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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】加熱蒸散器
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/03 20060101AFI20231101BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20231101BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
A61L9/03
B65D83/00 F
B65D85/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019106391
(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公開番号】P2020198955
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000164140
【氏名又は名称】金澤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】辻 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】三上 礼
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏人
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-000385(JP,A)
【文献】米国特許第09474818(US,B1)
【文献】特開2005-131546(JP,A)
【文献】実開平10-000220(JP,U)
【文献】実開平01-140269(JP,U)
【文献】特開2002-300838(JP,A)
【文献】特開2000-270750(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105432581(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
B65D 83/00,83/08-83/76
B65D 85/00-85/28,85/575
A01M 1/00-99/00
A45D 33/00-40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収納する容器本体、及び、一部が容器本体に収容され、一部が前記容器本体の外に露出する吸液芯を備える容器と、
前記吸液芯の前記容器本体の外に配置される部分を加熱する加熱部と、
前記容器本体に着脱可能に取り付けられ、少なくとも前記吸液芯の前記容器本体の外に露出する部分及び前記加熱部を内部に収納し、上部に開口が形成され、内面の、前記開口から下方へ連続する少なくとも一部の範囲が、当該範囲の上下方向に直交する断面の、前記内面により囲まれる領域の面積が、上方に向かうにしたがい漸次小さくなる形状に構成され、かつ、前記内面に、下方から前記開口に向けて収束する螺旋状に構成される複数のリブが設けられ、前記複数のリブのそれぞれの下端が、前記加熱部の上端と同じ高さ位置、または、前記加熱部の前記上端よりも低い高さ位置に配置されるカバーと、
を備える加熱蒸散器。
【請求項2】
前記複数のリブのそれぞれの、前記内面からの上下方向に直交する方向の高さは、前記内面の前記複数のリブのそれぞれが形成される領域の上端から下端に向かって漸次高くなる、
請求項1に記載の加熱蒸散器。
【請求項3】
前記カバーの下端を覆い、かつ前記加熱部を支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記吸液芯の前記容器本体の外に出る部分の一部を配置する孔、及び、前記孔の周方向に並ぶ複数の通気孔を有する、
請求項1に記載の加熱蒸散器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤等の薬液の蒸散を促進する加熱蒸散器に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香剤等の薬液の蒸散を促進する加熱蒸散器が知られている。このような加熱蒸散器としては、薬液を収納した薬液容器の上部にヒーター等の発熱体を設置する構成、及び発熱体を内部に収納するカバーの上部に形成された蒸散口を有する構成が知られている。加熱蒸散器は、発熱体により吸液芯を加熱することで、吸液芯により吸い上げられた薬液を加熱して気化させ、蒸散口から、発熱体により気化された薬液を外部に排出する。
【0003】
また、この種の加熱蒸散器は、カバーの内面に、カバー内の気流を整流する整流手段を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000―270750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱蒸散器は、当該加熱蒸散器が設置される部屋等の室空間部の広範囲に、薬液を蒸散することが求められる。
【0006】
この為、本発明は、広い範囲に液体を蒸散可能な加熱蒸散器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加熱蒸散器は、液体を収納する容器本体、及び、一部が容器本体に収容され、一部が前記容器本体の外に露出する吸液芯を備える容器と、前記吸液芯の前記容器本体の外に配置される部分を加熱する加熱部と、前記容器本体に着脱可能に取り付けられ、少なくとも前記吸液芯の前記容器本体の外に露出する部分及び前記加熱部を内部に収納し、上部に開口が形成され、内面の、前記開口から下方へ連続する少なくとも一部の範囲が、当該範囲の上下方向に直交する断面の、前記内面により囲まれる領域の面積が、上方に向かうにしたがい漸次小さくなる形状に構成され、かつ、前記内面に、下方から前記開口に向けて収束する螺旋状に構成される複数のリブが設けられ、前記複数のリブのそれぞれの下端が、前記加熱部の上端と同じ高さ位置、または、前記加熱部の前記上端よりも低い高さ位置に配置されるカバーと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広い範囲に液体を蒸散できる加熱蒸散器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る加熱蒸散器の構成を示す斜視図。
図2】本実施形態の加熱蒸散器の構成を分解して示す斜視図。
図3】本実施形態の加熱蒸散器の構成を示す断面図。
図4】本実施形態の加熱蒸散器に用いられるカバー及び発熱体支持部の構成を示す下面図。
図5】本実施形態の発熱体支持部の構成を示す斜視図。
図6】本実施形態の発熱体支持部の構成を示す斜視図。
図7】本実施形態の発熱体支持部の構成を示す下面図。
図8】本実施形態のカバーの構成を示す平面図。
図9】本実施形態のカバーの構成を示す下面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施形態に係る加熱蒸散器10を、図1乃至図9を用いて説明する。図1は、加熱蒸散器10の構成を示す斜視図である。図2は、加熱蒸散器10の構成を分解して示す斜視図である。図3は、加熱蒸散器10の構成を、薬液容器20以外の構成のみ切断して示す断面図である。図4は、加熱蒸散器10に用いられるカバー60及び発熱体支持部50の構成を示す下面図である。図5は、発熱体支持部50の構成を前方から見た状態を示す斜視図である。図6は、発熱体支持部50の構成を後方から見た状態を示す斜視図である。図7は、発熱体支持部50の構成を示す下面図である。図8は、カバー60の構成を示す平面図である。図9は、カバー60の構成を示す下面である。
【0011】
図1乃至図3に示すように、加熱蒸散器10は、薬液Lを収納した薬液容器20と、薬液容器20の上部に着脱可能に取り付けられ、薬液Lの気化を促進させる加熱蒸散器本体30と、を備えている。薬液Lは、加熱蒸散器10により蒸散する液体の一例である。薬液Lは、例えば、芳香剤である。
【0012】
薬液容器20は、図2及び図3に示すように、薬液Lを収納する容器本体21と、容器本体21に設けられる吸液芯22と、を備えている。容器本体21は、筒状の第1の胴部23と、第1の胴部23の下端に形成される底壁部24と、第1の胴部23の上部に形成されるねじ部25と、を有する。
【0013】
第1の胴部23は、例えば、上下方向に直交する断面が一方向に長い矩形状となる筒状に構成される。第1の胴部23の長手方向に沿う1つの側面には、突出部26が形成される。突出部26は、例えば、長円状に構成される。
【0014】
なお、加熱蒸散器10の上下方向は、加熱蒸散器10を水平な平面に載置したときの重力方向と平行となる方向である。加熱蒸散器10は、使用状態において、加熱蒸散器10の上下方向が重力方向と平行または略平行となる姿勢で使用される。
【0015】
底壁部24は、第1の胴部23の下端を閉塞する。
ねじ部25は、加熱蒸散器10の未使用時等に、吸液芯22を覆う蓋部材が螺合可能に構成される。ねじ部25は、筒状に構成され、外周面に雄ネジが形成される。ねじ部25は、第1の胴部23と同軸に配置される。ねじ部25は、例えば、第1の胴部23の短手方向に沿う長さより若干小さい径を有する形状に構成される。この為、ねじ部25の下端と、第1の胴部23の上端の短手方向に沿う縁部との間には、これらをなだらかに連続する肩部27が形成される。なお、図3では、ねじ部25は、雄ネジを省略して示している。
【0016】
ねじ部25の上端には、吸液芯22を配置する第1の孔28が形成される。第1の孔28は、容器本体21内に連通する。
【0017】
吸液芯22は、一方向に長い棒状に構成される。吸液芯22は、第1の孔28を通して容器本体21に取り付けられる。吸液芯22は、その一部が容器本体21内に収納され、他の一部が容器本体21外へ配置される。
【0018】
また、吸液芯22は、例えば、吸液芯22の軸線が上下方向に沿う姿勢で第1の孔28に位置決めされてもよい。ここで言う位置決めは、少なくとも、吸液芯22の、第1の孔28の径方向の移動が防止されることである。この規制の一例として、吸液芯22は、例えば、第1の孔28に固定されてもよい。吸液芯22が第1の孔28に固定される構成の場合では、この固定の手段は位置決めの手段の一例であり、例えば、吸液芯22を第1の孔28に嵌合することである。なお、吸液芯22の第1の孔28への位置決めの手段は、限定されない。
【0019】
加熱蒸散器本体30は、発熱体ユニット40と、発熱体ユニット40を支持する発熱体支持部50と、カバー60と、を備えている。
【0020】
発熱体ユニット40は、発熱体41と、発熱体41を制御する制御部42と、プラグ43と、備えている。発熱体41は、後述する加熱部46を有し、加熱部46を昇温可能に構成される装置である。発熱体41は、外郭体44と、発熱体支持部50に支持される被支持部45と、加熱部46と、を備えている。
【0021】
外郭体44は、図2に示すように、例えば樹脂材料で形成されている。外郭体44は、内部に加熱部46を配置する第2の孔44aを有している。第2の孔44aは、外郭体44を貫通する。外郭体44は、一方向に長い形状に構成される。
【0022】
被支持部45は、例えば複数、具体例として2つ、外郭体44に形成される。被支持部45は、例えば、外郭体44の長手方向に沿う両側面のそれぞれから突出する突出部に構成される。被支持部45は、それぞれ、ねじを配置する第3の孔45aが形成される。
【0023】
加熱部46は、吸液芯22を加熱可能に構成される。加熱部46は、例えば、内側に吸液芯22の一部を配置する形状に構成される。加熱部46は、吸液芯22の一部を内側に配置する形状の一例として、環状に構成される。加熱部46は、制御部42から供給される電力により昇温可能に構成される。加熱部46は、好ましくは、その内面が吸液芯22に接触しない大きさを有する。加熱部46は、外郭体44に支持される。加熱部46は、例えば、その外周側が外郭体44内に収納され、その内周側が露出する。加熱部46の内周面は、外郭体44の第2の孔44aの内側に配置される。加熱部46の上端46aは、外郭体44の上面と上下方向に同じ高さ位置に配置される。
【0024】
制御部42は、プラグ43及び加熱部46に電気的に接続される。制御部42は、プラグ43を介して供給される電力により駆動し、加熱部46の温度を昇温する。制御部42は、加熱部46を、吸液芯22に含まれる薬液Lの蒸発を促進させる温度まで、昇温可能に構成される。
【0025】
プラグ43は、制御部42に電気的に接続され、電力供給部のソケットに挿入可能に構成される。電力供給部のソケットは、例えば家庭用の電力供給のコンセントである。このように構成された発熱体ユニット40は、例えば、PTCヒーターである。
【0026】
発熱体支持部50は、図2に示すように、容器本体21のねじ部25を収納する収納部51と、発熱体41が固定される第1の固定部52と、制御部42及びプラグ43が固定される第2の固定部53と、を有している。
【0027】
収納部51は、図5乃至図7に示すように、筒状に構成される第2の胴部54と、第2の胴部54の上部に形成され、第2の胴部54内の空間の上部を覆う第1の上壁部55と、を有している。
【0028】
第2の胴部54は、その内周面が、内部に収納したねじ部25の外周面との間に所定の隙間Sを有する筒形状に構成される。第2の胴部54は、例えば、矩形の筒状に構成される。
【0029】
第2の胴部54の下端には、外側に延出するフランジ部56が形成される。フランジ部56は、第2の胴部54の下端の、容器本体の肩部27に対向する領域にそれぞれ形成される。
【0030】
2つのフランジ部56間には、容器本体21の突出部26に係合可能に構成される係合部57が形成される。係合部57は、具体的には、2つのフランジ部56の、2つのフランジ部56が並ぶ方向に直交する方向一端から下方に延出する枠状に構成される。
【0031】
係合部57は、加熱蒸散器本体30が薬液容器20に取り付けられたときに、係合部の下縁部57aが、容器本体21の突出部26の下方に配置される。この為、加熱蒸散器本体30を薬液容器20に対して上方に移動したときに、下縁部57aが突出部26に当接することで、加熱蒸散器本体30が薬液容器20から外れにくくする。
【0032】
なお、係合部57は、加熱蒸散器10のプラグ43を家庭用コンセントに差し込んで使用される状態において、容器本体21の下面がいずれにも接触せず浮いた状態となると、突出部26の下面に当接する。係合部57及び突出部26の係合は、このように、容器本体21の下面が浮いた状態となる使用においても、解除されることがない強度の係合である。なお、係合部57は、薬液Lがなくなった場合等に薬液容器20を加熱蒸散器本体30から取り外す際に、薬液容器20に対して加熱蒸散器本体30を所定の力で上方に移動すると、解除されるよう、構成される。
【0033】
第1の上壁部55は、第2の胴部54の上部に形成される。第1の上壁部55の、収納部51内に面する下面55bは、発熱体支持部50が容器本体21に取り付けられた状態において、図3に示すように、容器本体21のねじ部25の上端との間に隙間を有する。この隙間の上下方向の幅、換言すると、下面55bからねじ部25の上端までの上下方向の距離は、例えば、1mmである。
【0034】
加熱蒸散器10が床や机等に載置された状態では、係合部57及び突出部26の当接が解除され、下面55bがねじ部25の上端に当接することで、発熱体支持部50が薬液容器20に支持される。第1の上壁部55の中央には、容器本体21から露出する吸液芯22の一部を配置可能な第4の孔55aが形成される。
【0035】
なお、本実施形態では、加熱蒸散器10が床や机等の載置部に載置された状態では、第1の上壁部55の下面55bがねじ部25の上端に当接することで、発熱体支持部50が薬液容器20に支持される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、第2の胴部54の下端、またはフランジ部56が容器本体21に当接することで、発熱体支持部50が薬液容器20に支持される構成であってもよい。
【0036】
第1の固定部52は、第2の胴部54及びフランジ部56と一体に形成され、第2の胴部54の第1の上壁部55の上面よりも上方に突出する突出部に構成される。第1の固定部52は、第1の上壁部55の、第4の孔55aを挟んで係合部57と反対側に形成される。
【0037】
第1の固定部52は、発熱体41の被支持部45と同数形成される。第1の固定部52は、本実施形態では、2つ形成される。一方の第1の固定部52は、発熱体41の一方の被支持部45と上下方向に対向する位置に形成される。他方の第1の固定部52は、他方の被支持部45と上下方向に対向する位置に形成される。
【0038】
第1の固定部52は、その上面に、発熱体41の被支持部45の第3の孔45aに嵌合する突出部52aが形成される。第1の固定部52及び突出部52aは、ねじを配置可能な第5の孔52bが形成される。
【0039】
第2の固定部53は、図6に示すように、第2の胴部54の、第4の孔55aを挟んで係合部57と反対側に一体に形成される。具体的には、第2の固定部53は、第2の胴部54の外面から突出したリブ、第2の胴部54の下端から下方に延出した壁部等により構成される。第2の固定部53は、図1に示すように、薬液容器20の第1の胴部23の、突出部26を有する側面と相対する側面の一部を覆う。
【0040】
このように構成される発熱体支持部50は、第1の上壁部55の第4の孔55aの周方向に並ぶ複数の通気孔58が形成される。通気孔58は、具体例として、図5乃至図7に示すように、第2の胴部54の2つのフランジ部56の間の領域の一方に形成される第1の通気孔58aと、第2の胴部54の第1の通気孔58aを挟んで両側の領域及びフランジ部56のそれぞれに形成される複数の第2の通気孔58bと、第1の上壁部55の、2つの第1の固定部52の間の領域に形成される複数の第3の通気孔58cと、を有する。
【0041】
第2の通気孔58bは、第1の通気孔58aを挟んだ両側のそれぞれに、例えば3つ形成される。第3の通気孔58cは、例えば、2つ形成される。
【0042】
図1に示すように、カバー60は、少なくとも、吸液芯22の容器本体21の外に露出する部分及び加熱部46の両方を内部に収納可能に構成される。カバー60は、本実施形態では、下端が開口し、かつ、加熱蒸散器本体30が薬液容器20に取り付けられた状態で、少なくとも、発熱体41のうち温度が高くなる部分である加熱部46及び吸液芯22の容器本体21の外に露出する部分の両方を内側に収納可能に構成される。
【0043】
本実施形態では、カバー60は、薬液容器20の一部、発熱体ユニット40のプラグ43を除く構成、及び発熱体支持部50の一部、及び発熱体ユニット40を内部に収納する形状に構成される。
【0044】
また、カバー60は、上下方向に直交する断面の、カバー60の内面60aに囲まれる領域の面積が、加熱部46の上端46aと同じ高さ位置、または上端46aよりも低い位置から上方に向かうにつれて漸次小さくなる形状に構成される。
【0045】
換言すると、カバー60の内面60aの、蒸散口63から下方の蒸散口63に連続する少なくとも一部の範囲は、上下方向に直交する断面の内面60aに囲まれる領域の面積が、上方に向かい減少する形状に形成される。さらに、この範囲の下端は、加熱部46の上端46aと同じ高さ位置、または、上端46aよりも低い高さ位置に配置される。
【0046】
具体例として、カバー60は、図3に示すように、第3の胴部61と、第3の胴部61の上端に形成される第2の上壁部62と、を有する。
【0047】
第3の胴部61は、上下方向に直交する断面が例えば矩形状に構成され、かつ、第3の胴部61の上下方向の下端から上端に向かうにつれて、上下方向に直交する断面の、第3の胴部61の内面61aにより囲まれる領域の面積が、漸次小さくなる筒状に構成される。
【0048】
第2の上壁部62は、上方に突出する椀状に構成される。第2の上壁部62は、上下方向に直交する断面が例えば矩形状に構成され、かつ、第2の上壁部62の下端から上端に向かうにつれて、上下方向に直交する断面の、第2の上壁部62の内面62aに囲まれる領域の面積が、漸次小さくなる形状に構成される。内面61a、62aは、内面60aの一部である。
【0049】
ここで、カバー60の上下方向に直交する断面の、カバー60の内面60aにより囲まれる領域をRとする。第3の胴部61の上下方向に直交する断面の、第3の胴部61の内面61aにより囲まれる領域をR1とし、第2の上壁部62の上下方向に直交する断面の、第2の上壁部62の内面62aにより囲まれる領域をR2とする。
【0050】
領域R1、R2は、領域Rの一部である。領域R2の面積の下方から上方への減少の程度は、領域R1の面積の下方から上方への減少の程度に比較して大きい。ここで言う減少の程度が大きいとは、上下方向に単位距離ずれた2つの位置の上方の位置での領域Rの面積を下方の位置での領域Rの面積で除算した値に基づく。この除算した値が小さいほど、減少の程度が大きいことを示す。換言すると、第2の上壁部62は、第3の胴部61に比較して、上方に向かって先細りする形状に構成される。
【0051】
第2の上壁部62の内面62aの下端62bは、加熱部46の上端46aと同じ高さ位置、または、上端46aよりも低い高さ位置に位置する。本実施形態では、下端62bは、加熱部46の上端46aよりも下方に位置する。本実施形態では、外郭体44の上端及び加熱部46の上端46aは同じ高さ位置に位置する。そして、外郭体44の上端及び加熱部46の上端46aが発熱体41の上端41aを構成する。この為、換言すると、発熱体41の上端41aは、カバー60の内部空間の内、領域Rの減少率が比較的大きい位置に配置される。なお、図3中では、発熱体41は、周囲の構成の説明の為、2点鎖線で示している。
【0052】
また、第3の胴部61の、第2の固定部53に対向する領域には、第2の固定部53及び制御部42に応じて、外側に張り出す形状に構成される。
【0053】
第3の胴部61の下端縁61bの一部は、発熱体支持部50の、フランジ部56の外縁、係合部57、及び、第2の固定部53の縁の一部に沿う形状に構成される。第3の胴部61の下端縁61bの他部は、第2の固定部53のとの間に、プラグ43を配置する開口61cを形成する形状に構成される。
【0054】
なお、第3の胴部61の一部は、フランジ部56、係合部57との間に隙間を有してもよい。本実施形態では、図4に示すように、第3の胴部61は、フランジ部56との間に、隙間S1、S2を有する。また、第3の胴部61は、係合部57との間に、隙間S3を有する。
【0055】
図8に示すように、カバー60の第2の上壁部62の中央部には、蒸散口63が形成される。蒸散口63は、例えば、図3に示すように、蒸散口63の中心が、薬液容器20の第1の孔28の軸線上に配置される。本実施形態では、一例として、吸液芯22が、第1の孔28と同軸となる位置に位置決められている。この為、蒸散口63の中心は、吸液芯22の軸線上に配置される。
【0056】
蒸散口63は、一例として、蒸散口63の中心から上下方向に直交する3方向に突出する形状に構成される。換言すると、蒸散口63は、周方向に並ぶ3つの孔63aが、それぞれ、第2の上壁部62の中央で連通する形状に構成される。
【0057】
図3及び図9に示すように、カバー60の内面60aの、領域Rの面積が上方に向かい漸次小さくる範囲には、蒸散口63の周囲から、蒸散口63を中心とした径方向外側に延びる複数のリブ64が形成される。複数のリブ64は、内面60aに沿って延びる。また、複数のリブ64は、蒸散口63が第2の上壁部62に形成されることから、内面62aに沿って下方に延びる。リブ64は、例えば6個形成される。
【0058】
複数のリブ64は、下方から見た形状が、吸液芯22から気化した薬液Lを蒸散口63に導く湾曲した形状に構成される。複数のリブ64の形状について具体的に説明する。ここで、内面60aの各リブ64が形成される領域の下端を第1の下端64aとし、上端を第1の上端64bとする。各リブ64は、図9に示すように下方から見た形状が、第1の下端64aから第1の上端64bにかけて、同方向に突出する湾曲形状に構成される。さらに具体的に説明すると、各リブ64は、図中矢印Dで示すように、一例として、蒸散口63回りに反時計回り方向に突出する湾曲状に構成される。換言すると、各リブ64は、螺旋状に構成される。また、各リブ64は、例えば、カバー60を射出成型で成型可能とするべく、カバー60を型抜きできるよう考慮された形状に構成される。
【0059】
次に、複数のリブ64の下端を第2の下端64cとし、内面60aの各リブ64が形成される領域の下端である第1の下端64a及び第2の下端64cの位置について説明する。内面60aの各リブ64が形成される領域の下端である第1の下端64a及び複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cは、加熱部46の上端46aと同じ高さ位置、または、上端46aよりも低い高さ位置に配置される。本実施形態では、複数のリブ64は、一例として、第2の上壁部62の内面62aに形成され、第3の胴部61の内面61aには、形成されない。
【0060】
本実施形態では、一例として、内面60aのリブ64が形成される複数の領域のそれぞれの第1の下端64a及び複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cは、上下方向に、内面62aの下端62bと同位置に配置される。換言すると、本実施形態では、複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cは、カバー60の上下方向に直交し、下端62bを通る平面内に配置される直線状に構成される。
【0061】
次に、複数のリブ64のそれぞれの高さ寸法について説明する。図3に示すように、複数のリブ64のそれぞれの、内面60aからの高さ寸法をHとする。ここで言う高さ寸法Hは、内面60aからの上下方向に直交する方向に沿う高さである。高さ寸法Hは、内面60aの複数のリブ64が形成される領域のそれぞれの第1の上端64bから第1の下端64aに向けて、漸次高くなる。
【0062】
また、本実施形態では、内面60aの複数のリブ64のそれぞれが形成される領域の第1の上端64bでのリブ64の高さ寸法Hは、一例として、図3に示すようにゼロまたは略ゼロである。
【0063】
また、カバー60の内面60aには、発熱体支持部50を、ねじで固定する第3の固定部65が形成される。第3の固定部65は、発熱体支持部50の第1の固定部52と同数が形成される。一方の第3の固定部65は、一方の第1の固定部52と上下方向に対向する位置に形成される。他方の第3の固定部65は、他方の第1の固定部52と上下方向に対向する位置に形成される。
【0064】
次に、加熱蒸散器10の組み立て方法の一例を説明する。
まず、発熱体ユニット40を発熱体支持部50に取り付ける。具体的には、発熱体支持部50の第2の固定部53に、発熱体ユニット40の制御部42を固定する。
【0065】
次に、発熱体支持部50の2つの第1の固定部52のそれぞれに、発熱体41の被支持部45を配置し、第1の固定部52の突出部52aを被支持部45の第3の孔45a内に嵌合する。突出部52aを第3の孔45aに嵌合することで、発熱体41が発熱体支持部50に仮固定される。
【0066】
次に、発熱体ユニット40及び発熱体支持部50を、カバー60内に収納する。このとき、発熱体支持部50の第2の固定部53及び制御部42を、カバー60の外側に張り出した部分の内側に収納し、発熱体ユニット40の一方の被支持部45を、カバー60の一方の第3の固定部65に対向させ、他方の被支持部45を他方の第3の固定部65に対向させる。この位置合わせにより、第3の固定部65と、発熱体支持部50の第1の固定部52と、が被支持部45を介して対向する。
【0067】
次に、ねじを、第1の固定部52の孔及び被支持部45の孔を挿通させて第3の固定部65のねじ孔に螺合させる。これにより、発熱体41、発熱体支持部50、及びカバー60が一体に固定される。これにより、加熱蒸散器本体30の組み立てが完了する。
【0068】
次に、薬液容器20から、吸液芯22を覆う蓋部材を取り外す。次に、薬液容器20上に、加熱蒸散器本体30を取り付ける。具体的には、容器本体21のねじ部25を、第2の胴部54内に収納し、吸液芯22の容器本体21から外に出る部分を、収納部51の第1の上壁部55の第4の孔55a、及び発熱体41の加熱部46内に配置し、係合部57の内側に、容器本体21の突出部26を配置する。これにより、加熱蒸散器10の組み立てが完了する。
【0069】
次に、加熱蒸散器10の動作を説明する。
ユーザは、加熱蒸散器10を使用する際には、プラグ43を、鉛直方向に平行な面に配置される例えば家庭用コンセント等に挿入する。プラグ43が家庭用コンセントに挿入された状態では、加熱蒸散器10の姿勢は、加熱蒸散器10の上下方向が重力方向に平行または略平行となる姿勢となる。
【0070】
加熱蒸散器10は、プラグ43が家庭用コンセント等に挿入されることで、制御部42が加熱部46を昇温する。加熱部46は、吸液芯22に吸い上げられた薬液Lの気化を促進する温度まで昇温される。
【0071】
加熱部46に対向する吸液芯22が、加熱部46により加熱されることで、容器本体21から吸い上げた薬液Lが気化される。気化された薬液Lは、カバー60内の上方に移動する。このとき、カバー60の内面60aに形成された、螺旋状に構成される複数のリブ64により、気化した薬液Lは、螺旋状の移動軌跡を形成しながら、蒸散口63まで導かれる。また、気化した薬液Lが、螺旋の移動軌跡を形成することで、気化した薬液Lのカバー60内の移動経路長さが長くなる。結果、カバー60内に溜まる、気化した薬液Lの量が多くなることで、カバー60内の蒸散口63の周囲の圧力が高くなる。
【0072】
蒸散口63まで導かれた気化した薬液Lは、カバー60内の圧力によって、蒸散口63を通してカバー60の外の上方に、直線状に排出される。排出された、気化した薬液Lは、部屋の広範囲に拡散される。
【0073】
また、加熱蒸散器10の外部の空気は、主に、加熱蒸散器本体30及び薬液容器20の間の隙間を通って、通気孔58を通って、発熱体支持部50及びカバー60の間の空間内に移動する。具体的には、第1の通気孔58a、複数の第2の通気孔58b、及び複数の第3の通気孔58cを通って、発熱体支持部50及びカバー60間の空間内に移動する。
【0074】
第1の通気孔58a、複数の第2の通気孔58b、及び複数の第3の通気孔58cが、発熱体支持部50の第4の孔55aの周方向に並ぶことから、第1の通気孔58a、複数の第2の通気孔58b、及び複数の第3の通気孔58cを通って、発熱体支持部50及びカバー60間の空間に移動した空気は、発熱体41の加熱部46内に、周方向から侵入する。
【0075】
このように構成される本実施形態の加熱蒸散器10では、カバー60の内面60aに複数の螺旋状のリブ64が形成されることで、加熱部46により加熱されて気体となった薬液Lは、複数の螺旋状のリブ64に沿って蒸散口63に導かれる為、カバー60内での蒸散口63までの移動経路が螺旋状の軌跡を構成する。この為、気体となった薬液Lのカバー60内での移動経路長が長くなる為、カバー60内の、気体となった薬液Lの量が、複数のリブ64を有さない構成に比較して多くなる。結果、カバー60内の、蒸散口63の付近の圧力が高くなることで、蒸散口63から外部に排出される、気体となった薬液Lの上昇高さを向上できる。この為、加熱蒸散器10が設置される室空間部内の広範囲に、気体となった薬液を拡散することが可能となる。
【0076】
さらに、カバー60の上下方向に直交する断面の、カバー60の内面60aに囲まれる領域の面積は、下方から蒸散口63に向かうにつれて漸次小さくなる。この為、カバー60内の、蒸散口63の近傍の圧力を、より一層高めることが可能となるので、蒸散口63から外部に排出される、気体となった薬液Lをより高い位置まで上昇させることが可能となる。結果、気体となった薬液Lを、広範囲に拡散することが可能となる。
【0077】
さらに、複数のリブ64の第2の下端64cは、加熱部46の上端46aと上下方向で同じ高さ位置、または、上端46aよりも低い高さ位置に配置される。この為、加熱部46により加熱されて気化した薬液Lは、発熱体41から出た直後から、複数のリブ64により移動が案内される。結果、気体となった薬液Lをスムーズに蒸散口63まで導くことが可能となるので、カバー60内に乱流が生じることを抑制できる。結果、蒸散口63から排出された、気化した薬液をより高い位置まで上昇させることが可能となる。
【0078】
さらに、第2の上壁部62の、上下方向に直交する断面の内面62aに囲まれる領域R2の面積の、上方へ向かうにしたがい減少する減少の程度が、第3の胴部61の、上下方向に直交する断面の内面61aに囲まれる領域R1の面積の、上方へ向かうにしたがい減少する減少の程度より高く、内面62aの下端62bが、加熱部46の上端46aと上下方向で同じ高さ位置または上端46aよりも低い高さ位置に配置されることで、加熱部46から出た、気体状の薬液Lが、内面62aによっても、蒸散口63にスムーズに導かれる。この為、カバー60内に乱流が生じることを抑制できる。結果、蒸散口63から排出された、気化した薬液をより高い位置まで上昇させることが可能となる。
【0079】
さらに、複数のリブ64のそれぞれの高さ寸法Hは、カバー60の内面60aのリブ64が形成される領域の第1の上端64bから第1の下端64aに向けて漸次高くなる。換言すると、リブ64の高さ寸法Hは、蒸散口63に近づくに従い低くなる。結果、複数のリブ64により案内を受けない、気体となった薬液Lの蒸散口63までの流れの抵抗を小さくできる。
【0080】
この効果について、具体的に説明する。発熱体41により気体となった薬液Lのうち、主に内面60a近傍を流れる気体となった薬液Lが、複数のリブ64により蒸散口63に案内される。そして、複数のリブ64による案内を受けない気体となった薬液Lの蒸散口63までの流れに対して、複数のリブ64は、抵抗となる。
【0081】
しかしながら、本実施形態では、複数のリブ64の高さ寸法Hが、蒸散口63に向かうに従い低くなるので、複数のリブ64の案内を受けない気体となった薬液Lの流れの抵抗を小さくできる。結果、カバー60内に乱流が生じることを抑制できるので、蒸散口63から排出された、気化した薬液をより高い位置まで上昇させることが可能となる。
【0082】
さらに、発熱体支持部50に、吸液芯22が配置される第4の孔55aの周方向に並ぶ複数の通気孔58が形成されることで、発熱体支持部50及びカバー60間の空間内に、吸液芯22に向かって周方向外側からバランスよく空気を供給可能となる。結果、カバー60の蒸散口63の周囲で乱流が生じることを抑制できる。結果、蒸散口63から排出された、気化した薬液をより高い位置まで上昇させることが可能となる。
【0083】
なお、本実施形態では、加熱蒸散器10は、芳香剤等の薬液の気化を促進させる構成を一例として説明したが、これに限定されない。加熱蒸散器10は、例えば薬液以外の液体の気化を促進してもよい。この構成の場合は、薬液容器20は、薬液以外の液体を収納する。
【0084】
また、本実施形態では、加熱蒸散器10は、カバー60の内面60aの、蒸散口63から下方へ連続する少なくとも一部の範囲の上下方向に直交する断面の、内面60aにより囲まれる領域の面積が、上方に向かうにしたがい漸次小さくなる構成として、下端から上端まで、上下方向に直交する断面の内面61aにより囲まれる領域の面積が上方に向かうにしたがい漸次小さくなる第3の胴部61と、上下方向に直交する断面の内面62aにより囲まれる領域の面積が上方に向かうにしたがい漸次小さくなる第2の上壁部62と、を有する構成が一例として説明したが、これに限定されない。
【0085】
すなわち、本実施形態では、カバー60の下端から上端まで、上下方向に直交する断面の内面60aに囲まれる領域の面積が上方に向かうに従い小さくなる形状が一例として説明された。
【0086】
他の例では、第3の胴部61が上端から下端まで、上下方向に直交する断面が一定の形状に構成されてもよい。または、他の例では、カバー60が、円錐や三角錐等の先細形状に構成されてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、加熱蒸散器10では、複数のリブ64のそれぞれは、内面60aの複数のリブ64のそれぞれが形成される領域の上端である第1の上端64bでの、上下方向に直交する方向の高さ寸法Hが、ゼロまたは略ゼロである構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、複数のリブ64のそれぞれは、第1の上端64bでの、上下方向に直交する高さ寸法Hが、ゼロより大きい値であってもよい。
【0088】
また、本実施形態では、第2の上壁部62の内面62aの下端62bは、加熱部46の上端46aと同じ高さ位置、または、上端46aよりも低い高さ位置に配置され、複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cは、加熱部46の上端46aと同じ高さ位置、または、上端46aよりも低い高さ位置に配置される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。
【0089】
加熱部46の上端46aの高さ位置が、外郭体44の上面の高さ位置と異なる構成である場合は、例えば、第2の上壁部62の内面62aの下端62bは、外郭体44の上面と同じ高さ位置、または、外郭体44の上面よりも低い高さ位置に配置され、複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cは、外郭体44の上面と同じ高さ位置、または、外郭体44の上面よりも低い高さ位置に配置される構成であってもよい。
【0090】
例えば、外郭体44の上面の高さ位置が加熱部46の上端46aの高さ位置よりも高い場合は、加熱部46によって気化された薬液Lは、加熱部46よりも上方に移動した後、外郭体44の上面に形成された第2の孔44aを通って発熱体41の外に出る。
【0091】
この為、第2の上壁部62の内面62aの下端62bが、外郭体44の上面と同じ高さ位置、または、外郭体44の上面よりも低い高さ位置に配置され、複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cが、外郭体44の上面と同じ高さ位置、または、外郭体44の上面よりも低い高さ位置に配置される構成である場合、第2の孔44aを通って発熱体41の外に出た気化された薬液Lは、第2の上壁部62の内面62a及び複数のリブ64により、蒸散口63にスムーズに導かれる。
【0092】
または、加熱部46の上端46aの高さ位置が、外郭体44の上面の高さ位置と異なる構成である場合は、例えば、第2の上壁部62の内面62aの下端62bは、外郭体44の上面及び加熱部46の上端46aのうち高い方と同じ高さ位置、または、外郭体44の上面及び加熱部46の上端46aのうち高い方よりも低い高さ位置に配置され、複数のリブ64のそれぞれの第2の下端64cは、外郭体44の上面及び加熱部46の上端46aのうち高い方と同じ高さ位置、または、外郭体44の上面及び加熱部46の上端46aのうち高い方よりも低い高さ位置に配置される構成であってもよい。
【0093】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0094】
10…加熱蒸散器、20…薬液容器、21…容器本体、22…吸液芯、30…加熱蒸散器本体、40…発熱体ユニット、41…発熱体、41a…上端、46a…上端、50…発熱体支持部、51…収納部、54…第2の胴部、55…第1の上壁部、56…フランジ部、57…係合部、58…通気孔、58a…第1の通気孔、58b…第2の通気孔、58c…第3の通気孔、60…カバー、60a…内面、61…第3の胴部、61a…内面、62…第2の上壁部、62a…内面、62b…下端、63…蒸散口、64…リブ、64a…第1の下端、64b…第1の上端、64c…第2の下端(下端)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9