(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】熱交換器及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
F28F 9/26 20060101AFI20231031BHJP
F28F 1/02 20060101ALI20231031BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20231031BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20231031BHJP
F24F 1/0067 20190101ALI20231031BHJP
F28F 1/30 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
F28F9/26
F28F1/02 A
F28F9/02 E
F28D1/053 A
F24F1/0067
F28F1/30 A
(21)【出願番号】P 2022146227
(22)【出願日】2022-09-14
(62)【分割の表示】P 2020502791の分割
【原出願日】2018-08-31
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2018034796
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】上野 円
(72)【発明者】
【氏名】浅地 野衣
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/071953(WO,A1)
【文献】特開2008-249252(JP,A)
【文献】実開平02-013952(JP,U)
【文献】国際公開第2012/035845(WO,A1)
【文献】特開2015-230129(JP,A)
【文献】特開2009-145009(JP,A)
【文献】実公昭50-037085(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/26
F28F 1/02
F28F 9/02
F28D 1/053
F24F 1/0067
F28F 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換を行う第1熱交換ユニットと第2熱交換ユニットとを備え、
前記第1熱交換ユニットは、
各々が第1方向に延びており、前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる複数の第1扁平管と、
各々が前記
第2方向に直交する伸長方向に延びており、前記第2方向に並んでいる複数の第2扁平管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の一端に接続され、前記第2方向に延びる第1ヘッダ管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の他端と、前記複数の第2扁平管の前記
伸長方向の一端とに接続され、前記第2方向に延びる第2ヘッダ管と、
前記複数の第2扁平管の前記
伸長方向の他端に接続され、前記第2方向に延びる第3ヘッダ管と
を有し、
前記第2熱交換ユニットは、第1熱交換部と、第2熱交換部とを有し、
前記第1熱交換部は、前記複数の第1扁平管と対向し
前記第2熱交換部は、前記複数の第2扁平管と対向
し、
前記第2ヘッダ管は、
前記第1熱交換ユニットの外部から冷媒が流入する少なくとも1つの冷媒流入部と、
前記第1熱交換ユニットの外部へ冷媒が流出する少なくとも1つの冷媒流出部と
を含み、
前記第2ヘッダ管の前記冷媒流入部の数と前記冷媒流出部の数とは異なる、熱交換器。
【請求項2】
熱交換を行う第1熱交換ユニットと第2熱交換ユニットとを備え、
前記第1熱交換ユニットは、
各々が第1方向に延びており、前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる複数の第1扁平管と、
各々が前記第2方向に直交する伸長方向に延びており、前記第2方向に並んでいる複数の第2扁平管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の一端に接続され、前記第2方向に延びる第1ヘッダ管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の他端と、前記複数の第2扁平管の前記伸長方向の一端とに接続され、前記第2方向に延びる第2ヘッダ管と、
前記複数の第2扁平管の前記伸長方向の他端に接続され、前記第2方向に延びる第3ヘッダ管と
を有し、
前記第2熱交換ユニットは、第1熱交換部と、第2熱交換部とを有し、
前記第1熱交換部は、前記複数の第1扁平管と対向し
前記第2熱交換部は、前記複数の第2扁平管と対向し、
前記第1熱交換ユニットは、
前記第1ヘッダ管から前記第2ヘッダ管まで前記第1方向に延びる第1板状部材と、
前記第3ヘッダ管から前記第2ヘッダ管まで前記
伸長方向に延びる第2板状部材と
をさらに含む
、熱交換器。
【請求項3】
熱交換を行う第1熱交換ユニットと第2熱交換ユニットとを備え、
前記第1熱交換ユニットは、
各々が第1方向に延びており、前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる複数の第1扁平管と、
各々が前記第2方向に直交する伸長方向に延びており、前記第2方向に並んでいる複数の第2扁平管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の一端に接続され、前記第2方向に延びる第1ヘッダ管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の他端と、前記複数の第2扁平管の前記伸長方向の一端とに接続され、前記第2方向に延びる第2ヘッダ管と、
前記複数の第2扁平管の前記伸長方向の他端に接続され、前記第2方向に延びる第3ヘッダ管と
を有し、
前記第2熱交換ユニットは、第1熱交換部と、第2熱交換部とを有し、
前記第1熱交換部は、前記複数の第1扁平管と対向し
前記第2熱交換部は、前記複数の第2扁平管と対向し、
前記第2ヘッダ管は、前記第2ヘッダ管の内部空間を仕切る少なくとも2つの仕切板を含み、
前記少なくとも2つの仕切板は、前記第3ヘッダ管の側から前記第1ヘッダ管の側に向かって互いに離れるように傾斜している
、熱交換器。
【請求項4】
前記第2ヘッダ管は、
前記第1熱交換ユニットの外部から冷媒が流入する少なくとも1つの冷媒流入部と、
前記第1熱交換ユニットの外部へ冷媒が流出する少なくとも1つの冷媒流出部と
を含む、請求項2又は請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1熱交換部は、
前記第1熱交換部の外部から冷媒が流入する第1冷媒流入部と、
冷媒が流出する第1冷媒流出部とを有し、
前記第1冷媒流入部及び前記第1冷媒流出部は、前記第1ヘッダ管に対して、前記第2ヘッダ管の側に配置される、請求項1又は請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第2ヘッダ管の中心軸が、前記第1ヘッダ管の中心軸及び前記第3ヘッダ管の中心軸に対して、前記第2熱交換ユニットの側に位置するように、前記第1ヘッダ管、前記第2ヘッダ管、及び前記第3ヘッダ管が配置される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
熱交換を行う第1熱交換ユニットと第2熱交換ユニットとを備え、
前記第1熱交換ユニットは、
各々が第1方向に延びており、前記第1方向に直交する第2方向に並んでいる複数の第1扁平管と、
各々が前記第1方向に延びており、前記第2方向に並んでいる複数の第2扁平管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の一端に接続され、前記第2方向に延びる第1ヘッダ管と、
前記複数の第1扁平管の前記第1方向の他端と、前記複数の第2扁平管の前記第1方向の一端とに接続され、前記第2方向に延びる第2ヘッダ管と、
前記複数の第2扁平管の前記第1方向の他端に接続され、前記第2方向に延びる第3ヘッダ管と
を含み、
前記第2ヘッダ管は、
前記第1熱交換ユニットの外部から冷媒が流入する少なくとも1つの冷媒流入部と、
前記第1熱交換ユニットの外部へ冷媒が流出する少なくとも1つの冷媒流出部と
を含み、
前記第2熱交換ユニットは、第1熱交換部と、第2熱交換部とを含み、
前記第1熱交換部は、平板状の複数の第1フィンと、前記複数の第1フィンを貫通し、蛇行している第1管とを含み、
前記第2熱交換部は、平板状の複数の第2フィンと、前記複数の第2フィンを貫通し、蛇行している第2管とを含み、
前記第1管は、冷媒が流入する第1冷媒流入部と、冷媒が流出する第1冷媒流出部とを含み、
前記第2管は、冷媒が流入する第2冷媒流入部と、冷媒が流出する第2冷媒流出部とを含み、
前記第1熱交換部は、前記第1ヘッダ管及び前記第2ヘッダ管に接続される前記複数の第1扁平管と対向し、
前記第1冷媒流入部及び前記第1冷媒流出部は、前記第1ヘッダ管に対して、前記第2ヘッダ管の側に配置され、
前記第2熱交換部は、前記第2ヘッダ管及び前記第3ヘッダ管に接続される前記複数の第2扁平管と対向し、
前記第2冷媒流入部及び前記第2冷媒流出部は、前記第3ヘッダ管に対して、前記第2ヘッダ管の側に配置される、熱交換器。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の熱交換器を備える、空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された熱交換器は、複数の偏平管と、筒状の中空の上側ヘッダと、筒状の中空の下側ヘッダとを備える。複数の偏平管は、長手方向が鉛直方向に対して傾斜するように配置されている。各偏平管の両端には、上側ヘッダと下側ヘッダとが連通接続されている。上側ヘッダと下側ヘッダの各々は、長手方向が水平方向となるように配置されている。上側ヘッダには、2つの入口管が設けられる。下側ヘッダには、1つの出口管が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された熱交換器の構造では、熱交換量を増加するために複数の熱交換器を空気調和機に配置する場合、熱交換器の数に応じて入口管の数及び出口管の数が増える。その結果、空気調和機において冷媒の配管が複雑になる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱交換量を増加しつつ、冷媒の配管を簡素にすることができる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、熱交換器は、熱交換を行う第1熱交換ユニットを備える。前記第1熱交換ユニットは、複数の第1扁平管と、複数の第2扁平管と、第1ヘッダ管と、第2ヘッダ管と、第3ヘッダ管とを含む。複数の第1扁平管の各々が第1方向に沿って延びており、複数の第1扁平管が前記第1方向に直交する第2方向に沿って並んでいる。複数の第2扁平管の各々が前記第1方向に沿って延びており、複数の第2扁平管が前記第2方向に沿って並んでいる。第1ヘッダ管は、前記複数の第1扁平管の前記第1方向の一端に接続され、前記第2方向に沿って延びる。第2ヘッダ管は、前記複数の第1扁平管の前記第1方向の他端と、前記複数の第2扁平管の前記第1方向の一端とに接続され、前記第2方向に沿って延びる。第3ヘッダ管は、前記複数の第2扁平管の前記第1方向の他端に接続され、前記第2方向に沿って延びる。前記第2ヘッダ管は、前記第1熱交換ユニットの外部から冷媒が流入する少なくとも1つの冷媒流入部と、前記第1熱交換ユニットの外部へ冷媒が流出する少なくとも1つの冷媒流出部とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱交換量を増加しつつ、冷媒の配管を簡素にすることができる熱交換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る空気調和機を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る空気調和機を模式的に示す断面図である。
【
図3】実施形態1に係る空気調和機の第1熱交換ユニットを示す図である。
【
図4】実施形態1に係る空気調和機の第2熱交換ユニットを示す図である。
【
図5】実施形態1に係る空気調和機の熱交換器における配管を模式的に示す図である。
【
図6】実施形態1に係る空気調和機の第1熱交換ユニットの内部構造を模式的に示す図である。
【
図7】実施形態1に係る空気調和機の熱交換器及びファンユニットを示す上面図である。
【
図8】本発明の実施形態2に係る空気調和機の熱交換器及びファンユニットを示す上面図である。
【
図9】実施形態2に係る空気調和機の第2ヘッダ管の内部を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態3に係る空気調和機の第1熱交換ユニットの内部構造を模式的に示す図である。
【
図11】本発明の実施形態4に係る空気調和機の第1熱交換ユニットを模式的に示す図である。
【
図12】本発明の実施形態5に係る空気調和機の第1熱交換ユニットの内部構造を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、実施形態において、X軸及びY軸は水平方向に略平行であり、Z軸は鉛直方向に略平行であり、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。Z軸の正方向は上方向を示し、Z軸の負方向は下方向を示す。
【0010】
(実施形態1)
図1~
図7を参照して、本発明の実施形態1に係る空気調和機100を説明する。まず、
図1を参照して、空気調和機100を説明する。
図1は、空気調和機100を示す斜視図である。空気調和機100は空気調和を行う。
【0011】
図1に示すように、空気調和機100は室内機である。従って、空気調和機100は室内に設置される。なお、空気調和機100は、配管によって室外機と接続される。そして、配管を通して、空気調和機100と室外機との間で冷媒が循環する。室外機は室外に設置される。室外機は、ファンと、圧縮機と、熱交換器と、四方弁のような各種部品とを備える。
【0012】
空気調和機100は、筐体1と、パネル3とを備える。パネル3の姿勢が筐体1に対して変更可能なように、パネル3は筐体1に支持される。パネル3は、略板状であり、筐体1に向かって凸状に湾曲している。
【0013】
次に、
図2を参照して、空気調和機100の内部構造を説明する。
図2は、空気調和機100を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、空気調和機100の筐体1は、吸入口10と、吹出口13とを有する。吸入口10は、筐体1の下部に位置し、筐体1の下方に向けて開口している。吹出口13は、パネル3に向けて開口している。
【0014】
空気調和機100は、ファンユニット5と、熱交換器7とをさらに備える。熱交換器7は、ファンユニット5よりも、空気の流れの下流に位置する。ファンユニット5及び熱交換器7は筐体1に収容される。ファンユニット5は、吸入口10を通して、空気W1を吸い込み、吸い込んだ空気W1を、吹出口13を通して外部に送り出す。具体的には、ファンユニット5は、吸い込んだ空気W1を熱交換器7に向けて送り出す。その結果、熱交換器7を通過した空気W2が、吹出口13を通過してパネル3に向けて送り出される。
【0015】
熱交換器7は熱交換を行う。具体的には、熱交換器7は、第1熱交換ユニット9と、第2熱交換ユニット11とを含む。第1熱交換ユニット9及び第2熱交換ユニット11の各々は熱交換を行う。そして、第1熱交換ユニット9は、第2熱交換ユニット11よりも、空気の流れの下流に位置する。
【0016】
次に、
図3を参照して、第1熱交換ユニット9を説明する。第1熱交換ユニット9は、空気と冷媒との間で熱エネルギーを交換する。
図3は、第1熱交換ユニット9を示す図である。
図3では、第1熱交換ユニット9を背面視している。本明細書において、背面視は、
図2の方向VD1から対象物を見ることを示す。
【0017】
図3に示すように、第1熱交換ユニット9はパラレルフロー型熱交換器である。具体的には、第1熱交換ユニット9は、第1ヘッダ管21と、第2ヘッダ管22と、第3ヘッダ管23と、複数の第1扁平管31と、複数の第2扁平管32とを含む。
【0018】
複数の第1扁平管31の各々は、第1方向D1に沿って延びており、第2方向D2に沿って並んでいる。第2方向D2は第1方向D1に直交する。複数の第1扁平管31には冷媒が流れる。具体的には、複数の第1扁平管31の各々は、互いに略平行に並んだ複数の冷媒流路(不図示)を有する。
【0019】
複数の第2扁平管32の各々は、第1方向D1に沿って延びており、第2方向D2に沿って並んでいる。複数の第2扁平管32には冷媒が流れる。具体的には、複数の第2扁平管32の各々は、互いに略平行に並んだ複数の冷媒流路(不図示)を有する。
【0020】
第1ヘッダ管21と第2ヘッダ管22と第3ヘッダ管23とは、互いに実質的に平行に配置される。
【0021】
第1ヘッダ管21は略円筒状である。第1ヘッダ管21は、複数の第1扁平管31の第1方向D1の一端31aに接続される。第1ヘッダ管21は第2方向D2に沿って延びる。第1ヘッダ管21には冷媒が流れる。第1ヘッダ管21は、第1熱交換ユニット9の外部から冷媒が流入する冷媒流入部と、第1熱交換ユニット9の外部へ冷媒が流出する冷媒流出部とを有していない。
【0022】
第2ヘッダ管22は略円筒状である。第2ヘッダ管22は、複数の第1扁平管31の第1方向D1の他端31bと、複数の第2扁平管32の第1方向D1の一端32aとに接続される。第2ヘッダ管22は第2方向D2に沿って延びる。第2ヘッダ管22には冷媒が流れる。
【0023】
第2ヘッダ管22は、少なくとも1つの冷媒流入部25と、少なくとも1つの冷媒流出部27とを含む。
【0024】
実施形態1では、第2ヘッダ管22は、複数の冷媒流入部25(具体的には2つの冷媒流入部25)を含む。冷媒流入部25は略円筒状である。冷媒流入部25には、第1熱交換ユニット9の外部から冷媒が流入する。また、第2ヘッダ管22は、複数の冷媒流出部27(具体的には2つの冷媒流出部27)を含む。冷媒流出部27は略円筒状である。冷媒流出部27から、第1熱交換ユニット9の外部へ冷媒が流出する。実施形態1では、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数は同一である。また、冷媒流入部25と冷媒流出部27とは交互に配置される。
【0025】
第3ヘッダ管23は略円筒状である。第3ヘッダ管23は、複数の第2扁平管32の第1方向D1の他端32bに接続される。第3ヘッダ管23は第2方向D2に沿って延びる。第3ヘッダ管23には冷媒が流れる。第3ヘッダ管23は、第1熱交換ユニット9の外部から冷媒が流入する冷媒流入部と、第1熱交換ユニット9の外部へ冷媒が流出する冷媒流出部とを有していない。
【0026】
以上、
図3を参照して説明したように、実施形態1によれば、第1ヘッダ管21と複数の第1扁平管31と第2ヘッダ管22とによって1つの熱交換部31Xが構成される。加えて、第3ヘッダ管23と複数の第2扁平管32と第2ヘッダ管22とによって1つの熱交換部32Xが構成される。従って、熱交換ユニットが1つの熱交換部を有する場合と比較して、第1熱交換ユニット9は熱交換量を増大できる。つまり、熱交換器7は熱交換量を増大できる。熱交換量とは、単位時間当たりに熱交換される熱量の総量のことである。更に、実施形態1では、第2ヘッダ管22に冷媒流入部25と冷媒流出部27との双方を配置することによって、熱交換部31Xと熱交換部32Xとで冷媒流入部25と冷媒流出部27とを共用している。従って、2つのパラレルフロー型熱交換器をそれぞれ設ける場合と比較して、熱交換器7における冷媒の配管を簡素にすることができる。
【0027】
すなわち、実施形態1によれば、熱交換器7は、熱交換量を増加しつつ、冷媒の配管を簡素にすることができる。
【0028】
また、実施形態1によれば、第2ヘッダ管22に冷媒流入部25と冷媒流出部27との双方を配置している。従って、冷媒流入部と冷媒流出部とが第1ヘッダ管21(つまり熱交換器の端部)に配置される場合と比較して、第1熱交換ユニット9の温度分布を均一化しやすい。具体的には、冷媒は、暖房運転時に、気体から2相状態へ、さらに2相状態から液体へと変化する。この場合、気体状態の冷媒の温度は高く、液体状態の冷媒の温度は相対的に低い。従って、熱交換器の端部に冷媒流入部が配置される場合、冷媒流入部近傍の扁平管の温度が高くなり、熱交換器の中央部では扁平管の温度が相対的に低くなる。その結果、熱交換器の端部に冷媒流入部が存在する場合、冷媒は熱交換器の端部でのみ高温との熱交換を行うため、熱交換器の温度分布が不均一になり得る。これに対して、実施形態1では、第1熱交換ユニット9の中央部に位置する第2ヘッダ管22に冷媒流入部25を配置しているため、第1熱交換ユニット9の温度分布を均一化しやすい。
【0029】
また、一般的に、室内風路形状を勘案すると、風速が熱交換器の端部と中央部とで異なることがあり得る。そこで、実施形態1では、第1熱交換ユニット9の中央部に位置する第2ヘッダ管22に冷媒流入部25を配置することで、熱交換量を増大できる。
【0030】
また、実施形態1によれば、第1熱交換ユニット9の中央部(つまり、第2ヘッダ管22)から第1ヘッダ管21及び第3ヘッダ管23に冷媒を流すことで、冷媒流入部と冷媒流出部とが第1ヘッダ管21(つまり熱交換器の端部)に配置される場合と比較して、圧力損失を低くすることができる。例えば、実施形態1では、冷媒が一度に流れる扁平管の数を2倍にしたときと同程度に圧力損失を低くすることができる。
【0031】
ここで、「圧力損失」とは、冷媒が流れる際に、流路抵抗によって冷媒の圧力が減少する現象のことである。流速が大きいほど、又は流路が狭いほど、圧力損失は大きくなる。
【0032】
また、実施形態1によれば、
図2に示すように、熱交換器7(第1熱交換ユニット9及び第2熱交換ユニット11)は、ファンユニット5と吹出口13との間に配置される。つまり、熱交換器7は、ファンユニット5に対して吹出口13の側に配置される。従って、実施形態1では、熱交換器がファンユニットに対して吸入口10の側に配置される場合と異なり、熱交換器7から送り出される空気はファンユニット5によって攪拌されない。その結果、熱交換器7を通って吹出口13から吹き出される空気の温度は、熱交換器7の温度分布に近い温度となる。換言すれば、熱交換器7の温度分布が吹出口13の温度分布と近くなる。加えて、第1熱交換ユニット9の中央部に位置する第2ヘッダ管22に冷媒流入部25を配置することで第1熱交換ユニット9の温度分布が均一化されている。その結果、温度分布の均一化した空気が吹出口13から送り出され、ユーザーの快適性が向上する。
【0033】
また、実施形態1では、第1扁平管31及び第2扁平管32の延びる第1方向D1は水平方向と実質的に平行である。つまり、第1扁平管31及び第2扁平管32は水平方向に沿って延びている。従って、第1熱交換ユニット9は、サイドフロータイプのパラレルフロー型熱交換器として機能する。
【0034】
なお、
図2の方向VD1は、第1ヘッダ管21の中心軸AX1と第2ヘッダ管22の中心軸AX2と第3ヘッダ管23の中心軸AX3とに直交する。また、
図2の方向VD2は、中心軸AX1と中心軸AX2と中心軸AX3とに平行である。
【0035】
引き続き
図3を参照して、第1熱交換ユニット9を説明する。第1熱交換ユニット9は、複数の第1コルゲートフィン41と、複数の第2コルゲートフィン42とをさらに含んでいてもよい。複数の第1コルゲートフィン41の各々は、互いに第2方向D2に隣り合う第1扁平管31の間に配置される。複数の第1コルゲートフィン41の各々は、波形に折り曲げられた形状を有する。
【0036】
複数の第2コルゲートフィン42の各々は、互いに第2方向D2に隣り合う第2扁平管32の間に配置される。複数の第2コルゲートフィン42の各々は、波形に折り曲げられた形状を有する。
【0037】
次に、
図4を参照して、第2熱交換ユニット11を説明する。
図4は、第2熱交換ユニット11を示す図である。第2熱交換ユニット11は、空気と冷媒との間で熱エネルギーを交換する。
図4では、第2熱交換ユニット11を背面視している。
【0038】
図4に示すように、第2熱交換ユニット11は、熱交換を行う第1熱交換部11Aと、熱交換を行う第2熱交換部11Bとを含む。第1熱交換部11A及び第2熱交換部11Bの各々は、フィンアンドチューブ型熱交換器である。
【0039】
第1熱交換部11Aは、略平板状の複数の第1フィン51と、略円筒状の第1管61とを含む。
【0040】
複数の第1フィン51の各々は、第3方向D3に沿って延びており、第4方向D4に沿って並んでいる。第4方向D4は第3方向D3に直交する。第3方向D3と第1方向D1(
図3)とは、互いに実質的に直交する。第3方向D3と第2方向D2(
図3)とは、互いに実質的に平行である。第4方向D4と第1方向D1(
図3)とは、互いに実質的に平行である。従って、第4方向D4は、水平方向と実質的に平行である。
【0041】
第1管61は、複数の第1フィン51を第4方向D4に貫通し、蛇行している。第1管61には冷媒が流れる。第1管61は、第1冷媒流入部A1と、第1冷媒流出部B1とを含む。第1冷媒流入部A1には、第1熱交換部11Aの外部から冷媒が流入する。第1冷媒流出部B1からは、第1熱交換部11Aの外部へ冷媒が流出する。
【0042】
第1熱交換部11Aと第2熱交換部11Bとは、第4方向D4に沿って並んでおり、第4方向D4に対向している。
【0043】
第2熱交換部11Bは、略平板状の複数の第2フィン52と、略円筒状の第2管62とを含む。複数の第2フィン52の各々は、第3方向D3に沿って延びており、第4方向D4に沿って並んでいる。
【0044】
第2管62は、複数の第2フィン52を第4方向D4に貫通し、蛇行している。第2管62には冷媒が流れる。第2管62は、第2冷媒流入部A2と、第2冷媒流出部B2とを含む。第2冷媒流入部A2には、第2熱交換部11Bの外部から冷媒が流入する。第2冷媒流出部B2からは、第2熱交換部11Bの外部へ冷媒が流出する。
【0045】
次に、
図5を参照して、熱交換器7における配管を説明する。
図5は、熱交換器7における配管を模式的に示す図である。なお、
図5では、図面の簡略化のため、第1ヘッダ管21、第3ヘッダ管23、第1扁平管31、及び第2扁平管32を省略している。
【0046】
図5に示すように、熱交換器7は、合流部71と、分流部72と、管73と、管74と、管75と、管76と、管77とをさらに備える。
【0047】
管77は分流部72に接続される。分流部72は、管77の流路を分流して、管77を管78及び管79に接続する。管78は、第2ヘッダ管22の2つの冷媒流入部25のうちの一方の冷媒流入部25に接続し、管79は、他方の冷媒流入部25に接続する。2つの冷媒流出部27のうちの一方の冷媒流出部27は、管76に接続し、他方の冷媒流出部27は、管75に接続する。
【0048】
管75及び管76は合流部71に接続する。合流部71は、管75及び管76の流路を合流して、管75及び管76を管74に接続する。管74は、第2熱交換部11Bの第2冷媒流入部A2に接続する。第2冷媒流出部B2は、管73の一方端に接続する。管73の他方端は、第1熱交換部11Aの第1冷媒流入部A1に接続する。その結果、第2冷媒流出部B2と第1冷媒流入部A1とが接続される。
【0049】
引き続き
図5を参照して、暖房運転時の冷媒の流れを説明する。
図5に示すように、暖房運転時では、冷媒AR1は、第1熱交換ユニット9から第2熱交換ユニット11へ流れる。
【0050】
具体的には、熱交換器7の外部からの冷媒AR1は、管77から分流部72に流入する。そして、冷媒AR1は、分流部72によって分流されて、第1熱交換ユニット9の冷媒流入部25に流入する。そして、冷媒AR1は、熱交換部31X及び熱交換部32Xを経由して、冷媒流出部27から流出する。さらに、冷媒AR1は、合流部71によって合流されて、第2熱交換部11Bの第2冷媒流入部A2に流入する。さらに、冷媒AR1は、第2管62を経由して、第2冷媒流出部B2から流出し、第1熱交換部11Aの第1冷媒流入部A1に流入する。さらに、冷媒AR1は、第1管61を経由して、第1冷媒流出部B1から流出する。
【0051】
引き続き
図5を参照して、冷房運転時の冷媒の流れを説明する。
図5に示すように、冷房運転時では、冷媒AR2は、第2熱交換ユニット11から第1熱交換ユニット9へ流れる。
【0052】
具体的には、熱交換器7の外部からの冷媒AR2は、第1熱交換部11Aの第1冷媒流出部B1に流入する。従って、第1冷媒流出部B1は「流入部」として機能する。そして、冷媒AR2は、第1管61を経由して、第1冷媒流入部A1から流出する。従って、第1冷媒流入部A1は「流出部」として機能する。さらに、冷媒AR2は、管73を経由して、第2熱交換部11Bの第2冷媒流出部B2に流入する。従って、第2冷媒流出部B2は「流入部」として機能する。さらに、冷媒AR2は、第2管62を経由して、第2冷媒流入部A2から流出する。従って、第2冷媒流入部A2は「流出部」として機能する。
【0053】
そして、冷媒AR2は、合流部71によって分流されて、第1熱交換ユニット9の冷媒流出部27に流入する。従って、合流部71は「分流部」として機能し、冷媒流出部27は「流入部」として機能する。さらに、冷媒AR2は、熱交換部31X及び熱交換部32Xを経由して、冷媒流入部25から流出する。従って、冷媒流入部25は「流出部」として機能する。さらに、冷媒AR2は、分流部72によって合流されて、管77から流出する。従って、分流部72は「合流部」として機能する。
【0054】
次に、
図6を参照して、第1熱交換ユニット9の内部構造を説明する。
図6は、第1熱交換ユニット9の内部構造を模式的に示す図である。
図6では、暖房運転時の第1熱交換ユニット9における冷媒の流れが「矢印」によって示されている。また、図面の簡略化のため、複数の第1扁平管31を「ブロックBL11及びブロックBL21」として表している。同様に、複数の第2扁平管32を「ブロックBL12及びブロックBL22」として表している。
【0055】
図6に示すように、第1熱交換ユニット9の第1ヘッダ管21は少なくとも1つの仕切板211を含む。仕切板211は、第1ヘッダ管21の内部空間を仕切って、第1ヘッダ管21の内部空間を第2方向D2に2分割している。
【0056】
第2ヘッダ管22は複数の仕切板220を含む。実施形態1では、第2ヘッダ管22は3つの仕切板220を含む。3つの仕切板220は、第2ヘッダ管22の内部空間を仕切って、第2ヘッダ管22の内部空間を第2方向D2に4分割している。
【0057】
第3ヘッダ管23は少なくとも1つの仕切板231を含む。仕切板231は、第3ヘッダ管23の内部空間を仕切って、第3ヘッダ管23の内部空間を第2方向D2に2分割している。
【0058】
第2ヘッダ管22の冷媒流入部25から流入した冷媒は、熱交換部31XのブロックBL11を流れ、第1ヘッダ管21でターンして、ブロックBL21に流れ込む。そして、冷媒は、ブロックBL21を流れ、冷媒流出部27から流出する。加えて、冷媒流入部25から流入した冷媒は、熱交換部32XのブロックBL12を流れ、第3ヘッダ管23でターンして、ブロックBL22に流れ込む。そして、冷媒は、ブロックBL22を流れ、冷媒流出部27から流出する。
【0059】
なお、冷房運転時では、冷媒は、暖房運転時と逆方向に流れる。
【0060】
次に、
図7を参照して、熱交換器7及びファンユニット5を詳細に説明する。
図7は、熱交換器7及びファンユニット5を示す上面図である。
図7では、熱交換器7及びファンユニット5を上面視している。本明細書において、上面視は、
図2の方向VD2から対象物を見ることを示す。
【0061】
図7に示すように、第1熱交換ユニット9において、第1ヘッダ管21と第2ヘッダ管22と第3ヘッダ管23とは一直線上に配置される。第1扁平管31の第1方向D1の一端部31cは、第1ヘッダ管21の内部空間に突き出ている。第1扁平管31の第1方向D1の他端部31dは、第2ヘッダ管22の内部空間に突き出ている。
【0062】
第2扁平管32の第1方向D1の一端部32cは、第2ヘッダ管22の内部空間に突き出ている。第2扁平管32の第1方向D1の他端部32dは、第3ヘッダ管23の内部空間に突き出ている。冷媒流入部25の基端部25a及び冷媒流出部27の基端部27aは、第2ヘッダ管22の内部空間に突き出ている。
【0063】
第2熱交換ユニット11の熱交換部(第1熱交換部11A及び第2熱交換部11B)の数は、第1熱交換ユニット9の熱交換部(熱交換部31X及び熱交換部32X)の数と同一である。そして、第1熱交換部11Aは第1熱交換ユニット9の熱交換部31Xと対向する。従って、第1熱交換部11Aは、第1ヘッダ管21及び第2ヘッダ管22に接続される複数の第1扁平管31と対向している。また、第2熱交換部11Bは第1熱交換ユニット9の熱交換部32Xと対向する。従って、第2熱交換部11Bは、第2ヘッダ管22及び第3ヘッダ管23に接続される複数の第2扁平管32と対向している。
【0064】
さらに、第2熱交換ユニット11において、第1冷媒流入部A1及び第1冷媒流出部B1は、第1ヘッダ管21から第2ヘッダ管22に向かう方向に向いている。つまり、第1冷媒流入部A1及び第1冷媒流出部B1は、第1ヘッダ管21に対して、第2ヘッダ管22の側に配置される。加えて、第2冷媒流入部A2及び第2冷媒流出部B2は、第3ヘッダ管23から第2ヘッダ管22に向かう方向に向いている。つまり、第2冷媒流入部A2及び第2冷媒流出部B2は、第3ヘッダ管23に対して、第2ヘッダ管22の側に配置される。
【0065】
すなわち、上面視において、第1冷媒流入部A1及び第1冷媒流出部B1と、第2冷媒流入部A2及び第2冷媒流出部B2とが、互いに向かい合っている。加えて、第1冷媒流入部A1及び第1冷媒流出部B1並びに第2冷媒流入部A2及び第2冷媒流出部B2は、冷媒流入部25及び冷媒流出部27の近傍に位置している。
【0066】
従って、実施形態1によれば、第1冷媒流入部A1及び第1冷媒流出部B1が第1ヘッダ管21の側に位置している場合と比較して、又は、第2冷媒流入部A2及び第2冷媒流出部B2が第3ヘッダ管23の側に位置している場合と比較して、熱交換器7における配管を短くして、配管を簡素にすることができる。
【0067】
また、実施形態1では、第1熱交換ユニット9において冷房運転時に冷媒の「流出部」として機能する冷媒流入部25の内径は、第1熱交換部11Aの第1管61の内径及び第2熱交換部11Bの第2管62の内径の各々よりも大きい。従って、冷房運転時における冷媒の圧力損失を小さくできる。
【0068】
なお、一般的に、冷房運転時の冷媒の「流出部」では、冷媒は気体になっているため、冷媒の流速が大きい。流速が大きいほど、又は流路が狭いほど、圧力損失は大きくなる。その結果、冷房運転時の「流出部」では、冷媒の圧力損失が大きくなる。そこで、実施形態1では、冷房運転時に冷媒の「流出部」として機能する冷媒流入部25の内径を大きくすることで、冷媒の圧力損失を小さくしている。なお、冷媒流入部25に冷媒が流れる限りにおいては、冷媒流入部25の内径は特に限定されない。
【0069】
さらに、実施形態1では、第1熱交換ユニット9において、第2ヘッダ管22の内径は、第1ヘッダ管21の内径及び第3ヘッダ管23の内径の各々よりも大きい。従って、実施形態1によれば、冷房運転時に冷媒の「流出部」として機能する冷媒流入部25の内径を大きくすることができる。その結果、冷房運転時における冷媒の圧力損失を小さくできる。加えて、第2ヘッダ管22において、第1扁平管31と第2扁平管32との双方を接続するために十分な領域を容易に確保できる。なお、第2ヘッダ管22に第1扁平管31と第2扁平管32との双方を接続できる限りにおいては、第2ヘッダ管22の内径は特に限定されない。
【0070】
引き続き
図7を参照して、ファンユニット5を説明する。
図7に示すように、ファンユニット5は、ファン5Aと、ファン5Bとを含む。ファン5A及びファン5Bの各々は、例えば、クロスフローファンである。ファンユニット5のファン(ファン5A及びファン5B)の数は、第2熱交換ユニット11の熱交換部(第1熱交換部11A及び第2熱交換部11B)の数と同一である。
【0071】
ファン5Aは第1熱交換部11Aと対向している。ファン5Aは、空気W1を吸い込み、吸い込んだ空気W1を、第1熱交換部11Aに向けて送り出す。その結果、空気W2が第1熱交換部11A及び熱交換部31Xを通って、吹出口13に向けて送り出される。
【0072】
ファン5Bは第2熱交換部11Bと対向している。ファン5Bは、空気W1を吸い込み、吸い込んだ空気W1を、第2熱交換部11Bに向けて送り出す。その結果、空気W2が第2熱交換部11B及び熱交換部32Xを通って、吹出口13に向けて送り出される。
【0073】
(実施形態2)
図8及び
図9を参照して、本発明の実施形態2に係る熱交換器7を説明する。実施形態2に係る熱交換器7の第2ヘッダ管22が上面視において第1ヘッダ管21及び第3ヘッダ管23に対して第2熱交換ユニット11の側に配置される点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0074】
まず、
図8を参照して、実施形態2に係る熱交換器7を説明する。
図8は、実施形態2に係る熱交換器7及びファンユニット5を示す上面図である。
図8では、熱交換器7及びファンユニット5を上面視している。
【0075】
図8に示すように、熱交換器7において、第1熱交換ユニット9Aの第2ヘッダ管22の中心軸AX2が、第1ヘッダ管21の中心軸AX1及び第3ヘッダ管23の中心軸AX3に対して、第2熱交換ユニット11の側に位置するように、第1ヘッダ管21、第2ヘッダ管22、及び第3ヘッダ管23が配置される。
【0076】
従って、実施形態2によれば、第2ヘッダ管22の外径が第1ヘッダ管21の外径及び第3ヘッダ管23の外径の各々よりも大きい場合であっても、第2ヘッダ管22が、第1ヘッダ管21及び第3ヘッダ管23に対して、空気の流れの下流側に張り出すことを抑制できる。つまり、第2ヘッダ管22が、ラインLNよりも、空気の流れの下流側に張り出すことを抑制できる。ラインLNは、第1ヘッダ管21の最下流端と第3ヘッダ管23の最下流端とを結ぶ線分である。
【0077】
具体的には、第2ヘッダ管22の中心軸AX2が、第1ヘッダ管21の中心軸AX1及び第3ヘッダ管23の中心軸AX3に対して、第1熱交換部11Aと第2熱交換部11Bとの間の空間SP側に位置するように、第1ヘッダ管21、第2ヘッダ管22、及び第3ヘッダ管23は配置される。
【0078】
次に、
図9を参照して、第2ヘッダ管22の内部を説明する。
図9は、第2ヘッダ管22の内部を示す断面図である。
図9では、理解を容易にするために、
図8の第1扁平管31及び第2扁平管32よりも、第1扁平管31及び第2扁平管32の傾斜を大きく示している。
【0079】
図9に示すように、第1扁平管31は、冷媒流路311、冷媒流路312、冷媒流路313、冷媒流路314、及び冷媒流路315を有する。第2扁平管32は、冷媒流路321、冷媒流路322、冷媒流路323、冷媒流路324、及び冷媒流路325を有する。
【0080】
冷媒流入部25から第2ヘッダ管22に流入した冷媒CMは、第1扁平管31の冷媒流路311~冷媒流路315に流入する。同様に、冷媒CMは、第2扁平管32の冷媒流路321~冷媒流路325に流入する。
【0081】
ここで、
図8を参照して説明したように、第2ヘッダ管22の中心軸AX2が、中心軸AX1及び中心軸AX3に対して第2熱交換ユニット11の側に位置する。従って、第1扁平管31の端面316及び第2扁平管32の端面326の各々は、冷媒流入部25に向かって広がるように、冷媒CMの流入方向に対して傾斜する。
【0082】
その結果、実施形態2によれば、第1扁平管31の端面316及び第2扁平管32の端面326の各々が冷媒CMの流入方向に略平行である場合と比較して、冷媒流路321~冷媒流路325及び冷媒流路321~冷媒流路325に効果的に冷媒CMを流入させることができる。
【0083】
(実施形態3)
図10を参照して、本発明の実施形態3に係る熱交換器7を説明する。実施形態3に係る熱交換器7の第2ヘッダ管22の冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが異なる点で、実施形態3は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0084】
図10は、実施形態3に係る熱交換器7の第1熱交換ユニット9Bの内部構造を模式的に示す図である。
図10では、暖房運転時の第1熱交換ユニット9Bにおける冷媒の流れが「矢印」によって示されている。また、図面の簡略化のため、複数の第1扁平管31を「ブロックBL11a、ブロックBL21a、ブロックBL11b、及びブロックBL21b」として表している。同様に、複数の第2扁平管32を「ブロックBL12a、ブロックBL22a、ブロックBL12b、及びブロックBL22b」として表している。
【0085】
図10に示すように、熱交換器7の第1熱交換ユニット9Bにおいて、第2ヘッダ管22の冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが異なる。従って、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが同一である場合と比較して、冷媒流入部25に接続される管の数又は冷媒流出部27に接続される管の数を削減できる。その結果、配管を更に簡素にすることができる。
【0086】
実施形態3では、冷媒流出部27の数は冷媒流入部25の数よりも少ない。具体的には、第2ヘッダ管22は、2つの冷媒流入部25と、1つの冷媒流出部27とを有する。従って、冷媒流出部27に接続される管の数を削減できる。例えば、
図5において、管75及び管76のうちのいずれかの管を設ければよく、更に、合流部71を設けなくてもよい。なお、冷媒流入部25の数が冷媒流出部27の数よりも少ない場合は、冷媒流入部25に接続される管の数を削減できる。
【0087】
また、実施形態3では、第2ヘッダ管22の冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが異なるため、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが同一である場合と比較して、冷媒流入部25と冷媒流出部27との間の第2方向D2の距離が大きくなる。その結果、熱交換のロスを抑制して、第1熱交換ユニット9による熱交換を効果的に実行できる。
【0088】
具体的には、暖房運転時において、第2ヘッダ管22の冷媒流入部25では、冷媒は過熱状態である。一方、暖房運転時において、第2ヘッダ管22の冷媒流出部27では、冷媒は気液二相状態である。そこで、冷媒流入部25と冷媒流出部27との間の第2方向D2の距離を大きくすることで、冷媒流入部25の冷媒と冷媒流出部27の冷媒とが熱交換することを抑制できる。冷媒流入部25の冷媒と冷媒流出部27の冷媒との熱交換は、第1熱交換ユニット9が実行すべき熱交換ではなく、第1熱交換ユニット9にとって熱交換のロスである。実施形態3では、熱交換のロスを抑制することによって、第1熱交換ユニット9による熱交換を効果的に実行できる。
【0089】
引き続き
図10を参照して、冷媒の流れを説明する。
図10に示すように、第2ヘッダ管22は複数の仕切板220を含む。実施形態1では、第2ヘッダ管22は2つの仕切板220を含む。2つの仕切板220は、第2ヘッダ管22の内部空間を仕切って、第2ヘッダ管22の内部空間を第2方向D2に3分割している。
【0090】
2つの冷媒流入部25のうちの一方の冷媒流入部25から流入した冷媒は、熱交換部31XのブロックBL11aを流れ、第1ヘッダ管21でターンして、ブロックBL21aに流れ込む。そして、冷媒は、ブロックBL21aを流れ、1つの冷媒流出部27から流出する。一方、他方の冷媒流入部25から流入した冷媒は、熱交換部31XのブロックBL11bを流れ、第1ヘッダ管21でターンして、ブロックBL21bに流れ込む。そして、冷媒は、ブロックBL21bを流れ、1つの冷媒流出部27から流出する。従って、2つの冷媒流入部25から流入して熱交換部31Xを流れる冷媒は、1つの冷媒流出部27を共用している。
【0091】
同様に、2つの冷媒流入部25のうちの一方の冷媒流入B25から流入した冷媒は、熱交換部32XのブロックBL12aを流れ、第3ヘッダ管23でターンして、ブロックBL22aに流れ込む。そして、冷媒は、ブロックBL22aを流れ、1つの冷媒流出部27から流出する。一方、他方の冷媒流入部25から流入した冷媒は、熱交換部32XのブロックBL12bを流れ、第3ヘッダ管23でターンして、ブロックBL22bに流れ込む。そして、冷媒は、ブロックBL22bを流れ、1つの冷媒流出部27から流出する。従って、2つの冷媒流入部25から流入して熱交換部32Xを流れる冷媒は、1つの冷媒流出部27を共用している。
【0092】
以上、
図10を参照して説明したように、第1熱交換ユニット9Bにおいて、2つの冷媒流入部25から流入する冷媒は、2つの冷媒流入部25の間に位置する1つの冷媒流出部27を共用している。
【0093】
なお、冷房運転時では、冷媒は、暖房運転時と逆方向に流れる。
【0094】
(実施形態4)
図11を参照して、本発明の実施形態4に係る熱交換器7を説明する。実施形態4に係る熱交換器7の第1熱交換ユニット9Cが第1方向D1に沿って延びる第1板状部材81及び第2板状部材82を有する点で、実施形態4は実施形態3と主に異なる。以下、実施形態4が実施形態3と異なる点を主に説明する。
【0095】
図11は、実施形態4に係る熱交換器7の第1熱交換ユニット9Cを模式的に示す図である。
図11では、第1熱交換ユニット9Cを背面視している。また、図面の簡略化のため、第1コルゲートフィン41及び第2コルゲートフィン42を省略している。
【0096】
図11に示すように、熱交換器7の第1熱交換ユニット9Cは、第1板状部材81と、第2板状部材82とをさらに含む。第1板状部材81は、第2ヘッダ管22から第1ヘッダ管21まで第1方向D1に沿って延びる。例えば、冷媒流出部27に近接する第1扁平管31に代えて、第1板状部材81を配置する。従って、第1板状部材81は、2つの第1扁平管31の間に配置される。第1板状部材81は冷媒流路を有しない。第2板状部材82は、第2ヘッダ管22から第3ヘッダ管23まで第1方向D1に沿って延びる。例えば、冷媒流出部27に近接する第2扁平管32に代えて、第2板状部材82を配置する。従って、第2板状部材82は、2つの第2扁平管32の間に配置される。第2板状部材82は冷媒流路を有しない。
【0097】
実施形態4によれば、第1板状部材81を設けることで、第1板状部材81を挟む2つの第1扁平管31の間隔d1を、他の第1扁平管31ピッチp1よりも大きくすることができる。加えて、第2板状部材82を設けることで、第2板状部材82を挟む2つの第2扁平管32の間隔d2を、他の第2扁平管32のピッチp2よりも大きくすることができる。
【0098】
従って、第2ヘッダ管22の内部において、冷媒流出部27の基端部27a(
図7)が、第1扁平管31の端部31d(
図7)及び第2扁平管32の端部32c(
図7)と接触することを容易に抑制できる。その結果、冷媒流出部27の外径及び内径を容易に大きくすることができる。
【0099】
また、実施形態4によれば、第1板状部材81を設けることで、冷房運転時において、複数の第1扁平管31のうち、「流入部」として機能する冷媒流出部27に近い側の第1扁平管31と遠い側の第1扁平管31とで、第1扁平管31に流入する冷媒の流量が不均一になることを抑制できる。同様に、第2板状部材82を設けることで、冷房運転時において、複数の第2扁平管32のうち、「流入部」として機能する冷媒流出部27に近い側の第2扁平管32と遠い側の第2扁平管32とで、第2扁平管32に流入する冷媒の流量が不均一になることを抑制できる。
【0100】
なお、例えば、第1板状部材81の位置に第1扁平管31(以下、「第1扁平管31Q」と記載する。)が配置されていると、第1扁平管31Qは、冷媒流出部27に近接する。従って、冷房運転時において、第1扁平管31Qには、「流入部」として機能する冷媒流出部27から、他の第1扁平管31に流入する冷媒よりも多い量の冷媒が流入する可能性がある。
【0101】
具体的には、第1板状部材81と第2板状部材82と第2ヘッダ管22の冷媒流出部27とは、次のように配置される。すなわち、冷媒流出部27は、第1板状部材81の端部81aと第2板状部材82の端部82aとに近接している。第1板状部材81の端部81aは、第1板状部材81の第1方向D1の両端部のうち第2ヘッダ管22の側の端部である。第2板状部材82の端部82aは、第2板状部材82の第1方向D1の両端部のうち第2ヘッダ管22の側の端部である。
【0102】
更に具体的には、冷媒流出部27と第1板状部材81と第2板状部材82とは、背面視において、一直線上に配置される。つまり、冷媒流出部27の第2方向D2の位置は、第1板状部材81の第2方向D2の位置と略等しく、かつ、第2板状部材82の第2方向D2の位置と略等しい。例えば、冷媒流出部27と第1板状部材81の端部81aと第2板状部材82の端部82aとは、第2ヘッダ管22において同一円周上に配置される。
【0103】
ここで、第1板状部材81が熱交換部31Xに配置される限りにおいては、第1板状部材81の位置及び数は、特に限定されない。また、第2板状部材82が熱交換部32Xに配置される限りにおいては、第2板状部材82の位置及び数は、特に限定されない。
【0104】
例えば、2つの第1板状部材81と2つの第2板状部材82とを、
図11に示す位置と異なる位置に配置して、第2ヘッダ管22の冷媒流入部25の各々が、第1板状部材81の端部81aと第2板状部材82の端部82aとに近接していてもよい。この場合は、冷媒流入部25の外径及び内径を容易に大きくすることができる。また、暖房運転時において、複数の第1扁平管31のうち、冷媒流入部25に近い側の第1扁平管31と遠い側の第1扁平管31とで、第1扁平管31に流入する冷媒の流量が不均一になることを抑制できる。同様に、暖房運転時において、複数の第2扁平管32のうち、冷媒流入部25に近い側の第2扁平管32と遠い側の第2扁平管32とで、第2扁平管32に流入する冷媒の流量が不均一になることを抑制できる。
【0105】
すなわち、第2ヘッダ管22の冷媒流入部25及び冷媒流出部27のうちの少なくとも一方が、第1板状部材81の端部81aと第2板状部材82の端部82aとに近接していればよい。
【0106】
また、実施形態1によれば、第1板状部材81及び第2板状部材82を設けることで、第1熱交換ユニット9Cの強度を向上できる。
【0107】
(実施形態5)
図12を参照して、本発明の実施形態5に係る熱交換器7を説明する。実施形態5に係る熱交換器7の第1熱交換ユニット9Dの仕切板220が傾斜している点で、実施形態5は実施形態3と主に異なる。以下、実施形態5が実施形態3と異なる点を主に説明する。
【0108】
図12は、実施形態5に係る熱交換器7の第1熱交換ユニット9Dの内部構造を模式的に示す図である。
図12では、暖房運転時の第1熱交換ユニット9Dにおける冷媒の流れが「矢印」によって示されている。
【0109】
図12に示すように、熱交換器7の第1熱交換ユニット9Dにおいて、第2ヘッダ管22は、第2ヘッダ管22の内部空間を仕切る少なくとも2つの仕切板220を含む。少なくとも2つの仕切板220は、第3ヘッダ管23の側から第1ヘッダ管21の側に向かって、互いに離れるように傾斜している。
【0110】
従って、熱交換部31XのブロックBL21aとブロックBL21bとに含まれる第1扁平管31の数Nを、熱交換部32XのブロックBL22aとブロックBL22bとに含まれる第2扁平管32の数Mと異ならせることができる。つまり、第1ヘッダ管21から冷媒流出部27に向かう冷媒の流れる第1扁平管31の数Nを、第3ヘッダ管23から冷媒流出部27に向かう冷媒の流れる第2扁平管32の数Mと異ならせることができる。
【0111】
従って、熱交換部31Xを通過する空気の流路抵抗と熱交換部32Xを通過する空気の流路抵抗が異なる場合であっても、つまり、熱交換部31Xと熱交換部32Xとで、空気の流路抵抗が非対称である場合であっても、空気の流路抵抗に応じて、第1扁平管31の数Nと第2扁平管32の数Mとを設定できる。その結果、第1熱交換ユニット9Dにおける熱交換効率を向上できる。
【0112】
例えば、熱交換部31Xの領域Q1では、強い風量の空気が通るため流路抵抗が大きく、熱交換部32Xの領域Q2では、弱い風量の空気が通るため流路抵抗が小さい場合に、第1扁平管31の数Nを第2扁平管32の数Mより多くする。その結果、第1熱交換ユニット9Dにおける熱交換効率を向上できる。
【0113】
なお、実施形態5では、少なくとも2つの仕切板220が、第1ヘッダ管21の側から第3ヘッダ管23の側に向かって、互いに離れるように傾斜しているため、第1扁平管31の数Nは第2扁平管32の数Mより多い。ただし、少なくとも2つの仕切板220は、第1ヘッダ管21の側から第3ヘッダ管23の側に向かって、互いに離れるように傾斜していてもよい。この場合は、第2扁平管32の数Mが第1扁平管31の数Nよりも多い。
【0114】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(4))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0115】
(1)
図1~
図12を参照して説明した実施形態1~実施形態5において、熱交換器7は第2熱交換ユニット11を有していたが、熱交換器7が第1熱交換ユニット9~9Dのいずれかを有する限りにおいては、熱交換器7は第2熱交換ユニット11を有していなくてもよい。この場合、熱交換器7は、例えば、1つの第1熱交換ユニット9を有していてもよいし、複数の第1熱交換ユニット9を有していてもよい。
【0116】
また、第1熱交換ユニット9~9Dが、第2熱交換ユニット11よりも、空気の流れの上流に位置していてもよい。
【0117】
(2)
図1~
図12を参照して説明した実施形態1~実施形態5において、暖房運転時では、冷媒は、第1熱交換ユニット9~9Dから第2熱交換ユニット11へ流れ、冷房運転時では、冷媒は、第2熱交換ユニット11から第1熱交換ユニット9~9Dへ流れた。ただし、暖房運転時において、冷媒は、第2熱交換ユニット11から第1熱交換ユニット9~9Dへ流れ、冷房運転時において、冷媒は、第1熱交換ユニット9~9Dから第2熱交換ユニット11へ流れてもよい。
【0118】
また、冷媒流入部25、第1冷媒流入部A1、及び第2冷媒流入部A2は、暖房運転時の「流入部」であったが、冷房運転時の「流入部」であってもよい。加えて、冷媒流出部27、第1冷媒流出部B1、及び第2冷媒流出部B2は、暖房運転時の「流出部」であったが、冷房運転時の「流出部」であってもよい。
【0119】
(3)
図1~
図9を参照して説明した実施形態1及び実施形態2において、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが同一である限りにおいては、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とは特に限定されない。また、
図10~
図12を参照して説明した実施形態3~実施形態5において、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とが異なる限りにおいては、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とは特に限定されない。さらに、
図11を参照して説明した実施形態4に係る第1板状部材81及び第2板状部材のような板状部材を、実施形態1~実施形態3及び実施形態5に係る第1熱交換ユニット9、9A、9B、9Dに設けてもよい。さらに、実施形態1~実施形態4において、
図12を参照して説明した実施形態5のように、仕切板220を傾斜させてもよい。さらに、
図8を参照して説明した実施形態2に係る第1熱交換ユニット9Aにおいて、実施形態3~実施形態5と同様に、冷媒流入部25の数と冷媒流出部27の数とを異ならせてもよい。
【0120】
(4)
図5を参照して説明した実施形態1においては、暖房運転時に冷媒は第2熱交換部11Bを流れた後に第1熱交換部11Aを流れ、冷房運転時に冷媒は第1熱交換部11Aを流れた後に第2熱交換部11Bに流れたが、冷媒の流し方は特に限定されない。
【0121】
例えば、暖房運転時又は冷房運転時において、第1熱交換部11Aと第2熱交換部11Bとに、並行して冷媒を流すことができる。この場合は、第1熱交換部11Aと第2熱交換部11Bとを合わせた大きさの1つの第2熱交換ユニット(以下、「第2熱交換ユニットEX」と記載する。)と比較して、第2熱交換ユニット(第2熱交換ユニット11、第2熱交換ユニットEX)のうちの第4方向D4(
図4)の一方領域(第1熱交換部11A)と他方領域(第2熱交換部11B)との間での温度偏流を抑制できる。温度偏流とは、第2熱交換ユニットのうちの第4方向D4の一方領域と他方領域との間で冷媒の温度が偏りつつ、一方領域と他方領域とを冷媒が流れる現象のことである。
【0122】
なお、第2熱交換ユニットEXでは、第2熱交換ユニットEXの第4方向D4の一方端から他方端までの距離が長いため、第2熱交換ユニットEXのうちの第4方向D4の一方領域と他方領域との間での温度偏流が大きくなる可能性がある。
【0123】
具体的には、
図4において、暖房運転時に、第1熱交換部11Aの第1冷媒流入部A1に冷媒を流入するとともに、第2熱交換部11Bの第2冷媒流入部A2に冷媒を流入する。その結果、暖房運転時において、第1熱交換部11Aと第2熱交換部11Bとに、並行して冷媒が流れる。つまり、冷媒は、第1冷媒流入部A1から、第4方向D4に沿って、第2熱交換ユニット11の第4方向D4の一方端に向かって流れ、蛇行しながら第1冷媒流出部B1から流出する。一方、冷媒は、第2冷媒流入部A2から、第4方向D4に沿って、第2熱交換ユニット11の第4方向D4の他方端に向かって流れ、蛇行しながら第2冷媒流出部B2から流出する。
【0124】
また、
図4において、冷房運転時に、第1熱交換部11Aの第1冷媒流出部B1に冷媒を流入するとともに、第2熱交換部11Bの第2冷媒流出部B2に冷媒を流入する。その結果、冷房運転時において、第1熱交換部11Aと第2熱交換部11Bとに、並行して冷媒が流れる。つまり、冷媒は、第1冷媒流出部B1から、第4方向D4に沿って、第2熱交換ユニット11の第4方向D4の一方端に向かって流れ、蛇行しながら第1冷媒流入部A1から流出する。一方、冷媒は、第2冷媒流出部B2から、第4方向D4に沿って、第2熱交換ユニット11の第4方向D4の他方端に向かって流れ、蛇行しながら第2冷媒流入部A2から流出する。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、熱交換器を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0126】
7 熱交換器
9、9A~9D 第1熱交換ユニット
11 第2熱交換ユニット
11A 第1熱交換部
11B 第2熱交換部
21 第1ヘッダ管
22 第2ヘッダ管
23 第3ヘッダ管
25 冷媒流入部
27 冷媒流出部
31 第1扁平管
32 第2扁平管
51 第1フィン
52 第2フィン
61 第1管
62 第2管
81 第1板状部材
82 第2板状部材
220 仕切板
A1 第1冷媒流入部
A2 第2冷媒流入部
B1 第1冷媒流出部
B2 第2冷媒流出部