(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】クレジット口座を使用する移転
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/16 20120101AFI20231031BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20231031BHJP
【FI】
G06Q20/16
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2021517684
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 US2019056642
(87)【国際公開番号】W WO2020081758
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-05-10
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520107951
【氏名又は名称】アメリカン エキスプレス トラヴェル リレイテッド サーヴィシーズ カンパニー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMERICAN EXPRESS TRAVEL RELATED SERVICES COMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】200 Vesey Street, New York, NY 10285-4900 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】デリワラ, マニシュ
(72)【発明者】
【氏名】ドスタル, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ドゥア, アニル
(72)【発明者】
【氏名】クロチャク, アダム
(72)【発明者】
【氏名】シムハ ラグー, ムクンド シャンカール
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーライヤン, ヴィグネシュ
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-126907(JP,A)
【文献】特開2003-303284(JP,A)
【文献】特開2002-279176(JP,A)
【文献】特表2014-514656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを備える第1のコンピューティング・デバイスと、
前記プロセッサによって実行されるとき、前記第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、
第2のコンピューティング・デバイスからメッセージを受信することであって、前記メッセージが、資金移転の通知と、前記資金移転にリンクされる取引識別子とを含む、受信することと、
前記資金移転を処理するようにという要求を第3のコンピューティング・デバイスに送ることであって、前記要求が、前記資金移転についての前記取引識別子、口座識別子、及び機関識別子を含む、送ることと、
を行わせる、前記メモリ内に記憶された機械可読命令と、
を備え
、
前記取引識別子が、前記メッセージ内に含まれるユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)内に含まれ、前記機械可読命令が更に、前記プロセッサによって実行されるとき、前記第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、
前記URIにアドレス指定される第1の要求を送らせ、
前記第1の要求に応答して、機関のリストを受信させ、
機関の前記リストからの機関の選択に応答して、前記機関についての認証証明を求める第2の要求を受信させ、
前記認証証明の提出に応答して、機関の前記リストから選択された前記機関によって維持される金融口座のリストを受信させ、
前記資金移転は、エスクロー口座から前記金融口座への支払いによって実現される、
システム。
【請求項2】
前記メモリ内に記憶された前記機械可読命令が、前記プロセッサによって実行されるとき、前記第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、
前記資金移転が完了したという表示を受信させ、
前記第1のコンピューティング・デバイスのディスプレイ上に、前記資金移転が完了したという表示をレンダリングさせる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のコンピューティング・デバイスがディスプレイを備え、前記機械可読命令が更に、前記プロセッサによって実行されるとき、前記第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、
前記ディスプレイによってレンダリングされたユーザ・インターフェース内に、金融口座の前記リストを提示させ、
金融口座の前記リストからの金融口座の選択に応答して、前記資金移転を処理するようにという前記要求内に前記金融口座についての前記口座識別子を含めさせる請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記機械可読命令が更に、前記第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、
前記第1のコンピューティング・デバイスのディスプレイ上に提示されたユーザ・インターフェース内に、前記資金移転を確認するようにというプロンプトをレンダリングさせ、
前記資金移転の確認に応答して、前記資金移転を処理するようにという前記要求が送られる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記メッセージがショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージである請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その全体が本明細書に記載されたかのように組み込まれる、PEER-TO-PEER INTERBANK TRANSFERS USING CREDIT ACCOUNTSという名称の2018年10月17日に出願された米国仮特許出願第62/746,866号の優先権及び利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
多くの個人は、商品又はサービスの支払いをするためにクレジット・カード口座を所有している。クレジット・カード所有者が支払いを行うとき、クレジット・カード所有者は、自分の情報を商人に提供する。商人は、クレジット・カード情報をクレジット・カード取引ネットワークに提出し、クレジット・カード取引ネットワークは、取引情報をクレジット・カード所有者の発行銀行に送る。発行銀行は、取引についてそれぞれのクレジット・カードから引き落とし、又はクレジット・カードに請求し、次いでネットワークに支払いを提供し得、ネットワークは、商人の銀行に支払いを提供する。しかしながら、クレジット・カード所有者はクレジット・カード取引ネットワークにアクセスできる任意の商人に支払いを行うことができるが、支払人は、支払人のクレジット・カードで他のクレジット・カード所有者又は非商人に支払いを行うことができない。同様に、商人は、任意の顧客から資金を受け取ることができるが、商人は、特定の取引を払い戻す場合を除いて、他の商人又は顧客に支払いを行うことができない。更に、クレジット・カード取引ネットワークの使用はしばしば、他の支払いレールと比較して高いフィーに関連付けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下の図面を参照すると、本開示の多くの態様をより良く理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも原寸に比例せず、本開示の原理をはっきりと示す時に強調が行われる。更に、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図全体にわたって、対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1B】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1C】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1D】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1E】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1F】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1G】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1H】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1I】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1J】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1K】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1L】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1M】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1N】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1O】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1P】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1Q】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図1R】本開示の様々な実施形態によるクライアントによってレンダリングされるユーザ・インターフェースの例の絵画図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態によるネットワーク環境の図面である。
【
図3】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内で実行されるアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図4】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内で実行されるアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図5】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内で実行されるアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図6A】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内のアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図6B】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内のアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図7A】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内のアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図7B】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内のアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図8】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内のアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【
図9】本開示の様々な実施形態による、
図2のネットワーク環境内のコンピューティング環境内のアプリケーションの部分として実装される機能の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の様々な実施形態は、プロセッサ及びメモリを備える第1のコンピューティング・デバイスと、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、第2のコンピューティング・デバイスからメッセージを受信することであって、メッセージが、資金移転の通知、及び資金移転にリンクされる取引識別子を含む、受信することと、資金移転を処理するようにという要求を第3のコンピューティング・デバイスに送ることであって、要求が、資金移転についての取引識別子、口座識別子、及び機関識別子を含む、送ることとを行わせる、メモリ内に記憶された機械可読命令とを備えるシステムを含む。
【0006】
システムの一つ又は複数の実施形態では、メモリ内に記憶された機械可読命令は、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、資金移転が完了したという表示を受信させ、第1のコンピューティング・デバイスのディスプレイ上に、資金移転が完了したという表示をレンダリングさせる。システムの一つ又は複数の実施形態では、取引識別子が、メッセージ内に含まれるユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)内に含まれ、機械可読命令は更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、URIにアドレス指定される第1の要求を送らせ、第1の要求に応答して、機関のリストを受信させ、機関のリストからの機関の選択に応答して、機関についての認証証明を求める第2の要求を受信させ、認証証明の提出に応答して、機関のリストから選択された機関によって維持される金融口座のリストを受信させる。システムの一つ又は複数の実施形態では、第1のコンピューティング・デバイスはディスプレイを備え、機械可読命令は更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、ディスプレイによってレンダリングされたユーザ・インターフェース内に、金融口座のリストを提示させ、金融口座のリストからの金融口座の選択に応答して、資金移転を処理するようにという要求内に金融口座についての口座識別子を含めさせる。システムの一つ又は複数の実施形態では、機械可読命令は更に、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、第1のコンピューティング・デバイスのディスプレイ上に提示されたユーザ・インターフェース内に、資金移転を確認するようにというプロンプトをレンダリングさせ、資金移転の確認に応答して、資金移転を処理するようにという要求が送られる。システムの一つ又は複数の実施形態では、メッセージはショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージである。
【0007】
本開示の様々な実施形態は、指定のクレジット口座から受取人に指定の額の資金を送るようにという要求を第1のクライアント・デバイスから受信することと、受取人に指定の額の資金を送るようにという要求についての取引識別子をコンピューティング・デバイスに要求することと、第2のクライアント・デバイスに第1の通知を送ることであって、第1の通知が取引識別子を含み、第2のクライアント・デバイスが受取人に関連付けられる、送ることと、受取人が指定の額の資金を受け入れたという第2の通知をコンピューティング・デバイスから受信することであって、第2の通知が金融口座を識別する受信することと、指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することとを含む方法を含む。一つ又は複数の実施形態では、方法は、指定のクレジット口座から指定の額の資金を引き落とすことを更に含む。方法の一つ又は複数の実施形態では、指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することは、即時グロス決済(RTGS)システムを通じて支払いを開始することを更に含む。方法の一つ又は複数の実施形態では、指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することは、バッチ処理されるネット決済ネットワークを通じて支払いを開始することを更に含む。方法の一つ又は複数の実施形態では、指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することは、指定の額の資金についてエスクロー口座から金融口座への支払いを開始することを更に含む。方法の一つ又は複数の実施形態では、指定のクレジット口座から受取人に指定の額の資金を送るようにという要求は、受取人についての連絡先情報を更に含み、第2のクライアント・デバイスに第1の通知を送ることは、連絡先情報で指定される宛先に第1の通知を送ることを更に含む。一つ又は複数の実施形態では、方法は、取引識別子を含むユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)を作成することと、第1の通知内にURIを含めることとを更に含む。方法の一つ又は複数の実施形態では、第2の通知は取引識別子を更に含む。一つ又は複数の実施形態では、方法は、第1のクライアント・デバイスにメッセージを送ることを更に含み、メッセージは、受取人が指定の額の資金を受け入れたことを示す。
【0008】
本開示の様々な実施形態は、第1のコンピューティング・デバイスのプロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、クライアント・デバイスからの資金移転を処理するようにという要求を受信することであって、要求が取引識別子を含む、受信することと、クライアント・デバイスに機関のリストを提供することと、機関のリストからの機関の第1の選択をクライアント・デバイスから受信することと、機関のリストから選択された機関についての認証証明をクライアント・デバイスに要求することと、認証証明の受信に応答して、機関のリストから選択された機関に関連付けられる口座のリストをクライアント・デバイスに提供することと、口座のリストからの口座の第2の選択を受信することと、取引識別子、機関のリストから選択された機関についての第1の識別子、及び口座のリストから選択された口座についての第2の識別子を第2のコンピューティング・デバイスに提供することとを行わせる機械可読命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を含む。非一時的コンピュータ可読媒体の一つ又は複数の実施形態では、資金移転を処理するようにという要求は第2の要求であり、機械可読命令は、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、取引識別子を求める第2のコンピューティング・デバイスからの第1の要求に応答して、取引識別子を生成させ、第2のコンピューティング・デバイスに取引識別子を提供させる。非一時的コンピュータ可読媒体の一つ又は複数の実施形態では、取引識別子が、資金移転を処理するようにという要求内のクライアント・デバイスによって要求されるユニフォーム・リソース識別子(URI)内に含められる。非一時的コンピュータ可読媒体の一つ又は複数の実施形態では、機械可読命令は更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、認証証明を使用するクライアント・デバイスの代わりに、機関のリストから選択された機関によって運用されるピア支払いサービスとの間で認証させる。非一時的コンピュータ可読媒体の一つ又は複数の実施形態では、機械可読命令は更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、資金移転に関連付けられるエスクロー口座についての第3の識別子を第2のコンピューティング・デバイスに提供させる。
【0009】
クレジット・カードなどのクレジット口座を使用して、資金を送り、受け取るための様々な手法が開示される。自動決済機関(ACH)ネットワークや即時グロス決済(RTGS)ネットワークなどを通じた移転などの資金移転が、金融機関間で資金を移転するために使用され得る。金融機関は、顧客の代わりに口座内に資金を保管し、顧客が口座内に資金を預け、又は口座から資金を移転することを可能にする任意の機関又は団体を含み得る。したがって、金融機関は、銀行、クレジット・ユニオン、貯蓄貸付組合、仲介業者、証券会社、送金業者、ストアド・バリュー口座を提供する支払いプロバイダなどを含み得る。
【0010】
移転の完了の前又は後に、資金の移転の性質を反映するように、クレジット・カード口座に入金又は引落しが行われ得る。したがって、金融口座(たとえば、当座預金口座、普通預金口座、証券口座、ストアド・バリュー口座など)又はクレジット口座を有する任意の個人に資金を支払うために、クレジット口座(たとえば、クレジット・カード)が使用され得る。同様に、クレジット口座はまた、金融口座又はクレジット口座を有する任意の個人から資金を受け取り得る。その結果、支払いレールと呼ばれることがある任意の支払いプラットフォーム又は支払いネットワークから資金を受け取り、或いはそれらを通じて資金を支払うために、クレジット・カードが使用され得る。以下の議論では、システム及びその構成要素の全般的な説明が与えられ、その後にそれらの動作の議論が続く。
【0011】
図1A~1Dは、クレジット・カード口座を使用して第3者(たとえば、友人、同僚、クライアント、又は商人)に金銭を送るために、どのように支払人がクライアント・デバイス100と対話し得るかという例を示す。しかしながら、支払人は、他の実装では、クレジット・カード口座を使用して第3者に金銭を送るために他の方式で支払人のクライアント・デバイス100と対話し得る。
【0012】
図1Aは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106aが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、別の個人への直接的支払いのために、ユーザ・インターフェース106a内に提示されたクレジット・カードのリストからクレジット・カードを選択し得る。たとえば、支払人がクライアント・デバイス100上で支払人のモバイル・バンキング・アプリケーションにログインし、別の個人に直接的に支払うためのオプションを選択した場合、支払人は、ユーザ・インターフェース106aなどのインターフェースの提示を受け得る。
【0013】
図1Bは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106bが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、ユーザ・インターフェース106b内に提示された受取人のリストから資金の受取人を選択し得る。受取人のリスト内の個々の受取人について、受取人に関連付けられる一意識別子が提示され得る。そのような一意識別子は、携帯電話番号、eメール・アドレスなどの受取人の連絡先情報を表し得る。たとえば、受取人が、受取人の電話番号を一意識別子として使用して以前に支払いを受けたことがある場合、受取人の電話番号が提示され得る。複数の一意識別子が同一の受取人に対応付けられる場合、デフォルト識別子が提示され得る。
【0014】
様々な手法又は手法の組合せを使用して、受取人のリストにポピュレートされ得る。たとえば、クライアント・デバイス100にとってアクセス可能なアドレス帳又は連絡先のリストから、ユーザ・インターフェース106b内の受取人のリストにポピュレートされ得る。そのような状況では、アドレス帳又は連絡先リスト内のエントリが既知の受取人に合致した場合、エントリが受取人のリストに追加され得る。別の例として、受取人がユーザによって手動で追加されていることがある。
【0015】
図1Cは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106cが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、ユーザ・インターフェース106bを使用して選択した受取人に支払うために金額を指定し得る。支払人が金額を指定した後、支払人は、ユーザ・インターフェース106cを通じて、支払うべき金額を確認し得る。後続のユーザ・インターフェース106では、支払人は、取引詳細(たとえば、選択したクレジット・カード、選択した受取人、及び指定の額の資金)を確認し、ユーザのクレジット・カード口座を使用して受取人への支払いを開始し得る。
【0016】
図1Dは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106dが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、ユーザ・インターフェース106d内で支払人の口座残高及び以前の取引を閲覧し得る。以前の取引の例は、商人との間のクレジット・カード取引、又はユーザ・インターフェース106bを使用して選択した受取人などの他の個人への直接的支払いを含み得る。それぞれの以前の取引の隣に取引額も表示され得る。
【0017】
図1E~1Hは、どのように受取人が複数の個人間で取引を割り勘にし、各個人に各自の負担について支払いを要求し得るかという例を示す。
図1E~1Hは、どのように受取人が支払いを要求し得るかという例を示すが、他の類似の手法も、本開示の様々な実施形態によって包含される。たとえば、特定の取引又は取引全体を割り勘にするのではなく、受取人は、複数の個人間で割り勘にすべき別の額を指定し、各個人に合計のうちの各自の負担について支払いを要求し得る。別の例として、受取人は、単一の個人に支払いを要求するための金額を指定し得る。
【0018】
図1Eは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106eが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106eは、ユーザが選択し得る取引のリストを含み得る。たとえば、受取人が特定の購入(たとえば、レストランでの食事、車のためのタンクのガソリン、店からの贈り物など)の費用を割り勘にしたいと望んだ場合、受取人は、ユーザ・インターフェース106e内に提示された取引から購入を選択し得る。
【0019】
図1Fは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106fが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106fは、ユーザ・インターフェース106eで選択した取引を共に割り勘にすべき個人のリストを含み得る。支払人のリスト内の個々の支払人について、支払人に関連付けられる一意識別子が提示され得る。そのような一意識別子は、携帯電話番号、eメール・アドレスなどの支払人の連絡先情報を表し得る。たとえば、支払人が、支払人の電話番号を一意識別子として使用して以前に支払いを受けたことがある場合、支払人の電話番号が提示され得る。複数の一意識別子が同一の支払人に対応付けられる場合、デフォルト識別子が提示され得る。
【0020】
様々な手法又は手法の組合せを使用して、支払人のリストにポピュレートされ得る。たとえば、クライアント・デバイス100にとってアクセス可能なアドレス帳又は連絡先のリストから、ユーザ・インターフェース106f内の支払人のリストにポピュレートされ得る。そのような状況では、アドレス帳又は連絡先リスト内のエントリが既知の支払人に合致した場合、エントリが支払人のリストに追加され得る。別の例として、支払人がユーザによって手動で追加されていることがある。
【0021】
図1Gは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106gが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106gは、ユーザ・インターフェース106fから選択した支払人の間で、ユーザ・インターフェース106eから選択した取引の費用をどのように割り勘にするかを受取人が指定することを可能にし得る。いくつかの例では、取引の初期の割り勘が提示され得る(たとえば、個人間の均等な割り勘)。しかしながら、任意の一人の個人に要求すべき額が、ユーザ・インターフェース106g内で調整され得る。額が決定されると、受取人は、ユーザ・インターフェースと対話して、個人の支払人に資金を要求し得る。
【0022】
図1Hは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106hが、たとえば
図1E~Gに示されるように要求された支払いのステータスを受取人が確認することを可能にするように、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、一つ又は複数の保留中の支払いが、ユーザ・インターフェース106h内で受取人に提示され得る。たとえば、ユーザ・インターフェース106gを通じて特定の取引について受取人が一人又は複数の個人に資金を要求した後、受取人は、ユーザ・インターフェース106h内の保留中の支払いのリストを閲覧することによって、どの支払人が支払ったか否か、又はどの支払人が支払いを保留にしているかを閲覧することができ得る。
【0023】
図1I~1Mは、他者のクレジット・カード口座からユーザに支払われた資金をユーザがどのように請求し、又は受け取ることができるかという例を示す。たとえば、
図1A~1Hに示されるワークフローの結果として受取人が資金の支払いを受け取った場合、受取人は、一つ又は複数の
図1I~1Mに示されるように、一つ又は複数のユーザ・インターフェース106と対話し得る。
【0024】
図1Iは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106iが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、受取人は、資金が受取人に送られており、利用可能であることを示すメッセージを受け取っている。資金を請求するために、受取人はリンクを選択し得る。
【0025】
図1Jは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106jが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、受取人は、ユーザ・インターフェース106i内で先に提示されたリンクを選択していることがあり得、受取人が複数の金融機関から金融機関を選択することを可能にするユーザ・インターフェース106jの提示を受ける。受取人は、受取人が受け取ることになる資金を預けることを望む口座を受取人が有する金融機関を選択し得る。
【0026】
図1Kは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106kが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、受取人は、先に選択した金融機関との間で認証するための認証インターフェースの提示を受ける。たとえば、受取人は、ユーザ・インターフェース106j内で提供されたリストから金融機関を先に選択していることがある。
【0027】
図1Lは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106lが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106lは、選択した金融機関内の口座及び口座残高のリストを受取人に提供し得る。受取人は、ユーザ・インターフェース106kを使用して認証が成功したことに応答して、ユーザ・インターフェース106lの提示を受け得る。ユーザ・インターフェース106l内で、受取人は、受取人が資金を預けることを望む口座のうちの一つを選択することができ得る。
【0028】
図1Mは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106mが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106mは、受取人が取引を検討することを可能にするための確認ステップを提供する。これは、たとえば、預けられることになる金額、資金が預けられる口座、及び資金を支払っている個人を含み得る。情報を検討した後は、受取人は、ユーザ・インターフェース106mを使用して、取引を確認し、資金を受け入れることができ得る。次いで、後で論じるように、受取人の口座に資金が預けられ得る。
【0029】
しかしながら、いくつかの代替実装では、受取人は、受取人の金融機関との間で認証するように促されないことがある。たとえば、受取人は、
図1Jで受取人の金融機関を選択した後に、受取人の口座番号を入力するように促され得る。これらのシナリオでは、
図1Mに示されるように、受取人が受取人の口座情報を提供し、預金を確認した後に、資金が自動的に預けられ得る。
【0030】
図1N~1Rは、他者のクレジット・カード口座に資金を支払うようにという要求にどのようにユーザが同意し得るかという例を示す。たとえば、
図1E~1Hに示されるワークフローの結果として、支払人が資金を支払うようにという要求を受信した場合、支払人は、一つ又は複数の
図1N~1Rに示されるように、一つ又は複数のユーザ・インターフェース106と対話し得る。
【0031】
図1Nは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106Nが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、別の個人が支払いを要求していることを示すメッセージを受信している。支払い要求に同意するために、支払人はリンクを選択し得る。
【0032】
図1Oは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106oが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、ユーザ・インターフェース106n内で先に提示されたリンクを選択していることがあり得、支払人が複数の金融機関から金融機関を選択することを可能にするユーザ・インターフェース106oの提示を受ける。支払人は、支払い要求を履行するために支払人が資金を引き出すことを望む口座を支払人が有する金融機関を選択し得る。
【0033】
図1Pは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106pが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、支払人は、先に選択した金融機関との間で認証するための認証インターフェースの提示を受ける。たとえば、支払人は、ユーザ・インターフェース106o内で提供されたリストから金融機関を先に選択していることがある。
【0034】
図1Qは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106qが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106qは、選択した金融機関内の口座及び口座残高のリストを支払人に提供し得る。支払人は、ユーザ・インターフェース106pを使用して認証が成功したことに応答して、ユーザ・インターフェース106lの提示を受け得る。ユーザ・インターフェース106q内で、支払人は、支払い要求を履行するために支払人が資金を引き出すことを望む口座のうちの一つを選択することができ得る。
【0035】
図1Rは、本開示の様々な実施形態によるディスプレイ103を備えるクライアント・デバイス100を示す。ユーザ・インターフェース106rが、クライアント・デバイス100のディスプレイ103上にレンダリングされ得る。図示されるように、ユーザ・インターフェース106rは、支払人が取引を検討することを可能にするための確認ステップを提供する。これは、たとえば、引き出されることになる金額、資金が引き出されることになる口座、及び資金が支払われることになる個人を含み得る。情報を検討した後は、支払人は、ユーザ・インターフェース106rを使用して、取引を確認し、資金を受け入れることができ得る。次いで、後で論じるように、受取人の口座に資金が預けられ得る。
【0036】
図2を参照すると、様々な実施形態によるネットワーク環境200が示されている。ネットワーク環境200は、イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、インテグレータ・コンピューティング環境209、及びクライアント・デバイス100を含み得る。イシュア・コンピューティング環境203は、クレジット・カード口座の形で顧客の代わりにクレジットを発行する金融機関であるクレジット・カード・イシュアによって、又はクレジット・カード・イシュアの代わりに運用され得る。ピア・コンピューティング環境206は、クレジット・カード・イシュアとの間のクレジット・カード口座の所有者が支払いを送り、又は支払いを受け取ることを望む顧客を有する金融機関であるピア金融機関によって、又はピア金融機関の代わりに運用され得る。インテグレータ・コンピューティング環境209は、様々な銀行を有する顧客が様々な機関の顧客の口座を単一のアプリケーション又はサービスに統合することを可能にするプロトコル、ツール、又はアプリケーション・プログラミング・インターフェースの共通セットを提供する機関である金融サービスインテグレータの代わりに運用され得る。イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、インテグレータ・コンピューティング環境209、及びクライアント・デバイス100は、ネットワーク213を介して互いにデータ通信し得る。
【0037】
ネットワーク213は、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、又はそれらの組合せを含み得る。これらのネットワークは、ワイヤード又はワイヤレス構成要素、或いはそれらの組合せを含み得る。ワイヤード・ネットワークは、イーサネット・ネットワークと、ケーブル・ネットワークと、光ファイバ・ネットワークと、ダイヤルアップ・ネットワーク、デジタル加入者線(DSL)ネットワーク、統合サービス・デジタル・ネットワーク(ISDN)ネットワークなどの電話ネットワークとを含み得る。ワイヤレス・ネットワークは、セルラ・ネットワーク、サテライト・ネットワーク、Institute of Electrical and Electronic Engineers(IEEE) 802.11ワイヤレス・ネットワーク(すなわちWI-FI(登録商標))、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、マイクロ波伝送ネットワーク、並びに無線ブロードキャストに依拠する他のネットワークを含み得る。ネットワーク213はまた、二つ以上のネットワーク213の組合せをも含み得る。ネットワーク213の例は、インターネット、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)、及び類似のネットワークを含み得る。
【0038】
イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、及びインテグレータ・コンピューティング環境209は、プロセッサ、メモリ、及び/又はネットワーク・インターフェースを含む一つ又は複数のコンピューティング・デバイスを含み得る。たとえば、コンピューティング・デバイスは、他のコンピューティング・デバイス又はアプリケーションの代わりに計算を実施するように構成され得る。別の例として、そのようなコンピューティング・デバイスは、コンテンツをホストし、且つ/又はコンテンツを求める要求に応答して他のコンピューティング・デバイスにコンテンツを提供し得る。
【0039】
更に、イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、及びインテグレータ・コンピューティング環境209は、一つ又は複数のサーバ・バンク、或いはコンピュータ・バンク、或いは他の構成で構成され得る複数のコンピューティング・デバイスを利用し得る。そのようなコンピューティング・デバイスは、単一の設備内に配置され得、又は多くの異なる地理的位置の間で分散され得る。たとえば、イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、又はインテグレータ・コンピューティング環境209は、ホストされるコンピューティング・リソース、グリッド・コンピューティング・リソース、又は任意の他の分散コンピューティング構成を共に含み得る複数のコンピューティング・デバイスを含み得る。いくつかのケースでは、イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、又はインテグレータ・コンピューティング環境209は、処理、ネットワーク、ストレージ、又は他のコンピューティング関連リソースの割り振られる容量が経時的に変動し得るエラスティック・コンピューティング・リソースに対応し得る。
【0040】
様々なアプリケーション又は他の機能が、様々な実施形態にしたがってイシュア・コンピューティング環境203内で実行され得る。イシュア・コンピューティング環境203上で実行される構成要素は、イシュア支払いサービス216、並びに本明細書では詳細には論じない他のアプリケーション、サービス、プロセス、システム、エンジン、又は機能を含み得る。
【0041】
イシュア支払いサービス216は、イシュアとの間のクレジット・カード口座を有する顧客の代わりに資金移転を処理するように実行され得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、顧客のクレジット・カード口座から、別の金融機関に金融口座を有する商人又は顧客への資金の支払いを処理し得る。別の例として、イシュア支払いサービス216は、イシュアとの間のクレジット・カード口座を有する顧客の代わりに資金を受け取り、顧客のクレジット・カード口座残高に資金を入金し得る。
【0042】
更に、イシュア・コンピューティング環境203にとってアクセス可能であるイシュア・データ・ストア219内に様々なデータが記憶される。イシュア・データ・ストア219は複数のデータ・ストアを表し得、複数のデータ・ストアは、リレーショナル・データベース、オブジェクト指向データベース、階層データベース、ハッシュ・テーブル、又は類似のキー-値データ・ストア、並びに他のデータ・ストレージ・アプリケーション又はデータ構造を含み得る。イシュア・データ・ストア219内に記憶されたデータは、以下で説明する様々なアプリケーション又は機能エンティティの動作に関連付けられる。このデータは、被支払人ディレクトリ221aエスクロー口座223a、一つ又は複数のクレジット・ユーザ口座226、機関識別子229a、及び潜在的には他のデータを含み得る。
【0043】
被支払人ディレクトリ221aなどの被支払人ディレクトリ221は、資金の被支払人又は受取人のディレクトリを表し得る。たとえば、電話番号、eメール・アカウントなどの個人についての任意の一意識別子について、以前の取引で使用された機関識別子229及び/又はクレジット口座識別子236又は金融口座識別子249を識別する被支払人ディレクトリ221a内にレコードが記憶され得る。その結果、同一の被支払人に対する後続の支払いが、どこに資金を送るかを決定するために被支払人ディレクトリ221aを参照するイシュア支払いサービス216によって速められ得る。
【0044】
エスクロー口座223aなどのエスクロー口座223は、クレジット・カード口座と他の金融口座との間で移転される資金の一時的保管のためにクレジット・カード・イシュアによって運用される金融口座を表し得る。たとえば、クレジット・カード所有者がピア金融機関の顧客の金融口座から資金を受け取るとき、資金がエスクロー口座223a内に預けられ得る。次いで、顧客のクレジット・カード口座に入金が適用され得る。
【0045】
エスクロー口座223aの使用は、クレジット・カード口座が、クレジット・カード協会(たとえば、VISA(登録商標)、MASTERCARD(登録商標)、DISCOVER(登録商標)、DINER CLUB(登録商標)、CHINA UNIONPAY(登録商標)、又はINDIAN RUPAY(登録商標))によって運用されるクレジット・カード・ネットワーク以外の銀行間取引ネットワークに参加することを可能にし得る。たとえば、クレジット・カード・イシュアは、クレジット・カード口座所有者の代わりに、エスクロー口座223aから別の金融機関の口座への移転を開始し得る。次いで、クレジット・カード・イシュアは、移転された資金額についてクレジット・カード口座に請求し得る。同様に、クレジット・カード・イシュアは、まずクレジット・カードに請求し、次いで移転を開始し得る。その結果、クレジット・カード口座所有者は、クレジット・カード口座所有者のクレジット・カードを使用して、クレジット・カード・ネットワークを使用する必要なしに、他者に資金を支払い得る。同様に、クレジット・カード・イシュアは、クレジット・カード口座所有者の代わりにエスクロー口座223aへの預金を受け取り、その後で資金をクレジット・カード口座の残高に入金し得、又はその逆である。その結果、クレジット・カード口座所有者は、他者からの支払いを受け入れ、その支払いをクレジット・カード口座所有者のクレジット・カード口座に預け、又は入金し得る。
【0046】
クレジット・ユーザ口座226は、イシュア・コンピューティング環境203を運用するイシュアの顧客の口座情報を表し得る。たとえば、少なくとも一つのクレジット・カード口座、チャージ・カード口座、又は類似の直接引落しクレジット口座を有する各顧客が、イシュアとの間のクレジット・ユーザ口座226を有し得る。したがって、クレジット・ユーザ口座226は、一つ又は複数の認証証明233aと、一つ又は複数のクレジット口座識別子236とを含み得る。顧客の名前、連絡先情報(たとえば、メーリング・アドレス、電話番号、又はeメール・アドレス)などの、顧客についての追加の情報もクレジット・ユーザ口座226内に記憶され得る。
【0047】
認証証明233aなどの認証証明233は、口座の所有者の識別を認証又は検証するために使用され得るデータの任意の項目を含み得る。認証証明233の例は、ユーザ名、パスワード、個人識別番号(PIN)、ワンタイム・パスワード(OTP)、認証トークン、暗号鍵対又は証明などを含み得る。所望のセキュリティのレベルに応じて、ユーザは、ユーザの識別を証明するために一つ又は複数の認証証明233を提供するように求められ得る(たとえば、2要素認証、多要素認証など)。
【0048】
クレジット口座識別子236は、顧客がイシュアとの間で所有するクレジット口座(たとえば、クレジット・カード口座、チャージ・カード口座など)を識別する任意の一意識別子であり得る。クレジット口座識別子236の例は、クレジット又はチャージ・カード番号、他の口座に対してイシュアによって維持される個人口座を一意に識別する、イシュアによって作成された口座番号などの、ペイメント・カード番号を含み得る。顧客がイシュアとの間で複数のクレジット口座を有するとき、顧客は、複数のクレジット口座識別子236を顧客のクレジット・ユーザ口座226に関連付けさせ得る。たとえば、顧客は、イシュアによって提供されたチャージ・カード口座について第1のクレジット口座識別子236を有し、イシュアによって提供されたクレジット・カード口座について第2のクレジット口座識別子236を有し得る。
【0049】
機関識別子229aなどの機関識別子229は、資金の移転が金融機関を源とし、又は金融機関を宛先にするものと識別することを可能にする任意の一意識別子を表し得る。したがって、各金融機関は、各金融機関に関連付けられる機関識別子229を有し得る。機関識別子229の例は、米国銀行協会(ABA)ルーティング・トランジット番号(RTN)、国際銀行間通信協会(SWIFT)ビジネス識別子コード(BIC)、又は類似の識別子を含む。金融機関が複数の取引又は支払いネットワークに参加する場合、金融機関は複数の機関識別子229を有し得る。たとえば、米国内の銀行は、ABA RTNとSWIFT BICのどちらも有し得る。
【0050】
いくつかの例では、機関識別子229aはまた、クレジット口座識別子236内に組み込まれ、又はクレジット口座識別子236の構成要素であり得る。たとえば、クレジット又はチャージ・カード番号の最初の数桁はしばしば、クレジット又はチャージ・カード口座のイシュアを一意に識別するイシュア識別番号(IIN)として働く。
【0051】
様々なアプリケーション又は他の機能が、様々な実施形態によるピア・コンピューティング環境206内で実行され得る。ピア・コンピューティング環境206上で実行される構成要素は、ピア支払いサービス239、並びに本明細書では詳細には論じない他のアプリケーション、サービス、プロセス、システム、エンジン、又は機能を含み得る。
【0052】
ピア支払いサービス239は、ピア機関との間で金融口座を有する顧客の代わりに資金移転を処理するように実行され得る。たとえば、ピア支払いサービス239は、宛先として金融口座を識別した銀行間支払いネットワークを通じて資金移転を受け取り、ピア機関によって維持される金融口座に資金を入金し得る。ピア支払いサービス239は、銀行間支払いネットワークを通じて、同一又は別の機関の口座への資金移転を開始し、ピア機関によって維持される金融口座から資金を引き落とし得る。ピア機関によって維持される金融口座は、預金及び/又は引出しを要求時に行うことが許可される任意の口座を含み得る。金融口座の例は、取引口座(たとえば、当座預金口座(checking account、current account)、要求払い口座など)、普通預金口座、金融市場預金口座、証券口座、ストアド・バリュー口座などを含み得る。
【0053】
更に、様々なデータが、ピア・コンピューティング環境206にとってアクセス可能であるピア・データ・ストア243内に記憶される。ピア・データ・ストア243は複数のデータ・ストアを表し得、複数のデータ・ストアは、リレーショナル・データベース、オブジェクト指向データベース、階層データベース、ハッシュ・テーブル、又は類似のキー-値データ・ストア、並びに他のデータ・ストレージ・アプリケーション又はデータ構造を含み得る。ピア・データ・ストア243内に記憶されたデータは、以下で説明する様々なアプリケーション又は機能エンティティの動作に関連付けられる。このデータは、被支払人ディレクトリ221b、エスクロー口座223b、一つ又は複数のピア・ユーザ口座246、ピア機関についての機関識別子229b、及び潜在的には他のデータを含み得る。
【0054】
ピア・ユーザ口座246は、ピア・コンピューティング環境206を運用するピア金融機関の顧客の口座情報を表し得る。たとえば、ピア金融機関との間で少なくとも一つの金融口座を有する各顧客は、ピア・ユーザ口座246を有し得る。したがって、ピア・ユーザ口座246は、一つ又は複数の認証証明233bと、一つ又は複数の金融口座識別子249とを含み得る。口座残高253(たとえば、現在口座内にある資金の額)などの各金融口座についての情報も、ピア・ユーザ口座246に関連付けて記憶され得る。顧客の名前、連絡先情報(たとえば、メーリング・アドレス、電話番号、又はeメール・アドレス)などの、顧客についての追加の情報も記憶され得る。
【0055】
金融口座識別子249は、ピア金融機関によって維持される任意の金融口座についての一意識別子である。これらは、ピア金融機関によって内部で作成された口座番号、国際銀行口座番号(IBANs)、又は個々の金融口座間を区別するための類似の識別子を含み得る。
【0056】
様々なアプリケーション又は他の機能が、様々な実施形態にしたがってインテグレータ・コンピューティング環境209内で実行され得る。インテグレータ・コンピューティング環境209上で実行される構成要素は、インテグレータ・サービス256、本明細書では詳細には論じない他のアプリケーション、サービス、プロセス、システム、エンジン、又は機能を含む。
【0057】
インテグレータ・サービス256は、イシュア又はピア金融機関によって維持されるクレジット口座又は金融口座を、アプリケーション又は他の機関と統合し、或いは結び付けるために実行され得る。たとえば、インテグレータ・サービス256は、ユーザがイシュア支払いサービス216又はピア支払いサービス239との間で認証することを可能にするウェブ・ページ、ポータル、又はアプリケーションを提供し得る。認証が行われた後、インテグレータ・サービス256は、クレジット・ユーザ口座226又はピア・ユーザ口座246から情報(たとえば、口座番号及び機関識別子229)を取り出し、ユーザによって許可される別のサービス、アプリケーション、又は機関に情報を中継し得る。
【0058】
イシュア支払いサービス216及びピア支払いサービス239とは別々に、独立して示されているが、インテグレータ・サービス256は、ピア支払いサービス239又はイシュア支払いサービス216のどちらかと同一のエンティティによって、或いはピア支払いサービス239又はイシュア支払いサービス216のどちらかと一緒に運用され得る。これらの実装では、イシュア支払いサービス216又はピア支払いサービス239のどちらかによって実施されるものとして先に説明した機能の一部が、インテグレータ・サービス256によって実施され得る。同様に、これらの実装では、インテグレータ・サービス256によって実施されるものとして説明した機能が、イシュア支払いサービス216又はピア支払いサービス239のどちらかによって実施され得る。
【0059】
更に、様々なデータが、インテグレータ・コンピューティング環境209にとってアクセス可能であるインテグレータ・データ・ストア259内に記憶される。これらのインテグレータ・データ・ストア259は、複数のデータ・ストアを表し得、複数のデータ・ストアは、リレーショナル・データベース、オブジェクト指向データベース、階層データベース、ハッシュ・テーブル、又は類似のキー-値データ・ストア、並びに他のデータ・ストレージ・アプリケーション又はデータ構造を含み得る。インテグレータ・データ・ストア259内に記憶されたデータは、以下で説明する様々なアプリケーション又は機能エンティティの動作に関連付けられる。このデータは、一つ又は複数の取引レコード263、及び潜在的には他のデータを含み得る。
【0060】
イシュア・データ・ストア219及びピア・データ・ストア243とは別々に、独立して示されているが、インテグレータ・データ・ストア259は、イシュア・データ・ストア219とピア・データ・ストア243のどちらかと同一のエンティティによって、又はイシュア・データ・ストア219とピア・データ・ストア243のどちらかと一緒に運用され得る。これらの実装では、インテグレータ・データ・ストア259内のデータ・ストアが、イシュア・データ・ストア219又はピア・データ・ストア243のどちらかの中に記憶され得る。同様に、イシュア・データ・ストア219又はピア・データ・ストア243内に記憶されたデータが、インテグレータ・データ・ストア259内に記憶され得る。
【0061】
取引レコード263は、インテグレータ・サービス256によって促進される任意の金融取引を表し得る。これは、たとえば、二つの異なる金融機関によって維持される二つの金融口座間の資金の移転を含み得る。したがって、取引レコード263は、取引識別子266、取引宛先269、及び/又は取引額273を含み得る。取引の発生源などの追加の情報も、いくつかの実施形態では取引レコード263内に記憶され得る。しかしながら、他の実施形態は、追加の情報を含まないことがあり、又はデータ侵害の場合に顧客へのプライバシー・リスクを最小限に抑えるために、収集される追加の情報量を限定し得る。
【0062】
取引識別子266は、個々の取引レコード263間を区別するために使用され得る任意の識別子を含み得る。取引識別子266の例は、取引が作成されるときに取引に割り当てられる順次番号、取引レコード263のハッシュなどを含み得る。
【0063】
取引宛先269は、取引での資金が預けられる口座及び金融機関を表す。したがって、取引宛先269は、機関識別子229と口座識別子(たとえば、クレジット口座識別子236又は金融口座識別子249)のどちらも含み得る。
【0064】
取引額273は、取引又は移転に関係する資金の合計額を表し得る。いくつかの実装では、取引額273は、ある口座から別の口座に移転される資金額を表し得る。他の実装では、追加のフィー又は料金(たとえば、プロセシング・フィー又はインターチェンジ・フィー)も取引額273に含まれ得る。
【0065】
クライアント・デバイス100は、ネットワーク213に結合され得る複数のクライアント・デバイス100を表す。クライアント・デバイス100は、コンピュータ・システムなどのプロセッサ・ベースのシステムを含み得る。そのようなコンピュータ・システムは、パーソナル・コンピュータ(たとえば、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、又は類似のデバイス)、モバイル・コンピューティング・デバイス(たとえば、携帯情報端末、セルラ電話、スマートフォン、ウェブ・パッド、タブレット・コンピュータ・システム、音楽プレーヤ、ポータブル・ゲーム・コンソール、電子書籍リーダ、及び類似のデバイス)、メディア再生デバイス(たとえば、メディア・ストリーミング・デバイス、BluRay(登録商標)プレーヤ、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)プレーヤ、セットトップ・ボックス、及び類似のデバイス)、ビデオゲーム・コンソール、又は同様の機能を有する他のデバイスの形態で実施され得る。クライアント・デバイス100は、液晶ディスプレイ(LCD)、ガス・プラズマ・ベースのフラット・パネル・ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電気泳動インク(「E-ink」)ディスプレイ、プロジェクタ、又は他のタイプのディスプレイ・デバイスなどの一つ又は複数のディスプレイ103を含み得る。いくつかの例では、ディスプレイ103はクライアント・デバイス100の構成要素であり得、或いはワイヤード又はワイヤレス接続を通じてクライアント・デバイス100に接続され得る。
【0066】
クライアント・デバイス100は、クライアント・アプリケーション276や他のアプリケーションなどの様々なアプリケーションを実行するように構成され得る。クライアント・アプリケーション276は、イシュア・コンピューティング環境203、ピア・コンピューティング環境206、インテグレータ・コンピューティング環境209、又は他のサーバによって提供されるネットワーク・コンテンツにアクセスするように、クライアント・デバイス100内で実行され得、それによって、ディスプレイ103上にユーザ・インターフェース106をレンダリングする。この目的で、クライアント・アプリケーション276は、ブラウザ、専用アプリケーション、又は他の実行可能ファイルを含み得、ユーザ・インターフェース106は、ユーザ入力を取得するためのネットワーク・ページ、アプリケーション画面、又は他のユーザ機構を含み得る。クライアント・デバイス100は、eメール・アプリケーション、ソーシャル・ネットワーキング・アプリケーション、ワード・プロセッサ、スプレッドシート、又は他のアプリケーションなどの、クライアント・アプリケーション276以外のアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0067】
次に、ネットワーク環境200の様々な構成要素の動作の全般的な説明が与えられる。ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の一例が以下の段落で与えられるが、他の対話及び動作が可能である。ネットワーク環境200の構成要素間の様々な対話のより詳細な説明が、後続の
図3~8の議論で与えられる。
【0068】
最初に、支払人は、支払人のクライアント・デバイス100上で実行中のクライアント・アプリケーション276を使用して、イシュア支払いサービス216に要求を送り得る。要求は、受取人についての連絡先情報、受取人に支払う金額、及び受取人に支払うために使用するクレジット口座又はチャージ口座を指定し得る。したがって、要求は、受取人についてのセルラ電話番号又はeメール・アドレス、取引額273、及びクレジット口座識別子236を含み得る。
【0069】
次いで、イシュア支払いサービス216は、取引識別子266を求めてインテグレータ・サービス256に要求を送り得る。それに応答して、インテグレータ・サービス256は、取引識別子266を含む取引レコード263を作成し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、イシュア支払いサービス216に取引識別子266を返し得る。
【0070】
次に、イシュア支払いサービス216は、受取人のクライアント・デバイス100にメッセージを送り得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、支払人によって提供された受取人についての連絡先情報にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージ又はeメールを送り得る。メッセージは、支払人が受取人に資金を送っているという通知を含み得る。メッセージはまた、取引識別子266と、インテグレータ・サービス256によって提供されるウェブ・ページ又はインターフェースへのリンクとを含み得る。受取人が資金を請求することを望む場合、受取人は、リンクをクリックし、選択し、或いはたどり得る。
【0071】
受取人がリンクをたどった後は、インテグレータ・サービス256は、ウェブ・ページ又は類似のユーザ・インターフェース106を受取人に提供し得る。ユーザ・インターフェース106内で、受取人は、サポートされる金融機関のリストから受取人の金融機関を選択し得る。次いで、受取人は、選択した金融機関との間の受取人のピア・ユーザ口座246についての受取人の認証証明233bを提供し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、受取人の代わりに、選択した金融機関との間で認証し、金融口座識別子249のリストを取り出し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、ユーザ・インターフェース106を更新して、受取人が資金を受け取ることを望む金融口座についての金融口座識別子249を選択するように受取人に促し得る。
【0072】
受取人が金融口座識別子249を選択した後は、インテグレータ・サービス256は、金融口座識別子249及び機関識別子229bをイシュア支払いサービス216に提供し得る。インテグレータ・サービス256はまた、金融口座識別子249及び機関識別子229bが関連付けられるのはどの個人取引かを複数の取引から識別する際にイシュア支払いサービス216を援助するために、取引識別子266をも提供し得る。
【0073】
金融口座識別子249及び機関識別子229bの受信時に、イシュア支払いサービス216は、銀行間取引ネットワークを使用して移転を開始し、資金を受取人の口座内に配置し得る。いくつかのタイプの転送では、資金がエスクロー口座223aから受取人の口座に移転され得る。他のタイプの転送では、資金がエスクロー口座223aと223bとの間で移転され得る。次いで、イシュア支払いサービス216は、支払人のクレジット口座に割り当てられた与信限度を削減し得る。いくつかの実装では、与信限度が、支払人のクレジット口座から直ちに、又はほぼ直ちに削減され得る。他の実装では、移転が完了したという指示又は確認をイシュア支払いサービス216が受け取った後に与信限度が削減され得る。移転が行われる前に与信限度が削減され得る実装もあり得る。そのような実装は、後になるまで資金の移転が機関間で決済されない場合であっても、資金の即時移転の効果を可能にし得る。
【0074】
同様に、受取人は、受取人のクライアント・デバイス100上で実行中のクライアント・アプリケーション276を使用して、別の個人が受取人に支払うことを求めてイシュア支払いサービス216に要求を送り得る。要求は、受取人についての連絡先情報、支払人が受取人に支払うように受取人が要求している金額、及び資金が預けられるべき受取人のクレジット口座のクレジット口座識別子236を指定し得る。したがって、要求は、受取人についてのセルラ電話番号又はeメール・アドレス、取引額273、及び受取人のクレジット口座識別子236を含み得る。
【0075】
次いで、イシュア支払いサービス216は、取引識別子266を求めてインテグレータ・サービス256に要求を送り得る。それに応答して、インテグレータ・サービス256は、取引識別子266を含む取引レコード263を作成し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、イシュア支払いサービス216に取引識別子266を返し得る。
【0076】
次に、イシュア支払いサービス216は、支払人のクライアント・デバイス100にメッセージを送り得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、受取人によって提供された支払人についての連絡先情報にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージ又はeメールを送り得る。メッセージは、受取人が支払人に資金を要求しているという通知を含み得る。メッセージはまた、取引識別子266と、インテグレータ・サービス256によって提供されるウェブ・ページ又はインターフェースへのリンクとを含み得る。支払人が要求された資金を送ることを望む場合、支払人は、リンクをクリックし、選択し、或いはたどり得る。
【0077】
支払人がリンクをたどった後は、インテグレータ・サービス256は、ウェブ・ページ又は類似のユーザ・インターフェース106を支払人に提供し得る。ユーザ・インターフェース106内で、支払人は、サポートされる金融機関のリストから支払人の金融機関を選択し得る。次いで、支払人は、選択した金融機関との間の支払人のピア・ユーザ口座246についての支払人の認証証明233bを提供し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、支払人の代わりに、選択した金融機関との間で認証し、金融口座識別子249のリストを取り出し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、ユーザ・インターフェース106を更新して、要求された資金を支払人がそこから受取人に送ることを望む金融口座についての金融口座識別子249を選択するように支払人に促し得る。支払人が金融口座識別子249を選択した後は、インテグレータ・サービス256は、ピア機関についての金融口座識別子249及び機関識別子229bをイシュア支払いサービス216に送り得る。インテグレータ・サービス256はまた、金融口座識別子249及び機関識別子229bが関連付けられるのはどの個人取引かを複数の取引から識別する際にイシュア支払いサービス216を援助するために、取引識別子266をも提供し得る。
【0078】
金融口座識別子249及び機関識別子229bの受信時に、イシュア支払いサービス216は、資金の移転を開始するようにピア支払いサービス239に要求を送り得る。要求は、イシュア支払いサービス216に関連付けられる機関識別子229aと、エスクロー口座223aについての口座番号又は識別子とを含み得る。要求はまた、移転に関連付けられる取引識別子266、又は資金が支払われることになる金融口座識別子249をも含み得る。
【0079】
それに応答して、ピア支払いサービス239は、支払人の口座又はエスクロー口座223bからエスクロー口座223aへの機関資金移転を開始し得る。イシュア支払いサービス216が資金の受信を確認した後は、クレジット口座識別子236によって識別される受取人のクレジット口座に入金が適用され得る。しかしながら、いくつかの実装では、機関資金移転の開始前にクレジット口座に入金が適用され得る。これは、後になるまで資金の移転が機関間で決済されない場合であっても、受取人又は支払人が即時又はリアル・タイムの資金移転を受けることを可能にし得る。
【0080】
これらの例のいずれでも、多くのタイプの移転がイシュア支払いサービス216又はピア支払いサービス239によって使用され得る。たとえば、資金の即時移転を実現するために即時グロス決済(RTGS)システムが使用され得る。RTGSシステムの例は、Fedwireなどのワイヤ移転システムを含む。しかしながら、資金移転が時間に敏感でない場合、バッチ処理されるネット決済システムが使用され得る。バッチ処理されるネット決済システムの例は、FedACHや電子支払いネットワーク(EPN)などの自動決済機関(ACH)ネットワークを含む。
【0081】
次に
図3を参照すると、クレジット・カード・イシュアとピア金融機関との間で資金を移転するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図3のシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図3のシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0082】
ボックス301から始めて、クライアント・アプリケーション276aが、受取人に資金を支払うようにという要求をイシュア支払いサービス216に送り得る。要求は、資金がそこから支払われるべきであるクレジット口座識別子236、支払われるべき資金額、受取人についての連絡先情報の識別(たとえば、電話番号又はeメール・アドレス)、及び潜在的には他の情報を含み得る。
【0083】
ボックス303に移ると、イシュア支払いサービス216は取引を許可し得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、クレジット口座識別子236に関連付けられる与信限度が、受取人への資金の支払いを可能にするのに十分な与信額を有するかどうかを評価し得る。イシュア支払いサービス216が取引を許可しない場合、対話のシーケンスは停止し得る。
【0084】
次いでボックス306で、イシュア支払いサービス216は、取引識別子266を求めてインテグレータ・サービス256に要求を送り得る。それに応答して、インテグレータ・サービス256は取引識別子266を生成し、取引識別子266をイシュア支払いサービス216に提供し得る。イシュア支払いサービス216は、イシュア支払いサービス216が、クレジット口座識別子236によって識別される、支払人のクレジット口座から資金を支払うようにという要求を後で決定し、又はそれをピア金融サービスによって維持される金融口座に対応付けることを可能にするために、一時的に取引識別子266を記憶し得る。
【0085】
次にボックス309で、イシュア支払いサービス216は受取人に支払い要求メッセージを送り得る。たとえば、支払人がボックス301で受取人についての携帯電話番号を提供した場合、イシュア支払いサービス216は、受取人のクライアント・デバイス100にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージを送り得る。別の例として、支払人がボックス303で受取人についてのeメール・アドレスを提供した場合、イシュア支払いサービス216は、受取人についてのeメール・アドレスにeメールを送り得る。
【0086】
しかしながら、いくつかの実装では、ボックス309の機能がインテグレータ・サービス256によって実施され得る。たとえば、取引識別子266を作成した後、インテグレータ・サービス256は受取人に支払い要求メッセージを送り得る。これらの実装では、イシュア支払いサービス216は、ボックス306で、関係する連絡先情報(たとえば、電話番号又はeメール・アドレス)をインテグレータ・サービス256に提供していることになる。
【0087】
支払い要求メッセージはいくつかの項目を含み得る。たとえば、支払い要求メッセージは、インテグレータ・サービス256についてのアドレスと、取引識別子266とを含むユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)を含み得る。支払い要求メッセージは、支払人が受取人に資金を送っているというメッセージ又は指示、資金額、支払人の識別などを更に含み得る。
【0088】
その後で、ボックス313で、クライアント・アプリケーション276bは受取人を認証し、資金が預けられることになる金融口座識別子249の識別又は選択を受取人から取得し得る。たとえば、受取人が支払い要求メッセージ内に含まれるリンクを選択したとき、クライアント・デバイス100は、クライアント・アプリケーション276bを開き、インテグレータ・サービス256に要求を送るようにクライアント・アプリケーション276bに指示し得る。要求は、ボックス309で先に送られたURI内に含まれる取引識別子266を含み得る。
【0089】
次いで、インテグレータ・サービス256は、クライアント・アプリケーション276bへの応答を提供し、受取人の金融機関を識別するように受取人に促し得る。この応答は、たとえば、受取人が金融機関を選択することを可能にするように、クライアント・アプリケーション276bにユーザ・インターフェース106をレンダリングさせ得る。受取人が金融機関を選択した後、インテグレータ・サービス256は、受取人から認証証明233bを取得するようにクライアント・アプリケーション276bに促し得る。
【0090】
受取人がインテグレータ・サービス256に認証証明233bを供給した後、インテグレータ・サービス256は、受取人の代わりにピア支払いサービス239との間で認証し得る。認証されると、インテグレータ・サービス256は、受取人に関連付けられるピア支払いサービス239に金融口座識別子249のリストを要求し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、支払人からの資金が預けられるべき口座を選択するために、受取人についてのクライアント・アプリケーション276bに金融口座識別子249(たとえば、当座預金口座、普通預金口座などについての口座番号)のリストを提供し得る。受取人が金融口座識別子249を選択した後は、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256に金融口座識別子249を提供し得る。たとえば、受取人がクライアント・アプリケーション276b内から受取人の当座預金口座を選択した場合、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256に、選択した口座として金融口座識別子249を提供し得る。
【0091】
次にボックス316で、インテグレータ・サービス256は、選択した金融口座識別子249と、金融口座識別子249によって識別された口座を維持するピア金融機関についての機関識別子229bとをイシュア支払いサービス216に提供し得る。たとえば、ボックス313で、受取人がExampleBankとの間で認証し、資金が預けられるべき口座としてExampleBankの受取人の当座預金口座を選択した場合、インテグレータ・サービス256は、ExampleBankのABAルーティング番号と、ExampleBankの受取人の当座預金口座番号とを提供し得る。インテグレータ・サービス256はまた、金融口座識別子249及び機関識別子229bがどの支払いに関連付けられるべきかをイシュア支払いサービス216が決定することを可能にするように、ボックス316で取引識別子266を返し得る。
【0092】
次いでボックス319で、イシュア支払いサービス216は、エスクロー口座223aから、受取人の金融口座への、又はピア金融機関のエスクロー口座223bへの資金の移転を開始し得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、エスクロー口座223aからのACH支払いを開始し、ボックス316aで提供された金融口座識別子249及び機関識別子229bによって識別される、受取人のピア金融機関の金融口座を指定し得る。別の例として、イシュア支払いサービス216は、エスクロー口座223aからのワイヤ移転支払いを開始し得、受取人のピア金融機関の金融口座を指定する。しかしながら、イシュア支払いサービス216は、任意のバッチ処理されるネット決済又は即時グロス決済支払いシステムを使用して資金を移転し得る。
【0093】
その後で、ボックス323で、イシュア支払いサービス216は、エスクロー口座223aからピア金融機関によって維持される受取人の金融口座に移転された資金額に等しい額を、支払人のクレジット口座内の利用可能な与信額から差し引き得る。これは、イシュアの代わりに移転された資金額について、イシュアに対する支払人の負債を生み出し得る。その結果、支払人は、クレジット・カード取引ネットワークを使用する必要なしに、他者(たとえば、別の個人)に対する支払人のクレジット口座(たとえば、クレジット・カード)からの支払いを行わせることができる。一方、ボックス326で、ピア支払いサービス239は、イシュアから受け取った資金を受取人の金融口座に入金し、或いは預け得る。ボックス323及び326で示される機能が、シーケンス図中のより前で実装され得ることに留意されたい。たとえば、ボックス316での口座情報の移転のボックス319での資金の移転前に、それぞれの入金及び引落しが行われ得る。
【0094】
次に
図4を参照すると、第1のクレジット・イシュアと第2のクレジット・イシュア(たとえば、クレジット・カード・イシュア)との間で資金を移転するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図4のシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図4のシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0095】
ボックス303に類似するボックス403から始めて、クライアント・アプリケーション276aが、受取人に資金を支払うようにという要求をイシュア支払いサービス216aに送り得る。要求は、資金がそこから支払われるべきであるクレジット口座識別子236、支払われるべき資金額、受取人についての連絡先情報の識別(たとえば、電話番号又はeメール・アドレス)、及び潜在的には他の情報を含み得る。
【0096】
ボックス306に類似するボックス406で、イシュア支払いサービス216aは、取引識別子266を求めてインテグレータ・サービス256に要求を送り得る。それに応答して、インテグレータ・サービス256は取引識別子266を生成し、取引識別子266をイシュア支払いサービス216aに提供し得る。イシュア支払いサービス216aは、イシュア支払いサービス216aが、クレジット口座識別子236によって識別される、支払人のクレジット口座から資金を支払うようにという要求を後で決定し、又はそれを別のイシュアによって維持されるクレジット口座に対応付けることを可能にするために、一時的に取引識別子266を記憶し得る。
【0097】
次に、ボックス309に類似するボックス409で、イシュア支払いサービス216aは受取人に支払い要求メッセージを送る。たとえば、支払人がボックス403で受取人についての携帯電話番号を提供した場合、イシュア支払いサービス216aは、受取人のクライアント・デバイス100にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージを送り得る。別の例として、支払人がボックス403で受取人についてのeメール・アドレスを提供した場合、イシュア支払いサービス216aは、受取人についてのeメール・アドレスにeメールを送り得る。
【0098】
しかしながら、いくつかの実装では、ボックス409の機能がインテグレータ・サービス256によって実施され得る。たとえば、取引識別子266を作成した後、インテグレータ・サービス256は、受取人に支払い要求メッセージを送り得る。これらの実装では、イシュア支払いサービス216は、ボックス406で、関係する連絡先情報(たとえば、電話番号又はeメール・アドレス)をインテグレータ・サービス256に提供していることになる。
【0099】
次いで、ボックス313に類似するボックス413で、クライアント・アプリケーション276bは受取人を認証し、資金が入金されることになるクレジット口座識別子236の識別又は選択を受取人から取得し得る。たとえば、受取人が支払い要求メッセージ内に含まれるリンクを選択したとき、クライアント・デバイス100は、クライアント・アプリケーション276bを開き、インテグレータ・サービス256に要求を送るようにクライアント・アプリケーション276bに指示し得る。要求は、ボックス409で先に送られたURI内に含まれる取引識別子266を含み得る。
【0100】
次いで、インテグレータ・サービス256は、クライアント・アプリケーション276bへの応答を提供し、受取人のクレジット口座(たとえば、クレジット・カード)のイシュアなどの、受取人の金融機関を識別するように受取人に促し得る。この応答は、たとえば、受取人が金融機関を選択することを可能にするように、クライアント・アプリケーション276bにユーザ・インターフェース106をレンダリングさせ得る。受取人が金融機関を選択した後、インテグレータ・サービス256は、受取人から認証証明233aを取得するようにクライアント・アプリケーション276bに促し得る。
【0101】
受取人がインテグレータ・サービス256に認証証明233aを供給した後、インテグレータ・サービス256は、受取人の代わりにイシュア支払いサービス216bとの間で認証し得る。認証されると、インテグレータ・サービス256は、受取人に関連付けられるイシュア支払いサービス216bにクレジット口座識別子236のリストを要求し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、支払人からの資金が入金されるべき口座を選択するために、受取人についてのクライアント・アプリケーション276bにクレジット口座識別子236(たとえば、当座預金口座、普通預金口座などについての口座番号)のリストを提供し得る。受取人がクレジット口座識別子236を選択した後は、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256にクレジット口座識別子236を提供し得、インテグレータ・サービス256は、選択したクレジット口座識別子236をイシュア支払いサービス216bに中継し得る。たとえば、受取人がクライアント・アプリケーション276b内から特定のクレジット・カード口座を選択した場合、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256に、選択した口座としてそれぞれのクレジット・カード番号を提供し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、支払人と受取人との間の取引の将来の調整のために、イシュア支払いサービス216bにこのクレジット・カード番号を提供し得る。
【0102】
ボックス316に類似するボックス416で、インテグレータ・サービス256は、選択したクレジット口座識別子236と、クレジット口座識別子236によって識別された口座を維持する受取人の金融機関についての機関識別子229aとをイシュア支払いサービス216aに提供し得る。たとえば、ボックス413で、受取人がExampleBankとの間で認証し、資金が入金されるべき口座としてExampleBankの受取人のクレジット・カード口座を選択した場合、インテグレータ・サービス256は、ExampleBankのABAルーティング番号と、ExampleBankによって維持されるエスクロー口座223aの番号とを提供し得る。インテグレータ・サービス256はまた、エスクロー口座223aの口座番号及び機関識別子229aがどの支払いに関連付けられるべきかをイシュア支払いサービス216が決定することを可能にするように、ボックス416で取引識別子266を返し得る。
【0103】
次に、ボックス319に類似するボックス419で、イシュア支払いサービス216aは、支払人のクレジット・イシュアのエスクロー口座223aから、受取人のクレジット・イシュアのエスクロー口座223aへの資金の移転を開始し得る。先に
図2では、イシュア支払いサービス216がエスクロー口座223aを有するものとして示されているが、二つの別々のイシュア支払いサービス216a及び216bが資金を交換する場合、各イシュア支払いサービス216は別々のエスクロー口座223aを有すると理解されたい。たとえば、イシュア支払いサービス216aは、エスクロー口座223a間のACH支払いを開始し得る。別の例として、イシュア支払いサービス216aは、エスクロー口座223aと、受取人についての口座との間のワイヤ移転支払いを開始し得る。しかしながら、イシュア支払いサービス216aは、任意のバッチ処理されるネット決済又は即時グロス決済支払いシステムを使用して資金を移転し得る。同様に、ボックス421で、受取人のクレジット・イシュアについてのイシュア支払いサービス216bは、そのそれぞれのエスクロー口座223aで資金を受け取り得る。
【0104】
次いで、ボックス323に類似するボックス423で、イシュア支払いサービス216aは、エスクロー口座223a間で移転された資金額に等しい額を、支払人のクレジット口座内の利用可能な与信額から差し引き得る。これは、イシュアの代わりに移転された資金額について、支払人のイシュアに対する支払人の負債を生み出し得る。その結果、支払人は、クレジット・カード取引ネットワークを使用する必要なしに、他者(たとえば、別の個人)のクレジット口座に対する支払人のクレジット口座(たとえば、クレジット・カード)からの支払いを行わせることができる。ボックス423及び426で示される機能が、シーケンス図中のより前で実装され得ることに留意されたい。たとえば、ボックス416での口座情報の移転のボックス419での資金の移転前に、それぞれの入金及び引落しが行われ得る。
【0105】
一方、ボックス326に類似するボックス426で、イシュア支払いサービス216bは、イシュア支払いサービス216aから受け取った資金を受取人のクレジット口座に入金し得る。したがって、ボックス421でエスクロー口座223aで受け取った資金は、受取人のクレジット口座上の受取人の未払残高に対する支払い又は入金として計算される。その結果、受取人は、第3者から預金を受け取ることができ、第3者に支払いを行うことのできる取引口座として受取人のクレジット口座(たとえば、クレジット・カード)を使用することができる。
【0106】
次に
図5を参照すると、同一の機関によって発行されたクレジット口座(たとえば、クレジット・カード)間で資金を移転するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図5のシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図5のシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0107】
ボックス501から始めて、クライアント・アプリケーション276aが、受取人に資金を支払うようにという要求をイシュア支払いサービス216に送り得る。要求は、資金がそこから支払われるべきであるクレジット口座識別子236、支払われるべき資金額、及び受取人の識別を含み得る。この例では、支払人と受取人は共に同一のイシュアとの間で口座を維持するので、イシュア支払いサービス216は受取人についての連絡先情報を既に有し得る。しかしながら、支払人が受取人の好ましい連絡先情報(たとえば、好ましい電話番号又はeメール・アドレス)を知っている場合、受取人の好ましい連絡先情報も要求内に含まれ得る。
【0108】
ボックス503に進むと、イシュア支払いサービス216は取引を許可し得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、クレジット口座識別子236に関連付けられる与信限度が、受取人への資金の支払いを可能にするのに十分な与信額を有するかどうかを評価し得る。イシュア支払いサービス216が取引を許可しない場合、対話のシーケンスは停止し得る。
【0109】
次にボックス506で、イシュア支払いサービス216は受取人に支払い要求メッセージを送り得る。たとえば、支払人がボックス501で受取人についての携帯電話番号を提供した場合、イシュア支払いサービス216は、受取人のクライアント・デバイス100にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージを送り得る。別の例として、支払人がボックス501で受取人についてのeメール・アドレスを提供した場合、イシュア支払いサービス216は、受取人についてのeメール・アドレスにeメールを送り得る。メッセージは、たとえば、イシュア支払いサービス216によって提供される認証ページへのリンクを含み得る。
【0110】
次いでボックス509で、クライアント・アプリケーション276bはイシュア支払いサービス216との間で認証し得る。たとえば、受取人は、クライアント・アプリケーション276bのユーザ・インターフェース106内に認証証明233aを入力し得、クライアント・アプリケーション276bは、認証証明233aを使用して、イシュア支払いサービス216で受取人を認証し得る。認証に応答して、イシュア支払いサービス216は、受取人が選択し得る一つ又は複数のクレジット口座識別子236(たとえば、受取人がイシュアとの間で所有するクレジット・カード口座のクレジット・カード口座番号)をクライアント・アプリケーション276bに提供し得る。次いで、クレジット口座識別子236が、クライアント・アプリケーション276bによってユーザ・インターフェース106内で受取人に提示され得、受取人は、支払人から資金を受け取るための口座を選択し得る。次いで、選択したクレジット口座識別子236が、イシュア支払いサービス216に提供され得る。
【0111】
しかしながら、いくつかの実装では、ボックス506及び/又は509は任意選択であり得る。たとえば、受取人が支払人又は他者から以前に支払いを受けたことがある場合、受取人のクレジット口座についてのクレジット口座識別子236などの情報が、既に被支払人ディレクトリ221a内に記憶されていることがある。別の例として、受取人が以前にイシュア支払いサービス216との間で口座を作成したことがある場合、受取人の情報も既に被支払人ディレクトリ221a内に記憶されていることがある。そのような場合、被支払人ディレクトリ221a内に記憶された情報を使用して、受取人への支払いが、ボックス503からボックス513及び516に直ちに進み得る。
【0112】
ボックス513及び516では、支払人及び受取人のクレジット口座の口座残高が、取引を反映するように調節され得る。たとえば、ステップ513で、資金の支払いを反映するように、支払人のクレジット口座がイシュア支払いサービス216によって引き落とされ得る。同様に、ステップ516で、支払いを反映するように、受取人のクレジット口座にそれぞれの資金額が入金され得る。その結果、二人のクレジット口座所有者は、クレジット・カード取引ネットワークを使用する必要なしに、同一の機関の任意の他のクレジット口座所有者に資金を支払い、又は任意の他のクレジット口座所有者から資金を受け取ることができる。
【0113】
次に
図6Aを参照すると、ある当事者が金融口座から別の当事者のクレジット口座に資金を支払うことを要求するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図6Aのシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図6Aのシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0114】
ボックス603aから始めて、支払い要求がクライアント・アプリケーション276aによって作成され、イシュア支払いサービス216に転送され得る。支払い要求は、クライアント・アプリケーション276aによってレンダリングされたユーザ・インターフェース106と対話する受取人によって作成され得る。たとえば、クレジット口座所有者(たとえば、クレジット・カード所有者)が、ピア金融機関の金融口座所有者(たとえば、銀行又は証券口座所有者)が指定の資金の合計をクレジット口座所有者に支払うという要求を作成し得、指定の資金の合計は、それぞれのクレジット口座の未払残高に対する入金として適用され得る。要求は、要求する資金の合計、支払人の識別、及び支払人の連絡先情報を含み得る。完了すると、支払い要求がイシュア支払いサービス216に転送され得る。
【0115】
いくつかの実装では、複数の支払い要求がボックス603aで作成され得る。たとえば、受取人は、クライアント・アプリケーション276aのユーザ・インターフェース106内で表示される取引を選択し、複数の個人間で取引を割り勘にすることを受取人が望むことを示し得る。これは、たとえば、受取人が個人のグループの代わりに購入を行い、精算することを望んだ場合に生じ得る。この例では、取引の費用が、受取人によって指示されるように個人間で割り勘にされ得、受取人に資金を借りたそれぞれの個々の支払人について、それぞれの支払い要求が作成され得る。
【0116】
次いでボックス606aで、イシュア支払いサービス216は、取引識別子266を求めてインテグレータ・サービス256に要求を送り得る。それに応答して、インテグレータ・サービス256は取引識別子266を生成し、取引識別子266をイシュア支払いサービス216に提供し得る。イシュア支払いサービス216は、イシュア支払いサービス216が、それぞれの金融口座識別子249によって識別される、支払人のクレジット口座から資金を支払うようにという要求を後で決定し、又はそれを受取人によって維持されるクレジット口座に対応付けることを可能にするために、一時的に取引識別子266を記憶し得る。いくつかの例では、イシュア支払いサービス216は、イシュア支払いサービス216に関連付けられるエスクロー口座223aについての口座番号をインテグレータ・サービス256に提供し得る。
【0117】
ボックス609aに移ると、イシュア支払いサービス216は、要求した支払人に支払い要求メッセージを送り得る。たとえば、クレジット口座所有者がボックス603aで支払人についての携帯電話番号を提供した場合、イシュア支払いサービス216は、支払人のクライアント・デバイス100にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージを送り得る。別の例として、クレジット口座所有者がボックス603aで支払人についてのeメール・アドレスを提供した場合、イシュア支払いサービス216は、支払人についてのeメール・アドレスにeメールを送り得る。
【0118】
しかしながら、いくつかの実装では、ボックス609aの機能がインテグレータ・サービス256によって実施され得る。たとえば、取引識別子266を作成した後、インテグレータ・サービス256は、受取人に支払い要求メッセージを送り得る。これらの実装では、イシュア支払いサービス216は、ボックス606aで、関係する連絡先情報(たとえば、電話番号又はeメール・アドレス)をインテグレータ・サービス256に提供していることになる。
【0119】
支払い要求メッセージはいくつかの項目を含み得る。たとえば、支払い要求メッセージは、インテグレータ・サービス256についてのアドレスと、取引識別子266とを含むユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)を含み得る。支払い要求メッセージは、クレジット口座所有者が支払人に資金を要求しているというメッセージ又は指示、資金額、クレジット口座所有者の識別などを更に含み得る。
【0120】
次にボックス613aで、クライアント・アプリケーション276bは、支払人を認証し、資金がそこから支払われることになる金融口座識別子249の識別又は選択を支払人から取得し得る。たとえば、支払人が支払い要求メッセージ内に含まれるリンクを選択したとき、支払人のクライアント・デバイス100は、クライアント・アプリケーション276bを開き、インテグレータ・サービス256に要求を送るようにクライアント・アプリケーション276bに指示し得る。要求は、ボックス609aで先に送られたURI内に含まれる取引識別子266を含み得る。
【0121】
次いで、インテグレータ・サービス256は、クライアント・アプリケーション276bへの応答を提供し、支払人の金融機関を識別するように支払人に促し得る。この応答は、たとえば、支払人が金融機関を選択することを可能にするように、クライアント・アプリケーション276bにユーザ・インターフェース106をレンダリングさせ得る。支払人が金融機関を選択した後、インテグレータ・サービス256は、支払人から認証証明233bを取得するようにクライアント・アプリケーション276bに促し得る。
【0122】
支払人がインテグレータ・サービス256に認証証明233bを供給した後、インテグレータ・サービス256は、支払人の代わりにピア支払いサービス239との間で認証し得る。認証されると、インテグレータ・サービス256は、支払人に関連付けられるピア支払いサービス239に金融口座識別子249のリストを要求し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、資金がそこから支払われることになる口座を選択するために、支払人についてのクライアント・アプリケーション276bに金融口座識別子249(たとえば、当座預金口座、普通預金口座などについての口座番号)のリストを提供し得る。支払人が金融口座識別子249を選択した後は、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256に金融口座識別子249を提供し得る。たとえば、支払人がクライアント・アプリケーション276b内から支払人の当座預金口座を選択した場合、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256に、選択した口座として金融口座識別子249を提供し得る。
【0123】
ボックス616aに進むと、インテグレータ・サービス256は、先にボックス606aで提供されたそれぞれのイシュア支払いサービス216のエスクロー口座223aについての口座識別子をピア支払いサービス239に送り得る。これは、ピア支払いサービス239が、支払人の代わりに、先に識別された金融口座から、クレジット口座所有者についてのクレジット・イシュアに、要求された資金を支払うことを可能にし得る。
【0124】
次にボックス619aを参照すると、ピア支払いサービス239は、選択された金融口座識別子249によって識別される支払人の金融口座から、ボックス616で識別されたエスクロー口座223aに資金を移転し得る。たとえば、ピア支払いサービス239は、支払人の金融口座を維持するピア機関に関連付けられるエスクロー口座223bからエスクロー口座223aへの資金の移転を開始し得る。たとえば、ピア支払いサービス239は、エスクロー口座223bからエスクロー口座223aへのACH支払いを開始し得る。別の例として、ピア支払いサービス239は、エスクロー口座223bからエスクロー口座223aへのワイヤ移転支払いを開始し得る。しかしながら、ピア支払いサービス239は、任意のバッチ処理されるネット決済又は即時グロス決済支払いシステムを使用して資金を移転し得る。いくつかの実装では、イシュア支払いサービス216がエスクロー口座223aへの預金を特定の取引に関連付けることを可能にするように、取引識別子266もピア支払いサービス239によってイシュア支払いサービス216に提供され得る。
【0125】
ピア支払いサービス239による資金の移転の後、ピア支払いサービス239及びイシュア支払いサービス216は、それぞれの口座残高を調節し得る。たとえば、ボックス623aで、イシュア支払いサービス216は、クレジット口座所有者のクレジット口座の未払残高に、エスクロー口座223aに移転されたそれぞれの資金額についての入金を適用し得る。同様に、ボックス626aで、ピア支払いサービス239は、支払人の金融口座からそれぞれの資金額を引き落とし、又は差し引き得る。その結果、クレジット口座(たとえば、クレジット・カード口座)を所有する個人は、任意の個人の金融口座に支払いを要求し、支払いを受け取ることができる。更に、取引は既存のクレジット・カード・ネットワークを迂回し得る。
【0126】
ボックス623a及び626aで示される機能が、シーケンス図中のより前で実装され得ることに留意されたい。たとえば、ボックス616aでの口座情報の移転のボックス619aでの資金の移転前に、それぞれの入金及び引落しが行われ得る。
【0127】
次に
図6Bを参照すると、ある当事者が金融口座から別の当事者のクレジット口座に資金を支払うことを要求するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。したがって、
図6Bを、
図6Aのシーケンス図の代替例と見ることができる。
図6Bのシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図6Bのシーケンス図は、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。ボックス603bから609bは、
図6Aで先に説明したボックス603aから613bに類似している。
【0128】
しかしながら、ボックス616bで、インテグレータ・サービス256は、ピア支払いサービス239のエスクロー口座223bについての情報をイシュア支払いサービス216に提供し得る。たとえば、ボックス613bで行われる認証及び口座選択プロセスの間に、インテグレータ・サービス256は、ピア支払いサービス239に関連付けられるエスクロー口座223bについての情報も要求していることがある。次いで、インテグレータ・サービス256は、このデータをイシュア支払いサービス216に提供し得る。しかしながら、時には、イシュア支払いサービス216がピア支払いサービス239のエスクロー口座223bについての関係する情報を既に知っていることがあるので、これらの動作は任意選択である。これは、たとえば、イシュアとピア金融機関との間の長年の関係又は既存の関係の結果として生じ得る。
【0129】
次いでボックス619bで、
図6Aのボックス619aとは対照的に、イシュア支払いサービス216は、エスクロー口座223bからエスクロー口座223aへの資金の支払いを開始し得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、ピア支払い239に関連付けられるエスクロー口座223bについての口座情報を仲介者(たとえば、自動決済機関又はワイヤ移転サービス)に提供し得、次いで仲介者は、ボックス603bで要求された資金額について、エスクロー口座223aと223bとの間で支払い又は決済を行わせる。
【0130】
ボックス623b及び626bで示される機能は、
図6Aで先に説明したように、ボックス623a及び626aに関して説明したものに類似している。ボックス623a及び626aと同様に、ボックス623b及び626bで示される機能は、シーケンス図中のより前で実装され得る。たとえば、ボックス616bでの口座情報の移転のボックス619bでの資金の移転前に、それぞれの入金及び引落しが行われ得る。
【0131】
次に
図7Aを参照すると、ある当事者がクレジット口座から別の当事者のクレジット口座に資金を支払うことを要求するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図7Aのシーケンス図は、ネットワーク環境200内のクレジット・カード・イシュアとピア金融機関との間の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図7Aのシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0132】
ボックス703aから始めて、支払い要求がクライアント・アプリケーション276aによって作成され、イシュア支払いサービス216aに転送され得る。支払い要求は、クライアント・アプリケーション276aによってレンダリングされたユーザ・インターフェース106と対話する受取人によって作成され得る。たとえば、クレジット口座所有者(たとえば、クレジット・カード所有者)が、別のイシュアのクレジット口座所有者が指定の資金の合計をクレジット口座所有者に支払うという要求を作成し得、指定の資金の合計は、それぞれのクレジット口座の未払残高に対する入金として適用され得る。要求は、要求する資金の合計、支払人の識別、及び支払人の連絡先情報を含み得る。完了すると、支払い要求がイシュア支払いサービス216aに転送され得る。
【0133】
いくつかの実装では、複数の支払い要求がボックス703aで作成され得る。たとえば、受取人は、クライアント・アプリケーション276aのユーザ・インターフェース106内で表示される取引を選択し、複数の個人間で取引を割り勘にすることを受取人が望むことを示し得る。これは、たとえば、受取人が個人のグループの代わりに購入を行い、精算することを望んだ場合に生じ得る。この例では、取引の費用が、受取人によって指示されるように個々の支払人間で割り勘にされ得、受取人に資金を借りたそれぞれの個々の支払人について、それぞれの支払い要求が作成され得る。
【0134】
次いでボックス706aで、イシュア支払いサービス216aは、取引識別子266を求めてインテグレータ・サービス256に要求を送り得る。それに応答して、インテグレータ・サービス256は取引識別子266を生成し、取引識別子266をイシュア支払いサービス216aに提供し得る。イシュア支払いサービス216aは、イシュア支払いサービス216aが、支払人のクレジット口座から資金を支払うようにという要求を後で決定し、又はそれを受取人のクレジット口座に対応付けることを可能にするために、一時的に取引識別子266を記憶し得る。いくつかの例では、イシュア支払いサービス216aは、イシュア支払いサービス216に関連付けられるエスクロー口座223aについての口座番号をインテグレータ・サービス256に提供し得る。
【0135】
ボックス709aに移ると、イシュア支払いサービス216aは、要求した支払人に支払い要求メッセージを送り得る。たとえば、クレジット口座所有者がボックス703aで支払人についての携帯電話番号を提供した場合、イシュア支払いサービス216aは、支払人のクライアント・デバイス100にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージを送り得る。別の例として、クレジット口座所有者がボックス703aで支払人についてのeメール・アドレスを提供した場合、イシュア支払いサービス216aは、支払人についてのeメール・アドレスにeメールを送り得る。
【0136】
しかしながら、いくつかの実装では、ボックス709aの機能がインテグレータ・サービス256によって実施され得る。たとえば、取引識別子266を作成した後、インテグレータ・サービス256は、受取人に支払い要求メッセージを送り得る。これらの実装では、イシュア支払いサービス216は、ボックス706aで、関係する連絡先情報(たとえば、電話番号又はeメール・アドレス)をインテグレータ・サービス256に提供していることになる。
【0137】
支払い要求メッセージはいくつかの項目を含み得る。たとえば、支払い要求メッセージは、インテグレータ・サービス256についてのアドレスと、取引識別子266とを含むユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)を含み得る。支払い要求メッセージは、クレジット口座所有者が支払人に資金を要求しているというメッセージ又は指示、資金額、クレジット口座所有者の識別などを更に含み得る。
【0138】
次にボックス713aで、クライアント・アプリケーション276bは、支払人を認証し、資金がそこから支払われることになるクレジット口座識別子236の識別又は選択を支払人から取得し得る。たとえば、支払人が支払い要求メッセージ内に含まれるリンクを選択したとき、支払人のクライアント・デバイス100は、クライアント・アプリケーション276bを開き、インテグレータ・サービス256に要求を送るようにクライアント・アプリケーション276bに指示し得る。要求は、ボックス709aで先に送られたURI内に含まれる取引識別子266を含み得る。
【0139】
次いで、インテグレータ・サービス256は、クライアント・アプリケーション276bへの応答を提供し、支払人の金融機関を識別するように支払人に促し得る。この応答は、たとえば、支払人が金融機関を選択することを可能にするように、クライアント・アプリケーション276bにユーザ・インターフェース106をレンダリングさせ得る。支払人が金融機関を選択した後、インテグレータ・サービス256は、支払人から認証証明233aを取得するようにクライアント・アプリケーション276bに促し得る。
【0140】
支払人がインテグレータ・サービス256に認証証明233aを供給した後、インテグレータ・サービス256は、支払人の代わりにイシュア支払いサービス216bとの間で認証し得る。認証されると、インテグレータ・サービス256は、支払人に関連付けられるイシュア支払いサービス216bにクレジット口座識別子236のリストを要求し得る。次いで、インテグレータ・サービス256は、資金がそこから支払われることになる口座を選択するために、支払人についてのクライアント・アプリケーション276bにクレジット口座識別子236(たとえば、当座預金口座、普通預金口座などについての口座番号)のリストを提供し得る。支払人がクレジット口座識別子236を選択した後は、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256にクレジット口座識別子236を提供し得る。たとえば、支払人がクライアント・アプリケーション276b内から支払人の当座預金口座を選択した場合、クライアント・アプリケーション276bは、インテグレータ・サービス256に、選択した口座としてクレジット口座識別子236を提供し得る。
【0141】
ボックス716aに進むと、インテグレータ・サービス256は、先にボックス706aで提供されたそれぞれのイシュア支払いサービス216のエスクロー口座223aについての口座識別子をイシュア支払いサービス216bに送り得る。これは、イシュア支払いサービス216bが、支払人の代わりに、先に識別されたクレジット口座から、クレジット口座所有者についてのクレジット・イシュアに、要求された資金を支払うことを可能にし得る。
【0142】
次にボックス719aを参照すると、イシュア支払いサービス216bは、イシュア支払いサービス216bに関連付けられるエスクロー口座223aから、ボックス716で識別されたエスクロー口座223aに資金を移転し得る。先に
図2では、イシュア支払いサービス216がエスクロー口座223aを有するものとして示されているが、二つの別々のイシュア支払いサービス216a及び216bが資金を交換している場合、各イシュア支払いサービス216は、別々のエスクロー口座223aを有すると理解されたい。たとえば、イシュア支払いサービス216bは、エスクロー口座223a間のACHを開始し得る。別の例として、イシュア支払いサービス216bは、エスクロー口座223a間のワイヤ移転を開始し得る。しかしながら、イシュア支払いサービス216bは、任意のバッチ処理されるネット決済又は即時グロス決済支払いシステムを使用して資金を移転し得る。いくつかの実装では、イシュア支払いサービス216aがエスクロー口座223aへの預金を特定の取引に関連付けることを可能にするように、取引識別子266もイシュア支払いサービス216bによってイシュア支払いサービス216aに提供され得る。しかしながら、代替実装では、イシュア支払いサービス216aも、二つのエスクロー口座223a間で資金の移転を行わせ得る。
【0143】
イシュア支払いサービス216bによる資金の移転の後、イシュア支払いサービス216b及びイシュア支払いサービス216aは、それぞれの口座残高を調節し得る。たとえば、ボックス723aで、イシュア支払いサービス216aは、クレジット口座所有者のクレジット口座の未払残高に、エスクロー口座223aに移転されたそれぞれの資金額についての入金を適用し得る。同様に、ボックス726aで、イシュア支払いサービス216bは、支払人の金融口座からそれぞれの資金額を引き落とし、又は差し引き得る。その結果、クレジット口座(たとえば、クレジット・カード口座)を有する個人は、任意の他の個人のクレジット口座に支払いを要求し、支払いを受け取ることができる。更に、取引は既存のクレジット・カード・ネットワークを迂回し得る。
【0144】
次に
図7Bを参照すると、ある当事者がクレジット口座から別の当事者のクレジット口座に資金を支払うことを要求するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。したがって、
図7Bを
図7Aのシーケンス図に対する代替例と見ることができる。
図7Bのシーケンス図は、ネットワーク環境200内のクレジット・カード・イシュアとピア金融機関との間の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図7Bのシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。ボックス703bから709bは、
図6Aで先に説明したように、ボックス703aから713bに類似している。
【0145】
しかしながら、ボックス716bで、インテグレータ・サービス256は、イシュア支払いサービス216bのエスクロー口座223aについての情報をイシュア支払いサービス216aに提供し得る。たとえば、ボックス713bで行われる認証及び口座選択プロセスの間に、インテグレータ・サービス256は、イシュア支払いサービス216bに関連付けられるエスクロー口座223aについての情報も要求していることがある。次いで、インテグレータ・サービス256は、このデータをイシュア支払いサービス216aに提供し得る。しかしながら、時には、イシュア支払いサービス216aがイシュア支払いサービス216bのエスクロー口座223aについての関係する情報を既に知っていることがあるので、これらの動作は任意選択である。これは、たとえば、イシュア間の長年の関係又は既存の関係の結果として生じ得る。
【0146】
次いでボックス719bで、
図7Bのボックス719aとは対照的に、イシュア支払いサービス216aは、イシュア支払いサービス216bのエスクロー口座223aからイシュア支払いサービス216aのエスクロー口座223aへの資金の支払いを開始し得る。先に
図2では、イシュア支払いサービス216がエスクロー口座223aを有するものとして示されているが、二つの別々のイシュア支払いサービス216a及び216bが資金を交換している場合、各イシュア支払いサービス216は、別々のエスクロー口座223aを有すると理解されたい。たとえば、イシュア支払いサービス216は、イシュア支払いサービス216bに関連付けられるエスクロー口座223aについての口座情報を仲介者(たとえば、自動決済機関又はワイヤ移転サービス)に提供し得、次いで仲介者は、ボックス703bで要求された資金額について、エスクロー口座223a間で支払い又は決済を行わせる。
【0147】
ボックス723b及び726bで示される機能は、
図7Aで先に説明したように、ボックス723a及び726aに関して説明したものに類似している。ボックス723a及び726aと同様に、ボックス723b及び726bで示される機能は、シーケンス図中のより前で実装され得る。たとえば、ボックス716bでの口座情報の移転のボックス719bでの資金の移転前に、それぞれの入金及び引落しが行われ得る。
【0148】
次に
図8を参照すると、同一の機関によって発行されたクレジット口座(たとえば、クレジット・カード)間で資金を移転するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図8のシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図8のシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0149】
ボックス803から始めて、支払い要求がクライアント・アプリケーション276aによって作成され、イシュア支払いサービス216に転送され得る。支払い要求は、クライアント・アプリケーション276aによってレンダリングされたユーザ・インターフェース106と対話する受取人によって作成され得る。たとえば、クレジット口座所有者(たとえば、クレジット・カード所有者)が、同一の機関の別のクレジット口座所有者が指定の資金の合計を支払うという要求を作成し得、指定の資金の合計は、それぞれのクレジット口座の未払残高に対する入金として適用され得る。要求は、要求する資金の合計、支払人の識別、及び支払人の連絡先情報を含み得る。完了すると、支払い要求がイシュア支払いサービス216に転送され得る。
【0150】
いくつかの実装では、複数の支払い要求がステップ803で作成され得る。たとえば、受取人は、クライアント・アプリケーション276aのユーザ・インターフェース106内で表示される取引を選択し、複数の個人間で取引を割り勘にすることを受取人が望むことを示し得る。これは、たとえば、受取人が個人のグループの代わりに購入を行い、精算することを望んだ場合に生じ得る。この例では、取引の費用が、受取人によって指示されるように個人間で割り勘にされ得、受取人に資金を借りたそれぞれの個々の支払人について、それぞれの支払い要求が作成され得る。
【0151】
次にボックス806で、イシュア支払いサービス216は支払人に支払い要求メッセージを送り得る。たとえば、要求元がボックス803で受取人についての携帯電話番号を提供した場合、イシュア支払いサービス216は、支払人のクライアント・デバイス100にショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージを送り得る。別の例として、要求元がボックス803で支払人についてのeメール・アドレスを提供した場合、イシュア支払いサービス216は、支払人についてのeメール・アドレスにeメールを送り得る。メッセージは、たとえば、イシュア支払いサービス216によって提供される認証ページへのリンクを含み得る。
【0152】
次いでボックス809で、クライアント・アプリケーション276bはイシュア支払いサービス216との間で認証し得る。たとえば、支払人は、クライアント・アプリケーション276bのユーザ・インターフェース106内に認証証明233aを入力し得、クライアント・アプリケーション276bは、認証証明233aを使用して、イシュア支払いサービス216で支払人を認証し得る。認証に応答して、イシュア支払いサービス216は、支払人が選択し得る一つ又は複数のクレジット口座識別子236(たとえば、受取人がイシュアとの間で所有するクレジット・カード口座のクレジット・カード口座番号)をクライアント・アプリケーション276bに提供し得る。次いで、クレジット口座識別子236が、クライアント・アプリケーション276bによってユーザ・インターフェース106内で支払人に提示され得、支払人は、資金がそこから支払われることになる口座を選択し得る。次いで、選択したクレジット口座識別子236がイシュア支払いサービス216に提供され得る。
【0153】
ボックス811に移ると、イシュア支払いサービス216は取引を許可し得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、クレジット口座識別子236に関連付けられる与信限度が、受取人への資金の支払いを可能にするのに十分な与信額を有するかどうかを評価し得る。イシュア支払いサービス216が取引を許可しない場合、対話のシーケンスは停止し得る。
【0154】
ボックス813及び816で、支払人及び要求元のクレジット口座の口座残高が、取引を反映するように調節され得る。たとえば、ボックス13で、資金の支払いを反映するように、支払人のクレジット口座がイシュア支払いサービス216によって引き落とされ得る。同様に、ボックス816で、支払いを反映するように、要求元のクレジット口座にそれぞれの資金額が入金され得る。その結果、二人のクレジット口座所有者は、クレジット・カード取引ネットワークを使用する必要なしに、同一の機関の任意の他のクレジット口座所有者に資金を支払い、又は任意の他のクレジット口座所有者から資金を受け取ることができる。
【0155】
次に
図9を参照すると、クレジット・カード・イシュアとピア金融機関との間で資金を移転するための、ネットワーク環境200の様々な構成要素間の対話の動作の一例を与えるシーケンス図が示されている。
図9のシーケンス図は、ネットワーク環境200内の資金の移転を実装するために利用され得る多くの異なるタイプの機能構成の一例を与えるに過ぎないことを理解されたい。代替として、
図9のシーケンス図を、ネットワーク環境200内で実装される方法の要素の一例を示すものと見ることができる。
【0156】
ボックス901から始めて、支払人は、クライアント・アプリケーション276と対話し得、受取人に対する支払いを作成することに関する詳細を選択し得る。たとえば、クライアント・アプリケーション276を使用する支払人は、クライアント・デバイス100のユーザ・インターフェース106内で提示される受取人のリストから受取人を選択し得る。受取人を選択することによって、支払人はまた、受取人についての一意識別子(たとえば、電話番号、eメール・アドレス、又は他の識別子)を選択し得る。支払人はまた、受取人に支払う資金額を指定し得る。いくつかの例では、支払人はまた、支払いのために使用するクレジット口座についてのクレジット口座識別子236を指定し得る(たとえば、支払人が複数のクレジット又はチャージ・カード口座を有していた場合)。
【0157】
次いでボックス903で、クライアント・アプリケーション276は受取人への支払いを開始し得る。たとえば、クライアント・アプリケーション276は、受取人の識別子、支払われるべき資金額、及びクレジット口座識別子236をイシュア支払いサービス216に提供し得る。
【0158】
次にボックス906で、イシュア支払いサービス216は取引を許可し得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、クレジット口座識別子236に関連付けられる与信限度が、受取人への資金の支払いを可能にするのに十分な与信額を有するかどうかを評価し得る。イシュア支払いサービス216が取引を許可しない場合、対話のシーケンスは停止し得る。
【0159】
ボックス909に移ると、イシュア支払いサービス216は、受取人に支払われるべき資金額をユーザのクレジット口座から引き落とし得る。たとえば、イシュア支払いサービス216は、クレジット口座識別子236によって識別されるクレジット口座に関連付けられる与信限度を削減し得る。しかしながら、この動作はシーケンス図中の後に実施され得ることに留意されたい。
【0160】
その後で、ボックス913で、イシュア支払いサービス216は、支払いについての情報をピア支払いサービス239に中継し得る。イシュア支払いサービス216は、いくつかの方式で、適切なピア支払いサービス239を識別し得る。たとえば、ピア支払いサービス239が、ボックス901で支払人によって指定されていることがある。或いは、イシュア支払いサービス216は、受取人についての被支払人ディレクトリ221a内にレコードを有し得、レコードは、前の取引に基づいて受取人に資金を移転するとき、どのピア支払いサービス239と対話するかを示す。
【0161】
次いでボックス916で、ピア支払いサービス239は、受取人に関連付けられる金融口座に、対応する資金額を預け、又は入金し得る。たとえば、受取人が、受取人について単一の金融口座を登録している場合、ピア支払いサービス239は、その口座への預金又は入金を適用し得る。受取人が複数の金融口座を有する場合、受取人によって指定されたデフォルトの金融口座に資金が入金され、又は預けられ得る。
【0162】
次にボックス919及び923で、イシュア支払いサービス216及びピア支払いサービス239に関連付けられるエスクロー口座223aと223bとの間で資金が最終的に移転される。これは、周期的間隔(たとえば、毎夜、毎週、毎時など)で行われる、バッチ処理されるネット決済プロセスの一部であり得る。たとえば、ピア支払いサービス239は、イシュア支払いサービス216のエスクロー口座223aから資金をプルするようにという要求を開始し得る。別の例として、イシュア支払いサービス216は、ピア支払いサービス239のエスクロー口座223bに資金をプッシュし、又は送るようにという要求を開始し得る。
【0163】
図9に示されるシーケンス図は、イシュアによって維持されるクレジット口座と、ピア支払いサービス239によって維持される金融口座との間で資金を移転するためのプロセスの一例を示すが、ほぼ同様のプロセスが、二つの別々のイシュアによって維持されるクレジット口座間で資金を移転するために使用され得ることに留意されたい。しかしながら、ボックス916で金融口座に資金を預ける代わりに、受取人のクレジット口座に入金が適用されることになる。
【0164】
先に論じたいくつかのソフトウェア構成が、それぞれのコンピューティング・デバイスのメモリ内に記憶され、それぞれのコンピューティング・デバイスのプロセッサによって実行可能である。これに関して、「実行可能ファイル」という用語は、プロセッサによって最終的に実行され得る形態のプログラム・ファイルを意味する。実行可能プログラムの例は、メモリのランダム・アクセス部分内にロードされ、プロセッサによって実行され得るフォーマットの機械コード又は機械可読命令に変換され得るコンパイル済みプログラム、メモリのランダム・アクセス部分内にロードされ、プロセッサによって実行することができるオブジェクト・コードなどの適切なフォーマットで表現され得るソース・コード、又はプロセッサによって実行される、メモリのランダム・アクセス部分内の命令を生成するように別の実行可能プログラムによって解釈され得るソース・コードであり得る。実行可能プログラムは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハード・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)フラッシュ・ドライブ、メモリ・カード、コンパクト・ディスク(CD)やデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)などの光ディスク、フロッピィ・ディスク、磁気テープ、又は他のメモリ構成要素を含む、メモリの任意の部分又は構成要素の中に記憶され得る。
【0165】
メモリは、揮発性と不揮発性のメモリ及びデータ記憶構成要素をどちらも含む。揮発性構成要素は、電源喪失時にデータ値を保持しないものである。不揮発性構成要素は、電源喪失時にデータ値を保持するものである。したがって、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハード・ディスク・ドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、USBフラッシュ・ドライブ、メモリ・カード・リーダを介してアクセスされるメモリ・カード、関連するフロッピィ・ディスク・ドライブを介してアクセスされるフロッピィ・ディスク、光ディスク・ドライブを介してアクセスされる光ディスク、適切なテープ・ドライブを介してアクセスされる磁気テープ、又は他のメモリ構成要素、或いはこれらのメモリ構成要素のうちの任意の二つ以上の組合せを含み得る。更に、RAMは、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、又は磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)、及び他のそのようなデバイスを含み得る。ROMは、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、又は他の同様のメモリ・デバイスを含み得る。
【0166】
本明細書で説明するアプリケーション及びシステムは、上記で論じたように、汎用ハードウェアによって実行されるソフトウェア又はコードで実施され得るが、代替として、本明細書で説明するアプリケーション及びシステムは、専用ハードウェア、又はソフトウェア/汎用ハードウェアと専用ハードウェアの組合せでも実施され得る。専用ハードウェアで実施される場合、それぞれは、いくつかの技術のうちのいずれか一つ又は組合せを利用する回路又は状態機械として実装され得る。これらの技術は、限定はしないが、一つ又は複数のデータ信号の印加時に様々な論理関数を実装するための論理ゲートを有するディスクリート・ロジック回路、適切な論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は他の構成要素などを含み得る。そのような技術は一般に当業者によって良く知られており、したがって本明細書では詳細には説明しない。
【0167】
シーケンス図は、本開示の様々な実施形態の部分の実装の機能及び動作を示す。ソフトウェアで実施される場合、各ブロックは、指定の論理機能を実装するためのプログラム命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの部分を表し得る。プログラム命令は、コンピュータ・システム内のプロセッサなどの適切な実行システムによって認識可能な数値命令を含むプログラミング言語又は機械コードで書かれた人間可読ステートメントを含むソース・コードの形態で実施され得る。機械コードは、様々なプロセスを通じてソース・コードから変換され得る。たとえば、対応するアプリケーションの実行前に、コンパイラでソース・コードから機械コードが生成され得る。別の例として、インタプリタを用いた実行と同時に、ソース・コードから機械コードが生成され得る。他の適切な手法も使用され得る。ハードウェアで実施される場合、各ブロックは、指定の論理機能を実装するための回路又はいくつかの相互接続された回路を表し得る。
【0168】
シーケンス図は実行の特定の順序を示すが、実行の順序は、図示されるものとは異なり得ることを理解されたい。たとえば、二つ以上のブロックの実行の順序が、図示される順序に比べて撹乱され得る。更に、連続して示される二つ以上のブロックが、同時に、又は部分的に同時に実行され得る。更に、いくつかの実施形態では、シーケンス図に示されるブロックのうちの一つ又は複数が飛ばされ、又は省略され得る。更に、有用性の向上、アカウンティング、性能測定、又はトラブルシューティング援助の提供などのために、任意の数のカウンタ、状態変数、警告セマフォー、又はメッセージが、本明細書で説明する論理フローに追加され得る。すべてのそのような変形形態が本開示の範囲内にあることを理解されたい。
【0169】
更に、ソフトウェア又はコードを含む本明細書で説明する任意の論理又はアプリケーションが、コンピュータ・システム又は他のシステム内のプロセッサなどの命令実行システムによる使用、又は命令実行システムと一緒の使用のために、任意の非一時的コンピュータ可読媒体で実施され得る。この意味で、論理は、コンピュータ可読媒体からフェッチされ、命令実行システムによって実行され得る命令及び宣言を含むステートメントを含み得る。本開示の文脈では、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システムによる使用、又は命令実行システムと一緒の使用のために、本明細書で説明する論理又はアプリケーションを含み、記憶し、又は維持する任意の媒体であり得る。更に、複数のコンピューティング・デバイス(たとえば、ストレージ・エリア・ネットワーク或いは分散型又はクラスタ化ファイルシステム又はデータベース)にわたって配置された分散型コンピュータ可読媒体の集合も、集合的に単一の非一時的コンピュータ可読媒体と見なされ得る。
【0170】
コンピュータ可読媒体は、磁気媒体、光媒体、半導体などの多くの物理媒体のうちのいずれか一つを含み得る。適切なコンピュータ可読媒体のより具体的な例は、限定はしないが、磁気テープ、磁気フロッピィ・ディスケット、磁気ハード・ドライブ、メモリ・カード、ソリッド・ステート・ドライブ、USBフラッシュ・ドライブ、又は光ディスクを含む。更に、コンピュータ可読媒体は、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)及びダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)又は磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)を含むランダム・アクセス・メモリ(RAM)であり得る。更に、コンピュータ可読媒体は、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、又は他のタイプのメモリ・デバイスであり得る。
【0171】
更に、本明細書で説明する任意の論理又はアプリケーションが、様々な方式で実装及び構築され得る。たとえば、説明する一つ又は複数のアプリケーションが、単一のアプリケーションのモジュール又は構成要素として実装され得る。更に、本明細書で説明する一つ又は複数のアプリケーションが、共有コンピューティング・デバイス又は別々のコンピューティング・デバイス或いはそれらの組合せで実行され得る。たとえば、本明細書で説明する複数のアプリケーションが、同一のコンピューティング・デバイスで、又は同一のコンピューティング環境内の複数のコンピューティング・デバイスで実行され得る。
【0172】
別段に具体的に述べられていない限り、「X、Y、又はZのうちの少なくとも一つ」という語句などの選言的言い回しは、文脈と共に、項目、用語などがX、Y、又はZ、或いはそれらの任意の組合せ(たとえば、X、Y、又はZ)であり得ることを提示するために一般に使用されると別の形で理解されたい。したがって、そのような選言的言い回しは一般に、Xの少なくとも一つ、Yの少なくとも一つ、又はZの少なくとも一つがそれぞれ存在することをある実施形態が必要とすることを示唆するように意図するわけではなく、示唆すべきではない。
【0173】
本開示の前述の実施形態は、本開示の原理の明快な理解のために述べられる実装の可能な例に過ぎないことを強調しておく。本開示の精神及び原理から大幅に逸脱することなく、前述の実施形態に対して多くの変形形態及び修正形態が作成され得る。すべてのそのような修正形態及び変形形態が、本明細書では本開示の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【0174】
本開示の様々な実施形態の例示的な例が以下で述べられる。本開示の追加の実施形態が、先行する段落で論じられる。したがって、本開示の範囲が以下の例示的実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0175】
実施形態1-プロセッサ及びメモリを備える第1のコンピューティング・デバイスと、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、第2のコンピューティング・デバイスからメッセージを受信することであって、メッセージが、資金移転の通知と、資金移転にリンクされる取引識別子とを含む、受信することと、資金移転を処理するようにという要求を第3のコンピューティング・デバイスに送ることであって、要求が、資金移転についての取引識別子、口座識別子、及び機関識別子を含む、送ることとを行わせる、メモリ内に記憶された機械可読命令とを備えるシステム。
【0176】
実施形態2-メモリ内に記憶された機械可読命令が、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、資金移転が完了したという表示を受信させ、第1のコンピューティング・デバイスのディスプレイ上に、資金移転が完了したという表示をレンダリングさせる実施形態1のシステム。
【0177】
実施形態3-取引識別子が、メッセージ内に含まれるユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)内に含まれ、機械可読命令が更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、URIにアドレス指定される第1の要求を送らせ、第1の要求に応答して、機関のリストを受信させ、機関のリストからの機関の選択に応答して、機関についての認証証明を求める第2の要求を受信させ、認証証明の提出に応答して、機関のリストから選択された機関によって維持される金融口座のリストを受信させる実施形態1又は2のシステム。
【0178】
実施形態4-第1のコンピューティング・デバイスが、ディスプレイを備え、機械可読命令が更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、ディスプレイによってレンダリングされたユーザ・インターフェース内に、金融口座のリストを提示させ、金融口座のリストからの金融口座の選択に応答して、資金移転を処理するようにという要求内に金融口座についての口座識別子を含めさせる実施形態3のシステム。
【0179】
実施形態5-機械可読命令が更に、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、第1のコンピューティング・デバイスのディスプレイ上に提示されたユーザ・インターフェース内に、資金移転を確認するようにというプロンプトをレンダリングさせ、資金移転の確認に応答して、資金移転を処理するようにという要求が送られる実施形態1~4のいずれかのシステム。
【0180】
実施形態6-メッセージがショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージである実施形態1~5のいずれかのシステム。
【0181】
実施形態7-指定のクレジット口座から受取人に指定の額の資金を送るようにという要求を第1のクライアント・デバイスから受信することと、受取人に指定の額の資金を送るようにという要求についての取引識別子をコンピューティング・デバイスに要求することと、第2のクライアント・デバイスに第1の通知を送ることであって、第1の通知が取引識別子を含み、第2のクライアント・デバイスが受取人に関連付けられる、送ることと、受取人が指定の額の資金を受け入れたという第2の通知をコンピューティング・デバイスから受信することであって、第2の通知が金融口座を識別する、受信することと、指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することとを含む方法。
【0182】
実施形態8-指定のクレジット口座から指定の額の資金を引き落とすことを更に含む実施形態7の方法。
【0183】
実施形態9-指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することが、即時グロス決済(RTGS)システムを通じて支払いを開始することを更に含む実施形態7又は8の方法。
【0184】
実施形態10-指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することが、バッチ処理されるネット決済ネットワークを通じて支払いを開始することを更に含む実施形態7又は8の方法。
【0185】
実施形態11-指定の額の資金について金融口座への資金移転を開始することが、指定の額の資金についてエスクロー口座から金融口座への支払いを開始することを更に含む実施形態7~10のいずれかの方法。
【0186】
実施形態12-指定のクレジット口座から受取人に指定の額の資金を送るようにという要求が、受取人についての連絡先情報を更に含み、第2のクライアント・デバイスに第1の通知を送ることが、連絡先情報で指定される宛先に第1の通知を送ることを更に含む実施形態7~11のいずれかの方法。
【0187】
実施形態13-取引識別子を含むユニフォーム・リソース・インジケータ(URI)を作成することと、第1の通知内にURIを含めることとを更に含む実施形態7~12のいずれかの方法。
【0188】
実施形態14-第2の通知が取引識別子を更に含む実施形態7~13のいずれかの方法。
【0189】
実施形態15-第1のクライアント・デバイスにメッセージを送ることを更に含み、メッセージが、受取人が指定の額の資金を受け入れたことを示す実施形態7~14のいずれかの方法。
【0190】
実施形態16-第1のコンピューティング・デバイスのプロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、クライアント・デバイスからの資金移転を処理するようにという要求を受信することであって、要求が取引識別子を含む、受信することと、クライアント・デバイスに機関のリストを提供することと、機関のリストからの機関の第1の選択をクライアント・デバイスから受信することと、機関のリストから選択された機関についての認証証明をクライアント・デバイスに要求することと、認証証明の受信に応答して、機関のリストから選択された機関に関連付けられる口座のリストをクライアント・デバイスに提供することと、口座のリストからの口座の第2の選択を受信することと、取引識別子、機関のリストから選択された機関についての第1の識別子、及び口座のリストから選択された口座についての第2の識別子を第2のコンピューティング・デバイスに提供することとを行わせる機械可読命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【0191】
実施形態17-資金移転を処理するようにという要求が第2の要求であり、機械可読命令が、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、取引識別子を求める第2のコンピューティング・デバイスからの第1の要求に応答して、取引識別子を生成させ、第2のコンピューティング・デバイスに取引識別子を提供させる実施形態16の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0192】
実施形態18-取引識別子が、資金移転を処理するようにという要求内のクライアント・デバイスによって要求されるユニフォーム・リソース識別子(URI)内に含められる実施形態又は16及び17の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0193】
実施形態19-機械可読命令が更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、認証証明を使用するクライアント・デバイスの代わりに、機関のリストから選択された機関によって運用されるピア支払いサービスとの間で認証させる実施形態16~18のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体。
【0194】
実施形態20-機械可読命令が更に、プロセッサによって実行されるとき、第1のコンピューティング・デバイスに、少なくとも、資金移転に関連付けられるエスクロー口座についての第3の識別子を第2のコンピューティング・デバイスに提供させる実施形態16~19のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体。