(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】I型ジョイスト部材連結具、I型ジョイスト部材連結具を用いたI型ジョイスト部材の連結方法およびI型ジョイスト部材連結具を用いた木造建物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20231101BHJP
E04B 1/26 20060101ALI20231101BHJP
E04C 3/14 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
E04B1/58 503L
E04B1/26 E
E04C3/14
(21)【出願番号】P 2020075323
(22)【出願日】2020-04-21
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】315007581
【氏名又は名称】BXカネシン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】山口 高広
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-091971(JP,A)
【文献】特開2015-094112(JP,A)
【文献】特開平09-177186(JP,A)
【文献】米国特許第05253945(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38-1/61
E04B 1/26
E04C 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブ部の下側には下側フランジ部が設けられる一方、上側には上側フランジ部が設けられた木製のI型ジョイスト部材同士をそれらの長手方向に連結するI型ジョイスト部材連結具であって、
前記I型ジョイスト部材の下側フランジ部の底面および両側面を覆うように底面部およびその両側の側面部を有する断面がコ字形状であって、前記底面部と前記側面部との内、少なくとも一方にはビス等の固定部材を通して前記I型ジョイスト部材の前記下側フランジ部に固定するための固定部材通し孔が設けられ、前記側面部には前記I型ジョイスト部材の下側フランジ部の側面よりも上方に突出する下側金物突出部が設けられた下側金物と、
前記I型ジョイスト部材の上側フランジ部の両側面を覆うように対向して設けられ、ビス等の固定部材を通して前記I型ジョイスト部材の前記上側フランジ部に固定するための固定部材通し孔が設けられると共に、前記I型ジョイスト部材の上側フランジ部の側面よりも下方に突出する上側金物突出部が設けられた一対の上側金物と、
前記I型ジョイスト部材のウエブ部の高さとほぼ同じ高さを有すると共に、前記I型ジョイスト部材のウエブ部と、前記下側金物の下側金物突出部または前記上側金物の上側金物突出部との間に挿入可能な厚さを有し、前記I型ジョイスト部材同士の連結部位の少なくとも一方の側面に重ねると共に、下部は前記下側金物の下側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の下部外側面との間に挿入する一方、上部は前記一対の上側金物の上側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の上部外側面との間に挿入して固定される補強部材とを備えることを特徴とするI型ジョイスト部材連結具。
【請求項2】
請求項1記載のI型ジョイスト部材連結具において、
前記下側金物突出部は、前記下側金物の側面部の長手方向の中央に所定の幅で設ける一方、
前記上側金物突出部は、前記上側金物の長手方向の中央に前記下側金物突出部の幅と同一の幅で設け、
前記補強部材の幅を前記下側金物突出部および上側金物突出部の幅と同一にしたことを特徴とするI型ジョイスト部材連結具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のI型ジョイスト部材連結具において、
前記下側金物の側面部と前記一対の上側金物の長手方向の中央には、それぞれ、連結するI型ジョイスト部材同士の境界を確認するための部材境界確認窓が設けられていることを特徴とするI型ジョイスト部材連結具。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載のI型ジョイスト部材連結具を用いたI型ジョイスト部材の連結方法であって、
連結すべきI型ジョイスト部材の長手方向の端面同士を突き合わせ、
連結すべきI型ジョイスト部材の下側フランジ部には前記下側金物を取り付ける一方、上側フランジ部には両側から挟むように前記一対の上側金物を取付けて固定し、
前記補強部材を前記I型ジョイスト部材同士の連結部位にスライドさせて、前記補強部材の下部は前記下側金物の下側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の下部外側面との間に挿入する一方、前記補強部材の上部は前記一対の上側金物の上側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の上部外側面との間に挿入して固定することを特徴とするI型ジョイスト部材連結具を用いたI型ジョイスト部材の連結方法。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一の請求項に記載のI型ジョイスト部材連結具を用いてI型ジョイスト部材同士をその長手方向の端面で連結して横架材として使用したことを特徴とする木造建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエブ部の下側には下側フランジ部が設けられる一方、上側には上側フランジ部が設けられた木製のI型ジョイスト部材同士をそれらの長手方向に連結するI型ジョイスト部材連結具、I型ジョイスト部材連結具を用いたI型ジョイスト部材の連結方法およびI型ジョイスト部材連結具を用いた木造建物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、大型建築物はRCや鉄骨造で建てられているが、近年は木造促進の市況等から大型の建物でも木造で建てられることが望まれ、その構造材として、軽くて長尺スパンを飛ばすために使用できるため、例えば、ウエブ部の下側には下側フランジ部が設けられる一方、上側には上側フランジ部が設けられた断面がI型形状で木製のI型ジョイスト部材が利用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-50008号公報
【文献】特開2008-127798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、以上説明したI型ジョイスト部材は、断面がI型形状であるため大型木造建物を建造するための強度は確保できるものの、トラック等での輸送上の長さ制限および製造上の限界からその長さには限界があった。
【0005】
しかし、上述の特許文献1,2に記載の特許文献には、I型ジョイスト部材と柱材との接合については開示しているものの、I型ジョイスト部材同士を両者の長手方向に連結して長尺化することについては全く触れられていない。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題に着目してなされたもので、I型ジョイスト部材同士をその長手方向の端面で連結して長尺化することができるI型ジョイスト部材連結具、I型ジョイスト部材連結具を用いたI型ジョイスト部材の連結方法およびI型ジョイスト部材連結具を用いた木造建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るI型ジョイスト部材連結具は、ウエブ部の下側には下側フランジ部が設けられる一方、上側には上側フランジ部が設けられた木製のI型ジョイスト部材同士をそれらの長手方向に連結するI型ジョイスト部材連結具であって、前記I型ジョイスト部材の下側フランジ部の底面および両側面を覆うように底面部およびその両側の側面部を有する断面がコ字形状であって、前記底面部と前記側面部との内、少なくとも一方にはビス等の固定部材を通して前記I型ジョイスト部材の前記下側フランジ部に固定するための固定部材通し孔が設けられ、前記側面部には前記I型ジョイスト部材の下側フランジ部の側面よりも上方に突出する下側金物突出部が設けられた下側金物と、前記I型ジョイスト部材の上側フランジ部の両側面を覆うように対向して設けられ、ビス等の固定部材を通して前記I型ジョイスト部材の前記上側フランジ部に固定するための固定部材通し孔が設けられると共に、前記I型ジョイスト部材の上側フランジ部の側面よりも下方に突出する上側金物突出部が設けられた一対の上側金物と、前記I型ジョイスト部材のウエブ部の高さとほぼ同じ高さを有すると共に、前記I型ジョイスト部材のウエブ部と、前記下側金物の下側金物突出部または前記上側金物の上側金物突出部との間に挿入可能な厚さを有し、前記I型ジョイスト部材同士の連結部位の少なくとも一方の側面に重ねると共に、下部は前記下側金物の下側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の下部外側面との間に挿入する一方、上部は前記一対の上側金物の上側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の上部外側面との間に挿入して固定される補強部材とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るI型ジョイスト部材連結具では、前記下側金物突出部は、前記下側金物の側面部の長手方向の中央に所定の幅で設ける一方、前記上側金物突出部は、前記上側金物の長手方向の中央に前記下側金物突出部の幅と同一の幅で設け、前記補強部材の幅を前記下側金物突出部および上側金物突出部の幅と同一にしたことも特徴とする。
また、本発明に係るI型ジョイスト部材連結具では、前記下側金物の側面部と前記一対の上側金物の長手方向の中央には、それぞれ、連結するI型ジョイスト部材同士の境界を確認するための部材境界確認窓が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係るI型ジョイスト部材連結具を用いたI型ジョイスト部材の連結方法は、連結すべきI型ジョイスト部材の長手方向の端面同士を突き合わせ、連結すべきI型ジョイスト部材の下側フランジ部には前記下側金物を取り付ける一方、上側フランジ部には両側から挟むように前記一対の上側金物を取付けて固定し、前記補強部材を前記I型ジョイスト部材同士の連結部位にスライドさせて、前記補強部材の下部は前記下側金物の下側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の下部外側面との間に挿入する一方、前記補強部材の上部は前記一対の上側金物の上側金物突出部の内側面と前記I型ジョイスト部材のウエブ部の上部外側面との間に挿入して固定することを特徴とする。
また、本発明に係る木造建物は、上述のいずれかに記載のI型ジョイスト部材連結具を用いてI型ジョイスト部材同士をその長手方向の端面で連結して横架材として使用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るI型ジョイスト部材連結具は、側面部にはI型ジョイスト部材の下側フランジ部の側面よりも上方に突出する下側金物突出部が設けられた下側金物と、I型ジョイスト部材の上側フランジ部の両側面を覆うように対向して設けられ、I型ジョイスト部材の上側フランジ部の側面よりも下方に突出する上側金物突出部が設けられた一対の上側金物と、I型ジョイスト部材のウエブ部の高さとほぼ同じ高さを有すると共に、I型ジョイスト部材のウエブ部と下側金物の下側金物突出部または前記上側金物の上側金物突出部との間に挿入可能な厚さを有し、I型ジョイスト部材同士の連結部位の少なくとも一方の側面に重ねると共に、下部は下側金物の下側金物突出部の内側面とI型ジョイスト部材のウエブ部の下部外側面との間に挿入する一方、上部は一対の上側金物の上側金物突出部の内側面とI型ジョイスト部材のウエブ部の上部外側面との間に挿入して固定される補強部材とを備える。
そのため、本発明に係るI型ジョイスト部材連結具を用いることにより、I型ジョイスト部材同士をその長手方向の端面で連結して長尺化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具を使用してI型ジョイスト部材同士を連結した状態を示す上方と下方から見た斜視図である。
【
図2】(a),(b)それぞれI型ジョイスト部材の正面図、側面図である。
【
図3】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具を構成する下側金物の正面図、底面図、平面図である。
【
図4】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具を構成する下側金物の拡大側面図、
図3(a)におけるA部分の拡大図である。
【
図5】(a),(b)それぞれ
図3(a)におけるB-B線拡大断面図、C-C線拡大断面図である。
【
図6】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具を構成する上側金物の正面図、底面図、平面図である。
【
図7】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具を構成する上側金物の拡大側面図、
図6(a)におけるD-D線拡大断面図、E-E線拡大断面図である。
【
図8】(a)~(c)それぞれ本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具を構成する補強部材の正面図、側面図、平面図である。
【
図9】(a),(b)それぞれI型ジョイスト部材の端面同士を突き合わせた状態を示す動作説明図、端面同士を突き合わせたI型ジョイスト部材を上下反転させて下側金物を取付ける状態を示す動作説明図である。
【
図10】(a),(b)それぞれ端面同士を突き合わせたI型ジョイスト部材に下側金物を取付けた後、下側金物用部材境界確認窓をI型ジョイスト部材同士の境界が通るように確認している状態を示す動作説明図、その後、下側金物をI型ジョイスト部材の下側フランジ部にビス止めしている状態を示す動作説明図である。(ただし工具の図示は省略する。)
【
図11】(a),(b)それぞれ端面同士を突き合わせたI型ジョイスト部材の上側フランジ部の両面に上側金物をそれぞれ当接させた状態を示す動作説明図、上側金物用部材境界確認窓でI型ジョイスト部材同士の境界が通るように確認している状態を示す動作説明図である。
【
図12】(a),(b)それぞれI型ジョイスト部材の下側フランジ部に固定した下側金物の下側金物突出部と上側フランジ部に固定した上側金物の上側金物突出部とI型ジョイスト部材のウエブ部表面との間に補強部材をスライドさせている状態を示す動作説明図、I型ジョイスト部材の下側フランジ部に固定した下側金物の下側金物突出部と上側フランジ部に固定した上側金物の上側金物突出部とI型ジョイスト部材のウエブ部表面との間に補強部材を位置させた状態を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具、I型ジョイスト部材連結具によるI型ジョイスト部材の連結方法、I型ジョイスト部材連結具を使用した木造建物等について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態の形状や寸法等は、あくまで、本発明の一例であり、本発明は、下記に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0011】
<実施形態のI型ジョイスト部材連結具1およびI型ジョイスト部材2の構成>
本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具1は、例えば、
図1(a),(b)に示すように、ウエブ部21の下側には下側フランジ部22が設けられる一方、ウエブ部21の上側には上側フランジ部23が設けられた木製のI型ジョイスト部材2,2同士を両者の長手方向の端面で連結する連結具であって、下側金物11と、上側金物12,12と、補強部材13,13等を備えて構成される。まず、I型ジョイスト部材2の構造および寸法等から説明する。
【0012】
(I型ジョイスト部材2)
I型ジョイスト部材2は、
図2(a),(b)に示すようにウエブ部21の下側には下側フランジ部22が設けられる一方、上側には上側フランジ部23が設けられた木製の構造材で、例えば、ウエブ部21の下側フランジ部22と上側フランジ部23の間の高さが438mm、下側フランジ部22および上側フランジ部23それぞれの高さが35mmでI型ジョイスト部材2自体の高さが508mmとしている。
【0013】
また、例えば、ウエブ部21の厚さは9.5mm、下側フランジ部22および上側フランジ部23それぞれの幅は58mmの寸法を有している。
【0014】
そのため、上側フランジ部23および下側フランジ部22外側面と、ウエブ部21表面との段差は、ウエブ部21の左右両側でそれぞれ(58mm-9.5mm)÷2=24.25mmとなる。
【0015】
(下側金物11)
下側金物11は、
図1(a),(b)や
図3(a)~(c)、
図4(a)等に示すようにI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の底面および両側面を覆うように底面部11aおよび側面部11b,11bを有する断面がコ字形状で長尺の金物であって、底面部11aには、
図3(b),(c)等に示すように両端部側にそれぞれビス等の固定部材を通してI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22に固定するため例えば8個ずつで合計16個の固定部材通し孔11a1が設けられている。
【0016】
ここで、下側金物11の長手方向の長さは、
図3(a)に示すように例えば500mmであり、下側金物11の側面部11b,11bの高さは、I型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の側面の高さ35mmよりも下側金物11で使用する鋼板の厚さ2.3mmの分だけ高い37.3mmとしている。また、
図4(a)に示すように、下側金物11の側面部11b,11bの内側面間の間隔は、例えば、59.8mmで、外側面間の間隔は64.4mmとなる。
【0017】
そして、下側金物11の側面部11b,11bの長手方向の中央、すなわち長手方向の両端部から150mmずつ中心側へ寄った部分には、それぞれ、
図3(a)や
図4(a)、
図5(a),(b)等に示すように200mm幅で、側面部11bの高さの37.3mmよりも10mmほど高い下側金物突出部11b1を設けている。
【0018】
また、下側金物11の側面部11b,11bの長手方向の中央には、それぞれ、下側金物突出部11b1先端部(上端部)から16mm下がった個所に、
図3(a)や、
図4(b)、
図5(a)等に示すように連結すべきI型ジョイスト部材2,2の端面同士の境界を確認するための下側金物用部材境界確認窓11b2を設けている。尚、下側金物用部材境界確認窓11b2の位置(高さ)は、下側金物用部材境界確認窓11b2から下側フランジ部22が確認できれば問わない。
【0019】
下側金物用部材境界確認窓11b2は、
図3(a)および
図4(b)に示すように一辺が例えば約7mmの正方形を90度回転させた正面視、ひし形形状に形成している。尚、下側金物用部材境界確認窓11b2は、I型ジョイスト部材2,2の端面同士の境界を確認できれば十分であるため、正方形を90度回転させた正面視、ひし形形状に限らず、例えば、正面視、正円形状でも勿論良い。
【0020】
(上側金物12,12)
上側金物12、12は、
図1(a),(b)に示すようにI型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の両側面を覆うように対向して設ける平面状の金物で、それぞれ、
図6(a)~(c)や
図7(a)~(c)等に示すようにビス等の固定部材を通してI型ジョイスト部材2の上側フランジ部23に固定するため長手方向の両側にそれぞれ例えば2個ずつで合計4個の固定部材通し孔12aが設けられると共に、I型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の側面よりも下方に突出した上側金物突出部12bが設けられている。
【0021】
ここで、4個の固定部材通し孔12aは、それぞれ、
図6(a)に示すように、正面視、左側の2個の固定部材通し孔12aは、それぞれ、左端部から20mmと、63(20+43)mmの位置に設ける一方、正面視、右側の2個の固定部材通し孔12aは、それぞれ、右端部から10mmと、56(10+46)mmの位置に設けている。
【0022】
そのため、上側金物12,12では、4個の固定部材通し孔12aの位置が左右の両端部から距離が異なるので、I型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の両側面にそれぞれ上側金物12を取付ける際、ビス等の固定部材の長さが短い場合は上側フランジ部23の両側面で同じ位置に固定部材を打込んだり、また固定部材の長さが長い場合は一方側の上側金物12を左右逆に取り付けて上側フランジ部23の両側面で互い違いの位置に固定部材を打込んで上側フランジ部23の両側面から打ち込むビス等の固定部材の干渉を防止することができる。
【0023】
ここで、上側金物12の長手方向の長さは、
図6(a)に示すように下側金物11の長手方向の長さ(
図3(a)参照。)と同じで例えば500mmであり、上側金物12の高さは下側金物11の側面11bの高さ37.3mm(
図3(a)参照。)から下側金物11の厚さ2.3mmを減じた35mmと、上側フランジ部23と同じ高さに設定している。尚、上側金物12も下側金物11と同様に厚さ2.3mmの鋼板を使用する。
【0024】
また、上側金物12には、
図6(a),(b)等に示すように、下側金物11の下側金物突出部11b1と同様に、長手方向の中央、すなわち長手方向の両端部から150mmずつ中心側へ寄った200mm幅で、上側金物12の高さよりも10mmほど高い45mmの高さの上側金物突出部12bを設けている。
【0025】
そして、上側金物12の長手方向の中央には、上側金物突出部12b先端部から16mm下がった個所に、下側金物用部材境界確認窓11b2と同様にI型ジョイスト部材2,2の端面同士の境界を確認するため一辺が例えば約7mmの正方形を90度回転させた正面視、ひし形形状に形成した上側金物用部材境界確認窓12cを設けている。尚、上側金物用部材境界確認窓12cもI型ジョイスト部材2,2の端面同士の境界を確認できれば十分であるため、正方形を90度回転させた正面視、ひし形形状に限らず、例えば、正面視、正円形状等、形状には拘らない。また、上側金物用部材境界確認窓12cの位置(高さ)も、上側金物用部材境界確認窓12cから上側フランジ部23が確認できれば問わない。
【0026】
(補強部材13,13)
補強部材13は、I型ジョイスト部材2,2同士の連結部位それぞれのウエブ部21,21の両面を挟むように設ける部材で、合板等の木質材で構成されており、
図8(a)~(c)に示すようにI型ジョイスト部材2のウエブ部21の高さである438mmとほぼ同じ高さである例えば435mmの高さを有すると共に、下側金物11の下側金物突出部11b1および上側金物12の上側金物突出部12bの長さ200mmと同じ長さを有する。
【0027】
また、補強部材13は、I型ジョイスト部材2のウエブ部21と、下側金物11の下側金物突出部11b1,11b1または上側金物12,12の上側金物突出部12b,12bとの間に挿入可能な厚さであれば十分であるが、補強部材が厚くなるほど面外方向への歪みや変形が発生しづらくなるため、I型ジョイスト部材2のウエブ部21と下側金物11の下側金物突出部11b1,11b1または上側金物12,12の上側金物突出部12b,12bとの間の隙間が極力小さくなるように挿入されることが望ましい。そのため、本実施形態では、下側金物11の側面部11b,11bの内側面間の間隔の59.8mm(
図4(a)参照。)でI型ジョイスト部材2のウエブ部21の厚さが9.5mm(
図2(b)参照。)であるため、補強部材13やI型ジョイスト部材2の多少の寸法誤差に対応するためのクリアランスや、下側金物11の下側金物突出部11b1,11b1とI型ジョイスト部材2のウエブ部21との間にそれぞれ挿入した2枚の補強部材13で両側からウエブ部21の挟持効果を発揮できるように24mmの厚さとしている。これにより、後述する
図12(b)に示すように補強部材13の装着が完了した場合には、補強部材13の下部は下側金物11の下側金物突出部11b1の内側面とI型ジョイスト部材2のウエブ部21の下部外側面とに挟まれる一方、上部は一対の上側金物12,12それぞれの上側金物突出部12bの内側面とI型ジョイスト部材2のウエブ部21の上部外側面とに挟まれ、I型ジョイスト部材2,2同士の連結部位それぞれのウエブ部21の両側面が2枚の補強部材13で両側から挟むように設けられることになる。尚、補強部材13はウエブ部21の片面だけに設けるようにしても勿論構わない。
【0028】
尚、補強部材13の固定は、例えば、後述するように長さが50mm程度の釘等の固定部材を使用して、一方側の補強部材13側からI型ジョイスト部材2のウエブ部21を貫通し、反対側の補強部材13まで到達するように突き刺して固定する。その釘等の固定部材による固定は片側からの施工でも両側施工でもどちらでも問わない。
【0029】
<I型ジョイスト部材連結具1を使用したI型ジョイスト部材2,2同士の連結方法>
次に、以上のように構成されたI型ジョイスト部材連結具1を使用したI型ジョイスト部材2,2を連結して長尺にする連結方法について説明する。尚、I型ジョイスト部材2,2の連結は、主に建物の施工現場で行なう。
【0030】
(I型ジョイスト部材2,2同士の突き合わせ)
まず、作業員は、
図9(a)に示すように連結すべきI型ジョイスト部材2,2の長手方向の端面同士を突き合わせる。
【0031】
(下側金物11の取付け)
次に作業員は、
図9(b)に示すように、長手方向の端面同士を突き合わせたI型ジョイスト部材2,2を例えば上下逆さまにして上方に下側フランジ部22を位置させ、下側金物11を取付ける。
【0032】
ここで、下側金物11は、上述したように断面がコ字形状に形成されているため、I型ジョイスト部材2,2の下側フランジ部22,22に上方から嵌めるように施工することが可能となり、この後の施工が容易になる。また、下側金物11の断面がコ字形状でありI型ジョイスト部材2,2の下側フランジ部22,22を両側から挟むため、I型ジョイスト部材2,2の面外方向への歪みや変形を防止することが出来る。
【0033】
また、下側金物11の側面部11b,11bには、それぞれ、下側金物用部材境界確認窓11b2を設けているため、作業員は
図10(a)に示すようにその下側金物用部材境界確認窓11b2からI型ジョイスト部材2,2の端面同士の境界である継ぎ目部分を確認することにより、下側金物11を連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2の連結部分に偏りなく設置することができる。そのため、下側金物11設置のための墨出しや位置出しが不要となり、下側金物11の施工が容易となる。また耐力面も施工ずれが起きづらいため、安定する。
【0034】
このように下側金物11を連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2の連結部分に偏りなく設置した後、作業員は
図10(b)に示すように下側金物11の底面部11aに設けた複数の固定部材通し孔11a1(
図3(b),(c)等参照。)を介しビス等の固定部材を通して、下側金物11を連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2それぞれの下側フランジ部22,22に固定する。
【0035】
その際、
図3(b),(c)等に示すように底面部11aに設けた複数の固定部材通し孔11a1は、下側金物11の長手方向の両端部側に寄せて設けられているため、連結すべきI型ジョイスト部材2,2の端部から離れてビス止め等されることになる。そのため、連結すべきI型ジョイスト部材2,2の靭性や剛性等を損なうことを防止することができると共に、外力が作用した際の木材破壊(終局)を極力遅くすることが可能となり、また変形抑制効果がある。
【0036】
(上側金物12の取付け)
次に作業員は、I型ジョイスト部材2,2を上下反転させる等して下側金物11を固定した下側フランジ部22,22が下方に、上側フランジ部23,23が上方に位置するようにし、
図11(a)に示すように連結すべきI型ジョイスト部材2,2の上側フランジ部23,23の両側面にそれぞれ上側金物12を取付ける。
【0037】
その際、上側金物12にも上側金物用部材境界確認窓12cが設けられているため、
図11(b)に示すように上側金物用部材境界確認窓12cのところに連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2の連結部分の境界が位置するように設置する。これにより、下側金物11の場合と同様に、2枚の上側金物12も連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2の連結部分に偏りなく設置することができるので、上側金物12設置のための墨出しや位置出しが不要となり、上側金物12の施工が容易となる。
【0038】
上側金物12,12それぞれを連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2の上側フランジ部23,23の両側面に設置後、作業員は、上側金物12,12それぞれの複数(ここでは、例えば、4つとする。)の固定部材通し孔12a(
図6(a)等参照。)を介しビス等の固定部材を通して2枚の上側金物12,12それぞれを連結すべき2つのI型ジョイスト部材2,2の上側フランジ部23,23の両側面に固定する。
【0039】
その際、
図6(a)等に示すように上側金物12に設けた複数の固定部材通し孔12aは,上側金物12の長手方向の両端部側に寄せて設けており、連結すべきI型ジョイスト部材2,2の端部から離れてビス止め等されることになるので、連結すべきI型ジョイスト部材2,2の靭性や剛性等を損なうことを防止することができると共に、多大な外力が作用した際の木材破壊(終局)を極力遅くすることが可能となり、また変形抑制効果がある。
【0040】
(補強部材13の取付け)
上述のようにして連結すべきI型ジョイスト部材2,2への下側金物11および上側金物12,12の取付けが完了すると、作業員は、
図12(a)に示すように下側金物11の下側金物突出部11b1および上側金物12,12それぞれの上側金物突出部12bを避けながらI型ジョイスト部材2,2のウエブ部21,21の両面にそれぞれ補強部材13,13を当て、金槌等(図示せず。)を使用して、
図12(b)に示すようにI型ジョイスト部材2,2のウエブ部21,21の両面にそれぞれ補強部材13,13を下側金物11の下側金物突出部11b1および上側金物12,12それぞれの上側金物突出部12bのところまでスライドさせる。
【0041】
ここで、下側金物11の下側金物突出部11b1および上側金物12,12それぞれの上側金物突出部12bそれぞれの幅は、
図3(a)や
図6(a)に示すように200mmであり、補強部材13の長さも同様に200mm(
図8(a)参照。)としているため、補強部材13の両端部の位置を下側金物突出部11b1および上側金物突出部12bそれぞれの両端部の位置に合わせることにより、ラインなどを引くことなく、連結すべきI型ジョイスト部材2,2の中間に補強部材13を位置させることができる。
【0042】
そして、
図12(b)に示すようにI型ジョイスト部材2,2のウエブ部21,21の両面に補強部材13,13を位置させた後、作業員は、ウエブ部21,21の両面に補強部材13,13を釘等の固定部材で止め付ける。
【0043】
ここで、補強部材13,13を止め付ける釘等の固定部材は、50mm前後の長さの物を使用し、金槌または釘打ち機(図示せず。)等で一方側の補強部材13側から、I型ジョイスト部材2のウエブ部21を貫通して反対側の補強部材13まで到達するように突き刺して固定する。
【0044】
その際、施工面側でない下側金物11の下側金物突出部11b1および上側金物12の上側金物突出部12bは、補強部材13,13を抑える効果も有するため、反対側に廻って他の作業員人が押さえたり、万力等で押さえる必要がなくなり、安全で迅速な施工が可能となる。
【0045】
尚、以上のようなことを繰り返すことによりI型ジョイスト部材2をその長手方向に3個以上連結して長尺することも勿論可能である。
【0046】
また、以上のように実施形態のI型ジョイスト部材連結具1により連結して長尺にしたI型ジョイスト部材2を根太等の床材や梁等の天井の横架材として使用して、中大規模の木造建物を建築することができる。
【0047】
以上のようにして建築した木造建物では、下側金物11および上側金物12,12は、主に連結したI型ジョイスト部材2,2の曲げ応力を負担し、補強部材13がせん断力を負担するので、連結したI型ジョイスト部材2,2下側金物11は主に連結したI型ジョイスト部材2,2に作用する引張力を負担する一方、上側金物12,12は主に連結したI型ジョイスト部材2,2に作用する圧縮力を負担し、補強部材13がせん断力を負担するので、連結したI型ジョイスト部材2,2の継ぎ手の接合部となる部分の強度を向上させることができる。
【0048】
また、上側金物12,12は、I型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の上側面を覆わないので、I型ジョイスト部材連結具1により連結して長尺化したI型ジョイスト部材2を根太等の床材や梁等の天井の横架材として使用した場合でも、合板などの床材や屋根材等の固定に何ら影響を及ぼすことはない。
【0049】
<本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具1等の効果>
以上説明したように、本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具1は、I型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の底面および両側面を覆うように底面部11aおよび側面部11b,11bを有する断面がコ字形状であって、底面部11aにはビス等の固定部材を通してI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22に固定するための複数の固定部材通し孔11a1が設けられ、側面部11b,11bにはI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の側面よりも上方に突出する下側金物突出部11b1が設けられた下側金物11と、I型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の両側面を覆うように対向して設けられ、ビス等の固定部材を通してI型ジョイスト部材2の上側フランジ部23に固定するための固定部材通し孔12aが設けられると共に、I型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の側面よりも下方に突出する上側金物突出部12bが設けられた一対の上側金物12,12と、I型ジョイスト部材2のウエブ部21の高さとほぼ同じ高さを有すると共に、I型ジョイスト部材2のウエブ部21と下側金物11の下側金物突出部11b1,11b1または上側金物12,12の上側金物突出部12b,12bとの間に挿入可能な厚さを有し、I型ジョイスト部材2,2同士の連結部位に重なると共に、下部は下側金物11の下側金物突出部11b1の内側面とI型ジョイスト部材2のウエブ部21の下部外側面との間に挿入する一方、上部は一対の上側金物12,12の上側金物突出部12bの内側面とI型ジョイスト部材2のウエブ部21の上部外側面との間に挿入して固定される補強部材13,13とを備える。
【0050】
そのため、実施形態のI型ジョイスト部材連結具1を使用してI型ジョイスト部材2,2同士をその長手方向に連結して容易に長尺化することができる。
【0051】
その結果、木材カット工場等ではI型ジョイスト部材2はトラック等での輸送上の長さ制限を受けない長さにしておき、施工現場に到着してから実施形態のI型ジョイスト部材連結具1を使用してI型ジョイスト部材2,2同士をその長手方向に連結して長尺化することができるので、中大規模の木造建物の設計の自由度が向上すると共に、木造建物の大型化の要求に応えることができる。
【0052】
特に、下側金物11は、I型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の底面および両側面を覆うように底面部11aおよび側面部11b,11bを有する断面コ字形状に形成されており、I型ジョイスト部材2を天井や床組等の横架材として使用する際に下側に来る下側フランジ部22の連結部位(継ぎ目部分)に固定するため、外力が発生した際、最も変形角が大きい箇所に施工することになり、下側金物11の効果を発揮することができる。
【0053】
また、下側金物11の側面部11bの下側金物突出部11b1と一対の上側金物12,12の上側金物突出部12bとは、I型ジョイスト部材2,2同士の連結部位(継ぎ目部分)に来るので、最も応力が掛かると予測される箇所の金物の断面積をアップさせることが可能となり、I型ジョイスト部材連結具1の強度を向上させることができる。
【0054】
その結果、実施形態のI型ジョイスト部材連結具1で連結したI型ジョイスト部材2を床や屋根などの構造材として使用した場合、強度が向上するので、連結したI型ジョイスト部材2の早期および長時間経過した後の変形に対しても効果的に対抗することが可能となる。
【0055】
また、本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具1では、下側金物突出部11b1は、下側金物11の側面部11bの長手方向の中央に所定の200mmの幅で設ける一方、上側金物突出部12bも、上側金物12の長手方向の中央に下側金物突出部11b1の幅と同一の200mmの幅で設け、補強部材13の幅も下側金物突出部11b1および上側金物突出部12bの幅と同一にしている。
【0056】
そのため、
図12(b)に示すように補強部材13の装着が完了した場合には、補強部材13の下部の左右両側は下側金物突出部11b1の左右両側に収まる一方、補強部材13の上部の左右両側は上側金物突出部12bの左右両側に収まるので、補強部材13を2つのI型ジョイスト部材2,2の連結部分に偏りなく設置することができ、I型ジョイスト部材2,2の連結部分をバランス良く補強することができる。
【0057】
また、本発明に係る実施形態のI型ジョイスト部材連結具1では、下側金物11の側面部11bと一対の上側金物12,12の長手方向の中央には、それぞれ、連結するI型ジョイスト部材同士の境界を確認するための下側金物用部材境界確認窓11b2および上側金物用部材境界確認窓12cを設けている。
【0058】
そのため、作業員は下側金物用部材境界確認窓11b2および上側金物用部材境界確認窓12cからI型ジョイスト部材2,2の端面同士の境界である継ぎ目部分を確認することにより、下側金物11および上側金物12が2つのI型ジョイスト部材2,2の連結部分に偏りなく設置することができるので、下側金物11および上側金物12設置のための墨出しや位置出しが不要となり、下側金物11および上側金物12の施工が容易となる。また施工後の検査の際も確認可能になる。
【0059】
尚、上記実施形態の説明では、下側金物11の側面部11b,11bそれぞれを正面視、凸形状に形成して中央にI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の側面よりも上方に突出する下側金物突出部11b1,11b1を設ける一方、平板状の上側金物12も正面視、凸形状に形成して中央にI型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の側面よりも下方に突出する上側金物突出部12bを設けて説明したが、本発明では、下側金物11の側面部11b,11bそれぞれの下側金物突出部11b1,11b1は、I型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の側面よりも上方に突出していれば十分であり、上側金物12の上側金物突出部12bは、I型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の側面よりも下方に突出していれば十分であるため、例えば、下側金物11の側面部11b,11b全体の高さをI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22の側面の高さよりも高くして下側金物突出部11b1,11b1を設けても良いし、上側金物12全体の高さをI型ジョイスト部材2の上側フランジ部23の側面よりも高くして上側金物突出部12bを設けるように構成しても良い(尚、この場合には、下側金物11の側面部11b,11bおよび上側金物12は、正面視、長方形状になる。)し、さらには下側金物11の側面部11b,11bおよび上側金物12の長手方向の中央部分以外がI型ジョイスト部材2の下側フランジ部22および上側フランジ部23よりも突出するように構成しても勿論良い。
【0060】
また、上記実施形態の説明では、下側金物11の底面部11aに複数の固定部材通し孔11a1を設けて説明したが、本発明では、これに限らず、下側金物11の側面部11b,11bに固定部材通し孔を設けるようにしても勿論良い。
【符号の説明】
【0061】
1 I型ジョイスト部材連結具
11 下側金物
11a 底面部
11a1 固定部材通し孔
11b 側面部
11b1 下側金物突出部
11b2 下側金物用部材境界確認窓
12 上側金物
12a 固定部材通し孔
12b 上側金物突出部
12c 上側金物用部材境界確認窓
13 補強部材
2 I型ジョイスト部材
21 ウエブ部
22 下側フランジ部
23 上側フランジ部