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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-31
(45)【発行日】2023-11-09
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20231101BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20231101BHJP
   A24D 3/10 20060101ALI20231101BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20231101BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/02
A24D3/10
A24D1/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020544631
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2019054546
(87)【国際公開番号】W WO2019170455
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】18160817.5
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】フェラーリ エヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディル イヴ
(72)【発明者】
【氏名】トリッツ ポー ヨーク
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-532439(JP,A)
【文献】特表2017-518041(JP,A)
【文献】特表2003-525043(JP,A)
【文献】特表2015-523093(JP,A)
【文献】特表2015-506183(JP,A)
【文献】米国特許第04869275(US,A)
【文献】特表2005-523680(JP,A)
【文献】特表2015-524273(JP,A)
【文献】特表2015-509374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
-その周りに一体的に形成されたスリーブ内のエアロゾル透過性コアを備えるエアロゾル透過要素であって、前記エアロゾル透過性コアが、前記一体的に形成されたスリーブより短く、前記エアロゾル透過要素が、中空である一端および前記エアロゾル透過性コアを備える前記エアロゾル透過要素のもう一方の端を備える、エアロゾル透過要素と、
-エアロゾル発生材料のロッドであって、その一部分が前記エアロゾル透過要素の前記中空端内に受容され、かつ前記スリーブが0.1ミリメートル~4ミリメートルの壁厚さを備えるエアロゾル発生材料のロッドとを備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル透過性コアが、前記スリーブの長さの半分未満である、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記スリーブが高分子押出成形品を備える、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記エアロゾル透過性コアが、それに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有する発泡性の高分子押出成形品を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記スリーブがポリ乳酸材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記エアロゾル透過性コアが、ポリ乳酸、アセテート、またはセルロース材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記スリーブが0.3ミリメートル~3ミリメートルの壁厚さを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記エアロゾル透過性コアが4ミリメートル~7.5ミリメートルの直径を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素の製造方法であって、
複数のエアロゾル透過性コアを第一の速度で搬送経路に沿って搬送することと、
スリーブ内の連続する複数のコアの間に空間を生成するために、前記スリーブを前記第一の速度より大きい第二の速度で各コアの周りに形成することとを含む、方法。
【請求項10】
各々が第一の中空端と、前記複数のエアロゾル透過性コアのうちの一つの少なくとも一部を有する第二の端とを備える、一連のエアロゾル透過要素を形成するために、隣接する複数のエアロゾル透過性コアの間で前記スリーブを切り離すことを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各々が第一の中空端と、前記複数のエアロゾル透過性コアのうちの一つの一部を有する第二の端とを備える前記一連のエアロゾル透過要素を形成するために、前記スリーブおよび各エアロゾル透過性コアの両方を一連の第一の位置で切り離すことと、各連続する一対のエアロゾル透過性コアの間の一連の第二の位置で前記スリーブを切り離すこととを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のエアロゾル透過性コアを形成するために、それに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有する連続的な押出成形品を供給することおよび切り離すことを含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記連続的な押出成形品を形成するために、コアダイを通してコア材料を押出成形することと、前記複数のエアロゾル透過性コアを形成するために、前記コアダイからの前記連続的な押出成形品を供給することおよび切り離すこととを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エアロゾル透過性コアの周りに前記スリーブを形成するために、スリーブ材料をスリーブダイを通して押出成形することを含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
エアロゾル発生物品のエアロゾル透過要素を製造するための装置であって、
-複数のエアロゾル透過性コアを第一の速度で搬送経路に沿って搬送するための搬送手段またはコンベヤーと、
-各エアロゾル透過性コアの周りに第二の速度でスリーブを形成するためのスリーブ形成手段または形成機であって、前記スリーブ内で連続する複数のエアロゾル透過性コアの間に空間を生成するために前記第二の速度が前記第一の速度より大きい、スリーブ形成手段または形成機とを備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してエアロゾル発生物品に関する。より具体的には、排他的ではないものの、本発明は、管状に成形されたエアロゾル発生物品(特に、エアロゾル形成基体を燃焼することなく加熱するように構成されたこうしたエアロゾル発生物品を含む)で使用されるエアロゾル透過要素に関する。本発明はまた、こうした物品および要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品のフィルター部品または冷却部品は幾つかの機能を実行し、そのため、その特性の幾つかはその設計および製造において考慮されなければならない。フィルター部品の主な役割は濾過効率または冷却効率であり、すなわちエアロゾルの望ましくない構成成分を除去することにおけるその有効性であるが、しかしこれは常に、エアロゾルがフィルターを通過する際に起こる圧力降下である全体的な引き出し抵抗とのバランスを取る必要がある。エアロゾル形成基体を燃焼することなく加熱するように構成されたエアロゾル発生物品に伴う追加的な複雑な問題は、感覚媒体の量がより密に充填される傾向があることである。そのため、こうしたエアロゾル発生物品の感覚媒体によって提供される固有の引き出し抵抗は、従来の可燃性エアロゾル発生物品の引き出し抵抗よりも概してずっと大きい。
【0003】
フィルター部品には、消費者の口との相互作用からもたらされる幾つかのその他の要件がある。これらには、例えば構造的な剛直さ、および湿潤に対する抵抗が含まれる。エアロゾル発生物品のフィルター部品は、消費者によってその上に加えられる著しい圧縮力をしばしば経験する可能性がある。一部の消費者はまた、フィルター部品を噛むことを楽しみ、また圧縮性に対する抵抗について期待を有することがよくある。フィルター部品の構造は、こうした力に耐えながら、その主な機能を実施し続けることができる必要がある。フィルター部品はまた、唾液への曝露にもかかわらず、機能し続ける必要があり、かつエアロゾル形成基体の湿潤を回避するためにフィルター部品を通した唾液の伝達を最小化または防止する必要がある。
【0004】
これらの競合する要件、すなわち有効な濾過、最小限の引き出し抵抗、圧縮性、および湿潤に対する抵抗性は、最終製品においてすべてバランスが取れている必要がある。従って、これらの競合する要因の間のバランスを提供するエアロゾル透過要素を提供することが有利であることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアロゾル発生物品のフィルター部品を製造する一つの周知の方法は、例えばフィルター材料(例えばセルロースアセテート)の連続的なロッドを、移動するラッピングペーパーの帯の上で引っ張ることを伴い、このラッピングペーパーはロッドの周りに閉じられて糊付けされる。次に、巻かれた連続的なロッドは、ある長さまたはスティックに切断され、これはその後チッピングペーパーによってエアロゾル発生物品の残りの部分に接合されて、これは湿潤に対して必要な抵抗を提供する。ラッピングペーパーは概して、口の圧力に抵抗するために硬く、これは成形を困難にする。さらに、それはエアロゾルの味覚に影響を与える可能性があり、また糊付けプロセスは課題を呈しうる。
【0006】
喫煙物品のフィルター部品を製造する別の周知の方法は、硬いラッピングペーパーの代わりに積層されたポリ乳酸(PLA)シートの使用を伴う。PLAシートは、成形がより簡単であり、唾液および空気の伝達に抵抗し、かつ生分解性である。しかしながら、こうしたシートは依然としてラッピングペーパーと同じ不都合な点の一部を共有する。
【0007】
従って、エアロゾル透過要素を製造する代替的な方法、好ましくは周知の喫煙物品に伴う一つ以上の問題を少なくとも軽減する方法を提供することが有利であることになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その結果、本発明の第一の態様は、エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素を提供し、エアロゾル透過要素は、その周りに一体的に形成されたスリーブ内のエアロゾル透過性コアを備え、コアは一体的に形成されたスリーブより短い。
【0009】
コアより長い一体型スリーブを提供することは、一体型スリーブの一部分をエアロゾル発生物品の残りの部分との界面として使用することを可能にし、これによって先行技術の構造に対する有効な代替案を提供する。加えて、こうした自由空間または間隙は、ユーザーへの送達前にエアロゾルのさらなる冷却または混合を可能にする場合がある。
【0010】
コアの長さは、2ミリメートル~10ミリメートルであってもよく、例えば3ミリメートル~8ミリメートル(4ミリメートル~7ミリメートルなど)であってもよい。スリーブの長さは、20ミリメートル~200ミリメートルであってもよく、例えば60ミリメートル~150ミリメートル(50ミリメートル~120ミリメートルなど)であってもよい。コアは、スリーブの長さの80パーセントまたは75パーセント以下、例えば半分未満であってもよい。実施形態において、コアは、スリーブの長さの2パーセント~15パーセント(4パーセント~7パーセントなど)である。エアロゾル透過要素は、中空であってもよい一つの端または側、例えば第一の端、または中空端、または第一の中空端を備えてもよい。エアロゾル透過要素は、例えばその中にエアロゾル透過性コアを有する別の端もしくは別の側、または第二の端もしくは第二の側を備えてもよい。
【0011】
スリーブは高分子押出成形品を備えてもよい。スリーブは、ポリ乳酸材料、例えば押出成形されたポリ乳酸材料、またはその他の高分子化合物、または押出成形されたポリ乳酸材料およびその他の高分子化合物を含んでもよい。スリーブは、0.1ミリメートル~4ミリメートルの厚さ、例えば0.2ミリメートル~3ミリメートルの厚さ(例えば、壁厚さ)を備えてもよい。スリーブは、0.3ミリメートル~2ミリメートル(0.5ミリメートル~1.5ミリメートルなど)の厚さを備えることが好ましい。
【0012】
コアは高分子押出成形品を含んでもよく、これは発泡性であってもよく、またはそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよく、または発泡性であってかつそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよい。経路の少なくとも一つは、コア押出成形品内に特徴付けられうる。別の方法として、または追加的に、経路の少なくとも一つは、例えばスリーブと協働する、その外表面上のチャネルによって特徴付けられてもよい。少なくとも一つの経路または各経路は、らせん状またはらせん形であってもよい。コアは、ポリ乳酸、アセテートまたはセルロース材料を含んでもよい。コアは、一つ以上の延伸繊維のクラスターを備えてもよく、これは延伸繊維を囲むラップ(例えば、紙ラップまたはプラスチックラップ)を備えてもよい。コアは、2ミリメートル~9ミリメートルであってもよく、例えばコアは2ミリメートル~9ミリメートルの直径を備えてもよい。コアは、4ミリメートル~6ミリメートルであることが好ましく、例えばコアは4ミリメートル~7.5ミリメートルの直径を備えてもよい。
【0013】
外側スリーブは、透過要素に特定の外観を与えるように、紙などのラッパーの中にさらに巻かれてもよい。
【0014】
本発明の別の態様は、上述の通りのエアロゾル透過要素を備えるエアロゾル発生物品を提供する。
【0015】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料(例えば、たばこ)を含んでもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料のロッドを備えてもよく、これはエアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよく、例えばその一部分は中空端内に受容されてもよい。実施形態において、エアロゾル発生物品は、中にエアロゾル発生材料または感覚材料が受容されるさらなるスリーブを備える。さらなるスリーブはエアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよく、例えばその一部分は中空端内に受容されてもよい。外部ラッパーはまた、要素を一緒に固定してもよい。
【0016】
エアロゾル発生物品は、
-その周りに一体的に形成されたスリーブ内のエアロゾル透過性コアを備えるエアロゾル透過要素であって、エアロゾル透過性コアが、一体的に形成されたスリーブより短い、エアロゾル透過要素と、
-エアロゾル発生材料のロッドであって、その一部分がエアロゾル透過要素の中空端内に受容されている、エアロゾル発生材料のロッドとを備える。
【0017】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素を製造する方法を提供し、方法は、複数のエアロゾル透過性コアを第一の速度または第一のレートで搬送経路に沿って搬送することと、スリーブ内の連続する複数のコア間に空間を生成するために、第一の速度または第一のレートより大きい第二の速度または第二のレートで各コアの周りにスリーブを形成することとを含む。
【0018】
相対速度または相対レートを選択することによって、一体型スリーブを所定の長さの空間を有して形成することができ、これによって一連の一体型のエアロゾル透過要素を提供し、次いでこれは上述のエアロゾル透過要素を提供するように分離されることができる。
【0019】
方法は、搬送手段またはコンベヤーを使用して複数のエアロゾル透過性コアを搬送することを含んでもよい。方法は、スリーブ形成手段またはスリーブ形成機を使用して各コアの周りにスリーブを形成することを含んでもよい。方法は、例えば一連のエアロゾル透過要素を形成するために、例えばスリーブ、もしくは各コア、またはスリーブと各コアなどを分離すること、例えば切断することまたは切り離すことを含んでもよい。方法は、分離手段またはセパレータを使用して、スリーブ、もしくは各コア、またはスリーブと各コアを分離することを含んでもよい。
【0020】
スリーブは、各コアの間で、例えば各コアの第一の端にて、もしくはそれに隣接して、または各隣接するコアから実質的に等距離の場所にて分離されてもよい。スリーブおよびコアは両方とも、コアの中央にて、もしくはこれに隣接して、またはコアの中央部分にて、もしくはこれに隣接して分離されてもよい。一連のエアロゾル透過要素は、エアロゾル透過要素の各々が第一の中空端と、コアのうちの一つの少なくとも一部を有する第二の端とを備えるように形成されてもよい。
【0021】
一部の実施形態において、各コアは、各エアロゾル透過要素で必要とされる長さと均等である。こうした実施形態において、スリーブは、各コアの第一の端にて、またはそれに隣接して分離されてもよい。
【0022】
他の実施形態において、各コアは、例えば各エアロゾル透過要素で必要とされる長さの二倍より長くてもよい。こうした実施形態において、方法は、スリーブと各コアの両方を一つ以上または一連の第一の位置にて分離すること、またはスリーブ(例えば、スリーブのみ)を一つ以上または一連の第二の位置(例えば、各連続するコアの対の間)にて分離することを含んでもよい。各第一の位置は、コアのうちの一つの中央または中央部分にあってもよく、またはそれに隣接していてもよい。各第二の位置は、各隣接するコアから実質的に等距離の場所にあってもよい。
【0023】
方法は、例えばコア送達手段を使用して、複数のコアを形成するために押出成形品を供給することを含んでもよい。方法は、例えばコア切断手段またはコア切断ステーションを使用して、押出成形品を分離する、または切断する、または切り離すことを含んでもよい。押出成形品は連続的であってもよく、またはそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよく、または連続的であって、かつそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよい。方法は、押出成形品を形成するために、コア材料を例えばコアダイを通して押出成形することを含んでもよい。方法は、複数のコアを形成するためにコアダイから押出成形品を供給することを含んでもよい。方法は、冷却媒体または冷却浴を通して、押出成形品を引き出すことを含んでもよい。押出成形品は、例えばコアダイの下流に、またはコアダイと冷却媒体または冷却浴との間に実質的に円錐状の形状を形成するように、引き出されてもよい。別の方法として、方法は、押出成形品を予め形成された押出成形品として供給することを含んでもよい。方法は、ロールなどの送達装置から押出成形品を供給することを含んでもよい。
【0024】
方法は、コアの周りにスリーブを形成するために、スリーブ材料を例えばスリーブダイを通して押出成形することを含んでもよい。方法は、コアを包含する押出成形されたスリーブを、例えば第二の速度またはレートで引き出すことを含んでもよい。コアは、スリーブダイを通して、例えばスリーブダイを通して中央であってもよい通路、開口または開口部を通して供給されてもよい。スリーブダイは、通路を包囲する直径もしくは環状部を有する、または形成する出口を備えてもよい。特定の実施形態において、スリーブダイはコアより大きく、例えば大幅により大きい。方法は、スリーブ押出成形品が実質的に円錐状の形状を、例えばスリーブダイの下流に形成するように、コアを包含する押出成形されたスリーブを引き出すことを含んでもよい。
【0025】
方法は、コアを包含する押出成形されたスリーブを、冷却媒体または冷却浴を通して引き出すことを含んでもよい。方法は、コアを包含する押出成形されたスリーブを、二次的なダイまたは直径検証装置を通して引き出すことを含んでもよい。スリーブ押出成形品が実質的に円錐状の形状を、スリーブダイと冷却媒体または冷却浴との間に形成するように、コアを包含する押出成形されたスリーブは引き出されてもよい。スリーブ押出成形品が実質的に円錐状の形状を、スリーブダイと二次的なダイまたは直径検証装置との間に形成するように、コアを包含する押出成形されたスリーブは引き出されてもよい。
【0026】
本発明の別の態様は、上述の通りのエアロゾル透過要素を製造することと、エアロゾル透過要素を、感覚媒体(例えば、たばこ)を含有するロッドと組み合わせることとを含む、エアロゾル発生物品を製造する方法を提供する。
【0027】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料(例えば、たばこ)を含んでもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生材料または感覚材料のロッドを備えてもよく、これはエアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよく、例えばその一部分は中空端内に受容されてもよい。実施形態において、エアロゾル発生物品は、中にエアロゾル発生材料または感覚材料が受容されるさらなるスリーブを備える。さらなるスリーブはエアロゾル透過要素に接続、固定、または取り付けられてもよく、例えばその一部分は中空端内に受容されてもよい。
【0028】
本発明の別の態様は、その周りに一体的に形成されたスリーブ内で相互から離隔した複数のコアを備えるエアロゾル発生物品で使用する一連の一体型のエアロゾル透過要素を提供する。
【0029】
一連の一体型のエアロゾル透過要素は、エアロゾル透過要素を製造する前述の方法の中間製品を含んでもよい。
【0030】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生物品のエアロゾル透過要素を提供し、エアロゾル透過要素は、上述の通りの一連の一体型のエアロゾル透過要素の切り離されたセクションを含む。本発明のまた別の態様は、こうしたエアロゾル透過要素を備えるエアロゾル発生物品を提供する。
【0031】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生物品のエアロゾル透過要素を製造するための装置を提供し、装置は、複数のエアロゾル透過性コアを搬送経路に沿って第一の速度で搬送するための搬送手段またはコンベヤーと、各エアロゾル透過性コアの周りにスリーブを第二の速度で形成するためのスリーブ形成手段またはスリーブ形成機とを備え、スリーブ内の連続する複数のエアロゾル透過性コア間に空間を生成するために第二の速度は第一の速度より大きい。
【0032】
スリーブ形成手段は、例えばスリーブを各コアの周りに押出成形するためのスリーブ押出成形機を備えてもよい。スリーブ形成手段は、スリーブダイを含んでもよく、これは、使用時にスリーブ押出成形機からスリーブ材料(例えば、溶融スリーブ材料)が受容される入口を備えてもよい。スリーブダイは、中央通路、例えば開口または開口部を備えてもよい。搬送経路は中央通路を通過してもよい。搬送手段は、使用時に中央通路を通して複数のエアロゾル透過性コアを搬送するように構成されてもよく、または動作可能であってもよい。スリーブダイは、例えば使用時に、中央通路を通過する複数のコアの周りに、押出成形されたスリーブ材料を供給するために、供給経路もしくは中央通路または搬送経路と中央通路の両方を囲んでもよい、出口を備えてもよい。
【0033】
装置は、コアを包含するスリーブを引き出すための、スリーブ形成手段の下流にあってもよい引き出し手段、機構、または装置を備えてもよい。引き出し手段は引張装置を備えてもよく、これはコアを包含するスリーブを引っ張るまたは引き出すためのモーターおよび搬送手段またはコンベヤーを備えてもよい。搬送手段は、一つ以上(一組または一対など)の引張ローラーを備えてもよい。
【0034】
装置は、エアロゾル透過要素分離手段またはセパレータを備えてもよい。装置または分離手段は、例えば形成されたスリーブおよびコアを複数のエアロゾル透過要素に切断するための切断手段または切断ステーションを備えてもよい。切断手段または切断ステーションは、スリーブ形成手段もしくは引き出し手段の下流、またはスリーブ形成手段と引き出し手段の両方の下流にあってもよい。切断手段は、一連の(例えば、前述の一連の)エアロゾル透過要素を形成するために、スリーブ形成手段を出るスリーブもしくはコアを分離する、切断する、または切り離すためのもの、またはスリーブとコアの両方を分離する、切断する、または切り離すためのものであってもよい。
【0035】
装置は、例えば複数のコアを搬送手段に送達するためのコア送達手段またはコア送達装置を備えてもよい。コア送達手段は、複数のコアを形成するために、例えば連続的な押出成形品を受容し、かつ切り離すためのコア切断手段またはコア切断ステーションを備えてもよい。
【0036】
一部の実施形態において、コア送達手段は、予め形成されたコア押出成形品の供給(例えば、ロール)を含む。供給は、例えば予め形成されたコア押出成形品をコア切断手段に供給するためのコア切断手段に動作可能に接続されてもよい。
【0037】
別の方法として、装置またはコア送達手段は、コア形成手段またはコア形成機を備えてもよい。コア形成手段は、例えば押出成形品を形成するためのコア押出成形機を備えてもよく、これは連続的であってもよく、またはそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよく、または連続的であってかつそれに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有してもよい。コア形成手段はコアダイを備えてもよく、これは一つのメス部分もしくはメス部品、または一つ以上のオス部分もしくはオス部品、またはメス部分とオス部分もしくはメス部品とオス部品を含んでもよい。メス部分またはメス部品は、例えば押出成形品の外表面を形成するための外壁を備えてもよい。各オス部分またはオス部品は、メス部分内に懸架または固定されてもよいコアを備えてもよい。各オス部分またはオス部品は、押出成形品に沿った経路のうちの一つを形成するために構成されてもよく、または適切であってもよい。オス部分またはオス部品は、例えばコア部材が押出成形品内にらせん状経路またはらせん形経路を作り出すように、例えばメス部品内で回転可能であってもよい。
【0038】
コア形成手段は、その中に冷却媒体を備えてもよい、または包含してもよい冷却浴などのコア冷却手段を備えてもよい。コア冷却手段は、コア押出成形機もしくはコアダイの下流、またはコア押出成形機とコアダイの両方の下流にあってもよい。コア形成手段は、コア押出成形品を引き出すために、コア押出成形機もしくはコアダイもしくはコア冷却手段、またはこれらの任意の組み合わせの下流にあってもよい、コア引き出し手段、機構、または装置を備えてもよい。コア形成手段は、例えばコアダイの下流に、またはコアダイとコア冷却手段の間に、コア押出成形品が使用時に引き出されて、実質的に円錐状の形状を形成するように構成されてもよい。コア形成手段は、例えば経路の所定のつる巻角を作り出すために、コアが引き出される速度に対してオス部品の回転速度を変化させるように構成されてもよく、または動作可能であってもよい。コア引き出し手段、機構、または装置は、コアを包含するスリーブを引っ張るもしくは引き出すためのモーターおよび搬送手段またはコンベヤーを備えてもよい。搬送手段は、一つ以上(一組または一対など)の引張ローラーを備えてもよい、引張装置を備えてもよい。コア切断手段は、コア押出成形機またはコアダイまたはコア引き出し手段、またはこれらの任意の組み合わせの下流であってもよい。
【0039】
疑義を避けるために、本明細書に記載の特徴のうちのいずれもが、本発明の任意の態様に等しく適用される。例えば、エアロゾル発生物品は、エアロゾル透過要素または一連のエアロゾル透過要素の任意の一つ以上の特徴を含んでもよく、またはその逆であってもよい。方法は、エアロゾル透過要素、一連のエアロゾル透過要素、またはエアロゾル発生物品の一つ以上の特徴に関連する任意の一つ以上の特徴または工程を含んでもよい。
【0040】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、前述の方法の一つ以上の工程を実施するためにプロセッサに手順を実行させるためのコンピュータ可読プログラムコード手段を含むコンピュータプログラム要素をさらに備えてもよい。
【0041】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、コンピュータ可読媒体上に具体化されたコンピュータプログラム要素をさらに備えてもよい。
【0042】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、コンピュータ可読媒体に保存されたプログラムを有するコンピュータ可読媒体をさらに備えてもよく、ここでプログラムは、前述の方法の一つ以上の工程を実施するための手順をコンピュータに実行させるように配設されている。
【0043】
他の特徴と組み合わせて、特定の実施形態は、前述のコンピュータプログラム要素またはコンピュータ可読媒体を含む、制御手段、または制御システム、またはコントローラをさらに備えてもよい。
【0044】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般的に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0045】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、例えば加熱、燃焼、または化学反応によって、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。
【0046】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態の微粒子)、ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0047】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0048】
本明細書で使用される「エアロゾル透過要素」という用語は、エアロゾルが要素を部分的または完全に透過することを可能にする要素を記述するために使用される。典型的に、エアロゾル透過要素は、フィルター、スペーサー、または冷却要素であるが、これに限定されない。エアロゾル透過要素は、機能の組み合わせを有してもよい。
【0049】
本明細書で使用される「スリーブ」という用語は、部分的または全体的なカバーを記述するために使用される。理想的には、エアロゾル透過要素のコアの長軸方向の外表面を部分的に覆う。本明細書で使用される「コア」という用語は、エアロゾル透過要素のスリーブによって少なくとも部分的に覆われたエアロゾル透過要素の内側部分を記述するために使用される。
【0050】
「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生物品の本体を通して遠位の先端の端からマウスピース端に引き出される際の吸入気流の方向に関して記述される、エアロゾル発生物品の要素の相対的な位置を指す。言い換えれば、本明細書で使用される「下流」は、喫煙物品またはエアロゾル発生物品の使用中に気流に関連して定義され、物品のマウスピース端は、空気およびエアロゾルが通って引き出される下流端である。マウスピース端の反対側の端は上流端である。
【0051】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0052】
本明細書の記述および特許請求の範囲全体を通して、「備える」および「含む」およびそれらの変形は、「含むが、これらに限定されない」を意味し、その他の部分、添加物、構成要素、整数または工程を除外することを意図しない(および除外しない)ことを意味する。本明細書の記述および特許請求の範囲全体を通して、単数形は複数形を包含するが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、複数ならびに単数を企図するとして理解されるべきであるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。
【0053】
本出願の範囲内で、先行の段落、請求項、記述および図面、ならびに特に、その個別の特徴において提示された様々な態様、実施形態、実施例、代替物は、独立してまたは任意の組み合わせで用いられてもよいことが明示的に意図されている。すなわち、こうした特徴が不適合でない限り、すべての実施形態または任意の実施形態の特徴を任意のやり方で組み合わせることができる。疑義を避けるために、本明細書で使用される「してもよい」、「および/または」、「例」、「例えば」および任意の類似の用語は本明細書で使用される場合、そのように記述された任意の特徴が具体的に提示される必要はないという非限定的な用語として解釈されるべきである。実際、随意の特徴の任意の組み合わせは、本発明の範囲から逸脱することなく、これの特徴が明示的に特許請求されるかどうかにかかわらず、明示的に想定される。出願人は、適宜に任意の元の出願された請求項を変更する、または任意の新しい請求項を出願する権利を留保し、この権利には、本来はその方式で特許請求していなかったものの、任意のその他の請求項の任意の特徴に従属するまたはこれを組み込むために、任意の元の出願された請求項を修正する権利を含む。
【0054】
ここで、例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル透過要素の斜視図である。
図2図2は、本発明の別の実施形態によるエアロゾル透過要素の断面図である。
図3図3は、本発明の実施形態によるフィルター製造装置の概略図である。
図4図4は、図3のフィルター製造装置の一部の概略図である。
図5図5は、フィルターロッドが図3の装置によって切り離される場合がある位置を図示する。
図6図6は、本発明の実施形態によるコア形成機の概略図である。
図7図7は、図6のコア形成機のコアダイを通した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
ここで図1および図2を参照すると、エアロゾル発生物品(輪郭線で示す)で使用する、本発明の実施形態によるエアロゾル透過要素またはフィルター部品1、1’の二つの変形例が示されている。フィルター部品1、1’は、押出成形された高分子フィルター材料のエアロゾル透過性コア2を、コア2を包囲する押出成形された高分子スリーブ3内に含む。
【0057】
コア2は、その中に特徴付けられた複数の経路21を有し、図2に示す構成はまた、その外表面に特徴付けられた複数のチャネル22を含む。経路21およびチャネル22は、コア2の軸方向長さL1に沿って延びる。コア2は、距離L1だけ相互から離隔した第一の端面23および第二の端面24を有する。コア2は、この実施形態においてポリ乳酸(PLA)材料から形成されていて、5ミリメートルの直径Dを有する。
【0058】
スリーブ3はコア2を包囲し、かつコア2と一体的に形成されていて、またこの実施形態においてポリ乳酸(PLA)からも形成されている。スリーブ3は、1ミリメートルの壁厚さWおよび軸方向長さL2を有する。スリーブ3の長さL2は、フィルター部品1、1’がコア2の第一の端面23を超えて中空端4を有するように、コア2の長さL1より長い。コア2の第二の端24は、スリーブ3の端面と整列している。コア2の外表面におけるチャネル22は、スリーブ3の内部表面と一緒に、経路25を画定する。
【0059】
使用時に、フィルター部品1、1’の中空端4は、エアロゾル発生物品の一部がその中に据え付けられて、エアロゾル発生物品とフィルター部品1、1’の間に、ある程度の重なり合う界面を提供することを可能にする。スリーブ3の内部表面は、エアロゾル発生物品の別の部分との摩擦嵌めを提供してもよい。一部の実施形態において、エアロゾル発生物質が中空端4内に包含されるように、スリーブ3はエアロゾル発生物品の全長に延びる。
【0060】
ここで図3および図4を参照すると、上述の通りのフィルター部品1、1’を製造するための装置100が示されている。装置100は、コア供給部110を含み、これはコア2を所定の速度S1で押出成形ダイ120を通して供給する。押出成形されたスリーブ材料は、スクリュー押出成形機125からダイ120を通して連続的に供給され、コア2上に配置されて、連続的な長さのフィルターロッド5を形成する。フィルターロッド5は、コア供給速度S1より大きい速度S2でダイ120から引き出される。この速度の差(S2-S1)は、押出成形されたスリーブ材料内の連続する複数のコア2の間に空間を作り出す。そのように形成されたフィルターロッド5は、引き出し機構140を使用してダイ120の下流の冷却ユニット130を通して、そしてフィルターロッド5の連続的な長さを切り離すための切断ステーション150の上に引き出されて、複数のフィルター部品1、1’を製造する。
【0061】
フィルター供給部110は、コア供給速度S1を提供するように、速度R1で回転するように構成された一対の向かい合った逆回転の供給ローラー111、112を有する。図4に、より明瞭に図示する通り、供給ローラー111、112の下流に供給管113が提供されている。供給管113は、コア2の直径Dよりわずかに大きい内径を有する。供給管113は、ダイ120の中に供給される際に各それぞれのコア2を正しく位置付けるように構成されていて、かつダイ120の上流側と下流側の両方から突出する。ダイ120は、供給管113が通る中央開口部121を有する。ダイ120はまた、環状チャンバ123の中に供給し、かつ環状通路124を通して出る供給チャネル122も有する。環状チャンバ123および環状通路124は両方とも、中央開口部121を包囲する。押出成形機125は、溶融されかつ環状チャンバ123の中に供給される原材料を押出成形機125に供給するためのホッパー126を有する。原材料は、この実施形態においてポリ乳酸(PLA)樹脂の形態である。
【0062】
ダイ120の下流は冷却ユニット130であり、これは、冷却媒体(この実施形態において水132)を包含するタンク131を含む。押出成形された材料は、ダイ120の環状通路124から、タンク131の壁の中の冷却入口133の中に、および水132の表面の下にある直径検証装置134を通して引き出される。直径検証装置134は管状であり、フィルターロッド5の直径と実質的に同一であり、かつ環状通路124の直径より実質的に小さい内径を有する。そのため、押出成形された材料は、ダイの環状通路124からタンク131の冷却入口133に通る際に、円錐管を形成する。
【0063】
引き出し機構140は冷却ユニット130の下流であり、かつ冷却ユニット130を通過した後にフィルターロッド5を受容するように配設された、一対の向かい合った逆回転の引張ローラー141、142を含む。引張ローラー141、142は、それらの間にフィルターロッド5を受容し、冷却ユニット130を通してフィルターロッド5を引き出し、速度S2で切断ステーション150に向かってフィルターロッド5を搬送する。切断ステーション150は、入口151と、フィルターロッド5をフィルター部品1、1’に切断するためのカッター(図示せず)と、フィルター部品1、1’が通って排出される出口152とを有する。
【0064】
使用時に、コア2は供給ローラー111、112によって供給管113の中に供給される。供給管113の中に供給された各々の連続的なコア2は、他のコア2を装置100の搬送方向に沿って、ダイ120の中に押す。コア2が搬送されると、それらはダイ120を通過し、タンク131の冷却入口133に入る際に、供給管113を出て円錐状の管状押出成形物の中に入る。ダイ120の環状通路124からのスリーブ材料は、各コア2に接触し、かつタンク131の冷却入口133に入る際に、速度S2で引き出される。このように、コア2は、ダイ120から押出成形されたスリーブ材料と接触する際に、速度S2でタンク131の冷却入口133の中に引き出され、これはフィルターロッド5の中の連続する複数のコア2の間に空間を作り出す。
【0065】
フィルターロッド5が引き出し機構140によって冷却ユニット130を通して引き出される際に、冷却ユニット130は押出成形されたスリーブ3を冷却し、かつ固化する。フィルターロッド5はまた、フィルターロッド5の直径が正しいことを確実にする直径検証装置134も通して引き出される。その後、フィルターロッド5は、入口151を通して切断ステーション150の中に供給され、そしてフィルター部品1、1’を形成するように切断され、その後、出口152を通して切断ステーション150から出る。
【0066】
ここで図5を参照すると、フィルターロッド5は、コア2の中点でコア2およびスリーブ3を通る第一の切断を提供し、そして隣接する複数のコア2の間の空間の中点でスリーブ3を通る第二の切断を提供することによって、規則的なセグメントに切断されてもよい。この切断配設は、コア供給部110で装置100に供給されたコア2の長さの半分である長さL1を有するコア2を有するフィルター部品1、1’を製造する。この切断配設はまた、L1より長い長さL2を有するスリーブ3を製造する。そのため、フィルター部品1、1’は、コア2の第一の端23に隣接した中空端4と、スリーブ3の端面と整列したコア2の第二の端24とを有する。別の方法として、装置100に供給されたコア2は、L1と等しい長さを有してもよく、フィルターロッド5のスリーブ3は、各々の連続するコア2の第二の端24に隣接して単純に切断される。
【0067】
図6および図7は、装置100で使用する随意のコア形成機200を示す。コア形成機200は、コアダイ220を通して連続的な押出成形されたコア6を形成する押出成形機210を含む。押出成形されたコア6は、コア引き出し機構240を使用して冷却ユニット230を通してコアダイ220から引き出される。コア引き出し機構240の下流で、押出成形されたコア6はコア切断ステーション250の中に供給され、これは押出成形されたコア6を切り離して装置100への供給のために複数のコア2を製造する。
【0068】
コア押出成形機210は、原材料(この実施形態においてポリ乳酸(PLA)樹脂)をコア押出成形機210に供給するためのホッパー211を有する。コア押出成形機210の下流端には、コアダイ220につながる流路212がある。コアダイ220は、オス部品221と、押出成形品の外表面を画定する外壁223によって特徴付けられたメス部分222とを有する。オス部品221は、支持要素(図示せず)によってメス部品222内に支持され、かつ押出成形品内に経路21を作り出すための円形断面を各々が有する複数のコア部材224を有する。円形状のコア部材224は一緒に、押出成形品6に沿って経路21を形成するように、星型パターンを画定する。コアダイ220は、コア押出成形機210の出口から溶融材料を受容するためにコア押出成形機210の出口に取り付けられる。随意に、オス部品221は、コア部材224が押出成形品内にらせん状経路またはらせん形経路21を作り出すように、メス部品222内で回転してもよい。経路21のつる巻角は、押出成形品の引き出し速度に対するオス部品221の回転速度によって制御されてもよい。
【0069】
コアダイ220の下流には冷却ユニット230があり、これは装置100の冷却ユニット130と同様に、中に冷却媒体を有するタンク231を含む。押出成形された材料60は、引き出し機構240によって押出成形機210からタンク231の壁の中の冷却入口232の中に引き出され、これが上述のスリーブ押出成形プロセスと類似の様態で円錐状の押出成形品60を形成させる。引き出し機構240は、押出成形されたコア6を冷却ユニット230から引き出すように配設された一対の向かい合った逆回転の引張ローラー241、242を含む。引張ローラー241、242は、押出成形されたコア6をコア切断ステーション250の中に搬送し、これがコア押出成形品6を個別のコア2に切断する。
【0070】
使用時に、コア2を形成するための原材料は、ホッパー211から押出成形機210を通して供給される。押出成形されたコア材料60は、引き出し機構240によって冷却ユニット230を通して引き出され、これがコア材料60を冷却かつ固化し、さらなる加工のために準備が整えられたコア押出成形品6にする。コア押出成形品6は、引き出し機構240の引張ローラー241、242によって引き出され、そして切断ステーション250に供給される。
【0071】
コア形成機200は、図3および図4に示すコア供給部110の上流に位置付けられてもよい。コア切断ステーション250の出口252にて製造されたコア2は、コア供給部110の入口に供給されてもよい。他の実施形態において、コア形成機200は装置100から完全に分離されている。
【0072】
一部の実施形態において、コア形成機200は、コア切断ステーション250を有しなくてもよく、その代わりに押出成形されたコアはロール上に保存されてもよい。このような場合、装置100は、供給前にコア2を形成するように、コア供給部110の上流にコアカッターを有してもよい。その他の配設も想定される。
【0073】
一つ以上の加工パラメータを変更することによって、フィルター部品1、1’のパラメータが変化する場合があることは、当業者によって理解されるであろう。例えば、スリーブ3の厚さは、引き出し速度S2と、押出成形された材料が押出成形機125によって供給されるレートとの間の関係を修正することによって、増大または減少する場合がある。
【0074】
このように、本発明は、その特徴を広範囲にわたって変化させることができるエアロゾル透過要素1を製造する様々な手段を提供する。
【0075】
前述の実施形態の幾つかの変形が本発明の範囲から逸脱することなく想定されることは当業者によって理解されるであろう。例えば、冷却ユニット130、230の中の冷却媒体は、水であると記述される。これはそうである必要はなく、その代わりに任意の適切な冷却媒体が使用されてもよい。押出成形されたスリーブ3およびコア2は、上述のものと異なる材料で形成されてもよい。追加的に、または別の方法として、コア2は発泡性材料で形成されてもよいが、必ずしもそうである必要はない。
【0076】
また、前述の特徴または添付図面に示された特徴の任意の数の組み合わせは、先行技術よりも優れた明確な利点を提供し、従って本明細書に記載の本発明の範囲内であることも当業者によって理解されるであろう。
【0077】
実施例
1.エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル透過要素であって、エアロゾル透過要素は、一体的にその周りに形成されたスリーブ内にエアロゾル透過性コアを備え、コアが、一体的に形成されたスリーブより短い、エアロゾル透過要素。
2.コアがスリーブの長さの半分未満である、実施例1に記載のエアロゾル透過要素。
3.スリーブが高分子押出成形品を備える、実施例1または実施例2に記載のエアロゾル透過要素。
4.コアが、それに沿って特徴付けられた一つ以上の経路を有する発泡性の高分子押出成形品を備える、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル透過要素。
5.スリーブがポリ乳酸材料を含む、実施例1~4のいずれかに記載のエアロゾル透過要素。
6.コアがポリ乳酸、アセテート、またはセルロース材料を含む、実施例1~5のいずれかに記載のエアロゾル透過要素。
7.スリーブが0.3ミリメートル~3ミリメートルの壁厚さを備える、実施例1~6のいずれかに記載のエアロゾル透過要素。
8.コアが4ミリメートル~7.5ミリメートルの直径を備える、実施例1~7のいずれかに記載のエアロゾル透過要素。
9.実施例1~8のいずれかに記載のエアロゾル透過要素を備えるエアロゾル発生物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7