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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】支給計算システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20231101BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023529072
(86)(22)【出願日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 JP2023018180
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2022114114
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503319560
【氏名又は名称】株式会社バイトルヒクマ
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】土田 恵理
(72)【発明者】
【氏名】横田 千恵子
(72)【発明者】
【氏名】高田 崇彦
(72)【発明者】
【氏名】土岐 匠
(72)【発明者】
【氏名】内田 忍
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-154889(JP,A)
【文献】特開2006-309560(JP,A)
【文献】特開2016-192201(JP,A)
【文献】志戸岡 豊,小さな会社の給与計算・年末調整の手続きがぜんぶ自分でできる本,ソシム株式会社 片柳 秀夫,2020年12月16日,p.172
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、
前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、
前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃及び前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、
前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第1支給額に関する支給情報であって、当該第1支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段とを備えることを特徴とする支給計算システム。
【請求項2】
支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、
前記通勤経路での通勤に要する運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、
前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額である第1支給額を計算する第1支給額計算手段と、
前記第1支給額計算手段で計算した第1支給額に関する支給情報であって、当該第1支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段と、
前記支給対象者の通勤実日数に関する通勤実日数情報を記憶する通勤実日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤実日数に関する通勤実日数情報を取得する通勤実日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤実日数情報取得手段で取得した通勤実日数情報に基づいて、前記計算対象期間の通勤実日数に対応する交通費支給額である第2支給額を計算する第2支給額計算手段と、
前記第2支給額計算手段で計算した第2支給額が前記第1支給額よりも大きい場合は、不足分を支給するための不足支給情報を生成する不足支給情報生成手段と、
前記第2支給額計算手段で計算した第2支給額が前記第1支給額よりも小さい場合は、過払い分を徴収するための徴収情報を生成する徴収情報生成手段とを備えることを特徴とする支給計算システム。
【請求項3】
支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、
前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、
前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、
前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第1低額支給額に関する支給情報であって、当該第1低額支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段と、
前記支給対象者の通勤実日数に関する通勤実日数情報を記憶する通勤実日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤実日数に関する通勤実日数情報を取得する通勤実日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤実日数情報取得手段で取得した通勤実日数情報に基づいて、前記計算対象期間の通勤実日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第2支給額計算手段と、
前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第2低額支給額が前記第1低額支給額よりも大きい場合は、不足分を支給するための不足支給情報を生成する不足支給情報生成手段と、
前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、前記第2低額支給額が前記第1低額支給額よりも小さい場合は、過払い分を徴収するための徴収情報を生成する徴収情報生成手段とを備えることを特徴とする支給計算システム。
【請求項4】
支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、
前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、
前記支給対象者の前記通勤経路の利用日に関する利用日情報を記憶する利用日情報記憶手段から、前記計算対象期間における前記通勤経路の利用開始日に関する利用開始日情報を取得する利用開始日情報取得手段と、
前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報、前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報及び前記利用開始日情報取得手段で取得した利用開始日情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、
前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る第1支給額及び前記第2運賃に係る第2支給額のうち一方の支給額に関する支給情報であって、当該支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段とを備えることを特徴とする支給計算システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記第2運賃は、前記通勤経路の利用日数が所定以上の場合に前記第1運賃よりも割安になり、
前記支給情報生成手段は、以下の条件1~5のうち1又は複数の条件の少なくとも1つを満たした場合に、前記第2支給額に関する支給情報を生成し、当該1又は複数の条件をいずれも満たさない場合に、前記第1支給額に関する支給情報を生成することを特徴とする支給計算システム。
(条件1)前記利用開始日が前記計算対象期間の開始から基準日までの所定期間に含まれる日付であること。
(条件2)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも前の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて増加する指標が所定以下であること。
(条件3)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも後の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて増加する指標が所定以上であること。
(条件4)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも前の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて減少する指標が所定以上であること。
(条件5)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも後の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて減少する指標が所定以下であること。
【請求項6】
支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、
前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、
前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、
前記通勤経路ごとに当該通勤経路の利用日数の閾値を記憶する閾値記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記閾値を取得する閾値取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報、前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報及び前記閾値取得手段で取得した閾値に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、
前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る第1支給額及び前記第2運賃に係る第2支給額のうち一方の支給額に関する支給情報であって、当該支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段とを備えることを特徴とする支給計算システム。
【請求項7】
請求項6において、
前記支給情報生成手段は、以下の条件1~12のうち1又は複数の条件の少なくとも1つを満たした場合に、前記第2支給額に関する支給情報を生成し、当該1又は複数の条件をいずれも満たさない場合に、前記第1支給額に関する支給情報を生成することを特徴とする支給計算システム。
(条件1)前記閾値は前記計算対象期間の通勤予定日数が前記第1支給額が前記第2支給額を上回る境界の日数を示す第1閾値であり、前記計算対象期間の通勤予定日数が当該第1閾値以上であること。
(条件2)前記閾値は前記第1閾値であり、前記計算対象期間の非通勤予定日数が当該第1閾値未満であること。
(条件3)前記閾値は前記計算対象期間における週当たりの通勤予定日数が前記第1支給額が前記第2支給額を上回る境界の日数を示す第2閾値であり、当該週当たりの通勤予定日数が当該第2閾値以上であること。
(条件4)前記閾値は前記第2閾値であり、前記週当たりの非通勤予定日数が当該第2閾値未満であること。
(条件5)前記閾値は前記計算対象期間における通勤予定日数に応じて増加する第1指標が前記第1支給額が前記第2支給額を上回る境界の値を示す第3閾値であり、前記第1指標が当該第3閾値以上であること。
(条件6)前記閾値は前記第3閾値であり、前記計算対象期間における非通勤予定日数に応じて増加する第2指標が当該第3閾値未満であること。
(条件7)前記閾値は前記計算対象期間における週当たりの通勤予定日数に応じて増加する第3指標が前記第2支給額が前記第1支給額を上回る境界の値を示す第4閾値であり、前記第3指標が当該第4閾値以上であること。
(条件8)前記閾値は前記第4閾値であり、前記計算対象期間における週当たりの非通勤予定日数に応じて増加する第4指標が当該第4閾値未満であること。
(条件9)前記閾値は前記計算対象期間における通勤予定日数に応じて減少する第5指標が前記第1支給額が前記第2支給額を下回る境界の値を示す第5閾値であり、前記第5指標が当該第5閾値未満であること。
(条件10)前記閾値は前記第5閾値であり、前記計算対象期間における非通勤予定日数に応じて減少する第6指標が当該第5閾値以上であること。
(条件11)前記閾値は前記計算対象期間における週当たりの通勤予定日数に応じて減少する第7指標が前記第1支給額が前記第2支給額を下回る境界の値を示す第6閾値であり、前記第7指標が当該第6閾値未満であること。
(条件12)前記閾値は前記第6閾値であり、前記計算対象期間における週当たりの非通勤予定日数に応じて減少する第8指標が当該第6閾値以上であること。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれか1項において、
前記支給対象者の通勤実日数に関する通勤実日数情報を記憶する通勤実日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤実日数に関する通勤実日数情報を取得する通勤実日数情報取得手段と、
前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤実日数情報取得手段で取得した通勤実日数情報に基づいて、前記計算対象期間の通勤実日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第2支給額計算手段と、
前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第2低額支給額が、前記第1支給額及び前記第2支給額のうち低額な方の第1低額支給額よりも大きい場合は、不足分を支給するための不足支給情報を生成する不足支給情報生成手段と、
前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、前記第2低額支給額が前記第1低額支給額よりも小さい場合は、過払い分を徴収するための徴収情報を生成する徴収情報生成手段とを備えることを特徴とする支給計算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支給対象者の交通費支給額を計算する支給計算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通勤交通費の支給額を計算する技術として、例えば、特許文献1記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1記載の技術は、例えば、通勤交通費の新規申請が生じたときでかつ申請した通勤経路を月の途中から利用する場合に、6ケ月定期代と該当月の端数日数とに基づいて通勤交通費の定期日割り額を計算し、該当月についてはこの定期日割り額を支給する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-192201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、6ケ月定期代をベースとして定期日割り額を計算して支給する構成となっているため、該当月については実費合計が定期日割り額よりも高くなる。すなわち、支給対象者には支給額以上の実費の支払いが発生してしまう。また、端数日数分を実費で計算して支給する場合は、端数日数によっては1ケ月定期代を支給した方が実費計算の支給額よりも安くなる場合がある。同様に、例えば在宅勤務と通勤勤務とが混在するような勤務体系の場合に、該当月の通勤日数によっては、実費で精算するよりも1ヵ月定期代で精算した方が支給額を低額に抑えることができる場合がある。しかしながら、特許文献1記載の技術では、このような場面が想定されていない。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、交通費支給額を抑えるのに好適な支給計算システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の支給計算システムは、支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、前記通勤経路での通勤に要する運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額である第1支給額を計算する第1支給額計算手段と、前記第1支給額計算手段で計算した第1支給額に関する支給情報であって、当該第1支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段とを備える。
【0008】
このような構成であれば、運賃情報取得手段により、運賃情報記憶手段から運賃情報が取得され、通勤予定日数情報取得手段により、通勤予定日数情報記憶手段から通勤予定日数情報が取得される。そして、第1支給額計算手段により、取得された運賃情報及び通勤予定日数情報に基づいて、計算対象期間の満了前に第1支給額が計算され、支給情報生成手段により、計算された第1支給額に関する支給情報が生成される。計算対象期間の満了前に第1支給額が計算され、第1支給額に関する支給情報は、第1支給額を前払いするための支給情報として生成されるので、支給対象者が記録した通勤予定日数に基づいて交通費支給額が前払いされる。
【0009】
ここで、第1運賃は、例えば公共交通機関又は個別交通機関における普通運賃又はICカードの利用によるIC運賃等が該当し、第2運賃は、例えば公共交通機関又は個別交通機関における定期券又は回数券を利用した普通運賃よりも割安な運賃等が該当する。
【0010】
また、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。以下、発明3、4及び6の支給計算システムにおいて同じである。
【0011】
〔発明2〕 さらに、発明2の支給計算システムは、発明1の支給計算システムにおいて、前記支給対象者の通勤実日数に関する通勤実日数情報を記憶する通勤実日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤実日数に関する通勤実日数情報を取得する通勤実日数情報取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤実日数情報取得手段で取得した通勤実日数情報に基づいて、前記計算対象期間の通勤実日数に対応する交通費支給額である第2支給額を計算する第2支給額計算手段と、前記第2支給額計算手段で計算した第2支給額が前記第1支給額よりも大きい場合は、不足分を支給するための不足支給情報を生成する不足支給情報生成手段と、前記第2支給額計算手段で計算した第2支給額が前記第1支給額よりも小さい場合は、過払い分を徴収するための徴収情報を生成する徴収情報生成手段とを備える。
【0012】
このような構成であれば、通勤実日数情報取得手段により、通勤実日数情報記憶手段から通勤実日数情報が取得され、第2支給額計算手段により、取得された運賃情報及び通勤実日数情報に基づいて第2支給額が計算される。そして、第2支給額が第1支給額よりも大きい場合は、不足支給情報生成手段により、不足分を支給するための不足支給情報が生成される。これに対し、第2支給額が第1支給額よりも小さい場合は、徴収情報生成手段により、過払い分を徴収するための徴収情報が生成される。
【0013】
〔発明3〕 さらに、発明3の支給計算システムは、支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第1低額支給額に関する支給情報であって、当該第1低額支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段と、前記支給対象者の通勤実日数に関する通勤実日数情報を記憶する通勤実日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤実日数に関する通勤実日数情報を取得する通勤実日数情報取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤実日数情報取得手段で取得した通勤実日数情報に基づいて、前記計算対象期間の通勤実日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第2支給額計算手段と、前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第2低額支給額が前記第1低額支給額よりも大きい場合は、不足分を支給するための不足支給情報を生成する不足支給情報生成手段と、前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、前記第2低額支給額が前記第1低額支給額よりも小さい場合は、過払い分を徴収するための徴収情報を生成する徴収情報生成手段とを備える。
【0014】
このような構成であれば、運賃情報取得手段により、運賃情報記憶手段から運賃情報が取得され、通勤予定日数情報取得手段により、通勤予定日数情報記憶手段から通勤予定日数情報が取得される。そして、第1支給額計算手段により、取得された運賃情報及び通勤予定日数情報に基づいて、計算対象期間の満了前に、通勤予定日数に対応する交通費支給額が第1運賃又は第2運賃で計算され、支給情報生成手段により、第1低額支給額に関する支給情報が生成される。
【0015】
また、通勤実日数情報取得手段により、通勤実日数情報記憶手段から通勤実日数情報が取得され、第2支給額計算手段により、取得された運賃情報及び通勤実日数情報に基づいて、通勤実日数に対応する交通費支給額が第1運賃又は第2運賃で計算される。そして、第2低額支給額が第1低額支給額よりも大きい場合は、不足支給情報生成手段により、不足分を支給するための不足支給情報が生成される。これに対し、第2低額支給額が第1低額支給額よりも小さい場合は、徴収情報生成手段により、過払い分を徴収するための徴収情報が生成される。
【0016】
〔発明4〕 さらに、発明4の支給計算システムは、支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、前記支給対象者の前記通勤経路の利用日に関する利用日情報を記憶する利用日情報記憶手段から、前記計算対象期間における前記通勤経路の利用開始日に関する利用開始日情報を取得する利用開始日情報取得手段と、前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報、前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報及び前記利用開始日情報取得手段で取得した利用開始日情報に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る第1支給額及び前記第2運賃に係る第2支給額のうち一方の支給額に関する支給情報であって、当該支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段とを備える。
【0017】
このような構成であれば、運賃情報取得手段により、運賃情報記憶手段から運賃情報が取得され、利用開始日情報取得手段により、利用日情報記憶手段から利用開始日情報が取得され、通勤予定日数情報取得手段により、通勤予定日数情報記憶手段から通勤予定日数情報が取得される。そして、第1支給額計算手段により、取得された運賃情報、通勤予定日数情報及び利用開始日情報に基づいて、計算対象期間の満了前に、通勤予定日数に対応する交通費支給額が第1運賃又は第2運賃で計算され、支給情報生成手段により、第1支給額及び第2支給額のうち一方の支給額に関する支給情報が生成される。
【0018】
〔発明5〕 さらに、発明5の支給計算システムは、発明4の支給計算システムにおいて、前記第2運賃は、前記通勤経路の利用日数が所定以上の場合に前記第1運賃よりも割安になり、前記支給情報生成手段は、以下の条件1~5のうち1又は複数の条件の少なくとも1つを満たした場合に、前記第2支給額に関する支給情報を生成し、当該1又は複数の条件をいずれも満たさない場合に、前記第1支給額に関する支給情報を生成する。
(条件1)前記利用開始日が前記計算対象期間の開始から基準日までの所定期間に含まれる日付であること。
(条件2)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも前の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて増加する指標が所定以下であること。
(条件3)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも後の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて増加する指標が所定以上であること。
(条件4)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも前の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて減少する指標が所定以上であること。
(条件5)前記計算対象期間における前記利用開始日よりも後の基準日から前記利用開始日までの日数に応じて減少する指標が所定以下であること。
【0019】
このような構成であれば、支給情報生成手段により、条件1~5のうち1又は複数の条件の少なくとも1つを満たした場合に、第2支給額に関する支給情報が生成され、1又は複数の条件をいずれも満たさない場合に、第1支給額に関する支給情報が生成される。
【0020】
ここで、基準日は、例えば計算対象期間の初日又は末日が該当する。
〔発明6〕 さらに、発明6の支給計算システムは、支給対象者が通勤に利用し得る通勤経路について、当該支給対象者の計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を計算する支給計算システムであって、前記通勤経路での通勤に要する第1運賃及び当該第1運賃よりも割安な第2運賃を含む運賃に関する運賃情報を記憶する運賃情報記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記運賃情報を取得する運賃情報取得手段と、前記支給対象者ごとに、当該支給対象者が記録した通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を記憶する通勤予定日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤予定日数に関する通勤予定日数情報を取得する通勤予定日数情報取得手段と、前記通勤経路ごとに当該通勤経路の利用日数の閾値を記憶する閾値記憶手段から、前記支給対象者の通勤経路に対応する前記閾値を取得する閾値取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報、前記通勤予定日数情報取得手段で取得した通勤予定日数情報及び前記閾値取得手段で取得した閾値に基づいて、前記計算対象期間の満了前に、前記計算対象期間の通勤予定日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第1支給額計算手段と、前記第1支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る第1支給額及び前記第2運賃に係る第2支給額のうち一方の支給額に関する支給情報であって、当該支給額を前払いするための支給情報を生成する支給情報生成手段とを備える。
【0021】
このような構成であれば、運賃情報取得手段により、運賃情報記憶手段から運賃情報が取得され、通勤予定日数情報取得手段により、通勤予定日数情報記憶手段から通勤予定日数情報が取得され、閾値取得手段により、閾値記憶手段から閾値が取得される。そして、第1支給額計算手段により、取得された運賃情報、通勤予定日数情報及び閾値に基づいて、計算対象期間の満了前に、通勤予定日数に対応する交通費支給額が第1運賃又は第2運賃で計算され、支給情報生成手段により、第1支給額及び第2支給額のうち一方の支給額に関する支給情報が生成される。
【0022】
〔発明7〕 さらに、発明7の支給計算システムは、発明6の支給計算システムにおいて、前記支給情報生成手段は、以下の条件1~12のうち1又は複数の条件の少なくとも1つを満たした場合に、前記第2支給額に関する支給情報を生成し、当該1又は複数の条件をいずれも満たさない場合に、前記第1支給額に関する支給情報を生成する。
(条件1)前記閾値は前記計算対象期間の通勤予定日数が前記第1支給額が前記第2支給額を上回る境界の日数を示す第1閾値であり、前記計算対象期間の通勤予定日数が当該第1閾値以上であること。
(条件2)前記閾値は前記第1閾値であり、前記計算対象期間の非通勤予定日数が当該第1閾値未満であること。
(条件3)前記閾値は前記計算対象期間における週当たりの通勤予定日数が前記第1支給額が前記第2支給額を上回る境界の日数を示す第2閾値であり、当該週当たりの通勤予定日数が当該第2閾値以上であること。
(条件4)前記閾値は前記第2閾値であり、前記週当たりの非通勤予定日数が当該第2閾値未満であること。
(条件5)前記閾値は前記計算対象期間における通勤予定日数に応じて増加する第1指標が前記第1支給額が前記第2支給額を上回る境界の値を示す第3閾値であり、前記第1指標が当該第3閾値以上であること。
(条件6)前記閾値は前記第3閾値であり、前記計算対象期間における非通勤予定日数に応じて増加する第2指標が当該第3閾値未満であること。
(条件7)前記閾値は前記計算対象期間における週当たりの通勤予定日数に応じて増加する第3指標が前記第2支給額が前記第1支給額を上回る境界の値を示す第4閾値であり、前記第3指標が当該第4閾値以上であること。
(条件8)前記閾値は前記第4閾値であり、前記計算対象期間における週当たりの非通勤予定日数に応じて増加する第4指標が当該第4閾値未満であること。
(条件9)前記閾値は前記計算対象期間における通勤予定日数に応じて減少する第5指標が前記第1支給額が前記第2支給額を下回る境界の値を示す第5閾値であり、前記第5指標が当該第5閾値未満であること。
(条件10)前記閾値は前記第5閾値であり、前記計算対象期間における非通勤予定日数に応じて減少する第6指標が当該第5閾値以上であること。
(条件11)前記閾値は前記計算対象期間における週当たりの通勤予定日数に応じて減少する第7指標が前記第1支給額が前記第2支給額を下回る境界の値を示す第6閾値であり、前記第7指標が当該第6閾値未満であること。
(条件12)前記閾値は前記第6閾値であり、前記計算対象期間における週当たりの非通勤予定日数に応じて減少する第8指標が当該第6閾値以上であること。
【0023】
このような構成であれば、支給情報生成手段により、条件1~12のうち1又は複数の条件の少なくとも1つを満たした場合に、第2支給額に関する支給情報が生成され、1又は複数の条件をいずれも満たさない場合に、第1支給額に関する支給情報が生成される。
【0024】
〔発明8〕 さらに、発明7の支給計算システムは、発明4乃至7のいずれか1の支給計算システムにおいて、前記支給対象者の通勤実日数に関する通勤実日数情報を記憶する通勤実日数情報記憶手段から、前記計算対象期間の通勤実日数に関する通勤実日数情報を取得する通勤実日数情報取得手段と、前記運賃情報取得手段で取得した運賃情報及び前記通勤実日数情報取得手段で取得した通勤実日数情報に基づいて、前記計算対象期間の通勤実日数に対応する交通費支給額を前記第1運賃又は前記第2運賃で計算する第2支給額計算手段と、前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、当該計算の前記第1運賃に係る支給額及び前記第2運賃に係る支給額のうち低額な方の第2低額支給額が、前記第1支給額及び前記第2支給額のうち低額な方の第1低額支給額よりも大きい場合は、不足分を支給するための不足支給情報を生成する不足支給情報生成手段と、前記第2支給額計算手段の計算結果に基づいて、前記第2低額支給額が前記第1低額支給額よりも小さい場合は、過払い分を徴収するための徴収情報を生成する徴収情報生成手段とを備える。
【0025】
このような構成であれば、通勤実日数情報取得手段により、通勤実日数情報記憶手段から通勤実日数情報が取得され、第2支給額計算手段により、取得された運賃情報及び通勤実日数情報に基づいて、通勤実日数に対応する交通費支給額が第1運賃又は第2運賃で計算される。そして、第2低額支給額が第1低額支給額よりも大きい場合は、不足支給情報生成手段により、不足分を支給するための不足支給情報が生成される。これに対し、第2低額支給額が第1低額支給額よりも小さい場合は、徴収情報生成手段により、過払い分を徴収するための徴収情報が生成される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、発明1の支給計算システムによれば、支給対象者が記録した通勤予定日数に基づいて交通費支給額を前払いすることができる。
【0027】
さらに、発明2、3又は8の支給計算システムによれば、通勤実績に対して交通費支給額が不足していた場合に、支給対象者に不足分を支給するための不足支給情報を生成することができる。これに対し、通勤実績に対して交通費支給額が過払いであった場合に、支給対象者から過払い分を徴収するための徴収情報を生成することができる。
【0028】
さらに、発明3の支給計算システムによれば、第1支給額計算手段で計算した支給額のうち低額な方の第1低額支給額に関する支給情報を生成するので、交通費支給額を抑えることができる。
【0029】
さらに、発明3又は8の支給計算システムによれば、第2低額支給額及び第1低額支給額の大小により不足又は過払いの調整を行うので、交通費支給額を抑えることができる。
【0030】
さらに、発明4の支給計算システムによれば、運賃情報、通勤予定日数情報及び利用開始日情報に基づいて支給情報を生成することができるので、通勤経路の利用開始日に応じて交通費支給額を抑えることができる。
【0031】
さらに、発明5の支給計算システムによれば、条件1~5の成否により支給情報を生成することができるので、より具体的な態様に応じて交通費支給額を抑えることができる。
【0032】
さらに、発明6の支給計算システムによれば、運賃情報、通勤予定日数情報及び閾値に基づいて支給情報を生成することができるので、通勤経路の利用日数の閾値に応じて交通費支給額を抑えることができる。
【0033】
さらに、発明7の支給計算システムによれば、条件1~12の成否により支給情報を生成することができるので、より具体的な態様に応じて交通費支給額を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図2】通勤交通費算出サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
図3】(a)~(e)は、企業マスタテーブル400、勤務先マスタテーブル402、社員情報マスタテーブル404、社員別経路情報テーブル406及び社員別支給情報テーブル408のデータ構造を示す図である。
図4】(a)~(b)は、社員別日割支給情報テーブル410及び部署情報テーブル412のデータ構造を示す図である。
図5】通勤経路情報新規申請処理を示すフローチャートである。
図6】申請情報入力画面600を示す図である。
図7】支給情報追加・修正処理を示すフローチャートである。
図8】社員情報一覧画面500を示す図である。
図9】経路一覧画面800を示す図である。
図10】支給情報一覧画面801の第1の例を示す図である。
図11】第1の実施の形態に係る支給情報生成処理を示すフローチャートである。
図12】支給情報一覧画面801の第2の例を示す図である。
図13】社員の個人用カレンダ情報のCSVファイルを取り込む個人用カレンダ情報取込画面900を示す図である。
図14】日割支給後例外処理を示すフローチャートである。
図15】社員の実績情報のCSVファイルを取り込む実績情報取込画面901を示す図である。
図16】第2の実施の形態に係る支給情報生成処理を示すフローチャートである。
図17】第3の実施の形態に係る支給情報生成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔第1の実施の形態〕
〔構成〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1乃至図15は、第1の実施の形態を示す図である。
【0036】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0037】
インターネット199には、図1に示すように、通勤交通費を算出するサービス(以下、「通勤交通費算出サービス」と称す)を提供する通勤交通費算出サーバ100と、通勤交通費算出サービスを利用する企業の社員ごとに設置された社員端末200とが接続されている。
【0038】
〔通勤交通費算出サーバ100のハードウェア構成〕
次に、通勤交通費算出サーバ100の構成を説明する。
【0039】
図2は、通勤交通費算出サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
通勤交通費算出サーバ100は、図2に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(InterFace)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0040】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44と、インターネット199に接続するための信号線とが接続されている。
【0041】
〔社員端末200のハードウェア構成〕
社員端末200は、上記通勤交通費算出サーバ100のような据え置き型を想定した端末、または、スマートフォン、タブレットなどの携帯型の端末から構成されている。前者の場合、そのハードウェア構成は、上記通勤交通費算出サーバ100と同様となる。一方、後者の場合、そのハードウェア構成は、CPUと、アプリケーションソフトなどのプログラムやプログラムを実行するためのデータ等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、付属の各種装置に対してデータの入出力を媒介するI/Fとで構成されている。これらは、データを転送するための信号線で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0042】
I/Fには、付属の各種装置として、データ入力が可能で且つ画像信号に基づいて画面を表示可能なタッチパネル式の表示入力装置、記憶装置、無線通信装置、ビデオカメラ等が接続されている。
【0043】
〔各種テーブルについて〕
次に、通勤交通費算出サーバ100の記憶装置42に記憶されている各種テーブルについて説明する。
【0044】
図3(a)~(e)は、企業マスタテーブル400、勤務先マスタテーブル402、社員情報マスタテーブル404、社員別経路情報テーブル406及び社員別支給情報テーブル408のデータ構造を示す図である。
【0045】
記憶装置42には、図3(a)~(e)に示すように、企業情報を登録する企業マスタテーブル400と、企業ごとの勤務先の情報を登録する勤務先マスタテーブル402と、社員情報を登録する社員情報マスタテーブル404と、社員ごとの通勤経路の情報を登録する社員別経路情報テーブル406と、社員ごとの通勤交通費の支給情報を登録する社員別支給情報テーブル408とが記憶されている。
【0046】
企業マスタテーブル400には、図3(a)に示すように、企業ID及び適用開始日の組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、企業名、申請制御区分、社員グループ区分情報、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報からなる主要情報が登録されている。
【0047】
ここで、企業IDは、企業を識別するための情報であり、例えば、企業ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、申請制御区分は、企業に属する従業員からの申請受付可否を設定する情報であり、社員グループ区分情報は、支給社員グループ、その他の社員グループの職系、事務所、所属等の区分を示す情報である。
【0048】
勤務先マスタテーブル402は、図3(b)に示すように、企業ID、勤務先ID及び適用開始日の組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、勤務先ID、勤務先名、通勤先住所、カレンダID、始業時刻、終業時刻、燃料単価種別ID、地図情報、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報からなる主要情報が登録されている。
【0049】
ここで、勤務先IDは、勤務先を識別するための情報であり、例えば、勤務先ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、カレンダIDは、企業ごとに設定された勤務先の営業日と休日とが記されたカレンダを識別するための情報であり、例えば、カレンダの種類ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、燃料単価種別IDは、企業ごとに設定された燃料の単価種別を識別するための情報であり、例えば、単価種別ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。なお、燃料単価種別としては、ガソリン(レギュラー)、ガソリン(ハイオク)、ディーゼル(軽油)などの燃料ごとの単価種別と、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)などのエコ自動車の種類ごとの単価種別がある。また、地図情報は、勤務先の最寄り駅の情報である。
【0050】
社員情報マスタテーブル404には、図3(c)に示すように、企業ID、社員ID及び適用開始日の組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、社員ID、社員名、社員名(カナ)、社員郵便番号(自宅)、社員住所(自宅)、電話番号、メールアドレス、勤務先ID、勤務先名、所属部署ID、所属部署名、従業員区分、支給ルールID、カレンダID、パスワード、権限レベル、地図情報、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報を含む主要情報が登録されている。
【0051】
ここで、所属部署IDは、社員の所属する部署を識別するための情報であり、例えば、所属部署ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。従業員区分は、正社員、パートなどを区分する情報であり、権限レベルは、人事権限、上位者権限及び社員権限のうちのいずれかを示す情報である。人事権限は、本システムの通勤費業務に関する全ての機能を利用することができる権限であり、上位者権限は、通勤経路の申請および申請内容の承認作業のみをすることができる権限であり、社員権限は、通勤経路の申請のみをすることができる権限である。また、カレンダIDは、社員の個人用カレンダを識別するための情報であり、例えば、社員ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、地図情報は、社員の自宅の最寄り駅の情報である。
【0052】
社員別経路情報テーブル406には、図3(d)に示すように、企業ID、社員ID及び経路IDの組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、社員ID、乗物ID、経路方向種別、社員最寄り駅、経路ID、経路、経路利用期間、1ヵ月金額、3ヵ月金額、6ヵ月金額、12ヵ月金額、片道金額、片道距離、片道時間、乗換回数、経路基準日、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報を含む主要情報が登録されている。
【0053】
ここで、経路方向種別は、通勤手段の利用方向を示す情報であり往路、復路又は往復の情報となる。また、経路IDは、通勤経路を識別するための情報であり、例えば、通勤経路ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、経路は、自宅から勤務先までの経路であり、例えば、通勤手段が鉄道であれば、「自宅→徒歩→最寄り駅(自宅)→途中駅→最寄り駅(勤務先)→徒歩→勤務先」となり、例えば、通勤手段が自動車であれば、「自宅→自動車→勤務先」となる。また、1ヵ月金額、3ヵ月金額、6ヵ月金額及び12ヵ月金額は、設定した通勤手段及び経路方向種別の1、3、6及び12ヵ月の定期割引運賃の金額であり、片道金額は、設定した通勤手段の片道の普通運賃(割引なし)の金額であり、経路基準日は、通勤経路が有効となる基準日である。なお、通勤手段として、バスを利用する場合は、定期券の金額及び片道金額に加えて回数券の金額を追加で登録してもよい。
【0054】
社員別支給情報テーブル408は、図3(e)に示すように、企業ID、社員ID、経路ID及び支給IDの組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、企業ID、社員ID、経路ID、支給ID、開始日、終了日、支給日、支払方法、支給対象期間、支給対象月数、支給/控除額、自己負担額、種別、期間、備考、解約日、支払詳細情報、定期月数、定期枚数、支給金額、支給金額合計、自己負担額合計、その他の情報を含む主要情報が登録されている。
【0055】
ここで、支給IDは、支給情報を一意に特定するための情報であり、例えば、支給情報ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、支払方法は、例えば、給与に組み込み、銀行口座への振り込み、現物(現金)支給などの通勤交通費の支払方法を示す情報であり、支給対象月数及び定期月数は、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月及び12ヵ月のいずれかとなる。また、支払詳細情報は、継続支給の対象であるか否か、支給サイクル固定の対象であるか否か、運賃改定処理対象であるか否かを示す情報である。
【0056】
図4(a)~(b)は、社員別日割支給情報テーブル410及び部署情報テーブル412のデータ構造を示す図である。
【0057】
記憶装置42には、図4(a)~(b)に示すように、社員ごとの日割通勤交通費の支給情報を登録する社員別日割支給情報テーブル410と、所属部署ごとの承認者及び代理申請者の情報を登録する部署情報テーブル412とが記憶されている。
【0058】
社員別日割支給情報テーブル410は、図4(a)に示すように、企業ID、社員ID、経路ID、支給ID及び日割IDの組合せごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、社員ID、企業ID、経路ID、開始日、終了日、支給日、支払方法、日割支給対象期間、支給対象日数、利用方向種別(片道/往復)、日数、支給金額、支給金額合計、その他の情報を含む主要情報が登録されている。
【0059】
ここで、日割IDは、日割情報を一意に特定するための情報であり、例えば、日割情報ごとに固有の番号(例えば数字のみ、文字や数字の組み合わせ)などから構成される。また、日割支給対象期間は、通勤交通費を日割で計算する対象期間を示す情報であり、支給対象日数は、支給対象期間のうち通勤交通費を日割りで支払う日数の情報であり、利用方向種別(片道/往復)は、支給対象期間に利用した経路方向種別を示す情報である。また、支払詳細情報は、運賃改定処理対象であるか否かを示す情報である。
【0060】
部署情報テーブル412は、図4(b)に示すように、所属部署ごと且つ企業ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、所属部署ID、企業ID、承認者ID、代理申請者ID、適用開始日、適用終了日、最終更新日、最終更新者、その他の情報を含む主要情報が登録されている。
【0061】
ここで、承認者IDは、所属部署IDに対応する所属部署に所属する社員の通勤経路の申請について承認を行う権限を有する上司権限を有する社員の社員IDであり、代理申請者IDは、同じ所属部署に所属する他の社員について通勤経路の申請を代理で行うことができる権限を有する社員の社員IDである。
【0062】
なお、記憶装置42には、上記テーブル以外にも企業ID、社員ID及びカレンダIDに対応付けて、社員ごとに各月の勤務予定日の情報を含む個人用カレンダ情報が記憶されている。加えて、企業ID及び社員IDに対応付けて、社員ごとの各月の勤務実績に関する勤務実績情報が記憶されている。さらに、企業IDに対応付けて、適切な交通費支給額を計算するための運賃種別を設定する設定方法が定められた運賃種別設定情報が記憶されている。
【0063】
ここで、個人用カレンダ情報は、具体的に、社員ごとに各月の通勤予定日、在宅勤務予定日、通勤予定日の合計日数、在宅勤務予定日の合計日数の情報等を含む情報であり、各社員が自身で記録するものである。
【0064】
また、勤務実績情報は、社員ごとの各月の実際に勤務をした日及び勤務時間を含む情報であり、具体的には、通勤勤務を遂行した日及び勤務時間の情報、在宅勤務を遂行した日及び勤務時間の情報、通勤勤務を遂行した日の合計日数(以下、「通勤実日数」と称す)の情報、在宅勤務を遂行した日の合計日数の情報を含んでいる。なお、この構成に限らず、例えば、勤務時間の情報を含まない構成、在宅勤務を遂行した日数を含まない構成、合計日数の情報を含まない構成など他の構成としてもよい。
【0065】
〔動作〕
次に、本実施の形態の動作を説明する。
〔通勤経路情報新規申請処理〕
次に、社員が通勤経路情報を新規に申請する場合の通勤交通費算出サーバ100の動作について説明する。
【0066】
図5は、通勤経路情報新規申請処理を示すフローチャートである。
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示す通勤経路情報新規申請処理を実行する。
【0067】
通勤経路情報新規申請処理は、CPU30において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
【0068】
ステップS100では、社員端末200からの新規申請要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS102に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
【0069】
ここで、通勤経路情報の新規申請は、例えば、新入社員が初めて通勤経路情報を登録する場合、又は引っ越しをして通勤経路が変わった場合などに行われる。
【0070】
ステップS102に移行した場合は、申請情報入力処理を実行して、ステップS104に移行する。
【0071】
図6は、申請情報入力画面600を示す図である。
ここで、申請情報入力処理が実行されると、まず、社員端末200に対して、申請情報の入力画面情報を送信する。これにより、社員端末200の表示装置には、図6に示す申請情報入力画面600が表示される。社員は、社員端末200を介して、図6に示す申請情報入力画面600等に、申請する通勤経路情報を入力する。
【0072】
具体的に、社員別経路情報テーブル406、社員別支給情報テーブル408及び社員別日割支給情報テーブル410に登録する情報の入力を受け付ける処理となる。なお、図6に例示した画面は、最初に表示される画面であって、申請情報入力画面600の右下に表示された次へボタン61を選択することで次の入力画面に切り替わる。すなわち、申請情報の入力処理は複数画面に亘って行われる。
【0073】
具体的に、申請情報入力画面600では、通勤手段(乗物ID)、申請理由、自宅住所、経路方向種別等の通勤経路情報を入力することができるようになっている。経路方向種別は、具体的に、ドロップダウンリストに表示される「往路」、「復路」、「往復」の3つのうちから1つを選択して入力欄60に入力することができるようになっている。すなわち、往路しか利用しない場合、復路しか利用しない場合、往路と復路で通勤経路が異なる場合などに、往路、復路で個別に通勤経路情報を設定できるようになっている。
【0074】
また、図6の「経路のみを登録する」のチェックボックス63に示すように、通勤経路のみを登録することができるようになっている。ここで、チェックボックス63がチェックされていない場合、通勤経路の登録が行われると登録された通勤経路に対応する支給情報が即座に自動生成されて、生成された支給情報が社員別支給情報テーブル416に登録される。一方、チェックボックス63がチェックされている場合は、通勤経路の登録が行われても、支給情報の自動生成が即座に行われず、人事部又は総務部の担当者によって別途生成業務が行われる。
【0075】
ここで、「経路のみを登録する」を選択できるようにしたのは、例えば、月の途中から新たな通勤経路を利用して通勤を行う社員、在宅勤務と通勤勤務とが混在する勤務体系の社員等に柔軟に対応するためである。このような社員に対応する場合、単純に定期券での対応ができず事前に支給情報を生成することが難しい。そのため、該当月又は各月の通勤実日数又は通勤予定日数から日割りで通勤交通費の支給額を計算する必要がある。特に、交通費を前払いや当月払いで支給するような場合は、各社員に設定された該当月又は各月の通勤予定日数から日割支給額合計(以下、「日割交通費」と称する)の計算を行う必要がある。
【0076】
ステップS104では、社員端末200からの登録申請を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS106に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS110に移行する。
【0077】
ステップS106に移行した場合は、社員情報マスタテーブル404から、申請者の所属部署の情報(所属部署ID)を取得するとともに、部署情報テーブル412から、取得した所属部署IDに対応する承認先情報(承認権限を有する社員の社員ID)を取得して、ステップS108に移行する。
【0078】
ステップS108では、取得した承認先情報に基づいて承認ルートを構築する。その後、構築した承認ルートに基づいてルート先の各承認者宛てに申請情報の承認要求を送信して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
【0079】
これにより、承認が行われ申請が許可されることで、「経路のみを登録する」が選択されていない場合は、申請情報及び支給情報が、社員別経路情報テーブル406、社員別支給情報テーブル408及び社員別日割支給情報テーブル410に登録される。一方で、「経路のみを登録する」が選択されている場合は、申請情報が社員別経路情報テーブル406に登録されるのみで支給情報が生成されない。
【0080】
一方、ステップS104において、登録申請を受信せずにステップS110に移行した場合は、社員端末200からのキャンセル要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS104に移行する。
【0081】
〔支給情報追加・修正処理〕
次に、人事社員が、社員別支給情報テーブル408及び社員別日割支給情報テーブル410への支給情報の追加及び登録されている支給情報の修正を行う場合の動作を説明する。
【0082】
図7は、支給情報追加・修正処理を示すフローチャートであり、図8は、社員情報一覧画面500を示す図であり、図9は、経路一覧画面800を示す図であり、図10は、支給情報一覧画面801の第1の例を示す図である。
【0083】
ここで、通勤交通費算出サービスの提供ページに人事権限を有するアカウントでログインすると、人事権限を有する社員(以下、「人事社員」と称す)の社員端末200の表示装置には、サービスのトップページが表示される。このトップページには、図示省略するが、「申請」「社員情報」「業務マスタ」などのメインメニューボタンが表示されている。なお、図示省略するが、これらメインメニューボタンは常に画面上部に表示されており、トップページ以外のページからでも選択することが可能となっている。そして、人事権限を有する社員が、社員端末200を介して「社員情報」のメニューボタンを選択(マウスによる押下又は指によるタッチ等を)することで、表示装置には、図8に示す社員情報一覧画面500が表示される。ここで、人事社員は、通勤交通費の計算に係る業務を行う権限を有している。
【0084】
支給情報追加・修正処理は、社員情報一覧画面500において追加又は修正対象の社員を選択し、経路一覧ボタン51を選択したあとに表示される経路一覧画面800において実行される処理である。
【0085】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図7のフローチャートに示す支給情報追加・修正処理を実行する。
【0086】
支給情報追加・修正処理は、CPU30において実行されると、図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0087】
ステップS200では、社員端末200からの情報に基づいて、経路一覧画面800に表示された選択社員の通勤経路一覧から選択された通勤経路について、経路の修正ボタン80が選択されたか否かを判定する。そして、選択されたと判定した場合(YES)は、支給情報一覧画面801の画面情報を社員端末200に送信して、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、選択されるまで判定処理を繰り返す。
【0088】
すなわち、図9に示す経路一覧画面800にて経路の修正ボタン80が選択された場合は、社員端末200の表示装置に、図10に示す支給情報一覧画面801が表示される。
【0089】
なお、図10に示す例では、申請時に「経路のみを登録する」が選択されたため支給情報が未登録となっている。
【0090】
図7に戻って、ステップS202に移行した場合は、社員端末200からの情報に基づいて、支給情報一覧画面801にて、追加ボタン82が選択されたか否かを判定する。そして、選択されたと判定した場合(YES)は、支給情報を設定するための支給情報設定画面(不図示)の画面情報を社員端末200に送信して、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS206に移行する。これにより、図示省略するが、社員端末200の表示画面には、支給情報設定画面が表示される。
【0091】
ステップS204に移行した場合は、支給情報追加処理を実行して、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0092】
支給情報追加処理としては、例えば、月の途中から新しい通勤経路が利用される場合に、その月の新しい通勤経路の利用日数について日割支給情報を追加する処理が該当する。また、在宅勤務と通勤勤務とが混在する勤務形態の場合に、各月の通勤実日数又は通勤予定日数に応じた日割支給情報を追加する処理が該当する。
【0093】
具体的に、人事社員は、社員端末200を介して、支給情報設定画面において日割支給対象期間、支給対象日数、利用方向種別(片道/往復)などの必要な情報を入力する。日割支給情報は、例えば、入社日が中途半端な日で、申請した通勤経路で月の途中から出勤するような場合に、その月の出勤日だけ通勤交通費を日割で支給するような場合に設定される情報である。加えて、例えば感染症の蔓延などによって在宅勤務を行う必要があり、在宅勤務と通勤勤務とが混在する場合に出勤日の分だけ通勤交通費を日割で支給するような場合に設定される情報である。従って、日割対象の期間を日割支給対象期間として設定する。
【0094】
なお、申請した通勤経路を月の途中から利用する場合は、該当月の通勤対象期間が日割支給対象期間となる。例えば、6月15日から新たな通勤経路を利用して通勤する場合は、6月15日~6月30日が日割支給対象期間に設定される。一方、在宅勤務と通勤勤務とが混在する勤務体系(混在勤務体系)については、例えば、対象となる各月の期間が日割支給対象期間となる。例えば、6月1日から混在勤務体系が実施される場合は、6月1日~6月30日が日割支給対象期間として設定される。翌月以降も混在勤務体系が継続する場合は、翌月以降についても、各月の期間が日割支給対象期間として設定される。
【0095】
また、必要な情報の入力後に、支給情報設定画面に表示されたOKボタン(図示略)が選択されることで、入力情報を含む日割交通費に関する支給情報の生成指示が通勤交通費算出サーバ100に送信される。これにより、通勤交通費算出サーバ100にて、日割交通費に関する支給情報が生成される。
【0096】
一方、ステップS202で、追加ボタン81が選択されずにステップS206に移行した場合は、社員端末200からの情報に基づいて、支給情報一覧画面801にて、選択支給情報について修正ボタン83が選択されたか否かを判定する。そして、選択されたと判定した場合(YES)は、支給情報設定画面(不図示)の画面情報を社員端末200に送信して、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS210に移行する。
【0097】
すなわち、図示省略するが支給情報一覧画面801にて、既に登録されている日割支給情報が選択された状態で修正ボタン83が選択された場合は、社員端末200の表示画面に、既に情報が入力された状態の支給情報設定画面(不図示)が表示される。
【0098】
ステップS208に移行した場合は、支給情報修正処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
【0099】
ここで、支給情報修正処理は、支給情報設定画面にて既に入力された情報を修正する処理である。
【0100】
また、ステップS206において、修正ボタン83が選択されずにステップS210に移行した場合は、追加ボタン82及び修正ボタン83を除く他のボタンが選択されたか否かを判定する。そして、他のボタンが選択されたと判定した場合(YES)は、他のボタンに対応する画面の画面情報を社員端末200に送信して、ステップS212に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS202に移行する。
【0101】
ステップS212に移行した場合は、選択された他のボタンに対応する処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
【0102】
他のボタンとしては、図10に示すように、解約ボタン、削除ボタン、確定ボタン及びキャンセルボタンがある。解約ボタンが選択された場合は定期の解約処理が実行され、削除ボタンが選択された場合は選択支給情報の削除処理が実行され、キャンセルボタンが選択された場合は、経路の修正がキャンセルされて経路一覧画面800に戻る処理が実行される。
【0103】
〔支給情報生成処理〕
次に、日割交通費に関する支給情報の生成処理を実行する場合の通勤交通費算出サーバ100の動作について説明する。以下、日割交通費の計算対象期間を計算対象月として説明する。
【0104】
図11は、本実施の形態に係る支給情報生成処理を示すフローチャートであり、図12は、支給情報一覧画面801の第2の例を示す図である。また、図13は、社員の個人用カレンダ情報のCSVファイルを取り込む個人用カレンダ情報取込画面900を示す図である。また、図15は、社員の実績情報のCSVファイルを取り込む実績情報取込画面901を示す図である。
【0105】
支給情報生成処理は、CPU30において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS250に移行する。
【0106】
ステップS250では、支給情報の生成指示があったか否かを判定する。そして、生成指示があったと判定した場合(YES)は、ステップS252に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、生成指示があるまで判定処理を繰り返す。
【0107】
ここで、支給情報の生成指示は、支給情報追加・修正処理におけるステップS204の支給情報追加処理にて発行される指示が該当する。加えて、通勤交通費算出サーバ100に実装された一括処理機能にて支給情報の追加を一括処理する際に発行される指示が該当する。
【0108】
ステップS252では、該当社員の計算対象月に対応する勤務実績情報又は個人用カレンダ情報を取得して、ステップS254に移行する。
【0109】
具体的に、計算対象期間が計算対象月の場合、対象月の翌月に対象月の業務実績に基づいて日割交通費を支給する場合は勤務実績情報を取得し、例えば翌月の日割交通費を前月又は当月に支給する場合は個人用カレンダ情報を取得する。
【0110】
ここで、通勤交通費算出サーバ100は、記憶装置42に記憶されている該当社員の企業ID、社員ID及び計算対象月に対応する勤務実績情報又は個人用カレンダ情報を取得する。勤務実績情報及び個人用カレンダ情報は、記憶装置42に例えばCSVファイル等の所定のファイル形式のファイルとして記憶しておき、図13又は図15の例に示すように、該当社員のCSVファイルを選択して取り込むことで取得することができる。この取込は、一括処理機能を適用した場合に処理対象の全ての社員に対して行うことができ、処理対象の全ての社員のファイルを取り込んだ場合は以降の処理を全ての社員に対して一括で行うことができるようになっている。一方、支給情報追加・修正処理においては、選択されている社員のファイルを取得する処理となり、選択されている社員に対してのみ以降の処理が実行される。
【0111】
なお、日割交通費の前払い若しくは当月払い又は翌月払いの判定は、例えば、通勤交通費算出サーバ100に内蔵されたRTC(Real Time Clock)の時刻情報(年月日時分秒)を利用して自動で判別する構成としてもよいし、人事社員がチェックボックス等で選択する構成としてもよい。
【0112】
ステップS254では、ステップS252で取得した処理対象月の勤務実績情報から通勤勤務を遂行した合計日数を取得するか又はステップS252で取得した処理対象月の個人用カレンダ情報から通勤予定日の合計日数を取得して、ステップS256に移行する。
【0113】
ステップS256では、該当社員の通勤経路に対応する運賃情報を取得して、ステップS258に移行する。ここで、通勤交通費算出サーバ100は、社員別経路情報テーブル406の該当社員のレコードから、運賃情報として切符利用による片道金額(普通運賃)及び1ヵ月定期券の金額(1ヵ月金額)の情報を取得する。
【0114】
ステップS258では、ステップS254で取得した合計日数と、ステップS256で取得した片道金額(普通運賃)とに基づいて実費支給額を算出する。その後、ステップS260に移行する。
【0115】
具体的に、実費支給額は、同じ通勤経路を往復で利用した場合は「実費支給額=合計日数×片道金額×2」で計算される。一方、通勤経路を片道(「往路」のみ又は「復路」のみ)で利用した場合は「実費支給額=合計日数×片道金額」で計算される。すなわち、通勤経路が片道ずつ異なる場合は、通勤経路ごとに実費支給額が計算される。
【0116】
ステップS260では、ステップS258で算出した実費支給額と、ステップS254で取得した1ヵ月金額(以下、「定期割引支給額」と称する)との大小を判定する。そして、この判定結果に基づいて実費支給額が定期割引支給額よりも低額であるか否かを判定し、低額であると判定した場合(YES)は、ステップS262に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS264に移行する。
【0117】
ステップS262に移行した場合は、ステップS258で算出した実費支給額を支給する支給情報を生成する。その後、ステップS266に移行する。
【0118】
一方、ステップS264に移行した場合は、定期券の1ヵ月金額からなる定期割引支給額を支給する支給情報を生成する。その後、ステップS266に移行する。
【0119】
ステップS266では、ステップS262又はS264で生成した支給情報を社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の該当する社員のレコードに登録する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0120】
具体的に、通勤交通費算出サーバ100は、生成した支給情報を、各月の交通費を日割交通費で支給している社員については、社員別日割支給情報テーブル410の該当するレコードに登録し、各月の交通費を通常は定期券の金額で支給している社員については、社員別支給情報テーブル408の該当するレコードに登録する。
【0121】
これにより、図12に示すように、支給情報一覧画面801に、登録した日割交通費に関する支給情報が表示される。
【0122】
〔日割支給後例外処理〕
次に、日割交通費を支給後の例外処理について説明する。ここで、日割支給後例外処理は、通勤交通費の日割交通費を前払い又は当月払いした場合に実行される処理となる。
【0123】
具体的に、日割支給後例外処理は、日割交通費を前払い又は当月払いした場合に生じる可能性のある日割交通費の不足又は過払いに対応する処理となる。以下、計算対象期間を計算対象月として説明する。
【0124】
日割支給後例外処理では、具体的に、日割交通費を過払いしている場合は差額分の徴収額を徴収するための徴収情報を生成し、日割交通費が不足している場合は不足分を支給するための日割支給情報を生成する。
【0125】
図14は、日割支給後例外処理を示すフローチャートである。
日割支給後例外処理は、予め設定した実行条件が成立した場合に実行される処理である。
【0126】
CPU30は、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図14のフローチャートに示す日割支給後例外処理を実行する。
【0127】
日割支給後例外処理は、CPU30において実行されると、図14に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0128】
ステップS300では、実行条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合(YES)は、ステップS302に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、成立するまで判定処理を繰り返す。
【0129】
ここで、実行条件は、例えば、支給対象の社員からの要求があったとき、人事社員からの要求があったとき、予め設定した実行タイミングとなったときなどに成立するように条件が設定されている。例えば、実費支給額で日割交通費の支給後に通勤予定日が大幅に増加したため1ケ月定期券を購入したところ購入費用が実費支給額を越えてしまう場合がある。この場合は、日割交通費の不足が発生した状態となる。また、例えば、定期割引支給額で日割交通費を支給後に通勤予定日が大幅に減少したため切符を購入して通勤をしたところ通勤に要した費用が定期割引支給額を下回る場合がある。この場合は、日割交通費の過払いが発生した状態となる。
【0130】
このように、日割交通費の不足や過払いが生じた場合に、社員端末200を介した社員からの要求によって実行条件が成立するように設定することができる。
【0131】
しかしながら、前払いで支給された日割交通費が実際に通勤に要した費用を上回る場合、社員は積極的に過払い分を戻すような処理を要求をしてこない可能性が高い。そのため、このような場合を考慮して、例えば定期的(例えば、毎月決められた日付)に日割交通費を支給される社員全員に対して、定期的に実行条件が成立するように設定することもできる。
【0132】
また、人事社員が実行条件を成立する指示を入力することで、人事社員の任意のタイミングで実行条件を成立させることも可能である。
【0133】
ステップS302に移行した場合は、該当社員の計算対象月に対応する勤務実績情報を取得して、ステップS304に移行する。ここで、通勤交通費算出サーバ100は、記憶装置42に記憶されている該当社員の企業ID、社員ID及び対象月に対応する勤務実績情報から通勤勤務を遂行した合計日数の情報を取得する。例えば、勤務実績情報は、記憶装置42にCSVファイルとして記憶しておき、図15の例に示すように、該当社員のCSVファイルを選択して取り込むことで取得することができる。この取込は複数の社員に対して行うことができ、複数の社員のCSVファイルを取り込んだ場合は以降の処理を複数の社員に対して一括で行うことができるようになっている。
【0134】
ステップS304では、該当社員の通勤経路に対応する運賃情報を取得して、ステップS306に移行する。ここで、通勤交通費算出サーバ100は、社員別経路情報テーブル406の該当社員のレコードから、片道金額(普通運賃)及び1ヵ月定期券の金額(1ヵ月金額)の情報を取得する。
【0135】
ステップS306では、該当社員の計算対象月に対応する支給情報(ここでは日割交通費を支給済みの支給情報)を取得して、ステップS308に移行する。ここで、通勤交通費算出サーバ100は、社員別日割支給情報テーブル410の該当社員のレコードから、計算対象月に対応する支給情報を取得する。
【0136】
ステップS308では、ステップS302で取得した合計日数と、ステップS304で取得した片道金額(普通運賃)とに基づいて実費支給額を算出し、算出した実費支給額とステップS304で取得した1ケ月金額とを比較していずれか低額の方を実績支給額に設定する。その後、ステップS310に移行する。
【0137】
ステップS310では、ステップS306で取得した該当社員の計算対象月の支給情報の金額とステップS308で設定した実績支給額とを比較して、支給情報の金額が実績支給額以下か否かを判定する。そして、実績支給額以下であると判定した場合(YES)は、ステップS312に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS316に移行する。
【0138】
ステップS312に移行した場合は、不足金を支給する不足支給情報を生成して、ステップS314に移行する。すなわち、実績支給額の方が高額となるため支給額との差額分を支給する支給情報を生成する。
【0139】
ステップS314では、ステップS312で生成した不足支給情報を社員別日割支給情報テーブル410の該当する社員のレコードに登録する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0140】
一方、ステップS310において支給情報の金額が実績支給額以上と判定されステップS316に移行した場合は、過払い金を徴収する徴収情報を生成して、ステップS318に移行する。すなわち、実績支給額の方が低額となるため支給額との差額分を徴収する。
【0141】
なお、支給情報の金額と実績支給額とが一致する場合は、不足でも過払いでも無いため以降の処理を実行せずに、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0142】
ステップS318では、ステップS316で生成した徴収情報を、該当する社員の企業ID、社員ID及び対象月情報に対応付けて記憶装置42に記憶する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここで、徴収情報は人事社員に閲覧可能となっており、人事社員は、この徴収情報に基づいて、例えば、給与支給額から徴収情報に対応する過払い額を差し引くなどの処理を行う。
【0143】
〔効果〕
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、通勤交通費算出サーバ100は、支給対象の社員の申請した通勤経路の日割交通費の計算において、社員別経路情報テーブル406から、この通勤経路の普通運賃及び1ヵ月の定期代である1ヵ月金額(定期割引支給額)の情報を取得する。加えて、記憶装置42から、該当社員の計算対象期間の通勤実日数又は通勤予定日数の情報を取得し、取得した普通運賃と通勤実日数又は通勤予定日数とに基づいて実費支給額を計算する。そして、計算した実費支給額及び取得した1ヵ月金額である定期割引支給額の大小を判定し、この判定結果に基づいていずれが低額かを判定する。さらに、低額な方の支給額に関する支給情報を生成する。そして、生成した支給情報を社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の該当社員のレコードに登録するようにした。
【0144】
このような構成であれば、支給対象の社員にとって適切な金額の日割交通費を選定でき且つ選定した日割交通費に関する支給情報を生成することができる。
【0145】
さらに、本実施の形態では、日割交通費を前払い又は当月払いで支給した場合に、実行条件の成立に応じて、該当社員の対象月の通勤勤務の実績(通勤日数合計)と、該当社員の通勤経路に対応する普通運賃とに基づいて実費支給額を算出し、この実費支給額と1ヵ月金額(定期割引支給額)とのうち低額な方の支給額を実績支給額として設定する。加えて、該当社員の対象月の日割支給情報に対応する日割交通費(通勤予定日に基づいて計算)及び実績支給額の大小を比較し、実績支給額の方が低額な場合に過払い分を徴収するための徴収情報を生成し、実績支給額の方が高額な場合に不足分を支給するための日割支給情報を生成するようにした。
【0146】
このような構成であれば、例えば、実費支給額で日割交通費の支給後に事情が変わって1ケ月定期券を購入したところ購入費用が実費支給額を越えてしまうような例外的な状況が発生した場合に不足分を該当社員に支給することができる。また、例えば、定期割引支給額で日割交通費を支給後に事情が変わって切符を購入して通勤をしたところ通勤に要した費用が定期割引支給額を下回るといった例外的な状況が発生した場合に該当社員から過払い分を徴収することができる。
【0147】
但し、いずれも勤務実績に応じて判定されるため、例えば、実費支給額で日割交通費の支給後に通勤予定日が大幅に増えて1ケ月定期券を購入したが病気やケガで通勤予定日の後半半分を通勤できなかった場合などは実際に通勤勤務を遂行した日数での判定処理となるため、実際の通勤日数によっては事前に支給された実費支給額を下回って逆に過払い金の徴収が発生する場合がある。
【0148】
〔対応関係〕
本実施の形態において、ステップS252~S254、S302は、発明1若しくは3の通勤予定日数情報取得手段、又は発明2若しくは3の通勤実日数情報取得手段に対応し、ステップS256は、発明1乃至3の運賃情報取得手段に対応し、ステップS258は、発明1又は3の第1支給額計算手段に対応している。
【0149】
また、本実施の形態において、ステップS262~S264は、発明1又は3の支給情報生成手段に対応し、ステップS308は、発明2又は3の第2支給額計算手段に対応し、ステップS312は、発明2又は3の不足支給情報生成手段に対応し、ステップS316は、発明2又は3の徴収情報生成手段に対応している。
【0150】
また、本実施の形態において、記憶装置42は、発明1若しくは3の運賃情報記憶手段、発明1若しくは3の通勤予定日数情報記憶手段、又は発明2若しくは3の通勤実日数情報記憶手段に対応し、普通運賃は、発明3の第1運賃に対応し、定期券の1ヵ月金額、3ヵ月金額、6ヵ月金額及び12ヵ月金額は、発明3の第2運賃に対応している。
【0151】
〔第2の実施の形態〕
〔構成〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図16は、第2の実施の形態を示す図である。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0152】
本実施の形態は、新規申請された通勤経路について、利用開始日が利用開始月の途中の日付である場合に、上記第1の実施の形態の判定方法とは異なる判定方法によって、利用開始月の日割交通費を計算する運賃種別を判定する点が上記第1の実施の形態と異なる。他の構成については、上記第1の実施の形態と同様となる。
【0153】
本実施の形態では、新規申請した通勤経路での利用開始月の利用開始日が、その月の第1期間(例えば1日~15日)内に含まれる日付である場合に、定期割引運賃を利用開始月の交通費支給額の計算に用いる運賃種別として設定する。一方、利用開始日が、利用開始月の第2期間(例えば16日~30日又は31日)内に含まれる日付である場合に、普通運賃を利用開始月の交通費支給額の計算に用いる運賃種別として設定する。以下、この設定方法を「第1設定方法」と称する。すなわち、第1設定方法は、新規申請した通勤経路について、この経路の利用開始日が利用開始月の途中の日付となる場合にその月の交通費支給額を計算するのに適切な設定方法となっている。
【0154】
なお、第1期間及び第2期間は、申請された通勤経路ごとに設定されている。具体的に、通勤経路、利用開始月及びその月の営業日数(通勤勤務日数)に対してそれぞれ最適な期間が設定されている。具体的に、交通費支給額が対象社員にとって適切な支給額となるように設定された期間となっている。
【0155】
例えば、通勤経路に対応する鉄道会社が鉄道会社Aであり、申請した通勤経路を18日以上利用することによって1ヵ月定期券の方が普通運賃よりも割安となるように運賃が設定されているとする。この場合、平日を営業日とした場合で且つ利用開始月が例えば6月である場合に第1期間が6月の1日~7日の期間に設定され、第2期間が8日~30日の期間に設定される。また、例えば、通勤経路に対応する鉄道会社が鉄道会社Bであり、申請した通勤経路を12日以上利用することによって1ヵ月定期券の方が普通運賃よりも割安となるように運賃が設定されているとする。この場合、平日を営業日とした場合で且つ利用開始月が例えば6月である場合に第1期間が6月の1日~15日の期間に設定され、第2期間が16日~30日の期間に設定される。すなわち、鉄道会社Aであれば、6月の利用開始日が1~7日の期間内の日付であれば1ヵ月定期代の方が普通運賃で計算された実費支給額よりも安くなり、8日~30日の期間内の日付であれば実費支給額の方が1ヵ月定期代よりも安くなる。同様に、鉄道会社Bであれば、6月の利用開始日が1日~15日の期間内の日付であれば1ヵ月定期代の方が実費支給額よりも安くなり、16日~30日の期間内の日付であれば実費支給額の方が1ヵ月定期代よりも安くなる。
【0156】
以上説明したように、第1期間及び第2期間は、申請された通勤経路ごとに最適な期間が設定されるようになっており、これらの情報は、例えば、通勤経路、通勤経路に対応する交通機関(例えば鉄道会社、バス会社等)、利用する路線種類、利用開始月及び利用開始月の営業日数(通勤勤務日数)に対応付けられて記憶装置42に記憶されている。以下、通勤経路、通勤経路に対応する交通機関、利用する路線種類、利用開始日(年月日)、利用開始月の営業日数(通勤勤務日数)等の第1期間及び第2期間を特定するための各種情報を「通勤関連情報」と称する。
【0157】
〔動作〕
次に、本実施の形態の動作を説明する。
〔支給情報生成処理〕
次に、通勤経路が新規申請された場合の日割交通費に関する支給情報の生成処理を実行する場合の通勤交通費算出サーバ100の動作について説明する。
【0158】
図16は、本実施の形態に係る支給情報生成処理を示すフローチャートである。
支給情報生成処理は、CPU30において実行されると、図16に示すように、まず、ステップS400に移行する。
【0159】
ステップS400では、通勤経路の新規申請があったか否かを判定し、あったと判定した場合(YES)は、ステップS402に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、新規申請があるまで判定処理を繰り返す。
【0160】
ステップS402では、該当社員の新規申請された通勤経路に対応する利用開始月の勤務実績情報又は個人用カレンダ情報を取得して、ステップS404に移行する。
【0161】
ここで、勤務実績情報及び個人用カレンダ情報は、通勤経路の利用開始日の情報を含んでいる。勤務実績情報及び個人用カレンダ情報は、上記第1の実施の形態と同様に記憶装置42に例えばCSVファイル等の所定のファイル形式のファイルとして記憶されており、例えば、図13又は図15の例に示すように、該当社員のCSVファイルを選択して取り込むことで取得することができる。この取込は、一括処理機能を適用した場合に処理対象の全ての社員に対して行うことができ、処理対象の全ての社員のファイルを取り込んだ場合は以降の処理を全ての社員に対して一括で行うことができるようになっている。
【0162】
ステップS404では、ステップS402で取得した利用開始月の勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から利用開始日を取得して、ステップS405に移行する。
【0163】
ステップS405では、利用開始日が利用開始月の途中の日付か否かを判定し、途中の日付であると判定した場合(YES)は、ステップS406に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0164】
ここで、利用開始月の途中の日付か否かの判定処理は、基本的に、利用開始日が、利用開始月の最初の営業日以外の日付のときに途中の日付と判定し、最初の営業日のときに途中の日付では無いと判定する処理となる。なお、例えば利用開始月の最初の出勤日が休日出勤の場合は、この日付を営業開始日として判定してもよい。また、利用開始日が営業開始日である場合は、別途、定期券の3ヵ月金額などによって支給額が計算される。
【0165】
ステップS406では、記憶装置42から該当社員の通勤関連情報に対応する第1期間を取得し、ステップS404で取得した利用開始日が、取得した第1期間内の日付か否かを判定する。そして、第1期間内の日付であると判定した場合(YES)は、ステップS408に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS410に移行する。
【0166】
ステップS408に移行した場合は、利用開始月の日割交通費を計算する運賃種別として定期割引運賃(1ヵ月金額)を設定して、ステップS410に移行する。
【0167】
ステップS410では、社員別経路情報テーブル406から該当社員の通勤経路に対応する定期券の1ヵ月金額を取得し、取得した1ヵ月金額からなる定期割引支給額を支給する支給情報を生成する。その後、ステップS416に移行する。
【0168】
一方、ステップS406で利用開始日が第1期間内の日付では無い(すなわち第2期間内の日付である)と判定されステップS412に移行した場合は、利用開始月の日割交通費を計算する運賃種別として片道金額(普通運賃)を設定して、ステップS414に移行する。
【0169】
ステップS414では、ステップS402で取得した利用開始月の勤務実績情報から通勤勤務を遂行した合計日数を取得するか又はステップS402で取得した利用開始月の個人用カレンダ情報から通勤予定日の合計日数を取得する。加えて、社員別経路情報テーブル406から該当社員の通勤経路に対応する片道金額を取得して、片道金額及び合計日数に基づいて日割支給額を計算する。さらに、計算して得られた日割支給額を支給する支給情報を生成して、ステップS416に移行する。
【0170】
ステップS416では、ステップS410又はS414で生成した支給情報を社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の該当する社員のレコードに登録する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0171】
〔効果〕
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、通勤交通費算出サーバ100は、支給対象の社員が新規に申請した通勤経路での利用開始月の日割交通費の計算において、利用開始日が利用開始月の途中の日付である場合に、記憶装置42から、該当社員の通勤経路情報等の通勤関係情報に対応する判定期間である第1期間を取得し、利用開始日が第1期間内の日付であるか否かを判定する。加えて、この判定結果に基づいて、第1期間内の日付である場合に日割交通費の計算に用いる運賃の運賃種別を定期割引運賃(1ヵ月金額)に設定し、第1期間内の日付ではない場合に日割交通費の計算に用いる運賃の運賃種別を普通運賃(片道金額)に設定する。さらに、設定した運賃種別の運賃で計算した日割交通費に関する支給情報を生成する。そして、生成した支給情報を社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の該当社員のレコードに登録するようにした。
【0172】
このような構成であれば、申請した通勤経路での利用開始日がその月の途中の日付である場合に、簡易な判定処理によって、支給対象者にとって適切な金額の日割交通費を計算することができる運賃種別を選定することができ且つ選定した運賃種別の運賃で計算した日割交通費に関する支給情報を生成することができる。
【0173】
〔対応関係〕
本実施の形態において、ステップS402~S404は、発明4の通勤予定日数情報取得手段、発明8の通勤実日数情報取得手段、又は発明4の利用開始日情報取得手段に対応し、ステップS406~S414は、発明4、5又は8の支給情報生成手段に対応している。
【0174】
また、本実施の形態において、記憶装置42は、発明4の運賃情報記憶手段、発明4の利用日情報記憶手段、発明4の通勤予定日数情報記憶手段、又は発明8の通勤実日数情報記憶手段に対応し、普通運賃は、発明4、5又は8の第1運賃に対応している。
【0175】
また、本実施の形態において、定期割引運賃(1ヵ月金額)は、発明4、5又は8の第2運賃に対応している。
【0176】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図17は、第3の実施の形態を示す図である。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0177】
本実施の形態は、申請した通勤経路による計算対象期間の通勤実日数又は通勤予定日数と申請された通勤経路に対応する判定基準日数とに基づいて計算対象期間の日割交通費を実費支給額か定期割引支給額のいずれか一方に決定する点が上記第1の実施の形態と異なる。他の構成については、上記第1の実施の形態と同様となる。
【0178】
本実施の形態は、計算対象期間の通勤実日数又は通勤予定日数が、実費支給額が定期割引支給額よりも高額になる境界の日数である予め設定された判定基準日数未満である場合に、普通運賃を計算対象期間の交通費支給額の計算に用いる運賃種別として設定する。一方、計算対象期間の通勤実日数又は通勤予定日数が、判定基準日数以上である場合に、定期割引運賃を計算対象期間の交通費支給額の計算に用いる運賃種別として設定する。以下、この設定方法を「第2設定方法」と称する。
【0179】
なお、判定基準日数は、申請された通勤経路に対してそれぞれ最適な日数が設定されている。具体的に、交通費支給額が対象社員に対して適切な支給額となるように設定された日数となっている。
【0180】
以下、計算対象期間が計算対象月であるとして具体例を説明する。
例えば、通勤経路に対応する鉄道会社が鉄道会社Cであり、申請した通勤経路を往復で14日以上利用することによって1ヵ月定期券の方が普通運賃よりも割安となるように運賃が設定されているとする。この場合、判定基準日数は14日に設定される。また、例えば、通勤経路に対応する鉄道会社が鉄道会社Dであり、申請した通勤経路を往復で16日以上利用することによって1ヵ月定期券の方が普通運賃よりも割安となるように運賃が設定されているとする。この場合、判定基準日数は16日に設定される。すなわち、鉄道会社Cであれば、計算対象月の通勤実日数又は通勤予定日数が、判定基準日数である14日未満の場合に実費支給額の方が1ヵ月定期代よりも安くなり、14日以上の場合に1ヵ月定期代の方が普通運賃で計算された実費支給額よりも安くなる。同様に、鉄道会社Dであれば、計算対象月の通勤実日数又は通勤予定日数が、判定基準日数である16日未満の場合に実費支給額の方が1ヵ月定期代よりも安くなり、16日以上の場合に1ヵ月定期代の方が実費支給額よりも安くなる。
【0181】
以上説明したように、判定基準日数は、申請された通勤経路ごとに最適な日数が設定されるようになっており、例えば、通勤経路、通勤経路に対応する交通機関(例えば鉄道会社、バス会社等)及び利用する路線種類に対応付けられて記憶装置42に記憶されている。
【0182】
〔動作〕
次に、本実施の形態の動作を説明する。
〔支給情報生成処理〕
次に、日割交通費に関する支給情報の生成処理を実行する場合の通勤交通費算出サーバ100の動作について説明する。以下、計算対象期間を計算対象月として説明する。
【0183】
図17は、本実施の形態に係る支給情報生成処理を示すフローチャートである。
支給情報生成処理は、CPU30において実行されると、図17に示すように、まず、ステップS500に移行する。
【0184】
ステップS500では、支給情報の生成指示があったか否かを判定し、あったと判定した場合(YES)は、ステップS502に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、生成指示があるまで判定処理を繰り返す。
【0185】
ステップS502では、該当社員の計算対象月に対応する勤務実績情報又は個人用カレンダ情報を取得して、ステップS504に移行する。
【0186】
ここで、勤務実績情報及び個人用カレンダ情報は、上記第1の実施の形態と同様に記憶装置42に例えばCSVファイル等の所定のファイル形式のファイルとして記憶されており、例えば、図13又は図15の例に示すように、該当社員のCSVファイルを選択して取り込むことで取得することができる。この取込は、一括処理機能を適用した場合に処理対象の全ての社員に対して行うことができ、処理対象の全ての社員のファイルを取り込んだ場合は以降の処理を全ての社員に対して一括で行うことができるようになっている。
【0187】
ステップS504では、ステップS502で取得した計算対象月の勤務実績情報から通勤勤務を遂行した合計日数(通勤日合計)を取得するか又はステップS502で取得した計算対象月の個人用カレンダ情報から通勤予定日の合計日数(通勤予定日合計)を取得する。その後、ステップS506に移行する。
【0188】
ステップS506では、記憶装置42から該当社員の通勤経路等に対応する判定基準日数を取得し、ステップS504で取得した合計日数が、取得した判定基準日数未満か否かを判定する。そして、判定基準日数未満であると判定した場合(YES)は、ステップS508に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、ステップS512に移行する。
【0189】
ステップS508に移行した場合は、日割交通費を計算する運賃種別として片道金額(普通運賃)を設定して、ステップS510に移行する。
【0190】
ステップS510では、社員別経路情報テーブル406から該当社員の通勤経路に対応する片道金額を取得して、取得した片道金額及びステップS504で取得した合計日数に基づいて日割支給額を計算する。加えて、計算して得られた日割支給額を支給する支給情報を生成して、ステップS516に移行する。
【0191】
一方、ステップS506で合計日数が判定基準日数未満では無いと判定されステップS512に移行した場合は、計算対象月の日割交通費を計算する運賃種別として定期割引運賃(1ヵ月金額)を設定して、ステップS514に移行する。
【0192】
ステップS514では、社員別経路情報テーブル406から該当社員の通勤経路に対応する定期券の1ヵ月金額を取得して、取得した1ヵ月金額である定期割引支給額を支給する支給情報を生成する。その後、ステップS516に移行する。
【0193】
ステップS516では、ステップS510又はS514で生成した支給情報を社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の該当する社員のレコードに登録する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0194】
〔効果〕
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、通勤交通費算出サーバ100は、支給対象の社員が申請した通勤経路の通勤実日数又は通勤予定日数に対応する日割交通費の計算において、記憶装置42から、該当社員の通勤経路等に対応する判定基準日数を取得し、通勤実日数又は通勤予定日数が判定基準日数未満であるか否かを判定する。加えて、この判定結果に基づいて、判定基準日数未満である場合に日割交通費の計算に用いる運賃の運賃種別を普通運賃(片道金額)に設定するとともに、この運賃種別の運賃で計算した日割交通費に関する支給情報を生成する。一方、判定結果が判定基準日数未満ではない場合に日割交通費の計算に用いる運賃の運賃種別を定期割引運賃(1ヵ月金額)に設定するとともに、この運賃種別の運賃で計算した日割交通費に関する支給情報を生成する。そして、生成した支給情報を社員別支給情報テーブル408又は社員別日割支給情報テーブル410の該当社員のレコードに登録するようにした。
【0195】
このような構成であれば、簡易な判定処理によって、支給対象の社員にとって適切な金額の日割交通費を計算できる運賃種別を選定することができ且つ選定した運賃種別の運賃で計算した日割交通費に関する支給情報を生成することができる。
【0196】
〔対応関係〕
本実施の形態において、ステップS502~S504は、発明6の通勤予定日数情報取得手段、又は発明8の通勤実日数情報取得手段に対応し、ステップS506は、発明6の閾値取得手段に対応し、ステップS506~S514は、発明6乃至8の支給情報生成手段に対応している。
【0197】
また、本実施の形態において、記憶装置42は、発明6の運賃情報記憶手段、発明6の通勤予定日数情報記憶手段、又は発明6の閾値記憶手段に対応し、判定基準日数は、発明7の第1閾値に対応し、普通運賃は、発明6又は8の第1運賃に対応している。
【0198】
また、本実施の形態において、定期割引運賃(1ヵ月金額)は、発明6又は8の第2運賃に対応している。
【0199】
〔変形例〕
なお、上記実施の形態においては、計算対象月の実費支給額と定期券の1ヵ月金額との大小比較によって、いずれか低額な方を日割交通費とする構成としたが、この構成に限らない。例えば、日割交通費の支給が連続で複数ヵ月続く場合は、例えば、複数ヵ月分の実費支給額と定期券の対応する複数ヶ月金額(例えば3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月金額のいずれか)との比較によって日割交通費を決定する構成としてもよい。
【0200】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、実費支給額よりも定期割引支給額の方が低い(安い)か否かを判定し、低い(安い)と判定した場合は定期支給額を支給する構成としたが、この構成に限らない。例えば、実費支給額よりも定期割引支給額の方が高いか否かを判定し、高いと判定した場合は実費支給額を支給する構成としてもよい。または、支給条件等に応じて、実費支給額よりも定期割引支給額の方が高いか否かを判定し、高いと判定した場合は定期支給額を支給する構成としてもよいし、実費支給額よりも定期割引支給額の方が低い(安い)か否かを判定し、低い(安い)と判定した場合は実費支給額を支給する構成としてもよい。
【0201】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、利用開始日が第1期間内の日付であった場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定して、定期割引支給額(例えば1ヵ月金額)に関する支給情報を生成する構成としたが、この構成に限らない。例えば、利用開始日が第2期間内の日付であるか否かを判定し、第2期間内の日付であった場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を普通運賃に設定して、実費支給額を計算し、実費支給額に関する支給情報を生成する構成としてもよい。また、第1期間又は第2期間による判定に限らず、例えば、(a)計算対象期間における利用開始日よりも前の基準日から利用開始日までの日数に応じて増加する指標が所定以下である場合、(b)計算対象期間における利用開始日よりも後の基準日から利用開始日までの日数に応じて増加する指標が所定以上である場合、(c)計算対象期間における利用開始日よりも前の基準日から利用開始日までの日数に応じて減少する指標が所定以上である場合、(d)計算対象期間における利用開始日よりも後の基準日から利用開始日までの日数に応じて減少する指標が所定以下である場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定して、定期割引支給額(例えば1ヵ月金額)を支給する支給情報を生成する構成としてもよい。上記(a)の指標は、例えば、計算対象期間(例えば利用開始月の日数(例えば30日又は31日))に対する月初から利用開始日までの日数(例えば8日)の割合(例えば8/30又は31)が該当し、上記(b)の指標は、例えば、計算対象期間に対する月末から利用開始日までの日数(例えば15日)の割合(例えば15/30又は31)が該当し、上記(c)の指標は、例えば、月初から利用開始日までの日数(例えば8日)に対する計算対象期間の割合(例えば30又は31/8)が該当し、上記(d)の指標は、例えば、月末から利用開始日までの日数(例えば15日)に対する計算対象期間の割合(例えば30又は31/15)が該当する。なお、上記計算対象期間は、その期間の全日数に限らず営業日数としてもよい。
【0202】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、記憶装置42に記憶された個人用カレンダ情報から通勤予定日の情報を取得する構成としたが、この構成に限らない。例えば、他の記憶媒体から読み込む構成としたり、手入力で入力したものを取り込む構成としたり、社員の使用する端末から送信されたものを受信して取り込む構成としたりするなど他の構成としてもよい。このことは、利用開始日の情報を取得する場合も同様である。
【0203】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、通勤経路の利用開始日が月の途中から始まる場合に、第1設定方法を用いて日割交通費の計算に用いる運賃種別の選定を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、長期入院などの休業期間があって、職場に復帰する日が月の途中からとなる場合など、他の同様な場合に対しても第1設定方法を適用してもよい。
【0204】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、通勤実日数又は通勤予定日数と判定基準日数とを比較して、通勤実日数又は通勤予定日数が判定基準日数以上の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定して、定期割引支給額(例えば1ヵ月金額)に関する支給情報を生成する構成としたが、この構成に限らない。例えば、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報に基づいて非通勤実日数又は非通勤予定日数の情報を取得又は計算し、非通勤実日数又は非通勤予定日数が判定基準日数未満の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。なお、計算対象期間が計算対象月の場合に非通勤実日数又は非通勤予定日数は、「月の日数-通勤実日数又は通勤予定日数」又は「月の営業日数ー通勤実日数又は通勤予定日数」となる。
【0205】
また、例えば、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数の情報を取得して、週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数が週用の第2判定基準日数(第2閾値に対応するとともに月用の判定基準日数(第1閾値)と同様に適切な支給額となるように設定された日数)とを比較して、週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数が第2判定基準日数(例えば4日)以上の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。ここで、週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数は、例えば、計算対象月の週当たりの平均日数(=通勤実日数又は通勤予定日数/4)を取得する。また、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報に基づいて週当たりの非通勤実日数又は非通勤予定日数の情報を取得又は計算し、週当たりの非通勤実日数又は非通勤予定日数が第2判定基準日数未満の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。
【0206】
また、判定基準日数(第1閾値)と同じ観点から日数の閾値ではなく、通勤実日数又は通勤予定日数に応じて増加する第1指標の閾値(例えば割合の閾値(第3閾値))を設定し、例えば、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から計算対象期間に対する通勤実日数又は通勤予定日数の割合(例えば、通勤実日数又は通勤予定日数/30日若しくは31日又は営業日数)を取得又は計算し、この割合(第1指標)が第3閾値(例えば定期の方が安くなる割合「15日/30日若しくは31日又は営業日数」)以上の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。また、例えば、非通勤実日数又は非通勤予定日数に応じて増加する第2指標として、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から計算対象期間に対する非通勤実日数又は非通勤予定日数の割合(例えば、非通勤実日数又は非通勤予定日数/30日若しくは31日又は営業日数)を取得又は計算し、この割合(第2指標)が第3閾値未満の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。
【0207】
また、第2判定基準日数(第2閾値)と同じ観点から日数の閾値ではなく、週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数に応じて増加する第3指標の閾値(例えば割合の閾値(第4閾値))を設定し、例えば、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から週の日数(7日又は週当たりの営業日数)に対する週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数の割合(第3指標)を取得又は計算し、この割合が第4閾値(例えば、1ヵ月定期代の方が安くなる境の4日/7日)以上の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。また、例えば、週当たりの非通勤実日数又は非通勤予定日数に応じて増加する第4指標として、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から週の日数(7日又は週当たりの営業日数)に対する週当たりの非通勤実日数又は非通勤予定日数の割合(第4指標)を取得又は計算し、この割合が第4閾値未満の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。
【0208】
また、上記第3閾値と同じ観点から、通勤実日数又は通勤予定日数に応じて減少する第5指標の閾値(例えば割合の閾値(第5閾値))を設定し、例えば、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から通勤実日数又は通勤予定日数に対する計算対象期間の割合(例えば、30日若しくは31日又は営業日数/通勤実日数又は通勤予定日数)を取得又は計算し、この割合(第5指標)が第5閾値(例えば定期の方が安くなる割合「30日若しくは31日又は営業日数/15日」)未満の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。また、例えば、非通勤実日数又は非通勤予定日数に応じて減少する第6指標として、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から非通勤実日数又は非通勤予定日数に対する計算対象期間の割合(例えば、30日若しくは31日又は営業日数/非通勤実日数又は非通勤予定日数)を取得又は計算し、この割合(第6指標)が第5閾値以上の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。
【0209】
また、上記第4閾値と同じ観点から、週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数に応じて減少する第7指標の閾値(例えば割合の閾値(第6閾値))を設定し、例えば、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から週当たりの通勤実日数又は通勤予定日数に対する週の日数(7日又は週当たりの営業日数)の割合(第7指標)を取得又は計算し、この割合が第6閾値(例えば、1ヵ月定期代の方が安くなる境の7日/4日)未満の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。また、例えば、週当たりの非通勤実日数又は非通勤予定日数に応じて減少する第8指標として、勤務実績情報又は個人用カレンダ情報から週当たりの非通勤実日数又は非通勤予定日数に対する週の日数(7日又は週当たりの営業日数)の割合(第8指標)を取得又は計算し、この割合が第6閾値以上の場合に、日割交通費の計算に用いる運賃種別を定期割引運賃に設定する構成としてもよい。
【0210】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、日割交通費を支給済みの支給情報について、この支給情報の金額が、勤務実績に対応する実績支給額未満か否かを判定し、この判定結果に基づいて不足分の支給又は過払い分の徴収を行う構成としたが、この構成に限らない。例えば、日割交通費を翌月払いする場合に、生成済みの支給情報に対応する日割交通費の支給前に、その金額が勤務実績に対応する実績支給額未満か否かを判定し、この判定結果に基づいて支給情報を日割交通費の支払い前に修正する構成としてもよい。
【0211】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、ネットワークシステムとして実現したが、これに限らず、単一の装置又はアプリケーションとして実現することもできる。
【0212】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、インターネット199からなるネットワークシステムに適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、インターネット199と同一方式により通信を行ういわゆるイントラネットに適用してもよい。もちろん、インターネット199と同一方式により通信を行うネットワークに限らず、任意の通信方式のネットワークに適用することができる。
【0213】
また、上記実施の形態及びその変形例において、図5図7図11図14図16及び図17のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROMに予め格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAMに読み込んで実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0214】
100…通勤交通費算出サーバ、 200…社員端末、 30…CPU、 32…ROM、 34…RAM、 38…I/F、 39…バス、 40…入力装置、 42…記憶装置、 44…表示装置、 199…インターネット、 400…企業マスタテーブル、 402…勤務先マスタテーブル、 404…社員情報マスタテーブル、 406…社員別経路情報テーブル、 408…社員別支給情報テーブル、 410…社員別日割支給情報テーブル、 412…部署情報テーブル、 500…社員情報一覧画面、 600…申請情報入力画面、 800…経路一覧画面、 801…支給情報一覧画面、 900…個人用カレンダ情報取込画面、 901…実績情報取込画面
【要約】
交通費支給額を抑えるのに好適な支給計算システムを提供する。
通勤交通費算出サーバ100は、社員別経路情報テーブル406から日割交通費の計算に係る支給対象者の通勤経路に対応する普通運賃及び1ヵ月定期代を含む運賃情報を取得し、記憶装置42の個人用カレンダ情報から計算対象期間の通勤日数情報を取得する。そして、取得した運賃情報及び通勤日数情報に基づいて、計算対象期間の通勤日数又は通勤予定日数に対応する交通費支給額を普通運賃で計算した場合の実費支給額と、計算対象期間の通勤日数又は通勤予定日数に対応する交通費支給額を1ヵ月定期代とした場合の定期割引支給額とのいずれが低額の方を支給する。
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