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特許7376556心臓状態に対するピリミジンジオン化合物
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  • 特許-心臓状態に対するピリミジンジオン化合物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】心臓状態に対するピリミジンジオン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/12 20060101AFI20231031BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231031BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20231031BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20231031BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20231031BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20231031BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231031BHJP
   C07D 239/545 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 239/553 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 401/04 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 401/12 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 403/04 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 403/12 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 405/04 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 413/04 20060101ALN20231031BHJP
   C07D 413/12 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
C07D405/12 CSP
A61K31/513
A61K45/00
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/10
A61P9/12
A61P43/00 121
C07D239/545
C07D239/553 A
C07D401/04
C07D401/12
C07D403/04
C07D403/12
C07D405/04
C07D413/04
C07D413/12
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021186772
(22)【出願日】2021-11-17
(62)【分割の表示】P 2019185576の分割
【原出願日】2014-06-19
(65)【公開番号】P2022036966
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】61/838,088
(32)【優先日】2013-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/939,655
(32)【優先日】2014-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/981,366
(32)【優先日】2014-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515352869
【氏名又は名称】マイオカーディア,インク
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・オスロブ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・オーベラ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エヴァンチック
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・チャールズ・フォックス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ケイン
(72)【発明者】
【氏名】プゥピーン・ルー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・マクドウェル
(72)【発明者】
【氏名】ヘクター・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホン・ソーン
(72)【発明者】
【氏名】アーヴィンダー・シュラン
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-500351(JP,A)
【文献】特開平4-13669(JP,A)
【文献】特開平1-175973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式:
【化1】

[式中、
1は、C~Cアルキル、C3~C5シクロアルキル、フェニルおよび5から6員のヘテロアリールからなる群から選択される構成要素であり、ここで各R1は、場合によって1~3個のRaにより置換されており;
2は、フェニル、フェニル-C1~C4アルキルおよびピリジルからなる群から選択される構成要素であり、ここで各R2は、場合によって1~5個のRbにより置換されており;
3は、C1~C4アルキルおよびC3~C4シクロアルキルからなる群から選択される構成要素であり、ここで各R3は、場合によって1~3個のRcにより置換されており;
4は、Hであり;
Xは、Clであり;
各Raは、ハロ、CN、ヒドロキシル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、フェニル、フェニル-C1~C4アルキル、フェニル-C1~C4アルコキシ、フェノキシ、-CORa1、-CO2a1、-SO2a1、-SO2NRa1a2、および-CONRa1a2からなる群から独立して選択され、ここで各Ra1およびRa2は、H、C1~C4アルキルおよびフェニルからなる群から独立して選択され、または場合によってRa1およびRa2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成しており;
各Rbは、ハロ、CN、ヒドロキシル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、フェノキシ、フェニル-C1~C4アルコキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、-CORb1、-CO2b1、-SO2b1、-SO2NRb1b2、-CONRb1b2、NRb1b2、5から6員のヘテロアリール、および場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで各Rb1およびRb2は、HおよびC1~C4アルキルからなる群から独立して選択され、または場合によってRb1およびRb2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成しており;
各Rcは、ハロ、ヒドロキシルおよびC1~C2アルコキシからなる群から独立して選択される]
の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
が、C~Cアルキル、C3~C5シクロアルキル、フェニル、および5から6員のヘテロアリールからなる群から選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されており;
が、場合によって1~5個のRにより置換されているフェニルであり;
が、C~CアルキルおよびC~Cシクロアルキルからなる群から選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~2個のRにより置換されており;
が、Hであり;
Xは、Clであり;
各Rが、ハロ、CN、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、-CORa1、-COa1、-SOa1、-SONRa1a2、および-CONRa1a2からなる群から独立して選択され、ここで各Ra1およびRa2は、HおよびC~Cアルキルからなる群から独立して選択され、または場合によってRa1およびRa2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成しており;
各Rが、ハロ、CN、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、-CORb1、-COb1、-SOb1、-SONRb1b2、-CONRb1b2、NRb1b2、5から6員のヘテロアリール、および場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで各Rb1およびRb2は、HおよびC~Cアルキルからなる群から独立して選択され、または場合によって Rb1およびRb2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成しており;
各Rが、ハロおよびC~Cアルコキシからなる群から独立して選択される、
請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
が、1~2個のRにより場合によって置換されている、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
が、フェニルおよび5から6員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで各Rは、1~3個のRにより場合によって置換されている、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
が、C~CアルキルおよびC~Cシクロアルキルからなる群から選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
が、シクロブチル、イソプロピル、イソブチル、1-メトキシプロパン-2-イル、シクロペンチル、フェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、3-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリルおよび1-メチル-3-ピラゾリルからなる群から選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
が、1~2個のRにより場合によって置換されている、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
が、フェニル、3-メチルフェニル、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、3-(3-オキサゾリジン-2-オンイル)フェニル、3-(2-メチル-1-イミダジル)フェニル、3-(1-ピラゾリル)フェニル、および3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニルからなる群から選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
が、C~Cアルキル、C~Cアルコキシアルキル、およびC~Cシクロアルキルからなる群から選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
が、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチルおよび2-メトキシメチルからなる群から選択される、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
が、メチルである、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項12】
が、イソプロピルであり;Rが、1~2個のRにより場合によって置換されており;Rが、メチルである、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項13】
が、フェニルおよび5から6員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで各Rは、1~3個のRにより場合によって置換されており;Rが、1~2個のRにより場合によって置換されており;Rが、メチルである、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される添加剤を含んでいる、医薬組成物。
【請求項15】
下式:
【化2】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む、医薬組成物。
【請求項16】
下式:
【化3】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、それぞれが全体として参照により本明細書に組み込まれている2013年6月21日に出願した米国仮出願第61/838,088号、および2014年2月13日に出願した米国仮出願第61/939,655号、および2014年4月18日に出願した米国仮出願第61/981,366号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張する出願である。
【0002】
合衆国政府の助成による研究開発に基づいてなされた発明に対する権利に関する陳述
適用されない。
【背景技術】
【0003】
ジェネティックな(遺伝性の)肥大型心筋症(HCM)は、高度に浸透性の、一遺伝子性の、常染色体優性の心筋症の一群を含む。HCMは、心筋の機能単位、筋節、に寄与する構造タンパク質遺伝子のうちのいずれか1つにおける1,000を超える既知の点突然変異の1つまたはそれ以上によって引き起こされる。母集団における500個体の内の約1個体が、他の既知原因(例えば、高血圧症または弁膜症)によっては説明されない左室肥大を有することが見出され、これらの多くは、他の遺伝性(例えば、リソソーム蓄積症)の、代謝性のまたは浸潤性の原因が除外されればHCMを有すると示され得る。
【0004】
HCMを引き起こす筋節遺伝子突然変異は、高度に浸透性であるが、臨床的重症度および臨床経過において幅広い変動性がある。いくつかの遺伝子型は、より悪性の経過と関連するが、同じ突然変異を持っている家族の間でおよび家族内でさえもかなりの変動性がある。性差も指摘されており、男性患者は女性患者より一般により重度の影響を受ける。多くのHCMを有する患者は、長期間にわたる症状を伝えるのはごく稀か無しであるが、HCMは、病的状態の著しい累積的重荷を伴う進行性疾患である。労作不耐性の症状が優勢であり、心拍数を増し、および/または、前負荷を減少する運動および他の手技によって悪化させられる。多くの他の障害と同様に、症状は年齢と共に悪化する傾向がある。HCMを有する患者に対する圧倒的に最も一般的な臨床的な負荷は、患者らの日常生活の活動を制限し、衰弱させる労作性呼吸困難である。
【0005】
HCMを有する患者は、左心室流出路の閉塞(僧帽弁逆流の有りまたは無しで)のような実証された血行力学異常の無い状態で多くの場合症状を示す。患者の労作性呼吸困難の症状は、心房細動、脳卒中を含む全身性動脈血栓塞栓性疾患のリスクを増す急性肺水腫を誘発することがあるHCMのよく見られる合併症、の発現と共に急速に悪化しうる。HCMと関連する他の有害事象としては、血液量減少症または血液量増加症の不耐性、および失神が挙げられる。随伴性の冠動脈疾患は、HCMではない患者におけるよりも急性冠症候群のより高いリスクを与える。HCMを有する患者における心突然死(SCD)は、稀であり予測することは困難であるが、若年成人における非外傷性死亡の主な原因である。SCDの生存者に対して、ICD置換は標準的技法であり、他のHCM患者においてはリスクプロファイリングが、不明確ではあるが、一次予防のためのICD置換が慎重であると考えられる者を同定するために使用される。
【0006】
HCMに対する医学療法は、症状の治療に限定され、疾患の基本的な根本原因-正常な筋節機能の崩壊には対処しない。今日利用できる治療は、症状を軽減することにおいて可変的に有効であるが罹病期間が増すにつれて減少する効果を典型的に示す。患者は、それ故に、β遮断剤、非ジヒドロピリジンカルシウムチャンネル遮断剤、および/またはジソピラミドにより経験的に管理される。これらの薬剤はどれもHCMを治療するためのラベル表示された適応を持っておらず、それらの使用を導くために利用できる本質的に厳密な臨床的治験の証拠がない。この残念な状況を構成しているのは、HCMに対する新たな医学療法が長年にわたって同定されていないという事実である。適切に選択された患者における血行力学的に重要な流出路閉塞(安静時の勾配>30mmHg)を有する患者に対する外科的心筋切除術またはアルコール中隔切除は、血行力学妨害物を軽減することが通常は必要とされる。提供されるのは、HCMおよび関係する心障害の改良された治療に対する長年にわたる切実な必要性を軽減する新たな治療薬ならびに方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様において、提供されるのは、式:
【0008】
【化1】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態において、上式で、Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル-C~Cアルキル、4から7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル-C~Cアルキル、5から6員のヘテロアリールおよび5から6員のヘテロアリール-C~Cアルキルから選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されており;Rは、フェニル、フェニル-C~Cアルキル、5から6員のヘテロアリールおよび5から6員のヘテロアリール-C~Cアルキルから選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~5個のRにより置換されており;Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、および4から7員のヘテロシクロアルキルから選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されており;Rは、Hであり;Xは、Hおよびハロから選択され、いくつかの実施形態において、Xは、HおよびFから選択される。各Rは、存在するとき、ハロ、CN、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、フェニル、フェニル-C~Cアルキル、フェニル-C~Cアルコキシ、フェノキシ、-CORa1、-COa1、-SOa1、-SONRa1a2、および-CONRa1a2から独立して選択され、ここで各Ra1およびRa2は、H、C~Cアルキルおよびフェニルから独立して選択され、または場合によってRa1およびRa2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成している。同様に、各Rは、存在するとき、ハロ、CN、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、フェノキシ、フェニル-C~Cアルコキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、-CORb1、-COb1、-SOb1、-SONRb1b2、-CONRb1b2、NRb1b2、5から6員のヘテロアリール、および場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロシクリルから独立して選択され、ここで各Rb1およびRb2は、HおよびC~Cアルキルから独立して選択され、または場合によってRb1およびRb2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成しており;各Rは、存在するとき、ハロ、ヒドロキシルおよびC~Cアルコキシから独立して選択される。
【0009】
別の態様において、提供されるのは、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩および薬学的に許容される添加剤を含んでいる医薬組成物である。
【0010】
別の態様において、提供されるのは、肥大型心筋症(HCM)またはHCMと関連する1つまたはそれ以上の病態生理学的特徴を有する心障害を治療する方法である。その方法は、それを必要としている対象に本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩の合成のための概略経路(図1A)およびキラルアミンの調製のための経路(図1B)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
I.概要
一連のピリミジンジオン化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、アクチンフィラメントを強力に結合し、ホスフェートを放出し、かくして筋収縮サイクルの「パワーストローク」ポーションに関与することが可能であるミオシン分子の割合が減少する以前を除けば、過剰収縮状態における過剰な収縮性を減少することおよび/または拡張機能障害を有する心臓における心臓弛緩をATP加水分解後のベータ心筋ミオシンの立体配座を安定化させることによって促進することが見出されている。そのようなことで、該化合物は、HCMを有する患者において、心臓の弾性を改善し、動的なおよび/または静的な左室流出路閉塞を減少させ、拡張性の左室弛緩を改善し、左室拡張性(充填)圧を低下させ、機能性僧帽弁逆流を減少し、および/または左心房および肺毛細血管の楔入圧を低下させ、多くの場合該疾患を伴う左室流出路閉塞(失神寸前状態または失神)に帰することができる消耗性の労作性呼吸困難および/または症状を克服することを助ける。該化合物は、また、その他の心障害を治療するためにも使用される。
【0013】
II.定義
本明細書で使用される用語「アルキル」は、示されている炭素原子の数を有している直鎖のまたは分枝の、飽和した、脂肪族基を指す。アルキルは、任意の数の炭素を、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C1~6、C1~7、C1~8、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6およびC5~6のように含有することができる。例えば、C1~6アルキルとしては、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、などが挙げられる。アルキルは、最高20までの炭素原子を有しているアルキル基、例えば、以下に限定されないが、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、などを指すことができる。特に指定の無い限り、アルキル基は非置換である。「置換アルキル」基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、およびアルコキシから選択される1つまたはそれ以上の部分により置換されている。
【0014】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、3から12個までの環原子、または示されている数の原子を含んでいる飽和または部分的に不飽和の単環式、縮合二環式または橋かけ多環式環集成体を指す。シクロアルキルは、任意の数の炭素を、C3~6、C4~6、C5~6、C3~8、C4~8、C5~8、およびC6~8のように含有することができる。飽和単環式シクロアルキル環としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルが挙げられる。飽和二環式および多環式シクロアルキル環としては、例えば、ノルボルナン、[2.2.2]ビシクロオクタン、デカヒドロナフタレンおよびアダマンタンが挙げられる。シクロアルキル基は、また部分的に不飽和でもあり、環中に1つまたはそれ以上の二重結合を有することもできる。部分的に不飽和である代表的なシクロアルキル基としては、以下に限定されないが、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(1,3-および1,4-の異性体)、シクロへプテン、シクロヘプタジエン、シクロオクテン、シクロオクタジエン(1,3-、1,4-および1,5-の異性体)、ノルボルネン、およびノルボルナジエンが挙げられる。特に指定の無い限り、シクロアルキル基は非置換である。「置換シクロアルキル」基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、およびアルコキシから選択される1つまたはそれ以上の部分により置換されている。
【0015】
本明細書で使用される用語「ヘテロシクロアルキル」は、3から12までの環の員数およびN、OおよびSから選択される1から4個までのヘテロ原子を有している飽和環系を指す。以下に限定されないが、B、Al、SiおよびPを含むさらなるヘテロ原子がヘテロシクロアルキル基中に存在することもできる。それらヘテロ原子は酸化されて、限定はされないが、-S(O)-および-S(O)-のような部分を形成することができる。ヘテロシクロアルキル基は、任意の数の環原子、例えば、3から6、4から6、5から6、または4から7の環の員数、を含むことができる。任意の適する数のヘテロ原子が、1、2、3、もしくは4、または1から2、1から3、1から4、2から3、2から4、もしくは3から4のように、ヘテロシクロアルキル基中に含まれる。ヘテロシクロアルキル基の例としては、以下に限定されないが、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、キヌクリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン(1,2-、1,3-および1,4-の異性体)、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、オキサン(テトラヒドロピラン)、オキセパン、チイラン、チエタン、チオラン(テトラヒドロチオフェン)、チアン(テトラヒドロチオピラン)、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、モルホリン、チオモルホリン、ジオキサン、またはジチアンが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、非置換であるが、いくつかの実施形態においては置換されているように記載される。「置換ヘテロシクロアルキル」基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、およびアルコキシから選択される1つまたはそれ以上の部分により置換されている。
【0016】
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、1から5個の環原子がN、OまたはSのようなヘテロ原子である5から16個の環原子を含有している単環式または縮合二環式もしくは三環式芳香族環集成体を指す。以下に限定されないが、B、Al、SiおよびPを含むさらなるヘテロ原子がヘテロアリール基中に存在することもできる。それらのヘテロ原子は酸化されて、限定はされないが、-S(O)-および-S(O)-のような部分を形成することができる。ヘテロアリール基は、任意の数の環原子、例えば、5から6、5から8、6から8、5から9、5から10、5から11、または5から12の環の員数、を含むことができる。任意の適する数のヘテロ原子が、1、2、3、4もしくは5、または1から2、1から3、1から4、1から5、2から3、2から4、2から5、3から4、もしくは3から5のように、ヘテロアリール基中に含まれる。ヘテロアリール基は、5から8個までの環の員数および1から4個までのヘテロ原子、または5から8個までの環の員数および1から3個までのヘテロ原子、または5から6個までの環の員数および1から4個までのヘテロ原子、または5から6個までの環の員数および1から3個までのヘテロ原子を有することができる。ヘテロアリール基の例としては、以下に限定されないが、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-の異性体)、チオフェン、フラン、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、およびイソオキサゾールが挙げられる。ヘテロアリール基は、非置換であるが、いくつかの実施形態においては置換されているように記載される。「置換ヘテロアリール」基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、およびアルコキシから選択される1つまたはそれ以上の部分により置換されている。
【0017】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、アルキル基を結合点に結合した酸素原子を有しているアルキル基:即ち、アルキル-O-を指す。アルキルポーションに関して、アルコキシ基は、C1~6またはC1~4のような任意の適する数の炭素原子を有することができる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso-プロポキシ、ブトキシ、2-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、などが挙げられる。アルコキシ基は、非置換であるが、いくつかの実施形態においては置換されているように記載される。「置換アルコキシ」基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、およびアルコキシから選択される1つまたはそれ以上の部分により置換されている。
【0018】
本明細書で使用される用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0019】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」は、本明細書に記載されている化合物または塩と、ならびに該化合物が一緒に配合される任意の他の成分と混合可能である物質を指す。その上、薬学的に許容される物質は、その物質の受容体に対して有毒ではない。
【0020】
本明細書で使用される用語「塩」は、本明細書に記載されている化合物の酸または塩基の塩を指す。薬学的に許容される塩は、例えば、鉱酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、および同類のもの)、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸および同類のもの)、および第四級アンモニウムイオンから得られる。薬学的に許容される塩は無毒であることが理解されている。適する薬学的に許容される塩のさらなる情報は、参照により本明細書に組み込まれているRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、ペンシルベニア州イーストン、Mack Publishing Company、1985年の中で見つけることができる。中性型の化合物は、その塩を塩基または酸と接触させ、通常のやり方で親化合物を単離することによって再生させることができる。
【0021】
本明細書で使用される用語「医薬組成物」は、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩、本明細書に定義されている添加剤、および他の特定量の場合による成分を含んでいる製品、ならびに特定量の特定成分の組合せから直接または間接的にもたらされる任意の製品を指す。
【0022】
本明細書で使用される用語「添加剤」は、対象への活性薬剤の投与を助ける物質を指す。医薬品添加剤としては、以下に限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および着色剤が挙げられる。当業者であれば、他の添加剤が有用であることを認識するであろう。
【0023】
本明細書で使用される用語「治療する」、「治療すること」および「治療」、何らかの他覚的または自覚的なパラメータ、例えば、軽減;寛解;症状の低減;患者に対して病態、傷害、状態、または症状をより耐えられるようにすること;病態、傷害、状態、または症状の頻度または持続を減少すること;または、場合によっては、病態、傷害、状態、または症状の発現を阻止することを含む肥大型心筋症と関係する病態、傷害、状態、または症状の治療または回復の成功の何らかの兆候を指す。治療または回復は、例えば身体検査の結果を含む何らかの他覚的または自覚的なパラメータに基づく。
【0024】
III.化合物および薬学的に許容されるそれらの塩
1つの態様において、提供されるのは、式:
【化2】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である。
【0025】
上式において、Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキル-C~Cアルキル、4から7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、フェニル-C~Cアルキル、5から6員のヘテロアリールおよび5から6員のヘテロアリール-C~Cアルキルから選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されており;Rは、フェニル、フェニル-C~Cアルキル、5から6員のヘテロアリールおよび5から6員のヘテロアリール-C~Cアルキルから選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~5個のRにより置換されており;Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、および4から7員のヘテロシクロアルキルから選択される構成要素であり、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されており;Rは、Hであり;Xは、Hおよびハロから選択される構成要素であり、選択された実施形態において、HおよびFから選択される。各Rは、存在するとき、ハロ、CN、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、フェニル、フェニル-C~Cアルキル、フェニル-C~Cアルコキシ、フェノキシ、-CORa1、-COa1、-SOa1、-SONRa1a2、および-CONRa1a2から独立して選択され、ここで各Ra1およびRa2は、H、C~Cアルキルおよびフェニルから独立して選択され、または場合によってRa1およびRa2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成している。同様に、各Rは、存在するとき、ハロ、CN、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、フェノキシ、フェニル-C~Cアルコキシ、メチレンジオキシ、ジフルオロメチレンジオキシ、-CORb1、-COb1、-SOb1、-SONRb1b2、-CONRb1b2、NRb1b2、5から6員のヘテロアリール、および場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロシクリルから独立して選択され、ここで各Rb1およびRb2は、HおよびC~Cアルキルから独立して選択され、または場合によってRb1およびRb2は、窒素原子に結合しているとき、組み合わされて4から6員の環を形成しており;各Rは、存在するとき、ハロ、ヒドロキシルおよびC~Cアルコキシから独立して選択される。
【0026】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、4から7員のヘテロシクロアルキル、フェニル、または5から6員のヘテロアリールから選択され、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されている。Rは、場合によって1~5個のRにより置換されているフェニルである。Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、または4から7員のヘテロシクロアルキルから選択され、ここで各Rは、場合によって1~2個のRにより置換されている。Rは、Hであり、Xは、HまたはFである。いくつかの実施形態において、各Rは、存在するとき、独立して、ハロ、CN、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、-CORa1、-COa1、-SOa1、-SONRa1a2、または-CONRa1a2であり、ここで各Ra1およびRa2は、独立してHまたはC~Cアルキルである。あるいは、Ra1およびRa2は、窒素原子に結合しているとき、場合によって組み合わされて4から6員の環を形成している。各Rは、存在するとき、独立して、ハロ、CN、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、-CORb1、-COb1、-SOb1、-SONRb1b2、-CONRb1b2、NRb1b2、5から6員のヘテロアリール、または場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロシクリルであり、ここで各Rb1およびRb2は、独立して、HまたはC~Cアルキルである。あるいは、Rb1およびRb2は、窒素原子に結合しているとき、場合によっては、組み合わされて4から6員の環を形成している。各Rは、存在するとき、独立して、ハロまたはC~Cアルコキシである。
【0027】
いくつかの実施形態において、Xは、Hである。
【0028】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、または4から6員のヘテロシクロアルキルであり、ここで各Rは、場合によって1~2個のRにより置換されている。
【0029】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニルまたは5から6員のヘテロアリールであり、ここで各Rは、場合によって1~3個のRにより置換されている。
【0030】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、または4から6員のヘテロシクロアルキルである。
【0031】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、-CORa1、-COa1、-SOa1、-SONRa1a2、および-CONRa1a2(ここで各Ra1およびRa2は、独立してHまたはC~Cアルキルである)から選択される1から2個のRにより場合によって置換されている4から6員のヘテロシクロアルキルである。
【0032】
いくつかの実施形態において、Rは、シクロブチル、イソプロピル、イソブチル、1-メトキシプロパン-2-イル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-テトラヒドロピラニル、1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル、1-(メトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル、4,4-ジフルオロシクロヘキシル、フェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、3-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、または1-メチル-3-ピラゾリルである。
【0033】
いくつかの実施形態において、Rは、1から2個のRにより場合によって置換されている。
【0034】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、3-メチルフェニル、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-メトキシフェニル、3-(3-オキサゾリジン-2-オンイル)フェニル、3-(2-メチル-1-イミダジル)フェニル、3-(1-ピラゾリル)フェニル、または3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニルである。
【0035】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルコキシアルキル、またはC~Cシクロアルキルである。
【0036】
いくつかの実施形態において、Rは、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2-メトキシメチルである。
【0037】
いくつかの実施形態において、Rは、メチルである。
【0038】
本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩は、上に列挙されているR、R、R、R、R、Ra1、Ra2、R、Rb1、Rb2、R、およびX基の任意の組合せを有することができる。Rについて列挙された選択された実施形態は、例えば、Rについて列挙された選択された実施形態のいずれかと組み合わせることができ、それは今度は、Rについて列挙された選択された実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、例えば、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、フェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、-SONRa1a2、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、フェニルである。なおも他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり、Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、フェニルである。
【0040】
他の実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、フェニルである。さらに他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、フェニルである。なおも他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、フェニルである。
【0041】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、1から2個のC~Cアルコキシまたはハロにより置換されているフェニルである。なおも他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、1から2個のC~Cアルコキシまたはハロにより置換されているフェニルである。さらに他の実施形態においてRは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、1から2個のC~Cアルコキシまたはハロにより置換されているフェニルである。
【0042】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、1から2個のC~Cアルコキシまたはハロにより置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、1から2個のC~Cアルコキシまたはハロにより置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、1から2個のC~Cアルコキシまたはハロにより置換されているフェニルである。
【0043】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロアリールまたは5から6員のヘテロシクリルにより置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロアリールまたは5から6員のヘテロシクリルにより置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり、Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロアリールまたは5から6員のヘテロシクリルにより置換されているフェニルである。
【0044】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロアリールまたは5から6員のヘテロシクリルにより置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロアリールまたは5から6員のヘテロシクリルにより置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、場合によってオキソにより置換されている5から6員のヘテロアリールまたは5から6員のヘテロシクリルにより置換されているフェニルである。
【0045】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、CN、C~Cアルキル、-CORb1、-COb1、-SOb1、-SONRb1b2、CONRb1b2、またはNRb1b2により置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、CN、C~Cアルキル、-CORb1、-COb1、-SOb1、CONRb1b2、またはNRb1b2により置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり;Rは、C~Cシクロアルキルまたは4から7員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、CN、C~Cアルキル、-CORb1、-COb1、-SOb1、CONRb1b2、またはNRb1b2により置換されているフェニルである。
【0046】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、CN、C~Cアルキル、-CORb1、-COb1、-SOb1、CONRb1b2、またはNRb1b2により置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cアルキル、-COa1、または-SOa1により場合によって置換されている4から7員のヘテロシクロアルキルまたは5から6員のヘテロアリールであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、CN、C~Cアルキル、-CORb1、-COb1、-SOb1、CONRb1b2、またはNRb1b2により置換されているフェニルである。他の実施形態において、Rは、C~Cシクロアルキルまたはフェニルであり;Rは、C~Cアルキルであり;Rは、CN、C~Cアルキル、-CORb1、-COb1、-SOb1、CONRb1b2、NRb1b2または-CONRa1a2により置換されているフェニルである。
【0047】
いくつかの実施形態において、Rは、イソプロピルであり;Rは、1から2個のRにより場合によって置換されており;Rは、メチルである。
【0048】
いくつかの実施形態において、Rは、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、-CORa1、-COa1、-SOa1、-SONRa1a2、および-CONRa1a2(ここで各Ra1およびRa2は、独立してHまたはC~Cアルキルである)から選択される1から2個のRにより場合によって置換されている4から6員のヘテロシクロアルキルであり;Rは、1から2個のRにより場合によって置換されており;Rは、メチルである。
【0049】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニルまたは5から6員のヘテロアリールであり、ここで各Rは、1から3個のRにより場合によって置換されており;Rは、1から2個のRにより場合によって置換されており;Rは、メチルである。
【0050】
Xは、上で示した実施形態のいずれにおいてもHであることができる。他の実施形態において、Xは、上で示した実施形態のいずれにおいてもFであることができる。なおもさらに、同定された立体化学(RまたはSとして示されているか、または破線もしくは楔形の結合表示を有する)を伴って本明細書に提供されている化合物は、他の異性体が実質的にない(例えば、少なくとも80%、90%、95%最高100%まで他の異性体がない)ことが当業者には理解される。
【0051】
いくつかの実施形態において、該化合物は、
(S)-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-5-フルオロ-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-5-ブロモ-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-5-フルオロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロプロピル(フェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロプロピル(3-メトキシフェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロブチル(フェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
メチル(S)-4-(2,6-ジオキソ-4-((1-フェニルエチル)アミノ)-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート;
3-((R)-sec-ブチル)-6-(((S)-1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(イソオキサゾール-3-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
【0052】
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(2-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-フェニルプロピル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-5-メチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(2-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(4-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-5-フルオロ-3-イソプロピル-6-((1-フェニルプロピル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-5-フルオロ-6-((1-(3-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-5-フルオロ-3-イソプロピル-6-((1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(2,5-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-ブロモフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-エチル-6-((1-フェニルプロピル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-シクロプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(ピリジン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
【0053】
(S)-3-(イソオキサゾール-5-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(3-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(3-(2-オキソオキサゾリジン-3-イル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-シクロヘキシル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-フェニル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-エチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-メチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(m-トリル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(R)-3-イソプロピル-6-((2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((R)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((R)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-2-(1-((1-イソプロピル-2,6-ジオキソ-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)ベンゾニトリル
【0054】
(S)-3-ベンジル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-イル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(R)-6-((2-(ベンジルオキシ)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(6-メチルピリジン-2-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(2,2-ジフルオロエチル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(o-トリル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-シクロブチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(1-メチルシクロプロピル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(ピリダジン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
【0055】
(S)-4-((1-フェニルエチル)アミノ)-2H-[1,5’-ビピリミジン]-2,6(3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(ピラジン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(ピリジン-3-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-フェニルブチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-シクロペンチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((2-メチル-1-フェニルプロピル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(ペンタン-3-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(1-ベンゾイルピペリジン-4-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((4-フェニルブタン-2-イル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
メチル(S)-2-(2,6-ジオキソ-4-((1-フェニルエチル)アミノ)-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)アセテート
(S)-3-イソプロピル-6-((1-フェニルプロパン-2-イル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((S)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(R)-6-((2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
【0056】
6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-(4,4,4-トリフルオロブタン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(tert-ブチル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(2-メトキシエチル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
6-(((S)-1-フェニルプロピル)アミノ)-3-((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((R)-1-シクロプロピルエチル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((S)-1-シクロプロピルエチル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロブチル(フェニル)メチル)アミノ)-3-エチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-エチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルプロピル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(シクロプロピルメチル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロプロピル(フェニル)メチル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロブチル(フェニル)メチル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
【0057】
6-(((S)-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル)アミノ)-3-((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
6-((1-(2-ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-((1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(2-クロロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(4-メトキシフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((シクロプロピル(フェニル)メチル)アミノ)-3-エチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-3-エチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-エチル-6-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(シクロプロピルメチル)-6-((1-(3-フルオロフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-(シクロプロピルメチル)-6-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-3-(シクロプロピルメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-5-クロロ-6-((1-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
【0058】
(S)-6-((1-(3-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-プロピル-6-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-3-シクロブチル-6-((1-(4-フルオロフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(2-ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(3,4-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-エチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
3-((S)-sec-ブチル)-6-(((S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;
(S)-6-((1-(4-フルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン;および
(S)-3-(6-フルオロピリジン-2-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン、または上記のいずれかの薬学的に許容される塩から選択される。
【0059】
いくつかの実施形態において、該化合物は、












【化3】
またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0060】
本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩(I)は、任意の適切な方法により調製される。化合物は、例えば、図1に概要がまとめられている経路により調製することができる。図1Aに示されているように、ピリミジントリオンvは、尿素iiiのマロネートivとの縮合により合成することができる。その尿素iiiは、アミンiの適切なシアネートiiとの反応によって調製される。そのピリミジントリオンvは、中間体viを提供するために適する脱離基(Lg)により誘導体化される。その脱離基は、限定はされないが、塩化物またはヨウ化物のようなハロゲンであることができる。ハロゲン化された中間体viは、Brownにより記載されているもの(The Chemistry of Heterocyclic Compounds, The Pyrimidines、John Wiley & Sons、2009年)のような方法によってピリミジントリオンから調製することができる。中間体viは、アミンviiとの反応によって式Iの化合物に転化することができる。特定のキラルアミンが、図1Bに示されているようにケトンまたはアルデヒドixから調製され;ケトンまたはアルデヒドから誘導されるスルフィニルイミンxiiがグリニャール試薬と反応させられ、キラルアミンviiを提供することができる。当業者であれば、本明細書に記載されている化合物は、LaRockにより記載されているもの(Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations、Wiley、1999年)のような他の方法によっても調製できることを十分理解するであろう。
【0061】
IV.組成物
さらに提供されるのは、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩および薬学的に許容される添加剤を含んでいる医薬組成物である。その組成物は、ヒトおよび他の対象における肥大型心筋症を治療するために役立つ。
【0062】
本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩の投与のための医薬組成物は、単位剤形で都合よく提供することができ、調剤および薬物送達の技術分野で周知の任意の方法によって調製することができる。全ての方法が、1つまたはそれ以上の副成分を含んでいる担体と組み合わされるように活性成分を持ち込む工程を含む。一般に、該医薬組成物は、活性成分を液体の担体または微粉化した固体の担体または両方と均一におよび親密に組み合わされるように持ち込み、その後、必要に応じてその生成物を所望される製剤に成形することによって調製される。医薬組成物中に、活性薬剤は、心筋収縮力に対して望ましい効果を生ずるため(即ち、HCMにおいて過剰であることが多い収縮期収縮力を減らすため)、および拡張期における左心室の弛緩を改善するために一般に十分な量で含まれる。そのような改善された弛緩は、肥大型心筋症における症状および拡張機能障害の他の原因を軽減することができる。それは、また、それを狭心症および虚血性心疾患における補助剤として改良して、冠血流の機能障害を引き起こす拡張機能障害の影響を改善することもできる。それは、また、HCMにおける有益な左心室リモデリングおよび左心室肥大の例えば心臓弁膜症または全身性高血圧からの慢性の容量または圧の過負荷による他の原因に対して利益を与えることもできる。
【0063】
活性成分を含んでいる医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁剤、分散性散剤または顆粒剤、乳剤、硬または軟カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、液剤、バッカルパッチ剤、経口ゲル剤、チューインガム、チュアブル錠、発泡散剤および発泡錠のような経口使用に適する形態をしている。経口使用を対象とした組成物は、医薬組成物の製造のための技術に対して既知の任意の方法に従って調製され、そのような組成物は、薬学的にエレガントであり、口当たりがよい製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、酸化防止剤および保存剤からなる群から選択される1つまたはそれ以上の薬剤を含むことができる。錠剤は、その錠剤の製造のために適する毒性のない薬学的に許容される添加剤と混合した状態の活性成分を含む。これらの添加剤は、例えば、セルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性賦形剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、PVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチンまたはアカシア、および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク、であることができる。その錠剤は、コーティングなしであってもよく、またはそれらは消化管中の崩壊および吸収を遅らせ、それによってより長い期間にわたる持続作用を提供するための既知の技術によって、腸溶または他の様式で、コートされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延材料を使用することができる。それらはまた、放出制御のための浸透圧治療錠剤を形成するためにもコートすることができる。
【0064】
経口使用のための製剤は、また、活性成分が不活性な固体の賦形剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油媒体、例えば、ピーナッツ油、液体パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとしても提供される。さらに、乳剤は、油のような非水の混合可能な成分により調製され、モノ-ジグリセリド、PEGエステルおよび同類のもののような界面活性剤により安定化される。
【0065】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適する添加剤との混合物の状態で活性物質を含む。そのような添加剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントガムおよび、アカシアガムであり、分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアリン酸エステル、またはエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールのようなエチレンオキシドの脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、またはエチレンオキシドの脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンである。該水性懸濁剤は、1つまたはそれ以上の保存剤、例えばエチル、またはn-プロピル、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、1つまたはそれ以上の着色剤、1つまたはそれ以上の着香剤、および1つまたはそれ以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンを含むこともできる。
【0066】
油性懸濁剤は、活性成分を、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油中に、または液体パラフィンのような鉱油中に懸濁させることによって処方することができる。該油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含むことができる。上で示したもののような甘味剤および着香剤は、口当たりがいい経口剤を提供するために加えられる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加によって維持される。
【0067】
水の添加による水性懸濁剤の調製のために適する分散性の粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つまたはそれ以上の保存剤と一緒の混合物の状態で活性成分を提供する。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤は、既に上で述べたものによって例示される。さらなる添加剤、例えば甘味、着香および着色剤が、存在することもできる。
【0068】
本明細書に記載されている医薬組成物は、また、水中油型乳剤の形態であることもできる。その油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば液体パラフィンまたはこれらの混合物であることができる。適する乳化剤は、天然に存在するガム、例えばアカシアガムまたはトラガカントガム、天然に存在するホスファチド、例えばダイズレシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されるエステルもしくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、および前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。その乳剤は、また、甘味および着香剤を含むこともできる。
【0069】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと共に処方される。そのような製剤は、粘滑薬、保存剤ならびに着香および着色剤を含むこともできる。経口液剤は、例えば、シクロデキストリン、PEGおよび界面活性剤との組合せで調製することができる。
【0070】
該医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁剤の形態をしていることができる。この懸濁剤は、上で述べられているようなそうした適する分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いる既知の技法に従って処方される。無菌の注射可能な製剤は、また、毒性のない非経口的に許容される賦形剤または溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液のような無菌の注射可能な溶液または懸濁液であることもできる。使用することができる許容される媒体および溶媒の中には、水、リンガー溶液および生理食塩液がある。加えて、無菌の固定油が、溶媒または懸濁媒体として通常使用される。このために合成モノ-またはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油が使用される。加えて、オレイン酸のような脂肪酸が注射物質の調製に使用されることが分かる。
【0071】
本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩は、また、薬剤の直腸投与のための座薬の形態で投与される。これらの組成物は、該薬物を、常温では固体であるが直腸温では液体であり、それ故、直腸内で融解して該薬物を放出する適する非刺激性の添加剤と混合することによって調製される。そのような材料としては、ココアバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。さらに、該化合物または薬学的に許容される塩は、液剤または軟膏による目に見える送達によって投与することができる。なおもさらに、主題の化合物または薬学的に許容される塩の経皮的送達は、イオン泳動的パッチおよび同類のものを用いて達成することができる。局所使用に対しては、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩を含んでいるクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤または懸濁剤、などが使用される。本明細書で使用される局所適用とは、洗口剤およびうがい薬の使用を含むことも意味する。
【0072】
本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩は、また、目標を設定することができる薬物担体のための適するポリマーである担体にも連結される。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシ-プロピル-メタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アスパルトアミド-フェノール、またはパルミトイル残基により置換されているポリエチレンオキシド-ポリリジンを挙げることができる。その上、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩は、薬物の制御された放出を達成するのに有用な生分解性高分子、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリε-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルソエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋したまたは両親媒性ブロック共重合体である担体に連結される。ポリマーおよび半透性のポリマーマトリクスは、弁、ステント、管組織、人工器官および同類のもののような造形品に形成される。
【0073】
V.心障害を治療する方法
HCMにつながる突然変異は、ミオシン構造における重要な動揺を引き起こす。これらの突然変異は、ミオシン遺伝子中のそれらの位置に応じた独特の機構によりそれらに影響を与える。よく研究されたHCM突然変異、R403QおよびR453Cは、モータードメインの異なるセクションに位置づけられており、増大された力発生の共通の結果をもたらす独特の機構的な動揺を引き起こす。何らかの特定の理論に制約されることは望まないが、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩は、シスにおいて(同じ特定の機能に影響をおよぼすことによって)またはトランスにおいて(補足的な機能を改めることによって)突然変異サルコメアタンパク質に直接結合して、それらの異常機能を是正することができるものと考えられる。そのようなものとして、それらはHCM患者に対し、この疾患と関連する過剰収縮性のおよび/または障害性の弛緩を是正することによって治療利益を提供することができる。
【0074】
さらに提供されるのは、肥大型心筋症(HCM)またはHCMと関連する1つまたはそれ以上の病態生理学的特徴を有する心障害を治療する方法である。その方法は、それを必要としている対象に本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む。
【0075】
本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、HCMおよび他の疾患の症状を単に緩和するよりもむしろ自然経過を変化させることができる。HCM患者に対する臨床的利益を与える機構は、同様の病態生理を共有している心疾患の他の形態を有する患者に、実証できる遺伝子的影響有りまたは無しで、広がることができる。例えば、心臓拡張期中の心室の弛緩を改善することによるHCMに対する効果的な治療は、拡張機能障害を特徴とするより広範な集団においても効果的である。本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、特にその状態の根本的原因を標的にするかまたは他の下流の経路に作用することができる。したがって、本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、また、駆出率が保たれた拡張期心不全、虚血性心疾患、狭心症、または拘束型心筋症を患っている患者に利益を与えることもできる。本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、また、容積または圧力過負荷が原因の左室肥大、例えば慢性僧帽弁閉鎖不全、慢性大動脈弁狭窄、および慢性全身性血圧上昇、の有益な左心室リモデリングを、容積または圧力過負荷の根本原因を是正または軽減することを狙った治療(弁修復/置換、効果的な降圧療法)と併せて、促進することもできる。左心室充填圧を低下させることによって、該化合物は肺水腫および呼吸不全のリスクを減少することができた。機能性僧帽弁逆流を減少または排除することおよび/または左房圧を低下することは、発作性のまたは持続性の心房細動のリスクを減少し、それと共に脳動脈塞栓性発作を含むがこれに限定されない動脈血栓塞栓性合併症の付帯するリスクを減少することができる。動的なおよび/または静的な左心流出路閉塞のいずれかを減少または排除することは、短期間または長期間の合併症の付帯するリスクを伴う外科的かまたは皮下的な中隔縮小治療を必要とすることの可能性を減少することができる。該化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、HCMと関連する慢性虚血状態の重症度を軽減し、それによって植え込み型除細動器(頻繁なおよび/または繰り返しのICD放出)による患者における心臓突然死(SCD)またはそれの同等物のリスクおよび/または潜在的に毒性の抗不整脈薬物療法に対する必要性を減少することができる。該化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、それらの付随する潜在毒性、薬物・薬物相互作用、および/または副作用を伴う併用薬物治療の必要性を減少または除去するのに役立つものであった。該化合物またはそれらの薬学的に許容される塩は、間質性心筋線維症を減少および/または進行を遅くし、左室肥大を阻む、または逆転させることができる。
【0076】
治療される疾患および対象の状態に応じて、本明細書に記載されている化合物または薬学的に許容される塩は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内の注射または点滴、皮下注射、または植込み)により、移植(例えば、該化合物または薬学的に許容される塩がステント装置と連結しているとき)により、吸入噴霧、経鼻、膣内、直腸、舌下、または投与の局所的経路により投与され、通常の無毒の薬学的に許容される投与の各経路に適切な担体、アジュバントおよび媒体を含んでいる適する薬用量の単位製剤で単独でまたは一緒に処方される。
【0077】
心臓拡張期中の改善された心室の弛緩を必要とする状態の治療または予防において、適切な投与量レベルは、一般に、1日当たり患者の体重1kg当たり、約0.001~100mgであり、それは、単回または複数回用量で投与される。いくつかの実施形態において、その投与量レベルは、1日当たり約0.01~約25mg/kgであり;いくつかの実施形態においては1日当たり約0.05~約10mg/kgである。適する投与量レベルは、1日当たり約0.01~25mg/kg、1日当たり約0.05~10mg/kg、または1日当たり約0.1~5mg/kgである。この範囲内で、その投与量は、1日当たり、0.005~0.05、0.05~0.5または0.5~5.0mg/kgであることができる。いくつかの実施形態において、経口投与に対して、該組成物は、治療されるべき患者に対する投与量の対症調節のために、1.0~1000ミリグラムの活性成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0ミリグラムの活性成分を含んでいる錠剤の形態で提供される。該化合物または薬学的に許容される塩は、1日当たり1~4回、いくつかの実施形態においては1日当たり1回または2回のレジメンに基づいて投与される。
【0078】
しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルおよび投与の頻度は、多様であり、使用される特定の化合物または薬学的に許容される塩の活性、その化合物または薬学的に許容される塩の代謝的安定性および作用の長さ、その対象の年齢、体重、遺伝の特徴、全体的健康状態、性別および食生活、ならびに投与のやり方および時間、排泄速度、薬物の組合せ、および治療を受けている対象に対する特定の状態の重症度を含む様々な要因に依存することが理解される。
【0079】
本明細書で提供される化合物および組成物は、本明細書で提供される化合物および組成物が役立つ疾患または状態の治療、予防、抑圧または回復において使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。そのような他の薬物は、一般的に使用される経路および量により投与され、それ故、本明細書で提供される化合物または組成物と同時にまたは連続して投与することができる。本明細書で提供される化合物または組成物が、1つまたはそれ以上の他の薬物と同時に使用されるとき、本明細書で提供される化合物または組成物に加えてそのような他の薬物を含んでいる医薬組成物が好ましい。したがって、本明細書で提供される医薬組成物としては、本明細書で提供される化合物または組成物に加えて1つまたはそれ以上の他の活性成分または治療薬も含むものが挙げられる。適するさらなる活性薬剤としては、例えば、心不全の進行を心臓の神経ホルモンの刺激を下方制御することによって遅らせ、心臓リモデリングを防ぐことを試みる治療(例えば、ACE阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断剤(ARB)、β遮断剤、アルドステロン受容体アンタゴニスト、または神経エンドペプチダーゼ阻害剤);心筋収縮能を刺激することによって心機能を改善する治療(例えば、β-アドレナリン性アゴニストのドブタミンまたはホスホジエステラーゼ阻害剤ミルリノンなどの陽性変力剤);および心前負荷を減少させる治療(例えば、フロセミドなどの利尿剤)または後負荷を減少させる治療(カルシウムチャネル遮断剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エンドセリン受容体アンタゴニスト、レニン阻害剤、または平滑筋ミオシンモジュレーターを含むがこれらに限定されない任意のクラスの血管拡張剤)が挙げられる。本明細書で提供される化合物対第二の活性成分の重量比は、さまざまであり、各成分の有効量に依存するであろう。一般にそれぞれの有効量が使用される。
【0080】
VI.実施例
略語:
aq:水性の(aqueous)
BBr:三臭化ホウ素
CHCl:ジクロロメタン
CHCN:アセトニトリル
CHOH:メタノール
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
equiv.:当量
EtN:トリエチルアミン
EtO:ジエチルエーテル
EtOH:エタノール
FeSO:硫酸第一鉄
h:時間
HCl:塩化水素
O:水
CO:炭酸カリウム
KHSO:硫酸水素カリウム
KNCO:イソシアン酸カリウム
LiBr:臭化リチウム
MgSO:硫酸マグネシウム
mL:ミリリットル
MW:マイクロ波(マイクロ波反応器中で行われる反応)
NaCl:塩化ナトリウム
NaH:水素化ナトリウム
NaHCO:重炭酸ナトリウム
NaOEt:ナトリウムエトキシド
NaOH:水酸化ナトリウム
NaOMe:ナトリウムメトキシド
NaSO:硫酸ナトリウム
NHCl:塩化アンモニウム
NMP:n-メチルピロリジノン
pH:-log[H
POCl:三塩化ホスホリル
PPTS:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム
RP-HPLC:逆相高圧液体クロマトグラフィー
RT:室温
SEMCl:2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド
TEBAC:トリエチルベンジルアンモニウムクロリド
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
【0081】
〔実施例1〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0082】
【化4】
【0083】
化合物1.1。イソプロピル尿素。0℃でのアルゴン下のCHCl(200mL)中のイソプロピルアミン(15.3g、0.258mol、1.0当量)の撹拌された溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(30g、0.26mol、1.0当量)が滴下方式で加えられた。得られたその混合物は、周囲温度に達するまでそのままにされて終夜撹拌された。0℃まで冷却後、CHOH(100mL)が滴下方式で加えられた。その結果得られたその溶液は2時間(h)にわたって室温で撹拌され、その後減圧下で濃縮された。その粗製残留物は、CHOH:EtO(1:20)から再結晶させられて、15.4g(58%)の白色固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)103(M+H)
【0084】
【化5】
【0085】
化合物1.2。バルビツール酸1-イソプロピル。1.1(14.4g、0.14mol、1.00当量)のCHOH(500mL)中の撹拌溶液に、マロン酸ジメチル(19.55g、0.148mol、1.05当量)およびナトリウムメトキシド(18.9g、0.35mol、2.50当量)が加えられた。その得られた混合物は、65℃で終夜撹拌された。周囲温度まで、次いで0℃まで冷却後、そのpHは、濃HCl水溶液を用いて注意深く3に調整された。その得られた混合物は、減圧下で濃縮された。その残留物はEtOH(200mL)中に取り上げられ濾過された。その濾液は減圧下で濃縮され、その残留物は、溶離剤としてCHCl/CHOH(20:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、16.8g(50%)の白色固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)171 (M+H)+1H-NMR(300MHz,d-DMSO):δ11.19(s,1H),4.83(m,1H),3.58(s,2H),1.32(d,J=6.0Hz,6H).
【0086】
【化6】
【0087】
化合物1.3。6-クロロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン。化合物1.2(11.4g、66.99mmol、1.00当量)を含んでいるアルゴン下の100mLの丸底フラスコに、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド(21.3g、93.51mmol、1.40当量)およびPOCl(30mL)が加えられた。その得られた混合物は、50℃で終夜撹拌された。室温まで冷却後、その混合物は減圧下で濃縮された。その残留物は、CHCl(150mL)中に溶解され、続いてHO(100mL)がゆっくり加えられた。その相は分離され、その有機層はHO(100mL)により洗浄され、無水NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮された。その粗製残留物はEtOAc/石油エーテル(1:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、5.12g(40%)の淡黄色固体としての表題化合物を生じた。H-NMR(300MHz,d-DMSO):δ12.22(s,1H),5.88(s,1H),4.95(m,1H),1.34(d,J=6.0Hz,6H).
【0088】
【化7】
【0089】
化合物1。(S)-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。1,4-ジオキサン(20mL)中の6-クロロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(1.3、1.0g、5.31mmol)の溶液に、(S)-α-メチルベンジルアミン(Sigma-Aldrich、1.43g、11.7mmol、2.2当量)が加えられた。その反応混合物は80℃で24時間にわたって撹拌された。周囲温度まで冷却後、その混合物は減圧下で濃縮された。その残留物は、EtOAc(70mL)中に取り上げられ、1NのHCl水溶液(2×50mL)およびブライン(40mL)で洗浄された。その有機層は、無水NaSOにより脱水され、次いで減圧下で原容積の半分まで濃縮されて沈殿物を生じた。ヘキサン(20mL)が加えられ、その混合物は室温で撹拌された。その結果得られた固体が濾過によって集められ、ヘキサン(20mL)で洗浄され、乾燥されて1.0g(69%)の白色固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)274(M+H)H-NMR(400MHz,d-DMSO):δ9.77(s,1H),7.32(m,4H),7.24(m,1H),6.50(d,J=6.8Hz,1H),4.87(m,1H),4.52(m,1H),4.31(d,J=6.8Hz,1H),1.37(m,3H),1.24(m,6H).H NMR(400MHz,CDOD)δppm 7.39-7.20(m,5H),5.01(m,1H),4.48(m,1H),1.49(d,J=6.7Hz,3H),1.36(m,6H).
【0090】
〔実施例2〕
(S)-5-フルオロ-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(2)の調製。
【化8】
【0091】
酢酸(2.0mL)中の1(80mg、0.293mmol)の溶液に、セレクトフルオル(104mg、0.293mmol、1.0当量)が加えられた。その混合物は室温で2時間にわたって撹拌された。それは次に減圧下で濃縮された。その残留物は、ヘキサン中0~50%のEtOAcにより溶離されるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、6mg(7%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)292(M+H)H NMR(400MHz,CDOD):δppm 7.36-7.24(m,5H),5.04-4.97(m,1H),4.94-4.88(m,1H),1.54(d,J=8.0Hz,3H),1.39(m,6H).
【0092】
〔実施例3〕
(S)-5-ブロモ-3-イソプロピル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(3)の調製。
【化9】
酢酸(1.0mL)中の1(55mg、0.201mmol)の溶液に、N-ブロモスクシンアミド(35mg、0.196mmol)が加えられた。その混合物は室温で1時間撹拌された。それは次に減圧下で濃縮された。その残留物は、ヘキサン中0~40%のEtOAcにより溶離されるシリカゲルカラムにより精製され、52mg(74%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)352、354(M+H、臭素パターン)H-NMR(400MHz,CDCl)δppm 8.96(br s,1H),7.43-7.28(m,5H),5.28(d,J=7.4Hz,1H),5.14(m,1H),4.87(m,1H),1.62(d,J=6.7Hz,3H),1.45-1.39(m,6H).
【0093】
〔実施例4〕
(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-5-フルオロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0094】
【化10】
【0095】
化合物4.1。5-フルオロ-1-イソプロピルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)。CHOH(15mL)中の1.1(1.31g、0.013mol、1.00当量)の溶液を含んでいる100mLの丸底フラスコに、フルオロマロン酸ジエチル(2.41g、0.014mol、1.05当量)およびナトリウムメトキシド(1.74g、0.032mol、2.50当量)が加えられた。その反応フラスコは還流冷却器が装備され、85℃に加熱されたオイルバス中で4時間にわたって撹拌された。その反応物は0℃まで冷却され、濃HClの注意深い添加によりクエンチされ、過剰の濃HClの添加によりpH=2に調整された。その反応混合物は、減圧下で濃縮され、その得られた残留物は高真空下で18時間にわたって乾燥され、2.65gの表題化合物(98%)を提供した。H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 5.53(d,J=24.0Hz,1H),4.91(m,2H),1.46(m,6H).
【0096】
【化11】
【0097】
化合物4.2。6-クロロ-5-フルオロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。4.1(2.65g、0.014mmol、1.00当量)を含んでいる還流冷却器を備えた100mLの丸底フラスコに、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド(4.50g、0.019mmol、1.40当量)およびPOCl(25mL)が加えられた。その反応混合物は、50℃で4時間にわたって撹拌され、その後室温まで冷却された。その混合物は減圧下で濃縮され、得られた残留物はCHCl(50mL)中に溶解された。水(50mL)がゆっくりと加えられ、層分離された。その有機層は、HO(100mL)で2回洗浄され、無水MgSOにより脱水され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中30%EtOAc)により精製されて、2.67g(93%)の白色固体としての表題化合物を生じた。H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 5.19-5.05(m,2H),1.48(d,J=7.04Hz,6H).
【0098】
【化12】
【0099】
化合物4。(S)-6-((1-(3-クロロフェニル)エチル)アミノ)-5-フルオロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。肉厚の圧力容器に入れられたDMF(2mL)中の4.2(150mg、0.70mmol、1当量)の溶液に(S)-3-クロロ-α-メチルベンジルアミン(150mg、0.70mmol、1.0当量)およびプロトンスポンジ(190mg、0.90mol、1.25当量)が加えられた。その圧力容器は、密閉され、その反応混合物は、防爆シールドの背後で3時間にわたって95℃に加熱された。その反応混合物は、室温まで冷却され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は島津製作所の、Phenomenex Gemini-NX C18カラムを備えたProminence LC-20APシステムを利用する分取RP-HPLC(30分、20mL/分で10~90%のCHCN/HO、(両方共0.1%のTFAを含む)により溶離)により精製された。純粋な化合物を含んでいる画分が混合され、凍結乾燥されて、30mg(13%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)326(M+H)+1H-NMR(400MHz,CDCl)δppm 9.47(br s,1H),7.35-7.27(m,3H),7.22-7.16(m,1H),5.12(m,1H),4.89(m,1H),4.69(d,J=5.9Hz,1H),1.59(d,J=6.7Hz,3H),1.43(m,6H).
【0100】
〔実施例5〕
(S)-6-((1-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0101】
【化13】
【0102】
化合物5.1。((R,E)-N-(3,5-ジフルオロベンジリデン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド。CHCl(20mL)中の3,5-ジフルオロベンズアルデヒド(1.00g、7.04mmol、1.00当量)の溶液に、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.089g、0.35mmol、0.05当量)、(R)-(+)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(0.852g、7.03mmol、1.00当量)、およびMgSO(4.2g、35.00mmol、5.00当量)が加えられた。その得られた混合物は、室温で終夜撹拌された。その反応混合物は濾過され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物はフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中20%のEtOAc)により精製されて500mg(29%)の黄色油状物としての表題化合物を提供した。
【0103】
【化14】
【0104】
化合物5.2。(R)-N-((S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド。メチルマグネシウムブロミド(5.17mL、3M、2.00当量)が、-48℃のアルゴン下のCHCl(50mL)中の5.1(1.9g、7.75mmol、1.00当量)の溶液に滴下で加えられた。その反応混合物は、室温まで温められ、終夜撹拌された。その反応はNHCl飽和水溶液(20mL)により注意深くクエンチさせた。相分離され、その水層はCHCl(3×50mL)によりさらに抽出された。混ぜ合わされた有機層は、無水MgSOによって脱水され、減圧下で濃縮されて1.3g(64%)の黄色油状物としての表題化合物を提供した。H NMR(300MHz,CDCl):δppm 6.92-6.81(m,2H),6.75-6.65(m,1H),4.65-4.55,(m,1H),3.46-3.42(m,1H),1.53-1.44(m,3H),1.26-1.22(m,9H).
【0105】
【化15】
【0106】
化合物5.3。(S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)エタン-1-アミン塩酸塩。CHOH(10mL)中の5.2(1.3g、4.97mmol、1.00当量)の溶液に、1,4-ジオキサン中の4NのHCl(2.67mL、2.00当量)が加えられた。その反応混合物は、0.5hにわたって室温で撹拌され、その後減圧下で濃縮された。その得られた残留物はCHOH(3mL)中に溶解され、EtO(300mL)が加えられた。その得られた沈殿物は濾過によって単離され、0.80g(83%)の表題化合物を提供した。H NMR(300MHz,DO):δppm 6.98-6.83(m,3H),4.45-4.38(m,1H),1.51-1.48(d,J=6.9Hz,3H).
【0107】
【化16】
【0108】
化合物5。(S)-6-((1-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。化合物5.3(50mg、0.32mmol、1.00当量)が1NのNaOH(10mL)中に溶解され、その得られた混合物は25℃で撹拌された。1h後、その混合物はEtOAc(5×10mL)により抽出された。その混合された有機層は無水NaSOにより脱水され、濾過され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物および化合物1.3(35.6mg、0.19mmol、0.60当量)が混合された。その混合物は、100℃で18hにわたって撹拌され、その後室温まで冷却され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は分取RP-HPLCにより精製され、28mg(29%)のオフホワイトの固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)310(M+H)+1H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 9.83(s,1H),7.06-7.12(m,3H),6.54(d,J=6.6Hz,1H),4.91-4.82(m,1H),4.54-4.46(m,1H),4.30(m,1H),1.34(d,J=6.6Hz,3H),1.22(d,J=6.9Hz,6H).
【0109】
〔実施例6〕
(S)-6-((シクロプロピル(フェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0110】
【化17】
【0111】
化合物6.1。(R,E)-N-ベンジリデン-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド。該表題化合物は、3,5-ジフルオロベンズアルデヒドの代わりにベンズアルデヒド(5.0g、47.12mmol、1.00当量)が使用された以外は5.1と同じやり方で調製されて、2.8g(28%)の表題化合物を提供した。H NMR(300MHz,d-DMSO):δppm 8.62(s,1H),7.89-7.87(m,2H),7.55-7.49(m,3H),1.31(s,9H).
【0112】
【化18】
【0113】
化合物6.2。(S)-N-((S)-シクロプロピル(フェニル)メチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド。該表題化合物は、5.2の調製のために使用されたものと5.1およびメチルマグネシウムブロミドの代わりに6.1(1.0g、4.78mmol、1.00当量)およびシクロプロピルマグネシウムブロミド(9.6mL、1M、2.00当量)が使用されたことを除いて同様のプロトコールを用いて調製され、0.5g(35%)の黄色油状物としての表題化合物を提供した。H NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 7.36-7.23(m,5H),3.67-3.51(m,2H),1.31(m,10H),0.85-0.15(m,4H).
【0114】
【化19】
【0115】
化合物6.3。(S)-シクロプロピル(フェニル)メタンアミン塩酸塩。該表題化合物は、5.2の代わりに6.2(500mg、1.69mmol、1.00当量)が使用されたことを除いて5.3の調製のために使用されたものと同様のプロトコールを用いて調製され、220mg(88%)の黄色油状物としての表題化合物を提供した。H NMR(300MHz,d-DMSO):δppm 7.37-7.31(m,5H),3.53(d,J=10.0Hz,1H),1.37-1.25(m,1H),0.75-0.55(m,1H),0.53-0.31(m,2H),0.25-0.15(m,1H).
【0116】
【化20】
【0117】
化合物6。(S)-6-((シクロプロピル(フェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。該表題化合物は、5.3の代わりに6.3(200mg、1.36mmol、1.00当量)が使用され、1,4-ジオキサンが溶媒として利用されたことを除いて5の調製のために使用されたものと同様の手順を用いて調製された。減圧下の濃縮の後、溶離液としてEtOH:ヘキサン(1:4)のイソクラチック混合物によるキラルHPLC(Phenomenex Lux 5μ Cellulose-4、2.1225、5μmカラム)による精製は、22mg(5%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)300(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d)δppm 9.82(s,1H),7.39-7.25(m,5H),7.25-7.32(m,1H),6.72(m,1H),4.90(m,1H),4.22(s,1H),3.78(m,1H),1.27(m,6H),1.57(m,1H),0.60(m,1H),0.56-0.32(m,2H).
【0118】
〔実施例7〕
(S)-6-((シクロプロピル(3-メトキシフェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【化21】
NMP(0.5mL)中の6-クロロ-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(1.3、50mg、0.265mmol)、(S)-シクロプロピル-(3-メトキシフェニル)メチルアミン(Sigma-Aldrich、104mg、0.587mmol)、およびプロトンスポンジ(85mg、0.397mmol)の溶液が、130℃で2hにわたって撹拌された。室温まで冷却後、HO中20~90%のCHCN(両方共0.1%のTFAを含む)により溶離する分取RP-HPLC(島津製作所、Phenomenex Gemini-NX C18カラムを備えたProminence LC-20APシステム)により精製された。純粋な化合物を含んでいる画分が混合され、凍結乾燥されて10mg(11%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)330(M+H)H-NMR(400MHz,CDOD):δppm 7.26(t,J=7.8Hz,H),6.92-6.79(m,3H),5.00(m,1H),3.79(s,3H),3.74(d,J=8.6Hz,1H),1.36(d,J=7.0Hz,6H),1.23-1.13(m,1H),0.68-0.60(m,1H),0.58-0.50(m,1H),0.50-0.42(m,1H),0.41-0.34(m,1H).
【0119】
〔実施例8〕
(S)-6-((シクロブチル(フェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0120】
【化22】
【0121】
化合物8.1。(S,E)-N-(シクロブチルメチレン)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド。CHCl(10mL)中のシクロブタンカルボアルデヒド(1.0g、11.89mmol、1.00当量)の溶液に、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.143g、0.57mmol、0.05当量)、(S)-(-)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1.22g、10.07mmol、0.85当量)、および硫酸マグネシウム(7.14g、59.32mmol、5.00当量)が加えられた。その得られた混合物は、室温で終夜撹拌された。その反応混合物は、濾過され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル中の30%EtOAc)により精製されて、2.0g(90%)の白色固体としての表題化合物を提供した。H NMR(400MHz,CDCl)δppm 8.08(d,J=10.8Hz,1H),3.36-3.32(m,1H),2.25-2.16(m,4H),2.03-1.90(m,2H),1.15(s,9H).
【0122】
【化23】
【0123】
化合物8.2。(S)-N-((S)-シクロブチル(フェニル)メチル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド。フェニルマグネシウムブロミド(EtO中3M、15.3mL、2.00当量)が、THF(40mL)中の8.1(4.3g、22.96mmol、1.00当量)の溶液に滴下で加えられた。その反応混合物は、65℃で3hにわたって加熱された。それは続いて室温まで冷却され、NHCl飽和水溶液(30mL)により注意深くクエンチされた。その得られた混合物は、EtOAc(3×30mL)により抽出され、その混合された有機層は、無水NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮されて5.8g(95%)の白色固体としての表題化合物を提供した。H-NMR(300MHz,CDCl)δ7.30-7.21(m,5H),4.23(d,J=9.6Hz,1H),2.73-2.68(m,1H),1.95-1.60(m,6H),1.14(s,9H).
【0124】
【化24】
【0125】
化合物8.3。(S)-シクロブチル(フェニル)メタンアミン塩酸塩。該表題化合物は5.2の代わりに8.2(5.8g、0.022mol、1.00当量)が使用された以外は5.3の調製のために使用されたものと同様の手順を用いて調製され、3.20g(91%)の白色固体としての表題化合物を提供した。H NMR(300MHz,DO):δppm 7.36-7.28(m,5H),4.18(m,1H),2.87-2.73(m,1H),2.11-2.01(m,1H),1.90-1.69(m,5H).
【0126】
【化25】
【0127】
化合物8。(S)-6-((シクロブチル(フェニル)メチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。化合物8.3(0.200g、1.24mmol、1.00当量)が1NのNaOH(10mL)中に溶解され、25℃で1hにわたって撹拌された。その反応混合物は、EtOAcにより抽出された(5×10mL)。その混合された有機層は無水NaSOにより脱水され、濾過され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、7の調製に対して記載されているように、NMP中に溶解され、1.3およびプロトンスポンジと混合され、加熱された。該表題化合物(35mg、9%)は白色固体として単離された。LC/MS:m/z(ES+)314(M+H)H NMR(300MHz,CDOD):δppm 7.38-7.26(m,5H),5.08-4.97(m,1H),4.25(d,J=6.9Hz,1H),2.68-2.58(m,1H),2.19-2.13(m,1H),1.98-1.83(m,5H),1.36(d,J=6.9Hz,6H).
【0128】
〔実施例9〕
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製
【0129】
【化26】
【0130】
化合物9.1。1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)尿素。テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(5.0g、49.4mmol、1.0当量)およびイソシアン酸カリウム(4.0g、49.5mmol、1.0当量)がHO(50mL)中で終夜還流された。その反応は、室温まで冷却され、水層を飽和させる助けとなるように過剰のNaClが加えられた。沈殿物が濾過によって単離され、所望の生成物(1.28g、8.88mmol)が提供された。その水層は、EtOAcにより洗浄され(3×15mL)、次いで濃縮され、トルエンと共沸された(3×100mL)。その得られた固体は1:4のCHOH:EtOAc(100mL)中に懸濁され、合計4回濾過された。その混合された有機物は減圧下で濃縮され、単離された沈殿物を混合されて5.01g(70%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)145(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ6.14(d,J=7.5Hz,1H),5.47(s,2H),3.85(dt,J=11.6,3.6Hz,2H),3.65-3.52(m,1H),3.38(td,J=11.4,2.2Hz,2H),1.80-1.72(m,2H),1.42-1.27(m,2H).
【0131】
【化27】
【0132】
化合物9.2。1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。化合物9.1(2.8g、19.4mmol)が、EtOH(30mL)中に溶解され、マロン酸ジエチル(2.45mL、21.4mmol、1.1当量)、およびNaOEt(7.55mL、23.3mmol、1.2当量)が加えられた。その反応物は、85℃で終夜撹拌され、その後室温まで冷却された。その反応混合物は、HO(5mL)により希釈され、その水層を飽和させるために過剰のKHSOが加えられた。その反応混合物はEtOAcにより抽出された(3×15mL)。混合された有機層が、無水MgSOにより脱水され、濾過され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中0~25%のCHOH)により精製され、1.57gのさらなる精製なしで使用される表題化合物を含んでいる混合物を提供した。LC/MS:m/z(ES-)211(M-H)
【0133】
【化28】
【0134】
化合物9.3。6-クロロ-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。CHCN(15mL)中の9.2(1.57g、7.4mmol、1当量)の溶液に、POCl(0.551mL、5.9mmol、0.8当量)が加えられた。その反応混合物は、80℃で終夜撹拌された。POCl(0.4当量)のさらなるアリコートが加えられ、その反応混合物は80℃で3hにわたって撹拌された。POCl(0.4当量)のさらなるアリコートが、80℃での撹拌の3h後および5h後に加えられた。その反応混合物は、その後90℃で1hにわたって撹拌された。その反応物は室温まで冷却され、濃縮され、EtO(15mL)と共に回転させられデカントされた。その得られた残留物は、EtO(15mL)によりすすがれ、EtOがデカントされて透明になるまでデカントされた。その得られた残留物はCHOH(10mL)中に注意深く懸濁され、濾過された。その濾液は濃縮されて出発材料と表題化合物の混合物(約85%純度、1.6g)を得た。LC/MS:m/z(ES-)229(M-H)
【0135】
【化29】
【0136】
化合物9。(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。9.3(0.15g、0.65mmol、1当量)および(S)-(-)-α-メチルベンジルアミン(470mg、3.88mmol、6.0当量)の混合物が、90℃で終夜撹拌された。その反応混合物は、室温まで冷却され、その得られた残留物は、分取RP-HPLC(30分でのHO中0~40%CHCN)により精製され、その後、予備のTLCプレート(2000μm)(CHCl中7%のCHOH)に基づく第2の精製が続き、23mg(11%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)316(M+H)H NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 10.23(s,1H),7.40-7.32(m,4H),7.31-7.17(m,1H),6.93(s,1H),4.84-4.71(m,1H),4.56-4.43(m,1H),4.35(s,1H),3.93-3.78(m,2H),3.28(t,J=12.1Hz,2H),2.63-2.39(m,2H),1.40(d,J=6.7Hz,3H),1.35-1.16(m,2H).
【0137】
〔実施例10〕
(S)-6-((1-(3-メトキシフェニル)エチル)アミノ)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(10)の調製。
【化30】
2-プロパノールおよびHO(4:1、1mL)の混合物中の9.3(0.58g、0.25mmol)の溶液に、(S)-1-(3-メトキシフェニル)-エチルアミン(0.113g、0.75mmol、3.0当量)が加えられた。その反応混合物は2hにわたって120℃に加熱された。冷却後、その反応混合物は減圧下で濃縮され、CHOHに溶解され、濾過された。その濾液は、分取RP-HPLC(25mL/分での40分におけるHO中20~100%のCHCN)により精製され、18mg(21%)のオフホワイト固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)346(M+H)H NMR(400MHz,アセトン-d)δ8.90(s,1H),7.15(dd,J=8.3,8.1Hz,1H),6.88(s,1H),6.86(d,J=8.3Hz,1H),6.68(d,J=8.1Hz,1H),6.15(s,1H),4.74(m,1H),4.48(m,1H),4.35(s,1H),3.82(m,2H),3.68(s,3H),3.2(m,2H),2.55(m,2H) 1.44(d,J=6.6Hz,3H),1.15(m,2H).
【0138】
〔実施例11〕
6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製
【0139】
【化31】
【0140】
化合物11.1。6-クロロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。0℃でのNMP(70mL)中の6-クロロ-ウラシル(3.0g、20.47mmol、1当量)およびLiBr(1.78g、20.5mmol、1.0当量)の混合物に、NaH(鉱油中60%の分散液、0.82g、20.5mmol、1.0当量)が加えられた。その反応混合物は、0℃で10分間撹拌され、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(3.75g、22.5mmol、1.1当量)が添加漏斗によりゆっくりと加えられた。その反応混合物は、室温で終夜撹拌され、その後EtOAc(150mL)により希釈された。その混合物は、NHCl飽和水溶液(50mL)、NaHCO飽和水溶液(50mL)、およびブライン(50mL)により洗浄された。その有機層は無水NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮されて、3.2g(57%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)299(M+Na)H NMR(400MHz,CDCl):δppm 9.00-8.80(br-s,1H),5.95(s,1H),5.45(s,2H)),3.63(t,J=7.0Hz,2H),1.48(t,J=7.0Hz,2H),0.01(s,9H).
【0141】
【化32】
【0142】
化合物11.2。6-クロロ-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。0℃でのTHF(7.5mL)中の11.1(277mg、1.0mmol、1当量)、3-ヒドロキシテトラヒドロフラン(106mg、1.2mmol、1.2当量)、およびトリフェニルホスフィン(320mg、1.2mmol、1.2当量)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.240g、1.2mmol、1.2当量)が滴下で加えられた。その反応混合物は、室温で30分間撹拌された。その反応混合物は、減圧下で濃縮され、その得られた残留物は、分取RP-HPLC(25mL/分で40分間の0.1%のギ酸緩衝液を含むHO中20~100%のCHCN)により精製されて102mg(29%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)347(M+H)H NMR(400MHz,CDCl)δ5.92(s,1H),5.58(m,1H),5.41(s,2H),4.20(m,1H),4.00-3.85(m,3H),3.65(t,J=7.0Hz,2H),2.35-2.20(m,1H),2.20-2.08(m,1H),0.95(t,2H),0.01(s,9H);13C NMR(CDCl)δ160.7,150.7,145.6,102.0,74.8,68.7,67.9,67.5,51.9,28.7,18.0,0.0.
【0143】
【化33】
【0144】
化合物11.3。6-クロロ-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。化合物11.2(0.50g、1.4mmol、1.0当量)がトリフルオロ酢酸(1mL)中に溶解された。その反応混合物は、室温で30分間撹拌され、その後減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、分取RP-HPLC(25mL/分で40分間のHO中10%のCHCN)により精製されて300mg(96%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)217(M+H)H NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 5.90(s,1H),5.35(m,1H),4.00(m,1H),3.85-3.68(m,3H),2.20(m,1H),2.01(m,1H).
【0145】
【化34】
【0146】
化合物11。6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。該表題化合物は、9.3の代わりに11.3(22mg、0.10mmol、1.00当量)が使用された以外は9の調製のために使用されたものと同様の手順を用いて調製され、15mg(50%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)302(M+H)H NMR(400MHz,CDCl):δppm 10.50(1H),7.50-7.20(m,5H),5.90(m,1H),5.60(m,1H),4.78(m,1H),4.45(s,1H),4.20(m,1H),4.05-3.90(m,2H),3.90-3.80(m,1H),2.45-2.10(m,2H),1.55(d,J=6.7Hz,3H).
【0147】
〔実施例12〕
(S)-3-(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)-6-(1-フェニルエチルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0148】


【化35】
【0149】
化合物12.1。tert-ブチル4-(3-ベンゾイルウレイド)ピペリジン-1-カルボキシレート。0℃におけるCHCl(180mL)中のベンゾイルイソシアネート(4.8g、32.6mmol)の溶液に、4-アミノ-1-N-boc-ピペリジン(6.0g、30mmol)が加えられた。その反応混合物は、室温で4hにわたって撹拌され、濃縮された。その残留物は、EtO(100mL)により処理された。その沈殿物は、濾過され、EtOにより洗浄されて、5.70g(55%)の白色固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)337(M+H)
【0150】
【化36】
【0151】
化合物12.2。tert-ブチル4-ウレイドピペリジン-1-カルボキシレート。CHOH(70mL)およびHO(70mL)中の12.1(5.60g、16.1mmol)の混合物に、水酸化ナトリウム(11.6g、290mmol)が少しずつ加えられた。その反応混合物は、室温で終夜撹拌され、その後1hにわたって還流された。その混合物は室温まで冷却され、CHOHを除去するために減圧下で濃縮された。その沈殿物は濾過され、HOで洗浄され、乾燥されて、3.2g(82%)の白色固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)266(M+Na)
【0152】
【化37】
【0153】
化合物12.3。tert-ブチル4-(2,4,6-トリオキソ-テトラヒドロピリミジン-1(2H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート。12.2(3.63g、14.9mmol)、マロン酸ジエチル(2.6mL、16.5mmol、1.1当量)および無水エタノール(60mL)の混合物に、NaOEt(EtOH中21%、6.6mL、17.7mmol、1.2当量)が加えられた。その混合物は14hにわたって還流され、濃縮された。その残留物は、HO(15mL)中に取り上げられ、EtOAcにより洗浄された(2×30mL)。その水層が分離され、濃HClによりpH=5に調整された。その沈殿物は、濾過され、HOで洗浄され、乾燥されて、3.70g(80%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)334(M+Na)
【0154】

【化38】
【0155】
化合物12.4。6-クロロ-3-(ピペリジン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。12.3(2.55g、8.19mmol)およびPOCl(10mL、100.65mmol)の混合物に、HO(0.41mL、22.78mmol)が滴下で加えられた。その混合物は、120℃で30分間撹拌され、その後濃縮された。その残留物は氷水(20g)中に注意深く取り上げられた。その混合物に、KCO(およそ8.0g)が、pHがおよそ7になるまで少しずつ加えられた。その沈殿物は、濾過され、HO(20mL)およびEtOAc(50mL)で洗浄された。その得られた物質は、乾燥されて、1.45g(77%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)230(M+H)
【0156】
【化39】
【0157】
化合物12.5。6-クロロ-3-(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。12.4(380mg、1.65mmol、1.0当量)およびCHCl(8mL)の混合物に、EtN(0.70mL、4.95mmol、3当量)およびメタンスルホニルクロリド(0.23mL、2.5mmol、1.5当量)が加えられた。その混合物は、室温で2hにわたって撹拌され、その後HO(3mL)によりクエンチされて沈殿物を生じた。その沈殿物は濾過され、CHClにより洗浄された(3×3mL)。その濾液はおよそ1.5mLまで濃縮された。第2の沈殿物の濾過の後にHOによる洗浄(2×1mL)およびCHClによる洗浄(3×2mL)が続けられた。その沈殿物は混合されて320mg(63%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)308(M+H)
【0158】
【化40】
【0159】
化合物12。(S)-3-(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)-6-(1-フェニルエチルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。12.5(20mg、0.065mmol)および(S)-α-メチルベンジルアミン(180mg、1.5mmol、23当量)の混合物が、125℃で1hにわたって撹拌された。その混合物は減圧下で濃縮され、CHOH中に溶解され、濾過された。その濾液は、40分を超える直線勾配のHO(0.1%ギ酸緩衝液)中の20%~100%のCHCNにより溶離する分取RP-HPLCを用いて精製され、16mg(63%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)393(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.40(br s,1H),7.35-7.25(m,4H),7.15(m,1H),6.55(s,1H),4.58(m,1H),4.42(m,1H),4.30(s,1H),3.52(m,2H),2.79(s,3H),2.70-2.62(m,2H),2.50-2.48(m,2H),1.48-1.38(m,2H),1.32(d,J=6.8Hz,3H).
【0160】
〔実施例13〕
(S)-メチル4-(2,6-ジオキソ-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロピリミジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの調製。
【0161】
【化41】
【0162】
化合物13.1。メチル4-(4-クロロ-2,6-ジオキソ-2,3-ジヒドロピリミジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート。12.4(115mg、0.5mmol、1.0当量)およびCHCl(2mL)の混合物に、EtN(0.14mL、1.5mmol、3.0当量)が、続いてクロロギ酸メチル(95mg、1.0mmol、2.0当量)が加えられた。その混合物は、室温で1hにわたって撹拌され、CHCl(8mL)により希釈され、NaHCO飽和水溶液(1mL)、HO(1mL)、ブライン(1mL)により洗浄され、無水NaSOにより脱水され、濃縮されて105mg(73%)のオフホワイト色の固体を生じた。LC/MS:m/z(ES+)288(M+H)
【0163】
【化42】
【0164】
化合物13。(S)-メチル4-(2,6-ジオキソ-4-(1-フェニルエチルアミノ)-2,3-ジヒドロピリミジン-1(6H)-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート。13.1(58mg、0.20mmol)および(S)-α-メチルベンジルアミン(240mg、1.5mmol)の混合物が、0.5hにわたって120℃で撹拌された。該表題化合物は、9の調製のために使用されたものと同様の手順を用いて調製され、40mg(63%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)373(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 9.85(s,1H),7.29-7.15(m,5H),5.75(br s,1),4.80(m,1H),4.60(s,1H),4.35(m,1H),4.20-4.00(m,2H),3.58(s,3H),2.80-2.70(m,2H),2.46(m,2H),1.50(m,2H),1.38(d,J=6.7Hz,3H).
【0165】
〔実施例14〕
3-(R)-sec-ブチル-6-((S)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0166】
【化43】
【0167】
化合物14.1。(R)-1-sec-ブチル尿素。ベンゾイルイソシアネート(5.36g、36.5mmol、1.05当量)が、CHCl(20mL)中に溶解され、氷浴中で0℃まで冷却された。CHCl(10mL)中の(R)-ブタン-2-アミン(2.54g、34.7mmol、1当量)が、撹拌しながら注意深く加えられた。その混合物は、室温で3hにわたってそのまま撹拌された。その反応が完了したとみなされた後、その混合物は濃縮された。その残留物は、EtO(20mL)中に懸濁され、濾過された。その固体は、1:1のCHOHとHOの混合物(200mL)中に取り上げられ、続いてNaOH(6.9g、174mmol、5当量)が加えられた。その反応物は、終夜室温で撹拌された。CHOHがその溶液から蒸発させられ、得られた沈殿物(1.66g、39%)が集められた。LC/MS:m/z(ES+)117(M+H)
【0168】
【化44】
【0169】
化合物14.2。(R)-1-sec-ブチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。化合物14.1(1.66g、14.3mmol、1.0当量)が、EtOH(10mL)中に溶解され、マロン酸ジエチル(1.8mL、15.7mmol、1.1当量)、およびNaOEt(5.6mL、17.1mmol、1.2当量)が加えられた。その反応物は、80℃で2hにわたって撹拌され、その後室温まで冷却された。水(20mL)が加えられ、次いでEtOHが蒸発によって除去された。KHSO(過剰量)が、水層を飽和するために加えられ、それは次にEtOAcにより抽出された。その混合された有機物は、無水MgSOにより脱水され、濃縮されて、1.6g(61%)の粗残留物としての表題化合物を生じ、それはさらなる精製無しで使用された。LC/MS:m/z(ES-)183(M-H)
【0170】
【化45】
【0171】
化合物14.3。(R)-3-sec-ブチル-6-クロロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。CHCN(10mL)中の14.2(1.6g、8.7mmol、1当量)およびPOCl(648μL、7.0mmol、0.8当量)の混合物が、2hにわたって90℃で撹拌された。さらなるPOCl(0.8当量)が加えられ、3hにわたって90℃で撹拌された。その反応物は、室温まで冷却され、CHOH(10mL)により注意深くクエンチされ、30分間撹拌され、順相HPLCの0~25%CHOH/CHClで、続いてCHOHフラッシュにより精製された。その生成物および出発物質は共溶出した。その混合物は濃縮され、その残留物はCHCN(10mL)中に取り込まれ、POCl(648μL)が加えられた。その反応物は、90℃で3hにわたって撹拌され、次いで室温まで冷却された。その反応物は、CHOH(10mL)により注意深くクエンチされ、30分間撹拌された。その反応混合物は、前回条件の順相HPLCにより精製され、濃縮され、真空下で乾燥されて、450mg(32%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES-)201(M-H)
【0172】
【化46】
【0173】
化合物14。3-(R)-sec-ブチル-6-((S)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。純粋な(S)-1-(3-メトキシフェニル)エタンアミン(400μL)中の混合物14.3(150mg、0.74mmol、1.0当量)が、終夜90℃で撹拌された。その反応物は、45分を超えるHO中0~40%のCHCNの勾配によるAgilentシステムに基づく分取RP-HPLCを用いて精製され、13mg(6%)のオフホワイト色の固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)318(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.79(s,1H),7.28(t,J=8.1Hz,1H),6.94-6.88(m,2H),6.84(dd,J=8.2,1.7Hz,1H),6.51(d,J=6.4Hz,1H),4.72-4.59(m,1H),4.47(m,1H),4.35(s,1H),3.76(s,3H),1.98-1.84(m,1H),1.61(m,1H),1.39(d,J=6.7Hz,3H),1.25(d,J=6.9Hz,3H),0.70(t,J=7.4Hz,3H).
【0174】
〔実施例15〕
(S)-6-(1-フェニルエチルアミノ)-3-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0175】
【化47】
【0176】
化合物15.1。1-(ピリジン-3-イル)尿素。ベンゾイルイソシアネート(3.28g、22.3mmol、1.05当量)を、CHCl(30mL)中に取り込み、-10℃に冷却した。ピリジン-3-アミン(2g、21.2mmol、1当量)が撹拌しながら数回に分けて加えられた。その混合物は室温で3hにわたって撹拌されるままにされた。反応が完了したと見なされた後、それは濃縮され、その後1:1のCHOHとHOの混合物(100mL)中にとりあげられ、続いてNaOH(4.25g、106.3mmol、5当量)が加えられた。その反応物は室温で終夜そのまま撹拌され、乾燥するまで濃縮され、続いてトルエンと3回共沸された。EtOAc中10%CHOHの混合物(100mL)がその固体に加えられ、10分間撹拌後濾過された。その固体は、さらに2回懸濁され、濾過された。その混合された濾液は、フィルターを通過した固体があればそれを除去するためにもう一度濾過され、濃縮された。その残留物は、EtOAc(5mL)により粉末化され、真空下で乾燥されて、3.5gの粗製物質(オフホワイト色の固体)を生じ、それはさらなる精製無しで利用された。LC/MS:m/z(ES+)138(M+H)
【0177】
【化48】
【0178】
化合物15.2。1-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。化合物15.1(3.0g、21.8mmol、1.0当量)がEtOH(20mL)中に取り上げられ、続いて、マロン酸ジエチル(2.75mL、24.1mmol、1.1当量)、およびNaOEt(8.5mL、26.3mmol、1.2当量)が加えられた。その反応物は、85℃で終夜撹拌され、次いで室温まで冷却された。水(100mL)がゆっくりと加えられ、次いで重炭酸ナトリウム(8g)が慎重に加えられた。その得られた混合物は、EtOAcで3回洗浄された。その水層は、50mLまで濃縮され、CHOH(150mL)が加えられた。その沈殿物は濾過によって除去され、その濾液は濃縮された。その得られた残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0~25%CHOH/CHCl)により精製され、1.70g(38%)の淡黄色がかった固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)206(M+H)
【0179】



【化49】
【0180】
化合物15.3。6-クロロ-3-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。CHCN(10mL)中の15.2(700mg、3.41mmol、1.0当量)およびPOCl(255μL、2.7mmol、0.8当量)の混合物が、90℃で2hにわたって撹拌された。追加のPOCl(0.8当量)が加えられ、撹拌が、90℃で2hにわたって続けられた。追加のPOCl(1.6当量)が加えられ、次いでHO(150μl、2.5当量)が慎重に加えられた。その反応物は90℃で終夜撹拌された。室温まで冷却後、その混合物は濾過され、その固体がCHOH(1mL)により注意深く洗浄された。酢酸エチル(20mL)がその濾液に加えられ、得られた沈殿物は、濾過によって集められ、真空下で乾燥されて、230mg(30%)の淡黄色がかった固体としての表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)224(M+H)
【0181】
【化50】
【0182】
化合物15。(S)-6-(1-フェニルエチルアミノ)-3-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。純粋な(S)-(-)-α-メチルベンジルアミン(500μL)中の15.3(100mg、0.45mmol、1当量)の混合物が、100℃で終夜撹拌された。冷却後、その反応物は、45分を超えるHO中0~40%のCHCNの勾配によるAgilentシステムに基づく分取RP-HPLCを用いて精製され、その後に7%CHOH/CHClによる予備のTLCプレート(2000μm)に基づく第2の精製が続き、39.5mg(28%)の表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)309(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 11.15(s,1H),8.49(dd,J=4.8,1.4Hz,1H),8.34(d,J=2.4Hz,1H),7.65-7.58(m,1H),7.44(dd,J=8.1,4.8Hz,1H),7.37(m,5H),7.26(m,1H),4.61-4.53(m,1H),4.48(s,1H),1.39(d,J=6.8Hz,3H).
【0183】
〔実施例16〕
(S)-3-(イソオキサゾール-3-イル)-6-(1-フェニルエチルアミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(16)の調製。



【化51】
該表題化合物は、イソオキサゾール-3-アミンが、ピリジン-3-アミンの代わりに使用されたことを除いては化合物15の調製のために使用されたものと同様の手順を用いて調製された。LC/MS:m/z(ES+)299(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 8.96(s,1H),7.38(d,J=3.9Hz,4H),7.28(dd,J=8.4,4.3Hz,2H),7.10(s,1H),6.63(s,1H),4.74-4.52(m,1H),4.48(s,1H),1.44(d,J=6.6Hz,3H).
【0184】
〔実施例17〕
(S)-6-((1-(3-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(17)の調製。
【化52】
該表題化合物は、ヨウ化銅、炭酸セシウム、およびtrans-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンの存在下での35の1H-ピラゾールとのウルマンカップリング(P.E. Fanta、「The Ullmann Synthesis of Biaryls」、Synthesis、1974年、9~21頁)により調製された。LC/MS:m/z(ES+)340(M+H)H-NMR(400MHz,CDOD):δppm 8.26(s,1H),7.70(m,2H),7.66(m,1H),7.51(m,1H),7.34(m,1H),6.55(s,1H),5.05(m,1H),4.62(m,1H),1.58(d,J=6.8Hz,3H),1.37(m,6H).
【0185】
〔実施例18〕
さらなるピリミジンジオン化合物の調製。
表1の化合物が、上記のような実施例に従って調製された。
【0186】
【表1】
【0187】
【表2】
【0188】

【表3】
【0189】


【表4】
【0190】


【表5】
【0191】


【表6】
【0192】
〔実施例48〕
(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0193】






【化53】
【0194】
化合物48.1。1-プロピル尿素。0℃のCHCl(35mL)中のn-プロピルアミン(2.15g、36.5mmol、1.00等量)の撹拌された溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(4.94g(85%純度)、36.5mmol、1.00等量)が滴下で加えられた。その反応混合物は、室温で72hにわたって撹拌され、その後0℃まで冷却された。その冷やされた混合物は、CHOH(10mL)の滴下添加によりクエンチされ、減圧下で濃縮された。その得られた固体は、EtO(30mL)中に懸濁され、濾過された。この固体は、EtO(30mL)によりさらに洗浄され、乾燥されて、2.0g(38%)の白色固体としての表題化合物を提供した。
【0195】
【化54】
【0196】
化合物48.2。1-プロピルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。CHOH(1mL)中の48.1(600mg、5.88mmol、1.00当量)に、マロン酸ジエチル(960mg、6.0mmol、1.02当量)およびナトリウムメトキシド(1mL、CHOH中に重量で25%のNaOCH)が加えられた。その反応混合物は、マイクロ波反応器中130℃で1hにわたって加熱された。その混合物は、冷却され、その混合物は濃HClによりpH=3に注意深く調整された。揮発性のものは除去され、HOが加えられた(10mL)。固体が沈殿し、濾過された。それはさらなるHO(10mL)によりさらに洗浄され、乾燥されて、560mg(56%)の白色固体としての表題化合物を提供した。
【0197】
【化55】
【0198】
化合物48.3。6-クロロ-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。化合物48.2(560mg、3.30mmol)およびPOCl(2mL)が、肉厚の圧力容器に加えられ、それはその後密閉された。その得られた溶液は、70℃に加熱され、防爆シールドの背後で50分間撹拌された。その反応混合物は、冷却されて、減圧下で濃縮された。その得られた残留物にCHCl(30mL)が加えられ、それはその後減圧下で除去された。そのCHCl(30mL)の添加および蒸発は、あと1回追加して行われ、その後その得られた残留物は、CHCl(50mL)で希釈された。その有機層に、NaHCO飽和水溶液(50mL)が注意深く加えられた。その層は分離されて、その有機物は、HO(30mL)およびブライン(30mL)によりさらに洗浄された。その有機層は、濃縮され、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中10%のEtOAcを利用)により精製されて160mg(26%)の白色固体としての表題化合物を提供した。
【0199】
【化56】
【0200】
化合物48。(S)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)-3-プロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。1,4-ジオキサン(1.5mL)中の48.3(160mg、0.85mmol、1.0当量)に、EtN(200μL)および(S)-α-メチルベンジルアミン(235mg、1.94mmol、2.3当量)が加えられた。その混合物は、マイクロ波反応器中130℃で2hにわたって加熱された。その混合物は冷却され、濃縮された。得られたその残留物は、HO:CHCNの8:3の混合物により処理され、それは沈殿をもたらした。その固体は濾過され、HO(10mL)およびEtOAc(10mL)により連続して洗浄された。その固体は乾燥され、67mg(29%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)274(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.92(br s,1H),7.36-7.22(m,5H),6.54(d,J=7.0Hz,1H),4.50(五重線,J=6.7Hz,1H),4.35(s,1H),3.54(dd,J=8.0,6.9Hz,2H),1.42-1.36(m,5H),0.76(t,J=7.6Hz,3H).
【0201】
〔実施例49〕
(S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0202】
【化57】
【0203】
化合物49.1。1-(3,5-ジフルオロフェニル)尿素。室温でのアルゴン下のCHCl(50mL)中の3,5-ジフルオロアニリン(4.0g、31mmol、1.00当量)の撹拌された溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(3.56g、30.90mmol、1.00当量)が滴下で加えられた。その反応混合物は、終夜撹拌され、CHOH(50mL)の滴下添加によりクエンチされた。その反応混合物は減圧下で濃縮され、その得られた残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/CHOH(10:1から7:1)で溶離)によって精製され、2.0g(38%)の白色固体としての表題化合物を生じた。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 8.96(s,1H),7.16-7.10(m,2H),6.72-6.66(m,1H),6.07(br s,2H).
【0204】
【化58】
【0205】
化合物49.2。1-(3,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。CHOH(20mL)中の49.1(1.6g、0.0093mol、1.1当量)の撹拌された溶液に、マロン酸ジエチル(1.4g、0.0087mol、1.0当量)およびナトリウムメトキシド(1.25g、0.0231mol、2.7当量)が加えられた。その得られた混合物は、65℃で終夜撹拌された。周囲温度まで冷却後、そのpHが、1NのHCl水溶液を用いて5に注意深く調整された。その得られた溶液は、EtOAcにより抽出された(3×50mL)。その有機層は混合され、減圧下で濃縮された。その残留物は、CHOH(50mL)で洗浄され、得られた固体は濾過によって単離され、700mg(31%)の白色固体としての表題化合物を与えた。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 11.66(s,1H),7.43-7.35(m,1H),7.11-7.08(m,2H),3.77(s,2H).
【0206】
【化59】
【0207】
化合物49.3。6-クロロ-3-(3,5-ジフルオロフェニル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。49.2(740mg、3.08mmol、1.00当量)を含有しているアルゴン下の25mLの丸底フラスコに、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド(840mg、1.20当量)およびPOCl(3mL)が加えられた。その得られた溶液は、50℃で4hにわたって撹拌された。その反応物は、冷却され、水/氷(20mL)の注意深い添加によってクエンチされた。その溶液のpHは、2Nの水酸化ナトリウムにより5に調整された。その得られた溶液は、EtOAcにより抽出され(2×10mL)、その有機層は混合された。その有機層は、ブライン(10mL)で洗浄され、無水MgSOにより脱水され、濾過され、減圧下で濃縮された。これは、500mg(粗製)の白色固体としての表題化合物をもたらした。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 12.60(br,1H),7.38-7.32(m,1H),7.21-7.16(m,2H),6.05(s,1H).
【0208】

【化60】
【0209】
化合物49。(S)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。49.3(200mg、0.77mmol)に(S)-α-メチルベンジルアミン(1.5mL)が加えられた。その得られた溶液は、120℃で2hにわたって撹拌された。その反応混合物は、DMF(3mL)により希釈され、その粗生成物(100mg)は、以下の条件:XBridge Prep C18 OBD Column、5μm、19150mm;移動相、0.05%のTFAを含むHOおよびCHCN(10分間で40.0%のCHCNから90.0%まで)での分取RP-HPLCによって精製された。これは、21.6mg(8%)の白色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)344(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 10.25(br s,1H),7.38-7.35(m,4H),7.28-7.21(m,2H),7.03-6.98(m,2H),6.76(d,J=6.9Hz,1H),4.59(五重線,J=6.7Hz,1H),4.50(d,J=2.0Hz,1H),1.42(d,J=6.7Hz,3H).
【0210】
〔実施例50〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(m-トリル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0211】
【化61】
【0212】
化合物50.1。(R,E)-2-メチル-N-(1-(m-トリル)エチリデン)プロパン-2-スルフィンアミド。THF(50mL)中の1-(3-メチルフェニル)エタノン(1.61g、12.0mmol、1.00当量)および(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.94g、14mmol、1.33当量)の撹拌された溶液に、Ti(OEt)(3.19g、14mmol、1.17等量)が滴下で加えられた。その反応混合物は、60℃で16hにわたって撹拌され、室温まで冷却され、NaHCO飽和水溶液(50mL)によりクエンチされた。層分離されて、その水層はEtOAcによりさらに抽出された(2×100mL)。その混合された有機物は、濃縮され、その得られた残留物はフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中0~5%のCHOHで溶離)によって精製されて、1.51g(53%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)238(M+H)
【0213】
【化62】
【0214】
化合物50.2。(R)-2-メチル-N-((S)-1-(m-トリル)エチル)プロパン-2-スルフィンアミド。N雰囲気下の-78℃のTHF(30mL)中の50.1(1.51g、6.37mmol)の溶液に、L-selectrideが加えられた(滴下、10mL、THF中1.0M、10mmol)。その反応混合物は、0℃まで温められ、1hにわたって撹拌され、NHCl飽和水溶液(30mL)により注意深くクエンチされた。層分離され、その水層は、EtOAcによりさらに抽出された(2×50mL)。混合された有機物が濃縮され、その得られた残留物はフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中0~5%のCHOHで溶離)によって精製されて、0.85g(56%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)240(M+H)
【0215】
【化63】
【0216】
化合物50.3。(S)-1-(m-トリル)エタン-1-アミン塩酸塩。無水EtOH(10mL)にAcClが加えられた(1.5mL、滴下)。その混合物は、10分間撹拌され、次いでEtOH(3mL)中の50.2(0.85g、3.56mmol)に加えられた。その反応混合物は、周囲温度で2hにわたって撹拌され、濃縮された。その得られた固体はEtO中に懸濁され、濾過された。その固体はさらなるEtOにより洗浄され、乾燥されて、402mg(66%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)136(M+H)
【0217】
【化64】
【0218】
化合物50.4。(S)-1-(m-トリル)エタン-1-アミン。CHCl(10mL)中の50.3(205mg、1.20mmol)の撹拌された溶液に、MP-carbonate(1.0g、3.18mmol/g)が加えられた。その反応混合物は、室温で1hにわたって撹拌され、その後濾過された。その固体のビーズは、さらなる10mLのCHClにより洗浄され、その混合された濾液は、濃縮されて、表題化合物を与え、それは何らの精製も無く先に進められた。
【0219】

【化65】
【0220】
化合物50。(S)-3-イソプロピル-6-((1-(m-トリル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。0.5~2.0mLのマイクロ波管中の50.4(前の反応からほぼ1.2mmol、2.0当量と推定)に、化合物1.3(110mg、0.59mmol、1.0当量)が加えられた。そのマイクロ波管は、密閉され、防爆シールドの背後で2.5hにわたって120℃で加熱された。冷却(ほぼ60℃まで)の際に、NMP(2.5mL)がその反応混合物に加えられた。その混合物はその固体が完全に溶解するまで超音波処理および加熱(ほぼ60℃まで)された。その得られた溶液は、40℃まで冷却され、HO/CHCNの3:1の混合物(5mL)が加えられた。固体が沈殿し、濾過によって集められた。その淡いベージュ色の固体は、その後HOで洗浄され、乾燥されて、97mg(57%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)288(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.73(br s,1H),7.22(t,J=8.0Hz,1H),7.12-7.04(m,3H),6.45(d,J=8.0Hz,1H),4.90-4.86(m,1H),4.42(q,J=6.7Hz,1H),4.31(d,J=2.4Hz,1H),2.29(s,3H),1.36(d,J=6.7Hz,3H),1.27-1.23(m,6H).
【0221】
〔実施例51〕
(S)-6-((1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0222】
【化66】
【0223】
化合物51.1。2-(4-フルオロフェニル)-N-メトキシ-N-メチルアセトアミド。CHCl(300mL)中の2-(4-フルオロフェニル)酢酸(15g、97.32mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、メトキシ(メチル)アミン塩酸塩(11.1g、113.79mmol、1.20当量)、4-ジメチルアミノピリジン(12g、98.22mmol、1.00当量)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(28.2g、147.10mmol、1.50当量)、およびDIEA(37.5g、290.14mmol、3.00当量)が加えられた。その得られた溶液は、室温で16hにわたって撹拌され、次いでEtOAc(150mL)により希釈された。その有機物は1NのHCl水溶液(2×150mL)およびブライン(2×150mL)により洗浄された。それは、次に無水NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮された。その粗製残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル(1:3)により溶離)によって精製された。これは、18g(88%)の黄色の油状物としての表題化合物をもたらした。H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 7.29-7.25(m,2H),7.03-6.99(m,2H),3.75(s,2H),3.65(s,3H),3.21(s,3H).
【0224】
【化67】
【0225】
化合物51.2。2-(4-フルオロフェニル)アセトアルデヒド。-10℃におけるアルゴン下のTHF(60mL)中の51.1(3g、15.21mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、LiAlH(1.15g、30.30mmol、2.00当量)が数回に分けて加えられた(注意:発熱反応)。得られた溶液は、-10℃に冷却される前に室温で1hにわたって撹拌された。その反応物は、次にNHCl飽和水溶液(50mL)の注意深い添加によってクエンチされた。その得られた固体は、濾過され、その濾液はEtOAcにより抽出された(3×50mL)。その有機層は混合され、ブライン(50mL)で洗浄され、無水NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮されて2.5g(粗製)の黄色油状物としての表題化合物を与えた。
【0226】
【化68】
【0227】
化合物51.3。(S)-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-アミン塩酸塩。該表題化合物は、5.3の調製に対して記載されている方法に従って、3,5-ジフルオロベンズアルデヒドの代わりに51.2を使用して合成された。LC/MS:m/z(ES+)154(M+H)
【0228】
【化69】
【0229】
化合物51.4。(S)-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-アミン。1NのNaOHの水溶液(5mL)に、51.3(300mg、1.59mmol)が加えられた。その得られた混合物は、25℃で1時間にわたって撹拌された。その得られた溶液は、EtOAcにより抽出された(2×10mL)。その有機層は無水硫酸ナトリウムにより脱水され、減圧下で濃縮されて160mg(65%)の表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)154(M+H)
【0230】
【化70】
【0231】
化合物51。(S)-6-((1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。NMP(0.5mL)中の51.4(160mg、1.04mmol、2.00当量)の撹拌されている溶液に、1.3(99mg、0.52mmol、1.00当量)およびプロトンスポンジ(168mg、0.78mmol、1.50当量)が加えられた。その得られた溶液は、オイルバス中で100℃で5hにわたって撹拌された。その反応混合物は減圧下で濃縮された。その残留物(100mg)は、分取RP-HPLCにより精製されて30mg(19%)の灰色の固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)306(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.81(br s,1H),7.27(dd,J=8.8,5.6Hz,2H),7.17-7.12(m,2H),5.89(d,J=7.6Hz,1H),5.00-4.92(m,1H),4.58(s,1H),3.69-3.65(m,1H),2.74(d,J=6.4Hz,2H),1.31(d,J=6.8Hz,6H),1.08(d,J=6.4Hz,3H).
【0232】
〔実施例52〕
(R)-3-イソプロピル-6-((2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(52)の調製。
【化71】
0.2~0.5mLのマイクロ波バイアルに、1.3(85mg、0.45mmol)および(R)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエタン-1-アミン(200μL、過剰量)が加えられた。その反応混合物はマイクロ波反応器中に密封され、40分間180℃に加熱された。その反応混合物は、周囲温度まで冷却され、次いでその固体を完全に溶解するためにNMP(1mL)が加えられた。次に、2:1のHO/CHCNの混合物(6mL)が加えられ、それが沈殿をもたらした。その固体は濾過によって単離され、HOで洗浄され、乾燥されて50mg(34%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)328(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.79(br s,1H),7.50-7.40(m,5H),5.66-5.56(m,2H),4.92-4.87(m,2H),1.28-1.25(m,6H).
【0233】
〔実施例53〕
3-((R)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0234】
【化72】
【0235】
化合物53.1。(R)-1-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)尿素。0℃のN下のCHCl(10mL)中の(R)-(-)-2-アミノ-1-プロパノール(0.65g、8.68mmol、1当量)の撹拌されている溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(1.00g、8.68mmol、1.0当量)が滴下で加えられた。その反応混合物は終夜撹拌され、その間にゆっくりと室温まで温まった。0℃まで冷却後、CHOH(10mL)が滴下で加えられた。その得られた溶液は、室温で2hにわたって撹拌され、その後減圧下で濃縮されて、白色固体としての表題化合物(1.02g、99%)を提供した。
【0236】
【化73】
【0237】
化合物53.2。(R)-1-(1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)尿素。0℃のTHF(10mL)中の水酸化ナトリウム(0.52g、13.2mmol、1.5当量)の懸濁液に、53.1(1.02g、8.67mmol、1当量)が加えられた。その反応混合物は、N下の0℃で20分間撹拌され、その後臭化ベンジル(1.03mL、8.67mmol、1当量)が加えられた。その反応混合物は終夜撹拌され、その間にゆっくりと室温まで温まった。その反応混合物は、HO(3mL)によりクエンチされ、EtOAc(15mL)中に抽出され、無水NaSOにより脱水され、濾過され、濃縮された。その得られた残留物はフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中10%のCHOH)により精製され、510mg(28%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)209(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 7.42-7.27(m,5H),4.79(d,J=6.7Hz,1H),4.52(d,J=2.7Hz,2H),3.91(s,1H),3.51(dd,J=9.4,3.9Hz,1H),3.40(dd,J=9.2,5.3Hz,1H),1.19(d,J=7.0Hz,3H).
【0238】
【化74】
【0239】
化合物53.3。(R)-1-(1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。CHOH(10mL)中の53.2(0.51g、2.42mmol、1当量)を含有しているマイクロ波バイアルに、マロン酸ジエチル(2.55g、2.55mmol、1.05当量)、続いてナトリウムメトキシド(CHOH中の25重量%溶液、1.31g、6.06mmol、2.5当量)が加えられた。そのバイアルは蓋をされ、その反応混合物はマイクロ波反応器中で150℃で15分間加熱された。室温まで冷却後、その反応混合物は、HO(2mL)によりクエンチされ、そのpHが濃HClにより3に調整された。その反応混合物は丸底フラスコに移され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物はフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5%のCHOH)により精製され、0.62g(92%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)277(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 7.99(s,1H),7.38-7.22(m,5H),5.16-5.11(m,1H),4.52(d,J=12.0Hz,1H),4.45(d,J=12.0Hz,1H),4.02(t,J=9.8Hz,1H),3.56(q,J=1.57Hz,2H),1.37(d,J=7.00Hz,3H).
【0240】
【化75】
【0241】
化合物53.4。(R)-3-(1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-6-クロロピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。53.3(0.25g、0.91mmol、1当量)を含有しているマイクロ波バイアルに、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド(0.28g、1.26mmol、1.4当量)およびPOCl(1mL)が加えられた。そのバイアルは蓋をされ、その反応混合物はマイクロ波反応器中で130℃で1分間加熱された。その反応混合物は丸底フラスコに移され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物はCHCl(5mL)に溶解され、水(2mL)が注意深く加えられた。その混合物は、10分間撹拌された。層分離され、その有機層は、NaSOにより脱水され、濾過され、減圧下で濃縮された。その得られた残留物はフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中5%のCHOH)により精製され、150mg(55%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)295(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 10.27(s,1H),7.36-7.20(m,5H),5.32-5.21(m,2H),4.57(d,J=12.0Hz,1H),4.48(d,J=12.0Hz,1H),4.10(dd,J=10.0,9.2Hz,1H),1.40(d,J=7.0Hz,3H).
【0242】
【化76】
【0243】
化合物53。3-((R)-1-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。(S)-α-メチルベンジルアミン(1.5mL)を含有しているマイクロ波バイアルに、53.4(0.12g、0.42mmol)が加えられた。そのバイアルは蓋をされ、その反応混合物はマイクロ波反応器中で150℃で10分間加熱された。冷却後その反応混合物は、シリカゲルのプラグ(CHCl中10%のCHOH)を通して濾過され、その濾液は、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、CHCl(10mL)に溶解され、10%HCl(5mL)により洗浄された。その有機層は無水NaSOにより脱水され、濾過され、濃縮されて、150mg(94%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)380(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 9.96(br s 1H),7.35-7.24(m,10H),4.70(br s,1H),4.53-4.41(m,4H),4.03-3.99(m,1H),3.65-3.61(m,1H),1.49(d,J=6.7Hz,3H),1.37(d,J=7.0Hz,3H).
【0244】
〔実施例54〕
3-((R)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-6-(((S)-1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(54)の調製。
【化77】
EtOH(2mL)中の53(0.10g、0.26mmol、1当量)の溶液に、パラジウム炭素(10重量%負荷(ドライベース)、マトリックス活性炭素、ウェットサポート、デグサタイプ、0.025g)が加えられた。その反応フラスコは、窒素でパージされ、次いでH2(g)バルーンが取り付けられた。その反応混合物は真空排気され、次いでH2(g)で満たされた。このポンプ/パージプロセスは3回繰り返され、その反応混合物は室温で4hにわたって撹拌された。窒素でパージ後、その反応混合物は濾過され、その濾液は減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、CHCN(2mL)中に懸濁され、その沈殿物は濾過によって単離された。その沈殿物は、CHCl:CHOH(1:1、2mL)中に溶解され、2μMのPTFEの25mmのフィルターを通して濾過され、減圧下で濃縮されて、27mg(35%)の表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)290(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 9.67(s,1H),7.35-7.24(m,5H),5.64(d,J=5.5Hz,1H),5.08-5.04(m,1H),4.66(s,1H),4.42-4.35(m,1H),4.24(s,1H),4.04-3.91(m,1H),3.78-3.68(m,1H),1.50(d,J=6.70Hz,3H),1.35(d,J=7.00Hz,3H).
【0245】
〔実施例55〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0246】




【化78】
【0247】
化合物55.1。(S)-1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-アミン塩酸塩。該表題化合物は、5.3の調製に対して記載されている方法に従い、3,5-ジフルオロベンズアルデヒドの代わりに3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用して合成された。
【0248】
【化79】
【0249】
化合物55。(S)-3-イソプロピル-6-((1-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。不活性アルゴン雰囲気下のDMSO(1.5mL)中の55.1(59.8mg、0.27mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、EtN(0.2mL)および1.3(50mg、0.27mmol、1.00当量)が加えられた。その得られた溶液は、オイルバス中120℃で6hにわたって撹拌された。冷却後その混合物は減圧下で濃縮され、その得られた残留物(75mg)は、分取RP-HPLCにより精製されて6.5mg(7%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)342(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 7.78(s,1H),7.74-7.60(m,3H),7.20(br,1H),6.02(br,1H),4.96(dt,J=10.1,5.1Hz,1H),4.67-4.64(m,1H),4.36(s,1H),1.44(d,J=6.8Hz,3H),1.31-1.28(m,6H).
【0250】
〔実施例56〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(2-シアノフェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(56)の調製。
【化80】
中間体56.1が、1.3および(S)-1-(2-ブロモフェニル)エタン-1-アミン塩酸塩(対応する2-ブロモベンズアルデヒドから例えば6.3について記載されている方法を用いて合成された)を使用して、化合物35の調製のために使用されたものと同様の手順を用いて調製された。DMF(2mL)中の56.1(40mg、0.11mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、Zn(CN)(20mg、0.17mmol、1.50当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(131mg、0.11mmol、0.20当量)が加えられた。注意:シアン化物を含んでいる反応。その得られた溶液は、オイルバス中の100℃でのアルゴン雰囲気下で2hにわたって撹拌された。冷却されるとすぐに、その反応はFeSOの飽和水溶液(5mL)によりクエンチされた。その得られた混合物は、EtOAc(20mL)により希釈され、FeSOの飽和水溶液により洗浄された(2×20mL)。その有機層は、無水NaSOにより脱水され、濾過され、減圧下で濃縮された。その粗生成物(5mg)は、以下の条件:カラム、Phenomenex Lux-2 5u Cellulose-2、30150mm;移動相、ヘキサンおよびEtOH(35分間に50.0%のEtOHを保持)、によるキラル分取HPLCにより精製され、2.1mg(6%)の表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)299(M+H)H-NMR(300MHz,CDCN):δppm 8.59(br s,1H),7.73(d,J=8.4Hz,1H),7.61-7.56(m,1H),7.48-7.45(m,2H),5.09-4.94(m,3H),1.46(d,J=6.6Hz,3H),1.34-1.26(m,6H).
【0251】
〔実施例57〕
(S)-3-ベンジル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0252】
【化81】
【0253】
化合物57.1。3-エトキシ-3-オキソ-1-(1-エトキシ)プロパン-1-イミニウムクロリド。無水EtO(5mL)中のシアノ酢酸エチル(5.0g、44mmol)の撹拌されている溶液に、無水EtOH(3mL)が加えられた。その反応混合物は、0℃まで冷却され、HClガスが10分間吹き込まれた。その反応混合物は室温まで温められ、16hにわたって撹拌された。形成された白色沈殿物は、濾過され、EtO(40mL)により洗浄され、乾燥されて、白色固体としての表題化合物(6.99g)を与えた。LC/MS:m/z(ES+)160(M+H)
【0254】
【化82】
【0255】
化合物57.2。(S,E/Z)-3-アミノ-3-((1-フェニルエチル)アミノ)アクリル酸エチル。EtOH(15mL)中の57.1(585mg、3.0mmol)の撹拌されている溶液に、DIEA(0.8mL)、および(S)-α-メチルベンジルアミン(290mg、2.4mmol)が加えられた。その反応物は、16hにわたって撹拌され、濃縮された。その粗製物は、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中CHOH(0~10%)で溶離)によって精製され、0.57g(98%)の透明な油状物としての表題化合物を生じた。NMR分析は、その生成物が、E/Z異性体の混合物であることを明らかにした。LC/MS:m/z(ES+)235(M+H)
【0256】
【化83】
【0257】
化合物57.3。(S,Z)-3-(3-ベンジルウレイド)-3-((1-フェニルエチル)アミノ)アクリル酸エチル。2つの反応が、並行してセットされ、両方共製品の形成をもたらした(HPLCにより)ので、後で混合された。最初の反応において、イソシアン酸ベンジル(150μL、1.2mmol)が、CHCN(1mL)中の57.2(143mg、0.61mmol)の撹拌されている溶液に加えられた。10分後、DIEA(300μL)が添加された。その反応は、さらに10分間撹拌され、HO(12mL)によりクエンチされた。固体が沈殿し、濾過によって除去された。第2の反応においては、イソシアン酸ベンジル(150μL、1.2mmol)が、CHCN(1mL)中の57.2(143mg、0.61mmol)およびDIEA(300μL)の撹拌されている溶液に加えられた。10分後、その反応混合物は、HO(10mL)によりクエンチされた。その得られた混合物は、EtOAc(40mL)により希釈され、層分離された。その有機層に最初の反応からの濾液が加えられた。その層は分離され、その有機物は、濃縮されて、さらなる精製無しで使用される表題化合物を与えた。
【0258】
【化84】
【0259】
化合物57。(S)-3-ベンジル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。2つの反応が実施され、両方共製品の形成をもたらした(HPLCにより)ので、後で混合された。最初の反応は、CHOH(1mL)中で粗製57.3の1/3を使用した。それはマイクロ波反応器中120℃で10分間加熱された。CHOH(2mL)中の粗製57.3の残りの2/3は、マイクロ波反応器中120℃で20分間加熱された。周囲温度まで冷却後、その反応物は混合され、CHOHが減圧下で除去された。CHCN/0.1%TFAを含むHOの50/50の混合物(5mL)が、その得られた残留物に加えられた。固体が沈殿し、濾過された。得られた茶色の固体がEtOAcにより洗浄され、7mgの白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)322(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 10.05(br s,1H),7.35-7.31(m,4H),7.26-7.16(m,6H),6.61(d,J=7.0Hz,1H),4.79(s,2H),4.52(五重線,J=6.8Hz,1H),4.42(d,J=2.3Hz,1H),1.39(d,J=6.7Hz,3H).
【0260】
〔実施例58〕
(S)-3-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(58)の調製。
【化85】
該表題化合物は、実施例50で記載されているものが少し修正されている手順に従って合成された。ここでは、1,4-ジオキサンが溶媒として使用され、その反応物は110℃で16hにわたって加熱された。その得られた混合物は、冷却され、減圧下で濃縮された。その粗製物は、分取RP-HPLCにより精製されて、19mgの白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)344(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 10.44(br s,1H),7.52-7.42(m,2H),7.39-7.36(m,3H),7.34-7.16(m,3H),6.91(br s,1H),4.65-4.56(m,1H),4.52(s,1H),1.43(d,J=6.7Hz,3H).
【0261】
〔実施例59〕
(S)-6-((1-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0262】
【化86】
【0263】
化合物59.1。2,6-ジフルオロベンズアルデヒド。該表題化合物は、51.2の調製に対して記載されている方法に従って合成された。ここでは、市販されている2,6-ジフルオロ安息香酸が、2-(4-フルオロフェニル)酢酸の代わりに使用された。
【0264】




【化87】
【0265】
化合物59.2。(S)-1-(2,6-ジフルオロフェニル)エタン-1-アミン塩酸塩。該表題化合物は、5.3の調製について記載されている方法に従って合成された。ここでは、59.1が、3,5-ジフルオロベンズアルデヒドの代わりに使用された。
【0266】
【化88】
【0267】
化合物59。(S)-6-((1-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。59.1の1.3との反応は、実施例51に記載されている手順と同様の方法で行われた。ここではしかしながら、その反応混合物は130℃で5hにわたって加熱された。反応混合物のキラルHPLCによる分析は、些細ではない量の鏡像異性体を明らかにした。その鏡像異性体の分離は、Phenomenex Lux-2 5μのセルロース-2、30150mmカラム(40分の運転)からの溶離剤としてEtOH:ヘキサン(1:4)のアイソクラチック混合物を用いる分取キラルHPLCを使用して実施された。LC/MS:m/z(ES+)310(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.80(br s,1H),7.45-7.41(m,1H),7.18-7.14(m,2H),6.52(d,J=8.0Hz,1H),4.94-4.88(m,1H),4.79(五重線,J=7.6Hz,1H),4.41(s,1H),1.56(d,J=6.8Hz,3H),1.30-1.26(m,6H).
【0268】
〔実施例60〕
(R)-6-((1-(2,6-ジフルオロフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(60R)の調製。
【化89】
該表題化合物は、実施例59において行われた化学反応の副生成物として発生した。それは、Phenomenex Lux-2 5μのセルロース-2、30150mmカラム(40分の運転)からの溶離剤としてEtOH:ヘキサン(1:4)のアイソクラチック混合物を用いる分取キラルHPLCにより単離された。LC/MS:m/z(ES+)310(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.98-9.61(br,1H),7.45-7.41(m,1H),7.18-7.14(m,2H),6.52(d,J=8.0Hz,1H),4.94-4.88(m,1H),4.79(五重線,J=7.6Hz,1H),4.41(s,1H),1.56(d,J=6.8Hz,3H),1.30-1.26(m,6H).
【0269】
〔実施例61〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-イル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0270】
【化90】
【0271】
化合物61.1。N-メトキシ-N-メチル-2-(ピリジン-4-イル)アセトアミド。該表題化合物は、51.1の調製に対して記載されている方法に従って合成された。ここでは、市販されている4-ピリジン酢酸が、2-(4-フルオロフェニル)酢酸の代わりに使用された。
【0272】
【化91】
【0273】
化合物61.2。1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-オン。不活性な雰囲気のアルゴンでパージされ維持された250mLの3つ口丸底フラスコに、THF(70mL)およびN-メトキシ-N-メチル-2-(ピリジン-4-イル)アセトアミド(7.0g、0.039mol、1.0当量)が加えられた。その混合物は、0℃に冷却され、CHMgBr(THF中3M、65mL、5.0当量)が滴下で加えられた。その得られた溶液は、周囲温度まで温められ、16hにわたって撹拌された。その反応混合物は、0℃まで冷却され、飽和NHCl溶液(水性、100mL)の添加によってクエンチされた。その得られた溶液は、EtOAcにより抽出された(3×200mL)。その有機層は混合され、無水NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮された。その粗製物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl/CHOH(20:1))により精製され、2.7g(51%)の黄色油状物としての表題化合物を生じた。H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 8.58(m,2H),7.17(d,J=0.4Hz,2H),3.75(s,2H),2.24(s,3H).
【0274】
【化92】
【0275】
化合物61.3。(R)-2-メチル-N-((S)-1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-イル)プロパン-2-スルフィンアミド。該表題化合物は、実施例50に記載されている手順に従って、1-(3-メチルフェニル)エタノンの代わりに61.2を使用して調製された。ここではL-selectrideを使用する還元が、表題化合物(61.3)の単離をもたらした(20%の鏡像体過剰率)。
【0276】
【化93】
【0277】
化合物61.4。(S)-1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-アミン。該表題化合物は、実施例5に記載されている2段階の手順を利用して調製された。最初に、スルホンアミド61.3が、1,4-ジオキサン中でのHClによる処理によって塩酸塩に転化された(化合物5.3に対するプロトコール参照)。その後のその塩酸塩の高純度化(化合物5に対するプロトコール参照)が表題化合物(ほぼ20%ee)をもたらした。
【0278】
【化94】
【0279】
化合物61。(S)-3-イソプロピル-6-((1-(ピリジン-4-イル)プロパン-2-イル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。該表題化合物は、51に対して記載されているプロトコールに従って調製された。ここでは、該反応混合物は、100℃で1hにわたって撹拌された。その反応混合物は、減圧下で濃縮され、その残留物(100mg)は、分取HPLCにより精製され、13.1mgの鏡像異性体の混合物としての表題化合物を与えた。その鏡像異性体は、溶離剤としてEtOH:ヘキサン(1:3)のアイソクラチック混合物を使用するChiralpak IC、225cm、5μmカラムを備えたキラル分取HPLC(20分間の運転)により分離された(13.1mg)。これは、8.2mg(8%)の淡黄色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)289(M+H)H-NMR(300MHz,CDOD):δppm 8.41(d,J=5.7Hz,2H),7.29(d,J=6.0Hz,2H),5.06-4.96(m,1H),4.68(s,1H),3.82-3.75(m,1H),2.87-2.83(m,2H),1.36(d,J=7.2Hz,6H),1.12(d,J=7.2Hz,3H).
【0280】
〔実施例62〕
(S)-6-((1-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0281】
【化95】
【0282】
化合物62.1。(S)-2-(1-(4-(メトキシ)フェニル)エチル)イソインドリン-1,3-ジオン。2~5mLのマイクロ波バイアル中のフタルイミド(1.3g、0.0088mol)に、(S)-1-(4-メトキシフェニル)エタン-1-アミン(2.20mL、0.015mol)およびKCO(1.2g、0.0087mol)が加えられた。その反応混合物は、蓋をされ、160℃で2分間加熱された。その得られた粗製固体はn-BuOH中に懸濁され、濾過された。その濾液は脇に置かれた。その固体はHOにより洗浄され、その濾液は廃棄された。その固体はCHClにより洗浄され、その得られた濾液はHOと区分けされた。その有機物(n-BuOHおよびCHClの層)は混合され、濃縮された。その粗製残留物は、溶離剤としてCHClを使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製され、1.6g(64%)の表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)282(M+H)
【0283】
【化96】
【0284】
化合物62.2。(S)-2-(1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)イソインドリン-1,3-ジオン。0℃のCHCl(8mL)中の62.1(640mg、2.28mmol)の撹拌されている溶液に、BBr(CHCl中1.0M、滴下)が加えられた。その反応物は、30分間を超えて室温まで温まるままにされた。著しい出発物質が残り、そのためその反応物は0℃に冷やして戻された。さらなるBBr(2mL、CHCl中1.0M)が加えられ、その反応物は30分間を超えて室温まで温まるままにされた。その反応混合物は、氷中の5%NaHCO(水溶液)上に注がれた。層分離され、その水層は、CHClによりさらに抽出された。その混合された有機物は、ブラインにより洗浄され、無水NaSOにより脱水され、濃縮されて500mg(82%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)268(M+H)
【0285】






【化97】
【0286】
化合物62.3。(S)-2-(1-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)エチル)イソインドリン-1,3-ジオン。DMF(10mL)中の62.2(500mg、1.87mmol)の撹拌されている溶液に、KCO(560mg、4.05mmol、2.17当量)および臭化ベンジル(0.30mL、420mg、2.45mmol、1.3当量)が加えられた。その反応物は、120℃で5hにわたって撹拌された。その反応物は冷却され、濾過された。水(20mL)が加えられ、EtOAc(60mL)が生成物を抽出するために使用された。その有機層は、HO、10%NaCO(水溶液)HO、およびブラインにより連続して洗浄された(2×)。その有機物は、無水MgSOにより脱水され、濃縮された。その粗製残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHClにより溶離)により精製されて480mg(72%)の表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)358(M+H)
【0287】
【化98】
【0288】
化合物62.4。(S)-1-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)エタン-1-アミン。70/30のEtOH/HO混合物(20mL)中の62.3(480mg、1.34mmol)の撹拌されている溶液に、N・HO(1.5mL)が加えられた。その反応物は16hにわたって撹拌され、濃縮された。その得られた物質は、EtOAcと5%NaCO(水溶液)の間に分割された。層分離され、そのEtOAc層は、ブラインにより洗浄され、濃縮されて、280mg(92%)の表題化合物を与え、それはさらなる精製無しで使用された。LC/MS:m/z(ES+)228(M+H)
【0289】
【化99】
【0290】
化合物62。(S)-6-((1-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。0.5~2.0mLのマイクロ波バイアルに、1,4-ジオキサン(1mL)、62.4(280mg、1.23mmol)、1.3(250mg、1.33mmol)およびDIEA(400μL)が加えられた。その反応混合物は、蓋をされ、マイクロ波反応器中で135℃で1.5hにわたって加熱され、そのまま冷却され、その後濃縮された。その粗反応混合物は、50/50CHCN/HO(0.1%TFA)により処理され、それは沈殿に導かれた。その固体は、濾過によって単離され、乾燥されて、45mg(10%)の白色固体を与えた。LC/MS:m/z(ES+)380(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.73(br,1H),7.43-7.29(m,5H),7.23(d,J=14.5Hz,2H),6.97(d,J=14.5Hz,2H),6.42(d,J=7.0Hz,1H),5.06(s,2H),4.93-4.85(m,1H),4.42(五重線,J=6.8Hz,1H),4.32(d,J=1.6Hz,1H),1.35(d,J=6.7Hz,3H),(m,1H) 1.27-1.23(m,6H).
【0291】
〔実施例63〕
(S)-6-((1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(63)の調製。
【化100】
【0292】
CHOH(20mL)中の62(43mg、0.11mmol)の撹拌されている溶液に、パラジウム炭素(50mg、10重量%負荷(ドライベース)、マトリックス活性炭素、ウェットサポート、デグサタイプ)が加えられた。その容器は窒素で、続いて水素でパージされた。その反応混合物は、H雰囲気下で2hにわたって撹拌された。その系を窒素でパージ後、その混合物は、シーライトを通して濾過され、濃縮された。その得られた固体は8mLのCHCNに溶解され、次いで20mLのHO(0.1%のTFA)が加えられた。その溶液は凍結され、凍結乾燥されて29mg(90%)の白色固体としての表題化合物を与えた。LC/MS:m/z(ES+)290(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.70(br,1H),9.32(s,1H),7.10(d,J=8.6Hz,2H),6.71(d,J=8.6Hz,2H),6.36(d,J=7.0Hz,1H),4.92-4.85(m,1H),4.37-4.33(m,2H),1.33(d,J=6.7Hz,3H),1.27-1.23(m,6H).
【0293】
〔実施例64〕
(R)-6-((2-(ベンジルオキシ)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0294】




【化101】
【0295】
化合物64.1。(R)-2-(2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル)イソインドリン-1,3-ジオン。2.0~5.0mLのマイクロ波バイアルに、(R)-2-アミノ-2-フェニルエタン-1-オール(1.53g、0.0112mol)および無水フタル酸(1.65g、0.0112mol)が加えられた。その反応混合物は、蓋をされ、マイクロ波反応器中で2分間にわたって150℃に加熱された。その混合物は、冷却され、CHCN(2mL)で希釈され、再び蓋をされ、マイクロ波反応器中で140℃で20分間の2回目の加熱をされた。その揮発分は減圧下で除去され、その結果生じた固体はEtOAc(50mL)中に懸濁された。その有機層は5%NaHCO(水溶液)、HOおよびブラインで洗浄され、無水MgSOにより脱水され、濃縮された。その粗残留物は、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl中のCHOH(0~5%)により溶離)によって精製され、2.81g(94%)の表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)268(M+H)
【0296】
【化102】
【0297】
化合物64.2。(R)-2-(2-(ベンジルオキシ)-1-フェニルエチル)イソインドリン-1,3-ジオン。該表題化合物は、62.3に対して記載されている手順と類似したやり方でつくられた。しかしながら、この場合、NaH(鉱油中60%分散液、1.2当量)が、KCOの代わりに使用された。特にNaHは、0℃で加えられ、室温で45分間撹拌された。その反応物は、冷やされて0℃に戻され、次いで臭化ベンジル(1.2当量)が加えられた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHClで溶離)が後に続く62.3について記載されている仕上げ手順は、59%の収率で表題化合物を生じた。LC/MS:m/z(ES+)358(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 7.84-7.79(m,2H),7.72-7.67(m,2H),7.52-7.48(m,2H),7.37-7.20(m,8H),5.62(dd,J=10.2,5.9Hz,1H),4.63(t,J=10.2Hz,1H),4.58(s,2H),4.06-4.01(m,1H).
【0298】





【化103】
【0299】
化合物64.3。(R)-2-(ベンジルオキシ)-1-フェニルエタン-1-アミン。該表題化合物は、62.4に対して記載されている手順と同様のやり方で調製された。LC/MS:m/z(ES+)228(M+H)H-NMR(400MHz,CDCl):δppm 7.40-7.24(m,10H),4.56(d,J=2.0Hz,2H),4.25(dd,J=8.8,3.7Hz,1H),3.65-3.60(m,1H),3.49-3.44(m,1H).
【0300】
【化104】
【0301】
化合物64。(R)-6-((2-(ベンジルオキシ)-1-フェニルエチル)アミノ)-3-イソプロピルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。該表題化合物は、62に対して記載されている手順と同様のやり方で調製された。ここではしかしながら、該反応物は140℃で1hにわたって加熱された。冷却後、その粗反応混合物は、50/50CHCN/HO(0.1%TFA)で処理され、それは沈殿に導かれた。LC/MS:m/z(ES+)380(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 10.01(br,1H),7.36-7.26(m,10H),6.62(d,J=6.7Hz,1H),4.93-4.83(m,1H),4.67-4.62(m,1H),4.50(dd,J=12.0,2.0Hz,2H),4.30(s,1H),3.68-3.64(m,1H),3.60-3.55(m,1H) 1.27-1.23(m,6H).
【0302】
〔実施例65〕
(S)-3-(6-メチルピリジン-2-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0303】




【化105】
【0304】
化合物65.1。1-(6-メチルピリジン-2-イル)尿素。アルゴンの不活性な雰囲気でパージされ、維持されている25mLの丸底フラスコに、尿素(1.48g、24.64mmol、1.00当量)および6-メチルピリジン-2-アミン(3g、27.74mmol、1.00当量)が加えられた。その得られた混合物は、145℃で2hにわたって撹拌された。冷却後、その粗生成物(4g)は、CombiFlash:カラム、C18シリカゲル、を使用し、CHCN:HO=0:100からCHCN:HO=50:50の移動相を活用して精製された。これは、1.2g(32%)の白色固体としての表題化合物の単離をもたらした。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.07(s,1H),7.56-7.52(m,1H),7.18-7.14(m,1H),6.80-6.75(m,1H),2.36(s,3H).
【0305】
【化106】
【0306】
化合物65.2。1-(6-メチルピリジン-2-イル)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。該表題化合物は、1.2に対して記載されている手順と同様のやり方で調製された。ここではしかしながら、65℃で終夜撹拌後、その反応混合物は、減圧下で濃縮され、その粗生成物はCHOH:EtO(1:50)から沈殿させられた。その固体は、濾過によって集められ、CHOH(50mL)に溶解された。その溶液のpH値は、陽イオン交換樹脂(Dowex 50WX8-100、5g)により7に調節された。その固体は濾過され、その濾液は減圧下で濃縮されて0.5g(29%)の白色固体としての表題化合物をもたらした。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.27(br s,1H),7.69(t,J=7.6Hz,1H),7.17(d,J=7.6Hz,1H),6.93(d,J=7.6Hz,1H),3.18(s,2H),2.44(s,3H).
【0307】
【化107】
【0308】
化合物65.3。6-クロロ-3-(6-メチルピリジン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。0℃のPOCl(5mL)中の65.2(500mg、2.28mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、1滴(およそ20μL)のHOが加えられた。その得られた溶液は、室温まで温められ、30分間撹拌され、70℃に加熱され、2hにわたって撹拌された。冷却後、その得られた混合物は、減圧下で濃縮された。その得られた残留物は、10mLの氷水中に注意深く溶解された。そのpHは、陰イオン交換樹脂(活性化された201×4(711)強塩基性スチレン系陰イオン交換樹脂、20g)により7に調節され、その固体は濾過された。その濾液は減圧下で濃縮され、0.2g(37%)の黄色固体としての表題化合物をもたらした。
【0309】
【化108】
【0310】
化合物65。(S)-3-(6-メチルピリジン-2-イル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。アルゴンの不活性雰囲気でパージされ維持されている10mLの丸底フラスコに、(S)-α-メチルベンジルアミン(0.5mL)および65.3(200mg、0.84mmol、1.00当量)が加えられた。その得られた溶液は、110℃で3hにわたって撹拌された。冷却後、その得られた混合物は真空下で濃縮された。その残留物(100mg)は、以下の条件:カラム、XBridge Prep C18 OBD Column、5μm、19150mm;移動相、0.05%のNH(HCO)を含むHOおよびCHCN(8分間で15%のCHCNから80%まで)、での分取RP-HPLCによって精製された。これは、28.8mg(11%)の白色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)323(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 7.76(t,J=7.6Hz,1H),7.39-7.22(m,7H),7.05(d,J=7.6Hz,1H),6.82(br,1H),4.63-4.59(m,1H),4.46(s,1H),2.43(s,3H),1.44(d,J=6.4Hz,3H).
【0311】
〔実施例66〕
(S)-3-(2,2-ジフルオロエチル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0312】
【化109】
【0313】
化合物66.1。6-クロロ-3-(2,2-ジフルオロエチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。0℃でのCHCl中の11.1(130mg、0.47mmol)およびEtN(0.2mL)の撹拌されている溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2-ジフルオロエチル(0.10mL)が加えられた。その反応物は室温まで温められ、30分間撹拌された。その混合物は濃縮されて粗混合物の状態で表題化合物を与えた。
【0314】
【化110】
【0315】
化合物66.2。6-クロロ-3-(2,2-ジフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。粗製65.1が、CHCl/TFA(1:1、4mL)に溶解され、3hにわたって撹拌され、濃縮された。その得られた材料は、pHが7になるまで5%NaHCO(水溶液)により処理された。酢酸エチルがその混合物に加えられて層分離された。その水層は濃縮された。その得られた固体はCHCN(15mL)中に懸濁され、濾過によって除去された。その濾液が濃縮されて、52mgの表題化合物を与えた。
【0316】
【化111】
【0317】
化合物66。(S)-3-(2,2-ジフルオロエチル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。1,4-ジオキサン(1.5mL)中の66.2(52mg、0.25mmol)に、EtN(100μL)および(S)-α-メチルベンジルアミン(188mg、1.55mmol)が加えられた。その反応混合物は、マイクロ波反応器中100℃で32分間加熱され、室温まで冷却され、その後濃縮された。その得られた残留物は、2:3のCHCN/HO(10mL)中に2滴のTFA(およそ40μL)と共に溶解された。その混合物は分取RP-HPLCにより精製されて、8mg(11%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)296(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δppm 10.20(br s,1H),7.37-7.32(m,4H),7.26-7.23(m,1H),6.71(d,J=7.0Hz,1H),6.07(tt,J=56.0,4.5Hz,1H),4.54(五重線,J=6.8Hz,1H),4.43(d,J=2.3Hz,1H),4.02(td,J=14.3,4.7Hz,2H),1.40(d,J=6.7Hz,3H).
【0318】
〔実施例67〕
(S)-6-((1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0319】
【化112】
【0320】
化合物67.1。2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド。DMF(150mL)中の3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(10g、72.40mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、炭酸セシウム(35.4g、108.31mmol、1.50当量)およびジブロモメタン(18.7g、107.57mmol、1.50当量)が加えられた。その得られた溶液は、110℃で2hにわたって撹拌された。その溶液は室温まで冷却され、その固形物は濾過によって除去された。その濾液はHO(300mL)により希釈された。その得られた溶液は、EtOAcにより抽出された(2×300mL)。その有機層は、混合され、硫酸ナトリウムにより脱水され、減圧下で濃縮された。その粗製残留物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製され、EtOAc/石油エーテル(1:9)により溶離されて、8g(74%)の黄色固体としての表題化合物を提供した。H-NMR(300MHz,CDCl):δppm 9.81(s,1H),7.41(d,J=8.1Hz,1H),7.34(s,1H),6.93(d,J=8.1Hz,1H),6.08(s,2H).
【0321】
【化113】
【0322】
化合物67.2。(S)-1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エタン-1-アミン塩酸塩。該表題化合物は、5.3の調製に対して記載されている方法に従って合成された。ここでは、67.1が、3,5-ジフルオロベンズアルデヒドの代わりに活用された。LC/MS:m/z(ES+)166(M+H)
【0323】
【化114】
【0324】
化合物67。(S)-6-((1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)エチル)アミノ)-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。該表題化合物は、実施例59において記載されている方法に従って合成された。ここでは、67.2が、(S)-1-(2,6-ジフルオロフェニル)エタン-1-アミン塩酸塩の代わりに活用され、6-クロロ-3-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンが、1.3の代わりに活用された(実施例1に記載されている方法に従って合成された)。LC/MS:m/z(ES+)358(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 10.27(br s,1H),6.94(d,J=1.2Hz,1H),6.89-6.82(m,3H),6.72(d,J=6.9Hz,1H),5.99(s,2H),4.48-4.40(m,4H),1.38(d,J=6.9Hz,3H).
【0325】
〔実施例68〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(o-トリル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4-(1H,3H)-ジオン(68)の調製。
【化115】
NMP(1mL)中の(1S)-1-(2-メチルフェニル)エタン-1-アミン(310mg、2.29mmol、1.50当量)の撹拌されている溶液に、プロトンスポンジ(491.4mg、2.30mmol、1.50当量)および1.3(288mg、1.53mmol、1.00当量)が加えられた。その得られた溶液は、オイルバス中130℃で1hにわたって撹拌され、室温まで冷却され、次にDMSO(2mL)により希釈された。その固形物は濾過され、その濾液は、以下の条件:カラム:X Bridge C18、19150mm、5μm;移動相A:HO/0.05%TFA、移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配:10分間に30%Bから70%B、によるフラッシュ-分取-HPLCによって精製された。これは50mgの粗生成物を提供し、それはその後以下の条件:カラム、Chiralpak IC、225cm、5μm;移動相、ヘキサンおよびエタノール(9:1、15分)、によるキラル分取HPLCによって分離された。これは、35.6mg(8%)の白色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)288(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 9.76(br s,1H),7.28(d,J=7.2Hz,1H) 7.24-7.14(m,3H),6.48(d,J=6.3Hz,1H),4.95-4.86(m,1H),4.60(五重線,J=6.9Hz,1H),4.19(s,1H),2.34(s,3H),1.37(d,J=6.6Hz,3H),1.27(d,J=6.9Hz,6H).
【0326】
〔実施例69〕
(S)-3-シクロブチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0327】
【化116】
【0328】
化合物69.1。1-シクロブチル尿素。0℃でのCHCl(400mL)中のシクロブタンアミン(40g、562.42mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(64.70g、561.60mmol、1.00当量)が少しずつ加えられた。その得られた溶液は、室温で終夜撹拌され、CHOH(80mL)の添加によってクエンチされた。その得られた混合物は、室温で1hにわたって撹拌され、次に減圧下で濃縮された。その残留物は、EtOにより洗浄され(2×100mL)て濾過され、それは53g(83%)の白色固体としての表題化合物を提供した。H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 6.17(d,J=9.0Hz,1H),5.33(s,2H),3.99-3.91(m,1H),2.16-2.07(m,2H),1.81-1.68(m,2H),1.61-1.45(m,2H).
【0329】
【化117】
【0330】
化合物69.2。1-シクロブチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。CHOH(500mL)中のナトリウムメトキシド(62.43g、1.156mol、2.40当量)の撹拌されている溶液に、マロン酸ジメチル(76.42g、0.578mol、1.20当量)および69.1(55g、0.48mol、1.00当量)が加えられた。その得られた溶液は、65℃に加熱され、終夜撹拌された。その反応物は冷却され、HO(100mL)の添加によってクエンチされた。その溶液のpHは、濃HClにより1に調整された。その得られた混合物は、減圧下で濃縮された。その残留物は、溶離液としてCHCl/CHOH(20:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製され、60g(68%)の白色固体としての表題化合物を提供した。H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 11.20(s,1H),4.95-4.86(m,1H),3.56(s,2H),2.72-2.62(m,2H),2.16-2.09(m,2H),1.78-1.60(m,2H).
【0331】
【化118】
【0332】
化合物69.3。6-クロロ-3-シクロブチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。69.2(80g、0.44mol、1.00当量)およびトリエチルベンジルアンモニウムクロリド(140.2g、0.615mol、1.40当量)に、POCl(300mL)が加えられた。その反応物は、65℃で1hにわたって撹拌され、その後減圧下で濃縮された。その反応は、1Lの水/氷の注意深い添加によってクエンチされ、その後、その溶液のpH値は2NのNaOH(水溶液)により1に調整された。その固体は濾過され、CHOH(300mL)およびEtO(2×300mL)により洗浄され、乾燥された。これは、78g(89%の)淡黄色の固体としての表題化合物をもたらした。H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 12.23(s,1H),5.82(s,1H),5.13-5.01(m,1H),2.87-2.73(m,2H),2.13-2.03(m,2H),1.80-1.56(m,2H).
【0333】
【化119】
【0334】
化合物69。(S)-3-シクロブチル-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。アルゴンの不活性な雰囲気でパージされ維持されている500mLの丸底フラスコに、69.3(78g、388.79mmol、1.00当量)および(S)-α-メチルベンジルアミン(150mL、2.00当量)が加えられた。その反応混合物は、120℃で3hにわたって撹拌された。その反応混合物は、室温まで冷却され、CHOH(1L)で希釈され、さらに0℃まで冷却された。その得られた固体は、濾過され、EtOで洗浄され(2×300mL)、真空下で乾燥されて57.25g(52%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)286(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.94(br s,1H),7.40-7.32(m,4H),7.30-7.26(m,1H),6.40(br s,1H),5.19-5.10(m,1H),4.56-4.49(m,1H),4.35(s,1H),2.91-2.81(m,2H),2.02-1.95(m,2H),1.76-1.58(m,2H),1.42(d,J=6.8Hz,3H).
【0335】
〔実施例70〕
(S)-3-イソプロピル-6-((1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0336】
【化120】
【0337】
化合物70.1。(R,E)-2-メチル-N-(2-(トリフルオロメチル)ベンジリデン)プロパン-2-スルフィンアミド。アルゴンの不活性な雰囲気でパージされ維持されている100mLの丸底フラスコに、CHCl(50mL)、2-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(2.01g、11.54mmol、1.00当量)、(R)-(+)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1.68g、13.86mmol、1.20当量)、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.145g、0.05当量)および硫酸マグネシウム(6.93g、5.00当量)が加えられた。その結果得られた溶液は、40℃で48hにわたって撹拌された。その混合物は室温まで冷却され、その固体が濾過された。その濾液は減圧下で濃縮され、その結果得られた残留物はフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/石油エーテル(1:20)で溶離)により精製された。これは、0.96g(30%)の淡黄色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)278(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 8.82-8.80(m,1H),8.24(d,J=7.2Hz,1H),7.95-7.80(m,3H),1.22(s,9H).
【0338】
【化121】
【0339】
化合物70.2。(R)-2-メチル-N-((1S)-1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)-エチル)プロパン-2-スルフィンアミド。-50℃のTHF(20mL)中の70.1(578mg、2.08mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、EtO中の3Mの臭化メチルマグネシウム(1.4mL、4.20mmol、2.0当量)が滴下で加えられた。その結果得られた溶液は、-50℃で2.5hおよび室温でさらに10hにわたって撹拌された。その反応は、NHCl飽和水溶液(10mL)の添加によってクエンチされ、次いで減圧下で濃縮された。その結果得られた残留物は、HO(50mL)で処理され、CHClにより抽出された(2×50mL)。その有機層は混合され、NaSOにより脱水され、減圧下で濃縮された。これは、700mg(60%de)の黄色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)294(M+H)H-NMR(300MHz,DMSO-d):δppm 7.77-7.74(m,1H),7.67-7.60(m,2H),7.43-7.38(m,1H),5.53(d,J=4.5Hz,1H),4.70-4.60(m,1H),1.42(d,J=6.6Hz,3H),1.02(s,9H).
【0340】
【化122】
【0341】
化合物70.3。(S)-1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-アミン塩酸塩。CHOH(4mL)中の70.2(700mg、2.39mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、1,4-ジオキサン(2mL)中の4NのHClが滴下で加えられた。その結果得られた溶液は、室温で1hにわたって撹拌され、次いで減圧下で濃縮された。EtO(5mL)の添加によって固体が沈殿した。その固体は濾過され、乾燥されて白色固体としての表題化合物を提供した(0.32g、60%)。
【0342】



【化123】
【0343】
化合物70.4。(S)-1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-アミン。50mLの丸底フラスコに、70.3(320mg、1.43mmol、1.00当量)およびHO(20mL)中の水酸化ナトリウム(80mg、2.00mmol、1.40当量)が加えられた。その結果得られた溶液は、室温で1hにわたって撹拌され、次いでEtOAc(20mL)により抽出された。その有機層は混合され、減圧下で濃縮された。これは、190mg(70%)の淡黄色油状物としての表題化合物を提供した。
【0344】
【化124】
【0345】
化合物70。(S)-3-イソプロピル-6-((1-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)エチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。アルゴンの不活性な雰囲気でパージされ、維持されている10mLの丸底フラスコに、NMP(2mL)、70.4(160mg、0.85mmol、1.00当量)、1.3(160mg、0.85mmol、1.00当量)、およびプロトンスポンジ(273mg、1.28mmol、1.5当量)が加えられた。その結果得られた溶液は、130℃で4hにわたって撹拌された。その粗生成物(200mg)は、以下の条件:カラム、Phenomenex Lux-2 5μ セルロース-2、30150mm;移動相、ヘキサン-HPLCおよびエタノール-HPLC(14分の中で20%エタノール-HPLCを保持);検出器、uv254/220nm、によるキラル分取HPLCにより精製された。160mgの粗生成物が得られた。その得られた物質(60mg)は、以下の条件:カラム、Phenomenex Lux-2 5μ セルロース-2、30150mm;移動相および勾配:ヘキサン:EtOH=80:20;保持時間(ピーク2)(分):11.106、によるキラル分取HPLCを用いてさらに精製された。これは、30mgの白色固体としての表題化合物をもたらした。LC/MS:m/z(ES+)342(M+H)H-NMR(400MHz,DMSO-d):δppm 9.84(br,1H),7.78-7.68(m,3H),7.56-7.52(m,1H),6.75(br s,1H),4.93-4.86(m,1H),4.68-4.63(m,1H),4.13(s,1H),1.46(d,J=6.8Hz,3H),1.25(d,J=7.2Hz,6H).
【0346】
〔実施例71〕
(S)-3-(1-メチルシクロプロピル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンの調製。
【0347】
【化125】
【0348】
化合物71.1。1-(1-メチルシクロプロピル)尿素。CHCl(6mL)中の1-メチルシクロプロパン-1-アミン塩酸塩(429mg、3.99mmol、1.00当量)およびトリエチルアミン(268mg、2.65mmol、1.00当量)の撹拌されている溶液に、イソシアン酸トリメチルシリル(366mg、3.18mmol、1.20当量)が加えられた。その結果得られた混合物は、室温で終夜撹拌され、0℃でのCHOH(2mL)の滴下での添加によりクエンチされた。その結果得られた溶液は室温まで温められ、さらに1hにわたって撹拌された。その結果得られた混合物は、減圧下で濃縮された。その粗生成物は、CHOH:EtO(1:40)から沈殿させられ、300mg(66%)の白色固体としての表題化合物を提供した。
【0349】
【化126】
【0350】
化合物71.2。1-(1-メチルシクロプロピル)ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン。CHOH(2mL)中の71.1(320mg、2.80mmol、1.0当量)の撹拌されている溶液に、ナトリウムメトキシド(390mg、7.2mmol、2.5当量)およびマロン酸ジメチル(380mg、2.88mmol、1.0当量)が加えられた。その結果得られた溶液は、65℃で終夜撹拌された。冷却後、その反応は、HO(100mL)の添加によりクエンチされた。その溶液のpHは、濃HClにより2に調整され、その得られた混合物は、減圧下で濃縮された。その粗製残留物は、溶離剤としてEtOAc/石油エーテル(1:3)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製された。これは、100mg(20%)の白色固体としての表題化合物を提供した。H-NMR(300MHz,CDCl3):δppm 8.04(br,1H),3.61(s,2H),1.41(s,3H),1.00-,0.86(m,4H).
【0351】
【化127】
【0352】
化合物71.3。6-クロロ-3-(1-メチルシクロプロピル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。71.2(100mg、0.55mmol、1.00当量)およびトリエチルベンジルアンモニウムクロリド(180mg、0.79mmol、1.00当量)に、POCl(2mL)が加えられた。その結果得られた溶液は、50℃で3hにわたって撹拌され、次いで減圧下で濃縮された。その残留物は、10mLの水/氷の添加により注意深くクエンチされ、EtOAcにより抽出された(2×30mL)。その有機層は混合され、減圧下で濃縮された。その粗製残留物は、溶離剤としてCHCl/CHOH(10:1)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製され、40mg(36%)の黄色固体としての表題化合物を提供した。
【0353】
【化128】
【0354】
化合物71。(S)-3-(1-メチルシクロプロピル)-6-((1-フェニルエチル)アミノ)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン。71.3(40mg、0.20mmol、1.00当量)に、(S)-α-メチルベンジルアミン(0.5mL)が加えられた。その反応混合物は、130℃で2hにわたって撹拌され、その後減圧下で濃縮された。その結果得られた残留物は、以下の条件:カラム:X Bridge C18、19150mm、5μm;移動相A:HO/0.05%TFA、移動相B:CHCN;流速:20mL/分;勾配:10分間で30%Bから70%B、による分取RP-HPLCによって精製された。これは15.1mg(27%)の白色固体としての表題化合物を提供した。LC/MS:m/z(ES+)286(M+H)H-NMR(300MHz,CDCN):δppm 8.41(br,1H),7.42-7.29(m,5H),5.79(br,1H),4.48-4.44(m,1H),4.30(s,1H),1.47(d,J=6.9Hz,3H),1.27(s,3H),0.87-0.77(m,4H).
【0355】
〔実施例72〕
さらなるピリミジンジオン化合物の調製。
表1B内の化合物が、上に記載されている実施例(「参照例番号」として提供されている例示的方法)に従って調製された。
【0356】
【表7】
【0357】









【表8】
【0358】


【表9】
【0359】
【表10】
【0360】









【表11】
【0361】








【表12】
【0362】

【表13】
【0363】





【表14】
【0364】
【表15】
【0365】

【表16】
【0366】








【表17】
【0367】








【表18】
【0368】


【表19】
【0369】






【表20】
【0370】
〔実施例73〕
ミオシン阻害アッセイ
小分子薬剤が、ウシの心臓ミオシンの酵素活性を阻害するそれらの能力について、心臓ミオシンからのADP(アデノシン二リン酸)の放出をピルビン酸キナーゼおよび乳酸脱水素酵素(PK/LDH)からなる酵素のカップリングシステムに連結する生化学アッセイを用い、時間の関数としてのNADHの吸光度減少(340nmにおける)を監視して評価された。PKは、PEP(ホスホエノールピルビン酸塩)をピルビン酸塩に変換することによってADPをATP(アデノシン三リン酸)に変換する。ピルビン酸塩は、その時、LDHにより、NADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)をNAD(酸化されたニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換することによって乳酸塩に変換される。その心臓ミオシンの源は、除膜した筋原線維の形をしているウシの心臓からであった。小分子薬剤を試験する前に、そのウシの筋原線維は、それらのカルシウム応答性が評価され、その小分子薬剤の阻害活性を評価するための最終条件として筋原線維系の50%(pCa50)または75%(pCa75)の活性化を達成するカルシウム濃度が選択された。全ての酵素活性は、12mMのPIPES(ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸))、2mMの塩化マグネシウムを含んでいるpH6.8の緩衝液(PM12緩衝液)中で測定された。最終のアッセイ条件は、1mg/mLのウシ心臓筋原線維、0.4mMのPK/LDH、50μMのATP、0.1mg/mLのBSA(ウシ血清アルブミン)、10ppmの消泡剤、1mMのDTT、0.5mMのNADH、PEP筋原線維の50%または75%活性化を達成するために必要とされる望ましい遊離カルシウム濃度の1.5mMのPEPであった。
【0371】
一連の化合物の希釈物は、化合物の最終の望ましい濃度が固定された2%のDMSO濃度(v/v)を有する100μLの容積が達成されるようにDMSO中で作られた。典型的には、2μLの一連の希釈物が、96ウェルのプレートに入れられて、8または12ポイントの用量反応が達成された。ウシ心臓筋原線維、PK/LDHおよびカルシウムの溶液を含んでいる50μLの溶液の添加(それは望ましい活性化を達成した)に続いて、その酵素反応は、ATP、PEPおよびNADHを含んでいる50μLの溶液の添加によって開始された。その反応の進行は、透明な半分の面積のプレートを用いる周囲温度でのモレキュラーデバイスM5eプレートリーダー中で追跡された。そのプレートリーダーは、15分間のカイネティックスモードにおける340nmでの吸収を読み取るように設定されていた。データは、時間対吸収応答のスロープとして記録された。時間の関数としての吸収応答のスロープは、DMSOを含有しているプレートのスロープに向けて標準化された。この標準化された割合は、次に小分子濃度に応じてプロットされ、そのデータはグラフパッドプリズムを用いる4つのパラメータフィットに適合された。このプロットの中間点は、IC50であり、全体の応答の50パーセントが阻害される濃度である。試験された最高濃度で50パーセントの阻害を達成することに失敗した薬剤はどれも試験された最高濃度より大きいIC50(即ち、IC50>25μM)として報告された。
【0372】
【表21】
【0373】
【表22】
【0374】
【表23】
【0375】
【表24】
【0376】
ウサギの骨格筋筋原線維に対する選択性が、ミオシンの源が筋原線維の形をしたウサギからの固く締まった骨格筋ミオシンの物であることを除いて上記のようにして評価された。ウサギの骨格筋筋原線維に対する用量反応も、上記のようにして測定された。
【0377】
〔実施例74〕
活性に対する立体化学的優先度
立体異性体の調和したペアが、上記のようなミオシン活性を阻害するそれらの能力について試験された。その結果は表3にまとめられている。全ての場合において、該(R)立体異性体は、該(S)立体異性体より著しく低い活性である。
【0378】
【表25】
【0379】
〔実施例75〕
心筋細胞収縮力アッセイ
成体ラット心室筋細胞の収縮力が、IonOptix収縮力システムによるエッジ検出によって測定される。タイロード緩衝液(137mMのNaCl、3.7mMのKCl、0.5mMのMgCl、1.5mMのCaCl、4mMのHEPES、11mMのグルコース)中の筋細胞のアリコートが、灌流チャンバー(シリーズ20RC-27NE;Warner Instruments)中に配置され、カバースリップに付着するままにされ、次いで37℃のタイロード緩衝液と共に灌流される。筋細胞は1Hzおよび10Vで刺激されてファイルされる。120~180ミクロンの細胞長、細胞長の3~8%に等しい基底短縮率、および1秒当たり100ミクロンより大きい収縮速度を有するペーシング前の静止状態の透明な条線を有する筋細胞のみが収縮実験のために使用される。化合物に対する反応を測定するために、筋細胞は、最初60秒間タイロード緩衝液により還流され、次に5分間の化合物が続き、タイロード緩衝液による140秒間の洗い流しが続く。データは、IonOptixソフトウェアを用いて連続的に記録される。収縮力データはIonwizardソフトウェア(IonOptix)を用いて分析される。各細胞に対して、10~20の収縮力過渡応答が平均化され、基本条件(化合物無し)および化合物で処理された条件の下で比較された。化合物の活性は、短縮率(FS)に対する効果によって測定され、ここで短縮率は、未処理の細胞に対して100%に標準化された基本の細胞長さにより割られた収縮の際の細胞のピークの長さの割合である。
【0380】
【表26】
【0381】
〔実施例76〕
ラットにおける急性薬力学的効果。
代表的な化合物が、インビボのターゲットエンゲージメントの尺度として、ラットにおいて心筋収縮力を調節するそれらの能力について試験された。収縮性の評価尺度の短縮率は、左心室拡張末期径(LVEDd)に対する左心室収縮末期径(LVESd)の変化を記録し、この変化をその割合FS=(LVEDd-LVESd)/LVEDdとして表わすことによって測定された。餌を与えられた雄のSprague-Dawleyラットが、イソフルランにより軽く麻酔をかけられ、ベースライン短縮率が傍胸骨の位置で経胸壁心エコー法(TTE)を用いて測定された。この測定の後に、動物は回収され、経口強制投与により化合物の単回投与(4mg/kg)を受けた。投与3時間後に、第2および第3の心エコー図が、収縮性への薬物作用を測定するために軽い麻酔の下で収集された。効果は、表5にベースライン短縮率のパーセント減少として表されている。
【0382】
【表27】
【0383】
上述の発明は、明確な理解のために、説明図および実施例を手段として少し詳しく説明されているが、当業者であれば、いくらかの変化および修正が、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることが分かるであろう。さらに、本明細書に提供されている各参考資料は、あたかも各参考資料が参照により個々に組み込まれているのと同程度に全体として参照により組み込まれる。本願発明と本明細書に提供されている参考資料との間に不一致が存在する場合は、本願発明が優位を占める。
図1