(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】会計システム及び会計管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20231101BHJP
G06Q 20/14 20120101ALI20231101BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20231101BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20231101BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q20/14
G06Q20/40 320
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2018128190
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-05-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518197890
【氏名又は名称】株式会社デジタルソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】種市 直文
(72)【発明者】
【氏名】横山 守之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 知巳
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】後藤 亮治
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-4404(JP,A)
【文献】特開2018-32283(JP,A)
【文献】特開2011-175548(JP,A)
【文献】特開2003-281272(JP,A)
【文献】特開2003-67484(JP,A)
【文献】特開2001-312677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の医療機関に配設され、該医療機関
における診療に伴う請求情報を生成して管理する会計サーバと、
前記所定の医療機関に配設され、前記請求情報をもとに対面式の精算を行う自動精算装置と、
前記所定の医療機関に配設され、前記会計サーバと前記自動精算装置との間を接続する所定の通信回線に接続され、非対面式の後払い決済処理を行う後払い受付端末と
を備え、
前記後払い受付端末は、前記非対面式の後払い決済処理を行う患者の登録情報を予め記憶し、前記登録情報に登録された患者に対する前記請求情報の請求額が確定した場合、外部の決済代行サーバを介して後払い決済処理を行い、決済結果を前記会計サーバに通知し、
前記会計サーバは、後払い決済処理となる前記請求情報について後払い決済処理であることを示す情報を記録し、かつ、前記決済結果をもとに前記請求情報を入金済みとする消込処理を行う会計システム。
【請求項2】
前記所定の通信回線は、ソケット通信回線であり、
前記後払い受付端末は、前記ソケット通信回線に対してソケットを介して接続する請求項1に記載の会計システム。
【請求項3】
前記後払い受付端末は、後払い決済処理をバッ
チ処理で行う請求項1又は2に記載の会計システム。
【請求項4】
前記後払い受付端末は、前記所定の通信回線のデータフォーマットと、前記決済代行サーバとの間のデータフォーマットとの変換処理を行う請求項1乃至3のいずれか一つに記載の会計システム。
【請求項5】
前記非対面式の後払い決済処理を行う患者の登録情報は、外部のネットワーク上のウェブサーバを介して与信確認を行った後、前記後払い受付端末に予め登録される請求項1乃至4のいずれか一つに記載の会計システム。
【請求項6】
前記後払い受付端末は、後払い決済処理を行った結果、与信確認にエラーが発生した場合、その旨を前記会計サーバ及び患者の端末に通知するとともに、登録情報に後払い決済処理の使用を不可に設定し、
前記会計サーバは、請求情報の消込処理を行わない請求項1乃至5のいずれか一つに記載の会計システム。
【請求項7】
前記後払い受付端末は、前記非対面式の後払い決済処理を受け付けた場合に、前記登録情報に後払い決済処理の使用が不可に設定されている場合、現金決済あるいは再登録を含めた精算処理案内を行う請求項6に記載の会計システム。
【請求項8】
所定の医療機関に配設され、該医療機関
における診療に伴う請求情報を生成して管理する会計サーバと、前記所定の医療機関に配設され、前記請求情報をもとに対面式の精算を行う自動精算装置と、前記所定の医療機関に配設され、前記会計サーバと前記自動精算装置との間を接続する所定の通信回線に接続され、非対面式の後払い決済処理を行う後払い受付端末とを備えた会計システムの会計管理方法であって、
前記後払い受付端末は、前記非対面式の後払い決済処理を行う患者の登録情報を予め記憶し、前記登録情報に登録された患者に対する前記請求情報の請求額が確定した場合、外部の決済代行サーバを介して後払い決済処理を行い、決済結果を前記会計サーバに通知し、
前記会計サーバは、後払い決済処理となる前記請求情報について後払い決済処理であることを示す情報を記録し、かつ、前記決済結果をもとに前記請求情報を入金済みとする消込処理を行う会計管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機関外で患者が診療費を後払い決済する場合に、人的労力の増加を招くことなく効率良く請求情報を消込処理することができる会計システム及び会計管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院などの医療機関には、自動精算装置と呼ばれる自動機が設置される場合が多い(例えば、特許文献1を参照)。患者は、医師による診療を終えたならば、会計窓口に診察券などを提出し、自らの順番が到来したならば、かかる自動精算装置に現金又はクレジットカードを投入して診療費の精算を行うことになる。
【0003】
ところが、医療機関には多数の患者が来院し、また会計担当者が患者の診療費を計算するまでに時間を要するため、患者の診療が終わってから該患者が診療費の精算を行うまでに多大の時間を要するケースが少なくない。このため、患者がクレジット決済等を利用して診療費を後払い決済することにより、患者が診療後に直ちに帰宅できるようにする後払い決済システムが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-254749号公報
【文献】特許第6144812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる後払い決済システムを採用したとしても、該後払い決済システムにて実行された精算処理結果は、医療機関の会計サーバに記憶された請求情報には反映されない。このため、会計担当者は、手入力で精算処理結果を会計サーバに記憶された請求情報に反映しなければならず、人的労力が過大になるとともに入力誤りを起こす可能性がある。なお、一括消込処理と個別消込処理とを併用する従来技術(例えば、特許文献2を参照)も存在するが、この従来技術を用いたとしても、会計担当者による請求情報の反映が存在する限り、人的労力及び入力誤りを軽減することはできない。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、医療機関外で患者が診療費を後払い決済する場合に、人的労力の増加を招くことなく効率良く請求情報を消込処理することができる会計システム及び会計管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、所定の医療機関に配設され、該医療機関における診療に伴う請求情報を生成して管理する会計サーバと、前記所定の医療機関に配設され、前記請求情報をもとに対面式の精算を行う自動精算装置と、前記所定の医療機関に配設され、前記会計サーバと前記自動精算装置との間を接続する所定の通信回線に接続し、非対面式の後払い決済処理を行う後払い受付端末とを備え、前記後払い受付端末は、前記非対面式の後払い決済処理を行う患者の登録情報を予め記憶し、前記登録情報に登録された患者に対する前記請求情報の請求額が確定した場合、外部の決済代行サーバを介して後払い決済処理を行い、決済結果を前記会計サーバに通知し、前記会計サーバは、後払い決済処理となる前記請求情報について後払い決済処理であることを示す情報を記録し、かつ、前記決済結果をもとに前記請求情報を入金済みとする消込処理を行うようにしている。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記所定の通信回線は、ソケット通信回線であり、 前記後払い受付端末は、前記ソケット通信回線に対してソケットを介して接続するようにしている。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記後払い受付端末は、後払い決済処理をバッチ処理で行うようにしている。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記後払い受付端末は、前記所定の通信回線のデータフォーマットと、前記決済代行サーバとの間のデータフォーマットとの変換処理を行うようにしている。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記非対面式の後払い決済処理を行う患者の登録情報は、外部のネットワーク上のウェブサーバを介して与信確認を行った後、前記後払い受付端末に予め登録されるようにしている。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記後払い受付端末は、後払い決済処理を行った結果、与信確認にエラーが発生した場合、その旨を前記会計サーバ及び患者の端末に通知するとともに、登録情報に後払い決済処理の使用を不可に設定し、前記会計サーバは、請求情報の消込処理を行わないようにしている。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記後払い受付端末は、前記非対面式の後払い決済処理を受け付けた場合に、前記登録情報に後払い決済処理の使用が不可に設定されている場合、現金決済あるいは再登録を含めた精算処理案内を行うようにしている。
【0014】
また、本発明は、所定の医療機関に配設され、該医療機関における診療に伴う請求情報を生成して管理する会計サーバと、前記所定の医療機関に配設され、前記請求情報をもとに対面式の精算を行う自動精算装置と、前記所定の医療機関に配設され、前記会計サーバと前記自動精算装置との間を接続する所定の通信回線に接続され、非対面式の後払い決済処理を行う後払い受付端末とを備えた会計システムの会計管理方法であって、前記後払い受付端末は、前記非対面式の後払い決済処理を行う患者の登録情報を予め記憶し、前記登録情報に登録された患者に対する前記請求情報の請求額が確定した場合、外部の決済代行サーバを介して後払い決済処理を行い、決済結果を前記会計サーバに通知し、前記会計サーバは、後払い決済処理となる前記請求情報について後払い決済処理であることを示す情報を記録し、かつ、前記決済結果をもとに前記請求情報を入金済みとする消込処理を行うようにしている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、医療機関外で患者が診療費を後払い決済する場合に、人的労力の増加を招くことなく効率良く請求情報を消込処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施例に係る会計システムの概念を説明するための説明図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した会計サーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した後払い受付端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、会計システムによる後払い決済処理に対する会計管理手順を示す全体フローチャートである。
【
図6】
図6は、事前後払い決済予約の登録処理手順を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、後払い決済の院内処理手順を説明する説明図である。
【
図8】
図8は、後払い決済の請求及び消込の処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本実施例に係る会計システム及び会計管理方法の実施例を説明する。本実施例では、病院等の医療機関内に配置される会計システムに本発明を適用した場合を示すこととする。
【0018】
<本実施例に係る会計システムの概念>
図1は、本実施例に係る会計システム10の概念を説明するための説明図である。
図1に示した会計システム10は、病院などの医療機関A内に配置される。会計システム10を含むシステムは、インターネットなどのネットワークNに、会計システム10、患者の携帯端末11、医療機関Aが管理する医療機関ウェブサーバ12及び決済代行サーバ13が接続される。決済代行サーバ13には、複数の決済サーバ14が接続される。
【0019】
会計システム10は、会計サーバ1、自動精算装置2、後払い受付端末3、受付端末4及び会計入力端末5を有する。後払い受付端末3は、会計サーバ1と自動精算装置2との間を接続する所定の通信回線N1に接続される。所定の通信回線N1は、医療機関A内における会計サーバ1と自動精算装置2とを接続するソケット通信回線であり、後払い受付端末3は、ソケット通信回線に対してソケットを介して接続される。具体的には、所定の通信回線N1は、TCP/IPによる通信プロトコルを用い、会計サーバ1、自動精算装置2、後払い受付端末3の各ソケットを介して、会計サーバ1、自動精算装置2、後払い受付端末3を接続する。また、受付端末4及び会計入力端末5は、会計サーバ1に接続される。
【0020】
会計サーバ1は、診療に伴う請求情報D2を生成して管理する。自動精算装置2は、請求情報D2をもとに対面式のクレジットカードなどを用いた後払い精算処理や現金による精算処理を行う。自動精算装置2の後払い精算処理は、請求情報D2内の請求額が確定した時点から行うことができる。すなわち、患者は診療後、請求額が確定するまで精算処理を行うことができず、会計待ち時間が発生する。
【0021】
後払い受付端末3は、決済処理を翌日以降に行う非対面式の後払い決済処理(以下、「後払い決済処理」と言う)を行う患者の登録情報D1を予め記憶し、登録情報D1に登録された患者に対する請求情報D2の請求額が確定した場合、外部の決済代行サーバ13を介して後払い決済処理を行い、決済結果を会計サーバ1に通知する。会計サーバ1は、決済結果をもとに請求情報D2を入金済みとする消込処理を行う。なお、患者が後払い受付端末3を用いた後払い決済処理を行う場合、患者は請求額の計算が完了して請求額が確定するまで待つ必要はなく、診療終了後、すぐに医療機関Aから退出することができる。
【0022】
後払い受付端末3を用いた後払い決済処理を行う場合、患者は、携帯端末11から、医療機関Aが管理する医療機関ウェブサーバ12にアクセスし、医療機関ウェブサーバ12を介して後払い受付端末3に対して登録情報D1を生成する事前後払い登録を行う(S1)。登録情報D1には、後払い決済処理を行う患者IDと決済サーバ14の顧客番号とが紐付けられる。顧客番号は、医療機関ウェブサーバ12が決済代行サーバ13を介して決済サーバ14に対して0円与信を行った後に、決済サーバ14から通知される患者の番号である。
【0023】
事前後払い登録を行った患者は、医療機関Aで受診する際、受付端末4に診察券40を挿入して受付端末4から受診番号票を受け取る(S2)。さらに後払い決済を行う患者は、後払い受付端末3に診察券40を挿入して後払い受付端末3から後払い会計シートを受け取る(S3)。ここで、後払い受付端末3に患者の登録情報D1が存在しない場合、後払い受付端末3は、後払い会計シートを出力しない。患者は、受付窓口において、診察券、受信番号票及び後払い会計シートを提出すると、これらがクリアファイルに収められて渡される。患者は、このクリアファイルを持って診察室で診察を受ける。
【0024】
患者は、診療終了後、診察券を取り出したクリアファイルを、会計窓口の後払い用クリアファイル置き場に置いて、医療機関Aから退出することができる。後払い用クリアファイルを提出した患者(後払い決済処理の患者)の請求額の計算は、直ぐに行う必要はない。その後、会計担当者は、時間のある時に、会計入力端末5を用いて後払い決済処理の患者に対する請求額の計算を行い、計算された請求額を会計サーバ1に入力する(S4)。会計サーバ1は、受付端末4で受診受付が行われた際、患者IDをもとに請求情報D2を生成する。会計サーバ1は、会計入力端末5から請求額が入力された場合、請求情報D2内の請求金額欄に請求額を書き込む。これによって、請求情報D2の請求額が確定する。
【0025】
会計サーバ1は、後払い決済処理の患者の請求情報D2内の請求額が確定した場合、所定の通信回線N1を介して、請求情報D2として患者IDと請求額とを後払い受付端末3に通知する(S5)。あるいは、後払い受付端末3が会計サーバ1にアクセスして、請求額が確定した患者IDと請求額とを取得するようにしてもよい。後払い受付端末3は、請求額が確定した請求情報を取得すると、登録情報D1を用い、決済代行サーバ13を介して決済サーバ14に対する決済処理(課金処理)を行う(S6)。この場合、後払い受付端末3は、患者IDを顧客番号に替えて決済処理を行う。
【0026】
その後、決済代行サーバ13を介して決済サーバ14から顧客番号とともに決済結果(課金処理結果)である入金情報が後払い受付端末3に送られる(S7)。その後、後払い受付端末3は、所定の通信回線N1を介して、入金情報を会計サーバ1に送信する(S8)。その後、会計サーバ1は、入金情報をもとに、患者IDの決済のステータスを「未収」から「入金済み」に書き換える消込処理を行う。
【0027】
このように、本実施例では、後払い受付端末3を、会計サーバ1と自動精算装置2とを通信接続する既存の所定の通信回線N1に接続するという簡易な構成で、後払い決済処理を実行することができるとともに、会計サーバ1は、所定の通信回線N1を介して後払い受付端末3から送られる後払い決済処理の決済結果をもとに請求情報D2の消込処理を自動で行うことができ、消込処理に係る人的労力を削減することができる。
【0028】
<会計サーバ1の構成>
次に、
図1に示した会計サーバ1の構成について説明する。
図2は、
図1に示した会計サーバ1の構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、会計サーバ1は、入力部21、表示部22、精算通信部23、端末通信部24、記憶部25及び制御部26を有する。
【0029】
入力部21は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部22は、液晶パネル等の表示デバイスである。精算通信部23は、所定の通信回線N1を介して自動精算装置2及び後払い受付端末3と通信を行うインターフェース部である。また、端末通信部24は、受付端末4及び会計入力端末5と通信を行うためのインターフェース部である。
【0030】
記憶部25は、ハードディスク装置又はフラッシュメモリ等の記憶デバイスであり、請求情報D2等を記録する。
【0031】
図3に示すように、請求情報D2には、患者ID、請求日付、患者氏名、請求金額、請求書番号、後払い、ステータスなどの項目を有する。ステータスは、決済のステータスを示す情報であり、請求額が未収の場合は「0」であり、請求額が入金済みの場合は「1」となる。すなわち、後払い決済処理の決済処理(課金処理)が終了した場合、「1」のフラグがたてられる。
【0032】
制御部26は、会計サーバ1を全体制御するための制御部であり、請求情報生成部26a及び消込処理部26bを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、請求情報生成部26a及び消込処理部26bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0033】
請求情報生成部26aは、受付端末4が受け付けた患者IDをもとに請求情報D2を生成する。また、請求情報生成部26aは、会計入力端末5から請求額が入力された場合、入力された請求額を請求金額欄に書き込む。また、請求情報生成部26aは、会計入力端末5から後払い決済処理を示す情報を受けた場合、後払い欄に後払い決済処理であることを示す情報、例えば「〇」を記録する。
【0034】
消込処理部26bは、後払い受付端末3から通知される入金情報をもとに、患者IDの決済のステータスを未収「0」から入金済み「1」に書き換える消込処理を行う。
【0035】
<後払い受付端末3の構成>
次に、
図1に示した後払い受付端末3の構成について説明する。
図4は、
図1に示した後払い受付端末3の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、後払い受付端末3は、入力部31、表示部32、精算通信部33、外部通信部34、カードリーダ35、印字部36、記憶部37及び制御部38を有する。
【0036】
入力部31は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部32は、液晶パネル等の表示デバイスである。精算通信部33は、所定の通信回線N1を介して自動精算装置2及び後払い受付端末3と通信を行うインターフェース部である。また、外部通信部34は、ネットワークNに通信接続するためのインターフェース部である。カードリーダ35は診察券40から患者IDを読み取るデバイスである。印字部36は、後払い会計シートなどを印刷出力するデバイスである。
【0037】
記憶部37は、ハードディスク装置又はフラッシュメモリ等の記憶デバイスであり、登録情報D1等を記録する。上記のように、登録情報D1は、患者IDと顧客番号とが紐付けられている。
【0038】
制御部38は、後払い受付端末3を全体制御するための制御部であり、登録情報生成部38a、後払い受付処理部38b及び決済処理部38cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、登録情報生成部38a、後払い受付処理部38b及び決済処理部38cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0039】
登録情報生成部38aは、医療機関ウェブサーバ12を介した事前後払い登録処理において、与信確認ができた場合のみ、後払い決済処理を許可し、許可された患者の患者IDを登録情報D1として記憶する。
【0040】
後払い受付処理部38bは、受け付けた診察券40の患者IDが登録情報D1に登録されている場合、後払い決済処理を許可する後払い会計シートを印字部36から印刷出力する。
【0041】
決済処理部38cは、登録情報D1に登録された患者に対する請求情報D2の請求額が確定した場合、外部の決済代行サーバ13を介して後払い決済処理を行い、決済結果を会計サーバ1に通知し。会計サーバ1に対して請求額の消込処理を実行させる。なお、決済処理部38cは、請求額が確定する度に後払い決済処理の決済処理を行ってもよいが、所定の時刻(例えば夜間)に、複数の後払い決済処理の決済処理をバッチ処理してもよい。また、決済処理部38cは、所定の通信回線N1のデータフォーマットと、決済代行サーバ13との間のデータフォーマットとの変換処理を行う。
【0042】
<会計システム10による会計管理手順>
図5は、会計システム10による後払い決済処理に対する会計管理手順を示す全体フローチャートである。
図5に示すように、会計システム10は、事前後払い決済予約の登録処理を行う(ステップS11)。この登録処理によって後払い受付端末3に後払い決済処理が許可された患者IDを含む登録情報D1が予め生成される。
【0043】
その後、会計システム10は、事前後払い決済予約の登録処理を行った患者に対する後払い決済の院内処理を行う(ステップS12)。事前後払い決済予約の登録処理を行った患者は、医療機関Aで受診する場合、受付端末4で受診受付を行って受信番号票を受け取り、さらに後払い受付端末3で後払い決済処理の受付を行って後払い会計シートを受け取る。患者は、診療終了後、受信番号票及び後払い会計シートを含むクリアファイルを後払い用クリアファイル置き場に置いて、医療機関Aから退出する。会計担当者は、会計入力端末5を用いて後払い決済処理のクリアファイルごとに請求額を計算し、計算した請求額を会計サーバ1に入力する。会計サーバ1は、入力された請求額を請求情報D2に書き込んで請求額を確定し、確定した請求情報D2を後払い受付端末3に通知する。
【0044】
その後、後払い受付端末3は、後払い決済の請求及び消込の処理を行う(ステップS13)。後払い受付端末3は、後払い決済処理の請求額が確定した請求情報D2を受け付けると、決済代行サーバ13を介して決済サーバ14に対する決済処理を行い、決済結果を会計サーバ1に通知する。会計サーバ1は、決済結果をもとの請求情報D2の消込処理を行う。なお、後払い受付端末3は、決済結果を受けた場合、医療機関ウェブサーバ12を介して請求額を含む決済結果を患者の携帯端末11に通知する。
【0045】
なお、後払い受付端末3は、後払い決済処理を行った結果、与信確認にエラーが発生した場合、その旨を前記会計サーバ及び患者の端末に通知するとともに、登録情報の使用を不可に設定し、会計サーバ1は、請求情報D2の消込処理を行わない。また、後払い受付端末3は、後払い決済処理を受け付けた場合に、登録情報D1に後払い決済処理の使用が不可に設定されている場合、現金決済あるいは後払い決済処理の再登録を含めた精算処理案内を行う。なお、与信確認にエラーが発生する場合とは、例えば、クレジットカードの期限切れ等により、クレジットカードそのものが使えない場合や残高不足により、一時的に支払いができない場合などである。
【0046】
<事前後払い決済予約の登録処理>
図6は、ステップS11の事前後払い決済予約の登録処理手順を示すシーケンス図である。
図6に示すように、まず、後払い決済処理を行う患者は、携帯端末11から医療機関ウェブサーバ12に対して事前後払い決済予約の登録要求を行う(ステップS101)。この登録要求には、患者ID、患者情報(氏名)、クレジットカード情報(クレジット番号、有効期限、裏面の3ケタのセキュリティーコード及び患者のメールアドレスが含まれる。
【0047】
登録要求を受け付けた医療機関ウェブサーバ12は、決済代行サーバ13に対して決済サーバ14に対する0円与信を依頼する(ステップS102)。決済代行サーバ13は、決済サーバ14に対して0円与信を行い(ステップS103)、決済サーバ14から与信OKを受け(ステップS104)、医療機関ウェブサーバ12に対して与信OKを送信する(ステップS105)。
【0048】
与信OKを受けた医療機関ウェブサーバ12は、決済代行サーバ13を介して決済登録処理を行う(ステップS106,S107)。この決済登録には、患者ID及びクレジットカード情報を含む。医療機関ウェブサーバ12は、決済代行サーバ13を介して決済サーバ14から顧客番号を受ける(ステップS108,S109)。そして、医療機関ウェブサーバ12は、後払い受付端末3に対して、後払い決済処理を許可する患者IDと顧客番号とを紐付けた登録情報D1を登録する(ステップS110)。
【0049】
<後払い決済の院内処理>
図7は、ステップS12の後払い決済の院内処理手順を説明する説明図である。
図7に示すように、まず、患者は、受付端末4に診察券40を挿入する。受付端末4は、挿入された患者IDに対する受診番号票41を印刷出力する(
図7(a))。
【0050】
さらに、患者は、後払い受付端末3に診察券40を挿入する。後払い受付端末3は、診察券40が示す患者IDに対する登録情報D1が存在する場合、後払い会計シート42を印刷出力する(
図7(b))。
【0051】
その後、患者は、受付窓口において、診察券40、受診番号票41及び後払い会計シート42を提示すると、これらが収められたクリアファイル43を受け取る(
図7(c))。その後、患者は、クリアファイル43を診察窓口にわたして診察を受ける(
図7(d))。
【0052】
その後、患者は、診療が終了すると、クリアファイル43から診察券を取り出し、クリアファイル43を会計窓口の近くに置かれた後払い用クリアファイル置き場44に提出する(
図7(e))。その後、患者は、帰ることができる。
【0053】
会計担当者は、時間がある時、あるいは所定時刻に、後払い用クリアファイル置き場44に提出されたクリアファイル43を取り出し、会計入力端末5において請求額の計算を行い、計算された請求額を会計サーバ1に入力する(
図7(f))。これにより、会計サーバ1内の請求情報D2の請求額が確定する。
【0054】
<後払い決済の請求及び消込の処理>
図8は、ステップS13の後払い決済の請求及び消込の処理手順を示すシーケンス図である。
図8に示すように、まず、会計サーバ1は、請求額が確定する(ステップS201)と、請求額及び患者IDを含む請求情報を後払い受付端末3に送信する(ステップS202)。
【0055】
後払い受付端末3は、請求情報を受け付けると、患者IDを、決済サーバ14の顧客番号に変換し、この顧客番号と請求額とを含む決済要求を決済代行サーバ13に対して行う(ステップS203)。決済代行サーバ13は、決済サーバ14に対して決済を行い(ステップS204)、決済サーバ14からの決済結果である入金情報を受ける(ステップS205)。決済代行サーバ13は、この入金情報を後払い受付端末3に送信し(ステップS206)、後払い受付端末3は、この入金情報を会計サーバ1に通知する(ステップS207)。この入金情報を受けた会計サーバ1は、入金情報が示す患者IDの請求情報D2内の請求額の消込処理を行う(ステップS208)。
【0056】
本実施例では、上記のように、後払い受付端末3を、会計サーバ1と自動精算装置2とを通信接続する既存の所定の通信回線N1に接続するのみという簡易な構成で、後払い決済処理を実行することができるとともに、会計サーバ1は、所定の通信回線N1を介して後払い受付端末3から送られる後払い決済処理の決済結果をもとに請求情報D2の消込処理を自動で行うことができ、消込処理に係る人的労力を低減することができる。
【0057】
本実施例では、後払い決済処理に伴う消込処理を行う会計担当者の人員削減や人員再配置を行うことができる。さらに、本実施例では、後払い決済処理を行う患者分、会計待ち時間が低減できるため、医療機関内の会計処理の遅延が抑止される。また、本実施例では、後払い決済処理を行う患者は、医療機関内に留まる時間が少ないため、例えば駐車スペースを小さくすることができる。また、後払い決済処理を行う患者は、医療機関内に留まる時間が少ないため、例えば、院内感染リスクが低減される。
【0058】
また、本実施例では、事前後払い決済予約の登録処理を携帯端末11やPCなどの端末を用いて行うことができ、登録用紙への手入力による事前登録処理に比べて事前登録処理が容易である。
【0059】
また、本実施例では患者IDを、決済サーバ14の顧客番号に変換し、この顧客番号と請求額とを含む決済要求を決済代行サーバ13に対して行うことで、高いセキュリティーを維持することができる。
【0060】
なお、本実施例では、クレジットカードを用いた後払い決済処理について説明したが、クレジットカードに限らず、銀行口座振替やコンビニ決済などの事前後払い決済処理予約であってもよい。この場合、決済サーバ14は、銀行口座振替やコンビニ決済を行うサーバであり、指定された決済サーバ14が決済代行サーバ13に接続される。いずれにしろ、会計システム10は、決済代行サーバ13に対して後払い決済処理を行えばよい。
【0061】
さらに、本実施例では、医療機関A内の会計システム10について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の会計システムにも適用できる。特に、利用者の会計待ち時間が長くなる会計システムに有用である。
【0062】
また、本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0063】
また、本実施例ではクリアファイルを用いた運用方法について記載しているが、運用方法はこれに限らない。患者は、診察券40と受診番号票と後払い会計シートをそれぞれもって診察室で診療を受けたり、それらをクリップ等でまとめて診察室で診療を受けたりしてもよい。
【0064】
また、本実施例では、消込処理部26bが、後払い受付端末3から通知される入金情報をもとに、患者IDの決済のステータスを未収「0」から入金済み「1」に書き換える消込処理を行うとしたが、消込処理方法はこれに限らない。未収を空欄にし、入金済みに「*」を入力するなど、未収と入金済みを明確に区別できれば、他の文字、数字、記号であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の会計システム及び会計管理方法は、請求額の計算に時間がかかり、会計待ち時間が大きくなる場合に有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 会計サーバ
2 自動精算装置
3 後払い受付端末
4 受付端末
5 会計入力端末
10 会計システム
11 携帯端末
12 医療機関ウェブサーバ
13 決済代行サーバ
14 決済サーバ
21,31 入力部
22,32 表示部
23,33 精算通信部
24 端末通信部
25,37 記憶部
26,38 制御部
26a 請求情報生成部
26b 消込処理部
34 外部通信部
35 カードリーダ
36 印字部
38a 登録情報生成部
38b 後払い受付処理部
38c 決済処理部
40 診察券
41 受診番号票
42 後払い会計レシート
43 クリアファイル
44 後払い用クリアファイル置き場
A 医療機関
D1 登録情報
D2 請求情報
N ネットワーク
N1 所定の通信回線