(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】駆動回路、トランスデューサシステム、及び、検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 29/27 20060101AFI20231101BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20231101BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G01N29/27
H04R17/00
H04R3/00 310
H04R3/00 320
(21)【出願番号】P 2020145890
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】小野 富男
(72)【発明者】
【氏名】中井 豊
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-343200(JP,A)
【文献】特開昭64-089979(JP,A)
【文献】国際公開第2013/042317(WO,A1)
【文献】特開2007-203199(JP,A)
【文献】特開平03-154599(JP,A)
【文献】特開2014-137276(JP,A)
【文献】米国特許第08884492(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-G01N 29/52
H04R 1/00-H04R 31/00
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路部
と、
第2回路部と、
を備え、
前記第1回路部は、
第1圧電素子に流れる第1圧電素子電流を検出し前記第1圧電素子電流に応じた第1検出信号を出力可能
な第1検出部と、
前記第1圧電素子と電気的に接続された第1容量素子に流れる第1容量素子電流を検出し前記第1容量素子電流に応じた第2検出信号を出力可能
な第2検出部と、
入力信号が入力される第1入力端子、及び、第2入力端子を含む第1回路であって、前記第1入力端子と前記第2入力端子との間の電位差に応じた第1駆動信号を前記第1圧電素子及び前記第1容量素子に印加可能な前記第1回路と、
第3入力端子及び第4入力端子を含む第2回路であって、前記第3入力端子に前記第1検出信号が入力され、前記第4入力端子に前記第2検出信号が入力され、前記第1検出信号と前記第2検出信号との差に応じた第1差信号を前記第2入力端子に供給可能な前記第2回路と、
を含
み、
前記第2回路部は、第3検出部を含み、
前記第3検出部は、第2圧電素子に流れる第2圧電素子電流を検出し、前記第2圧電素子電流に応じた第3検出信号を出力可能である、駆動回路。
【請求項2】
前記第1容量素子の電気容量は、前記第1圧電素子の電気容量の0.5倍以上1.5倍以下である、請求項1記載の駆動回路。
【請求項3】
前記第1回路部は、第1フィルタをさらに含み、
前記第2回路は、第2出力端子をさらに含み、
前記第2出力端子は、前記第1検出信号と前記第2検出信号との差に応じた
前記第1差信号を出力可能であり、
前記第1フィルタは、前記第2出力端子と前記第2入力端子との間の電流経路に設けられた、請求項1または2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記
第2圧電素子と並列に電気的に接続される第2容量素子の電気容量は、前記第2圧電素子の電気容量の0.5倍以上1.5倍以下である、請求項
1~3のいずれか1つに記載の駆動回路。
【請求項5】
前記第2回路部は、第3回路をさらに含み、
前記第3回路は、第2駆動信号を前記第2圧電素子に印加可能であり、
前記第3回路は、第5入力端子及び第6入力端子をさらに含み、前記第5入力端子の電位は固定され、前記第2駆動信号は、前記第5入力端子と前記第6入力端子との間の電位差に応じ、
前記第2回路部は、第4検出部と、第4回路と、をさらに含み、
前記第4検出部は、前記
第2圧電素子と並列に電気的に接続される第2容量素子に流れる第2容量素子電流に応じた第4検出信号を出力可能であり、
前記第4回路は、第7入力端子及び第8入力端子を含み、前記第7入力端子に前記第3検出信号が入力され、前記第8入力端子に前記第4検出信号が入力され、前記第4回路は、前記第3検出信号と前記第4検出信号との差に応じた第2差信号を前記第6入力端子に供給可能である、請求項
1~3のいずれか1つに記載の駆動回路。
【請求項6】
請求項
1~
5のいずれか1つに記載の駆動回路と、
前記第1圧電素子を含む第1トランスデューサと、前記第2圧電素子を含む第2トランスデューサと、
を備え、
前記第2トランスデューサは、前記第1トランスデューサから送信された音波を受信し、
前記第3検出信号は、前記第1トランスデューサと前記第2トランスデューサとの間にある対象物の状態に応じて変化する、トランスデューサシステム。
【請求項7】
請求項
6記載のトランスデューサシステムを備え、
前記第3検出信号に基づいて前記対象物を検査する検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駆動回路、トランスデューサシステム、及び、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、圧電素子を用いたトランスデューサシステムが検査装置などに応用される。動作特性を向上可能な駆動回路が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、動作特性を向上可能な駆動回路、トランスデューサシステム及び検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、駆動回路は、第1回路部を含む。前記第1回路部は、第1検出部、第2検出部、第1回路及び第2回路を含む。前記第1検出部は、第1圧電素子に流れる第1圧電素子電流を検出し前記第1圧電素子電流に応じた第1検出信号を出力可能である。前記第2検出部は、前記第1圧電素子と電気的に接続された第1容量素子に流れる第1容量素子電流を検出し前記第1容量素子電流に応じた第2検出信号を出力可能である。前記第1回路は、入力信号が入力される第1入力端子、及び、第2入力端子を含む。前記第1回路は、前記第1入力端子と前記第2入力端子との間の電位差に応じた第1駆動信号を前記第1圧電素子及び前記第1容量素子に印加可能である。前記第2回路は、第3入力端子及び第4入力端子を含む。前記第3入力端子に前記第1検出信号が入力され、前記第4入力端子に前記第2検出信号が入力される。前記第2回路は、前記第1検出信号と前記第2検出信号との差に応じた第1差信号を前記第2入力端子に供給可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る駆動回路を例示する回路図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る駆動回路と共に用いられるトランスデューサを例示する模式的断面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
【
図4】
図4、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る駆動回路を例示する回路図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る駆動回路の一部の特性を例示するグラフ図である。
【
図7】
図7は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る駆動回路の応用を例示する模式図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る駆動回路を例示する回路図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る駆動回路と共に用いられるトランスデューサを例示する模式的断面図である。
【
図11】
図11は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る駆動回路を例示する回路図である。
図2は、第1実施形態に係る駆動回路と共に用いられるトランスデューサを例示する模式的断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る駆動回路110は、第1回路部10Dを含む。第1回路部10Dは、第1圧電素子51と共に用いられる。
【0009】
図2に示すように、例えば、第1圧電素子51は、第1電極51aと、第2電極51bと、第1電極51aと第2電極51bとの間に設けられた第1圧電層51Lと、を含む。例えば、第1回路部10Dは、第1圧電素子51を含む第1トランスデューサ51Tと共に用いられる。
【0010】
図1に示すように、第1トランスデューサ51Tは、電気的には、キャパシタC051と、キャパシタC051と並列に電気的に接続されたLCR回路と、を含む等価回路により表現できる。LCR回路は、直列に互いに接続されたインダクタL51、キャパシタC51及び抵抗R51を含む。キャパシタC051は、第1圧電素子51の2つの電極間の静電容量に対応する。インダクタL51は、第1トランスデューサ51Tの機械量である質量に対応する。キャパシタC51は、第1トランスデューサ51Tの機械量であるバネ定数の逆数に対応する。抵抗R51は、第1トランスデューサ51Tの機械量である減衰定数に対応する。これらの機械量から電気量への変換は、例えば、第1圧電素子51の圧電効果に基づく。
【0011】
図1に例示するキャパシタC051の一端は、第1圧電素子51の一端(第1電極51a及び第2電極51bの一方)に対応する。キャパシタC051の他端は、第1圧電素子51の他端(第1電極51a及び第2電極51bの他方)に対応する。
【0012】
図1に示すように、第1回路部10Dは、第1検出部11と、第2検出部12と、第1回路21と、第2回路22と、を含む。
【0013】
図1に示すように、第1検出部11は、第1圧電素子51に流れる第1圧電素子電流i1(
図2参照)を検出し、第1圧電素子電流i1に応じた第1検出信号Sd1を出力可能である。第1圧電素子電流i1は、
図1に例示する電流i051及び電流i51の和である。電流i051は、キャパシタC051に流れる電流である。電流i51は、LCR回路に流れる。第1検出信号Sd1は、第1圧電素子電流i1(電流i051と電流i51との和)に応じている。
【0014】
例えば、第1検出部11は、第1検出端子DT1を含む。第1検出端子DT1は、検出された第1圧電素子電流i1に応じた第1検出信号Sd1を出力する。この例では、第1検出部11は、抵抗R11を含む。例えば、抵抗R11の一端が、第1圧電素子51の一端(キャパシタC051の一端)と電気的に接続される。抵抗R11の他端が固定電位(例えばグランド電位)に設定される。抵抗R11の上記の一端が、第1検出端子DT1に対応する。
【0015】
図1に示すように、第1容量素子61が設けられる。第1容量素子61は、第1回路部10Dに含まれても良い。第1容量素子61は、第1回路部10Dとは別に設けられても良い。第1容量素子61は、第1トランスデューサ51Tに含まれても良い。第1容量素子61は、第1回路部10D及び第1トランスデューサ51Tとは別に設けられても良い。
【0016】
図1に示すように、第1容量素子61は、第1圧電素子51と電気的に接続される。例えば、第1容量素子61は、第1圧電素子51と並列に電気的に接続される。第1容量素子61の一端は、第1圧電素子51の一端(第1電極51a及び第2電極51bの一方)と電気的に接続される。第1容量素子61の他端は、第1圧電素子51の他端(第1電極51a及び第2電極51bの他方)と電気的に接続される。
【0017】
第2検出部12は、第1容量素子61に流れる第1容量素子電流i61を検出し、第1容量素子電流i61に応じた第2検出信号Sd2を出力可能である。第2検出部12は、第2検出端子DT2を含む。第2検出端子DT2は、検出された第1容量素子電流i61に応じた第2検出信号Sd2を出力する。この例では、第2検出部12は、抵抗R12を含む。例えば、抵抗R12の一端が、第1容量素子61の一端と電気的に接続される。抵抗R12の他端が固定電位(例えばグランド電位)に設定される。抵抗R12の上記の一端が、第2検出端子DT2に対応する。
【0018】
第1回路21は、第1入力端子21a、及び、第2入力端子21bを含む。第1入力端子21aには、入力信号Si1が入力される。入力信号Si1は、例えば、入力信号供給部45から出力される。入力信号供給部45は、駆動回路110(または第1回路部10D)に含まれても良い。入力信号供給部45は、駆動回路110(または第1回路部10D)とは別に設けられても良い。入力信号Si1は、例えば、パルス信号またはバースト信号を含んでも良い。
【0019】
第1回路21は、第1入力端子21aと第2入力端子21bとの間の電位差に応じた第1駆動信号Sv1を第1圧電素子51及び第1容量素子61に印加可能である。第1回路21は、例えば差動増幅回路である。第1回路21は、例えば、第1出力端子OT1を含む。第1出力端子OT1は、第1駆動信号Sv1を出力可能である。第1出力端子OT1は、第1圧電素子51の他端、及び第1容量素子61の他端と電気的に接続される。第1出力端子OT1と第1圧電素子51の他端との間に抵抗Ri51が設けられても良い。
【0020】
例えば、第1回路21は、第1圧電素子51及び第1容量素子61を、入力信号Si1に応じて、駆動可能である。例えば、第1圧電素子51に印加された第1駆動信号Sv1により、第1圧電素子51が変形し、この変形に応じて音波(例えば超音波を含む)が出射される。入力信号Si1は、例えば、音波の発生の制御信号である。
【0021】
この例では、第1回路21において、第1入力端子21aは正入力端子であり、第2入力端子21bは、負入力端子である。この例では、第1回路21は、差動増幅器21D、抵抗R21a、抵抗R21b、抵抗Rf21a、キャパシタCf21a、抵抗Rf21b、及び、キャパシタCf21bを含む。抵抗R21aは、第1入力端子21aと、差動増幅器21Dの入力部21pと、の間の電流経路に設けられる。抵抗R21bは、第2入力端子21bと、差動増幅器21Dの入力部21qと、の間の電流経路に設けられる。キャパシタCf21aは、抵抗Rf21bと電気的に並列に接続される。キャパシタCf21a及び抵抗Rf21aの一端は、差動増幅器21Dの入力部21pと電気的に接続される。キャパシタCf21a及び抵抗Rf21aの他端は、固定電位(例えばグランド電位)に電気的に接続される。キャパシタCf21bは、抵抗Rf21bと電気的に並列に接続される。キャパシタCf21b及び抵抗Rf21bの一端は、差動増幅器21Dの入力部21qと電気的に接続される。キャパシタCf21b及び抵抗Rf21bの他端は、差動増幅器21Dの出力部(第1出力端子OT1)と電気的に接続される。適切な増幅率が得られるように、抵抗が選ばれる。例えば、差動増幅器21Dに正電源及び負電源が供給される。
【0022】
第2回路22は、第3入力端子22c及び第4入力端子22dを含む。第3入力端子22cに第1検出信号Sd1が入力される。第4入力端子22dに第2検出信号Sd2が入力される。
【0023】
第2回路22は、第1検出信号Sd1と第2検出信号Sd2との差に応じた第1差信号Sf1を第2入力端子21bに供給可能である。第2回路22は、例えば差動増幅回路である。例えば、第2回路22は、第2出力端子OT2を含む。第2出力端子OT2は、第1差信号Sf1を出力可能である。この例では、第2出力端子OT2は、配線w1により、第2入力端子21bと電気的に接続される。後述するように、第2出力端子OT2と第2入力端子21bとの間の電流経路(例えば配線w1)に、フィルタなどの電気回路が設けられても良い。
【0024】
この例では、第2回路22において、第3入力端子22cは正入力端子であり、第4入力端子22dは、負入力端子である。この例では、第2回路22は、差動増幅器22D、抵抗R22c、抵抗R22d、抵抗Rf22c、キャパシタCf22c、抵抗Rf22d、及び、キャパシタCf22dを含む。抵抗R22cは、第3入力端子22cと、差動増幅器22Dの入力部22pと、の間の電流経路に設けられる。抵抗R22dは、第4入力端子22dと、差動増幅器22Dの入力部22qと、の間の電流経路に設けられる。キャパシタCf22cは、抵抗Rf22cと電気的に並列に接続される。キャパシタCf22c及び抵抗Rf22cの一端は、差動増幅器22Dの入力部22pと電気的に接続される。キャパシタCf22c及び抵抗Rf22cの他端は、固定電位(例えばグランド電位)に電気的に接続される。キャパシタCf22dは、抵抗Rf22dと電気的に並列に接続される。キャパシタCf22d及び抵抗Rf22dの一端は、差動増幅器22Dの入力部22qと電気的に接続される。キャパシタCf22d及び抵抗Rf22dの他端は、差動増幅器22Dの出力部(第2出力端子OT2)と電気的に接続される。適切な増幅率が得られるように、抵抗が選ばれる。例えば、差動増幅器22Dに正電源及び負電源が供給される。
【0025】
実施形態においては、第1圧電素子51に流れる電流と、第1容量素子61に流れる電流と、の差に応じた第1差信号Sf1が、第1回路21の第2入力端子21bに供給される。例えば、第1差信号Sf1が、フィードバックされる。第1回路21から出力される第1駆動信号Sv1は、入力信号Si1と、第1差信号Sf1と、の差に対応する。このような駆動回路により、第1圧電素子51の動作特性を向上できる。
【0026】
図2に示すように、第1トランスデューサ51Tは、第1圧電素子51と、第1ダイアフラム51F(例えば膜部)と、を含んでも良い。第1圧電素子51は、第1ダイアフラム51Fに固定される。例えば、第1圧電素子51は、第1ダイアフラム51Fと積層される。第1トランスデューサ51Tは、例えば、屈曲振動型のトランスデューサである。第1圧電素子51及び第1トランスデューサ51Tの例については、後述する。以下では、第1トランスデューサ51Tが第1圧電素子51及び第1ダイアフラム51Fを含む場合の例について説明する。
【0027】
図3(a)及び
図3(b)は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、駆動回路のパラメータを変えたときの第1差信号Sf1のシミュレーション結果を例示している。
図3(a)及び
図3(b)の横軸は、周波数f1に対応する。
図3(a)の縦軸は、第1差信号Sf1の規格化強度Int1に対応する。
図3(b)の縦軸は、第1差信号Sf1の位相Ph1に対応する。
【0028】
シミュレーションにおいて、第1圧電素子51の電気容量(キャパシタC051)は1.76nFであり、インダクタL51は48.1mHであり、キャパシタC51の電気容量は0.319nFであり、抵抗R51は、274Ωである。第1容量素子61の電気容量は、2nFである。抵抗R11は、10Ωである。抵抗R12は、10Ωである。抵抗Ri51は、0Ωである。抵抗R21a、R21b、R22c及びR22dは、10kΩである。抵抗Rf22c及びRf22dは、100kΩである。キャパシタCf21a、C21b、Cf22c及びCf22dのそれぞれの電気容量は、0pFである。
【0029】
図3(a)及び
図3(b)には、構成CF1~CF4の特性が例示されている。構成CF1においては、第1差信号Sf1は第2入力端子21bに供給されない。この場合、第2入力端子21bは接地されている。構成CF2~構成CF4においては、第1差信号Sf1は第2入力端子21bに供給される。構成CF2においては、抵抗Rf21a及びRf21bのそれぞれは、100kΩである。構成CF3においては、抵抗Rf21a及びRf21bのそれぞれは、300kΩである。構成CF4においては、抵抗Rf21a及びR21fbのそれぞれは、500kΩである。
【0030】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、構成CF1においては、帯域は狭い。構成CF2~CF4においては、帯域は広い。実施形態によれば、広帯域の特性が得られる。抵抗Rf21a及びRf21bを高くして、フィードバックゲインを上昇させると、帯域はより広くなる。
【0031】
図4は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
図4は、駆動回路のパラメータを変えたときの第1差信号Sf1のシミュレーション結果を例示している。
図4においては、入力信号Si1は、5波の正弦波を含むバースト波である。
図4の横軸は、時間t1に対応する。
図4の縦軸は、第1差信号Sf1の規格化強度Int1に対応する。
図4におけるシミュレーションのモデルの構成は、
図3(a)及び
図3(b)に関して説明した構成と同様である。
【0032】
図4に示すように、構成CF1では、規格化強度Int1が小さくなるまでの時間は、非常に長い。構成CF2~CF4においては、規格化強度Int1が小さくなるまでの時間が短い。このように、実施形態によれば、短いパルス長が得られる。抵抗Rf21a及びR21fbを高くすると、より短いパルス長が得られる。
【0033】
このように、実施形態によれば、例えば、広帯域の特性が得られる。例えば、短いパルス幅で第1トランスデューサ51Tを駆動できる。実施形態によれば、トランスデューサの動作特性を向上可能な駆動回路が提供できる。
【0034】
実施形態においては、第1回路部10Dにより、第1圧電素子51を含む第1トランスデューサ51Tから超音波を出射させることができる。実施形態においては、例えば、短いパルス長の超音波を発生させることができる。例えば、広帯域の超音波を発生させることができる。実施形態に係る第1回路部10Dは、例えば、狭帯が狭い屈曲振動型の空中超音波トランスデューサに有用である。
【0035】
実施形態において、例えば、第1容量素子61の電気容量は、第1圧電素子51の電気容量に応じて設定されて良い。例えば、第1容量素子61の電気容量は、第1圧電素子51の電気容量と実質的に同じである。例えば、第1容量素子61の電気容量は、第1圧電素子51の電気容量の0.5倍以上1.5倍以下である。第1容量素子61の電気容量は、第1圧電素子51の電気容量の0.8倍以上1.2倍以下でも良い。例えば、第1圧電素子51に流れる電流の大きさと、第1容量素子61に流れる電流の大きさと、が同じ、または、互いに近くなる。これにより、第1圧電素子51に流れる電流の周波数特性をより効果的にフィードバックできる。
【0036】
実施形態において、ゲインが過度に高いと、回路系が発振する場合がある。実施形態において、第1回路21(第1差動増幅回路)のゲインは、10以上50以下である。これにより、例えば、発振が抑制できる。第1回路21のゲインは、例えば、抵抗Rf21bの抵抗R21bに対する比である。
【0037】
図2に示すように、1つの例において、第1トランスデューサ51Tは、第1圧電素子51と、第1ダイアフラム51Fと、を含む。第1圧電素子51及び第1ダイアフラム51Fは、互いに積層されている。積層された第1圧電素子51及び第1ダイアフラム51Fは、支持部51Sにより支持される。
【0038】
第1圧電素子51は、第1電極51aと、第2電極51bと、第1電極51aと第2電極51bとの間に設けられた第1圧電層51Lと、を含む。この例では、第1ダイアフラム51Fと第1電極51aとの間に第2電極51bがある。例えば、第1電極51aの面積は、第2電極51bの面積よりも小さい。第1圧電層51Lは、分極51Pを有する。
【0039】
第1回路部10Dからの信号(第1駆動信号Sv1)は、第1電極51aと第2電極51bとの間に印加される。信号(交流信号)により、第1圧電層51Lが変形する。その結果、第1ダイアフラム51Fが変形し、音波10Wが発生する。積層された第1圧電素子51及び第1ダイアフラム51Fは、例えば、屈曲振動子に対応する。
【0040】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る駆動回路を例示する回路図である。
図5(a)に示すように、実施形態に係る駆動回路110aにおいて、第1回路部10Dは、第1フィルタ41を含む。駆動回路110aにおけるこれ以外の構成は、駆動回路110における構成と同様で良い。
【0041】
第1フィルタ41は、第2回路22の第2出力端子OT2と、第1回路21の第2入力端子21bと、の間の電流経路cp1(例えば配線w1)に設けられる。第1フィルタ41の一端41aは、第2出力端子OT2と電気的に接続される。第1フィルタ41の他端41bは、第2入力端子21bと電気的に接続される。
【0042】
既に説明したように、第2出力端子OT2は、第1検出信号Sd1と第2検出信号Sd2との差に応じた第1差信号Sf1を出力する。第1フィルタ41は、第1差信号Sf1をフィルタ処理する。
【0043】
図5(b)に示すように、例えば、第1フィルタ41は、ノッチフィルタを含んでも良い。この例では、ノッチフィルタにおいて、直列に接続された2つの抵抗R41aの接続点にキャパシタC41aが接続される。直列に接続された2つのキャパシタC41bの接続点に抵抗R41bが接続される。直列に接続された2つの抵抗R41aと、直列に接続された2つのキャパシタC41bと、が並列に接続される。抵抗R41bの抵抗は、抵抗R41aの抵抗の実質的に1/2倍である。キャパシタC41aの電気容量は、キャパシタC41bの電気容量の実質的に2倍である。ノッチフィルタは、ノッチ周波数の近傍で、信号を非常に低く減衰させる。抵抗R41aの抵抗をRとし、キャパシタC41bの電気容量をCとした場合、ノッチ周波数は、1/(2πRC)である。
【0044】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る駆動回路の一部の特性を例示するグラフ図である。
これらの図は、第1フィルタ41の特性を例示している。この例では、第1フィルタ41は、ノッチフィルタの構成を有する。この例では、ノッチ周波数は、300kHzである。
図6(a)及び
図6(b)の横軸は、周波数f1である。
図6(a)の縦軸は、第1フィルタ41における他端41bの信号の規格化強度Int3に対応する。規格化強度Int3は、第1フィルタ41の他端41bにおける信号の強度の、第1フィルタ41の一端41aにおける信号の強度に対する比である。
図6(b)の縦軸は、第1フィルタ41の他端41bにおける信号の位相Ph1に対応する。
図6(a)に示すように、ノッチ周波数である約300kHzの近傍で、信号の規格化強度Int3を急峻に低くできる。上記の回路系の発振は、例えば、超音波に利用する共振以外の、トランスデューサ51Tの不要な共振による。第1フィルタ41のノッチ周波数を不要な共振と実質的に一致させることで、不要共振を抑制でき、高いループゲインを適用できる。これにより、例えば、第1圧電素子51を含む第1トランスデューサ51Tで生じる超音波のパルス幅を効果的に短くできる。
【0045】
図7は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
図7は、駆動回路のパラメータを変えたときの第1差信号Sf1のシミュレーション結果を例示している。
図7においては、入力信号Si1は、5波の正弦波を含むバースト波である。
図7の横軸は、時間t1に対応する。
図7の縦軸は、第1差信号Sf1の規格化強度Int1に対応する。
図7におけるシミュレーションのモデルにおいて、抵抗Ri51は100Ωであり、キャパシタCf21a及びCf21bのそれぞれの電気容量は5pFである。
図7におけるシミュレーションのモデルにおける上記以外の構成は、
図3(a)及び
図3(b)に関して説明した構成と同様である。
図7におけるシミュレーションのモデルにおいて、第1フィルタ41のノッチ周波数は、300kHzである。
【0046】
図7には、構成CF1、CF2、CF5及びCF6の特性が例示されている。構成CF1においては、第1差信号Sf1は第2入力端子21bに供給されない。この場合、第2入力端子21bは接地されている。構成CF2、構成CF
5及び構成CF
6においては、第1差信号Sf1は第2入力端子21bに供給される。構成CF2においては、抵抗Rf21a及びRf21bのそれぞれは、100kΩである。構成CF5においては、抵抗Rf21a及びRf21bのそれぞれは、220kΩである。構成CF6においては、抵抗Rf21a及びRf21bのそれぞれは、330kΩである。
【0047】
図7に示すように、構成CF1では、規格化強度Int1が小さくなるまでの時間は、非常に長い。構成CF2、構成CF5及び構成CF6においては、規格化強度Int1が小さくなるまでの時間が短い。このように、実施形態によれば、短いパルス長が得られる。抵抗Rf21a及びRf21bを高くすると、より短いパルス長が得られる。第1フィルタ41を用いることで、高いループゲインを適用でき、発振を抑制できる。例えば、第1圧電素子51を含む第1トランスデューサ51Tで生じる音波(例えば超音波)のパルス幅をより短くできる。
【0048】
図8は、第1実施形態に係る駆動回路の応用を例示する模式図である。
図8に示すように、実施形態に係る駆動回路120は、第1回路部10Dに加えて、第2回路部20Dをさらに含む。
【0049】
駆動回路120は、トランスデューサシステム210に応用されても良い。トランスデューサシステム210は、例えば、第1圧電素子51を含む第1トランスデューサ51Tと、第2圧電素子52を含む第2トランスデューサ52Tと、駆動回路120と、含む。第1トランスデューサ51Tから送信された音波10Wが、第2トランスデューサ52Tで受信される。音波10Wは、例えば、超音波を含む。第1トランスデューサ51Tは、例えば、送信装置である。第1回路部10Dは、例えば、送信用駆動回路である。第2トランスデューサ52Tは、例えば、受信装置である。第2回路部20Dは、例えば、受信用駆動回路である。第1トランスデューサ51T及び第2トランスデューサ52Tは、例えば、空中超音波トランスデューサである。
【0050】
例えば、第1トランスデューサ51Tと第2トランスデューサ52Tとの間に、対象物81が設けられる。例えば、対象物81は、第1トランスデューサ51Tから第2トランスデューサ52Tへの方向と交差する方向に沿って移動する。対象物81は、例えば、紙幣などである。対象物81に異物81Dなどが付着していると、第2トランスデューサ52Tで受信される音波10Wの状態が、対象物81に異物81Dなどが付着していない場合と比べて、変化する。トランスデューサシステム210は、例えば検査装置310に応用されても良い。
【0051】
第2回路部20Dは、例えば、第3検出部13を含む。第3検出部13は、第2圧電素子52に流れる第2圧電素子電流i2(
図8参照)を検出し、第2圧電素子電流i2に応じた第3検出信号Sd3を出力可能である。例えば、第3検出部13は、第3検出端子DT3を含む。第3検出端子DT3は、第2圧電素子電流i2に応じた第3検出信号Sd3を出力可能である。
【0052】
例えば、第3検出信号Sd3は、第1トランスデューサ51Tと第2トランスデューサ52Tとの間にある対象物81の状態に応じて変化する。検査装置310は、第3検出信号Sd3に基づいて対象物81を検査可能である。
【0053】
以下、第2回路部20Dの例について説明する。
図9は、第1実施形態に係る駆動回路を例示する回路図である。
図10は、第1実施形態に係る駆動回路と共に用いられるトランスデューサを例示する模式的断面図である。
図9に示すように、実施形態に係る駆動回路121は、第2回路部20Dを含む。第2回路部20Dは、例えば、第3検出部13に加えて、第3回路23を含む。
【0054】
既に説明したように、第3検出部13は、第2圧電素子52に流れる第2圧電素子電流i2(
図8参照)を検出し、第2圧電素子電流i2に応じた第3検出信号Sd3を出力可能である。
【0055】
図10に示すように、例えば
、第2圧電素子52は、第3電極52cと、第4電極52dと、第3電極52cと第4電極52dとの間に設けられた第2圧電層52Lと、を含む。例えば、第2回路部20Dは、第2圧電素子52を含む第2トランスデューサ52Tと共に用いられる。
【0056】
図9に示すように、第3回路23は、第2駆動信号Sv2を第2圧電素子52に印加可能である。例えば、第3回路23は、第3出力端子OT3を含む。第3出力端子OT3は、第2駆動信号Sv2を出力する。第3出力端子OT3は、第2圧電素子52と電気的に接続される。
【0057】
この例では、第2容量素子62が設けられる。第2容量素子62は、第2圧電素子52に電気的に接続される。第2容量素子62は、第2回路部20Dに含まれても良い。第2容量素子62は、第2回路部20Dとは別に設けられても良い。第2容量素子62は、第2トランスデューサ52Tに含まれても良い。第2容量素子62は、第2回路部20D及び第2トランスデューサ52Tとは別に設けられても良い。
【0058】
例えば、第2容量素子62は、第2圧電素子52と並列に電気的に接続される。例えば、第2容量素子62の電気容量は、第2圧電素子52の電気容量の0.5倍以上1.5倍以下である。第2容量素子62の電気容量は、第2圧電素子52の電気容量の0.8倍以上1.2倍以下でも良い。
【0059】
第3回路23は、第2圧電素子52及び第2容量素子62に第2駆動信号Sv2を印加することが可能である。第2駆動信号Sv2は、第2圧電素子52及び第2容量素子62に印加される。
【0060】
第3回路23は、第5入力端子23e及び第6入力端子23fをさらに含んでも良い。例えば、第5入力端子23eの電位は固定される。第2駆動信号Sv2は、第5入力端子23eと第6入力端子23fとの間の電位差に応じる。
【0061】
この例では、第2回路部20Dは、第4検出部14及び第4回路24をさらに含む。第4検出部14は、第2容量素子62に流れる第2容量素子電流i2(
図8参照)に応じた第4検出信号Sd4を出力可能である。例えば、第4検出部14は、第4検出端子DT4を含む。第4検出端子DT4は、第4検出信号Sd4を出力可能である。
【0062】
第4回路24は、第7入力端子24g及び第8入力端子24hを含む。第7入力端子24gに第3検出信号Sd3が入力される。第8入力端子24hに第4検出信号Sd4が入力される。第4回路24は、第3検出信号Sd3と第4検出信号Sd4との差に応じた第2差信号Sf2を第6入力端子23fに供給可能である。
【0063】
この例においては、第3検出信号Sd3と第4検出信号Sd4との差に応じた第2差信号Sf2が、第3回路23にフィードバックされる。これにより、例えば、第2圧電素子52を含む第2トランスデューサ52Tは、短いパルス長で音波(例えば超音波を含む)に反応することができる。第2トランスデューサ52Tは、例えば、広帯域の音波(例えば超音波を含む)に反応することができる。
【0064】
この例では、第2トランスデューサ52Tは、第2圧電素子52と、第2ダイアフラム52Fと、を含む(
図10参照)。第2圧電素子52は、第2ダイアフラム52Fに固定される。例えば、第2圧電素子52は、第2ダイアフラム52Fと積層される。積層された第2圧電素子52及び第2ダイアフラム52Fは、例えば、一体となって振動する。
【0065】
第2トランスデューサ52Tは、電気的には、キャパシタC052と、キャパシタC052と並列に電気的に接続されたLCR回路と、を含む等価回路により表現できる。LCR回路は、直列に互いに接続されたインダクタL52、キャパシタC52及び抵抗R52を含む。キャパシタC052は、第2圧電素子52の2つの電極間の静電容量に対応する。インダクタL52は、第2トランスデューサ52Tの機械量である質量に対応する。キャパシタC52は、第2トランスデューサ52Tの機械量であるバネ定数の逆数に対応する。抵抗R52は、第2トランスデューサ52Tの機械量である減衰定数に対応する。これらの機械量から電気量への変換は、例えば、第2圧電素子52の圧電効果に基づく。
【0066】
図9に示すように、第2トランスデューサ52Tの等価回路において、信号源47が設けられている。信号源47は、インダクタL52、キャパシタC52及び抵抗R52と、直列に電気的に接続される。例えば、第2トランスデューサ52Tが受けた音波(例えば超音波)により、第2ダイアフラム52F及び第2圧電素子52が変形する。この変形に応じた電圧が、第2圧電素子52に生じる。この電圧が、信号源47に対応する。
【0067】
例えば、LCR回路に電流i52が流れる。キャパシタC052に電流i052が流れる。第2圧電素子電流i2(
図10参照)は、電流i52及び電流i052の和に対応する。第2検出信号Sd2は、電流i52及び電流i052の和に応じている。
【0068】
例えば、第2トランスデューサ52Tが受けた音波(例えば超音波)により生じる信号が第2圧電素子52に流れる。第2圧電素子52を流れる第2圧電素子電流i2を検出することで、受けた音波を受信(検出)できる。
【0069】
この例では、第3検出部13は、抵抗R13を含む。例えば、抵抗R13の一端が、第2圧電素子52の一端と電気的に接続される。抵抗R13の他端が固定電位(例えばグランド電位)に設定される。抵抗R13の上記の一端が、第3検出端子DT3に対応する。
【0070】
この例では、第4検出部14は、抵抗R14を含む。例えば、抵抗R14の一端が、第2容量素子62の一端と電気的に接続される。抵抗R14の他端が固定電位(例えばグランド電位)に設定される。抵抗R14の上記の一端が、第4検出端子DT4に対応する。
【0071】
第3回路23の第3出力端子OT3は、第2圧電素子52の他端、及び第2容量素子62の他端と電気的に接続される。第3出力端子OT3と第2圧電素子52の他端との間に抵抗Ri52が設けられても良い。
【0072】
この例では、第3回路23において、第5入力端子23eは正入力端子であり、第6入力端子23fは、負入力端子である。この例では、第3回路23は、差動増幅器23D、抵抗R23e、抵抗R23f、抵抗Rf23e、キャパシタCf23e、抵抗Rf23f、及び、キャパシタCf23fを含む。抵抗R23eは、第5入力端子23eと、差動増幅器23Dの入力部23pと、の間の電流経路に設けられる。抵抗R23fは、第6入力端子23fと、差動増幅器23Dの入力部23qと、の間の電流経路に設けられる。キャパシタCf23eは、抵抗Rf23eと電気的に並列に接続される。キャパシタCf23e及び抵抗Rf23eの一端は、差動増幅器23Dの入力部23pと電気的に接続される。キャパシタCf23e及び抵抗Rf23eの他端は、固定電位(例えばグランド電位)に電気的に接続される。キャパシタCf23fは、抵抗Rf23fと電気的に並列に接続される。キャパシタCf23f及び抵抗Rf23fの一端は、差動増幅器23Dの入力部23qと電気的に接続される。キャパシタCf23f及び抵抗Rf23fの他端は、差動増幅器23Dの出力部(第3出力端子OT3)と電気的に接続される。適切な増幅率が得られるように、抵抗が選ばれる。例えば、差動増幅器23Dに正電源及び負電源が供給される。
【0073】
この例では、第4回路24において、第7入力端子24gは正入力端子であり、第8入力端子24hは、負入力端子である。この例では、第4回路24は、差動増幅器24D、抵抗R24g、抵抗R24h、抵抗Rf24g、キャパシタCf24g、抵抗Rf24h、及び、キャパシタCf24hを含む。抵抗R24gは、第7入力端子24gと、差動増幅器24Dの入力部24pと、の間の電流経路に設けられる。抵抗R24hは、第8入力端子24hと、差動増幅器24Dの入力部24qと、の間の電流経路に設けられる。キャパシタCf24gは、抵抗Rf24gと電気的に並列に接続される。キャパシタCf24g及び抵抗Rf24gの一端は、差動増幅器24Dの入力部24pと電気的に接続される。キャパシタCf24g及び抵抗Rf24gの他端は、固定電位(例えばグランド電位)に電気的に接続される。キャパシタCf24hは、抵抗Rf24hと電気的に並列に接続される。キャパシタCf24h及び抵抗Rf24hの一端は、差動増幅器24Dの入力部24qと電気的に接続される。キャパシタCf24h及び抵抗Rf24hの他端は、差動増幅器24Dの出力部(第4出力端子OT4)と電気的に接続される。適切な増幅率が得られるように、抵抗が選ばれる。例えば、差動増幅器24Dに正電源及び負電源が供給される。
【0074】
第4出力端子OT4と第6入力端子23fとが、配線w2などにより電気的に接続されても良い。第4出力端子OT4と第6入力端子23fとの間の電流経路(例えば配線w2)に、フィルタが設けられても良い。フィルタは、第1フィルタ41と同様の構成を有しても良い。
【0075】
図11は、駆動回路の特性を例示するグラフ図である。
図11は、第1回路部10D及び第2回路部20Dを用いたときに得られる信号の測定結果を例示している。第1回路部10Dにより、第1圧電素子51に電圧が加えられ、第1トランスデューサ51Tから音波10W(超音波)が出射する。音波10Wが、第2トランスデューサ52Tで受信される。
図11の横軸は、時間t1に対応する。
図11の縦軸は、第2差信号Sf2の規格化強度Int1に対応する。
【0076】
測定試料において、第1回路部10Dは、
図3(a)及び
図3(b)に関して説明した構成を有する。測定試料において、第2圧電素子52の電気容量(キャパシタC052)は1.76nFであり、インダクタL52は48.1mHであり、キャパシタC52の電気容量は0.319nFであり、抵抗R52は、274Ωである。第2容量素子62の電気容量は、2nFである。抵抗R13は、10Ωである。抵抗R14は、10Ωである。抵抗Ri51は、100Ωである。抵抗R23e、R23f、R24g及びR24hは、10kΩである。抵抗Rf24h及びRf24gは、100kΩである。キャパシタCf23e及びCf23fのそれぞれの電気容量は、1pFである。キャパシタCf24g及びCf24hのそれぞれの電気容量は、0pFである。
【0077】
図11には、構成CG1~CG5の特性が例示されている。構成CG1においては、第2差信号Sf2は第6入力端子23fに供給されない。この場合、第6入力端子23fは設置されている。構成CG2~構成CG5においては、第2差信号Sf2が第6入力端子23fに供給される。構成CG2においては、抵抗Rf23f及びRf23eのそれぞれは、56kΩである。構成CG3においては、抵抗Rf23f及びRf23eのそれぞれは、100kΩである。構成CG4においては、抵抗Rf23f及びRf23eのそれぞれは、220kΩである。構成CG5においては、抵抗Rf23f及びRf23eのそれぞれは、330kΩである。
【0078】
図11に示すように、構成CG1では、規格化強度Int1が小さくなるまでの時間は、非常に長い。構成CG2~CG5においては、規格化強度Int1が小さくなるまでの時間が短い。このように、実施形態によれば、短いパルス長が得られる。抵抗Rf23f及びRf23eを高くすると、より短いパルス長が得られる。
【0079】
例えば、第2トランスデューサ52Tが受けた音波による第2トランスデューサ52Tの振動を、速やかに減衰させることができる。例えば、音波を短いパルス幅で安定して受信できる。
【0080】
空中超音波トランスデューサにおいて、ダイアフラムは、圧電素子及び弾性体(第1ダイアフラム51F及び第2ダイアフラム52Fなど)を含む。ダイアフラムを振動させることで、音波10W(超音波を含む)が発生する。
【0081】
ダイアフラムの運動方程式は、以下の第1式により与えられる。
【0082】
【0083】
第1式において、「v」は、振動速度である。「m」は、ダイアフラムの質量である。「c」は、ダイアフラムの減衰係数である。「k」は、ダイアフラムのばね定数である。「η」は、電圧を力に変換する圧電効果に基づく係数である。「V」は、印可電圧である。
【0084】
例えば、振動速度vに比例する力が、圧電効果を用いて加えられる。力の比例定数を「c’」とする。以下の、第2式が得られる。
【0085】
【0086】
第2式から以下の第3式が得られる。
【0087】
【0088】
第1式と第3式とを比較すると、第3式における減衰係数が、「c」から「c+c’」に増加し、ダイアフラムの振動に対するダンピングが大きくなっていることがわかる。
【0089】
一方、音圧pは、空気の比音響インピーダンスをzaとして、za×vで与えられる。したがって、減衰を大きくしてダイアフラムの振動をダンピングすることで、音圧パルスを短くすることができる。速度をフィードバックする方法により、短パルス化が可能である。この方法は、速度をフィードバックする制御系と見なすこともできる。
【0090】
この方法を適用する際に、ダイアフラムの速度を検出し、検出した速度をフィードバックしても良い。ダイアフラムの速度を検出するための検出部(例えば電極など)を設けると、装置が大型化する。
【0091】
実施形態においては、ダイアフラムの速度を検出するための検出部を設けることなく、ダイアフラムの振動をダンピングすることができる。
【0092】
実施形態によれば、検出部などを用いることなく、広帯域で、パルス長を短くできる。実施形態によれば、トランスデューサを複雑にせずに、トランスデューサの動作特性を向上できる。
【0093】
トランスデューサの等価回路において、圧電素子の電気容量C0と、直列に接続されたLCR回路と、が電気的に並列に接続される。電気容量C0は、例えば、制動容量に対応する。電気容量C0は、電気的な静電容量である。一方、LCR回路に含まれるインダクタ、電気容量、及び、抵抗は、ダイアフラムのm、k及びcの機械量が、圧電効果により電気量へ変換された量に対応する。例えば、電気容量C0を流れる電流をI0とし、LCR回路に流れる電流をIvとする。電流Ivは、ダイアフラムの振動速度vに比例する。
【0094】
例えば、
図1に示した例において、第1容量素子61の電気容量を第1圧電素子51の電気容量C0と同じに設定する。第1容量素子61に流れる電流をIrefとする。この場合、第1差信号Sf1は、(I0-Iv)-Irefとなり、すなわち、Ivとなる。第2回路22の出力である第1差信号Sf1は、速度vに比例した電圧となる。実施形態においては、
図1に例示した第1回路21及び第2回路22により、ダイアフラムの速度フィードバック系が構成される。このような駆動回路を用いることで、トランスデューサを複雑化することなくダイアフラムの振動をダンピングできる。
【0095】
図9に示した例において、信号源47がある。信号源47は、ダイアフラム(第2トランスデューサ52T)に加わる音圧が換算された電気量に対応する。信号源47により、ダイアフラムの振動速度に比例する電流が流れ、この電流に応じた電圧(第3検出信号Sd3)が第4回路24を経て、第3回路23の第6入力端子23fにフィードバックされる。一方、第3回路23の第5入力端子23eの電位は固定されている(例えば0Vに設定されている)ため、回路全体は、ダイアフラムの振動速度を0に近づけるように、動作する。このため、音波を受信したダイアフラムの振動は、速やかに減衰し、受信信号は短パルス化する。第2回路部20Dにおいて、受信信号(第2差信号Sf2)は、ダイアフラムの振動速度に比例する。
【0096】
第2回路部20Dにおいて、第3回路23の第5入力端子23eの電位が固定される(例えば0Vに設定されている)ことを除いて、第2回路部20Dの構成は、第1回路部10Dの構成と同様で良い。
【0097】
実施形態において、
図9に関して説明した構成が適用されても良い。この場合、第2回路部20Dを「第1回路部」と見なしても良い。例えば、
図9に示すように、実施形態に係る駆動回路(駆動回路121)は、第1回路部(
図9に例示する第2回路部20D)を含む。この第1回路部(
図9に例示する第2回路部20D)は、第1検出部(
図9に例示する第3検出部1
3)、第2検出部(
図9に例示する第4検出部14)、第1回路(
図9に例示する第3回路23)、及び、第2回路(
図9に例示する第4回路部24)を含む。これらの検出部及び回路は、
図9に関した構成を有して良い。例えば、受信装置において、動作特性を向上可能な駆動回路が提供できる。
【0098】
図10に示すように、例えば、第2トランスデューサ52Tは、第2圧電素子52と、第2ダイアフラム52Fと、を含む。第2圧電素子5
2及び第2ダイアフラム52Fは、互いに積層されている。積層された第2圧電素子52及び第2ダイアフラム52Fは、支持部52Sにより支持される。
【0099】
第2圧電素子52は、第3電極52cと、第4電極52dと、第3電極52cと第4電極52dとの間に設けられた第2圧電層52Lと、を含む。この例では、第2ダイアフラム52Fと第3電極52cとの間に第4電極52dがある。例えば、第3電極52cの面積は、第4電極52dの面積よりも小さい。第2圧電層52Lは、分極52Pを有する。
【0100】
第2回路部20Dは、第3電極52c及び第4電極52dと電気的に接続される。例えば、音波10Wにより、第2ダイアフラム52Fが変形し、第2圧電素子52において、音波10Wに応じた信号が生じる。第2回路部20Dは、この信号を検出可能である。積層された第2圧電素子52及び第2ダイアフラム52Fは、例えば、屈曲振動子に対応する。例えば、第2回路部20Dからの第2駆動信号Sv2が、第3電極52cと第4電極52dとの間に印加されても良い。例えば、第2ダイアフラム52Fの振動がダンピングされる。
【0101】
このような屈曲振動子において、帯域が狭い。実施形態に係る駆動回路に、帯域を広げることができる。
【0102】
(第2実施形態)
第2実施形態は、トランスデューサシステムに係る。実施形態に係るトランスデューサシステム210(
図8参照)は、第1実施形態に係る駆動回路と、第1圧電素子51を含む第1トランスデューサ51Tと、第2圧電素子52を含む第2トランスデューサ52Tと、を含む。第2トランスデューサ52Tは、第1トランスデューサ51Tから送信された音波10Wを受信する。第3検出信号Sd3は、第1トランスデューサ51Tと第2トランスデューサ52Tとの間にある対象物81の状態に応じて変化する。
【0103】
(第3実施形態)
第3実施形態は、検査装置に係る。実施形態に係る検査装置310(
図8参照)は、第2実施形態に係るトランスデューサシステム210を含む。検査装置310は、第3検出信号Sd3に基づいて、対象物81を検査する。
【0104】
例えば、音波10Wの送受信の繰り返し周波数を高くすることで、異物81D(
図8参照)が小さく、対象物81の移動速度が速い場合にも検査が可能である。実施形態においては、
図11に示した結果から分かるように、ループゲインを上げることで短パルス化できる、これにより、高分解能・高速での検査が可能になる。
【0105】
実施形態によれば、例えば、トランスデューサの構成を複雑化しないで、パルス長を短くできる。例えば、帯域を広げることができる。例えば、高い駆動効率が得られる。
【0106】
例えば、送受信のパルス長が短いため、パルスの繰り返し周波数を高くして、高速な情報収集が可能となる。パルス長が短いため、送信用と受信用のトランスデューサ間の多重反射による影響を低減できる。
【0107】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1回路部を備え、
前記第1回路部は、
第1圧電素子に流れる第1圧電素子電流を検出し前記第1圧電素子電流に応じた第1検出信号を出力可能な前記第1検出部と、
前記第1圧電素子と電気的に接続された第1容量素子に流れる第1容量素子電流を検出し前記第1容量素子電流に応じた第2検出信号を出力可能な前記第2検出部と、
入力信号が入力される第1入力端子、及び、第2入力端子を含む第1回路であって、前記第1入力端子と前記第2入力端子との間の電位差に応じた第1駆動信号を前記第1圧電素子及び前記第1容量素子に印加可能な前記第1回路と、
第3入力端子及び第4入力端子を含む第2回路であって、前記第3入力端子に前記第1検出信号が入力され、前記第4入力端子に前記第2検出信号が入力され、前記第1検出信号と前記第2検出信号との差に応じた第1差信号を前記第2入力端子に供給可能な前記第2回路と、
を含む、駆動回路。
【0108】
(構成2)
前記第1容量素子は、前記第1圧電素子と並列に電気的に接続された、構成1記載の駆動回路。
【0109】
(構成3)
前記第1容量素子の電気容量は、前記第1圧電素子の電気容量の0.5倍以上1.5倍以下である、構成1または2に記載の駆動回路。
【0110】
(構成4)
前記第1容量素子の電気容量は、前記第1圧電素子の電気容量の0.8倍以上1.2倍以下である、構成1または2に記載の駆動回路。
【0111】
(構成5)
前記第1回路は、記前記第1圧電素子及び前記第1容量素子を前記入力信号に応じて駆動可能である、構成1~4のいずれか1つに記載の駆動回路。
【0112】
(構成6)
前記第1回路部は、第1フィルタをさらに含み、
前記第2回路は、第2出力端子をさらに含み、
前記第2出力端子は、前記第1検出信号と前記第2検出信号との差に応じた第1差信号を出力可能であり、
前記第1フィルタは、前記第2出力端子と前記第2入力端子との間の電流経路に設けられた、構成1~5のいずれか1つに記載の駆動回路。
【0113】
(構成7)
前記第1フィルタは、ノッチフィルタを含む、構成6記載の駆動回路。
【0114】
(構成8)
第2回路部をさらに具え、
前記第2回路部は、第3検出部を含み、
前記第3検出部は、第2圧電素子に流れる第2圧電素子電流を検出し、前記第2圧電素子電流に応じた第3検出信号を出力可能である、構成1~7のいずれか1つに記載の駆動回路。
【0115】
(構成9)
前記第2回路部は、第3回路をさらに含み、
前記第3回路は、第2駆動信号を前記第2圧電素子に印加可能である、構成8記載の駆動回路。
【0116】
(構成10)
前記第3回路は、前記第2圧電素子と電気的に接続された前記第2容量素子に前記第2駆動信号をさらに印加することが可能である、構成9記載の駆動回路。
【0117】
(構成11)
前記第2容量素子は、前記第2圧電素子と並列に電気的に接続された、構成10記載の駆動回路。
【0118】
(構成12)
前記第2容量素子の電気容量は、前記第2圧電素子の電気容量の0.5倍以上1.5倍以下である、構成10または11に記載の駆動回路。
【0119】
(構成13)
前記第2容量素子の電気容量は、前記第2圧電素子の電気容量の0.8倍以上1.2倍以下である、構成10または11に記載の駆動回路。
【0120】
(構成14)
前記第3回路は、第5入力端子及び第6入力端子をさらに含み、前記第5入力端子の電位は固定され、前記第2駆動信号は、前記第5入力端子と前記第6入力端子との間の電位差に応じ、
前記第2回路部は、第4検出部と、第4回路と、をさらに含み、
前記第4検出部は、前記第2容量素子に流れる第2容量素子電流に応じた第4検出信号を出力可能であり、
前記第4回路は、第7入力端子及び第8入力端子を含み、前記第7入力端子に前記第3検出信号が入力され、前記第8入力端子に前記第4検出信号が入力され、前記第4回路は、前記第3検出信号と前記第4検出信号との差に応じた第2差信号を前記第6入力端子に供給可能である、構成10~13のずれか1つに記載の駆動回路。
【0121】
(構成15)
第1回路部を備え、
前記第1回路部は、
第1圧電素子に流れる第1圧電素子電流を検出し前記第1圧電素子電流に応じた第1検出信号を出力可能な第1検出部と、
前記第1圧電素子と電気的に接続された第1容量素子に流れる第1容量素子電流を検出し前記第1容量素子電流に応じた第2検出信号を出力可能な第2検出部と、
第1入力端子及び第2入力端子を含む第1回路であって、前記第1入力端子の電位は固定され、前記第1入力端子と前記第2入力端子との間の電位差に応じた第1駆動信号を前記第1圧電素子及び前記第1容量素子に印加可能な前記第1回路と、
第3入力端子及び第4入力端子を含む第2回路であって、前記第3入力端子に前記第1検出信号が入力され、前記第4入力端子に前記第2検出信号が入力され、前記第1検出信号と前記第2検出信号との差に応じた第1差信号を前記第2入力端子に供給可能な前記第2回路と、
を含む、駆動回路。
【0122】
(構成16)
構成8~14のいずれか1つに記載の駆動回路と、
前記第1圧電素子を含む第1トランスデューサと、前記第2圧電素子を含む第2トランスデューサと、
を備え、
前記第2トランスデューサは、前記第1トランスデューサから送信された音波を受信し、
前記第3検出信号は、前記第1トランスデューサと前記第2トランスデューサとの間にある対象物の状態に応じて変化する、トランスデューサシステム。
【0123】
(構成17)
構成16記載のトランスデューサシステムを備え、
前記第3検出信号に基づいて前記対象物を検査する検査装置。
【0124】
実施形態によれば、動作特性を向上可能な駆動回路、トランスデューサシステム及び検査装置が提供できる。
【0125】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、駆動回路に含まれる検出部及び回路などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0126】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0127】
その他、本発明の実施の形態として上述した駆動回路、トランスデューサシステム及び検査装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての駆動回路、トランスデューサシステム及び検査装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0128】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
10D…第1回路部、 10W…音波、 11~14…第1~第4検出部、 20D…第2回路部、 21~24…第1~第4回路、 21D~24D…差動増幅器、 21a、21b…第1、第2入力端子、 21p、21q、22p、22q、23p、23q、24p、24q…入力部、 22c、22d…第3、第4入力端子、 23e、23f…第5、第6入力端子、 24g、24h…第7、第8入力端子、 41…第1フィルタ、 41a…一端、 41b…他端、 45…入力信号供給部、 47…信号源、 51、52…第1、第2圧電素子、 51F、52F…第1、第2ダイアフラム、 51L、562L…第1、第2圧電層、 51P、52P…分極、 51S、52S…支持部、 51T、52T…第1、第2トランスデューサ、 51a、51b…第1、第2電極、 52c、52d…第3、第4電極、 61、62…第1、第2容量素子、 81…対象物、 81D…異物、 110、110a、120、121…駆動回路、 210…トランスデューサシステム、 310…検査装置、 C051、C052…キャパシタ、 C41a、C41b…キャパシタ、 C51、C52…キャパシタ、 CF1~CF6、CG1~CG5…構成、 Cf21a、Cf21b、Cf22c、Cf22d、Cf23e、Cf23f、Cf24g、Cf24h…キャパシタ、 DT1~DT4…第1~第4検出端子、 Int1、Int3…規格化強度、 L51、L52…インダクタ、 OT1~OT4…第1~第4出力端子、 Ph1…位相、 R11~R14、R21a、R21b、R22c、R22d、R23e、R23f、R24g、R24h…抵抗、 R41a、R41b…抵抗、 R51、R52…抵抗、 Rf21a、Rf21b、Rf22c、Rf22d、Rf23e、Rf23f、Rf24g、Rf24h…抵抗、 Ri51、Ri52…抵抗、 Sd1~Sd4…第1~第4検出信号、 Sf1、Sf2…第1、第2差信号、 Si1…入力信号、 Sv1、Sv2…第1、第2駆動信号、 cp1…電流経路、 f1…周波数、 i051、i052…電流、 i1、i2…第1、第2圧電素子電流、 i51、i52…電流、 i61、i62…第1、第2容量素子電流、 t1…時間、 w1、w2…配線