IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノバルティス ティーアゲズントハイト アーゲーの特許一覧 ▶ エランコ・ユーエス・インコーポレイテッドの特許一覧

特許7376691ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法
<>
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図1
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図2
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図3
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図4
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図4A
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図5
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図6
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図7
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図8
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図9
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図10
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図11
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図12
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図13
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図14
  • 特許-ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ウィング付カプセルのための新しいウィングプロテクタとその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61D 7/00 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A61D7/00 F
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022509182
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 US2020046394
(87)【国際公開番号】W WO2021030696
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】62/886,594
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515115459
【氏名又は名称】エランコ ティーアゲズンタイト アーゲー
(73)【特許権者】
【識別番号】516001834
【氏名又は名称】エランコ・ユーエス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Elanco US Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】リィ,ジャンビン
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,ベンジャミン ジェフリー
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-088310(JP,A)
【文献】国際公開第2011/014078(WO,A1)
【文献】特開平05-097659(JP,A)
【文献】特表2005-510485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61D 7/00 - A61D 7/02
A61M 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に物質を送達するための装置(10、38)であって、
装置は、
カプセル(14)及びウィング(16)を含むウィング付カプセル(12)であって、カプセルは、動物に物質(17)を送達するように適合されており、ウィングは、カプセルに取り付けられ、動物への挿入のために折り畳むこと及び挿入後に拡張するように動作可能であるウィング付カプセルと、
ウィング各々の少なくとも一部を受容し、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けるようなサイズ及び形状であるスロット(27、47)を含むウィングプロテクタ(20、40)と、を含む装置
【請求項2】
ウィングプロテクタ(20)は、
頂壁(22)と、
頂壁から延びる側壁(24、44)と、
側壁から延びて頂壁と共にスロット(27)を形成するウィングリテーナ(26)と、を含む、請求項1に記載の装置
【請求項3】
ウィングリテーナは、ウィングウェルを形成するようなサイズ及び形状である、
請求項2に記載の装置
【請求項4】
ウィングプロテクタ(20)は、
側壁に対向して頂壁から延びる反対側の側壁(28)と、
反対側の側壁から延びて反対側のスロット(31)を形成する反対側のウィングリテーナ(30)と、を含み、
スロットと反対側のスロットとは、チャネル(32)を形成する、
請求項2に記載の装置
【請求項5】
スロット及び反対側のスロットは、ウィングプロテクタの長手方向軸に沿って互いに平行である、
請求項4に記載の装置
【請求項6】
ウィング付カプセルは、カプセルをウィングと接続するネックを含み、
側壁、ウィングリテーナ、反対側の側壁(28)、および反対側のウィングリテーナに形成されるドームケージ(36)をさらに含み、
ドームケージは、ウィングプロテクタの長手方向に測定したネックの幅より大きい長さを、ウィングプロテクタの長手方向に有する、
請求項4に記載の装置
【請求項7】
ウィングプロテクタが、横方向に沿って十分に柔軟で、頂壁を撓ませて、ウィングリテーナと反対側のウィングリテーナとの間の隙間(34)を、隙間がウィングの幅よりも大きくなるまで拡張し、それによって、拡張した隙間からチャネルへのウィングの挿入を可能にする柔軟な材料から作られる、
請求項6に記載の装置
【請求項8】
ウィングリテーナ(46)は頂壁とともに広がり得る、
請求項2に記載の装置
【請求項9】
ウィングリテーナの切欠きによって形成されたドームケージ(36)をさらに含む、
請求項2に記載の装置
【請求項10】
ウィングプロテクタが、頂壁の反対側の側壁(44)から延びてその間にスロット(47)を形成する底壁(46)をさらに含む、
請求項2に記載の装置
【請求項11】
ウィングプロテクタが、頂壁から底壁に向かって延びるウィングリテーナ(45)をさらに含む、
請求項10に記載の装置
【請求項12】
ウィング付カプセルが、カプセルをウィングに接続するネックを含み、
装置は、底壁の切欠きによって形成されるドームケージ(36)をさらに含む、
請求項10に記載の装置
【請求項13】
ウィング付カプセル(12)の保護方法であって、
方法は、
装置(10、38)を提供するステップを含み、
装置は、
カプセル(14)及びウィング(16)を含むウィング付カプセル(12)であって、ウィングは、カプセルに接続し、動物への挿入のために折り畳むこと及び挿入後に拡張するように適合されたウィング付カプセルと、
ウィング各々の少なくとも一部を受容し、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けるように寸法決め及び構成されたスロット(27、47)を含むウィングプロテクタ(20、40)と、を含み、
方法はまた、
ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けて、保護されたウィング付カプセル(10’、38’)を形成するステップと、
保護されたウィング付カプセルの複数を袋に挿入するステップと、
保護されたウィング付カプセルの1つを袋から取り出すステップと、
保護されたウィング付カプセルからウィングプロテクタを取り外すステップと、を含む方法。
【請求項14】
ウィングプロテクタが、請求項2~12のいずれか1つに記載のウィングプロテクタを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カプセル(14)とカプセルに取り付けられた折り畳み可能なウィング(16)とを含むウィング付カプセル(12)を保護するためのウィングプロテクタ(20、40)であって、
ウィングプロテクタは、
頂壁(22)と、
頂壁から延びる側壁(24、44)と、
ウィング各々の少なくとも一部を受け入れ、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けるようなサイズ及び形状であるスロット(27、47)であって、頂壁及び側壁によって部分的に形成されたスロットと、を含むウィングプロテクタ。
【請求項16】
側壁から延びて頂壁と共にスロット(27)を形成するウィングリテーナ(26)をさらに含む、請求項15に記載のウィングプロテクタ。
【請求項17】
側壁に対向して頂壁から延びる反対側の側壁(28)と、
反対側の側壁から延びて反対側のスロット(31)を形成する反対側のウィングリテーナ(30)と、をさらに含み、
スロットと反対側のスロットとは、チャネル(32)を形成する、
請求項16に記載のウィングプロテクタ。
【請求項18】
スロット及び反対側のスロットは、ウィングプロテクタの長手方向軸に沿って互いに平行である、
請求項17に記載のウィングプロテクタ。
【請求項19】
頂壁の反対側の側壁(44)から延びてその間にスロット(47)を形成する底壁(46)をさらに含む、
請求項15に記載のウィングプロテクタ。
【請求項20】
頂壁から底壁に向かって延びるウィングリテーナ(45)をさらに含む、
請求項19に記載のウィングプロテクタ。
【請求項21】
ウィング付カプセルが、カプセルをウィングに接続するネックを含み、
ウィングプロテクタは底壁の切欠きによって形成されるドームケージ(36)をさらに含む、
請求項19に記載のウィングプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本国際出願は、2019年8月14日に出願された米国特許出願第62/886、594号に基づく優先日を主張し、その内容はその全体が参照により本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、ウィング付カプセルを損傷から保護するように構成された装置に関する。
【背景技術】
【0003】
Kexxtone(登録商標)は、モネンシン(モネンシンナトリウムとして)の放出制御製剤を、保持ウィングを備えたプラスチックカプセルに封入したものである。カプセルの遠位端にある開口部からモネンシンをゆっくりと放出し、このカプセルは泌乳中の乳牛に投与後平均95日間有効であり続ける。モネンシンの投与するためには、ウィング付カプセルのウィングをカプセル本体に沿って折り畳み、投与具内に設置する。ウィング付カプセル(折り畳み状態)を含む投与具が動物の口に入れられ、プランジャを押すことによりウィング付カプセルを動物の咽頭内に排出するように投与具が起動され、このとき、柔軟で弾力性のあるウィングが膨らんで咽頭に接触し、ウィング付カプセルを所定の位置に保ち、動物によるウィング付カプセルの吐出しを防止する。
【0004】
ウィングは、挿入と自己拡張を可能にし、カプセルを所定の位置に維持すると同時に、組織の損傷を防ぐために、柔軟で弾力性のあるものである。カプセルは丸みを帯びた上部、すなわちドームを有し、ウィングはドームの中心に取り付けられている。ウィングを横断する平面、または折り畳み平面、に沿ったドームの丸みを帯びた形状は、ウィングの折り畳みを容易にし、したがって、咽頭への挿入に適した小さなプロファイルを維持しながらウィングの屈曲を最大化するために取り付け面、または接合部、を最小にする。接合部は、ウィングとドームの表面との間にネック(neck)を形成する少量の材料を含んでいてもよい。
【0005】
製造後、複数のウィング付カプセルは、包装、典型的には袋の中に入れられる。袋の中のウィング付カプセルの位置取りは、図13に示されている。ウィング付カプセルを包装し、袋を輸送する過程で、ウィングは、材料の降伏点を超えて接合部付近(ウィングが実質的に剛性である箇所)で曲がってしまう可能性があり、その時点で、もはや機能形状を回復しないことが判明している。材料の降伏点を超えて曲がったウィングは、図14図15に示されている。また、曲がったウィングが折れてボーラス(bolus)から分離することもある。破損したデバイスは、内容物に配慮して廃棄する必要がある。廃棄物や廃棄コストを削減するために、ウィング付カプセルの破損を防止する経済的な解決策が必要である。
【発明の概要】
【0006】
ウィング付カプセルとウィングプロテクタの配置(arrangement)、ウィング付カプセルの保護方法、及びウィングプロテクタ、がここで提供される。ウィングプロテクタは、ウィング付カプセルの損傷防止に適している。
【0007】
第1の態様において、本開示は、動物に物質を送達するための配置を提供する。第1の態様の第1の実施形態では、配置は、カプセル及びウィングを含むウィング付カプセルであって、カプセルは、動物に物質を送達するように適合されており、ウィングは、カプセルに取り付けられ、動物への挿入のために折り畳むこと及び挿入後に拡張するように動作可能であるウィング付カプセルと、ウィング各々の少なくとも一部を受容し、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けるために寸法決め及び構成されたスロットを含むウィングプロテクタと、を含む。
【0008】
第1の実施形態の変形例では、ウィングプロテクタは、頂壁と、頂壁から延びる側壁と、側壁から延びて頂壁と共にスロットを形成するウィングリテーナ(wing retainer)とを含んでもよい。
【0009】
ウィングリテーナは、ウィングウェル(wing well)を形成するようなサイズ及び形状であってもよい。
【0010】
ウィングプロテクタは、側壁に対向して頂壁から延びる反対側の側壁と、反対側の側壁から延びて反対側のスロットを形成する反対側のウィングリテーナとを含んでよく、スロットと反対側のスロットとは、チャネルを形成している。
【0011】
スロット及び反対側のスロットは、ウィングプロテクタの長手方向軸に沿って互いに平行であってもよい。
【0012】
ウィングプロテクタは、側壁及びウィングリテーナにドームケージを含んでもよく、ドームケージは、ネックの直径よりも大きい長さを長手方向に沿って有する。
【0013】
ウィングプロテクタは、横方向に沿って十分に柔軟で、頂壁を撓ませて、ウィングリテーナと反対側のウィングリテーナとの間の隙間を、隙間がウィングの幅よりも大きくなるまで拡張し、それによって、拡張した隙間からチャンネルへのウィングの挿入を可能にする柔軟な材料から作られてもよい。
【0014】
第1の実施形態の別の変形例では、ウィングリテーナは頂壁とともに広がり得る(coextensive)。
【0015】
第1の実施形態のさらなる変形例において、ウィングリテーナは、ウィングリテーナの切欠きによって形成されたドームケージをさらに含む。
【0016】
第1の態様の第2の実施形態において、配置は、カプセル及びウィングを含むウィング付カプセルを含み、カプセルは、動物に物質を送達するように適合され、ウィングは、カプセルに取り付けられ、動物への挿入のために折り畳むこと及び挿入後に拡張するように動作可能であり、配置はまた、ウィング各々の少なくとも一部を受け入れ、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けるように寸法決めおよび構成されたスロットを含むウィングプロテクタであって、ウィングプロテクタは、頂壁の反対側の側壁から延びてその間にスロットを形成する底壁をさらに含む、ウィングプロテクタと、を含む。
【0017】
第2の態様において、ウィング付カプセルの保護方法が提供される。第2の態様の第1の実施形態では、方法は、カプセルとウィングとを含むウィング付カプセルであって、ウィングはカプセルに接続され、動物への挿入のために折り畳まれ、挿入後に拡張するように適合されたウィング付カプセルと、ウィング各々の少なくとも一部を受け入れ、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けられるように寸法決めおよび構成されたスロットを含むウィングプロテクタと、を含む配置を提供するステップを含む。本方法はさらに、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けて保護されたウィング付カプセルを形成するステップ、保護されたウィング付カプセルの複数を袋に挿入するステップ、保護されたウィング付カプセルの1つを袋から取り出すステップ、および保護されたウィング付カプセルからウィングプロテクタを取り外すステップを含む。
【0018】
第3の態様では、カプセルとカプセルに取り付けられた折り畳み可能なウィングとを含むウィング付カプセルを保護するためのウィングプロテクタが提供される。いくつかの実施形態では、ウィングプロテクタは、頂壁と、頂壁から延びる側壁と、ウィング各々の少なくとも一部を受け入れ、ウィング付カプセルをウィングプロテクタに取り外し可能に取り付けるためのサイズ及び形状のスロットであって、頂壁及び側壁によって部分的に形成されたスロットと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下の様々な実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。しかしながら、本発明は、図面に示された実施形態そのままの配置および装置設定のみに限定されないことが理解されるべきである。
【0020】
図1図1は、ウィング付カプセルとウィングプロテクタを含む配置の実施形態の、組み立てられた状態での斜視図である。
図2図2は、ウィング付カプセルの実施形態の側面図である。
図3図3は、ウィングプロテクタの実施形態の斜視図である。
図4図4は、ウィングプロテクタの実施形態を横方向からみた側面図である。
図5図5は、ウィングプロテクタの実施形態を縦からみた側面図である。
図6図6は、ウィングプロテクタの実施形態を縦からみた側面断面図である。
図4A図4Aは、ウィングプロテクタの別の実施形態を横方向からみた側面図である。
図7図7は、図1の配置の底面図であり、ウィング付カプセルに取り付けられたウィングプロテクタが見えている。
図8図8は、ウィング付カプセルとウィングプロテクタを含む配置の、別の実施形態の、組み立てられた状態での斜視図である。
図9図9は、ウィングプロテクタの別の実施形態の斜視図である。
図10図10は、ウィングプロテクタの別の実施形態を横方向からみた側面図である。
図11図11は、ウィングプロテクタの別の実施形態を縦からみた側面図である。
図12図12は、ウィングプロテクタの別の実施形態を縦からみた側面断面図である。
図13図13は、ウィングプロテクタ無しの複数のウィング付カプセルの包装工程の図である。
図14図14は、ウィングの材料降伏箇所を示す斜視図である。
図15図15は、ウィングの材料降伏箇所を示す斜視図である。
【0021】
図面において、対応する参照符号は、いくつかの図を通して対応する部品、機能、および特徴を示す。図面は、本発明による様々な特徴及び構成要素の実施形態を表しているが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明をより良く図示し説明するために、特定の特徴が誇張されている場合がある。しかしながら、本発明は、図面に示された実施形態の正確な配置および装置設定に限定されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の原理の理解を促進する目的で、次に、図面に示された実施形態を参照し、以下に説明する。以下に開示される実施形態は、網羅的であること、または本発明を以下の詳細な説明において開示される形態そのものに限定することを意図していない。むしろ、実施形態は、当業者がその教示を利用することができるように選択され、説明される。それによって、本発明の範囲の限定が意図されていないことを理解されたい。本発明は、図示された装置および記載された方法における任意の変更およびさらなる修正、ならびに特許請求の範囲に規定された本発明の原理のさらなる適用を含む。
【0023】
図1は、ウィング付カプセル12とウィングプロテクタ20を含む、組み立てられた状態の配置(又は保護されたウィング付カプセル)10の一実施形態の斜視図である。図2は、図1に示すウィング付カプセルの一実施形態の側面図である。ウィング付カプセル12は、ドーム15を有し、含むカプセル14と、ウィング16と、カプセル14内の物質17と、ウィング16をカプセル14と接続する接合部18、任意にネックと、を含む。安定化面19(以下に説明)は、ドーム15上に破線で示されている。安定化面19(線によって図示されているが、後述するようにカプセルに接触するウィングプロテクタの表面(複数可)(その領域は線19を包含する))は、先行技術の一部を形成せず、単に本明細書に記載する新規かつ非自明的なウィングプロテクタの使用を例示するために図示されていると理解されたい。物質は、モネンシンまたは他の医薬品、ビタミン、および長期間にわたる送達に適した他の任意の物質を含んでもよい。
【0024】
図3~6は、ウィングプロテクタ20の一実施形態の斜視図、横側面図、縦側面図、及び縦側面断面図である。ウィングプロテクタ20は、頂壁22と、そこからカプセル14に向かって(図1の下方に)延びる側壁24と、側壁24から内側に延びるウィングリテーナ26と、頂壁22からカプセル14に向かって(下方に)延びる反対側の側壁28と、側壁28から内側に延びる反対側のウィングリテーナ30とを含んでいる。隙間34は、ウィングリテーナ26と反対側のウィングリテーナ30との間の最小の距離として画定される。頂壁22、側壁24、及びウィングリテーナ26は、スロット27を形成する。頂壁22、反対側の側壁28、および反対側のウィングリテーナ30は、スロット31を形成する。スロット27および31(図4で最もよく見える)は、それらの間にチャネル32を画定する。スロット27および31、およびチャネル32は、ウィング16の一部を受け入れるようなサイズおよび構成である。
【0025】
任意に、ウィングリテーナ26、反対側のウィングリテーナ30、側壁24、および反対側の側壁28を横切って作られた横方向スロットは、ドームケージ36を形成する。一変形例では、ウィングプロテクタに長手方向の剛性を加えるために、頂壁の上面に長手方向リブが追加される。長手方向リブは、端から端まで延びてもよいし、ウィングプロテクタ20の中心から降伏領域(後述)を過ぎて各ウィングに沿った中間点まで部分的に延びるだけでもよい。長手方向リブの追加は、長手方向剛性を増大させ、横方向剛性を低減しながら、頂壁の厚さを低減することを可能にし得る。
【0026】
本明細書で上述及び後述する様々な実施形態において、ドームケージ36は省略される。 一変形例では、長手方向のリブが頂壁の上面に追加される。
【0027】
本明細書で上述及び後述する更なる種々の実施形態では、ドームケージ36が提供されるが、側壁は一部しか切断されず、各側壁の一部(頂壁を接続する)が残るようにし、これにより頂壁の剛性を高めながらもカプセルと干渉することなくウィングに取り付けられることが可能になる。一変形例では、長手方向のリブが頂壁の上面に追加される。
【0028】
本明細書に記載されるウィングリテーナは、ウィングへのウィングプロテクタの取り付け、ウィングプロテクタの保持、およびウィングプロテクタの取り外しを可能にするのに十分な形状および材料の任意の組合せを有してもよい。ウィングプロテクタの材料は、ポリマを含んでもよい。ポリマの例としては、ポリプロピレンやナイロンが挙げられる。補強材が、補強材とポリマの複合材を形成するために添加されてもよい。例示的な補強材は、ガラスビーズと繊維を含む。例示的な繊維は、ガラス繊維および炭素繊維を含む。本実施形態では、ウィングリテーナ26及び30は、内側に(チャネル32に向かって)延びるにつれて厚さが増加するバーブ(barb)として描かれている。材料の柔軟性とバーブの形状の組み合わせは、ウィングプロテクタ20がウィングを受けるためにわずかに撓むことを可能にし、またウィングの取り外しを可能にする。バーブの厚さは、増大されてもよく、それによって隙間34を減少させ、取り付けまたは取り外しに必要な力を増大させてもよい。頂壁22の厚さはまた、ウィングプロテクタ20の屈曲に影響を与えるために増大または減少させてもよい。
【0029】
図4Aは、本実施形態の変形例であるウィングプロテクタ20Aを示し、ウィングリテーナ26Aおよび30Aは、壁24、28から突出した円弧状突起として形成されている。円弧状突起及びバーブは、ウィングリテーナの最も遠位の(頂壁に対して)エッジにおいてウィングの幅よりも大きい隙間と、その高さに沿ってウィングの幅よりも小さい隙間を提供し、これは、まとめて「ウィングウェル」29と呼ばれてもよい。ウィングウェル29は、ウィングリテーナによって提供される挿入に対する抵抗に打ち勝つために力が加えられると、取り付けの開始を容易にし、ウィングをスロット32内に案内する。したがって、ウィングプロテクタは、様々な形状のウィングウェルを含んでもよい。ウィングウェルは、ウィングプロテクタの長さに沿って、またはその一部に沿って延びてもよい。
【0030】
組立後、一方の(第1の)ウィングに力が加えられると、反対側の(第2の)ウィングとウィングプロテクタの組み合わせにより、第1のウィングを保護するための反対方向の力が提供される。いくつかの変形例では、ウィングリテーナ26と反対側のウィングリテーナ30の角(横スロットの両側)は、ドーム15の安定化面19のための4つの接触点を提供する。この4つの接触点は、ドーム15からの横方向の支持を提供し、また、各ウィングと反対側のウィングを支持するウィングプロテクタ20のそれぞれの部分に依存して、ウィング16とカプセル14を整列させ、ウィングが接合部に接触する付近での接合部18のねじれまたはウィング16の一方もしくは両方の曲がりを防止または制限することによって、損傷のリスクを低減させる。
【0031】
本実施形態の一変形例では、ウィングプロテクタ20、20A(及び後述のウィングプロテクタ38)は、ポリマ材料の単一ピースからなる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ウィングプロテクタ20は、ウィングリテーナがウィングのエッジを越えてスライドできるように、ウィングプロテクタ20を上からウィングに取り付けることによって、ウィング16に取り外し可能に取り付けられる。ウィングプロテクタ20は、ウィングに押されている間にわずかに撓んでもよく、その後、ウィングに取り付けられたままにするために撓むまえの形状を回復してもよい。使用前に、ウィングプロテクタ20は逆向きに引っ張られる。
【0033】
図7は、ウィング付カプセル12にウィングプロテクタ20を上から(ウィング付カプセル12のウィング側から)取り付けることによって、上記のように組み立てられた保護されたウィング付カプセル10を示す、図1の配置の底面図である。
【0034】
図8は、ウィング付カプセル12とウィングプロテクタ40を含む保護されたウィング付カプセルの、符号10’で示される配置の別の実施形態の、組み立てられた状態での斜視図である。ウィングプロテクタ40は、頂壁22の片側にのみ側壁を有する点でウィングプロテクタ20と異なる。図9図12は、ウィングプロテクタ40の斜視図、横側面図、縦側面図、及び縦側面断面図である。ウィングプロテクタ40は、頂壁22と、そこからカプセル14に向かって(下方に)延びる側壁44と、側壁44から内側に延びる底壁46とを含む。頂壁22、側壁44、および底壁46は、ウィング16の一部を受け入れるように寸法決めおよび構成されたスロット47を形成する。ドームケージ36は、ドーム15がドームケージ36と整列した状態でウィング16をスロット47に横方向に挿入することによって、ウィング付カプセル12を取り外し可能に取り付けることを容易にする。ウィングリテーナ45が示されている。ウィングリテーナは、図4及び4Aを参照して上述したように、ウィングの進入及びその除去を容易にするのに十分な任意の形状を含んでもよい。ウィングリテーナ45は、底壁46と協働してウィングウェル49を形成する。本実施形態の一変形例では、反対側のウィングリテーナ45が底壁に追加される。
【0035】
本明細書に記載されたウィングリテーナは、長さが一致している必要はない。1つのウィングリテーナが1つの長さを有し、反対側のウィングリテーナが異なる長さを有していてもよい。また、ウィングリテーナは、複数個所で設けられていてもよい。複数の部分は、重なっていても、部分的に重なっていても、重なっていなくてもよい(例えば、上部が下部の部分からオフセットされているなど)。部分は、ウィングの挿入に対する所望の抵抗力を得るために、千鳥足になっていてもよく、その長さが構成されてもよい。
【0036】
図13は、ウィングプロテクタのない複数のウィング付カプセル12を包装する段階を示す図である。袋、すなわち包装物50が人によって充填されている様子が示されている。包装が充填されるとき、又は輸送中に、ウィングにねじれ圧力が加えられ、これはウィング及び/又は接合部を破壊する可能性がある。ウィングプロテクタ20、40は、そのような曲げから生じる損傷を制限または排除するように構成される。一変形例では、ドームケージ36を形成するウィングリテーナ46のエッジが、安定化面19に接触し、追加の支持を提供する。
【0037】
図14及び図15は、接合部付近で曲がってしまったウィングを示す。図14は、ウィングが下方に曲がった結果の、ウィング上の降伏領域60を図示している。図15は、ウィングが上方に曲がった結果の、ウィング下の降伏領域62を図示している。本明細書で使用される場合、上方とはカプセルから離れる方向を示し、下方とはカプセルに向かう方向を示し、両方の場合において、カプセルの長手方向軸に平行な方向である。どちらの図でも、あたかも両ウィングが同じ方向に曲がっているように見えるが、これはカプセルを引っ張ったり押したりした結果である可能性がある。ウィングプロテクタが両ウィングに取り付けられていたと仮定すると、そのような曲げを防ぎ、破損を防いでいたはずである。
【0038】
反対の意図が明示されている場合を除き、用語「含む、」、「備える、」、「具備する、」、「有する、」などは、「含む、」などを意味し、一般にオープンエンドの移行用語であると解釈される。オープンエンドな移行用語に続いて具体的に列挙された構成要素、構造、ステップ等の記載は、当該クレームを具体的に列挙された構成要素、構造、ステップ等に限定するものではない。「からなる、」または「からなり、」という用語は、クローズドな移行用語である。
【0039】
反対の意図が明示されている場合を除き、本明細書および特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、同様の要素を区別するために用いられ、必ずしも特定の順序または時系列を記述するために用いられるわけではない。そのように使用される任意の用語は、本明細書に記載される実施形態が、例えば、本明細書に図示またはその他の方法で記載されるもの以外の順序で動作可能であるような適切な状況下で交換可能であることが理解されるものとする。同様に、方法が一連のステップを含むものとして本明細書に記載される場合、本明細書に提示されるそのようなステップの順序は、そのようなステップが実行され得る唯一の順序であるとは限らず、記載されたステップのうちのあるものはおそらく省略され得て、及び/又は、おそらく本明細書に記載されていない他のなんらかのステップが方法に追加され得る。
【0040】
反対の意図が明示されている場合を除き、用語は、明確化のために単数形で使用されるが、その複数形を含むことが意図される。
【0041】
本明細書における「一実施形態において」または「一態様において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態または態様を指すわけではない。
【0042】
本発明は、実施形態および実施例によって例示された設計を有するものとして説明されてきたが、本発明は、この開示の原理および範囲内でさらに変更することが可能である。したがって、本出願は、その一般原理を用いた本発明のあらゆる変形、使用、または適応を対象とすることを意図している。さらに、本願は、本発明が関係する技術分野において公知または慣例的な実施に含まれるような、本開示からの逸脱も含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15