(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】自律走行車両の運行管理装置及び運行管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
G08G1/00 D
(21)【出願番号】P 2020066700
(22)【出願日】2020-04-02
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東出 宇史
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 健志
(72)【発明者】
【氏名】宇野 慶一
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184779(JP,A)
【文献】特開2014-233989(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110304117(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00- 3/12、 7/00-13/00、
15/00-58/40
B60W 10/00-10/30、30/00-60/00
B61L 1/00-99/00
G06Q 10/00-10/30、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00
G08G 1/00-99/00
G16Z 99/00
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環路を自律走行する複数の自律走行車両の運行管理装置であって、
前記循環路を自律走行中の複数の運行車両の運行間隔が等間隔となるように、前記循環路に沿って設けられた停留所の到着目標時刻及び出発目標時刻と前記運行車両の目標速度が定められた、通常運行スケジュールを、それぞれの前記運行車両に与える運行スケジュール提供部と、
前記循環路における乗車需要に基づいて、前記循環路への追加車両の投入要否を判定し、投入が必要と判定されたときに投入要求指令を出力する、投入要否判定部と、
前記投入要求指令を受信した際に、それぞれの前記運行車両の実運行間隔のうち最大値が、前記目標速度に応じて定まる間隔閾値以上であるときに、前記追加車両に対して
、前記実運行間隔が前記最大値である前記運行車両間に前記追加車両を投入させる投入指令を出力し、前記最大値が前記間隔閾値未満であるときに、前記追加車両に対して前記循環路への投入を保留させる保留指令を出力する、投入タイミング決定部と、
を備える、自律走行車両の運行管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、自律走行車両の運行管理装置であって、
複数の前記運行車両に与えられる運行スケジュールを前記通常運行スケジュールから変更するスケジュール変更部を備え、
前記スケジュール変更部は、前記投入指令に基づいて前記循環路に投入された前記追加車両から一台先行する前記運行車両の前記出発目標時刻を、前記通常運行スケジュールに基づいて定められる前記出発目標時刻よりも前倒しさせるとともに、前記追加車両から一台後続する前記運行車両の前記出発目標時刻を、前記通常運行スケジュールに基づいて定められる前記出発目標時刻よりも遅延させる、投入後変更処理を実行する、
自律走行車両の運行管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の、自律走行車両の運行管理装置であって、
複数の前記運行車両に与えられる運行スケジュールを前記通常運行スケジュールから変更するスケジュール変更部を備え、
前記スケジュール変更部は、前記保留指令に基づいて、複数の前記運行車両の運行間隔が不等間隔になるように、前記出発目標時刻を前記通常運行スケジュールに基づいて定められる前記出発目標時刻から変更して、所定の前記運行車両間の車間を前記追加車両用に拡げる、投入前変更処理を実行する、
自律走行車両の運行管理装置。
【請求項4】
運行管理装置により実行される、循環路を自律走行する複数の自律走行車両の運行管理方法であって、
前記循環路を自律走行中の複数の運行車両の運行間隔が等間隔となるように、前記循環路に沿って設けられた停留所の到着目標時刻及び出発目標時刻と前記運行車両の目標速度が定められた、通常運行スケジュールを、
前記運行管理装置の運行スケジュール提供部が、それぞれの前記運行車両に与え、
前記循環路における乗車需要に基づいて、
前記運行管理装置の投入要否判定部が、前記循環路への追加車両の投入要否を判定し、
さらに、投入が必要と判定されたときに投入要求指令を出力し、
前記運行管理装置の投入タイミング決定部が、前記投入要求指令を受信した際に、それぞれの前記運行車両の実運行間隔のうち最大値が、前記目標速度に応じて定まる間隔閾値以上であるときに、前記追加車両に対して
、前記実運行間隔が前記最大値である前記運行車両間に前記追加車両を投入させる投入指令を出力し、前記最大値が前記間隔閾値未満であるときに、前記追加車両に対して前記循環路への投入を保留させる保留指令を出力する、
自律走行車両の運行管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の、自律走行車両の運行管理方法であって、
前記運行管理装置のスケジュール変更部が、前記投入指令に基づいて前記循環路に投入された前記追加車両から一台先行する前記運行車両の前記出発目標時刻を、前記通常運行スケジュールに基づいて定められる前記出発目標時刻よりも前倒しさせるとともに、前記追加車両から一台後続する前記運行車両の前記出発目標時刻を、前記通常運行スケジュールに基づいて定められる前記出発目標時刻よりも遅延させる、投入後変更処理を実行する、
自律走行車両の運行管理方法。
【請求項6】
請求項4に記載の、自律走行車両の運行管理方法であって、
前記保留指令に基づいて、複数の前記運行車両の運行間隔が不等間隔になるように、前記出発目標時刻を前記通常運行スケジュールに基づいて定められる前記出発目標時刻から変更して、所定の前記運行車両間の車間を前記追加車両用に拡げる、投入前変更処理を
、前記運行管理装置のスケジュール変更部が実行する、
自律走行車両の運行管理方法。
【請求項7】
請求項1に記載の、自律走行車両の運行管理装置であって、
前記通常運行スケジュールにおいて定められた前記目標速度に正比例して、前記間隔閾値が定められる、
自律走行車両の運行管理装置。
【請求項8】
請求項4に記載の、自律走行車両の運行管理方法であって、
前記投入タイミング決定部は、前記通常運行スケジュールにおいて定められた前記目標速度に正比例して、前記間隔閾値を定める、
自律走行車両の運行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、複数の停留所が設置された循環路を自律走行する複数の車両の運行を管理する、自律走行車両の運行管理装置及び運行管理方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
近年、自律走行可能な車両を用いた交通システムが提案されている。例えば、特許文献1には、専用路線に沿って自律走行可能な車両を用いた車両交通システムが開示されている。この車両交通システムは、専用路線に沿って走行する複数の車両と、当該複数の車両を運行させる管制制御システムとを備える。管制制御システムは、運行計画に従い、車両に出発指令や進路指令を送信する。また、管制制御システムは、乗車需要に応じて、車両の増車または減車を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、循環路における運行状況に応じて適切なタイミングで追加車両を投入可能な、自律走行車両の運行管理装置及び運行管理方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、循環路を自律走行する複数の自律走行車両の運行管理装置が開示される。当該運行管理装置は、運行スケジュール提供部、投入可否判定部、及び投入タイミング決定部を備える。運行スケジュール提供部は、循環路を自律走行中の複数の運行車両の運行間隔が等間隔となるように、循環路に沿って設けられた停留所の到着目標時刻及び出発目標時刻と運行車両の目標速度が定められた、通常運行スケジュールを、それぞれの運行車両に与える。投入要否判定部は、循環路における乗車需要に基づいて、循環路への追加車両の投入要否を判定し、投入が必要と判定されたときに投入要求指令を出力する。投入タイミング決定部は、投入要求指令を受信した際に、それぞれの運行車両の実運行間隔のうち最大値が、目標速度に応じて定まる間隔閾値以上であるときに、追加車両に対して投入指令を出力し、当該最大値が間隔閾値未満であるときに、追加車両に対して循環路への投入を保留させる保留指令を出力する。
【0006】
上記構成によれば、循環路を走行中の複数の運行車両の実運行間隔が間隔閾値以上である、つまり実運行間隔が相対的に長い場合には、追加車両が循環路に投入される。一方、上記構成によれば、実運行間隔が間隔閾値未満である、つまり、実運行間隔が相対的に短い場合には、投入要求指令が出力されていても、循環路への追加車両の投入が保留される。このように上記構成によれば、循環路における運行状況に応じて適切なタイミングで追加車両が投入可能となる。
【0007】
また上記構成において、複数の運行車両に与えられる運行スケジュールを通常運行スケジュールから変更するスケジュール変更部が備えられてもよい。この場合、スケジュール変更部は、投入指令に基づいて循環路に投入された追加車両から一台先行する運行車両の出発目標時刻を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻よりも前倒しさせるとともに、追加車両から一台後続する運行車両の出発目標時刻を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻よりも遅延させる、投入後変更処理を実行する。
【0008】
循環路に追加車両が投入されると、当該追加車両とその前後の運行車両との運行間隔が短くなる。上記構成によれば、追加車両の前後の運行車両を追加車両から遠ざけるような投入後変更処理が実行される。これにより、追加車両を含めた運行車両の運行間隔の等間隔化が図られる。
【0009】
また上記構成において、複数の運行車両に与えられる運行スケジュールを通常運行スケジュールから変更するスケジュール変更部が備えられてもよい。この場合、スケジュール変更部は、保留指令に基づいて、複数の運行車両の運行間隔が不等間隔になるように、出発目標時刻を通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻から変更して、所定の運行車両間の車間を追加車両用に拡げる、投入前変更処理を実行する。
【0010】
上記構成によれば、実運行間隔が間隔閾値未満であって、循環路への投入が保留されているときに、循環路を走行中の運行車両の運行スケジュールを不等間隔化させる。これにより、所定の運行車両間では運行間隔が拡げられ、追加車両の投入が可能となる。
【0011】
また本明細書では、循環路を自律走行する複数の自律走行車両の運行管理方法が開示される。当該運行管理方法では、循環路を自律走行中の複数の運行車両の運行間隔が等間隔となるように、循環路に沿って設けられた停留所の到着目標時刻及び出発目標時刻と運行車両の目標速度が定められた、通常運行スケジュールが、それぞれの運行車両に与えられる。また、循環路における乗車需要に基づいて、循環路への追加車両の投入要否を判定し、投入が必要と判定されたときに投入要求指令が出力される。さらに、投入要求指令を受信した際に、それぞれの運行車両の実運行間隔のうち最大値が、目標速度に応じて定まる間隔閾値以上であるときに、追加車両に対して投入指令が出力される。一方、当該最大値が間隔閾値未満であるときに、追加車両に対して循環路への投入を保留させる保留指令が出力される。
【0012】
また上記構成において、投入指令に基づいて循環路に投入された追加車両から一台先行する運行車両の出発目標時刻を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻よりも前倒しさせるとともに、追加車両から一台後続する運行車両の出発目標時刻を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻よりも遅延させる、投入後変更処理が実行されてもよい。
【0013】
また上記構成において、保留指令に基づいて、複数の運行車両の運行間隔が不等間隔になるように、出発目標時刻を通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻から変更して、所定の運行車両間の車間を追加車両用に拡げる、投入前変更処理が実行されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本明細書で開示される技術によれば、循環路における運行状況に応じて適切なタイミングで追加車両が投入可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る運行管理装置が設置される交通システムの概略図である。
【
図2】運行管理装置、自律走行車両、及び停留所のハードウェア構成図である。
【
図3】運行管理装置、自律走行車両、及び停留所の機能ブロック図である。
【
図4】運行スケジュール作成に用いられる用語の説明図(1/3)である。
【
図5】運行スケジュール作成に用いられる用語の説明図(2/3)である。
【
図6】運行スケジュール作成に用いられる用語の説明図(3/3)である。
【
図7】3台20分間隔にて運行される通常運行スケジュールが例示されたダイヤグラムである。
【
図8】4台15分間隔にて運行される通常運行スケジュールが例示されたダイヤグラムである。
【
図9】5台12分間隔にて運行される通常運行スケジュールが例示されたダイヤグラムである。
【
図10】投入要否判定を例示するフローチャートである。
【
図11】投入時運行制御を例示するフローチャートである。
【
図12】投入後変更処理を例示するダイヤグラムである。
【
図13】出発目標時刻の繰り上げプロセスを説明する図である。
【
図14】出発目標時刻の繰り下げプロセスを説明する図である。
【
図15】停留所ごとの繰り上げ幅の設定例について説明する図である。
【
図16】投入前変更処理を例示するダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1には、本実施形態に係る運行管理装置10を含む交通システムの概略図が例示される。この交通システムは、運行管理装置10の他に、運行車両C1~C4,待機車両C5~C8、停留所ST1~ST3が含まれる。
【0017】
なお、以下では、複数の車両C1~C8を区別しない場合は、区別用の添え字番号が省略され「車両C」と表記される。同様に、複数の停留所ST1~ST3も、区別の必要がない場合は、「停留所ST」と表記される。
【0018】
図1に例示される交通システムでは、予め規定された循環路100に沿って車両Cが走行し、不特定多数の利用者が輸送される。車両Cは、循環路100上を図示矢印のように一方通行にて循環運行する。
【0019】
循環路100は、例えば車両Cのみが走行を許可される専用道路であってよい。車両Cが鉄道車両である場合には、循環路100は循環線であってよい。又は、循環路100は、車両C以外の車両も通行可能な一般道路に設定された路線であってもよい。
【0020】
また、循環路100と接続するようにして、交通システムには車庫110が設けられる。
図1では車庫110に待機される待機車両C5~C8が例示される。この中から循環路100に追加投入される追加車両(例えば待機車両C5)が選択される。
【0021】
車庫110との接続ポイントとして、循環路100には回収ポイントPout及び投入ポイントPinが設けられる。
図1の例では回収ポイントPout及び投入ポイントPinは停留所ST2と停留所ST3との間に設けられる。
【0022】
循環路100を走行中の運行車両C1~C4は、回収ポイントPoutにて、車庫110に入る。また、車庫110にて待機中の待機車両C5~C8は、投入ポイントPinから循環路100内に投入される。回収用の車両Cと投入用の車両Cとの交錯を避けるために、回収ポイントPoutは投入ポイントPinの上流側に設けられる。
【0023】
また循環路100には、運行車両C1~C4に各自の運行スケジュールを送る運行スケジュール更新ポイントPuが設けられる。スケジュール更新ポイントPuでは、運行管理装置10から、当該ポイントを通過する車両Cに対して、当該車両Cの、運行スケジュール更新ポイントPuを起点とした一周分の運行スケジュールが提供される。このようにして車両Cは運行スケジュール更新ポイントPuを通過するたびに(周ごとに)運行スケジュールが変更される。運行スケジュールの提供方法の詳細は後述される。
【0024】
<停留所構成>
循環路100に沿って、複数の停留所STが設置される。
図1では3個の停留所ST1~ST3が例示されているが、循環路100の全長や循環路100沿いの建築物等に応じて、任意の数の停留所が循環路100に設置される。例えば停留所STは、運行車両C1~C4が走行する車道脇の歩道に立設される。停留所STは、例えば専用の通信回線等により運行管理装置10と通信可能となっている。また停留所STは、車両Cと無線により通信可能となっている。
【0025】
図2には、停留所ST、車両C、運行管理装置10のハードウェア構成が例示される。停留所STはカメラ22、時計27、及び制御部50を備える。カメラ22は停留所STにて車両Cを待つ乗客を撮像するものであり、例えば停留所ST周辺の静止画及び動画の少なくとも一方を撮像可能となっている。
【0026】
制御部50は、そのハードウェア構成として、入出力コントローラ10A、CPU10B、ROM10E、RAM10F、ハードディスクドライブ10G(HDD)及び表示部10Iを備え、これらの構成部品が内部バス10Jに接続される。
【0027】
図3には、停留所ST、車両C、運行管理装置10の機能ブロックが、ハードウェアと混在した状態で例示される。停留所STの制御部50は、その機能ブロックとして、画像送信部52及び運行スケジュール表示部54を備える。
【0028】
画像送信部52は、カメラ22が撮像した、停留所ST周辺の画像データを、時計27から得られた時刻データとともに車両Cに送信する。送信された画像データ及び時刻データは、後述する乗降完了時刻Tpの算出に利用される。運行スケジュール表示部54には、運行管理装置10から車両Cの運行スケジュールが送られる。例えば所定の時間後ごとに更新された運行スケジュールが、運行管理装置10から制御部50に送信される。これを受けて運行スケジュール表示部54は、停留所STに到着する車両Cの到着予定時刻(後述する到着目標時刻Ta*)を表示する。
【0029】
<車両構成>
車両Cは、循環路100を自律走行可能な車両であって、例えば、所定の停留所STから他の停留所STまで不特定多数の利用者を輸送する乗合車両として機能する。車両Cは、例えば乗合バスであってよい。
図2、
図3に例示されるように、車両Cは、回転電機29(モータ)を駆動源とし、図示しないバッテリを電源とする電動車両である。車両Cは、運行管理装置10及び停留所STと無線通信により通信可能、つまりデータのやり取りが可能となっている。
【0030】
車両Cには、自律走行を可能とするための機構が搭載されている。具体的には、車両Cは、制御部20、カメラ22、ライダーユニット23、近接センサ25、GPS受信機26、時計27、駆動機構28、及び操舵機構30を備える。
【0031】
カメラ22は、ライダーユニット23と略同一の視野を撮像する。カメラ22は、例えばCMOSセンサやCCDセンサ等のイメージセンサを備える。カメラ22が撮像した画像(撮像画像)は、後述するように、自律走行制御に利用される。
【0032】
ライダーユニット23(LiDAR Unit)は、自律走行用のセンサであり、例えば赤外線を用いた測距センサである。例えば、ライダーユニット23から、水平方向及び鉛直方向に赤外線レーザー光線が走査され、これにより、車両Cの周辺環境についての測距データが3次元的に配列された、3次元点群データを得ることが出来る。カメラ22及びライダーユニット23は、一纏まりのセンサユニットとして、例えば、車両Cの前面、後面、ならびに前面及び後面を繋ぐ両側面の4面に設けられる。
【0033】
近接センサ25は、例えばソナーセンサであって、例えば車両Cが停留所STに停車する際に、車道と歩道との境界である縁石と車両Cとの距離を検出する。この検出により、車両Cを縁石に寄せて停車させる、いわゆる正着制御が可能となる。近接センサ25は、例えば車両Cの両側面と、前面と側面との角部に設けられる。
【0034】
GPS受信機26は、GPS衛星からの測位信号を受信する。例えばこの測位信号を受信することで、車両Cの現在位置(緯度、経度)が求められる。
【0035】
制御部20は、例えば車両Cの電子コントロールユニット(ECU)であってよく、コンピュータから構成される。
図2に例示される制御部20は、データの入出力を制御する入出力コントローラ10Aを備える。また制御部20は演算素子として、CPU10B、GPU10C(Graphics Processing Unit)、DLA10D(Deep Learning Accelerators)を備える。さらに制御部20は記憶部として、ROM10E、RAM10F、及びハードディスクドライブ10G(HDD)を備える。これらの構成部品は内部バス10Jに接続される。
【0036】
図3には、制御部20の機能ブロックが例示される。この機能ブロックは、スキャンデータ解析部40、自己位置推定部42、経路作成部44、及び自律走行制御部46を含んで構成される。また制御部20は、記憶部として、ダイナミックマップ記憶部48及び運行スケジュール記憶部49を備える。
【0037】
ダイナミックマップ記憶部48には、循環路100及びその周辺のダイナミックマップデータが記憶される。ダイナミックマップは、3次元地図であって、例えば道路(車道及び歩道)の位置及び形状(3次元形状)が記憶される。また道路に引かれた車線、横断歩道、停止線等の位置もダイナミックマップに記憶される。加えて、建物や車両用信号機等の構造物の位置及び形状(3次元形状)もダイナミックマップに記憶される。ダイナミックマップデータは、運行管理装置10から提供される。
【0038】
運行スケジュール記憶部49には、当該記憶部が搭載された車両Cの運行スケジュールが記憶される。上述のように、この運行スケジュールは、運行スケジュール更新ポイントPu(
図1参照)にて1周ごとに更新される。
【0039】
車両Cは、ダイナミックマップ記憶部48に記憶された循環路100のデータに沿って自律走行する。自律走行に当たり、車両Cの周辺環境の3次元点群データがライダーユニット23により取得される。またカメラ22によって車両Cの周辺環境の画像が撮像される。
【0040】
カメラ22が撮像した撮像画像内の物体は、スキャンデータ解析部40により解析される。例えば、教師有り学習を用いたSSD(Single Shot Multibox Detector)やYOLO(You Only Look Once)といった既知のディープラーニング手法により撮像画像内の物体が検出され、さらに検出された物体の属性(停留所ST、通行人、構造物等)が認識される。
【0041】
また、スキャンデータ解析部40は、ライダーユニット23から3次元点群データ(ライダーデータ)を取得する。カメラ22による撮像画像とライダーデータを重ね合わせることで、どのような属性(停留所ST、通行人、構造物等)の物体が、自身からどれ位の距離にいるかを求めることが出来る。
【0042】
また、自己位置推定部42は、GPS受信機26から受信した自己位置(緯度、経度)から、ダイナミックマップ中の自己位置を推定する。推定された自己位置は、経路作成に用いられる他、時計27から取得した時刻情報とともに運行管理装置10に送信される。
【0043】
経路作成部44は、推定された自己位置と直近の目標地点までの経路を作成する。例えば自己位置と停留所STまでの経路が作成される。自己位置と停留所STまでの直線経路上に障害物があることが、ライダーユニット23による3次元点群データ及びカメラ22による撮像画像から判明したときには、当該障害物を避けるような経路が作成される。
【0044】
自律走行制御部46は、上記により求められた、撮像画像とライダーデータの重ね合わせデータ、自己位置、作成済みの経路、及び運行スケジュールに基づいて車両Cの走行制御を行う。例えば作成済み経路の走行速度は、運行スケジュールによって定められた目標速度V1(後述される)と一致するように、自律的に制御される。例えば自律走行制御部46は、インバータ等の駆動機構28を制御して、車両Cの速度を目標速度V1に維持する。また、自律走行制御部46は、アクチュエータ等の操舵機構30の制御を通して車輪31を操作し、決定された経路を車両Cが進むように制御する。
【0045】
また、停留所STでは、自律走行制御部46は、車両Cを停車させた後に乗降扉(図示せず)を開放させる。このとき、自律走行制御部46は、時計27を参照して、車両Cが実際に停留所STに到着した時刻である到着実時刻Taを運行管理装置10に送信する。また自律走行制御部46は、時計27を参照して、運行スケジュールによって定められた出発目標時刻Td*(後述される)まで車両Cを停車状態に維持させる。
【0046】
また、出発目標時刻Td*を超過しても、停留所STに乗車客が残っている場合や、車両Cからの降車客が残っている場合は、車両Cの停車状態を維持させる。乗降客がいないと判定されると、自律走行制御部46は、図示しない乗降扉を閉止させて、車両Cを停留所STから離間するように走行制御する。このとき、自律走行制御部46は、時計27を参照して、車両Cが実際に停留所を出発した時刻である出発実時刻Tdを運行管理装置10に送信する。
【0047】
停留所STに乗車客が残っているか(並んでいるか)否かを判定する手段として、例えば車両C以外に設けられたカメラ22及びライダーユニット23が用いられる。例えば、撮像画像とライダーデータの重ね合わせデータにより、停留所STにおける乗車客の有無が判定可能となる。また、停留所STのカメラ22による撮像画像を受信して、スキャンデータ解析部40により画像解析を行うことで、停留所STにおける乗車客の有無が判定可能となる。
【0048】
スキャンデータ解析部40は、例えば、車両Cのカメラ22による撮像画像とライダーユニット23によるライダーデータの重ね合わせデータに基づいて求められた乗車完了時刻と、停留所STのカメラ22の撮像画像に基づいて求められた乗車完了時刻を比較する。例えばスキャンデータ解析部40は、両時刻のうち遅い方、つまり両者に照らして確実に乗車が完了した時刻を、真の乗車完了時刻とする。
【0049】
また、車両C内に降車客が残っているか否かを判定する手法として、例えば車両C内に設けられたカメラ(図示せず)の撮像画像が用いられる。例えば車内の撮像画像をスキャンデータ解析部40により解析して、降車客の有無が判定される。スキャンデータ解析部は、時計27を参照して、降車が完了した時刻を、降車完了時刻とする。
【0050】
また、スキャンデータ解析部40は、例えば、上述した真の乗車完了時刻と降車完了時刻のうち遅い方を、その停留所STにおける乗降が完了した時刻である乗降完了時刻Tpとして、運行管理装置10に送信する。
【0051】
<運行管理装置の構成>
運行管理装置10は、循環路100を自律走行する車両Cの運行を管理する。運行管理装置10は、例えば車両Cの運行を管理する管理会社に設置される。運行管理装置10は例えばコンピュータから構成され、
図2には、運行管理装置10のハードウェア構成が例示される。
【0052】
運行管理装置10は、車両Cのハードウェア構成と同様にして、入出力コントローラ10A、CPU10B、GPU10C、DLA10D、ROM10E、RAM10F、及びハードディスクドライブ10G(HDD)を備える。これらの構成部品は内部バス10Jに接続される。
【0053】
また運行管理装置10は、適宜データを入力するキーボードやマウス等の入力部10Hを備える。さらに運行管理装置10は、運行スケジュール等を閲覧表示するためのディスプレイ等の表示部10Iを備える。入力部10H及び表示部10Iは内部バス10Jに接続される。
【0054】
図3には、運行管理装置10の機能ブロックが例示される。運行管理装置10は、記憶部として、運行スケジュール記憶部65及びダイナミックマップ記憶部66を備える。また運行管理装置10は、機能部として、投入要否判定部60、運行スケジュール変更部61、運行スケジュール作成部62、運行スケジュール提供部63、運行ルート作成部64、及び投入タイミング決定部69を備える。
【0055】
運行ルート作成部64は、車両Cを走行させるルート、つまり循環路100を作成する。例えば分岐を含むような道路から経路が選択されて循環路100が作成される。作成された循環路100に対応するダイナミックマップデータが、ダイナミックマップ記憶部66から抽出され、車両Cに送信される。運行スケジュール作成部62は、後述する通常運行スケジュールを作成する。
【0056】
投入要否判定部60には、運行車両Cから自己位置(自車位置)及び時刻のデータが、所定の時間間隔、または、投入要否判定部60からの要求に応じて、送信される。また、運行スケジュール変更部61及び運行スケジュール作成部62から、周回中の運行車両Cに提供されている運行スケジュールデータが送信される。これらのデータに基づいて、投入要否判定部60は、運行車両Cごとの乗車需要を求める。
【0057】
さらに後述されるように、投入要否判定部60は、乗車需要パラメータとして待機時間Dw(
図4参照)を用いて、運行車両Cごとの乗車需要を求める。さらに投入要否判定部60は、この乗車需要に基づいて、追加車両Cの投入要否を判定する。追加車両Cの投入が必要と判定されると、投入要否判定部60から投入タイミング決定部69に、投入要求指令が出力される。投入タイミング決定部69は、投入要否判定部60から投入要求指令を受信したときに、循環路100への追加車両の投入タイミングを決定する。
【0058】
運行スケジュール変更部61は、追加車両の投入に関連して、既に循環路100を自律走行する運行車両Cに対して提供される運行スケジュールを、通常運行スケジュールから変更する。後述されるように、追加車両を循環路100に投入した後に運行スケジュールが変更される場合には、投入後変更処理が実行される。また、追加車両を循環路100に投入する前に運行スケジュールが変更される場合には、投入前変更処理が実行される。
【0059】
運行スケジュール提供部63は、運行スケジュール作成部62により作成された通常運行スケジュールを、運行スケジュール更新ポイントPuにて運行車両Cに提供する。また、運行スケジュール変更部61により運行スケジュールが通常運行スケジュールから変更された場合には、運行スケジュール提供部63は、通常運行スケジュールの提供を一時停止する。さらに運行スケジュール提供部63は、変更後の運行スケジュールを運行スケジュール更新ポイントPuにて運行車両Cに提供する。
【0060】
<通常運行スケジュール>
通常運行スケジュールとは、循環路100を自律走行する運行車両(
図1では車両C1~C4がこれに当たる)の台数が維持されながら周回走行されるときに適用される運行スケジュールを指す。言い換えると、増車も減車も無い状態で車両Cが循環路100をそれぞれ一周する場合に、通常運行スケジュールが適用される。
【0061】
例えば、通常運行スケジュールでは、循環路100を走行する運行車両Cの運行間隔が等間隔となるように、各停留所ST1~ST3での停車時間(後述する計画停車時間)が各車両Cで一律に設定され、また目標速度V1も各車両Cで一律に設定される。
【0062】
通常運行スケジュールにて設定される目標速度V1及び各停留所ST1~ST3での計画停車時間は、適宜「通常値」とも記載される。このような観点から、通常運行スケジュールとは、通常値を用いて編成される運行スケジュールということが出来る。通常運行スケジュールは、例えば当該運行スケジュールにて実際の運行がなされる前に、予め運行管理装置10の運行スケジュール作成部62によって定められる。
【0063】
運行スケジュール及びスケジュール変更の際に用いられる用語が
図4~
図6に例示される。
図4に例示されるように、通常運行スケジュールでは、各停留所STにおける到着目標時刻Ta*と、当該停留所から出発する出発目標時刻Td*が車両Cごとに定められる。到着目標時刻Ta*から出発目標時刻Td*までの期間は、スケジュール上での車両Cの停車時間となり、計画停車時間Dwpと呼ばれる。
【0064】
また実際の運行に当たり、前の停留所における遅延や、循環路100上の渋滞等に起因して、車両Cが到着目標時刻Ta*とは異なる時刻に停留所STに到着する場合がある。この実際の到着時刻は到着実時刻Taと呼ばれる。加えて到着実時刻Taから出発目標時刻Td*までの期間は、その停留所STからスケジュール通りに車両Cを出発させるための目標時間となり、停車目標時間Dw*と呼ばれる。
【0065】
さらに、車両Cへの実際の乗降時間が乗降実時間Dpと呼ばれる。乗降実時間Dpは、到着実時刻Taから乗降完了時刻Tpまでの期間である。また、停車目標時間Dw*から乗降実時間Dpを引いた時間は待機時間Dwと呼ばれる。
【0066】
図4には、待機時間Dwが正の値を取る場合が例示される。この場合、待機時間Dwは、乗降完了時刻Tpから出発目標時刻Td*までの時間となり、車両Cへの乗降が済み、そこから出発を待つ時間となる。待機時間Dw経過後、出発目標時刻Td*に至ると、車両Cは停留所から出発する。つまり、待機時間Dwが正の値を取る場合は、車両Cが実際に停留所STから出発する時刻である出発実時刻Tdと出発目標時刻Td*とが基本的に等しくなる。
【0067】
なお後述するように、この待機時間Dwは、運行スケジュールの変更に当たり、出発目標時刻Td*を前倒し(繰り上げ)することのできる時間、言い換えると余裕時間となる。
【0068】
図5では、乗降実時間Dpが停車目標時間Dw*を超過し、待機時間Dwが負の値を取る場合が例示される。この場合、出発目標時刻Td*を過ぎても乗員の乗降が続き、乗降が完了すると直ちに車両Cが出発するため、乗降完了時刻Tpと出発実時刻Tdとが基本的に等しくなる。このような場合、出発目標時刻Td*を繰り上げるような余裕はないことになる。
【0069】
また
図6には、運行車両C1,C2間の運行間隔が例示される。運行間隔は前後する運行車両C1,C2の運転時間間隔を指す。運行車両C1,C2のダイヤグラムについて、一点鎖線は通常運行ダイヤグラムを示し、実線は運行車両C1,C2の実際の運行ダイヤグラムを示す。なお、以下では、ダイヤグラムについて、横軸は時間(時刻)を指し、縦軸は循環路上の経路を指す。
【0070】
図6には、運行間隔として、計画運行間隔Drpと実運行間隔Draが示される。計画運行間隔Drpは、通常運行ダイヤグラムに基づく、運行車両C1,C2の運行間隔を指す。実運行間隔Draは、実際の運行ダイヤグラムに基づく、運行車両C1,C2の運行間隔を指す。実運行間隔Draは、例えば、運行車両Cから送信される自己位置(自車位置)及び時刻のデータから求めることが出来る。例えば、運行車両C1が循環路100上の所定のポイントを通過した時刻と、後続する運行車両C2が同ポイントを通過した時刻との時間差が、運行車両C1,C2の実運行間隔Draとなる。
【0071】
図7~
図9には、それぞれ運行体制の異なる通常運行スケジュールによるダイヤグラムが例示される。
図7には、3台20分間隔にて運行を行う通常運行ダイヤグラムが例示される。横軸には時刻が示され、縦軸には循環路100上の停留所ST1~ST3、運行スケジュール更新ポイントPu、回収ポイントPout、投入ポイントPinの各地点が示される。
【0072】
この例では、運行車両C1~C3の全てに対して、通常値である目標速度V1が一律に設定される。また、停留所ST1,ST2,ST3での計画停車時間Dwpが、それぞれ一律に通常値である計画停車時間Dwp1,Dwp2,Dwp3に設定される。さらに、計画運行間隔Drp1は20分に設定される。
【0073】
図8には、4台15分間隔にて運行を行う通常運行ダイヤグラムが例示される。この例でも、運行車両C1~C4の全てに対して、通常値である目標速度V1が一律に設定される。また、停留所ST1,ST2,ST3での計画停車時間Dwpが、それぞれ一律に通常値である計画停車時間Dwp1,Dwp2,Dwp3に設定される。さらに、計画運行間隔Drp2は15分に設定される。
【0074】
図9には、5台12分間隔にて運行を行う通常運行ダイヤグラムが例示される。この例でも、運行車両C1~C5の全てに対して、通常値である目標速度V1が一律に設定される。また、停留所ST1,ST2,ST3での計画停車時間Dwpが、それぞれ一律に通常値である計画停車時間Dwp1,Dwp2,Dwp3に設定される。さらに、計画運行間隔Drp3は12分に設定される。
【0075】
例えば、循環路100での運行体制が、
図8のような4台15分間隔である場合に、運行スケジュール提供部63(
図3)は、運行スケジュール更新ポイントPuにて、当該ポイントを通過する運行車両C1~C4に運行スケジュールを提供する。このとき、運行スケジュール提供部63は、運行スケジュール更新ポイントPuを通過中の運行車両C1~C4に運行スケジュールを1周分提供する。
【0076】
例えば、運行車両C1が運行スケジュール更新ポイントPuを通過するときには、当該ポイントPuから、次回運行スケジュール更新ポイントPuを通過するまで、例えば
図8におけるポイントP1からポイントP2までの、運行車両C1の運行スケジュールデータが、運行車両C1に提供される。
【0077】
このとき運行車両Ck(4台体制ではk=1~4)に提供される運行スケジュールデータには、各停留所ST1~ST3における到着目標時刻Ta*_Ck_ST1~Ta*_Ck_ST3、出発目標時刻Td*_Ck_ST1~Td*_Ck_ST3、及び、目標速度V1が含まれる。
【0078】
<投入要否判定処理>
図10には、投入要否判定部60により実行される、投入要否判定フローが例示される。以下に説明されるように、このフローは、投入要否判定部60により、所定時間間隔で、繰り返し実行される。例えば、運行車両Cがスケジュール更新ポイントPuを通過する度に実行される。なお、
図11に例示される投入時運行制御フローの実行中には、投入要否判定フローの実行が停止(中断)されていてよい。
【0079】
投入要否判定フローでは、乗車需要を判定するパラメータ(乗車需要パラメータ)として、待機時間Dw(
図4、
図5参照)が用いられる。下記に詳述されるように、投入要否判定部60(
図3)は、待機時間Dwに基づいて、追加車両の投入要否を判定する。
【0080】
待機時間Dwが大きい(正に大きい)ほど、乗車及び降車に掛かる時間が短い、つまり、乗車客が少ないということが出来るから、乗車需要が少ないと考えられる。反対に、待機時間Dwが0に近づく、または負の値を取るときには、乗車及び降車に掛かる時間が長い、つまり、乗車客が多いと考えられるので、乗車需要が多いということが出来る。
【0081】
この乗車需要の多寡を判定する閾値として、正の閾値Dw_th(>0)が用いられる。例えば閾値Dw_thは、停留所ST1~ST3におけるそれぞれの計画停車時間Dwpの総和(Dwp1+Dwp2+Dwp3)に基づいて、閾値Dw_thが定められる。例えば計画停車時間Dwpの総和(Dwp1+Dwp2+Dwp3)の15%の値が閾値Dw_thとして設定される。
【0082】
また以下の説明では、3台20分間隔での運行体制(
図7参照)をもとに、投入要否判定フローが説明される。
図10を参照して、投入要否判定部60(
図3)は、運行車両カウントkを初期値1に設定する(S10)。つまり、待機時間を求める対象が運行車両C1に設定される。次に投入要否判定部60は、停留所カウントmを初期値に設定する(S12)。つまり、待機時間を求める対象が、運行車両C1が停留所ST1に停車したときに設定される。
【0083】
投入要否判定部60は、運行車両C1から、停留所ST1への到着実時刻Ta_C1_ST1、乗降完了時刻Tp_C1_ST1、及び停留所ST1からの出発目標時刻Td*_C1_ST1を取得する。さらに投入要否判定部60は、到着実時刻Ta_C1_ST1と出発目標時刻Td*_C1_ST1から停車目標時間Dw*_C1_ST1を求める。
【0084】
また投入要否判定部60は、到着実時刻Ta_C1_ST1と乗降完了時刻Tp_C1_ST1から乗降実時間Dp_C1_ST1を求める。さらに投入要否判定部60は、停車目標時間Dw*_C1_ST1から乗降実時間Dp_C1_ST1を差し引いて、待機時間Dw_C1_ST1を求める(S14)。
【0085】
さらに投入要否判定部60は、停留所カウントmが最終値m_endに到達しているか否かを判定する(S16)。停留所カウントmが最終値m_endに到達していない場合には、投入要否判定部60は、停留所カウントmをインクリメントして(S18)、ステップS14まで戻り、次の停留所についての待機時間を求める。
【0086】
停留所カウントmが最終値m_endに到達している場合には、投入要否判定部60は、運行車両Ckの、循環路100の一周分の、つまり全ての停留所ST1~ST3の待機時間の総和である一周待機時間Σ(Dw_Ck)を求める(S20)。次に投入要否判定部60は、運行車両カウントkが最終値k_end(この例では運行車両C3がこれに当たる)に到達したか否かを判定する(S22)。最終値k_endに未達の場合は、運行車両カウントkをインクリメントして(S24)、ステップS12まで戻る。
【0087】
ステップS22にて、運行車両カウントkが最終値k_endに到達した場合、投入要否判定部60は、各運行車両C1~C3の一周待機時間Σ(Dw_Ck)の代表値が閾値Dw_th以下であるか否かを判定する。
【0088】
例えば代表値として、一周待機時間の最小値Min(Σ(Dw_Ck))、つまり、一周待機時間として最も余裕のない時間が選出される。投入要否判定部60は、各運行車両C1~C3の一周待機時間Σ(Dw_Ck)のうち、最小値Min(Σ(Dw_Ck))を求める(S26)。なお、最小値が代表値となる代わりに、平均値が代表値となってもよい。
【0089】
投入要否判定部60は、最小値Min(Σ(Dw_Ck))が、閾値Dw_th以下であるかを判定する(S28)。最小値Min(Σ(Dw_Ck))が、閾値Dw_thを超過する場合、待機時間は十分にあり、乗車需要は少ないと判定され、追加車両の投入は見送られる。
【0090】
一方、最小値Min(Σ(Dw_Ck))が、閾値Dw_th以下である場合、投入要否判定部60は、追加車両の投入が必要と判定し、投入要求指令を投入タイミング決定部69に出力(送信)する(S30)。
【0091】
<投入時運行制御>
図11には、追加車両の投入時運行制御のフローチャートが例示される。このフローは、投入タイミング決定部69、運行スケジュール変更部61、運行スケジュール作成部62、及び運行スケジュール提供部63により実行される。またこのフローは、投入タイミング決定部69が投入要否判定部60から投入要求指令を受信したときに開始される。
【0092】
投入タイミング決定部69は、それぞれの運行車両Cから自己位置(自車位置)及び時刻を取得して、これに基づいて、それぞれの運行車両C間の実運行間隔Draを求める(S40)。
【0093】
次に投入タイミング決定部69は、それぞれの運行車両C間の実運行間隔Draのうち、最大値Max(Dra)を求める(S42)。次に投入タイミング決定部69は、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th以上であるか否かを判定する(S44)。
【0094】
このステップでは、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が、追加車両を安全に投入できる程度に長いか否かが判定される。間隔閾値Dr_thは、例えば運行車両Cに対して与えられる目標速度V1に応じて定められる。定性的には目標速度V1が高いほど(速いほど)、間隔閾値Dr_thは高い値に(長い時間に)設定される。例えば目標速度V1に正比例して間隔閾値Dr_thが定められる。
【0095】
実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th以上である場合、追加車両の投入に際して車間が十分に空けられていると判定される。そして、まず追加車両が循環路100に投入された後に、追加車両を含むすべての運行車両の運行間隔を等間隔にする処理が実行される。この処理は投入後変更処理と呼ばれる(S45~S50)。
【0096】
一方、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th未満である場合、追加車両の投入に際して車間が十分には空けられていないと判定される。そして、まず運行車両Cの運行スケジュールが変更され、追加車両用に車間が拡げられた後に、追加車両が投入される。この処理は投入前変更処理と呼ばれる(S54~S66)。
【0097】
<投入後変更処理>
ステップS44にて、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th以上であると判定されると、投入タイミング決定部69から、追加車両C4に投入指令が出力される(S45)。またこれと並行して、運行スケジュール提供部63から、投入ポイントPinから運行スケジュール更新ポイントPuまでの通常運行スケジュールが追加車両C4に提供される。
【0098】
このとき、投入ポイントPinから循環路100への投入タイミングは、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)である運行車両間となるように定められる(S46)。例えば
図12には投入後変更処理時のダイヤグラムが例示される。この例では、3台20分体制の運行時に追加車両C4が投入され、その後に運行間隔が均等化される。また実運行間隔Draの最大値Max(Dra)である運行車両として、運行車両C3,C1が選択される。
【0099】
例えば、運行車両C3,C1のうち、先行する運行車両C3が投入ポイントPinを通過した時刻から、後続の運行車両C1が投入ポイントPinを通過する時刻までの間に、追加車両C4の投入時刻が定められる。例えば運行車両C3,C1が投入ポイントPinを通過する時刻の中間点となる時刻(9:22付近)に、追加車両C4の投入時刻が定められる。その後追加車両C4は、通常運行スケジュールに基づいて運行が行われる。
【0100】
ここで、追加車両C4の投入に伴い、その前後の運行車両C3,C1と追加車両C4との運行間隔Dr4が、運行車両C2,C3及び運行車両C1,C2の運行間隔Dr1の半分となる。このような不均一な運行間隔を修正するために、運行スケジュールの変更が行われる。
【0101】
運行スケジュール変更部61は、投入指令に基づいて循環路100に投入された追加車両C4から一台先行する運行車両C3と、一台後続する運行車両C1の、追加車両C4投入後の運行スケジュールを変更する。具体的に運行スケジュール変更部61は、先行車両である運行車両C3に対して、各停留所ST1~ST3における出発目標時刻Td*を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻Td*よりも前倒しさせる(S48)。また、運行スケジュール変更部61は、後続車両である運行車両C1に対して、各停留所ST1~ST3における出発目標時刻Td*を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻Td*よりも遅延させる(S50)。
【0102】
一方、その他の運行車両C2,C4に対して、通常値に基づく運行スケジュール、つまり、通常運行スケジュールが提供される。なお、当該スケジュールに僅かな時間の前倒しや遅延が施されてもよい。
【0103】
前倒し時の出発目標時刻Td*の繰り上げ幅と、遅延時の出発目標時刻Td*の繰り下げ幅は、計画運行間隔Drp1,Drp4に応じて定められる。例えばDrp1=20分、Drp4=10分であるとき、繰り上げ幅及び繰り下げ幅は1周当たり5分となる。このような繰り上げ及び繰り下げにより、運行スケジュールは
図8に例示されるような、4台15分体制の、等間隔運行となる。
【0104】
図13には、運行車両C3に対する、停留所ST3付近の繰り上げ処理(前倒し処理)の例が示される。運行車両C3の停留所ST3からの出発目標時刻Td*について、スケジュール変更後の出発目標時刻Td*_C3_ST3_Fが、通常運行スケジュールに基づく出発目標時刻Td*_C3_ST3_Oよりも早められる。これによりスケジュール変更後の計画停車時間Dwp3aは、通常運行スケジュールに基づく計画停車時間Dwp3よりも短くなる。
【0105】
図14には、運行車両C1に対する、停留所ST2付近の繰り下げ処理(遅延処理)の例が示される。運行車両C1の停留所ST2からの出発目標時刻Td*について、スケジュール変更後の出発目標時刻Td*_C1_ST2_Sは、通常運行スケジュールに基づく出発目標時刻Td*_C1_ST2_Oよりも遅延させられる。これによりスケジュール変更後の計画停車時間Dwp2bは、通常運行スケジュールに基づく計画停車時間Dwp2よりも長くなる。
【0106】
なお上述したように、繰り上げ幅及び繰り下げ幅は、循環路100一周当たりの値であるから、各停留所にて繰り上げ幅及び繰り下げ幅が分散されてよい。例えば運行車両C3について、繰り上げ幅として5分が求められたときに、各停留所ST1~ST3の計画停車時間Dwpを、それぞれ5/3分(=100秒)短縮させる。
【0107】
または、
図15に例示されるように、過去の周回における停留所ST1~ST3ごとの待機時間Dwの実績値に応じて、停留所ST1~ST3の繰り上げ幅が定められてもよい。例えば
図15には運行車両C3の直前の周回における、各停留所ST1~ST3での待機時間Dwが例示される。
【0108】
上述したように、待機時間Dwは、停車目標時間Dw*(
図4参照)から乗降実時間Dpを差し引いた、時間的な余白を示し、前倒し可能な時間が示されている。この待機時間Dwが多いほど、その繰り上げ幅を多くすることで、現実的な(実現可能な)運行スケジュールを作成可能となる。
【0109】
例えば、運行車両C3に対する繰り上げ幅は一周当たり5分となっており、停留所ST1~ST3のうち、最も待機時間Dwの長い(4分)停留所ST2の繰り上げ幅が3分に設定される。また、停留所ST2の次に待機時間Dwの長い(3分)停留所ST3の繰り上げ幅が2分に設定される。また、最も待機時間Dwの短い(1分)停留所ST1の繰り上げ幅が0分(繰り上げ無し)に設定される。
【0110】
このような繰り上げ処理及び繰り下げ処理による運行スケジュールが一周分、運行車両C3及び運行車両C1に適用されることで、
図12のような不等間隔のダイヤグラムが、
図8のような等間隔のダイヤグラムに修正可能となる。当該運行スケジュールにて運行車両C3及び運行車両C1が再び運行スケジュール更新ポイントPuに到達すると、通常値に基づく運行スケジュール、つまり通常運行スケジュールが、これらの車両をはじめ、全ての運行車両C1~C4に提供される(S52)。
【0111】
<投入前変更処理>
図16には、投入前変更処理を説明するダイヤグラムが例示される。この例では、1周60分、4台体制、運行間隔15分の運行ダイヤが、1周60分、5台体制、運行間隔12分の運行ダイヤに変更される。
【0112】
図11に例示されるように、ステップS44にて実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th未満であると判定されると、投入タイミング決定部69から、追加車両C5に保留指令が出力される(S54)。これを受けて追加車両C5は車庫110にて待機する。
【0113】
保留指令は追加車両C5の他に、運行スケジュール変更部61にも送られる。保留指令を受けて運行スケジュール変更部61は、複数の運行車両C1~C4の運行間隔が不等間隔になるように、出発目標時刻Td*を変更する。具体的に運行スケジュール変更部61は、出発目標時刻Td*を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻Td*から変更して、所定の運行車両間の車間を、追加車両C5用に拡げる。
【0114】
例えば運行スケジュール変更部61は、運行車両C1~C4のうち一台を基準車両とし、後続する残りの運行車両の出発目標時刻Td*を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻Td*から遅延させる、遅延変更処理を実行する。当該処理によれば、基準車両とその後続車両との車間距離が拡げられるので、当該車間に追加車両C5を投入可能となる。
【0115】
運行スケジュール変更部61は、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)となる一組の運行車両、
図16の例では運行車両C1,C2のうち、先行する運行車両C1を基準車両とする(S56)。さらに運行スケジュール変更部61は、基準車両C1以外の運行車両C2~C4の運行スケジュールを、通常運行スケジュールと比較して、一周分、遅延させる(S58)。
【0116】
具体的には、運行車両C2~C4の出発目標時刻Td*が、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻Td*よりもそれぞれ遅くなる。これにより、基準車両C1とその次に後続する運行車両C2の車間が拡げられ、当該車間に追加車両C5(13:43付近参照)が投入される。
【0117】
基準車両である運行車両C1には、追加車両C5の循環路100への投入前後を通じて、基本的に通常運行スケジュールが適用される。なお当該スケジュールに僅かな時間の前倒しや遅延が施されてもよい。
【0118】
図16の例では、運行車両C1~C4の運行間隔が15分から12分に詰められる。つまり一台当たり3分ずつ運行スケジュールが詰められる。例えば基準車両C1の次に後続する運行車両C2は、後続する運行車両C3,C4のそれぞれの遅延時間3分と自身の遅延時間3分が蓄積された9分、運行スケジュールが遅延される。この遅延は、
図14に例示されるように、各停留所ST1~ST3の出発目標時刻Td*を、通常運行スケジュールに基づいて定められる出発目標時刻Td*よりも繰り下げることで実行される。
【0119】
運行車両C2の次に後続する運行車両C3は、自車の遅延分に後続する運行車両C4の遅延分が加算され、合計6分、運行スケジュールが繰り下げられる。さらに最後尾の運行車両C4は、自車の繰り下げ分3分、運行スケジュールが繰り下げられる。
【0120】
また、それぞれの運行車両C2~C4における繰り下げ幅は、循環路100一周当たりの値であるから、各停留所にて繰り上げ幅及び繰り下げ幅が分散されてよい。例えば、停留所ST1~ST3のそれぞれの出発目標時刻に対して繰り下げ幅が均等に適用されてもよい。または、過去の周回における遅延時間Dwの実績値に応じて、停留所ST1~ST3の繰り下げ幅が定められてもよい。
【0121】
このような遅延変更処理による運行スケジュールが一周分、運行車両C2~C4に適用されることで、
図16のような不等間隔のダイヤグラムが、
図9のような等間隔のダイヤグラムに修正可能となる。例えば投入タイミング決定部69は、追加車両C5を投入させる車間を形成する一組の運行車両のうち後続の運行車両C2が再び運行スケジュール更新ポイントPuに到達すると(13:37付近)、それぞれの運行車両C間の実運行間隔Draを求める。さらに投入タイミング決定部69は、それぞれの運行車両C間の実運行間隔Draのうち最大値Max(Dra)を求める(S60)。次に投入タイミング決定部69は、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th以上であるか否かを判定する(S62)。
【0122】
運行車両C1~C4の実際の運行状況が、遅延変更処理による運行スケジュールと乖離がある場合、例えば、基準車両C1に遅延が生じた場合には、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th未満となる可能性がある。このステップでは、そのような乖離の有無が判定される。
【0123】
ステップS62において、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th以上であると判定されると、投入タイミング決定部69は、保留指令を取り消して、追加車両C4に投入指令を出力する。またこれと並行して、運行スケジュール提供部63から、投入ポイントPinから運行スケジュール更新ポイントPuまでの通常運行スケジュールが追加車両C5に提供される。
【0124】
このとき、投入ポイントPinから循環路100への投入タイミングは、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)である一組の運行車両間となるように定められる。例えば
図16では、一組の運行車両C1,C2が選択される。
【0125】
例えば、運行車両C1,C2のうち、先行する運行車両C1が投入ポイントPinを通過した時刻から、後続の運行車両C2が投入ポイントPinを通過する時刻までの間に、追加車両C5の投入時刻(13:43付近)が定められる。運行車両C1,C2の間に追加車両C5が投入されると(S66)、追加車両C5をはじめ、全ての運行車両C1~C5に対して通常運行スケジュールが適用される(S52)。
【0126】
一方、ステップS62にて、実運行間隔Draの最大値Max(Dra)が間隔閾値Dr_th未満である場合には、投入タイミング決定部69は、循環路100への追加車両C5の投入は困難と判定する。さらに投入タイミング決定部69は、投入不可の警告を表示部10I(
図2参照)に表示する(S64)。以降は、運行車両C1~C5に対して通常運行スケジュールが適用される(S52)。
【0127】
<スケジュール変更の別例>
上述の実施形態では、通常運行スケジュールから変更されたスケジュールが適用されるのは、循環路100の1周のみに限定されていたが、本明細書で開示される運行管理装置は、この形態に限られない。例えば複数周に亘って変更スケジュールが適用されてもよい。例えば所定の運行車両に対する繰り上げ幅が9分である場合、3分ずつ、3周に亘って、前倒し処理が行われてもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 運行管理装置、20 車両の制御部、22 カメラ、23 ライダーユニット、25 近接センサ、26 GPS受信機、27 時計、28 駆動機構、29 回転電機、30 操舵機構、40 スキャンデータ解析部、42 自己位置推定部、44 経路作成部、46 自律走行制御部、50 停留所の制御部、52 画像送信部、54 運行スケジュール表示部、60 投入要否判定部、61 運行スケジュール変更部、62 運行スケジュール作成部、63 運行スケジュール提供部、64 運行ルート作成部、65 運行スケジュール記憶部、66 ダイナミックマップ記憶部、69 投入タイミング決定部、100 循環路、110 車庫、C 車両、ST 停留所。