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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/856 20230101AFI20231031BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231031BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231031BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20231031BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20231031BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20231031BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20231031BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20231031BHJP
【FI】
H10K50/856
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/00 366A
H10K50/10
H10K50/84
H10K59/122
H10K59/124
H10K59/40
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021537113
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2019013432
(87)【国際公開番号】W WO2020138665
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0171135
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ビョン ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギ ボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン ウ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,チョン ギ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジョン ハ
(72)【発明者】
【氏名】アン,テ ギョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,キ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジェ イク
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-123450(JP,A)
【文献】特開2002-299044(JP,A)
【文献】特開2007-248484(JP,A)
【文献】特開2019-175619(JP,A)
【文献】特開2004-020746(JP,A)
【文献】特開2004-205849(JP,A)
【文献】特開2010-244848(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107845668(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0080264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/10
H10K 50/84
H10K 50/856
H10K 59/122
H10K 59/124
H10K 59/40
G02B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配される画素電極と、
前記画素電極のエッジを覆い、中央部を露出させる開口を介して発光領域を定義する絶縁膜と、
前記画素電極の上部に配され、側面の傾きが第1角度を有する第1光抽出パターンと、
前記第1光抽出パターンの外郭において、前記第1光抽出パターンを取り囲むように配され、側面の傾きが、前記第1角度より小さい第2角度を有する第2光抽出パターンと、を具備する、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンを覆うように、上部に平坦化膜をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、第1屈折率を有し、前記平坦化膜は、前記第1屈折率より大きい第2屈折率を有する、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1光抽出パターン、前記第2光抽出パターン及び前記平坦化膜は、透光性を有する有機物を含む、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記平坦化膜は、無機物を含む微細粒子を含む、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第2光抽出パターンは、第2高さを有し、前記第1光抽出パターンは、前記第2高さより低い第1高さを有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1光抽出パターンは、第1高さを有し、前記第2光抽出パターンは、前記第1高さと同一である第2高さを有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1光抽出パターンは、前記発光領域に対応するように、前記開口の上部に配される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第2光抽出パターンは、前記発光領域の外郭に対応するように、前記絶縁膜の上部に配される、請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
平面視において、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、環状の閉ループ形状を有する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
平面視において、前記開口は、多角形、楕円形または円形の形状を有する、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
平面視において、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、前記開口の形状と類似した形態である、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
平面視において、前記開口内に位置する中心点と、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンの中心点は、互いに一致する、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記開口を介して露出された前記画素電極上に配される有機発光物質を含む中間層と、
前記中間層を挟み、前記画素電極と対向して配される対向電極と、をさらに含み、
前記第1光抽出パターンは、前記中間層と重畳されるように配される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記対向電極の上部に配されるタッチセンサ層と、
前記タッチセンサ層の上部に配されるカバー層と、をさらに具備し、
前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、前記タッチセンサ層と前記カバー層との間に配される、請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記カバー層は、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンを覆う平坦化膜上に配される、請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
基板上に配され、画素電極、前記画素電極と対向する対向電極、及び前記画素電極と前記対向電極との間に介在される中間層を含む有機発光素子と、
前記画素電極のエッジを覆い、中央部を露出させる開口を介して発光領域を定義する絶縁膜と、
前記絶縁膜の上部に配され、第1高さを有する第1光抽出パターンと、
前記第1光抽出パターンと所定間隔離隔され、前記第1光抽出パターンを取り囲むように配され、前記第1高さより高い第2高さを有する第2光抽出パターンと、を具備する、ディスプレイ装置。
【請求項18】
前記第2光抽出パターンは、前記絶縁膜に対応するように配される、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記第1光抽出パターンは、下面と第1角度をなす側面を有し、前記第2光抽出パターンは、下面と前記第1角度より小さい第2角度をなす側面を有する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記第1光抽出パターンは、第1高さを有し、前記第2光抽出パターンは、前記第1高さより高い第2高さを有する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記第1光抽出パターンと前記第2光抽出パターンとは、同一物質を含む、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記第1光抽出パターンを覆うように、前記第1光抽出パターン上に配される平坦化膜をさらに含む、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記第1光抽出パターンは、第1屈折率を有し、前記平坦化膜は、前記第1屈折率より大きい第2屈折率を有する、請求項22に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記第1光抽出パターン及び前記平坦化膜は、透光性を有する有機物を含む、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
平面視において、前記第1光抽出パターンは、環状の閉ループ形状を有する、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
平面視において、前記開口は、多角形、楕円形または円形の形状を有し、前記第1光抽出パターンの形状は、前記開口の形状と類似した形態である、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
平面視において、前記開口内に位置する図形の中心と、前記第1光抽出パターンの図形の中心は、互いに一致する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に係り、さらに詳細には、光抽出効率が向上され、視野角による色感偏差が最小化されたディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置において、有機発光ディスプレイ装置は、視野角が広く、コントラストに優れるだけではなく、応答速度が速いという長所を有しており、次世代ディスプレイ装置として注目されている。
【0003】
一般的に、該有機発光ディスプレイ装置は、基板上に、薄膜トランジスタ及び有機発光素子を形成し、該有機発光素子が自ら光を発光させて作動する。そのような有機発光ディスプレイ装置は、携帯電話のような小型製品のディスプレイ部として使用されたり、テレビのような大型製品のディスプレイ部として使用されたりする。
【0004】
該有機発光ディスプレイ装置は、画素電極と対向電極との間に、発光層を含む中間層が介在された有機発光素子を、それぞれの(副)画素として有する。そのような有機発光ディスプレイ装置は、一般的に、各画素の発光の有無や発光程度を、画素電極に電気的に連結された薄膜トランジスタを介して制御し、該対向電極は、複数個の(副)画素に亘って一体である形態である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、そのような従来のディスプレイ装置は、ディスプレイ装置が大面積化されることにより、それぞれの(副)画素の光抽出効率が低下し、視野角による色感偏差制御が困難であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、前述のような問題点を含み、さまざまな問題点を解決するためのものであり、光抽出効率が向上され、視野角による色感偏差が最小化されたディスプレイ装置を提供することを目的とする。しかし、そのような課題は、例示的なものであり、それにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、基板上に配される画素電極と、前記画素電極のエッジを覆い、中央部を露出させる開口を介して発光領域を定義する絶縁膜と、前記画素電極の上部に配され、側面の傾きが第1角度を有する第1光抽出パターンと、前記第1光抽出パターンの外郭において、前記第1光抽出パターンを取り囲むように配され、側面の傾きが、前記第1角度より小さい第2角度を有す、第2光抽出パターンと、を具備するディスプレイ装置が提供される。
【0008】
本実施形態において、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンを覆うように、上部に平坦化膜をさらに含んでもよい。
【0009】
本実施形態において、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、第1屈折率を有し、前記平坦化膜は、前記第1屈折率より大きい第2屈折率を有することができる。
【0010】
本実施形態において、前記第1光抽出パターン、前記第2光抽出パターン及び前記平坦化膜は、透光性を有する有機物を含んでもよい。
【0011】
本実施形態において、前記平坦化膜は、無機物を含む微細粒子を含んでもよい。
【0012】
本実施形態において、前記第2光抽出パターンは、第2高さを有し、前記第1光抽出パターンは、前記第2高さより低い第1高さを有することができる。
【0013】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンは、第1高さを有し、前記第2光抽出パターンは、前記第1高さと同一である第2高さを有することができる。
【0014】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンは、前記発光領域に対応するように、前記開口の上部に配され得る。
【0015】
本実施形態において、前記第2光抽出パターンは、前記発光領域の外郭に対応するように、前記絶縁膜の上部に配され得る。
【0016】
本実施形態において、平面視において、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、環状の閉ループ(closed loop)形状を有することができる。
【0017】
本実施形態において、平面視において、前記開口は、多角形、楕円形または円形の形状を有することができる。
【0018】
本実施形態において、平面視において、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、前記開口の形状と類似した形態であり得る。
【0019】
本実施形態において、平面視において、前記開口内に位置する中心点と、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンの中心点は、互いに一致しうる。
【0020】
本実施形態において、前記開口を介して露出された前記画素電極上に配される有機発光物質を含む中間層と、前記中間層を挟み、前記画素電極と対向して配される対向電極と、をさらに含み、前記第1光抽出パターンは、前記中間層と重畳されるように配され得る。
【0021】
本実施形態において、前記対向電極の上部に配されるタッチセンサ層と、前記タッチセンサ層の上部に配されるカバー層と、をさらに具備し、前記第1光抽出パターン及び前記第2光抽出パターンは、前記タッチセンサ層と前記カバー層との間に配され得る。
【0022】
本実施形態において、前記カバー層は、前記平坦化膜上に配され得る。
【0023】
本発明の他の観点によれば、基板上に配され、画素電極、前記画素電極と対向する対向電極、及び前記画素電極と前記対向電極との間に介在される中間層を含む有機発光素子と、前記画素電極のエッジを覆い、中央部を露出させる開口を介して発光領域を定義する絶縁膜と、前記絶縁膜の上部に配され、第1高さを有する第1光抽出パターンと、前記第1光抽出パターンと所定間隔離隔され、前記第1光抽出パターンを取り囲むように配され、前記第1高さより高い第2高さを有する第2光抽出パターンと、を具備するディスプレイ装置が提供される。
【0024】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンを覆うように、前記第1光抽出パターン上に配される平坦化膜をさらに含んでもよい。
【0025】
本実施形態において、前記第2光抽出パターンは、前記絶縁膜に対応するように配され得る。
【0026】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンは、下面と第1角度をなす側面を有し、前記第2光抽出パターンは、下面と前記第1角度より小さい第2角度をなす側面を有することができる。
【0027】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンは、第1高さを有し、前記第2光抽出パターンは、前記第1高さより高い第2高さを有することができる。
【0028】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンと前記第2光抽出パターンとは、同一物質を含んでもよい。
【0029】
本実施形態において、前記第1光抽出パターンは、第1屈折率を有し、前記平坦化膜は、前記第1屈折率より大きい第2屈折率を有することができる。
【0030】
本実施形態において、前記第1光抽出パターン及び前記平坦化膜は、透光性を有する有機物を含んでもよい。
【0031】
本実施形態において、平面視において、前記第1光抽出パターンは、環状の閉ループ形状を有することができる。
【0032】
本実施形態において、平面視において、前記開口は、多角形、楕円形または円形の形状を有し、前記第1光抽出パターンの形状は、前記開口の形状と類似した形態でもある。
【0033】
本実施形態において、平面視において、前記開口内に位置する図形の中心と、前記第1光抽出パターンの図形の中心は、互いに一致しうる。
【0034】
前述の部分以外の他の側面、特徴、利点は、以下の発明を実施するための具体的な内容、特許請求の範囲、及び図面から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0035】
前述の本発明の一実施形態によれば、光抽出効率が向上され、視野角による色感偏差が最小化されたディスプレイ装置を具現することができる。ここで、そのような効果により、本発明の範囲が限定されるものではないということは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置を概略的に図示する平面図である。
図2】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置のある1画素の等価回路図である。
図3図1のA部分を拡大して図示する平面図である。
図4図3のB-B線に沿って切り取った断面を概略的に図示する断面図である。
図5】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。
図6】本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。
図7】本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素を概略的に図示する平面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素を概略的に図示する平面図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。
図11】本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態によっても具現される。
【0038】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それに係わる重複説明は、省略する。
【0039】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用される。また、単数の表現は、文脈上明白にそれとは違って意味しない限り、複数の表現を含む。
【0040】
なお、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。また、膜、領域、構成要素のような部分が他部分の「上」または「上部」にあるとするとき、他の部分の「真上」または「すぐ上部」にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0041】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張されてもあり、縮小されてもいる。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されているところに限定されるものではない。
【0042】
x軸、y軸及びz軸は、直交座標系上の三軸に限定されるものではなく、それを含む広義にも解釈される。例えば、x軸、y軸及びz軸は、互いに直交しうるが、互いに直交せずに、互いに異なる方向を指することもできる。
【0043】
ある実施形態が異なって具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なるようにも遂行される。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時にも遂行され、説明される順序と反対の順序にも進められる。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置を概略的に図示する平面図である。
【0045】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置1は、基板100、及び基板100上に位置したディスプレイ部200を含む。
【0046】
基板100は、ガラス、金属または有機物のような多様な材質から形成することができる。一実施形態によれば、基板100は、柔軟な材料によっても形成される。例えば、基板100は、十分に反って曲がったり、ロールされたりするポリイミド(PI)のような材質によって形成され得るが、それは、例示的なものであり、本発明は、それに制限されるものではない。
【0047】
基板100は、表示領域DA及び非表示領域NDAを含む。表示領域DA上には、ディスプレイ部200が位置する。非表示領域NDAは、表示領域DAの外郭、基板100のエッジに沿って配される。非表示領域NDA上には、一側に、ディスプレイ部200に信号を供給する駆動部DUが配されうる。
【0048】
複数の画素Pは、表示領域DAに配される。画素Pは、信号線及び電源線と電気的に連結された薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタなどを含む画素回路、並びに前述の画素回路に連結された表示要素、例えば、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)を含んでもよい。
【0049】
画素Pは、有機発光ダイオードを介し、例えば、赤色、緑色、青色または白色の光を放出することができる。本明細書における画素Pとは、前述のように、赤色、緑色、青色、白色のうちいずれか1つの色相の光を放出する画素と理解することができる。画素Pに具備された表示要素が有機発光ダイオードである場合、該薄膜トランジスタは、少なくとも駆動薄膜トランジスタ及びスイッチング薄膜トランジスタを含んでもよい。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置のある1画素の等価回路図である。
【0051】
図2を参照すれば、画素Pは、画素回路PC、及び画素回路PCに連結された表示要素を含む。図2においては、表示要素として、有機発光ダイオードOLEDを図示している。画素回路PCは、第1薄膜トランジスタT1、第2薄膜トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを含んでもよい。
【0052】
第2薄膜トランジスタT2は、スイッチング薄膜トランジスタであり、スキャン線SL及びデータ線DLに連結され、スキャン線SLから入力されるスイッチング電圧により、データ線DLから入力されたデータ電圧を、第1薄膜トランジスタT1に伝達する。ストレージキャパシタCstは、第2薄膜トランジスタT2と駆動電圧線PLとに連結され、第2薄膜トランジスタT2から伝達された電圧と、駆動電圧線PLに供給される第1電源電圧ELVDDとの差に該当する電圧を保存する。
【0053】
第1薄膜トランジスタT1は、駆動薄膜トランジスタであり、駆動電圧線PLとストレージキャパシタCstとに連結され、ストレージキャパシタCstに保存された電圧値に対応し、駆動電圧線PLから有機発光ダイオードOLEDを流れる駆動電流Idを制御することができる。有機発光ダイオードOLEDは、駆動電流Idにより、所定の輝度を有する光を放出することができる。有機発光ダイオードOLEDの対向電極(例:カソード)は、第2電源電圧ELVSSを供給されうる。
【0054】
図2においては、画素回路PCが2個の薄膜トランジスタと、1個のストレージキャパシタとを含むものとして説明しているが、本発明は、それに限定されるものではない。薄膜トランジスタの個数、及びストレージキャパシタの個数は、画素回路PCの設計により、多様に変更されうることは言うまでもない。
【0055】
図3は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を概略的に図示する平面図である。図3は、図1のA部分に対応しうる。
【0056】
図3を参照すれば、本実施形態によるそれぞれの画素Pは、有機発光ダイオードOLEDの上部に位置した光抽出部300を含む。光抽出部300は、第1光抽出パターン310、第2光抽出パターン320、並びに第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320を覆う平坦化膜330を含む。
【0057】
第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、同一層に配され、絶縁膜150の上部に位置する。絶縁膜150は、開口OPを介し、発光領域EAを定義し、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、開口OPの上部に位置する。
【0058】
平面視において、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、環状の閉ループ(closed loop)形状を有する。図3において、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、額縁のような形状を有するが、それに限定されるものではない。第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、開口OPの形状に沿い、それと類似した形態にも形成される。図3において開口OPは、ほぼ四角形状に図示されるが、図7のような八角形、または図8のような六角形のような多様な形状を有することもできる。それ以外にも、開口OPは、多角形、楕円形または円形にも形成される。
【0059】
開口OPでもって定義された発光領域EAは、第1方向に沿う第1軸CAX1を基準に対称に形成され、第2方向に沿う第2軸CAX2を基準に対称に形成されうる。第1方向と第2方向は、互いに交差することができ、一例として、直交することができる。第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、第1軸CAX1を基準に対称に形成され、同様に第2軸CAX2を基準に対称に形成される。
【0060】
第1軸CAX1と第2軸CAX2は、一点で互いに出合い、この点は、図形の中心点Oと定義される。第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320も、それと同一方法によって定義される中心点Oを有し、開口OPと、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、中心点Oを互いに共有することができる。一実施形態として、開口OPが多角形に形成される場合、中心点Oは、開口OPで互いに対向する2つのコーナーを連結した2本以上の対角線が互いに出合う点とも定義される。
【0061】
第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、有機発光ダイオードOLED上に配され、有機発光ダイオードOLEDから発光する光が外部にさらに多く出光されるようにするために具備される。比較例として、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320が、第1軸CAX1及び第2軸CAX2を基準に対称に形成されない場合、発光領域EA内の特定部分において、光がさらに反射されるか、あるいは不十分に反射されるというような違いが発生し、それは、視認性不良となってしまう。従って、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、開口OPと同一に、第1軸CAX1及び第2軸CAX2を基準に対称に形成される。
【0062】
第1光抽出パターン310は、開口OP内側の発光領域EAに対応するように配される。すなわち、第1光抽出パターン310は、開口OP内側の発光領域EAと重畳されるように配され、それは、開口OP内に位置した中間層240と重畳されて配されるとも理解される。
【0063】
第2光抽出パターン320は、開口OP外側の非発光領域NEAに対応するように配される。すなわち、第2光抽出パターン320は、開口OP外側の非発光領域NEAと重畳されるように配され、それは、絶縁膜150と重畳されて配されるとも理解される。絶縁膜150が除去された領域が、開口OP、すなわち、発光領域EAと定義され、絶縁膜150が除去されていない領域は、非発光領域NEAと定義されるので、第1光抽出パターン310は、発光領域EA上に、第2光抽出パターン320は、非発光領域NEA上に配されるとも理解される。
【0064】
第1光抽出パターン310は、第1幅W1に具備され、第2光抽出パターン320は、第2幅W2に具備される。このとき、第2幅W2は、第1幅W1より広く具備されうる。それは、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の側面がなす角、及びそれらが配される位置による出光効率と関連がある。それについては、図4及び図5において、詳細に説明する。
【0065】
図4は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を概略的に図示する断面図であり、図5は、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。図4は、図3のB-B線に沿って切り取った断面に対応しうる。
【0066】
まず、図4を参照すれば、表示領域DAに位置した画素Pは、画素回路PCを含み、画素回路PCは、薄膜トランジスタ210及びストレージキャパシタ220を含む。図4の薄膜トランジスタ210は、図2の駆動薄膜トランジスタである第1薄膜トランジスタT1でもある。
【0067】
画素回路PCは、基板100上に順次に位置する、バッファ層101、ゲート絶縁層103及び層間絶縁層105を含んでもよい。
【0068】
バッファ層101は、不純物の侵入を防止するために、基板100上に配され、ゲート絶縁層103は、薄膜トランジスタ210の半導体層211とゲート電極213との間に介在される。層間絶縁層105は、薄膜トランジスタ210のゲート電極213と、ソース電極215s及びドレイン電極215dとの間に介在され、同時に、ストレージキャパシタ220の下部電極221と上部電極223との間に介在され、誘電体として機能することができる。
【0069】
バッファ層101、ゲート絶縁層103、層間絶縁層105は、いずれも絶縁性無機物から形成され得る。例えば、バッファ層101、ゲート絶縁層103及び層間絶縁層105は、それぞれシリコン窒化物、シリコン酸化物及び/またはシリコン酸窒化物によって形成されてもよい。
【0070】
図4においては、画素回路PCの薄膜トランジスタ210がトップゲートタイプである場合について説明したが、本発明は、それに制限されるものではない。他の実施形態として、薄膜トランジスタ210は、ボトムゲートタイプであり得る。また、図4においては、ストレージキャパシタ220の下部電極221及び上部電極223が、それぞれゲート電極213、並びにソース電極215s及びドレイン電極215dと同一物質を含むように同一層に位置する場合について説明したが、本発明は、それに制限されるものではなく、多様に変更可能である。
【0071】
有機発光ダイオードOLEDは、コンタクトホールを有するビア層130を挟み、画素回路PCと電気的に連結された画素電極230、画素電極230と対向する対向電極250、及びそれら間に介在される中間層240を含む。一実施形態として、ビア層130は、絶縁性有機物によって形成され得る。
【0072】
画素電極230は、画素定義膜と理解され得る絶縁膜150に具備された開口OPを介して露出され、画素電極230のエッジは、絶縁性有機物によって形成された絶縁膜150によってカバーされ得る。一実施形態として、画素電極230は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、またはそれらの化合物を含んでもよい。
【0073】
対向電極250は、一体に形成され、表示領域DAを全体的にカバーすることができる。一実施形態として、対向電極250は、銀(Ag)とマグネシウム(Mg)とを含む薄膜金属層、または酸化インジウムスズ(ITO:indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化亜鉛(ZnO:zinc oxide)、酸化インジウム(III)(In)、インジウムガリウム酸化物(IGO:indium gallium oxide)またはアルミニウム亜鉛酸化物(AZO:aluminum zinc oxide)のような透光性導電層(TCO:transparent conductive oxide)であり得る。
【0074】
中間層240は、赤色、緑色もしくは青色の光を放出する蛍光物質またはリン光物質を含む有機物によって形成されてもよく、表示領域DAにおける画素Pに対応し、パターニングすることができる。
【0075】
図示されていないが、中間層240を挟み、中間層240と画素電極230との間に介在される第1機能層(図示せず)、及び中間層240と対向電極250との間に介在される第2機能層(図示せず)のうち少なくともいずれか1層の機能層を含んでもよい。該第1機能層と該第2機能層は、画素電極230上にパターニングされて形成される中間層240とは異なり、ディスプレイ部200全面に形成される共通層であり得る。
【0076】
該第1機能層は、例えば、正孔注入層(HIL:hole injection layer)及び正孔輸送層(HTL:hole transport layer)のうち少なくともいずれか1層を含んでもよい。該正孔注入層は、アノードから正孔が容易に放出されるようにし、該正孔輸送層は、正孔注入層の正孔が発光層まで伝達されるようにする。該第2機能層は、電子輸送層(ETL:electron transport layer)及び電子注入層(EIL:electron injection layer)のうち少なくともいずれか1層を含んでもよい。該電子注入層は、カソードから電子が容易に放出されるようにし、該電子輸送層は、電子注入層の電子が発光層まで伝達されるようにする。
【0077】
表示領域DA上には、封止層260が配される。図4においては、封止層260が表示領域DA上に位置しているように図示されているが、封止層260は、非表示領域NDA上にも一部配されうる。
【0078】
他の実施形態として、封止層の代わりに、基板100の上部に封止基板(図示せず)を具備し、基板100の外郭にシーラント(図示せず)を利用し、基板100と該封止基板とを接合させることにより、ディスプレイ部200を密封する構造を具備することもできる。本実施形態においては、封止層260を介し、ディスプレイ部200を密封する構造について説明することにする。
【0079】
封止層260は、第1無機膜261及び第2無機膜263と有機膜262とを含む。例えば、封止層260は、第1無機膜261、有機膜262及び第2無機膜263が順次に積層されて形成され得る。第1無機膜261及び第2無機膜263は、シリコン窒化物、アルミニウム窒化物、ジルコニウム窒化物、チタン窒化物、ハフニウム窒化物、タンタル窒化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、セリウム酸化物及びシリコン酸窒化物のうち少なくともいずれか1つの物質を含んでもよい。第1無機膜261及び第2無機膜263は、例えば、化学気相蒸着(CVD)工程によって形成され得る。
【0080】
有機膜262は、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリイソプレン、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂及びペリレン系樹脂からなる群から選択された1以上の物質を含んでもよい。
【0081】
一実施形態において、有機膜262は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)またはオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)のような物質を、原料ガスとして使用した原子層蒸着(ALD:atomic layer deposition)工程によって形成され得る。
【0082】
他の実施形態として、有機膜262は、液状のモノマーを蒸着した後、熱や紫外線のような光を利用して硬化させるによって形成され得る。
【0083】
本実施形態においては、封止層260が、2層の第1無機膜261及び第2無機膜263、並びに1層の有機膜262を具備する場合について説明したが、無機封止層と有機封止層との積層順序及び積層個数は、それに限定されるものではない。
【0084】
光抽出部300は、封止層260上に位置することができる。本実施形態において、光抽出部300は、封止層260上に位置しているように図示されているが、他の実施形態として、光抽出部300と封止層260との間に各種機能層が介在され、光抽出部300は、そのような機能層上に配され得る。該機能層は、例えば、タッチセンサ層、偏光層、フィルタ層、有機層、無機層などであり得る。
【0085】
光抽出部300は、第1光抽出パターン310、第2光抽出パターン320、並びに第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320を覆う平坦化膜330を含む。第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、同一層に配され、平坦化膜330は、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320を覆うように配される。平坦化膜330は、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の上面を平坦化させ、上部にウィンドウカバー(図示せず)などが配されるようにする役割を行う。
【0086】
図4及び図5を参照すれば、絶縁膜150の開口OPでもって定義される発光領域EA上には、第1光抽出パターン310が配され、開口OP外郭の非発光領域NEA上には、第2光抽出パターン320が配される。図4のように、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、発光領域EAの中心を通る中心軸CAXを基準に対称となるように具備される。中心軸CAXは、図3の第1軸CAX1に対応しうる。
【0087】
図5を参照すれば、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、第1屈折率を有し、平坦化膜330は、第2屈折率を有するように具備される。このとき、平坦化膜330の第2屈折率は、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の第1屈折率より大きく具備される。すなわち、平坦化膜330を形成する物質の屈折率が、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320を形成する物質の屈折率より大きいことを意味する。そのような特性を利用し、有機発光ダイオードOLEDから発光した光が、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の表面で全反射されるようにし、正面から出光されることにより、出光効率を向上させることができる。
【0088】
第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320、並びに平坦化膜330は、例えば、透光性を有する有機物を含む。光抽出部300が、有機発光ダイオードOLEDの出光効率を向上させるために具備され、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置は、前面発光を全体として行うので、光抽出部300を形成する構成要素は、透光性を有する物質で構成される。例えば、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320、並びに平坦化膜330は、アクリル系有機膜などによって形成され得るが、必ずしもそれに制限されるものではなく、透光性を有する有機物であり、平坦化膜330の屈折率が、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の屈折率より大きい物質であれば足りる。
【0089】
一実施形態として、相対的に高屈折率を有する平坦化膜330は、屈折率向上のために、有機物331内に、微細粒子332が分散された物質を含んでもよい。微細粒子332は、例えば、ジルコニアのような無機物であり得る。
【0090】
第1光抽出パターン310は、側面の傾きが第1角度θ1を有し、第2光抽出パターン320は、側面の傾きが第2角度θ2を有するように具備される。このとき、第1角度θ1は、第2角度θ2より大きく具備される。例えば、第1角度θ1は、約70°ないし90°に形成されてもよく、第2角度θ2は、約70°ないし80°に形成されてもよい。図5において、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、ほぼ台形状に図示されているが、第1光抽出パターン310は、長方形状に形成されてもよい。そのような第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の第1角度θ1及び第2角度θ2は、画素Pの大きさ、光抽出部300の厚みなどを総合的に考慮して設計され得る。
【0091】
図5のように、発光領域EAの中心から発光した光は、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320の側面表面で全反射され、有機発光ダイオードOLEDの正面から出光する。ディスプレイ装置を使用するユーザの立場において、ディスプレイ装置とユーザ視角は、ほぼ一直線上に位置する場合がほとんどであり、従って、有機発光ダイオードOLEDから発光した光が、どれほど正面から出光するかということがディスプレイ装置の性能において重要な要素のうちの一つである。そのために、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置においては、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320を、有機発光ダイオードOLEDの上部に具備することにより、有機発光ダイオードOLEDから発光した光の正面出光効率を上昇させ、ディスプレイ装置の性能及び寿命を大幅に向上させることができる。
【0092】
図5においては、発光領域EAの中心から発光した光を、角度により、第1光L1及び第2光L2として図示している。第2光L2は、第1光L1に比べ、中心軸CAXとなす角度がさらに大きく、非発光領域NEA側に進む。そのような第2光L2は、有機発光ダイオードOLEDの正面に直進しないために、比較例として、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320を具備しない場合、第2光L2は、隣接画素と混色されたり、有機発光ダイオードOLEDの光効率を低下させたりする主要原因になる。従って、非発光領域NEA上に、第2光抽出パターン320を具備することにより、非発光領域NEA側に進む第2光L2を正面から出光させ、出光効率を向上させることができる。
【0093】
前述のように、第2光L2は、非発光領域NEA側に進み、中心軸CAXとなす角度が相対的に大きいために、入射角を考慮し、第2光抽出パターン320の側面がなす角度は、第1光抽出パターン310に比べ、相対的に小さく具備される。それと類似した原理で、第1光L1は、発光領域EA側に進み、中心軸CAXとなす角度が相対的に小さいために、入射角を考慮し、第1光抽出パターン310の側面がなす角度は、第2光抽出パターン320に比べ、相対的にさらに大きく具備される。
【0094】
第1光L1は、発光領域EA側に進むことには進むが、比較例として、第1光抽出パターン310を具備しない場合、正面から出光されるものではない。従って、発光領域EA上に、第1光抽出パターン310を具備することにより、第1光L1を正面から出光させ、出光効率を向上させることができる。
【0095】
第1光抽出パターン310は、第1高さh1を有し、第2光抽出パターン320は、第2高さh2を有する。このとき、第1光抽出パターン310の第1高さh1は、第2光抽出パターン320の第2高さh2より低く具備される。第1光抽出パターン310は、発光領域EAの上部に配されるために、相対的に薄い厚みに形成することが光効率の側面で容易である。
【0096】
それと同一原理により、第1光抽出パターン310は、第1幅W1を有し、第2光抽出パターン320は、第2幅W2を有する。このとき、第1光抽出パターン310の第1幅W1は、第2光抽出パターン320の第2幅W2より狭く具備される。前述のように、第1光抽出パターン310を形成する物質が透光性を有するとしても、発光領域EAの上部に構造物を配置する場合、光効率が低下してしまう虞がある。従って、発光領域EA上に配される第1光抽出パターン310は、非発光領域NEA上に配される第2光抽出パターン320より狭い幅を有するようにし、第1光抽出パターン310による、発光領域EAの光効率の低下を最小化させることができる。例えば、第1光抽出パターン310の第1幅W1は、同一方向を基準に、発光領域EAのおよそ10%ないし30%ほどであり得るが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0097】
図6は、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図である。
【0098】
図6の実施形態は、図4の実施形態と、画素回路PCの構造において違いがある。それ以外の構成は、図4の実施形態と同一であるが、以下においては、画素回路PC構造の違いを中心に説明する。
【0099】
図6を参照すれば、画素回路PCは、薄膜トランジスタ210及びストレージキャパシタ220を含む。画素回路層110は、基板100上に順次に位置するバッファ層101、ゲート絶縁層103、誘電体絶縁層105、層間絶縁層107及び無機保護膜109を含んでもよい。
【0100】
バッファ層101は、不純物の浸透を防止するために、基板100上に配され、ゲート絶縁層103は、薄膜トランジスタ210の半導体層211とゲート電極213との間に介在され、誘電体絶縁層105は、ストレージキャパシタ220の下部電極221と上部電極223との間に介在され、層間絶縁層107は、薄膜トランジスタ210のゲート電極213と、ソース電極215s及びドレイン電極215dとの間に介在される。
【0101】
バッファ層101、ゲート絶縁層103、誘電体絶縁層105、層間絶縁層107及び無機保護膜109は、いずれも絶縁性無機物によって形成される。例えば、バッファ層101、ゲート絶縁層103、誘電体絶縁層105、層間絶縁層107及び無機保護膜109は、それぞれシリコン窒化物、シリコン酸化物及び/またはシリコン酸窒化物によっても形成される。
【0102】
図6においては、薄膜トランジスタ210とストレージキャパシタ220とが重畳されるように配され、薄膜トランジスタ210のゲート電極213が、ストレージキャパシタ220の下部電極221である場合を図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0103】
図7及び図8は、本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置のある1画素を概略的に図示する平面図であり、図3の変形実施形態である。
【0104】
前述の図3においては、開口OPでもって定義された発光領域EAが、ほぼ四角形状を有する場合を図示したが、図7及び図8においては、変形実施形態として、開口OPでもって定義された発光領域EAが、ほぼ八角形状を有する場合、及び六角形状を有する場合を図示する。図7及び図8の実施形態において、開口OPの形状を除いては、図3の実施形態と同一であるが、以下においては、違いを主として説明する。
【0105】
図7を参照すれば、開口OPでもって定義された画素P’の発光領域EAは、ほぼ八角形状を有することができる。発光領域EAは、第1方向に沿う第1軸CAX1、及びそれと交差する第2軸CAX2と対称になるように形成される。第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、開口OPの形状に沿って類似した形態に具備される。図3と同様に、第1光抽出パターン310は、発光領域EA上部に配され、第2光抽出パターン320は、非発光領域NEA上部に配される。
【0106】
図8を参照すれば、開口OPでもって定義された画素P”の発光領域EAは、ほぼ八角形状を有することができる。発光領域EAは、第1方向に沿う第1軸CAX1、及びそれと交差する第2軸CAX2と対称になるように形成される。図8の第1方向及び第2方向は、図7と比較するとき、対角線方向でもある。すなわち、画素P”の形状及び配置は、ストライプタイプだけではなく、ペンタイルタイプにも形成されるが、その場合、図8のような画素P”形状を有することができる。その場合にも同様に、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、開口OPの形状に沿い、類似した形態に具備される。第1光抽出パターン310は、発光領域EA上部に配され、第2光抽出パターン320は、非発光領域NEA上部に配される。
【0107】
図9及び図10は、本発明のさらに他の実施形態による一画素の断面を概略的に図示する断面図であり、図4の変形実施形態である。
【0108】
図9及び図10の実施形態は、光抽出部300の構造において、図4の実施形態と違いがある。それ以外の構成は、図4の実施形態と同一であるが、以下においては、光抽出部300構造の違いを中心に説明する。
【0109】
図9を参照すれば、第1光抽出パターン310の第1高さh1と、第2光抽出パターン320の第2高さh2とが同一に具備され得る。前述の図4の実施形態においては、第1光抽出パターン310の第1高さh1を、第2光抽出パターン320の第2高さh2より低く形成したが、それは、発光領域EAの光効率以外の製造工程の問題と係わる。すなわち、第1光抽出パターン310の側面角度をほぼ90°に近接するように設計することにより、相対的に小さい側面角度を有する第2光抽出パターン320パターンに比べ、高い高さを有するように形成することが工程上困難である。また、発光領域EAの光効率のために、第1光抽出パターン310の幅を広げるのに限界があり、図4の実施形態においては、第1光抽出パターン310の高さを低くする方向に、光抽出部300を設計した。
【0110】
従って、工程上、条件が可能である場合であるならば、図9のように、第1光抽出パターン310の第1高さh1と、第2光抽出パターン320の第2高さh2とを同一に具備することも可能である。
【0111】
図10を参照すれば、第1光抽出パターン310及び第2光抽出パターン320は、非発光領域NEAの上部に位置することができる。その場合、内側に位置した第1光抽出パターン310の第1高さh1は、外側に位置した第2光抽出パターン320の第2高さh2より低くも具備される。それを介し、非発光領域NEA側に進む光のうち、第1光抽出パターン310によって反射されなかった光は、第2光抽出パターン320によって反射され、有機発光ダイオードOLEDの正面出光効率を上昇させることができる。
【0112】
図11は、本発明のさらに他の実施形態によるディスプレイ装置の1画素の断面を概略的に図示する断面図であり、図4の変形実施形態である。
【0113】
図11の実施形態は、封止層260の上部構造において、図4の実施形態と違いがある。それ以外の構成は、図4の実施形態と同一であるが、以下においては、封止層260の上部構造の違いを中心に説明する。
【0114】
図11を参照すれば、本実施形態によるディスプレイ装置は、光抽出部300、タッチセンサ層400及びカバー層500を含む。光抽出部300は、タッチセンサ層400とカバー層500との間に介在され得る。
【0115】
タッチセンサ層400は、ユーザのタッチ入力を、電気的または物理的に感知し、それを電気的信号として、ディスプレイ部に伝達する役割を行う。一実施形態として、タッチセンサ層400は、封止層260上に直接形成され得る。すなわち、タッチセンサ層400は、封止層260上に、直接センシングパターン及び絶縁膜などが形成されうる。他の実施形態として、タッチセンサ層400は、タッチパネル形態で、封止層260上にラミネーションされうる。このとき、タッチセンサ層400は、接着層(図示せず)によって封止層260上に配され得る。
【0116】
光抽出部300は、タッチセンサ層400上に位置することができる。光抽出部300上には、カバーウィンドウに対応するカバー層500が配されうる。
【0117】
以上においては、ディスプレイ装置についてだけ主に説明したが、本発明は、それらに限定されるものではない。例えば、そのようなディスプレイ装置を製造するためのディスプレイ装置の製造方法も、本発明の範囲に属する。
【0118】
本発明は、図面に図示された実施形態を参照して説明されたがそれは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11