ受光器213iに向けて光を照射する。第2移動センサ受光器213iは、第2移動センサ発光器213hにより照射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第2移動量信号を生成して出力する。移動センサ213は、第1移動量信号及び第2移動量信号を含む信号をアーム113aの移動量に応じた移動量信号として生成して出力する。
【0106】
図13図15に示すように、支持部213bは、上側筐体102に回転可能に取り付けられる。アーム213aは、上側ガイド108bに、且つ、給送ローラ115及びブレーキローラ116より上流側に、給送される媒体に接触可能に設けられる。上側筐体102とアーム213aの間には、ねじりコイルばね213fが設けられる。ねじりコイルばね213fは、支持部213bの周りに、アーム213aに矢印A12の方向(下方)に力が加えられるように設けられる。
【0107】
図13に示すように、載置台103に媒体が載置されていない状態では、遮蔽部213cは、ねじりコイルばね213fによって下方に押圧されるアーム213aにより下方に押圧されて第1ストッパ213gに当接して停止する。これにより、遮蔽部213cは、第1移動センサ発光器213dと第1移動センサ受光器213eの間に配置され、第1移動量信号の信号値は、アーム213aが図13に示す初期位置に存在する状態を示す。
【0108】
一方、図14に示すように、載置台103に用紙Pが載置された場合、アーム213aは用紙Pによって矢印A12の反対方向にわずかに押し上げられる。遮蔽部213cは、用紙Pによって上方に押圧されるアーム213aにより上方に押圧される。これにより、遮蔽部213cは、第1移動センサ発光器213dと第1移動センサ受光器213eの間に存在しなくなり、第1移動量信号の信号値は、アーム213aが初期位置に存在しない状態を示す。また、遮蔽部213cは、第2移動センサ発光器213hと第2移動センサ受光器213iの間にも存在せず、第2移動量信号の信号値は、アーム213aが異常位置に存在しない状態を示す。
【0109】
また、図15に示すように、小型冊子Bが給送されて、給送ローラ115と接触しているページから他のページが分離されて撓んでしまった場合、アーム213aは撓んだページによって矢印A12の反対方向に大きく押し上げられる。遮蔽部213cは、撓んだ媒体によって上方に押圧されるアーム213aにより上方に押圧されて第2ストッパ213jに当接して停止する。これにより、遮蔽部213cは、第2移動センサ発光器213hと第2移動センサ受光器213iの間に配置され、第2移動量信号の信号値は、アーム213aが図15に示す異常位置に存在する状態を示す。
【0110】
本実施形態では、制御部171は、図9のステップS101、図10のステップS202、S222において、移動センサ213から移動量信号を取得し、移動量信号に含まれる第1移動量信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する。制御部171は、第1移動量信号の信号値が、アーム213aが初期位置に存在する状態を示す場合、載置台103に媒体が載置されていないと判定する。一方、制御部171は、第1移動量信号の信号値が、アーム213aが初期位置に存在しない状態を示す場合、載置台103に媒体が載置されていると判定する。
【0111】
また、制御部171は、図10のステップS204において、移動センサ213から移動量信号を取得し、ステップS205において、移動量信号に含まれる第2移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生したか否かを判定する。制御部171は、第2移動量信号の信号値が、アーム213aが異常位置に存在しない状態を示す場合、媒体の給送異常が発生していないと判定する。一方、制御部171は、第2移動量信号の信号値が、アーム213aが異常位置に存在する状態を示す場合、媒体の給送異常が発生していると判定する。
【0112】
このように、制御部171は、移動量信号に基づいて、媒体の給送異常が発生しているか否かを判定することに加えて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する。これにより、媒体搬送装置は、媒体の給送異常が発生しているか否かを判定するためのセンサを、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定するためのセンサとして兼用することが可能となり、装置コスト及び装置重量の低減を図ることが可能となった。
【0113】
なお、移動センサ213は、支持部213bの回転量を測定可能なエンコーダ等を有し、支持部213bの回転量に応じた電気信号を移動量信号として生成してもよい。その場合、制御部171は、移動量信号に示される、支持部213bの回転量に基づいて、媒体の給送異常が発生しているか否かと、載置台103に媒体が載置されているか否かとを判定する。
【0114】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、移動センサを用いて載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する場合も、媒体の給送を適切に制御することが可能となった。
【0115】
なお、媒体搬送装置は、載置台103の所定位置における媒体の存在を検出する媒体センサとして、第1センサ111及び第2センサ112とは異なるセンサを利用してもよい。例えば、媒体搬送装置は、第1センサ111及び第2センサ112の代わりに撮像センサを配置し、撮像センサが撮像した画像から、公知の画像処理技術を利用して媒体を検出し、載置台103の所定位置における媒体の存在を検出してもよい。また、媒体搬送装置は、第1センサ111及び第2センサ112の代わりに接触センサを配置し、接触センサに媒体が接触しているか否かを判定することにより、載置台103の所定位置における媒体の存在を検出してもよい。また、媒体搬送装置は、載置面103aの複数の位置に重量センサを配置し、各重量センサが測定した重量に基づいて各位置に媒体が存在するか否かを判定し、載置台103の所定位置における媒体の存在を検出してもよい。また、媒体搬送装置は、サイドガイド107の配置位置を検出する光センサ、撮像センサ又は接触センサを配置し、サイドガイド107a及び107bで挟まれる領域を、媒体が存在する領域として検出してもよい。
【0116】
図16は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路270の概略構成を示す図である。処理回路270は、媒体搬送装置100の処理回路170の代わりに使用され、処理回路170の代わりに、媒体読取処理を実行する。処理回路270は、制御回路271、判定回路272、検出回路273及び画像取得回路274等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0117】
制御回路271は、制御部の一例であり、制御部171と同様の機能を有する。制御回路271は、操作装置105から操作信号を、第3センサ114から第3媒体信号を、第4センサ117から第4媒体信号を、判定回路272から媒体の給送異常の判定結果を、検出回路273から媒体のサイズの検出結果を受信する。制御回路271は、受信した各情報に応じて媒体の給送及び搬送を制御するように、駆動装置151に制御信号を出力する。
【0118】
判定回路272は、判定部の一例であり、判定部172と同様の機能を有する。判定回路272は、移動センサ113から移動量信号を受信し、受信した移動量信号に基づいて媒体の給送異常が発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路271に出力する。
【0119】
検出回路273は、検出部の一例であり、検出部173と同様の機能を有する。検出回路273は、第1センサ111から第1媒体信号を、第2センサ112から第2媒体信号を受信し、受信した各信号に基づいて媒体のサイズを検出し、検出結果を制御回路271に出力する。
【0120】
画像取得回路274は、画像取得部の一例であり、画像取得部174と同様の機能を有する。画像取得回路274は、撮像装置120から入力画像を受信して、インタフェース装置152を介して情報処理装置へ送信又は記憶装置160に記憶する。
【0121】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路270を用いる場合においても、媒体の給送を適切に制御することが可能となった。
【符号の説明】
【0122】
100 媒体搬送装置、103 載置台、115 給送ローラ、116 ブレーキローラ、下側ガイド108a、上側ガイド108b、111 第1センサ、112 第2センサ、113 移動センサ、113a アーム、113f ねじりコイルばね、171 制御部、172 判定部、173 検出部
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