(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】自動車用途向けフレキシブルリニア電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F02D 11/10 20060101AFI20231101BHJP
F01L 13/00 20060101ALI20231101BHJP
F02M 26/54 20160101ALI20231101BHJP
F02B 37/16 20060101ALI20231101BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20231101BHJP
F16K 31/50 20060101ALI20231101BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20231101BHJP
F16H 25/24 20060101ALI20231101BHJP
F16C 19/50 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
F02D11/10 C
F01L13/00 301F
F02M26/54
F02B37/16 B
F16K31/04 A
F16K31/50 B
F16H25/20 E
F16H25/24 B
F16C19/50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019142778
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102018000007766
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】597132126
【氏名又は名称】マニェティ・マレリ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】MAGNETI MARELLI S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカルロ・バルトロッタ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ムゾレジ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリコ・ペッツォッタ
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-270887(JP,A)
【文献】特開2017-150557(JP,A)
【文献】特開2004-080976(JP,A)
【文献】特開2011-179686(JP,A)
【文献】特開2017-085766(JP,A)
【文献】特開2017-180677(JP,A)
【文献】国際公開第2011/135849(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/114543(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/037065(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/113574(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 11/10
F01L 13/00
F02M 26/00
F02B 37/00
F16K 31/00
H02K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用途向けアクチュエータ(4)であって、
・モータ手段(12)を収容する本体(8)と、伝達手段(16)と、前記伝達手段(16)によって前記モータ手段に運動学的に接続された制御軸(20)と、を備え、
・前記制御軸(20)は、伝達手段(16)に接続された第1の伝達端部(24)から、ユーザ装置に動作可能に接続された第2の操作端部(28)まで延び、
・前記制御軸(20)は、モータ手段(12)の駆動軸(X-X)に沿った回転運動を、前記軸方向(Y-Y)に沿った制御軸(20)の並進運動(Y-Y)に変換する前記伝達手段(16)によって軸方向(Y-Y)に往復直線運動で制御され、
・前記モータ手段(12)と前記制御軸(20)は、駆動軸(X-X)と軸方向(Y-Y)が垂直または平行で、互いに間隔を空けるように配置されており、
・前記伝達手段(16)は、ねじとナットが直接接触するねじナット型カップリング(32)を備え、ナット(36)は、モータ手段(12)によって回転運動し、ナット(36)に対して制御軸(20)を動かすことができるように、ねじ(40)が第1の伝達端部(24)に作られているか、または、適用されており、
・前記ナット(36)は、前記軸方向(Y-Y)に平行な軸方向荷重と、軸方向(Y-Y)に垂直でそれに入射するラジアル荷重とを支持する二重効果軸受(44)によって支持されており、
・前記軸受(44)は、締まりばめによって少なくとも部分的に取り付けられ、および/または本体(8)に同時成形されている、
アクチュエータ(4)。
【請求項2】
前記ナット(36)は、軸受(44)のリングに一体化されている、請求項1に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項3】
前記軸受(44)の内側リングは、同じナットを構成している、請求項1または2に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項4】
前記軸受(44)の旋回リングまたは外側リングは、締まりばめにより取り付けられ、および/または本体(8)に同時成形されている、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項5】
前記ねじナット型カップリング(32)は、可逆型である、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項6】
前記ねじナット型カップリング(32)には、ねじ(40)とナットねじ(36)との間の摩擦を克服するために、少なくとも1つの弾性手段(92)が設けられている、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの弾性手段(92)は、第2の操作端部(28)に配置されている、請求項6に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項8】
前記本体(8)は、本体(8)内の制御軸(20)の引き込み運動において、第1の伝達端部(24)を少なくとも部分的に収容するのに適したシート(48)を提供するように構成されている、請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項9】
前記シート(48)は、少なくとも部分的に、モータ手段(12)によって駆動される伝達手段(16)の歯車またはプーリ(52)の内側に得られる、請求項8に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項10】
第2の操作端部(28)側の前記制御軸(20)は、前記制御軸(20)とは
対をなす形状のブッシング(56)によって支持されている、請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項11】
前記制御軸(20)は、本体(8)に直接支持されている、請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項12】
前記制御軸(20)の全ての支持体および/または軸受は、同じ本体(8)に配置されている、請求項1ないし11のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項13】
前記制御軸(20)は、例えば、溶接、または、圧着および類似の機械的接続手段によって、互いに一体にされた2つの当接部を備えている、請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項14】
前記制御軸(20)には、前記軸方向(Y-Y)の周りの回転を防止する回転防止手段(60)が装備されている、請求項1ないし13のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項15】
前記回転防止手段(60)は、制御軸(20)上に作られた溝(68)と隙間で結合されたプラグ(64)を備えている、請求項14に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項16】
前記溝(68)は、制御軸(20)の最大駆動ストローク、すなわち、前記溝(68)の対向する軸方向端部(70,72)間の距離を構成する寸法である、請求項15に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項17】
前記回転防止手段(60)は、制御軸(20)に対して固定された
対をなす形状の停止部に関連する非軸対称形状を有する駆動軸(20)の部分を備えている、請求項14ないし16のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【請求項18】
制御軸(20)の軸方向センサ(76)が設けられ、前記軸方向センサ(76)は、制御軸(20)の第1の伝達端部(24)に軸方向に面する本体(8)のカバー(80)と関連付けられている、請求項1ないし17のうちいずれか1項に記載のアクチュエータ(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、バタフライバルブ、コンプレッサまたはターボチャージャーグループ用のチョークバルブ、排気ガス再循環(EGR)バルブなどの自動車用途向けリニア電動アクチュエータ、さらには自動または電気作動ギアシフトセレクタ、空力的付属器処理装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、アクチュエータは、スロットル本体の場合などだけでなく、EGRバルブまたはコンプレッサまたはターボチャージャーグループ、自動または電気作動ギアシフトセレクタ、空力的付属器処理装置などの場合などの燃焼ガスの混合物、エンジンに供給される流れ、典型的には燃料および/または酸化剤の混合物を制御およびチョークするためにモータ用途で使用される。
【0003】
上述した全ての用途において、アクチュエータの下流に配置されたシステム/装置の正しい動作を保証するために、アクチュエータの駆動運動は非常に正確で信頼性が高く制御可能でなければならない。さらに、自動車分野のメーカは、明らかに従来のアクチュエータシステムと同じ信頼性で、コンポーネントの寸法の厳密な制限をますます要求している。
【0004】
さらに、特定の用途に応じて、絶対値および駆動方向の両方で変化する可能性のある駆動ストロークに関して、すなわち、変位に関して、最大戻りストロークとは異なる最大外向きストロークを想定することによる非対称的な方法であっても、変化および/またはカスタマイズが必要になる可能性があるため、アクチュエータの汎用性がますます要求されている。
【0005】
明らかに、市場は、これらのニーズを満たすことができる一方で、極めて低いコストを維持できる技術的解決策を必要としている。
【0006】
既知の解決策は、前述の仕様/ニーズを保証することができない。
【発明の概要】
【0007】
したがって、従来技術に関して言及された欠点及び制限を解決するニーズがある。
【0008】
その結果、ニーズは、信頼性が高く経済的で、汎用性の高い、ユーザの特定のニーズに適応し、また寸法が小さいアクチュエータを提供するニーズがある。
【0009】
このようなニーズは、請求項1に記載のアクチュエータによって満たされる。
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、その好ましい非限定的な実施形態の以下の説明からより明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアクチュエータの斜視図を示している。
【
図2】異なる角度からの
図1のアクチュエータの斜視図を示している。
【
図3】
図1のアクチュエータの斜視図を示しており、内部コンポーネントが見えるように部分的に透明になっている。
【
図4】
図2のアクチュエータの断面斜視図を示している。
【
図5】
図2のアクチュエータの2次元断面図を示している。
【
図6】本発明の2つの可能な実施形態の変形例に係るアクチュエータの斜視図を示している。
【
図7】本発明の2つの可能な実施形態の変形例に係るアクチュエータの斜視図を示している。
【
図8】
図7のアクチュエータの斜視図を示しており、それぞれ2つの端部停止部構成を示している。
【
図9】
図7のアクチュエータの斜視図を示しており、それぞれ2つの端部停止部構成を示している。
【
図10】2つの端部停止部構成における本発明に係るアクチュエータの部分断面斜視図を示している。
【
図11】2つの端部停止部構成における本発明に係るアクチュエータの部分断面斜視図を示している。
【
図12】本発明のさらなる可能な実施形態に係るアクチュエータの部分斜視断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施の形態と共通する要素の要素または部分には同一符号を用いて示される。
【0013】
前述の図面を参照して、符号4は、グローバルに、本発明に係る自動車用途向けアクチュエータの概略全体図を示している。
【0014】
上述したように、これは、ガソリン、ディーゼル、LPG、メタン、水素などの燃料および/または酸化剤の混合物を供給するのに適したアクチュエータであり、内燃機関、燃料電池等に搭載するのに適している。また、排気ガス再循環バルブ(EGR)、コンプレッサまたはターボチャージャーグループ用のチョークバルブなどのアクチュエータでも、自動または電気作動のギアシフトセレクタ、空力的付属器処理装置などでもかまわない。
【0015】
本発明の目的のために、前述の用途は、説明的かつ非網羅的な方法で考慮されるべきである。
【0016】
アクチュエータ4は、モータ手段12、伝達手段16、制御軸20を収容する本体8を備え、制御軸20は、前記伝達手段16によって前記モータ手段12に運動学的に接続される。
【0017】
モータ手段12は、典型的には、アクチュエータ4の動作に必要な駆動トルクを提供するDC電動機を備える。
【0018】
明らかに、AC電動機を使用することも可能である。
【0019】
制御軸20は、伝達手段16に接続された第1の伝達端部24から、バタフライ弁またはアクチュエータ手段に動作可能に接続された第2の操作端部28まで延びている。
【0020】
特に、第1の伝達端部24は、伝達手段16に接続されており、これにより、モータ手段12の駆動トルクが伝達手段16を介して受けられる。
【0021】
駆動軸20の第2作動端28は、想定される特定の用途に応じて、直接またはさらなるプーリまたは運動機構を介して、任意のアクチュエータ手段に接続するのに適している。
【0022】
好ましくは、制御軸20は、本体8によって直接支持されている。好ましくは、制御軸20の全ての支持体および/または軸受は、同一の本体8上に配置されている。この配置により、支持体のより高い剛性が確保され、コンポーネントの組み立て/分解も容易になる。
【0023】
可能な実施形態によれば、制御軸20は、例えば、溶接、例えば、摩擦、または、圧着および類似の機械的接続手段により、互いに一体化された2つの当接部を備えている。この差別化の目的は、異なる機能を最大限に実行できる2つのダイまたは異なる材料の部品を使用することである。例えば、第1の当接部は、例えば、ボールベアリング伝達機構のボールと接続するために、より軟らかい鋼で作られており、一方、第2の当接部は、例えば、高温で腐食性の排ガスで覆われているため、かなりの熱および機械的ストレスに耐えるために使用できる。
【0024】
制御軸20は、伝達手段16によって軸方向Y-Yに沿って往復直線運動で制御される。これは、モータ手段12の駆動軸X-Xに沿った回転運動を、前記軸方向Y-Yに沿った制御軸20の並進運動に変換する。
【0025】
したがって、駆動軸X-Xの周りのモータ手段12の回転運動は、軸方向Y-Yに沿った制御軸20の並進運動に変換される。
【0026】
モータ手段12および制御軸20は、駆動軸X-Xおよび軸方向Y-Yが互いに垂直または平行であり、互いに離隔するように配向されている。
【0027】
換言すれば、モータ手段12が軸方向Y-Yに対して実質的に垂直であることを想定することが可能である。このような垂直構成では、駆動軸X-X軸および軸方向Y-Yは、必ずしも互いに付随する必要はなく、それぞれ角度を成してもよい。
【0028】
軸方向Y-Yと駆動軸X-Xが互いに平行である平行構成では、そのような軸/方向は代わりに一致してはならない。すなわち、互いに同軸であるが、平行であり、相互に間隔を空けなければならない。
【0029】
可能な実施形態によれば、伝達手段16は、ねじナット型カップリング32を備え、ナット36は、モータ手段12によって回転運動し、ねじ40は、ナット26に対して制御軸20を動かすことができるように、第1の伝達端部24と一体に作られるか、または、第1の伝達端部24に適用される。
【0030】
好ましくは、ねじナット型カップリング32は、可逆型である。さらに、前記ねじナットカップリングには、例えば、ボールベアリングねじがなくても摩擦を克服するのを助けるために、少なくとも1つの弾性手段92が設けられている。このシステムはまた、前記摩擦の克服を容易にするために、例えば、軸方向および/またはねじり型の複数のばね92の使用を提供することができる。好ましくは、前記少なくとも1つのばね92は、出口段に、すなわち、第2の操作端28の近くに配置される。
【0031】
一の実施形態によれば、ナット36は、軸受44、好ましくは、前記軸方向Y-Yに平行な軸方向荷重および軸方向Y-Yに垂直でそれに入射するラジアル荷重を支持する二重効果軸受によって支持される。
【0032】
例えば、ボールまたはローラ軸受を使用することができる。スライディングブロックなども使用できる。
【0033】
ナット36は、軸受44のリングに一体化されてもよい。
【0034】
換言すれば、軸受44の内側リングが同じナットを構成する実施形態が提供される。可能な実施形態によれば、前記軸受44の旋回リングまたは外側リングは、締め代により取り付けられ、および/または本体8に同時成形される。
【0035】
さらに可能な実施形態によれば、ナット36は、軸受またはブッシングなどの介在コンポーネントなしで直接動いている。
【0036】
前記軸受44は、例えば、モータと一体であり、ねじで本体8に固定された支持フランジによって、軸方向Y-Yに拘束されている。
【0037】
本体8は、本体8内の制御軸20の引き込み運動において、制御軸20の第1の伝達端部24を少なくとも部分的に収容するのに適したシート48を提供するように構成されている。
【0038】
例えば、前記シート48は、少なくとも部分的に、モータ手段12により駆動される伝達手段16の歯車またはプーリ52の内側に得られる。
【0039】
このように、制御軸20は、前記制御軸と前記歯車またはプーリ52との間の同軸関係のおかげで、特に、本体8の内側の引き込みまたは挿入方向でも、両方向に軸方向Y-Yに沿って軸方向に摺動することができる。
【0040】
上述したように、制御軸20は、第1の伝達端部24の側で、好ましくは、必ずしも必要ではないが二重の効果を有する軸受44によって案内される。
【0041】
一の実施形態によれば、制御軸20の移動は、例えば、前記軸に対してカウンタ形状のブッシング56を介在させることにより、または、好ましくは、低摩擦材料で作られた本体8と直接、第2の操作端部28の側でも案内される。
【0042】
このように、制御軸20のより正確な案内が得られ、第1の伝達端部24の側部に配置された軸受44に委ねられた軸方向の荷重支持体を、ブッシングに委ねられたラジアル荷重支持体から、区別することも可能である。これにより、制御軸20の移動をより正確に全体的に案内することができる。
【0043】
特に、より高い精度は、前記支持体44、56の軸方向Y-Yに沿った距離に起因する。
【0044】
制御軸20には、好ましくは、前記軸方向Y-Y周りの回転を防止する回転防止手段60が設けられている。実際、前記回転防止手段60がない場合、ねじ/ナットカップリング32のおかげで、制御軸は、回転する傾向があるとともに、軸方向Y-Yに対して並進する傾向がある。
【0045】
回転防止手段60は、様々なタイプのものであってもよい。
【0046】
例えば、回転防止手段60は、制御軸20上に作られた溝68と隙間で結合されたプラグ64を備えてもよい。
【0047】
前記溝68は、制御軸20の最大駆動ストローク、すなわち、機械的端部停止部として作用する前記溝68の対向する軸方向端部70、72間の距離を構成するように寸法決めされる。
【0048】
回転防止手段60は、制御軸20に対して固定された、対応するカウンタ形状の停止部に関連付けられた、制御軸20の、例えば、半月形状の非軸対称部分を備えてもよい。
【0049】
可能な実施形態(
図6)によれば、回転防止手段60は、互いに直径方向に対向する一対の正方形の切断面61を備えたリングを備えている。
【0050】
さらに可能な実施形態によれば、回転防止手段60は、六角ナット62を備えている。
【0051】
制御軸20の引き出しおよび引き込みの最大ストロークを制限する端部停止部は、制御軸20に対して固定された部品に作られた機械的停止部によって取得することができる。
【0052】
【0053】
最大引き出しおよび引き込みストロークは、必ずしも同じである必要はなく、ユーザの特定のニーズに応じて、非対称でさえあり得ることに留意されたい。
【0054】
制御軸20の動作を制御するために、アクチュエータ4は、制御軸20の軸方向位置センサ76を備えてもよい。
【0055】
例えば、前記軸方向位置センサ76は、制御軸20の第1の伝達端部24に軸方向に面するように、本体8のカバー80と関連付けられてもよい。
【0056】
このようにして、軸方向位置センサ76は、制御軸20の実際の軸方向位置、したがって、それによって駆動される対応する装置の動作状態を測定し、例えば、モータ手段12または伝達手段16にセンサを取り付けることによって得られるような推定を行わない。
【0057】
さらに、線形センサは、出力軸上に配置されているため、運動学的障害が発生した場合、自動車の安全規制に準拠して、軸の正しい位置を読み取ることが可能である。
【0058】
好ましくは、軸方向位置センサ76は、本体8のカバー80と同時成形される。
【0059】
カバー80は、それらの保守または交換のために伝達手段16への迅速なアクセスを可能にし、またユーザの要求に応じてカスタマイズを行うことができるように、容易に取り外し可能である。カバー80は、伝達手段16を収容するか、少なくとも部分的に一体化することができる。
【0060】
前記カバー80とは反対側の本体8には、制御軸20の第2の作動端部28に影響を及ぼす摺動ガスケット84が関連付けられている。
【0061】
特に、前記摺動ガスケット84は、第2の操作端部28上を摺動して、本体8内部への汚れの侵入を防止する。
【0062】
摺動ガスケット84は、好ましくは、本体8上のその位置を固定するために、典型的には金属である保持リング88を備えている。
【0063】
説明から理解されるように、本発明に係るアクチュエータは、従来技術の欠点を克服することができる。
【0064】
実際、問題のリニアアクチュエータは、寸法が3軸に沿って縮小されるため、コンパクトさの問題を解決し、同時に、いくつかのサブコンポーネント、つまり、制御軸、伝達手段、および本体のカバーをカスタマイズすることにより最大ストロークを変更できるため、軸方向のストロークに高い柔軟性が得られる。
【0065】
また、ユーザのニーズに応じて、対称または非対称のストローク分布を備えたダブル出力を有することも可能である。
【0066】
アクチュエータは、静的状態および動的状態の両方でより良い制御のための低い可逆性を保証し、最終的な軸上の位置センサを装備することもできる。
【0067】
本発明の解決策の柔軟性は、ねじピッチを変更することによりさらに増大し、これにより、制御軸上の複数の速度/力の変動が可能になる。
【0068】
また、カバーと制御軸のみを変更すると、単一出力または二重効果、サーボまたはオン/オフ解決策が生成される。
【0069】
また、この解決策は、容易に拡張可能である。
【0070】
軸方向位置センサは、制御軸の実際の軸方向位置の間接的な測定ではなく、直接計算を可能にする。このようにして、作動装置の極めて正確な制御が可能である。
【0071】
制御軸用の2つの支持体の存在により、アクチュエータは、非常に頑丈であり、ピーク負荷および振動に耐える(これらは同じボディに配置されているため、このレイアウトではなおさらである。したがって、極めて正確な相互位置決めを保証することが可能である。)。
【0072】
全体として、本発明に係るアクチュエータは、非常に低い実現コストを維持しながら、コンパクトな寸法、高い精度および信頼性を有するように見える。
【0073】
加えて、アクチュエータは、エンドユーザの特定の要求/ニーズに応じて容易にカスタマイズ可能である。
【0074】
当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の保護範囲内に留まりながら、偶発的かつ特定の要件を満たすように、上述のアクチュエータに多数の修正および変更を行うことができる。