(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ローカル対話システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A63G 33/00 20060101AFI20231031BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20231031BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20231031BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231031BHJP
【FI】
A63G33/00
A63F9/00 513
G06K7/10 264
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020538990
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(86)【国際出願番号】 US2018060826
(87)【国際公開番号】W WO2019139669
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-10-19
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】コセアート トラビス ジョン
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-149951(JP,A)
【文献】特開2013-186839(JP,A)
【文献】特開2016-015044(JP,A)
【文献】特表2017-528823(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0270734(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0308964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0184698(US,A1)
【文献】国際公開第01/046916(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
A63F 9/00- 9/20
A63F 9/26-11/00
G06Q 10/00-10/10
G06Q 30/00-30/08
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話点であって、
ゲーム参加者がゲームに参加している間、ウェアラブル電子デバイスに関連付けられた前記ゲーム参加者の対話データを維持するユーザ統計データストアと通信するように構成されたハードウェアベースのプロセッサと、
前記ハードウェアベースのプロセッサによりローカル対話処理において使用される前記対話データの少なくとも一部をローカルに記憶するように構成されたローカルキャッシュデータストアと、
前記対話点との対話を示す前記ウェアラブル電子デバイスの電磁放射線を読み出すように構成された無線自動識別(RFID)リーダであって、前記対話が前記RFIDリーダと前記ウェアラブル電子デバイスとの間のデータ送信を含み、前記電磁放射線の前記読み出しが前記RFIDリーダと前記ウェアラブル電子デバイスとの間の近接度によって可能になる、RFIDリーダと、
を備え、
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記対話に基づいて前記対話データの前記少なくとも一部を修正することにより、前記対話点との前記対話に基づいて、前記対話データの前記少なくとも一部を使用して前記ローカル対話処理を実行するように構成され、
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記ローカルキャッシュデータストア内の前記対話データの前記少なくとも一部の前記修正に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ統計データストアに記憶された前記対話データを修正するように構成され、
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記対話点との対話と前記ローカルキャッシュデータストア内に記憶されている前記対話データの前記少なくとも一部とに少なくとも基づいて、前記対話データの一部を修正するように構成され
、
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記対話データの前記少なくとも一部への修正を、前記対話データの前記少なくとも一部にサブスクライブしている1又は2以上の他の対話点に提供するように構成される、
対話点。
【請求項2】
前記対話点を1又は2以上のクラウドサービスと通信可能に結合するように構成された通信回路を備え、前記1又は2以上のクラウドサービスが、少なくとも1つのコンピュータと、前記対話データの持続的記憶を容易にするように構成された少なくとも1つのデータストアと、を含む、請求項1に記載の対話点。
【請求項3】
前記対話点は、前記ゲームに関連付けられた対話点のセットの第1の対話点であり、
前記ハードウェアベースのプロセッサは、
前記ウェアラブル電子デバイスの識別子(ID)を前記RFIDリーダを介して読み出し、
前記IDに基づいて前記ローカルキャッシュデータストア内の前記対話データを更新する、
ように構成される、請求項2に記載の対話点。
【請求項4】
前記ハードウェアベースのプロセッサは、
前記IDが前記ゲームにとって新しいものであるか否かを決定し、
前記IDが前記ゲームにとって新しいものであると決定された時に、前記1又は2以上のクラウドサービスへの前記IDの登録を行わせ、
前記IDが前記ゲーム内に既に存在すると決定された時に、前記IDに関連付けられた対話データを前記1又は2以上のクラウドサービスに要求する、
ように構成される、請求項3に記載の対話点。
【請求項5】
前記1又は2以上のクラウドサービスへの前記IDの登録は、前記1又は2以上のクラウドサービスのデータストア内で前記IDに初期値のセットを関連付けるステップを含み、前記初期値は、前記ゲームの初期のゲーム進行状況ステータスを含む、請求項4に記載の対話点。
【請求項6】
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記初期値のセットを受信し、前記受信された初期値のセットに基づいて前記ローカルキャッシュデータストア内の前記対話データを更新するように構成される、請求項5に記載の対話点。
【請求項7】
前記IDが前記ゲーム内に既に存在すると決定された時に、前記ハードウェアベースのプロセッサは、
前記IDに関連付けられた、前記1又は2以上のクラウドサービスのデータストア内に記憶された保存済みゲーム進行状況ステータスを要求し、
前記保存済みゲーム進行状況ステータスを受信し、
前記保存済みゲーム進行状況ステータスに基づいて、前記ローカルキャッシュデータストア内の前記対話データを更新する、
ように構成される、請求項4に記載の対話点。
【請求項8】
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記対話点との対話と前記ローカルキャッシュデータストア内に記憶されている前記対話データとに少なくとも基づいて、複数のフィードバック選択肢から前記フィードバックを決定することによって、前記ウェアラブル電子デバイスによる前記フィードバックのレンダリングを生じさせるように構成される、請求項1に記載の対話点。
【請求項9】
前記フィードバックは、可聴出力、触覚出力、1又は2以上のライト点灯、又はこれらの何れかの組み合わせを含む、請求項8に記載の対話点。
【請求項10】
前記対話データは、前記ゲームのスコアを含む、請求項8に記載の対話点。
【請求項11】
前記ハードウェアベースのプロセッサは、
前記対話データに基づいて、前記ゲームの専有区域へのアクセスに対する適格性を決定し、
適格である場合に前記ゲームの前記専有区域へのアクセスを許可し、
不適格である場合に前記ゲームの前記専有区域へのアクセスを拒否する、
ように構成される、請求項8に記載の対話点。
【請求項12】
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記ウェアラブル電子デバイスのマイクロプロセッサによって解釈可能なフィードバック応答をトリガーするトリガーデータを前記ウェアラブル電子デバイスのメモリに書き込み、前記マイクロプロセッサが前記トリガーデータを検出して前記フィードバックを実装できるようにすることによって、前記ウェアラブル電子デバイスによる前記フィードバックのレンダリングを生じさせるように構成される、請求項8に記載の対話点。
【請求項13】
前記ハードウェアベースのプロセッサは、前記対話データの前記少なくとも一部への修正を、前記対話データの持続的記憶を容易にする1又は2以上のクラウドサービスに提供するように構成される、請求項1に記載の対話点。
【請求項14】
ゲームのための対話システムであって、
第1の対話点を備え、
該第1の対話点が、
ゲーム参加者がゲームに参加している間、ウェアラブル電子デバイスに関連付けられた前記ゲーム参加者の対話データを維持するユーザ統計データストアと通信するように構成された第1のハードウェアベースのプロセッサと、
前記対話データの第1の少なくとも一部をローカルに記憶するように構成された第1のローカルキャッシュデータストアであって、前記対話データの前記第1の少なくとも一部は、前記第1のハードウェアベースのプロセッサにより第1のローカル対話処理において使用され、前記第1のローカル対話処理は、前記第1の対話点にローカルな前記ゲームの第1の部分に関連する、第1のローカルキャッシュデータストアと、
前記第1の対話点との対話を示すウェアラブル電子デバイスの電磁放射線を読み出すように構成された第1の無線自動識別(RFID)リーダと、
を含み、
前記第1のハードウェアベースのプロセッサは、前記第1の対話点との前記対話に基づいて、前記第1のローカルキャッシュデータストア内の前記対話データの前記第1の少なくとも一部を修正するように構成され、
前記第1のハードウェアベースのプロセッサは、前記第1の対話点との対話と前記第1のローカルキャッシュデータストア内に記憶されている前記対話データの前記第1の少なくとも一部とに少なくとも基づいて、前記対話データの前記第1の少なくとも一部を修正するように構成され、
前記対話システムが更に、
第2の対話点を備え、
該第2の対話点が、
前記ゲーム参加者が前記ゲームに参加している間、前記ウェアラブル電子デバイスに関連付けられた前記ゲーム参加者の対話データを維持するユーザ統計データストアと通信するように構成された第2のハードウェアベースのプロセッサと、
前記第2の対話点にローカルな前記ゲームの第2の部分に関連する前記対話データの第2の少なくとも一部を記憶するように構成された第2のローカルキャッシュデータストアと、
前記第2の対話点との対話を示すウェアラブル電子デバイスの電磁放射線を読み出すように構成された第2のRFIDリーダと、
を含み、
前記第1の対話点は、ポイントツーポイントメッシュネットワーク内で前記第2の対話点に通信可能に結合され、
前記第2のハードウェアベースのプロセッサは、前記第2の対話点との前記対話に基づいて、前記第2の対話点での前記対話データの前記第2の部分と、前記第1の対話点の前記第1のローカルキャッシュデータストアに記憶された前記対話データの前記第1の部分との少なくとも一部を修正するように構成さ
れ、
前記第1のハードウェアベースのプロセッサは、前記対話データの前記第1の少なくとも一部への修正を、前記対話データの前記第1の少なくとも一部にサブスクライブしている1又は2以上の他の対話点に提供するように構成される、
ことを特徴とする、対話システム。
【請求項15】
前記第1のハードウェアベースのプロセッサは、前記第2の対話点に前記対話データの前記第1の部分の少なくとも一部への修正を、前記第2の対話点が前記修正にサブスクライブしている場合にのみ提供するように構成される、請求項
14に記載の対話システム。
【請求項16】
有形の非一時的機械可読媒体であって、
対話点において、前記対話点の無線自動識別(RFID)リーダとウェアラブル電子デバイスとの間のデータ送信を介して、前記RFIDリーダと前記ウェアラブル電子デバイスとの間の近接度によって可能になる対話データであって、前記ウェアラブル電子デバイスと前記対話点との間の対話を示す前記対話データを前記ウェアラブル電子デバイスから受信し、
前記対話点のローカルキャッシュ内のローカル対話処理において使用される対話データであって、ゲーム参加者がゲームに参加している間、前記ウェアラブル電子デバイスに関連付けられた前記ゲーム参加者の少なくとも対話データを定める前記対話データの少なくとも一部をローカルに記憶し、
前記受信された対話データに基づいて、前記ローカルキャッシュ内の前記対話データの前記少なくとも一部を修正して、前記対話データの修正された少なくとも一部をもたらし、
前記対話点との対話と前記ローカルキャッシュ内に記憶されている前記対話データの前記修正された少なくとも一部に基づいて、前記対話データの1又は2以上の更新を、別の対話点、ユーザ統計データストア、又はこれらの両方に提供し、前記対話点から離れた場所で前記対話データを更新する、
機械可読命令
と、
前記対話データの前記ローカルに記憶された部分の少なくとも一部にサブスクライブしている1又は2以上の対話点を識別し、
前記対話データの前記ローカル部分にサブスクライブしている前記1又は2以上の対話点に前記対話データの前記ローカル部分を提供する、
命令と、
を含む、有形の非一時的機械可読媒体。
【請求項17】
前記対話データは、仮想鍵取得ステータス、仮想コイン収集、又はこれらの両方を含む、請求項
16に記載の機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2018年1月15日に出願された「LOCAL INTERACTION SYSTEMS AND METHODS(ローカル対話システム及び方法)」という名称の米国仮出願第62/617,508号からの優先権及びその利益を主張し、当該仮出願は、あらゆる目的で引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して対話システム(interactive system)及び方法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、ウェアラブルデバイスを利用して遊園地内にいる来園者にフィードバックを提供する対話システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地及び/又はテーマパークは、様々な娯楽アトラクションを含む場合がある。幾つかの既存のアトラクションは、来園者に没入体験又は対話体験を提供することができる。例えば、来園者は、オーディオ、ビデオ、及び特殊効果等の様々な特徴を有する区域を訪れることができる。最新のアトラクションの高まりつつある高度化及び複雑さ、並びに遊園地及び/又はテーマパークの来園者の間でこれに伴って起きる期待の高まりを受けて、より対話的(interactive)で個人化された体験を提供するアトラクションを含む、改善されたより創造的なアトラクションが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最初に請求項に記載された本発明の範囲内にある特定の実施形態について以下で要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、本開示のある特定の実施形態の概要を提供することを単に意図したものである。実際に、本開示は、以下で記載される実施形態と同様又は異なるものとすることができる様々な形態を包含することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、対話点(an interaction point)は、ハードウェアベースのプロセッサと、娯楽アトラクションに関係するアトラクションデータを記憶するローカルキャッシュデータストアと、対話点との対話(interaction)を示すウェアラブル電子デバイスの電磁放射線を受信する無線自動識別(RFID)リーダとを含む。ハードウェアベースのプロセッサは、対話点との対話に基づいて、ウェアラブル電子デバイスによるフィードバックのレンダリングを生じさせ、又はアトラクションデータの少なくとも一部に対する修正を行わせ、又はこれらの両方を行う。
【0006】
1つの実施形態において、娯楽アトラクションのための対話システムは、第1及び第2の対話点を含む。対話点の各々は、ハードウェアベースのプロセッサと、対話点に対してローカルな娯楽アトラクションに関するアトラクションデータのコピーを記憶するローカルキャッシュデータストアと、対話点との対話を示すウェアラブル電子デバイスの電磁放射線を読み出す無線自動識別(RFID)リーダと、を含む。ハードウェアベースのプロセッサは、対話点との対話に基づいて、アトラクションデータのローカルコピーの少なくとも一部を修正する。
【0007】
1つの実施形態において、ウェアラブルデバイスは、ローカルデータキャッシュ内に記憶されているデータを用いて電磁放射線を処理するように構成された対話点に電磁放射線を送信するように構成された無線周波数送信器を含む。電磁放射線は、対話点との対話を示す。ウェアラブルデバイスは、対話点から受信したデータに基づいてフィードバックを提供する1又は2以上の出力デバイスを含む。
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1つの実施形態による、対話システムの概略図である。
【
図2】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話システムで用いることができるリーダとウェアラブルデバイスとの間の通信を示す図である。
【
図3】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話システムで用いることができるリーダと複数のウェアラブルデバイスとの間の通信を示す図である。
【
図4】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話システムによって提供できるチームフィードバックの図である。
【
図5】本開示の1つの実施形態による、
図1の対話システムで用いることができるウェアラブルデバイスの正面図である。
【
図6】本開示の1つの態様による、
図1の対話システムを動作させるためのプロセスを例示するフローチャートである。
【
図7】本開示の1つの態様による、ウェアラブルデバイスとの対話のため対話システムのローカル対話点をプリヒートするためのプロセスを例示するフローチャートである。
【
図8】本開示の1つの態様による、ローカル対話点とウェアラブルとの間の対話を容易にするためのプロセスを例示するフローチャートである。
【
図9】本開示の1つの態様による、あるローカル対話点とのローカル対話に基づいて、対話システム内の複数のローカル対話点を更新するプロセスを例示するフローチャートである。
【
図10】本開示の複数の態様による、
図7~
図9のプロセスによるデータフロー及び処理を例示する対話システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態について、以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供する目的で、本明細書では実際の実施構成の特徴の全てを説明するとは限らない場合がある。このような何れかの実際の実施構成の開発において、何らかの工学プロジェクト又は設計プロジェクトと同様に、開発者の特定の目標を達成するためには、実施構成毎に異なる可能性があるシステム関連及び事業に関連する制約条件への準拠等、数多くの実施構成特有の判断を行わなければならない点を理解されたい。更に、かかる開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、それにも関わらず、本開示の利益を有する当業者にとっては設計、加工及び製造の日常的な業務であることを理解されたい。
【0011】
遊園地は、遊園地乗り物、上演ショー、及びゲーム等の多種多様な娯楽を特徴として備える。様々な種類の娯楽は、遊園地における来園者の体験を高める特徴を含むことができる。例えば、ゲームは、表示画面上に示される描画(レンダリング)画像との来園者の対話を検出することができる。しかしながら、幾つかの対話システムは、対話が成功した(例えば対話システムによって認識された)ことを来園者に通知するためのフィードバックが欠如していることに起因して、最適以下の体験しか提供することができない。更に、幾つかの対話システムは、対話要素と対話した来園者の識別情報を決定することができず、従って、各来園者に関する得点又は他のゲーム統計を正確又は効率的に追跡することができない。従って、対話システムによって対話が実際に検出されたことを来園者に示すためのフィードバックを来園者に提供する、及び/又は各来園者に関するゲーム統計を追跡するシステム及び方法を提供することが望ましいとすることができる。
【0012】
従って、本開示は、無線自動識別(RFID)を利用して対話システム(interactive system)との来園者の対話(interactions)に基づくフィードバックを来園者に提供するシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、1又は2以上のRFIDリーダと、アトラクションの対話要素(interactive element)との成功した対話を示すように協働する1又は2以上のRFIDタグと1又は2以上のフィードバックデバイス(例えばライト)とを各々が有する複数のウェアラブルデバイスとを含む、対話システムに関する。本明細書で開示する対話システムの構成要素はまた、来園者がアトラクションを通って移動する時に来園者の対話及び進行状況(例えばゲーム統計)の追跡を容易にすることができる。
【0013】
下記で用いる場合、「ユーザ」という用語は、対話システムのユーザを指すことができ、遊園地では、ユーザは来園者とすることができる。例として、ユーザは、アトラクションを通って移動する時に1又は2以上のフィードバックデバイスを有するウェアラブルデバイスを着用又は携帯することができる。アトラクションは、様々な画像又は物体(例えば、表示画面上に提供される描画画像、仮想要素、又はグラフィック要素;物理的ターゲット;着ぐるみ)のうちの何れかとすることができる様々な対話要素を有することができる。アトラクションを体験するために、ユーザは、例えば、物理的ターゲットにタッチすること又は着ぐるみに近づくこと等によって対話要素と対話することができる。
【0014】
対話システムの1又は2以上のRFIDリーダは、アトラクションの周りの様々な場所及び/又はある特定の対話要素の付近に位置決めすることができる。動作時に、1又は2以上のRFIDリーダは、ユーザのウェアラブルデバイス内の1又は2以上のRFIDタグと通信する。1又は2以上のRFIDリーダと1又は2以上のRFIDタグとの間の通信は、ウェアラブルデバイスの1又は2以上のフィードバックデバイスを介してフィードバック応答をトリガー(例えばライトを点灯)し、これによって例えば、対話システムがアトラクションの内部でユーザを検出したこと、及び/又は対話要素とのユーザの対話を検出したことをユーザに通知するためのフィードバックを提供することができる。更に1又は2以上のRFIDリーダと1又は2以上のRFIDタグとの間の通信はまた、ユーザがアトラクションを通って移動する時に対話システムがユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡することを可能にすることができる。例えば、対話システムは、ユーザが接触したターゲットの個数及び/又はユーザが出会った着ぐるみの個数を検出して経過を追跡することができる。
【0015】
更に、1つの実施形態では、対話システムは、ウェアラブルデバイスの1又は2以上のフィードバックデバイスを介してユーザのステータス(例えばゲーム内のレベル)を示すフィードバックを提供することができる。例えば、ゲーム内である一定の得点数又は高度なレベルに達した時に、1又は2以上のRFIDリーダは、1又は2以上のフィードバックデバイスを介してフィードバック応答をトリガーする(例えば複数のライトを点灯する)データをウェアラブルデバイス内の1又は2以上のRFIDタグに書き込むことができる。従って、対話システムは、ユーザがアトラクションの対話要素と対話した時及び/又はユーザがある一定のレベル(例えば達成指標又は獲得物)に達した時に実質的に即時のフィードバックを提供することができる。更に、対話システムは、ユーザが、モバイル電話又はキオスク等の外部デバイスを参照する必要もなくこのようなフィードバックを受け取ることを可能にし、これによってより没入的で楽しい体験を提供することができる。
【0016】
ここで各図面に移ると、
図1は、リーダシステム12(例えば無線自動識別(RFID)リーダシステム)とウェアラブルデバイス14とを含む対話システム10の概略図を例示している。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがアトラクションを通って移動する時に着用又は携帯することができるブレスレット、ネックレス、チャーム、ピン、又は玩具等のウェアラブルデバイス又は携帯可能デバイスである。下記でより詳細に検討するように、リーダシステム12は、電磁放射線によってウェアラブルデバイス14と通信することができ、この通信により、アトラクションを通じたユーザの進行状況(例えば、乗り終えた乗り物、来場区域、接触した対話要素、出会った着ぐるみ、勝ち取った仮想獲得物の数)の追跡が可能になる。またこの通信により、ウェアラブルデバイス14が、ウェアラブルデバイス14によって出力されるフィードバック応答(例えば、光、音、又は触覚)を通じて、進行状況を示すフィードバック及び/又は様々な対話をユーザに提供することが可能になる。
【0017】
図1に例示されるように、リーダシステム12の1つの実施形態は、1又は2以上のデータベース22(例えばクラウドベースのストレージシステム)内に記憶されている情報にアクセスするコンピューティングシステム20(メモリ54及びプロセッサ56を有する)に通信可能に結合された第1のリーダ16と第2のリーダ18とを含む。概して、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、電磁放射線(例えば信号)をウェアラブルデバイス14に送信する。1つの実施形態では、第1のリーダ16は、1つの周波数(例えば範囲)の信号24を送信し、第2のリーダ18は、第1の周波数とは異なる別の周波数(例えば範囲)の信号26を送信する。信号24、26を送信するのに加えて、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、ウェアラブルデバイス14からの信号及びコンピューティングシステム20からの信号等の信号を受信することができる。1つの実施形態では、コンピューティングシステム20は、1又は2以上のデータベース22において符号化されたデータ内に記憶されている情報に基づいて、信号24、26をウェアラブルデバイス14に送るようにリーダ(例えば第1のリーダ16及び第2のリーダ18)に命令する。従って、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、信号の送信と受信の両方を行うことができるトランシーバとすることができる点を理解されたい。
【0018】
図1に例示されるように、ウェアラブルデバイス14の1つの実施形態は、第1のRFIDタグ28と、第2のRFIDタグ30と、マイクロコントローラ32と、1又は2以上の発光ダイオード(LED)34a、34b、34c、34dと、電源回路36とを含み、これらが協働して、対話システム10のウェアラブルデバイス14が開示されるように機能することが可能になる。例示されるように、ウェアラブルデバイス14は、4つのLED34を有するが、より少ない又はより多いLED34を有することもできる点を理解されたい。第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30は各々、信号を送受信するアンテナ38と、情報(例えば一意の識別コード)を記憶するメモリ40と、マイクロチップ42と、該マイクロチップに給電するための集積回路44とを含む。これに加えて、集積回路44は、マイクロコントローラ32に電力を供給する電源回路36に給電する。1つの実施形態では、電源回路36は、電力を蓄積するように構成されたコンデンサを含むことができる。図示のように、ウェアラブルデバイス14のマイクロコントローラ32は、メモリ46とプロセッサ48とを含む。メモリ46は、マイクロコントローラ32の動作を制御するためにプロセッサ48によって実行されるコンピュータ可読命令を記憶する。
【0019】
一般的に、第1のRFIDタグ28のアンテナ38は、第1のリーダ16から信号24を受信し、第2のRFIDタグ30のアンテナ28は、リーダシステム12の第2のリーダ18から信号26を受信する。マイクロコントローラ32は、タグ28、30とリーダ16、18との間の対話を識別し、ユーザにフィードバックを提供するための信号(例えば制御信号)をLED34のうちの1又は2以上に送る。1つの実施形態では、対話システム10のウェアラブルデバイス14は、音を発するように構成されたオーディオデバイス又は触覚出力(例えば振動)を提供するように構成された触覚手段等の追加の又は代替的なフィードバックデバイスを含むことができる。これに追加して又は代替的に、一意の識別コードを示す後方散乱が第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30によって発せられ、この後方散乱は、ユーザがアトラクションを通って移動する時にユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡するためにコンピューティングシステムによって利用される。
【0020】
より具体的には、リーダシステム12の第1のリーダ16は、信号24を連続的に送信する。第1のRFIDタグ28のアンテナ38は、第1のリーダ16から電磁放射線(例えば信号24)を受信し、並びに信号50を第1のリーダ16に送信するように構成される。集積回路44は、アンテナ38によって受信された電磁放射線を電気に変換し、マイクロチップ42に電力を供給し、該マイクロチップ42は、後方散乱(例えば信号50)を発生させる。後方散乱は、第1のRFIDタグ28のメモリ40内に記憶されている情報(例えば一意の識別コード)を含む。後方散乱(例えば信号50)は、第1のリーダ16によって受信され、該第1のリーダ16は、コンピューティングシステム20に信号を送ることができる。コンピューティングシステム20は、ウェアラブルデバイス14に関連付けられたユーザ(例えば、ユーザは、アトラクションを体験する前にウェアラブルデバイス14を登録してウェアラブルデバイス14をユーザに関連付けることができる)の識別情報を決定するように、及び/又は1又は2以上のデータベース22内におけるウェアラブルデバイス14に関する情報(例えばゲーム統計)を更新するように信号を処理することができる。このようにして、対話システム10は、ユーザがアトラクションを通って移動する時にユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡することができる。ユーザは、ウェアラブルデバイス14(又はユーザが持ち運ぶことができる何れか他のデバイス)等のユーザに関連付けられた追跡特徴部に基づいて追跡されることに注意されたい。
【0021】
更に、電力がマイクロコントローラ32に供給されると、マイクロコントローラ32のプロセッサ48はまた、第1のリーダ16からの信号24が第1のRFIDタグ28において受信されたことを示す信号を第1のRFIDタグ28から受信して処理することができる。次いで、マイクロコントローラ32のプロセッサ48は、マイクロコントローラ32のメモリ46に記憶された命令を実行して、LED34a、34b、34c、34dのうちの1又は2以上を点灯させてユーザにフィードバックを提供することができる。1つの実施形態では、マイクロコントローラ32は、第1のリーダ16からの信号24が第1のRFIDタグ28において受信されたことを示す信号に応答して、ある特定の種類(例えば、ライトの個数、色、明滅パターン、時間長)の照明を提供するようにプログラミングすることができる。例えば、第1のRFIDタグ28が、第1のRFIDリーダ16から信号24を受信すると、マイクロコントローラ32は、第1のLED34aを点灯させることができる。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって送信される信号24は、極超短波(UHF)信号(例えば、約300メガヘルツと3ギガヘルツの間の周波数を有する)である。このため、第1のRFIDタグ28は、第1のリーダ16から比較的遠い距離(例えば、最大で約3メートル、4メートル、5メートル、6メートル、7メートル、8メートル、又はそれ以上)に位置する時に、第1のリーダ16から信号24を受信することができる。
【0022】
これに加えて、第2のリーダ18は、信号26を連続的に送信することができる。第2のRFIDタグ30のアンテナ38は、第2のリーダ18から電磁放射線(例えば信号26)を受信するように構成される。集積回路44は、アンテナ38によって受信された放射線を電気に変換して、マイクロチップ42に電力を供給し、マイクロチップ42は後方散乱(例えば信号52)を発生させる。後方散乱は、第2のRFIDタグ30のメモリ40内に記憶されている情報(例えば一意の識別コード)を含む。幾つかの実施形態では、第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30のそれぞれのメモリ40内に記憶されている情報をリンクすることができ(例えば、第2のRFIDタグ30における信号26の受信に応じて発生させる後方散乱は、第1のRFIDタグ28のメモリ40内に記憶されている情報を含むことができる)、又は第1のRFIDタグ28と第2のRFIDタグ30が1つのメモリ40を共有することができる(例えば、異なる周波数の信号を受信する能力を有する二重RFIDタグである)ことを理解されたい。後方散乱(例えば信号52)は、第2のリーダ18によって受信され、第2のリーダ18がコンピューティングシステム20に信号を送ることができる。コンピューティングシステム20は、信号を処理して、ウェアラブルデバイス14に関連付けられたユーザの識別情報を決定するように、及び/又は1又は2以上のデータベース22内のウェアラブルデバイス14に関する情報(例えばゲーム統計)を更新することができる。第1のRFIDリーダ16は、アトラクションの特定の区域(例えば部屋)に関連付けることができ、第2のRFIDリーダ18は、アトラクションの特定の対話要素(例えばターゲット)に関連付けることができるので、コンピューティングシステム20は、ユーザの概略位置と、対話要素とのユーザの対話の両方を追跡することができる。このようにして、対話システム10は、ユーザがアトラクションを通って移動する時にユーザの進行状況(例えばゲーム統計)を追跡することができる。
【0023】
更に、電力がマイクロコントローラ32に供給されると、マイクロコントローラ32のプロセッサ48はまた、第2のリーダ18からの信号26が第2のRFIDタグ30において受信されたことを示す信号を、第2のRFIDタグ30から受信して処理することができる。次いで、マイクロコントローラ32のプロセッサ48は、マイクロコントローラ32のメモリ46上に記憶された命令を実行して、ユーザにフィードバックを提供するためにLED34a、34b、34c、34dのうちの1又は2以上を点灯させることができる。1つの実施形態では、マイクロコントローラ32は、第2のリーダ18からの信号26が第2のRFIDタグ30において受信されたことを示す信号に応答して、ある特定の種類(例えば、ライトの個数、色、明滅パターン、時間長)の点灯を提供するようにプログラミングすることができる。例えば、第2のRFIDタグ30が第2のRFIDリーダ18から信号26を受信すると、マイクロコントローラ32は、第2のLED34bを点灯させることができる。1つの実施形態では、第2のリーダ16により送信される信号26は、近距離無線通信(NFC)信号(例えば、約10メガヘルツから20メガヘルツの間の周波数を有する)である。このため、第2のRFIDタグ30は、第1のリーダ16の比較的短い距離(例えば、約1センチメートル、2センチメートル、3センチメートル、4センチメートル、又は5センチメートル)内に存在する時に、第2のリーダ18から信号26を受信することができる。第1のRFIDリーダ16は、アトラクションの特定の区域(例えば部屋)に関連付けることができ、第2のRFIDリーダ18は、アトラクションの特定の対話要素(例えばターゲット)に関連付けることができるので、ウェアラブルデバイス14上の点灯(又はオーディオ又は触覚等の他のフィードバック)は、複数の種類のフィードバックをユーザに提供することができる。例えば、第1のRFIDリーダ16からの信号24の受信に応答した第1のLED34aの点灯は、対話システム10がアトラクションの特定の区域内にいるユーザを検出したことをユーザに通知することができ、第2のRFIDリーダ18からの信号26の受信に応答した第2のLED34bの点灯は、対話システム10が特定の対話要素とのユーザの対話を検出したことをユーザに通知することができる。
【0024】
概して、第2のリーダ18は、第1のリーダ16と同様に動作するが、第1のリーダ16は、第1のRFIDタグ28と通信し(且つ第2のRFIDタグ30とは通信せず)、他方、第2のリーダ18は、第2のRFIDタグ30と通信する(且つ第1のRFIDタグ28とは通信しない)。ウェアラブルデバイス14は、異なる距離を伝播する信号24、26を送信するそれぞれのリーダ16、18と通信するように各々が構成された少なくとも2つのRFIDタグ28、30を含む。比較的長い距離を介して通信する第1のRFIDタグ28と第1のリーダ16は、ウェアラブルデバイス14の概略位置を追跡すること及びウェアラブルデバイス14を充電することを可能にし、これに対して比較的短い距離を介して通信する第2のRFIDタグ30と第2のリーダ18は、ユーザとアトラクション内の対話要素との間の接触(又は接近)に基づいて対話の監視を可能にする。
【0025】
1つの実施形態では、対話システム10は、アトラクション内の様々な位置に複数の第1のリーダ16を含むことができる。ユーザがアトラクションを通って移動する時に、どの第1のリーダ16がウェアラブルデバイス14と現在通信しているかに基づいて、データベース22内のユーザの位置が更新される。1つの実施形態では、第1のリーダ16のうちの各リーダとの各対話に基づいて、ユーザにフィードバックを提供することができる。例えば、1つの第1のリーダ16は、アトラクションの入口に位置決めすることができ、別の第1のリーダ16は、アトラクションの部屋又は区域内に位置決めすることができる。この場合、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがアトラクションに入った時にフィードバック(例えば第1LED34aの点灯)を提供し、これによって対話システム10によって検出されたことをユーザに通知する。次いで、ユーザが部屋又は区域に入ると、ウェアラブルデバイスは、別のフィードバック(例えば同じフィードバック又は第2のLED34bの点灯等の異なるフィードバック)を提供し、これによってユーザが新しい区域内にいるものとして対話システム10によって検出されたことをユーザに通知する。
【0026】
1つの実施形態では、1又は2以上の第1のリーダ16及び1又は2以上の第2のリーダ18は、ユーザの没入体験を改善するように協働することができる。例えば、ユーザは、1又は2以上の第1のリーダ16を含む区域に入ることができる。この区域は、各々が1又は2以上の第2のリーダ18に関連付けられた又はこれらのリーダ18付近にある1又は2以上のターゲットを含むことができる。上記で検討したように、ウェアラブルデバイス14が、この区域内にある1つの第1のリーダ16の範囲(例えば比較的長い範囲)内にあると、ウェアラブルデバイス14は、この第1のリーダ16と通信し、データベース22が更新され、ウェアラブルデバイス14は、ユーザがこの区域内で検出されたというフィードバックをユーザに提供することができる。これに加えて、ウェアラブルデバイス14が、1つの第2のリーダ18の範囲(例えば比較的短い範囲)内にある(例えば、ユーザが、この1つの第2のリーダ18に関連付けられたターゲットに到る、タッチする、又はその傍を歩くことに起因して)と、ウェアラブルデバイス14は、第2のリーダ18と通信し、データベース22が更新され、該ウェアラブルデバイス14は、ユーザがターゲットと成功裏に対話した(例えば得点が割り当てられた)というフィードバックをユーザに提供することができる。
【0027】
上記で検討したように、マイクロコントローラ32は、ウェアラブルデバイス14のRFIDタグ28、30とリーダ16、18との間の対話に基づいて、幾つかのフィードバックをユーザに提供するようにプログラミングすることができる。これに追加して又は代替として、ウェアラブルデバイス14のメモリ40を更新することができ(例えば、リーダ16、18のうちの1又は2以上は、1又は2以上のRFIDタグ28、30のメモリ40に書き込みを行うことができる)、これによってウェアラブルデバイス14がユーザの進行状況(例えばゲーム内のレベル)、待ち時間、又は同様のものを示すフィードバック等の他のフィードバックを提供することが可能になる。例えば、第2のリーダ18とのユーザの最初の対話を検出すると、コンピューティングシステム20は、マイクロコントローラ32に第1のLED34aを点灯させる(例えばマイクロコントローラ32が受信及び処理した時に)データを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に命令することができる。一方、ユーザがターゲットとの予め定められた回数の成功した対話を完了したと決定されると(例えば、第2のRFIDタグ30と、ターゲットに関連付けられた第2のリーダ18との間の通信に基づいて)、コンピューティングシステム20は、マイクロコントローラ32に複数のLED(例えばLED34a~34d又はその何れかの組み合わせ)を点灯させる、及び/又はスピーカ又は触覚手段を介してフィードバック応答をトリガーさせるデータを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に命令することができる。すなわち、フィードバックは、データベース22内に記憶されている情報に基づいてウェアラブルデバイス14に提供される。例えば、データベース22は、アトラクション全体にわたる1又は2以上の第1のリーダ16及び第2のリーダ18とのユーザの対話に基づくユーザの進行状況についての情報を含むことができ、ある特定の条件が満たされると(例えばレベル又は得点が獲得された)、フィードバックを提供することができる。このようにして、ウェアラブルデバイス14は、ユーザの全体の進行状況又はパフォーマンスを示すフィードバックを提供することができる。
【0028】
1つの実施形態では、ユーザは、1又は2以上の第1のリーダ16を有する特定の区域(例えばステータス更新区域)に入ることによってフィードバックを促す又は要求することができ、第1のリーダ16のうちの1つとウェアラブルデバイス14の第1のRFIDタグ28との間の通信によって、コンピューティングシステム20は、ユーザの進行状況を示すフィードバックを提供するためのデータを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように、第1のリーダ16に命令することができるようになる。1つの実施形態では、ユーザは、第1のRFIDタグ28が1つの第1のリーダ16及び/又は1つの第2のリーダ18と通信する度に、ユーザの進行状況を示すこのようなフィードバックを受け取ることができる。従って、ユーザは、アトラクションを通って移動する時に進行状況に関する更新を繰り返し受けることができる。
【0029】
1つの実施形態では、LED34a~34dを用いて、アトラクションに対する待ち時間の指標を提供することができる。例えば、ユーザがアトラクションに近づいていることを検出すると(例えば、第1のRFIDタグ28とアトラクションの入口の付近にある第1のリーダ16との間の通信に基づいて)、コンピューティングシステム20は、マイクロコントローラ32にLED34a~34dを待ち時間を伝達するようにして点灯させる(例えばマイクロコントローラ32が受信及び処理した時に)データを、第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に命令することができる。例えば、少なくとも1つのLED34は、多色(例えば、赤色、黄色、及び緑色の光を発するように構成された)とすることができ、各色は、おおよその待ち時間を示す(例えば、第1の色が15分よりも長い待ち時間を示し、第2の色が5分よりも短い待ち時間を示し、第3の色が待ち時間なしを示す)。アトラクション又は遊園地の全体にわたって複数の第1のリーダ16を設置することができるので、ユーザが、アトラクションの入口の付近にある第1のリーダ16の範囲外に移動した後であっても、ユーザは、待ち時間についてのフィードバックを受け取り続けることができる(例えば、他の第1のリーダ16が第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40にデータを書き込むことができるので)。1つの実施形態では、各LED34がおおよその待ち時間(例えば、5分、10分、15分)を表すことができ、点灯されたLED34の個数が待ち時間の指標を提供する(例えば、4つのLEDが60分以上の待ち時間を示し、3つのLEDが45分以上の待ち時間を示し、2つのLEDが30分以上の待ち時間を示し、1つのLEDが15分以上の待ち時間を示す)ようになる。1つの実施形態では、LED34は、カウントダウンタイマーを表すことができる。例えば、ユーザがアトラクションに近づいていることを検出すると、最初に全てのLED34a~34dが点灯され、続いてカウントダウンタイマーの残り時間が少なくなるにつれて、順次消灯される。
【0030】
上述したように、1つの実施形態では、第1のRFIDタグ28のアンテナ38はUHF波のみを受信することができ、他方、第2のRFIDタグ30のアンテナ38はNFC波のみを受信することができる。例えば、第1のRFIDタグ28は、UHF波を用いてのみ通信(例えば送信又は受信)することができ、第2のRFIDタグ30は、NFC波を用いてのみ通信することができる。UHF信号は、より長い距離を伝播するので、ユーザがアトラクションを通って移動する時に、第2のRFIDタグ30は、第1のリーダ16によって発せられたUHF信号を高頻度で又は連続的に受信することができるが、第1のRFIDタグ28は、ユーザがウェアラブルデバイス14を第2のリーダ18の近くに位置決めされた時にだけ、第2のリーダ18によって発せられたNFC信号を受信することができる。従って、1つの実施形態では、UHF信号は、ウェアラブルデバイス14に給電又はウェアラブルデバイス14を充電する(例えば集積回路44及び電源回路36による電力取り込みによって)のに用いることができる。
【0031】
対話システム10は、複数のユーザを追跡し、複数のウェアラブルデバイス14についてのフィードバックを提供することができることを理解されたい。例えば、複数のユーザは各々、アトラクション内の様々な位置に配置された複数の第1のリーダ16及び第2のリーダ18(例えば、第3の範囲及び/又は周波数で通信するための第3の種類のリーダ)と通信するように構成されたそれぞれのウェアラブルデバイス14を着用することができる。また、1つの実施形態では、本明細書で開示される技法を容易にするために、対話システム10のウェアラブルデバイス14は、第1の周波数(例えば周波数範囲)の信号及び第2の周波数(例えば別の周波数範囲)の信号と通信可能な単一のRFIDタグ(例えば二重周波数RFIDタグ)を含むことができる点を理解されたい。
【0032】
図2は、対話システム10の1つの実施形態の図である。例示されるように、対話システム10は、2つの第1のリーダ16a及び16bと、ターゲット58の内部又は付近に配置された第2のリーダ18と、ユーザ60によって着用されたウェアラブルデバイス14とを含む。第1のリーダ16a及び16b並びに第2のリーダ18は、コンピューティングシステム20及びデータベース22に通信可能に結合される。第1のリーダ16aは、第1の区域62a(例えばアトラクションのゾーン又は部屋)内でウェアラブルデバイス14の第1のRFIDタグ28によって受信できる信号24aを連続的に発し、同様に、第1のリーダ16bは、ユーザ60が第2の区域62b内に移動すると、第2の区域62b内でウェアラブルデバイス14の第1のRFIDタグ28により受信できる信号24bを連続的に発する。このため、ユーザ60の位置に応じて、ウェアラブルデバイス14は、第1の区域62a内の第1のリーダ16a及び第2の区域62b内の第1のリーダ16bのうちの一方又は両方と通信する(例えば、信号/電磁放射線を受信する、情報を後方散乱する)ことができる。どの第1のリーダ(例えば16a又は16b)がウェアラブルデバイス14と通信するかに基づいて、コンピューティングシステム20は、ユーザ60の位置を決定し、ユーザ60の位置を示すデータでデータベース22を更新する。これに加えて、ユーザ60のウェアラブルデバイス14が第1のリーダ16a又は第1のリーダ16bと通信する時に、電力が取り出されてマイクロコントローラ32に供給される。このようにして、マイクロコントローラ32は、第1のRFIDタグ28から受け取った信号の処理及び/又は第1のRFIDタグ28のメモリ40に書き込まれたデータの読み出しを開始する。例えば、マイクロコントローラ32は、第1のRFIDタグ28が第1のリーダ16のうちの1つと通信したことを示す信号を第1のRFIDタグ28から受け取ることができ、また、相応するフィードバック応答を提供する(例えば1又は2以上のLEDを点灯する)ことができる。上述したように、第1のRFIDタグ28は、マイクロコントローラ32に特定のフィードバック応答を提供させるデータを第1のRFIDタグ28のメモリ40に書き込む信号を第1のリーダ16から受信することができる。
【0033】
図2に示すように、第2のリーダ18は、ターゲット58の内部又は付近に配置される。ターゲット58は、アトラクション内の特徴部の何れかの種類の物体とすることができる。1つの実施形態では、ターゲット58は、静的な物理的物体であるが、ターゲット58は、仮想物体(例えば、表示画面上の画像、仮想要素、グラフィック要素)又はアトラクションを通って移動する着ぐるみ等の移動可能物体であってもよい。第2のリーダ18は、区域64内で受信可能な信号26を発する。動作時には、ユーザ60がウェアラブルデバイス14を区域64内に持ち込む時に、ウェアラブルデバイス14は、第2のリーダ18と通信状態にある。その結果、ウェアラブルデバイス14の第2のRFIDタグ30は、ウェアラブルデバイス14を識別する情報を含む後方散乱を発する。第2のリーダ18は、この情報をコンピューティングシステム20に送り、ユーザ60が第2のリーダ18によって検出されたこと、従ってターゲット58と対話したことを示す。更に、マイクロコントローラ32は、第2のRFIDタグ30が第2のリーダ18と通信したことを示す信号を第2のRFIDタグ30から受け取ることができ、相応するフィードバック応答を提供する(例えば1又は2以上のLEDを点灯する)ことができる。
【0034】
ある特定の時点において、ユーザ60は、区域62a又は62bの何れにも存在しない可能性があり、従って、第1のリーダ16a及び16bから信号24a及び24bを受信しない可能性がある。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14は、電源回路36内に蓄積された電力を利用して、区域62a及び62bの範囲外にある間でも電力を供給し続けることができる(例えば、5秒、15秒、30秒、60秒、又はそれ以上にわたって)。従って、ウェアラブルデバイス14は、ユーザが区域62a及び62bの範囲外にいる間でもフィードバックを提供する(例えば、進行状況、待ち時間、又は同様のものを示すためにLEDを点灯する)ことができ、これによってフィードバック応答を観測するためより長い時間がユーザに提供される。1つの実施形態では、フィードバック応答(例えばLEDの点灯)は、第1のリーダ16aから発せられる信号24aによって定められる区域62aをユーザ60が立ち去る時に停止することができる。
【0035】
図3は、第1のユーザ60aと、第2のユーザ60bと、ターゲット58の内部又は付近に配置された第2のリーダ18と、第1のリーダ16とを含む対話システム10の1つの実施形態の図である。第2のリーダ18及び第1のリーダ16は、コンピューティングシステム20及びデータベース22に通信可能に結合される。これに加えて、第2のリーダ18は、区域64にわたって信号26を発している。第1のユーザ60aは、1又は2以上のLED34を含む第1のウェアラブルデバイス14aを着用しており、第2のユーザ60bは、1又は2以上のLED34を含む第2のウェアラブルデバイス14bを着用している。1つの実施形態では、第2のリーダ18は、比較的小さい通信範囲を有し、従って、ユーザが第2のリーダ18を含むターゲット58と物理的に接触した時又はウェアラブルデバイス14が区域64内に他の方法で持ち込まれた時に、ウェアラブルデバイス14と通信する。更に、第1のリーダ16は、比較的長い通信範囲を有し、従って、電磁放射線を通じてウェアラブルデバイス14a及び14bと連続的に通信している。
【0036】
動作時には、第1のユーザ60aが、第2のリーダ18を含むターゲット58と接触している(例えばタッチ又は当たる)時には、ウェアラブルデバイス14は、1又は2以上のLED34の点灯によってフィードバック66を提供する。より具体的には、第1のユーザ60aが第2のリーダ18と接触することにより、第1のウェアラブルデバイス14a(具体的には第1のウェアラブルデバイス14aの第2のRFIDタグ30)が第2のリーダ18の範囲内に持ち込まれる。第2のユーザ60bは、第2のリーダ18の範囲外の距離68に存在するので、第2のユーザ60bは、第2のウェアラブルデバイス14bの1又は2以上のLED34からのフィードバックを受信しない。1つの実施形態では、第1のユーザ60a及び第2のユーザ60bの両方が、第2のリーダ18の範囲内にいる可能性がある(例えばターゲット58に同時に接触することによって)。このような場合、第1のウェアラブルデバイス14及び第2のウェアラブルデバイス14bの両方からのLED34が、適切なフィードバックを生じることになる。
【0037】
図4は、チームフィードバックを例示する対話システム10の1つの実施形態を示している。
図4に例示されるように、第1のユーザ60a、第2のユーザ60b、第3のユーザ60c、第2のリーダ18、及び第1のリーダ16が存在する。第2のリーダ18及び第1のリーダ16は、コンピューティングシステム20及びデータベース22に電気的に結合される。第1のユーザ60a、第2のユーザ60b、及び第3のユーザ60cは、各々が1又は2以上のLED34を有する、第1のウェアラブルデバイス14a、第2のウェアラブルデバイス14b、及び第3のウェアラブルデバイス14cそれぞれを有する。第1のユーザ60a及び第3のユーザ60cはチームの一員であり、従って、第1のユーザ60a及び第3のユーザ60cを第2のユーザ60bから区別するチームインジケータ70を着用することができる。1つの実施形態では、チームインジケータは、ウェアラブルデバイス14の物理的特性(例えば、色、形状、パターン)とすることができる。1つの実施形態では、チームは、データベース22内に記憶されている情報に基づくもの(例えば、家族、或いはチーム選択又は特性によって互いにリンクされた他のユーザ)とすることができる。このため、第1のユーザ60a及び第3のユーザ60cは、第1のチーム(例えばチームA)の一員であり、第2のユーザは第2のチーム(例えばチームB)の一員である。
【0038】
図4に示すように、第1のユーザ60aによって着用されている第1のウェアラブルデバイス14aは、区域64内にあり、第2のリーダ18によって発せられた信号26と対話する。第2のリーダ18は、上記で検討したように第1のウェアラブルデバイス14aの第2のRFIDタグ30のメモリ40からの情報を後方散乱から受信する。この情報は、コンピューティングシステム20に送られ、次いで、コンピューティングシステム20は、この情報に基づいて第1のユーザ60aを識別する。これに加えて、データベース22内に記憶されている情報に基づいて、コンピューティングシステム20は、第1のユーザ60aがチームAにいると決定する。その結果、コンピューティングシステム20は、第1及び第3のユーザ60a、60cのウェアラブルデバイス14a及び14cに、それぞれの第1のRFIDタグ28のメモリ40にデータを書き込むため電磁放射線を送るように第1のリーダ16に命令する信号(例えば制御信号)を送る。各ウェアラブルデバイス14a及び14cのそれぞれのマイクロコントローラ32は、それぞれの第1のRFIDタグ28のメモリ40に書き込まれたデータを読み出す。更新されたメモリ40は、マイクロコントローラ32によって読み出された時に、マイクロコントローラ32に特定のフィードバック応答を発信させるデータを含む。
【0039】
例示されるように、フィードバック応答は、第1のウェアラブルデバイス14a及び第3のウェアラブルデバイス14cのLED34の点灯を介して提供される。この場合、1人のユーザ(例えば第1のユーザ60a)とターゲット58との間の単一の対話により、チームにいる全てのユーザがこの対話に起因してフィードバックを受け取ることをもたらすことができる。1つの実施形態では、同じチームの複数のユーザは、異なるゾーンに存在する(例えば、同じ第1のリーダ16から信号を受信していない)可能性があるが、全ての第1のリーダ16をコンピューティングシステム20に通信可能に結合することができるので、依然としてフィードバックを受け取ることができる。1つの実施形態では、フィードバックは、同じリーダ16から信号24を受信するユーザにのみ提供される。1つの実施形態では、同じチームの全てのユーザは、どの第1のリーダ16から信号24を受信しているかに関わらず、フィードバックを受け取る。
【0040】
図5は、本発明の技術の1つの実施形態によるウェアラブルデバイス14の例証を示している。ハウジング73に結合されたランヤード71(例えばロープ又はストリング)を有するウェアラブルデバイス14が示されているが、ウェアラブルデバイス14は、あらゆる適切な形態を有することができることを理解されたい。例えば、ウェアラブルデバイス14は、ストラップ(例えばハウジング73をユーザの手首に固定するための)を含むことができ、又はウェアラブルデバイス14は、ユーザによって携行されるチャーム(charm)又は玩具とすることができる。図示のように、ウェアラブルデバイス14は、第1のLEDディスプレイ72と、第2のLEDディスプレイ74と、オーディオデバイス76(例えばスピーカ)と、触覚手段78(例えば振動デバイス)とを含む。ユーザにフィードバックを提供するために、LED34、触覚手段78、オーディオデバイス76、又は他のフィードバックデバイスの何れかの組み合わせをアクティブにすることができる。ウェアラブルデバイス14は、これらのフィードバックデバイスのうちの1つだけ、又はこれらのフィードバックデバイスの何れかの組み合わせを含むことができる点を理解されたい。
【0041】
図示のように、ウェアラブルデバイス14は、複数のLEDディスプレイ(例えば第1のLEDディスプレイ72及び第2のLEDディスプレイ74)を含むことができ、各LEDディスプレイは、様々な種類のフィードバックを提供することができる。例えば、第1のLEDディスプレイ72は、1又は2以上の第1のリーダ16及び/又は1又は2以上の第2のリーダ18との対話を示すフィードバックを提供することができ、他方、第2のLEDディスプレイ72は、アトラクションに関する待ち時間を示すフィードバックを提供することができる。
図5に例示されるように、第1のLEDディスプレイ72及び第2のLEDディスプレイ74は各々、3つのLED(それぞれ34a~34c及び34d~34f)を含む。1つの実施形態では、ウェアラブルデバイス14は、何れかの個数のLEDを有する何れかの個数のLEDディスプレイ(例えば、1つ又は複数のLEDを含む1、2、又は2よりも多いLEDディスプレイ)を含むことができる。1つの実施形態では、単一のLEDディスプレイ(例えばLEDディスプレイ72)が、本明細書で開示される様々な種類のフィードバックのうちの一部又は全てを提供することができる。
【0042】
図6は、本発明の技術による、ウェアラブルデバイス14を動作させるためのプロセス80の1つの実施形態を例示するフローチャートである。本明細書で検討するステップは、単に例証に過ぎず、特定のステップを省略又は追加することができ、これらのステップを異なる順序で実施することができる点を理解されたい。1つの実施形態では、プロセス80は、ウェアラブルデバイス14のマイクロコントローラ32と協働して第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30によって実行することができる。
【0043】
プロセス80は、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30のアンテナ38が、それぞれの第1のリーダ16又は第2のリーダ18から電磁放射線を受信するステップで始まる(ブロック82)。上記で検討したように、アンテナ38が、電磁放射線を受信した後、アンテナ38は、RFIDタグ28、30のメモリ40内に記憶された情報を有する後方散乱をそれぞれのリーダ16、18に返す。1つの実施形態では、この情報は、ウェアラブルデバイス14に特有の識別番号を含むことができ、従って、ユーザ(例えばウェアラブルデバイス14を用いるユーザ)を識別する。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって発せられる電磁放射線は、比較的長い距離を伝播し、第2のリーダ18によって発せられる電磁放射線は、比較的短い距離を伝播する。第1のRFIDタグ28は、第1のリーダ16と通信することができ、第2のRFIDタグ30は、第2のリーダ18と通信することができる。
【0044】
ウェアラブルデバイス14が、電磁放射線を受信すると、ウェアラブルデバイス14は、電磁放射線から電力を取り出す(ブロック84)。上記で検討したように、第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30は各々、マイクロチップ42に給電する集積回路44を含むことができる。これに加えて、集積回路44は、電源回路36に給電し、電源回路36はマイクロコントローラ32に給電し(ブロック86)、更にウェアラブルデバイスの他の構成要素(例えばフィードバックデバイス)に給電する。1つの実施形態では、電源回路36は、受信器コイルに電気的に結合されてウェアラブルデバイス14が第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18から信号を受信した時に電力を蓄積するコンデンサ又はバッテリーを含むことができる。
【0045】
マイクロコントローラ32が給電されると、プロセッサ48は、メモリ46内に記憶されたコマンドを実行して、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30から信号を受信及び/又は処理する(ブロック88)。1つの実施形態では、マイクロコントローラ32は、給電時に第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30に連続的又は定期的に照会を行うようにプログラミングすることができる。
【0046】
次いで、マイクロコントローラ32は、1又は2以上のフィードバックデバイスに信号(例えば制御信号)を出力する(ブロック90)。1つの実施形態では、制御信号は、LED34及び/又は他のフィードバックデバイス(例えば、オーディオデバイス、触覚手段)のうちの1又は2以上がアクティブになるのをもたらすことができる。1つの実施形態では、制御信号は、1つのLED34に印加される可変電圧であり、その結果、LED34の強度変化を生じる。1つの実施形態では、信号は、LED34の明滅を生じさせる振動電圧である。
【0047】
フィードバックデバイス(例えば、LED、触覚手段、オーディオデバイス)は、ユーザにフィードバック応答を提供する(ブロック92)。フィードバック応答は、ウェアラブルデバイス14とアトラクション内に配置されたリーダシステム12との間の対話に応答して提供することができる。例えば、フィードバック応答は、ユーザが第1のリーダ16のゾーンに入ったこと(例えば、ユーザのウェアラブルデバイス14が第1のリーダ16と成功裏に通信していること)又はターゲット58等の対話要素と成功裏に対話したことをユーザに通知するために、1つのLED34を点灯するステップを含むことができる。
【0048】
上述したように、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30のメモリ40は、第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18によって書き込むことができる。従って、ユーザは、データベース22内で追跡された情報に基づいた目標を達成した時にフィードバック応答を受け取ることができる(例えば、レベルアップする、高スコアに達する)。1つの実施形態では、フィードバック応答は、異なるユーザが目標を成功裏に達成する結果として生じることができる(例えば、ユーザが同じチームにいる場合)。1つの実施形態では、フィードバック応答は、時間(例えば待ち時間又はアトラクションの区域内での残り時間)を示す1又は2以上のLED34を含むことができる。1つの実施形態では、フィードバック応答は、ユーザがある行動を実施する(例えば、レースを始める、次のゾーンに移動する、ゲームに参加する)必要があることを示すためのウェアラブルデバイス14のオーディオデバイス76からの音を含むことができる。1つの実施形態では、オーディオデバイス76からの音の音量、LED照明の強度、又は触覚手段78の強度の増加が、例えば、アトラクションにおける目標に向かう進行を示すことができる。
【0049】
従って、本開示は、リーダシステムと、ウェアラブルデバイスであって、ウェアラブルデバイスのRFIDタグとリーダシステムのリーダとの間の通信に基づいてフィードバック応答を発するウェアラブルデバイスとを有する対話システムに関する。より具体的には、リーダシステムは、動作時に電磁放射線を通じてウェアラブルデバイスの第1のRFID及び第2のRFIDと通信するリーダ(例えば、1又は2以上の第1のリーダ16及び1又は2以上の第2のリーダ18)を含む。リーダは、ある範囲(例えば通信範囲)内で電磁放射線を連続的に発し、ウェアラブルデバイスがこの範囲に入ると、リーダがウェアラブルデバイスと通信する。例えば、1つのリーダ(例えば第1のリーダ)は、別のリーダ(例えば第2のリーダ)の通信範囲よりも大きい通信範囲を有することができる。このため、概して、第1のリーダは、第2のリーダが第2のRFIDと通信するのよりも高頻度及び/又は異なる時点でウェアラブルデバイスの第1のRFIDと通信する。RFIDタグとより定期的に又はより長い期間にわたって通信するリーダは、電力取り出しデバイスに給電するのにより好適とすることができ、従って動作するのにより多くの電力を必要とする可能性があるウェアラブルデバイス内にフィードバックデバイス(例えば、オーディオデバイス、触覚手段、1又は2以上のLED)を含めることを可能にする。1つの実施形態では、RFIDリーダは、来園者が対話する(例えばタッチする又は当たる)ことができる静止ターゲットに配置される。1つの実施形態では、RFIDリーダは、移動可能ターゲット内に配置される(例えば、遊園地において着ぐるみの衣装の内部に配置される)。
【0050】
ローカル対話の処理及び拡散
理解できるように、遊園地では複雑な及び/又はテンポが速い没入的及び/又は対話的アトラクションを提供することが望ましいとすることができる。これらのアトラクションは、アトラクションとの対話を可能にする相当数の対話点を含むことができる。これらの対話点からのデータを用いて、相当数のアトラクション参加者に対してアトラクションに関するステータス更新を連続的に処理することができる。更に、アトラクションは、時間依存の課題をアトラクション参加者に提供することができる。従って、かかるアトラクションを容易にするために、ウェアラブルデバイス14及びリーダシステム12の対話とこの対話に基づいて提供されるフィードバックとの間の処理時間を短縮することが有用とすることができる。このようにして、データ処理の遅延をアトラクション参加者にとって益々知覚し難いものにすることができる。これに応じて、以下の検討は、ウェアラブルデバイス14とローカル対話点(例えばリーダシステム12)との間の対話に対する迅速な応答を容易にする局所的対話処理に焦点を当てる。
【0051】
図7は、本開示の1つの態様による、ウェアラブルデバイスとの対話のため対話システムのローカル対話点をプリヒートするためのプロセス100を例示するフローチャートである。
図8は、本開示の1つの態様による、ローカル対話点とウェアラブルとの間の対話を容易にするためのプロセス130を例示するフローチャートである。
図9は、本開示の1つの態様による、あるローカル対話点とのローカル対話に基づいて、対話システム内の複数のローカル対話点を更新するプロセス150を例示するフローチャートである。
図10は、本開示の態様による、データフロー及び処理を例示する対話システム200の概略図である。明瞭化の目的で、これらの図についてまとめて検討する。
【0052】
i.局限的な処理及びフィードバックのための対話点のプリヒート
上述したように、対話に関する高い応答速度は、アトラクション参加者の体験を大幅に高めることができる。これを行う上での1つの手法は、対話データの中央処理及びローカル対話点へのフィードバック還元を必要とするのではなく、ローカル対話点においてフィードバックを処理することである。これを行うために、ローカル対話点は、ローカル対話点におけるローカル対話に有用とすることができる適用参加者情報をプリヒート又はプリロードすることができる。例えば、1つのローカル対話点は、参加者が3つの鍵を集めた時にある区域へのアクセスを許可することができる。これに応じて、ローカルアトラクションとの対話の前に、参加者の鍵取得に関する情報は、ローカル対話点にてプリロードすることができる。従って、ローカル対話点との対話時に、鍵取得情報を求めてリモートデータストアにポーリングするのではなく、アクセス許可に関する即時の判定をローカルに決定することができる。
【0053】
上述したように、
図7は、本開示の1つの態様による、ウェアラブルデバイスとの対話のため対話システムのローカル対話点をプリヒートするプロセス100を例示したフローチャートである。プロセス100は、初期対話点においてウェアラブルデバイス14の識別子を受信するステップから始まる(ブロック102)。識別子の受信は、ウェアラブルデバイス14がアトラクション内における対話に参加しているという指標を提供することができる。
【0054】
図10は、対話システム200(例えば、ポイントツーポイントメッシュネットワークを形成する検査点216A~216Eで構成され、検査点216A~216Eの各々又はその一部が、他の検査点216A~216E又はクラウドサービス210に情報を中継して伝達する)を例示している。初期対話点216Aは、例えば、チケット売り場204、アトラクション入口206、チェックイン機(kiosk)208、その他等のアトラクションに対する開始点に設置することができる。幾つかの実施形態では、初期対話点216Aは、ローカルキャッシュ218内に記憶された対話するウェアラブルデバイス14の識別子に関連付けられたエントリを有していない何れかの対話点216A~216Eとして指定することができる。初期対話点216Aは、ウェアラブルデバイス14の識別子を受信することができる(例えば上記で検討したようにRFID通信を介して)。
【0055】
アトラクションとのユーザ対話データを維持することができ、参加者がアトラクションへの前回の来場中に中断したところで続行することができるようになる。従って、識別子を受信した時に、識別子がシステム200内で以前に使用された識別子であるか否かに関する決定を行う(判定ブロック104)。幾つかの実施形態では、この決定は、ユーザ統計データストア22内の参加者の対話データ(例えば、アトラクションとの参加者の対話に基づくアトラクション内における参加者のステータス)の持続的コピーを記憶するコンピューティングシステム212等、クラウドサービス210への初期対話点216Aからの電子クエリを提供することにより容易にすることができる。
【0056】
ウェアラブルデバイス12の識別子が新しい、すなわちユーザ統計データストア22内に関連データを有さない場合、識別子は、クラウドサービス210に登録される(ブロック106)。これにより、初期データセット(例えば開始ステータス)がユーザ統計データストア22内に記憶され、識別子と関連付けられることになる。或いは、ウェアラブルデバイス12が新しくない場合、識別子に関して記憶されている情報をアトラクションの対話点にプリロードする要求が提供される(ブロック108)。
【0057】
登録及び/又はデータ要求に基づいて、ローカルキャッシュエントリ214が、クラウドサービス210によって初期対話点216A及び/又は他の対話点(例えば
図10に描かれている実施形態では216B~216E)に提供される。対話点216A~216Eに対してローカルキャッシュエントリ214は異なることができる。例えば、各対話点216A~216Eは、受信しようと望むデータのサブスクリプションを提供することができる。前の実施例に戻ると、1つの対話点216は、鍵取得に関するデータに関係することができ、従って、鍵取得データをサブスクライブすることができる。別の対話点216A~216Eは、仮想コイン収集又はアトラクションに関する他の進行状況関連データに関係することができ、従って、特に仮想コイン収集に関するデータにサブスクライブすることができる。
【0058】
新規に登録されたウェアラブルデバイス14が用いられる時には、初期データがローカルキャッシュエントリ214内に提供される。例えば、アトラクション開始状況データを生成し、新規登録のウェアラブルデバイス14に関連付けることができる。先の実施例に戻ると、初期データは、仮想コイン及び/又は鍵がまだ取得されていないという指標を提供することができる。
【0059】
しかしながら、幾つかの事例では、ウェアラブルデバイス14は、娯楽アトラクションにおいて過去に使用されている可能性があり、その結果、状況データが保存されている。例えば、ウェアラブルデバイス14を使用する参加者は、ある一定数の仮想コインを取得し、ある一定数の鍵を取得し、アトラクションのある特定の制御アクセス部分にアクセスしており(例えばゲートがロック解除されている)、アトラクションでより高いステータスレベルに到達している、などの場合がある。アトラクションへの再来場中のプレー再開を容易にするために、これらのステータス変化をウェアラブルデバイス14に関連付けられたデータとして保存することができる。従って、後で来場した時に、既存(例えば保存済み)データが存在する場合に対話点216A~216Eをプリヒートするために、既存データがローカルキャッシュエントリ214内に提供される。初期データ又は既存データの何れが提供されるかに関わらず、ローカルキャッシュエントリ214が対話点216A~216Eにて受信され、受信されたローカルキャッシュエントリ214に基づいて対話点ローカルキャッシュ218が更新される(ブロック110)。この時点で、対話点216A~216Eの各々は、対話点216A~216Eとウェアラブルデバイスとの間の後続の対話のローカルデータ処理に有用なデータがプリヒートされる。従って、迅速な対話フィードバックを提供することができる。
【0060】
ii.局限的な対話処理及びフィードバック
対話点のプリヒートは、個々の対話点による局限的な対話処理及びフィードバックに対するより迅速な応答を容易にすることができる。
図8は、本開示の1つの態様による、ローカル対話点216A~216Eとウェアラブルデバイス14との間の対話を容易にするためのプロセス130を例示するフローチャートである。
【0061】
プロセス130は、ウェアラブルデバイス14と対話点216A~216Eとの間の新しい対話が受信されたか否かを決定するステップから始まる(判定ブロック132)。例えば、対話は、ウェアラブルデバイス14を対話点216A~216Eの直近に移動させるステップを含むことができる。対話は、ユーザが対話点216A~216Eと対話したことを示す、ウェアラブルデバイス14と対話点216A~216Eとの間のデータ送信を含むことができる。上述したように、ウェアラブルデバイス14による対話は、対話点216A~216Eのリーダとの無線周波数によって容易にすることができる。対話点216A~216Eは、対話が受信されるまで対話を求めてポーリングし続けることができる。
【0062】
対話が受信される(例えば、ウェアラブルデバイス14の情報が、対話点216A~216Eにおいて受信される)と、対話点216A~216Eのローカルキャッシュ218を用いて対話が処理され、フィードバックが提供される(ブロック134)。例えば、対話点216A~216Eはプリヒートされているので、対話点216A~216Eは、受信した対話をローカルに処理して、アトラクション参加者に提供するためのフィードバックを決定することができる。鍵取得の実施例に戻り、
図10に記載の対話点216Bが鍵取得データをサブスクライブすると仮定する。対話点216Bのローカルプロセッサ222は、適正な鍵及び/又は鍵の適正な個数が、対話点216Bのとの対話によってゲート224にアクセスしようと試みているウェアラブルデバイス14の識別子と関連付けられていることを、対話点216Bのローカルキャッシュ218が示す場合にのみ、ゲート224への進入を可能にするようにプログラミングすることができる。かかる関連付けが存在しない場合、ゲート224は、閉鎖したままにして、赤色ライトを点滅させること及び/又は触覚フィードバック等の拒否フィードバックを対話点216Bによって実装することができる(例えばウェアラブルデバイス14上で)。1つの実施形態では、かかるフィードバックは、フィードバックインジケータをウェアラブルデバイス14のメモリに書き込み、ウェアラブルデバイス14のマイクロコントローラに、ウェアラブルデバイス14のメモリに書き込まれて記憶されたフィードバックインジケータに関連付けられる光及び/又は他のフィードバックを実装させることによって容易にすることができる。
【0063】
本明細書で検討する鍵取得、仮想コイン収集、及び/又は他のゲームステータスは、ローカルキャッシュ218及び/又はユーザ統計データストア22内に記憶されているデータによって表すことができる。従って、対話に基づくあらゆるデータ更新226は、ローカルキャッシュ218内で更新して、クラウドサービス210に提供することができる(ブロック136)。これは、対話した時点の対話点216A~216Eによる処理に基づいて、他の対話点216A~216Eがプリヒートされる結果をもたらす。例えば、上記で提供された鍵取得及び使用例に戻ると、対話点216Bのプロセッサ220は、ゲート224を開けるのに鍵が用いられた時に鍵の計数値を1だけ低減するようにプログラミングされると仮定する。ゲート224を開けると、1つ少ない鍵が参加者によって取得された又は仮想的に所有されていることを示すように、対話点216Bのローカルキャッシュ218を更新することができる(例えば、参加者に関連付けられたウェアラブルデバイス14の識別子に関連付けられた鍵計数値を低減することによって)。
【0064】
iii.サブスクライブしている対話点のためのデータ更新
これに加えて、データ更新226は、クラウドサービス210及び/又は他の対話点216A~216Eに伝播することができる。例えば、幾つかの実施形態では、対話点216Bは、対話点216A~216Eにデータ更新226を直接送ることができる(例えば、対話点216Bが認識しているサブスクリプション情報に基づいて)。幾つかの実施形態では、対話点216Bは、データ更新226をクラウドサービス210に直接提供し、クラウドサービス210がデータ更新226をサブスクライブしている対話点216A~216Eに伝播することを可能にすることができる。幾つかの実施形態では、ハイブリッド手法を用いることができ、ここでは、対話点216Bが、データ更新226を中間対話点(例えば対話点216E)に送り、中間対話点(例えば216E)がデータ更新226を他の対話点216A~216E及び/又はクラウドサービス210に伝播することを可能にし、データ更新226の更なる伝播を可能にする。
【0065】
データ更新226をサブスクライブしている対話点216A~216Eに伝播することによって、データ送信に対するよりきめの細かい方式を提供することができ、その結果、データ送信が減少し、より効率的な帯域幅利用、低いネットワークレイテンシー(decreased network latency)、その他を生じることができる。
図9は、本開示の1つの態様による、あるローカル対話点とのローカル対話に基づいて、対話システム200内の複数のローカル対話点を更新するためのプロセス150を例示するフローチャートである。プロセス150は、クラウドサービス210に情報の一部に対するサブスクリプションを要求することから始まる(ブロック152)。例えば、サブスクリプション要求は、対話点216A~216Eが更新を受信しようと望む特定のデータサブセット(例えば、鍵取得データ、仮想コイン収集データ)を含むことができる。要求は、更新を受信するウェアラブルデバイス識別子のサブセット(例えば、対話点216A~216Eの近隣ゾーン内にあるウェアラブルデバイスに対するウェアラブルデバイス識別子に関連するデータのみ)を含むことができる。上記で検討した鍵取得の実施例に戻ると、初期対話点が鍵取得データにサブスクライブしていないと仮定する。従って、
図10に例示されるように、ゲート224を開けるための鍵の使用に関するデータ更新226は、初期対話点216Aには提供されない。理解できるように、これにより、クラウドサービス210及び/又は対話点216A~216Eの間で送信されるデータの量を大幅に低減することができる。
【0066】
クラウドサービス210において要求が受信され登録される(ブロック154)。例えば、クラウドサービス210は、サブスクライブしているエンティティ及びサブスクリプションデータの指標を提供するサブスクリプションデータストアを維持することができる。幾つかの実施形態では、クラウドサービス210は、対話点216A~216Eからのサブスクライブしているエンティティへの更新データの直接伝播のために対話点216A~216Eにサブスクリプションデータを伝播することができる。
【0067】
サブスクライバ情報が受信されると、要求されたサブスクリプションに相応する利用可能なアトラクションデータの部分が集積され(ブロック156)、サブスクライブしているエンティティ(例えばサブスクリプション要求を送った対話点216A~216E)に提供される(ブロック158)。例えば、1つの対話点216A~216Eが、鍵取得データと仮想コイン収集データの両方を要求することができ、別の対話点216A~216Eは、鍵取得データのみ又は仮想コイン収集データのみ等を要求することができる。関連のサブスクリプションデータは、サブスクライブしているエンティティに提供され、ここでサブスクライブしている検査点216A~216Eによって受信される(ブロック160)。
【0068】
サブスクリプション加入検査点216A~216Eは、そのローカルキャッシュ218を、受信したデータで更新し(ブロック162)、サブスクリプション加入検査点216A~216Eが、それ自体とウェアラブルデバイス14との間の更なる対話をこの検査点独自のローカルデータを用いて容易にすることができる。理解できるように、これにより、アトラクション参加者に適正なフィードバックを提供する(例えばウェアラブルデバイス14を介して)上で、サブスクライブしている対話点がリモート記憶データにアクセスする必要がないので、ネットワークレイテンシーの大幅な低下をもたらすことができる。
【0069】
本開示の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、本発明の真の精神の範囲内にあるこのような変更形態及び変更全てを、添付の請求項が射程に入れることを意図する点を理解されたい。
図1~
図10に関して例示又は説明された特徴の何れもが何らかの好適な方式で組み合わせることができることを理解されたい。
【0070】
本明細書で提示され特許請求された技術は、本技術分野を明らかに改善する有形物及び実際的な性質の具体例に参照され適用され、このため、抽象的、無形又は純粋に理論上のものではない。更に、本明細書に添付されたあらゆる請求項は、「[ある機能]を[実行する]手段」又は「[ある機能]を[実行する]ステップ」として指定された1又は2以上の要素を包含する場合には、このような要素は、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図している。しかしながら、他の何れかの様態で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないものとする。