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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】安全注射針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A61M5/32
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022519081
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 MY2019050114
(87)【国際公開番号】W WO2021060965
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】PI2019005645
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(73)【特許権者】
【識別番号】522115860
【氏名又は名称】テイ、ケン キオン
【氏名又は名称原語表記】TAY,Keng Kiong
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】テイ、ケン キオン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4772272(US,A)
【文献】米国特許第5279579(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全注射針アセンブリ(100)であって、
注射針(110)であって、スタッド(130)およびシリンジを受容するための受容手段(140)を有するハブ(120)に取り付けられ、それによって、前記ハブ(120)が、前記注射針(110)の注射部位の遠位端に取り付けられている、注射針(110)と、
内部シース(150)であって、前記スタッド(130)を受容するためのスリット(190)を有し、それにより、前記注射針(110)を前記内部シース(150)内に位置付け、かつ保持する、内部シース(150)と、
前記注射針(110)を備える前記内部シース(150)を収容するための外部シース(220)およびキャップ(240)と、を備え、
前記内部シース(150)が、一対の外部スタッド(170)を有し、前記外部シース(220)が、外部シース入口(230)を有し、前記キャップ(240)が、前記一対の外部スタッド(170)と相補するキャップ入口(250)を有し、それにより、前記内部シース(150)を前記外部シース(220)と取り外し可能に係合およびロックし、
前記内部シース(150)の前記スリット(190)が、前記スタッド(130)を受容するための複数の終端部(200)を有し、前記注射針(110)を位置付けて、前記スタッド(130)をロックして、前記注射針(110)を保持することを特徴とする、安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記内部シース(150)が、前記一対の外部スタッド(170)の間に位置する突出面(160)を有する、請求項1に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記内部シース(150)が、前記内部シース(150)の前記スリット(190)に接続された、前記スタッド(130)を受容するためのスタッド入口(180)を備える、請求項1に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記スリット(190)の前記複数の終端部(200)が、第1の終端部(200a)と、第2の終端部(200b)と、第3の終端部と(200c)と、を含み、それにより、前記内部シース(150)の前記第1の終端部(200a)、前記第2の終端部(200b)、および前記第3の終端部(200c)の各々が、前記スタッド(130)をロックするためのロック手段(210)を有する、請求項1に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記第1の終端部(200a)が、前記内部シース(150)のスタッド入口(180)および前記一対の外部スタッド(170)から遠位端に位置する、請求項4に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記第3の終端部(200c)が、前記内部シース(150)の前記一対の外部スタッド(170)から近位端に位置する、請求項4に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項7】
スタッド入口(180)が、前記スリット(190)の前記第3の終端部(200c)に隣接して位置する、請求項4に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記第2の終端部(200b)が、前記第1の終端部(200a)と前記第3の終端部(200c)との間に位置する、請求項4に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記内部シース(150)の前記第1の終端部(200a)および前記第3の終端部(200c)の各々が、前記スタッド(130)をロックおよびロック解除するための一時的ロック手段(210a)を有する、請求項4に記載の安全注射針(100)。
【請求項10】
スタッド入口(180)および前記第2の終端部(200b)が、前記スタッド(130)をロックするための恒久的ロック手段(210b)を有する、請求項4に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項11】
前記キャップ(240)が、前記ハブ(120)の前記受容手段(140)を有する前記内部シース(150)を収容するように構成されている、請求項1に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項12】
使用前位置において、前記外部シース(220)および前記キャップ(240)が、前記内部シース(150)の前記突出面(160)によって分離されている、請求項2に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項13】
前記外部シース入口(230)および前記キャップ入口(250)の各々が、前記内部シース(150)の前記一対の外部スタッド(170)を前記外部シース(220)および前記キャップ(240)にロックするための一時的ロック手段(210a)および恒久的ロック手段(210b)を備える、請求項1に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項14】
前記一時的ロック手段(210a)が、複数の突起を備える、請求項9または13に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項15】
前記恒久的ロック手段(210b)が、一方向ロックを備える、請求項10または13に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項16】
前記注射針アセンブリ(100)が、前記使用前位置において、最外層として一対の引き裂き可能な鋸歯状線(270)を有し、かつ前記内部シース(150)の前記突出面(160)を取り囲む封止部材(260)と、前記外部シース(220)と、前記キャップ(240)と、を備える、請求項12に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項17】
前記封止部材(260)が、前記一対の鋸歯状線(270)に沿って3つのセクションに引き裂き可能であり、それにより、前記3つのセクションが、前記内部シース(150)の前記突出面(160)と、前記外部シース(220)と、前記キャップ(240)と、に別々に取り付けられる、請求項16に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項18】
前記封止部材(260)が、前記外部シース入口(230)と、前記キャップ入口(250)と、前記外部シース入口(230)および前記キャップ入口(250)内の前記一対の外部スタッド(170)と、恒久的ロック手段(210b)と、第2の終端部(200b)と、の位置を示すための2セットのインジケータ(280)を有する、請求項16に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項19】
前記封止部材(260)上に備えられるインジケータの第1のセット(280a)が、3つのマーキングを有し、それにより、前記3つのマーキングが、前記外部シース入口(230)と、前記一対の外部スタッド(170)と、前記キャップ入口(250)と、の位置に対応する、請求項18に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【請求項20】
前記封止部材(260)上に備えられるインジケータの第2のセット(280b)が、3つのマーキングを有し、それにより、前記3つのマーキングが、前記外部シース入口(230)、前記キャップ入口(250)、および前記第2の終端部(200b)上の前記恒久的ロック手段(210b)に対応する、請求項18に記載の安全注射針アセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、安全注射針アセンブリに関し、より具体的には、偶発的な針刺し傷を防止するために歯科医療の分野で使用するための安全注射針アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
注射針は、麻酔薬などの薬を人に投与するために広く使用されている。一例として、歯科麻酔薬は、歯科用注射針を用いた注射によって与えられる。しかしながら、ほとんどの歯科用注射針には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)およびB型肝炎などの血行性感染症を感染させるリスクを伴う偶発的な針刺し損傷を防止するための安全機構がない。
【0003】
安全性が強化された機構を備えた歯科用注射針は、わずかに存在するが、これらの注射針は高価過ぎるか、ユーザフレンドリではない。さらに、強化された安全機構を備える歯科用注射針を提供するいくつかの解決策があり、そのうちの2つを以下で考察する。
【0004】
特許文献1は、安全デバイスと、皮下注射針を有する事前充填されたシリンジと、を備える、注射デバイスを開示した。安全デバイスは、支持体、外部本体、針シールド、解放可能な保持手段、およびガイドピンを有するガイド手段を備える。従来技術は、針シールドの所望の動きおよび位置を制御し、次に、皮下注射針の露出を制御するためのロックメカニズムを備える、複数の位置に針シールドを移動させることを伴う。しかしながら、従来技術は、恒久的なロックメカニズムを提供するだけであり、針シールドの位置および動きをさらに制御するための一時的なロックメカニズムの選択肢がない。さらに、事前充填されたシリンジは、従来技術が機能するために安全デバイス内に保持されるように構成され、これは、後部歯茎などの狭く、またはアクセスしにくい部分への注射には適さない場合がある。
【0005】
特許文献2は、偶発的な針刺し損傷を防止するか、または最小限に抑えるためのカニューレ用保護シースに関するものである。保護シースはハブ上に配置され、歯科用シリンジに適合することができ、保護シースは、中空の円筒形本体を備え、これは空洞を有し、複数の格納位置へのシースの移動をガイドするためにハブのオス要素と協働するように構成されたメス機構を形成する。より具体的には、メス機構は、ハブのオス要素を受容し、かつオス要素をそれぞれの位置にガイドするための1次、2次、および3次移行構造と、オス要素をそれぞれの位置に一時的にロックする1次および2次ロック構造と、オス要素をそれぞれの位置に恒久的にロックする最終的ロック構造と、オス要素を所望の位置にガイドするためのガイド構造と、を備える。しかしながら、従来技術は、針刺し損傷に対する無菌性およびより良好な保護をさらに確実にする注射針を有する保護シース全体を包む外部シースを有していない。さらに、従来技術は、ユーザが容易に参照できるような、オス要素およびロック構造の位置を示す手段を備えていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2012/000837号
【文献】米国特許第9789262号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、従来技術においては、注射中に注射針の所望の露出を得るために、異なる位置で異なるタイプのロック手段を提供する、改善されたより効率的な安全注射針アセンブリを有する必要があることが分かる。加えて、二重層シースを有することにより、注射針の安全性と無菌性を最適化する必要性が存在する。さらに、ユーザの便宜のために、位置を示すためのインジケータおよびロック手段を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下は、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本発明の簡略化された概要を提示する。本概要は、本発明の広範な要約ではない。その唯一の目的は、本発明のいくつかの概念を後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形態で提示することである。
【0009】
本発明の目的は、よりユーザフレンドリな安全注射針アセンブリを、好ましくは歯科医療分野での用途のために提供することである。
本発明の目的はまた、二重層シース、より具体的には注射針を収容するための内部シースと、注射針を収容する内部シースを完全に包囲するための外部シースと、を有することにより、ユーザへの偶発的な針刺し損傷および注射針の無菌性に対する二重の安全保護を有する安全注射針アセンブリを提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、スタッドを受容するための内部シース上のスリットを備える、安全注射針アセンブリを提供することであり、スリットは、複数の終端部を有し、スリット内での所望の位置へのスタッドの滑走による注射針の露出を制御する。
【0011】
本発明の別の目的は、ロック手段を有する安全注射針アセンブリを提供することであり、より具体的には、注射針を内部シース上のそれぞれの複数の終端部などの所望の位置で効率的に保持しロックするための一時的ロック手段および恒久的ロック手段を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、外部シースおよびキャップを有する安全注射針アセンブリを提供することである。さらに、外部シースおよびキャップの両方は、入口と、ロック手段であって、より具体的には、内部シースの一対の外部スタッド、ならびに外部シースおよびキャップのそれぞれの入口を介して、外部シースとキャップを内部シースにロックするための一時的ロック手段および恒久的ロック手段である、ロック手段と、を有する。
【0013】
加えて、本発明の別の目的は、一対の外部スタッドおよび外部シース上の一対の入口の位置を示すための2セットのインジケータを備える引き裂き可能な封止部材と、キャップと、安全注射針アセンブリ上に備えられた恒久的ロック手段と、を有する、安全注射針アセンブリを提供することである。
【0014】
したがって、これらの目的は、本発明の教示に従うことによって達成され得る。本発明は、スタッドおよび従来の歯科用シリンジを受容するための受容手段を有するハブに取り付けられた注射針と、注射針を保持するためのスタッドを受容するためのスリットを有する内部シースと、注射針を備える内部シースを収容するための外部シースおよびキャップと、を備える、偶発的な針刺し損傷を防止するための安全注射針アセンブリに関する。さらに、内部シースの一対の外部スタッドは、ロック手段を介して内部シースを外部シースおよびキャップと取り外し可能に係合してロックするために外部シース入口およびキャップ入口と相補する。さらに、内部シースのスリットは、ロック手段を介してスタッドを受容してロックするための複数の終端部を備える。好ましくは、安全注射針アセンブリは、外部シース入口と、キャップ入口と、一対の外部スタッドと、恒久的ロック手段と、の位置を示すための2セットのインジケータを有する封止部材を備える。
【0015】
本発明の前述の、および他の目的、特徴、態様および利点は、添付の図面を適切に参照しながら、本明細書で以下に提供される詳細な説明を注意深く読むことからよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
したがって、本発明の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本発明のより具体的な説明は、実施形態によって参照することができ、そのいくつかが添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態のみを図示しており、したがって、本発明が他の同等に有効な実施形態を認めることができるため、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【0017】
本発明のこれらの、および他の特徴、恩恵、および利点は、以下のテキスト図を参照することによって明らかになり、同様の参照番号は、図面全体にわたり同様の構造を指す。
図1】本発明の好ましい実施形態による、安全注射針アセンブリを示す概略図である。
図2】本発明の好ましい実施形態による、安全注射針アセンブリの内部シースを示す概略図である。
図3】本発明の好ましい実施形態による、内部シースの(a)第1の終端部、(b)第2の終端部、ならびに(c)第3の終端部およびスタッド入口のロック手段を示す概略図である。
図4】本発明の好ましい実施形態による、安全注射針アセンブリの内部シースへの外部シースおよびキャップの取り付けを示す概略図である。
図5】本発明の好ましい実施形態による、(a)使用前位置および(b)最終使用位置における安全注射針アセンブリの封止部材を示す概略図である。
図6】本発明の好ましい実施形態による、(a)使用前位置および(b)最終使用位置において、封止部材が安全注射針アセンブリを取り囲むことを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、実施形態および例示的な図面を使用して、例として本明細書に記載されるが、当業者は、本発明が、図面の実施形態および説明される図面に限定されず、様々な構成要素の縮尺を表すことを意図していないことを認識するであろう。さらに、本発明の一部を形成し得るいくつかの構成要素は、図示を容易にするために、特定の図に図示されない場合があり、そのような省略は、いかなる方法でも概説される実施形態を限定しない。図面およびそれらの詳細な説明は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではないが、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるすべての改変物、同等物、および代替物を網羅することを理解する必要がある。この説明全体で使用されているように、「できる(may)」という単語は、強制的な意味(つまり、しなければならないことを意味する)ではなく、許容的な意味(つまり、可能性があることを意味する)で使用される。さらに、単数で書かれた単語は、「少なくとも1つ(at least one)」を意味し、「複数(plurality)」という単語は、特に明記しない限り「1つ以上(one or more)」を意味する。さらに、本明細書で使用される用語および表現は、説明の目的でのみ使用されており、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、または「伴う(involving)」などの文言、およびそれらの変形は、広範であり、その後にリストされる主題、同等物、および列挙されていない追加の主題を包含することを意図しており、他の追加物、構成要素、整数、またはステップを除外することを意図していない。同様に、「備える(comprising)」という用語は、適用される法的目的のための「含む(including)」または「含有する(containing)」という用語と同義であると見なされる。
【0019】
文書、行為、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明に文脈を提供することのみを目的として、本明細書に含まれる。これらの事項のいずれかまたはすべてが先行技術の基礎の一部を形成すること、または本発明に関連する分野における一般的な知識であったことは示唆または表明されていない。
【0020】
本開示では、組成物または要素または要素のグループの前に「含む(comprising)」という遷移句が付いている場合は常に、「からなる(consisting of)」、「を構成する(consisting)」、「からなる群から選択される(selected from the group of consisting of)、「を含む(including)」の遷移句を伴う同じ組成物、要素、もしくは要素のグループも企図するか、または「である(is)」が組成物、要素、もしくは要素のグループの列挙に先行することも企図し、かつ、その逆も企図することが理解される。
【0021】
本発明は、添付の図面を参照して様々な実施形態によって以下に説明され、添付の図面で使用される参照番号は、説明全体を通して同様の要素に対応する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本実施形態は、本開示が全般的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。以下の詳細な説明では、説明されている実装の様々な態様について数値と範囲が提供されている。これらの値および範囲は、単なる例として扱われるべきであり、特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。さらに、いくつかの材料が、本実装の様々な側面に好適なものとして特定されている。これらの材料は例示として扱われるべきであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0022】
本発明は、安全注射針アセンブリ(100)に関し、安全注射針アセンブリ(100)は、注射針(110)であって、スタッド(130)およびシリンジを受容するための受容手段(140)を有するハブ(120)に取り付けられ、それによってハブ(120)が、注射針(110)の注射部位の遠位端に取り付けられている、注射針(110)と、内部シース(150)であって、スタッド(130)を受容するためのスリット(190)を有し、それにより、内部シース(150)の内部に注射針(110)を位置付け、かつ保持する、内部シース(150)と、注射針(110)を含む内部シース(150)を収容するための外部シース(220)およびキャップ(240)と、を備え、内部シース(150)は、一対の外部スタッド(170)を有し、外部シース(220)は、外部シース入口(230)を有し、およびキャップ(240)は、一対の外部スタッド(170)と相補するキャップ入口(250)を有し、それによって内部シース(150)を外部シース(220)に取り外し可能に係合してロックすることを特徴としており、内部シースのスリット(190)は、注射針(110)を位置付けるためのスタッド(130)を受容するための複数の終端部(200)を有し、注射針(110)を保持するためにスタッド(130)をロックする。
【0023】
図1図6に示す図面を参照して、ここで本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による安全注射針アセンブリ(100)を示す概略図である。安全注射針(100)は、注射針(110)と、注射針(110)を収容するための内部シース(150)と、注射針(110)を有する内部シースを収容するための外部シース(220)およびキャップ(240)と、を備える。注射針(110)は、スタッド(130)および受容手段(140)を有するハブ(120)に取り付けられている。より具体的には、注射針(110)は、好ましくは従来の注射針であり、ハブ(120)は、注射針(110)の注射部位の遠位端に取り付けられている。好ましくは、受容手段(140)は、限定されるものではないが、ねじ山であり、これはシリンジ、より具体的には従来の歯科用シリンジを受容するように構成されている。さらに、ハブ(120)のスタッド(130)は、内部シース(150)と取り外し可能に係合されており、より具体的には、注射針(110)を内部シース(150)内に位置付けて、かつ保持するために、内部シース(150)上に備えられたスリット(190)を介して、内部シース(150)と取り外し可能に係合されている。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、内部シース(150)は、一対の外部スタッド(170)を有しており、外部シース(220)は、外部シース入口(230)を有しており、キャップ(240)は、一対の外部スタッド(170)と相補するキャップ入口(250)を有し、それによって、内部シース(150)を外部シース(220)に取り外し可能に係合してロックする。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、内部シース(150)は、一対の外部スタッド(170)の間に位置する突出面(160)を有する。
図2は、本発明の好ましい実施形態による安全注射針アセンブリ(100)の内部シース(150)を示す概略図である。内部シース(150)は、注射針(110)を位置付けるためのスタッド(130)を受容するための、かつ、注射針(110)を保持するためのスタッド(130)をロックするための複数の終端部(200)を有するスリット(190)を備える。注射針(110)を使用する前の使用前位置では、スタッド(130)は、スタッド入口(180)と位置合わせされた第3の終端部(200c)の一時的なロック手段(210a)に位置付けられた。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、内部シース(150)は、内部シース(150)のスリット(190)に接続された、スタッド(130)を受容するためのスタッド入口(180)を備える。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、スリット(190)の複数の終端部(200)は、第1の終端部(200a)、第2の終端部(200b)、および第3の終端部(200c)を含み、それにより、内部シース(150)の第1の終端部(200a)、第2の終端部(200b)、および第3の終端部(200c)の各々は、スタッド(130)をロックするためのロック手段(210)を有する。さらに、複数の終端部(200)の各々は、より具体的には、注射針(110)の露出に対する、注射針(110)の位置を判定する。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、第1の終端部(200a)は、内部シース(150)のスタッド入口(180)および一対の外部スタッド(170)から遠位端に位置する。
本発明の一実施形態によれば、第3の終端部(200c)は、内部シース(150)の一対の外部スタッド(170)から近位端に位置する。さらに、スタッド入口(180)は、スリット(190)の第3の終端部(200c)に隣接して位置する。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、第2の終端部(200b)は、第1の終端部(200a)と第3の終端部(200c)との間に位置する。
図3は、本発明の好ましい実施形態による、(a)第1の終端部(200a)、(b)第2の終端部(200b)、および(c)第3の終端部(200c)にあるロック手段(210)、ならびに内部シース(150)のスタッド入口(180)を示す概略図である。好ましくは、ロック手段(210)は、一時的ロック手段(210a)および恒久的ロック手段(210b)を含む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、一時的ロック手段(210a)は、複数の突起を備える。加えて、恒久的ロック手段(210b)は、一方向ロックを備える。さらに、図3(a)~(c)に示すように、一時的ロック手段(210a)は、限定されるものではないが、好ましくは複数の半円形突起を備え、一方で、恒久的ロック手段(210b)は、限定されるものではないが、好ましくは一対のL字形スプリングロックを備える。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、内部シース(150)の第1の終端部(200a)および第3の終端部(200c)の各々は、好ましくは、スタッド(130)をロックおよびロック解除するための一時的ロック手段(210a)を有する。
【0032】
より具体的には、第1の終端部(200a)の一時的ロック手段(210a)は、スタッド(130)を保持して、注射針(110)を内部シース(150)から完全に露出させるように構成されている。一方で、第3の終端部(200c)上の一時的ロック手段(210a)は、内部シース(150)内の注射針(110)を完全に覆うように構成されている。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、スタッド入口(180)および第2の終端部(200b)は、好ましくは、スタッド(130)をロックするための恒久的ロック手段(210b)を有する。より具体的には、スタッド入口(180)上の恒久的ロック手段(210b)は、スリット(190)上にスタッド(130)を保持するように構成され、一方で、終端部(200b)上の恒久的ロック手段(210b)は、最終使用位置に、特に廃棄のための注射針(110)の使用終了位置にスタッド(130)を保持するように構成されている。
【0034】
図4は、本発明の好ましい実施形態による、安全注射針アセンブリ(100)の内部シース(150)への外部シース(220)の取り付けを示す概略図である。図4に示すように、外部シース(220)は、注射針(110)を備える内部シース(150)を収容するように構成されている。好ましくは、外部シース(220)およびキャップ(240)は、内部シース(150)の異なる部分を収容している。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、キャップ(240)は、ハブ(120)の受容手段(140)を有する内部シース(150)を収容するように構成されている。一方で、外部シース(220)は、注射針(110)の注射部位を有する内部シース(150)を収容するように構成されている。好ましくは、外部シース(220)およびキャップ(240)は、ユーザの要求に応じて、内部シース(150)を取り外し可能に収容している。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、使用前位置において、外部シース(220)およびキャップ(240)は、内部シース(150)の突出面(160)によって分離されている。
図4に示すように、外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)の各々は、内部シース(150)の一対の外部スタッド(170)を外部シース(220)およびキャップ(240)にロックするための一時的ロック手段(210a)および恒久的ロック手段(210b)を備える。内部シース(150)と同様に、外部シース(220)およびキャップ(240)の一時的ロック手段(210a)は、限定されるものでないが、好ましくは、複数の半円形の突起を備え、一方で、外部シース(220)およびキャップ(240)の恒久的ロック手段(210b)は、限定されるものでないが、好ましくは、一対のL字形スプリングロックを備える。
【0037】
好ましくは、外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)の両方は、T字形入口である。より好ましくは、一時的ロック手段(210a)は、T字形入口の接合部に位置し、恒久的ロック手段(210b)は、T字形入口の一方の端部に位置し、一方で、T字形入口の反対側端部は、ロック手段(210)を有していない。さらに、使用前位置では、一対の外部スタッド(107)が、それぞれの外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)の一時的ロック手段(210a)に位置合わせされ、固定された。
【0038】
より具体的には、外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)上の一時的ロック手段(210a)は、それぞれの外部スタッド(170)を使用前位置に保持するように構成されており、一方で、外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)上の恒久的ロック手段(210b)は、それぞれの外部スタッド(170)を最終使用位置に保持するように構成されている。さらに、安全注射針アセンブリ(100)は、内部シース(150)および外部シース(220)の両方が最終使用位置にあると、安全に廃棄される。
【0039】
図5は、本発明の好ましい実施形態による、(a)使用前位置、および(b)最終使用位置にある安全注射針アセンブリ(100)の封止部材(260)を示す概略図である。より具体的には、注射針アセンブリ(100)は、第1の鋸歯状線(270a)および第2の鋸歯状線(270b)と称される一対の引き裂き可能な鋸歯状線(270)を有する封止部材(260)を備える。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、封止部材(260)は、限定するものではないが、外部シース入口(230)と、キャップ入口(250)と、外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)内の一対の外部スタッド(170)と、恒久的ロック手段(210b)と、第2の終端部(200b)と、の位置を示すための2セットのインジケータ(280)を有する。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、注射針アセンブリ(100)は、使用前位置において、最外層として一対の引き裂き可能な鋸歯状線(270)を有し、かつ内部シース(150)の突出面(160)を取り囲む封止部材(260)と、外部シース(220)と、キャップ(240)と、を備える。図6は、本発明の好ましい実施形態による、封止部材(260)が(a)使用前位置、および(b)最終使用位置にある安全注射針アセンブリ(100)を取り囲むことを示す概略図である。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、封止部材(260)は、好ましくは、一対の鋸歯状線(270)に沿って3つのセクションに引き裂き可能であり、それにより、3つのセクションは、図6に示すように、内部シース(150)の突出面(160)、外部シース(220)、およびキャップ(240)に別々に取り付けられる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、封止部材(260)上に備えられるインジケータの第1のセット(280a)は、3つのマーキングを有し、それにより3つのマーキングは、外部シース入口(230)、一対の外部スタッド(170)、およびキャップ入口(250)の位置に対応する。図5および図6に示すように、3つのマーキングは、限定されるものではないが、好ましくは、3つの矩形マーキングであり、すなわち、第1のマーキング(280aa)、第2のマーキング(280ab)、および第3のマーキング(280ac)である。より具体的には、第1のマーキング(280aa)、第2のマーキング(280ab)および第3のマーキング(280ac)は、それぞれ外部シース入口(230)、一対の外部スタッド(170)、およびキャップ入口(250)の位置に対応する。
【0044】
好ましくは、第1のマーキング(280aa)、第2のマーキング(280ab)、および第3のマーキング(280ac)は、図5(a)および図6(a)に示すように、使用前位置にあるときに位置合わせされる。第1のマーキング(280aa)および第2のマーキング(280ab)の位置合わせは、外部シース入口(230)とそれぞれの外部スタッド(170)との位置合わせに対応しており、内部シース(150)上での外部シース(220)の配置または取り外しを可能にする。さらに、第2のマーキング(280ab)および第3のマーキング(280ac)の位置合わせは、キャップ入口(250)とそれぞれの外部スタッド(170)との位置合わせに対応しており、キャップ(240)の内部シース(150)での配置または取り外しを可能にする。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、封止部材(260)上に備えられるインジケータの第2のセット(280b)は3つのマーキングを有し、それにより、3つのマーキングは、外部シース(220)、キャップ(240)、および第2の終端部(200b)上の恒久的ロック手段(210b)に対応する。最終使用位置では、スタッド(130)の位置は、ハブ(120)が、図6(b)に示すようにインジケータの第2のセット(280b)で覆われたときに確認される。
【0046】
図5および図6に示されるように、限定されるものではないが、インジケータの第2のセット(280b)の3つのマーキングは、好ましくは、3つの三角形ポインタであり、すなわち、第1のポインタ(280ba)、第2のポインタ(280bb)、および第3のポインタ(280bc)である。好ましくは、第1のポインタ(280ba)は、外部シース(220)上、特に外部シース入口(230)上に備えられる恒久的ロック手段(210b)に対応する。第2のポインタ(280bb)は、キャップ(240)上に、特にキャップ入口(250)上に備えられる恒久的ロック手段(210b)に対応する。さらに、第3のポインタ(280bc)は、内部シース(150)上に、特に第2の終端部(200b)上に備えられる恒久的ロック手段(210b)に対応する。
【0047】
より具体的には、第1のポインタ(280ba)と第2のマーキング(280ab)との位置合わせは、それぞれの外部スタッド(170)が、外部シース入口(230)上に備えられる恒久的ロック手段(210b)にロックされることを示す。一方で、第2のポインタ(280bb)と第2のマーキング(280ab)との位置合わせは、それぞれの外部スタッド(170)が、キャップ入口(250)上に備えられる恒久的ロック手段(210b)にロックされることを示す。
【0048】
図5(b)および図6(b)に示すように、インジケータの第2のセット(280b)は第2のマーキング(280ab)を指しており、一対の外部スタッド(170)は、それぞれの外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)上の恒久的ロック手段(210b)にロックされていて、スタッド(130)はまた、内部シース(150)の第2の終端部(200b)上の恒久的ロック手段(210b)にロックされていることを示している。好ましくは、インジケータの第2のセット(280b)が最終使用位置にあるとき、注射針(110)は完全に覆われ、内部シース(150)内に恒久的にロックされ、これにより安全注射針アセンブリ(100)は、安全に廃棄され得る。
【0049】
好ましくは、スタッド(130)、一対の外部スタッド(170)、スタッド入口(180)、スリット(190)、複数の終端部(200)、ロック手段(210)、一対の入口(250)、および2セットのインジケータ(280)は、独立して、または鏡像対として、存在して機能することができる。
【0050】
以下に、本発明の実施例が、より詳細な説明のために提供されている。本発明の利点は、これらの実施例からより容易に理解され、実用化され得る。しかしながら、以下の実施例は、いかなる方法でも本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
<実施例>
実施例1
安全注射針アセンブリへのシリンジの取り付け
使用前位置にある安全注射針アセンブリ(100)が注射操作のために選択され、使用前位置では、外部シース(220)が左側にあり、一方でキャップ(240)が右側にある位置に安全注射針アセンブリ(100)が保持された。使用前位置において、一対の外部スタッド(107)が、それぞれの外部シース入口(230)およびキャップ入口(250)の一時的ロック手段(210a)に位置合わせされて固定された。さらに、インジケータの第1のセット(280a)の第1のマーキング(280aa)、第2のマーキング(280ab)および第3のマーキング(280ac)もまた、使用前位置に位置合わせされた。
【0051】
キャップ(240)を軽くねじり、封止部材(260)を第2の鋸歯状線(270b)に沿って引き裂き、その結果、それぞれの外部スタッド(170)が、T字形キャップ入口(250)の恒久的ロック手段(210b)のロック手段(210)がない反対側端部に向けて移動した。結果として、封止部材(260)の第3のマーキング(280ac)は、その使用前位置から反時計回りに移動し、それにより、第1のマーキング(280aa)および第2のマーキング(280ab)とは、もはや位置合わせされていない。位置合わせされていない第3のマーキング(280ac)は、キャップ入口(250)内の外部スタッド(170)の位置が、外部シース入口(230)内の外部スタッド(170)ともはや位置合わせされていないことを示し、そこでは、外部スタッド(170)は既に、T字形キャップ入口(250)の恒久的ロック手段(210b)の反対側端部に向けて上方に移動している。
【0052】
封止部材(260)が第2の鋸歯状線(270b)に沿って引き裂かれた後、キャップ(240)が、第3のマーキング(280ac)が第2のマーキング(280ab)と再び位置合わせされるまで時計回りに回され、外部スタッド(170)が、キャップ入口(250)と位置合わせされたこと、すなわち、外部スタッド(170)が、再び使用前位置にあることを示し、続いて、内部シース(150)からキャップ(240)が取り外された。
【0053】
歯科用シリンジは、ハブ(120)上の受容手段(140)を介して安全注射針アセンブリ(100)に取り付けられた。スタッド(130)は使用前位置に保持され、そこでスタッド(130)は、スリット(190)の第3の終端部(200c)の一時的ロック手段(210a)でロックされた。
【0054】
次に、外部シース(220)を軽くねじり、第1の鋸歯状線(270a)に沿って封止部材(260)を引き裂き、その結果、封止部材(260)の第1のマーキング(280aa)が使用前位置から移動し、それにより、もはや第2のマーキング(280ab)とは位置合わせされなくなる。次に、外部スタッド(170)が、使用前位置に向けて外部シース入口(230)と再び位置合わせされ、続いて、外部シース(220)が内部シース(150)から取り外された。これにより、外部シース(220)およびキャップ(240)の両方が、注射針(110)が内部シース(150)内に留まっている間に、内部シース(150)との係合から取り外された。
【0055】
実施例2
安全注射針アセンブリを使用した注射操作
使用前位置では、スタッド(130)が、第3の終端部(200c)の一時的ロック手段(210a)に位置付けられた。スタッド(130)を第3の終端部(200c)の一時的ロック手段(210a)から解放するために内部シース(150)を時計回りに回し、スタッド(130)がスリット(190)を上下に滑ることができるようにした。スタッド(130)を第1の終端部(200a)に滑らせたとき、注射針(110)は完全に露出した。さらに、スタッド(130)は、第1の終端部(200a)の一時的ロック手段(210a)で一時的にロックされ、それによって内部シース(150)が移動して注射操作を妨害するのを防止した。
【0056】
注射の後、内部シース(150)を時計回りに回し、第1の終端部(200a)の一時的ロック手段(210a)から解放した。スタッド(130)を第3の終端部(200c)に向けて滑らせ、その結果、注射針(110)が内部シース(150)に完全に覆われた。さらに、ユーザの要件に応じて、スタッド(130)はスリット(190)に沿って繰り返し滑らせることができ、そのため同じ注射針(110)を使用して複数の注射を実行できるようにした。
【0057】
実施例3
安全注射針アセンブリの廃棄
注射操作が完了すると、スタッド(130)はスリット(190)に沿って滑らされ、第2の終端部(200b)の恒久的ロック手段(210b)の中に移動され、そこでスタッド(130)、恒久的ロック手段(210b)、および第2の終端部(200b)は、最終使用位置に対応する第2のマーキング(280ab)および第3のポインタ(280bc)によって重ね合わせられた。内部シース(150)を反時計回りに回すことにより、内部シース(150)およびハブ(120)は、最終使用位置で共に単一のユニットに堅固にロックされた。
【0058】
最終使用位置では、次いで、安全注射針シース(100)を廃棄する前に、外部シース(220)が内部シース(150)と再び係合された。第1のマーキング(280aa)および第2のマーキング(280ab)が位置合わせされ、その結果、外部スタッド(170)と外部シース入口(230)が位置合わせされ、続いてそれぞれの外部スタッド(170)が外側シース入口(230)の中に押し込まれた。これに引き続き、内部シース(150)と外部シース(220)とが止まり嵌めされた。さらに、外部シース(220)が時計回りに回され、次に外部スタッド(170)が外部シース入口(230)の恒久的ロック手段(210b)の中に押し込まれ、第1のポインタ(280ba)が第2のマーキング(280ab)と位置合わせされたときに、このことが確認され得る。
【0059】
次いで、注射針(110)は、受容手段(140)においてシリンジを緩め、それに続いてキャップ(240)を内部シース(150)に再び係合させることによってシリンジから取り外された。外部シース(220)を内部シース(1500に係合させる場合と同様に、第2のマーキング(280ab)と第3のマーキング(280ac)が位置合わせされて互いに向けて押されることで、外部スタッド(170)とキャップ入口(250)とが位置合わせされ、外部スタッド(170)が、キャップ入口(250)内に押し込まれた。これに引き続き、内部シース(150)とキャップ(240)とが止まり嵌めされた。さらに、キャップ(240)が時計回りに回され、それにより、外部スタッド(170)がキャップ入口(250)の恒久的ロック手段(210b)の中に押し込まれ、第2のポインタ(280bb)が第2のマーキング(280ab)を指したときに、このことが確認され得る。したがって、内部シース(150)は、外部シース(220)によって完全に係合され、安全注射針アセンブリ(100)は、偶発的な針刺し損傷を生じることなく廃棄することができる。
【0060】
上述の安全注射針アセンブリ(100)は、既存の注射針アセンブリの問題と欠点を克服する。本発明は、二重層シース(150、220)を有することによって、より具体的には、注射針を収容するための内部シース(150)と、注射針(110)を収容している内部シース(150)を完全に包囲するための外部シース(220)およびキャップ(240)と、を有することによって、よりユーザフレンドリであり、ユーザへの偶発的な針刺し損傷および注射針の無菌性に対して二重安全保護を提供する。加えて、本発明は、ユーザが、複数の終端部(200)を有するスリット(190)内でスタッド(130)を滑らせることによって、注射針(110)の露出を制御することを可能にする。さらに、本発明はまた、内部シース(150)上のそれぞれの複数の終端部(200)においてスタッド(130)をロックすることによって、注射針(110)を所望の位置に効率的に保持するための一時的ロック手段(210a)および恒久的ロック手段(210b)を含むロック手段(210)を提供する。それとは別に、取り外し可能な外部シース(220)およびキャップ(240)は、内部シース(150)をロックするためのロック手段(210)を備える。好ましくは、本発明はまた、一対の外部スタッド(170)の位置を示すための2セットのインジケータ(280)を備える引き裂き可能な封止部材(260)と、外部シース入口(230)と、キャップ入口(250)と、安全注射針アセンブリ(110)上に備えられる恒久的ロック手段(210b)と、を備える。
【0061】
上述の例示的な実装は、特定の形状、寸法、および他の特性で示されているが、本発明の範囲には、様々な他の形状、寸法、および特性も含まれる。また、上述のような構成要素は、様々な他の方法で製造することができ、様々な他の材料を含むことができる。
【0062】
これらの実施形態に対する様々な改変は、説明および添付の図面から当業者には明らかである。本明細書に記載の様々な実施形態に関連する原理は、他の実施形態にも適用され得る。したがって、説明は、添付の図面とともに示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書で開示または提案される原理および新規で発明的な特徴と一致する最も広い範囲を提供するものである。したがって、本発明は、本発明および添付の特許請求の範囲内にある他のそのような代替物、改変物、および変形物のすべてを保持することが期待される。
【0063】
本発明は、添付の図にも示されている特定の実施形態を参照して説明されてきたが、本明細書で説明され、以下の特許請求の範囲で規定されるように多くの変形および改変が本発明の範囲内で実行され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0064】
本発明による添付の図面で使用される参照番号の説明:
【0065】
【表1-1】
【0066】
【表1-2】
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】