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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】配線作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   H02B 3/00 20060101AFI20231101BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20231101BHJP
   H01B 7/36 20060101ALI20231101BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H02B3/00 E
G06K7/14 013
G06K7/14 017
H01B7/36 B
H02G1/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020024375
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021129474
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】冨田 仁貴
(72)【発明者】
【氏名】畑田 一彦
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-130652(JP,A)
【文献】特開2018-147440(JP,A)
【文献】実開昭60-170918(JP,U)
【文献】特開昭50-92452(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110363112(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 3/00
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電盤の端子台に対する電線の接続を示す配線接続図に基づいた設計データを取得する設計データ取得部と、
電線を識別するための電線識別情報が設けられている複数の電線が前記端子台に対して接続された状態において複数の電線識別情報を同時に撮像して画像データを作成する撮像部と、
前記撮像部により作成された画像データに作業者による携帯端末の操作により入力された製番、項番、盤番号が対応付けられた画像データを取得する画像データ取得部と、
製番、項番、盤番号が対応付けられた前記画像データに基づいて認識データを作成する認識データ作成部と、
前記画像データと対応付けられている製番、項番、盤番号に対応する前記設計データと前記認識データとを照合し、電線の接続が正常であるか否かを判定する照合部と、
前記照合部の照合結果を出力する照合結果出力部と、を備える配線作業支援システム。
【請求項2】
前記端子台は、制御端子台であり、
前記設計データには、少なくとも端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号が含まれ、
データ照合部は、端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号のうち少なくとも何れか一つを照合対象とし、前記設計データと前記認識データとを照合する請求項1に記載した配線作業支援システム。
【請求項3】
前記端子台は、主回路端子台であり、
前記設計データには、少なくとも端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号が含まれ、
データ照合部は、端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号のうち少なくとも何れか一つを照合対象とし、前記設計データと前記認識データとを照合する請求項1に記載した配線作業支援システム。
【請求項4】
前記設計データ取得部は、前記配線接続図がコンピュータ設計支援ツールにより作成されたときに前記設計データを作成する請求項1から3の何れか一項に記載した配線作業支援システム。
【請求項5】
前記電線は、円筒状又は平筒状のバンドマークに挿通されており、
前記電線識別情報は、前記バンドマークに設けられている請求項1から4の何れか一項に記載した配線作業支援システム。
【請求項6】
前記電線識別情報は、コード化されたコード情報である請求項1から5の何れか一項に記載した配線作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配線作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配電盤を製作する工程において、作業者が複数の電線を端子台に対して接続する配線作業を行うことがあり、その複数の電線が正しく接続されているか否かを確認するのは容易でなく、多大な時間を要する。そのため、複数の電線が正しく接続されているか否かを確認するのに要する時間を短縮することは、配電盤を効率良く製作する工程において有効である。
【0003】
例えば特許文献1には、電線に電線識別情報が設けられると共に、端子台に結線位置を識別するための結線位置番号が設けられ、スキャナにおいて、結線位置番号をテンキーにより操作入力した後に電線識別情報を撮像し、その操作入力した結線位置番号と、撮像した電線識別情報との対応関係を設計データと照合し、電線が正しく接続されているか否かを判定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-273347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、電線毎の結線位置番号を操作入力した後に電線識別情報を撮像する作業を繰り返し、その都度、電線が正しく接続されているか否かを判定することになるので、配線作業の効率を高める点で改善する余地がある。
そこで、作業者が複数の電線を端子台に対して接続する配線作業の効率を適切に高めることができる配線作業支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る配線作業支援システムは、配電盤の端子台に対する電線の接続を示す配線接続図に基づいた設計データを取得する設計データ取得部と、電線を識別するための電線識別情報が設けられている複数の電線が前記端子台に対して接続された状態において複数の電線識別情報を同時に撮像して画像データを作成する撮像部と、前記撮像部により作成された画像データに作業者による携帯端末の操作により入力された製番、項番、盤番号が対応付けられた前記画像データを取得する画像データ取得部と、製番、項番、盤番号が対応付けられた前記画像データに基づいて認識データを作成する認識データ作成部と、前記画像データと対応付けられている製番、項番、盤番号に対応する前記設計データと前記認識データとを照合し、電線の接続が正常であるか否かを判定する照合部と、前記照合部の照合結果を出力する照合結果出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る配線作業支援システムの機能ブロック図
図2】端子室の正面図
図3】制御端子台の正面図
図4】主回路端子台の正面図
図5】バンドマークを示す図(その1)
図6】バンドマークを示す図(その2)
図7】バンドマークを示す図(その3)
図8】バンドマークを示す図(その4)
図9】制御端子台の設計データを示す図
図10】主回路端子台の設計データを示す図
図11】携帯端末及びザーバの処理を示すフローチャート
図12】照合結果を示す図(その1)
図13】照合結果を示す図(その2)
図14】不一致箇所を示す図(その1)
図15】不一致箇所を示す図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。実施形態に係る配線作業支援システムは、作業者が複数の電線を端子台に対して接続する配線作業を支援するシステムである。図1に示すように、配線作業支援システム1は、作業者が携帯する携帯端末2と、サーバ3とがデータ通信可能に構成されている。作業者は携帯端末2を携帯した状態で配線作業を行うことが可能である。携帯端末2とサーバ3とは、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)の無線接続によりデータ通信を行う。尚、携帯端末2とサーバ3とは、インターネットやバーチャルプライベートネットワーク(VPN)等を含む公衆通信回線を介した無線接続によりデータ通信を行っても良いし、無線接続に限らず、接続ケーブルを介した有線接続によりデータ通信を行っても良い。
【0009】
図2に示すように、配電盤には端子室4が設けられており、端子室4の上側が制御端子室5とされ、端子室4の下側が主回路端子室6とされている。図3にも示すように、制御端子室5には複数の制御端子台7が収容されており、作業者が配線作業を行うことで複数の電線9が制御端子台7に接続される。図4にも示すように、主回路端子室6には主回路端子台8が収容されており、作業者が配線作業を行うことで複数の電線9が主回路端子台8に接続される。制御端子台7や主回路端子台8の配置、制御端子台7や主回路端子台8に接続される電線9の本数等は、どのような態様であっても良い。
【0010】
図5から図8に示すように、制御端子台7や主回路端子台8に接続される電線9には、端子台に接続されるための圧着端子10が取付けられていると共に、圧着端子10の近い位置に円筒形状又は平筒形状のバンドマーク11,12が取付けられている。バンドマーク11,12にはQRコード(QRコードは登録商標)やバーコードや文字列が印字されている。QRコードやバーコードや文字列には電線9を識別するための電線識別情報が記録されている。QRコードやバーコードは、コード化されたコード情報である。即ち、制御端子台7に接続される電線9に取付けられるバンドマーク11,12には、少なくとも端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号が記録されているQRコードやバーコードや文字列が印字されている。又、主回路端子台8に接続される電線9に取付けられるバンドマーク11,12には、少なくとも端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号が記録されているQRコードやバーコードや文字列が印字されている。端子台デバイス番号、端子台番号、相色別、カーソル、内線端子番号、外線端子番号は、電線9を識別するための電線識別情報に相当する。
【0011】
図5及び図6に示すように、QRコード及び文字列が印字されているバンドマーク11,12が取付けられている電線9を接続する場合には、作業者は、QRコード及び文字列が正面視で視認可能となるように電線9を制御端子台7や主回路端子台8に対して接続する。尚、同一の情報が記録されているQRコード及び文字列が円筒又は平筒の全周に亘って複数印字されていれば、作業者は、何れか1つのQRコード及び文字列が正面視で視認可能となるように電線9を制御端子台7や主回路端子台8に対して接続すれば良い。一方、図7及び図8に示すように、バーコード及び文字列が印字されているバンドマーク11,12が取付けられている電線9を接続する場合には、バーコードが円筒又は平筒の全周に亘って印字されており、必要な全ての電線識別情報がバーコードに記録されていれば、作業者は、必ずしもバーコード及び文字列が正面視で視認可能となるように電線9を制御端子台7や主回路端子台8に対して接続する必要はない。尚、QRコードやバーコードや文字列の組み合わせや数は任意である。即ち、QRコードのみ、バーコードのみ、文字列のみが印字されていても良いし、QRコードとバーコードと文字列の全てが印字されていても良い。又、複数のQRコード、複数のバーコード、複数の文字列が混在して印字されていても良い。
【0012】
携帯端末2は、作業者が操作する端末であり、例えばスマートホンやタブレット等により構成される。携帯端末2は、携帯端末2の動作全般を制御する制御部13と、サーバ3とのデータ通信を制御するデータ通信部14と、画面上でタッチ操作を受付ける機能や各種情報を表示する機能を有するタッチパネル式のディスプレイ15と、例えばCMOSセンサやCCDセンサ等の撮像素子を含むカメラ16と、電話する際の送話音声を入力するマイクロホン17と、電話する際の受話音声を出力するスピーカ18とを備える。カメラ16は撮像部に相当する。
【0013】
制御部13は、CPU、ROM、RAM、I/O等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、記憶している制御プログラムを実行して携帯端末2の動作を制御する。制御部13は、作業者がディスプレイ15を操作して製番、項番、盤番号を入力すると、その入力された製番、項番、盤番号を記憶する。制御部13は、電線9が制御端子台7や主回路端子台8に対して接続された状態で当該電線9に取付けられているバンドマーク11,12をカメラ16により撮像すると、その撮像された画像データを製番、項番、盤番号と対応付けて作成し、その作成した画像データを含む画像データ信号をデータ通信部14からサーバ3に送信させる。又、制御部13は、作業者がディスプレイ15を操作してデータ照合を指示すると、照合指示信号をデータ通信部14からサーバ3に送信させる。
【0014】
サーバ3は、サーバ3の動作全般を制御する制御部19と、携帯端末2とのデータ通信を制御するデータ通信部20と、設計データ記憶部21と、画像データ記憶部22と、認識データ記憶部23とを備える。制御部19は、CPU、ROM、RAM、I/O等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、ソフトウェアの機能に応じて、設計データ取得部19aと、画像データ取得部19bと、認識データ作成部19cと、照合部19dと、照合結果出力部19eとを備える。
【0015】
設計データ取得部19aは、配電盤の端子台に対する電線9の接続を示す配線接続図に基づいた設計データを取得する。即ち、例えばPC端末24においてコンピュータ設計支援ツール(CAD)により配線接続図が作成されると、その作成された配線接続図から設計データが作成され、その作成された設計データを含む設計データ信号がPC端末24から送信されるので、設計データ取得部19aは、PC端末24から送信された設計データ信号を受信することで設計データを取得する。配線接続図には、製番、項番、図面番号、盤番号、端子台デバイス番号、端子台番号、相色別、カーソル、内線の端子番号、外線の端子番号の情報が含まれているので、配線接続図から作成される設計データにも当該情報が含まれている。
【0016】
設計データは、制御端子台7の設計データと主回路端子台8の設計データとが作成される。図9に示すように、制御端子台7の設計データには、製造年月日、製番、項番、図面番号、盤番号、端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線の端子番号、外線の端子番号が含まれる。図10に示すように、主回路端子台8の設計データには、製造年月日、製番、項番、図面番号、盤番号、端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線の端子番号が含まれる。製番は、配電盤を搭載する製品の製品番号を示す番号である。項番は、項数を示す番号である。図面番号は、配線接続図を示す番号である。盤番号は、配電盤を示す番号である。端子台デバイス番号は、端子台デバイスを示す番号である。端子台番号は、端子台を示す番号である。相色別は、電線9の色である。内線の端子番号は、電線9が接続される内線端子の番号である。外線の端子番号は、電線9が接続される外線端子の番号である。設計データ取得部19aは、設計データを取得すると、その取得した設計データを設計データ記憶部21にデータベース化して記憶する。
【0017】
画像データ取得部19bは、携帯端末2から送信された画像データ信号がデータ通信部20により受信されると、その受信された画像データ信号から画像データを抽出して取得し、その取得した画像データを画像データ記憶部22にデータベース化して記憶する。
【0018】
認識データ作成部19cは、画像データを画像データ記憶部22から読出し、その読出した画像データを画像解析して認識データを作成する。即ち、認識データ作成部19cは、制御端子台7に接続されている電線9のバンドマーク11,12が撮像された場合であり、その撮像された画像データに端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号が含まれていれば、画像データを画像解析することで、端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号を含む認識データを作成する。認識データ作成部19cは、主回路端子台8に接続されている電線9のバンドマーク11,12が撮像された場合であり、その撮像された画像データに端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号が含まれていれば、画像データを画像解析することで、端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号を含む認識データを作成する。認識データ作成部19cは、認識データを作成すると、その作成した認識データを認識データ記憶部23にデータベース化して記憶する。
【0019】
照合部19dは、携帯端末2から送信された照合指示信号がデータ通信部20により受信されると、画像データと対応付けられている製番、項番、盤番号に対応する設計データを設計データ記憶部21から読出し、認識データを認識データ記憶部23から読出し、それら読出した設計データと認識データとを照合する。即ち、照合部19dは、制御端子台7に接続されている電線9のバンドマーク11,12が撮像された場合であれば、端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号を含む設計データと認識データとを照合する。照合部19dは、主回路端子台8に接続されている電線9のバンドマーク11,12が撮像された場合であれば、端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号を含む設計データと認識データとを照合する。
【0020】
この場合、電線9が制御端子台7や主回路端子台8に対して正しく接続されていれば、設計データと認識データとが一致することになる。一方、電線9が制御端子台7や主回路端子台8に対して正しく接続されていなければ、設計データと認識データとが一致しないことになる。照合結果出力部19eは、照合部19dの照合結果を含む照合結果信号をデータ通信部20から携帯端末2に送信させる。
【0021】
携帯端末2において、制御部13は、サーバ3から送信された照合結果信号がデータ通信部14により受信されると、その受信された照合結果信号から照合結果を抽出して取得し、その取得した照合結果をディスプレイ15に表示させる。
【0022】
次に、上記した構成の作用について図11から図15を参照して説明する。
携帯端末2において、制御部13は、作業者がディスプレイ15を操作して製番、項番、盤番号を入力したと判定すると(S1:YES)、その入力された製番、項番、盤番号を記憶する(S2)。次いで、制御部13は、作業者が制御端子台7や主回路端子台8に対する電線9の配線作業を終えた状態で、ディスプレイ15を操作して制御端子台7や主回路端子台8に対して接続されている電線9に取付けられているバンドマーク11,12をカメラ16により撮像したと判定すると(S3:YES)、その撮像された画像データを製番、項番、盤番号と対応付けて作成し(S4)、その作成した画像データを含む画像データ信号をデータ通信部14からサーバ3に送信させる(S5)。次いで、制御部13は、作業者がディスプレイ15を操作してデータ照合を指示したと判定すると(S6:YES)、照合指示信号をデータ通信部14からサーバ3に送信させる(S7)。
【0023】
サーバ3において、制御部19は、PC端末24においてコンピュータ設計支援ツールにより配線接続図が作成されたことで、PC端末24から送信された設計データ信号がデータ通信部20により受信されたと判定すると(T1:YES)、その受信された設計データ信号から設計データを抽出して取得し(T2)、その取得した設計データを設計データ記憶部21にデータベース化して記憶する(T3)。
【0024】
次いで、制御部19は、携帯端末2から送信された画像データ信号がデータ通信部20により受信されたと判定すると(T4:YES)、その受信された画像データ信号から画像データを抽出して取得し(T5)、その取得した画像データを画像データ記憶部22にデータベース化して記憶する(T6)。次いで、制御部19は、画像データを画像データ記憶部22から読出し、その読出した画像データを画像解析して認識データを作成し(T7)、その作成した認識データを認識データ記憶部23にデータベース化して記憶する(T8)。
【0025】
次いで、制御部19は、携帯端末2から送信された照合指示信号がデータ通信部20により受信されたと判定すると(T9:YES)、画像データと対応付けられている製番、項番、盤番号に対応する設計データを設計データ記憶部21から読出し、認識データを認識データ記憶部23から読出し、それら読出した設計データと認識データとを照合する(T10)。次いで、制御部19は、照合結果を含む照合結果信号をデータ通信部20から携帯端末2に送信させる(T11)。
【0026】
携帯端末2において、制御部13は、サーバ3から送信された照合結果信号がデータ通信部20により受信されたと判定すると(S8:YES)、その受信された照合結果信号から照合結果を抽出して取得し(S9)、その取得した照合結果をディスプレイ15に表示させる(S10)。
【0027】
即ち、制御部13は、設計データと認識データとが一致し、照合結果が正であれば、図12に示すように、作業者がディスプレイ15を操作して入力した製番、項番、盤番号と共に、照合結果が正であることを示す「合格」の文字をディスプレイ15に表示させる。一方、制御部13は、設計データと認識データとが一致せず、照合結果が否であれば、図13に示すように、作業者がディスプレイ15を操作して入力した製番、項番、盤番号と共に、照合結果が正であることを示す「不合格」の文字及び不一致箇所をディスプレイ15に表示させる。
【0028】
具体的に説明すると、例えば制御端子台7において内線端子番号「16B」に接続すべき電線9と内線端子番号「17B」に接続すべき電線9とが誤って入れ違えて接続されていれば、該当する設計データと認識データとが一致しないので、制御部13は、図14に示すように、内線端子番号「16B」に接続すべき電線9と内線端子番号「17B」に接続すべき電線9とが誤っていることを示す情報をディスプレイ15に表示させる。又、例えば主回路端子台8において内線端子番号「RD1」に接続すべき電線9と内線端子番号「TD1」に接続すべき電線9とが誤って入れ違えて接続されていれば、該当する設計データと認識データとが一致しないので、制御部13は、図15に示すように、内線端子番号「RD1」に接続すべき電線9と内線端子番号「TD1」に接続すべき電線9とが誤っていることを示す情報をディスプレイ15に表示させる。この場合、制御部13は、例えば不一致箇所を点滅表示させたり他と色を区別して表示させたりすることで、作業者が誤りを把握し易くしても良い。
【0029】
以上に説明した実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
作業者が制御端子台7や主回路端子台8に対する電線9の配線作業を終えた状態で、電線9に取付けられているバンドマーク11,12をカメラ16により撮像すると、サーバ3において、PC端末24により配線接続図から作成された設計データと、画像データを画像解析して作成した認識データとを照合し、携帯端末2において、その照合結果を表示するようにした。電線毎の結線位置番号を操作入力した後に電線識別情報を撮像する作業を繰り返す従来とは異なり、複数の電線9を纏めて正しく接続されているか否かを判定することになるので、作業者が複数の電線9を制御端子台7や主回路端子台8に対して接続する配線作業の効率を適切に高めることができる。
【0030】
制御端子台7に接続されている電線9に取付けられているバンドマーク11,12をカメラ16により撮像すると、端子台デバイス番号、端子台番号、カーソル、内線端子番号、外線端子番号を照合対象とし、設計データと認識データとを照合するようにしたので、制御端子台7に対して電線9が正しく接続されているか否かを判定することができる。
【0031】
主回路端子台8に接続されている電線9に取付けられているバンドマーク11,12をカメラ16により撮像すると、端子台デバイス番号、相色別、カーソル、内線端子番号を照合対象とし、設計データと認識データとを照合するようにしたので、主回路端子台8に対して電線9が正しく接続されているか否かを判定することができる。
【0032】
本発明の実施形態は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。以上に説明した実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
照合結果が携帯端末2に表示される構成を説明したが、照合結果が例えば管理室等に設置されているPC端末等の別の端末に表示される構成でも良い。又、照合結果が携帯端末2や別の端末を含む複数の端末に同時に表示される構成でも良い。
照合結果が否であるときに、不一致箇所がディスプレイ15に表示されると共にアラーム音が出力される構成でも良い。又、不一致の程度に応じて表示態様やアラーム音の出力態様を変えても良い。
【0033】
携帯端末2に内蔵されているカメラ16を用いる構成を説明したが、デジタルカメラを用い、デジタルカメラにより撮像された画像データがサーバ3の画像データ記憶部22にデータベース化して記憶される構成でも良い。その場合、作業者が例えばPC端末を操作して製番、項番、盤番号を入力する必要があり、デジタルカメラにより撮像された画像データと、作業者が例えばPC端末により入力した製番、項番、盤番号とを対応付ければ良い。
制御端子台7に対して接続されている電線9に取付けられているバンドマーク11,12と、主回路端子台8に対して接続されている電線9に取付けられているバンドマーク11,12とが別々に撮像されても良いし同時に撮像されても良い。
【符号の説明】
【0034】
図面中、1は配線作業支援システム、7は制御端子台、8は主回路端子台、11,12はバンドマーク、16はカメラ(撮像部)、19aは設計データ取得部、19bは画像データ取得部、19cは認識データ作成部、19dは照合部、照合結果出力部19eである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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