(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】3Dプリンターを較正するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/393 20170101AFI20231031BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20231031BHJP
B29C 64/232 20170101ALI20231031BHJP
B29C 64/236 20170101ALI20231031BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231031BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20231031BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20231031BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/118
B29C64/232
B29C64/236
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2020148819
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-09-04
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ディー・ブレア
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0315526(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0039150(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109476085(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上に材料を押し出して、3D物体を生成するように構成されている、
ノズルと、
前記材料が押し出されている間に水平面で第1の方向に前記
ノズルを移動させ
、水平面内の第1の方向と反対の方向である摩擦力を発生させるように構成されている、第1の移動デバイスと、
前記第1の移動デバイスは前記材料が押し出されるようにすることはなく、
前記第1の移動デバイスが前記第1の方向に前記
ノズルを移動させるとき、前記第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータを測定するように構成されている、第1のセンサと、を備え、
前記第1の電気的パラメータは前記摩擦力に直接関係し、前記
ノズルと前記表面との間の距離が、前記第1の移動デバイスの前記第1の電気的パラメータ及び第1の電気的パラメータ閾値の比較に応じて変更される、3次元(3D)プリンター。
【請求項2】
前記第1のセンサが、前記材料が前記表面上に押し出されて前記3D物体を生成するとき、前記第1の電気的パラメータを測定する、請求項1に記載の3Dプリンター。
【請求項3】
前記第1の電気的パラメータが、電流を含み、前記距離が減るにつれて前記電流が増し、前記距離が増すにつれて前記電流が減る、請求項1に記載の3Dプリンター。
【請求項4】
前記第1の電気的パラメータが前記第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が増やされ、前記第1の電気的パラメータが第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が減らされる、請求項1に記載の3Dプリンター。
【請求項5】
前記第1の電気的パラメータが前記第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が減らされ、前記第1の電気的パラメータが第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が増やされる、請求項1に記載の3Dプリンター。
【請求項6】
前記第1の方向に対してほぼ垂直である第2の方向に前記
ノズルを移動させるように構成されている、第2の移動デバイスと、
前記第2の移動デバイスが前記第2の方向に前記
ノズルを移動させるとき、前記第2の移動デバイスの第2の電気的パラメータを測定するように構成されている、第2のセンサと、を更に備え、
前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が、前記第2の移動デバイスの前記第2の電気的パラメータ及び第1の電気的パラメータ閾値の比較に応じて変更される、請求項1に記載の3Dプリンター。
【請求項7】
前記第2の電気的パラメータが前記第2の移動デバイスの前記第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が増やされ、前記第2の電気的パラメータが前記第2の移動デバイスの第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が減らされる、請求項6に記載の3Dプリンター。
【請求項8】
前記第2の電気的パラメータが前記第2の移動デバイスの前記第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が減らされ、前記第2の電気的パラメータが前記第2の移動デバイスの第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離が増やされる、請求項6に記載の3Dプリンター。
【請求項9】
前記第1の方向及び前記第2の方向に対してほぼ垂直である第3の方向に前記距離を変更するように構成されている、第3の移動デバイスを更に備え、前記第3の移動デバイスが、前記第1の電気的パラメータ、前記第2の電気的パラメータ、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、前記第3の方向に前記距離を変更するように構成されている、請求項8に記載の3Dプリンター。
【請求項10】
第3の移動デバイスが、第3の方向に前記
ノズル又は前記表面を移動させて前記距離を変更するように構成されている、請求項8に記載の3Dプリンター。
【請求項11】
トラックと、
前記トラックに連結されており、かつ前記トラックに沿って移動するように構成されている、フレームであって、
前記トラックから上向きに延在する脚と、
前記脚から延在するクロスビームと、を備える、フレームと、
前記クロスビームに連結されており、かつ前記クロスビームに沿って移動するように構成されている、ツールマウントと、
前記ツールマウントに連結された
ノズルであって、表面上に材料を押し出して3D物体を生成するように構成されている、
ノズルと、
前記材料が押し出されている間に水平面で第1の方向に前記トラックに沿って前記フレームを移動させ
、水平面内の第1の方向と反対の方向である摩擦力を発生させるように構成され
、前記材料が押し出されるようには構成されていない、第1の
モーターと、
前記第1の
モーターが前記トラックに沿って前記
ノズルを移動させるとき、
前記摩擦力に直接関係する、前記第1
のモーターの第1の電気的パラメータを測定するように構成されている、第1のセンサと、
前記クロスビームに沿って前記ツールマウントを移動させるように構成されている、第2の
モーターと、
前記第2の
モーターが前記クロスビームに沿って前記ツールマウントを移動させるとき、前記第2の
モーターの第2の電気的パラメータを測定するように構成されている、第2のセンサと、
前記第1の電気的パラメータ、前記第2の電気的パラメータ、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、前記
ノズルと前記表面との間の距離を維持又は変更するように構成されている、第3の
モーターと、を備える、3次元(3D)プリンター。
【請求項12】
前記第3の
モーターが、前記第1の電気的パラメータが前記第1の
モーターの第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいことに応じてか、前記第2の電気的パラメータが、前記第2の
モーターの第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいことに応じてか、又はその両方で、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離を増やすように構成されている、請求項11に記載の3Dプリンター。
【請求項13】
前記第3の
モーターが、前記第1の電気的パラメータが前記第1の
モーターの第2の電気的パラメータ閾値未満であることに応じてか、前記第2の電気的パラメータが、前記第2の
モーターの第2の電気的パラメータ閾値未満であることに応じてか、又はその両方で、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離を減らすように構成されている、請求項12に記載の3Dプリンター。
【請求項14】
前記第3の
モーターが、既定の量、前記距離を変更する、請求項13に記載の3Dプリンター。
【請求項15】
前記第1の電気的パラメータが前記第1の
モーターの前記第1及び第2の電気的パラメータ閾値の間にあり、かつ前記第2の電気的パラメータが、前記第2の
モーターの前記第1及び第2の電気的パラメータ閾値の間にあるまで、前記第3の
モーターが、前記距離を変更する、請求項13に記載の3Dプリンター。
【請求項16】
3次元(3D)プリンターを操作するための方法であって、
第1の移動デバイスを使用して、第1の方向に前記3Dプリンターの
ノズルを移動させることと、
前記
ノズルが前記第1の方向に移動するとき、前記
ノズルから表面上に材料を押し出
し、3D物体を生成することであって、前記ノズルが前記水平面で移動する間に前記材料が押し出されて、前記第1の方向と反対の方向である前記水平面内の摩擦力を発生させ、前記第1の移動デバイスは前記材料が押し出されるようにすることはない、ことと、
前記
ノズルが前記第1の方向に移動し、前記材料を押し出すとき、
センサを使用して前記第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータを測定すること
であって、前記第1の電気的パラメータは前記摩擦力に直接関係する、ことと、
前記第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータ閾値と前記第1の電気的パラメータを比較することと、
前記比較に応じて、前記
ノズルと前記表面との間の距離を調整することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記距離を調整することが、前記第1の電気的パラメータが前記第1の移動デバイスの前記第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいことに応じて、前記距離を増やすことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の移動デバイスの第2の電気的パラメータ閾値と前記第1の電気的パラメータを比較することを更に含み、前記距離を調整することが、前記第1の電気的パラメータが前記第1の移動デバイスの前記第2の電気的パラメータ閾値未満であることに応じて、前記距離を減らすことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第2の移動デバイスを使用して、第2の方向に前記
ノズルを移動させることであって、前記第2の方向が前記第1の方向に対してほぼ垂直である、移動させることと、
前記
ノズルが前記第2の方向に移動するとき、前記
ノズルから前記表面上に前記材料を押し出すことと、
前記
ノズルが前記第2の方向に移動し、前記材料を押し出すとき、前記第2の移動デバイスの第2の電気的パラメータを測定することと、
前記第2の移動デバイスの第1の電気的パラメータ閾値及び前記第2の移動デバイスの第2の電気的パラメータ閾値と前記第2の電気的パラメータを比較することと、
前記第2の電気的パラメータを比較することに応じて、前記
ノズルと前記表面との間の前記距離を調整することと、を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記距離を調整することが、
前記第2の電気的パラメータが前記第2の移動デバイスの前記第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいことに応じて、前記距離を増やすことと、
前記第2の電気的パラメータが前記第2の移動デバイスの前記第2の電気的パラメータ閾値未満であることに応じて、前記距離を減らすことと、を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般的に、3次元(3D)プリンティングに関し、より具体的には、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling、FDM)3Dプリンターを較正するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(スタンドオフとも呼ばれる)ギャップが、FDM3Dプリンターの押出ノズルとそれがプリントしている表面との間に存在する。ギャップが小さすぎる場合、ノズルから押し出される材料は、表面との接触により、所望の速度でノズルから流れ出るのを制限され得、これにより、表面上に所望の量未満の材料が堆積されることになり得る。更に、ギャップが小さすぎる場合、ノズルは、材料(例えば、下層)の前に堆積された部分を取り除き得る。ギャップが大きすぎる場合、材料は表面に接着しない場合がある。更に、ギャップが大きすぎる場合、材料は、不十分な層間接着性を有し得る。したがって、既定の範囲内にギャップを維持する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本教示の1つ以上の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概略ではなく、本教示の主要な又は重要な要素を識別することも、本開示の範囲を明示することも意図していない。むしろ、その主要な目的は、単に、後に提示される詳細な説明の序文として、簡略化された形態で1つ以上の概念を提示するだけである。
【0004】
3次元(3D)プリンターが開示される。本プリンターは、表面上に材料を押し出して、3D物体を生成するように構成されている、ツールを含む。本プリンターはまた、第1の方向にツールを移動させるように構成されている、第1の移動デバイスを含む。本プリンターはまた、第1の移動デバイスが第1の方向にツールを移動させるとき、第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータを測定するように構成されている、第1のセンサを含む。ツールと表面との間の距離が、第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータ及び第1の電気的パラメータ閾値の比較に応じて変更される。
【0005】
別の実施形態において、本プリンターは、トラックと、トラックに連結されており、かつトラックに沿って移動するように構成されている、フレームと、を含む。フレームは、トラックから上向きに延在する脚と、脚から延在するクロスビームと、を含む。本プリンターはまた、クロスビームに連結されており、かつクロスビームに沿って移動するように構成されている、ツールマウントを含む。本プリンターはまた、ツールマウントに連結されたツールを含む。ツールは、表面上に材料を押し出して、3D物体を生成するように構成されている。本プリンターはまた、トラックに沿ってフレームを移動させるように構成されている、第1の移動デバイスを含む。ツールはまた、第1の移動デバイスがトラックに沿ってツールを移動させるとき、第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータを測定するように構成されている、第1のセンサを含む。ツールはまた、クロスビームに沿ってツールマウントを移動させるように構成されている、第2の移動デバイスを含む。ツールはまた、第2の移動デバイスがクロスビームに沿ってツールマウントを移動させるとき、第2の移動デバイスの第2の電気的パラメータを測定するように構成されている、第2のセンサを含む。ツールはまた、第1の電気的パラメータ、第2の電気的パラメータ、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、ツールと表面との間の距離を維持又は変更するように構成されている、第3の移動デバイスを含む。
【0006】
3次元(3D)プリンターを操作するための方法も開示される。本方法は、第1の移動デバイスを使用して、第1の方向に3Dプリンターのツールを移動させることを含む。本方法はまた、ツールが第1の方向に移動するとき、ツールから表面上に材料を押し出すことを含む。本方法はまた、ツールが第1の方向に移動し、材料を押し出すとき、第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータを測定することを含む。本方法はまた、第1の移動デバイスの第1の電気的パラメータ閾値と第1の電気的パラメータを比較することを含む。本方法はまた、比較に応じて、ツールと表面との間の距離を調整することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本教示の実施形態を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0008】
【
図1】実施形態による、基板に対して垂直に(例えばZ軸に沿って)移動するように構成されているツールを有する3Dプリンターの斜視図を示す。
【
図2】実施形態による、垂直に移動するように構成されている(ツールの代わりの)基板を有する3Dプリンターの斜視図を示す。
【
図3】実施形態による、3Dプリンターの一部及び3Dプリンターがプリントしている表面の概略側面図を示す。
【
図4】実施形態による、3Dプリンターを操作するための方法のフローチャートを示す。
【
図5】実施形態による、本方法の少なくとも一部を実行するためのコンピューティングシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、本教示の例示の実施形態を詳細に参照し、この実施例を添付図面に示す。可能な限り、同じ参照番号が、同じ、類似、又は同様の部分を指すように図面全体にわたって使用される。
【0010】
図1は、実施形態による、3Dプリンター100の斜視図を示す。以下で説明するように、プリンター100は、3次元に移動して基板110上に3D物体をプリントするように構成され得る。プリンター100は、1つ以上のトラック(120A、120Bの2つが示されている)を含み得る。トラック120A、120Bは、ほぼ平行であり、かつX軸に沿って延在し得る。
【0011】
プリンター100はまた、フレーム130を含み得る。フレーム130は、トラック120A、120Bに連結され得、トラック120A、120Bに対して移動するように構成され得る。フレーム130は、1つ以上の脚(140A、140Bの2つが示されている)を含み得る。脚140A、140Bは、トラック120A、120Bに連結され得、トラック120A、120Bに対して移動するように構成され得る。脚140A、140Bは、X軸に対してほぼ垂直であるZ軸に沿ってトラック120A、120Bから延在し得る。より具体的には、第1の脚140Aは、第1のトラック120Aに連結され得、そこから(例えば、垂直に及び/又は上向きに)延在し得、第2の脚140Bは、第2のトラック120Bに連結され得、そこから(例えば、垂直に及び/又は上向きに)延在し得る。
【0012】
フレーム130はまた、脚140A、140Bに連結されているか、又は脚140A、140Bと一体であるクロスビーム150を含み得る。クロスビーム150は、X軸及びZ軸に対してほぼ垂直であるY軸に沿って、第1の脚140Aの上端から第2の脚140Bの上端まで延在し得る。
【0013】
プリンター100はまた、クロスビーム150に連結されている、ツールマウント160を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、ツールマウント160は、クロスビーム150に対してY軸及び/又はZ軸に沿って移動するように構成され得る。しかしながら、別の実施形態において、ツールマウント160は、Y軸に沿って移動するがZ軸に沿って移動しないように構成され得る。ツールマウント160は、脚140A、140Bにほぼ平行であり得、トラック120A、120B及びクロスビーム150に対してほぼ垂直であり得る。したがって、ツールマウント160は、Z軸の方向に、クロスビーム150から(例えば、垂直に及び/又は下向きに)延在し得る。
【0014】
ツール170は、ツールマウント160に連結され得る。少なくとも1つの実施形態において、ツール170は、ツールマウント160に対してZ軸に沿って移動するように構成され得る。しかしながら、別の実施形態において、ツール170は、ツールマウント160に対して定置/固定され得る。ツール170は、押出成形機171及びノズル172であり得るか、又はそれを含み得る。押出成形機171は、ノズル172を通じて(例えば、下向きに)表面上に材料173を押し出すように構成され得る。材料173は、加熱されたプラスチックフィラメントであり得るか、又はそれを含み得る。表面は、
図3に対して以下でより詳細に説明するように、基板110及び/又は基板110上/基板110の上に配置された材料173の層であり得るか、又はそれを含み得る。
【0015】
プリンター100はまた、1つ以上の第1の移動デバイス(122A、122Bの2つが示されている)を含み得る。第1の移動デバイスのうちの1つ122Aは、第1のトラック120A及び/又は第1の脚140Aに連結され得、別の第1の移動デバイス122Bは、第2のトラック120B及び/又は第2の脚140Bに連結され得る。一実施例において、一方の第1の移動デバイス122Aは、第1のトラック120Aと第1の脚140Aとの間に少なくとも部分的に配置され得、別の第1の移動デバイス122Bは、第2のトラック120Bと第2の脚140Bとの間に少なくとも部分的に配置され得る。第1の移動デバイス122A、122Bは、モーター(例えば、ステッピングモーター)であり得るか、又はそれを含み得る。第1の移動デバイス122A、122Bは、リードスクリュー又はベルトを使用して、X軸の方向にトラック120A、120Bに沿って、フレーム130、ツールマウント160、及びツール170を移動させるように構成され得る。
【0016】
プリンター100はまた、1つ以上の第2の移動デバイス(142の1つが示されている)を含み得る。第2の移動デバイス142は、クロスビーム150とツールマウント160との間に連結及び/又は配置され得る。第2の移動デバイス142は、モーター(例えば、ステッピングモーター)であり得るか、又はそれを含み得る。第2の移動デバイス142は、リードスクリュー又はベルトを使用して、Y軸の方向にクロスビーム150に沿って、ツールマウント160及びツール170を移動させるように構成され得る。
【0017】
プリンター100はまた、1つ以上の第3の移動デバイス(162の1つが示されている)を含み得る。一実施形態において、第3の移動デバイス162は、クロスビーム150とツールマウント160との間に連結及び/又は配置され得る。第3の移動デバイス162は、モーター(例えば、ステッピングモーター)であり得るか、又はそれを含み得る。第3の移動デバイス162は、リードスクリュー若しくはベルト(又はラックアンドピニオンなどの他の好適な移動デバイス)を使用して、Z軸の方向にクロスビーム150に対してツールマウント160及び/又はツール170を移動させるように構成され得る。この移動は、(ギャップ又はスタンドオフとも呼ばれる)表面とツール170との間の距離178を維持又は変更し得る。
図1の実施形態において、基板110は、Z軸に沿って移動せず、ツール170が、Z軸に沿って移動する。
【0018】
図2は、実施形態による、ツールマウント160及び/又はツール170の代わりに基板110を移動させるように構成されている第3の移動デバイス162を有するプリンター100の斜視図を示す。より具体的には、
図2において、第3の移動デバイス162は、ツールマウント160の代わりに基板110に連結され得る。したがって、第3の移動デバイス162は、Z軸に沿って(例えば、上下に)基板110を移動させて、表面とツール170との間の距離178を維持又は変更するように構成され得る。本実施形態において、ツールマウント160及びツール170は、Z軸に沿って移動するように構成されなくてもよい。
【0019】
示されていないが、他の実施形態において、プリンター100はまた、又は代わりに、HベルトXY3Dプリンターなどの任意のタイプのデカルトプリンターであり得るか、又はそれを含み得る。これらの設計のそれぞれにおいて、プリンターは、X軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿って、基板110及び/又はツール170を移動させるように構成されている移動デバイス122A、122B、142、162のうちの1つ以上を含み得る。
【0020】
図3は、実施形態による、基板110及びツール170の概略側面図を示す。示されているように、ツール170は、基板110の上に配置され得る。ツール170は、ノズル172を通じて材料173を押し出して、基板110上及び/又は基板110の上に1つ以上の層(174A、174B、174Cの3つが示されている)を形成するように構成され得る。上述のように、表面176は、基板110又は材料173が堆積されている層を指す。
図3で示されている例において、現在押し出された材料173が第2の層174B上に堆積されて第3の層174Cを形成しているため、表面176は、第2の層174B(例えば、その上部)を指す。したがって、距離178は、ツール170と表面176との間で定義される。
【0021】
距離178が減るにつれて(例えば、ツール170がX軸及び/又はY軸に沿って移動している間)、移動と反対の方向にツール170上に作用する摩擦力が増し得る。例えば、距離178が第1の既定の距離180未満であるとき、摩擦力は、第1の既定の摩擦力よりも大きくなり得る。
【0022】
同様に、距離178が増すにつれて(例えば、ツール170がX軸及び/又はY軸に沿って移動している間)、移動と反対の方向にツール170上に作用する摩擦力が減り得る。例えば、距離178が第2の既定の距離182よりも大きいとき、摩擦力は、第2の既定の摩擦力未満になり得る。
【0023】
以下で説明するように、第1の既定の距離180と第2の既定の距離182との間の距離178を維持することが望ましくなり得る。これにより、所望の速度で所望の量の材料173を押し出すことが容易になり得る。それはまた、前に堆積された層(例えば、層174B)の一部を取り除く可能性を低減し得る。更に、それにより、現在堆積された層174Cが前に堆積された層174Bに接着することが容易になり得る。
【0024】
第1の既定の距離180と第2の既定の距離182との間で距離178を維持することにより、第1の既定の摩擦力と第2の既定の摩擦力との間で摩擦力が維持され得る。摩擦力(複数可)は、移動デバイス122A、122B、142、162のうちの1つ以上の電気的パラメータに直接関連し得る。電気的パラメータは、電流、電圧、電力、又はその組み合わせであり得るか、又はそれを含み得る。例えば、摩擦力(複数可)は、X軸に沿ってツール170を移動させる移動デバイス122A、122B及びY軸に沿ってツール170を移動させる移動デバイス142によって使用される電流に直接関連し得る。
【0025】
例えば、摩擦力が第1の既定の摩擦力よりも大きいとき、移動デバイス122A、122B、及び/又は142によって使用される電気的パラメータ(例えば、電流)は、第1の電気的パラメータ閾値よりも大きくなり得る。これは、距離178が第1の既定の距離180未満である(すなわち、表面176に近すぎる)ということを判定するように使用され得る。同様に、摩擦力が第2の既定の摩擦力未満であるとき、移動デバイス122A、122B、及び/又は142によって使用される電流は、第2の電気的パラメータ閾値未満になり得る。これは、距離178が第2の既定の距離182よりも大きい(すなわち、表面176から遠すぎる)ということを判定するように使用され得る。
【0026】
図4は、実施形態による、3Dプリンター100を操作するための方法400のフローチャートを示す。方法400の例示的な順序が以下で提供される。しかしながら、方法400の1つ以上の部分が、異なる順序で実行され得るか、又は完全に省略され得ることが理解されよう。
【0027】
方法400は、402として、第1の方向にツール170を移動させることを含み得る。第1の方向は、基板110にほぼ平行である、ほぼ水平な面にあり得る。したがって、第1の方向は、X軸、Y軸、又はその組み合わせに沿ってあり得る。例えば、第1の方向にツール170を移動させることは、第1の移動デバイス122A、122Bを使用して、トラック120A、120Bに沿って(例えば、X軸に沿って)フレーム130を移動させることを含み得る。ツールマウント160及びツール170は、フレーム130と共に移動し得る。ツール170は、第1の方向に移動している間、プリントし得る(例えば、表面176上に材料173を押し出し得る)。
【0028】
方法400はまた、404として、ツール170が第1の方向に移動するとき、第1の移動デバイス122A、122Bの一方又は両方の第1の電気的パラメータを測定することを含み得る。例えば、これは、フレーム130がトラック120A、120Bに沿って移動するとき、第1の移動デバイス122A、122Bによって引き込まれる/使用される電流を測定することを含み得る。第1の電気的パラメータは、1つ以上の第1のセンサ(124A、124Bの2つが
図1及び
図2で示されている)によって測定され得る。第1の電気的パラメータは、連続的に測定され得るか、又は既定の間隔で(例えば、500ミリ秒毎に)測定され得る。
【0029】
方法400はまた、406として、第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値及び/又は第1の移動デバイス122A、122Bの第2の電気的パラメータ閾値と、第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータを比較することを含み得る。例えば、これは、第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値(例えば、2アンペア)及び/又は第1の移動デバイス122A、122Bの第2の電気的パラメータ閾値(1アンペア)と、第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ(例えば、電流)を比較することを含み得る。第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値よりも大きい(例えば、第1の電気的パラメータが2.5アンペアである)場合、距離178が既定の距離180未満であるということが判定され得、ツール170が表面176に近すぎることを示す。第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第2の電気的パラメータ閾値未満である(例えば、第1の電気的パラメータが0.5アンペアである)場合、距離178が既定の距離182よりも大きいということが判定され得、ツール170が表面176から遠すぎることを示す。第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値と第2の電気的パラメータ閾値との間にある(例えば、第1の電気的パラメータが1.5アンペアである)場合、距離178が既定の距離180、182の間であるということが判定され得、ツール170が表面176から所望の距離にあることを示す。
【0030】
方法400はまた、408として、第2の方向にツール170を移動させることを含み得る。第2の方向は、基板110にほぼ平行である、ほぼ水平な面にあり得る。したがって、第2の方向は、X軸、Y軸、又はその組み合わせに沿ってあり得る。例えば、第2の方向にツール170を移動させることは、第2の移動デバイス142を使用して、クロスビーム150に沿って(例えば、Y軸に沿って)ツールマウント160を移動させることを含み得る。ツール170は、ツールマウント160と共に移動し得る。ツール170は、第2の方向に移動している間、プリントし得る(例えば、表面176上に材料173を押し出し得る)。
【0031】
方法400はまた、410として、ツール170が第2の方向に移動するとき、第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータを測定することを含み得る。例えば、これは、ツールマウント160がクロスビーム150に沿って移動するとき、第2の移動デバイス142によって引き込まれる/使用される電流を測定することを含み得る。第2の電気的パラメータは、第2のセンサ(144の1つが
図1及び
図2で示されている)によって測定され得る。第2の電気的パラメータは、連続的に測定され得るか、又は既定の間隔で(例えば、500ミリ秒毎に)測定され得る。
【0032】
方法400はまた、412として、第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値及び/又は第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ閾値と、第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータを比較することを含み得る。例えば、これは、第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値(例えば、4アンペア)及び/又は第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ閾値(例えば、3アンペア)と、第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ(例えば、電流)を比較することを含み得る。第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値よりも大きい(例えば、第2の電気的パラメータが4.5アンペアである)場合、距離178が既定の距離180未満であるということが判定され得、ツール170が表面176に近すぎることを示す。第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ閾値未満である(例えば、第2の電気的パラメータが2.5アンペアである)場合、距離178が既定の距離182よりも大きいということが判定され得、ツール170が表面176から遠すぎることを示す。第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値と第2の電気的パラメータ閾値との間にある(例えば、第2の電気的パラメータが3.5アンペアである)場合、距離178が既定の距離180、182の間であるということが判定され得、ツール170が表面176から所望の距離にあることを示す。
【0033】
方法400はまた、414として、(406及び/又は412での)比較に少なくとも部分的に基づいて、距離178を維持又は調整することを含み得る。例えば、第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値よりも大きく、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値よりも大きく、距離178が既定の距離180未満であることを示す場合、第3の移動デバイス162は、距離178を増やし得る。第3の移動デバイス162は、(
図1のように)表面176に向かってZ軸に沿って(例えば、上向きに)ツールマウント160及び/若しくはツール170を移動させることによって、又は(
図2のように)ツール170に向かってZ軸に沿って(例えば、下向きに)基板110及び/若しくは表面176を移動させることによって、距離178を増やし得る。第3の移動デバイス162は、既定の量(例えば、0.05mm)、距離178を低減し得る。第3の移動デバイス162はまた、又は代わりに、距離180と距離182との間にあるように距離178を低減し得る。
【0034】
前述の説明は、第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、距離178を増やすことを開示しているが、代替の実施形態において、第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第1の電気的パラメータ閾値よりも大きいとき、距離178が減らされ得る。
【0035】
第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第2の電気的パラメータ閾値未満であり、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ閾値未満であり、距離178が既定の距離182よりも大きいことを示す場合、第3の移動デバイス162は、距離178を減らし得る。第3の移動デバイス162は、(
図1のように)表面176から離れてZ軸に沿って(例えば、下向きに)ツールマウント160及び/若しくはツール170を移動させることによって、又は(
図2のように)ツール170から離れてZ軸に沿って(例えば、上向きに)基板110及び/若しくは表面176を移動させることによって、距離178を減らし得る。第3の移動デバイス162は、既定の量(例えば、0.05mm)、距離178を増やし得る。第3の移動デバイス162はまた、又は代わりに、距離180と距離182との間にあるように距離178を増やし得る。
【0036】
前述の説明は、第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、距離178を減らすことを開示しているが、代替の実施形態において、第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第2の電気的パラメータ閾値未満であるとき、距離178が増やされ得る。
【0037】
第1の電気的パラメータが第1の移動デバイス122A、122Bの第1及び第2の電気的パラメータ閾値の間を超える場合、及び/又は第2の電気的パラメータが第2の移動デバイス142の第1及び第2の電気的パラメータ閾値の間にある場合、第3の移動デバイス162は、距離178を(例えば、変更せず)維持し得る。
【0038】
距離178は、ツール170が第1の方向及び/又は第2の方向に移動している間、維持又は調整され得る。あるいは、ツール170は、距離178が調整されている間、第1の方向及び/又は第2の方向への移動を停止し得る。距離178は、材料173が押し出されて(例えば、3D物体を生成している)間、維持又は調整され得る。あるいは、ツール170は、距離178が調整されている間、材料173を押し出すことを停止し得る。
【0039】
少なくとも1つの実施形態において、前述の方法400の少なくとも一部は、基板110上に所望の物体をプリントしている間、実行され得る。別の実施形態において、方法400の少なくとも一部は、所望の物体のプリンティングが始まる前に、(例えば、基板110上に)位置決め線をプリントしている間、実行され得る。位置決め線は、所望の物体がプリントされる基板110の一部と異なる/離れている基板110の一部上にプリントされ得る。これは、所望の物体のプリンティングが始まる前にプリンター100を較正するのに役立ち得る。更に別の実施形態において、1つ以上の接着線(例えば、ブリム、スカート、及び/又はラフト)は、初期較正を実行するように使用され得る。
【0040】
少なくとも1つの実施形態において、プリンティング表面176は、表面176の周囲に1つ以上の線を描くことによってマッピングされ得る。プリント中にリアルタイムで(上記の414での)調整が行われるように、マップが記憶され得る。少なくとも1つの実施形態において、近接スイッチは、距離178を測定/監視するようにツール170(例えば、ノズル172)に近接して配置され得る。別の実施形態において、距離178は、レーザーで測定され得る。
【0041】
図5は、いくつかの実施形態に従う、そのようなコンピューティングシステム500の実施例を示す。コンピューティングシステム500は、個々のコンピュータシステム501A又は分散コンピュータシステムの配置であり得る、コンピュータ又はコンピュータシステム501Aを含み得る。コンピュータシステム501Aは、本明細書に開示される1つ以上の方法などの、いくつかの実施形態による様々なタスクを実行するように構成されている、1つ以上の分析モジュール(複数可)502を含む。これらの様々なタスクを実行するために、分析モジュール502は、1つ以上の記憶媒体506に接続されている1つ以上のプロセッサ504と、独立して、又は連携して実行する。プロセッサ(複数可)504はまた、ネットワークインターフェース507に接続されて、コンピュータシステム501Aが、501B、501C、及び/又は501Dなどの、1つ以上の追加のコンピュータシステム及び/又はコンピューティングシステムとデータネットワーク509の上で通信することを可能にする(コンピュータシステム501B、501C及び/又は501Dは、コンピュータシステム501Aと同じアーキテクチャを共有しても共有しなくてもよく、異なる物理的位置に配置されてもよく、例えば、コンピュータシステム501A及び501Bは、1つ以上のデータセンター及び/又は異なる大陸上での様々な国に配置されている、501C及び/又は501Dなどの1つ以上のコンピュータシステムと通信している間、処理施設に配置されてもよいことに留意されたい)。
【0042】
プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プロセッサモジュール若しくはサブシステム、プログラマブル集積回路、プログラマブルゲートアレイ、又は別のコントロール若しくはコンピューティングデバイスを含み得る。
【0043】
記憶媒体506は、1つ以上のコンピュータ可読又は機械可読記憶媒体として実装され得る。
図5の例示的な実施形態において、記憶媒体506は、コンピュータシステム501A内に示されているが、いくつかの実施形態において、記憶媒体506は、コンピューティングシステム501A及び/又は追加のコンピューティングシステムの複数の内部及び/又は外部エンクロージャ内に、及び/又はそれにわたって分配されてもよいことに留意されたい。記憶媒体506は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memories、DRAM)若しくはスタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memories、SRAM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable and Programmable Read-Only Memories、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memories、EEPROM)、及びフラッシュメモリなどの半導体メモリデバイスを含む1つ以上の異なる形態のメモリ、固定ディスク、フロッピーディスク、及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、テープを含む他の磁気媒体、コンパクトディスク(Compact Disks、CD)若しくはデジタルビデオディスク(Digital Video Disks、DVD)、BLU-RAY(登録商標)ディスク、若しくは他のタイプの光学ストレージなどの光学媒体、又は他のタイプの記憶デバイスを含み得る。上述の命令は、1つのコンピュータ可読若しくは機械可読記憶媒体上に提供され得るか、又は、場合によっては複数のノードを有する大型システムに分配された複数のコンピュータ可読若しくは機械可読記憶媒体上に提供され得ることに留意されたい。そのようなコンピュータ可読若しくは機械可読記憶媒体又は媒体は、物品(又は製品)の一部であると見なされる。物品又は製品は、任意の製造された単一の構成要素又は複数の構成要素を指し得る。記憶媒体又は媒体は、機械可読命令を実行する機械か、又は機械可読命令が実行のためにネットワークの上でダウンロードされ得るリモートサイトのいずれかで配置され得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム500は、方法400の1つ以上の実施形態の少なくともいくつかの態様を実行するための1つ以上のプリンター較正モジュール(複数可)508を含む。コンピューティングシステム500は、コンピューティングシステムの一実施例であり、コンピューティングシステム500は、示されているものよりも多い若しくは少ない構成要素を有し得、
図5の例示的な実施形態で示されていない追加の構成要素を組み合わせ得、及び/又はコンピューティングシステム500は、
図5で示されている構成要素の異なる構成若しくは配置を有し得ることを理解されたい。
図5で示されている様々な構成要素は、1つ以上の信号処理及び/又は特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方の組み合わせで実装され得る。
【0045】
更に、本明細書に説明される処理方法におけるステップは、ASIC、FPGA、PLD、又は他の適切なデバイスなどの汎用プロセッサ又は特定用途向けチップなどの情報処理装置で1つ以上の機能モジュールを実行することによって実装され得る。これらのモジュール、これらのモジュールの組み合わせ、及び/又は一般的なハードウェアとのそれらの組み合わせは、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0046】
本教示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包含される任意の及び全ての小範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「10未満」の範囲は、0の最小値と10の最大値との間の(0の最小値と10の最大値とを含む)任意の及び全てのサブ範囲、すなわち、0以上の最小値及び10以下の最大値を有する任意の及び全てのサブ範囲、例えば、1~5を含み得る。
【0047】
本教示は、1つ以上の実装態様に対して示されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示された実施例に対して変更及び/又は修正が行われ得る。例えば、プロセスが一連の行為又は事象として説明されているが、本教示は、そのような行為又は事象の順序によって限定されないことが理解され得る。いくつかの行為は、本明細書に記載されるものとは異なる順序で、及び/又は別の他の行為若しくは事象と同時に生じ得る。また、全てのプロセス段階が、本教示の1つ以上の態様又は実施形態に従う方法を実装するのに必要とされ得るわけではない。構造的物体及び/若しくは処理段階が追加され得るか、又は既存の構造的物体及び/若しくは処理段階が除去若しくは修正され得ることが理解され得る。更に、本明細書に描写される行為のうちの1つ以上は、1つ以上の別個の行為及び/又は局面において実行されてもよい。更に、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、又はこれらの変形が発明を実施するための形態及び特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、用語「含む(comprising)」と同様の手法での包含であることが意図される。「少なくとも1つの」という用語は、列挙された項目のうちの1つ以上が選択され得ることを意味するように使用される。更に、本明細書における説明及び特許請求の範囲において、2つの材料に対して使用される「上」という用語、他方「上」の一方は、材料間の少なくとも一部の接触を意味し、一方、「の上」は、材料が、近接しているが、場合によっては、接触が可能であるが必要とされないように、1つ以上の追加の介在材料に近接していることを意味する。「上(on)」又は「の上(over)」のいずれも、本明細書で使用される際に任意の指向性を暗示しない。「共形」という用語は、下にある材料の角度が共形材料によって維持される被覆材料を説明する。「約」という用語は、変更が、示された実施形態に対してプロセス又は構造の不適合とならない限り、列挙される値が少し変更され得ることを示す。「連結する」、「連結されている」、「接続する」、「接続」、「接続されている」、「接続して」、及び「接続している」という用語は、「直接接続する」又は「1つ以上の中間要素又は部材を介して接続する」ことを指す。最後に、「例示の」又は「例示的な」という用語は、説明が理想的であることを意味するのではなく一例として使用されることを示す。本教示の他の実施形態は、本明細書及び本明細書での本開示の慣行を考慮して当業者に明らかであり得る。本明細書及び実施例は、本教示の真の範囲及び趣旨が以下の特許請求の範囲によって示されることで、単に例示として見なされることが意図される。