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特許7377092統計データ生成方法、切断装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】統計データ生成方法、切断装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20231101BHJP
   B26D 7/00 20060101ALI20231101BHJP
   B28D 7/00 20060101ALI20231101BHJP
   B28D 1/24 20060101ALN20231101BHJP
【FI】
H01L21/78 R
B26D7/00 Z
B28D7/00
H01L21/78 F
B28D1/24
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019226092
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021097093
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和宏
(72)【発明者】
【氏名】尾関 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】水田 彩香
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-174191(JP,A)
【文献】特開2015-228531(JP,A)
【文献】特開2000-77550(JP,A)
【文献】特開2011-253972(JP,A)
【文献】特表2007-536727(JP,A)
【文献】特表2017-537459(JP,A)
【文献】特開2016-21541(JP,A)
【文献】特開2007-152438(JP,A)
【文献】特開2000-91177(JP,A)
【文献】特開平5-90365(JP,A)
【文献】特開2003-179193(JP,A)
【文献】特開2019-158389(JP,A)
【文献】特開2011-210775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
B26D 7/00
B28D 7/00
B28D 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパッケージ基板を切断することによって生産された複数のパッケージ部品それぞれの検査の結果情報を含む検査データを集約するステップと、
集約された前記検査データに基づいて、統計データを生成するステップと、
生成した統計データを示す画像の画像データを生成するステップと、
前記複数のパッケージ基板から1つのパッケージ基板を特定する情報の入力を受け付けるステップと、
を含み、
前記画像は、前記入力に係るパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの位置に対応付けて、前記入力に係るパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの前記検査の結果を示す、統計データ生成方法。
【請求項2】
複数のパッケージ基板を切断することによって生産された複数のパッケージ部品それぞれの検査の結果情報を含む検査データを集約するステップと、
集約された前記検査データに基づいて、統計データを生成するステップと、
生成した統計データを示す画像の画像データを生成するステップと、
を含み、
前記画像は、前記複数のパッケージ基板の中で特定のロットに含まれる複数のパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの位置に対応付けて、前記特定のロットに含まれる複数のパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの前記検査の結果を示す、統計データ生成方法。
【請求項3】
前記パッケージ基板を切断することによって生産された複数のパッケージ部品の各々の検査を行なうステップをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の統計データ生成方法。
【請求項4】
前記検査は、前記パッケージ部品の端子に関する検査である、請求項3に記載の統計データ生成方法。
【請求項5】
前記検査は、前記パッケージ部品のダイパッドに関する検査である、請求項3に記載の統計データ生成方法。
【請求項6】
前記検査は、前記パッケージ部品の表面に形成されたマークに関する検査である、請求項3に記載の統計データ生成方法。
【請求項7】
複数のパッケージ基板を切断することによって複数のパッケージ部品を生産するように構成された切断機構と、
前記複数のパッケージ部品の各々を検査するように構成された検査機構と、
前記検査機構による検査の結果情報を含む検査データを用いた演算を行なうように構成された演算部と、
画像データを生成する画像生成部と、
前記複数のパッケージ基板の中から1つのパッケージ基板を特定する情報の入力を受け付ける入力部と、
を備え、
前記演算部は、前記検査データを集約し、集約された前記検査データに基づいて、統計データを生成するように構成され、
前記画像生成部は、前記演算部が生成した統計データを示す画像の画像データを生成するように構成され、
前記画像は、前記入力部を介した前記入力に係るパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの位置に対応付けて、前記入力部を介した前記入力に係るパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの前記検査の結果を示す、切断装置。
【請求項8】
複数のパッケージ基板を切断することによって複数のパッケージ部品を生産するように構成された切断機構と、
前記複数のパッケージ部品の各々を検査するように構成された検査機構と、
前記検査機構による検査の結果情報を含む検査データを用いた演算を行なうように構成された演算部と、
画像データを生成する画像生成部と、
を備え、
前記演算部は、前記検査データを集約し、集約された前記検査データに基づいて、統計データを生成するように構成され、
前記画像生成部は、前記演算部が生成した統計データを示す画像の画像データを生成するように構成され、
前記画像は、前記複数のパッケージ基板の中で特定のロットに含まれる複数のパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの位置に対応付けて、前記特定のロットに含まれる複数のパッケージ基板に含まれる複数のパッケージ部品それぞれの前記検査の結果を示す、切断装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の切断装置と、
前記検査データを記憶するように構成された、前記切断装置の外部の記憶装置と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統計データ生成方法、切断装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008-4806号公報(特許文献1)は、ウエーハの加工結果管理方法を開示する。この方法においては、ウエーハの加工過程で形成された切削溝が撮像手段によって撮像され、生成された画像情報に基づいて切削溝データが生成される。この切削溝データは、画像情報及び位置情報と関連付けて記憶手段に累積的に記憶される。記憶された切削溝データ及び画像情報等は、表示パネルに表示される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-4806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているように、半導体の生産工程のうちのウエーハプロセスにおいては、高度な生産管理が行なわれている。一方、半導体の生産工程のうちの後工程においては、高度な生産管理が行なわれていない。しかしながら、パッケージ部品の小型化等に起因して、後工程においても従来に比べて高度な生産管理を行なうことが求められている。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、後工程における従来に比べて高度な生産管理の実現のために用いられるデータを生成可能な統計データ生成方法、切断装置及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う統計データ生成方法は、パッケージ基板を切断することによって生産されたパッケージ部品の検査の結果情報を含む検査データを集約するステップと、集約された検査データに基づいて、統計データを生成するステップとを含む。
【0007】
また、本発明の他の局面に従う切断装置は、切断機構と、検査機構と、演算部とを備えている。切断機構は、パッケージ基板を切断することによって複数のパッケージ部品を生産するように構成されている。検査機構は、複数のパッケージ部品の各々を検査するように構成されている。演算部は、検査機構による検査の結果情報を含む検査データを用いた演算を行なうように構成されている。演算部は、検査データを集約し、集約された検査データに基づいて、統計データを生成するように構成されている。
【0008】
また、本発明の他の局面に従うシステムは、上記切断装置と、該切断装置の外部の記憶装置とを備えている。記憶装置は、検査データを記憶するように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、後工程における従来に比べて高度な生産管理の実現のために用いられるデータを生成可能な統計データ生成方法、切断装置及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】システムを模式的に示す図である。
図2】切断装置を模式的に示す平面図である。
図3】スピンドル部を模式的に示す側面図である。
図4】コンピュータのハードウェア構成を模式的に示す図である。
図5】コンピュータによって実現される各機能の関係を示す図である。
図6】QFNにおけるパッケージサイズの検査について説明するための図である。
図7】QFNにおけるコーナーアングルの検査について説明するための図である。
図8】QFNにおけるバッドマークの検査について説明するための図である。
図9】データベースの一例を示す図である。
図10】画像生成部によって生成される画像の一例を示す図である。
図11】半導体パッケージの検査の結果を記憶装置に蓄積する手順を示すフローチャートである。
図12】統計データを出力する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
[1.システムの構成]
図1は、本実施の形態に従うシステム100を模式的に示す図である。図1に示されるように、システム100は、切断装置1と、記憶装置30とを含んでいる。
【0013】
切断装置1は、パッケージ基板(切断対象物)を切断することによって、該パッケージ基板を複数のパッケージ部品に個片化するように構成されている。パッケージ基板においては、半導体チップが装着された基板又はリードフレームが樹脂封止されている。
【0014】
パッケージ基板の一例としては、BGA(Ball Grid Array)パッケージ基板、LGA(Land Grid Array)パッケージ基板、CSP(Chip Size Package)パッケージ基板、LED(Light Emitting Diode)パッケージ基板、QFN(Quad Flat No-leaded)パッケージ基板が挙げられる。
【0015】
また、切断装置1は、個片化された複数のパッケージ部品の各々を検査するように構成されている。切断装置1においては、各パッケージ部品の画像が撮像され、該画像に基づいて各パッケージ部品の検査が行なわれる。該検査を通じて検査データが生成され、各パッケージ部品は「良品」又は「不良品」に分類される。
【0016】
記憶装置30は、切断装置1における検査を通じて生成された検査データを記憶するように構成されている。記憶装置30には、検査データが順次蓄積される。なお、検査データは、必ずしも記憶装置30に記憶される必要はなく、たとえば、切断装置1内のメモリ等に記憶されてもよい。
【0017】
一般的に、半導体の生産工程のうちのウエーハプロセスにおいては、高度な生産管理が行なわれている。一方、半導体の生産工程のうちの後工程においては、高度な生産管理が行なわれていない。しかしながら、パッケージ部品の小型化等に起因して、後工程においても高度な生産管理を行なうことが求められている。
【0018】
本実施の形態に従う切断装置1は、パッケージ部品の検査の結果情報を含む検査データを集約し、集約された検査データに基づいて統計データを生成するように構成されている。パッケージ部品の検査の結果情報を含む検査データの統計データを用いることによって、たとえば、後工程において生じている問題の早期発見が促進され得る。すなわち、切断装置1によれば、後工程における従来に比べて高度な生産管理に用いられるデータ(統計データ)を生成することができる。以下、本実施の形態に従う切断装置1について詳細に説明する。
【0019】
[2.切断装置の構成]
(2-1.切断装置の全体構成)
図2は、本実施の形態に従う切断装置1を模式的に示す平面図である。本実施の形態においては、切断対象物としてパッケージ基板P1が用いられ、切断装置1によってパッケージ基板P1が複数の半導体パッケージS1に個片化される。以下では、パッケージ基板P1の両面のうち、樹脂封止された面をモールド面と称し、モールド面と反対の面をボール/リード面と称する。
【0020】
図2に示されるように、切断装置1は、構成要素として、切断モジュールA1と、検査・収納モジュールB1とを含んでいる。切断モジュールA1は、パッケージ基板P1を切断することによって複数の半導体パッケージS1を生産するように構成されている。検査・収納モジュールB1は、生産された複数の半導体パッケージS1の各々を検査し、その後、半導体パッケージS1をトレイに収納するように構成されている。切断装置1において、各構成要素は、他の構成要素に対して着脱可能かつ交換可能である。
【0021】
切断モジュールA1は、主として、基板供給部3と、位置決め部4と、切断テーブル5と、スピンドル部6と、搬送部7とを含んでいる。
【0022】
基板供給部3は、複数のパッケージ基板P1を収容するマガジンM1からパッケージ基板P1を1つずつ押し出すことによって、パッケージ基板P1を1つずつ位置決め部4へ供給する。このとき、パッケージ基板P1は、ボール/リード面を上に向けて配置されている。
【0023】
位置決め部4は、基板供給部3から押し出されたパッケージ基板P1をレール部4a上に配置することによって、パッケージ基板P1の位置決めを行う。その後、位置決め部4は、位置決めされたパッケージ基板P1を切断テーブル5へ搬送する。
【0024】
切断テーブル5は、切断されるパッケージ基板Pを保持する。本実施の形態においては、2個の切断テーブル5を有するツインカットテーブル構成の切断装置1が例示されている。切断テーブル5は、保持部材5aと、回転機構5bと、移動機構5cとを含んでいる。保持部材5aは、位置決め部4によって搬送されたパッケージ基板P1を下方から吸着することによって、パッケージ基板P1を保持する。回転機構5bは、保持部材5aを図のθ方向に回転させることが可能である。移動機構5cは、保持部材5aを図のY軸に沿って移動させることが可能である。
【0025】
スピンドル部6は、パッケージ基板P1を切断することによって、パッケージ基板P1を複数の半導体パッケージS1に個片化する。本実施の形態においては、2個のスピンドル部6を有するツインスピンドル構成の切断装置1が例示されている。スピンドル部6は、図のX軸及びZ軸に沿って移動可能である。なお、切断装置1は、一個のスピンドル部6を有するシングルスピンドル構成としてもよい。
【0026】
図3は、スピンドル部6を模式的に示す側面図である。図3に示されるように、スピンドル部6は、ブレード6aと、回転軸6cと、第1フランジ6dと、第2フランジ6eと、締結部材6fとを含んでいる。
【0027】
ブレード6aは、高速回転することによって、パッケージ基板P1を切断し、パッケージ基板P1を複数の半導体パッケージS1に個片化する。ブレード6aは、一方のフランジ(第1フランジ)6d及び他方のフランジ(第2フランジ)6eにより挟持された状態で、回転軸6cに装着される。第1フランジ6d及び第2フランジ6eは、ナット等の締結部材6fによって回転軸6cに固定される。第1フランジ6dは、奥フランジとも称される。第2フランジ6eは、ブレード6aを挟んで締結部材6f側に配置され、外フランジとも称される。
【0028】
スピンドル部6には、高速回転するブレード6aに向かって切削水を噴射する切削水用ノズル、冷却水を噴射する冷却水用ノズル、切断屑などを洗浄する洗浄水を噴射する洗浄水用ノズル(いずれも不図示)等が設けられる。
【0029】
再び図2を参照して、切断テーブル5がパッケージ基板P1を吸着した後、第1位置確認カメラ5dによってパッケージ基板P1が撮像され、パッケージ基板P1の位置が確認される。第1位置確認カメラ5dを用いた確認は、たとえば、パッケージ基板P1上に設けられたマークの位置の確認である。該マークは、たとえば、パッケージ基板P1の切断位置を示す。
【0030】
その後、切断テーブル5は、図のY軸に沿いスピンドル部6に向かって移動する。切断テーブル5がスピンドル部6の下方に移動した後、切断テーブル5とスピンドル部6とを相対的に移動させることによって、パッケージ基板P1が切断される。その後、必要に応じて第2位置確認カメラ6bによってパッケージ基板P1が撮像され、パッケージ基板P1の位置等が確認される。第2位置確認カメラ6bを用いた確認は、たとえば、パッケージ基板P1の切断位置及び切断幅等の確認である。
【0031】
切断テーブル5は、パッケージ基板P1の切断が完了した後、個片化された複数の半導体パッケージS1を吸着した状態で、図のY軸に沿ってスピンドル部6から離れる方向に移動する。この移動過程において、第1クリーナ5eによって、半導体パッケージS1の上面(ボール/リード面面)の洗浄及び乾燥が行なわれる。
【0032】
搬送部7は、切断テーブル5に保持された半導体パッケージS1を上方から吸着し、半導体パッケージS1を検査・収納モジュールB1の検査テーブル11へ搬送する。この搬送過程において、第2クリーナ7aによって、半導体パッケージS1の下面(モールド面)の洗浄及び乾燥が行なわれる。
【0033】
検査・収納モジュールB1は、主として、検査テーブル11と、第1光学検査カメラ12と、第2光学検査カメラ13と、配置部14と、抽出部15とを含んでいる。
【0034】
検査テーブル11は、半導体パッケージS1の光学的な検査のために、半導体パッケージS1を保持する。検査テーブル11は、図のX軸に沿って移動可能である。また、検査テーブル11は、上下反転することができる。検査テーブル11には、半導体パッケージS1を吸着することによって半導体パッケージS1を保持する保持部材が設けられている。
【0035】
第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13は、半導体パッケージS1の両面(ボール/リード面及びモールド面)を撮像する。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された画像データに基づいて、半導体パッケージS1の各種検査が行なわれる。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13の各々は、検査テーブル11の近傍において、上方を撮像するように配置されている。第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13の各々には、検査時に光を照射可能な照明装置(不図示)が設けられている。なお、第1光学検査カメラ12は、切断モジュールA1に設けられていてもよい。
【0036】
第1光学検査カメラ12は、搬送部7によって検査テーブル11へ搬送される半導体パッケージS1のモールド面を撮像する。その後、搬送部7は、検査テーブル11の保持部材上に半導体パッケージS1を載置する。保持部材が半導体パッケージS1を吸着した後、検査テーブル11は上下反転する。検査テーブル11は第2光学検査カメラ13の上方へ移動し、半導体パッケージS1のボール/リード面が第2光学検査カメラ13によって撮像される。上述のように、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された画像データに基づいて、半導体パッケージS1の各種検査が行なわれる。この検査における検査項目に関しては、後程詳しく説明する。
【0037】
配置部14には、検査済みの半導体パッケージS1が配置される。配置部14は、図のY軸に沿って移動可能である。検査テーブル11は、検査済みの半導体パッケージS1を配置部14に配置する。
【0038】
抽出部15は、配置部14に配置された半導体パッケージS1をトレイに移送する。半導体パッケージS1は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13を用いた検査の結果に基づいて、「良品」又は「不良品」に分別される。抽出部15は、分別の結果に基づいて、各半導体パッケージS1を良品用トレイ15a又は不良品用トレイ15bに移送する。すなわち、良品は良品用トレイ15aに収納され、不良品は不良品用トレイ15bに収納される。良品用トレイ15a及び不良品用トレイ15bの各々は、半導体パッケージS1で満たされると、新たなトレイに取り換えられる。
【0039】
切断装置1は、さらにコンピュータ50を含んでいる。コンピュータ50は、切断モジュールA1及び検査・収納モジュールB1の各部の動作を制御する。コンピュータ50によって、たとえば、基板供給部3、位置決め部4、切断テーブル5、スピンドル部6、搬送部7、検査テーブル11、第1光学検査カメラ12、第2光学検査カメラ13、配置部14及び抽出部15の動作が制御される。
【0040】
また、コンピュータ50は、たとえば、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された画像データに基づいて、半導体パッケージS1の各種検査を行なう。コンピュータ50は、各種検査を通じて生成された検査データを記憶装置30(図1)に集約し、集約された検査データに基づいて統計データを生成する。次に、コンピュータ50について詳細に説明する。
【0041】
(2-2.コンピュータのハードウェア構成)
図4は、コンピュータ50のハードウェア構成を模式的に示す図である。図4に示されるように、コンピュータ50は、演算部70と、入出力I/F(interface)90と、通信I/F91と、記憶部80とを含み、各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0042】
演算部70は、CPU(Central Processing Unit)72、RAM(Random Access Memory)74及びROM(Read Only Memory)76等を含んでいる。演算部70は、情報処理に応じて、コンピュータ50内の各構成要素及び切断装置1内の各構成要素を制御するように構成されている。
【0043】
入出力I/F90は、信号線を介して、切断装置1に含まれる各構成要素と通信するように構成されている。入出力I/F90は、コンピュータ50から切断装置1内の各構成要素へのデータの送信、切断装置1内の各構成要素からコンピュータ50へ送信されるデータの受信に用いられる。
【0044】
通信I/F91は、インターネットを介して、切断装置1の外部に設けられた外部装置(たとえば、記憶装置30(図1))と通信するように構成されている。通信I/F91は、たとえば、有線LAN(Local Area Network)モジュールや無線LANモジュールで構成される。
【0045】
記憶部80は、たとえば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部80は、たとえば、制御プログラム81を記憶するように構成されている。記憶部80は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13を用いた検査を通じて生成された検査データを記憶してもよい。
【0046】
(2-3.パッケージ部品の検査に関するソフトウェア構成)
図5は、コンピュータ50によって実現される各機能の関係を示す図である。演算部70は、記憶部80に記憶された制御プログラム81をRAM74に展開する。そして、演算部70がRAM74に展開された制御プログラム81をCPU72によって解釈及び実行することによって、コンピュータ50は切断装置1内の各構成要素を制御する。図5に示されるように、コンピュータ50は、画像取得部52、検査部54、統計データ生成部56及び画像生成部58として動作する。
【0047】
画像取得部52は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13に撮像指示を送る。撮像指示には、たとえば、パッケージ基板P1における撮像範囲を特定する情報が含まれる。なお、画像取得部52は、撮像範囲を順次変更する。これにより、パッケージ基板P1に含まれる全ての半導体パッケージS1の両面が撮像される。画像取得部52は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された画像データを入出力I/F90を介して取得する。
【0048】
検査部54は、画像取得部52によって取得された画像データを解析することによって、画像データに含まれる各半導体パッケージS1の各種検査を行なう。検査項目の一例としては、QFNにおける「端子数(Lead Pad Number)」、「ダイパッド欠陥(Die Pad Defect)」、「マークアングル(Mark Angle)」が挙げられる。
【0049】
図6は、QFNにおける端子数の検査について説明するための図である。図6を参照して、画像ID1は、第2光学検査カメラ13によって撮像された画像に含まれる画像である。すなわち、画像ID1は、パッケージ部品60のモールド面と反対の面(ボール/リード面)を示す画像である。パッケージ部品60の中央部にはダイパッド61が配置され、パッケージ部品60の周囲には複数の端子(電極パッド)62が配置されている。
【0050】
パッケージ部品60の端子数の検査において、検査部54は、画像解析を通じて、各辺における端子数(リードパッド数)を検出する。検査部54は、各辺における端子数が所定数であるか否かを判定する。検査部54は、各辺における端子数が所定数である場合に「端子数」に関してパッケージ部品60が良品であると判定し、各辺における端子数が所定数でない場合に「端子数」に関してパッケージ部品60が不良品であると判定する。検査部54は、検出された各辺の端子数、及び、良品/不良品の判定結果を、パッケージ基板におけるパッケージ部品60の位置情報と対応付けて記憶装置30に記憶させる。すなわち、検査部54は、検査項目次第では、良品/不良品の判定結果のみならず、画像解析を通じて得られた測定対象の測定値(この例では、「端子数」)もパッケージ基板におけるパッケージ部品60の位置情報と対応付けて記憶装置30に記憶させる。
【0051】
図7は、QFNにおけるダイパッド欠陥の検査について説明するための図である。図7を参照して、画像ID2は、第2光学検査カメラ13によって撮像された画像に含まれる画像である。すなわち、画像ID2は、パッケージ部品60のモールド面と反対の面(ボール/リード面)を示す画像である。
【0052】
パッケージ部品60のダイパッド欠陥の検査において、検査部54は、画像解析を通じて、ダイパッド61上の異物を検出する。加えて、検査部54は、ダイパッド61上に存在する異物のレベルが所定範囲内に収まっているか否かを判定する。検査部54は、ダイパッド61上に存在する異物のレベルが所定範囲内に収まっている場合にダイパッド欠陥に関してパッケージ部品60が良品であると判定し、ダイパッド61上に存在する異物のレベルが所定範囲内に収まっていない場合にダイパッド欠陥に関しパッケージ部品60が不良品であると判定する。検査部54は、良品/不良品の判定結果を、パッケージ基板におけるパッケージ部品60の位置情報と対応付けて記憶装置30に記憶させる。
【0053】
図8は、QFNにおけるマークアングルの検査について説明するための図である。図8を参照して、画像ID3は、第1光学検査カメラ12によって撮像された画像に含まれる画像である。すなわち、画像ID3は、パッケージ部品60のモールド面を示す画像である。
【0054】
パッケージ部品60のモールド面上には、たとえば、パッケージ部品60のブランドマーク等がプリントされる。パッケージ部品60のマークアングルの検査において、検査部54は、画像解析を通じて、パッケージ部品60の表面にプリントされたマークMk1の傾きが所定範囲内であるか否かを判定する。検査部54は、マークMk1の傾きが所定範囲内である場合にマークアングルに関してパッケージ部品60が良品であると判定し、マークMk1の傾きが所定範囲外である場合にマークアングルに関しパッケージ部品60が不良品であると判定する。検査部54は、良品/不良品の判定結果を、パッケージ基板におけるパッケージ部品60の位置情報と対応付けて記憶装置30に記憶させる。
【0055】
検査部54は、他にも様々な検査項目の検査を実行可能である。検査部54によって検査可能な検査項目の一例を以下の表1に示す。
【0056】
【表1】
表1において、BGAに対応する検査項目は、BGAのボール/リード面における検査項目を示す。また、QFNに対応する検査項目は、QFNのボール/リード面における検査項目を示す。また、共通に対応する検査項目は、BGA及びQFNのモールド面における検査項目を示す。
【0057】
表1に含まれる各種検査項目のうち、パッケージ部品特有の検査の一例は、「Lead Pad Offset」、「Lead Pad Number」、「Lead Pad Size」、「Lead Pad Pitch」、「Lead Pad Defect」、「Die Pad Size」、「Die Pad Defect」、「Die Pad Number」、「Lead Pad Side」、「Mark Offset」、「No Marking」、「Mark Angle」、「Broken Mark」、「Broken Character」、「Splash Character」、「Wrong Character」である。
【0058】
「Lead Pad Offset」において、検査部54は、各端子(リード)62の所定位置からのずれを測定し、ずれが所定範囲内かを判定する。「Lead Pad Number」において、検査部54は、端子62の数が所定通りかを判定する。「Lead Pad Size」において、検査部54は、各端子62の大きさが所定範囲内かを判定する。「Lead Pad Pitch」において、検査部54は、端子62間の長さが所定範囲内かを判定する。「Lead Pad Defect」において、検査部54は、端子62上における異物の有無を判定する。「Die Pad Size」において、検査部54は、外部に露出しているダイパッド61の大きさが所定範囲内かを判定する。「Die Pad Defect」において、検査部54は、ダイパッド61上における異物の有無を判定する。「Die Pad Number」において、検査部54は、ダイパッド61の数が所定通りかを判定する。「Lead Pad Side」において、検査部54は、端子の切断面(パッケージ部品60の側面)の状態が適切かを判定する。Mark Offset」において、検査部54は、マークMk1(ブランドマーク等)の所定位置からのずれを測定し、ずれが所定範囲内かを判定する。「No Marking」において、検査部54は、本来存在すべきマークMk1がないことを検出する。「Mark Angle」において、検査部54は、パッケージ部品上におけるマークMk1の傾きが所定範囲内かを判定する。「Broken Mark」において、検査部54は、マークMk1を構成する文字の一部が欠落しているかを判定する。「Broken Character」において、検査部54は、マークMk1を構成する文字の一部が十分にプリントされていないことを検出する。「Splash Character」において、検査部54は、マークMk1を構成する文字の一部の滲みが所定範囲内かを判定する。「Wrong Character」において、検査部54は、マークMk1を構成する文字の一部が異なる文字になっていることを検出する。
【0059】
再び図5を参照して、検査部54による検査の結果情報を含む検査データは、記憶装置30に記憶される。記憶装置30においては、複数の検査データが、集約され、データベースDB1上で管理される。
【0060】
図9は、データベースDB1の一例を示す図である。図9を参照して、データベースDB1における各行は、各パッケージ部品60の検査データを示す。各行においては、「ロット」、「No.」、「フレームNo.」、「位置」、及び「検査項目」毎の結果情報が対応付けられている。
【0061】
たとえば、「No.」が「2」であるパッケージ部品60は、「フレームNo.」が「1」であるパッケージ基板(フレーム)P1において、X座標上で「2」かつY座標上で「1」の位置に存在する。このパッケージ部品60が含まれているフレームは、「0000」の「ロット」に含まれている。「ロット」は、複数のフレーム(パッケージ基板P1)を含む単位である。このパッケージ部品60に関し、検査項目「0」に関しては結果が「1(たとえば、不良品)」であり、検査項目「1」に関しては結果が「0(たとえば、良品)」であり、検査項目「2」に関しては結果が「5.005(測定値)」である。
【0062】
システム100(図1)のユーザは、半導体パッケージS1の生産状況に関し、システム100から統計データを取得することができる。この統計データは、データベースDB1に格納されているデータに基づいて生成される。たとえば、ユーザは、統計データを参照することによって、半導体パッケージS1の生産に関する問題点を分析することができる。ユーザは、取得したい統計データに応じて、統計データの生成に用いるデータの範囲を指定する。たとえば、ユーザは、後述の画像200(図10)を介した入力を行なうことによって、データの範囲を指定する。システム100においては、指定された範囲内のデータを用いて統計データが生成される。
【0063】
再び図5を参照して、統計データ生成部56は、ユーザからの指示に従って、記憶装置30から検査データを取得し、取得された検査データを集約することによって、統計データを生成する。統計データ生成部56は、たとえば、パッケージ基板P1内の各位置と半導体パッケージS1の良/不良状況とを対応付けた統計データを生成する。また、統計データ生成部56は、たとえば、特定のロットに含まれる複数のパッケージ基板P1の各々における位置毎の半導体パッケージS1の良/不良状況を示すデータから、パッケージ基板P1の位置毎の不良発生率を示す統計データを生成する。
【0064】
画像生成部58は、統計データ生成部56によって生成された統計データを可視化した画像データを生成する。
【0065】
図10は、画像生成部58によって生成される画像200の一例を示す図である。図10に示されるように、画像200は、種類選択部202と、指示部214と、領域T1と、領域T2とを含んでいる。ユーザは、種類選択部202を介して、分析対象のパッケージ基板の種類がBGAであるかQFNであるかを選択する。また、ユーザは、指示部214をカーソル(マウスポインタ)等で押下することによって、統計データの出力指示を行なう。領域T1は、特定のパッケージ基板(フレーム)における統計データを可視化した画像を表示する領域である。領域T2は、特定のロットにおける統計データを可視化した画像を表示する領域である。
【0066】
領域T1は、入力部204と、選択部206と、結果出力部208,210,212とを含んでいる。ユーザは、入力部204を介して、分析対象のパッケージ基板(フレーム)P1の「フレームNo.」を入力する。また、ユーザは、選択部206を介して、分析対象の「検査項目」を選択する。
【0067】
結果出力部208は、全体として長方形状の画像を出力する。この長方形状の画像は、複数のブロックを含んでいる。この長方形状の画像はパッケージ基板P1に対応しており、複数のブロックの各々は半導体パッケージS1に対応している。この例においては、長方形状の画像の左上のブロックが座標(1,1)を示す。X座標は左方から右方に向かって「1」から「14」まで存在し、Y座標は上方から下方に向かって「1」から「48」まで存在する。この例においては、たとえば、各パッケージ部品60の不良の程度に応じて、対応する各ブロックの色分けが行なわれている。ユーザは、結果出力部208に出力される画像を参照することによって、パッケージ基板内の位置毎の不良発生状況を視覚的に認識することができる。
【0068】
結果出力部210は、たとえば、分析対象のパッケージ基板P1に含まれる半導体パッケージS1の総数、良品の数、不良品の数を出力する。結果出力部212は、たとえば、不良品の数、及び、不良品の発生率を出力する。
【0069】
領域T2は、結果出力部220,224,226と、選択部222とを含んでいる。ユーザは、選択部222を介して、分析対象の「検査項目」を選択する。
【0070】
結果出力部224は、ロットに含まれる複数のパッケージ基板P1における不良品発生位置の集計結果を示す画像を出力する。この画像において、X座標及びY座標が示す意味は、結果出力部208によって出力される画像と同じである。Z座標は、その位置において発生した不良品の総数を示す。ユーザは、結果出力部224に出力される画像を参照することによって、パッケージ基板内の位置毎の不良発生状況を視覚的に認識することができる。
【0071】
結果出力部220は、たとえば、分析対象のロットに含まれるパッケージ基板P1の総数、半導体パッケージS1の総数、良品の数、不良品の数を出力する。結果出力部226は、たとえば、不良品の数、及び、不良品の発生率を出力する。
【0072】
再び図5を参照して、画像生成部58によって生成された画像は、切断装置1に含まれるモニタ20に表示される。ユーザは、モニタ20に表示された画像を参照することによって、半導体パッケージS1の生産状況を統計的に把握することができる。
【0073】
[3.動作]
(3-1.検査結果の蓄積動作)
図11は、半導体パッケージS1の検査の結果を記憶装置30に蓄積する手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、コンピュータ50によって所定サイクル毎に実行される。
【0074】
図11を参照して、コンピュータ50は、検査テーブル11上のパッケージ基板P1の所定範囲を順次撮像するように第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13に指示する(ステップS100)。コンピュータ50は、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13によって生成された画像データを順次取得する(ステップS110)。コンピュータ50は、取得された画像データの解析を通じて、各半導体パッケージS1について各種検査を行なう(ステップS120)。コンピュータ50は、検査を通じて生成された検査データを追加するように、データベースDB1を更新する(ステップS130)。
【0075】
ステップS100-S130を繰り返すことによって、各半導体パッケージS1の検査データが順次データベースDB1に追加される。
【0076】
(3-2.統計データの出力動作)
図12は、統計データを出力する手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、コンピュータ50によって所定サイクル毎に実行される。
【0077】
図12を参照して、コンピュータ50は、ユーザから統計データの出力指示があったか否かを判定する(ステップS200)。たとえば、コンピュータ50は、ユーザによって指示部214(図10)が押下されたか否かを判定する。統計データの出力指示がないと判定されると(ステップS200においてNO)、処理は「リターン」に移行する。
【0078】
一方、統計データの出力指示があったと判定されると(ステップS200においてYES)、コンピュータ50は、ユーザからの指示内容に合致した検査データを記憶装置30(データベースDB1)から読み出す(ステップS210)。コンピュータ50は、読み出された検査データを集約することによって統計データを生成する(ステップS220)。コンピュータ50は、統計データが視覚的に表現された画像データを生成する(ステップS230)。コンピュータ50は、生成された画像を表示するようにモニタ20(図5)を制御する(ステップS240)。
【0079】
ユーザは、モニタ20に表示された画像を参照することによって、半導体パッケージS1の生産状況を統計的に把握することができる。
【0080】
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う切断装置1は、パッケージ部品の検査の結果情報を含む検査データを集約し、集約された検査データに基づいて統計データを生成するように構成されている。パッケージ部品の検査の結果情報を含む検査データの統計データを用いることによって、たとえば、後工程において生じている問題の早期発見が促進され得る。すなわち、切断装置1によれば、後工程における従来に比べて高度な生産管理に用いられるデータ(統計データ)を生成することができる。
【0081】
また、切断装置1において、検査データは、検査対象の半導体パッケージS1のパッケージ基板P1における位置情報を含む。したがって、切断装置1によれば、半導体パッケージS1の検査の結果情報をパッケージ基板P1における半導体パッケージS1の位置情報と対応付けて管理できるため、より有用な統計データを生成することができる。
【0082】
[5.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0083】
(5-1)
上記実施の形態においては、コンピュータ50が切断装置1全体を制御することとした。しかしながら、切断装置1の制御は、必ずしも1つのコンピュータで実行される必要はない。たとえば、切断装置1の制御は、複数のコンピュータで実行されてもよい。この場合には、複数のコンピュータ間で通信することによって、複数のコンピュータによる切断装置1の制御が実現される。
【0084】
(5-2)
上記実施の形態においては、生成された統計データを示す画像がモニタ20に表示された。しかしながら、生成された統計データは必ずしもモニタ20に表示されなくてもよい。たとえば、生成された統計データは、他のデバイスに送信されるだけであってもよい。
【0085】
(5-3)
上記実施の形態においては、パッケージ基板P1の切断と、半導体パッケージS1の検査と、検査データに基づく統計データの生成とが同一の切断装置1において実行された。しかしながら、これらは必ずしも同一の装置で実行される必要はない。たとえば、各々が別の装置によって実行されてもよい。
【0086】
(5-4)
上記実施の形態においては、半導体パッケージS1のパッケージ基板P1における位置情報と、各検査項目の結果情報とが対応付けてデータベースDB1上で管理された。しかしながら、データベースDB1は、必ずしも半導体パッケージS1のパッケージ基板P1における位置情報を含む必要はない。
【0087】
(5-5)
上記実施の形態において、切断装置1は、半導体パッケージS1のモールド面及びボール/リード面をそれぞれ撮像する第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13を備えていた。しかしながら、切断装置1が備える光学検査カメラは、第1光学検査カメラ12及び第2光学検査カメラ13に限定されない。たとえば、切断装置1は、端子の切断面(パッケージ部品60の側面)を検査する光学検査カメラをさらに備えてもよい。この場合、切断面検査用の光学検査カメラは、たとえば、配置部14と良品用トレイ15aとの間に設けられる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0089】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 切断装置、3 基板供給部、4 位置決め部、4a レール部、5 切断テーブル、5a 保持部材、5b 回転機構、5c 移動機構、5d 第1位置確認カメラ、5e 第1クリーナ、6 スピンドル部、6a ブレード、6b 第2位置確認カメラ、6c 回転軸、6d 第1フランジ、6e 第2フランジ、6f 締結部材、7 搬送部、7a 第2クリーナ、11 検査テーブル、12 第1光学検査カメラ、13 第2光学検査カメラ、14 配置部、15 抽出部、15a 良品用トレイ、15b 不良品用トレイ、20 モニタ、30 記憶装置、50 コンピュータ、52 画像取得部、54 検査部、56 統計データ生成部、58 画像生成部、60 パッケージ部品、61 ダイパッド、62 端子、70 演算部、72 CPU、74 RAM、76 ROM、80 記憶部、81 制御プログラム、90 入出力I/F、91 通信I/F、100 システム、200,ID1,ID2,ID3 画像、202 種類選択部、204 入力部、206,222 選択部、208,210,212,220,224,226 結果出力部、214 指示部、A1 切断モジュール、B1 検査・収納モジュール、DB1 データベース、M1 マガジン、Mk1 マーク、P1 パッケージ基板、S1 半導体パッケージ、T1,T2,T3 領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12