(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-30
(45)【発行日】2023-11-08
(54)【発明の名称】勤怠管理装置、勤怠管理システム、勤怠管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1091 20230101AFI20231031BHJP
【FI】
G06Q10/1091
(21)【出願番号】P 2023013311
(22)【出願日】2023-01-31
【審査請求日】2023-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591112522
【氏名又は名称】株式会社ACCESS
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 聡
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特許第7034449(JP,B1)
【文献】特開2013-140442(JP,A)
【文献】特開2010-198344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線機を所持する勤務者の勤怠を管理する勤怠管理装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記第1の無線機と第2の無線機との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得し、
順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ前記所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアに含まれる第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定し、
前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記勤務者が当直していると判定する、
勤怠管理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記第1の検出情報が所定時間連続して順次取得されたか否かを判定し、
前記第1の検出情報が所定時間連続して順次取得された場合、前記勤務者が当直していると判定する、
請求項1に記載の勤怠管理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記勤務者が当直していると判定された場合、前記第1の時刻よりも後の時刻において、1つ以上の前記第1の検出情報のうち最初に取得された前記第1の検出情報の直前に、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアで前記第1の無線機が検出された第2の検出情報の検出時刻を、前記勤務者の当直直前の退勤時刻として決定する、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記勤務者が当直していると判定された場合、前記第2の時刻よりも後の時刻において、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアで最初に前記第1の無線機が検出された第3の検出情報の検出時刻を、前記勤務者の当直直後の出勤時刻として決定する、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記勤務者が当直していると判定された場合、最初に取得された前記第1の検出情報の検出時刻と前記第2の時刻との時間において、前記第1のエリアとは異なる第2のエリアで前記第1の無線機が検出された第4の検出情報の検出時刻を、前記勤務者の当直中の残業時刻として決定する、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項6】
前記第2の無線機は、複数存在し、
前記検出情報は、前記第2の無線機の識別情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記検出情報に含まれる前記第2の無線機の識別情報に基づいて、前記検出時刻に前記第1の無線機が検出された検出位置を特定し、
前記検出時刻と前記検出位置とをメモリに保存する、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項7】
前記プロセッ
サは、前記勤務者の決定された出勤時刻と退勤時刻と残業時刻とを含む勤怠情報を他の勤怠管理装置に送信する、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項8】
前記第1の無線機は、ビーコン信号を送信するビーコン送信機及び前記ビーコン信号を受信するゲートウェイ装置のいずれか一方であり、
前記第2の無線機は、前記ビーコン送信機及び前記ゲートウェイ装置のいずれか他方である、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項9】
前記第1の無線機及び前記勤務者が複数存在し、
前記検出情報は、前記第1の無線機の識別情報を含み、
前記プロセッサは、
取得された前記検出情報に含まれる前記第1の無線機の識別情報に基づいて、前記第1の無線機に対応する前記勤務者を特定し、
前記第1の無線機毎に、前記検出情報を順次取得し、
前記第1の無線機毎に、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が前記第1の時刻よりも後の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアである第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定し、
前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記第1の検出情報に対応する前記第1の無線機に対応する前記勤務者が当直していると判定する、
請求項1又は2に記載の勤怠管理装置。
【請求項10】
勤務者の勤怠を管理する勤怠管理システムであって、
勤怠管理装置と、前記勤務者に所持される第1の無線機と、第2の無線機と、を備え、
前記勤怠管理装置は、
前記第1の無線機と前記第2の無線機との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得し、
順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ前記所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアである第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定し、
前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記勤務者が当直していると判定する、
勤怠管理システム。
【請求項11】
第1の無線機を所持する勤務者の勤怠を管理する勤怠管理方法であって、
プロセッサが、前記第1の無線機と第2の無線機との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得するステップと、
前記プロセッサが、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ前記所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアである第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定するステップと、
前記プロセッサが、前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記勤務者が当直していると判定するステップと、
を有する勤怠管理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の勤怠管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、勤怠を管理する勤怠管理装置、勤怠管理システム、勤怠管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビーコン装置を用いて退勤時刻を決定する退勤時刻決定システムが知られている(特許文献1参照)。この退勤時刻決定システムは、検知システムと退勤時刻決定装置とを備える。検知システムは、一方が医療者によって所持され、他方が1つ以上の所定の施設に設置されている発信機と受信機とを有しており、医療者が所定の施設のいずれかに滞在している時に発信機を識別する発信機識別情報と受信機を識別する受信機識別情報とを含む検知信号を繰り返して生成し、生成した検知信号を送信する。退勤時刻決定装置は、検知システムから送信される検知信号を受信すると、検知信号の検知時刻を特定し、検知信号に含まれる発信機識別情報と受信機識別情報とに基づいて医療者と医療者が滞在している所定の施設とを特定し、検知時刻を含む、医療者の所定の施設についての滞在情報を取得する検知部と、検知部によって取得された医療者の滞在情報に含まれる検知時刻に基づいて連続的に取得されていたとみなされる一連の滞在情報が途切れた時刻に始まり、かつ所定の時間以上滞在情報を取得できなかった時間帯を未検知時間帯と決定する未検知時間帯決定部と、未検知時間帯決定部によって決定された未検知時間帯の中から、終わる時刻が24時を超えている未検知時間帯を1つ選択し、選択された未検知時間帯が始まる時刻を医療者の退勤時刻と決定する退勤時刻決定部と、を備える、
【0003】
また、この退勤時刻決定システムは、医療者が当直に連続して日勤し、当直の開始時刻から午前8時(標準出勤時刻)までの間に未検知時間帯は存在しない場合、標準出勤時刻をそれぞれ前日の退勤時刻および当日の出勤時刻と決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の退勤時刻決定システムは、当直時の前日と翌日の勤務時刻を決定している。しかし、この退勤時刻決定システムは、医療者の当直状況を判別するものではなく、当直が行われた場合でも当直していると扱うものではなく、通常勤務の出勤時刻及び退勤時刻を決定するのみである。
【0006】
本開示は、勤務者の当直状況を判別して、勤務者の勤怠を容易に管理できる勤怠管理装置、勤怠管理システム、勤怠管理方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、第1の無線機を所持する勤務者の勤怠を管理する勤怠管理装置であって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、前記第1の無線機と第2の無線機との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得し、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアに含まれる第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定し、前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記勤務者が当直していると判定する、勤怠管理装置である。
【0008】
本開示の一態様は、勤務者の勤怠を管理する勤怠管理システムであって、勤怠管理装置と、前記勤務者に所持される第1の無線機と、第2の無線機と、を備え、前記勤怠管理装置は、前記第1の無線機と前記第2の無線機との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得し、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアに含まれる第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定し、前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記勤務者が当直していると判定する、勤怠管理システムである。
【0009】
本開示の一態様は、第1の無線機を所持する勤務者の勤怠を管理する勤怠管理方法であって、プロセッサが、前記第1の無線機と第2の無線機との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得するステップと、前記プロセッサが、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、前記検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、前記検出位置が第1のエリアに含まれる第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定するステップと、前記プロセッサが、前記第1の検出情報が1つ以上存在する場合、前記勤務者が当直していると判定するステップと、を有する勤怠管理方法である。
【0010】
本開示の一態様は、上記の勤怠管理方法をコンピュータが実行するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、勤務者の当直状況を判別して、勤務者の勤怠を容易に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態の勤怠管理システムの一例の概略図
【
図4】勤怠管理システムによるビーコン信号の検出時の動作例を示すシーケンス図
【
図6】当直直前の退勤時刻決定処理の一例を示すフローチャート
【
図7】当直直後の出勤時刻決定処理の一例を示すフローチャート
【
図8】当直中の残業時間決定処理の一例を示すフローチャート
【
図9】連続する複数日における検出情報の検出例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る検索システム、検索方法、及びプログラムを具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0014】
また、実施形態でいう「部」又は「装置」とは単にハードウェアによって実現される物理的構成に限定されず、その構成が有する機能をプログラム等のソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。これらの用語の理解や解釈は、特許請求の範囲の記載についても同様である。
【0015】
[勤怠管理システムの構成]
図1は、本開示の実施形態における勤怠管理システム5の概略図である。勤怠管理システム5は、1つ以上のビーコン送信機10と、1つ以上のゲートウェイ装置20と、勤怠管理サーバ100と、他勤怠管理サーバ200と、を備える。勤怠管理システム5は、例えば、病院に設置されるが、その他の場所や施設に設置されてもよい。
【0016】
ビーコン送信機10とゲートウェイ装置20とは、例えば、近距離無線通信(例えば)((BLE:Bluetooth(登録商標) Low Energy)によって通信する。ゲートウェイ装置20と勤怠管理サーバ100とは、各種の有線通信又は無線通信によって通信する。勤怠管理サーバ100と他勤怠管理サーバ200とは、各種の有線通信又は無線通信によって通信される。各種の有線通信又は無線通信の通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式を含んでよい。
【0017】
ビーコン送信機10は、近距離無線通信によって、無線信号(無線電波)をビーコン信号として送信する。ビーコン送信機10は、その周囲の全体又は一部にビーコン信号を送信してよい。ビーコン送信機10は、自発的に無線電波を発信してもよいし、ゲートウェイ装置20からの電力を受けて、ビーコン信号を発信してもよい。ビーコン送信機10は、間欠的にビーコン信号の送信を継続してよい。各ビーコン送信機10は、ビーコン送信機10(自機)の識別情報(送信機IDとも称する)を保持する。ビーコン信号は、例えば、半径数十m程度の範囲に届く2.4GHz帯等の信号でよい。送信されるビーコン信号は、送信機IDを含む。
【0018】
ビーコン送信機10は、例えば、勤怠管理対象の勤務者HMにより携帯されたり、身に着けたりされる。ビーコン送信機10は、携帯端末に付されたり内蔵されたりしてもよい。ビーコン送信機10は、例えば首や手首にかけることが可能なストラップ型であったり、キーホルダ型であったり、又は他の物品に取り付け可能に構成されてよい。例えば、各勤務者HMが1つずつビーコン送信機10を所持していてよい。
【0019】
ゲートウェイ装置20は、近距離無線通信によって、各ビーコン送信機10から無線信号(無線電波)をビーコン信号として受信する。ゲートウェイ装置20は、その周囲の全体又は一部からのビーコン信号を受信してよい。各ゲートウェイ装置20は、ゲートウェイ装置20(自機)の識別情報(受信機IDとも称する)を保持する。1つ以上のゲートウェイ装置20は、勤怠管理対象の領域(例えば病院の各部屋)に少なくとも1つ設置される。例えば、ゲートウェイ装置20は、病院内の各部屋に設置される。病院内の各部屋は、少なくとも当直室を含み、手術室、診察室、病棟、病棟内の病室、ナースステーション、又はその他の部屋を含んでもよい。また、ゲートウェイ装置20は、病院に出入するための出入口付近にも設置されてもよい。
【0020】
ゲートウェイ装置20は、ビーコン信号を受信することで、このビーコン信号を送信したビーコン送信機10を検出する。ゲートウェイ装置20は、ビーコン送信機10が検出されたことを示す検出情報を勤怠管理サーバ100へ送信する。ゲートウェイ装置20は、例えば、ビーコン信号を送信したビーコン送信機10の送信機IDと、ビーコン信号を受信したゲートウェイ装置20の受信機IDと、ビーコン送信機10が検出された時刻を示す検出時刻と、を含む検出情報を生成する。ゲートウェイ装置20は、生成された検出情報を勤怠管理サーバ100に送信する。ゲートウェイ装置20は、一定間隔(例えば1分間隔)で検出情報を勤怠管理サーバ100に送信してよい。
【0021】
勤怠管理サーバ100は、例えば、勤怠管理対象の領域(例えば病院内)、勤怠管理を行う管理センタ、クラウド、その他の場所に設置されてよい。勤怠管理サーバ100は、1つ以上のゲートウェイ装置20からの1つ以上の検出情報を取得し、検出情報に基づいて、勤怠管理対象の人物(例えば勤務者HM)の勤怠を管理する。勤怠の管理に関する処理の詳細については後述する。本実施形態では、勤怠管理対象の領域が病院内の各部屋であり、勤怠管理対象の人物が勤務者HM(例えば医師、看護師、その他の医療従事者)であることを主に例示する。勤怠管理サーバ100は、勤怠の管理により得られた各勤務者HMの勤怠情報を他勤怠管理サーバ200に送信する。勤怠情報は、例えば、各勤務日の出勤時刻及び退勤時刻の情報を含み、残業時刻の情報を含んでもよい。
【0022】
他勤怠管理サーバ200は、勤怠管理サーバ100から各勤務者HMの勤怠情報を取得して、記録や管理を行う。つまり、勤怠管理サーバ100と他勤怠管理サーバ200とが、連携して勤怠管理を実施してよい。
【0023】
図2は、勤怠管理サーバ100の構成例を示すブロック図である。勤怠管理サーバ100は、プロセッサ110と、メモリ120と、通信デバイス130と、を備える。
【0024】
プロセッサ110は、メモリ120に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサ110は、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、等を含んでよい。プロセッサ110は、各種集積回路(例えばLSI(Large Scale Integration)、FPGA(Field Programmable Gate Array))により構成されてもよい。プロセッサ110は、勤怠管理サーバ100の各部を統括的に制御し、各種処理を行う。
【0025】
メモリ120は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。メモリ120は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。また、メモリ120は、外部記憶媒体であり、勤怠管理サーバ100に対して着脱可能であってもよい。メモリ120は、各種データ、情報又はプログラム等を記憶する。
【0026】
メモリ120は、各ゲートウェイ装置20の受信機IDと、各ゲートウェイ装置20の設置位置と、を関連付けた情報(受信機位置情報)を予め保持していてよい。また、メモリ120は、各ビーコン送信機10の送信機IDと、各ビーコン送信機を所持する各勤務者HMと、を関連付けた情報(勤務者情報)を予め保持していてよい。メモリ120は、検出時刻に基づいて導出された出勤時刻、退勤時刻、又は残業時刻等を含む勤怠情報を保持してよい。また、メモリ120は、後述する当直の有無の判定結果を勤怠情報に含んで保持してもよい。また、メモリ120は、検出情報に含まれる検出時刻及び検出位置を滞在履歴の情報として保持してもよい。メモリ120は、勤務者HM毎に勤怠情報や滞在履歴の情報を保持し、管理してもよい。
【0027】
通信デバイス130は、各種データ又は情報等を通信する。通信デバイス130は、各種の有線通信や無線通信を行う。通信デバイス130は、例えば、各ゲートウェイ装置20から各勤務者HMの検出情報を受信する。通信デバイス130は、例えば、他勤怠管理サーバ200に各勤務者HMの勤怠情報を送信する。
【0028】
プロセッサ110は、勤務者HMの勤怠を管理する。この勤怠は、勤務者HMの病院への出勤時刻や退勤時刻や残業時刻を含む。また、本実施形態では、日毎の勤務シフトの情報が事前に登録されていてよい。勤務シフトパターンとしては、例えば日勤と夜勤との2パターンを含んでよく、日勤と準夜勤と夜勤との3パターンを含んでもよい。勤務シフトは、この勤務シフトパターンのうちのいずれかの勤務シフトが予め設定されている。なお、プロセッサ110が、操作部を介して手動操作を受け付けて1つの勤務シフトを設定してもよいし、各種の勤務条件に基づいて演算等により勤務シフトを設定してもよい。本実施形態では、主に、複数日連続(例えば2日連続)で日勤により勤務することを想定する。この際、勤務者HMによって、複数日連続での日勤の間に、当直することもあり得る。
【0029】
プロセッサ110は、通信デバイス130を介して、各ゲートウェイ装置20から検出情報を取得する。プロセッサ110は、検出情報に基づいて、当直の有無を判定する。また、プロセッサ110は、検出情報に基づいて、出勤時刻及び退勤時刻を決定する。
【0030】
プロセッサ110は、当直があると判定された場合、検出情報に基づいて、当直直前の退勤時刻と当直直後の出勤時刻とを決定してよい。また、プロセッサ110は、当直があると判定された場合、検出情報に基づいて、当直中の残業時刻を決定してよい。また、プロセッサ110は、当直がないと判定された場合、検出情報に基づいて、当直しない場合の退勤時刻を決定してよい。プロセッサ110は、勤務者HM毎に、当直の有無を判定し、出勤時刻、退勤時刻、及び残業時刻を決定してよい。また、プロセッサ110は、勤務者HM毎に、残業時刻に基づいて残業時間を決定してよい。なお、他勤怠管理サーバ200が、残業時刻を取得し、残業時刻に基づいて残業時刻を決定してもよい。
【0031】
通信デバイス130は、プロセッサ110の制御に従って、勤務者HM毎に、勤務者HMの勤怠情報を、他勤怠管理サーバ200に送信してよい。勤怠情報は、当直の有無、出勤時刻、退勤時刻、及び残業時刻を含んでよい。
【0032】
また、プロセッサ110は、受信機位置情報をメモリ120から取得し、検出情報に含まれる受信機IDに基づいて、ゲートウェイ装置20の設置位置を導出し、つまりビーコン送信機10が検出された位置(検出位置)を特定してよい。また、検出情報には、検出時刻の情報も含まれる。したがって、プロセッサ110は、検出情報に基づいて、ビーコン送信機10が検出された検出時刻と検出位置とを検出可能である。よって、勤怠管理サーバ100は、ビーコン送信機10を所持する勤務者HMがどの時刻にどの位置に所在したかを判別可能である。このようにして、勤怠管理サーバ100は、取得された検出情報に基づいて、勤務者HMの滞在状態を判定してよい。
【0033】
図3は、ゲートウェイ装置20の設置例を示す図である。
【0034】
図3では、病院HP内に1つ以上のゲートウェイ装置20が設置されている。ゲートウェイ装置20は、病院HP内の任意の位置に設置可能である。
図3では、一例として、病院HPの各部屋に設置されたゲートウェイ装置20(例えばゲートウェイ装置20A1~20A5)が示されている。病院HP内の各部屋は、例えば、手術室A1、ナースステーションA2、当直室A3、診察室A4、及び病室A5を含む。ゲートウェイ装置20A1は、例えば手術室A1に設置される。ゲートウェイ装置20A2は、例えばナースステーションA2に設置される。ゲートウェイ装置20A3は、例えば当直室A3に設置される。ゲートウェイ装置20A4は、例えば診察室A4に設置される。ゲートウェイ装置20A5は、例えば病室A5に設置される。ゲートウェイ装置20A1,20A2,20A3,20A4,20A5は、例えば病院HP内のそれぞれの部屋に設置されており、勤務者HMがそれぞれの部屋に所在していることを検出可能である。なお、例えば、病院HPの部屋以外の位置(例えば病院HPの出入口付近A0)に、ゲートウェイ装置20A0が設置されてもよい。
【0035】
各部屋に設置されるゲートウェイ装置20は、勤務者HMが各部屋に所在することが検出できれば、各部屋の出入口付近に設置されても各部屋の出入口付近以外(例えば中央付近)に設置されてもよい。なお、ゲートウェイ装置20A1~20A5は、部屋内に所在する場合にはどの位置にいても連続的にビーコン信号を受信し、各部屋に滞在している状態を検出できる。この場合、例えば手術室A1内に勤務者HMが所在する場合には、手術室A1に対応するゲートウェイ装置20A1が、勤務者HMが所持するビーコン送信機10からのビーコン信号を一定間隔(例えば1分毎に)で連続的(間欠的)に受信し、一定間隔(例えば1分毎に)で連続的(間欠的)に検出情報を勤怠管理サーバ100に送信してもよい。ゲートウェイ装置20A1は、例えば手術室A1に20分滞在した場合には、ゲートウェイ装置20A1からビーコン送信機10が検出されたことを示す検出情報を1分間隔で連続して20回送信してよいし、他の方法で検出情報を送信してもよい。また、1つの部屋に対して複数のゲートウェイ装置20が設置されてもよい。
【0036】
[勤怠管理システムの動作]
次に、勤怠管理システム5の動作例について説明する。
ここでは、検出情報Iの一例として、検出情報Ix(x=1,2,…)を用いて説明することもある。また、検出時刻dtの一例として、検出時刻dtx(x=1,2,…)を用いて説明することもある。また、検出位置dpの一例として、検出位置dpx(x=1,2,…)を用いて説明する。なお、検出情報Ixは、検出時刻dtxと検出位置dpxとを含み得る。
【0037】
図4は、勤怠管理システム5によるビーコン信号の検出時の動作例を示すシーケンス図である。
【0038】
まず、ビーコン送信機10は、間欠的にビーコン信号を順次送信する(S11)。ゲートウェイ装置20は、ビーコン送信機10との距離が近距離無線通信可能な範囲内であり、ビーコン送信機10からのビーコン信号を受信した場合(S21)、送信機IDと受信機IDと検出時刻とを含む検出情報Iを勤怠管理サーバ100に順次送信する(S22)。
【0039】
このようなビーコン送信機10によるビーコン信号の送信は、例えば勤務者HMが所持するビーコン送信機10毎に行われる。また、ゲートウェイ装置20による検出情報Iの送信は、例えば病院HPの部屋毎に設置されたゲートウェイ装置20毎に行われてよい。よって、勤怠管理サーバ100に送信される検出情報Iの数は、時間経過とともに増加していく。
【0040】
勤怠管理サーバ100では、通信デバイス130は、各ゲートウェイ装置20からの検出情報Iを順次受信する(S31)。プロセッサ110は、検出情報Iに含まれる受信機IDと受信機位置情報とに基づいて、検出情報Iを送信したゲートウェイ装置20の設置位置を導出し、つまりビーコン送信機10の検出位置を導出してよい。つまり、プロセッサ110は、送信機IDと受信機IDと検出時刻と検出位置とを含む検出情報Iを順次取得する。
【0041】
プロセッサ110は、取得された検出情報Iに基づいて、当直判定処理を行う(S32)。当直判定処理では、取得された検出情報Iに含まれる送信機IDで特定される勤務者HMが当直しているか否かを判定する。当直判定処理の詳細については後述する。プロセッサ110は、勤務者HM毎に当直判定処理を行う。
【0042】
プロセッサ110は、当直判定処理の結果、勤務者HMが当直しているか否かを判定する(S33)。勤務者HMが当直していると判定された場合(ステップS33のYes)、プロセッサ110は、後続のステップS34~S36の処理を行う。
【0043】
具体的には、プロセッサ110は、取得された検出情報Iに基づいて、当直直前の退勤時刻決定処理を行う(S34)。当直直前の退勤時刻決定処理では、取得された検出情報Iに含まれる送信機IDで特定される勤務者HMについての、当直直前(例えば当直日)の退勤時刻を決定する。当直直前の退勤時刻決定処理の詳細については後述する。プロセッサ110は、当直判定処理によって当直ありと判定された勤務者HMについて、勤務者HM毎に当直直前の退勤時刻決定処理を行ってよい。
【0044】
プロセッサ110は、取得された検出情報Iに基づいて、当直直後の出勤時刻決定処理を行う(S35)。当直直後の出勤時刻決定処理は、取得された検出情報Iに含まれる送信機IDで特定される勤務者HMについての、当直直後(例えば当直翌日)の出勤時刻を決定する。当直直後の出勤時刻決定処理の詳細については後述する。プロセッサ110は、当直判定処理によって当直ありと判定された勤務者HMについて、勤務者HM毎に当直直後の出勤時刻決定処理を行ってよい。
【0045】
プロセッサ110は、取得された検出情報Iに基づいて、当直中の残業時刻決定処理を行う(S36)。当直中の残業時刻決定処理は、取得された検出情報Iに含まれる送信機IDで特定される勤務者HMについての、当直中の残業時刻を決定する。当直中の残業時刻決定処理の詳細については後述する。プロセッサ110は、当直判定処理によって当直ありと判定された勤務者HMについて、勤務者HM毎に当直中の残業時刻決定処理を行ってよい。
【0046】
図5は、当直判定処理の一例を示すフローチャートである。
図5では、複数日連続で日勤する場合について例示する。なお、当直判定処理は、勤務者HM毎に判断される。同じ勤務者HMであるか否かは、検出情報Iに含まれる送信機IDが同じであるか否かによって判別可能である。
【0047】
プロセッサ110は、順次取得された1つ以上の検出情報Iの中に、検出情報I1が1つ以上存在するか否かを判定する(S41)。検出情報I1は、検出時刻dt1と検出位置dp1とを含み、検出時刻dt1が、当直日の日勤の退勤標準時刻st1(例えば17:00)よりも後の時刻であり且つ当直翌日の日勤の出勤標準時刻st2(例えば5:00)よりも前の時刻であり、且つ、検出位置dp1が当直室A3に含まれる、検出情報Iである。例えば、検出時刻dt1が当直日の22:00であり、検出位置dp1が当直室A3に含まれる場合、検出時刻dt1と検出位置dp1とを含む検出情報Iは、検出情報I1とされる。なお、検出位置dp1が当直室A3に含まれるとは、検出位置dp1が当直室A3内の任意の位置であってもよいし、検出位置dp1が当直室A3の位置であることであってもよい。
【0048】
検出情報I1が1つ以上存在すると判定された場合(ステップS41のYes)、プロセッサ110は、勤務者HMが当直していると判定する(S42)。例えば、プロセッサ110は、検出情報I1に含まれる送信機IDで識別される勤務者HMが当直していると判定する。一方、検出情報I1が1つも存在しないと判定された場合(ステップS41のNo)、プロセッサ110は、勤務者HMが当直していないと判定する(S43)。
【0049】
このような当直判定処理によれば、勤怠管理サーバ100は、例えば、複数日連続での日勤の間に当直する場合でも、ビーコン信号等の近距離無線信号を用いて自動的に当直の有無を判別できる。具体的には、退勤標準時刻t1後では退勤したり当直したりする可能性があるところ、退勤標準時刻t1後且つ出勤標準時刻t2前に当直室A3内で勤務者HMが検出された場合には、この勤務者HMが当直状態であると判別可能である。
【0050】
なお、プロセッサ110は、ステップS41とステップS42との間に、検出情報I1が所定時間(例えば30分)連続して順次取得されたか否かを判定してもよい(S42A)。プロセッサ110は、検出情報I1が所定時間連続して順次取得された場合に(S42AのYes)、この勤務者HMが当直していると判定してもよい(S43)。この場合、単に勤務者HMが当直室A3に立ち寄っただけでは当直と判定されず、勤務者HMが当直室A3に所定時間以上継続して滞在した場合に限って当直と判定される。よって、当直状況の判定精度が向上する。
【0051】
図6は、当直直前の退勤時刻決定処理の一例を示すフローチャートである。
図6では、複数日連続で日勤する場合について例示する。なお、当直直前の退勤時刻決定処理は、勤務者HM毎に判断される。
【0052】
プロセッサ110は、当直日の日勤の退勤標準時刻st1よりも後の時刻において、1つ以上の検出情報I1のうち最初に取得された検出情報I11の直前に、当直室A3とは異なるエリア(例えば手術室A1等)でビーコン送信機10が検出された検出情報I2の検出時刻dt2を、勤務者HMの当直直前の退勤時刻として決定する(S51)。検出情報I11は、検出時刻dt11及び検出位置dp11を含む。検出情報I11は、検出時刻dt11及び検出位置dp11を含む。検出情報I2は、検出時刻dt2及び検出位置dp2を含む。例えば、検出時刻dt11が23:00であり、検出位置dp11が当直室A3に含まれ、検出時刻dt2が22:59であり、検出位置dp2が手術室A1に含まれる場合、勤務者HMの当直直前の退勤時刻は22:59に決定される。
【0053】
このような当直直前の退勤時刻決定処理によれば、勤怠管理サーバ100は、例えば、複数日連続での日勤の間に当直する場合でも、ビーコン信号等の近距離無線信号を用いて当直直前の日勤の退勤時刻を自動的に決定できる。具体的には、退勤標準時刻t1後では退勤したり宿直したりする可能性があるところ、退勤標準時刻t1後且つ当直室A3に最初に入室する前に、当直室A3外の部屋(例えば手術室A1やナースステーションA2)で勤務者HMが最後に検出された時刻まで、勤務者HMが勤務していた可能性が高い。勤怠管理サーバ100は、この時刻を当直直前の日勤の退勤時刻に決定できる。
【0054】
図7は、当直直後の出勤時刻決定処理の一例を示すフローチャートである。
図7では、複数日連続で日勤する場合について例示する。なお、当直直後の出勤時刻決定処理は、勤務者HM毎に判断される。
【0055】
プロセッサ110は、当直翌日の日勤の出勤標準時刻st2よりも後の時刻において、当直室A3とは異なるエリア(例えば手術室A1等)で最初に検出されたビーコン送信機10が検出された検出情報I3の検出時刻dt3を、勤務者HMの当直直後の出勤時刻として決定する(S61)。検出情報I3は、検出時刻dt3及び検出位置dp3を含む。例えば、検出時刻dt3が7:00であり、検出位置dp3が手術室A1に含まれる場合、勤務者HMの当直直後の出勤時刻は8:00に決定される。
【0056】
このような当直直後の出勤時刻決定処理によれば、勤怠管理サーバ100は、例えば、複数日連続での日勤の間に当直する場合でも、ビーコン信号等の近距離無線信号を用いて当直直後の日勤の出勤時刻を自動的に決定できる。具体的には、当直翌日の出勤標準時刻t2後では病院外から出勤したり、当直を終了して当直室A3から出勤したりする可能性があるところ、出勤標準時刻t2後に当直室A3外の部屋(例えばナースステーションA2や病室A5)で勤務者HMが最初に検出された時刻から、勤務者HMが勤務する可能性が高い。勤怠管理サーバ100は、この時刻を当直直後の日勤の出勤時刻に決定できる。
【0057】
図8は、当直中の残業時刻決定処理の一例を示すフローチャートである。
図8では、複数日連続で日勤する場合について例示する。なお、当直中の残業時刻決定処理は、勤務者HM毎に判断される。
【0058】
プロセッサ110は、検出情報I1のうち最初に取得された検出情報I11の検出時刻dt11(つまり当直開始時刻)より後の時刻であり且つ当直翌日の日勤の出勤標準時刻st2よりも前の時刻において、当直室A3とは異なるエリア(例えば手術室A1等)で第1の無線機が検出された検出情報I4の検出時刻dt4を、勤務者HMの当直中の残業時刻として決定する(S71)。検出情報I4は、検出時刻dt4及び検出位置dp4を含む。例えば、検出時刻dt4が2:00であり、検出位置dp3が手術室A1に含まれる場合、この検出時刻dt4は、勤務者HMの当直中の残業時刻として決定される。
【0059】
プロセッサ110は、決定された1つ以上の残業時刻に基づいて、当直中の残業時間を算出して決定する(S72)。例えば、残業時刻として決定された連続する複数の残業時刻の間を、残業時間として決定してよい。なお、当直開始時刻の後且つ当直翌日の出勤標準時刻st2の前において、残業時刻とされた検出時刻と残業時刻とされなかった検出時刻とが混在することもあり、この場合、当直中に断続的に複数の残業時間が含まれていてもよい。
【0060】
なお、複数の検出時刻が残業時刻として決定されてよい。例えば、検出時刻dt4が2:00~2:30に含まれる検出情報I4が連続して順次取得され、この検出情報I4の検出位置dp4が全て当直室A3以外のエリア(例えば手術室A1、ナースステーションA2)であった場合、プロセッサ110は、全ての検出時刻dt4を残業時刻として決定し、2:00~2:30を残業時間として算出してよい。なお、退勤標準時刻st1の後において、勤務者HMが当直室A3に入室した後に当直翌日の出勤標準時刻st2以降まで、勤務者HMが当直室A3から室外に出ないこともあり得る。この場合、プロセッサ110は、検出情報I4が検出されないので、残業時刻と決定される検出時刻を含む検出情報が存在せず、つまり当直中に残業していないと判定可能である。
【0061】
このような当直中の残業時刻決定処理によれば、勤怠管理サーバ100は、例えば、複数日連続での日勤の間に当直する場合でも、ビーコン信号等の近距離無線信号を用いて当直中の残業時刻を自動的に決定できる。当直中の時間帯は、基本的には日勤等の勤務時間として扱われない時間帯である。しかし、当直中の時間帯においても勤務者HMは緊急対応として勤務が必要になることがある。この場合でも、プロセッサ110は、当直中に当直室A3外に勤務者HMが所在することが検出されることに応じて、勤務者HMが残業中であることを判別できる。この際、勤務者HMが手作業で当直中の残業時間を指定することを不要として、容易に自動的に当直中の残業時間を判別できる。
【0062】
なお、
図4において、当直判定処理の結果、勤務者HMが当直していないと判定された場合(ステップS33のNo)、プロセッサ110は、第1日の退勤標準時刻st1以降の時刻であり且つその翌日の第2日の出勤標準時刻st2よりも前の時間において、最後に検出された検出情報Iを、第1日の退勤時刻に決定する。したがって、勤怠管理サーバ100は、勤務者HMが当直の可能性のある時間帯に当直室A3に入室せず、つまり当直しなかった場合でも、勤務者HMの入力を必要とせずに第1日の退勤時刻を自動的に決定できる。例えば、第1日において順次取得された最後の検出情報Iの検出時刻dtが23:00であり、23:00よりも後には検出情報I1が得られなかった場合には、勤務者HMが帰宅していると考えられる。この場合には、勤怠管理サーバ100は、23:00を退勤時刻に決定できる。
【0063】
図9は、連続する複数日(A日及びB日)における検出情報の検出例を示す図である。
図9では、勤務者HMが、A日の日勤後に当直となり、当直翌日のB日にも日勤である場合を示している。
図9では、同じ勤務者HMの検出情報の一例が示されており、異なる勤務者HMについては勤務者毎にそれぞれの
図9のような検出情報が得られる。また、
図9では、一例として、A日及びB日が、日勤時の出勤標準時刻st2(例えば5:00)から開始されるように定められている。
【0064】
A日には、勤務者HMのビーコン送信機10の検出情報が8:30に最初に検出されている。プロセッサ110は、出勤標準時刻st2(例えば5:00)以降で最初の検出情報の検出であるので、この検出情報の検出時刻である8:30を、A日の日勤の出勤時刻に決定する。出勤時刻以降では、退勤標準時刻st1(例えば17:00)までの間に、様々な部屋(例えば手術室A1、ナースステーションA2)で検出されている。また、A日の11:00~11:20等の区間は、ビーコン送信機10の検出情報が検出されていない不検出区間である。不検出区間では、勤務者HMが、例えば病院から外出したり、帰宅したり、病院内でビーコン送信機10のビーコン信号を受信しないエリア(例えば化粧室)に所在したりすることが考えられる。
【0065】
A日の退勤標準時刻st1(例えば17:00)以降において、当直室A3内で勤務者HMのビーコン送信機10の検出情報が18:00等に検出されている。したがって、勤務者HMはA日に当直していると判定される。例えば、17:40~18:10、18:20~18:50、19:20~20:00、22:00~22:40、A日の23:10~B日の8:30の区間において、検出位置が当直室Aに含まれる検出情報が得られている。
【0066】
また、A日の退勤標準時刻st1(例えば17:00)以降で最初に当直室A3に入る時刻(例えば17:10)の直前に検出された検出情報の検出時刻(例えば17:09)が、A日の日勤の退勤時刻として決定される。当直室A3に入る直前の検出情報であることは、検出位置が当直室A3に含まれる最初の検出情報が得られる直前に、当直室A3以外の部屋(例えばナースステーションA2)で最後に検出された検出情報が得られることから、判別可能である。
【0067】
また、A日の当直開始時刻(例えば17:10)からB日の出勤標準時刻st2(例えば5:00)までの間に、検出位置が当直室A3以外のエリア(例えばナースステーションA2、手術室A1)に含まれる検出情報が検出された場合、この検出情報の検出時刻が残業時刻として決定される。例えば、18:50~19:20、20:00~22:00、22:40~23:10の区間が、残業時刻(残業時間)として決定される。
図9では、検出情報を参照すると、勤務者HMは、A日の23:10~B日の8:30の期間ではほぼ当直室A3内に所在している。
【0068】
B日の出勤標準時刻st2の一例である5:00以降において、当直室A3から出た直後に検出された検出情報の検出時刻(例えば8:30)が、B日の日勤の出勤時刻として決定される。当直室A3から出た直後の検出情報であることは、検出位置が当直室A3に含まれる最後の検出情報が得られた直後に、当直室A3以外の部屋(一例として
図9では診察室A4)で最初に検出された検出情報が得られることから、判別可能である。
【0069】
また、B日には、勤務者HMは、B日の出勤時刻以降且つB日の退勤標準時刻st1前に、つまり日勤中に、何度か当直室A3が検出位置に含まれる検出情報が得られている。つまり、勤務者HMが、日勤中に何度か当直室A3に立ち寄っている。この場合でも、退勤標準時刻st1よりも前の段階において検出位置が当直室A3に含まれる検出情報が得られても、プロセッサ110は、B日が当直日であると判定しない。
【0070】
また、B日の退勤標準時刻st1(例えば17:00)以降では、退勤標準時刻st1から3:30まで、検出位置が病室A5、診察室A4、又はナースステーションA2に含まれる検出情報が得られている。そして、3:30以降では、B日の最終時刻である5:00に至るまで、ビーコン送信機10が検出されない不検出区間となっている。よって、B日の退勤標準時刻st1(例えば17:00)以降では、検出位置が当直室A3に含まれる検出情報が得られていない。そのため、プロセッサ110は、B日には勤務者HMが当直していないと判定する。
【0071】
[勤怠管理システムの効果等]
特許文献1の退勤時刻決定システムは、医療者の当直状況を判別するものではない。また、退勤時刻決定システムが仮に医療者の当直状況を判別する場合には、医療機関内において医療者がどの時間にどの位置に所在するかが加味されない場合には、当直状況の正確な判別が困難である。例えば執務室内で時間外勤務を行っていても単に当直していると判別される可能性がある。また、当直中に短時間外出した場合には、当直していないものとされる可能性がある。
【0072】
これに対し、本実施形態の勤怠管理サーバ100は、プロセッサ110が、取得された1つ以上の検出情報に基づいて、勤務者HMが当直日の退勤標準時刻st1(例えば17:00)から当直翌日の出勤標準時刻st2(例えば5:00)までの時間(退勤標準時刻st1と出勤標準時刻st2とは含まない)に、当直室A3内に滞在しているか否かを判定する。プロセッサ110は、勤務者HMがこの時間に当直室A3内に滞在している場合、当直していると判定する。これにより、勤怠管理サーバ100は、例えば日勤、当直、日勤の順の勤務の場合でも、近距離無線通信を用いて自動打刻を実現できる。また、勤怠管理サーバ100は、医療者がどの時間にどの位置に所在するかを加味して、当直状況の正確な判別が可能である。例えば執務室内で時間外勤務を行っている場合には、当直していると判別可能である。また、当直中に短時間外出した場合でも、当直していると判別可能である。
【0073】
なお、プロセッサ110は、当直の有無の判定では、この時間に当直室A3内に所定時間(例えば30分)以上滞在している場合に限り、当直していると判定してもよい。この場合、例えば
図9では、A日では、17:40~18:10に初めて退勤標準時刻st1より後に所定時間以上にわたって当直室A3に滞在している。したがって、17:40が当直開始時刻とされ、その直前に検出された検出情報の検出時刻が、A日の退勤時刻とされる。
【0074】
また、勤怠管理サーバ100は、例えば日勤した後に帰宅せずに当直室A3に入室する場合でも、ビーコン信号を利用して日勤の退勤時刻や当直の有無を正確に判別できる。例えば、当直中に緊急外来とかあって、また当直室に戻る場合に、ビーコン信号は継続して検知されるが、当直室では基本働いていない。当直室A3に一定時間入っている場合には、当直になったものと判定できる。
【0075】
また、プロセッサ110は、当直日の退勤打刻を、退勤標準時刻st1以降、且つ、当直室A3に入る前にビーコン送信機10が最後に検出された時刻とすることができる。プロセッサ110は、当直翌日の出勤打刻を、出勤標準時刻st2以降、且つ、当直室A3から出て初めてビーコン送信機10が検出された時刻とすることができる。また、当直開始時刻後且つ翌日の出勤標準時刻st2に当直室A3とは別エリアに入った場合には、時間外打刻(残業打刻)とすることができる。なお、病院HPにおいてどのエリアが当直室A3に該当するエリアであるかは、事前に設定されていてよい。なお、検出位置が当直室A3に含まれる場合でも、通常の勤務時間内(つまり同じ勤務日の出勤標準時刻st2から退勤標準時刻st1までの時間)に取得された検出情報は、当直の有無の判定には用いられない。
【0076】
勤怠管理サーバ100は、当直中の残業時刻を判別できるので、当直中に外来等の対応している時間を導出できる。したがって、勤怠管理サーバ100は、当直の有無を加味して当直手当を算出したり、当直中の勤務を残業時間として残業時間に応じた残業手当を決定したりできる。
【0077】
なお、当直室A3に入るタイミング(当直室A3での最初の検出時刻)と、他の部屋でのこのタイミング直前の検出(他の部屋での最後の検出時刻)とは、ほぼ同じ時刻であり、プロセッサ110は、両者を同一時刻として扱ってもよい。同様に、当直室A3から出るタイミング(当直室A3での最後の検出時刻)と、他の部屋でのこのタイミング直後の検出(他の部屋の最初の検出時刻)とは、ほぼ同じ時刻であり、プロセッサ110は、両者を同一時刻として扱ってもよい。
【0078】
図10及び
図11は、情報テーブルT1の一例を示す図である。情報テーブルT1は、勤務者IDと、検出時刻(検出日含み、当直の有無と出勤時刻と退勤時刻と残業時刻等を含む)と、検出位置とを含む。つまり、情報テーブルT1は、検出情報と勤怠情報と滞在履歴の情報とを組み合わせて保持している。情報テーブルT1では、勤務者HM毎に、各情報が保持されているが、
図10及び
図11では勤務者ID:1001で識別される勤務者HMの情報が代表して示されている。
図10及び
図11では、
図9に示した検出情報に基づく情報が保持されている。実際には、例えば1分毎に検出情報が得られているが。
図10及び
図11では抜粋した検出時刻に関連する情報が示されている。
【0079】
なお、B日では、退勤標準時刻st1以降に当直室A3に入室していないので、当直なしと判定される。この場合、プロセッサ110は、退勤標準時刻st1より後の時刻にいずれかの部屋で検出された場合には、残業勤務していると推測されるので、退勤標準時刻st1より後の検出時刻を残業時刻に決定する(
図11参照)。
【0080】
次に、本実施形態のバリエーションについて説明する。
【0081】
また、勤怠管理サーバ100と他勤怠管理サーバ200とは一体で構成されてもよい。この場合、勤怠管理サーバ100が、各勤務者HMの勤怠情報の管理も実施できる。
【0082】
本実施形態では、ビーコン送信機が無線信号を送信することを主に例示したが、これに限られない。例えば、ビーコン送信機10の代わりにRFIDタグを設け、ゲートウェイ装置20をRFIDリーダとして動作させてよい。この場合、RFIDタグがゲートウェイ装置20へ近距離無線通信によって無線信号を送信し、ゲートウェイ装置20がRFIDタグを検出して検出情報を導出するようにしてもよい。
【0083】
本実施形態では、検出時刻、出勤時刻、退勤時刻、残業時刻等は、例えば1分単位で変化する時刻(例えば0:00、0:01、…)であるが、これに限られない。例えば、10分単位、30分単位、1時間単位、1時間以上の時間単位で変化する時刻でもよいし、1分よりも短い秒単位で変化する時刻でもよいし、その他の時間単位で変化する時刻でもよい。したがって、各時刻は、詳細な又は大まかな各タイミングを示すものであってよく、時点に相当しても時間に相当してもよい。
【0084】
本実施形態では、ユーザが、ビーコン信号を送信するビーコン送信機10を所持し、病院内の各位置に、ビーコン信号を受信するビーコン受信機(ゲートウェイ装置20)が設置されることを例示したが、これに限られない。例えば、病院内の各位置に、ビーコン信号を送信するビーコン送信機が設置され、ユーザが、ビーコン信号を受信するビーコン受信機(ゲートウェイ装置)を所持してもよい。この場合、勤怠管理サーバ100は、ビーコン送信機の位置と送信機IDとを関連付けてメモリ120に保持しておき、プロセッサ110が、検出情報に含まれる送信機IDを基に検出位置つまり勤務者HMの位置を特定してよい。
【0085】
本実施形態では、複数日連続での日勤の間に当直(宿直)することを主に想定したが、これに限られない。例えば、本実施形態は、複数日連続での夜勤の間に当直(宿日直)することを想定してもよい。
【0086】
今後、医師の働き方改革に向けて、各病院は医師の勤怠を客観的な方法で記録する必要がある。しかし、医師が医療業務に集中するために勤怠打刻の作業の負担が大きくなる可能性があり、手軽に勤怠管理が可能となることが好ましく、例えば医師が自動打刻を実施できることが好ましい。これに対し、本実施形態の勤怠管理サーバ100は、医師の当直の有無や当直直前の退勤時刻や当直直後の出勤時刻や当直中の残業時刻を自動的に導出でき、当直を加味した勤怠管理を容易に実施できる。よって、勤怠管理システム5は、当直を行う医師による勤怠打刻の作業の負担を低減でき、医師が医療業務に集中できる。
【0087】
以上のように、本実施形態の勤怠管理サーバ100(勤怠管理装置の一例)は、第1の無線機(例えばビーコン送信機10)を所持する勤務者HMの勤怠を管理する。勤怠管理サーバ100は、プロセッサ110を備える。プロセッサ110は、第1の無線機と第2の無線機(例えばゲートウェイ装置20)との近距離無線通信により前記第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得する。プロセッサ110は、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、検出時刻が退勤標準時刻st1(所定の第1の時刻の一例)よりも後の時刻であり且つ退勤標準時刻st1よりも後の出勤標準時刻st2(所定の第2の時刻の一例)よりも前の時刻であり、且つ、検出位置が当直室A3(第1のエリアの一例)に含まれる検出情報I1(第1の検出情報の一例)が1つ以上存在するか否かを判定する。プロセッサ110は、検出情報I1が1つ以上存在する場合、勤務者HMが当直していると判定する。
【0088】
これにより、勤怠管理サーバ100は、ビーコン等の近距離無線通信によって第1の無線機を検出でき、この検出情報に基づいて勤務者HMの当直の有無を判定できる。また、勤怠管理サーバ100は、手動で当直の有無を登録することが不要であり、第1の無線機の検出位置と検出時刻とを加味して、当直の有無を判定できる。よって、勤怠管理サーバ100は、手入力の場合の当直状況の誤入力も低減できる。このように、勤怠管理サーバ100は、勤怠管理に係る煩雑性を低減して、勤務者の当直状況を判別して、勤務者の勤怠を容易に管理できる。
【0089】
また、プロセッサ110は、検出情報I1が所定時間(例えば30分)連続して順次取得されたか否かを判定し、検出情報I1が所定時間連続して順次取得された場合、勤務者HMが当直していると判定してよい。
【0090】
これにより、勤怠管理サーバ100は、例えば当直室に少し立ち寄ったが当直していない場合には当直していないと判定されることで、当直の判定精度を向上できる。
【0091】
また、プロセッサ110は、勤務者HMが当直していると判定された場合、退勤標準時刻st1よりも後の時刻において、1つ以上の検出情報I1のうち最初に取得された検出情報I11の直前に、当直室A3とは異なる部屋(第2のエリアの一例、例えば手術室A1)で第1の無線機が検出された検出情報I2(第2の検出情報の一例)の検出時刻dt2を、勤務者HMの当直直前の退勤時刻として決定してよい。
【0092】
これにより、勤怠管理サーバ100は、勤務者HMが第1の無線機を所持して移動することで、近距離無線信号に基づく検出情報を用いて、当直している勤務者HMの当直直前の退勤時刻を自動的に判別できる。
【0093】
また、プロセッサ110は、勤務者HMが当直していると判定された場合、出勤標準時刻st2よりも後の時刻において、当直室A3とは異なる手術室A1等で最初に第1の無線機が検出された検出情報I3(第3の検出情報の一例)の検出時刻dt3を、勤務者HMの当直直後の出勤時刻として決定してよい。
【0094】
これにより、勤怠管理サーバ100は、勤務者HMが第1の無線機を所持して移動することで、近距離無線信号に基づく検出情報を用いて、当直している勤務者HMの当直直後の出勤時刻を自動的に判別できる。
【0095】
また、プロセッサ110は、勤務者HMが当直していると判定された場合、最初に取得された検出情報I11の検出時刻dt11と出勤標準時刻st2との時間において、当直室A3とは異なる手術室A1等で検出された検出情報I4(第4の検出情報の一例)の検出時刻dt4を、勤務者HMの当直中の残業時刻として決定してよい。
【0096】
これにより、勤怠管理サーバ100は、勤務者HMが第1の無線機を所持して移動することで、近距離無線信号に基づく検出情報を用いて、当直している勤務者HMの当直中の残業時刻を自動的に判別できる。よって、勤怠管理サーバ100は、検出時刻が残業時刻である検出情報が連続して取得された場合には、検出時刻が残業時刻である時間が残業を継続していた時間であるとして、残業時間を算出できる。
【0097】
また、第2の無線機は、複数存在してよい。検出情報は、第2の無線機の識別情報(例えば受信機ID)を含んでよい。プロセッサ110は、取得された検出情報に含まれる第2の無線機の識別情報に基づいて、検出時刻に第1の無線機が検出された検出位置を特定し、検出情報に含まれる検出時刻と検出位置とを関連付けてメモリ120に保存してよい。
【0098】
これにより、勤怠管理サーバ100は、勤務者HMが勤務中にどの時刻にどの位置に所在したかを滞在履歴として記録でき、将来的に勤務者HMの勤務状態や滞在状態をより詳細に把握できる。
【0099】
また、プロセッサ110は、勤務者HMの決定された出勤時刻と退勤時刻と残業時刻とを含む勤怠情報を他勤怠管理サーバ200(他の勤怠管理装置の一例)に送信してよい。
【0100】
これにより、勤怠管理サーバ100は、打刻専用のタイムレコーダとして動作でき、他勤怠管理サーバ200により、打刻された時刻(出勤時刻、退勤時刻、及び残業時刻等)や時間外勤務の状態(残業時間)を管理できる。
【0101】
第1の無線機は、ビーコン信号を送信するビーコン送信機10及びビーコン信号を受信するゲートウェイ装置20のいずれか一方であってよい。第2の無線機は、ビーコン送信機10及び前記ゲートウェイ装置20のいずれか他方であってよい。
【0102】
勤怠管理サーバ100は、ビーコン送信機10又はゲートウェイ装置20を例えば身に着けて移動することで、勤務者HMが特に意識することなく勤怠管理できる。
【0103】
また、第1の無線機及び勤務者HMが複数存在してよい。検出情報は、第1の無線機の識別情報(例えば送信機ID)を含んでよい。プロセッサ110は、取得された検出情報に含まれる第1の無線機の識別情報に基づいて、第1の無線機に対応する勤務者を特定してよい。プロセッサ110は、第1の無線機毎に、検出情報を順次取得し、第1の無線機毎に、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、検出時刻が退勤標準時刻st1よりも後の時刻であり、且つ、検出位置が当直室A3に含まれる検出情報I1が1つ以上存在するか否かを判定してよい。プロセッサ110は、検出情報I1が1つ以上存在する場合、検出情報I1に対応する第1の無線機に対応する勤務者HMが当直していると判定してよい。
【0104】
これにより、勤怠管理サーバ100は、勤務者HM毎に当直状況が異なる場合でも、勤務者HM毎の当直状況を適切に管理できる。
【0105】
また、本実施形態の勤怠管理システム5は、勤務者HMの勤怠を管理する。勤怠管理システム5は、勤怠管理サーバ100と、勤務者HMに所持される第1の無線機と、第2の無線機と、を備える。勤怠管理サーバ100は、第1の無線機と第2の無線機との近距離無線通信により第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得する。勤怠管理サーバ100は、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、検出時刻が退勤標準時刻よりも後の時刻であり、且つ、検出位置が当直室A3に含まれる検出情報I1が1つ以上存在するか否かを判定する。勤怠管理サーバ100は、検出情報I1が1つ以上存在する場合、勤務者HMが当直していると判定してよい。
【0106】
これにより、勤怠管理システム5は、ビーコン等の近距離無線通信によって第1の無線機を検出でき、この検出情報に基づいて勤務者HMの当直の有無を判定できる。また、勤怠管理システム5は、手動で当直の有無を登録することが不要であり、第1の無線機の検出位置と検出時刻とを加味して、当直の有無を判定できる。よって、勤怠管理システム5は、手入力の場合の当直状況の誤入力も低減できる。このように、勤怠管理システム5は、勤怠管理に係る煩雑性を低減して、勤務者の当直状況を判別して、勤務者の勤怠を容易に管理できる。
【0107】
以上、図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本開示は、勤務者の当直状況を判別して、勤務者の勤怠を容易に管理できる勤怠管理装置、勤怠管理システム、勤怠管理方法、及びプログラム等に有用である。
【符号の説明】
【0109】
5 勤怠管理システム
10 ビーコン送信機
20 ゲートウェイ装置
100 勤怠管理サーバ
110 プロセッサ
120 メモリ
130 通信デバイス
200 他勤怠管理サーバ
A1 手術室
A2 ナースステーション
A3 当直室
A4 診察室
A5 病室
HM 勤務者
HP 病院
【要約】
【課題】勤務者の当直状況を判別して、勤務者の勤怠を容易に管理できる勤怠管理装置を提供する。
【解決手段】勤怠管理装置は、第1の無線機を所持する勤務者の勤怠を管理する勤怠管理装置であって、プロセッサを備え、プロセッサは、第1の無線機と第2の無線機との近距離無線通信により第1の無線機が検出された検出時刻と検出位置とを含む検出情報を順次取得し、順次取得された1つ以上の検出情報の中に、検出時刻が所定の第1の時刻よりも後の時刻であり且つ所定の第1の時刻よりも後の所定の第2の時刻よりも前の時刻であり、且つ、検出位置が第1のエリアに含まれる第1の検出情報が1つ以上存在するか否かを判定し、第1の検出情報が1つ以上存在する場合、勤務者が当直していると判定する。
【選択図】
図4