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特許7376475移動する歩行者または車両の位置の同期信号のためのデバイスおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】移動する歩行者または車両の位置の同期信号のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20231031BHJP
   B62J 45/20 20200101ALI20231031BHJP
   B62J 45/40 20200101ALI20231031BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20231031BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20231031BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20231031BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H04W56/00 130
B62J45/20
B62J45/40
B60R11/02 Z
H04W4/40
H04W84/18
G08G1/16 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020521857
(86)(22)【出願日】2018-07-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018041126
(87)【国際公開番号】W WO2019010440
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】62/529,423
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517168037
【氏名又は名称】セレバン、ジェームズ アール.
【氏名又は名称原語表記】SELEVAN,James R.
(73)【特許権者】
【識別番号】520004410
【氏名又は名称】セレバン、アダム ジョーダン
【氏名又は名称原語表記】SELEVAN,Adam Jordan
(73)【特許権者】
【識別番号】517168048
【氏名又は名称】セレバン、ダニエル ジョセフ
【氏名又は名称原語表記】SELEVAN,Daniel Joseph
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】セレバン、ジェームズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】セレバン、アダム ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】セレバン、ダニエル ジョセフ
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-221874(JP,A)
【文献】特開2017-092652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0263330(US,A1)
【文献】特表2007-501971(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01531444(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2009/0174572(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0010094(US,A1)
【文献】特開2014-130409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
B60Q 1/00-1/56
G08B 1/08
G08G 1/00-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動している間に動作可能である一群の位置指示デバイスを備えるシステムであって、
前記一群の位置指示デバイスの各位置指示デバイスが、
車両又は歩行者によって検出又は知覚される位置指示信号を放射する少なくとも1つのエミッタと、
前記一群の位置指示デバイスの同期距離範囲内に位置する他の複数の位置指示デバイスから複数の同期信号を受信し、且つ該他の複数の位置指示デバイスに複数の同期信号を送信するための受信機及び送信機と、
電源と、
電子回路であって、
a)前記一群の位置指示デバイスの前記同期距離範囲内にある他の複数の位置指示デバイスから、前記受信機を介して、1つまたは複数の同期信号を受信し、
b)前記一群の位置指示デバイスの前記同期距離範囲内にある他の複数の位置指示デバイスに、前記送信機を介して、1つまたは複数の同期信号を送信するように、構成され、かつプログラムされた前記電子回路と、を備え、
前記一群の位置指示デバイスの各位置指示デバイスの前記電子回路は、
i)当該位置指示デバイスが、前記一群の位置指示デバイスの他の少なくとも1つの位置指示デバイスの前記同期距離範囲内に位置し、該他の少なくとも1つの位置指示デバイスから同期信号を受信しているとき、当該位置指示デバイスの前記少なくとも1つのエミッタが、前記同期距離範囲内にある前記一群の位置指示デバイスの前記他の少なくとも1つの位置指示デバイスによって放射される位置表示信号と同期した期位置指示信号を放射し、
ii)当該位置指示デバイスが、前記一群の位置指示デバイスの他の少なくとも1つの位置指示デバイスから同期信号を受信していないとき、当該位置指示デバイスの前記少なくとも1つのエミッタが、いかなる信号も放射しないか、または前記同期位置指示信号とは異なる非同期の位置指示信号を放射するように、構成され、プログラムされている、システム。
【請求項2】
前記位置指示信号が、
可視光もしくは赤外光、
一定の可視光もしくは赤外光、
明滅、点滅もしくは断続的な可視光または赤外光、
明滅、点滅もしくは断続的な可視光または赤外光の特定パターン、
色が変化する光、
音声、
一定の音声、
断続的な音声、
断続的な音声、および音量、音程、タイプ、または特徴が変化する音声の特定パターン、
から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記受信機が、無線周波数受信機、Bluetooth(登録商標)受信機、WiFi受信機、電気配線接続、可視光受信機、赤外光受信機、可視光または赤外光パルスの戻り速度を判定する受信機、LiDARデバイス、音声受信機、衝撃センサー、マイクロフォン、超音波受信機、レーダーデバイス、短距離レーダー(SRR)デバイス、中距離レーダー(MRR)デバイス、長距離レーダー(LRR)デバイス、モーションセンサー、モーション検出器、およびカメラから選択されるタイプである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記送信機が、無線周波数送信機、Bluetooth(登録商標)送信機、WiFi送信機、電気配線接続、可視光送信機、赤外光送信機、光パルス送信機、LiDARデバイス、音声送信機、スピーカー、衝撃エミッタ、超音波送信機、レーダーデバイス、短距離レーダー(SRR)デバイス、中距離レーダー(MRR)デバイス、長距離レーダー(LRR)デバイス、モーションセンサーまたはモーション検出器によって検出可能な移動装置、およびカメラによって検出可能なフォトニック画像を送信する送信機から選択されるタイプである、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記一群の位置指示デバイスの複数のエミッタが、前記位置指示信号として光を放射し、同期された前記位置指示信号が、
同時の閃光、
連続した閃光、
最初に位置付けられた位置指示デバイスから最後に位置付けられた位置指示デバイスへと進行する順番での閃光、
最後に位置付けされた位置指示デバイスから最初に位置付けされた位置指示デバイスへと進行する順番での閃光、
車両の検出された近接に応答して変化する動的な点滅、および
群集同期パターンから選択されたパターンで放射される、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の位置指示デバイスが、複数のモーションセンサーまたは複数の衝撃センサーをさらに備え、前記モーションセンサーまたは衝撃センサーによって感知された運動または衝撃に応答して、前記一群の位置指示デバイスの複数のエミッタをオンまたはオフにさせる、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記一群の位置指示デバイスの複数のエミッタが、光が上向きに放射される上部放射モードおよび光が側方に放射される側部放射モードのいずれかで交互に、可視光または赤外光を放射し、
前記電子回路が、前記位置指示デバイスに、上部放射モードと側部放射モードとの間の切り替えをさせるように構成されたスイッチング回路を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記一群の位置指示デバイスの各位置指示デバイスは、車両、自転車、オートバイ、バイク、ウェアラブル衣服、ベスト、靴、ランニングシューズ、ヘッドギア、キャップ、帽子、ヘルメット、安全帽、ストラップ、レッグストラップ、アームストラップ、ベルト、バックパック、首ひも、ジュエリー、イヤリング、ネックレス、およびリストバンドから選択される物体に取り付けられるか、またはその物体上または内部に一体化されて製造されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記一群の位置指示デバイスのうちのある位置指示デバイスをオンまたはオフにすることによって、前記一群の位置指示デバイスのうちの他の全ての位置指示デバイスをオンまたはオフさせる、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記一群の位置指示デバイスの複数のエミッタは、前記位置指示信号として光を放射し、および前記電子回路が、a)明るく、遅く、かつ滑らかなパターン、b)位置指示デバイスのペアの一連の点滅、c)点滅しない位置指示デバイスによって分離された2つの位置指示デバイスの点滅、d)動的点滅パターン、e)全ての位置指示デバイスによる一斉の点滅、f)全ての位置指示デバイスによる連続した光の放射、g)最初に位置付けされた位置指示デバイスから最後に位置付けされた位置指示デバイスまでの順番の閃光、h)最後に位置付けされた位置指示デバイスから最初に位置付けされた位置指示デバイスまでの順番に閃光、から選択される同期されたパターンで、前記一群の位置指示デバイスの複数の位置指示デバイスが前記位置指示信号として光を放射することを可能にするようにさらに構成され、かつプログラムされる、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記電子回路が、前記複数の位置指示デバイスがメッシュネットワーク、マスター/スレーブネットワーク、または赤外線ネットワークを介して互いに通信するように構成され、かつプログラムされる、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の同期信号は、前記一群の位置指示デバイスの他の位置指示デバイスに対する各位置指示デバイスの位置を確立する関連マトリックスを提供する、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子工学および交通工学の分野に関し、より具体的には、移動する歩行者または車両の1つまたは複数の群から視認性向上または警告信号を送信するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2017年7月6日に出願された「Synchronized Behavior of Bicycle,Motorcycle,and Pedestrian Warning Devices」と題する、米国仮特許出願第62/529,423号の優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0003】
米国特許法施行規則1.71(e)に従って、本特許文書は、著作権保護の対象となる資料を含み、本特許文書の所有者は、いかなるものであれすべての著作権を保有している。
【0004】
歩行者(例えば、走る人、ジョギングする人、歩く人など)および特定の車両の乗員(例えば、自転車乗り、オートバイ乗り、動きの遅いまたは脆弱な車両のドライバー)は、車両への衝突による損傷を受けやすい可能性がある。このような歩行者および車両は、2つ以上の群で道路を走行または移動することがある。例えば、自転車乗りの小隊は、20~50人以上の自転車に乗る人が含まれる場合がある。早朝または夕方に進行方向に広がっているとき、自転車に取り付けられた前部および/または後部のライトが点滅して、接近する自動車のドライバーに警告を提供することがある。しかしながら、接近する車両ドライバーには、これは遠方からのランダムに点滅するライトとして見え、近づいてくるドライバーに群全体の大きさをはっきりと認識させることはできない。
【0005】
自転車、オートバイおよびその他の移動車両に取り付けられた既存の警告ランプは、点滅して、接近するドライバーに警告する。前向きまたは後向きのいずれかのランプの個々の点滅は、エネルギーが限られており、そのため、利用可能な電力および反射器の表面積により、可視光出力には限りがある。光源の効率(LED対白熱灯)の改善、洗練された光学部品、および改善されたバッテリー技術は、より良好な警告灯をもたらしてきた。しかしながら、衝突の結果としての負傷は、継続しており、頻度も増加している。警告灯の光学部品、出力、および効率の改善に対する必要性がある。歩行者は、道端を歩いているときに同じ不利益を被る。例えば、冬の早朝に学校に行く子供たちの群は、暗さの中で見るのが困難である。そのような歩行者によって身に着けられたバックパック、ヘッドギア、靴または衣服上で点滅するランプは、近づいてくるドライバーに対してより目立つようにすることができる。
【0006】
本発明によれば、このような点滅するランプは、複数の歩行者または車両が群で移動しているときに、同期もしくは調和して点滅するか、または別の方法で同期もしくは調和して光を放射する場合があり(例えば、点灯したままで点滅しない、パターンで点滅するなど)、これによって放射された光の知覚される明るさおよびサイズを高め、ならびに近づいてくる交通に対して群をより見やすくする。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様によれば、このような移動デバイスのうちの他のデバイスとの特定の距離範囲(すなわち、同期範囲)内で移動しているときに、同期位置指示信号を放射する位置指示デバイスが提供される。いくつかの実施形態において、これらのデバイスは、閃光または他の信号を放射する電子フレアの形態であってもよく、そのようなフレアの実施例は、米国特許第7,088,222号、同第7,106,179号、同第8,154,424号、同第8,550,653号、同第8,564,456号、同第8,579,460号、同第9,288,088号、同第9,835,319号、同第D510,289号、同第D515,957号、同第D515,958号、同第D560,533号、同第D654,387号、同第D669,805号、同第D778,752号および同第D778,753号、ならびに米国特許出願公開第2013/0113634号、同第2016/0186971号、ならびに係属中の米国特許出願第15/893,420号に記載されており、そのような各特許および出願の全開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。いくつかの実施形態において、これらのデバイスは、車両、車両付属品、または、例えば、車両、自転車、自転車の座席、自転車のランプ、オートバイ、バイク、ウェアラブル衣服、ベスト、靴、ランニングシューズ、ヘッドギア、キャップ、帽子、ヘルメット、安全帽、ストラップ、レッグストラップ、アームストラップ、ベルト、バックパック、首ひも、ジュエリー、イヤリング、ネックレス、およびリストバンドのような、他の物体の上に、若しくはその中に取り付けられてもよく、または一体化/製造されてもよい。
【0008】
本開示の別の態様によれば、他のそのようなデバイスと共に移動しながら動作可能である位置指示デバイスが提供され、そのような各デバイスは、位置指示信号を放射する少なくとも1つのエミッタと、無線装置または他の受信機(送信機も含む場合がある)と、電源と、電子回路であって、a)デバイスの同期範囲内に位置する他の位置指示デバイスから、受信機を介して、1つまたは複数の同期信号を受信し、b)同期範囲内に位置する1つ以上の他の位置指示デバイスからの1つまたは複数の同期信号の受信に応答して、少なくとも1つのエミッタに、同期範囲内に位置する1つ以上の他の位置指示デバイスによって放射されている信号と同期される信号を放射させるように、構成およびプログラムされた電子回路と、を備える。
【0009】
本開示の別の態様によれば、複数の移動する歩行者または車両の位置を示すために複数の位置指示デバイスを使用する方法が提供され、方法は、歩行者または車両のそれぞれに、デバイスのうちの少なくとも1つを装備させるステップを含み、デバイスのそれぞれは、位置指示信号を放射するエミッタと、i)そのデバイスが1つ以上の他のデバイスの同期範囲内にあるとき、および1つ以上の他のデバイスの同期距離範囲内にあるときに検知し、ii)そのデバイスのエミッタに、同期範囲内に位置付けられる他のデバイスの1つ以上によって放射される位置指示信号と同期する位置指示信号を放射させる、ようにプログラムされた制御装置と、を備える。
【0010】
本発明のさらなる態様および詳細は、以下に記載される詳細な記載および実施例を読むことにより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の詳細な記載および実施例は、本発明のいくつかの(しかし必ずしもすべてではない)実施例または実施形態を非網羅的に記載する目的で提供され、決して本発明の範囲を限定するものではない。
図1】本発明の位置指示デバイスの一実施形態の要素を示す図である。
図2】道路または他の幹線道路に沿って移動する歩行者または車両によって取り付けられ、または運搬される、図1に示されるような複数の位置指示デバイスを備える、本発明のシステムの一実施形態の図である。
図3】本発明の位置指示デバイスが動作するようにプログラムされ得る動作プロトコルの非限定的な一実施例を示す図である。
図4】本発明の位置指示デバイスがプログラムされ、互いに通過または近づく歩行者または車両の別個の群を区別するプロトコルを示す図である。
図5】本発明のデバイスで使用され得るメッシュネットワークまたは「マスター/スレーブ」ネットワークの1つの非限定的な実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の発明を実施するための形態およびそれが参照する添付の図面は、が、本発明のいくつかの、しかし必ずしもすべてではない実施例または実施形態を記載することを意図している。記載された実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。この発明を実施するための形態および添付図面の内容は、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
数人の自転車乗りが道路の脇に沿って走っているとき、彼らの警告ランプは、複数の目的のために置かれた周囲のランプおよびインフラストラクチャのランプと混在することがある。例えば、店頭、通過している自動車、小売店の建物などから発せられている光は、すべて、自転車乗りの点滅している警告灯を覆い隠す傾向がある。また、車両が、葬儀行列、軍用車両の車列などの群内を移動しようとするとき、同じ道路上を走行する他の車両がそのような群の存在または範囲を視覚的に認識することが困難な場合がある。本発明は、そのような歩行者または車両に組み込まれ、保持され、運ばれ、着用され、または取り付けられ、そのような歩行者または車両が群で移動したときに同期された位置指示信号を放射するようにプログラムされた信号デバイスおよびシステムを提供し、それにより群の認識および視認性を支援する。
【0014】
別の非限定的な実施例において、本発明は、自転車またはオートバイの照明の安全機能を強化または増大させる手段を提供する。増大の因子は、単に群(小隊)になっている自転車乗りの数である。現在、点滅する各ランプは、群の他のメンバーの光出力と連携されていないとき、群の利用可能なバッテリーエネルギーと光出力の合計の一部を提供する。個々の点滅するランプの連携を提供することによって、「群」は、はるかにより大きく、かつより明るいエンティティとして現れ、これによって複数の独立して点滅する自転車警告ランプで利用可能な安全性を超えて提供する。
【0015】
本発明は、移動するノード(例えば、自転車、オートバイ、キャンピングカー、道端の歩行者またはジョギングする人など)の群上の多数の個々の点滅する安全灯を連携させることにより提供される利点に対処する。個々のノードのLEDランプの点滅を連携させることによって、「群」は、より大きく、より特徴的に見えるようになり、それによって安全上の利点が提供される。
【0016】
無線、赤外線、または音声通信、メッシュネットワーク、マスター/スレーブ、またはハイブリッド通信ネットワークを使用して、移動中でかつ非接続の車両または歩行者の以前は独立していたランプの点滅を、すべてのランプが調和して、または順番で、または何らかの他のより見やすいパターンで点滅するように連携させることができる。
【0017】
本発明は、複数の異なる移動するエンティティ間のアクション(例えば、ランプの点滅)の連携に関連する課題に対処する。動的な位置同期を提供するには、ネットワークは、自動車、トラック、および自転車からのマルチパス反射による位置の変化と信号強度の変動も考慮しなければならない。さらに、すべてのランプを同時に点滅させるには、ネットワークの連携、タイミング、およびネットワークに出入りするネットワークノードの動的な番号付けの能力が要求される。
【0018】
図1は、本発明の位置指示デバイス12内に含んでもよい基本構成要素の実施例を示す。図2は、道路または他の幹線道路RWに沿って共通の方向に移動する複数の位置指示デバイス12a~12f(例えば、各デバイスが別個の「ノード」を表す)を含むシステム(例えば、ネットワークまたは群)の実施例を示す。
【0019】
図1に見られるように、各デバイス12は、位置指示信号を放射する少なくとも1つのエミッタ16(LED、他の光源、スピーカー、ホーンなどのような)、無線装置または他の受信機14(いくつかの実施形態においては、送信機も備える)、電源20(例えば、バッテリーまたはソーラーパネル)、および電子回路18(例えば、コントローラを有する集積回路)を備える。電子回路18は、受信機14を介して、本デバイス12の同期範囲SR内に位置する他のそのような位置指示デバイス12から1つまたは複数の同期信号を受信するように構成およびプログラムされ、同期範囲SR内に位置する1つ以上の他の位置指示デバイス12からの1つまたは複数の同期信号の受信に応答して、1つまたは複数のエミッタ16に、同期範囲SR内に位置する1つ以上の他の位置指示デバイス12a~12fによって放射される信号と同期する信号を放射させる。
【0020】
図2に示された実施例において、6つのデバイスのうちの4つ、12b、12c、12dおよび12eは、互いに同期範囲SR内にある。したがって、デバイス12b、12c、12dおよび12eはすべて、同期位置指示信号を放射している。しかしながら、群化されていないデバイス12aおよび12fは現在、ネットワークまたは群内の他のすべてのデバイスの同期範囲SRの外側にあり、したがって、デバイス12aおよび12fは、いかなる信号も放射していないか、または群化されたデバイス12b、12c、12dおよび12eによって放射された信号と異なる、もしくは同期していない信号を放出しているかのいずれかである。
【0021】
群化されていないデバイス12aまたは12fのうちの1つがその後、群化されたデバイス12b、12c、12dまたは12eのいずれかの同期範囲SR内になる場合、そのデバイスは、次いで自動的に群に参加し、他の群化されたデバイス12b、12c、12dおよび12eと共に同期した位置指示信号の放射を採用/開始する。
【0022】
群化されたデバイス12a、12b、12c、12dのうちの一つが群の同期範囲SRの外側に移動する場合、そのデバイスは、それから同期群位置指示信号の放射を停止し、静止状態になり、信号を放射しないか、または異なるもしくは非同期の位置指示信号の放射を採用し、かつ開始するかのいずれかである。
【0023】
いくつかの実施形態では、群化されたデバイス12b、12c、12dおよび12eによって放射された同期された群位置指示信号は、本質的に順次的であり得る。例えば、閃光は、最初のデバイス12bから最後のデバイス12dまで、または最後のデバイス12dから最初のデバイス12aまで順次的な順序で放射されてもよい。このような順次的な実施形態では、群化されたデバイス12b、12c、12d、12eの順序が変わると、群内のデバイスの実際の順序が変更されたとしても、デバイスは、自動的に再配列して、所望の最初から最後または最後から最初の順番を維持するようにプログラムされる。
【0024】
メッシュネットワーク
複数の自転車または歩行者または同じ機器を使用する他の車両が互いに接近し、かつ無線範囲内にあるとき、無線装置の1つは、連携信号を開始するための制御を引き受けなければならない。しかしながら、この同じ一時的マスターは、すぐに範囲外に移動する場合がある。したがって、任意の他のノード(自転車)が、制御を引き受ける能力を有しなければならない。さらに、すべてのデバイスは、まったく同じようにプログラムされているため、事前に定義された「マスター」または「スレーブ」はない。ネットワークは、各メンバーから次のメンバーに動的に制御を渡すことができなければならない。したがって、ネットワークは、範囲と競合の問題に応じて、マスター/スレーブおよびメッシュの両方として機能しなければならない。本発明の新規な態様は、メッシュトポロジーとマスター/スレーブトポロジーとの間の動的なシフトである。これの基本的な態様は、すべてのノードが、他のノードの範囲内にないときに、例えば、1秒に1回ランプを点滅させることである。しかしながら、それぞれが1秒に1回フラッシュしている場合でさえも、2つのノードは、同期して点滅しない場合がある。範囲内に入ると、各ノードは、「マスター」クロックを確立して、放射された信号(たとえば、閃光)を同期する。
【0025】
図3を参照すると、動作シナリオの一実施例は、2つのノードが範囲内に接近することである。各ノードは、ランダムにまたはLEDの点滅と連携して、ネットワークの制御を要求する信号(要求制御信号-RCS)を送信し、肯定応答を求める。要求制御信号を送信する第1のノードは、ネットワークを制御する。要求制御信号を受信すると、第2のノードは、a)信号の受信に対して肯定応答し、b)要求制御信号の送信を停止し、単純に受信および伝播モードに移行する(メッシュネットワーク)。2つのうちの第2のノードは、第1のノードからの指示およびタイミングに従って点滅する(マスター/スレーブ)。両方のノードは、LED点滅と連携されたネットワーク確立信号(Network- Established Signal : NES)の送信を開始する。ネットワーク確立信号は、フラッシュ特性(時間、継続時間、周波数など)およびネットワーク内のノード数を含む。群の追加メンバーが範囲内へと移動すると、それらもランダムにタイミングを合わせた要求制御信号を送信する。しかしながら、すでにネットワークを確立している、最初の2つのノードは、応答せずに、点滅を続け、かつネットワーク内のノードの数を含むネットワーク確立信号を送信する。単一の新しいノードが範囲内で移動すると、ネットワークサイズ=2のネットワーク確立信号を受信する。このネットワーク確立信号は、ネットワークのサイズを3ノードに増やす肯定応答を引き出す。このパラメータ、ネットワークサイズは、ネットワーク(メッシュネットワーク)内のすべてのノードに伝播され続ける。
【0026】
ネットワークが既に確立されている接近する自転車乗りの群で同様の一連のイベントが発生する場合、潜在的な競合が発生する。独立してネットワークを形成した、両方の群は、ネットワーク確立信号を送信する。しかしながら、パラメータのうちの1つは、ネットワークサイズである。例えば、より多くのノードを持つネットワーク(より小さいノード数が制御する可能性がある)は、より小さいネットワークの制御を行う。より小さいネットワークは、ネットワーク確立信号の送信を続けるが、a)両方の群の合計を含む新しいノード番号を用い、b)採用されたより大きな群のNES識別子を用い、かつc)より大きな群と調和して送信を続ける。
【0027】
ネットワークの統合
図4を参照すると、ネットワーク(群)を形成したノードの群(例えば、自転車乗り)は、ここで、これも群としても動作するノードの別の群に行き当たる場合がある。群1のデバイスが群2からネットワーク確立信号(NES)を受信すると、メンバーは、群2から送信されたノード数を自らの群1から送信されたノード数と比較する。(群2のメンバーで同様のことが起こる)。群2のノード数がより大きい場合、群1のNESを最初に受信した群2のメンバーは、群2識別子を持つ担当ネットワーク(Network-in-Charge : NIC)信号を送信する。この信号は、群1または群2のいずれかのノードによって、開始群1のメンバーの範囲内(メッシュネットワーク)にない他のノードへと中継される。NIC信号は、他のコマンドよりも優先される。群1または群2のメンバーがNIC信号を受信すると、それらはすべて、群2識別子と新しいノード数(群1と群2の合計)を持つネットワーク確立信号(NES)の送信を開始する。
【0028】
他の群のアプローチとして、単一の群を確立するための同じ体系的なアプローチが行われる。群のノード数が同じ場合、タイブレーカーは、各ノードの一意の識別子になる(MACアドレスと同様)。より低い数値の一意の識別子を持つノードが、制御を行う。別の実施形態では、より高い数値の識別子が制御を行う場合がある。
【0029】
ノードの同時フラッシュ
本発明のシステムにおいて、タイミングを連携させるためにメッシュネットワークまたは「マスター/スレーブ」ネットワークを使用してもよい。他のモダリティは、衛星、リアルタイムクロックモジュール、またはセルラータイミング信号もしくはユニバーサルタイムトランスミッション(例えば、WWV(コロラド州フォートコリンズ)、またはヨーロッパもしくはアジアでの同様の政府タイミング放送)からのタイミング信号を受信したGPSタイミング信号を含む。使用された技術的なアプローチは、ネットワーク全体での共通クロック信号の確立を含む。ネットワーク内のすべてのランプを同時に点滅するために、本書に記載した新しいアプローチは、ネットワーク内の連続番号とランプの点滅との間に一定の遅延を組み込む。例えば、10個のランプネットワークを使用して、ノード番号1は、タイミング信号を定義する最も近い隣接ノードに信号を送信する。次に、ランプを点滅させるために900ミリ秒待機する。ノード番号2は信号を聞き、ランプを点滅させるために800ミリ秒待機する。ノード番号3は信号を聞き、ランプを点滅させるために700ミリ秒待機する。これは、ランプ番号10がクロック信号を受信し、すぐに点滅するまで続く。より低い数のランプはすべて、直接の無線、赤外線、超音波、または他のメディア通信がなくても、同時に点滅するように段階付けされる。このスキームに基づいて、10個すべてのランプが同時に点滅する。システム内に11個のランプがある場合、ノード11は、ノード10の他のノードからの信号を聞き、その点滅を900ミリ秒遅らせる。ノード1と同時に点滅し、これは他のすべてのノードと同じである。
【0030】
正味の効果は、1つのランプを除くすべてのランプが範囲外にあるにもかかわらず、すべてのランプが同時に点滅することであり、各ランプは、ランプ番号1、または任意の他の番号ランプを「聞く(hear)」必要はない。「関連マトリックス」または隣接テーブルを使用して、各ランプは最も近い8つのランプのうちの1つ、すなわち、Nより大きい数を持つ4つのランプまたはNより小さい数を持つ4つのランプのうちのいずれか1つだけを聞かなければならない。
【0031】
これを以下の表1に示す。
【0032】
【表1】
上記の行b)で図示した上記の関連マトリックスでは、ランプNは、連続番号がより低い3つのランプと連続番号がより高い1つのランプから情報を受信する。これらのランプのいずれも、ランプNがタイミングと点滅遅延データを取得するために必要な情報を提供することができる。したがって、ランプNは、ランプ1の範囲内にある必要はない。
【0033】
相対位置を動的に確立するために、「関連マトリックス」または隣接表を使用して、隣接ノードの有無を効率的に定義する。
順次的フラッシュ
複数の移動ノード(自転車、車両、歩行者)が調和してランプを点滅させる代わりに、列の最後から列の最初まで順次的な順序でランプを点滅させる。この点滅パターンは、接近するドライバーに動的な点滅する「矢印」を提示する。これを実現するには、各ノードは他のノードに対する物理的な場所(位置)を確立しなければならない。さらに、ある自転車が別の自転車を追い越すと、この位置を動的に変化してノードの再番号付けを行わなければならない。
【0034】
代替的なアルゴリズムでは、テールランプとヘッドランプの組み合わせを使用して、後続ノードから先行ノード(例えば、自転車)に配列番号を伝達することができる。テールランプとヘッドランプをリンクすることにより、変調信号は、可視光スペクトルで、赤外線スペクトルで、高周波音を使用して、または無線通信で、位置および順番の情報を伝送することが可能になる。自転車または他の車両または歩行者のうちのいずれか1つのテールランプおよびヘッドランプは、無線(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi)、有線接続、音声、赤外線などを介して互いに通信することになる。したがって、ノード番号は、可視光変調または赤外光変調または音声または無線によって、物理的に最も近い先行ノードおよび物理的に最も近い後続ノードに送信される。一番後ろのテールランプは、後ろからは認識された信号を受信しないことになり、そのため、小隊の最後における配列位置を引き受ける。ヘッドランプは、位置情報を次の自転車に順に送信する。この情報は、前方のテールランプによって受信されることになる(光検出器、フォトトランジスタ、フォトダイオード、点滅していないときにフォトダイオードとして機能するLEDなどを使用して)。次のメンバーは、その位置情報を前方のノードに送信し続けることになり、等々となる。このアーキテクチャは、複数のランプの迅速な順序付けを可能にすることになる。移動するノード(歩行者、自転車、車両)の位置が変わると、テールランプおよびヘッドランプから送受信されるノード番号を介して新しい物理的な場所が確立されることになる。
【0035】
マスター/スレーブ
あるいは、ランプのプラスチック筐体のサイズおよびアンテナの長さに応じて、より低い周波数(より広い範囲)の無線信号を使用してもよい。これは、1つのノード(自転車)がマスターとして指定され、他のすべてのノードが「スレーブ」である単純な「マスター/スレーブ」システムの展開を可能にする。低い周波数では、マスターの範囲は2キロメートル以上の範囲内のすべてのスレーブを制御するために適切である。
【0036】
動的点滅パターン
個々のノードがメッシュネットワーク、マスター/スレーブ、またはハイブリッドネットワークによって「リンク」されると、LEDフラッシュの速度とパターンは動的に制御され得る。例えば、超音波、レーダー、レーザー反射、ヘッドライトの強度などを使用した近接検出では、群の後方から接近する車両を検知し、フラッシングランプに埋め込まれたマイクロコントローラーファームウェアを介して点滅パターンを変更することが可能である。変更は、より長い持続時間の点滅の付加サイクル、より明るい点滅、より速い点滅などを含むことができる。これは、単調で一定の点滅パターンではなく動的パターンを提供することによって、接近するドライバーに警告することになる。例えば、車両が接近すると、多くの自転車のテールランプを同時に点滅させることにより、点滅の明るさと速さが増し、最終的に「常時オン」または定常点灯照明になり、自転車乗りを最も目立たせることができる。あるいは、点滅しているテールランプの色を、接近する車両の近さに基づいて、琥珀色から赤、または緑に変化させることが可能である。接近する車両に対する点滅パターンのこの動的な応答は、新規かつ重要な安全機能を表している。
【0037】
群集同期挙動
光または音声または他のエネルギーを放射するデバイスを身に着けている歩行者の大規模な群(群衆)を、同様の方法で連携させることができる。この群衆の動的な挙動の最近のデモンストレーションは、オリンピックスタジアムで見られ、ここではリストバンドまたはヘッドランプが異なる色とパターンで点滅する。しかしながら、すべてのデモンストレーションにおいて、連携信号は、インフラストラクチャに依存し、すなわち、赤外線または無線信号が、群衆に近接した中央の場所から、しばしば群衆の見通し内で放送される。「マスター」信号は、中央制御システムに配線された複数の赤外線光源によって放送される場合がある。提案された発明において、群衆ノードの挙動の連携は、中央インフラストラクチャのソースまたはマスター信号を要求しない。制御信号は、任意のノードによって生成することができ、かつネットワーク内のすべてのノードの挙動をすぐに制御することができる。例えば、100,000人のファンがいる大きなフットボールスタジアムにおいて、それぞれのノードが低コストのノードを携帯している場合、各ノードの電子挙動(LEDの色、点滅速度、強度、音声放射など)の変更は、プログラムで許可されている場合には、群衆内の任意の単一のノードによって、または群衆内に座っている管理者ノードによって連携することができる。同じ群衆は、スタジアムを出ることができ、同期された連携された挙動が続くことになる。すべてのノードの見通し内にある中心に位置する赤外線または無線信号は、高エネルギーである必要ない。
【0038】
群挙動対個々の挙動
2つ以上の自転車、オートバイ、車両、歩行者など(ノード)のリンクに成功すると、点滅の動態が変化するように設計することができる。例えば、一人乗りの場合、自転車のテールライトが1秒間に1回100ミリ秒間点滅する場合がある。しかしながら、無線、赤外線、光、または他の信号方式を介して別の自転車に「リンク」したとき、テールライトは、点滅が停止し、両方のランプ(2台の自転車)が連続して点灯したままになる「定常点灯」モードが開始される場合がある。大規模な群では、同時点滅は、群の常時照明よりも煩わしいか、または効果が低い場合がある。群は、一旦群が形成されると「デフォルト」になる多くの「パターン」のうちの1つを選ぶことができ、これは、個々が一人で乗っているときのフラッシュパターンとは異なる可能性がある。ランプは、一人モードおよび群モードを有し、どちらもオペレーターによってプログラム可能である。
【0039】
本発明は、「動いている」歩行者または車両に関して記載するが、場合によっては、歩行者または車両の一部またはすべての動きが停止する場合があり得ることが理解される。例えば、道路に沿って移動している歩行者または自転車の群は、時々停止し、その後移動を再開する場合がある。いくつかの事例において、歩行者または車両が停止している間、位置指示デバイスは、オンのままであり、位置指示信号を放射し続ける場合がある。他の事例において、歩行者または車両が停止している間、位置指示デバイスをオフにしてもよく、その後歩行者または車両が動きを再開したときに再開してもよい。また、本明細書における移動する歩行者への言及は、歩行している、ジョギングしている、立っている、または走っている歩行者だけでなく、道路もしくは他の幹線道路上または近くの建設区域もしくは事故現場で作業している作業者または救急隊員のような、作業を実行している、またはエリア内を動き回っている者も含むと解釈されるものとする。
【0040】
本発明を、本発明のいくつかの実施例または実施形態を参照しながら上文に説明してきたが、本発明の意図した趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな追加、削除、変更および改造を、それらの記載されている実施例および実施形態に対して行ってもよいことを正しく認識すべきである。例えば、一実施形態または実施例の任意の要素、ステップ、部材、構成要素、構成物、反応物、部品または部分は、特段の指定がない限り、または、その実施形態または実施例を、その意図した用途に適さないようにしない限り、別の実施形態または実施例に組み込むか、または、別の実施形態または実施例と共に用いてもよい。また、方法またはプロセスのステップが、特定の順序で記載され、または列挙されている場合、そのようなステップの順序は、他に指定されていない限り、または、その方法またはプロセスを、その意図した目的に適さないようにしない限り、変えてもよい。さらに、本願明細書に記載されている任意の発明または実施例の要素、ステップ、部材、構成要素、構成物、反応物、部品または部分は、特断の指定がない限り、他の任意の要素、ステップ、部材、構成要素、構成物、反応物、部品または部分がない場合に、または、実質的にない場合に、任意選択的に存在してもよく、または、利用してもよい。すべての合理的な追加、削除、改造および変更は、記載されている実施例および実施形態の等価物と見なすべきであり、および以下の特許請求の範囲の範囲に含まれるものとする。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
複数の他の位置指示デバイスと共に移動しながら動作可能である位置指示デバイスであって、前記位置指示デバイスが、
位置指示信号を放射する少なくとも1つのエミッタと、
受信機と、
電源と、
電子回路であって、
a)前記デバイスの同期範囲内に位置する他の位置指示デバイスから、前記受信機を介して、1つまたは複数の同期信号を受信し、
b)前記同期範囲内に位置する1つ以上の他の位置指示デバイスからの1つまたは複数の同期信号の受信に応答して、前記少なくとも1つのエミッタに、前記同期範囲内に位置する前記1つ以上の他の位置指示デバイスによって放射される信号と同期される信号を放射させるように、構成され、かつプログラムされた電子回路と、を備える、デバイス。
[付記2]
前記位置指示信号が、可視光もしくは赤外光、一定の可視光もしくは赤外光、明滅、点滅もしくは断続的な可視光または赤外光、明滅、点滅もしくは断続的な可視光または赤外光の特定パターン、色が変化する光、音声、一定の音声、断続的な音声、断続的な音声および、音量、音程、タイプ、または特徴が変化する音声の特定パターン、から選択される、付記1に記載のデバイス。
[付記3]
前記受信機が、無線周波数受信機、Bluetooth受信機、WiFi受信機、電気配線接続、可視光受信機、赤外光受信機、可視光または赤外光パルスの戻り速度を判定する受信機、LiDARデバイス、音声受信機、衝撃センサー、マイクロフォン、超音波受信機、レーダーデバイス、短距離レーダー(SRR)デバイス、中距離レーダー(MRR)デバイス、長距離レーダー(LRR)デバイス、モーションセンサー、モーション検出器、およびカメラから選択されるタイプである、付記1に記載のデバイス。
[付記4]
前記デバイスの前記同期範囲内に位置する他の位置指示デバイスに前記デバイスから同期信号を送信するための送信機をさらに備える、付記1に記載のデバイス。
[付記5]
前記送信機が、無線周波数送信機、Bluetooth送信機、WiFi送信機、電気配線接続、可視光送信機、赤外光送信機、光パルス送信機、LiDARデバイス、音声送信機、スピーカー、衝撃エミッタ、超音波送信機、レーダーデバイス、短距離レーダー(SRR)デバイス、中距離レーダー(MRR)デバイス、長距離レーダー(LRR)デバイス、モーションセンサーまたはモーション検出器によって検出可能な移動装置、およびカメラによって検出可能なフォトニック画像を送信する送信機から選択されるタイプである、付記4に記載のデバイス。
[付記6]
前記電子回路が、前記デバイスに、前記デバイスの前記同期範囲内に現在位置するその他のデバイス位置指示デバイスによって放射された位置指示信号のタイミングを、前記エミッタによって放射された位置指示信号のタイミングと同期させる、付記1に記載のデバイス。
[付記7]
前記電子回路が、メッシュネットワークまたはフロッキングプロトコルを備える、付記6に記載のデバイス。
[付記8]
前記電子回路が、モーションセンサーまたは衝撃センサーをさらに備え、かつ前記モーションセンサーまたは衝撃センサーによって感知された運動または衝撃に応答して、前記エミッタをオンまたはオフにさせる、付記1に記載のデバイス。
[付記9]
前記モーションセンサーまたは衝撃センサーが、モーションセンサー、衝撃センサー、加速度計、傾斜センサー、ジャイロスコープ、および微小電気機械システムの群から選択される、付記8に記載のデバイス。
[付記10]
前記少なくとも1つのエミッタが、可視光または赤外光を放射し、かつ光が上向きに放射される上部放射モードまたは光が側方に放射される側部放射モードで交互に動作する、少なくとも1つの光エミッタを備え、かつ前記電子回路が、前記デバイスに、上部放射モードと側部放射モードとの間の切り替えをさせるように構成されたスイッチング回路を備える、付記1に記載のデバイス。
[付記11]
少なくとも部分的に半透明である1つ以上の側壁と、少なくとも部分的に半透明である1つ以上の上部壁と、を有する、ハウジングをさらに備え、前記少なくとも1つの光エミッタが、上部放射モードで動作するときの、前記1つ以上の上部壁を通る上向きに向けられた光、または側部放射モードで動作するときの、前記1つ以上の側壁を通る側方に向けられた光を交互に放射する、付記10に記載のデバイス。
[付記12]
前記スイッチング回路が、フレアの特定の移動に応答して、前記側部放射モードと前記上部放射モードとの間で切り替えさせる運動作動式スイッチング装置を備える、付記7に記載のデバイス。
[付記13]
前記運動作動式スイッチング装置が、動的エミッタ配向を、前記フレアが水平方向と垂直方向との間で前後に移動されるように、前記フレアが前記上部放射モードと前記側部放射モードとの間で前後に切り替わるようにさせる、付記12に記載のデバイス。
[付記14]
前記少なくとも1つのエミッタが、複数の発光ダイオードを備える、付記12に記載のデバイス。
[付記15]
1つ以上の磁石をさらに備える、付記12に記載のデバイス。
[付記16]
前記デバイスが垂直位置にあるとき、前記スイッチング回路が、前記デバイスを上部放射モードで動作させ、かつ前記1つ以上の磁石は、前記デバイスが垂直位置になるように、前記デバイスを強磁性部材に取り付けるために使用可能であり、かつ前記スイッチング回路は、前記デバイスを上部放射モードで動作させる、付記15に記載のデバイス。
[付記17]
前記スイッチング回路が、前記モーション作動式スイッチング装置をオーバーライドするロック機能を含む、付記12に記載のデバイス。
[付記18]
前記ロック機能は、ユーザーが、上部放射モードまたは側部放射モードのいずれかで前記デバイスをロックすることを可能にする、付記17に記載のデバイス。
[付記19]
車両、自転車、オートバイ、バイク、ウェアラブル衣服、ベスト、靴、ランニングシューズ、ヘッドギア、キャップ、帽子、ヘルメット、安全帽、ストラップ、レッグストラップ、アームストラップ、ベルト、バックパック、首ひも、ジュエリー、イヤリング、ネックレス、およびリストバンドから選択される物体に前記デバイスを取り付けるための1つ以上のコネクタをさらに備える、付記1に記載のデバイス。
[付記20]
車両、自転車、自転車の座席、自転車のランプ、オートバイ、バイク、ウェアラブル衣服、ベスト、靴、ランニングシューズ、ヘッドギア、キャップ、帽子、ヘルメット、安全帽、ストラップ、レッグストラップ、アームストラップ、ベルト、バックパック、首ひも、ジュエリー、イヤリング、ネックレス、およびリストバンドから選択される物体に取り付けられ、組み込まれ、または一体化された、付記1に記載のデバイス。
[付記21]
前記電子回路が、前記同期範囲内の他のデバイスと通信するように適合され、そのため、前記デバイスまたは前記同期範囲内の任意の他のデバイスをオンまたはオフにすることが、前記同期範囲内のすべての他のデバイスをオフにさせる、付記1に記載のデバイス。
[付記22]
オン/オフボタンおよびユーティリティボタンをさらに備え、前記オン/オフボタンは、前記フレアをオンおよびオフにするために使用可能であり、かつ前記ユーティリティボタンは、前記フレアをトリガして特定の機能を実行するために使用可能である、付記1に記載のフレア。
[付記23]
付記1に記載のデバイス群を備える、システム。
[付記24]
前記群内の各デバイスの前記電子回路が、そのデバイスが前記群内の少なくとも1つの他のデバイスの前記同期範囲内にある限り、そのデバイスが、前記群の他のデバイスによって放射されている位置指示信号と同期される位置指示信号を放射するように、構成され、かつプログラムされる、付記23に記載のシステム。
[付記25]
前記群内の各デバイスの前記電子回路が、そのデバイスが前記同期範囲外になる場合、そのデバイスが、いかなる位置信号の放射も停止するか、または前記群の他のデバイスによって放射されている位置指示信号と同期されない、異なる位置信号の放射を開始するように、さらに構成され、かつプログラムされる、付記24に記載のシステム。
[付記26]
前記少なくとも1つのエミッタが、可視光または赤外光を放射し、かつ前記電子回路が、前記同期範囲内のすべてのデバイスに、同期された閃光を放射させるように構成され、かつプログラムされる、付記24に記載のシステム。
[付記27]
前記同期範囲内のすべてのデバイスが、前記群の最初に位置付けられたデバイスから前記群の最後に位置付けられたデバイスへと進行する順番で閃光を放射する、付記24に記載のシステム。
[付記28]
前記同期範囲内のすべてのデバイスが、前記群の最後に位置付けされたデバイスから前記群の最初に位置付けされたデバイスへと進行する順番で閃光を放射する、付記24に記載のシステム。
[付記29]
前記同期範囲内のすべてのデバイスが、調和して閃光を放射する、付記24に記載のシステム。
[付記30]
前記同期範囲内のすべてのデバイスが、調和して連続光を放射する、付記24に記載のシステム。
[付記31]
前記電子回路が、a)明るく、遅く、かつ滑らかなパターン、b)デバイスのペアの一連の点滅、c)点滅しないデバイスと次第に弱まる点滅パターンによって分離された2つのデバイスの点滅、から選択される利用可能なフラッシュパターンで、前記デバイスが閃光を放射することを可能にするようにさらに構成され、かつプログラムされる、付記26に記載のシステム。
[付記32]
前記電子回路が、前記デバイスがメッシュネットワーク、マスター/スレーブネットワーク、または赤外線ネットワークを介して互いに通信するように構成され、かつプログラムされる、付記23に記載のシステム。
[付記33]
各デバイスが、
無線周波数(RF)信号を送受信するように構成されたアンテナまたは、可視光または赤外線変調通信を提供する光検出器および送信機、メモリに保存された命令を実行するように構成されたマイクロコントローラを備えるコンピュータハードウェア、前記マイクロコントローラからのメッセージを送受信するように構成されたRFトランシーバまたは光検出器、ならびに電源と、
隣接モジュールのタイミングインジケータを含む隣接テーブル、ネットワーク連携クロックに関して警告信号を放射する前の遅延を示すタイミングインジケータ、を含むメモリと、を備え、
前記コンピュータハードウェアが、少なくともその隣接テーブル内のモジュールへのタイミングおよび相対位置データ、前記近接インジケータに少なくとも部分的に基づいた相対位置、警告信号の同時放射をその隣接テーブル内の少なくとも前記モジュールと同期させるために使用される前記タイミングおよび相対位置データ、を共有するように構成される、付記23に記載のシステム。
[付記34]
前記エミッタが、可視光もしくは赤外光、一定の可視光もしくは赤外光、明滅、点滅または断続的な可視光もしくは赤外光、明滅、点滅または断続的な可視光もしくは赤外光の特定のパターン、色が変化する光、音声、一定の音声、断続的な音声、断続的な音声の特定のパターン、および音量、音程、タイプ、または特徴の変化する音声、から選択されるタイプの位置指示信号を放射する、付記23に記載のシステム。
[付記35]
各デバイスは、バッテリー、前記バッテリーを充電する、または前記モジュールに電力を供給するためのソーラーコレクター、主電源、発電機、オルタネーター、風力発電、および動力発電電力のうちの少なくとも1つを備える電源を備える、付記23に記載のシステム。
[付記36]
前記デバイスが、ワイヤレス通信、有線通信、赤外線通信、音声通信、超音波、および可視光通信のうちの少なくとも1つによって互いに通信する、付記23に記載のシステム。
[付記37]
各デバイスが、政府または標準化機関によって送信された無線クロック信号を受信するためのGPS無線受信機を備え、前記電子回路が、前記無線クロック信号に基づいて各デバイスの絶対位置および相対位置を判定するように構成され、かつプログラムされる、付記23に記載のシステム。
[付記38]
前記同期範囲内のデバイスが、連携された同時閃光を放射し、それにより、傍観者にそれらのデバイスすべてを群として知覚させる、付記23に記載のシステム。
[付記39]
連携された同時閃光の前記放射が、前記デバイスが初期化されるときに独立して判定される、付記38に記載のシステム。
[付記40]
前記デバイスが、前記同期範囲の中へと移動するとき、前記連携された同時閃光の放射を開始し、かつ前記デバイスが前記同期範囲外に移動するとき、前記連携された同時閃光の放射を停止する、付記39に記載のシステム。
[付記41]
いずれかのデバイスの故障が、前記同期範囲内の他のデバイスの動作に影響を与えない、付記23に記載のシステム。
[付記42]
ユーザーにいかなるコード、番号または他の設定を入力することを要求することなく、故障したデバイスを交換デバイスによって交換することができる、付記42に記載のシステム。
[付記43]
ユーザーにいかなるコード、番号または他の設定を入力すること要求することなく、追加のデバイスがいつでも前記群に参加できる、付記23に記載のシステム。
[付記44]
複数の移動する歩行者または車両の位置を示すために複数の位置指示デバイスを使用する方法であって、
前記歩行者または車両のそれぞれに、前記デバイスのうちの少なくとも1つを装備させるステップを含み、前記デバイスのそれぞれが、位置指示信号を放射するエミッタと、i)そのデバイスが1つ以上のその他のデバイスの同期範囲内にあるとき、および前記デバイスのうちの1つ以上の他のものの前記同期距離範囲内にあるときに検知し、かつii)そのデバイスのエミッタに、前記同期範囲内に位置付けされる前記のデバイスのうちの他のものの前記1つ以上によって放射される位置指示信号と同期する位置指示信号を放射させる、ようにプログラムされた制御装置と、を備える、方法。
[付記45]
前記歩行者または車両が、一定期間移動を停止する、付記44に記載の方法。
[付記46]
前記デバイスのエミッタが、停止中に前記位置指示信号を放射することを継続する、付記45に記載の方法。
[付記47]
前記デバイスのエミッタが、停止中に前記位置指示信号を放射することを停止する、付記45に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5