(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】家具要素ヒンジおよび家具要素
(51)【国際特許分類】
E05D 7/04 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
E05D7/04
(21)【出願番号】P 2022506762
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2020056560
(87)【国際公開番号】W WO2021019337
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】102019000013620
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】522044788
【氏名又は名称】モルテ-ニ・エ・コンパニア・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】MOLTENI & C. S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】インヴェルニッツィ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】フリジェリオ,ティツィアーノ
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0038259(US,A1)
【文献】実公平7-608(JP,Y2)
【文献】特開2012-41688(JP,A)
【文献】実開平3-89871(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア(102)を家具要素(100)の固定構造(101)に移動可能に接続するようになっている家具要素ヒンジ(1)であって、
前記固定構造(101)が、支持面(104)上に載置され、区画(103)を画定し、
前記家具要素ヒンジ(1)は、前記固定構造(101)に接続されるようになっている固定ヒンジ部(2)と、
前記ドア(102)に接続されるようになっている可動ヒンジ部(3)とを備え、
前記可動ヒンジ部(3)は、前記区画(103)を開放するようになっている第1の位置と前記区画(103)を閉鎖するようになっている第2の位置との間で少なくとも前記固定ヒンジ部(2)に対して少なくとも回転可能に移動可能であり、
前記家具要素ヒンジ(1)は、支持脚部(4)を備え、前記支持脚部(4)は、前記固定ヒンジ部(2)に接続されており、
前記支持脚部(4)は、少なくとも前記ドア(102)の重量を前記支持面(104)上に直接除荷するように前記支持面(104)上に載置されるようになって
おり、
前記ヒンジ(1)は、前記固定構造(101)に接続可能な前記固定ヒンジ部(2)に対する前記ドア(102)に接続可能な前記可動ヒンジ部(3)の位置の水平調整(6)のための少なくとも1つの機構を含み、
第1の水平調整機構(6)は、前記可動ヒンジ部(3)に接続された少なくとも1つの固定回転要素(7)と、前記支持面(104)に実質的に平行であり且つ前記ドア(102)に固定的に接続可能な平面に属する水平方向(X-X)に沿って並進可能に前記可動ヒンジ部(3)に接続された並進スライド(8)とを備え、前記固定回転要素(7)が、前記方向(X-X)に沿って前記固定構造(101)に対する前記ドア(102)の位置の水平調整を実行するように、前記固定回転要素(7)の回転が前記並進スライド(8)に直線運動を伝達するように、前記並進スライド(8)と協働するようになっており、
前記可動ヒンジ部(3)は、第1の中空アイレット端部(9a)から第2の中空アイレット端部(9b)まで前記水平方向(X-X)に沿って展開する中空摺動アイレット(9)を備え、
前記固定回転要素(7)は、前記水平方向(X-X)を横断する偏心ピン回転軸(E-E)を有する偏心ピン(10)を備え、
前記固定回転要素(7)は、前記偏心ピン(10)が前記中空摺動アイレット(9)の内側に配置された状態で、前記可動ヒンジ部(3)に回転可能にヒンジ止めされ、
前記並進スライド(8)は、前記支持面(104)に対して垂直方向に突出する接続要素(11)を備え、前記接続要素(11)は、前記中空摺動アイレット(9)内に収容され、前記偏心ピン(10)と干渉し、
前記水平調整機構(6)は、前記接続要素(11)と干渉する前記偏心ピン(10)の時計回りの回転、またはその逆の回転が、前記可動ヒンジ部(3)に対して、前記接続要素(11)が前記第1のアイレット端部(9a)に近い第1の横方向位置と、前記接続要素(11)が前記第2のアイレット端部(9b)に近い第2の横方向位置との間で、またはその逆で、直線運動を前記並進スライド(8)に伝達するように構成されている、
家具要素ヒンジ。
【請求項2】
前記固定ヒンジ部(2)は、前記ドア(102)の重量を前記支持脚部(4)上に除荷して、前記ドア(102)の重量を前記支持面(104)上に直接除荷するようになっており、前記ドア(102)の重量が前記固定構造(101)上に除荷されるのを防止する、請求項1に記載の家具要素ヒンジ(1)。
【請求項3】
前記固定ヒンジ部(2)は、前記固定構造(101)に接続されるようになっている頂端面(5a)と、前記支持面(104)に面するようになっている基底面(5b)とを有するフック部(5)を備え、前記支持脚部(4)は、前記基底面(5b)から突出し、前記支持脚部(4)が、前記基底面(5b)に対して最小伸長位置と最大伸長位置との間で移動可能である、請求項1または2に記載の家具要素ヒンジ(1)。
【請求項4】
前記支持脚部(4)は、前記支持面(104)を横断する垂直方向(Y-Y)において調整可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の家具要素ヒンジ(1)。
【請求項5】
前記支持脚部(4)は、前記固定構造(101)の重量の少なくとも一部を前記支持面(104)上に除荷するようになっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の家具要素ヒンジ(1)。
【請求項6】
前記ヒンジ(1)は、前記固定ヒンジ部(2)に回転可能に接続されたレバー(13)と、前記固定ヒンジ部(2)に接続された前記レバー(13)の傾斜を調整するようになっている回転可能な調整ダボ(14)とを有する、前記固定ヒンジ部(2)に対する前記可動ヒンジ部(3)の位置の垂直調整のための機構(12)を含み、
前記ダボ(14)の回転が、前記支持面(104)に対して実質的に垂直な垂直方向(Y-Y)に沿って前記可動ヒンジ部(3)に垂直移動を伝達して、前記固定構造(101)に対する前記ドア(102)の位置の垂直調整を実行するように、前記ダボ(14)が、干渉によって、前記レバー(13)と協働するように構成されている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の家具要素ヒンジ(1)。
【請求項7】
前記固定ヒンジ部(2)は、前記垂直方向(Y-Y)に平行なヒンジ回転軸(A-A)を画定するヒンジ孔(15)と、前記ヒンジ孔(15)と連通するレバーハウジング(16)と、前記ハウジング(16)と連通するダボ座(17)であって、前記ヒンジ孔(15)と平行な方向に沿った展開部を有するダボ座とを備え、
前記レバー(13)は、前記レバーハウジング(16)内に配置され、前記垂直方向(Y-Y)を横断する前記レバー回転軸(L-L)が前記ヒンジ孔(15)と前記ダボ座(17)との間の中間位置に配置された状態で前記固定ヒンジ部(2)に対して枢動され、
前記可動ヒンジ部(3)は、前記ヒンジ孔(15)に収容可能なヒンジピン(18)を備え、
前記レバー(13)は、前記ヒンジ孔(15)に収容された前記ヒンジピン(18)と相互作用するように構成された第1のレバーアーム(13a)と、前記調整ダボ(14)と相互作用するように構成された第2のレバーアーム(13b)とを有し、
前記回転可能な調整ダボ(14)は、前記ダボ座(17)内に配置され、前記レバーハウジング(16)内の最小伸長位置と最大伸長位置との間で前記ダボ座(17)内で回転可能に移動可能であり、
前記垂直調整機構(12)は、前記第2のレバーアーム(13b)との干渉時における前記回転可能な調整ダボ(14)の回転が、前記ヒンジピン(18)との干渉時において前記第1のレバーアーム(13a)を移動させる前記レバー(13)の回転を、前記固定構造(101)に対する前記ドア(102)の位置の垂直調整を実行するように前記垂直方向(Y-Y)に沿って伝達するように構成されている、請求項
6に記載の家具要素ヒンジ(1)。
【請求項8】
支持面(104)上に載置された固定構造(101)と、少なくとも1つのドア(102)とを備える家具要素(100)であって、前記家具要素(100)は、前記ドア(102)を前記固定構造(101)に少なくとも回転可能に接続する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の少なくとも1つの家具要素ヒンジ(1)を備え、前記家具要素ヒンジ(1)が、少なくとも前記ドア(102)の重量を前記支持面(104)に直接除荷するために、前記支持面(104)上に載置された支持脚部(4)を備える、家具要素。
【請求項9】
前記固定構造(101)は、少なくとも第1の肩部(105)と、第2の肩部(106)と、構造基部棚(107)と、構造頭部棚(108)とを備え、前記ドア(
102)が、ドア基部(109)およびドア頭部(110)を備え、前記少なくとも1つの家具ヒンジ要素(1)は、前記構造基部棚(107)に接続された固定ヒンジ部(2)と、前記ドア基部(109)に接続された可動ヒンジ部(3)とを備え、前記家具要素(1)は、前記固定構造(101)に接続された固定された第2のヒンジ部(112)と、前記ドア(102)に接続された可動の第2のヒンジ部(113)とを備える少なくとも1つの第2のヒンジ(111)を備える、請求項
8に記載の家具要素(
100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのドア(102)は、前記家具要素ヒンジ(1)によって前記固定構造(101)に拘束された第1の可動ドア(102a)と、ヒンジ拘束によって前記第1の可動ドア(102a)に拘束された第2の可動ドア(102b)とを備え、
前記少なくとも1つの第2のヒンジ(111)は、前記固定構造(101)と、前記第1の可動ドア(102a)および前記第2の可動ドア(102b)からの少なくとも一方とに接続された
、接合された平行四辺形リンク機構(114)である、請求項
9に記載の家具要素(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具要素ヒンジおよび家具要素に関する。
【0002】
特に、本発明は、ドアを家具要素の固定構造に少なくとも回転可能に接続するようになっている家具要素ヒンジに関する。
【背景技術】
【0003】
支持面上に載置された固定構造に少なくとも回転可能に接続された可動ドアが設けられた家具要素の分野において、特に感じられる必要性は、各ドアを別のドアおよび/または固定構造に対してバランスよく調整および位置合わせすることである。
【0004】
通常、ドアは、ドアを固定構造に回転可能または回転並進式に接続する複数のヒンジによって、家具要素の固定構造に接続される。
【0005】
既知のタイプのヒンジは、ドアの位置を別のドアおよび/または家具要素の固定部に対して位置合わせするように、可動ヒンジ部と固定ヒンジ部との間の相対位置を調整するための機構を備える。
【0006】
ドアと別のドアおよび/または固定構造との位置合わせは、一方では、ドア間の幾何学的位置合わせおよび/または固定構造の幾何学的形状を含み、他方では、家具要素の支持面に対するドアの荷重のバランスのとれた分布を含む。
【0007】
ドアは、ヒンジおよび位置調整機構の自然な摩耗、ならびに家具要素および/または家具要素が載置される支持面の固定構造の僅かな幾何学的変化の双方に起因して、その位置合わせを損なう。
【0008】
幾何学的位置合わせだけでは、ドア荷重のバランスのとれた分布を保証するのに十分ではなく、実際には、家具要素の支持面が完全に平坦ではない場合、ドアは、固定構造の幾何学的形状と幾何学的に位置合わせされているが、固定構造の画定された区画の開放位置または閉鎖位置を維持しないことが起こることがある。
【0009】
経時的に、また、家具要素のドアの開閉サイクル数が増加するにつれて、ドアの位置合わせが損なわれ、ヒンジの周期的な調整が必要とされる。
【0010】
さらにまた、通常、既知のタイプのヒンジは、固定構造の肩部に複数の点で接続されており、したがって、それらは、固定構造の幾何学的タイプの変動を不都合に加速することによってそのような肩部にストレスをかけ、したがって、ドアを位置合わせするためのヒンジの調整をより頻繁に行わせる。
【0011】
既知のタイプのヒンジの正確な調整は、ドアと固定構造との間の幾何学的位置合わせだけでなく、家具要素の支持面の平面度条件に関して可能な限りバランスのとれたドアの荷重の分布も保証しなければならないため、単純ではない。
【0012】
したがって、そのような調整は、非常に複雑であり、多くのユーザは、非常に高価な専門の家具組み立て業者に頼ることを強いられる。
【0013】
したがって、前述の背景における家具要素では、経時的にドアの位置合わせを可能な限り維持し、したがって、位置合わせの調整の頻度を低減し、平均的なユーザによって容易に調整可能である、それらが接続されている固定構造に対してドアを開閉するための装置を考案する必要性が感じられる。
【0014】
したがって、本発明の根底にある課題は、先行技術を参照して述べた欠点を解消しながら、前述の必要性を満たすような構造的および機能的特徴を有する家具要素ヒンジを考案することである。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、一方では簡略化され、他方ではドアの位置の正確な調整を恒久的に維持することを可能にし、経時的に必要となるそのような位置を調整するための介入の数を制限する、ドアが接続される固定構造に対する、および家具要素が載置される支持面に対するドアの位置の調整を可能にする家具要素ヒンジを提供することを目的としている。
【0016】
この目的および利点ならびに他の目的および利点は、請求項1に記載の家具要素ヒンジ、ならびに請求項10に記載の家具要素によって達成される。
【0017】
いくつかの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0018】
特許請求される解決策の説明から、提案される解決策は、単一の装置によって、固定構造の幾何学的形状に対するドアの位置の調整から、家具要素の支持面に対するドアの位置の調整を解放にすることによって、ドアの位置の調整を単純化することを可能にすることが明らかである。
【0019】
さらにまた、提案された解決策は、ドアとそれが恒久的に接続されている固定構造との間の幾何学的位置合わせを維持し、ドアがその重量で固定構造にストレスをかけるのを防ぎ、固定構造の幾何学的形状とのドア位置合わせの維持の頻度の増加をもたらしうる固定構造における幾何学的変動の発生を制限する。
【0020】
提案された解決策は、家具要素の支持面上の平面度欠陥を容易且つ直感的に修正することを可能にし、非常に正確で使いやすいドア位置調整機構を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられるその好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0022】
【
図1】固定ヒンジ部と、可動ヒンジ部と、水平調整のための機構と、固定ヒンジ部が接続されることができる家具要素の固定構造に対する可動ヒンジ部に接続可能なドアの位置の垂直調整のための機構とを備える、本発明にかかる家具要素ヒンジの部分分解斜視図を示している。
【0023】
【
図2】
図1の可動ヒンジ部および水平調整機構の分解斜視図を示している。
【0024】
【
図3a】組み立てられた
図2の可動ヒンジ部および水平調整機構の平面図である。
【
図3b】組み立てられた
図2の可動ヒンジ部および水平調整機構の概略側面図である。
【
図3c】組み立てられた
図2の可動ヒンジ部および水平調整機構の断面図である。
【0025】
【
図4】いくつかの要素が分解されており、他の要素がその内部構造を示すために破線で示されている、
図1の固定ヒンジ部の概略側面図を示している。
【0026】
【
図5】特に垂直調整機構が示されている、ドアおよび家具要素の固定構造に接続された本発明にかかるヒンジの概略断面図を示している。
【0027】
【
図6】本発明にかかる家具要素の立面斜視図を示している。
【0028】
【
図7】本発明の家具要素の実施形態にかかる家具要素の側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一般的な実施形態によれば、家具要素ヒンジが参照符号1によって示されている。
【0030】
前記家具要素ヒンジ1は、ドア102を家具要素100の固定構造101に移動可能に接続するようになっている。
【0031】
前記構造101は、支持面104上に載置され、区画103を画定する。
【0032】
前記家具要素ヒンジ1は、固定構造101に接続されるようになっている固定ヒンジ部2を備える。
【0033】
前記家具要素ヒンジ1は、ドア102に接続されるようになっている可動ヒンジ部3をさらに備える。
【0034】
前記可動ヒンジ部3は、少なくとも前記区画103を開放するようになっている第1の位置と、前記区画103を閉鎖するようになっている第2の位置との間で、固定ヒンジ部2に対して少なくとも回転可能に可動である。
【0035】
換言すれば、可動ヒンジ部3の前記第2の位置において、可動ヒンジ部3が接続可能なドア102は、固定構造101に対して、区画103を閉鎖するように配置される一方で、可動ヒンジ部3の前記第1の位置において、ドア102は、前記区画103の可能な開放位置のうちの1つにおいて固定構造に対して少なくとも回転される。
【0036】
前記家具要素ヒンジ1は、支持脚部4を備える。
【0037】
前記支持脚部4は、固定ヒンジ部2に接続されている。
【0038】
前記支持脚部4は、少なくとも前記ドア102の重量を支持面104上に直接除荷するために、前記支持面104上に載置するようになっている。
【0039】
実施形態によれば、前記固定ヒンジ部2は、ドア102の重量を支持脚部4に除荷するように適合され、ドア102の重量を固定構造101上に除荷することを回避する。
【0040】
したがって、家具要素ヒンジ1は、ドア102の支持構造としても機能し、それによってドア102の重量は、固定構造101ではなく支持脚部4にかかることで、それ(固定構造)にストレスをかけることを回避する。
【0041】
実施形態によれば、前記固定ヒンジ部2は、前記固定構造101に接続されるようになっているフック部5を備える。
【0042】
前記フック部5は、前記固定構造101に接続されるようになっている頂端面5aを有する。
【0043】
前記フック部5は、前記頂端面5aに対して正反対の基底面5bを有する。
【0044】
前記基底面5bは、前記支持面104に面するようになっている。
【0045】
実施形態によれば、前記フック部5は、前記固定構造101のアンダーカットに収容されるように成形された側面5cを有する。
【0046】
実施形態によれば、前記フック部5は、前記頂端面5aと前記基底面5bとの間を横断する方向に貫通する複数の締結孔22を備える。
【0047】
前記複数の締結孔22は、それぞれの複数の締結要素を前記家具要素100の固定構造101に収容するようになっている。
【0048】
実施形態によれば、前記支持脚部4は、前記基底面から前記支持脚部104の方向に突出する。
【0049】
実施形態によれば、前記支持脚部4は、前記基底面5bに対して最小伸長位置と最大伸長位置との間で移動可能である。
【0050】
実施形態によれば、前記支持脚部4は、前記支持面104に対して横方向に調整可能である。
【0051】
実施形態によれば、前記支持脚部4は、前記固定構造101の重量の少なくとも一部を前記支持面104上に除荷するようになっている。
【0052】
実施形態によれば、前記支持脚部4は、前記支持面104上に載置するように構成された平坦な支持基部20に接続されたステム19を備える。
【0053】
実施形態によれば、前記ステム19は、接合されるように前記平坦な支持基部20に接続される。
【0054】
実施形態によれば、前記ステム19は、前記フック部5に得られたねじ孔21内で前記固定ヒンジ部に螺合されて接続される。
【0055】
実施形態によれば、前記ねじ孔21は、基底面および頂端面を横断する方向に前記フック部5を貫通する孔である。
【0056】
実施形態によれば、前記支持脚部4は、前記基底面5bに対して前記最小伸長位置と前記最大伸長位置との間でそれぞれのねじ座内で回転移動可能である。
【0057】
したがって、家具要素ヒンジ1が家具要素100に接続されると、支持脚部4は、一方では、その一部の重量を支持面104上で除荷することによって前記固定構造101を支持する構造として作用し、他方では、前記固定構造101と前記支持面104との間の距離の荷重下における調整するための要素として作用する。
【0058】
実施形態によれば、前記家具要素ヒンジ1は、前記固定ヒンジ部2に対する前記可動ヒンジ部3の位置の水平調整のための少なくとも1つの機構6を含む。
【0059】
前記第1の水平調整機構6は、可動ヒンジ部3に回転可能に接続された少なくとも1つの固定回転要素7を備える。
【0060】
前記第1の水平調整機構6は、前記支持面104に実質的に平行な平面に属する水平方向X-Xに沿って並進可能に前記可動ヒンジ部3に接続された並進スライド8をさらに備える。
【0061】
前記並進スライド8は、前記ドア102に固定的に接続可能である。
【0062】
前記固定回転要素7は、前記並進スライド8と協働するように適合され、その結果、前記固定回転要素7の回転は、直線運動を並進スライド8に伝達し、したがって、前記固定構造101に対する前記ドア102の位置の水平調整を実行することを可能にする。
【0063】
実施形態によれば、前記可動ヒンジ部3は、第1の中空アイレット端部9aから第2の中空アイレット端部9bまで前記水平方向Xに沿って展開する中空アイレット9を備える。
【0064】
前記固定回転要素7は、偏心ピン10を備え、前記水平方向Xを横断する回転軸E-Eを有する。
【0065】
前記固定回転要素7は、前記可動ヒンジ部3に回転可能に取り付けられている(hinged)されている。
【0066】
前記回転可能な偏心ピン10は、前記中空摺動アイレット9の内側に配置されている。
【0067】
前記並進スライド8は、前記支持面104に対して垂直方向に突出する接続要素11を備える。
【0068】
前記接続要素11は、中空摺動アイレット9の内部に収容され、前記偏心ピン10と干渉する。
【0069】
前記第1の水平調整機構6は、前記接続要素11と干渉する偏心ピン10の時計回りの回転、またはその逆の回転が、前記接続要素11が前記第1のアイレット端部9aに近い第1の横方向位置と、前記接続要素11が前記第2のアイレット端部9bに近い第2の横方向位置との間で、またはその逆で、前記可動ヒンジ部3に対する並進スライド8に前記水平方向X-Xに沿った直線運動を伝達するように構成されている。
【0070】
実施形態によれば、前記並進スライド8は、第1のスロット端部23aと第2のスロット端部23bとの間で前記水平方向X-Xに沿って展開する長手方向スロット23を有する。
【0071】
前記長手方向スロット23は、スロット底部24と、双方とも前記スロット底部24を貫通する第1の底部アイレット24aおよび第2の底部アイレット24bとを有する。
【0072】
前記家具要素ヒンジ3は、前記長手方向スロット23に収容されたスロットインサート25を備える。
【0073】
前記スロットインサート25は、前記並進スライド8と前記可動ヒンジ部3との間の分離を防止すると同時に、前記第1の底部アイレット24aおよび前記第2の底部アイレット24bの水平方向の寸法以下の一方の方向および他方の方向のストロークの間で前記並進スライド8の前記水平方向X-Xへの並進を可能にするために、例えば、それぞれ前記第1の底部アイレット24aおよび前記底部アイレット24bを貫通する第1のねじ26aおよび第2のねじ26bなどの2つの接続要素によって前記可動ヒンジ部3に固定されるように接続される。換言すれば、前記並進スライド8は、固定されるように接続された前記可動ヒンジ部と前記スロットインサートとの間に介在して配置され、一方の方向および他方の方向における底部スロット24aまたは24bの寸法以下のストロークによって水平方向X-Xに並進されることができる。
【0074】
実施形態によれば、前記接続要素11は、前記第1の底部アイレット24aおよび前記第2の底部アイレット24bの中心に対する中央位置に位置決めされている。
【0075】
実施形態によれば、前記接続要素11は、前記偏心ピン10が配置される凹部を有するフォークの形態で得られる。前記偏心ピン19は、凹部の内側で回転し、凹部の内縁と干渉して前記並進スライド8を移動させる。
【0076】
実施形態によれば、前記ヒンジ1は、前記固定ヒンジ部2に対する前記可動ヒンジ部3の位置の垂直調整のための機構12を含む。
【0077】
前記垂直調整機構12は、固定ヒンジ部2に回転可能に接続されたレバー13を有する。
【0078】
前記垂直調整機構12は、前記固定ヒンジ部2に接続され、レバー13の傾斜を調整するようになっている回転可能な調整ダボ14をさらに有する。
【0079】
前記回転可能な調整ダボ14は、ダボ14の回転が、前記支持面104に対して実質的に垂直な垂直方向Y-Yに沿って可動ヒンジ部3に垂直移動を伝達して、前記固定構造101に対する前記ドア102の位置の垂直調整を実行するように、レバー13と干渉によって協働するように構成されている。
【0080】
実施形態によれば、前記固定ヒンジ部2は、前記垂直方向Y-Yに平行なヒンジ回転軸A-Aを画定するヒンジ孔15を備える。
【0081】
前記固定ヒンジ部2は、前記ヒンジ孔15と連通するレバーハウジング16を備える。
【0082】
前記固定ヒンジ部2は、前記ヒンジ孔15に平行な方向に沿って展開し、前記ハウジング16と連通するダボ座17を備える。
【0083】
前記レバー13は、前記レバーハウジング16内に配置され、前記垂直方向Y-Yを横断するレバー回転軸L-Lを用いて固定ヒンジ部2に枢動される。
【0084】
前記レバー回転軸L-Lは、ヒンジ孔15と前記ダボ座17との間の中間位置に配置される。
【0085】
前記可動ヒンジ部3は、前記ヒンジ孔15に収容可能なヒンジピン18を備える。
【0086】
前記レバー13は、ヒンジ孔15に収容されたヒンジピン18と相互作用するように構成された第1のレバーアーム13aと、回転可能な調整ダボ14と相互作用するように構成された第2のレバーアーム13bとを有する。
【0087】
前記回転可能な調整ダボ14は、ダボ座17内に配置され、レバーハウジング16内の最小伸長位置と最大伸長位置との間でダボ座17内で回転可能に移動可能である。
【0088】
垂直調整機構12は、第2のレバーアーム13bとの干渉時における回転可能な調整ダボ14の回転が、ヒンジピン18の干渉時において第1のレバーアーム13aを移動させる前記レバー13の回転を垂直方向Y-Yに沿って伝達し、固定構造101に対するドア102の位置の垂直調整を実行するように構成されている。
【0089】
実施形態によれば、前記レバー13は、ロッカーアームである。
【0090】
実施形態によれば、前記第1のレバーアーム13aおよび前記第2のレバーアーム13bは、同じサイズを有する。
【0091】
実施形態によれば、前記ダボ14はねじ式であり、前記ダボ座17はねじ式である。
【0092】
実施形態によれば、前記家具要素ヒンジ1は、格納式である。
【0093】
本発明はまた、家具要素100に関する。
【0094】
前記家具要素100は、支持面104上に載置された固定構造101と、少なくとも1つのドア102とを備える。
【0095】
前記家具要素100は、ドア102を前記固定構造101に少なくとも回転可能に接続する、前述の少なくとも1つの家具要素ヒンジ1を備える。
【0096】
前記ヒンジ1は、少なくともドア102の重量を支持面104上に直接除荷するために前記支持面104上に載置される支持脚部4を備える。
【0097】
実施形態によれば、固定構造101は、構造基部棚107および構造頭部棚108によって接続された少なくとも第1の肩部105および第2の肩部106を備える。
【0098】
前記ドア102は、ドア基部109およびドア頭部110を備える。
【0099】
前記少なくとも1つの家具要素ヒンジ1は、前記構造基部棚107に接続された固定ヒンジ部2と、前記ドア基部109に接続された可動ヒンジ部3とを備える。
【0100】
前記家具要素1は、前記固定構造101に接続された固定された第2のヒンジ部112と、前記ドア102に接続された可動の第2のヒンジ部113とを備える少なくとも第2のヒンジ111を備える。
【0101】
実施形態によれば、前記少なくとも1つのドア102は、前記家具要素ヒンジ1によって前記固定構造101に拘束された第1の可動ドア102aと、ヒンジ拘束によって前記第1の可動ドア102aに拘束された第2の可動ドア102bとを備える。
【0102】
前記少なくとも第2のヒンジ111は、前記固定構造101ならびに前記第1の可動ドア102aおよび前記第2の可動ドア102bからの少なくとも一方に接続された接合された平行四辺形リンク機構114である。
【符号の説明】
【0103】
1 家具要素ヒンジ
2 固定ヒンジ部
3 可動ヒンジ部
4 支持脚部
5 フック部
5a 頂端フック部面
5b 基底フック部面
5c フック部の整形された側面
6 第1の水平調整機構
7 固定回転要素
8 並進スライド
9 中空摺動アイレット
9a 第1の中空アイレット端部
9b 第2の中空アイレット端部
10 偏心ピン
11 接続要素
12 垂直調整機構
13 レバー
13a 第1のレバーアーム
13b 第2のレバーアーム
14 回転可能な調整ダボ
15 ヒンジ孔
16 レバーハウジング
17 ダボ座
18 ヒンジピン
19 ステム
20 平坦基部
21(ねじ)孔
22 複数の締結用貫通孔
23 長手方向スロット
23a 第1のスロット端部
23b 第2のスロット端部
24 スロット底部
24a 第1の底部アイレット
24b 第2の底部アイレット
25 スロットインサート
26a 第1のねじ
26b 第2のねじ
100 家具要素
101 固定構造
102 ドア
102a 第1の可動ドア
102b 第2の可動ドア
103 区画
104 支持面
105 第1の肩部
106 第2の肩部
107 構造基部棚
108 構造頭部棚
109 ドア基部
110 ドア頭部
111 第2のヒンジ
112 固定された第2のヒンジ部
113 可動の第2のヒンジ部
114 接合平行四辺形機構
X-X 水平方向
Y-Y 垂直方向
A-A ヒンジ回転軸
L-L レバー回転軸
E-E 偏心ピン回転軸