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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】操作受付装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/22 20060101AFI20231101BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20231101BHJP
   G10L 15/28 20130101ALI20231101BHJP
【FI】
G10L15/22 200H
G10L15/00 200J
G10L15/28 500
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019175479
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021051252
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】GO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】松山 純也
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/069573(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/093003(WO,A1)
【文献】特開2018-116206(JP,A)
【文献】特開2016-206900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/00-15/34
G06F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
を有し、
前記処理実行部は、前記処理内容がメッセージを送信する処理である場合に、前記処理内容が他の処理である場合よりも長い確認時間が経過してから前記処理を実行する、
操作受付装置。
【請求項2】
車両に設けられている、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記車両の速度に対応する確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
を有する操作受付装置。
【請求項3】
ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、所定の確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
前記確認時間の長さによって異なる音を出力する音出力部と、
を有する操作受付装置。
【請求項4】
ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に前記音声が入力された後に所定の確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
を有し、
前記処理実行部は、前記処理内容がメッセージを送信する処理である場合に、前記処理内容が他の処理である場合よりも長い前記確認時間が経過してから前記処理を実行する、
操作受付装置。
【請求項5】
車両に設けられている、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に前記音声が入力された後に前記車両の速度に対応する確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
を有する操作受付装置。
【請求項6】
ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に前記音声が入力された後に所定の確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
前記確認時間の長さによって異なる音を出力する音出力部と、
を有する操作受付装置。
【請求項7】
乗客を運送するための車両に設けられている、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、
前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、
前記乗客が前記車両に乗っていない場合に、前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させ、前記乗客が前記車両に乗っている場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させない表示制御部と、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、
を有する操作受付装置。
【請求項8】
前記付加情報は、前記テキストの一部を強調表示した情報である、
請求項1から7のいずれか一項に記載の操作受付装置。
【請求項9】
前記処理実行部は、前記確認時間が経過するまでの間に前記テキストが示す前記処理を取り消す操作が行われた場合に、前記処理の実行を中止する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の操作受付装置。
【請求項10】
前記処理実行部は、複数の前記操作画面において共通する、前記テキストが示す前記処理を取り消すための取消音声を入力する操作が行われた場合に、前記処理の実行を中止する、
請求項に記載の操作受付装置。
【請求項11】
前記処理実行部は、前記操作画面において入力される音声を誤認識する蓋然性の高さに対応する前記確認時間が経過してから前記処理を実行する、
請求項からのいずれか一項に記載の操作受付装置。
【請求項12】
前記操作受付装置は車両に設けられており、
前記表示制御部は、前記車両の速度が所定の速度以下の場合に、手動による入力及び音声による入力が可能であることを示す前記付加情報を含む前記操作画面を前記表示部に表示させ、前記車両の速度が前記所定の速度より大きい場合に、手動による入力が可能ではなく、音声による入力が可能であることを示す前記付加情報を含む前記操作画面を前記表示部に表示させる、
請求項1から11のいずれか一項に記載の操作受付装置。
【請求項13】
前記操作受付装置は乗客を運送するための車両に設けられており、
前記表示制御部は、乗客が前記車両に乗っているか否かに基づいて、前記操作画面を前記表示部に表示させるか否かを決定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の操作受付装置。
【請求項14】
コンピュータを、
前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、及び
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、
として機能させ
前記処理実行部は、前記処理内容がメッセージを送信する処理である場合に、前記処理内容が他の処理である場合よりも長い確認時間が経過してから前記処理を実行する、
プログラム。
【請求項15】
車両に設けられているコンピュータを、
前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、及び
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記車両の速度に対応する確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、所定の確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、及び
前記確認時間の長さによって異なる音を出力する音出力部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、及び
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に前記音声が入力された後に所定の確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、
として機能させ、
前記処理実行部は、前記処理内容がメッセージを送信する処理である場合に、前記処理内容が他の処理である場合よりも長い前記確認時間が経過してから前記処理を実行する、
プログラム。
【請求項18】
車両に設けられているコンピュータを、
前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、及び
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に前記音声が入力された後に前記車両の速度に対応する確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に前記音声が入力された後に所定の確認時間が経過してから、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、及び
前記確認時間の長さによって異なる音を出力する音出力部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
乗客を運送するための車両に設けられているコンピュータを、
前記乗客が前記車両に乗っていない場合に、前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させ、前記乗客が前記車両に乗っている場合に、前記操作画面を前記表示部に表示させない表示制御部、及び
前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによる指示を受け付けるための操作受付装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音声を入力することにより操作が可能になる装置が知られている。特許文献1には、操作コマンドを音声によって入力することができるナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-200697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置においては、音声認識モードに移行した場合に音声認識が可能になっていた。したがって、ユーザが音声入力による操作を行う前に音声認識モードに移行する操作が必要になり、音声入力による操作が可能な機能を使用しづらいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一例として、音声入力による操作が可能な機能を使用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の操作受付装置は、ユーザの操作を受け付ける操作受付装置であって、前記操作受付装置が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する記憶部と、前記複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部と、前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部と、を有する。
【0007】
前記付加情報は、前記テキストの一部を強調表示した情報であってもよい。
【0008】
前記処理実行部は、前記表示制御部が前記操作画面を表示している間に音声が入力された後に所定の確認時間が経過してから前記処理を実行してもよい。
【0009】
前記処理実行部は、前記確認時間が経過するまでの間に前記テキストが示す前記処理を取り消す操作が行われた場合に、前記処理の実行を中止してもよい。
【0010】
前記処理実行部は、複数の前記操作画面において共通する、前記テキストが示す前記処理を取り消すための取消音声を入力する操作が行われた場合に、前記処理の実行を中止してもよい。
【0011】
前記処理実行部は、前記操作画面において入力される音声を誤認識する蓋然性の高さに対応する前記確認時間が経過してから前記処理を実行してもよい。
【0012】
前記処理実行部は、前記処理内容がメッセージを送信する処理である場合に、前記処理内容が他の処理である場合よりも長い前記確認時間が経過してから前記処理を実行してもよい。
【0013】
前記操作受付装置は車両に設けられており、前記処理実行部は、前記車両の速度に対応する前記確認時間が経過してから前記処理を実行してもよい。
【0014】
前記操作受付装置は、前記確認時間の長さによって異なる音を出力する音出力部をさらに有してもよい。
【0015】
前記操作受付装置は車両に設けられており、前記表示制御部は、前記車両の速度が所定の速度以下の場合に、手動による入力及び音声による入力が可能であることを示す前記付加情報を含む前記操作画面を前記表示部に表示させ、前記車両の速度が前記所定の速度より大きい場合に、手動による入力が可能ではなく、音声による入力が可能であることを示す前記付加情報を含む前記操作画面を前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
前記操作受付装置は、乗客を運送するための車両に設けられており、前記表示制御部は、乗客が前記車両に乗っているか否かに基づいて、前記操作画面を前記表示部に表示させるか否かを決定してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様のプログラムは、コンピュータを、前記コンピュータが実行する処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、前記テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる表示制御部、及び前記操作画面を表示している間に前記付加情報を付加された前記テキストに対応する音声が入力されたとき、当該付加情報に対応する前記テキストが示す前記処理を実行する処理実行部、として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一例として、音声入力による操作が可能な機能を使用しやすくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る操作受付システムの概要を説明するための図である。
図2】実施形態に係る操作受付システムのブロック図である。
図3】操作画面を表示している操作受付装置の正面図である。
図4】取り消し操作を受け付けている操作画面を表示している操作受付装置の正面図である。
図5】操作画面を表示している操作受付装置の正面図である。
図6】操作画面を表示している操作受付装置の正面図である。
図7】実施形態に係る操作受付システムが実行する操作受付方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[操作受付システムの概要]
図1は、本実施形態に係る操作受付システムSの概要を説明するための図である。操作受付システムSは、ユーザによる操作を受け付けるシステムであり、操作受付装置1と、管理装置2とを備える。操作受付システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0021】
操作受付装置1は、ユーザに対して情報を提示するとともに、ユーザによる操作を受け付けるコンピュータである。ユーザは、例えば乗客を運送するための車両の運転手である。操作受付装置1は、例えば乗客を運送するための車両に設けられているスマートフォン、タブレット端末等の情報端末である。
【0022】
管理装置2は、操作受付装置1が受け付けた操作に基づいて、メッセージ送信処理、配車処理、決済処理等の所定の処理を行う、サーバ等のコンピュータである。管理装置2は、操作受付装置1との間で情報を送受信する。管理装置2は、インターネット等の通信ネットワークを介して、操作受付装置1と接続されている。
【0023】
本実施形態に係る操作受付システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。操作受付装置1は、予め操作受付装置1が実行する処理を示す複数の処理内容を記憶する。操作受付装置1は、ユーザの操作の受け付けを開始する場合に、受け付ける操作に対応する複数の処理を特定し、当該複数の処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、当該テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を表示部に表示させる。テキストは、例えば処理内容を説明する文字列である。付加情報は、例えばテキストの一部を強調表示した情報である。
【0024】
ユーザは、操作画面を表示している操作受付装置1に対して、付加情報を付加されたテキストに対応する音声を発する。例えば操作画面において「ネット決済」の処理内容を表すテキストのうち「ネット」が強調表示されている場合に、ユーザは「ネット」という音声を発する。操作受付装置1は、操作画面を表示している間に付加情報を付加されたテキストに対応する音声(ここでは「ネット」の音声)が入力されたとき、当該付加情報を付加されたテキストが示す処理(ここではネット決済を選択する処理)を実行する。
【0025】
操作受付装置1は、実行する処理に応じて、管理装置2との間で情報を送受信する。例えば操作受付装置1は、ネット決済を選択したことを示す情報を管理装置2へ送信する。管理装置2は、操作受付装置1が送信した情報に基づいてネット決済を実行する処理を実行する。
【0026】
このように、操作受付装置1は、ユーザから受け付ける操作に対応する複数の処理を示す複数の処理内容を表すテキストとともに、入力可能な音声に対応する付加情報を表示する。ユーザは、音声入力による操作を行う前に音声認識モードに移行する操作を行う必要がないため、音声入力による操作が可能な機能を使用しやすくなる。
【0027】
[操作受付システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る操作受付システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0028】
操作受付装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14と、操作部15と、音入力部16と、音出力部17とを有する。制御部13は、情報取得部131と、表示制御部132と、音声認識部133と、確認時間決定部134と、処理実行部135とを有する。
【0029】
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して管理装置2と通信を行うための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、操作受付装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0030】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、表示制御部132、音声認識部133、確認時間決定部134及び処理実行部135として機能する。制御部13の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部13の機能の少なくとも一部は、制御部13がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0031】
表示部14は、情報を表示可能な液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含む。操作部15は、人間による操作を受け付け可能なタッチパネル等を含む。音入力部16は、音の入力を受け付けるマイクロフォン等を含む。音出力部17は、音を出力するスピーカ等を含む。
【0032】
本実施形態に係る操作受付システムSは、図2に示す具体的な構成に限定されない。操作受付装置1及び管理装置2は、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。例えば操作受付装置1及び管理装置2は、それぞれ単一のコンピュータによって構成されてもよく、互いに連携する複数のコンピュータによって構成されてもよい。
【0033】
[操作受付方法の説明]
以下、本実施形態に係る操作受付システムSが実行する操作受付方法を詳細に説明する。操作受付装置1において、記憶部12は、操作受付装置1が実行する処理を示す複数の処理内容を予め記憶している。操作受付装置1が実行する処理は、例えば承諾する処理、拒否する処理、選択する処理、メッセージを送信する処理等である。
【0034】
情報取得部131は、ユーザの操作の受け付けを開始するための情報を取得する。例えばユーザは、操作受付装置1が設けられている車両において乗客が運賃の決済を行う際に、操作部15を用いて決済を開始する操作を行う。情報取得部131は、決済を開始する操作が行われたことを示す情報を取得した場合に、ユーザの操作の受け付けを開始する。また、情報取得部131は、管理装置2からメッセージや配車依頼等の所定のデータを受信した場合に、ユーザの操作の受け付けを開始してもよい。
【0035】
情報取得部131は、ユーザの操作の受け付けを開始するための情報を取得した場合に、受け付ける操作に対応する複数の処理を特定する。例えば運賃の決済を行う場合に、情報取得部131は、乗客が利用可能な複数の決済方法のうちいずれかを選択する複数の処理を特定する。この場合に、複数の処理は、「ネット決済」を選択する処理と、「車内決済」を選択する処理とを含む。また、例えばメッセージの送信を行う場合に、情報取得部131は、送信する複数のメッセージの候補のうちいずれかを選択する複数の処理を特定する。また、例えば配車依頼の応答を行う場合に、情報取得部131は、配車依頼を承諾する処理及び拒否する処理を特定する。
【0036】
表示制御部132は、情報取得部131が特定した複数の処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、当該テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を、表示部14に表示させる。
【0037】
図3は、操作画面Aを表示している操作受付装置1の正面図である。操作画面Aは、操作ボタンA1と、テキストA2と、付加情報A3と、マークA4と、インジケータA5とを含む。操作ボタンA1は、情報取得部131が特定した複数の処理それぞれに対応する、ユーザが選択可能な仮想的なボタン(アイコン)である。ユーザが操作部15を用いていずれかの操作ボタンA1を選択する操作を行った場合に、処理実行部135は、選択された操作ボタンA1に対応する処理を実行する。
【0038】
テキストA2は、情報取得部131が特定した複数の処理を示す複数の処理内容を表す文字列である。テキストA2は、例えば処理内容の名称又は処理内容の要約であり、処理と関連付けられて予め記憶部12に記憶されている。表示制御部132は、記憶部12において、情報取得部131が特定した複数の処理に関連付けられた複数のテキストA2を取得し、表示部14に表示させる。
【0039】
付加情報A3は、テキストA2の一部を強調表示した情報である。付加情報A3は、テキストA2の中の一部の範囲と、該範囲に対して適用する表示態様とを示す情報である。付加情報A3は、テキストA2と関連付けられて予め記憶部12に記憶されている。表示制御部132は、記憶部12において、表示部14に表示される複数のテキストA2に関連付けられた複数の付加情報A3を取得し、取得した複数の付加情報A3を複数のテキストA2に対して適用する。
【0040】
図3の例では、付加情報A3は、テキストA2の一部に下線を付すことによって強調表示を行っている。付加情報A3は、これに限られず、テキストA2の一部の表示態様(色、形状、模様等)をその他の部分の表示態様とは異なるように表示することによって、強調表示を行う。
【0041】
ユーザが付加情報A3を示す音声(すなわち、付加情報A3に対応するテキストA2の一部を示す音声)を発することによって、後述の処理実行部135は、当該付加情報A3に対応するテキストA2の示す処理を実行する。このような構成により、ユーザは、付加情報A3を参照することによって、複数の処理それぞれを行うためにどのような音声を発すればよいか容易に把握できる。
【0042】
マークA4は、操作受付装置1が音声入力を受け付けていることを示す所定の図形である。また、マークA4は、音声入力を受け付けていることを示す「音声受付中」のような文字列であってもよい。
【0043】
インジケータA5は、音入力部16にユーザが発した音声が入力されていることを表す領域である。表示制御部132は、音入力部16への音声の入力が継続している時間に応じて、インジケータA5をマークA4の外周に沿って伸ばすことによって、音声の入力を受け付けていることをユーザに対して通知する。
【0044】
表示制御部132は、ユーザから受け付ける操作が所定の条件を満たす場合に、付加情報A3、マークA4及びインジケータA5を表示させなくてもよい。例えば表示制御部132は、ユーザから受け付ける操作が、配車依頼のキャンセルの操作、他の乗客に関する情報のやり取り、又は決済を行う操作等の予め登録された操作である場合に、付加情報A3、マークA4及びインジケータA5を表示させない。この場合に、処理実行部135は、音声の入力を受け付けず、操作ボタンA1の選択に基づいて処理を実行する。このような構成により、操作受付装置1は、手動入力が好ましい特定の操作については、音声入力の対象から除外できる。ユーザは、操作画面Aを参照することにより、音声の入力が受け付けられないことを容易に把握できる。
【0045】
表示制御部132は、操作受付装置1が設けられている車両に乗客が乗っているか否かに基づいて、操作画面Aを表示部14に表示させるか否かを決定してもよい。この場合に、情報取得部131は、乗客が車両に乗っているか否かを示す情報を取得する。例えば情報取得部131は、乗客が車両に乗っているか否かを示すユーザ(運転手)の操作を示す情報を取得し、又は車両に設けられたセンサから乗客が車両に乗っているか否かを示す情報を取得する。
【0046】
表示制御部132は、乗客が車両に乗っていない場合に、操作画面Aを表示部14に表示させ、乗客が車両に乗っている場合に、操作画面Aを表示部14に表示させない。これにより、操作受付装置1は、例えば他の乗客とのメッセージを送信するための操作画面A等を、乗客が車両に乗っていない場合にのみ表示するように制御し、音声入力の際に情報が漏洩することを抑制できる。
【0047】
表示制御部132は、操作受付装置1とは異なる情報端末が備える表示部に、操作画面Aを表示させてもよい。この場合に、表示制御部132は、操作画面Aを表示するための表示情報を情報端末へ送信する。情報端末は、操作受付装置1が送信した表示情報に基づいて、表示部に操作画面Aを表示させる。これにより、例えば車両に操作受付装置1に加えて他の情報端末(カーナビゲーションシステム等)が設けられている場合に、操作受付装置1は、操作画面Aを該情報端末上に表示し、ユーザから視認しやすくできる。
【0048】
表示制御部132が操作画面を表示している間に、音入力部16は、ユーザが発した音声の入力を受け付ける。音声認識部133は、音入力部16に入力された音声に対して、既知の音声認識処理を実行する。音声認識処理は、ネットワークを介して、操作受付装置1とは異なる装置によって行われてもよい。音声認識部133は、音声の認識結果に基づいて、操作画面に表示された1つ又は複数の付加情報のうち、入力された音声に対応するテキストに付加された付加情報を特定する。
【0049】
確認時間決定部134は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理を取り消し可能な確認時間を決定する。確認時間決定部134は、確認時間をゼロに、すなわち確認時間を設けないように決定してもよい。例えば確認時間決定部134は、操作画面において入力される音声を誤認識する蓋然性の高さに基づいて、確認時間を決定する。この場合に、確認時間決定部134は、承諾又は拒否の音声は誤認識の蓋然性が低いため他の音声よりも短い確認時間を決定し、複数の選択肢から選択する音声は誤認識の蓋然性が高いため他の音声よりも長い確認時間を決定する。これにより、操作受付装置1は、ユーザが意図していない音声を認識した蓋然性が高い場合に、確認時間を長くすることによって、ユーザによる取り消しを受け付けやすくなる。
【0050】
また、例えば確認時間決定部134は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが、メッセージを送信する処理を示す場合に、他の処理の場合よりも長い確認時間を決定する。これにより、操作受付装置1は、メッセージ送信のように誤りが発生しやすい処理について、確認時間を長くすることによって、ユーザによる取り消しを受け付けやすくなる。
【0051】
また、例えば確認時間決定部134は、操作受付装置1が設けられている車両の速度に基づいて、確認時間を決定する。この場合に、確認時間決定部134は、車両の速度が所定値以下である場合に、車両の速度が所定値より大きい場合よりも短い確認時間を決定する。車両が停止している場合又は低速で走行している場合には、ユーザは操作画面を注視できるため、取り消しの要否の判断を行いやすい。このような場合に、操作受付装置1は、確認時間を短くすることによって、入力された音声に対応する処理を速やかに実行に移すことができる。
【0052】
確認時間決定部134は、決定した確認時間の長さによって異なる音を、音出力部17から出力させてもよい。これにより、ユーザは、操作画面を注視しなくとも、音声に対応する処理の取り消しの要否の判断が必要であることを認識できるとともに、取り消し可能な確認時間の長さを認識できる。
【0053】
表示制御部132は、確認時間決定部134が決定した確認時間の間、操作画面上で取り消し操作を受け付けていることを表示する。図4は、取り消し操作を受け付けている操作画面Aを表示している操作受付装置1の正面図である。操作画面Aは、図3に示した情報に加えて、受付情報A6と、取り消しボタンA7とを含む。
【0054】
受付情報A6は、入力された音声に対応する処理に対応するテキストA2を強調表示した情報である。図4の例では、受付情報A6は、テキストA2の外側に二重の枠を表すことによって強調表示を行っている。受付情報A6は、これに限られず、テキストA2の表示態様(色、形状、模様等)をその他の部分の表示態様とは異なるように表示することによって、強調表示を行う。
【0055】
取り消しボタンA7は、取り消しを指示するための、ユーザが選択可能な仮想的なボタン(アイコン)である。確認時間決定部134が決定した確認時間が経過する前に、ユーザが操作部15を用いて取り消しボタンA7を選択する操作を行った場合に、処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理の実行を中止する。
【0056】
ユーザが付加情報を示す音声を入力してから確認時間決定部134が決定した確認時間が経過するまでの間にも、音入力部16は、ユーザが発した音声の入力を受け付けてもよい。この間、音声認識部133は、音声認識部133による音声の認識結果に基づいて、所定の取消音声が入力されたか否かを判定する。
【0057】
取消音声は、例えば「キャンセル」、「やめる」のような音声である。取消音声は、複数の操作画面において共通する音声(すなわち、実行する処理によらない音声)であることが望ましい。これにより、ユーザは、処理の取り消しのためにどのような音声を発するかを判断する必要がなく、素早く処理の取り消しを指示することができる。
【0058】
確認時間決定部134が決定した確認時間が経過する前に、取消音声が入力されたと音声認識部133が判定した場合に、処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理の実行を中止する。これにより、操作受付装置1は、音声が入力された場合であっても、所定の確認時間の間は処理を取り消し可能とし、ユーザの意図しない処理を実行することを抑制できる。
【0059】
確認時間決定部134が決定した確認時間が経過する前に、いずれかの付加情報を示す音声が入力されたと音声認識部133が再度判定した場合に、音声認識部133は、最新の音声に対応する付加情報が入力されたとみなしてもよい。この場合に、確認時間決定部134は、確認時間を再度決定し、表示制御部132は、確認時間決定部134が再度決定した確認時間の間、操作画面上で取り消し操作を受け付けていることを表示する。
【0060】
確認時間決定部134が決定した確認時間が経過した後に、処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理を実行する。例えば処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す決済方法を選択し、選択した決済方法を示す情報を管理装置2へ送信する処理を実行する。管理装置2は、操作受付装置1が送信した情報が示す決済方法で決済を行う処理を実行する。
【0061】
また、例えば処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示すメッセージを管理装置2へ送信する処理を実行する。管理装置2は、操作受付装置1が送信したメッセージを所定の情報端末(例えば乗客が有する情報端末)へ転送する処理を実行する。
【0062】
また、例えば処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す、配車依頼を承諾する情報及び配車依頼を拒否する情報のうちどちらか一方を管理装置2へ送信する処理を実行する。管理装置2は、操作受付装置1が送信した情報に基づいて、操作受付装置1が設けられている車両に配車すること又は配車しないことを確定する処理を実行する。
【0063】
図3図4の例では、操作受付装置1は、テキストの一部を強調表示することによって付加情報を表示しているが、その他の方法で付加情報を表示してもよい。図5(a)、図5(b)は、別の例に係る操作画面Aを表示している操作受付装置1の正面図である。図5(a)は、メッセージの送信を行う場合の例示的な操作画面Aを表している。図3の例とは異なり、付加情報A3は、テキストA2に付加された記号である。ユーザが付加情報A3を示す音声(すなわち、付加情報A3である記号を示す音声)を発することによって、処理実行部135は、当該付加情報A3に対応するテキストA2の示す処理を実行する。このような構成により、ユーザは、付加情報A3を参照することによって、複数の処理それぞれを行うためにどのような音声を発すればよいか容易に把握できる。
【0064】
図5(b)は、配車依頼の応答を行う場合の例示的な操作画面Aを表している。図3の例とは異なり、操作画面Aは、情報取得部131が特定した1つの処理のみに対応するテキストA2を含み、また付加情報A3を含まない。このように単純な操作画面であれば、ユーザは、マークA4を参照すれば音声入力を受け付けていることを把握でき、テキストA2を参照すれば発すべき音声を把握できる。そのため、処理実行部135は、1つの処理内容を示すテキストA2を含む操作画面において、テキストA2が音声として入力されたときに、テキストA2の示す処理を実行する。
【0065】
図3図4の例では、操作受付装置1は、手動入力及び音声入力の両方を受け付けているが、操作受付装置1が設けられている車両の速度に基づいて音声入力のみを受け付けてもよい。表示制御部132は、車両の速度が所定の速度以下の場合に、手動による入力及び音声による入力が可能であることを示す付加情報を含む操作画面を表示部14に表示させる。一方、表示制御部132は、車両の速度が所定の速度より大きい場合に、手動による入力が可能ではなく、音声による入力が可能であることを示す付加情報を含む操作画面を表示部14に表示させる。
【0066】
図6(a)、図6(b)は、操作画面Aを表示している操作受付装置1の正面図である。図6(a)は、手動入力及び音声入力の両方を受け付けている操作画面Aを表している。図6(a)の操作画面Aは、操作ボタンA1及び付加情報A3を表示することによって、手動による入力及び音声による入力が可能であることを示している。
【0067】
図6(b)は、音声入力のみを受け付けている操作画面Aを表している。図6(b)の操作画面Aは、付加情報A3を表示することによって音声による入力が可能であることを示すとともに、操作ボタンA1が選択できないことを表す無効情報A8(ここでは破線)を表示することによって手動による入力が可能ではないことを示している。無効情報A8は、その他の表示態様によって、操作ボタンA1が選択できないことを表してもよい。
【0068】
このような構成により、操作受付装置1は、車両の走行中は手動入力を受け付けないことを明示し、安全性を高めることができる。ここでは表示制御部132が所定の速度に関して2段階で表示内容を切り替えているが、3段階以上で切り替えてもよい。この場合に、例えば表示制御部132は、手動入力及び音声入力の両方を受け付けていること、音声入力のみを受け付けていること、及び入力を受け付けていないことの3段階で操作画面Aの表示内容を切り替える。
【0069】
[操作受付方法のフローチャート]
図7は、本実施形態に係る操作受付システムSが実行する操作受付方法のフローチャートを示す図である。情報取得部131は、ユーザの操作の受け付けを開始するための情報を取得する。情報取得部131は、ユーザの操作の受け付けを開始するための情報を取得した場合に、受け付ける操作に対応する複数の処理を特定する(S11)。
【0070】
表示制御部132は、情報取得部131が特定した複数の処理を示す複数の処理内容を表すテキストと、当該テキストそれぞれに対して付加されている付加情報とを含む操作画面を、表示部14に表示させる(S12)。
【0071】
表示制御部132が操作画面を表示している間に、音入力部16は、ユーザが発した音声の入力を受け付ける(S13)。音声認識部133は、音入力部16に入力された音声に対して、既知の音声認識処理を実行する(S14)。音声認識部133は、音声の認識結果に基づいて、操作画面に表示された1つ又は複数の付加情報のうち、入力された音声に対応するテキストに付加された付加情報を特定する。
【0072】
確認時間決定部134は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理を取り消し可能な確認時間を決定する(S15)。表示制御部132は、確認時間決定部134が決定した確認時間の間、操作画面上で取り消し操作を受け付けていることを表示する。
【0073】
確認時間決定部134が決定した確認時間の間、音入力部16は、ユーザが発した音声の入力を受け付ける。音声認識部133は、音入力部16に入力された音声に対して、既知の音声認識処理を実行する。確認時間決定部134が決定した確認時間が経過していない場合であって(S16のNO)、取消音声が入力されたと音声認識部133が判定した場合に(S17のYES)、処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理の実行を中止する(S18)。取消音声が入力されたと音声認識部133が判定していない場合に(S17のNO)、音入力部16は、ステップS16に戻り、ユーザが発した音声の入力の受け付けを継続する。
【0074】
確認時間決定部134が決定した確認時間が経過した場合に(S16のYES)、処理実行部135は、音声認識部133が特定した付加情報に対応するテキストが示す処理を実行する(S19)。
【0075】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る操作受付システムSにおいて、操作受付装置1は、ユーザから受け付ける操作に対応する複数の処理を示す複数の処理内容を表すテキストとともに、入力可能な音声に対応する付加情報を表示する。ユーザは、音声入力による操作を行う前に音声認識モードに移行する操作を行う必要がないため、音声入力による操作が可能な機能を使用しやすくなる。また、ユーザは、付加情報を参照することによって、付加情報を参照することによって、複数の処理それぞれを行うためにどのような音声を発すればよいかを容易に把握できる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0077】
操作受付装置1のプロセッサは、図7に示す操作受付方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、操作受付装置1のプロセッサは、図7に示す操作受付方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して操作受付システムSの各部を制御することによって、図7に示す操作受付方法を実行する。図7に示す操作受付方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0078】
S 操作受付システム
1 操作受付装置
12 記憶部
13 制御部
131 情報取得部
132 表示制御部
133 音声認識部
134 確認時間決定部
135 処理実行部
14 表示部
17 音出力部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7