(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ヘアストレングスニング組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20231031BHJP
A61K 8/362 20060101ALI20231031BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/362
A61Q5/12
(21)【出願番号】P 2022532708
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020070881
(87)【国際公開番号】W WO2021119660
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-01
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー メアリー マーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイムズ フェルツ
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/62462(WO,A2)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0096564(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0068362(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0279162(US,A1)
【文献】特表2017-537945(JP,A)
【文献】特開2015-078167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア組成物であって、
0.04重量%
~2重量%のアゼライン酸と、
0.04重量%
~1重量%のオレイン酸と、
水性キャリアと、を含み、オレイン酸対アゼライン酸の比が
、1:1
~1:3のオレイン酸:アゼライン酸である、ヘアケア組成物。
【請求項2】
オレイン酸対アゼライン酸の比が
、1:1.5
~1:3である、請求項1に記載のヘアケア組成物。
【請求項3】
前記組成物が
、0.1重量%
~1重量%のアゼライン酸を含み、前記組成物が
、0.1重量%
~0.5重量%のオレイン酸を含む、請求項1又は2に記載のヘアケア組成物。
【請求項4】
高融点脂肪族化合物を更に含み
、前記高融点脂肪族化合物が、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項5】
前記1種以上の高融点脂肪族化合物が
、0.1重量%
~20重量%の濃度で前記ヘアケア組成物中に含まれ
得る、請求
項4に記載のヘアケア組成物。
【請求項6】
シリコーン化合物を更に含
む、請求項1~5のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項7】
前記ヘアケア組成物が、ヘアコンディショナーである、請求項1~6のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項8】
前記ヘアケア組成物が、リーブオントリートメントである、請求項1~
6のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項9】
前記ヘアケア組成物が、リンスオフコンディショナーである、請求項
7に記載のヘアケア組成物。
【請求項10】
カチオン性界面活性
剤を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項11】
前記カチオン性界面活性
剤が、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、モノ長鎖アルキルアミドアミン塩、モノ長鎖アルキルアミドアミン塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、モノ長鎖アルキルア
ミドアミン塩
とモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
との組み合わせ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る、請求
項10に記載のヘアケア組成物。
【請求項12】
前記組成物が
、0.1重量%
~10重量%のカチオン性界面活性
剤を含む、請求項
10又は11に記載のヘアケア組成物。
【請求項13】
前記組成物が、ゲルマトリックスを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗切れ毛ヘアストレングス効果をもたらすアゼライン酸及びオレイン酸を含むヘアケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の健康を改善するために、様々な手法が開発されてきた。ヘアヘルス効果をもたらす一般的な方法は、カチオン性界面活性剤及びポリマー、高融点脂肪族化合物、低融点油、シリコーン化合物、並びにこれらの混合物などのコンディショニング剤の使用によるものである。これらのコンディショニング剤のほとんどは、様々なヘアヘルス効果をもたらすことが知られている。しかしながら、切れ毛の低減に役立つため、ヘアストレングスは重要な効果であることが見出された。切れ毛は、ヘアブラッシング又はヘアスタイリング中に消費者によって、しばしば脱け毛として認められる。2種の活性成分、アゼライン酸及びオレイン酸が疲労ストレングスを著しく改善し、それによって切れ毛を最小限に抑えることができることが見出された。組み合わせて使用される場合、それらは相乗的効果をもたらす。それらは、異なる機構によって、アゼライン酸分画を毛髪のタンパク質領域に組み入れ、オレイン酸分画を脂質細胞膜複合体領域に組み入れると考えられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
約0.04重量%~約2重量%のアゼライン酸と、約0.04重量%~約1重量%のオレイン酸と、水性キャリアと、を含み、オレイン酸対アゼライン酸の比が、約1:1~約1:3のオレイン酸:アゼライン酸である、ヘアケア組成物が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する、「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0005】
本明細書で、「含む(comprising)」とは、最終結果に影響しない他のステップ及び他の成分も加えられる場合があることを意味する。この用語には、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語が包含される。
【0006】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0007】
本明細書で、「混合物」は、材料の単純な組み合わせと、このような組み合わせから得られる場合がある任意のコンパウンドと、を含むことを意味する。
【0008】
用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記載のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0009】
「QS」は、100%とするために十分な量を意味する。
【0010】
ヘア製品
ヘアケア組成物は、アゼライン酸及びオレイン酸を含む。ヘアケア組成物は、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、シリコーン、水性キャリア、及びそれらの組み合わせ、から選択される材料を更に含み得る。ヘアケア組成物は、リンスオフ又はリーブオントリートメントであり得る。ヘアケア組成物は、ヘアコンディショナーであり得る。オレイン酸及びアゼライン酸は、約1:1~約1:3、あるいは約1:2.5~約1:3のオレイン酸対アゼライン酸、あるいは約1:2~約1:3のオレイン酸対アゼライン酸、あるいは約1:1.5~約1:3のオレイン酸対アゼライン酸の比で添加される。これらの比でのアゼライン酸及びオレイン酸の使用は、ヘアストレングスの相乗的増大をもたらす。組み合わせたストレングス効果は、酸の組み合わせで実現され得る。2種の活性成分は、毛髪の異なる部分に分配されて、ストレングス効果をもたらすと考えられ、オレイン酸は脂質富化細胞膜複合体に、アゼライン酸は毛髪の通常のブリーチヘアのタンパク質領域に、1:3、1:1、及び3:1のオレイン酸:アゼライン酸で、1.25mgの酸/g毛髪で投与される。表1のデータは、約1:1の比からの効果、及びより高い濃度のアゼライン酸をオレイン酸に対して(同じ総量の酸/g毛髪で)有する酸が更により改善されたアルファ値を示す。脂質領域に対して繊維においてより大量のタンパク質領域が存在するため、アゼライン酸対オレイン酸のより高い比から得られる増大した効果は、分配の結果である可能性が高い。
【0011】
【0012】
ヘアケア組成物は、約0.04重量%~約2重量%のアゼライン酸、あるいは約0.1重量%~約1重量%のアゼライン酸を含む。アゼライン酸は、ノナン二酸としても知られており、飽和ジカルボン酸であり、Sigma-Aldrichから入手可能である。それは、にきび及び皮膚の高色素沈着の軽度の症例のトリートメントのために、スキンケア製品に使用されている。
【0013】
ヘアケア製品は、約0.04重量%~約2重量%のオレイン酸、あるいは約0.1重量%~約0.5重量%のオレイン酸を含む。オレイン酸は、シス-9-オクタデセン酸としても知られており、Natural Oleo Chemicalsから入手可能である。それは、健康な毛髪の脂質富化細胞膜複合体において見られる不飽和脂肪酸である。
【0014】
A.カチオン性界面活性剤系
本明細書に記載のヘアケア組成物は、カチオン性界面活性剤系を含む。カチオン性界面活性剤系は、1種のカチオン性界面活性剤、又は2種以上のカチオン性界面活性剤の混合物とすることができる。カチオン性界面活性剤系は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩;モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ;モノ長鎖アルキルアミドアミン塩;モノ長鎖アルキルアミドアミン塩とジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせ、モノ長鎖アルキルアミドアミン塩とモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩との組み合わせから選択することができる。
【0015】
カチオン性界面活性剤系は、ヘアケア組成物の約0.1重量%~約10重量%、あるいは約0.5重量%~約8重量%、あるいは約0.8重量%~約5重量%、あるいは約1.0重量%~約4重量%の濃度でヘアケア組成物中に含まれ得る。
【0016】
モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
本明細書で有用なモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、12~30個の炭素原子、16~24個の炭素原子を有する1つのアルキル長鎖を有するものであり、一実施形態ではC18-22アルキル基でのものである。窒素に結合している残りの基は、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択される。
【0017】
本明細書で有用なモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(I):
【0018】
【化1】
(式中、R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの1つは、12~30個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの残りは、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、X
-は、塩形成アニオン、例えば、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルホネート、サルフェート、アルキルサルフェート、及びアルキルスルホネート基から選択されるものである)を有するものである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル及び/又はエステル結合、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの1つは、12~30個の炭素原子、16~24個の炭素原子、18~22個の炭素原子、及び/又は22個の炭素原子のアルキル基から選択され得、R
75、R
76、R
77、及びR
78の残りは、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、及びこれらの混合物から独立して選択され、Xは、Cl、Br、CH
3OSO
3、C
2H
5OSO
3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0019】
かかるモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、及び水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0020】
モノ長鎖アルキルアミドアミン塩
モノ長鎖アルキルアミンも、カチオン性界面活性剤として好適である。一級、二級、及び三級脂肪族アミンが有用である。約12~約22個の炭素のアルキル基を有する三級アミドアミンが特に有用である。例示的な第三級アミドアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが挙げられる。本発明で有用なアミンは、米国特許第4,275,055号(Nachtigalら)に開示されている。これらのアミンは、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸、及びこれらの混合物などの酸と組み合わせて使用することもでき、一実施形態では、L-グルタミン酸、乳酸、及び/又はクエン酸と組み合わせて使用することもできる。本明細書におけるアミンは、いずれかの酸によって、アミンの酸に対するモル比が約1:0.3~約1:2及び/又は約1:0.4~約1:1で部分的に中和され得る。
【0021】
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩
ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩又はモノ長鎖アルキルアミドアミン塩と組み合わせることができる。このような組み合わせは、モノアルキル四級化アンモニウム塩又はモノ長鎖アルキルアミドアミン塩の単一使用と比べて、すすぎが容易であるという感触をもたらすことができると考えられる。モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩又はモノ長鎖アルキルアミドアミン塩とのこのような組み合わせでは、ジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、カチオン性界面活性剤系中のジアルキル四級化アンモニウム塩の重量%が、約10%~約50%及び/又は約30%~約45%の範囲となるような濃度で使用される。
【0022】
本明細書で有用なジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、12~30個の炭素原子、及び/又は16~24個の炭素原子、及び/又は18~22個の炭素原子を有する2つのアルキル長鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択される。
【0023】
本明細書で有用なジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、以下の式(II):
【0024】
【化2】
(式中、R
75、R
76、R
77及びR
78のうちの2つは、12~30個の炭素原子のアルキル基、又は、最大約30個の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの残りは、独立して、1~約4個の炭素原子のアルキル基、又は最大約4個の炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、X
-は、塩形成アニオン、例えば、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルホネート、サルフェート、アルキルサルフェート、及びアルキルスルホネート基から選択されるものである)を有するものである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル及び/又はエステル結合、並びにアミノ基などの他の基を含有し得る。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約12個以上のものは、飽和又は不飽和であってもよい。R
75、R
76、R
77、及びR
78のうちの1つは、12~30個の炭素原子、16~24個の炭素原子、18~22個の炭素原子、及び/又は22個の炭素原子のアルキル基から選択され得、R
75、R
76、R
77、及びR
78の残りは、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、及びこれらの混合物から独立して選択され、Xは、Cl、Br、CH
3OSO
3、C
2H
5OSO
3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0025】
このようなジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジ水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。また、このようなジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤としては、例えば、不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤も挙げられる。
【0026】
B.高融点脂肪族化合物
ヘアケア組成物は、1種以上の高融点脂肪族化合物を含む。本明細書で有用な1種以上の高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有することができ、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。本明細書のこの項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属し得る(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体としても分類され得る)ということが当業者には理解される。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、二重結合の数及び位置、並びに分枝の長さ及び位置に応じて、特定の炭素原子を有する特定の化合物が、25℃未満の融点を有し得ることが当業者によって理解される。低融点のこのような化合物は、この項に含まれることが意図されていない。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に見出される。
【0027】
様々な高融点脂肪族化合物の中でも、脂肪族アルコールがヘアケア組成物において使用するのに好適である。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14~約30個の炭素原子、約16~約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖であっても分岐鎖アルコールであってもよい。好適な脂肪族アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が使用され得る。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールの群から選択される、純粋な脂肪族アルコールの単一化合物も使用され得る。本明細書で、「純粋な」とは、化合物が、少なくとも約90%及び/又は少なくとも約95%の純度を有することを意味する。これらの高純度の単一化合物は、消費者が組成物を洗い流すときに、毛髪からの良好な洗い流し易さをもたらす。
【0029】
1種以上の高融点脂肪族化合物は、ヘアケアの約0.1重量%~約20重量%、あるいは約1重量%~約15重量%、更にあるいは約1.5重量%~約8重量%の濃度でヘアケア組成物中に含まれ得る。1種以上の高融点脂肪族化合物は、ヘアケア組成物を湿潤な毛髪に適用している際のツルツルとした感触、乾いた毛髪における上の毛髪の柔らかさ、及び乾いた毛髪におけるしっとりとした感触などの改善されたコンディショニング効果をもたらし得る。
【0030】
C.水性キャリア
ヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の約75重量%~約98重量%、あるいは約80重量%~約95重量%の濃度で水性キャリアを含む。したがって、ヘアケア組成物は、(周囲条件下で)注ぐことが可能な液体の形態であってもよい。この水性キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよく、一態様では、特に他の構成成分の微量成分として組成物中に偶発的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意な濃度の有機溶媒を有していない水を含んでもよい。
【0031】
水性キャリアは、低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を含み得る。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0032】
ヘアケア組成物は、25℃で約2~約10、あるいは約3~約8の範囲のpHを有し得る。ヘアケア組成物はまた、存在する鉱物及びレドックス金属付着物を洗い落とすのにも有効であり得、これにより、キューティクルの変形を低減して、キューティクルの欠け落ち(chipping)及びダメージを低減することができる。
【0033】
D.ゲルマトリックス
ヘアケア組成物は、ゲルマトリックスを更に含み得る。ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアを含む。
【0034】
ゲルマトリックスは、濡れた毛髪に適用している際のツルツルとした感触、乾いた毛髪における柔らかさ及びしっとりとした感触などの様々なコンディショニング効果をもたらすのに好適である。上述のゲルマトリックスの提供を考慮して、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、カチオン性界面活性剤対高融点脂肪族化合物の重量比が約1:1~約1:10、及び/又は約1:1~約1:6の範囲であるような濃度で含有される。
【0035】
E.追加成分
1.シリコーンコンディショニング剤
ヘアケア組成物は、シリコーン化合物を含むシリコーンコンディショニング剤を含んでもよい。シリコーン化合物は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでよい。揮発性シリコーンが存在する場合、典型的には、シリコーンゴム及び樹脂等の市販の形態の不揮発性シリコーン材料成分用の溶媒又はキャリアとしての使用に付随するものである。シリコーン化合物は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、またシリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪のツヤを増強するために、シリコーン樹脂等の他の成分を含んでもよい。ヘアケア組成物中のシリコーン化合物の濃度は、典型的には、約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、又は更には約0.2重量%~約3重量%の範囲である。本明細書で使用するのに好適なシリコーンとしては、PDMS(ジメチコン)シリコーン、PQAS(シリコーンクオタニウム-26);PDMS、末端アミノシリコーン、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
追加の好適なシリコーン化合物としては、(a)不揮発性であり、実質的にアミノ基を含まず、約100,000mm2s-1~約30,000,000mm2s-1の粘度を有する第1のポリシロキサン、(b)不揮発性であり、実質的にアミノ基を含まず、約5mm2s-1~約10,000mm2s-1の粘度を有する第2のポリシロキサン、(c)アミノシリコーンの重量の約0.5重量%未満の窒素を有するアミノシリコーン、(d)25℃で測定したときに約100×106mm2s-1超の内相粘度を有するシリコーンコポリマーエマルジョン、(e)四級基を含有するシリコーンポリマー、又は(f)グラフト化シリコーンコポリオールが挙げられ、シリコーン化合物(a)~(f)は、米国特許出願公開第2008/0292574号、同第2007/0041929号、同第2008/0292575号、及び同第2007/0286837号に開示されており、これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
a.第1のポリシロキサン
ヘアケア組成物は、第1のポリシロキサンを含み得る。第1のポリシロキサンは、不揮発性であり、アミノ基を実質的に含まない。第1のポリシロキサンが「アミノ基を実質的に含まない」とは、第1のポリシロキサンが0重量%のアミノ基を含有することを意味し得る。第1のポリシロキサンは、25℃で約100,000mm2s-1~約30,000,000mm2s-1の粘度を有する。例えば、粘度は、約300,000mm2s-1~約25,000,000mm2s-1、又は約10,000,000mm2s-1~約20,000,000mm2s-1の範囲であってよい。第1のポリシロキサンは、約100,000~約1,000,000の分子量を有する。例えば、分子量は、約130,000~約800,000、又は約230,000~約600,000の範囲であってよい。一態様によれば、第1のポリシロキサンは、非イオン性であってよい。
【0038】
本明細書で有用な例示的な第1の不揮発性ポリシロキサンとしては、以下の一般式(I):
【0039】
【化3】
(式中、Rは、アルキル又はアリールであり、pは、約1,300~約15,000、例えば、約1,700~約11,000、又は約3,000~約8,000の整数である)によるものが挙げられる。Zは、シリコーン鎖の末端を封鎖する基を表す。シロキサン鎖において置換されるアルキル若しくはアリール基(R)又はシロキサン鎖の末端において置換されるアルキル若しくはアリール基Zは、得られるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性であり、毛髪に適用されたときに刺激性がなく、毒性もなく、その他の点で有害でもなく、組成物の他の成分と相溶性であり、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定であり、毛髪に付着することができ、毛髪の状態を整える限り、任意の構造を有してよい。好適なZ基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。各ケイ素原子における2個のR基は、同じ基を表してもよく、異なる基を表してもよい。2つのR基は、同じ基を表し得る。好適なR基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。例示的なシリコーン化合物としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ポリジメチルシロキサンは、第1のポリシロキサンであり得る。本明細書で有用な市販のシリコーン化合物としては、例えば、General Electric CompanyからTSF451シリーズで入手可能なもの、及びDow CorningからDow Corning SH200シリーズで入手可能なものが挙げられる。
【0040】
本明細書で使用することができるシリコーン化合物としてはまた、シリコーンゴムも挙げられる。「シリコーンゴム」という用語は、本明細書で使用するとき、25℃で1,000,000mm2s-1以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載されるシリコーンゴムが、上に開示されたシリコーン化合物といくらかの重複を有する場合もあることが認識される。この重複は、これら材料のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンゴム」は、典型的には、約165,000超、概して、約165,000~約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な市販のシリコーンゴムとしては、例えば、General Electric Companyから入手可能なTSE200Aが挙げられる。
【0041】
b.第2のポリシロキサン
ヘアケア組成物は、第2のポリシロキサンを含み得る。第2のポリシロキサンは、不揮発性であり、アミノ基を実質的に含まない。本発明では、第2のポリシロキサンが「アミノ基を実質的に含まない」とは、第2のポリシロキサンが0重量%のアミノ基を含有することを意味する。第2のポリシロキサンは、25℃で約5mm2s-1~約10,000mm2s-1、例えば、約5mm2s-1~約5,000mm2s-1、約10mm2s-1~約1,000mm2s-1、又は約20mm2s-1~約350mm2s-1の粘度を有する。第2のポリシロキサンは、約400~約65,000の分子量を有する。例えば、第2のポリシロキサンの分子量は、約800~約50,000、約400~約30,000、又は約400~約15,000の範囲であり得る。一態様によれば、第2のポリシロキサンは、非イオン性であってよい。別の態様によれば、第2のポリシロキサンは、直鎖シリコーンであってよい。
【0042】
本明細書で有用な例示的な第2の不揮発性ポリシロキサンとしては、以下の一般式(II):
【0043】
【化4】
(式中、R
1は、アルキル又はアリールであり、rは、約7~約850、例えば、約7~約665、約7~約400、又は約7~約200の整数である)によるポリアルキル又はポリアリールシロキサンが挙げられる。Z
1は、シリコーン鎖の末端を封鎖する基を表す。シロキサン鎖において置換されるアルキル若しくはアリール基(R
1)又はシロキサン鎖の末端において置換されるアルキル若しくはアリール基Z
1は、得られるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性であり、毛髪に適用されたときに刺激性がなく、毒性もなく、その他の点で有害でもなく、組成物の他の成分と相溶性であり、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定であり、毛髪に付着することができ、毛髪の状態を整える限り、任意の構造を有してよい。好適なZ
1基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。各ケイ素原子における2個のR
1基は、同じ基を表しても異なる基を表してもよい。2つのR
1基は、同じ基を表し得る。好適なR
1基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。例示的なシリコーン化合物としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ポリジメチルシロキサンは、第2のポリシロキサンであり得る。本明細書で有用な市販のシリコーン化合物としては、例えば、General Electric CompanyからTSF451シリーズで入手可能なもの、及びDow CorningからDow Corning SH200シリーズで入手可能なものが挙げられる。
【0044】
c.アミノシリコーン
ヘアケア組成物は、摩擦低減効果を考慮して、アミノシリコーンの約0.5重量%未満、例えば、約0.2重量%未満、又は約0.1重量%未満の窒素を有する、アミノシリコーンを含んでよい。驚くべきことに、アミノシリコーン中の窒素(アミン官能基)の濃度が高くなると、摩擦低減が少なくなる傾向があり、結果としてアミノシリコーンから得られるコンディショニング効果も低くなることが分かった。本明細書で有用なアミノシリコーンは、摩擦低減効果を考慮して、200超のシロキサン単位を有する少なくとも1つのシリコーンブロックを有し得る。本明細書で有用なアミノシリコーンとしては、例えば、四級化アミノシリコーン及び非四級化アミノシリコーンが挙げられる。
【0045】
本明細書で有用なアミノシリコーンは、水不溶性である。「水不溶性アミノシリコーン」とは、25℃で水100g当たり10g以下、あるいは、25℃で水100g当たり5g以下、及びあるいは、25℃で水100g当たり1g以下の溶解度を有するアミノシリコーンを意味する。「水不溶性アミノシリコーン」とは、アミノシリコーンがコポリオール基を実質的に含まないことを意味する。コポリオール基が存在する場合、それらはアミノシリコーンの10重量%未満、1重量%未満、又は0.1重量%未満の濃度で存在する。
【0046】
本明細書で有用なアミノシリコーンは、一般式(III):
(R2)aG3-a-Si(-O-SiG2)n(-O-SiGb(R2)2-b)m-O-SiG3-a(R2)a (IIII)
(式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1~C8アルキル、例えばメチルであり、aは、1~3の値を有する整数、例えば1であり、bは、0~2の値を有する整数、例えば1であり、nは、1~2,000、の整数、例えば、100~1,800、又は300~800、又は500~600の整数であり、mは、0~1,999の値を有する整数、例えば0~10の値を有する整数、又は0であり、R2は、一般式CqH2qLに一致する一価基であり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、以下:-N(R3
2)CH2-CH2-N(R3
2)2、-N(R3)2、-N+(R3)3A-、-N(R3)CH2-CH2-N+R3H2A-の群から選択され、R3は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素基、例えば、約C1~約C20のアルキル基であり、A-は、ハライドイオンである)に一致するものである。Lは、-N(CH3)2又は-NH2であり得る。あるいは、Lは、-NH2であり得る。
【0047】
上式のアミノシリコーンは、組成物の約0.1重量%~約5重量%、あるいは約0.2重量%~約2重量%、あるいは約0.2重量%~約1.0重量%、あるいは約0.3重量%~約0.8重量%の濃度で用いられる。
【0048】
アミノシリコーンは、式(III)に相当する化合物を含み得、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、約1600等の約1400~約1700であり、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、例えば-NH2である。アミノシリコーンは、式(III)に相当する化合物を含み得、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは、約400~約800、例えば約500~約600であり、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、例えば-NH2である。したがって、上記のアミノシリコーンは、末端アミノシリコーンと呼ばれる場合もあり、それは、シリコーン鎖の一端又は両端が窒素含有基を末端としているためである。かかる末端アミノシリコーンは、グラフトアミノシリコーンと比べて改善された摩擦低減をもたらすことができる。
【0049】
本明細書で有用なアミノシリコーンの別の例としては、例えば、信越化学工業から入手可能な商品名KF8020を有する四級化アミノシリコーンが挙げられる。
【0050】
上記のアミノシリコーンは、ヘアケア組成物に配合する場合、より低い粘度を有する溶媒と混合してよい。このような溶媒としては、例えば、極性又は非極性の揮発性又は不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような様々な溶媒の中でも、例示的な溶媒としては、非極性揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性直鎖シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。本明細書で有用な不揮発性直鎖シリコーンは、25℃で約1mm2s-1~約20,000mm2s-1、例えば、約20mm2s-1~約10,000mm2s-1の粘度を有するものである。溶媒は、アミノシリコーンの粘度を低下させ、乾燥した毛髪の摩擦が低減するなどの改善されたヘアコンディショニング効果をもたらすという観点から、非極性で揮発性の炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンであり得る。そのような混合物は、約1,000mPa.s~約100,000mPa.s、あるいは約5,000mPa.s~約50,000mPa.sの粘度を有し得る。
【0051】
d.シリコーンコポリマーエマルジョン
ヘアケア組成物は、約100×106mm2s-1超の内相粘度を有するシリコーンコポリマーエマルジョンを含み得る。シリコーンコポリマーエマルジョンは、清浄な感触をもたらすことを考慮して、組成物の約0.1重量%~約15重量%、あるいは約0.3重量%~約10重量%、あるいは約0.5重量%~約5重量%の量で存在し得る。
【0052】
シリコーンコポリマーエマルジョンは、25℃で約100×106mm2s-1超、あるいは約120×106mm2s-1超、あるいは約150×106mm2s-1の粘度を有し得る。あるいは、シリコーンコポリマーエマルジョンは、25℃で約1000×106mm2s-1未満、あるいは約500×106mm2s-1未満、あるいは約300×106mm2s-1未満の粘度を有する。シリコーンコポリマーエマルジョンの内相粘度を測定するには、初めにエマルジョンからポリマーを切り離してよい。例として、以下の手順を使用してエマルジョンからポリマーを切り離すことができる。1)10gのエマルジョン試料を15mLのイソプロピルアルコールに添加する。2)スパチュラを使用してよく混合する。3)イソプロピルアルコールをデカントする。4)10mLのアセトンを添加し、スパチュラを使用してポリマーをよく練る。5)アセトンをデカントする。6)ポリマーをアルミニウム容器に入れ、ペーパータオルを使用して平板化する/乾燥させる。7)80℃で2時間乾燥させる。次いで、例えば、動的剪断モードで動作するCarriMed、Haake、又はMonsantoレオメーター等の任意の公知のレオメーターを用いて、ポリマーを試験することができる。内相粘度値は、9.900×10-3Hzの周波数点における動的粘度(n’)を記録することによって得ることができる。エマルジョンの平均粒径は、約1マイクロメートル未満、例えば、約0.7ミクロン未満であり得る。
【0053】
本発明のシリコーンコポリマーエマルジョンは、シリコーンコポリマー、少なくとも1種の界面活性剤、及び水を含み得る。
【0054】
シリコーンコポリマーは、金属含有触媒の存在下で、以下の2種の材料の付加反応から得られる。
(i)一般式(IV):
【0055】
【化5】
(式中、
R
4は、例えば、水素原子、エチレン性不飽和を有する脂肪族基(すなわち、ビニル、アリル、又はヘキセニル)、ヒドロキシル基、アルコキシル基(すなわち、メトキシ、エトキシ、又はプロポキシ)、アセトキシル基、又はアミノ若しくはアルキルアミノ基等の鎖付加反応により反応可能な基であり、
R
5は、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアルキルアリールであり、エーテル、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、チオール、エステル、及びスルホネートなどの更なる官能基を含み得、R
5は、メチルであり得る。)任意に、実質的に直鎖であるが少量の分岐を有するポリマーを生成するために、低モルパーセントの基が、R
5について上に記載したような反応性基であってもよい。この場合、R
4基と等しいR
5基の濃度は、モルパーセント基準で約10%未満、例えば約2%未満であってよく、sは、式(IV)のポリシロキサンが、約1mm
2s
-1~約1×10
6mm
2s
-1の粘度を有するような値を有する整数である。
及び
(ii)式(IV)のポリシロキサンのR
4基と反応可能な少なくとも1つ若しくは最大2つの基を含む、少なくとも1種のシリコーン化合物又は非シリコーン化合物。反応性基は、エチレン性不飽和を有する脂肪族基であり得る。
【0056】
上述の反応で使用される金属含有触媒は、特定の反応に特異的であることが多い。かかる触媒は、当該技術分野において既知である。概して、かかる触媒は、白金、ロジウム、スズ、チタン、銅、鉛等の金属を含有する材料である。
【0057】
また、エマルジョンを形成するために使用される混合物は、少なくとも1種の界面活性剤も含有してよい。この界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、アルキル多糖類、両性界面活性剤等を挙げることができる。上記界面活性剤は、個々に使用してもよく、併用してもよい。
【0058】
本明細書に記載のシリコーンコポリマーエマルジョンを作製する例示的な方法は、1)上記材料(a)と上記材料(b)とを混合し、次いで、材料(b)が金属含有触媒の存在下で材料(a)と反応できるように、適切な金属含有触媒中に混ぜ入れる工程と、2)少なくとも1種の界面活性剤及び水を更に混ぜ入れる工程と、3)混合物を乳化させる工程と、を含む。かかるシリコーンコポリマーエマルジョンを作製する方法は、米国特許第6,013,682号、国際公開第01/58986(A1)号、及び欧州特許出願第0874017(A2)号に開示されている。
【0059】
市販のシリコーンコポリマーエマルジョンの例は、Dow Corningから商品名HMW2220で入手可能な、最低120×106mm2s-1の内相粘度を有する約60~70重量%のジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマーのエマルジョンである。
【0060】
e.四級基を含有するシリコーンポリマー
ヘアケア組成物は、四級基を含有するシリコーンポリマー(すなわち、四級化シリコーンポリマー)を含んでもよい。四級化シリコーンポリマーは、滑らかな感触、摩擦低減、毛髪のダメージの予防等の改善されたコンディショニング効果をもたらす。特に、四級基は、ダメージを受けた毛髪/染めた毛髪との親和性が良好であり得る。四級化シリコーンポリマーは、ヘアコンディショニング組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%の量で存在する。例えば、四級化シリコーンポリマーは、組成物の約0.2重量%~約10重量%、あるいは約0.3重量%~約5重量%、あるいは約0.5重量%~約4重量%の量で存在し得る。
【0061】
本発明の四級化シリコーンポリマーは、少なくとも1つのシリコーンブロック、及び四級窒素基を含有する少なくとも1つの非シリコーンブロックから構成され、非シリコーンブロックの数は、シリコーンブロックの数よりも1つ多い。シリコーンポリマーは、以下の一般構造(V):
A1-B-(A2-B)m-A1 (V)
(式中、Bは、200超のシロキサン単位を有するシリコーンブロックであり、A1は、四級基を含有し得る末端基であり、A2は、四級窒素基を含有する非シリコーンブロックであり、mは、0以上の整数であり、但し、m=0の場合、A1基は四級基を含有する)に相当する。
【0062】
この一般式に相当する構造は、例えば、米国特許第4,833,225号、米国特許出願公開第2004/0138400号、同第2004/0048996号、及び同第2008/0292575号に開示されている。
【0063】
シリコーンポリマーは、以下の構造(VI):
【0064】
【化6】
(式中、Aは少なくとも1個の四級窒素基を含有する基であって、ケイ素-炭素結合によってシリコーンブロックのケイ素原子と結合する、基であり、それぞれのAは、独立して同じであっても異なっていてもよく、R
6は、約1~約22個の炭素原子のアルキル基又はアリール基であり、各R
6は、独立して同じであっても異なっていてもよく、tは0以上の値を有する整数であり、例えば、tは、約200超の整数、例えば、20未満、10未満であり得、uは約250超、又は約300超の整数であり、uは、約700未満、又は約500未満であってよい)によって表すことができる。R
6は、メチルであり得る。
【0065】
f.グラフト化シリコーンコポリオール
ヘアケア組成物は、四級化シリコーンポリマーと組み合わせてグラフト化シリコーンコポリオールを含んでもよい。このグラフト化シリコーンコポリオールは、四級化シリコーンポリマーの粘度を減少させることで四級化シリコーンポリマーの展延性を改善でき、また、水性コンディショナーマトリックスにおいて四級化シリコーンポリマーを安定化させることもできると考えられる。また、このように展延性が改善されることによって、本発明のヘアケア組成物は、べたつき感の減少とともに摩擦低減及び/又はダメージの予防等のより良好なドライコンディショニング効果をもたらすことができると考えられる。驚くべきことに、四級化シリコーンポリマーと、グラフト化シリコーンコポリオールと、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系とを組み合わせると、類似の組み合わせと比較して、改善された摩擦低減効果が得られることが分かった。かかる類似の組み合わせとは、例えば、グラフト化シリコーンコポリオールが末端保護されたシリコーンコポリオールで置換されている組み合わせ、及び、カチオン性界面活性剤系がジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を実質的に含まない別の組み合わせである。
【0066】
グラフト化シリコーンコポリオールは、グラフト化シリコーンコポリオールの、四級化シリコーンコポリマーとのその混合物に対する重量%が、約1重量%~約50重量%、あるいは約5重量%~約40重量%、あるいは約10重量%~30重量%の範囲内にあるような濃度で組成物中に含有される。
【0067】
本明細書で有用なグラフト化シリコーンコポリオールは、ジメチコン骨格などのシリコーン骨格と、ポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド置換基などのポリオキシアルキレン置換基と、を有するものである。本明細書で有用なグラフト化シリコーンコポリオールは、約5~約17、例えば、約8~約17、又は約8~約12の親水性親油性バランス(HLB)値を有する。同じINCI名称を有するグラフト化シリコーンコポリオールは、シリコーン部分の分子量並びにポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド置換基の数に依存して、様々な重量比を有する。
【0068】
好適な市販のグラフト化ジメチコンコポリオールとしては、例えば、約9~約12のHLB値を有し、GEから入手可能な商品名Silsoft430(INCI名「PEG/PPG-20/23ジメチコン」)を有するもの、約13~約17のHLB値を有し、商品名Silsoft475(INCI名「PEG-23/PPG-6ジメチコン」)を有するもの、約13~約17のHLB値を有し、商品名Silsoft880(INCI名「PEG-12ジメチコン」)を有するもの、約9~約12のHLB値を有し、商品名Silsoft440(INCI名「PEG-20/PPG-23ジメチコン」)を有するもの、Dow Corningから入手可能な商品名DC5330(INCI名「PEG-15/PPG-15ジメチコン」)を有するものが挙げられる。
【0069】
以下で論じるとおり、上記の四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールは、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物によって形成されるゲルマトリックスに配合される前に、混合され、乳化界面活性剤によって乳化されてよい。この予備混合物は、四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールの挙動を改善することができ、例えば、安定性を増大させ、粘度を低下させて、他の構成成分とともにより均質化された処方物を形成すると考えられている。そのような乳化界面活性剤は、ヘアコンディショニング組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約1.5重量%、あるいは約0.005重量%~約1.0重量%、あるいは約0.01重量%~約0.5重量%の濃度で使用してよい。かかる界面活性剤は、非イオン性であってよく、約2~約15、例えば、約3~約14、又は約3~約10のHLB値を有し得る。乳化界面活性剤の市販例としては、日光ケミカルズから商品名NIKKOL BT-3として供給されている、約8のHLB値を有し、INCI名C12~C14パレス-3を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0070】
ヘアケア組成物は、EDDS金属イオン封鎖剤及びゲルマトリックスとともに、2種以上のシリコーンコンディショニング剤の組み合わせを含み得る。
【0071】
ヘアケア組成物は、(i)不揮発性であり、実質的にアミノ基を含まず、約100,000mm2s-1~約30,000,000mm2s-1の粘度を有する、第1のポリアルキルシロキサン、及び(ii)不揮発性であり、実質的にアミノ基を含まず、約5mm2s-1~約10,000mm2s-1の粘度を有する、第2のポリアルキルシロキサンを含む、ポリアルキルシロキサン混合物と、アミノシリコーンの約0.5重量%未満の窒素を有する、アミノシリコーンと、25℃で測定したとき、約100×106mm2s-1超の内相粘度を有する、シリコーンコポリマーエマルジョンと、を含み得る。例えば、ヘアケア組成物は、(i)不揮発性であり、実質的にアミノ基を含まず、約100,000mm2s-1~約30,000,000mm2s-1の粘度を有する、第1のポリアルキルシロキサン、及び(ii)不揮発性であり、実質的にアミノ基を含まず、約5mm2s-1~約10,000mm2s-1の粘度を有する、第2のポリアルキルシロキサンを含む、約0.5重量%~約10重量%のポリアルキルシロキサン混合物と、アミノシリコーンの約0.5重量%未満の窒素を有する、約0.1重量%~約5重量%のアミノシリコーンと、25℃で測定したとき、約100×106mm2s-1超の内相粘度を有する、約0.1重量%~約5重量%のシリコーンコポリマーエマルジョンと、を含み得る。
【0072】
ヘアケア組成物は、四級基を含有するシリコーンポリマーであって、約200超のシロキサン単位を有するシリコーンブロックを含む、シリコーンポリマーと、グラフト化シリコーンコポリオールと、を含み得る。例えば、ヘアケア組成物は、約0.1重量%~約15重量%の、四級基を含有するシリコーンポリマーであって、約200超のシロキサン単位を有するシリコーンブロックを含む、シリコーンポリマーと、グラフト化シリコーンコポリオールの四級化シリコーンポリマーとの混合物中のグラフト化シリコーンコポリオールの重量%が約1重量%~約50重量%の範囲になるような濃度の、グラフト化シリコーンコポリオールと、を含み得る。
【0073】
ヘアケア組成物は、約1,000センチストークス~約1,000,000センチストークスの粘度、及びアミノシリコーンの約0.5重量%未満の窒素を有する、アミノシリコーンと、(2)25℃で測定したとき、約120×106センチストークス超の内相粘度を有するシリコーンコポリマーエマルジョンと。を含み得る。
【0074】
2.その他のコンディショニング剤
また、Procter & Gamble Companyにより米国特許第5,674,478号及び同第5,750,122号に記載されているコンディショニング剤も、本明細書のヘアケア組成物において用いるのに好適である。同様に、米国特許第4,529,586号、同第4,507,280号、同第4,663,158号、同第4,197,865号、同第4,217、914号、同第4,381,919号及び同第4,422、853号に記載されているコンディショニング剤も本明細書で用いるのに好適である。
【0075】
a.有機コンディショニング油
ヘアケア組成物はまた、有機コンディショニング油を更に含んでもよい。ヘアケア組成物は、(本明細書に記載される)シリコーンなどのその他のコンディショニング剤と組み合わせて、約0.05重量%~約3重量%、約0.08重量%~約1.5重量%、又は更には約0.1重量%~約1重量%の少なくとも1種の有機コンディショニング油を、コンディショニング剤として含んでもよい。好適なコンディショニング油としては、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルが挙げられる。好適な炭化水素油としては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環式炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、並びに分岐鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及び混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、典型的には、約C12~約C19である。分岐鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを含む)は、典型的には、19個超の炭素原子を含有する。好適なポリオレフィンとしては、液体ポリオレフィン、液体ポリ-α-オレフィン、又は更には水素添加液体ポリ-α-オレフィンが挙げられる。本明細書で使用するためのポリオレフィンは、C4~約C14又は更にはC6~約C12の重合によって調製することができる。好適な脂肪酸エステルとしては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これに限定されない。これらの脂肪酸エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖とのエステル(例えばモノエステル、多価アルコールエステル、並びにジ-及びトリ-カルボン酸エステル)が挙げられる。本明細書における脂肪酸エステルのヒドロカルビル基は、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)等、他の適合性官能基を含んでいてもよく、それに共有結合していてもよい。
【0076】
3.非イオン性ポリマー
ヘアケア組成物は、非イオン性ポリマーを更に含み得る。本発明のヘアケア組成物に使用するためのコンディショニング剤は、ポリアルキレングリコールポリマーを含んでいてよい。例えば、約1000超の分子量を有するポリアルキレングリコールが、本明細書で有用である。次の一般式(VIII):
【0077】
【化7】
(式中、R
11は、H、メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、vは、エトキシ単位の数である)を有するものが有用である。ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールは、本発明のヘアケア組成物に約0.001重量%~約10重量%の濃度で含まれ得る。ポリエチレングリコールは、組成物の重量に基づいて最大約5重量%の量で存在し得る。本明細書で有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG-2M(Polyox WSR(登録商標)N-10としても既知であり、Union CarbideからPEG-2,000として入手可能である);PEG-5M(Polyox WSR(登録商標)N-35及びPolyox WSR(登録商標)N-80としても既知であり、Union CarbideからPEG-5,000及びPolyethylene Glycol 300,000として入手可能である);PEG-7M(Polyox WSR(登録商標)N-750としても既知であり、Union Carbideから入手可能である);PEG-9M(Polyox WSR(登録商標)N-3333としても既知であり、Union Carbideから入手可能である);及びPEG-14M(Polyox WSR(登録商標)N-3000としても既知であり、Union Carbideから入手可能である)である。
【0078】
4.懸濁剤
ヘアケア組成物は、水不溶性材料を組成物中に分散した形態で懸濁するために又は組成物の粘度を改変するために有効な濃度で懸濁剤を更に含んでもよい。そのような濃度は、約0.1重量%~約10重量%、又は更には約0.3重量%~約5.0重量%の範囲である。
【0079】
本明細書で有用な懸濁剤としては、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。架橋アクリル酸ポリマー(CTFA名称カルボマー)等のビニルポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末等のセルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーゴム、ヒドロキシプロピルグアーゴム、キサンタンゴム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、イナゴマメゴム、グアーゴム、カラヤゴム、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(シドニア・オブロンガ・ミル(Cydonia oblonga Mill))、デンプン(米、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物学的ポリマー、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系ポリマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート等のアクリレートポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びにベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸等の無機水溶性材料が、本明細書で有用である。
【0080】
本明細書で非常に有用な市販の粘度改変剤としては、全てB.F.Goodrich Companyから入手可能な商品名Carbopol(登録商標)934、Carbopol(登録商標)940、Carbopol(登録商標)950、Carbopol(登録商標)980、及びCarbopol(登録商標)981のカルボマー、Rohm and Hassから入手可能な商品名ACRYSOL(商標)22のアクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、Amercholから入手可能な商品名Amercell(商標)POLYMER HM-1500のノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、全て、Herculesから供給されている商品名BENECEL(登録商標)のメチルセルロース、商品名NATROSOL(登録商標)のヒドロキシエチルセルロース、商品名KLUCEL(登録商標)のヒドロキシプロピルセルロース、商品名POLYSURF(登録商標)67のセチルヒドロキシエチルセルロース、全てAmercholから供給されている商品名CARBOWAX(登録商標)PEGs、POLYOX WASRs、及びUCON(登録商標)FLUIDSのエチレンオキシソ及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーが挙げられる。
【0081】
他の任意による懸濁剤としては、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物として分類することができる、結晶性懸濁剤が挙げられる。これらの懸濁剤は、米国特許第4,741,855号に記載されている。
【0082】
これらの懸濁剤としては、一態様では、約16~約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。一態様では、有用な懸濁剤としては、エチレングリコールステアレート(モノ及びジステアレートの両方)が挙げられるが、一態様では、約7%未満のモノステアレートを含有するジステアレートが挙げられる。他の好適な懸濁剤としては、約16~約22個の炭素原子、又は更には約16~18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その例としては、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド、及びステアリン酸モノエタノールアミドステアレートが挙げられる。他の長鎖アシル誘導体としては、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテートなど);長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート);及びグリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート、トリヒドロキシステアリン、トリベヘニン)(その市販例がThixin(登録商標)Rであり、Rheox,Inc.から入手可能である)が挙げられる。上述で列挙された材料に加えて、長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドが懸濁剤として使用され得る。
【0083】
懸濁剤として用いるのに好適な他の長鎖アシル誘導体としては、N,N-ジヒドロカルビルアミド安息香酸及びその可溶性塩(例えば、Na、K)、特に、この分類のN,N-ジ(水素添加)C16、C18及びタローアミド安息香酸種が挙げられ、これらはStepan Company(Northfield,Ill.,USA)から市販されている。
【0084】
懸濁剤として使用するのに好適な長鎖アミンオキシドの例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、例えば、ステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0085】
他の好適な懸濁剤としては、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル部分を有する一級アミン(その例としては、パルミタミン又はステアラミンが挙げられる)、及びそれぞれ少なくとも約12個の炭素原子を有する2つの脂肪酸アルキル部分を有する二級アミン(その例としては、ジパルミトイルアミン又はジ(水素添加タロー)アミンが挙げられる)が挙げられる。更に他の好適な懸濁剤としては、ジ(水素添加タロー)フタル酸アミド、及び架橋無水マレイン酸-メチルビニルエーテルコポリマーが挙げられる。
【0086】
H.有益剤
ヘアケア組成物は、1種以上の追加の有益剤を更に含み得る。有益剤は、抗ふけ剤、ビタミン、脂溶性ビタミン、キレート剤、香料、増白剤、酵素、感覚剤、誘引剤、抗菌剤、染料、顔料、ブリーチ剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。
【0087】
一態様では、上記有益剤は、抗ふけ剤を含んでいてもよい。このような抗ふけ微粒子は、組成物の構成成分と物理的及び化学的に適合している必要があり、過度に製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なわないものである必要がある。
【0088】
ヘアケア組成物は、抗ふけ活性成分の微粒子であり得る抗ふけ活性成分を含み得る。抗ふけ活性成分は、ピリジンチオン塩;ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなどのアゾール;硫化セレン;粒子状硫黄;サリチル酸などの角質溶解剤;及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。抗ふけ微粒子は、ピリジンチオン塩であり得る。
【0089】
ピリジンチオン微粒子は、好適な微粒子抗ふけ活性成分である。抗ふけ活性成分は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩であり得、微粒子形態である。ピリジンチオン抗ふけ微粒子の濃度は、約0.01重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.1重量%~約2重量%の範囲である。ピリジンチオン塩は、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウムなどの重金属、概して亜鉛から形成されるもの、典型的には1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)、通常、小板粒子形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩である。小板粒子形態であり得る1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩は、最大約20ミクロン、又は最大約5ミクロン、又は最大約2.5ミクロンの平均粒径を有し得る。他のカチオン(例えば、ナトリウム)から形成される塩もまた好適であり得る。ピリジンチオン抗ふけ活性成分は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0090】
ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性成分に加えて、組成物は、1種以上の抗真菌及び/又は抗菌活性成分を更に含んでいてもよい。抗菌活性成分は、コールタール、硫黄、フチャコール(fcharcoal)、ホイットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィンなど)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。抗菌剤は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0091】
アゾール抗菌剤は、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールであり得、又はアゾール抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールである。アゾール抗細菌活性成分は、ヘアケア組成物中に存在する場合、約0.01重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.3重量%~約2重量%の量で含まれ得る。アゾール抗菌剤は、ケトコナゾールであり得る。唯一の抗菌剤が、ケトコナゾールであり得る。
【0092】
ヘアケア組成物の実施形態はまた、抗菌活性成分の組み合わせも含んでもよい。抗菌活性成分の組み合わせは、オクトピロックスと亜鉛ピリチオン、パインタールと硫黄、サリチル酸と亜鉛ピリチオン、サリチル酸とエルビオール、亜鉛ピリチオンとエルビオール、亜鉛ピリチオンとクリンバゾール(climbasole)、オクトピロックスとクリンバゾール(climbasole)、サリチル酸とオクトピロックスの組み合わせ、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0093】
ヘアケア組成物は、有効な量の亜鉛含有層状材料を含み得る。ヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の総重量で、約0.001重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約7重量%、又は約0.1重量%~約5重量%の亜鉛含有層状材料を含み得る。
【0094】
亜鉛含有層状材料は、結晶の成長が主に二次元で生じたものであってもよい。層構造は、全ての原子が十分画定された層に組み込まれているものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層間にイオン又は分子があるものとしても説明することが慣例的である(A.F.Wells「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状材料(zinc-containing layered material、ZLM)は、亜鉛を層に組み込んでいてもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。以下のZLMの部類は、全般的カテゴリの比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合する、より広範囲の材料に関して限定することを意図するものではない。
【0095】
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。ZLMは、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。亜鉛を含有する関連鉱物もまた、組成物中に含まれていてもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)等のアニオン性層の種がイオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する、天然のZLMもまた存在し得る。これら天然材料は全て、合成によって得ることもでき、又は組成物中においてその場で、若しくは製造プロセス中に形成することもできる。
【0096】
常にではないが、多くの場合合成である、ZLMの別の一般的な部類は、層状複水酸化物である。ZLMは、式[M2+
1-xM3+
x(OH)2]x+ Am-
x/m・nH2O(式中、二価イオン(M2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンである)に一致する層状複水酸化物であり得る(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429-42)。
【0097】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、更に別の部類のZLMを調製することもできる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,K Inorg.Chem.1999,38,4211-6)。ZLMは、式[M2+
1-xM2+
1+x(OH)3(1-y)]+ An-
(1=3y)/n・nH2O(式中、2つの金属イオン(M2+)は、同じであっても異なっていてもよい)に一致するヒドロキシ複塩であり得る。金属イオンが同一であり亜鉛で表される場合、式は簡素化され、[Zn1+x(OH)2]2x+ 2x A-・nH2Oとなる。この後者の式は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛等の材料を表す(x=0.4である場合)。ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛であり得る。これらはまた、二価のアニオンで一価のアニオンを置き換えた、水亜鉛土にも関連する。また、これらの材料は、組成物中においてその場で、又は製造プロセス中に形成することができる。
【0098】
亜鉛含有層状材料及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含有する製品では、亜鉛含有層状材料のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩に対する比は、約5:100~約10:1、又は約2:10~約5:1、又は約1:2~約3:1である。
【0099】
抗ふけ活性成分の頭皮への付着量は、少なくとも約1マイクログラム/cm2である。抗ふけ活性成分が頭皮に到達し、そこで確実にその作用を発揮できるようにすることを考慮すれば、抗ふけ活性成分の頭皮上への付着量は重要である。頭皮上への抗ふけ活性成分の付着量は、少なくとも約1.5マイクログラム/cm2、又は少なくとも約2.5マイクログラム/cm2、又は少なくとも約3マイクログラム/cm2、又は少なくとも約4マイクログラム/cm2、又は少なくとも約6マイクログラム/cm2、又は少なくとも約7マイクログラム/cm2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm2、又は少なくとも約10マイクログラム/cm2であり得る。頭皮上への抗ふけ活性成分の付着量は、訓練された美容師が従来の洗浄プロトコルに従い、個人の毛髪を抗ふけ活性成分含有の組成物、例えば、本発明による組成物で洗浄することによって測定される。次いで、頭皮の領域上で毛髪を分けて、表面に開放端ガラスシリンダを保持すると同時に、抽出溶液のアリコートを添加し撹拌した後、回収し、HPLCなどの従来の方法に基づいて抗ふけ活性成分の含有量について分析測定を行う。
【0100】
製品形態
本発明の組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であってもよく、クリーム、ジェル、エマルジョン、ムース、及びスプレーなどであるがこれらに制限されない、多種多様な製品形態で配合されてもよい。本発明の組成物は、コンディショニング組成物、特にリーブオン、リーブイン、及び/又はノーリンス組成物に特に好適である。リーブオン及びリーブインコンディショニング組成物は、概して、組成物を洗い流すことなく、乾いた毛髪、半分濡れた毛髪、及び/又は濡れた毛髪に使用される。ノーリンス組成物により本明細書で意味するものは、シャンプー後に半分濡れた毛髪から濡れた毛髪に使用され、(ノーリンスヘアコンディショナーなどの)ノーライズ(no-rise)ヘアケア組成物を洗い流さない、ヘアケア組成物である。
【0101】
試験方法
疲労測定
繊維は、Dia-stron Auto-Assembly System(AAS 1600)を使用して、フサフサした毛髪とカールさせた末端の中間からの疲労ストレングス測定のために30mmで切断さられる。各繊維に沿った平均断面積を、Mitutoyoレーザーマイクロメータ(LSM-6200)を組み込んだDia-Stron Fiber Dimensional Analysis System(FDAS770)を使用して分析する。平均断面積は、各30mmのカールさせた繊維に沿った3つの直径測定点から計算される。
【0102】
次いで、疲労ストレングスにいて、各繊維の平均断面値を使用して、Dia-Stron Cyclic Tester(CYC801)を0.014g/μm2の制御された応力モード及び40mm/秒の速度に設定する。相対湿度は50%RH、及び温度は23℃に設定されている。データをWeibull及びKaplan-Meier統計ツール(JMP Pro 12.1.0、SAS Cary、NC)によって分析する。10未満の切断サイクルによる繊維は、早期切断のために分析から除外されている。1試行当たり100個の繊維を測定する。
【0103】
試料の調製
試料溶液は、アゼライン酸及び/又はオレイン酸を、総酸が0.0833%で水/エタノール中に溶解し、pHをNaOH溶液で約4.5に調整することによって調製される。これらの溶液を4g/8’’の通常のブリーチ(IHI供給)ヘアスイッチ(6mL)に注射器で入れ、周囲の室内条件で浸透/乾燥させる。これにより、1.25mgの総酸/g毛髪を投与された毛髪が作製される。
【実施例】
【0104】
以下の実施例では、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これらの実施例は、例示目的のためにのみ提供され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。適用可能な場合には、成分を、化学名又はCTFA名で特定し、そうでない場合は、以下で定義する。
【0105】
【表2】
1. 末端アモジメチコンは、25℃で10,000cPの粘度を有し、Momentive Performance Materialsから入手可能である。
2. Dowから入手可能なKathon CG(活性成分1.5重量%)。
【0106】
【表3】
1. Jaguar HP-105、供給元:Rhodia。
2. ジタロウジメチルアンモニウムクロリド。
3. 末端アモジメチコンは、25℃で10,000cPの粘度を有し、Momentive Performance Materialsから入手可能である。
4. Dowから入手可能なKathon CG(活性成分1.5重量%)。
【0107】
【表4】
1. Momentive Performance Materialsから入手可能なシリコーンゴム及びシリコーン油の混合物XF49-B1747。
2. Dowから入手可能なKathon CG(活性成分1.5重量%)。
【0108】
【表5】
1. Dow Corningから入手可能なSiameter MEM-0949エマルジョン、35%のアミノシリコーンを含有する。
2. ビニルピロリドン及び四級化ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー;Ashlandから入手可能なGafquat 755 NH。
【0109】
【0110】
【表7】
1. Ashland (Kentucky,US)から供給されているNatrosol(商標)ヒドロキシエチルセルロース
2. P&G Chemicalsから供給されている
3. P&G Chemicalsから供給されている
4. Ineos Maastricht BV(Maastricht NL)から供給されている
5. BASF SE(Ludwigshafen,DE)から供給されているTrilon BDパウダー
6. Dow Chemicals(Michigan US)から供給されているPOLYOX(商標)WSR N-10(グリセリルモノステアレート)
7. Momentive Performance Materialsから供給されているY-14945
【0111】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0112】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0113】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。