(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】化粧料塗布装置および化粧料塗布装置の使用方法
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20231101BHJP
A61H 7/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
A45D34/04 540
A45D34/04 535Z
A45D34/04 550
A61H7/00 300K
A61H7/00 300H
(21)【出願番号】P 2020522124
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2019020326
(87)【国際公開番号】W WO2019230529
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2018105439
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由佳子
(72)【発明者】
【氏名】太丸 卓
(72)【発明者】
【氏名】土居 亮介
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0123974(KR,A)
【文献】実開平04-032617(JP,U)
【文献】実開平07-040519(JP,U)
【文献】特開2003-189929(JP,A)
【文献】実開平01-101670(JP,U)
【文献】登録実用新案第3171216(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A61H 7/00、15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料を収容する容器本体と、
前記容器本体の上部にある口部と嵌合し、前記化粧料を吐出するディスペンサーと、
前記化粧料が吐出される塗布回転体と、
前記塗布回転体を前記ディスペンサーから離間して支持するジョイント部と、を有し、
前記塗布回転体が使用者の肌上で回転することで、前記塗布回転体の表面に吐出された化粧料が使用者の肌に塗布され、
前記ディスペンサーは、前記容器本体に固定される固定部と、前記固定部に対して下方移動自在である押し込み移動部と、を備え、
前記押し込み移動部には、前記化粧料を吐出する吐出孔が上部の先端部に形成された、上方に延びるノズル部と、前記ジョイント部と嵌合する押圧用鍔部と、が設けられており、
前記ジョイント部は、前記塗布回転体を前記吐出孔の上方に支持し、
使用者が前記塗布回転体又は前記ジョイント部を押し込むことで、前記押圧用鍔部が設けられた前記押し込み移動部が下方方向に移動して、前記ディスペンサーが作動し、前記ノズル部から上方に位置する前記塗布回転体の表面に前記化粧料を吐出する、
化粧料塗布装置。
【請求項2】
化粧料を収容する容器本体と、
前記容器本体の上部にある口部と嵌合し、前記化粧料を吐出するディスペンサーと、
前記化粧料が吐出される塗布回転体と、
前記塗布回転体を前記ディスペンサーから離間して支持するジョイント部と、を有し、
前記塗布回転体が使用者の肌上で回転することで、前記塗布回転体の表面に吐出された化粧料が使用者の肌に塗布され、
前記ディスペンサーには、前記化粧料を吐出する吐出孔が上部の側端部に形成されたノズル部と、前記ジョイント部と嵌合する押圧用鍔部と、が設けられており、
前記ジョイント部は、前記塗布回転体を前記ノズル部の側方に支持可能であり、
使用者が前記ジョイント部の上端部を押しこむことで、前記押圧用鍔部が下方方向に作動し、前記ディスペンサーが側方に位置する前記塗布回転体に前記化粧料を吐出する、
化粧料塗布装置。
【請求項3】
前記ジョイント部は、前記塗布回転体の位置を、前記ディスペンサーの上方と、側方との間で移動可能なように支持する、
請求項2に記載の化粧料塗布装置。
【請求項4】
前記ディスペンサーは、前記化粧料を霧状にして噴射して吐出する、
請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の化粧料塗布装置。
【請求項5】
前記塗布回転体は、該塗布回転体を構成する円筒の軸方向が、前記ディスペンサーの吐出孔から吐出される前記化粧料の吐出方向と略直角方向となるように配置され、前記円筒の円周表面が多孔質弾性体、繊維の集合体、又はフロッキー加工物で構成される、円筒状のローラである、
請求項
1乃至4のいずれか一項に記載の化粧料塗布装置。
【請求項6】
前記塗布回転体は、該塗布回転体を構成する円筒の軸方向が、前記ディスペンサーの吐出孔から吐出される前記化粧料の吐出方向と略直角方向となるように配置され、前記円筒の円周表面に凹凸を有する硬質の円筒状の塗布ローラである、
請求項1
乃至4のいずれか一項に記載の化粧料塗布装置。
【請求項7】
前記塗布回転体は、該塗布回転体を構成する円筒の軸方向が、前記ディスペンサーの吐出孔から吐出される前記化粧料の吐出方向と略直角方向となるように配置され、前記円筒の円周表面に複数のパフが設けられている、
請求項1
乃至4のいずれか一項記載の化粧料塗布装置。
【請求項8】
前記塗布回転体は、球体である、
請求項1
乃至4のいずれか一項に記載の化粧料塗布装置。
【請求項9】
前記化粧料は、低せん断領域での複素粘度が10000mPa・s以上であり、高せん断領域での損失正接が1以上である、
請求項1に記載の化粧料塗布装置。
【請求項10】
化粧料塗布装置の使用方法であって、
前記化粧料塗布装置は、化粧料を収容する容器本体と、前記容器本体の上部にある口部と嵌合し、前記化粧料を吐出するディスペンサーと、前記化粧料が吐出される塗布回転体と、
前記塗布回転体を前記ディスペンサーから離間して上方に支持するジョイント部と、を有しており、
前記ディスペンサーは、前記容器本体に固定される固定部と、前記固定部に対して下方移動自在である押し込み移動部と、を備え、前記押し込み移動部には、前記化粧料を吐出する吐出孔が上部の先端部に形成された、上方に延びるノズル部と、前記ジョイント部と嵌合する押圧用鍔部と、が設けられており、
使用者が前記塗布回転体又は前記ジョイント部の上端部を押しこむことで、前記押圧用鍔部が下方方向に作動し、前記塗布回転体に化粧料を吐出するステップと、
前記塗布回転体が使用者の肌上で回転することで、前記塗布回転体の表面に吐出された化粧料が使用者の肌に塗布されるステップとを有する、
化粧料塗布装置の使用方法。
【請求項11】
化粧料塗布装置の使用方法であって、
前記化粧料塗布装置は、化粧料を収容する容器本体と、前記容器本体の上部にある口部と嵌合し、
前記化粧料を吐出する吐出孔が上部の側端部に形成されたノズル部と、ジョイント部と嵌合する押圧用鍔部とが設けられた、前記化粧料を吐出するディスペンサーと、前記化粧料が吐出される塗布回転体と、
前記塗布回転体を前記ディスペンサーから離間して前記ノズル部の側方で支持可能である前記ジョイント部と、を有しており、
使用者が前記ジョイント部の上端部を押しこむことで、前記押圧用鍔部が下方方向に作動し、前記塗布回転体に化粧料を吐出するステップと、
前記塗布回転体が使用者の肌上で回転することで、前記塗布回転体の表面に吐出された化粧料が使用者の肌に塗布されるステップとを有する、
化粧料塗布装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料を吐出して使用者の肌に塗布することができる化粧料塗布装置および該化粧料塗布装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水や、乳液、美容クリームなどの化粧料や薬剤等を塗布する際、一般的に、ビン、プラスチック容器、チューブ、缶などのパッケージに収容された化粧料を手の平に出して両手にひろげてから該当部分の肌に延ばしたり、マッサージ所望箇所にその化粧料を付着させて、その後、手によって化粧料を広げていく。そのため、化粧料を塗布する際に、手に化粧料が付着し、手の洗浄が必要になることがあった。
【0003】
また、ローラマッサージ具を用いる際に美容液を併用する使用方法も考えられるが、
(1)容器から美容液を取り出して手に取り、
(2)美容液を塗布し、
(3)ローラを適用する、3段階の行為となり面倒である。
この使用方法では、美容液の付いた手で美容用具を持つとべたついたり汚れたりする欠点があった。
【0004】
そこで、引用文献1では、手を汚さずに、液体やクリームを唇に塗布する装置として、回転体を液体に予め含浸させておき、塗布することが開示されている。
【0005】
また、引用文献2では、粘性の高い液体をローラに付着させてから転写する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許5700737号公報
【文献】特許5841254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成では、唇に塗布することを目的としており、塗布範囲が狭かった。また、装置内において、回転体と液体とが常に接触しているため、着脱可能な蓋を閉め忘れると、液体含浸用の回転体を介して、内部の液体が揮発してしまうおそれがあった。
【0008】
また、特許文献2の構成では、液体がローラに均一に広げられてから塗布されるため、部分的に液体を多く塗布したい場合に何度も塗布する必要があった。また、液体をボトルからローラ表面上に塗布するため、使用できる液体は、ローラに転写する際に流れ落ちないように液体の粘度を高くする必要がある、という制限があった。また、この構成では、液体をローラ表面に広げ伸ばしてから塗布するため、ローラが2つになり装置が大きくなる可能性があった。
【0009】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、使用者が、手を汚さずに、所望の部位に広範囲に化粧料を塗布することができる化粧料塗布装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、
化粧料を収容する容器本体と、
前記容器本体の上部にある口部と嵌合し、前記化粧料を吐出するディスペンサーと、
前記化粧料が吐出される塗布回転体と、
前記塗布回転体を前記ディスペンサーから離間して支持するジョイント部と、を有し、
前記塗布回転体が使用者の肌上で回転することで、前記塗布回転体の表面に吐出された化粧料が使用者の肌に塗布され、
前記ディスペンサーは、前記容器本体に固定される固定部と、前記固定部に対して下方移動自在である押し込み移動部と、を備え、
前記押し込み移動部には、前記化粧料を吐出する吐出孔が上部の先端部に形成された、上方に延びるノズル部と、前記ジョイント部と嵌合する押圧用鍔部と、が設けられており、
前記ジョイント部は、前記塗布回転体を前記吐出孔の上方に支持し、
使用者が前記塗布回転体又は前記ジョイント部を押し込むことで、前記押圧用鍔部が設けられた前記押し込み移動部が下方方向に移動して、前記ディスペンサーが作動し、前記ノズル部から上方に位置する前記塗布回転体の表面に前記化粧料を吐出する、
化粧料塗布装置、を提供する。
【発明の効果】
【0011】
一態様によれば、化粧料塗布装置において、使用者が、手を汚さずに、所望の部位に化粧料を広範囲に塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る化粧料塗布装置の外観図である。
【
図2】
図1の化粧料塗布装置の待機時の断面図である。
【
図3】
図1の化粧料塗布装置の使用時の断面図である。
【
図4A】化粧料塗布装置に含まれるディスペンサーの通常時の断面図である。
【
図4B】化粧料塗布装置に含まれるディスペンサーの押し込み時の断面図である。
【
図5】第1実施形態の化粧料塗布装置を使用者が使用している状態を示す図である。
【
図6】第1実施形態の化粧料塗布装置を使用者が使用中に噴霧している状態を示す図である。
【
図7】第1実施形態の化粧料塗布装置のボトル部を交換する際の断面図である。
【
図8A】第1実施形態の化粧料塗布装置の塗布ローラ及び第2のジョイントの第1の変形例の断面図である。
【
図9A】第1実施形態の化粧料塗布装置の塗布ローラ及び第2のジョイントの第2の変形例の断面図である。
【
図10A】第1実施形態の化粧料塗布装置の塗布ローラ及び第2のジョイントの第3の変形例の断面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る化粧料塗布装置の外観図である。
【
図12】第2実施形態の化粧料塗布装置の変形例の使用時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0014】
本発明の下記の実施形態に係る美容用の化粧料塗布装置は、例えば、化粧水、乳液、マッサージ用液体、液体ファンデーション等の化粧料の塗布用や、あるいは、マッサージ用途に使用される美容機器(美容ローラ、ローラ付き吐出容器)である。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧料塗布装置1の外観図である。
図2は、
図1の化粧料塗布装置1の非使用時(待機時)の部分断面図である。
図3は、
図1の化粧料塗布装置の使用時の断面図である。
【0016】
図1~
図3を参照して化粧料塗布装置1の全体構造について説明する。
【0017】
化粧料塗布装置1は、本体部10と、蓋部11を有する。本体部10は、ボトル部2(
図3参照)と、ディスペンサー3と、第1のジョイント4と、第2のジョイント5と、塗布ローラ6と、係合止め具7と、把持部8と、を備える。
【0018】
ボトル部2は、液体(化粧料)である内容物Lを収容しておく有底の容器本体である。ボトル部2の上部に小径の口部21が設けられている。そして、口部21の周りには、雄ネジ22が設けられている。
【0019】
ディスペンサー3は、上部を押すことにより、内容物を霧状に噴霧する霧状噴射型のノズルを有するスプレー部材(ミストスプレー)である。このディスペンサー3は、一回の押しこみ動作により定量の霧が噴射する。本発明の実施形態において、ディスペンサー3と、ボトル部2が、噴射装置(吐出装置)として機能する。
【0020】
なお、本発明の実施形態において、化粧料を霧状にして塗布ローラに噴霧(噴射する)例を示すが、噴射される液体は、霧状ではなく滴状であってもよい。さらに、塗布ローラに付与される液体は、吐出された泡状であってもよい。「化粧料を吐出する」は、塗布ローラと非接触な吐出孔から、化粧料を霧状又は滴状に噴射すること、及び泡状に吐出することを含むとする。
【0021】
ディスペンサー3は、下部がボトル部2の口部21に外嵌されており、上端には内容物を霧状に吐出する(噴射する)吐出孔(噴射孔、噴霧孔)Oが設けられている。
【0022】
より詳しくは、ディスペンサー3は、ノズル部31と、押圧用鍔部32と、ノズル側環状体33と、ベースキャップ34と、ボトル係合用雌ネジ部35と、シリンダー36と、吸引棒37と、を備える。
【0023】
詳細は、
図4とともに後述するが、ディスペンサー3のうち、ノズル部31と、押圧用鍔部32と、ノズル側環状体33は押し込み移動部38として機能し、ベースキャップ34と、ボトル係合用雌ネジ部35と、シリンダー36と、吸引棒37は、固定部39として機能する。なお、固定部39のうち、下部のシリンダー36と吸引棒37を除いたベースキャップ34と、ボトル係合用雌ネジ部35を取り囲む部分は取付けキャップとして機能する。
【0024】
本実施形態のディスペンサー3において、押し込み移動部38は、押圧用鍔部32が使用者によって下方に押されることで、下方移動自在に配設される。固定部39は、押し込み移動部38が下方に移動することで、ボトル部2に収容された内容物Lを所定量吸い込んでノズル部31へ送る。なお、不図示のバネによって、押し込み移動部38は押し込み後、元の位置に戻る。
【0025】
ノズル部31は、送られた液体を霧状に変換して、吐出孔Oから噴出する、噴霧部として機能する。ノズル部31の先端頂部(上端、先端部)には、内容物を外界へ霧状に吐出(噴出)させる吐出孔Oが設けられている。
【0026】
押圧用鍔部32は、ノズル部31の下側であって、押し込み移動部38の外壁の一部から側方に突出するように設けられた押圧操作用の鍔部である。本構成では押圧用鍔部32は、第1のジョイント4に嵌合されている。
【0027】
ノズル側環状体33は、押圧用鍔部32の下側の部分である。ノズル側環状体33は、押圧用鍔部32が押圧されると、ベースキャップ34の内側に入り込む、環状の内側壁部として機能する。
【0028】
本実施形態では、押圧用鍔部32には、使用者の指が直接接触するのではなく、第1のジョイント4が上から嵌めこまれている。この構成により、塗布ローラ6を押下することにより、ジョイント部4,5を介して、ディスペンサー3に押圧力が伝達され、ディスペンサー3から霧状の内容物が噴出される。ディスペンサー3の内部構造については、
図4とともに詳述する。
【0029】
ベースキャップ34の中央部のポンプ部PP(
図4A参照)の下には、シリンダー36が設けられている。吸引棒37は、シリンダー36の下部分の内側に嵌められ、ボトル部2内に収容された内容物Lを、吸い込む。
【0030】
また、ベースキャップ34の壁部である外側壁部の下には、ボトル係合用雌ネジ部35が設けられている。ボトル係合用雌ネジ部35は、ボトル部2の雄ネジ22と係合することで、ディスペンサー3がボトル部2の口部21に取り付けられる。
【0031】
第1のジョイント4は、ディスペンサー3の押圧用鍔部32に外嵌されている押圧部41と、雌ネジ部42を備える。押圧部41が押圧用鍔部32を下側に移動させるように、第1のジョイント4は、ディスペンサー3の上方から嵌めこまれている。
【0032】
第2のジョイント5は、第1のジョイント4に嵌合されており、塗布ローラ6の下面が吐出孔Oから離間するように、塗布ローラ6を側方から保持する。詳しくは、第2のジョイント5は、雄ネジ部51と、延伸部52と、ローラ保持部53とを有している。雄ネジ部51は、第1のジョイント4の雌ネジ部42と嵌合する。ローラ保持部53は、塗布ローラ6の筒の中心の空洞の両端部を軸受として支持する。延伸部52は、雄ネジ部51から延伸され、ローラ保持部53の端部と連結されている。
【0033】
また、第2のジョイント5は、強度を上げるために、補強部である梁部54が設けられていてもよい。梁部54は、2本の延伸部52を連結する。梁部54には、吐出孔から吐出される霧状の液体の通過を妨害しないように、貫通孔55が形成されている。
【0034】
本実施形態では、塗布ローラ6は両端部のみローラ保持部53によって支持されて、軸方向の中央部には支持されずに、塗布ローラ6は中空の弾性体(スポンジ等)によって構成されている。そのため、顔や首や関節等の肌の凹凸に合わせて、塗布ローラ6の中央付近が変形することができる。そのため、肌に負担を掛けずに、よりソフトに液体の塗布及びマッサージを行うことができる。
【0035】
本例では、延伸部52の先端が、軸部を支持する2本になるように構成し、梁部54によって補強する例を示しているが、延伸部52は、塗布ローラ6の下部を取り囲むように構成してもよい。
【0036】
塗布ローラ6を押下することにより、ジョイント部4,5を介して、ディスペンサー3に押圧力が伝達され、ディスペンサー3から霧状の内容物が噴出される。ボトル部2内に収容される内容物Lは、ディスペンサー3内部において、圧力を加えることで霧状になる液体であって、静置粘度が高く、シェアにより粘度低下を起こすものが良い。
【0037】
本発明において、液体として収容される内容物は、例えば増粘剤として、ジェランガム、キサンタンガム、結晶セルロース、等を含むものであるが、上記条件を満たすものならば増粘剤の種類はこれに限られない。
【0038】
特に、液体として収容される内容物L、例えば、化粧料は、低せん断領域での複素粘度が10000mPa・s以上であり、高せん断領域での損失正接が1以上であると好適である。ここで言う低せん断領域とはストレス制御式レオメーターにてオシレーション測定する際、ひずみ1%以下および、角周波数1rad/s以下を指し、高せん断領域とは角周波数100rad/sにおいてひずみが50%以上である領域を指す。
【0039】
また、塗布ローラ6の下側表面には、離間した配置されるディスペンサー3の吐出孔Oから霧状の内容物が吐出される。
【0040】
係合止め具7は、ディスペンサー3と、把持部8とを連結する。係合止め具7と把持部8の係合状態を解除することで、把持部8を、ボトル部2及びディスペンサー3から取り外すことができる。
【0041】
塗布ローラ6は、使用者の皮膚と接触する塗布回転体である。塗布ローラ6はジョイント部4,5によって、ディスペンサー3の吐出孔Oから離間して配置されており、ディスペンサー3からの噴射対象(吐出対象)となる。本例では塗布回転体の一例である、塗布ローラは、
図2の矢印A方向で示す軸方向が吐出孔Oから噴霧される内容物の吐出方向と略直角方向となるように配置されている。
【0042】
そのため、塗布ローラ6は、ローラの軸方向Aとは略垂直な方向に回転可能である。よって塗布ローラ6が使用者の皮膚と接触して使用される際、装置1を、ローラの軸方向とは略垂直な方向に移動させて、回転しているローラを軸方向とは略垂直な方向である
図3の矢印R方向に肌表面上を、移動させる。
【0043】
本発明の実施形態では、塗布ローラ6の表面に噴霧された内容物Lは、塗布ローラ6が回転することで使用者の肌に塗布される。
【0044】
図1、
図2の示す例では、塗布ローラの大きさは、例えば、直径20mm、幅20mmである。また、そして、塗布ローラの円筒側面の表面がスポンジ等の弾性部材で構成されている。本例では塗布ローラを構成するスポンジ等の弾性部材の材料は、例えば、ウレタン(例えば、ルビーセル(登録商標))、NBR(Nitrile Butadiene Rubber)ゴム、天然ゴム(ラテックス、例えばアクリルニトリルブタジエンラバー)、シリコーン、酢酸ビニール(PVA)等で構成される。
【0045】
さらに、塗布ローラを構成する弾性部材の例として、スポンジに代表される多孔質弾性体の他、不織布などの繊維の集合体(縫製パイル)、フロッキー加工物(ナイロン、レーヨン等を植毛したもの)、その他特殊加工したもの等である。
【0046】
上記の構成により、肌に対して、適度にマッサージ効果を与えることができる。
【0047】
また、塗布ローラ6の下側表面には、ディスペンサー3の吐出孔Oから霧状の内容物が吐出される。
【0048】
把持部8は、使用者の手によって把持される部分であり、
図1では、有底の略八角筒形状をしている。なお、把持部8の形状は、略円筒又は他の略多角筒形状であってもよい。さらに、略円筒又は略多角筒形状の把持部8において、使用者が持ちやすいように窪みや出っ張り等を設けてもよい。また、紛失防止用に、把持部8にストラップ孔を設けてもよい。
【0049】
図1で示すように、蓋部11及び把持部8が、略八角筒形状であるため、本例では、蓋部11を締めた状態で、装置1全体で、略八角柱形状の構成となる。なお、本例は一例であって、装置1全体で、略円柱又は略多角柱形状をしていてもよい。
【0050】
本構成において、使用時、非使用時ともに、ノズル部、及び第2のジョイント部の上側先端に塗布回転体は接触しない。そのため、使用する際に使用する分だけ、内容物を、塗布回転体に吐出すればよいため、塗布回転体に塗布される化粧料等の内容物の酸化による劣化を防ぐことができる。
【0051】
また、
図3に示すように、蓋部11を外した状態で、塗布ローラ6を下に押すことで、ディスペンサー3の押し込み移動部38の一部が固定部39に入るように移動する。この動作により、ディスペンサー3は、内容物を加圧して霧状にして吐出し、塗布ローラ6に霧状の内容物Lを付着させる。
【0052】
【0053】
図4A,
図4Bに示すようにディスペンサー3の押し込み移動部38の内部には、内部に軸孔SHが形成された、上下方向に延伸するステム(円筒状基部)381が設けられている。そして、ステム381の内側には、上部ロッド382、ノズルチップ383、及び操作ロッド384が設けられ、操作ロッド384の内側の下部の一部には、ピストン385が設けられている。上部ロッド382は、軸孔SHの下端から流入する液体の流速を高くしてノズルチップ383から霧状に噴出させることができる。
【0054】
また、固定部39の取り付けキャップの内部には、内側ガイド筒部391が形成されているため、取り付けキャップは、ベースキャップ34と内側ガイド筒部391によって二重の環状起立部を有している。内側ガイド筒部391、操作ロッド384、及びピストン385はポンプ部PPとして機能する。
【0055】
押し込み移動部38は、固定部39に対して、押圧可能に弾性支持されている。
図4Bのように押圧用鍔部32が下方方向に作動すると、押し込み移動部38の一部であるノズル側環状体33は、固定部39側のベースキャップ34の内側に入り込む。ベースキャップ34の外側の壁部は、押し込み移動部38が下方に押し込まれる際に、押し込み移動部38の下端の一部であるノズル側環状体33が内側に進入する外側壁部になる。
【0056】
また、押圧用鍔部32が下方方向に作動して押し込み移動部38を下に移動させることで、操作ロッド384及びピストン385が下降する際に、シリンダー36内の内容物を、軸孔SHに送り込んで、上部ロッド382を介して吐出孔Oから霧状に吐出させる。
【0057】
そして、噴霧(吐出動作)が終了し、押圧用鍔部32を下方方向に押し込む力がなくなると、不図示の弾性部材の弾性力により押し込み移動部38が
図4B⇒
図4Aの状態に戻り、この際に、ボトル部2内からシリンダー36に所定量、内容物Lを吸い込む。
【0058】
上記のディスペンサー3の構成により、ディスペンサー3から塗布ローラ6に噴射される液体に定量性を持たせることができる。例えば、
図4A⇒
図4Bの動作での噴射量は例えば、50μL、70μL、100μL…等であり、予め所定量を設定するのが好ましい。
【0059】
ここで、本明細書において、霧状の吐出(噴霧)とは、液体を直径数10μm以下の霧粒にして、その霧粒が噴出されて大気中に分散しながら移動している状態を指す。
【0060】
なお、本発明の実施形態において、化粧料を霧状にして塗布ローラに噴霧しているが、吐出される液体は、霧状ではなく滴状、泡状であってもよい。
【0061】
滴状の噴射とは、直径数10μmより大きく数mm程度の液粒が吐出されて大気中を略直線状に移動している状態を指す。滴状に吐出する場合よりも、霧状に吐出させる場合の方がノズル部31における内容物(液体)の加圧量が大きい。
【0062】
使用するディスペンサーに基づいて、噴射する液体の粒の大きさ(霧状又は滴状)は、予め設定される。あるいは、液体を噴射するノズル径やノズル内部構成等を調整可能にすることで、噴射される霧又は液滴の大きさを変えるような構成であってもよい。
【0063】
また、泡状に吐出させる場合は、ディスペンサーの泡吐出ノズルは、ポンプのヘッド部分(吐出部)と液を吸い上げるパイプの間に小部屋が設けられ、ポンプのヘッド部を押し込むと、空気がこの小部屋の中で圧縮され、吸い上げた液に空気を混ぜ込み、泡状にして押し出すように構成されている。そして、泡吐出ノズルのポンプのパイプは通常のポンプボトルに比べて、空気圧を高める為により細い物が用いられ、滴状又は霧状に吐出する内容物よりも粘度が低い化粧料が収容される。泡状の液体を吐出する場合は、泡吐出用の専用のディスペンサーに基づいて、予め設定される。
【0064】
図5は、第1実施形態の化粧料塗布装置1を使用している状態を示す図である。
【0065】
本発明の実施形態は、片手で、手を汚さずに肌に化粧料を塗布し、塗布ローラによりマッサージをすることができる。また、塗布ローラ6が噴射されてから塗布ローラ6上では広げられずに塗布されるため、塗布ローラ6が接触する部分が、皮膚における化粧料等の内容物の塗布位置となり、使用者は接触により位置を把握することができる。そのため、顔面への化粧料の塗布であっても、鏡を用いずにマッサージができる。
【0066】
上記により、テレビやDVD等を見ながらや、雑誌を読みながらの、自由な視線のマッサージ動作が可能になる。さらに本構成の噴射装置2,3は片手で操作可能なので、もう片方の手を用いて携帯電話で通話したりネットサーフィンを使用したり、食べ物をつまんだり等、他の動作を行いながら、噴射動作及び肌への塗布動作を実行できる。
【0067】
図6は、第1実施形態の化粧料塗布装置で使用中に噴霧している状態を示す図である。
【0068】
本実施形態の化粧料塗布装置は下方から上方の塗布ローラ6上に噴霧する形態である。そのため、例えば、肌にローラを転がして使用する際に、使用者が顎の下に塗布ローラ6を当てて、把持部8を上に移動させることで、塗布ローラ6が把持部8に対して近づき、ディスペンサー3において押し込み移動部38の一部が固定部39の中に入って噴霧機能が働き、塗布ローラ6に内容物が噴霧される。
【0069】
このように、使用者は、塗布ローラ6に対して1アクションで内容物を噴霧して、その後も塗布ローラ6を移動させることにより内容物を塗り広げられるため、片手で広範囲の肌に対して化粧料を塗布しながらマッサージをすることができる。
【0070】
本構成において、使用時、非使用時ともに、ノズル部の先端に塗布回転体は接触しない。そのため、使用する際に使用する分だけ、塗布回転体に吐出すればよいため、塗布回転体に塗布される化粧料の酸化による劣化を防ぐことができる。
【0071】
また、非使用時は、ディスペンサー3は内部で気密性が確保されているため、蓋部11を締めずに放置してもボトル部2内の内容物の揮発を防止することができる。
【0072】
また、
図6では通常の上吐出(上噴射)時の使用状態を示しているが、シリンダー36の下端に正立・倒立兼用の専用アダプター(不図示)を設けることで、化粧料塗布装置1を傾けた状態や、逆さにした状態で、ディスペンサー3の向きに関わらず、塗布ローラ6の表面に噴霧できるように構成すると、より好適である。
【0073】
図7は、第1実施形態の化粧料塗布装置1のボトル部2を交換する際の断面図を示す。
【0074】
まず、係合止め具7を側面から押しながらひねることで、係合止め具7と把持部8との係合状態を解除する。そして、把持部8に対して、係合止め具7を持ち上げることで、ボトル部2、ディスペンサー3、及び係合止め具7に対して、把持部8が取り外される。
【0075】
そして、ディスペンサー3に対してボトル部2を回転させることで、ボトル部2の雄ネジ22とディスペンサー3のボトル係合用雌ネジ部35との係合が解除され、ディスペンサー3に対して、ボトル部2が取り外される。ボトル部2を取り外し後、新たなボトル部を取りつけることで、ボトル部2を交換可能である。
【0076】
本発明の実施形態では、内容物である液体を使い切っても、上記手順によりボトル部を交換する、あるいは、ボトル部を一旦外して液体を充填し、再び装着することで、化粧料塗布装置1のその他の部分を長く使用することが可能になる。
【0077】
また、塗布ローラは、塗布ローラ6の第2のジョイント5のローラ保持部53よりも外周部分の側面を、横方向から中央側に押し潰すように変形させることで第2のジョイント5から取り外し可能である。塗布ローラ6が第2のジョイント5から取り外し可能であることで、塗布ローラ6を別の種類の塗布回転体にも交換可能である。
【0078】
塗布回転体の一例である塗布ローラを交換する際、同じ種類の塗布回転体に交換してもよいし、あるいは、違う種類の塗布回転体に交換してもよい。本発明の実施形態では、塗布回転体が汚れたり、消耗したりしても、塗布回転体を交換することで、化粧料塗布装置のその他の部分を長く使用することが可能になるとともに、違う種類に交換することで、化粧料塗布装置を、複数の用途に適用可能にする。
【0079】
【0080】
<塗布ローラの変形例1>
図8A,
図8Bは、第1実施形態の化粧料塗布装置の塗布ローラの第1の変形例の説明図である。詳しくは、
図8Aは塗布ローラ6A及び第2のジョイント5の断面図であり、
図8Bは、
図8Aの矢印方向から見た矢視図を示す。
図8A,
図8Bでは、塗布ローラ6Aが硬質ローラ61で構成される例を示す。
【0081】
塗布ローラ6Aの筒部である硬質ローラ61は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂や金属などで構成されている。
【0082】
本構成の硬質ローラ61の外周表面には、複数のスジ状突起62が設けられている。スジ状突起62は、
図8Aに示すように、円筒の幅方向に延伸しており、
図8Bに示すように、円周方向に複数設けられている。
【0083】
また、硬質ローラ61表面の凹凸を形成する、スジ状突起62は、高さPtは0.5mm、幅Pwは18mm程度であるスジ状突起62の素材は、硬質ローラと同一であっても異なる素材であってもよい。
【0084】
本変形例の構成の塗布ローラ6Aは、塗布動作を行う際、肌への肌の奥にある筋肉までローラ表面の凹凸による刺激が到達するため、例えば、化粧料を塗布しつつ、コリの解消など、筋肉に刺激をするためのマッサージに用いる場合に、有効である。
【0085】
なお、本例では硬質ローラには、表面にスジ状突起が設けられている例を示したが、例えば丸みを帯びた略円柱状の粒状の突起、あるいは半球状の突起が幅方向に配列されて、円周方向に複数設けられる構成であってもよい。
【0086】
<塗布ローラの変形例2>
図9A,
図9Bは、第1実施形態の化粧料塗布装置の塗布ローラの第2の変形例の説明図である。詳しくは、
図9Aは塗布ローラ6B及び第2のジョイント5の断面図であり、
図9Bは、
図9Aの矢印方向から見た矢視図を示す。
図9A,
図9Bでは、塗布ローラ6Bは、軸部64の表面に複数のパフ63を設けたローラである例を示す。
【0087】
なお、本例において、複数のパフとして、3つのパフが設けられている例を示しているが、軸部64に直接1つのパフを巻きつけても良いし、複数のパフの数は、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0088】
このパフは、ゲル状の素材で構成されていてもよい。本構成例では、例えば使用時のパフに当たった感触が肌に触れているような柔らかな感触を得ることができ、また、スポンジのような多孔質体のように液体を含浸せずに使用できるので、洗浄等の必要性が低くなるという効果がある。
【0089】
図8A~
図9Bの塗布ローラの交換について、塗布ローラ部分のみの交換について説明したが、塗布回転体の種類を交換する際、塗布ローラを保持する第2のジョイント5も一緒に交換してもよい。
【0090】
<塗布回転体:変形例3>
図10A,
図10Bは、第1実施形態の化粧料塗布装置の塗布回転体の第3の変形例の説明図である。詳しくは、
図10Aは塗布回転体6C及び第2のジョイント5Cの断面図であり、
図10Bは、
図10Aの矢印方向から見た矢視図を示す。
図10A,
図10Bでは、塗布回転体6Cは球体である例を示している。
【0091】
本実施形態の塗布回転体である塗布球体65は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、金属等で構成される。あるいは、塗布球体65は肌と接触する表面部分はスポンジ等で球体を包むように構成されてもよい。
【0092】
また、本実施形態の第2のジョイント5Cは、第1のジョイント4に嵌合され、塗布球体65の下面が、吐出孔Oから離間するように塗布球体65の下面及び上側縁部を保持する。詳しくは、第2のジョイント5Cは、雄ネジ部51と、延伸部52Cと、梁部54Cと、ローラ抜け防止部56と、ローラ載置部57とを有している。
【0093】
本実施形態において、塗布球体65は、延伸部52Cを外側に引っ張った状態で、梁部54C上に設けられたローラ載置部57に載置される。そして、延伸部52Cを元の状態に戻すことで、ローラ抜け防止部56が、塗布球体65の一部が延伸部52Cから飛び出るように、塗布球体65の半分よりも上の部分の縁部を挟み込む。
【0094】
このように、塗布回転体6Cが塗布球体65であり、第2のジョイント5Cによって、上部の縁部の周辺を保持されるため、塗布球体65の回転方向は制限されない。そのため、塗布球体65の回転方向は自由自在なので、使用者は、本変形例が適用される化粧料塗布装置を肌表面において、自由な方向に移動させることができる。
【0095】
しかし、本変形例の構成では、塗布の際に肌との接触の中央部に集中して力がかかり、面で均一に接する第1実施形態と比較して、位置あたりの接触面積は小さくなる。そのため、用途に応じて、適宜、塗布回転体の種類を選択して取り付けると好適である。
【0096】
なお、上記の第1実施形態及び変形例1~変形例3において第1のジョイント4と第2のジョイント5は別体で構成されているが、ジョイントは1パーツで構成され、押圧用鍔部32に直接嵌合されていてもよい。
【0097】
<第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態に係る化粧料塗布装置1Dの外観図である。
図12は、第2実施形態の変形例に係る化粧料塗布装置1Eの断面図である。
【0098】
本実施形態では、ディスペンサー30は、噴霧部として、上向きに噴出するノズル部の代わりに、内容物である液体を霧状にして、横向きに噴霧する押圧ヘッド部31Eが設けられている。押圧ヘッド部31Eは、側方(側端部)に吐出孔Pが形成されている。
【0099】
本実施形態のディスペンサー30は、押圧用鍔部32は、押圧ヘッド部31Eの下側から側方に突出している。押し込み移動部38Eは、押圧用鍔部32に下方の力が付勢されることで、下方移動自在に配設される。また、固定部39Eは、押し込み移動部38Eが下方に移動することで、ボトル部2に収容された内容物Lを所定量吸い込んで押圧ヘッド部31Eへ送るポンプ機能を有する。
【0100】
本実施形態では、さらに、ジョイント部として、第2のジョイント50に連結され、軸を中心に枢動回転する回転ジョイント9(9E)を有する。
【0101】
また、本実施形態では、第2のジョイント50の支持部である延伸部52Eは、使用時の塗布ローラ60に対向する部分が貫通孔59として開口しており、第2のジョイント50の上端部である頭部58が押下されることで、第1のジョイント4を介して押圧用鍔部32に下方の力がかかり、ディスペンサー30の押し込み移動部38Eは下方移動されるように配設されている。したがって、本実施形態では、使用者の指によって、第2のジョイント50の頭部58を押下することにより、塗布ローラ60上に、霧状の内容物Lが噴出(吐出)される。
【0102】
なお、回転ジョイント9が
図11のように使用時に真上にくる構成の場合は、上端部である回転ジョイント9を押下することで、内容物を噴出させてもよい。
【0103】
そして、本実施形態では、ディスペンサー30に対して、軸を中心に枢動可能な回転ジョイント9(9E)が設けられている。使用者は、使用の際は、塗布ローラ60が側方に位置するように、回転ジョイント9(9E)を横向きにする。そして、非使用の際は、塗布ローラ60が上方に位置するように、回転ジョイント9(9E)を上向きにする。
【0104】
したがって、本実施形態では、使用時のみ塗布ローラ6を側方に移動させ、塗布ローラ60を上に移動可能であることで、非使用時はスペースのコンパクト化が可能である。
【0105】
本実施形態では、横向きの吐出(噴射)のため、例えば、使用者は、座った状態で顔の額や頬に押し当てながら、指で第2のジョイント50の頭部58を押すことで、噴霧ができる。そのため、塗布ローラ60へ液体を追加する際に、使用者の皮膚に対する塗布ローラ60の圧力を変化させずに、塗布ローラ60へ塗布させることが出来、塗布することが目的な場合に、より繊細な肌ケアが可能になる。
【0106】
上記例では、液体を例として説明したが、本発明の美容用の化粧料塗布装置の収容部で収容可能な内容物(化粧料)Lは他の液体であってもよい。例えば、乳液、美容クリーム、マッサージ料、地肌用マッサージ剤、ダイエット用マッサージ剤、清涼剤、温暖剤、等でありうる。さらに、本発明に係る化粧料には、花粉吸着防止剤を含むものとする。
【0107】
また、上記例では、容器本体が有底形状のボトル部である例を示すが、容器本体はチューブ形状であってもよい。また上記例では、ボトル部2は吸引棒37を有する一般的なボトルである例を示したが、容器本体はボトル内部に中底ピストンを設けることで、ボトル内部を真空状態にするエアレスボトルであってもよい。あるいは、容器本体は、ボトル内部に、外容器であるボトルに対して剥離可能に装着された可撓性を有する内袋を設けることで、内袋を真空状態にする二重構造のエアレスボトルであってもよい。
【0108】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0109】
例えば、化粧料塗布装置1は必ずしも係合止め具7、把持部8、蓋部11は必要ではなく、ボトル部2、ディスペンサー3、第1のジョイント4、第2のジョイント5、塗布ローラ(塗布回転体)6で構成されていてもよい。
【0110】
本出願は、2018年5月31日に日本国特許庁に出願された特願2018-105439号に基づく優先権を主張するものであり、特願2018-105439号の全内容を本出願に援用する。
【符号の説明】
【0111】
1,1D,1E 化粧料塗布装置
2 ボトル部(容器本体、噴射装置)
3 ディスペンサー(噴射装置)
4 第1のジョイント(ジョイント部)
5,5C 第2のジョイント(ジョイント部)
6 塗布ローラ(塗布回転体)
6A 塗布ローラ(塗布回転体)
6B 塗布ローラ(塗布回転体)
6C 塗布球体(塗布回転体)
7 係合止め具
8 把持部
9 回転ジョイント(ジョイント部)
10 本体部
11 蓋部
30 ディスペンサー
31 ノズル部(吐出部、噴射部)
31E 押圧ヘッド部(吐出部、噴射部)
32 押圧用鍔部
33 ノズル側環状体
34 ベースキャップ
35 ボトル係合用雌ネジ部
36 シリンダー
37 吸引棒
38 押し込み移動部
381 ステム
382 上部ロッド
383 ノズルチップ
384 操作ロッド(ポンプ部)
385 ピストン(ポンプ部)
39 固定部
391 内側ガイド筒部(ポンプ部)
41 押圧部
42 雌ネジ部
50 第2のジョイント(ジョイント部)
51 雄ネジ部
52,52E 延伸部(支持部)
53 ローラ保持部
54,54C,54E 梁部(補強部)
55 貫通孔
56 ローラ抜け防止部
57 ローラ載置部
58 頭部
59 貫通孔
60 塗布ローラ
L 内容物(液体、化粧料)