(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】基板保持装置およびそれを備える基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20231031BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20231031BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20231031BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231031BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20231031BHJP
B25J 9/06 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
H01L21/30 562
H01L21/68 B
H01L21/68 P
H01L21/304 648A
G03F7/20 501
B25J9/06 D
(21)【出願番号】P 2020074416
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2019168791
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
(72)【発明者】
【氏名】田口 隆志
(72)【発明者】
【氏名】甲盛 諄
(72)【発明者】
【氏名】西山 耕二
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206814(JP,A)
【文献】特開2003-191191(JP,A)
【文献】特開2015-160306(JP,A)
【文献】特開平02-271644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H01L 21/677
H01L 21/683
H01L 21/304
G03F 7/20
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気通路を有するとともに、前記吸気通路の開口端を含む取付面を有する本体部と、
保持されるべき基板の一面に対向する吸引口を有するパッドと、
前記開口端を取り囲むように、前記本体部の前記取付面に取り付けられる保持部材と、
前記保持部材により保持される第1の外縁および前記パッドを保持する第1の内縁を有する
環状の連結シートとを備え、
前記連結シートは、前記パッドおよび前記保持部材に比べて高い弾力性を有
し、
基板の下面を吸着保持する際には、前記パッドと前記基板との間の雰囲気が、前記吸気通路の前記開口端を通して吸引されることにより、前記連結シートが弾性変形する、基板保持装置。
【請求項2】
前記パッドは、外周溝部を有し、
前記連結シートの前記第1の内縁は、前記パッドの前記外周溝部に嵌め込まれる、請求項1記載の基板保持装置。
【請求項3】
前記連結シートの前記第1の内縁は、前記取付面から離間している、請求項1または2記載の基板保持装置。
【請求項4】
前記取付面は、凹部を有し、
前記開口端は、前記凹部の底部に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項5】
吸気通路を有するとともに、前記吸気通路の開口端を含む取付面を有する本体部と、
保持されるべき基板の一面に対向する吸引口を有するパッドと、
前記開口端を取り囲むように、前記本体部の前記取付面に取り付けられる保持部材と、
前記保持部材により保持される第1の外縁および前記パッドを保持する第1の内縁を有する連結シートとを備え、
前記連結シートは、前記パッドおよび前記保持部材に比べて高い弾力性を有し、
前記取付面に直交する方向視において、前記パッドの前記吸引口の中心は、前記第1の外縁の中心からずれてい
る、基板保持装置。
【請求項6】
吸気通路を有するとともに、前記吸気通路の開口端を含む取付面を有する本体部と、
保持されるべき基板の一面に対向する吸引口を有するパッドと、
前記開口端を取り囲むように、前記本体部の前記取付面に取り付けられる保持部材と、
前記保持部材により保持される第1の外縁および前記パッドを保持する第1の内縁を有する連結シートと、
保持されるべき基板の一面に接触する第2の外縁および前記パッドにより保持される第2の内縁を有する吸着シート
とを備え、
前記連結シートおよび前記吸着シートは、前記パッドおよび前記保持部材に比べて高い弾力性を有し、
前記取付面に直交する方向における前記第2の外縁と前記取付面との間の距離は、前記取付面に直交する方向における前記第2の内縁と前記取付面との間の距離よりも大き
い、基板保持装置。
【請求項7】
前記吸引口の中心から前記吸引口の縁部までの最大距離は、前記吸引口の中心から前記パッドの外周部までの最大距離の2/3以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の複数の基板保持装置と、
前記複数の基板保持装置を支持するハンドと、
複数の基板処理装置間で前記ハンドを移動させるハンド駆動部とを備える、基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の一面を保持する基板保持装置およびそれを備える基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
【0003】
基板処置装置においては、一枚の基板に対して複数の処理ユニットにより連続的に複数の処理が行われる。そのため、基板処理装置には、複数の処理ユニットの間で基板を搬送する基板搬送装置が設けられる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された基板搬送装置は、基板の下面を吸着保持する基板保持装置を備える。その基板保持装置においては、搬送アーム本体に4つのパッドユニットが取り付けられている。パッドユニットは、パッド本体およびパッド保持部材から構成される。パッド本体は、吸着面および吸引口を有する吸着部と、吸引口に連通する吸引孔が形成された円筒状の取付部とを備える。パッド保持部材は、搬送アーム本体に固定され、パッド本体の取付部を挿入可能な挿入孔を有する。
【0005】
パッド本体の取付部には、円弧状の外周溝が形成されている。パッド保持部材の挿入孔には、円弧状の内周溝が形成されている。パッド保持部材の挿入孔にパッド本体の取付部が挿入された状態で、パッド本体の外周溝とパッド保持部材の内周溝との間にOリング(円形断面の環状気密保持部材)が設けられている。
【0006】
上記の構成においては、Oリングが弾性変形することによりパッド本体の吸着面がパッド保持部材に対して出没可能かつ傾斜可能となっている。それにより、反り等の歪が発生した基板であっても、基板の下面の複数の部分が、複数のパッド本体の吸着面に接触し、吸着保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、基板の薄型化および基板に形成される膜の多層化が進められている。このような基板の薄型化および基板に形成される膜の多層化は、基板により大きい歪を生じさせる。それにより、基板の変形量が増大する。基板保持装置においては、保持対象となる基板の変形量が大きい場合でも、その基板を安定して保持することが求められる。
【0009】
本発明の目的は、変形の程度によらず基板の一面を安定して吸着保持可能な基板保持装置およびそれを備える基板搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)第1の発明に係る基板保持装置は、吸気通路を有するとともに、吸気通路の開口端を含む取付面を有する本体部と、保持されるべき基板の一面に対向する吸引口を有するパッドと、開口端を取り囲むように、本体部の取付面に取り付けられる保持部材と、保持部材により保持される第1の外縁およびパッドを保持する第1の内縁を有する環状の連結シートとを備え、連結シートは、パッドおよび保持部材に比べて高い弾力性を有し、基板の下面を吸着保持する際には、パッドと基板との間の雰囲気が、吸気通路の開口端を通して吸引されることにより、連結シートが弾性変形する。
【0011】
その基板保持装置においては、パッド上の雰囲気がパッドの吸引口および本体部の吸気通路を通して吸引されることにより、基板の一面が吸着保持される。
【0012】
連結シートは、断面がシート状に形成されているので、内縁と外縁との間で許容される弾性変形の度合いが、Oリング等の断面が円形の弾性部材に比べて高い。換言すれば、連結シートは、シート状に形成されていない部材に比べて高い柔軟性を有する。したがって、基板の一面が吸着保持される際に、連結シートの内縁と外縁との間の部分が弾性変形することにより、本体部に対するパッドの位置および姿勢を変更することが可能になる。
【0013】
その結果、反り等の歪の程度によらず基板の一面を安定して吸着保持可能な基板保持装置が実現される。
【0014】
(2)パッドは、外周溝部を有し、連結シートの第1の内縁は、パッドの外周溝部に嵌め込まれてもよい。この場合、簡単な構成で、パッドの外周部が連結シートの第1の内縁により保持される。
【0015】
(3)連結シートの第1の内縁は、取付面から離間していてもよい。この場合、第1の内縁と取付面との間に隙間が形成される。それにより、連結シートの弾性変形時における連結シートと取付面との間の干渉が低減される。したがって、連結シートの弾性変形可能な範囲が拡大され、本体部に対するパッドの位置および姿勢の変更可能な範囲が拡大される。
【0016】
(4)取付面は、凹部を有し、開口端は、凹部の底部に位置してもよい。この場合、取付面の凹部と連結シートのうち保持部材に保持されない部分との間に隙間が形成される。それにより、連結シートの弾性変形時における連結シートと取付面との間の干渉が低減される。したがって、連結シートの弾性変形可能な範囲が拡大され、本体部に対するパッドの位置および姿勢の変更可能な範囲が拡大される。
【0017】
(5)第2の発明に係る基板保持装置は、吸気通路を有するとともに、吸気通路の開口端を含む取付面を有する本体部と、保持されるべき基板の一面に対向する吸引口を有するパッドと、開口端を取り囲むように、本体部の取付面に取り付けられる保持部材と、保持部材により保持される第1の外縁およびパッドを保持する第1の内縁を有する連結シートとを備え、連結シートは、パッドおよび保持部材に比べて高い弾力性を有し、取付面に直交する方向視において、パッドの吸引口の中心は、第1の外縁の中心からずれている。この場合、本体部に対する吸引口のレイアウトの自由度が向上する。
【0018】
(6)第3の発明に係る基板保持装置は、吸気通路を有するとともに、吸気通路の開口端を含む取付面を有する本体部と、保持されるべき基板の一面に対向する吸引口を有するパッドと、開口端を取り囲むように、本体部の取付面に取り付けられる保持部材と、保持部材により保持される第1の外縁およびパッドを保持する第1の内縁を有する連結シートと、保持されるべき基板の一面に接触する第2の外縁およびパッドにより保持される第2の内縁を有する吸着シートとを備え、連結シートおよび吸着シートは、パッドおよび保持部材に比べて高い弾力性を有し、取付面に直交する方向における第2の外縁と取付面との間の距離は、取付面に直交する方向における第2の内縁と取付面との間の距離よりも大きい。
【0019】
この場合、吸着シートは、第2の外縁が基板の一面に接触し、吸盤として機能する。それにより、基板保持装置における基板の下面を吸着可能な範囲が拡大されるとともに、基板の保持状態が安定する。
【0020】
(7)吸引口の中心から吸引口の縁部までの最大距離は、吸引口の中心からパッドの外周部までの最大距離の2/3以下であってもよい。
【0021】
この場合、パッドの吸引口を通る気体の線速度を高くすることができる。それにより、パッドにおける基板の一面の吸引力を高めることができる。
【0022】
(8)第4の発明に係る基板搬送装置は、上記の複数の基板保持装置と、複数の基板保持装置を支持するハンドと、複数の基板処理装置間でハンドを移動させるハンド駆動部とを備える。
【0023】
その基板搬送装置においては、基板の一面の複数の部分が各基板保持装置により安定して保持される。それにより、基板搬送時に基板がハンドから落下することが防止されるとともに、基板の搬送速度を向上させることが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、変形の程度によらず基板の一面を安定して吸着保持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の一例を示す模式的ブロック図である。
【
図2】
図1の白抜き矢印で示される基板保持装置の平面図である。
【
図3】
図2の基板保持装置のA-A線断面図である。
【
図5】
図2の基板保持装置による基板の保持状態の一例を示す断面図である。
【
図6】第1の変形例に係るパッドの平面図および断面図である。
【
図7】第2の変形例に係るパッドの平面図および断面図である。
【
図8】
図7のパッド、吸着シートおよび
図4の連結シートの外観斜視図である。
【
図9】
図8のパッド、
図8の連結シートおよび
図8の吸着シートを含む基板保持装置の一構成例を示す断面図である。
【
図10】
図10は
図9の基板保持装置による基板の保持状態の一例を示す断面図である。
【
図11】第3の変形例に係るパッドの平面図および断面図である。
【
図13】
図2の基板保持装置による基板の吸着位置と
図12の基板保持装置による基板の吸着位置とを比較するための図である。
【
図14】第4の変形例に係る基板保持装置の断面図である。
【
図15】基板保持装置を備える基板回転装置の模式的平面図である。
【
図16】基板保持装置を備える基板回転装置の模式的側面図である。
【
図17】本発明の一実施の形態に係る基板洗浄装置の斜視図である。
【
図21】吸着アームの1つの吸着部を含む部分の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態に係る基板保持装置について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。
【0027】
[1]基板処理装置の構成
本発明の一実施の形態に係る基板保持装置は、基板処理装置内で基板を搬送する基板搬送装置に用いることができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の一例を示す模式的ブロック図である。
図1に示すように、基板処理装置190は、露光装置590に隣接して設けられ、制御部191、塗布処理部192、現像処理部193、熱処理部194および基板搬送装置195を備える。
【0028】
制御部191は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、塗布処理部192、現像処理部193、熱処理部194および基板搬送装置195の動作を制御する。
【0029】
塗布処理部192は、未処理の基板Wの一面上にレジスト液を供給する塗布処理を行う。塗布処理により、基板Wの一面上にレジスト膜が形成される。レジスト膜が形成された基板Wには、露光装置590において露光処理が行われる。現像処理部193は、露光処理後の基板Wに現像液を供給することにより基板Wの現像処理を行う。熱処理部194は、塗布処理部192による塗布処理、現像処理部193による現像処理、および露光装置590による露光処理の前後に基板Wの熱処理を行う。
【0030】
なお、上記の塗布処理部192は、基板Wに反射防止膜を形成してもよい。この場合、熱処理部194には、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理を行うための処理ユニットが設けられてもよい。また、塗布処理部192は、基板W上に形成されたレジスト膜を保護するためのレジストカバー膜を基板Wに形成してもよい。
【0031】
基板搬送装置195は、基板Wを塗布処理部192、現像処理部193、熱処理部194および露光装置590の間で搬送する。具体的には、基板搬送装置195は、基板Wを保持するハンドH、駆動部2および吸気装置3を含む。駆動部2は、例えば複数のモータにより構成され、制御部191の制御によりハンドHを上下方向および水平方向に移動させるとともに鉛直方向の軸の周りで回転させる。
【0032】
ハンドHは、ガイド部Haおよびアーム部Hbからなる。ガイド部Haは略円弧形状を有し、アーム部Hbは一方向に延びる長板形状を有する。ガイド部Haの内周部には、複数の(本例では3つ)の基板保持装置1が設けられている。各基板保持装置1は、吸着部10を有する。
【0033】
吸気装置3は、例えば配管およびアスピレータ等を含み、後述する吸気経路ip(
図3)を通して吸着部10に接続される。複数の基板保持装置1の複数の吸着部10上に基板Wが載置される。この状態で、吸気装置3は、吸着部10上の雰囲気を吸引し、例えば工場内の排気系用力設備に導く。それにより、複数の吸着部10上の基板Wの複数の部分が複数の吸着部10にそれぞれ吸着される。吸気装置3は、基板保持装置1の外部装置として設けられてもよい。
【0034】
基板処理装置190においては、処理対象となる基板Wに歪が発生する場合がある。この場合、基板Wは、歪の程度に応じて変形する。そのため、各吸着部10と、その吸着部10により吸着されるべき基板Wの部分との位置関係は、基板Wの変形量に応じて異なる。このような場合でも、本実施の形態に係る各基板保持装置1においては、吸着部10が基板Wの下面を安定して吸着保持する。以下、
図1の基板保持装置1の構成の詳細について説明する。
【0035】
[2]基板保持装置1の構成の詳細
図2は
図1の白抜き矢印で示される基板保持装置1の平面図であり、
図3は
図2の基板保持装置1のA-A線断面図であり、
図4は
図2の基板保持装置1の分解斜視図である。
【0036】
図4に示すように、基板保持装置1は、パッド20、保持部材30、連結シート40および本体部90を含む。本体部90は、ガイド部Ha(
図1)の内周部からガイド部Haの内側に向かって突出するように形成され、上方を向く平坦な取付面99を有する。本体部90の内部には、吸気経路ipが形成されている。吸気経路ipの上流端は、
図1の吸気装置3に接続されている。吸気経路ipの下流端は、取付面99において上方を向いて開口している。以下の説明では、本体部90における吸気経路ipの下流端を開放端91と呼ぶ。取付面99においては、開放端91の周りに複数(本例では4つ)のねじ孔92が分散して形成されている。
【0037】
図1の吸着部10は、主としてパッド20、保持部材30および連結シート40により構成され、本体部90の取付面99上に設けられる。パッド20は、中央部に円形の開口21を有する円環状部材である。パッド20の中央部に形成された開口21は、保持されるべき基板Wの下面に対向し、吸着部10による基板Wの吸着時に基板Wの下面を吸引する吸引口として機能する。また、パッド20は、保持されるべき基板Wの下面に対向する円環状の基板対向面22と、基板対向面22とは反対側で本体部90の取付面99に対向する円環状の本体対向面29(
図3)とを有する。本例の基板対向面22は、保持されるべき基板Wの下面にさらに接触する。基板対向面22は、開口21を取り囲むように、パッド20の外周部に沿って一定幅で形成されている。さらに、パッド20の外周部には、基板対向面22と本体対向面29との間で周方向に延びる溝部23(
図3)が形成されている。
【0038】
連結シート40は、中央部に円形の開口41を有するシート状部材である。連結シート40は、平坦な円環形状を有する内側部分42、円錐台形状を有する中間部分43および平坦な円環形状を有する外側部分44を含む。内側部分42は、連結シート40の内縁を含みかつ開口41を取り囲む。中間部分43は、内側部分42を取り囲む。外側部分44は、連結シート40の外縁を含みかつ中間部分43を取り囲む。
図3に示すように、連結シート40の内縁は、パッド20の溝部23に嵌め込まれる。それにより、パッド20の外周部が連結シート40の内縁により保持された状態で、連結シート40とパッド20とは一体的に取り扱うことができる。なお、本実施の形態においては、連結シート40の内縁には、開口41の縁から連結シート40の外周部に向かって内側部分42の幅よりも小さい一定幅の領域が含まれるものとする。
【0039】
図4に示すように、保持部材30は、矩形の板状部材の中央部分に、円形の開口31が形成された構成を有する。開口31の内径は、本体部90の開放端91の内径およびパッド20の外径よりも大きく、連結シート40の外径よりも小さい。また、保持部材30には、開口31を取り囲むように、本体部90の複数のねじ孔92にそれぞれ対応する複数(本例では4つ)の貫通孔32がさらに形成されている。
【0040】
パッド20および保持部材30は、例えば、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂材料により形成される。パッド20および保持部材30は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の他の樹脂材料により形成されてもよい。連結シート40は、パッド20および保持部材30に比べて高い弾性力を有する。連結シート40は、例えばパーフロロエラストマ等のゴム材料により形成される。なお、連結シート40は、他のゴム材料または樹脂材料により形成されてもよい。
【0041】
本体部90上に吸着部10を設ける際には、内縁がパッド20の溝部23(
図3)に嵌め込まれた状態で、連結シート40が取付面99上に載置される。また、連結シート40の外側部分44が開放端91と複数のねじ孔92との間に位置する状態で、複数のねじ孔92上に保持部材30の複数の貫通孔32が位置するように、取付面99上に保持部材30が位置決めされる。さらに、複数(本例では4つ)のねじSCが複数の貫通孔32を通してねじ孔92に取り付けられる。それにより、保持部材30が開放端91を取り囲むように取付面99上に固定され、連結シート40の外縁が保持部材30により取付面99上に保持される。
【0042】
上記のようにして取付面99上に吸着部10が設けられた状態で、
図2に示すように、平面視でパッド20の開口21と本体部90の開放端91とが重なる。また、
図3に示すように、連結シート40の中間部分43は、取付面99から斜め上方かつ内方に向かって延びる断面を有する。そのため、連結シート40の内縁は取付面99から離間している。
【0043】
連結シート40は、パッド20および保持部材30に比べて高い弾性力を有する。また、連結シート40は、断面がシート状に形成されているので、内縁と外縁との間で許容される弾性変形の度合いが、Oリング等の断面が円形の弾性部材に比べて高い。換言すれば、連結シート40は、当該連結シート40と同じ材料で形成されかつシート状に形成されていない部材に比べて高い柔軟性を有する。したがって、連結シート40により保持されるパッド20は、連結シート40の主として中間部分43が弾性変形することにより、本体部90に対して比較的広い範囲で上下動可能かつ傾斜可能となっている。
【0044】
図5は、
図2の基板保持装置1による基板Wの保持状態の一例を示す断面図である。
図5の断面図は、
図3の例と同様に、
図2のA-A線断面図に相当する。
図5の上段に示すように、上方に反った基板Wが吸着部10により吸着保持される直前においては、パッド20は、連結シート40により取付面99から一定距離離間した状態で、取付面99に平行に保持されている。
【0045】
その後、吸着部10が基板Wの下面を吸着保持する際には、パッド20と基板Wとの間の雰囲気が、開口21および吸気経路ipを通して
図1の吸気装置3に吸引されることにより、連結シート40が弾性変形する。この場合、パッド20の基板対向面22が基板Wの下面に接するように、パッド20の位置および姿勢が基板Wの形状に沿って変化する。それにより、吸着部10による基板Wの下面の保持状態が安定する。
【0046】
[3]
図1の基板保持装置1の効果
上記のように、上記の基板保持装置1においては、基板Wの下面の吸着時に、連結シート40が弾性変形することによりパッド20の位置および姿勢の変更可能な範囲が拡大される。それにより、基板Wの変形の程度によらず基板Wを安定して吸着保持することが可能になる。
【0047】
また、連結シート40は、内縁が取付面99から離間するように取付面99上に取り付けられている。この場合、連結シート40の内縁と取付面99との間に比較的大きい隙間が形成される。それにより、連結シート40の弾性変形時における連結シート40と取付面99との間の干渉が低減される。したがって、連結シート40の弾性変形可能な範囲が拡大されるので、本体部90に対するパッド20の位置および姿勢の変更可能な範囲が拡大される。
【0048】
図2のパッド20においては、開口21の中心20Cから開口21の縁部までの最大距離(本例では、開口21の内縁の半径)D1は、開口21の中心20Cからパッド20の外周部までの最大距離(本例では、パッド20の外縁の半径)D2の2/3以下である。この場合、吸着部10による基板Wの下面の吸引時に、パッド20の開口21を通る気体の線速度を高くすることができる。それにより、パッド20における基板Wの下面の吸引力を高めることができる。
【0049】
なお、パッド20の内径は、例えば3mm~15mm程度に設定され、4mm~10mmに設定されることが望ましい。具体的には、
図2のパッド20の外径、内径(開口21の内縁の直径)および基板対向面22の幅は、例えば12mm、5mmおよび1mmにそれぞれ設定される。この場合、上記の最大距離D1は2.5mmとなり、最大距離D2は6mmとなる。
【0050】
[4]第1の変形例
図6は、第1の変形例に係るパッド20の平面図および断面図である。
図6では、上段にパッド20の平面図が示され、下段に上段のB-B線断面図が示される。
図6のパッド20においては、基板対向面22がパッド20の外周部から一定距離内側に位置するように形成されている。この場合、
図2のパッド20の例に比べて、基板対向面22が小型化される。それにより、基板保持装置1により吸着保持されるべき基板Wの下面の領域を小さくすることができる。
【0051】
[5]第2の変形例
図7は、第2の変形例に係るパッド20の平面図および断面図である。
図7では、上段にパッド20の平面図が示され、下段に上段のC-C線断面図が示される。第2の変形例に係るパッド20について、
図2のパッド20と異なる点を説明する。
【0052】
図7のパッド20の外周部には、周方向に延びる2つの溝部24,25が、基板対向面22から本体対向面29に向かう方向に、この順で並ぶように形成されている。第2の変形例に係るパッド20においては、一方の溝部25に上記の連結シート40の内縁が嵌め込まれ、他方の溝部24に後述する吸着シートの内縁が嵌め込まれる。
【0053】
図8は、
図7のパッド20、吸着シートおよび
図4の連結シート40の外観斜視図である。
図8に示すように、吸着シート50は、連結シート40と同様に、中央部に円形の開口51を有するシート状部材である。吸着シート50は、平坦な円環形状を有する内側部分52、円錐台形状を有する中間部分53および平坦な円環形状を有する外側部分54を含む。内側部分52は、吸着シート50の内縁を含みかつ開口51を取り囲む。中間部分53は、内側部分52を取り囲む。外側部分54は、吸着シート50の外縁を含みかつ中間部分53を取り囲む。
【0054】
また、吸着シート50は、連結シート40と同様に、パッド20および保持部材30に比べて高い弾性力を有する。パッド20および保持部材30は、例えば、ポリベンゾイミダゾールまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂材料により形成される。吸着シート50は、例えば、パーフロロエラストマ等のゴム材料により形成される。なお、吸着シート50は、他のゴム材料または樹脂材料により形成されてもよい。さらに、吸着シート50は、連結シート40と同じ形状を有しかつ同じ材料で形成されてもよい。
【0055】
図8に太い実線の矢印で示すように、吸着シート50の内縁は、パッド20の一方の溝部24に嵌め込まれる。一方、
図8に太い点線の矢印で示すように、連結シート40の内縁は、パッド20の他方の溝部25に嵌め込まれる。それにより、吸着シート50の内縁がパッド20により保持されかつパッド20の外周部が連結シート40の内縁により保持された状態で、連結シート40と吸着シート50とパッド20とは一体的に取り扱うことができる。
【0056】
図9は
図8のパッド20、
図8の連結シート40および
図8の吸着シート50を含む基板保持装置1の一構成例を示す断面図であり、
図10は
図9の基板保持装置1による基板Wの保持状態の一例を示す断面図である。
【0057】
図9の吸着部10においては、取付面99に直交する方向における吸着シート50の外縁と取付面99との間の距離は、取付面99に直交する方向における吸着シート50の内縁と取付面99との間の距離よりも大きい。すなわち、吸着シート50は、パッド20から上方に向かって広がるようにパッド20によって保持されている。
【0058】
この場合、吸着シート50は、
図10に示すように、外縁を含む外側部分54が基板Wの一面に接触し、吸盤として機能する。それにより、基板保持装置1における基板保持装置1の下面を吸着可能な範囲が拡大されるとともに、基板Wの保持状態が安定する。
【0059】
[6]第3の変形例
図11は第3の変形例に係るパッド20の平面図および断面図であり、
図12は
図11のパッド20を含む基板保持装置1の平面図である。
図11では、上段にパッド20の平面図が示され、下段に上段のD-D線断面図が示される。第3の変形例に係るパッド20について、
図2のパッド20と異なる点を説明する。
【0060】
図11のパッド20においては、平面視におけるパッド20の開口21の中心21Cが、平面視におけるパッド20の中心20Cからずれている。さらに、開口21の全体がパッド20の中心20Cからずれている。それにより、
図12の例では、開口21は、パッド20の中心20Cよりも本体部90の先端に近い位置に設けられている。また、
図11のパッド20が有する開口21の大きさは、
図2のパッド20が有する開口21の大きさに比べて小さい。
【0061】
図13は、
図2の基板保持装置1による基板Wの吸着位置と
図12の基板保持装置1による基板Wの吸着位置とを比較するための図である。
図13では、上段に
図2の基板保持装置1による基板Wの保持状態が平面図で示されるとともに、複数(本例では3つ)の基板保持装置1による基板Wの吸着位置が太い点線で示される。また、下段に
図2の基板保持装置1による基板Wの保持状態が平面図で示されるとともに、複数(本例では3つ)の基板保持装置1による基板Wの吸着位置が太い点線で示される。
【0062】
図13に示すように、
図12の基板保持装置1を
図1のハンドHに用いる場合には、
図2の基板保持装置1を
図1のハンドHに用いる場合に比べて、基板Wの吸着位置を基板Wの外周端部から基板Wの中心に近づけることができる。このように、第3の変形例に係るパッド20によれば、本体部90に対して基板Wの下面を吸引する開口21のレイアウトの自由度が向上する。
【0063】
図12の基板保持装置1は、例えば外周部の下面にリム部(Outer support ring)を有する基板Wを保持するために用いられてもよい。その基板Wにおいては、リム部の内側の領域の厚さ(基板Wの厚さ)がリム部の厚さよりも小さい。このような場合でも、その基板Wのうちリム部の内側の部分を安定して吸着保持することが可能になる。
【0064】
[7]第4の変形例
図14は第4の変形例に係る基板保持装置1の断面図である。第4の変形例に係る基板保持装置1について、
図3の基板保持装置1と異なる点を説明する。
【0065】
図14に示すように、第4の変形例に係る本体部90においては、取付面99に凹部98が形成されている。より具体的には、取付面99においては、平面視で保持部材30の開口31に重なる部分に凹部98が形成されている。また、吸気経路ipの開放端91は、凹部98の底部に位置する。さらに、第4の変形例では、連結シート40が平坦な円環形状を有する。
【0066】
上記の構成によれば、連結シート40が平坦な円環形状を有する場合でも、凹部98の底部と連結シート40のうち保持部材30に保持されない部分との間に隙間が形成される。それにより、連結シート40の弾性変形時における連結シート40と取付面99との間の干渉が低減される。したがって、連結シート40の弾性変形可能な範囲が拡大され、本体部90に対するパッド20の位置および姿勢の変更可能な範囲が拡大される。
【0067】
[8]基板保持装置1の他の適用例
上記の基板保持装置1は、基板Wを水平姿勢で保持しつつ回転させる基板回転装置に用いることができる。
図15は基板保持装置1を備える基板回転装置の模式的平面図であり、
図16は基板保持装置1を備える基板回転装置の模式的側面図である。
図15および
図16では、基板回転装置280により保持される基板Wが一点鎖線で示される。
【0068】
図15および
図16に示すように、基板回転装置280は、回転保持部281、回転駆動部282および吸気装置3を含む。本例の回転保持部281は、扁平な円柱形状を有し、基板Wの下面に対向する上面281aを有する。
図15に示すように、回転保持部281の上面には、複数(本例では4つ)の基板保持装置1が取り付けられている。各基板保持装置1の吸着部10は、上方に露出している。
【0069】
回転保持部281の下方には、回転駆動部282が設けられている。回転駆動部282は、例えばモータにより構成され、上方に延びる回転軸282aを有する。回転軸282aの上端に回転保持部281が固定されている。
【0070】
回転保持部281、回転軸282aおよび回転駆動部282の内部には、複数の基板保持装置1と吸気装置3とを繋ぐ吸気経路ipが形成されている。吸気装置3は、基板回転装置280の外部装置として設けられてもよい。
【0071】
上記の基板回転装置280においては、複数の吸着部10上に基板Wが載置される。また、吸気装置3が吸気経路ip内の気体を吸引することにより、基板Wの下面の複数の部分が複数の吸着部10により吸着保持される。この状態で、回転駆動部282に電力が供給され、回転駆動部282が作動する。それにより、回転保持部281上に保持された基板Wが回転軸282aの周りで回転する。
【0072】
上記の基板回転装置280によれば、複数の基板保持装置1により基板Wの下面の複数の部分が安定して吸着保持されるので、基板Wの変形の程度によらず基板Wを安定な状態で回転させることが可能になる。
【0073】
基板回転装置280は、いわゆる吸着式のスピンチャックとして種々の処理に用いることができる。例えば、上記の塗布処理においては、基板回転装置280により保持されて回転される基板W上にレジスト液を供給することにより、基板Wの一面上にレジスト膜を形成することができる。また、現像処理においては、基板回転装置280により保持されて回転される基板W上に現像液を供給することにより、基板Wの現像処理を行うことができる。
【0074】
また、基板回転装置280は、エッジ露光処理に用いることもできる。エッジ露光処理は、基板W上に形成されたレジスト膜の周縁部を露光する処理である。基板回転装置280をエッジ露光処理に用いる場合、例えば基板回転装置280により保持されて回転される基板Wの外周部に露光用の光を照射する。それにより、基板W上に形成されたレジスト膜の周縁部を正確に露光することができる。
【0075】
さらに、基板回転装置280は、基板Wの外観検査に用いることもできる。この場合、例えば基板回転装置280により保持されて回転される基板Wの上面の一部が撮像装置により撮像される。その後、撮像により得られる画像データに基づいて基板Wの良否が判定される。
【0076】
[9]基板保持装置1のさらに他の適用例
上記の基板保持装置1は、
図1および
図15および
図16の例の他、基板Wを水平姿勢で保持しつつ一方向に往復移動させる直動チャックに用いることができる。そこで、基板保持装置1のさらに他の適用例として、直動チャックを有する基板洗浄装置について説明する。
【0077】
(1)基板洗浄装置の全体の構成
図17は本発明の一実施の形態に係る基板洗浄装置の斜視図である。
図18は
図17の基板洗浄装置の平面図である。
図19は
図18の基板洗浄装置のE-E線断面図である。
図20は
図18の基板洗浄装置のF-F線断面図である。
【0078】
図17~
図20ならびに後述する
図25および
図26には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印が付されている。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0079】
図17に示すように、基板洗浄装置1000は、直方体形状のケーシング100、駆動ユニット200、スピンチャック300、気体噴出器400、複数のリフトピン500、1対の直動チャック600a,600bおよび下面洗浄器700を備える。
図17の基板洗浄装置1000は、一点鎖線で示すユニット筐体UC内に設けられる。
【0080】
ケーシング100は、互いに対向する1対の側壁部101,102、互いに対向する他の1対の側壁部103,104、底板部105および上板部106により構成される。側壁部101,102はX方向に垂直に形成され、側壁部103,104はY方向に垂直に形成される。底板部105および上板部106はZ方向に垂直に形成される。それにより、側壁部101~104、底板部105および上板部106により内部空間が形成される。
【0081】
上板部106には、長円形状の上部開口110が形成されている。本実施の形態では、ケーシング100は、透明の樹脂で形成されている。透明の樹脂としては、例えばポリ塩化ビニルが用いられる。
【0082】
ケーシング100内の底板部105上に駆動ユニット200が配置される。駆動ユニット200には、スピンチャック300が設けられる。スピンチャック300は、
図18に示すように、基板Wの下面を吸着保持可能な円形の吸着面310を有し、鉛直軸(Z方向の軸)の周りで回転可能に構成される。吸着面310は、気体の吸引力により基板Wの下面を吸着する。
【0083】
気体噴出器400は、スピンチャック300を取り囲むように円筒形状を有する。気体噴出器400は、気体が供給されることにより、供給された気体を円形の上端部分から上方に向かって噴射可能に構成される。それにより、気体の噴射時には、気体噴出器400の上方に円筒状の気体カーテンが形成される。
【0084】
スピンチャック300と気体噴出器400との間の環状領域に3本以上のリフトピン500が垂直方向(Z方向)に延びるように設けられる。本実施の形態では、3本のリフトピン500が等角度間隔で設けられる。リフトピン500は、上下動可能に構成されている。
【0085】
スピンチャック300および気体噴出器400は、側壁部104よりも側壁部103に近い位置に配置される。ケーシング100内で駆動ユニット200と側壁部101との間に直動チャック600aが配置される。また、ケーシング100内で駆動ユニット200と側壁部102との間に直動チャック600bが配置される。直動チャック600a,600bは、スピンチャック300を挟んで対向する。
【0086】
図18に示すように、直動チャック600a,600bの各々は、吸着アーム610および1対の吸着部620を含む。各吸着アーム610は、Y方向に一定間隔で離間する1対のパッド取り付け部611,612、およびパッド取り付け部611,612間でY方向に延びる連結部613を有する。1対の吸着部620は、パッド取り付け部611,612の上面に取り付けられている。各吸着部620の中央部には、吸引孔621が形成されている。それにより、2対の吸着部620は、気体の吸引力により基板Wの下面周縁部の互いに対向する領域を吸着保持可能である。本例の各直動チャック600a,600bにおいては、各パッド取り付け部611,612および各吸着部620により本発明の基板保持装置が構成される。
【0087】
下面洗浄器700は、ケーシング100内で駆動ユニット200と側壁部104との間に設けられる。下面洗浄器700は、固定部710、回転部720、ブラシアーム730、洗浄用のブラシ740、および1対のリンスノズル750を含む。固定部710は、底板部105に固定される。回転部720は、固定部710に対して鉛直方向の回転軸RCの周りで回転可能および鉛直方向に上下動可能に設けられる。ブラシアーム730は、回転部720から水平方向に突出するように形成される。ブラシアーム730は、回転部720とともに水平面内で旋回可能かつ上下動可能である。
【0088】
ブラシアーム730の先端部の上面には、ブラシ740が鉛直方向の回転軸の周りで回転可能(自転可能)に設けられる。ブラシアーム730の先端部でかつブラシ740の両側に1対のリンスノズル750が設けられる。本実施の形態では、1対のリンスノズル750は、鉛直方向に延びる。
【0089】
図17~
図19に示すように、ブラシアーム730の先端部がケーシング100の側壁部101を向く位置を待機位置と呼ぶ。
図18および
図19に示すように、ケーシング100の上板部106には、ブラシ洗浄ノズル760が取り付けられている。ブラシ洗浄ノズル760は、ブラシアーム730が待機位置にあるときにブラシ740の上方に位置する。それにより、ブラシ洗浄ノズル760から洗浄液としてリンス液を吐出することによりブラシ740を洗浄することができる。リンス液は、例えば純水である。リンス液が他の洗浄液であってもよい。
【0090】
図18に示すように、ケーシング100内において、側壁部101に対向する駆動ユニット200の側面および側壁部102に対向する駆動ユニット200の側面にそれぞれパッドカバー800が取り付けられている。パッドカバー800の各々には、矩形切り欠き810が形成されている。
【0091】
ケーシング100の外部には、上面洗浄乾燥器900が設けられる。上面洗浄乾燥器900は、アーム駆動部910、ノズルアーム920、リンスノズル930および乾燥用気体ノズル950を含む。アーム駆動部910は、ケーシング100の側壁部101の外面に設けられる。アーム駆動部910は、ノズルアーム920を水平面内で旋回させる。リンスノズル930は、水平面に対して傾斜する方向に洗浄液としてリンス液を吐出するようにノズルアーム920の先端に取り付けられている。リンス液は、例えば純水である。リンス液が他の洗浄液であってもよい。
【0092】
ノズルアーム920には、乾燥用気体ノズル950が取り付けられている。乾燥用気体ノズル950は、水平面に対して傾斜する方向に乾燥用気体(例えば、N2ガス等の不活性ガス)を吐出する。乾燥用気体として、エア等の他の気体が用いられてもよい。
【0093】
図17に示すように、ケーシング100の側壁部102の上端から上方に突出するようにシャッタSHが設けられる。シャッタSHは、上下動可能に構成される。それにより、ユニット筐体UCの開口OPが開閉される。
【0094】
(2)直動チャック600a,600bの構成
図21は吸着アーム610の1つの吸着部620を含む部分の拡大平面図である。
図22は
図21の吸着部620を含む部分の拡大斜視図である。
図21および
図22には、直動チャック600bの吸着アーム610の一部が示される。吸着アーム610は、本発明の本体部に相当する。
【0095】
図21に示すように、吸着アーム610のパッド取り付け部611の上面に吸着部620が取り付けられている。吸着部620を取り囲む矩形の4辺のうち、スピンチャック300と反対側の一辺(側壁部102に対向する一辺)を除いて3辺に沿ってスリット630が形成されている。吸着アーム610内の流路に気体が導入されると、
図22に示すように、スリット630から上方に向かう気体カーテンGC2が形成される。
【0096】
図23は
図21の吸着部620の斜視図である。
図24は
図21の吸着部620の断面図である。吸着部620は、円形の中央部材622、円形の開口を有する板状の周辺部材623および円環状の連結部材624により構成される。中央部材622、周辺部材623および連結部材624は、本発明のパッド、保持部材および連結シートにそれぞれ相当する。中央部材622には、円形の吸引孔621が形成されている。また、中央部材622の外縁部には円環状の凸部625が設けられている。周辺部材623には、複数のネジ孔626が形成されている。
【0097】
中央部材622および周辺部材623は、例えば、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂材料により形成される。中央部材622および周辺部材623は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の他の樹脂材料により形成されてもよい。連結部材624は、パーフロロエラストマ等のゴム材料により形成される。連結部材624は、他のゴム材料または樹脂材料により形成されてもよい。
【0098】
連結部材624の外周部分(外縁)は周辺部材623の開口の内周部分に嵌め込まれる。また、連結部材624の内周部分(内縁)は中央部材622の外周部分に嵌め込まれる。それにより、中央部材622が周辺部材623の開口内で連結部材624により周辺部材623に連結される。周辺部材623は、吸着アーム610のパッド取り付け部611(または612)に取り付けられる。
【0099】
中央部材622および周辺部材623は、連結部材624に比べて硬質である。連結部材624は、中央部材622および周辺部材623よりも高い弾力性を有する。それにより、中央部材622は、周辺部材623に対して上下に僅かに移動可能である。したがって、1対の吸着アーム610に取り付けられた4つの吸着部620の上面の高さが僅かに異なる場合でも、各吸着部620の中央部材622が僅かに上下に移動することにより基板Wの下面が4つの吸着部620で安定に支持される。
【0100】
図25は直動チャック600a,600bの模式的断面図である。
図26は直動チャック600aの模式的断面図である。
図25はX方向における垂直断面を表し、
図26はY方向における垂直断面を表す。ケーシング100の底板部105には、Y方向に延びる1対のストライプ状開口120が形成されている。底板部105の下面には、直動チャック駆動部13が設けられている。
【0101】
1対の吸着アーム610は、1対のアーム取り付け部614にそれぞれ取り付けられている。1対のアーム支持部615が上下方向に延びるように1対のストライプ状開口120にそれぞれ挿入されている。1対の吸着アーム610および1対のアーム取り付け部614は、1対のアーム支持部615に対して上下動可能に取り付けられている。1対のアーム支持部615の下端はアーム連結部616により互いに連結されている。
【0102】
直動チャック駆動部13内には、Y方向に延びる1対のリニアガイド640が固定されている。1対のアーム支持部615には、Y方向に延びるガイド部617が1対のリニアガイド640に対向するように設けられている。1対のアーム支持部615は、リニアガイド640に沿ってY方向に平行に移動可能である。したがって、1対の吸着アーム610は、Y方向に平行に一体的に移動可能かつ上下方向に一体的に移動可能である。
【0103】
底板部105の上面上には、各ストライプ状開口120の両側辺に沿って1対の下カバー650が取り付けられている。各下カバー650は、底板部105に固定される水平部651と、水平部651から上方に屈曲した垂直縁652とを有する。1対の下カバー650の上方には、上カバー660が配置されている。上カバー660は、1対の下カバー650の垂直縁652間の距離よりも大きな幅を有する平板部661と、平板部661の両側辺から下方に屈曲する垂直縁662とを有する。上カバー660の垂直縁662の下端の位置が下カバー650の垂直縁652の上端の位置よりも低くなるように、上カバー660がアーム支持部615に固定されている。それにより、上カバー660は、アーム支持部615と一体的に+Y方向および-Y方向に移動する。
【0104】
ケーシング100内で上方の位置から落下するリンス液等の液体がストライプ状開口120に浸入することが上カバー660により防止される。また、ケーシング100内の底部に溜まったリンス液等の液体がストライプ状開口120に浸入することが下カバー650により防止される。
【0105】
(3)基板洗浄装置1000の動作
基板洗浄装置1000の動作の一例を説明する。初期状態では、ブラシアーム730は、
図17および
図18に示す待機位置にある。まず、
図17のシャッタSHが開く。次に、リフトピン500が上昇する。その後、図示しない基板搬送ロボットのハンドがユニット筐体UCの開口OPを通してケーシング100の上方の位置に基板Wを搬入する。この状態で、基板搬送ロボットのハンドが下降する。それにより、
図19および
図20に示すように、上板部106よりも上方の位置でリフトピン500の上端に基板Wが支持される。基板搬送ロボットのハンドがユニット筐体UCから退出した後、
図17のシャッタSHが閉じる。
【0106】
次に、リフトピン500が下降する。それにより、基板Wが上板部106の上部開口110を通して下降し、1対の吸着アーム610の吸着部620上に載置される。この状態で、1対の吸着アーム610の吸着部620により基板Wの下面周縁部が吸着保持される。
【0107】
また、ブラシアーム730が待機位置から90度旋回するとともに、ブラシアーム730が上昇することにより、ブラシアーム730が洗浄位置に移動する。それにより、ブラシ740の上面が基板Wの下面に接触する。ここで、洗浄位置とは、ブラシアーム730のブラシ740が基板Wに接触する位置である。
【0108】
このとき、吸着アーム610のスリット630に気体が供給される。それにより、吸着アーム610が吸着部620の周囲に気体カーテンGC2を形成する。また、気体噴出器400に気体が供給される。それにより、気体噴出器400が円筒状の気体カーテンを形成する。
【0109】
次いで、1対の吸着アーム610が+Y方向に移動しながら、ブラシアーム730が水平面内で一方向および逆方向に繰り返し揺動する。このとき、1対のリンスノズル750からリンス液が吐出される。それにより、ブラシアーム730がブラシ740で基板Wの下面中央部を洗浄する。1対の上カバー660は、吸着アーム610とともに+Y方向に移動する。このとき、気体噴出器400により形成される円筒状の気体カーテンによりスピンチャック300の吸着面310にリンス液が付着することが防止される。吸着アーム610が+Y方向の限界位置に達すると、吸着アーム610は停止する。また、1対のリンスノズル750からのリンス液の吐出が停止する。
【0110】
その後、気体噴出器400が基板Wの下面に近接するまで上昇する。この状態で、気体噴出器400に供給される気体の流量が増加される。それにより、基板Wの下面に噴射させる気体の線速度が高くなる。
【0111】
続いて、吸着アーム610が-Y方向に移動する。上カバー660は、吸着アーム610とともに-Y方向に移動する。このとき、気体噴出器400により形成される円筒状の気体カーテンにより基板Wの下面の主として中央部が乾燥される。
【0112】
基板Wが初期位置に戻ると、気体噴出器400が基板Wの下面から遠ざかるように下降し、気体噴出器400が気体カーテンの形成を終了する。また、1対の吸着アーム610が気体カーテンGC2の形成を終了する。また、吸着アーム610による基板Wの下面の保持が解除される。
【0113】
この状態で、リフトピン500が上昇する。それにより、基板Wがリフトピン500の上端で支持される。次に、吸着アーム610が下降し、リフトピン500が下降する。それにより、基板Wが下降し、基板Wがスピンチャック300の吸着面310上に載置される。この状態で、スピンチャック300が基板Wの下面中央部を吸着保持する。また、1対の吸着アーム610が退避位置に移動する。退避位置とは、各吸着部620がパッドカバー800により覆われるような1対の吸着アーム610の位置である。吸着アーム610が退避位置にあるときには、吸着部620とスピンチャック300との間にパッドカバー800が存在する。本例では、吸着アーム610は、下降後に-Y方向に移動することにより退避位置に移動することができる。
【0114】
次いで、スピンチャック300が回転するとともに、ブラシアーム730が上昇することによりブラシ740が基板Wの下面周縁部に接触する。この状態で、スピンチャック300が回転しながらブラシ740が基板Wの下面周縁部を洗浄する。
【0115】
その後、ノズルアーム920が旋回することにより、リンスノズル930がスピンチャック300に保持された基板Wの上面周縁部の上方位置に移動する。この状態で、リンスノズル930が基板Wの外周端部(ベベル部)にリンス液を吐出する。それにより、基板Wの外周端部が洗浄される。この場合、スピンチャック300により基板Wが回転しながらノズルアーム920が旋回することにより基板Wの上面の全体が洗浄されてもよい。
【0116】
その後、スピンチャック300が回転することにより基板Wを乾燥させる。スピンチャック300の回転による基板Wの乾燥をスピンドライと呼ぶ。このとき、乾燥用気体ノズル950が基板Wの内方かつ上方から基板Wの外方かつ下方に向かって乾燥用気体を基板Wの上面の外周縁部に吐出する。基板Wの乾燥後、スピンチャック300による基板Wの保持が解除される。
【0117】
次いで、リフトピン500が上昇する。それにより、基板Wがリフトピン500の上端により支持され、ケーシング100の上部開口110を通してケーシング100の上方の位置まで上昇する。その後、シャッタSHが開く。基板搬送ロボットが基板Wをユニット筐体UCの外部に搬出する。その後、シャッタSHが閉じる。
【0118】
上記のように、
図17の基板洗浄装置1000においては、各直動チャック600a,600bに本発明の基板保持装置の構成が適用されている。それにより、基板Wの下面中央部の洗浄時に基板Wが安定して保持される。
【0119】
[10]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係るパッド20および中央部材622の各々は、円環形状を有するが、本発明はこれに限定されない。パッド20および中央部材622は、中央部に開口を有すればよく、楕円形または多角形の外周部を有してもよい。また、パッド20および中央部材622は、楕円形または多角形の内周部を有してもよい。
【0120】
(2)上記実施の形態に係る連結シート40および連結部材624の各々は、円環形状を有するが、本発明はこれに限定されない。連結シート40および連結部材624は、中央部に開口を有すればよく、楕円形または多角形の外周部を有してもよい。また、連結シート40および連結部材624は、楕円形または多角形の内周部を有してもよい。
【0121】
(3)
図4の連結シート40においては、中間部分43が円錐台形状を有するが、中間部分43は、外側部分44が取付面99上に載置された状態で内側部分42が取付面99から離間するように形成されていればよい。したがって、中間部分43は、多角形の錐台形状を有してもよいし、楕円形の錐台形状を有してもよい。あるいは、中間部分43は、外側部分44に直交しかつ連結シート40の中心を通る断面が、外側部分44から内側部分42にかけて階段状に形成されていてもよい。
【0122】
(4)上記実施の形態では、パッド20の外周部に形成された溝部23に連結シート40の内縁が嵌め込まれることにより、パッド20が連結シート40の内縁により保持されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、パッド20の一部に連結シート40の内縁が接着剤等により接合されることにより、パッド20が連結シート40の内縁により保持されてもよい。
【0123】
(5)
図2、
図3、
図5、
図9、
図10および
図12に示される吸着部10においては、連結シート40は円錐台形状を有する中間部分43を含むが、本発明はこれに限定されない。
図2、
図3、
図5、
図9、
図10および
図12に示される吸着部10においても、
図14の吸着部10の例と同様に、連結シート40は平坦な円環形状を有してもよい。
【0124】
(6)上記実施の形態では、基板保持装置1は、基板Wの下面を吸着保持するが、本発明はこれに限定されない。基板保持装置1は、基板Wの上面を吸着保持可能に構成されてもよい。また、基板保持装置1は、基板Wの上面と下面とを反転させる反転装置に用いることもできる。
【0125】
[11]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0126】
上記実施の形態では、吸気経路ipが吸気経路の例であり、開放端91が開口端の例であり、取付面99が取付面の例であり、本体部90およびパッド取り付け部611が本体部の例であり、パッド20の開口21および中央部材622の吸引孔621が吸引口の例であり、パッド20および中央部材622がパッドの例である。
【0127】
また、保持部材30および周辺部材623が保持部材の例であり、連結シート40および連結部材624が連結シートの例であり、基板保持装置1ならびに
図21のパッド取り付け部611および吸着部620からなる構成が基板保持装置の例であり、パッド20の溝部23が外周溝部の例であり、凹部98が凹部の例であり、吸着シート50が吸着シートの例であり、ハンドHがハンドの例であり、駆動部2がハンド駆動部の例である。
【0128】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【符号の説明】
【0129】
1…基板保持装置,2…駆動部,3…吸気装置,10,620…吸着部,13…直動チャック駆動部,20…パッド,20C,21C…中心,21,31,41,51,OP…開口,22…基板対向面,23,24,25…溝部,29…本体対向面,30…保持部材,32…貫通孔,40…連結シート,42,52…内側部分,43,53…中間部分,44,54…外側部分,50…吸着シート,90…本体部,91…開放端,92…ねじ孔,98…凹部,99…取付面,100…ケーシング,101~104…側壁部,105…底板部,106…上板部,110…上部開口,120…ストライプ状開口,190…基板処理装置,191…制御部,192…塗布処理部,193…現像処理部,194…熱処理部,195…基板搬送装置,200…駆動ユニット,280…基板回転装置,281…回転保持部,281a…上面,282…回転駆動部,282a,RC…回転軸,300…スピンチャック,310…吸着面,400…気体噴出器,500…リフトピン,590…露光装置,600a,600b…直動チャック,610…吸着アーム,611,612…パッド取り付け部,613…連結部,614…アーム取り付け部,615…アーム支持部,616…アーム連結部,617…ガイド部,621…吸引孔,622…中央部材,623…周辺部材,624…連結部材,625…凸部,626…ネジ孔,630…スリット,640…リニアガイド,650…下カバー,651…水平部,652,662…垂直縁,660…上カバー,661…平板部,700…下面洗浄器,710…固定部,720…回転部,730…ブラシアーム,740…ブラシ,750,930…リンスノズル,760…ブラシ洗浄ノズル,800…パッドカバー,900…上面洗浄乾燥器,910…アーム駆動部,920…ノズルアーム,950…乾燥用気体ノズル,1000…基板洗浄装置,GC2…気体カーテン,H…ハンド,Ha…ガイド部,Hb…アーム部,SC…ねじ,SH…シャッタ,UC…ユニット筐体,W…基板,ip…吸気経路