(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】歯管に導入するための締結システム
(51)【国際特許分類】
A61C 5/35 20170101AFI20231031BHJP
【FI】
A61C5/35
(21)【出願番号】P 2020562800
(86)(22)【出願日】2018-08-17
(86)【国際出願番号】 BR2018050292
(87)【国際公開番号】W WO2019144206
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102018001658-0
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(73)【特許権者】
【識別番号】520274851
【氏名又は名称】アンジェルス・インドゥストゥリア・ジ・プロドゥトス・オドントロジコス・ソシエダージ/アノニマ
【氏名又は名称原語表記】ANGELUS INDUSTRIA DE PRODUTOS ODONTOLOGICOS S/A
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ホベルト・ケイロス・マルチンス・アルカンタラ
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-183878(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0027102(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0104206(KR,A)
【文献】実公昭37-010298(JP,Y1)
【文献】米国特許第04778388(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 5/35
A61C 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯管(
11)に導入するための締結システム
(8)であって、
前記締結システムは、前記歯管(
11)に導入するための締結要素(10)を有し、
前記締結要素(10)は、
-平行または円錐形状の本体と、
-平行または先細りされた長手方向のスルーボア(1)と、
-前記締結要素の前記本体の上端部から下端部へ伸びる第1の長手方向のスロット(2)を有し、これにより、前記締結要素(10)は、前記歯管
(11)の壁に機械的に重なるように任意の歯管サイズに適合し、
前記締結要素(10)はさらに、プレハブピン(9)を有し、
前記スル―ボア(1)を持つ前記締結要素(10)は、前記プレハブピン(9)の周りに挿入され、前記プレハブピン
(9)が残した前記歯管
(11)内の空隙を前記締結要素(10)が埋めることにより前記締結システムが前記歯管
(11)の壁に重ねられて機械的に保持される、締結システム
(8)。
【請求項2】
前記締結要素(10)の材料は、ポリママトリクスと、単一の方向または多方向に前記ポリママトリクスに分散された繊維を備える繊維強化複合材料であることを特徴とする、請求項1に記載の締結システム
(8)。
【請求項3】
前記強化複合材料は、前記ポリママトリクスに分散された放射線乳白剤及び顔料を含み、
前記放射線乳白剤及び前記顔料は、シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、酸化スズ、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、ポリ(メタクリレート)及びそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の締結システム
(8)。
【請求項4】
前記強化複合材料の前記ポリママトリクスは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリウレタン、ビニルエステル、エポキシ樹脂、スチレン、スチレン、アクリロニトリル、ABSポリマ、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、及びそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載の締結システム
(8)。
【請求項5】
前記ポリママトリクスは、エポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載の締結システム
(8)。
【請求項6】
前記強化複合材料の前記繊維は、ガラス、石英、カーボン、ポリアミド及びそれらの混合物を含む群から選択される繊維であることを特徴とする、請求項2に記載の締結システム
(8)。
【請求項7】
前記繊維は、ガラス繊維または石英である、請求項6に記載の締結システム
(8)。
【請求項8】
前記締結要素(10)は、300から1200MPaの範囲の曲げ強度を備えることを特徴とする、請求項1に記載の締結システム
(8)。
【請求項9】
前記締結要素(10)は、化学セメントによって
歯管(11)の内壁に接線方向に固定されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の締結システム
(8)。
【請求項10】
歯管(
8)に導入するための締結要素(
10)であって、
-前記締結要素(10)の前記本体の上及び/または下の部分の部分的な第2の長手方向のスロット(5,6)を備え、
前記部分的な第2の長手方向のスロット(5,6)は、前記第1の長手方向のスロット(4)と平行であり、
前記部分的な第2の長手方向のスロット(5,6)は、前記締結要素の前記本体の一端を残して、前記締結要素
(10)の前記第1の長手方向に延在している、請求項1に記載の締結システム
(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科学の分野に関する。さらに正確に、本発明は、治療される歯管に導入するための、単独でまたは歯に設置される義歯の歯根及び/または固定補強の機能を果たすプレハブの歯根内ピンと共に用いられる、締結要素及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
歯に設置される義歯の歯根及び/または固定補強のための管治療後に歯で用いられるピンは、2つの方法によって通常は作り出される。
【0003】
第1の方法は、歯根に直接の方法であり、歯科医が(個人に合わせた)管の全形状及び内径を複製するピンを作り出すために樹脂を用い、歯科医によって得られたピンは、ロストワックス鋳造プロセスによって金属に融合されるために実験室に送られる。
【0004】
図1Aは、従来技術のプラスチックピンの導入を示す。
図1Bにおいて、樹脂で管を充填することが明示される。
図1Cにおいて、樹脂で管の上部を充填することが観察され、
図1Dで、ドリルの使用によって彫刻した後の最終形状が提供される。
図1Dの最終部分は、歯から取り外され、金属部分にプラスチックを溶融する実験室に送られる。
【0005】
第2の方法は、
図2に示されるように、金属、ガラスまたはカーボン繊維のプレハブピンを使用する方法である。
【0006】
ガラスまたはカーボン繊維のプレハブピンは、金属のもののように腐食を受けず、そのため、早期の喪失につながらず、その上患者の口に金属味を引き起こさない利点を有する。さらに、プレハブピンは、約20GPaであるクラウン部分と9から10GPaである歯根部分の象牙質のそれと同様に、18GPaの弾性(柔軟性)係数を有する。繊維のピンのこの柔軟性は、過度の力の場合において、それらが衝撃を吸収し、歯根に伝えることがない、屈曲を受けるので、それらが設置される歯根破砕リスクを最小化する。
【0007】
金属ピンに超過した力が加わる場合において、それらは、繊維ピンのように屈曲を受けないので、それらを歯に伝え、歯根の粉砕を引き起こし、その結果、歯科用要素の損失を引き起こす。
【0008】
さらにプレハブピンは、白色で製造され、熟練者がさらに義歯を審美的にでき、その結果患者に受け入れられる。
【0009】
しかしながら、当該ピンは、それらを受け入れるために準備された管の直径と近い直径で製造され、それらは、管の任意の大きさと直径に完全に適合されない不利益がある。この部分的な適合の結果として、ガラスまたはカーボン繊維のプレハブピンは、それらの保持能力の一部を失い、管にそれらの接合後、歯根から動くことができる。この変位は、歯科医によってこのピンで実行される義歯の喪失を引き起こす。
【0010】
この意味において、いくつかの提案は、歯管にプレハブピンがよく適合し、低い機械的重なりと、その結果プレハブピンの低い保持力を引き起こす欠点を解決する意図があって提起された。
【0011】
HARALD E. NORDIN及びPeter NORDINの名の下に、「歯根管固定アセンブリ」の名称の欧州特許第1925269号は、歯根上、すなわちすでに設置されたプレハブピン上に設置された中空構造を報告し、その結果、未来の義歯を支持するためのプレハブピン上に上部構造を提供する唯一の機能を有する。
【0012】
欧州特許第1925269号は、本発明と異なり、締結要素が、管内のピンにより大きな保持を提供する意図があるので、管の内部のピンと共に設置される。
【0013】
JONATHAN SCHARFの名の下に、「繊維補強歯科用ポストの製造方法及びもたらされる歯科用ポスト」の名称の米国特許第5,816,816号は、歯管に設置されるピンを作るプロセスを報告し、その上に設置される義歯を支持することを目的とする。中空マンドレルを受け入れるその低い部分で閉じられ、順番に管の内側に配置される編まれた繊維ロープを用いる。その後、針は、中空マンドレルに適合され、樹脂は、マンドレルがカナルから取り外されると同時に注入される。ここで樹脂で満たされ配置される中空ロープは、未来の義歯を支持するためにピンに変形される。
【0014】
米国特許第5,816,816号のシステムは、樹脂で満たされたロープ形状の中空締結要素を有するが、本発明と類似ではなく、本発明の目的は、それと共に設置されるピンの高い保持力を提供することである。米国特許第5,816,816号によって得られるピンは、従来技術からすでに知られている従来のピンとしてのみ振る舞い、製造プロセスでのみ異なる。
【0015】
REYNAUD MARC及びREYNAUD PIERRE LUCの名の下に、「自己固定歯科用ポスト」の名称の欧州特許第0809475号は、その上に設置される未来の義歯を支持する管内に配置されるピンを得るためのプロセスを報告する。当該特許のプロセスは、その中心部分に硬い要素と、外側に、管の内側に配置されたとき、その壁にぴったり付く未硬化の材料を備え、その後、管内に固定されて残るために硬化される。このプロセスの最終結果は、製造プロセスによってのみ従来技術の状態と異なる従来のピンである。
【0016】
本発明は、利用可能な従来のピンで設置されたとき、設置される様々な直径の管の保持力でそれを提供することによって管内のその機械的重なりを促進する要素を含む点で、欧州特許第0809475号と異なる。
【0017】
LARS HANSSONの名の下で、「歯根管ピン」の名称で、1994年1月5日に公開された欧州特許第0576510号は、歯根の端部において適合されるピンの底部に開けられた長手方向の中心のスリットと、未来の義歯の支持を促進するためのその上部における柱とを含む歯管に設置されるピンを報告する。当該特許のピンは、本発明と同様のスロットを有し、スロットの機能は、閉じられ、その端部においてピンのより大きな保持力を引き起こす一方で、そのピンは、本発明による要素と特徴の全てを含まない。
【0018】
LEWIS S. SMOLERの名の下で、「歯科用ポストシステム」の名称で1986年11月11日に公開された米国特許第4,622,012号は、未来の義歯を支持するための2つのピンシステムを報告する。管形状の第1のピンは、この管を満たし、それをセメントで固める機能と共に、その内部に注入される樹脂材料を受け入れるための管に配置される。その後、第2のピンは、その管状部分にそれを通って挿入され、その上部に戻る過度なセメントを押し進める。本発明と類似でなく、管要素を含むが、米国特許第4,622,012号のシステムは、セメントを受け入れることを唯一の機能として有し、それを管の壁に押し進め、その良い分配を提供し、管にそれの良い接着を確実にするが、本発明の全ての要素及び特徴を含まない。
【0019】
BERNARD WEISSMANの名の下に、「光硬化歯強化材」の名称で、1994年7月5日に公開された米国特許第5,326,263号は、その後、ピンと管の壁の間の空間を占める未硬化樹脂で満たされる管に柔軟なピンを導入することを報告する。その後、樹脂の部分硬化と、管アセンブリの取り外し及び最終硬化が実行される。結果として、ピンは、管構造に一致して形成される。米国特許第5,326,263号は、その側面部のピンの膨張部がその機械的重なりを促進し、そのため、そのより大きな保持力を促進する要素を含まない点で、本発明と異なる。
【0020】
その結果、見られるように、上記文献は、いずれも歯管の導入のための締結要素であって、平行または円錐形状の本体と、平行または先細りされた長手方向のスルーホールと、固定部材の全長にわたって伸びる主長手方向のスリットと、締結要素の本体の下及び/または上の部分の一部長手方向のスリットを備え、締結要素は、プレハブピンのそのボアを通って適合され、締結要素は、ピンによって残された管の空間を満たし、それにより、管に挿入された締結要素とピンアセンブリ(締結システム)のより大きな把持及び機械保持力を提供することを提案しない。
【0021】
さらに、本発明で提案された歯管に挿入するための締結要素の形態は、当該締結要素が単独でまたはいくつかの内部直径及び異なるコニシティを含む歯管内にあらかじめ設置されたピンと共に配置されることができ、すなわち、締結要素は、それの壁に機械的に並べる(重ねる)任意の大きさの管に一致する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【文献】欧州特許第1925269号
【文献】米国特許第5,816,816号
【文献】欧州特許第0809475号
【文献】欧州特許第0576510号
【文献】米国特許第4,622,012号
【文献】米国特許第5,326,263号
【発明の概要】
【0023】
上述の問題を解決するために、本発明は、歯管に導入するための締結要素に対して、著しい利点を提供するであろう。
【0024】
-平行または円錐形状の本体と、
-平行または先細りされた長手方向のスルーボアと、
-締結要素の本体の上端部から下端部へ伸びる主長手方向スリットと、を備える歯管に導入するための締結要素を提供することが本発明の目的である。
【0025】
単独でまたはピンと共に配置された当該締結要素は、治療される管と共に歯の補強材として及び治療される歯に支持された(支持されるであろう)義歯のための固定具の機能を果たす。
【0026】
本発明で提案される歯管の導入のための締結要素の形態は、当該締結要素が、単独でまたはいくつかの異なる内径及びコニシティを含む歯管内の歯根内ピンと共に配置されることができ、すなわち、締結要素は、それの内壁を機械的に並べることによって、任意の管の大きさに適合する。
【0027】
その結果、セメント固定の後、本発明の締結要素は、管内の締結システムの高い保持力を提供し、義歯を固定するための基礎として用いられることによって、脱離するリスクを最小化する。
【0028】
本発明の締結要素とプレハブピンを備える、歯管に導入する締結システムを提供することがさらなる本発明の目的であり、それにより、そのスルーボアを備える締結要素は、プレハブピンの周囲に挿入される。
【0029】
さらに、本発明は、歯管に導入するための締結要素の使用に関する。
【0030】
そのさらなる利点と共にある、本発明の構造及び動作は、添付された図面及び次の記載を参照してより理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A-1D】
図1Aは、従来技術の状態のプラスチックピンの導入を示す。
図1Bは、従来技術で作られた樹脂管の充填を示す。
図1Cは、従来技術で作られる樹脂を備える管の上部の充填を示す。
図1Dは、従来技術で生じるドリルの使用による彫刻後の最終形状を示す。
【
図2】従来技術で生じる歯管に導入されるプレハブピンの形態を示す。
【
図3】本発明の歯管に導入するための締結要素の好ましい実施形態を示す。
【
図4.1-4.2】本発明の歯管に導入する締結要素の代替の実施形態を示す。
【
図5.1-5.3】
図5.1は、本発明の締結システムを示し、歯管は、ピンの挿入のために配置される。
図5.2は、本発明の締結システムを示し、ピンは、管に配置される。
図5.3は、本発明の締結システムを示し、締結要素は、ピンに適合される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、異なる実施形態を受け入れる余地があるが、実施形態が本発明の原理の例示及び本発明の制限ではないことを考慮されるべきことを理解する好ましい実施形態及び代替の実施形態が、図及び次の詳細な議論に示される。
【0033】
本出願の
図3によって示されるように、好ましい実施形態において、本発明は、
-平行または円錐形状の本体と、
-平行または先細りされた長手方向のスルーボア(1)と、
-締結要素の本体の上端部から下端部に伸びる主長手方向のスロット(2)と、を備える歯管(11)に導入するための締結要素(10)を開示する。
【0034】
代替の実施形態において、本発明の歯管(11)に導入するための締結要素(20)は、
-平行または円錐形状の本体と、
-平行または先細りされた長手方向のスルーボア(3)と、
-締結要素の本体の上端部から下端部に延在する主長手方向のスロット(4)と、
-下及び/または上の部分の一部長手方向のスリット(5,6)と、を備え、
当該一部長手方向のスリット(5,6)は、当該主長手方向のスリット(3)と平行であり、
一部長手方向のスリット(5,6)は、固定要素の本体の一端を残して、一部にその伸長部分を進める。
【0035】
図4.1及び4.2は、本発明の締結要素(20)の当該代替の実施形態を示す。
【0036】
締結要素(10,20)の材料は、ポリママトリクス及び単一または多方向の方向にポリママトリクスに分散された繊維を備える、繊維強化複合材料である。
【0037】
締結要素(10,20)を製造するための強化複合材料の繊維は、次のガラス、石英、カーボン、ポリアミド及びその混合物の群から選択された繊維であり、ガラス繊維及び石英であることが好ましい。
【0038】
さらに、締結要素(10,20)を製造するための強化複合材料のポリママトリクスは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリウレタン、ビニルエステル、例えばエポキシ樹脂などのエポキシベースの材料、スチレン、スチレンアクリロニトリル、ABSポリマ、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、アクリルモノマ、メタクリルモノマ、及びそれらの混合物などを含む群から選択され、エポキシ樹脂が好ましい。
【0039】
強化複合材料は、繊維とポリママトリクスの結合であり、ポリママトリクスは、エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0040】
締結要素(10,20)の当該補強複合材料は、ポリママトリクスに分散された放射線乳白剤及び顔料を含み、シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、酸化スズ、タンタルの酸化物、酸化ニオブ、酸化チタン、ポリ(メタクリレート)及びそれらの混合物を含む群の1またはそれ以上の要素を含む。
【0041】
本発明の歯管に導入する締結要素(10,20)は、300から1200MPaの範囲の曲げ強度を有する。
【0042】
本発明による締結要素(10,20)は、歯科学で用いられる化学セメントによって歯根管(11)の内壁に接線方向に固定される。
【0043】
さらに、締結要素(10,20)の本体は、硬いまたは柔軟である。
【0044】
さらに、本発明は、本発明で定義される締結要素(10,20)及びプレハブピン(9)を備える歯管(11)に導入するための締結システム(8)を記載し、そのスルーボア(1,3)を備える締結要素(10,20)は、プレハブピン(9)の周囲に挿入される。
【0045】
図5.1、5.2、5.3は、本発明の締結システムを描く。
【0046】
さらに、本発明は、本発明に定義される締結要素(10,20)の使用を記載し、前記締結要素(10,20)は、歯の歯根管(11)に導入されるべきであり、締結要素(10,20)は、単独で、または歯に設置される義歯の歯根を強化及び/または固定のためのプレハブピンと共に用いられる。
【0047】
その結果、本発明のいくつかの実施形態のみが示されるが、歯管に挿入されるための締結要素の様々な省略、置換及び変更が本発明の精神及び範囲から逸脱されることなく当業者によってなされることができる。
【0048】
同じ結果を達成するために実質的に同じ方法で同じ機能を実行する要素の全ての組み合わせは、本発明の範囲内であることが明示的に提供される。1つの実施形態から別のものへの要素の置換は、また完全に意図され、期待される。
【0049】
また、図は、縮尺どおりである必要はなく、それらは概念的な性質を有するのみであることが理解される必要がある。したがって、本発明は、添付された請求項の範囲によって示されるように、制限されるべきである。