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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】端末、基地局、システム、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20231031BHJP
   H04W 48/08 20090101ALI20231031BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20231031BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20231031BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W48/08
H04W24/10
H04B7/06 960
H04B7/08 810
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021517137
(86)(22)【出願日】2019-05-01
(86)【国際出願番号】 JP2019018178
(87)【国際公開番号】W WO2020222269
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】藤村 直紀
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/049369(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0343653(US,A1)
【文献】Ericsson,Maintenance for RS and QCL[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809198,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_R,2018年08月24日,第2.3節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/08
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号間のQCL(Quasi-Co-Location)の関係を示す送信構成通知情報を1以上含む設定情報を基地局から受信する受信部と、
前記送信構成通知情報を介して所定数以下の信号同士が関連付いていることを示す情報に基づいて、第1の信号が第2の信号とQCLの関係があることを想定する制御部と、を有する端末であって、
前記送信構成通知情報を介して所定の個数以下の信号同士が関連づいていることを示す情報は、SSB(Synchronization Signal Block)の情報とCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)の情報とを含む端末
【請求項2】
前記制御部は、PDCCH(Physical Downlink Contorl Channel)のDMRS(DemoModulation Reference Signal)またはPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のDMRSが、前記第1の信号または前記第2の信号とQCLの関係があることを想定する、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記所定個の信号の数を2とする、
請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
信号間のQCL(Quasi-Co-Location)の関係を示す送信構成通知情報を1以上含む設定情報を端末に送信する送信部を有し、
前記送信構成通知情報は、所定数以下の信号同士が関連づいていることを示す情報に基づいて、第1の信号が第2の信号とQCL関係があることを想定するための情報を含む、基地局であって、
前記送信構成通知情報を介して所定の個数以下の信号同士が関連づいていることを示す情報は、SSB(Synchronization Signal Block)の情報とCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)の情報とを含む基地局
【請求項5】
信号間のQCL(Quasi-Co-Location)の関係を示す送信構成通知情報を1以上含む設定情報を端末に送信する送信部を有する基地局と、
前記送信構成通知情報を基地局から受信する受信部と、
前記送信構成通知情報を介して所定数以下の信号同士が関連付いていることを示す情報に基づいて、第1の信号が第2の信号とQCLの関係があることを想定する制御部と、を有する端末と、
を有するシステムであって、
前記送信構成通知情報を介して所定の個数以下の信号同士が関連づいていることを示す情報は、SSB(Synchronization Signal Block)の情報とCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)の情報とを含むシステム
【請求項6】
信号間のQCL(Quasi-Co-Location)の関係を示す送信構成通知情報を1以上含む設定情報を基地局から受信するステップと、
前記送信構成通知情報を介して所定数以下の信号同士が関連付いていることを示す情報に基づいて、第1の信号が第2の信号とQCLの関係があることを想定するステップとを含む、
端末の通信方法であって、
前記送信構成通知情報を介して所定の個数以下の信号同士が関連づいていることを示す情報は、SSB(Synchronization Signal Block)の情報とCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)の情報とを含む通信方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける端末、基地局、システム、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
New Radio(NR)では、高い周波数帯の電波を用いて通信を行う場合のカバレッジを確保するために、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)におけるデータの送信、Physical Downlink Control Channel(PDCCH)における制御信号の送信、Synchronization Signal/Physical Broadcast Channel(SS/PBCH)Block(SSB)における同期信号及び報知情報の送信、及び参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS)/Demodulation Reference Signal(DMRS))の送信を行う際にビームフォーミングが適用される。
【0003】
ビームを用いて通信を行う場合、ビームマネジメント(beam management)、或いはビームの制御が重要となる。例えば、2つのビームがあった場合において、基地局は、どちらのビームを用いて信号が送信されているかをユーザ装置に通知する必要がある。このような使用するビームをユーザ装置に対して通知する場合、又は使用するビームの切替をユーザ装置に通知するために、Transmission Configuration Indication(送信構成通知)(TCI)stateが規定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 38.214 V15.4.0(2018-12)
【文献】3GPP TS 38.133 V15.4.0(2018-12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
TCI state(TCI状態)で通知する内容としては、或る物理チャネル又はリファレンス信号(RS)が別のリファレンス信号と同一の無線チャネル(又は、同一の無線特性)であると想定可能であることを示すQuasi-Co-Location(QCL)情報が含まれる。(非特許文献1)。
【0006】
或る物理チャネル又はリファレンス信号(QCL target(QCLターゲット))が別のリファレンス信号(QCL source(QCLソース))とQCLの関係にあることを示す場合に、別の信号をQCLsourceとして直接的に指定(設定)するだけでなく、間接的に指定(設定)することも考えられる。どのような指定(設定)がなされた場合に或る物理チャネル又はリファレンス信号が別のリファレンス信号とQCLの関係にあるかは明確に規定されていない。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、無線通信システムにおいて、どのような指定(設定)がなされた場合に或る物理チャネル又はリファレンス信号が別のリファレンス信号とQCLの関係にあるかを明確にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術によれば、信号間のQCL(Quasi-Co-Location)の関係を示す送信構成通知情報を1以上含む設定情報を基地局から受信する受信部と、前記送信構成通知情報を介して所定数以下の信号同士が関連付いていることを示す情報に基づいて、第1の信号が第2の信号とQCLの関係があることを想定する制御部と、を有する端末であって、前記送信構成通知情報を介して所定の個数以下の信号同士が関連づいていることを示す情報は、SSB(Synchronization Signal Block)の情報とCSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)の情報とを含む端末が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、1以上の送信構成通知情報を含む信号を基地局から受信するステップと、前記送信構成通知情報に基づいて、第1の信号と第2の信号との間にQCL(Quasi-Co-Location)関係を想定することが有効か否か決定するステップと、を有し、前記決定するステップは、前記決定の結果に応じた動作を実行するステップを含む、ユーザ装置の通信方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
実施例によれば、無線通信システムにおいて、どのような指定(設定)がなされた場合に或る物理チャネル又はリファレンス信号が別のリファレンス信号とQCLの関係にあるかを明確にする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態における通信システムの構成図である。
図2】QCLの種別の例を示す図である。
図3】QCL targetとQCL sourceの例を示す図である。
図4A】QCL関係の例を示す図である。
図4B】QCL関係の例を示す図である。
図4C】QCL関係の例を示す図である。
図4D】QCL関係の例を示す図である。
図4E】QCL関係の例を示す図である。
図5】課題を示す図である。
図6】条件の例(その1)を示す図である。
図7】条件の例(その2)を示す図である。
図8】条件の例(その3)を示す図である。
図9】条件の例(その3)を示す図である。
図10】異なる動作の例(その1)を示す図である。
図11】異なる動作の例(その2)を示す図である。
図12】本発明の実施形態における基地局10の機能構成の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態におけるユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態における基地局10又はユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態には限定されない。
【0013】
また、以下で説明する本発明の実施の形態では、既存のLTEで使用されているSS(Synchronization signal)、PSS(Primary SS)、SSS(Secondary SS)、PBCH(Physical broadcast channel)、PRACH(Physical random access channel)、等の用語を使用する。これは記載の便宜上のためであり、これらと同様の信号、機能等が他の名称で呼ばれてもよい。また、NRにおける上述の用語は、NR-SS、NR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、NR-PRACH等に対応する。ただし、NRに使用される信号であっても、必ずしも「NR-」と明記しない。
【0014】
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(TimeDivision Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(Flexible Duplex等)の方式でもよい。
【0015】
また、以下の説明において、送信ビームを用いて信号を送信する方法は、プリコーディングベクトルが乗算された(プリコーディングベクトルでプリコードされた)信号を送信するデジタルビームフォーミングであってもよいし、RF(Radio Frequency)回路内の可変移相器を用いてビームフォーミングを実現するアナログビームフォーミングであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信する方法は、所定の重みベクトルを受信した信号に乗算するデジタルビームフォーミングであってもよいし、RF回路内の可変位相器を用いてビームフォーミングを実現するアナログビームフォーミングであってもよい。デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングを組み合わせたハイブリッドビームフォーミングが送信及び/又は受信に適用されてもよい。また、送信ビームを用いて信号を送信することは、特定のアンテナポートで信号を送信することであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、特定のアンテナポートで信号を受信することとであってもよい。アンテナポートとは、3GPPの規格で定義されている論理アンテナポート又は物理アンテナポートを指す。また、上記プリコーディング又はビームフォーミングは、プリコーダ又は空間領域フィルタ(Spatial domain filter)等と呼ばれてもよい。
【0016】
なお、送信ビーム及び受信ビームの形成方法は、上記の方法に限られない。例えば、複数アンテナを備える基地局10又はユーザ装置20において、それぞれのアンテナの角度を変える方法を用いてもよいし、プリコーディングベクトルを用いる方法とアンテナの角度を変える方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、異なるアンテナパネルを切り替えて利用してもよいし、複数のアンテナパネルを合わせて使う方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。また、例えば、高周波数帯において、複数の互いに異なる送信ビームが使用されてもよい。複数の送信ビームが使用されることを、マルチビーム運用といい、ひとつの送信ビームが使用されることを、シングルビーム運用という。
【0017】
また、本発明の実施形態において、無線パラメータ等が「設定される(Configure)」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、基地局10又はユーザ装置20から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
【0018】
図1は、本発明の実施形態における無線通信システムを説明するための図である。本発明の実施形態における無線通信システムは、図1に示されるように、基地局10及びユーザ装置20を含む。図1には、基地局10及びユーザ装置20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
【0019】
基地局10は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。基地局10は、同期信号及びシステム情報をユーザ装置20に送信する。同期信号は、例えば、NR-PSS及びNR-SSSである。システム情報の一部は、例えば、NR-PBCHにて送信され、報知情報ともいう。同期信号及び報知情報は、所定数のOFDMシンボルから構成されるSSブロック(SS/PBCH block)として周期的に送信されてもよい。例えば、基地局10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータをユーザ装置20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータをユーザ装置20から受信する。基地局10及びユーザ装置20はいずれも、ビームフォーミングを行って信号の送受信を行うことが可能である。例えば、図1に示されるように、基地局10から送信される参照信号はCSI-RS(Channel Channel State Information Reference Signal)を含み、基地局10から送信されるチャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)を含む。
【0020】
ユーザ装置20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。ユーザ装置20は、DLで制御信号又はデータを基地局10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。例えば、図1に示されるように、ユーザ装置20から送信されるチャネルには、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)が含まれる。
【0021】
New Radio(NR)では、高い周波数帯の電波を用いて通信を行う場合のカバレッジを確保するために、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)におけるデータの送信、Physical Downlink Control Channel(PDCCH)における制御信号の送信、Synchronization Signal/Physical Broadcast Channel(SS/PBCH)Block(SSB)における同期信号及び報知情報の送信、及び参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS)/Demodulation Reference Signal(DMRS))の送信を行う際にビームフォーミングが適用される。
【0022】
例えば、Frequency Range 2(FR2)、すなわち、24GHz以上のミリ波の周波数帯域、においては、64ビームを使用することが可能であり、Frequency Range1(FR1)、すなわち、sub-6GHz frequency band、においては、8ビームを使用することが可能である。
【0023】
ビームを用いて通信を行う場合、ビームマネジメント、或いはビームの制御が重要となる。例えば、2つのビームがあった場合において、基地局10は、どちらのビームを用いて信号が送信されているかをユーザ装置20に通知する必要がある。使用するビームをユーザ装置20に対して通知するため、又は使用するビームの切替をユーザ装置20に通知するために、Transmission Configuration Indication(TCI)stateが規定されている。
【0024】
TCI stateで通知する内容としては、或る物理チャネル又はリファレンス信号(RS)が別のリファレンス信号と同一の無線チャネル(又は、同一の無線特性)であると想定可能であることを示すQuasi-Co-Location(QCL)情報が含まれる。
【0025】
例えば、CSI-RS(又はSS/PBCH)といったリファレンス信号とデータを送信するチャネルであるPDSCHがQCL関係にあるということは、これらのリファレンス信号とデータとが同一のビームで送信されるという関係性を有することを意味することができる。
【0026】
図2に示されるように、同一とみなせるQCL parametersに応じて、AからDまでの4種類が規定されている(非特許文献1)。特に、NRでは、基地局10とユーザ装置20との間で複数ビームを用いた通信を実施することが可能とされていることから、或る物理チャネル又はリファレンス信号と別のリファレンス信号との間でspatial Rx parameterが同一であることを通知するQCL Type Dが導入された。
【0027】
NRでは、QCL関係を想定すること(QCL assumption(QCL想定))が可能であることをネットワークからユーザ装置20に通知するために、TCI(Transmission Configuration Indication)―stateが規定されている。例えば、PDSCH(PDSCH-DMRS)、PDCCH(PDCCH-DMRS)、CSI-RSに対して、どのSSB及び/またはCSI-RSリソースをQCL sourceとして参照すればよいかをTCI-stateを用いて通知する。
【0028】
図3は、QCL targetとQCL sourceの例を示す図である。例えば、図3に示すように、或るTarget RSと別のSource RSとの間にはQCL Type Dの関係の想定が可能であり、Source RSを受信するための受信ビーム(Rx beam)はユーザ装置20にとって既知である。この場合、ユーザ装置20は、Source RS受信用と同一の受信ビームを用いてtarget RSを受信し得る。
【0029】
QCLの種別は、同一とみなせるQCLパラメータ(QCL parameters)に応じて、AからDまでの4種類が規定されている(非特許文献1)。
【0030】
特に、QCL Type Dの関係が設定可能な、或る物理チャネル又はリファレンス信号と別のリファレンス信号との組合せについて、QCL Type Dが設定された場合、ユーザ装置20は、QCL Type Dの関係にある、或る物理チャネル又はリファレンス信号と別のリファレンス信号に対して同一の受信ビーム(Rx beam)を用いることが想定できる。
【0031】
ここで、非特許文献2には、ビームマネージメント(beam management)やRLM(Radio Link Monitoring)などの測定を実施する際に、ユーザ装置20が或る参照信号の測定等のために実行する受信ビームのスイーピング(sweeping)が不要になるための条件として、或る参照信号とスイーピング済みの信号との間にQCL Type Dの関係があることが規定されている。
【0032】
図4A、4B、4C、4D、4Eは、QCL関係の典型的な例を示す図である。
【0033】
各図において、左側にはQCL targetが示されており、右側にはQCL sourceが示されており、その間の矢印にはQCL関係の種別が示されている。例えば、図4Aの上段には、QCL targetとしての「PDCCHのDMRS」と、QCL sourceとしての「CSI-RS for tracking」との間にQCL Type Aの関係、及び/または、QCL Type Dの関係がある例が示されており、図4Aの中段には、「PDCCHのDMRS」と「CSI-RS with repetition」との間にQCL Type Aの関係、及び/または、QCL Type Dの関係がある例が示されており、図4Aの下段には、「PDCCHのDMRS」と「CSI-RS」との間にQCL Type Aの関係、及び/または、QCL Type Dの関係がある例が示されている。
【0034】
(課題)
図5は課題を示す図である。図5には、CSI-RSに基づくL1-RSRP(Reference Signal Received Power)報告の例が示されている。
前述のとおり、CSI-RSを用いて測定を実行する際に、受信ビームのスイーピングが不要となる条件として、CSI-RSと所定の信号との間にQCL Type Dの関係があることが規定されている。
【0035】
また、測定に用いる参照信号のリソースとPDCCH/PDSCH(制御信号/データ)が同じOFDMシンボル上にある場合(TDMの場合)、測定と制御信号/データの同時受信が可能か否かの条件としても、PDCCH/PDSCHと参照信号のリソースとがQCL Type Dの関係にあることが規定されている。
【0036】
target信号とsource信号がQCL Type Dの関係にあることを指定(設定)する場合として、QCL sourceを、直接的に指定する場合と、間接的に指定する場合が考えられるが、どのような場合にどのような関係性を適用するかは明確に規定されていない。
【0037】
例えば、「CSI-RS(1)」と「SSB」とがQCL Type Dの関係にあることを指定(設定)する場合、「CSI-RS(1)」に対して、QCL sourceである「SSB」を、直接的に指定する場合(例:「CSI-RS(1)」->「SSB」)と、間接的に指定する場合(例:「CSI-RS(1)」->「CSI-RS(2)」->「SSB」)とが考えられる。
【0038】
仮に、直接的な指定だけを有効とした場合には、実運用上有り得る間接的な指定は無効とされ、本来不要な受信ビームスイーピングが必要となり、余計な遅延が発生し、システムパフォーマンスが劣化する懸念がある。
【0039】
仮に、間接的な指定を無条件に有効とした場合には、ユーザ装置20は、間接的な指定に用いられる複数のTCI stateを繰り返し読み込む必要があり、ユーザ装置20の負荷が増加する懸念がある。
【0040】
(目的)
本発明の実施形態において、適切な測定・受信条件およびユーザ装置20の負荷軽減の両方を考慮し、QCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効か無効かを規定するとともに、有効/無効に伴うユーザ装置20の動作を明確に規定することにより、ユーザ装置20の処理負荷を増加させることなく最適なネットワーク制御および基地局・ユーザ装置間の安定的な通信状態を維持することを目的とする。
【0041】
(実施形態)
本発明の実施形態として、QCL関係の想定(QCL assumption)が有効か否かを決定するための条件を設け、決定に応じてユーザ装置20の動作を異ならせることが考えられる。
【0042】
想定されるQCL関係は、Type A、Type B、Type C、Type D、もしくはその他のQCLパラメータを通知するために新たに規定されるQCL Typeのうち少なくとも1つであってもよいし、Type A、Type B、Type C、Type D、新たに規定されるQCL Typeの組合せであってもよい。
【0043】
QCL関係の想定(QCL assumption)が有効か否かを決定する条件して、例えば、以下の(1)(2)(3)の条件が適用されてもよい。
(1)QCL sourceとして、同期/参照信号が直接指定されているか否かという条件が適用されてもよい。
(2)特定のTCI stateによる設定の組合せが用いられているか否かという条件が適用されてもよい。
(3)所定の同期/参照信号、もしくはPDCCH/PDSCHを起点として、所定の回数以下のTCI stateによる設定の組合せが用いられているか否かという条件が適用されてもよい。
【0044】
ユーザ装置20の動作を異ならせるとは、仕様に記載される特定の動作を異ならせることであってもよいし、動作に適用される規定値を異ならせることであってもよい。例えば、以下の(1)(2)(3)(4)(5)のようにしてユーザ装置20の動作を異ならせてもよい。
(1)ユーザ装置20の受信ビームスイーピングの実行の有無を異ならせてもよい。
(2)特定の測定動作(例:L1-RSRP報告(ビーム品質報告))を追加して実行するか否かによって動作を異ならせてもよい。
(3)データ/制御チャネルと、その他の参照信号の同時受信をできるか否かを異ならせてもよい。
(4)QCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効な場合にのみ仕様書の規定を適用する(有効でない場合にはユーザ装置20は仕様書の規定に従って動作しなくてよい)ことにより動作を異ならせてもよい。
(5)所望の動作の実行に必要な時間(例:遅延時間)の規定を異ならせることにより動作を異ならせてもよい。
【0045】
(有効か無効かを決定するための条件)
QCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効か無効かを決定する条件として、例えば、QCL sourceとして同期/参照信号を直接的に指定しているか否か(例:QCL-infoに当該同期/参照信号を含むか否か)という条件を用いてもよい。図6は、条件の例(その1)を示す図である。図6に示すように、TCI state内のQCL sourceとして直接的に指定されている場合のみ有効と決定してもよい。
【0046】
QCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効か無効かを決定する条件としては、例えば、特定のTCI stateによる指定の組合せの場合にのみ有効としてもよい。図7は、条件の例(その2)を示す図である。図7に示すように、QCL sourceとして直接的に指定された場合、もしくは、「CSI-RS for trancking」を介して間接的に指定されている場合にのみ有効と決定してもよい。例えば、図7の下段に示すように、「CSI-RS」を介して間接的に指定されている場合には無効と決定してもよい。また指定の組み合わせとは、ユーザ装置が実施する所望の動作ごとに変更してもよいし、ユーザ装置の動作によらず特定の組み合わせとしてもよい。
【0047】
QCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効か無効かを決定する条件として、例えば、ある同期/参照信号、もしくはPDCCH/PDSCHを起点にして、所定の回数以下のTCI stateの組合せが用いられているか否かという条件を用いてもよい。
【0048】
例えば、QCL sourceとなる参照信号を起点にしてX回以下のTCI state設定の組合せまでは有効と決定するという条件を用いてもよい。ここで、ある参照信号とは、SSB、「CSI-RS for tracking」、「CSI-RS with repetition」、および、他のCSI-RS(「CSI-RS for tracking」、「CSI-RS with repetition」以外のCSI-RS)のいずれかでもよいし、これらの1以上の組合せであってもよい。「X」の値は、例えば2でもよいし、2以外でもよい。
【0049】
例えば、QCL targetとなるPDCCHまたはPDSCHから逆算してY回以下のTCI state設定の組合せまでは有効と決定するという条件を用いてもよい。ここで、「Y」の値は、例えば2でもよいし、2以外でもよい。また、PDCCH/PDSCHをQCL targetとするTCI state設定の組合せとしては、有効な組合せしか許さないことにしてもよい。
【0050】
図8および図9は、条件の例(その3)を示す図である。図8は、QCL sourceとなるSSBを起点にして2回以下のTCI state設定の組合せまでを有効と決定するという条件を示している。図9は、QCL targetとなるPDCCHから逆算して2回以下のTCI state設定の組合せまでは有効と決定するという条件を示している。
【0051】
(有効か無効かに応じた異なる動作)
QCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効か無効かに応じて異ならせる特定の動作は、例えば、L1-RSRP報告、RLM、BFD(Beam Failure Detection)、CBD(Candidate Beam Detection)、受信ビームスイーピング、あるいはデータ/制御信号の送受信であってもよい。
【0052】
図10は、異なる動作の例(その1)を示す図である。
【0053】
有効か無効かに応じて動作を異ならせる例として、図10に示すように、特定の動作を実行するためのCSI-RSが設定され、設定されたCSI-RSとQCL sourceとの間にQCL関係を想定すること(QCL assumption)が有効であると決定された場合には、設定されたCSI-RSを用いて特定の動作を実行し、有効でないと決定された場合には、(設定されたCSI-RSにおいては)特定の動作を実行しなくてもよい。
【0054】
図11は異なる動作の例(その2)を示す図である。図11に示すように、特定の動作を実行するためのCSI-RSが設定され、設定されたCSI-RSとQCL sourceとの間にQCL関係を想定することが有効であると決定された場合には、設定されたCSI-RSを用いて特定の動作を実行し、有効でないと決定された場合には、特定の動作を実行するために必要な追加の動作(例:受信ビームスイーピング、L1-RSRP報告)を実行した上で、設定されたCSI-RSを用いて特定の動作を実行してもよい。
【0055】
本発明の実施形態として、同一の測定動作について、有効か無効かの決定について異なる種類の決定がなされるQCL assumptionが設定された場合、以下の(1)(2)(3)のいずれかの動作が適用されてもよい。
(1)有効と決定されるQCL assumptionを含むTCI stateが設定された参照信号のみを用いて測定動作が実行されてもよい(無効と決定されるQCL assumptionを含むTCI stateが設定された参照信号を用いた測定動作は実行されなくてもよい)。
(2)設定されたTCI stateのうち少なくとも一つが有効と決定されるQCL assumptionを含む場合、すべてのQCL assumptionを有効とみなして測定動作を実行してもよい。
(3)設定されたTCI stateのうち少なくとも一つが無効と決定されるQCL assumptionを含む場合、すべてのQCL assumptionを無効とみなしてもよい(当該測定動作を実行しなくてもよい)。
【0056】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理動作を実行する基地局10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。基地局10及びユーザ装置20は、本実施の形態で説明した全ての機能を備えている。ただし、基地局10及びユーザ装置20は、本実施の形態で説明した全ての機能のうちの一部のみの機能を備えてもよい。なお、基地局10及びユーザ装置20を総称して通信装置と称してもよい。
【0057】
<基地局10>
図12は、基地局10の機能構成の一例を示す図である。図12に示すように、基地局10は、送信部110と、受信部120と、制御部130と、を有する。図12に示す機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0058】
送信部110は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部120は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部120は受信する信号の測定を行って、受信電力等を取得する測定部を含む。
【0059】
制御部130は、基地局10の制御を行う。なお、送信に関わる制御部130の機能が送信部110に含まれ、受信に関わる制御部130の機能が受信部120に含まれてもよい。
【0060】
基地局10において、制御部130は、ユーザ装置20から報告された各ビームの品質に基づいて、最適なビームを算出し、算出したビームでデータ及び/又は制御信号を送信することを示す情報をTCI stateとして生成する。送信部110は、TCI stateを含む信号をユーザ装置20に送信する。
【0061】
<ユーザ装置20>
図13は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。図13に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、制御部230と、を有する。図13に示す機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0062】
送信部210は、基地局10側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部220は、基地局10から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、受信部220は受信する信号の測定を行って、受信電力等を取得する測定部を含む。
【0063】
制御部230は、ユーザ装置20の制御を行う。なお、送信に関わる制御部230の機能が送信部210に含まれ、受信に関わる制御部230の機能が受信部220に含まれてもよい。
【0064】
ユーザ装置20において、受信部220は、基地局10から通知されたリソースで送信される参照信号を用いて、ビームの品質(RSRP:Reference Signal Received Power)を測定し、送信部210は測定した品質を基地局10に送信する。
【0065】
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(図12図13)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0066】
また、例えば、本発明の一実施形態における基地局10とユーザ装置20はいずれも、本発明の実施形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、本実施の形態に係る基地局10とユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10とユーザ装置20はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0067】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局10とユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した1001~1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0068】
基地局10とユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0069】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0070】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、基地局10の制御部130は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0071】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0072】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0073】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0074】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0075】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0076】
また、基地局10とユーザ装置20はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0077】
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも下記のユーザ装置及び通信方法が開示されている。
【0078】
1以上の送信構成通知情報を含む信号を基地局から受信する受信部と、前記送信構成通知情報に基づいて、第1の信号と第2の信号との間にQCL(Quasi-Co-Location)関係を想定することが有効か否かを決定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1の信号について前記決定の結果に応じた動作を実行する、ユーザ装置。
【0079】
1以上の送信構成通知情報を含む信号を基地局から受信するステップと、前記送信構成通知情報に基づいて、第1の信号と第2の信号との間にQCL(Quasi-Co-Location)関係を想定することが有効か否か決定するステップと、を有し、前記決定するステップは、前記決定の結果に応じた動作を実行するステップを含む、ユーザ装置の通信方法。
【0080】
上記の構成によれば、無線通信システムにおいて、適切な測定・受信条件の観点およびユーザ装置の負荷軽減の観点の両観点について有効なQCL assumptionを規定し、有効か無効かに応じたユーザ装置の動作を明確化することにより、ユーザ装置の処理負荷を増加させることなく、より適切なネットワーク制御および基地局・ユーザ装置間の安定的な通信を維持する技術が提供される。
【0081】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局10とユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0082】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0083】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0084】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0085】
本開示においてユーザ装置20によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。ユーザ装置20を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、ユーザ装置20及びユーザ装置20以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記においてユーザ装置20以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0086】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0087】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0088】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0089】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0090】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0091】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0092】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0093】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0094】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0095】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0096】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0097】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0098】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0099】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0100】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0101】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0102】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0103】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0104】
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0105】
なお、TCI状態(Transmission Configuration Indication state)は、送信構成通知情報の一例である。
【0106】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0107】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0108】
110 送信部
120 受信部
130 制御部
210 送信部
220 受信部
230 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14