(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】廃水管理
(51)【国際特許分類】
C02F 1/04 20230101AFI20231031BHJP
B01D 21/26 20060101ALI20231031BHJP
C02F 1/463 20230101ALI20231031BHJP
B01D 1/26 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
C02F1/04 D
B01D21/26
C02F1/463
B01D1/26 Z
(21)【出願番号】P 2020567496
(86)(22)【出願日】2019-06-03
(86)【国際出願番号】 US2019035107
(87)【国際公開番号】W WO2019236438
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-10
(32)【優先日】2018-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517396098
【氏名又は名称】ブレイクスルー・テクノロジーズ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Breakthrough Technologies, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジャフリー・カマル
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0219133(US,A1)
【文献】米国特許第04295946(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0233136(US,A1)
【文献】特開昭56-105790(JP,A)
【文献】特開2000-024403(JP,A)
【文献】特開2010-065001(JP,A)
【文献】特開昭61-090701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/02- 1/18
C02F 1/46- 1/48
B01B 1/00- 1/08
B01D 1/26
B01D 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム
(200)において、
廃水を受け取り、前記廃水の第1の部分を保持し、前記廃水の前記第1の部分を第1の蒸気および第1の固体物質に分離するように構成された第1の分離器
(242)と、
前記第1の分離器
(242)と流体連通している第2の分離器
(240)と、
を含み、
前記第2の分離器
(240)は、前記第1の分離器
(242)から前記廃水の第2の部分を受け取り、前記廃水の前記第2の部分を第2の蒸気および第2の固体物質に分離するように構成され、
前記第2の分離器
(240)は、
前記第1の分離器(242)と流体連通している第1の凝縮器
(256)であって、前記第1の凝縮器
(256)は、前記第1の分離器
(242)から前記第1の蒸気を受け取り、前記第1の蒸気からの熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達し、それによって前記第1の蒸気を第1の液体に凝縮するように構成されている、第1の凝縮器
(256)と、
熱を生成し、前記熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達するように構成された加熱要素
(250)であって、前記第1の蒸気からの熱および前記加熱要素
(250)からの熱は、前記廃水の前記第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第2の分離器
(240)内に前記第2の蒸気を形成する、加熱要素
(250)と、
前記廃水の前記第2の部分と接触する第1のアノードおよび第1のカソードを含む少なくとも1つの第1の電気凝固セル
(260)を有する第1の電気凝固ユニット
(258)であって、前記少なくとも1つの第1の電気凝固セル
(260)は、前記廃水の前記第2の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された前記懸濁固体は、前記第2の固体物質の少なくとも一部を形成する、第1の電気凝固ユニット
(258)と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記第1の分離器
(242)は、前記第2の分離器
(240)と流体連通している第2の凝縮器
(257)を含み、前記第2の凝縮器
(257)は、前記第2の分離器
(240)から前記第2の蒸気を受け取り、前記第2の蒸気からの熱を前記廃水の前記第1の部分に伝達し、それによって前記第2の蒸気を第2の液体に凝縮するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の分離器
(242)は、前記廃水の前記第1の部分と接触する少なくとも1つの第2の電気凝固セル
(261)を有する第2の電気凝固ユニット
(259)を含み、前記少なくとも1つの第2の電気凝固セル
(261)は、前記廃水の前記第1の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された前記懸濁固体は、前記第1の固体物質の少なくとも一部を形成する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記加熱要素
(250)および前記第1の電気凝固
ユニット(258)と電子通信するコントローラ
(224)をさらに含み、前記コントローラ
(224)は、前記加熱要素
(250)によって生成される熱の量を制御し、前記少なくとも1つの第1の電気凝固セル
(260)の前記第1のアノードと前記第1のカソードとの間の第1の電圧差を制御するように構成され、前記第1の電圧差は、前記懸濁固体が前記廃水の前記第2の部分から分離される速度を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の分離器
(240)は、マイクロ波を生成し、前記マイクロ波の少なくとも一部を前記第2の分離器
(240)内の前記廃水の前記第2の部分に向け、それによって前記廃水の前記第2の部分を加熱するように構成されたマグネトロンを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の分離器
(242)と流体連通している予備分離器
(210)をさらに含み、前記予備分離器
(210)は、前記廃水を受け取り、前記廃水から不溶性固体物質を分離し、前記廃水から前記不溶性固体物質を除去し、前記廃水を前記第1の分離器
(242)に供給するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記予備分離器
(210)はハイドロサイクロンであり、前記ハイドロサイクロンは、受け取られた前記廃水を前記ハイドロサイクロンの内面の周りに接線方向に向け、それによって、前記受け取られた廃水に作用して、前記受け取られた廃水から前記不溶性固体物質を分離する反応性遠心力を発生するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の分離器
(240)に結合された少なくとも1つの第1の圧力計
(237)をさらに含み、前記少なくとも1つの第1の圧力計
(237)は、前記第2の分離器
(240)内の前記第2の蒸気の圧力を測定するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の分離器
(242)に結合された少なくとも1つの第2の圧力計
(247)をさらに含み、前記少なくとも1つの第2の圧力計
(247)は、前記第1の分離器
(242)内の前記第1の蒸気の圧力を測定するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の分離器
(240)内に配置された第1のレベル計
(235)をさらに含み、前記第1のレベル計
(235)は、前記廃水の前記第2の部分の量を測定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の分離器
(240)内に配置された第1のデミスタ
(254)をさらに含み、前記第1のデミスタ
(254)は、前記第2の蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の分離器
(242)内に配置された第2のデミスタ
(255)をさらに含み、前記第2のデミスタ
(255)は、前記第1の蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
方法において、
第1の分離器
(242)において廃水を受け取り、前記廃水の第1の部分を前記第1の分離器
(242)内に保持することと、
第2の分離器
(240)において、前記第1の分離器
(242)から前記廃水の第2の部分を受け取ることと、
前記廃水の前記第2の部分から懸濁固体を除去するために第1の電気凝固ユニット
(258)の第1のセルの第1のアノードと第1のカソードとの間に第1の電圧差を発生させることと、
前記第2の分離器
(240)内の第1の凝縮器
(256)において前記第1の分離器
(242)から第1の蒸気を受け取ることと、
前記第1の蒸気からの熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達し、それによって前記第1の蒸気を第1の液体に凝縮することと、
前記第2の分離器
(240)内
の加熱要素
(250)を使用して熱を生成することと、
前記廃水の前記第2の部分に前記熱を伝達することであって、前記第1の蒸気からの熱および前記加熱要素
(250)からの熱は、前記廃水の前記第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第2の分離器
(240)内に第2の蒸気を形成する、ことと、
前記第2の蒸気を前記第1の分離器
(242)内の第2の凝縮器
(257)に供給することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記第2の凝縮器
(257)において前記第2の蒸気を受け取ることと、
前記第2の蒸気からの熱を前記廃水の前記第1の部分に伝達し、それによって前記第2の蒸気を第2の液体に凝縮することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記廃水の前記第1の部分から懸濁固体を除去するために、第2の電気凝固ユニット
(259)の第2のセルの第2のアノードと第2のカソードとの間に第2の電圧差を発生させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
マグネトロンを使用してマイクロ波を生成することと、
前記マイクロ波の少なくとも一部を前記廃水の前記第2の部分に向けることにより、前記廃水の前記第2の部分を加熱することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の分離器
(240)に結合された少なくとも1つの第1の圧力計
(237)を用いて、前記第2の分離器
(240)内の前記第2の蒸気の圧力を測定することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の分離器
(242)に結合された少なくとも1つの第2の圧力計
(247)を用いて、前記第1の分離器
(242)内の前記第1の蒸気の圧力を測定することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の分離器
(240)内に配置された第1のデミスタ
(254)を用いて、前記第2の蒸気中に同伴された液滴を除去することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の分離器
(242)内に配置された第2のデミスタ
(255)を用いて、前記第1の蒸気中に同伴された液滴を除去することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
システムにおいて、
廃水を受け取り、前記廃水の第1の部分を保持し、前記廃水の前記第1の部分を第1の蒸気および第1の固体物質に分離するように構成された第1の分離器
(242)を含み、
前記第1の分離器
(242)は、第1の凝縮器
(256)および第1の電気凝固ユニット
(258)を含
み、
前記第1の分離器
(242)と流体連通している第2の分離器
(240)をさらに含み、前記第2の分離器
(240)は、前記第1の分離器
(242)から前記廃水の第2の部分を受け取り、前記廃水の前記第2の部分を第2の蒸気および第2の固体物質に分離するように構成され
、
前記第2の分離器
(240)は、前記第1の分離器
(242)と流体連通している第2の凝縮器
(257)を含み、前記第2の凝縮器
(257)は、前記第1の分離器
(242)から前記第1の蒸気を受け取り、前記第1の蒸気からの熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達し、それによって前記第1の蒸気を第1の液体に凝縮するように構成されている
、システム。
【請求項22】
前記第2の分離器
(240)は、熱を生成し、前記熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達するように構成された加熱要素
(250)を含み、前記第1の蒸気からの熱および前記加熱要素
(250)からの熱は、前記廃水の前記第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第2の分離器
(240)内に前記第2の蒸気を形成する、請求項2
1に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2の分離器
(240)は、前記廃水の前記第2の部分と接触する第1のアノードおよび第1のカソードを含む少なくとも1つの第1の電気凝固セル
(260)を有する第2の電気凝固ユニット
(259)を含み、前記少なくとも1つの第1の電気凝固セル
(260)は、前記廃水の前記第2の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された前記懸濁固体は、前記第2の固体物質の少なくとも一部を形成する、請求項2
1に記載のシステム。
【請求項24】
合計n個の分離器(nは自然数である;n≧
3)をさらに含み、
第iの分離器(iは任意の自然数である;
3≦i≦n)については、前記第iの分離器は、第(i-1)の分離器と連通し、前記第iの分離器は、前記第(i-1)の分離器から前記廃水の第iの部分を受け取り、前記廃水の前記第iの部分を第iの蒸気および第iの固体物質に分離するように構成され、前記第iの分離器は、第iの凝縮器および第iの電気凝固ユニットを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
第nの分離器は、熱を生成し、前記熱を前記廃水の第nの部分に伝達するように構成された加熱要素を含み、第(n-1)の蒸気からの熱および前記加熱要素からの熱は、前記廃水の前記第nの部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第nの分離器内に第nの蒸気を形成する、請求項2
4に記載のシステム。
【請求項26】
第nの分離器は、マイクロ波を生成し、前記マイクロ波の少なくとも一部を前記第nの分離器内の前記廃水の第nの部分に向け、それによって前記廃水の前記第nの部分を加熱するように構成されたマグネトロンを含む、請求項2
4に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1~第nの分離器のうちの少なくとも1つは、蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されたデミスタを含む、請求項2
4に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1の分離器
(242)と流体連通している予備分離器
(210)をさらに含み、前記予備分離器
(210)は、前記廃水を受け取り、不溶固体物質を前記廃水から分離し、前記不溶固体物質を前記廃水から除去し、前記廃水を前記第1の分離器
(242)に供給するように構成されている、請求項2
4に記載のシステム。
【請求項29】
前記予備分離器
(210)は、ハイドロサイクロンであり、前記ハイドロサイクロンは、受け取られた前記廃水を前記ハイドロサイクロンの内面の周りに接線方向に向け、それによって前記受け取られた廃水に作用して前記受け取られた廃水から前記不
溶固体物質を分離する反応性遠心力を発生するように構成されている、請求項
28に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の分離器
(242)は、加熱要素を含む、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年6月4日に出願された米国仮出願第62/680,039号の優先権を主張し、その開示全体を参照により本明細書に明示的に組み込む。
【0002】
〔技術分野〕
本発明の主題は一般的に廃水処理システムに関連している。
【0003】
〔背景〕
蒸留所は蒸留プロセスによりアルコールを生産する。蒸留は、選択的な沸騰および凝縮によって混合物から成分を分離するプロセスである。アルコール製造では、ウォッシュと呼ばれる混合物が、エタノール発酵を用いて生成される。エタノール発酵は、グルコース、フルクトースおよびスクロースのような糖が細胞エネルギーに変換され、副産物としてエタノールおよび二酸化炭素を生産する生物学的プロセスである。蒸留のための糖の一般的な1つの供給源は糖蜜であり、これはサトウキビまたはテンサイを精製して糖にするときの副産物である。
【0004】
蒸留の間、エタノールを含むウォッシュの軽質成分が蒸発するように、ウォッシュに熱が加えられる。蒸気から熱を除去して凝縮させ、液体を、ウォッシュとは別の容器に保存する。このプロセスを複数回繰り返して、液体中のエタノールの濃度を上げることができる。蒸留後に残るウォッシュの一部は、蒸留廃液、スペントウォッシュ、または廃水と呼ばれる。
【0005】
スペントウォッシュは、液体成分と固体成分の混合物であり、有機物および栄養素、例えば、窒素、リン、カリウム、カルシウムおよび硫黄、の豊富な供給源である。スペントウォッシュは、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ホウ素、およびモリブデンなどの微量栄養素も含有し得る。しかし、スペントウォッシュは酸性で、生化学的酸素要求量(BOD)および化学的酸素要求量(COD)が高い。スペントウォッシュが未処理のまま環境中に放出されると、酸性度を高め、溶存酸素を消費することで水源を汚染する場合があり、これにより、水生生物および他の生物を危険にさらす可能性がある。
【0006】
〔概要〕
一態様では、システムは、廃水を受け取り、廃水の第1の部分を保持し、廃水の第1の部分を第1の蒸気および第1の固体物質に分離するように構成された第1の分離器と;第1の分離器と流体連通している第2の分離器と、を含み、第2の分離器は、第1の分離器から廃水の第2の部分を受け取り、廃水の第2の部分を第2の蒸気および第2の固体物質に分離するように構成され、第2の分離器は、第1の凝縮器と、加熱要素と、第1の電気凝固ユニットとを含む。第1の凝縮器は、第1の分離器と流体連通しており、第1の凝縮器は、第1の分離器から第1の蒸気を受け取り、第1の蒸気からの熱を廃水の第2の部分に伝達し、それによって第1の蒸気を第1の液体に凝縮するように構成されている。加熱要素は、熱を生成し、その熱を廃水の第2の部分に伝達するように構成され、第1の蒸気からの熱および加熱要素からの熱は、廃水の第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって第2の分離器内に第2の蒸気を形成する。第1の電気凝固ユニットは、廃水の第2の部分と接触する第1のアノードおよび第1のカソードを含む少なくとも1つの第1の電気凝固セルを含み、少なくとも1つの第1の電気凝固セルは、廃水の第2の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された懸濁固体は、第2の固体物質の少なくとも一部を形成する。
【0007】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせで含めることができる。第1の分離器は、第2の分離器と流体連通している第2の凝縮器を含むことができ、第2の凝縮器は、第2の分離器から第2の蒸気を受け取り、第2の蒸気からの熱を廃水の第1の部分に伝達し、それによって第2の蒸気を第2の液体に凝縮するように構成される。第1の分離器は、廃水の第1の部分と接触する少なくとも1つの第2の電気凝固セルを有する第2の電気凝固ユニットを含むことができ、少なくとも1つの第2の電気凝固セルは、廃水の第1の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された懸濁固体は、第1の固体物質の少なくとも一部を形成する。
【0008】
システムは、加熱要素および第1の電気凝固と電子通信するコントローラを含むことができ、コントローラは、加熱要素によって生成される熱の量を制御し、少なくとも1つの第1の電気凝固セルのアノードとカソードとの間の第1の電圧差を制御するように構成され、第1の電圧差は、懸濁固体が廃水の第2の部分から分離される速度を決定する。第2の分離器は、マイクロ波を生成し、マイクロ波の少なくとも一部を第2の分離器内の廃水の第2の部分に向け、それによって廃水の第2の部分を加熱するように構成されたマグネトロンを含むことができる。このシステムは、第1の分離器と流体連通している予備分離器を含むことができ、予備分離器は、廃水を受け取り、廃水から不溶性固体物質を分離し、廃水から不溶性固体物質を除去し、廃水を第1の分離器に供給するように構成される。予備分離器は、ハイドロサイクロンを含むことができ、ハイドロサイクロンは、受け取られた廃水をハイドロサイクロンの内面の周りに接線方向に向け、それによって受け取られた廃水に作用して受け取られた廃水から不溶性固体物質を分離する反応性遠心力を発生するように構成される。システムは、第2の分離器に結合された少なくとも1つの第1の圧力センサを含むことができ、少なくとも1つの第1の圧力センサは、第2の分離器内の第2の蒸気の圧力を測定するように構成される。システムは、第1の分離器に結合された少なくとも1つの第2の圧力センサを含むことができ、少なくとも1つの第2の圧力センサは、第1の分離器内の第1の蒸気の圧力を測定するように構成される。
【0009】
システムは、第2の分離器内に配置された第1のレベル計を含むことができ、第1のレベル計は、廃水の第2の部分の量を測定するように構成される。システムは、第2の分離器内に配置された第1のデミスタを含むことができ、第1のデミスタは、第2の蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成される。システムは、第1の分離器内に配置された第2のデミスタを含むことができ、第2のデミスタは、第1の蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成される。
【0010】
別の態様では、方法は、第1の分離器において廃水を受け取り、廃水の第1の部分を第1の分離器内に保持することと;第2の分離器において、第1の分離器から廃水の第2の部分を受け取ることと;廃水の第2の部分から懸濁固体を除去するために第1の電気凝固ユニットの第1のセルの第1のアノードと第1のカソードとの間に第1の電圧差を発生させることと;第2の分離器内の第1の凝縮器において第1の分離器から第1の蒸気を受け取ることと;第1の蒸気からの熱を廃水の第2の部分に伝達し、それによって第1の蒸気を第1の液体に凝縮することと;第2の分離器内の第1の加熱要素を使用して熱を生成することと;廃水の第2の部分に熱を伝達することであって、第1の蒸気からの熱および加熱要素からの熱は、廃水の第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって第2の分離器内に第2の蒸気を形成する、ことと;第2の蒸気を第1の分離器内の第2の凝縮器に供給することと、を含む。
【0011】
この方法は、第2の凝縮器において第2の蒸気を受け取ることと;第2の蒸気からの熱を廃水の第1の部分に伝達し、それによって第2の蒸気を第2の液体に凝縮することと、を含むことができる。この方法は、廃水の第1の部分から懸濁固体を除去するために、第2の電気凝固ユニットの第2のセルの第2のアノードと第2のカソードとの間に第2の電圧差を発生させることを含むことができる。この方法は、マグネトロンを使用してマイクロ波を生成することと;マイクロ波の少なくとも一部を廃水の第2の部分に向けることにより、廃水の第2の部分を加熱することと、を含むことができる。
【0012】
この方法は、第2の分離器に結合された少なくとも1つの第1の圧力センサを用いて、第2の分離器内の第2の蒸気の圧力を測定することを含むことができる。この方法は、第1の分離器に結合された少なくとも1つの第2の圧力センサを用いて、第1の分離器内の第1の蒸気の圧力を測定することを含むことができる。この方法は、第2の分離器内に配置された第1のデミスタを用いて、第2の蒸気中に同伴された液滴を除去することを含むことができる。この方法は、第1の分離器内に配置された第2のデミスタを用いて、第1の蒸気中に同伴された液滴を除去することを含むことができる。
【0013】
さらに別の態様では、システムは、廃水を受け取り、廃水の第1の部分を保持し、廃水の第1の部分を第1の蒸気および第1の固体物質に分離するように構成された第1の分離器を含み、第1の分離器は、第1の凝縮器および第1の電気凝固ユニットを含む。第1の分離器は、加熱要素を含むこともできる。
【0014】
以下の特徴の1つ以上を、任意の実現可能な組み合わせで含めることができる。システムは、第1の分離器と流体連通している第2の分離器をさらに含むことができ、第2の分離器は、第1の分離器から廃水の第2の部分を受け取り、廃水の第2の部分を第2の蒸気および第2の固体物質に分離するように構成される。第2の分離器は、第1の分離器と流体連通している第2の凝縮器を含むことができ、第2の凝縮器は、第1の分離器から第1の蒸気を受け取り、第1の蒸気からの熱を廃水の第2の部分に伝達し、それによって第1の蒸気を第1の液体に凝縮するように構成される。第2の分離器は、熱を生成し、その熱を廃水の第2の部分に伝達するように構成された加熱要素をさらに含むことができ、第1の蒸気からの熱および加熱要素からの熱は、廃水の第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって第2の分離器内に第2の蒸気を形成する。第2の分離器は、廃水の第2の部分と接触する第1のアノードおよび第1のカソードを含む少なくとも1つの第1の電気凝固セルを有する第2の電気凝固ユニットをさらに含むことができ、少なくとも1つの第1の電気凝固セルは、廃水の第2の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された懸濁固体は、第2の固体物質の少なくとも一部を形成する。
【0015】
このシステムは、合計n個の分離器(nは自然数である;n≧2)を含むことができ、第iの分離器(iは任意の自然数である;2≦i≦n)については、第iの分離器は、第(i-1)の分離器と連通し、第iの分離器は、第(i-1)の分離器から廃水の第iの部分を受け取り、廃水の第iの部分を第iの蒸気および第iの固体物質に分離するように構成され、第iの分離器は、第iの凝縮器および第iの電気凝固ユニットを含む。第nの分離器は、熱を生成し、その熱を廃水の第nの部分に伝達するように構成された加熱要素を含むことができ、第(n-1)の蒸気からの熱および加熱要素からの熱は、廃水の第nの部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって第nの分離器内に第nの蒸気を形成する。第nの分離器は、マイクロ波を生成し、マイクロ波の少なくとも一部を第nの分離器内の廃水の第nの部分に向け、それによって廃水の第nの部分を加熱するように構成されたマグネトロンをさらに含むことができる。第1~第nの分離器のうちの少なくとも1つは、蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されたデミスタを含むことができる。
【0016】
システムは、第1の分離器と流体連通している予備分離器をさらに含むことができ、予備分離器は、廃水を受け取り、不溶固体物質を廃水から分離し、不溶固体物質を廃水から除去し、廃水を第1の分離器に供給するように構成される。予備分離器は、ハイドロサイクロンであり得、ハイドロサイクロンは、受け取られた廃水をハイドロサイクロンの内面の周りに接線方向に向け、それによって受け取られた廃水に作用して受け取られた廃水から不溶性固体物質を分離する反応性遠心力を発生するように構成される。
【0017】
1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されたときに、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書中の動作を実行させる命令を格納する、非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)についても説明する。同様に、1つ以上のデータプロセッサと、1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリと、を含むことができるコンピュータシステムについても説明する。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を実行させる命令を一時的または永続的に格納することができる。さらに、方法は、単一のコンピューティングシステム内にあるか、または2つ以上のコンピューティングシステム間に分散された、1つ以上のデータプロセッサによって実施することができる。このようなコンピューティングシステムは、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワーク等)を介した接続を含む、1つ以上の接続を介して、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続等を介して、接続され、データおよび/もしくはコマンドまたは他の命令等を交換することができる。
【0018】
本明細書に記載される主題の1つ以上の変形の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。本明細書に記載される主題の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】スペントウォッシュを処理するために使用することができる処理システムの例示的な実施形態のブロック図である。
【
図2】スペントウォッシュを処理するために使用することができる処理システムの別の例示的な実施形態の詳細図である。
【
図3】
図2に示す処理システムの予備分離器およびシステムの拡大図である。
【
図4】
図2に示す処理システムの主要分離器容器の拡大図である。
【
図5】
図2に示す処理システムの二次分離器容器の拡大図である。
【
図6】廃水処理システムの別の例としての実施形態を示す。
【
図7】4つの分離器を有する分離器システムの拡大図を示す。
【
図8】本発明の主題のいくつかの態様による例としての実施形態の仕様を示す表である。
【
図9】石油精製施設で実装される本発明の主題の例としての実施形態を示す。
【
図10】石油精製施設で実装される本発明の主題の例としての実施形態を示す。
【
図11】石油精製施設で実装される本発明の主題の例としての実施形態を示す。
【
図12】石油精製施設で実装される本発明の主題の例としての実施形態を示す。
【
図13】複数のダイジェスターが、本発明の主題による廃水処理システムに投入され得る、スペントウォッシュなどの廃水を地上タンクに供給することができることを示すプロセスフロー図である。
【
図14】例としての実施形態による例としての加熱要素および関連寸法を示す。
【
図15】例としての実施形態による例としての加熱要素および関連寸法を示す。
【
図16】例としての実施形態による例としての加熱要素および関連寸法を示す。
【
図17】追加のユニットを追加することによって任意の必要な処理能力に調整することができるモジュール式処理システムを示す。
【
図18】追加のユニットを追加することによって任意の必要な処理能力に調整することができるモジュール式処理システムを示す。
【
図19】追加のユニットを追加することによって任意の必要な処理能力に調整することができるモジュール式処理システムを示す。
【
図20】追加のユニットを追加することによって任意の必要な処理能力に調整することができるモジュール式処理システムを示す。
【
図21】追加のユニットを追加することによって任意の必要な処理能力に調整することができるモジュール式処理システムを示す。
【0020】
〔詳細な説明〕
ここで、本明細書に開示されるシステム、装置、および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態の1つ以上の例が添付図面に示されている。本明細書に具体的に記載され、添付図面に示されるシステム、装置、および方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められることを当業者は理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような変更および変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本開示では、実施形態の類似の名称の構成要素は一般に類似の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、類似の名称の各構成要素の各特徴は必ずしも完全には詳述されていない。
【0021】
上述のように、スペントウォッシュは、蒸留アルコール生成から生じる副産物である。スペントウォッシュは酸性で、生化学的酸素要求量(BOD)および化学的酸素要求量(COD)が高い。石油精製所などの産業プロセスで発生する他の廃水流も同様に酸性であり得、かつ/または、高いBODおよびCODを有し得る。廃水が未処理のまま環境中に放出されると、酸性度を高め、溶存酸素を消費することで水源を汚染する場合があり、これにより、水生生物および他の生物を危険にさらす可能性がある。本発明の主題は、廃水からの栄養素をより安全に利用できるように、BODおよびCODが高い廃水を処理することに関する。一実施形態では、廃水処理システムが提供される。廃水処理システムは、直列に結合された分離器容器のアレイを含むことができる。分離器容器のアレイは、蒸留および電気凝固プロセスの組み合わせを用いて、廃水の固体部分および液体部分を分離するように構成することができる。蒸留および電気凝固プロセスは、最小限の可動部で機能することができ、それによって、処理システムの単純化されたデザインを容易にする。廃水を固体部分と液体部分に分離することで、各部分がさらに容易に管理され得る。例えば、廃水からの固体物質を肥料として使用することができる。廃水の液体部分を処理することができる。
【0022】
本発明の主題は、所与の段階で液体を蒸発/分離するのに使用される熱を加熱または補充するために前の段階の出力ストリームを使用する、蒸発器/分離器のカスケードを含むことができる。前の段階の出力を熱源として使用することにより、熱エネルギーを再利用することができ、よって、システムのエネルギー需要およびコストを低減させる。エネルギー需要が低いため(例えば、より高い効率)、以前は実現不可能であったいくつかの適用に蒸発器を利用することができる。
【0023】
図1は、使用済み廃棄物または石油精製所から出力された廃棄物などの廃水を処理するように構成され得る処理システム100の一例を示す。図示の例では、処理システム100は、廃水を処理するように構成されたダイジェスター102と、廃水の液体部分と固体部分とを分離するように構成され得る分離器システム104とを含む。最初に、ポンプ106が、廃水108をダイジェスター102から受け取り、廃水109を予備分離器110にポンプで送る。予備分離器110は、不溶性固体物質の一部112を廃水109から分離するように機能する。いくつかの実施形態では、予備分離器110は、求心力と流体抵抗との比率に基づいて、廃水中の固体を分類、分離、および/または選別するように構成することができる。例示的な実施形態では、予備分離器110は、ハイドロサイクロンとすることができる。ハイドロサイクロンは、廃水109を受け取り、入ってくる廃水109をハイドロサイクロンの円筒状または円錐状の表面の周りに接線方向に向け、それによって、ハイドロサイクロン内の廃水に作用する反応性遠心力を発生するように構成され得る。反応性遠心力は、廃水の成分を密度に基づいて分離させることができる。例えば、より高濃度の固体物質を含有する部分のような、廃水のより高密度の成分を、より高濃度の液体を含有する廃水の部分のような、廃水のより低密度の部分から分離することができる。
【0024】
図示の例では、予備分離器110は、主に固体物質を含有する廃水109の部分112を固体貯蔵容器114に供給することができる。予備分離器110は、廃水109の残りの部分116を分離器システム104に供給することができる。廃水の残りの部分116は、予備分離器110に入った廃水109よりも低い濃度の固体物質を含有することができる。
【0025】
分離システム104は、廃水の一部116を受け取ることができ、蒸留および凝集プロセスの組み合わせを使用して、廃水の固体および液体を分離することができる。分離器システム104は、廃水の固体部分118および液体部分120をそれぞれ固体貯蔵容器114および液体貯蔵容器122に提供することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、処理システム100は、処理システム100の動作状態を監視するように構成されたセンサを含むことができる。例えば、処理システム100は、処理システム100全体の様々な場所に配置することができる流量計、圧力計、温度センサ、pH計などを含むことができる。処理システムはまた、処理システムの動作を容易にするように構成された様々な機能構成要素を含むことができる。例えば、処理システム100は、ポンプ、ブロワー、弁、および電気凝固装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、処理システム100のセンサおよび機能構成要素は、コントローラ124によって監視および/または制御することができる。例えば、コントローラ124は、センサによって提供される動作状態を監視することができ、動作値(operating values)が所望の限度内に維持されることを確実にするために機能構成要素の動作を調整することができる。
【0027】
図2は、廃水を処理するように構成することができる処理システム200の例示的な実施形態の詳細図を示す。
図2に示すように、処理システム200は、ダイジェスター202、ポンプ206、予備分離器210、および分離器システム204を含むことができ、分離器システムは、主要分離器容器240および二次分離器容器242を含む。ダイジェスター202は、予備分離器210および分離器システム204への送達に先立って廃水を処理するように構成することができる。例えば、ダイジェスター202は、廃水内の固体を切断し、廃水を混合して固体成分および液体成分の均一な分布を確保するように構成することができる。ポンプ206は、ダイジェスター202から廃水を受け取り、予備分離器210および分離器システム204に処理すべき廃水を供給するように構成することができる。予備分離器210および分離器システム204は、廃水混合物を固体部分および液体部分に分離し、固体部分および液体部分をそれぞれ固体貯蔵容器214および液体貯蔵容器222に提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、処理システム200は、以下により詳細に記載されるように、センサデータを監視し、センサデータに基づいて処理システム200の動作を調整するように構成され得るコントローラ224を含むことができる。
【0028】
図2に示すように、処理システム200は、例えば、流量計226および水素イオン指数(pH)計228などのセンサを含むことができ、これらのセンサは、ダイジェスター202とポンプ206との間の流路208に沿って配置される。本明細書に記載されるように、流路(例えば、流路208)は、パイプ、チューブ、フローチャネルなどであり得る。流量計226は、ポンプ206に送達される廃水の量および/または流量を測定するように構成することができる。pH計228は、ポンプ206に送達される廃水の酸性度の値を測定するように構成することができる。処理システム200はまた、流路208に沿ってダイジェスター202とポンプ206との間に配置された弁225を含むことができる。弁225は、ダイジェスター202からポンプ206への廃水の流れを制御するように構成することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、処理システム200は、圧力解放弁230を含むことができ、圧力解放弁は、ダイジェスター202とポンプ206との間で流路208に結合される。圧力解放弁230は、ダイジェスター202とポンプ206との間の廃水の圧力が所定値を超えると自動的に開くように構成することができる。圧力解放弁230が開いているとき、流路208は、圧力解放流路232と流体連通することができ、それによって、廃水は、ダイジェスター202とポンプ206との間の流路208から圧力解放流路232に流れることができる。
【0030】
図3は予備分離器210と分離器システム204の拡大図を示す。予備分離器210は、廃水混合物から不溶性固体物質の一部を分離するように機能する。いくつかの実施形態では、予備分離器210は、求心力と流体抵抗との比率に基づいて、廃水中の固体を分類、分離、および/または選別するように構成することができる。例示的な実施形態では、予備分離器210は、ハイドロサイクロンとすることができる。
図3に示すように、予備分離器210は、レベル計234と、圧力計236と、温度センサ238とを含むことができる。レベル計234は、予備分離器210内の廃水の量を測定するように構成することができる。温度センサ238および圧力計236は、それぞれ予備分離器210内の廃水の温度および圧力を測定するように構成することができる。図示の例では、予備分離器210は、主に不溶性固体物質を含有し得る廃水の部分をポンプ(例えばオーガーまたはスクリュー)231に供給することができる。いくつかの実施形態では、予備分離器210は、弁233(例えば、ボール弁)を含むことができ、この弁は、予備分離器210からポンプ231への流れを制御するように構成することができる。弁233は、コントローラ224と電子通信することができ、コントローラ224は弁233の動作を制御できる。ポンプ231は、固体物質を圧縮ユニット229に供給することができ、この圧縮ユニットは、固体廃棄物を圧縮して固体貯蔵容器214に送達するように構成することができる。いくつかの実施形態では、圧力解放弁230は、
図2に示すように、圧縮ユニット229と固体貯蔵容器214との間に配置することができる。
【0031】
圧力解放弁230は、固体物質が圧縮ユニット229内で所定の圧力まで圧縮されたときに自動的に開くように構成することができる。予備分離器210は、廃水の残りの部分を別の流路216を介して分離器システム204に供給することができる。弁244aを予備分離器210と分離器システム204との間に配置することができる。弁244aは、二次分離器容器242の入口270に結合することができ、予備分離器210と分離器システム204との間の廃水混合物の流れを制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ブロワー272は、入口270に隣接する二次分離器容器242に結合され得る。
【0032】
分離システム204システムは、蒸留および電気凝固(EC)プロセスの組み合わせを使用して、廃水の液体部分および固体部分を分離するように構成することができる。図示の例では、分離器システム204は、主要分離器容器240および二次分離器容器242を含む。二次分離器容器242は、予備分離器210から廃水混合物を受け取るように構成することができる。二次分離器容器242は、主要分離器容器240と流体連通することができる。弁244cは、主要分離器容器240と二次分離器容器242との間に配置することができる。弁244cは、主要分離器容器240と二次分離器容器242との間の廃水混合物の流れを制御するように構成することができる。このため、二次分離器容器に送達された廃水も主要分離器容器240に流入することができる。二次分離器容器242については、以下でさらに詳細に説明する。
【0033】
図4は、主要分離器容器240の拡大図を示す。図示の例に示すように、主要分離器容器240は、本体246を含むことができ、この本体は、入口248を介して二次分離器242から廃水混合物を受け取るように構成することができる。入口248は、
図3~
図4に示すように、弁244cに結合され得る。主要分離器容器240の本体246はまた、加熱要素250、マグネトロン252、デミスタ254、凝縮器256、および電気凝固(EC)ユニット258を含むことができる。
【0034】
加熱要素250およびマグネトロン252は、廃水の液体部分が蒸発するように、本体246内にある廃水混合物を加熱するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、加熱要素250は、熱を生成し、廃水混合物の一部が蒸発するように、熱の少なくとも一部を廃水混合物に伝達するように構成することができる。いくつかの実施形態では、加熱要素250は、例えば、廃水処理システム204内またはその近くに位置する別の産業プロセスから調達することができる。例えば、冷却される必要がある石油精製プロセスの出力ストリームは、廃水処理システム204を通して循環され、熱源として使用され得る。いくつかの実施形態では、加熱要素250は、(例えば、加熱要素250を通過する電流が加熱要素250の温度を上昇させるような高い抵抗を有する)電気加熱要素を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、加熱要素250は、加熱のための他の手段を含むことができる。例えば、加熱要素250は、産業廃棄物プロセスおよび/またはガス炉によって生成されるような高温または低温の液体を循環させるパイプを含むことができる。いくつかの実施形態では、加熱源は、産業プロセスおよび/またはガス炉を含むことができ、液体を加熱要素250に供給することができる。他の実施形態では、加熱要素250は、赤外線吸収材料の層を含むことができ、加熱源は、赤外線が加熱要素250に衝突するように配置された赤外線源を含むことができる。この赤外線の衝突により、加熱要素250の温度を上昇させることができる。いくつかの実施形態では、太陽光を加熱源として使用することができる。他の実施形態では、加熱要素250は、電磁吸収材料の層を含むことができ、加熱源140は、容器105内に配置された電磁発電機を含むことができる。
【0036】
マグネトロン252は、マイクロ波を生成し、マイクロ波の少なくとも一部を本体246内の廃水混合物に向けるように構成することができる。いくつかの実施形態において、マグネトロン252によって生成されるマイクロ波は、廃水混合物、および廃水混合物から形成される蒸気を加熱することができる。一例として、マグネトロン252は、電子の流れと磁場との間の相互作用を用いてマイクロ波を生成するように構成された真空管であってもよく、または真空管を含んでもよい。電子は、マグネトロン252の金属空洞内の開口部付近を通ることができ、これにより、空洞内でマイクロ波を含む電波を振動させることができる。生成されるマイクロ波の周波数は、空洞の物理的寸法によって決定される。加熱要素250およびマグネトロン252は、コントローラ224と電子通信することができる。コントローラ224は、加熱要素250およびマグネトロン252に電力を供給し、その動作を制御することができる。
【0037】
凝縮器256は、二次分離器容器242内の廃水から形成された蒸気などの蒸気を受け取り、蒸気を凝縮して液体を形成し、(
図2に示す)流路262を介して液体貯蔵容器222に液体を送達するように構成することができる。いくつかの実施形態では、凝縮器256と流体連通しているブロワー264は、蒸気を、二次分離器容器242から流路268を介して凝縮器256に送ることができる。凝縮器256内の蒸気から熱を抽出することができ、蒸気を凝縮させて液体を形成する。凝縮器内の蒸気から抽出された熱は、主要分離器容器240内の廃水混合物および/または主要分離器容器240内の廃水混合物から形成された蒸気に伝達することができる。
【0038】
デミスタ254は、本体246内の廃水混合物の所定の最大レベルまたは高さより上に配置することができる。デミスタ254は、廃水混合物から形成された蒸気に同伴された液滴を除去するように構成することができる。一例として、デミスタ254は、同伴液体が蒸気から分離できるように、同伴液体を小滴に凝集させるように構成されたメッシュ型コアレッサー(mesh-type coalesce)、ベーンパック(vane pack)、または他の構造体とすることができる。デミスタによって捕捉された小滴は、ECユニット258に向かって降下し、主要分離器容器240内で液体および固体を含む廃水混合物と再結合することができる。主要分離器容器240内で発生した蒸気は、流路266を介して二次分離器容器の凝縮器257に供給することができる。
【0039】
ECユニット258は、廃水混合物から懸濁固体および乳化油を除去するように構成することができる。ECユニット258は、廃水混合物からの懸濁固体の除去を可能にする、いくつかのECセル260を含むことができる。ECセル260はまた、エマルジョンを破壊し、廃水混合物からの重金属を酸化および根絶するために機能することができる。各ECセル260は、アノードおよびカソードを含むことができる。ECセル260を含むECユニット258は、直流電源を含むコントローラ224に結合することができる。コントローラ224は、カソードが負に帯電するようにアノードとカソードとの間に電圧差を印加することができる。この電圧差は、金属イオン(例えばカチオン)がアノードから廃水中に放出され得るように、アノードの酸化を引き起こし得る。金属イオンは、廃水混合物内の粒子の電荷を中和することができ、それによって凝固を引き起こす。電圧差の大きさは、アノードの酸化速度を決定し、それによって、廃水混合物内の凝固粒子の速度を決定することもできる。例えば、金属イオンは、化学反応および沈殿によって、および/または廃水混合物中のコロイドを合体させることによって、望ましくない汚染物質の除去を可能にすることができる。さらに、カソードの表面上で、廃水混合物中の水は、水素ガスおよび水酸化物イオンに加水分解され得る。電子は自由に流れて、廃水混合物中の懸濁固体および乳化油上の表面電荷を不安定にし得る。金属イオンは、水酸化物イオンと結合し、凝固剤として機能し得る高分子金属水酸化物を形成することができる。金属水酸化物は、廃水混合物中の懸濁固体および乳化油を捕捉することができる。
【0040】
図示の例では、主要分離器容器240は、凝固した汚染物質をポンプ231に送達することができる。
図4に示すように、主要分離器容器240は、弁243(例えば、ボール弁)を含むことができ、この弁は、主要分離器容器240からポンプ231への流れを制御するように構成することができる。弁243は、コントローラ224と電子通信することができ、コントローラ224が弁243の動作を制御し得る。ポンプ231は、凝固した汚染物質を(
図2に示す)圧縮ユニット229に送達するように構成することができる。圧縮ユニット229は、凝固した汚染物質を圧縮し、圧縮された凝固した汚染物質を固体貯蔵容器214に送達することができる。
【0041】
図3~
図4に示すように、主要分離器容器240はまた、圧力計237、温度センサ239、241、およびレベル計235を含むことができる。圧力計237は、主要分離器容器240内の廃水混合物および/または蒸気の圧力を測定するように構成することができる。温度センサ239、241は、主要分離器容器240内の温度を測定するように構成することができる。レベル計235は、主要分離器容器240内の廃水の量を測定するように構成することができる。圧力計237、温度センサ239、241、およびレベル計235は、コントローラ224に電気的に結合することができる。圧力計237、温度センサ239、241、およびレベル計235は、コントローラ224にデータを提供するように構成することができる。コントローラ224は、圧力計237、温度センサ239、241、およびレベル計235からのデータを監視するように構成することができる。
【0042】
運転中、主要分離器容器240内の廃水混合物からの蒸気は、流路266を介して二次分離器容器242に送達され得る。
図5は、二次分離器容器242の拡大図を示す。図示の例に示すように、二次分離器容器242は本体253を含むことができる。本体253は、主要分離器容器240および予備分離器210と流体連通することができる。二次分離器容器242の本体253は、凝縮器257と、ECユニット259と、デミスタ255とを含むことができる。
【0043】
ブロワー265は、蒸気を主要分離器容器240から流路266を介して吸引することができ、蒸気を凝縮器257に供給することができる。凝縮器257は、主要分離器容器240から蒸気を受け取り、蒸気を凝縮して液体を形成し、(
図2に示す)流路262を介して液体貯蔵容器222に液体を送達するように構成することができる。凝縮器257内の蒸気から熱を抽出することができ、蒸気を凝縮させて液体を形成する。凝縮器257内の蒸気から抽出された熱は、二次分離器容器242内の廃水混合物および/または二次分離器容器242内の廃水混合物から形成された蒸気に伝達することができる。二次分離器容器242内の廃水に伝達される熱は、廃水の一部を蒸発させることができる。上述したように、
図3~
図4に示すブロワー264は、二次分離器容器242から流路268を介して一次分離器容器内の凝縮器256に蒸気を送り込むことができる。
【0044】
ECユニット259は、本明細書に記載されるように、一般に、ECユニット258と同様に機能することができる。ECユニット259は、廃水混合物から懸濁固体および乳化油を除去するように構成することができる。ECユニット259は、廃水混合物からの懸濁固体の除去を容易にする、いくつかのECセル261を含むことができる。ECセル261はまた、ECセル260に関して上述したように、エマルジョンを破壊し、廃水混合物からの重金属を酸化および根絶するように機能することができる。図示の例では、二次分離器容器242は、凝固した汚染物質をポンプ231に送達することができる。
図5に示すように、二次分離器容器242は、弁245(例えば、ボール弁)を含むことができ、この弁は、二次分離器容器242からポンプ231への流れを制御するように構成することができる。弁245は、コントローラ224と電子通信することができ、コントローラ224が弁245の動作を制御できる。ポンプ231は、凝固した汚染物質を(
図2に示す)圧縮ユニット229に送達するように構成することができる。圧縮ユニット229は、凝固した汚染物質を圧縮し、圧縮された凝固した汚染物質を固体貯蔵容器214に送達することができる。
【0045】
図5に示すように、二次分離器容器242はまた、圧力計247、温度センサ249、251、および本体253に結合され得るレベル計263を含むことができる。圧力計247は、二次分離器容器242内の廃水混合物および/または蒸気の圧力を測定するように構成することができる。温度センサ249、251は、二次分離器容器242内の温度を測定するように構成することができる。レベル計263は、二次分離器容器242内の廃水の量を測定するように構成することができる。圧力計247、温度センサ249、251、およびレベル計263は、コントローラ224に電気的に結合することができる。圧力計247、温度センサ249、251、およびレベル計263は、コントローラ224にデータを提供するように構成することができる。コントローラ224は、圧力計247、温度センサ249、251、およびレベル計263からのデータを監視するように構成することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ガスの混合物をプロセスから収集し、かつ/または再利用することができる。例えば、ガス収集ユニット、化学タンク、および/またはボイラー用燃料など。
【0047】
いくつかの実施形態では、細菌除去ユニットを、ハイドロサイクロン210の下流に含めることができる。細菌除去ユニットは、ストリームを処理して、例えば紫外線または別の手段を介して、細菌を除去することができる。
【0048】
図6は、廃水処理システム600の別の例としての実施形態を示す。この例としての実施形態では、廃水処理システム600は、効率を改善するためにカスケード接続された4つの二次分離器を含む。
図7は、4つの二次分離器を有する分離器システム204の拡大図を示す。
【0049】
分離器システム204システムは、蒸留および電気凝固(EC)プロセスの組み合わせを使用して、スペントウォッシュの液体部分および固体部分を分離するように構成することができる。図示の例では、分離器システム204は、主要分離器容器240と、一連の二次分離器容器242a、242b、242c、242dとを含む。主要分離器容器240は、一連の二次分離器容器242a、242b、242c、242dに流体連結することができる。二次分離器容器242a、242b、242c、242dのそれぞれは、隣接する二次分離器容器242a、242b、242c、242dと流体連通することができる。弁244bは、各二次分離器容器242a、242b、242c、242dの間に配置することができる。弁244bは、二次分離器容器242a、242b、242c、242dの間のスペントウォッシュ混合物の流れを制御するように構成することができる。弁244cは、主要分離器容器240と隣接する二次分離器容器242aとの間に配置することができる。弁244cは、主要分離器容器240と二次分離器容器242との間のスペントウォッシュ混合物の流れを制御するように構成することができる。
【0050】
図8は、本発明の主題のいくつかの態様による例としての実施形態の仕様を示す表である。
図8の表は、本発明の主題のいくつかの態様および各部分の例示的な仕様に従って、5つの分離器容器(例えば、主要分離器と4つの二次的分離器)を有する例示的な処理システムを実施するためのいくつかの機械的、電気的、および電子的構成要素を列挙している。例えば、分離器容器(清浄器として列挙されている)は軟鋼材料から作られてもよく、各吸引ブロワーは30~40m
3/時の流量能力を有してもよく、加熱要素はそれぞれ5kWの出力電力を有してもよい。本開示は、この例示的な仕様に限定されず、処理システムは、処理能力、処理のための液体および固体物質の種類などのような種々の設計考慮事項に基づいて設計されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、分離器容器は、2018年5月18日に公開された米国特許出願公開第2018/0134578号に記載されているものと同様に配置することができ、その内容全体を参照により本明細書に明示的に組み込む。
【0052】
本明細書に記載される主題は、糖蜜またはスペントウォッシュ施設内での適用に限定されるものではなく、石油およびガス精製所のような高いBODおよび/またはCODを有する任意の液体廃棄物に適用することができる。追加の適用例としては、酸性鉱山排水、バラスト水、浴室廃棄物、黒水(石炭)、黒水(廃棄物)、ボイラーブローダウン、塩水、複合下水管、冷却塔、冷却水、糞便スラッジ、グレーウォーター、浸透/流入物、産業排水、イオン交換、浸出液、肥料、製紙、戻り流、逆浸透、衛生下水管、浄化槽内の汚物、下水、下水汚泥、都市排水などの分野が挙げられる。
【0053】
さらに、本発明の主題は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上などの任意の数のカスケード接続された分離器を含むことができる。ここで、各分離器の参照は、分離器の順序、または分離器の上流-下流の関係を記述するものではない。例えば、二次分離器を第1の分離器と称することができ、主要分離器を第2の分離器と称することができる。任意の数のカスケード接続された分離器を有する構成の場合、システムは、合計n個の分離器(nは自然数である;n≧2)を含むことができ、第iの分離器(iは任意の自然数である;2≦i≦n)の場合、第iの分離器は、第(i-1)の分離器と連通し、第iの分離器は、第(i-1)の分離器から廃水の第iの部分を受け取り、廃水の第iの部分を、第iの蒸気および第iの固体物質に分離するように構成され、第iの分離器は、第iの凝縮器および第iの電気凝固ユニットを含む。第nの分離器は、熱を生成し、その熱を廃水の第nの部分に伝達するように構成された加熱要素を含むことができ、第(n-1)の蒸気からの熱および加熱要素からの熱は、廃水の第nの部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって第nの分離器内に第nの蒸気を形成する。さらにまたは代替的に、第nの分離器は、マイクロ波を生成し、マイクロ波の少なくとも一部を第nの分離器内の廃水の第nの部分に向け、それによって廃水の第nの部分を加熱するように構成されたマグネトロンをさらに含むことができる。第1~第nの分離器の少なくとも1つまたは全ては、蒸気内に同伴された液滴を除去するように構成されたデミスタを含むことができる。
【0054】
図9~
図12は、石油精製施設で実施される本発明の主題の例としての実施形態を示す。
図9は、本開示による廃水処理システムの例としての実施形態の概要を示す。
図9を参照すると、5つの分離器容器901をダイジェスター902の近傍に配置することができる。ダイジェスター902から供給された廃水は、分離器容器901内で処理および分離してもよい。処理後、固体部分および液体部分を、固体貯蔵容器903および液体貯蔵容器904それぞれに貯蔵してもよい。
図10は、説明のために内部構成要素を示す分離器容器の拡大図である。
図11および
図12は、分離器容器、それらの支持システム、および流体接続ラインを、2つの異なる視角から示す。
【0055】
図13は、複数のダイジェスターが、本発明の主題による廃水処理システムに投入され得る、スペントウォッシュなどの廃水を地上タンクに供給することができることを示すプロセスフロー図である。システムの出力は、例えばガス収集ユニット、化学タンク、および/またはボイラー用燃料を介して収集および/または再利用することができる、生産水ならびにガスの混合物を含むことができる。
【0056】
図14~
図16は、例としての実施形態による、例としての加熱要素および関連する寸法を示す。
図14に示すように、複数の加熱要素を単一の分離器内に配置して、必要な加熱電力を得ることができる。特に、複数の加熱要素は、直列または並列に電気的に接続されてもよい。各加熱要素は、分離器のサイズに基づいて、
図15および
図16に示すように、適切な寸法を有することができる。
【0057】
図17~
図21は、追加のユニットを追加することによって任意の必要な処理能力に調整することができるモジュール式処理システムを示す。図示されたモジュール式処理システムは、ハイドロサイクロンから下流に細菌除去ユニット1705を含む。
【0058】
上記では、いくつかの変形例を詳細に説明したが、他の変更または追加も可能である。
【0059】
本明細書に記載される主題の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムにおける実装を含むことができ、このプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信するように、かつこれらにデータおよび命令を送信するように結合された特殊または汎用のプログラム可能なプロセッサである。プログラム可能なシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に互いに離れており、通常、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバの関係は、各コンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0060】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ばれ得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラム可能なプロセッサのためのマシン命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、機能プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/またはアセンブリ/マシン言語で実装することができる。本明細書で使用される場合、用語「機械可読媒体」は、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、器具および/または装置、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブル論理装置(PLD)を指し、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む。用語「機械可読信号」は、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的固体メモリまたは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体と同様に、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または追加的に、例えば、1つ以上の物理プロセッサコアに関連するプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリなどと同様に、一時的に、そのような機械命令を格納することができる。
【0061】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載される主題の1つ以上の態様または特徴は、ユーザに情報を表示するための例えば陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)モニタのような表示装置、ならびに、ユーザがコンピュータに入力を提供することができる、キーボードおよびポインティングデバイス、例えばマウスまたはトラックボール、を有するコンピュータ上で実施することができる。他の種類の装置を使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックのような任意の形態の感覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響的、音声的、または触覚的な入力を含む任意の形式で受信することができる。他の可能な入力装置は、タッチスクリーンまたは他のタッチセンシティブデバイス、例えば、単一点または多点の抵抗性または容量性トラックパッド、音声認識ハードウェアおよびソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイスおよび関連する解釈ソフトウェアなどを含む。
【0062】
上記の説明および特許請求の範囲において、「~のうちの少なくとも1つ」または「~のうちの1つ以上」のような句は、連結的な要素または特徴のリストに続いて生じ得る。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に存在してもよい。使用される文脈によって別段暗黙的または明示的に矛盾しない限り、そのような句は、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に、または列挙された要素または特徴のいずれかを、その他の列挙された要素または特徴のいずれかと組み合わせたものを意味することを意図する。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」および「Aおよび/またはB」という語句は、それぞれ、「A単独、B単独、またはAとBの併用」を意味することを意図している。同様の解釈は、3つ以上の項目を含むリストについても意図されている。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、および「A、Bおよび/またはC」という語句は、それぞれ「A単独、B単独、C単独、AとBの併用、AとCの併用、BとCの併用、またはAとBとCの併用」を意味することを意図している。さらに、上記および特許請求の範囲における「~に基づく」という用語の使用は、記載されていない特徴または要素も許容されるように、「~に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0063】
本明細書に記載の主題は、所望の構成に応じて、システム、器具、方法、および/または物品において具現化することができる。前述の説明に記載される実施形態は、本明細書に記載される主題と一致する全ての実施形態を表すものではない。代わりに、それらは、記載された主題に関連する態様と一致する単なるいくつかの例である。上記では、いくつかの変形例を詳細に説明したが、他の変更または追加も可能である。特に、本明細書に記載されたものに加えて、さらなる特徴および/または変形を提供することができる。例えば、上述の実施形態は、開示された特徴の様々な組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびに/または前記に開示された、いくつかのさらなる特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせに向けることができる。さらに、添付の図面に描かれ、かつ/または本明細書に記載された論理フローは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示された特定の順序または連続した順序を必要としない。他の実施形態は、特許請求の範囲内であり得る。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) システムにおいて、
廃水を受け取り、前記廃水の第1の部分を保持し、前記廃水の前記第1の部分を第1の蒸気および第1の固体物質に分離するように構成された第1の分離器と、
前記第1の分離器と流体連通している第2の分離器と、
を含み、
前記第2の分離器は、前記第1の分離器から前記廃水の第2の部分を受け取り、前記廃水の前記第2の部分を第2の蒸気および第2の固体物質に分離するように構成され、
前記第2の分離器は、
前記第1の分離器と流体連通している第1の凝縮器であって、前記第1の凝縮器は、前記第1の分離器から前記第1の蒸気を受け取り、前記第1の蒸気からの熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達し、それによって前記第1の蒸気を第1の液体に凝縮するように構成されている、第1の凝縮器と、
熱を生成し、前記熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達するように構成された加熱要素であって、前記第1の蒸気からの熱および前記加熱要素からの熱は、前記廃水の前記第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第2の分離器内に前記第2の蒸気を形成する、加熱要素と、
前記廃水の前記第2の部分と接触する第1のアノードおよび第1のカソードを含む少なくとも1つの第1の電気凝固セルを有する第1の電気凝固ユニットであって、前記少なくとも1つの第1の電気凝固セルは、前記廃水の前記第2の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された前記懸濁固体は、前記第2の固体物質の少なくとも一部を形成する、第1の電気凝固ユニットと、
を含む、システム。
(2) 前記第1の分離器は、前記第2の分離器と流体連通している第2の凝縮器を含み、前記第2の凝縮器は、前記第2の分離器から前記第2の蒸気を受け取り、前記第2の蒸気からの熱を前記廃水の前記第1の部分に伝達し、それによって前記第2の蒸気を第2の液体に凝縮するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記第1の分離器は、前記廃水の前記第1の部分と接触する少なくとも1つの第2の電気凝固セルを有する第2の電気凝固ユニットを含み、前記少なくとも1つの第2の電気凝固セルは、前記廃水の前記第1の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された前記懸濁固体は、前記第1の固体物質の少なくとも一部を形成する、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記加熱要素および前記第1の電気凝固と電子通信するコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記加熱要素によって生成される熱の量を制御し、前記少なくとも1つの第1の電気凝固セルの前記第1のアノードと前記第1のカソードとの間の第1の電圧差を制御するように構成され、前記第1の電圧差は、前記懸濁固体が前記廃水の前記第2の部分から分離される速度を決定する、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記第2の分離器は、マイクロ波を生成し、前記マイクロ波の少なくとも一部を前記第2の分離器内の前記廃水の前記第2の部分に向け、それによって前記廃水の前記第2の部分を加熱するように構成されたマグネトロンを含む、実施態様4に記載のシステム。
【0065】
(6) 前記第1の分離器と流体連通している予備分離器をさらに含み、前記予備分離器は、前記廃水を受け取り、前記廃水から不溶性固体物質を分離し、前記廃水から前記不溶性固体物質を除去し、前記廃水を前記第1の分離器に供給するように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
(7) 前記予備分離器はハイドロサイクロンであり、前記ハイドロサイクロンは、受け取られた前記廃水を前記ハイドロサイクロンの内面の周りに接線方向に向け、それによって、前記受け取られた廃水に作用して、前記受け取られた廃水から前記不溶性固体物質を分離する反応性遠心力を発生するように構成されている、実施態様6に記載のシステム。
(8) 前記第2の分離器に結合された少なくとも1つの第1の圧力計をさらに含み、前記少なくとも1つの第1の圧力計は、前記第2の分離器内の前記第2の蒸気の圧力を測定するように構成されている、実施態様4に記載のシステム。
(9) 前記第1の分離器に結合された少なくとも1つの第2の圧力計をさらに含み、前記少なくとも1つの第2の圧力計は、前記第1の分離器内の前記第1の蒸気の圧力を測定するように構成されている、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記第2の分離器内に配置された第1のレベル計をさらに含み、前記第1のレベル計は、前記廃水の前記第2の部分の量を測定するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0066】
(11) 前記第2の分離器内に配置された第1のデミスタをさらに含み、前記第1のデミスタは、前記第2の蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(12) 前記第1の分離器内に配置された第2のデミスタをさらに含み、前記第2のデミスタは、前記第1の蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 方法において、
第1の分離器において廃水を受け取り、前記廃水の第1の部分を前記第1の分離器内に保持することと、
第2の分離器において、前記第1の分離器から前記廃水の第2の部分を受け取ることと、
前記廃水の前記第2の部分から懸濁固体を除去するために第1の電気凝固ユニットの第1のセルの第1のアノードと第1のカソードとの間に第1の電圧差を発生させることと、
前記第2の分離器内の第1の凝縮器において前記第1の分離器から第1の蒸気を受け取ることと、
前記第1の蒸気からの熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達し、それによって前記第1の蒸気を第1の液体に凝縮することと、
前記第2の分離器内の第1の加熱要素を使用して熱を生成することと、
前記廃水の前記第2の部分に前記熱を伝達することであって、前記第1の蒸気からの熱および前記加熱要素からの熱は、前記廃水の前記第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第2の分離器内に第2の蒸気を形成する、ことと、
前記第2の蒸気を前記第1の分離器内の第2の凝縮器に供給することと、
を含む、方法。
(14) 前記第2の凝縮器において前記第2の蒸気を受け取ることと、
前記第2の蒸気からの熱を前記廃水の前記第1の部分に伝達し、それによって前記第2の蒸気を第2の液体に凝縮することと、
をさらに含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記廃水の前記第1の部分から懸濁固体を除去するために、第2の電気凝固ユニットの第2のセルの第2のアノードと第2のカソードとの間に第2の電圧差を発生させることをさらに含む、実施態様13に記載の方法。
【0067】
(16) マグネトロンを使用してマイクロ波を生成することと、
前記マイクロ波の少なくとも一部を前記廃水の前記第2の部分に向けることにより、前記廃水の前記第2の部分を加熱することと、
をさらに含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記第2の分離器に結合された少なくとも1つの第1の圧力計を用いて、前記第2の分離器内の前記第2の蒸気の圧力を測定することをさらに含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記第1の分離器に結合された少なくとも1つの第2の圧力計を用いて、前記第1の分離器内の前記第1の蒸気の圧力を測定することをさらに含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第2の分離器内に配置された第1のデミスタを用いて、前記第2の蒸気中に同伴された液滴を除去することをさらに含む、実施態様13に記載の方法。
(20) 前記第1の分離器内に配置された第2のデミスタを用いて、前記第1の蒸気中に同伴された液滴を除去することをさらに含む、実施態様19に記載の方法。
【0068】
(21) システムにおいて、
廃水を受け取り、前記廃水の第1の部分を保持し、前記廃水の前記第1の部分を第1の蒸気および第1の固体物質に分離するように構成された第1の分離器を含み、
前記第1の分離器は、第1の凝縮器および第1の電気凝固ユニットを含む、システム。
(22) 前記第1の分離器と流体連通している第2の分離器をさらに含み、前記第2の分離器は、前記第1の分離器から前記廃水の第2の部分を受け取り、前記廃水の前記第2の部分を第2の蒸気および第2の固体物質に分離するように構成されている、実施態様21に記載のシステム。
(23) 前記第2の分離器は、前記第1の分離器と流体連通している第2の凝縮器を含み、前記第2の凝縮器は、前記第1の分離器から前記第1の蒸気を受け取り、前記第1の蒸気からの熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達し、それによって前記第1の蒸気を第1の液体に凝縮するように構成されている、実施態様21に記載のシステム。
(24) 前記第2の分離器は、熱を生成し、前記熱を前記廃水の前記第2の部分に伝達するように構成された加熱要素を含み、前記第1の蒸気からの熱および前記加熱要素からの熱は、前記廃水の前記第2の部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第2の分離器内に前記第2の蒸気を形成する、実施態様23に記載のシステム。
(25) 前記第2の分離器は、前記廃水の前記第2の部分と接触する第1のアノードおよび第1のカソードを含む少なくとも1つの第1の電気凝固セルを有する第2の電気凝固ユニットを含み、前記少なくとも1つの第1の電気凝固セルは、前記廃水の前記第2の部分から懸濁固体を分離するように構成され、分離された前記懸濁固体は、前記第2の固体物質の少なくとも一部を形成する、実施態様24に記載のシステム。
【0069】
(26) 合計n個の分離器(nは自然数である;n≧2)をさらに含み、
第iの分離器(iは任意の自然数である;2≦i≦n)については、前記第iの分離器は、第(i-1)の分離器と連通し、前記第iの分離器は、前記第(i-1)の分離器から前記廃水の第iの部分を受け取り、前記廃水の前記第iの部分を第iの蒸気および第iの固体物質に分離するように構成され、前記第iの分離器は、第iの凝縮器および第iの電気凝固ユニットを含む、実施態様21に記載のシステム。
(27) 第nの分離器は、熱を生成し、前記熱を前記廃水の第nの部分に伝達するように構成された加熱要素を含み、第(n-1)の蒸気からの熱および前記加熱要素からの熱は、前記廃水の前記第nの部分の少なくとも一部を蒸発させ、それによって前記第nの分離器内に第nの蒸気を形成する、実施態様26に記載のシステム。
(28) 第nの分離器は、マイクロ波を生成し、前記マイクロ波の少なくとも一部を前記第nの分離器内の前記廃水の第nの部分に向け、それによって前記廃水の前記第nの部分を加熱するように構成されたマグネトロンを含む、実施態様26に記載のシステム。
(29) 前記第1~第nの分離器のうちの少なくとも1つは、蒸気中に同伴された液滴を除去するように構成されたデミスタを含む、実施態様26に記載のシステム。
(30) 前記第1の分離器と流体連通している予備分離器をさらに含み、前記予備分離器は、前記廃水を受け取り、不溶固体物質を前記廃水から分離し、前記不溶固体物質を前記廃水から除去し、前記廃水を前記第1の分離器に供給するように構成されている、実施態様26に記載のシステム。
【0070】
(31) 前記予備分離器は、ハイドロサイクロンであり、前記ハイドロサイクロンは、受け取られた前記廃水を前記ハイドロサイクロンの内面の周りに接線方向に向け、それによって前記受け取られた廃水に作用して前記受け取られた廃水から前記不溶性固体物質を分離する反応性遠心力を発生するように構成されている、実施態様30に記載のシステム。
(32) 前記第1の分離器は、加熱要素を含む、実施態様21に記載のシステム。
(33) 本明細書に記載および/または図示されている、器具、システム、物品、および技術。