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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/06 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A61J3/06 Q
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020005789
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021112345
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中野 信行
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-203704(JP,A)
【文献】特開2019-180705(JP,A)
【文献】国際公開第2019/187898(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
割線が形成された複数の粒状物の各々にインクジェット方式で画像を印刷する印刷装置であって、
環状搬送経路に沿って並ぶ複数の粒状物を裏面側から保持しつつ、前記環状搬送経路に沿って搬送するベルト状またはドラム状の搬送機構と、
前記環状搬送経路の円弧区間内の所定の撮像位置に到達した粒状物を、搬送方向の前方または後方の斜め側方から撮像することによって、当該粒状物の側面を含む画像データを取得するカメラと、
前記画像データに基づいて、粒状物の裏面に割線があるか否かを検出し、かつ、当該裏面に割線がある場合はその向きを検出する裏面割線検出部と、
前記裏面割線検出部により検出された割線の向きに基づいた画像を、粒状物の表面に印刷する印刷部と、
を備え
前記円弧区間についての径方向における前記カメラの位置は、前記撮像位置での前記粒状物の前記径方向の位置よりも前記径方向の外側にある、印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記搬送機構は、前記環状搬送経路に沿って複数の粒状物を搬送する搬送ベルトを含み、
前記印刷部は、前記搬送ベルトの前記円弧区間よりも下流側の平坦区間と対向する位置に設けられており、前記平坦区間を通過する粒状物の表面に前記画像を印刷する、印刷装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記カメラと前記円弧区間の前記撮像位置との間に設けられ、粒状物の側面のうち前記カメラと向かい合う正面領域よりも奥側の端部領域からの反射光を、前記カメラの撮像面に結像させる、前記カメラ側に凸面を有する少なくとも一つのレンズをさらに備える、印刷装置。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷装置であって、
前記搬送機構は、前記環状搬送経路の幅方向に沿って並んで保持した複数の粒状物を前記環状搬送経路に沿って搬送し、
前記少なくとも一つのレンズは複数のレンズを含み、
前記複数のレンズは、前記幅方向に沿って並ぶ複数の粒状物に対応して設けられる、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品である錠剤の表面には、製品を識別するための文字およびコードなどの画像が印刷される。また、ラムネなどの錠菓にも、マークおよびイラストなどの画像が印刷される場合がある。従来から、このような錠剤および錠菓などの粒状物の表面に、インクジェット方式で画像を印刷する印刷装置が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、第1搬送部、第2搬送部、第3搬送部、第1撮像部、第2撮像部、第1印刷部、第2印刷部および印刷制御部が設けられている。第1搬送部は搬送ドラムであって、その外周面で複数の錠剤を保持して搬送する。複数の錠剤の表面には割線が形成されている。搬送ドラムによって搬送される錠剤には、割線が搬送ドラム側を向く錠剤と、割線が搬送ドラムとは反対側を向く錠剤とが混在する。第1撮像部は、第1搬送部によって搬送された錠剤の一方面を撮像する。錠剤の一方面は、搬送ドラムとは反対側の面である。印刷制御部は、第1撮像部によって取得された画像に基づいて、一方面に割線が形成された錠剤の当該割線の方向を検出する。
【0004】
第2搬送部は搬送ベルトであって、第1搬送部によって搬送される複数の錠剤を表裏反転させた状態で、第1搬送部から複数の錠剤を受け取って搬送する。第2撮像部は、第2搬送部によって搬送される錠剤の他方面を撮像する。錠剤の他方面は、搬送ベルトとは反対側の面である。印刷制御部は、第2撮像部によって取得された画像に基づいて、他方面に割線が形成された錠剤の当該割線の方向を検出する。これにより、印刷制御部は錠剤の表面に形成された割線の方向を、錠剤ごとに把握することができる。
【0005】
第1印刷部は印刷制御部によって制御される。第1印刷部は、第2搬送部によって搬送された各錠剤の他方面に対して、割線の方向に応じて印刷を行う。第3搬送部は、第2搬送部によって搬送される複数の錠剤を表裏反転させた状態で、第2搬送部から複数の錠剤を受け取って搬送する。第2印刷部は印刷制御部によって制御される。第2印刷部は第3搬送部によって搬送された各錠剤の一方面に対して、割線の方向に応じて印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6357351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、第1撮像部が、搬送ドラムである第1搬送部とは反対側の錠剤の一方面を撮像することで、当該一方面に形成された割線を検出し、第2撮像部が、搬送ベルトである第2搬送部とは反対側の錠剤の他方面を撮像することで、当該他方面に形成された割線を検出する。つまり、第1撮像部は、第1搬送部側の錠剤の他方面に形成された割線を撮像せず、第2撮像部は、第2搬送部側の錠剤の一方面に形成された割線を撮像していない。
【0008】
しかしながら、割線は錠剤の表面の中心を通って当該表面の端から端まで延在しているので、錠剤の側方から割線の端部を視認することが可能である。つまり、錠剤を側方からカメラで撮像すれば、たとえ搬送部側の面に割線が形成された錠剤であっても、そのカメラによって取得される画像に、当該割線の端部を含めることができる。よって、当該錠剤の側面に対する割線の端部の位置を検出することにより、割線の方向を検出することができる。
【0009】
ところが、カメラが搬送ベルトの平坦区間上の錠剤を撮像する場合、複数の錠剤の間隔が狭くなると、錠剤を側方から撮像することが難しくなる。なぜなら、当該間隔が狭くなると、カメラから見て撮像対象の錠剤よりも手前側の錠剤によって、撮像対象の錠剤が隠れてしまうからである。この場合、撮像対象の錠剤を側方から撮像することが難しいという問題がある。
【0010】
そこで、本願は、このような事情に鑑みなされたものであり、カメラが側方から錠剤を撮像しやすい印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
印刷装置の第1の態様は、割線が形成された複数の粒状物の各々にインクジェット方式で画像を印刷する印刷装置であって、環状搬送経路に沿って並ぶ複数の粒状物を裏面側から保持しつつ、前記環状搬送経路に沿って搬送するベルト状またはドラム状の搬送機構と、前記環状搬送経路の円弧区間内の所定の撮像位置に到達した粒状物を、搬送方向の前方または後方の斜め側方から撮像することによって、当該粒状物の側面を含む画像データを取得するカメラと、前記画像データに基づいて、粒状物の裏面に割線があるか否かを検出し、かつ、当該裏面に割線がある場合はその向きを検出する裏面割線検出部と、前記裏面割線検出部により検出された割線の向きに基づいた画像を、粒状物の表面に印刷する印刷部と、を備え、前記円弧区間についての径方向における前記カメラの位置は、前記撮像位置での前記粒状物の前記径方向の位置よりも前記径方向の外側にある
【0012】
印刷装置の第2の態様は、第1の態様にかかる印刷装置であって、前記搬送機構は、前記環状搬送経路に沿って複数の粒状物を搬送する搬送ベルトを含み、前記印刷部は、前記搬送ベルトの前記円弧区間よりも下流側の平坦区間と対向する位置に設けられており、前記平坦区間を通過する粒状物の表面に前記画像を印刷する。
【0013】
印刷装置の第3の態様は、第1または第2の態様にかかる印刷装置であって、前記カメラと前記円弧区間の前記撮像位置との間に設けられ、粒状物の側面のうち前記カメラと向かい合う正面領域よりも奥側の端部領域からの反射光を、前記カメラの撮像面に結像させる、前記カメラ側に凸面を有する少なくとも一つのレンズをさらに備える。

【0014】
印刷装置の第4の態様は、第3の態様にかかる印刷装置であって、前記搬送機構は、前記環状搬送経路の幅方向に沿って並んで保持した複数の粒状物を前記環状搬送経路に沿って搬送し、前記少なくとも一つのレンズは複数のレンズを含み、前記複数のレンズは、前記幅方向に沿って並ぶ複数の粒状物に対応して設けられる。
【発明の効果】
【0015】
印刷装置の第1の態様によれば、カメラは、円弧区間上の粒状物の側面を撮像する。円弧区間では、平坦区間に比べて、複数の粒状物の間隔が広がるので、カメラは粒状物の側面を検出しやすい。
【0016】
印刷装置の第2の態様によれば、撮像時の錠剤の搬送機構と印刷時の錠剤の搬送機構が同じである。よって、撮像時の割線の向きは印刷時の錠剤の割線の向きとほぼ同じである。したがって、裏面割線検出部は印刷時の割線の向きを高い精度で検出できる。
【0017】
印刷装置の第3の態様によれば、割線がカメラの撮像方向に直交する場合であっても、カメラは錠剤の側面の端部領域に現れる割線の端部を撮像できる。
【0018】
印刷装置の第4の態様によれば、カメラは、幅方向に沿って並ぶ複数の粒状物のいずれにおいても、割線の端部を撮像できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】錠剤印刷装置の構成の一例を概略的に示す側面図である。
図2】錠剤の一例を概略的に示す平面図である。
図3】錠剤の一例を概略的に示す側面図である。
図4】搬送ベルトの構成の一例を概略的に示す部分斜視図である。
図5】搬送ベルトの構成の一例を概略的に示す部分斜視図である。
図6】第1カメラと環状搬送経路の円弧区間上の錠剤との位置関係の一例を概略的に示す図である。
図7】第1カメラによって取得された第1画像データに含まれた1つの錠剤の一例を概略的に示す図である。
図8】第1カメラによって取得された第1画像データに含まれた1つの錠剤の一例を概略的に示す図である。
図9】錠剤印刷装置の電気的な構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図10】制御部の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
図11】比較例にかかる第1カメラと環状搬送経路の円弧区間上の錠剤との位置関係の一例を概略的に示す図である。
図12】第1カメラと、幅方向に並ぶ複数の錠剤との位置関係の一例を概略的に示す図である。
図13】錠剤印刷装置の構成の他の一例を概略的に示す側面図である。
図14】第1カメラ、レンズおよび複数の錠剤の位置関係の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、実施の形態について説明する。なお、実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法および数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
【0021】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCの任意の2つ、ならびに、A,BおよびCのすべてを含む。
【0022】
<第1の実施の形態>
以下の説明においては、複数の錠剤が搬送される方向を「搬送方向」と称し、搬送方向に対して垂直かつ搬送機構の保持面に沿う方向を「幅方向」と称する。
【0023】
<錠剤印刷装置>
図1は、粒状物印刷装置の一例である錠剤印刷装置1の構成の一例を概略的に示す側面図である。この錠剤印刷装置1は、粒状物の一例である複数の錠剤9を搬送しながら、各錠剤9に、製品名、製品コード、会社名およびロゴマークなどの画像をインクジェット方式で印刷する装置である。錠剤9は、素錠(裸錠)であってもよいし、糖衣錠、または、フィルムコーティング錠(FC錠)などのコーティング錠であってもよい。また、錠剤9は、硬カプセル剤および軟カプセル剤を含むカプセル剤であってもよい。また、ここでいう「粒状物」は、医薬品としての錠剤に限らず、健康食品としての錠剤およびラムネなどの錠菓であってもよい。
【0024】
図2および図3は、それぞれ、錠剤9の形状の一例を概略的に示す平面図および側面図である。図2および図3に示すように、錠剤9は割線面91、非割線面92および側面93を有している。割線面91は錠剤9の一方の主面であり、図2の例では平面視において円形形状を有している。割線面91には、その直径に沿って割線90が形成されている。割線90は、錠剤9を割るための溝であり、割線面91の中心を通って錠剤9の端から端まで直線的に延在する。図3の例では、割線90はV字状の溝として形成される。錠剤9の非割線面92は割線面91とは反対側の主面であり、平面視において例えば円形形状を有する。この非割線面92には割線が形成されない。錠剤9の側面93は割線面91および非割線面92を連結するための面であり、例えば円柱面である。
【0025】
図2および図3の例では、割線面91と側面93との境界にはテーパ面911が形成されている。テーパ面911は割線面91の全周に亘って形成されている。テーパ面911は径方向外側に向かうにしたがって、非割線面92に近づくように傾斜している。テーパ面911が、割線面91に平行な面となす角度(以下、勾配角θと呼ぶ)は、例えば30度程度である。割線90の両端はテーパ面911に位置している。テーパ面911に形成された割線90の端部は、図3に示すように、側方から視認可能である。
【0026】
図2および図3の例では、非割線面92と側面93との境界にもテーパ面921が形成されている。テーパ面921は非割線面92の全周に亘って形成される。テーパ面921は径方向外側に向かうにしたがって、割線面91に近づくように傾斜している。
【0027】
錠剤印刷装置1はこの錠剤9の両主面に印刷処理を行う。つまり、錠剤印刷装置1は錠剤9の割線面91にも非割線面92にも印刷処理を行う。また、錠剤印刷装置1は割線面91の割線90に応じて錠剤9に対して印刷処理を行う。具体的には、錠剤印刷装置1は画像が割線90を跨がないように、錠剤9の割線面91に印刷処理を行う。例えば、錠剤印刷装置1は、割線面91を割線90で分割して得られる2つの領域91a,91bのうち領域91a内に第1画像Paを印刷し、領域91b内に第2画像Pbを印刷する。図2の例では、第1画像Paおよび第2画像Pbを模式的に矩形の仮想線で示している。
【0028】
また、錠剤印刷装置1は、割線90を非割線面92に投影して得られる仮想線を跨がないように、錠剤9の非割線面92に対して印刷処理を行う。例えば錠剤印刷装置1は、非割線面92を仮想線で分割して得られる2つの領域92a,92bにそれぞれ画像を印刷する。図3を参照して、非割線面92の領域92aは割線面91の領域91aと向かい合う領域であり、領域92bは領域91bと向かい合う領域である。錠剤印刷装置1は領域92a内に第2画像Pbを印刷し、領域92b内に第1画像Paを印刷する。これにより、錠剤9を割線90で分割したときに、各錠剤片の両主面には第1画像Paおよび第2画像Pbがそれぞれ印刷される。よって、使用者は1つの錠剤片から第1画像Paおよび第2画像Pbの両方を視認できる。
【0029】
次に、錠剤印刷装置1の構成の一例について詳述する。図1を参照して、錠剤印刷装置1は、搬入機構10、環状搬送機構20、印刷部30、第1カメラ40、搬出機構80および制御部50を含んでいる。
【0030】
搬入機構10は、錠剤印刷装置1に投入された複数の錠剤9を、環状搬送機構20へ搬入するための機構である。図1の例では、搬入機構10は、フィーダ11、コンベア12およびドラム13を含む。錠剤印刷装置1に投入された複数の錠剤9は、フィーダ11を介して、コンベア12へ供給される。このとき、複数の錠剤9は、幅方向に並ぶ複数の列に整列されてもよい。また、コンベア12により搬送された錠剤9はドラム13に受け渡される。ドラム13は円筒形状の外周面を有しており、当該外周面には、複数の吸着孔が形成されている。吸着孔は、ドラム13の周方向(搬送方向)および中心軸方向(幅方向)において間隔を空けて配列される。ドラム13は不図示のモータにより、幅方向に平行な中心軸のまわりで回転する。コンベア12により搬送された錠剤9は、ドラム13に設けられた複数の吸着孔に、1つずつ吸着保持される。これにより、各列の複数の錠剤9が、搬送方向に等間隔に整列される。ドラム13に保持された各錠剤9は、ドラム13の中心軸まわりの回転により円弧状に搬送されて、環状搬送機構20へ受け渡される。
【0031】
環状搬送機構20は、複数の錠剤9を保持しつつ環状搬送経路R1に沿って搬送する機構である。環状搬送機構20は、一対のプーリ21と、一対のプーリ21の間に掛け渡された環状の搬送ベルト22とを有する。図1の例では、一対のプーリ21の一方であるプーリ21bは、搬送用モータ23から得られる動力により回転する。これにより、搬送ベルト22が、図1中の矢印の方向に回動する。このとき、一対のプーリ21の他方であるプーリ21aは、搬送ベルト22の回動に伴い従動回転する。なお、プーリ21aが搬送用モータ23によって回転駆動され、プーリ21bが従動回転してもよい。
【0032】
このような環状搬送機構20による環状搬送経路R1は、一対の円弧区間R11,R13および一対の平坦区間R12,R14を有する。一対の平坦区間R12,R14は鉛直方向において互いに対向しており、水平面に平行である。平坦区間R12は平坦区間R14に対して鉛直上方に位置する。平坦区間R12,R14の一方側の端部は円弧区間R11によって互いに連結されており、平坦区間R12,R14の他方側の端部は円弧区間R13によって互いに連結されている。円弧区間R11,R13は互いに反対側に膨らむ円弧形状を有している。円弧区間R11はプーリ21aの外周に沿う半周の区間であり、円弧区間R13はプーリ21bの外周に沿う半周の区間である。
【0033】
図4および図5は、環状搬送機構20の構成の一例を概略的に示す部分斜視図である。搬送ベルト22には、複数の保持部221が設けられている。各保持部221は、搬送ベルト22の外周面に立設された筒状の部位である。言い換えれば、各保持部221は搬送ベルト22の外側面からさらに外側へ向けて筒状に突出する部位である。各保持部221は、錠剤9の形状に対応して、円筒状に形成されている。また、複数(ここでは6つ)の保持部221が幅方向において間隔を空けて並んでいる。また、同じ幅方向位置に位置する複数の保持部221が搬送方向において間隔を空けて並んでいる。すなわち、複数の保持部221は、幅方向および搬送方向に、それぞれ間隔を空けて配列されている。搬送ベルト22における複数の保持部221の幅方向の間隔は、ドラム13における錠剤9の幅方向の間隔と等しい。
【0034】
各保持部221の内側の空洞部222の底部には、吸着孔223が設けられている。また、環状搬送機構20は、吸着孔223に連通接続される吸引機構24(図1参照)を含む。吸引機構24を動作させると、複数の吸着孔223のそれぞれに、大気圧よりも低い負圧が生じる。各保持部221は、当該負圧によって、ドラム13から渡される錠剤9を1つ吸着保持する。
【0035】
ここでは、保持部221によって保持された錠剤9の主面のうち、保持部221側の主面を「裏面」とも呼び、保持部221とは反対側の主面を「表面」とも呼ぶ。
【0036】
搬送ベルト22は、複数の錠剤9を、幅方向に間隔を空けた複数の搬送列に整列させた状態で、錠剤9の裏面側から保持しつつ搬送する。なお、図5に示すように、搬送ベルト22に搬送される複数の錠剤9には、表面に割線90が形成された錠剤9aと、裏面に割線90が形成された錠剤9bとがランダムに混在する。つまり、非割線面92が保持部221側を向く錠剤9aと、割線面91が保持部221側を向く錠剤9bがランダムに混在する。また、保持部221によって保持された錠剤9の割線90は、錠剤9ごとにランダムな方向を向く。割線90の向きは、例えば、錠剤9の搬送方向に対する割線90の回転角度で表現され得る。錠剤印刷装置1は上述のように、割線90によって分割された領域91a,91b,92a,92bに印刷処理を行うので、その印刷処理のために、割線90の向きを錠剤9ごとに検出する必要がある。
【0037】
保持部221の突出側の先端面は円環形状を有しており、その外形は、錠剤9の側面93よりも内側に位置している。言い換えれば、保持部221の先端面の外径は錠剤9の直径よりも小さい。より好ましくは、保持部221の先端面の外径は割線面91の直径よりも小さく設定される。これにより、錠剤9bは、側面93およびテーパ面911が外部に露出した状態で保持部221によって保持される(図5参照)。よって、錠剤9bの側方からテーパ面911に形成された割線90の端部が視認可能である。一方で、錠剤9aでは表面に割線90が形成されているので、錠剤9aの鉛直上方または側方から割線90が視認可能である。
【0038】
図1を参照して、ドラム13は円弧区間R11のうち搬送方向の上流側の位置において、錠剤9を搬送ベルト22に渡す。搬送ベルト22に渡された錠剤9は、円弧区間R11を通過し、続けて平坦区間R12を通過する。
【0039】
第1カメラ40は、円弧区間R11を通過中の錠剤9をその斜め側方から撮像して、第1画像データを取得する。第1カメラ40は、各錠剤9が円弧区間R11上の所定の撮像位置P1(図6も参照)に順次に到達するたびに、当該錠剤9を撮像する。第1カメラ40は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの複数の撮像素子を含むイメージセンサである。当該撮像素子は例えば2次元で配列されて撮像面を構成する。
【0040】
第1カメラ40は搬送ベルト22よりも外側において、搬送ベルト22の円弧区間R11の撮像位置P1における錠剤9の裏面側のテーパ面を撮像可能な位置に設けられている。裏面側のテーパ面は、錠剤9aでいえばテーパ面921であり、錠剤9bでいえばテーパ面911である。
【0041】
図6は、第1カメラ40と円弧区間R11上の錠剤9との位置関係の一例を概略的に示す図である。図1および図6の例では、第1カメラ40は、円弧区間R11の撮像位置P1よりも搬送方向の下流側に設けられている。第1カメラ40は、その撮像方向が次の方向を向く姿勢で配置される。すなわち、円弧区間R11の撮像位置P1における接線L1と第1カメラ40の撮像方向との間の角度φが錠剤9のテーパ面911の勾配角θ未満となる姿勢で、第1カメラ40が配置される。第1カメラ40の撮像方向とは、第1カメラ40の光軸の方向である。
【0042】
搬送方向における錠剤9どうしの間隔が狭すぎる場合には、第1カメラ40から見て、第1カメラ40の撮像対象となる錠剤9(以下、錠剤9Aとも呼ぶ)が、その1つ手前の錠剤9(以下、錠剤9Bとも呼ぶ)によって隠れてしまう。この場合、第1カメラ40は手前の錠剤9Bによって邪魔されて、撮像対象の錠剤9Aの裏面側のテーパ面(図6ではテーパ面911)を撮像できない。よって、搬送方向における錠剤9どうしの間隔は、図6に示すように、第1カメラ40が錠剤9Aの裏面側のテーパ面を撮像できる程度の間隔に設定される。
【0043】
図7および図8は、第1カメラ40によって取得された第1画像データに含まれた1つの錠剤9Aの一例を概略的に示す図である。図7は、非割線面92が保持部221側を向く姿勢で撮像された錠剤9A(つまり、錠剤9a)を示しており、図8は、割線面91が保持部221側を向く姿勢で撮像された錠剤9A(つまり、錠剤9b)を示している。
【0044】
図7および図8に示すように、錠剤9Aの姿勢によらず、割線90が第1画像データに含まれる。具体的には、非割線面92が保持部221側を向く場合(図7)には、表面側の割線面91およびテーパ面911に形成された割線90の全体が第1画像データに含まれる。割線面91が保持部221側を向く場合(図8)には、裏面側のテーパ面911に形成された割線90の端部が第1画像データに含まれる。
【0045】
第1カメラ40は、搬送ベルト22の幅方向に配列された複数(ここでは6つ)の錠剤9Aを全体的に撮像してもよい。この場合、幅方向に配列された複数(ここでは6つ)の錠剤9Aが第1画像データに含まれる。あるいは、1つの錠剤9Aを撮像する第1カメラ40が複数設けられてもよい。この場合、第1画像データには、幅方向において1つの錠剤9Aのみが含まれる。
【0046】
第1カメラ40は第1画像データを制御部50に出力する。制御部50は第1画像データに基づいて、各保持部221における錠剤9の有無、および、各錠剤9の割線90を検出する。割線90の検出については後述する。
【0047】
図1の例では、錠剤印刷装置1には、第2カメラ42がさらに設けられている。第2カメラ42は、例えば、CCDおよびCMOSなどの複数の撮像素子を含むイメージセンサである。当該撮像素子は例えば2次元で配列されて撮像面を構成する。図1の例では、第2カメラ42は、第1カメラ40よりも搬送方向の下流側に配置される。第2カメラ42は搬送ベルト22よりも外側に配置されており、搬送ベルト22の環状搬送経路R1(図1では平坦区間R12)と対向する位置に設けられている。なお、第2カメラ42も円弧区間R11上の錠剤9を撮像してもよい。第2カメラ42は直下の領域を通過する錠剤9を真上から撮像して、第2画像データを取得する。第2カメラ42は錠剤9が順次に直下を通過するたびに錠剤9を撮像する。第2画像データには、保持部221によって保持された錠剤9の表面が含まれている。
【0048】
第2カメラ42は、搬送ベルト22の幅方向に配列された複数(ここでは6つ)の錠剤9を全体的に撮像してもよい。この場合、幅方向に配列された複数(ここでは6つ)の錠剤9が第2画像データに含まれる。あるいは、1つの錠剤9を撮像する第2カメラ42が複数設けられてもよい。この場合、第2画像データには、幅方向において1つの錠剤9のみが含まれる。
【0049】
第2カメラ42は第2画像データを制御部50に出力する。制御部50は第2画像データに基づいて、各錠剤9の搬送方向における位置および幅方向における位置を検出する。錠剤9は各保持部221によって保持されるものの、保持部221に対する錠剤9の位置は、錠剤9ごとに若干相違し得る。制御部50は、このような錠剤9の位置ずれを第2画像データに基づいて検出するのである。
【0050】
印刷部30は、搬送ベルト22によって搬送される錠剤9の表面に、インクジェット方式で印刷処理を行う処理部である。印刷部30は第1カメラ40および第2カメラ42の両方よりも搬送方向の下流側に設けられており、搬送ベルト22の平坦区間R12と対向する。
【0051】
印刷部30は平坦区間R12よりも鉛直上方に設けられたヘッド31を含む。ヘッド31は搬送ベルト22の幅方向に延びており、その下面には、複数の吐出口が形成される。複数の吐出口は2次元的(例えばマトリクス状に)形成される。ヘッド31はその吐出口から、搬送ベルト22によって搬送される錠剤9の表面に向かってインク滴を吐出する。図1の例では、印刷部30は4つのヘッド31を含んでいる。4つのヘッド31は錠剤9の搬送方向に沿って一列に配置されている。4つのヘッド31は錠剤9の表面に向けて、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イェローおよびブラックの各色)のインク滴を吐出する。これにより、各色によって形成される単色画像の重ね合わせによって、錠剤9の表面に、多色画像が記録される。なお、各ヘッド31から吐出されるインクには、日本薬局方または食品衛生法などで認可された原料により製造された可食性インクが使用される。図1の例では、4つのヘッド31が設けられているものの、ヘッド31の個数は適宜に変更し得る。
【0052】
ヘッド31からのインク滴の吐出方式には、例えば、ピエゾ素子(圧電素子)に電圧を加えて変形させることにより、ヘッド31内のインクを加圧して吐出する、いわゆるピエゾ方式が用いられる。ただし、インク滴の吐出方式は、ヒータに通電してヘッド31内のインクを加熱膨張させることにより吐出する、いわゆるサーマル方式であってもよい。
【0053】
制御部50は、第1画像データに基づいて検出された割線90の向き、および、第2画像データに基づいて検出された錠剤9の位置に基づいて、印刷部30を制御する。印刷部30は、錠剤9aに対しては、割線90によって区分された2つの領域91a,91bのそれぞれに第1画像Paおよび第2画像Pbを印刷する。一方で、印刷部30は、錠剤9bに対しては、割線90を非割線面92上に投影した仮想線によって区分された2つの領域92a,92bのそれぞれに第2画像Pbおよび第1画像Paを印刷する。
【0054】
図1の例では、錠剤印刷装置1には、第3カメラ44がさらに設けられている。第3カメラ44は、例えば、CCDおよびCMOSなどの複数の撮像素子を含むイメージセンサである。当該撮像素子は例えば2次元で配列されて撮像面を構成する。第3カメラ44は、印刷部30よりも搬送方向の下流側に設けられる。第3カメラ44は搬送ベルト22よりも外側に配置されており、図1の例では、搬送ベルト22の平坦区間R12と対向する位置に設けられている。第3カメラ44は直下の領域を通過する錠剤9を真上から撮像して、第3画像データを取得する。第3カメラ44は錠剤9が直下の領域を順次に通過するたびに錠剤9を撮像する。第3画像データには、保持部221によって保持された錠剤9の表面が含まれている。当該表面には、印刷部30によって画像が印刷されている。
【0055】
第3カメラ44は第3画像データを制御部50に出力する。制御部50は第3画像データに基づいて、錠剤9の表面に印刷された画像の良否を判定する。つまり、制御部50は錠剤9の表面の画像を検査する。
【0056】
図1の例では、錠剤印刷装置1には、乾燥機構60がさらに設けられている。乾燥機構60は、錠剤9の表面に付着したインクを乾燥させる機構である。乾燥機構60は印刷部30よりも搬送方向の下流側に設けられる。図1の例では、乾燥機構60は第3カメラ44よりも搬送方向の下流側に設けられており、搬送ベルト22の平坦区間R14と対向している。乾燥機構60は搬送ベルト22の幅方向に延びる。乾燥機構60には、例えば、搬送ベルト22により搬送される錠剤9へ向けて、加熱された気体(熱風)を吹き付ける、熱風供給機構が用いられる。錠剤9の表面に付着したインクは、熱風により乾燥して、錠剤9の表面に定着する。なお、第3カメラ44は乾燥機構60よりも搬送方向の下流側に設けられてもよい。
【0057】
図1の例では、環状搬送機構20には、第1ブロー機構B1がさらに設けられ、錠剤印刷装置1には、反転機構70がさらに設けられている。第1ブロー機構B1は第3カメラ44および乾燥機構60の両方よりも搬送方向の下流側に設けられる。より具体的には、第1ブロー機構B1は、搬送ベルト22の内側、かつ、反転機構70と搬送ベルト22を介して対向する位置に、設けられている。図1の例では、第1ブロー機構B1および反転機構70は搬送ベルト22の平坦区間R14を介して互いに対向する。第1ブロー機構B1は、搬送ベルト22の複数の吸着孔223のうち、反転機構70と対向する吸着孔223のみに、気体を吹き付ける。これにより、当該吸着孔223には、大気圧よりも高い陽圧が生じる。よって、吸着孔223における錠剤9の吸着が解除され、搬送ベルト22から反転機構70に錠剤9が受け渡される。
【0058】
反転機構70は、搬送ベルト22から受け取った錠剤9の表裏を反転させて、反転後の錠剤9を搬送ベルト22へ渡す。よって、反転機構70よりも上流側で非割線面92が内側(保持部221側)を向く錠剤9では、反転機構70よりも下流側においては、割線面91が内側を向くことになる。同様に、反転機構70よりも上流側で割線面91が内側を向く錠剤9では、反転機構70よりも下流側において、非割線面92が内側を向くことになる。なお、反転機構70の構成は本実施の形態の本質とは相違するので、詳細な説明を避ける。
【0059】
反転機構70から受け渡された錠剤9は再び環状搬送経路R1に沿って搬送される。つまり、錠剤9は搬送ベルト22によって環状搬送経路R1の2周目を移動する。錠剤9は再び第1カメラ40および第2カメラ42によって撮像されて、その割線90の向きおよび錠剤9の位置が検出される。続けて、印刷部30によって錠剤9の表面に画像が印刷される。このように錠剤9が2回印刷されることにより、錠剤9の割線面91にも非割線面92にも画像が印刷される。そして、印刷された錠剤9は第3カメラ44によって撮像されて、錠剤9の印刷結果の検査が行われつつ、乾燥機構60によって乾燥される。
【0060】
環状搬送機構20には、第2ブロー機構B2がさらに設けられている。第2ブロー機構B2は第3カメラ44および乾燥機構60の両方よりも搬送経路の下流側、かつ、第1ブロー機構B1よりも搬送方向の上流側に設けられる。より具体的には、第2ブロー機構B2は、搬送ベルト22の内側、かつ、後述する搬出シュート81と搬送ベルト22を介して対向する位置に、設けられている。第2ブロー機構B2は、搬送ベルト22の複数の吸着孔223のうち、搬出シュート81と対向する吸着孔223のみに、気体を吹き付ける。これにより、当該吸着孔223には、大気圧よりも高い陽圧が生じる。よって、吸着孔223における錠剤9の吸着が解除され、搬送ベルト22から搬出シュート81へ、錠剤9が落下する。搬出シュート81は、搬出機構80を構成する構成要素である。
【0061】
なお、図4を参照して、環状搬送経路R1を1周目の第1経路A1と2周目の第2経路A2とに分割してもよい。例えば第1経路A1は、幅方向において隣り合う3つの保持部221を含む環状経路であり、第2経路A2は、残りの3つの保持部221を含む環状経路である。この場合、搬入機構10は、複数の錠剤9を第1経路A1の複数の保持部221にそれぞれ渡す。以下、幅方向に並んで3つの保持部221に保持される3つの錠剤9に着目して説明する。
【0062】
当該3つの錠剤9は第1経路A1に沿って搬送され、印刷部30による印刷処理を受けた後に乾燥機構60によって乾燥する。第1ブロー機構B1は第1経路A1の3つの保持部221に対して気体を吹き付けて、反転機構70に当該3つの錠剤9を渡す。反転機構70は錠剤9の表裏を反転させつつ、3つの錠剤9の位置を幅方向に移動させ、当該3つの錠剤9を第2経路A2で搬送ベルト22に渡す。つまり、第1経路A1で幅方向に並んだ3つの錠剤9が反転機構70よりも下流側では、第2経路A2で幅方向に並ぶ。当該3つの錠剤9は2周目の環状搬送経路R1を第2経路A2で搬送される。当該3つの錠剤9は再び印刷部30による印刷処理を受け、乾燥機構60によって乾燥する。第2ブロー機構B2は第2経路A2の3つの保持部221に対して気体を吹き付けて、搬出シュート81に3つの錠剤9を渡す。
【0063】
以上のように、反転機構70は第1経路A1上の3つの錠剤9を受け取り、表裏を反転させつつ第2経路A2に3つの錠剤9を受け渡す。よって、反転機構70よりも搬送方向の下流側では、第1経路A1の保持部221は空である。したがって、搬入機構10は錠剤9を第1経路A1に供給し続けることができる。
【0064】
制御部50は錠剤印刷装置1の上述の各種構成を制御する。図9は、錠剤印刷装置1の電気的な構成の一例を概略的に示すブロック図である。制御部50は、上述した搬入機構10(フィーダ11、コンベア12およびドラム13を含む)、環状搬送機構20(搬送用モータ23、吸引機構24、第1ブロー機構B1および第2ブロー機構B2を含む)、印刷部30(4つのヘッド31を含む)、第1カメラ40、第2カメラ42、第3カメラ44、乾燥機構60、反転機構70および搬出機構80と、それぞれ通信可能に接続されている。
【0065】
制御部50は電子回路であって、例えば演算処理部50aおよび記憶部50bを有していてもよい。演算処理部50aは例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置を含む。記憶部50bは例えば非一時的な記憶媒体(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)および一時的な記憶媒体(例えばRAM(Random Access Memory))を含む。非一時的な記憶媒体には、例えば制御部50が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。演算処理部50aがこのプログラムを実行することにより、制御部50が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部50が実行する処理の一部または全部が論理回路などのハードウエア回路によって実行されてもよい。
【0066】
以上のように、錠剤印刷装置1によれば、投入された錠剤9は搬入機構10から環状搬送機構20に受け渡され、環状搬送機構20をおおよそ2周する。1周目では、錠剤9の一方側の主面に印刷が行われ、2周目では、錠剤9の他方側の主面に印刷が行われる。両主面に印刷が行われた錠剤9は搬出機構80から外部に搬出される。
【0067】
<割線の検出および印刷制御>
図10は、制御部50の内部構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図10は、割線検出および印刷部30の制御に関する機能を示している。制御部50は、表面割線検出部51と、裏面割線検出部52と、印刷制御部53とを含んでいる。
【0068】
表面割線検出部51および裏面割線検出部52は、搬送される各錠剤9の割線90の向きを検出するための機能である。以下では、まず、表面割線検出部51について、説明する。
【0069】
表面割線検出部51は、割線90が表面に形成された錠剤9aの割線90の向きを検出する。まず、表面割線検出部51は、第1カメラ40によって取得された第1画像データに基づいて、搬送ベルト22により搬送される各錠剤9の表面に割線90があるか否かを判断する。そして、表面割線検出部51は錠剤9の表面に割線90があると判断した場合はその向きを検出する。より具体的には、表面割線検出部51は、第1画像データにおける錠剤9の表面の領域を画像解析することによって、表面に割線90があるか否かを判断する。そして、表面に割線90があると判断した場合は、さらに第1画像データにおける錠剤9の表面の領域を解析することによって、表面における割線90の向きを検出する。割線90の向きは、例えば、錠剤9の搬送方向に対する割線90の回転角度で表現され得る。
【0070】
裏面割線検出部52は、割線90が裏面に形成された錠剤9bの割線90の向きを検出する。まず、裏面割線検出部52は、第1カメラ40によって取得された第1画像データに基づいて、搬送ベルト22により搬送される各錠剤9の裏面に割線90があるか否かを判断する。そして、錠剤9の裏面に割線90があると判断した場合はその向きを検出する。より具体的には、裏面割線検出部52は、第1画像データにおける錠剤9の裏面側のテーパ面の領域を画像解析して、錠剤9の裏面側のテーパ面に割線90の端部が現れているか否かを判断する。例えば、裏面割線検出部52はパターンマッチングにより、裏面側のテーパ面に割線90の端部が存在しているか否かを判断してもよい。錠剤9aでは、裏面側のテーパ面921には割線90の端部が現れていないので、裏面割線検出部52は錠剤9aに対しては、裏面側に割線90の端部が現れていないと判断する。一方で、錠剤9bでは、裏面側のテーパ面911に割線90の端部が現れる。よって、裏面割線検出部52は錠剤9bに対しては、裏面側に割線90の端部が現れていると判断する。
【0071】
裏面割線検出部52は、錠剤9bの裏面側のテーパ面911の割線90の端部を検出すると、その割線90の端部の位置に基づいて、錠剤9bの裏面における割線90の向きを検出する。上述のとおり、割線90は錠剤9の割線面91の中心を通って両端まで直線的に延びる。したがって、裏面割線検出部52は、第1画像データを解析して、裏面の中心位置に対する割線90の端部の位置を検出することにより、割線90の向きを検出することができる。なお、割線90の向きによっては、割線90の両端が第1画像データにおける裏面側のテーパ面の両端に現れる場合もあり得る。この場合には、裏面割線検出部52は、裏面の中心位置に対する少なくともいずれか一方の割線90の端部の位置を検出することにより、割線90の向きを検出することができる。
【0072】
ここでは、錠剤9の割線面91のみに割線90が形成されており、非割線面92には割線が形成されない。よって、表面割線検出部51が裏面割線検出部52よりも先に割線90の検出処理を実行する場合、裏面割線検出部52は、表面割線検出部51によって割線90の向きが検出された錠剤9に対しては割線90の検出処理を実行する必要はない。同様に、裏面割線検出部52が表面割線検出部51よりも先に割線90の検出処理を実行する場合、表面割線検出部51は、裏面割線検出部52によって割線90の向きが検出された錠剤9に対しては割線90の検出処理を実行する必要はない。これにより、処理速度を向上できる。
【0073】
印刷制御部53は、表面割線検出部51および裏面割線検出部52によって検出された各錠剤9の割線90の向きに基づいて、第1画像Paおよび第2画像Pbを含む印刷画像を錠剤9ごとに回転させる。具体的には、印刷制御部53は、第1画像Paおよび第2画像Pbの向かい合う方向が割線90に直交するように、割線90の向きに基づいて各錠剤9の印刷画像を回転させる。
【0074】
また、印刷制御部53は、第2カメラ42からの第2画像データを受け取る。印刷制御部53は第2画像データを解析して各錠剤9の搬送方向の位置および幅方向の位置を検出する。印刷制御部53は錠剤9の当該位置に基づいて、印刷画像が錠剤9の表面の所定位置に位置するように、印刷画像を錠剤9ごとに2次元で平行移動させる。つまり、錠剤9の位置ずれを吸収するように印刷画像を平行移動させる。
【0075】
印刷制御部53は、割線90の向きに応じた回転処理および位置ずれに応じた平行移動処理が行われた印刷画像に基づいて、印刷部30を制御する。これにより、印刷部30は、各錠剤9の表面に対して適切な位置および回転角度で印刷画像を印刷することができる。
【0076】
<第1カメラ40による撮像>
錠剤印刷装置1においては、上述のように、第1カメラ40は搬送ベルト22の円弧区間R11上の錠剤9を斜め側方から撮像している(図6参照)。図6に示すように、錠剤9A,9Bは円弧区間R11上に位置しているので、錠剤9A,9Bの間隔は径方向外側に向かうにつれて広がる。また、錠剤9Bは、接線L1と平行な方向において錠剤9Aの真横に位置するのではなく、図6の紙面上方に位置する。
【0077】
図11は、比較例にかかる第1カメラ40および錠剤9の位置関係の一例を概略的に示す図である。図11の例では、第1カメラ40は平坦区間上で搬送方向に並ぶ錠剤9を撮像する。図11の例では、紙面上下方向における錠剤9A,9Bの位置は互いに等しく、また、錠剤9A,9Bの間隔も広がらない。したがって、図11の例では、第1カメラ40から錠剤9Aを見たときに、錠剤9Aの裏面側のテーパ面(図11ではテーパ面911)が錠剤9Bによって隠される。したがって、第1カメラ40が取得する第1画像データには、錠剤9Aの裏面側のテーパ面が含まれない。
【0078】
そこで、図11の例でも第1カメラ40が錠剤9Aの裏面側のテーパ面を撮像できるように、錠剤9A,9Bの間隔が広がるように保持部221の配置位置を変更することが考えられる。しかしながら、これは錠剤印刷装置の処理能力の低下を招く。また、特許文献1のように第1カメラ40が錠剤9Aの裏面側のテーパ面を撮像できるように、プリズムなどの光路変更素子を設ける場合、錠剤印刷装置の大型化または高額化を招く。
【0079】
これに対して、錠剤印刷装置1によれば、図6に示すように、第1カメラ40は円弧区間R11上の錠剤9を撮像する。したがって、より狭い間隔で保持部221が配置されたとしても、第1カメラ40は錠剤9Aの裏面側のテーパ面を撮像することができる。よって、錠剤印刷装置1の処理能力の低下を回避できる。また、プリズムなどの光路変更素子を設けない場合には、錠剤印刷装置1の大型化または高額化を回避することができる。
【0080】
また、上述の例では、環状搬送経路R1(具体的には円弧区間R11)上で第1カメラ40が錠剤9を撮像しつつ、環状搬送経路R1上(具体的には平坦区間R12)で印刷部30が錠剤9を印刷する。これによれば、撮像時の錠剤9の割線90の向きと、印刷時の割線90の向きとの間に誤差はほとんど生じない。よって、制御部50は印刷時の割線90の向きを高い精度で検出することができる。
【0081】
<第2の実施の形態>
図12は、第1カメラ40と、幅方向に並ぶ複数の錠剤9との位置関係の一例を概略的に示す図である。第1の実施の形態のように6つの錠剤9が幅方向に並んでいてもよいものの、以下では、簡単のために、3つの錠剤9が幅方向に並んでいるものとする。図12の例では、幅方向に並ぶ3つの錠剤9は、割線90が裏面側(保持部221側)を向く姿勢で保持されている。第1カメラ40は、幅方向に並ぶ3つの錠剤9を全体的に撮像する。つまり、第1カメラ40によって取得される第1画像データには、当該3つの錠剤9が並ぶ。
【0082】
第1カメラ40は、各錠剤9のうち第1カメラ40を向く領域を撮像する。ここで、錠剤9の側面93に着目して、第1カメラ40によって撮像される領域について述べる。錠剤9の側面93はその半周未満の領域が撮像される。つまり、当該領域の中心角αは180度未満である。ここでいう中心角αは、平面視において、側面93のうち撮像された領域の両端の各々と、錠剤9の中心とを結ぶ直線がなす角度である。第1カメラ40によって撮像される側面93の領域は第1カメラ40の画角が大きくなるほど狭くなる。言い換えれば、中心角αは第1カメラ40の画角が大きくなるほど狭くなる。
【0083】
ここでは錠剤9の側面93について述べたが、錠剤9の裏面側のテーパ面についても同様である。錠剤9の裏面側のテーパ面のうち第1カメラ40によって撮像される領域は半周未満の領域であって、第1カメラ40の画角が大きいほど狭くなる。
【0084】
よって、第1カメラ40の画角が大きく、錠剤9bの割線90が搬送ベルト22の幅方向に平行となる場合、言い換えれば、割線90が第1カメラ40の撮像方向に直交する場合には、第1カメラ40は当該錠剤9bの割線90の端部を撮像できない可能性がある。例えば図12の中央の錠剤9bの割線90は搬送ベルト22の幅方向に平行であるので、この割線90の端部は第1カメラ40によって撮像されない可能性がある。第1画像データに錠剤9bの割線90の端部が含まれていなければ、裏面割線検出部52は第1画像データを解析しても、その錠剤9bの割線90を検出できない。この場合には、当該錠剤9bについての印刷画像を作成することができず、当該錠剤9bに対する印刷処理を行うことができない。
【0085】
そこで、第2の実施の形態では、割線90が搬送ベルト22の幅方向に平行であったとしても、その錠剤9bの割線90を検出することを企図する。
【0086】
図13は、粒状物印刷装置の他の一例である錠剤印刷装置1Aの構成の一例を概略的に示す側面図である。錠剤印刷装置1Aはレンズ41の有無という点を除いて、錠剤印刷装置1と同様の構成を有している。
【0087】
レンズ41は第1カメラ40と環状搬送機構20の円弧区間R11との間に設けられている。つまり、レンズ41は第1カメラ40の撮像方向の前方に設けられている。レンズ41は、第1カメラ40側および円弧区間R11側の少なくとも一方に突出する凸面を有している。図13の例では、レンズ41は、第1カメラ40側に凸面を有する凸平レンズである。
【0088】
図14は、第1カメラ40、レンズ41および複数の錠剤9の位置関係の一例を概略的に示す図である。図14の例では、複数のレンズ41が搬送ベルト22の幅方向に沿って設けられている。複数のレンズ41は例えばレンズアレイ411によって実現される。レンズ41は、搬送ベルト22の幅方向に沿って並ぶ錠剤9に対応して設けられている。要するに、レンズ41の個数は、幅方向に沿って並ぶ錠剤9の個数と同一である。
【0089】
各レンズ41の幅は錠剤9の幅(直径)よりも広い。各レンズ41には、対応する錠剤9から反射した光が入射する。このレンズ41には、錠剤9のうち第1カメラ40と向かい合う正面領域のみならず、当該正面領域に対して幅方向の両側かつ奥側の端部領域からの光も入射する。レンズ41は、対応する錠剤9から反射した光を第1カメラ40の撮像面に結像させる。なお、図14の例では、3つのレンズ41の凸面は互いに同じ形状を呈しているが、実際には、これらが相違していてもよい。
【0090】
ここで、錠剤9の側面93に着目して、第1カメラ40によって撮像される領域について述べる。側面93の正面領域とは、レンズ41が設けられない場合に、第1カメラ40から錠剤9を見たときに、錠剤9の側面93のうち視認可能な領域である。側面93の端部領域とは、正面領域に対して周方向の両側に位置しており、正面領域に連続した領域である。端部領域はレンズ41なしに第1カメラ40から錠剤9を見たときに、奥側に位置する。レンズ41は正面領域および端部領域からの反射光を第1カメラ40の撮像面に結像させるので、第1カメラ40は錠剤9の側面93のうち正面領域および端部領域を撮像できる。よって、より広い範囲で側面93を撮像できる。例えば第1カメラ40は、錠剤9の側面93のうち半周よりも広い領域を撮像することができる。つまり、当該領域の中心角αは180度よりも大きい。
【0091】
錠剤9の裏面側のテーパ面についても同様であるので、第1カメラ40は錠剤9のテーパ面のうち半周よりも広い領域を撮像できる。したがって、たとえ割線90が搬送ベルト22の幅方向に平行であったとしても、第1カメラ40によって取得される第1画像データには、錠剤9bの割線90の端部が含まれる。図14に即していえば、中央の錠剤9bであっても、その割線90の端部が第1画像データに含まれる。なお図14の例では、幅方向に並ぶ複数の錠剤9に対応して複数のレンズ41が設けられているので、第1カメラ40は、複数の錠剤9のいずれにおいても、割線90の端部を撮像することができる。したがって、裏面割線検出部52は第1画像データを解析して、各錠剤9bの割線90の端部を検出することができ、割線90の向きを検出できる。
【0092】
なお、レンズ41の凸面は、第1カメラ40の撮像方向および搬送ベルト22の幅方向の両方に直交する方向から見て湾曲していればよい。よって、レンズ41はシリンドリカルレンズであってもよい。
【0093】
<変形例>
上述の例では、表面割線検出部51は、第1カメラ40によって取得された第1画像データに基づいて、錠剤9の表面の割線90を検出しているものの、必ずしもこれに限らない。第2カメラ42によって取得された第2画像データには、錠剤9の表面が含まれているので、表面割線検出部51は第2カメラ42によって取得された第2画像データに基づいて、錠剤9の表面の割線90を検出してもよい。
【0094】
また、図1の例では、第1カメラ40は、円弧区間R11の所定の撮像位置P1に対して搬送方向の下流側、かつ、搬送ベルト22よりも外側に設けられている。しかしながら、第1カメラ40は、円弧区間R11の撮像位置P1に対して搬送方向の上流側、かつ、搬送ベルト22よりも外側に設けられても構わない。この場合であっても、第1カメラ40は斜め側方から錠剤9を撮像できる。
【0095】
また、上述の例では、第1カメラ40は、搬送ベルト22上の錠剤9を撮像し、印刷部30は、搬送ベルト22上の錠剤9に印刷処理を行う。これによれば、印刷時の割線90の向きは撮像時の割線90の向きとほぼ同じであるので、印刷時の割線90の向きを高い精度で検出することができる。しかしながら、ドラム13から搬送ベルト22への錠剤9の受け渡し時の割線90の向きの変化が小さく問題にならない場合には、第1カメラ40はドラム13上の錠剤9を斜め側方から撮像してもよい。この場合、ドラム13の外周面に保持部221と同様の保持部を設ければよい。第1カメラ40はドラム13の搬送経路の円弧区間上の錠剤9を斜め側方から撮像して、第1画像データを取得する。この場合でも、制御部50は錠剤9の両主面の一方に存在する割線90の向きを、第1画像データに基づいて錠剤9ごとに検出することができる。
【0096】
また、上述の例では、錠剤9の一方側の主面のみに割線90が形成されているものの、両主面に割線90が形成されてもよい。
【0097】
また、上述の例では、単一の環状搬送機構20による錠剤9の搬送中に錠剤9の表裏を反転させ、1周目の印刷処理および2周目の印刷処理によって錠剤9の両主面に対して印刷処理を行っている。しかしながら、必ずしもこれに限らない。例えば2つの環状搬送機構を多段に設けてもよい。この構成では、第1段の環状搬送機構の鉛直上方の平坦区間において錠剤9の一方側の主面に印刷処理を行う。印刷処理後の錠剤9をさらに搬送して錠剤9が第1段の環状搬送機構の鉛直下方の平坦区間に至ると、錠剤9の一方側の主面が鉛直下方を向く。この姿勢で錠剤9を第2段の環状搬送機構の鉛直上方の平坦区間に渡す。これにより、第2環状搬送機構の鉛直上方の平坦区間では、他方側の主面が鉛直上方を向く。つまり、錠剤9の表裏が反転する。そして、第2環状搬送機構の鉛直上方の平坦区間において、錠剤9の他方側の主面に印刷処理を行う。このような構成によっても、錠剤9の両主面に印刷処理を行うことができる。この構成においても、カメラが適宜に環状搬送経路の円弧区間上の錠剤9を斜め方向から撮像すればよい。
【0098】
以上のように、粒状物印刷装置は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この粒状物印刷装置がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施の形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 印刷装置(錠剤印刷装置)
9 粒状物(錠剤)
20 搬送機構(環状搬送機構)
22 搬送ベルト
30 印刷部
40 カメラ(第1カメラ)
41 レンズ
52 裏面割線検出部
R1 環状搬送経路
R11 円弧区間
R12 平坦区間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図14